deep justice canyon(35)

-おどりゃクソの森-


「やらない夫ー!大変だおー!?」

「落ち着けやる夫。何があったのか詳細に言ってくれだろ」

「こ、こ、こ、こ、こぉ~」

「なんだ?ジャムじいさんとこの犬でも撃ったのか」

「子供を撃ってしまったお……」



「え?」



推薦イントロ曲:OZORA / ミカヅキ交響楽団

-ラディッシュ保安官事務所-


「沢越やらない夫」

  
保安官の制服を着たスキンヘッドの21歳ぐらいの青年が親しげに沢越やらない夫の名前を留置場の柵越しに呼んだ。  


沢越やらない夫「ジェイク……もう時間か」


スキンヘッドの青年こと保安官助手を勤めるジェイク・アスノはフリットの59番目の息子でありやらない夫とは幼なじみである。


ジェイク・アスノ「そうじゃない。ただ世間話をしに来ただけだ」

やらない夫「そうか……」


覚悟決めたかのような顔して体躯座りをしているやらない夫を見ていたたまれない気持ちになりながらどうすることも出来ない無力感にジェイクはさいなまれていた。


何よりも今回の一件はかなりまずかった。

自分の息子を留置場にぶち込み
護送し法的機関の裁きでフリットとその家族の怒りを鎮めて自らの立場を守るという決断だった。

止的によく自分に楯突いてくるやらない夫を社会的抹殺できて一石二鳥だった。

ジェイクは父親であるフリットや他の兄弟達を説得しようとしたものの


アスノ・ブラザーズ「アイツが消えれば俺達の天下だぜーヒャッハー!!」


と聞く耳を持たずフリットは


フリット「仕方あるまい……」  

とだけ言ってレインのそばで頭を撫で続け保安官でありやらない夫とやる夫の父親でもある止は

止「ごちゃごちゃ言うなよジェイク。決まった事は変えようがないから諦めろ」


と言うだけだった。

ジェイク「俺がもう一度父さんを説得してみるからそれまで我慢してくれ」

やらない夫「悪いなジェイク……だがもうそんな事しなくていい」

ジェイク「“お前がどんだけ落ちぶれても俺達は親友だ”」

やらない夫「懐かしい言葉だろ」

ジェイク「俺が、押し入り強盗したって疑われ留置場にぶち込まれた時に唯一お前だけが庇ってくれた」

やらない夫「あの当時は結構荒れてたな~互いにさっきの言葉は留置場にぶち込まれて数日後面会に来た時の言葉だったかな?」


ジェイク「違うぞ、俺が面会拒絶したから外で留置場に聞こえるぐらいの大声でお前が叫んだ言葉だ」

やらない夫「はははは……今思い返すとかなり恥ずかしいだろ」

ジェイク「だがそのおかげで落ちぶれず今はこうして保安官助手をしているんだ」

やらない夫「……」

ジェイク「絶対に俺はお前を見捨てたりなんかはしないだからやらない夫。希望捨てないでくれ」

やらない夫「ありがとうだろ」


体育座りをしていたやらない夫と柵越しにいるジェイクは互いの右腕をクロスさせ友情を確かめあった。

-沢越家 やる夫の部屋- 


やる夫「これと……後はこいつを入れて……」


やる夫は自分庇って留置場にぶち込まれたやらない夫を助ける為に準備していた。


なけなし貯金で通りすがりの黒コートに身を包んだ小柄の男から買った銃器と近くのナイフショップで揃えたサバイバルナイフに、スーパーで買ってきた食料品などをリュックサックに積めている最中であった。


やる夫「よし……準備が整ったお」


ピンポーン


止「おーい白餅頭何してんだとっと開けろよ」


やらない夫を躊躇なく留置場にぶち込んだクソ親父沢越止、まさかの帰還。

やる夫は息を整え玄関を開けた。

やる夫「お帰りだお」

止「へへへへ~帰宅だ~」

止はウォッカを片手にほろ酔い気分で台所に向かった。

やる夫は今すぐにでも止を撃ちたかったが、一応父親であることがそれを止めた。


止「やる夫!水をくれだろ!!とっといれろバカヤロー!!」

やる夫「わかったお……」


やる夫は呆れつつ冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出しそれをガラスコップにいれた。


やる夫「どうぞだお」

止「ありがとうよぉ~」


止はコップに入ったミネラルウォーターを一気に飲みそのまま玄関先に向かって行った。


やる夫「どこに行くんだお?」

止「今からやらない夫を刑務所送りにするんだよ。お前も来るか」

やる夫「っ?!」


やる夫は止の言葉に驚愕した。

止はおちゃらけた口調でにやつきながら続けた。


止「こういう問題はすぐにカタをつけなきゃダメなワケでさっき市長と話してよぉ~とっと護送して裁判やって後は刑務所送り~」

「市長のメンツは保たれ俺の立場も守られるしまぁ犯罪者の父親ていうレッテルを貼られるかもしれないがそれは絶縁状を書いて万事解決~」

やる夫「……」


やる夫は止の薄情ぷりに言葉を無くした。

止「じゃあ、そういうワケだから行ってくるわ~一応アニキに最後の挨拶したいならついてくるか?」

やる夫「いや……やる夫はやらなくては行けないことがあるから行かないお」

止「そうか~お前も結構薄情だな!!ガハハハハ」


止は機嫌よく高笑いしながら玄関を出て鼻歌を口ずさみながらエンジンかけパトカーを動かした。

やる夫はパトカーのエンジン音が徐々に聞こえなくなった瞬間にリュックサックを背負いすぐガレージに向かった。  


※15:49か22:50頃に続きを書きます。

-ラディシュ保安官事務所-


ジェイク「ちょっと待ってく下さい、やらない夫の護送は明日じゃないですか?!」

止「仕方ないだろ……オマエとこの親父さんが今すぐに裁判所に送れって言ったんだからよ」

ジェイク「ですが……」

止「妹撃ったヤツを庇うのか?うん?」


ジェイク「……」


ジェイクは唇を噛み締めながら悔しそうな顔で見つめたが止はそれを無視してやらない夫の元へ行き、手錠を掛け護送官に引き渡した。


ジェイク(すまない……許してくれ)


ジェイクは悔しさと申し訳なさで心が張り裂けそうだった。

そんなジェイクの心を見透かしたかのようにやらない夫は小声で 


やらない夫「ありがとうジェイク」 


と言い護送官に外に連れ出され護送車に乗せられた。

 
止「あばよぉ~」


止は笑顔で手振りながら裁判所に向かう護送車を見送った。


ジェイク「……」

止「おい、パトロールに行ってビールでも買ってこいよ~ジェイクついでに俺のも買ってきてくれ」   


止は意気消沈しているジェイクにパトロールとパシりを命令した。 

ジェイクは無言で頷きパトカーに乗って町に向かった。

-エイジタウン アポカリプスショップ-

カラコロン


「らっしゃい」

ジェイク「ボトルでビールを二つ」

「変わった事もあるもんだな~まだ勤務時間なのによ」


アポカリプスの店主はジェイクに珍しいそうな顔で尋ねた。


ジェイク「ちょっと色々あって……今ここにいるワケです」

店主「ふーん」


何かを察した店主は後ろの冷蔵庫からボトルのビールを二つ取り出しジェイクに渡した。


ジェイク「代金は……」    

店主「いいよいいよ。今日は特別にタダにしといてやるからまた顔見せに来てくれ」

ジェイク「ありがとうございます」

ジェイクは頭を下げて礼を言うと店を出た。


店主「やっぱり……どうにもならなかったか」

カラコロン


店主「らっしゃ……い」

?「よぉオッサン。いきなりでわるいけどよ服とハジキとかよこせ」

店主「……あっうん用意するから奥に来てくれ」 

?「恩に着る」


店主の目の前に現れたのは血まみれで全裸のレインだった。

明日、15:35頃か22:05もしくは:50辺りに続きを書く予定。

-アポカリプスショップ 店主の部屋-
 
  
店主「で……誰をヤったんだ一体」

レイン「う?」


店主はタバコを吸いながらタオルで身体をふくレインに質問した。


レイン「確か……え~となぁアスノ家の四番目の息子で禿てるデカい奴」 

店主「へぇ……アスノ家っ?!」

レイン「何驚いてんの」


店主は、焦った表情でタバコの火を消し背後の窓のカーテンを急いで閉めた。


店主「お前、自分が何したのか解ってんのか!!」

レイン「勿論」

店主「なんでお前はこうも面倒ごとばかり起こすんだよ~」

レイン「しゃぁないじゃん。やらないちゃいけない事があるんだから」

店主「やらなくちゃいけない事?」

レイン「簡潔に言えば……」


常人は出来ない速さで子ども用ブルージーンズと黒いランニングシャツ、紺色のロングレザージャケットを着服し


レイン「弔い合戦」


とだけ言いそのまま店主の顎目掛けてアッパーカット決めた。


レイン「色々ありがとさん」


と言って部屋の二階に上がって行った。

-車道-  


護送官1「それにしても……ツイてねぇなフリットさんとこのガキを撃っちまうなんて」

護送官2「ドゥフwwwwワガハイ聞いた話によりますとwwww撃たれたのは隠し子らしいでシュwwww」

護送官1「隠し子か~あんな真面目そうな人がねぇ」

護送官2「しかも風の噂では病死した奥さんを蘇らせる為に“黒魔術”に傾倒していたかwwwwテラワロタwwww」

護送官1「人は見かけによらずか……」


キィイイイ~ガシャーン


突如として車道の横にある森から薄緑色のシボレーシェベルSS
ハードトップ(1969)が護送車に突っ込んできた。

-二分前の車道 右斜線- 


やる夫「よ~しやらない夫!絶対助けてやるお!!」


やる夫は4ドア改造仕様の灰色のフォードマスタング(5代目)に乗って黒い目出し帽被り右斜線で待ち構えていたが 


やる夫「よし……なっ」


やる夫がマスタングで護送車に突っ込む前に薄緑色のシボレーSSが森の中から現れ激突したのだった。

-車道-


やらない夫「いたたた……何が起きたんだ?」

護送官2「ドゥフフフwwwwイタスギwwwwワロタ」

?「ほぁった!」

護送官2「あごほぉっ?!」
 

血まみれで両腕複雑骨折してる護送官2はうなじにかかと落としをくらわされハンドルに顔面強打し気絶した。


?「ヨッコイしょうへい」

やらない夫「君は……確か病院に居るはずだろ」

?「へぇ~珍しい撃ったヤツの顔覚えてんのか」


やらない夫が後席と前席の間の鉄格子から見えた襲撃者の顔はグラサン掛け、髪が赤茶から黒茶色に変わったレインだった。

レイン「アンタ名は?」

やらない夫「え……」 
  

レインは動揺の色を隠せない表情のやらない夫に名前を尋ねた。  


やらない夫「沢越……やらない夫」

レイン「やらない夫か~良い名だね~」

やらない夫「ありがとうだろ」

レイン「ちょっと左右どっちでも良いから張り付いて」ジャコン!

やらない夫「へぇ?」


レインは背中に背負っていたイサカM37ポリス・ピストルグリップ(レインカスタム)を取り出し後席の真後ろのドアを破壊した。


レイン「ケガは?」

やらない夫「無いだろ……」

レイン「よーしそんじゃこのデブとチンピラみたいなお巡りさんを車内から引きずり出すから手伝って」

やらない夫「わかっただろ」

やらない夫は本能的にレインの行動を手伝うことにした。

-5分後-

レイン「いやはや~救急パックを持ってきてよかったー」 
  
やらない夫「」ジー

レイン「どうした?」

やらない夫「いや、何でも無いだろ」

やらない夫は救急パックを使って一瞬にして護送官コンビを手当てしたレインに驚きを隠せなかった。


レイン「とりあえず、ホラよ」

やらない夫「うごっ?!」

レインは黒の業務用鞄をやらない夫に投げて渡した。

やらない夫はみぞおちに入った業務鞄を何とか両腕で掴み取った。


レイン「もしかしたら車が爆発するかも知れないからこいつらを遠くに置き去りに……ゴメンみ痛かった?」

やらない夫「ゲホゲホ……大丈夫心配しないでくれ」


レインはやらない夫を気にかけながら両体重合わせて150キロある30代ぐらいの男性二人を背中に抱えながら車道から離れようとしたが

アスノ・ブラザーズ「おいオマエ等、やらない夫がいたぞ!殺っちまえー!!」

ブラザーズ・その他大勢「ヒャッハー!!」

やらない夫「どうゆう状況なんだろコレ?!」


何故か車道にいたアスノ・ブラザーズがやらない夫を見つけるや否やいきなり発砲し始めたのだった。


レイン「チッ……ワルいけど降ろすね」  

護送官2「オロサレタwwwwプギャーwwww」

護送官1「デュフフフwwww幼女ケツサイコwwww」


意味のわからない事をほざく護送官二人を車道に降ろすと両脇に下げたショルダーホルスターから2挺のテンレス製のH&K Mk-23(レイン)をアスノ・ブラザーズ目掛け両手で、乱射し始めた。

10:32か11:45もしくは20:05や22:50辺りに出来たら続きを書く予定で

または明日、水曜日22:50頃に書きます。

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