モバP「プロダクションを建ててフェスで勝とう」(450)

P(アイドルのプロデュースに夢見てプロダクションを建てて約半年……。)

P(所属アイドルが佐城雪美、小早川紗枝、浜口あやめ、喜多見柚、桃井あずき、望月聖の6名…。)

ちひろ「………」

P(フェスも終盤か……。)

prrrr……

ちひろ「Pさん、メール来てますよ。」

P「えっ!あ、ありがとう確認するよ。」

P(ん、これは……)ポチポチ

『 Pさんお疲れ様!

  4回戦凄かったね!あたしも見てて思わずヒートアップしちゃった!
  次の戦いに勝てば、決勝進出だね!
  あたし……応援してるから。心細くなったらいつでも電話してね?

                      原田美世』

P「………………」

ちひろ「どうしたんですか?」

P「いえ、何でも無いですよ……。」

ちひろ「次はいよいよ5回戦ですね、これに勝てば決勝進出ですよ。」

P「えぇ、それはCuteプロも同じ条件ですからね。あっちも本気で来るでしょう。」

ちひろ「Cuteプロは今の所、Passionプロ、Coolプロの両方に負けてます。」

ちひろ「3大プロダクションの中では一番下って事になるんですかね?」

P「そうでも無いですよ、CuteプロはマラソンやアイドルサバイバルではCoolプロやPassionプロに勝ってますからね。」

ちひろ「そうなんですか……、何だか不気味ですね。」

P「それにCuPは3人の中で敵に回すと一番厄介ですよ……。」

ちひろ「なんだかまだまだ気は抜けないんですね。」

P「3大プロダクションと比べるとこっちは弱小ですからね……、浮かれてる余裕は無いですよ。」

ちひろ「Pさん……、そうですね!」

P(一応ルール資料を見なおしておくか……、ここに来てヘマはしたくないしな、)

 ・試合期間は2日間。

 ・LIVEバトルに参加するのはフロントメンバーのみとする。バックメンバーを含まない。

 ・1試合に行われるLIVEバトルは攻守一回づつとする。

 ・1試合の時間は20分。10分で攻守交替とする。

 ・1試合後のファン投票数の合計が多い方が勝者とする。

P「……本戦のフェスのルールはこんなもんか。うん、まぁ特におかしな所はないな。」

P(現在の状況も確認しておこう。)

四回戦終了時の結果

 モバイルプロダクション:勝ち点 5
 Cuteプロダクション  :勝ち点 5
 Coolプロダクション  :勝ち点 8
 Passionプロダクション :勝ち点 4

 Nプロダクション    :勝ち点 6
 Sプロダクション    :勝ち点 2

五回戦組み合わせ(勝利チームには勝ち点4)

 第1戦 Sプロ VS Passionプロ
 第2戦 モバプロ VS Cuteプロ
 第3戦 Nプロ VS Coolプロ

P「…………」

ちひろ「そういえばPさん。今回も秘策はあるんですか?」

P「Passionプロに勝ったのはテンションの波が荒い相手の特徴を利用しただけです。」

P「Cuteプロには同じ作戦は使えませんよ。」

P「皆の力を信じて、正攻法でぶつかる以外ない……。」

ちひろ「正攻法ですか……、となるとやっぱり聖ちゃんと雪美ちゃんのデュオですよね?」

P「えぇ、そうですね。でも、聖が出ている事はPassionプロの戦いで知れ渡ってしまっています。」

P「何か対策を打たれていなければ良いんですが……。」

ちひろ「大丈夫ですよ!聖ちゃんと雪美ちゃんなら並みの妨害にあっても通用しません!」

P「今回はこちらが先攻です。攻撃時にどれだけファンを稼げるかがポイントになってきますね。」

ちひろ「聖ちゃんは攻撃向きですからね……。」

P「それにしても、試合までは結構時間があるな……。」

ちひろ「えぇ、Passionプロの試合の後にお昼休憩を挟みますからね。」

P「ちひろさん、俺ちょっとPassionプロの試合を見に行ってきます。」

ちひろ「え?控室のテレビで見ないんですか?」

P「何となくですが……、今回は観客席から直接見たくなりましたんで。」

ちひろ「わかりました、行ってらっしゃい。」

また間が空いてしまったのですが、前に立てた

モバP「プロダクションを建ててフェスへ行こう」

というスレの続きです。

モバプロ所属のアイドル

小早川紗枝(15)
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佐城雪美(10)
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浜口あやめ(15)
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喜多見柚(15)
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桃井あずき(15)
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望月聖(13)
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サブキャラの方々

原田美世(20)
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鷹富士茄子(20)
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イヴ・サンタクロース(19)
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木場真奈美(25)
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向井拓海(18)
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十時愛梨(18)
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------ モバイルプロダクション観客席

『それではただいまより、五回戦第一試合を開始します』

『Passionプロダクション オレンジサンシャイン 対 Sプロダクション サイバネティックムーン の対決です!』

『先攻はPassionプロダクションになります!』

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

P(やっぱりステージ裏から見るのと観客席から見るのでは大分イメージが変わるな。)

P(Passionプロがいかに凄いかよくわかる……。)

P(本田未央のカリスマ性、それに十時の人気もやっぱり凄いな……他のメンバーも隙が無い。)

P(Sプロも凄いが……流石に相手にならないか……。)

P(……しかし、所属しているアイドル達の実力的に言えば、Cuteプロも負けていない。)

P(Passionプロも、Coolプロも基本的にオーダーに変更は無いみたいだな。)

P(Cuteプロも同じと考えるべきかな……。)

------ Passionプロダクション ステージ

『そこまで、試合終了!!』

『勝者!Passionプロダクション オレンジサンシャイン!!』

未央「えへへっ!最後の試合、しっかりと勝利で飾れたねっ!」

唯「PaPちゃんに良いとこ見せたいからねっ!ゆいもこれからは全力だよーっ!」

莉嘉「はぁ~、やっぱりLIVEは楽しいなぁ~☆」

藍子(雪美ちゃん達に負けた事で、皆、一段と成長できてる……。)

藍子(……私も負けてられませんっ!)

愛梨(なんだろ、今のLIVE……私、すごいドキドキして……)キョロ キョロ

愛梨(……あっ、やっぱりPさんが見ててくれたんですねっ!)

愛梨(Pさーん!えへへ、こっち向いてくださーい♪)ピョン ピョン

莉嘉(愛梨ちゃん、何してんだろ?)

------ モバイルプロダクション観客席

P「……終わったか。」

P(今から昼休憩か……。何か買いに行こうかな。)

愛梨「Pさ~ん!」

P「ん?十時じゃないか、なんでここに?」

愛梨「えへへっ!さっきの私のステージ、どうでした?」

P「あぁ、良いステージだったよ。さっきの勢いだったら俺達は勝てなかったかもな。」

愛梨「Pさんも盛り上がってくれてたら……きっと成功かなぁって思います!」

P「俺が居なくても成功だと思うけどな。」

愛梨「あの……Pさん、お昼食べました?」

P「いや、まだだけど……。」

愛梨「それなら私と一緒に食べませんか?」

P「なんでだよ、Passionプロの皆と一緒に食べて来いよ。」

愛梨「Pさん、2人きりでご飯って……なんだかいい雰囲気だと思います!」

P「……話聞けよ。」

------ モバイルプロダクション 控室

ガチャッ

P「……今戻りました。」

ちひろ「お疲れ様です。どうでした?Passionプロの試合は?」

P「…………」

ちひろ「Pさん、どうしたんですか?怖い顔して?」

P「……いえ、何でも無いです。」

ちひろ「……Pさん?」

P「ちょっと考え事ですよ。」

ちひろ(いつもの調子に戻った……。でも、あの一瞬見せてた表情は何なのかしら?)

ちひろ「……そう言えばCuteプロのオーダー表が届いてますよ。」

P「わかりました、確認します。」

Pinky loves(Cuteプロダクション) オーダー表

 リーダー:
  島村卯月

 攻フロントメンバー:
  輿水幸子
  小日向美穂
  三村かな子

 防フロントメンバー:
  前川みく
  安部菜々
  櫻井桃華
  佐久間まゆ

ちひろ「今回も強敵ぞろいですね……」

P「どういうことだ……。」

ちひろ「どうしたんですか?」

P「何故、攻撃メンバーが4人しかいないんですか?」

ちひろ「あっ!?言われてみれば!」

島村卯月(17)
ttp://i.imgur.com/1P1lkrt.jpg

輿水幸子(14)
ttp://i.imgur.com/ZOGJlH6.jpg

小日向美穂(17)
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三村かな子(17)
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前川みく(15)
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安部菜々(永遠の17歳)
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櫻井桃華(12)
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佐久間まゆ(16)
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P「さっきまでのLIVEバトルでは五十嵐響子が入っていたはずなのに……。」

ちひろ「舐められてるって事ですか?」

P「いえ、そういう事じゃないでしょう……。」

ちひろ「と、とりあえず次の試合まではまだ時間はあります。今のうちにどういう意味かを考えないと!」

P「……その前にみんなを探しに行ってきます。」

ちひろ「あっ、本当ですね。また皆遊びに行っちゃってますね……。」

P「ちひろさんはまた留守番をお願いします。」

ちひろ「はい、わかりました。」

P(何を考えてるんだCuP……)

------ 会場廊下

CoP「まさかお前達が負けるとはな……。」

PaP「何言ってんだ、決勝まで当たらないPのチームをずっとマークしてる癖によ。」

CoP「ふん、望月聖が本物かどうか確かめたかっただけだ。」

PaP「ありゃ間違いなく一昨年のクリスマスに人々を沸かせた聖夜の天使だったな。」

CoP「去年よりも確実に実力が上がっているな、今回のフェスでは間違いなくトップクラスの強さだ。」

CoP「しかし、驚くべきは完全復活してる所だ。うちも目をつけていたがこの世界に戻る気は無かったはずだ。」

PaP「アハハッ!そりゃPだからじゃねぇか?」

CoP「Pはお前以上に良くわからない奴だな。一体どんな手を使ったんだ……。」

PaP「んなことより、CoPよ。Pの所を望月聖のワンマンチームだと思ってたら痛い目を見るぜ?」

CoP「知っている、お前達との戦い。昨日とは比べ物にならない程の成長を見せていたからな。」

PaP「他のメンバーも隙がねぇぜやつらは。」

CoP「何にせよ俺達に負けは無い。PがだろうがCuPだろうがな。」

PaP「Cuteプロはフェスにはあんまり積極的じゃ無かったが、今回は本気みたいだな。5回戦が楽しみだぜ!」

------ 会場売店

P(柚ならここにいるかなと思ったけど当てが外れたか……。)

P(缶コーヒーでも買うかな。)

?(頑張ったご褒美のこのジェラート♪えへへっ!幸せ♪)

ドンッ

P「いてっ、何だ?」

?「あっ………」

P「すまないボーッとしてたよ、大丈夫かい?」

?「あっ……あっ…」

P(この子は三村かな子か……こんな所で会うとはな……。)

かな子「せ、背中が……」

P「ん?なんだこりゃ?何かついてる……」

かな子「ジ、ジェラートです……。」

かな子「すいません!すいません!私つい夢中になってて……」

P「いや、別にかまわないよ。俺もボーッとしてたからな。」

かな子「ジェラートもまた買って貰ったりしてホントに済みません!」

P「まぁ俺の不注意だから弁償するのは当然さ、気にしないで食べると良いよ。」

P「ちょうど甘い物が欲しいと思ってたところだし。そのついでだしね。」

かな子「このご恩は必ずお返ししますね……。」

P「そう言えば、君は三村かな子ちゃんだよね、俺はモバプロのPっていうんだ。」

かな子「えっ、じゃあCuPさんの言ってたPさんって言うのは……。」

P「多分俺の事だろうな…。」

かな子「なら準決勝で戦う事になるのもPさんのチームになるんですよね…。」

P「そう言う事になるな、でもまぁ今はそんな事は気にしないでもらえるとありがたいかな。」

P「せっかく美味しい物を食べてるんなら、楽しい気分で食べる方が良いだろ?」

かな子「ふふっ、わかりました!」

P(彼女の笑顔をふわふわスマイルと名付けたのは上手いな……。)

かな子「あっ、Pさんの口の周りにジェラートがついてますよ?」

愛梨「Pさん…えいっ!指で取っちゃいました♪んむ…甘いですっ」

P「…………」

かな子「…………」

愛梨「じゃあ俺はお前の唇を舐めてやるよ…?きゃっ!Pさん恥ずかしい~っ!」

P「…………」

愛梨「あっ……、Pさん!アイアンクローはちょっと痛いですっ!!」

かな子(えっ?何これ……。)

かな子「Passionプロの十時さんですよね、お二人はお知り合いなんですか?」

愛梨「凄く怖かった時にPさんに助けられて……」

P「いや、全く知らない。初めて会ったよ。」

愛梨「私……あの時からPさんのことずっと……何でもないですっ!えへっ♪」

かな子(は、話が噛み合ってない……。)

P「………騒がしくしてしまってすまないな。俺はそろそろ行くとするよ。」

かな子「はい!今回の事はすみませんでした……。」

P「気にしなくて良いさ、それよりも五回戦楽しみにしているよ。お互い頑張ろう。」

かな子「あの、私、精一杯心をこめて歌いますねっ…!」

P「あぁ、君のステージを見させてもらうよ。」

愛梨「えへへっ!じゃあ行きましょうPさん!」

P「十時はついてこなくて良いぞ。大体お前プロダクションが違うだろうが。PaPの所に行け。」

愛梨「十時じゃなくて愛梨って呼んでくださいっ!」

P(やはり彼女も油断ならないな……。)

------ 会場廊下

柚「ゆきみん、もう控室の位置は把握したかな?」

雪美「……うん……」コクッ

柚「そっか、ここって道を覚えるのに苦労するよね。」

雪美「………………」

櫻井桃華「あら……、あなたは?」

雪美「……桃華……」

桃華「お久しぶりですわね、雪美。こうして直接会うのは京都でお会いした時以来かしら?」

柚「二人とも知り合いなの?」

桃華「あなたはお初にお目にかかりますわね、櫻井桃華と申しますわ。」

柚「アタシは喜多見柚、よろしくー。」

桃華「ふふっ、知ってましてよ。要注意人物とCuPちゃまから聞かされておりますから。」

柚「……ふーん、CuPさんがそんなこと言ってたんだ。」

前川みく「桃華チャンここにいたのにゃあ♪」

桃華「みくさん。わたくしに何か御用かしら?」

みく「聞いて聞いてー!CuPチャンがみくと遊んでくれないにゃ!プンプン!」

桃華「CuPちゃまは今忙しいんですから邪魔をしてはいけませんわ。」

雪美「……猫……?」

柚「多分そうじゃないかな……。」

みく「うにゃ!?この人達は誰だにゃ?」

桃華「何を言ってますの?五回戦の相手のモバプロの方々ですわよ?」

みく「じゃあ敵じゃないのかにゃ?」

柚「うん、そーだよ。」

雪美「………………」コクッ

みく「にゃにゃにゃ!それならみくの本気でセクシーなステージ見せて、ドキドキさせちゃうしかないねっ!」

みく「心臓が爆発しないように気をつけるにゃ♪」

柚(騒がしさでは日野サンと良い勝負だなぁ……。)

雪美「……これ……あげる……」

みく「にゃー?美味しそう、頂くにゃ!ん?これは何かにゃ?」モグモグ

柚「お魚チップスだね、ゆきみんの飼ってる猫が好きな奴だよ。」

みく「ふにゃあああ!ヒドいにゃー!」

桃華「みくさんはお魚が苦手ですの……。」

雪美「……そう………」

みく「桃華チャン!これはもう、宣戦布告と受け取っていいにゃ!!」

桃華「そ、そうですわね……。」

桃華「それではわたくし達はそろそろ行きますわ。」

みく「ステージでは覚悟するにゃ!みく達はまっけなっいにゃっ☆」

柚「またねー。」

雪美「………………」

桃華「………雪美」

雪美「………………?」

桃華「雪美のLIVEは見させていただきましたわ、中々面白いじゃありませんの。」

桃華「わたくしのLIVEを見ておりましたわね?でも、わたくしの実力…まだまだあんなもんじゃありませんわよ!」

桃華「CuPちゃまが喜んでくれるのなら、わたくしはもっともっと輝けますわ!」

雪美「……私……P……のためなら……なんでもする……桃華…に……勝つのも……」

桃華「ふふっ、それでこそ……。5回戦、楽しみにしてますわ。」

------------

柚「ゆきみんとあの子ってライバルなの?」

雪美「……そう……かも……」

柚(珍しくゆきみんが燃えてるなぁ、こりゃアタシも負けてらんないな……。)

------ 会場入口

紗枝(考え事してたらこんなとこまで歩いてきてしもうたなぁ……)

紗枝(Passionプロには勝てたけど、次は勝てるんやろか……。)

卯月「…………」

紗枝「…………」

紗枝(にゅーじぇねれーしょん、島村卯月はんどすかぁ……。)

卯月「小早川紗枝ちゃんですよね、初めまして島村卯月でーす♪」

紗枝「………えぇ、よろしゅうに。」

卯月「四回戦は凄かったですね!未央ちゃん達に勝っちゃうなんて!」

紗枝「それは、聖はんのおかげどすなぁ。」

卯月「そんな事無いですよ、紗枝ちゃんもあれだけ観客を盛り上げる事が出来るなんて凄いですっ!」

紗枝「ふふっ、おおきに……。」

卯月「でも、私も負けないです!五回戦では全力で行きますからね!」

紗枝「…………」

卯月「あれ?どうしたんですか?」

紗枝「いえ………。それより何でうちの事を知ってはったんどすか?」

卯月「それは、試合を見たのもあるけど、プロデューサーさんから聞いたからですよ。」

紗枝「聞いた……?」

卯月「はいっ!うちのプロデューサーさんはモバプロのPさんと仲が良いですから色々な話が聞けるんですよ!」

卯月「Pさんがもっとも信頼しているのは紗枝ちゃんだろうってプロデューサーさんから聞ききましたし!」

紗枝「Pはんがうちを?」

卯月「そうですね、なんだったかな……?」

卯月「えーっと……」

CuP『小早川紗枝は常にモバプロの中心にいてチーム全体の力を底上げしてる。』

CuP『P君って口下手だからあんまり言わないけど、彼は紗枝ちゃんの事をかなり信頼してると思うよ。』

卯月「……って言ってましたよ。」

紗枝「………そうどすか。」

卯月「えへへー♪だから私もプロデューサーさんにそう思って貰えるように負けてられないかなって♪」

紗枝「ふふっ、おおきに……卯月はん。」

卯月「いえいえ何だかよくわかりませんが良いですよ。」

紗枝「おかげさまで、うち元気でましたわぁ。」

卯月「そうなんですか?それなら良かったです!じゃあ私はこれで失礼しますね!」

紗枝「えぇ、次会う時はステージの上ですえ。」

卯月「負けませんよっ!笑顔だったら1番自信ありです!」ニコッ

紗枝「!?」

タッタッタッ

紗枝「あの笑顔はほんまもんどすなぁ……。」

紗枝(Pはんのためにも、うちはあの人に負けられまへんなぁ。)

P「おーい、紗枝。」

紗枝「あっ、Pはん。」

P「こんな所に居たのか、探したぞ。」

紗枝「………………」

P「どうしたんだ?」

紗枝「………Pはん、うちは頑張れてますやろか?」

P「当たり前だろ。紗枝はいつも俺の期待を上回って答えてくれている。逆に俺が申し訳ないくらいだよ。」

紗枝「ならPはん、うちの事を励ましてもろてよろしいどすか?」

P「励ましか………いつもありがとうな紗枝、君が居てくれてよかったよ。」

紗枝「ふふっ、Pはんはほんまにうちの事をようわかってくれはりますなぁ。」

P「ん?そうか。まぁ俺なんかで元気づけられて何よりだよ。」

紗枝(これでもう迷う事はありまへん。うちももうあいどるやさかい……。)

愛梨「Pさん、私も励ましてもらっていいですか?」

P「えー……そうだな、十時はカワイイと思うぞ、うん。流石シンデレラガール。」

愛梨「えぇっ!?ちょっと適当すぎじゃないですかっ?」

------ 会場廊下

あずき(あれっ、Cuteプロの控室?間違えちゃった……。)

?「あのー、うちの控室の前で何やってるんですか?」

あずき「!?」

?「菜々さん!スパイですよスパイ!きっとボクの事を狙ってきたんですよ!!」

あずき(この人達は、確か安部菜々さんと輿水幸子ちゃんだったかなぁ?)

安部菜々「ピピッ!あなたは『The Wild Flowers』の桃井あずきちゃんですね!」

あずき「えっ!?そうだけど……。」

菜々「ナナ、電波がピピッと来ました!」

輿水幸子「ほーらやっぱり、スパイですか…。まぁ調べた所でボクがカワイイのなんて常識以前の話ですよ!」

あずき(なんなんだろ、この人達……。)

あずき「あずきはちょっと道を間違えただけだよぉ……。」

菜々「ナナに嘘は通用しません。月からの電波で何でもお見通しですよぉ♪」

幸子「あっ、ボクがカワイイからつい来ちゃった…ってことですかね!それは仕方ないですね!」

あずき(うぅ……、Pさん助けて……。)

ガチャッ

CuP「騒々しいね、何かあったのかい?……おや?」

菜々「あ、CuPさん。」

幸子「CuPさん聞いてくださいスパイですよ……全く信じられないほどズ太い神経してますね!」

CuP「あずきちゃんか、P君とは一緒じゃないのかい?」

あずき「Pさんずっと試合見ててつまんないから……。」

CuP「ふふっ、P君は一つの事に集中し始めるとのめり込んじゃうからねぇ。」

CuP「でも、そろそろ探してる頃だと思うよ。モバプロの控室はあっちだから行ってあげると良いよ。」

あずき「う、うん。ありがとうCuPさん!」

タッタッタッ

幸子「良いんですか!?敵をみすみす逃がすなんて!」

CuP「それはステージの上での話さ、それに幸子達はスパイされて何か不都合でもあるのかい?」

幸子「ふふーん!そんな事でボクが負けるワケないです!」

菜々「ナナとウサミンパワーがCuPさんにはついてます!キャハっ!」

CuP「あははっ、頼もしい限りだよ。」

菜々「それにしてもCuPさん。あの子達の試合には本気で行くんですね?」

CuP「ん?そうだねぇ。」

幸子「うちは毎回手を抜きすぎなんですよ!万年3位なんて不名誉な称号までつけられて!」

幸子「今回だってCoolプロに遅れを取ってるじゃないですか!」

CuP「雇われのボクが会社の方針には逆らえないからね。サバイバルとかなら許可がでるから優勝してるんだけど。」

CuP「でも五回戦からはベストメンバーを揃えてるから本気で優勝を狙いにいくよ?」

幸子「ふん!CuPさんはもっとボクをプッシュして下さい!」

CuP「幸子は充分押してるんだけどね。」

幸子「もっとボクのことを考えてください!24時間でも足りませんよ!」

菜々「駄目です!CuPさんはウサミン星を広める義務があるんですから!」

CuP「もちろんそっちも頑張ってるさ。菜々もそろそろウォーミングアップしといたほうが良いんじゃない?」

菜々「いや、あんまり動くと体力が……き、きつくないですよ!」

菜々「と、とにかく!CuPさんも試合中はウサミンコールをお願いしますね!」

CuP「やれやれ、二人とも手厳しいね……。」

------ 会場屋外

聖「あやめさんすみません……付き合って貰って。」

あやめ「わたくしはかまいませんよ!外の空気を吸うのは良いリフレッシュになりますからね。」

聖「ありがとう……ございます。」

あやめ「聖殿、わたくしの後ろに!」

聖「えっ……」

?「なんでそんなに身構えるんですか?」

?「あ、あれ。この方達って……?」

聖(Cuteプロの……佐久間まゆさん……小日向美穂さん……。)

佐久間まゆ「うふふ……、初めまして……佐久間まゆです。」

佐久間まゆ「『The Wild Flowers』の望月聖さんと浜口あやめさんですよね?」

あやめ「えぇ……その通りです。初めまして。」

小日向美穂「は、はじめまして!こ、小日向美穂です。」

聖「はい……はじめまして。」

あやめ(あの目、かなり危険な感じがしますね……。)

まゆ「Passionプロとの対決では聖さんの活躍は凄かったですね。」

聖「えっ……あ、ありがとう……ございます。」

美穂「ほ、ホントに凄かったです。わたしあんな綺麗な歌声初めて聞きましたっ!」

まゆ「Cuteプロでの戦いでも出場するんですか?」

あやめ「すでにオーダーは渡っていると思いますが、Passionプロの時と変わりませんよ。」

まゆ「ふふっ……そうなんですか。」

美穂「わたし、皆さんの活躍を見て…頑張らなきゃって、思ったんです…!だから、ま、負けません!」

聖「私達も……負けません。」

まゆ「お手柔らかにお願いしますね?」ニコッ

あやめ「宜しくお願いします。」

美穂「そ、そう言えばモバプロのPさんって一度うちに来た事があるんですよね?」

あやめ「えぇ、P殿はCuP殿と昔から仲が良いと伺っております。」

あやめ「昔、プロダクションを建てて間もないころCuP殿にご助力頂いた事があるとか……。」

まゆ(……あの男の……プロダクションだったんですねぇ……)

聖「そんな事が……あったんですね。」

まゆ「ねぇ……望月聖さん。まゆはCuPさんの事をまゆだけのモノにしたいんです。」

聖「えっ……」

まゆ「まゆはずーっとCuPさんと一緒です。CuPさんがまゆ以外を見るなんて耐えられません。」

美穂「ま、まゆさん?」

まゆ「でもまゆはまだトップアイドルじゃないから、CuPさんを振り向かせられないんです。」

まゆ「まゆがこのフェスで優勝してトップアイドルに近付けばそれだけCuPさんの視線を独り占めできるんです。」

まゆ「あなたの歌声…とーっても綺麗ですよね?まゆが優勝するためには大きな壁になると思うんです。」

あやめ「………………」

まゆ「ねぇ……望月聖さん?血って、どんな味でしょうか?」

聖「どういう……」

まゆ「あなた……邪魔」

美穂「ひっ!?」

聖「………………」

まゆ「危ないじゃないですかぁ?いきなり傘をつきだしてくるなんて?」

あやめ「聖殿がおびえております。それくらいにしていただけませんか?」

まゆ「………嫌だと言ったらどうするんですか?」

あやめ「わたくしは生憎、手の抜き方を知りません。」

まゆ「………うふふっ、冗談ですよ。」

あやめ「そうして頂けると助かります。」

美穂「ま、まゆさん!だっ、だっ、駄目です!」

まゆ「わかってますよ、そろそろCuPさんの所に戻りましょうか。」

美穂「は、はいっ、そうですね!」

まゆ「お騒がせしましたね。次はステージの上で会いましょう。」

美穂「し、失礼します!」

あやめ「聖殿、大丈夫でしたか?」

聖「えぇ……すみません……あやめさん。」

あやめ「なに、主の大切な方を守るのも忍びの役目です!」

聖「でも…ケガが無くて……良かったです。」

あやめ「………いえ、そうでもなかったようです。」

パラッ

聖「あ、あやめさん……髪留めが!?」

あやめ(P殿……。Cuteプロはわたくし達の想像を超える相手かもしれません。)

------ 会場廊下

P「何だ、紗枝の知り合いにもアイドルが居たのか。」

紗枝「えぇ、塩見周子はん言うんやけどCoolプロにいはりますわぁ。」

P「確かに居たな、俺は直接話した事は無いけど。」

和久井留美「あら?他のプロの子と話す事も大切よ。」

P「和久井さん!」

和久井「Passionプロに勝ったようね、ひとまずおめでとうと言っておくわ。」

P「ありがとうございます。」

紗枝「和久井さんお久しぶりどす。」

和久井「紗枝ちゃんもお疲れさまだったわね。Coolプロはミーティング中だから今は尋ねない方が良いわよ。」

紗枝「そうやったんどすかぁ、ならまたお暇な時に挨拶しにいかないけまへんなぁ。」

P「CoPの所に紗枝の知り合いが居るとは全然知らなかったな……。」

紗枝「そう言えばPはん、和久井はんは何でここにおるんどすか?」

P「なんでって、このフェスは和久井さんの会社が主催だからだよ。」

紗枝「えぇっ!?そうやったんどすかぁ……。」

和久井「P君、あなたもしかして私の仕事を誰にも説明して無かったんじゃないの?」

P「言われてみればそうですね……。」

和久井「私は今回のフェスの主催を行っている会社の社長秘書をやっているのよ。」

P「まぁ、和久井さんには仕事関係のツテを紹介してもらったり色々お世話になってるよ。」

和久井「フェスに関してはP君に肩入れする事はできないけどね。」

P「そりゃそうですよ……。」

紗枝「Pはんってほんまに色んな知り合いがおりますなぁ。」

和久井「彼は昔から人を集める不思議な力があるのよ。」

紗枝「ふふっ、うちもその力に引き寄せられたさかい。なんとなくわかります。」

P「………そんなもんあるんですかね。」

愛梨「Pさん~!」

タッタッタッ

愛梨「酷いです、置いていくなんてっ!……あっ!」

ガシッ

P「………何も無い所でこけそうになるなよ、危ないぞ。」

愛梨「あっ……、Pさん……えへへっ!やっぱり優しいですねっ!」

和久井「ほら、やっぱりあるじゃない。」

紗枝「はぁ……、なんかうち、心配になってきましたわぁ。」

和久井「ふふっ、それにしてもシンデレラをケガから守ってあげるなんてなかなかの王子様っぷりじゃないの。」

愛梨「そんな……。お姫様と王子様みたい……って……は、恥ずかしい…かもっ!」

紗枝「Pはん?そろそろ離してあげてもええんとちゃいます?」

P「そうだな、まぁシンデレラガールにケガが無くて良かったよ。」

愛梨「Pさんとはいつでもいい雰囲気ですよねっ!えへ!」

紗枝「………Pはん?」

P「紗枝、十時はちょっと妄想癖があるから話半分に聞いといた方が疲れなくて良いぞ。」

紗枝「確かにそうみたいどすなぁ……。」

愛梨「紗枝ちゃんにも言われるなんてっ!」

和久井(どっちが年下かわからないわね……。)

P(十時って普段からこんなんでよく怪我しないな……ん?)

P「………そうか!そういうことだったのか!!」

紗枝「ど、どうしたんどすか?」

P「紗枝、急いで控室に戻るぞ!」

タッタッタッ

紗枝「あっ、Pはんまっとくれやす!」

愛梨「Pさんー、行かないで下さいーっ!」

和久井(あの子Passionプロなのに良いのかしら……。)

------ モバイルプロダクション 控室

P「よし、皆集まったな。」

ちひろ「なんか、みんな静かですね……。」

雪美「…………」

紗枝「はぁはぁ………」

柚「Pサン、どうしたの?紗枝チャン息切れしてんじゃん。」

あやめ「…………」

あずき(月からの電波ってどうやったら受信できるんだろ……。)

聖「…………」

愛梨「ふう、汗かいちゃいました……」

ちひろ(何でこの子、毎回いるのかしら……?)

ちひろ「でも、そんなに慌ててどうしたんですか?」

P「Cuteプロダクションのオーダーの謎が解けたんですよ。」

ちひろ「えっ、それって一体?」

P「ケガでピンと来たんです。」

柚「………そっか、特別交代枠……」

P「そうだ、1試合に1人分だけLIVEバトル中のオーダー変更が許されるルールがある。」

紗枝「そんなルールあったんどすなぁ……。」

P「ケガしたり体調が悪くなったりってのはよくあることだからそのための処置だよ。」

P「うちも紗枝が怪我した時に交代はできたんだが、あの時は聖は出せなかったからな。」

あずき「でも、他のチームはそんなの使って無いよね?」

P「まぁ、普通は戦略に組み込む事はしないしな……。」

ちひろ「でも、なんで4人でオーダーを提出してきたんですか?」

P「おそらくその最後の一人はまだ合流して無いんでしょう。」

P「五十嵐響子をオーダーに入れると、交代オーダーを出す時に何で交代する必要があるか聞かれますし、」

P「最初からオーダーに組み込んでない方が交代の申請がしやすいですからね。」

聖「それは………誰なんですか?」

P「………さぁな、そこはわからん。俺達は他のプロのエントリー枠に誰が登録されてるかってのは見れないからな。」

柚(エントリー枠は最大10人だから、残りの一人って事になるんだよね……)

雪美「……P……どうするの…?」

P「今回は俺達が先攻だ、こっちが攻撃の時にできるだけ差をつけて守りきる。それしかないだろうな。」

あやめ「防御はできないのですか……?」

P「あまり言いたくは無いが、こんな手を混んだ事までして入れてくるメンバーだ。何が起きるか分からない……。」

愛梨「Pさんがそこまで言うなんてなんだかドキドキしちゃいますね!」

P「今回はPassionプロの時と違って、最初から全力ぶつかっていく事になる。」

P「Cuteプロがどんな風に動いてくるかはわからない。みんな、気をつけてくれ。」

------ Cuteプロダクション 控室

緒方智絵里「あ、あの……CuPさん?」

CuP「ん?どうしたんだい智恵理?」

智絵里「……どうして、このフェスにわたしを連れてきたんですか?」

CuP「どうしてって言われてもね……智恵理は嫌だったかい?」

智絵里「い、嫌だなんて、そんなこと無いです!」

CuP「じゃあどうしてそう思うんだい?」

智絵里「わたしなんて……皆さんと比べると実力も無いし……人気もありません……。」

CuP「ふふっ、そんな事無いさ。智恵理は良くやってくれてるよ。」

智絵里「そ、そんな……あの、期待に応えられるように……がっ、頑張ります。」

CuP「期待しているよ。」

智絵里「CuPさんのためにもっともっと……がんばりますから…あの、これ……」

CuP「ん?四つ葉のクローバー……」

智絵里「CuPさんが勝てるように……お守りです。」

CuP「……ありがとう。こんな素晴らしいお守りを貰っちゃたら負けるわけにはいかないね。」

緒方智絵里(16)
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------ 観客席

『それではただいまより、五回戦第一試合を開始します』

『モバイルプロダクション The Wild Flowers 対 Cuteプロダクション Pinky lovesの対決です!』

『先攻はモバイルプロダクションになります!』

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

拓海「なぁ木場さん、Cuteプロダクションってのはどんな相手なんだ?」

真奈美「………ニュージェネレーションの島村卯月がいるという事以外、私も詳しくは知らないな。」

拓海「なら楽勝じゃねぇか、さっきもそのニュージェネレーションとやらに勝ったんだろ?」

真奈美「どうだろうね、さっきとは戦況も相手も全く違う。」

真奈美「Cuteプロダクションはフェスでは万年3位と言われているようだが、本気の実力は誰も見た事が無いらしい。」

拓海「こ、今回は本気だってのかよ?」

真奈美「そんな噂がでているね。そして、本気を出すとしたら決勝がかかっているこの試合だろう……。」

拓海「チッ!なんでこのタイミングで本気出してくんだよ!」

真奈美(これは荒れる戦いになりそうだな……。)

------ 事務所
『初参加のモバイルプロダクションとS3ランクのCuteプロの決勝進出を賭けた戦いに期待が集まります。』

美世「CuPさんの所と対決なんだね……。」

茄子「美世さんのお知り合いなんですか?」

美世「うん、CuPさん、CoPさん、PaPさんの所の社用車もうちで車検とかしてるからね。」

イヴ「美世さん、そんなに色々みてるんですねぇ~。凄いですぅ~。」

美世「ううん、あたしは見て無いよ。あたしがメンテしてるのはPさんの所の車だけだから。Cuteプロとかの車は他の人が見てるかな……。」

茄子「あれ?そうなんですか?てっきり美世さんが頼まれているのかと……。」

美世「うーん、よく原田ちゃんに頼みたいって言われるけど、あたしがあんまり乗り気じゃないしね……。」

茄子「美世さんって原田ちゃんって呼ばれてるんですね。」

美世「男の人に名前で呼ばれるのは好きじゃないから、そう呼んでもらってるの。」

イヴ「あれ?でもPさんは美世って呼んでますよねぇ~。」

茄子「ふふっ、Pさんは特別……なんですよね?」

ブリッツェン「フゴッ……」

イヴ「『フッ、久しぶりに心が温かくなったわ……』って言ってますぅ~」

美世(トナカイに茶化される日が来るなんて思いもしなかったな……。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

P「…………」

聖「……Pさん。」

P「ん?どうしたんだ聖?」

聖「難しい……顔…してます……心配…ですか?」ギュッ

P「……そうだな。心配じゃ無いと言ったら嘘になるかな。」

聖「Pさん……私……今……歌えること……とっても……楽しい……。」

P「…………」

聖「アイドル……続けてきて……思ったの……。」

聖「Pさんにファンの人に……ずっと…これからも……歌、聴いてもらいたいって……。」

聖「お願いです……Pさん……私の歌……これからも……ずっと……好きでいて。」

P「もちろんさ、俺は聖の歌のファンだからな。」

聖「ありがとう……その言葉だけで……私……何も……いりません。」

P「こちらこそ、ありがとう聖。元気が出たよ。」

P「………よし!みんな行こう!この戦いに勝って決勝に行くぞ!」

------ Cuteプロダクション ステージ裏

CuP「みんな、準備はできたかい?」

卯月「はいっ、緊張してるけど楽しみですっ!」

みく「みくはもう準備バッチシにゃ!」

桃華「ぬかりはありませんわ!はりきって行きますの!」

菜々「ピピッ!LIVEバトルセット!CuPさん、みんなをたくさんビックリさせちゃいましょ♪」

まゆ「CuPさん、まゆの活躍を見ていてくださいね。まゆの一番近くで、一生見守っていてください…♪」

CuP「うん、大丈夫そうだね。響子、あっちの方は大丈夫そうかい?」

五十嵐響子「何とか間に合いそうですよ、CuPさん!もうちょっとで来ると思います。」

桃華「五回戦になってやっと、会場に着くなんて相変わらずですわね……」

みく「ンー……みく以上に気まぐれだにゃ……」

CuP「ふふっ、彼女はそれで良いんだよ。ボクもそう言っておいたしね。」

まゆ「うふふ……でも、出番が来る前に全て終わりますよぉ……。」

菜々「CuPさん、ナナ達に任せておけばパーペキですよ!」

CuP「パーペキはちょっと古いんじゃないかな?」

菜々「………………」

CuP「みんな頑張ってきてよ。期待してるからね。」

智絵里「みなさん…頑張って下さい。」

卯月「ファンの皆の期待に応えるために精一杯頑張って来ます!島村卯月、いってきまーすっ♪」

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始時 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :65031
(防)Pinky loves   :68631

雪美(……なるべく……りーど……)

聖(最初から……全力でいきます……。)

紗枝(集中力を切らさんようにせんと……。)

あやめ(相手の動きが読めないですが、先に仕掛けた方が良さそうですね……。)

あずき(今回は作戦らしい作戦が練れてないから、力と力の勝負になるのかな…?)

雪美「……あずき……お願い……。」

あずき「雪美ちゃん……うん、わかったよっ!」

紗枝(ここはあずきはんに任せた方が良さそうどすなぁ……。)

あずき「行くよっ!絶対に追いつかせないんだから!」

------ Cuteプロダクション ステージ

試合開始1分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :85944
(防)Pinky loves   :74758

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

卯月(えへへっ!やっぱりファンの応援って嬉しいですねっ!)

みく(ファンの応援ってすっごい気持ちイイにゃ~☆)

桃華(まずは小手調べと言った所かしら……?)

まゆ(CuPさん、ちゃんと見ててくれてますよね?ねぇ?ねぇ?)

卯月「じゃあこちらの最初はナナさんでお願いしますっ!」

菜々「任せて下さいっ!みんなーウサミンLIVE始まるよー!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

菜々「ムーンウェーブッ♪月からの電波でメルヘンチェンジですっ!」

菜々「みんな、ウサミンのお送りするライブを楽しんでくださいねーっ!」

菜々「ファンのみんなも今日からウサミン星人になっていってイイんだからねーっ♪」

桃華(ウサミン星人………)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合開始2分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :92938
(防)Pinky loves   :90283

ちひろ(ウサミン星人?)

柚「すごいねぇ。あっという間に追いつかれちゃった。」

P「あずきの動きに見事にかぶせられたな……。」

ちひろ「で、でもまだ雪美ちゃんと聖ちゃんがいますよ!」

P「………」

ちひろ「P、Pさん?」

P(今の俺達にはそれにかけるしかない……しかし……この動き……こちらの手を読まれてる感じがするな。)

柚(あっちもまだ1人しか動いて無いから、ゆきみん達も封じてくるんだろうなぁ……。)

愛梨(多分、次に動くのはあの子かな?)

P「何にせよ、手をこまねいていても仕方ない。雪美達にもそろそろ動いてもらいます。」

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始3分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :97374
(防)Pinky loves   :94857

紗枝(Pはんから指示が……こちらも動かんと……。)

聖「雪美さん……行きましょう。」

雪美「…………」コクッ

あやめ(雪美殿、聖殿、頼みます!後ろはお任せ下さいっ!)

あずき(よしっ!ここから一気に突き放すよっ!)

雪美「…………」

あずき(あれっ?雪美ちゃんどうしたんだろ……?)

雪美(……P……私……心配……。)

聖(Pさん……聞いていて下さい……。)

------ Cuteプロダクション ステージ

試合開始4分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :133948
(防)Pinky loves   :100293

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

卯月(凄い綺麗なハーモニー……。でも私達もっ!)

菜々「キャハっ、みんなー、ナナはカワイイですかーっ?」

みく「ナナちゃん……ちょ、ちょっと…待つにゃ……」

菜々「……やりすぎ?」

桃華「そ、そうですわね………。」

卯月「あははっ、じゃあえっと……まゆちゃん行きましょう!」

まゆ「うふふっ、新曲お披露目してきます♪」

まゆ(まゆのCuPさんへの愛はとっても純粋なんだから……。)

まゆ(ほぅら…まゆの魅了の視線…気付いてくれてますか…?)

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始5分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :134201
(防)Pinky loves   :106943

雪美「!?」

紗枝「!?」

あやめ「!?」

あずき「!?」

聖「!?」

雪美(……何……?)

紗枝(な、なんやろ。この寒気は……。)

あやめ(佐久間まゆ殿……、こちらの動きを止めるほどとは……。)

あずき(あ、足がすくんで……。)

聖(声が……出ない……。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合開始6分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :134593
(防)Pinky loves   :112938

P「!?」

P(聖だけじゃなく……全員を止めに来るなんて……。)

ちひろ「こ、こっちの票数がほとんど動いて無いですよ?」

P「佐久間まゆ……あの子か……。」

柚「ステージ裏にいるアタシも寒気しちゃったよ……。」

柚「ゆきみん達がほとんど動けなくなってる……。」

愛梨「わ、私……何だか震えが止まりませんっ!」

ちひろ「これは一体何なんですか?Pさん!?」

P「あの子の雰囲気が雪美達に影響を与えてるんですよ……。とびっきり強烈な奴をね……。」

柚「Pサン!さっさと立て直さないとまずいよっ!」

P「みんなっ!落ち着いていくんだ!」

P(雪美達の動きが元に戻ってきているが……まずいな、差を詰められてきている。)

------ Cuteプロダクション ステージ裏

試合開始7分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :136049
(防)Pinky loves   :117964

CuP「まぁ、守備はこんなところだね。そろそろ交代だけど準備は良いかい?」

美穂「だ、大丈夫です!」

CuP「おや?珍しく緊張よりやる気の方が勝ってるね。」

美穂「わ、わたしもアイドルですから…!」

幸子「ふん、ボクにかかれば余裕ですね!」

CuP「ふふっ」

幸子「CuPさん、なにニヤついてるんですか?」

CuP「前のフェスみたいにまた空から登場してみるかい?」

幸子「ヒ、ヒィッ!そ、それはか、かな子さんにか、代わってあげてもいいですよ!ボクは優しいので!」

かな子「え、えぇっ!?」

?「やっ、やめろぉーっ!フェスだかなんだか知らないけど、仕事をしてる場合じゃないんだよっ!」

響子「あ、あんまり暴れないで下さい…。」

CuP「おや、やっと来たようだね杏。」

双葉杏「いきなり来いって言われてきたら、着替えさせられて強制連行って酷いよプロデューサーは。」

CuP「急に呼び出してすまないね、飴食べるかい?あんまり時間ないけど。」

杏「ふぅん……ま、まぁ飴をくれるなら話を聞いてあげるよっ!」

美穂「も、もしかして5人目って杏さんだったんですか?」

CuP「そうだね、ギリギリだけど間に合ってよかったよ。」

幸子「例え4人だったとしてもボクがいるんで負けるわけありませんよ!」

CuP「幸子のカワイさはわかってるけど、念には念を入れておかないとね。」

かな子「杏ちゃんは相変わらずですね……。」

CuP「杏はこれでいいのさ。」

双葉杏(17)
ttp://i.imgur.com/eGEvgQs.jpg

杏「……ねぇ、こんな楽勝ムードならもう帰りたいんだけど。」コロコロ

CuP「勝負は最後の最後まで分からないよ。」

杏「あっ、杏、いいことを思いついたよ!響子ちゃんに頑張ってもらって杏は応援って事で……。」

CuP「それがそうもいかないんだよねぇ、もう杏でメンバー交代申請しちゃったから。」

杏「勝負と杏、どっちが大事なの?」

CuP「んー、両方かなぁー。」

杏(隙を見て逃げよう……ふふふ)

CuP「出口は響子に見張ってもらってるから逃げられないよ。」

杏「勝負はまた今度にしない?」

CuP「また今度は数カ月後だからね。」

杏「………なんでそんなに必死なの?珍しいじゃんプロデューサーがそこまでするなんて。」

CuP「………杏」

杏「!?」ビクッ

CuP「ボクはこの勝負に勝ちたいんだ、それには君の力が必要なんだよ。」

杏「………………」

CuP「もちろん杏だけじゃない、ここに居るメンバー全てに期待しているよ。」

CuP「みんな、どうかボクに力を貸してくれ。」

美穂「C、CuPさん!あ、頭をあげて下さいっ!」

かな子(CuPさんが頭を下げるなんて初めてみたかも……。)

智絵里(CuPさんが……そこまで思うなんて。)

幸子「フフーン、全くCuPさんはボクがいないとダメダメですねっ♪勝利を約束されたカワイさをもったボクと出会えたのはCuPさんの一生分の幸運ですよ!」

美穂「き、緊張…してるけど大丈夫っ!CuPさんが、もっと素敵な夢を見せてくれるって…わ、わたし信じてますから!」

かな子「CuPさんが一緒だから、私はここまで来れたんです…!だからその想いをこめて…歌いますっ!」

杏「………めんどくさい」

かな子「えっ?」

杏「杏は寝たいから、さっさと勝って終わらせてくるよ。」

CuP「ふふっ、ありがとう。みんな。」

智絵里「CuPさん…わたし……。」

CuP「……智絵里、みんなのステージをしっかり見ておくんだ。いつか君もあのステージに立って貰うからね。」

智絵里「はい……。」

------ Cuteプロダクション ステージ

試合開始8分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :140398
(防)Pinky loves   :124958

卯月(まゆちゃんの歌、すごく個性的で良かったです!)

みく(うぅ……み、味方で良かったにゃぁ……。)

菜々(まゆちゃんの雰囲気は……で、でもナナも負けてないです!)

まゆ(ふふっ、まゆの歌……気に入って貰えましたか…?)

桃華(『The Wild Flowers』……ほんとの実力はこんなものでしたの?)

桃華(……だとしたらわたくしも舐められたものですわね。)

桃華「卯月さんっ!前に出ますわ!」

卯月「はいっ!わかりましたっ!!」

桃華「さぁ、行きますわよ?わたくしの実力を見くびってもらっては困りますわ!」

桃華「桃華がイチバンですのっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始9分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :142928
(防)Pinky loves   :138311

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

雪美(……桃華……凄い……)

紗枝(こっちが慌ててるうちにこんなに追いつかれるやなんて……。)

あやめ(くっ!油断していたわけでは無いのに……。)

あずき(このまま防御に回るなんて……。)

聖(今のうちに……差を少しでも広げないと……。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏
試合開始10分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :145948
(防)Pinky loves   :142756

P(リードは約3000……こちらの動きを封じられたのが響いたか……。)

『ただいまより、攻守交替です!』

『ここで緊急メンバーチェンジのお知らせです。Pinky lovesのフロントメンバーに双葉杏さんが入ります。』

P「なっ!?……双葉……杏……!?」

P(最悪の状況だ……まさか彼女が出てくるなんて……。)

柚「……まずいのが出てきたね。何か対抗策はあるの?」

P「無いな、今の所……。」

柚「なるべく差は広げないように頑張ってみるよ、だから信じてるねっ!」

P「……わかった。」

柚「……アタシそろそろ行くね。」

P「……柚、頼んだぞ。」

柚「Pサンのために……全力で行くよ!みててね?」ニコッ

P「あぁ、一瞬たりとも見逃すもんか。」

------------

あやめ「……すみませんP殿。ほとんど差がつける事ができませんでした……。」

P「お疲れさまだったな、あやめ。後はみんなに任せるんだ。」

ちひろ「で、でもPさん。この差を守りきれるんですか?」

P「……しなきゃいけないんです。」

あやめ「……皆さんならできると、わたくしは信じております。」

ちひろ「Pさん。最後の一人って双葉杏ちゃんだったんですね……」

P「……えぇ、そうみたいですね。」

ちひろ「でも、彼女今まで一度もフェスに出てませんでしたよね。」

P「それが一番怖いんですよ………。」

愛梨「杏ちゃんは何度か会った事ありますけど、独特な雰囲気を持ってますね。」

P(島村卯月、三村かな子……そして双葉杏。この三人相手にこの状況か……。)

------ Cuteプロダクション ステージ

卯月「えへへ、ここからもみんなで頑張って行きましょうね!」

杏「卯月、プロデューサーに言われてるから先に歌うよ。」

幸子「今回は杏さんにトップバッターを譲ってあげます!一番カワイイのはボクですけどね!」

美穂「い、行きましょう!」

かな子(CuPさんが信じてくれるなら、期待に応えなくちゃ!がんばろっ!)

杏「働かないすべての者たちに告ぐ!これは遊びでもライブでもない!我々の正義のために!」

メーデー! メーデー! メーデー! メメメメ メーデー!

杏「我々は絶対に働かないぞっ!」

働かないぞー!

杏「自由こそが素晴らしい!」

素晴らしいー!

杏「なんでもいいけど飴なめたい!」

飴なめたいー!?

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始11分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :196849
(攻)Pinky loves   :220192

メーデー! メーデー! メーデー! メメメメ メーデー!

雪美(!?)

雪美(……一瞬…で……ひっくり…返された……)

紗枝(あの子ほとんど歌ってへんのにどんどん差が離れていきますなぁ……。)

柚(相変わらず無茶苦茶な歌詞……。でも確実にファンを掴んでる…。)

あずき(ふ、双葉杏ちゃん!?)

聖(こ、こんな歌……あったんですね……)

------ Cuteプロダクション ステージ

試合開始12分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :201239
(攻)Pinky loves   :225372

メーデー! メーデー! メーデー! メメメメ メーデー!

杏「はぁはぁ……ちょっと戦略的休憩をしよう。名付けて、カエダーマ大作戦。かな子、任せた。」

かな子「はいっ!声の調子はバッチリです♪」

卯月「いっぱい、楽しんでいきましょうっ♪」

幸子「かな子さん、ボク達に挑む愚かさを教えてあげましょう!」

美穂「う、後ろは任せて下さいっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

かな子(やっぱりステージに立つって緊張します…。)

かな子(でも、私だってCDを出したんだから、これくらい慣れていかないとダメですよね。)

かな子「いきますっ!私の歌、届け……!」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

P(くそっ!防御で動けるのは柚と紗枝だけなのに……。)

P(二人の力でもこの差は返せない。一気にたたみかけてきたか……。)

ちひろ「P、Pさん!差がどんどん離れて行きますよ!」

あやめ「P殿……。」

P(相手の勢いがましている……早く手を打たないと取り返しがつかなくなるぞ……。)

愛梨「うわぁー、卯月ちゃん達のステージ凄く素敵ですねっ!なんだか私も身体が火照ってきちゃいました!」

P「…………」

愛梨「Pさん、ちょっと脱いでもいいですか?」

ちひろ「あ、あなたこんな時に!」

あやめ「ち、ちひろ殿!おやめ下さい!」

P「……そうか!」

ガシッ

愛梨「きゃっ……ち、ちょっとPさん!……こ、こんな所でなんて……。」

愛梨「で、でもPさんなら……私……い、良いです……。」

愛梨「でも……キ、キスもしたこと……無いし……。」

愛梨「……こういうの、は、は、初めてなんで……あ、あの優しく…してくださいね……。」

P「それだよ、愛梨!」

愛梨「ん~~………へ?」

P「ちひろさん!あやめ!愛梨!ちょっと来てくれ!!」

ちひろ「そ、そんな事できるんですか?」

P「今から逆転するにはこれしかありません。」

ちひろ「時間との勝負ですね……、わかりました任せて下さい!」

P「丁度もうすぐ曲が切り替わります。その間に短い曲が入りますから1分で終わらせれば間に合います。」

あやめ「P殿!わたくし早速行ってまいります!」

P「あやめ、全速力で頼む!」

あやめ「お任せ下さい!!」

P「愛梨もすまないが手伝ってくれ。」

愛梨「え、えっと……。Pさんが私を頼ってくれるなんて凄くうれしいですっ!任せて下さいっ!」

P(よしっ!後はみんなに呼び掛けるだけだ……)

------ モバイルプロダクション ステージ
試合開始13分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :206374
(攻)Pinky loves   :247726

雪美(……P……私…頑張る…から……)

紗枝(うちらはまだ諦めるわけにはいきまへん……。)

柚(Pサン……信じてるからねっ!)

あずき(ま、まだ終わったわけじゃないもん!)

聖(Pさん……見てて下さい……)

P『雪美!紗枝!あずき!聖!いったんステージ裏に戻るんだ!』

雪美「!?」

紗枝(Pはん!?ど、どういうことやろ…。)

P『時間が無い!早くしてくれ!』

あずき(P、Pさんに従った方が良いのかな…。)

聖(…………Pさん)

P『柚!1分で良い!ソロで耐えてくれ!』

柚「………うん!任せてPサン!」

------ Cuteプロダクション ステージ裏

みく「にゃにゃ?『The Wild Flowers』のメンバーが一人になっちゃったにゃ?」

桃華「何か企んでますわね……。」

CuP「やっぱりP君はこんな事じゃあきらめないか。」

菜々「CuPさん、LIVEが終わる瞬間まで、ナナは気を抜きませんよ!」

まゆ(CuPさんの真剣な顔、惚れ惚れしちゃう……)

みく「ふっふーん、でも一人で卯月ちゃん達の相手が務まるわけ無いにゃ。」

智絵里「そ、そうです!みなさんなら……負けません!」

CuP「………だろうね。」

CuP(普通ならね……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

試合開始14分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :211203
(攻)Pinky loves   :253821

柚「アーアー、マイクのテストちゅ~。」

柚「えーっと、アタシ一人になっちゃったけど、ラブソング……歌っちゃおうかなっ!」

柚「へへっ!凄く危ない状況なのになんか楽しいねっ!こんなに楽しいLIVEは初めて!」

柚「みんなもアタシの歌、しっかり聞いてくれると嬉しいな!」

柚「柚、いっきまーす♪」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ Cuteプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

杏(5対1なんて大胆な事するね……。)

幸子(ふんっ!バカにしてるんですか?今のうちに取り返しがつかなくなるだけですよ!)

美穂(あ、あんなに注目されて緊張しないなんて…。)

かな子「卯月ちゃん!お願いしますっ!」

卯月「はいっ!」

卯月「みなさーん!!島村卯月でーす♪」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

卯月「えへへーピースっ……イェイっ♪」

卯月「私思いっきり楽しんで歌います!卯月を応援してくださいねっ♪」

卯月「いきますっ!S(mile)ING!!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

柚「ややっ!このアタシをスルーして歌わせないよっ!」

柚(まいったなぁ……5対1のこの状況でニュージェネのソロ曲……。)

柚(……でも、Pサンが信じてくれてるんだから……。)

柚(この1分間は何があっても票差は守りきって見せるよっ!)

柚「さぁ、準備はいい?」

柚「いくよーっ! 柚ターイム♪」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ裏

P(柚……無茶を言ったとは思っていたが、お前ってやつは……。)

紗枝「Pはん!急にどうしはりましたん?」

あやめ「P殿!おまたせしました!」

P「……よしっ、説明は後だ!ちひろさん、愛梨、あやめ、頼んだ!」

ちひろ「はい!あずきちゃんちょっと我慢してね!」

あやめ「あずき殿!失礼します!」

あずき「え、えっ!ちょっとなにするのっ!」

P「雪美はこれを持っていってくれ。」

雪美「……これは……?」

P「秘密兵器だよ、雪美にしか使えないとっておきのな。使うタイミングは雪美に任せる。」

雪美「……うん……わかった……」

愛梨「じゃあ、いきますっ!雪美ちゃんも我慢してくださいねっ!」

P「紗枝と聖には二人のカバーをお願いしたい。今から作戦を伝えるからちょっとこっちにきてくれ!」

聖「は、はい……。」

------ Passionプロダクション 観客席

試合開始15分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :220128
(攻)Pinky loves   :265039

莉嘉「す、すっごーい!PaPくん!一人なのに『The Wild Flowers』が負けて無いよ!」

未央「プロデューサーの言うとおり凄い子だったんだね!」

PaP「Pと喜多見ちゃんは付き合いがなげぇからなぁ、多分俺が同じ事指示してもあぁはならねぇよ。」

美嘉「でも、あの子、未央ちゃん相手にも引けを取らなかったし、卯月ちゃん達相手に喰らいついてくなんて……。」

藍子「私達、凄い相手と戦ってたんですね……。」

きらり「にょわー!杏ちゃん頑張ってー!」

唯「きらりんは杏ちゃん好きだねぇ。」

きらり「でもでも、みんなみんなきゃわわー☆」

茜「あぁぁぁーっ!!LIVEが楽しそうすぎてつらいっ!!!!」

日菜子「っていうか十時さんはどこ行ったんですかねぇ……。」

PaP(さぁ、次は何が起こるんだ……?)

------ モバイルプロダクション ステージ

柚(はぁはぁ……流石にこれ以上はキツイかな……)

柚(注目集めるためにちょっと無理な動きをしすぎたかなぁ……)

柚(でも、Pサンが頼ってくれてるから……)フラッ

柚(あ、足がもつれっ!)

ポスッ

紗枝「柚はん、お待たせしましたえ。」

雪美「……柚……がんばった……」

あずき「えへへっ!ここからはあずき達も参戦だよっ!」

聖「柚さんの…頑張り……無駄にしません。」

柚(流石Pサン…そう言う事だったんだね……。)

柚「よしっ!元気出たよーっ!ここから逆転するよっ!」

[クリスマスドール]佐城雪美(10)
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[湯けむり大作戦]桃井あずき(15)
ttp://i.imgur.com/pTAJAqA.jpg

----- Cuteプロダクション ステージ裏

試合開始16分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :230394
(攻)Pinky loves   :271273

桃華「雪美とあずきさんの衣装が変わってますわ……。」

みく「何か意味があるのかにゃ?」

CuP「P君……どういうつもりだい……。」

菜々「CuPさんにもわからないんですか?」

CuP「一時的には票が集まるかも知れないけど……。」

CuP「正直、衣装を変える意図が読めないね。」

まゆ「注目をあつめるためじゃないですか?」

CuP「だとしたら、いったいどうやって……。」

智恵理(ど、どうしよう……また緊張してきちゃいました……。)

まゆ(CuPさんはまゆ一人だけに注目しててくれれば良いんですよぉ……。)

CuP(なんにせよ、気は抜けないね……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

紗枝「あずきはん、早速行きますえ!」

雪美「……いこう………」

聖「残り4分……逆転……して見せます。」

柚「アタシももうひと仕事いくよーっ!」

あずき「うんっ!行こう!みんなっ!」

あずき(この衣装ってPさんと初めて会った時に温泉街で試着した着物……。)

あずき(えへへっ、覚えててくれたんだ……嬉しいなぁ……。)

あずき(あずき……Pさんとだったらもっとイケそうな気がしてきたよっ!)

あずき「さぁ、あずき達でステージを盛り上げる、名付けて湯けむりアイドル大作戦!作戦開始だよっ!」

紗枝「うちらの舞をよう見とっておくれやす!」

あずき「出し惜しみはしないよ!注目させちゃうっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ Cuteプロダクション ステージ

試合開始17分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :255007
(攻)Pinky loves   :276258

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

卯月(!?)

美穂(ひ、票数が一気に……)

杏(……あの二人だね。)

かな子(CuPさん……このままじゃ私抜かされちゃいます……。)

幸子(ふん!今更追い上げたって、ボクの勝ちは絶対です!)

卯月(私達も負けるわけにはいきませんっ!)

杏「卯月っ!杏も歌うよ!」

卯月「はいっ!これ以上はさせませんっ!」

------ Cuteプロダクション ステージ裏

CuP「響子!すぐに照明さんに卯月と杏にスポットライトを当てるように言ってきてくれ!」

響子「は、はい!わかりました!」

みく「にゃ!?CuPチャンどうするつもりだにゃ?」

CuP「ボクらはもう奥の手は使いきってる、なら後は自力の勝負さ。」

桃華「あずきさんが動いたとなると、次は雪美ですわね……。」

CuP「……そうなるね。」

菜々「CuPさんがいるから大丈夫ですよっ!ナナ信じてますからっ!」

まゆ「うふふ……おもしろくなってきましたね。」

智恵理「C、CuPさん……。」

CuP(頼んだよ……卯月、杏。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

ちひろ「Pさん!凄いです!かなりの追い上げですよ!」

愛梨「あのCuteプロ相手に一歩も引かないなんて、みんな凄いですっ!」

ちひろ「後は雪美ちゃんの秘密兵器を使えば……。」

P「……いや、それだけじゃまだ足りません。」

ちひろ「え!?そ、そうなんですか?」

P「えぇ、おそらく並ぶのがやっとでしょうね。」

あやめ「……どうするのですか?P殿?」

P「もうできる事はやりきった……。後は実力で勝負だ!」

P「あやめ!照明にスポットライトを当てるように言ってきてくれ!」

あやめ「承知しました!誰に当てるように言えば宜しいですか?」

P「雪美と……紗枝だ!」

P(二人とも、頼んだぞ……。)

------ Cuteプロダクション ステージ」

パッ!

卯月(私に…スポットライト……)

杏(杏と卯月の二人でやりあえってことだね……。)

幸子(なんでボクじゃないんですか!?)

美穂(ふ、二人に注目が……!)

かな子(卯月ちゃん達をバックアップしないと!)

卯月「杏ちゃん……これは?」

杏「……しゃーない。卯月行くよっ!」

卯月「……はいっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

パッ!

雪美「…………」

紗枝(うちと雪美ちゃんに……すぽっとらいと……)

あずき(後は雪美ちゃんの秘密兵器と紗枝ちゃんに任せたよっ!)

柚(ゆきみん!紗枝チャン!決めちゃって!)

聖(私達も……後ろから……お手伝いします。)

紗枝「雪美ちゃんその箱を……それからうちらも動きましょうか……。」

雪美「…………」コクッ

雪美(……P…の…くれた…この…箱……)パカッ

ポンっ! ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

雪美「!?」

あずき(ぺ、ペロ!?)

紗枝(これは……。)

雪美「……ふふっ。……うふふっ。」

聖(雪美さん……笑ってる……)

雪美(……P……は……やっぱり……私の…事……。)

雪美「……みんな……力を…貸して……私の……小さな……トモダチ……」ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

雪美「……紗枝……行こう……」

紗枝「えぇ……任せといておくれやす。」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

柚(なるほどね……こりゃゆきみんにしか使えないな……。)

------ Coolプロダクション 観客席
試合開始18分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :282938
(攻)Pinky loves   :281273

神谷奈緒「ね、ネコを使ったステージ!?」

北条加蓮「雪美ちゃん達とあのネコちゃん達、凄く息が合ってる……。」

渋谷凛「票数も並んでるね……。」

CoP「雪美ちゃんにこんな事ができるとはな……。」

神崎蘭子「つ、使い魔をあそこまで手なずけるとはね……。(う、羨ましいです……。)」

塩見周子「こりゃどっちに転ぶか分かんなくなってきたね。」

高垣楓(ネコが……やめとこ……。)

多田李衣菜「流石、師匠のチームです!簡単には諦めませんねっ!」

川島瑞樹「礼子さんもあんな感じで豹の子供と一緒にステージとかどう?」

高橋礼子「……できるわけないでしょ。」

奈緒「それにしても何でCuteプロもモバプロもスポットライトが二人だけに当たってるんだ?」

CoP「どちらも最後はエースに賭けたんだろう。ここからは両チームのエース同士の激突だ。面白い物が見れるぞ……。」

凛(珍しいな……CoPさんがこんな楽しそうな顔するなんて。)

------ Cuteプロダクション ステージ」

幸子(何をしようがボク達が勝つに決まってますよ!)

美穂(わ、わたしだって…!)

かな子(みんなの力ってすごいなぁ…。)

杏(はぁはぁ……あー、もう……さっさと諦めてくれないかな……。)

卯月(あの子……やっぱり切り札だったんですね……。)

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

卯月(プロデューサー、私、皆の前で歌って、たくさんの人を笑顔に出来るアイドルになれたんですっ! )

卯月(……本当に嬉しいです!でも、もっともっと、皆の笑顔のために、頑張りますねっ!)

杏「……くっ!しんど……。」

卯月「卯月、歌いますっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

柚(この勢い……前に出て無いアタシ達ですら気を抜いたら一瞬で持ってかれる……。)

聖(雪美さんや紗枝さんの……ためにも。)

あずき(後ろはあずき達が守りきるよっ!)

雪美(……後……少し……)

紗枝(島村卯月はん……やっぱりうちの力じゃ……。)

P『紗枝!あと少しだ、頑張れ!』

紗枝「!?」

紗枝(……Pはん。)

紗枝(うちの事をそないに……。)

紗枝(Pはんのおかげで、うち、ここまで来れた思てます。)

紗枝(恩返しできるように気張るさかい、ずっと側にいたってなぁ……)

紗枝「雪美ちゃん、ペロちゃん達!巻き返しますえ!」

雪美「…紗枝……一緒に…がんばろ……」 ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

------ Cuteプロダクション ステージ裏

みく「にゃー!猫チャンたちに囲まれてうらやましいにゃあ……」

桃華「ね、ネコと踊るなんて雪美にこんなことができたんですの?」

菜々「こ、こんな作戦やるつもりだったんですかぁ!?」

CuP「……いや、おそらく紗枝ちゃんも雪美ちゃんもP君から細かい指示は出ていないだろうね。」

まゆ「どういう事なんですか?」

CuP「それだけ信頼関係が強いってことさ。」

CuP「それが『The Wild Flowers』の強さ秘密だろうね……。」

響子「ゆ、雪美ちゃん達ってこんなに凄かったんですね……。」

CuP「……凄さなら卯月と杏も負けて無いよ。」

智恵理「…………」

ダッ

菜々「ち、智恵理ちゃん!?どこへ行くんですかぁ!」

CuP「菜々!放っておくんだ!」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

あやめ「雪美殿!紗枝殿!あと少しです!頑張って下さい!」

ちひろ「票数が抜いたり抜かれたりしてる……。」

P「…………」

ちひろ「Pさん!このままじゃ!」

P「今は紗枝と雪美を信じるしかありません……。」

愛梨「大丈夫ですよ、あの二人ならっ!」

あやめ「十時殿……?」

ちひろ「……どうしてそう思うの?」

愛梨「わかりません。何となくですっ!」

P「……お前ってよくわからん奴だよな。」

愛梨「Pさんは違うんですか?」

P「いや……俺も同じ意見だよ。」

------ 観客席

拓海「雪美っ!紗枝っ!気合い入れろよっ!!」

真奈美「…………」

拓海「木場さん?どうしたんだよ、さっきからずっと黙ってるじゃねぇか?」

真奈美「拓海君……君は全速力で走り続けて何分持つ?」

拓海「えっ?わかんねぇけどそんなに長い時間は無理じゃねぇかな?」

真奈美「今、スポットライトの当たっている4人は全力で歌って踊っている……。」

拓海「ど、どういう事だよ?」

真奈美「体力のある君でも全力で動き続けるのは何分も持たない……なら体力の無い者はどうなる?」

拓海「!?」

真奈美「……そろそろ、シンデレラの魔法が解ける時間だ……。」

拓海「雪美っ!!」

真奈美(そして……もう一人……。)

------ モバイルプロダクション ステージ
試合開始19分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :293726
(攻)Pinky loves   :293928

あずき(がんばれっ!ペロ、ペロツー、ペロサード、ペロクワトロ、ペロ……なんだっけ?)

柚(あーもう!Pサンなんで名前に統一感が無いのかなぁ!!)

聖(残り……一分)

雪美「はぁはぁ………」

紗枝(雪美ちゃんの体力が……。)

P『雪美っ!!』

雪美「…………!」

雪美「……任せて……P……」ニコッ

雪美(私が……望むこと……あなたは……知ってる……)

雪美(あなたの……望み……私が……叶える……。あなたと……私……の……約束……)

雪美「……紗枝……終わらせ…よう……。」ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

紗枝「もちろんどす、うちらは負けるわけにはいきまへん……」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ Cuteプロダクション ステージ」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

美穂(わ、私達も全力でやってるのに………)

かな子(CuPさん……必ず……勝ちます……。)

幸子(くっ…あー…手加減はこの辺にしておいてあげます!)

杏「はぁはぁ………」

卯月(杏ちゃんの息が上がって!?)

杏(しんどい……いつぶりだろ……息切れしたのなんて……あんまレッスンして無かったしな……。)

杏(もう印税貰えてるし……頑張る必要無くなったのに…またプロデューサーに騙されてこんなしんどい思いして…。)

CuP『…………』

杏(……何で黙ってんの?杏がこんなに頑張ってるなんてありえないじゃん?)

杏(いつもみたいに『杏はもうちょっと頑張ればいいのにねぇ』とか何かあるでしょ……。)

杏(……なんか……言ってよ…プロデューサー……)ズルッ

杏「!?」ドテッ

卯月(杏ちゃん!?)

------ Cuteプロダクション ステージ裏

CuP「………杏。」

みく「ま、まずいにゃ!」

桃華「あ、杏さんが尻もちをつくなんて……。」

菜々「C、CuPさん!ぎ、逆転されてますよぉ!」

CuP「…………」

まゆ「CuPさん?」

響子「CuPさん!な、何か言ってあげて下さい!」

CuP「!?」

CuP(……ボクは何をやっているんだ……。)

CuP「……杏!休憩にはまだ早いよ!あと少し頑張るんだ!」

------ Cuteプロダクション ステージ」

杏「……ははっ……。」

杏(久しぶりだな…プロデューサーにそんな事言われたの……。)

杏(ありがと……ほんのちょっとだけやる気出たよ……)

杏(でも……ちょっと遅かったかな……。)

『そこまで、試合終了!!』

------ 観客席

『ただいまの試合 306583 対 301293 で……』

『勝者!モバイルプロダクション The Wild Flowers!!』

拓海「よっしゃぁ!!さすが雪美達だぜっ!」

真奈美「まったく、2戦連続逆転勝利とはヒヤヒヤさせてくれる。」

真奈美(ふふっ、Pと雪美の絆は想像以上に強かったようだな……。)

拓海「心臓に悪い奴らだな、ホント。」

真奈美「それにしても驚いたな、動物を使ったステージとは……。」

拓海「へへっ!雪美にしかできない芸当だなっ!」

真奈美「Pの言うとおり素晴らしい応援団だよ。」

拓海「ペロ、ペロツー、ペロサード、ペロ……4号、5号も良く頑張ってくれたぜ!」

真奈美(……そんな名前じゃなかっただろう。)

拓海「帰ったら猫缶あげとかねぇとな。」

------ 事務所

『The Wild Flowers!大量リードを逆転勝利いたしました!』

『Eランクであるモバイルプロダクションがなんと決勝進出です!!』

美世「やった、やったよ!Pさん!!」

イヴ「す、凄い!凄いステージですぅ~!」

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

茄子「ペロちゃん達可愛いかったですっ!でもあんなにいたんですね?」

美世「茄子ちゃんが遊び来た時はペロとペロツーしかいなかったんだっけ?」

茄子「えぇ、そうですね。あの子達の名前はなんていうんですか?」

イヴ「えーっと、ペロ、ペロツー、ペロ………ピガヒョ、ペロヒヒャマ、ペロタッディマっていうんですよぉー。」

茄子「か、変わった名前ですね……。」

美世(イヴちゃん、適当に答えたね………。)

------ モバイルプロダクション ステージ

雪美「………はぁ……はぁ……」

柚「はぁはぁ…………」

紗枝「…………ふぅ。」

聖「終わり……ましたね。」

あずき「……や、やったよ!」ダキッ

紗枝「あ、あずきはん、く、くるし……。」

あずき「ご、ごめん!……でも、あずき達、勝ったよっ!」

柚「はぁはぁ……流石に今回は疲れたかナ……。」

紗枝「ふふっ、柚はん。おつかれさんどしたなぁ。」

柚「へへっ、でも今回のMVPは紗枝チャンとゆきみんに譲るよっ!」

雪美「……みんな……ありがと……」

ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

聖「素敵な……歌でした。」

------ Cuteプロダクション ステージ裏

卯月「負けてしまいましたね……。」

CuP「………………」

杏「………………」

かな子「CuPさん………」

美穂(い、いつもと空気が全然違う……)

CuP「みんな、良く頑張ってくれた。この負けはボクのせいだ。」

桃華「そ、そんな事ありませんわ!」

CuP「……いや、最後の1分。みんなが諦めていない中、ボクは勝利を諦めていた。」

幸子「なんで諦めてたんですか?ボク達なら追い上げれたじゃないですか!」

CuP「何でだろうね、あぁ勝てないかもって感じたのさ。プロデューサー失格だよ。」

みく「なんで……なんでにゃ!」

菜々「み、みくちゃん……。」

まゆ「………別にまゆはどうでもいいです。」

卯月「ま、まゆちゃん?」

まゆ「CuPさんが駄目でも良いんですよぉ、まゆが支えてあげますから。」

まゆ「CuPさんにプロデュースしてもらって、まゆ、とーっても人気が出たと思うんです。」

まゆ「つまりまゆにとってCuPさんは大切なパートナーですよ。CuPさんにとってのまゆも大切な存在ですよね?」

CuP「………そうだね。」

まゆ「うふふっ……それなら良いんです。まゆがきっとCuPさんをトッププロデューサーにしてあげますから。」

卯月「プロデューサー、私、アイドルとしてやっていけるか心配な日もあったんです。」

卯月「でも、CuPさんがプロデューサーだったからここまで来れたんですよ?」

卯月「プロデューサーとだったらどんな事でも頑張れますよ!」

かな子「私、CuPさんが笑ってくれると嬉しいなって…!」

美穂「アイドルになって、こ、こんな大きなステージに立つ日が来るなんて……想像もしてませんでした。」

美穂「CuPさんがプロデューサーで良かったって思ってますっ!」

みく「まゆちゃんの言う事は確かだにゃ……。」

みく「今みくがアイドルとして頑張れてるのはCuPチャンのおかげだにゃ~☆」

菜々「こんなナナと一緒にいてくれるCuPさんは最高のプロデューサーです!」

幸子「ふふーん、仕方ないですね!今回だけは許してあげます!」

幸子「でも、ボクはきっとトップアイドルになりますよ♪」

幸子「だからCuPさんはこれからも忙しくボクのためにイヌのように走り回って下さい! 」

桃華「次は負けなければよろしいのでしょう?CuPちゃまだからこそ出来る事ですわ。わたくしもそう信じていますわ!」

CuP「ありがとう……。ボクは幸せ者だね。」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

P「…………」

P(勝てたか………。)

ちひろ「やりました!決勝進出ですよ!」

あやめ「P、P殿!」

P「あやめ……。」

あやめ「やはりP殿は最高のプロデューサーです。わたくしのプロデューサーがP殿で良かったと思います!」

P「俺は何もしていないさ、最高なのは皆の方だ……。」

愛梨「Pさん!素敵なLIVEでしたねっ!」

P「愛梨、お前のおかげで逆転出来た。助かったよ。」

愛梨「ちゃんと愛梨って呼んでくれるようになったから、それだけで私は良いですっ!」

P「プロダクションの違うのに手伝って貰って申し訳なかったな。」

愛梨「……例えプロダクションが違ってもPさんとは一緒にいたいな!っていうのはワガママですか?」

P「ははっ、駄目に決まってるじゃないか。」

愛梨「うれし……って、えぇっ!?そこはうんって言って下さいっ!」

あずき「Pさーん!」

P「おかえり、みんな。」

あずき「やったよ、あずき達!勝ったんだよ!」

P「あぁ、本当に素敵なステージだったよ……。」

あずき「えへへっ!Pさんの用意してくれた勝負服が役に立ったよっ!」

P「それはあずきの選んだ奴だけどな……。」

あずき「でも、使ったのはPさんの作戦だもん!大成功だったよ!」

P「そう言って貰えると助かるよ。」

雪美「……P……」フラッ

ガシッ

P「雪美、お疲れ様。」ヒョイッ

雪美「……あっ……」

愛梨「お姫様抱っこなんて!雪美ちゃんが羨ましいですっ!」

紗枝「ふふっ、雪美ちゃんは立つのもやっとなくらい頑張ったさかい、今回は譲ってあげとくれやす。」

P「……よく……頑張ったな。」

雪美「……んっ……大丈夫……」ニコッ

雪美「……やっぱり……P…で……良かった……。」

P「ん?」

雪美「……ううん……何でも……無い…。」

雪美「……Pが……こうして……くれる…なら…なんでも……良い……」

P「……そっか。」

雪美「ふふっ……P……」

ちひろ(この二人の関係っていまだに良くわからないわ……。)

柚「Pサン、勝ったね……。」

P「柚もすまなかったな無理を言ってしまって。」

柚「へへっ、大丈夫だよ!それよりPサン、ご褒美はやく♪お菓子、用意してるんでしょ?」

P「…………」

柚「え、持ってないの?」

P「すまん……買うの忘れてた……。」

柚「へへっ、こうなったら……お菓子くれるまでPさんをイタズラだーっ!」

P「こらっ!やめろ柚!雪美を抱えてるんだから背中にひっつくな!」

紗枝「柚はん、元気どすなぁ……。」

聖「ちょっと……羨ましいです。」

ちひろ「はぁ……、何かいつもの感じが抜けませんね。」

あやめ「柚殿のP殿に対する素早い動きは見習うべきところが多いですね……。」

雪美「……P……。」

P「どうした、雪美?」

雪美「……ペロ達…も……頑張った……」

P「あぁ、そうだな。ペロ、ペロツー、ペロサード、ペロクワトロ、ペロサンクもありがとうな。」 ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

P「事務所に帰ったら、高級猫缶用意してあるからな。」ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

雪美「……やったー…って……言ってる……」

あずき「あーっ!そうそう、ペロサンクだったんだね!」

P「もしかしてあずき、ペロ達の名前を覚えて無かったのか?」

雪美「……あずき……酷い……」

あずき「あ、あずきだけなの?」

聖(私も……でしたけど)

紗枝(Pはんの名前の付け方は何が基準なんやろ……。)

愛梨「変わった名前ですね、でもペロちゃん達可愛いですっ!」

ちひろ「遊んでないで、そろそろ控室に戻りましょうよ……。」

------ 会場廊下

智恵理「…………」

CuP「智恵理、ここにいたのかい?」

智恵理「C、CuPさん……!」

CuP「……せっかく智恵理にお守りを貰ったのに約束を守れなかったよ。」

智恵理「そ、そんな……そんな事!」

CuP「…………」

智恵理「わ、わたしなんて役に立ってないのに……CuPさん達に迷惑かけてばっかりで……。」

智恵理「さっきも…皆が負けるのが……怖くなって逃げ出して。」

智恵理「CuPさん……わたしの事…見捨てないで…下さい。」

CuP「智恵理……」

智恵理「…………」

CuP「確かに智恵理はまだ大きく目立ってはいないね。」

CuP「でも、きっといつか智恵理が輝く事を信じて待っていてくれている人はいるさ。」

CuP「……ボクもその一人だ。」

智恵理「CuPさん……うれしいです……」

智恵理「あ、あのっ……これからも……で、できれば……」

智恵理「その、よかったら……ずっと……わたしのこと見守ってください、ね…?」

CuP「ふふっ、お安いご用さ。じゃあボクはちょっと行く所があるから。」

CuP「智恵理は落ち着いたら控室に戻っていてよ。」

智恵理(CuPさんが傍にいてくれるから、わたし……!)

智恵理(わたし…CuPさんのために……『The Wild Flowers』に勝って見せます……必ず!)

名前間違えたらアカンでPちゃん!

>>167 智絵里だったね……嫁の方はすんませんですホントに

------ 会場屋外

CuP「…………」

杏「…………」

CuP「杏か……一番見られたくない君に見つかるなんてね……慰めに来てくれたのかい?」

杏「慰めは……しないけど飴くれ。はよ」

CuP「はい、どうぞ。」

杏「ん………何か言う事ある?」コロコロ

CuP「特に無いかな……。」

杏「で、プロデューサーはここで何してんの?サボりなら杏も付き合うけど?」コロコロ

CuP「別に……誰もボクを責めないから自分が駄目にならないように、一人で反省会してるのさ。」

杏「めんどくさいなぁ。杏の事を責めない癖に……。」コロコロ

CuP「流石、お見通しだね。杏は負けて悔しかったかい?」

杏「…………」

CuP「ボクは悔しかったね、最高のメンバーを揃え、最高のステージを演じてもらったつもりさ。」

CuP「だけど、最後の最後でボクは頑張ってる君達に応援の一つもできなかった。情けない話だよ全く。」

杏「今までフェスで負けても気にしてなかったのになんでそこまでこだわんの?」コロコロ

CuP「なんでだろうね、全力を出せる相手だって思ったからかなぁ。」

杏「ふーん………。ねぇ……杏がもっと頑張れば勝てたかな?」

CuP「おや?杏の口から頑張るなんて聞けるとは珍しいね。雨でも降るかな?」

杏「茶化すんならもういいや……。」

CuP「……正直わからないね、それだけ最後の『The Wild Flowers』は凄かったよ。」

杏「あっそ……杏は疲れたからちょっと寝るよ。膝貸して。」

CuP「好きにすると良いさ。」

杏「次は寝てても勝てるぐらいなれば、疲れなくて済むね……。」

CuP「…………」

杏「……グスッ…今度は…ヒック……ちゃんと…応援してよ…」

CuP「また1から一緒に頑張って行こう……。」

------ モバイルプロダクション 控室

ちひろ「とうとう決勝戦なんですね……。」

P「……えぇ、そうですね。」

ちひろ「ここからのスケジュールはどんな感じなんですか?」

P「五回戦第三試合の後、2時間挟んで決勝ですね。」

愛梨「ずいぶん時間が空くんですね?」

P「まぁ、決勝戦前にプレイバックやらスタジオトークやら挟むからな……。」

P「皆もCuteプロとの戦いで疲れてるだろうし、ゆっくりできる時間があるのはありがたいよ。」

雪美「zzzz……」

愛梨「雪美ちゃん、疲れて寝ちゃってますね……。Pさん!私も後で膝枕してもらっていいですか?」

P「雪美は最年少なのにリーダーとして頑張ってくれるからな……。今は寝かせておいてあげてくれ。」

ちひろ「他の皆はまた出て行っちゃってますね。いつも衣装直しとかギリギリになるんですけど……。」

P「まぁ、その分リフレッシュに当ててくれるなら良いですよ。ひとまずCoolプロの試合を観戦してからまた考えましょう。」

ちひろ「わかりました、あっ、もうそろそろ始まりますよ。」

P「…………」

ちひろ「…………」

愛梨「…………」

雪美「zzzz……」

『勝者!Nプロダクション!!』

P(なんてこった……)

ちひろ「そ、そんなCoolプロが負けるなんて……。」

雪美「zzzz……」

ちひろ「私達と戦った時のメンバーとは違う……でも、Coolプロに勝つなんてどういう事なんですか?」

『それでは、五回戦の結果を見てみましょう。』

五回戦結果(勝利チームには勝ち点4)

 (勝)モバプロ VS (負)Cuteプロ
 (勝)Nプロ VS (負)Coolプロ
 (勝)Passionプロ VS (負)Sプロ

 モバイルプロダクション:勝ち点 9
 Cuteプロダクション  :勝ち点 5
 Coolプロダクション  :勝ち点 8
 Passionプロダクション :勝ち点 8

 Nプロダクション    :勝ち点 10
 Sプロダクション    :勝ち点 2

『決勝戦はNプロダクション対モバイルプロダクションの対決に決定いたしました!』

愛梨「Pさん……やっぱりきちゃいましたね……。」

ちひろ「えっ?Pさんは彼女達の事を知ってるんですか?」

P「…………」

------ ちょっと時間が戻って昼休憩時 食堂

愛梨『えへへっ!一緒にご飯食べると美味しいですねっ!』

P『関係者用の食堂って意外と空いてるんだな……。』

愛梨『Pさん、あ~ん♪』

P『するわけないだろ。』

愛梨『愛情たっぷりですからね!Pさん、遠慮せずに、あ~ん♪』

P『詰まってるのは食堂のおばちゃんの愛情だけどな。』モグモグ

愛梨『えへへっ、なんか緊張しちゃいますねっ!』

P『お前が緊張するなんて意外だな。緊張とは無縁のタイプだろ?』

愛梨『ドキドキしてます……だって……』

P『ん?』

愛梨『な、何でも無いですよっ!』

P『……なぁ、一つ聞いて良いか?』

愛梨『はいっ!どうしたんですか?』

P『……なんでPassionプロはNプロに負けたんだ?』

愛梨『…………』

P『俺達と初戦で当たった時はそこまで強い相手じゃ無かったと思うんだが……。』

愛梨『……見て……無かったんですか?』

P『あの時は紗枝のケガでバタバタしてたからな……。Sプロとの試合は見たけどPassionプロに勝つ程とは思えなかった。』

愛梨『……嫌わないで……聞いてくれますか?』

P『……当たり前だ、約束する。』

愛梨『嬉しいですっ!Pさんはやっぱり優しいですねっ!』

愛梨『あの時はあの試合を落としても問題無かったのでみんなは気づいていませんでしたけど……凄かったですよ……圧倒的に……。』

P『お前が驚くほどとはな……、じゃあ俺らとの試合の時は……。』

愛梨『あんまり言いたくないんですけど……多分……。』

P『どうでも良かったって事か……。』

愛梨『だと……思います。本当のメンバーは出ていませんでしたから……。』

P『こっちは全力でやったつもりだが踊らされていたとはな……。でも、Passionプロを圧倒する相手って言うのは?』

愛梨『……あの子達の名前は……』

------ モバイルプロダクション 控室

P「……ニューウェーブ」

ちひろ「ニュー……ウェーブ?」

P「昔、新人アイドルプロデュースっていうイベントで選ばれたエリート……」

P「土屋亜子、大石泉、村松さくらの3人からなるユニットですよ。」

愛梨「Nプロの本当のメンバーあの3人です……」

ガチャッ

CuP「ホントに驚きだよね。あのCoP君達にこうも一方的に勝っちゃうなんてね。」

PaP「お前さんも試合を見て知ってると思ってたぜ。」

ちひろ「CuPさん!PaPさん!」

愛梨「あっ、プロデューサーさん。」

PaP「ん?十時、どこにいるかと思えばPのとこにいやがったのか。」

P「PaP、帰るときに回収して行けよな。」

PaP「アハハッ!ここが気に入ったならいいんじゃねぇか?こいつすぐ道に迷うから預かっといてくれよ。」

ちひろ「そんな、イヌみたいな……。」

雪美「……何……」ムクッ

P「雪美、起きちゃったか。うるさくして済まなかったな。」

雪美「……Pが…膝枕…して……くれてたから…良い………」ギュッ

CuP「羨ましいね、雪美ちゃんは。P君、後でボクにも膝枕してくれないかな?」

愛梨「駄目ですっ!Pさんは私に膝枕するんですっ!」

P「何言ってんだお前ら……。」

ちひろ「ち、ちょっと!そんな事よりそのニューウェーブについてが先ですよ!」

CuP「ニューウェーブのデビューイベントではうちのかな子が出てたけど、その時とは比べ物にならないくらい実力が上がってるね。」

PaP「アイプロ以降あんまり目立たなかったのは、このフェスで優勝して華々しくデビューってするためってわけか。」

CuP「フェスでも極力出てこなくて、大して話題にもならなかったけどここで牙をむいてきたね。」

ちひろ「そんな事があったんですね……。」

ガチャッ

?「そういうわけだ。」

ちひろ「あ、あなたは?」

Nプロ社長「Nプロダクションの社長と言えばわかるか?」

P「…………」

雪美「…………」

愛梨(なんなんだろう……この人……。)

CuP(へぇ……この人がそうなんだね。)

PaP(敵陣に乗り込んできてこの態度とは、図々しい野郎だな……。)

P「……初めまして、モバイルプロダクション代表のPと申します。決勝戦では宜しくお願いします。」

パシッ

P「!?」

Nプロ社長「貴様と慣れ合うつもりは無い。」

雪美「…………!」

CuP「雪美ちゃん、抑えるんだ。」

ちひろ「ど、どういう事ですか?」

Nプロ社長「初戦で当たった雑魚が決勝に上がってくるとは予想外だったんでな。」

Nプロ社長「代表がどんな顔をしているか見に来ただけだ。」

P「そうですか、わざわざありがとうございます……。」

PaP(あー、こりゃめんどくせぇタイプだわ……。)

Nプロ社長「しかし、時間の無駄だったようだな。こんな冴え無い男が代表とはな……。」

P「そう言われてもね……。」

雪美「…………」

ちひろ(うちに恨みでもあるのかしら?)

CuP(言ってくれるね……。)

PaP(チッ!無意味に喧嘩売ってくんじゃねぇよ……。)

Nプロ社長「こんな奴の道楽に付き合わされるアイドル達は不幸だな。」

パンッ!

P「えっ!?」

愛梨「今の言葉……取り消してください。」

PaP「と、十時!おめぇ何やってんだ!」

雪美「……十時……?」

ちひろ(やった!十時ちゃんもっとやって!)

Nプロ社長「シンデレラガールの十時愛梨か……。」

Nプロ社長「ここにいるという事は、Passionプロとの戦いは八百長だったのか?」

愛梨「……取り消せっ!」

CuP「まずいよっ、止めないとっ!」

Nプロ社長「……離せっ!」

ドンッ

愛梨「きゃっ!」

P「危ないっ!」

ガシャッ

P「っつ!?」

愛梨「P、Pさんっ!」

雪美「……P……!」

ちひろ「なにするんですか!?」

CuP「……先に手を出したのは十時ちゃんだけど、女の子を突き飛ばすなんて気に入らないね。」

PaP「や、やめろ!CuPおさえろって!」

Nプロ社長「ふん、いきなり手を挙げるのがシンデレラガールとはな。こんなゴミはうちには必要無かったようだ。」

P「……てめぇ!いいかげんにしろっ!」

ちひろ「Pさんっ!?」

PaP「チッ!どいつもこいつも!Pやめろっ!」

P「俺の事は許してやるが!他の皆の事を悪く言うなら絶対ゆるさねぇぞ!」

雪美(Pが……あんなに……怒る……なんて……初めて……)

Nプロ社長「せいぜい吠えていろ。貴様らなぞ眼中にはない。」

CuP(あの余裕……何か企んでるのかな……?)

バタン

P「…………」

ちひろ「…………」

愛梨「Pさん……」

P「……ケガは無いか?」

愛梨「大丈夫です…グスッ…それより……Pさんが」

雪美「……P……大丈夫……?」

CuP「P君、大丈夫かい?頭から血が出てるよ?」

P「あぁ、俺は大丈夫だよ。ちょっとぶつけて切っただけだ。」

PaP「なんともいけすかねぇ野郎だな。あれで社長なのかよ。」

ちひろ「わ、私、あんなの許せません。」

愛梨「私…ヒック……あんな事……言う人…嫌いです……」

CuP「実力主義とは聞くけど、あんまり良い噂は聞かないね。」

ちひろ「じゃあ、もしかして十時ちゃんに目をつけていたんですか?」

PaP「多分そうだろうな、まぁでも今の口ぶりを聞くともうどうでもいいみたいだが。」

P「はぁ……、しかしまぁ横暴な奴だったな。PaPが居てくれて助かったよ。」

ちひろ「Pさんが暴れるのは初めてですからびっくりしました……。でもCuPさんが一番止められてましたよね。」

PaP「そりゃお前……CuPが一番やべぇからだよ。」

P「俺もCuPが切れる所を見たくは無いな…。」

CuP「あははー、何の事かなぁ。」

ちひろ(どういう力関係なのかしら?)

愛梨「…………」

ガチャッ

柚「ただいまー。」

紗枝「すみまへん。おそうなりました…。」

P「おかえり、二人とも。」

ちひろ「おかえりなさい、やっと帰ってきましたね。」

CuP「やぁ、ちょっとお邪魔してるよ。」

PaP「おっすおっす、元気してるか?」

柚「…………」

紗枝「…………」

P「ん?」

紗枝「Pはん!?」

柚「ど、どうしたのその頭の包帯!?大丈夫なの!?」

P「俺は大げさだからいいって言ったのに……」

雪美「……駄目……」

愛梨「そ、そうですっ!Pさんは重傷なんですっ!」

--------

あずき「んー、そんな事があったんだね……。」

あやめ「………許せませんね、そのNプロの社長とやら。」

聖「私も……許せません。」

P「やめろ二人とも。何度も言うけど何も無かったんだし気にするな。」

紗枝「せやけどPはん?Pはんへの無礼もありますけど、周子はん達を破った相手ならうちらにも因縁がありますえ?」

柚「そうだね、Coolプロを破るってのは相当だと思うよ。」

あずき「渋谷凛ちゃんとかあんなに凄かったのにこんなあっさり勝っちゃうなんて……。」

CuP「かなこはまだ連絡を取り合ってるのかな…?後で聞いてみるよ。」

愛梨「ニューウェーブ……私は直接お話しした事は無いです……。」

PaP「それより、最後にあいつの言ってた言葉が気にならねぇか?」

P「……あぁ、あの自信はなんだろうな。」

柚「Pサン?なんか言われたの?」

ちひろ「お前達に圧勝する的な事を言ってたんですよ。」

P「Coolプロに負けていながら言うのも何だが、Nプロに大差で負けるというのも考えにくいな。」

ガチャッ

CoP「その理由は俺から説明しよう。」

和久井「P君、大変よっ!」

P「CoP!和久井さん!」

あずき「プロデューサーがいっぱいになっちゃった!」

紗枝「あずきはん、そこは驚くとことちがいますえ……。」

CuP「CoP君、お疲れ様。理由があるってのはどういう事だい?」

CoP「簡単な話だ、これを見ろ。」

ちひろ「これって、Nプロのオーダー表ですよね?」

「!?」

P「なんだよ……これ。」

CuP「おや………?」

PaP「おいおい……どうなってんだ?」

Brand New Wave(Nプロダクション) オーダー表

 リーダー:
  土屋亜子

 フロントメンバー:
  大石泉
  村松さくら
  ………
  ………

 バックメンバー:
  渋谷凛
  島村卯月
  本田未央
  ………
  ………

PaP「なんで未央がオーダーに入ってんだ!?」

CuP「卯月も入ってるね……。」

P「渋谷凛もいる……いや、それより何で10人オーダーになってるんだ?」

土屋亜子(15)
ttp://i.imgur.com/MbQTnEN.jpg

大石泉(15)
ttp://i.imgur.com/cJX4XCy.jpg

村松さくら (15)
ttp://i.imgur.com/Rauu4b2.jpg

柚「え、エントリーされてる10人が変わってんじゃん!?」

あやめ「……なんですかこれは?そもそも試合に出れるのは5人までじゃなかったのですか?」

和久井「それが、決勝戦特別ルールでバックメンバーを含む10人まで試合に出れる事になったのよ。」

和久井「エントリー枠の10人も変更可能になっているわ。」

ちひろ「け、決勝戦特別ルール?」

和久井「おそらくNプロの差し金ね。私も決定してから聞かされたわ。」

P「試合までもう1時間切ってるのに俺達は聞いて無いですよ?」

CuP「P君達には伏せてたんだろうね、多分もうちょっとしたら連絡が来ると思うよ。」

あずき「で、でもなんでニュージェネレーションがNプロダクションにいるの!?」

柚「引き抜きとか?」

CuP「いや、ボクはそんな話は聞いて無いね……。」

雪美「…………?」

CoP「今回の決勝戦だけスポット参戦する事になっている。そういう風に上で話がついているみたいだ。」

聖「そういう……わけ…だったんですか。」

紗枝「で、でもうちらを倒すためだけにそこまでしますのん!?」

和久井「いえ、おそらく全てはニューウェーブの宣伝のためね。まさかこんなに好き勝手やられるとは思わなかったわ。」

CuP「……まさにルール無用だね。」

愛梨「そ、そんな……こんな酷い事が許されるんですかっ!?」

和久井「……………」

-------- 会場廊下

P「ひとまず俺達で状況を整理しよう……。」

和久井「えぇ、Nプロがやってきた事は大きく分けて二つ……。」

和久井「他プロからのアイドルをレンタル。そして試合のルールの改編よ。」

CoP「すでに凛はNプロと合流させられている。」

CuP「さっき社長に電話したけど、レンタルの話は本当みたいだね。」

PaP「うちも未央を決勝戦の時だけNプロに行かせるように言われたぜ……。」

ちひろ「そ、そんな!?なんでCuPさん達はその話を断らないんですか!?」

CuP「…………」

ちひろ「何か……言って下さいよ!?」

P「ちひろさん、止めるんだ!」

ちひろ「Pさん!離して下さい!CuPさん達はうちに恨みでもあるんですか!?」

PaP「す、すまねぇな……。」

ちひろ「謝るくらいなら最初からしないで下さいよ!」

和久井「ちひろさん、落ち着いて。CuP君達には断れないわけがあるのよ。」

ちひろ「わけってなんですか!?こんな事がまかり通るなんておかしいじゃないですか!?」

和久井「そ、それは………」

P「ちひろさん!みんなの気持ちもわかってやってくれ!」

ちひろ「P、Pさん……。」

P「……この件に関して言えば損をしているのはうちだけなんだよ。」

CoP「……その通りだ。」

ちひろ「そ、そんな!?」

和久井「ニューウェーブとニュージェネレーションのコラボ……間違いなく話題になるでしょうね。」

CoP「その上、今回はレンタルと言う名目で金が出ている。会社の利益が出ている以上逆らうのが難しい。」

CuP「ボクのクビ程度で済むなら喜んで断るんだけどね……。」

P「そういうわけにもいかないだろう。アイドル達にとってCuP達は必要な人間だからな。」

P「みんなは雇われだからうちとは状況が違うだろうしな……。」

ちひろ「………済みません、事情も知らずに。」

PaP「いや、ちひろさんの言う事は何も間違っちゃいねぇよ。情けねぇのはこんな事を許してしまってる俺達だ。」

P「しかし、これだけの事をやってくるなんてどれだけ金をばらまいたんだろうな。」

和久井「Nプロはニューウェーブにかけてるみたいね。失敗は許されない状況なんじゃないかしら?」

P「………和久井さん。こんな事は二度と起こらないようにできますか?」

和久井「そうね、今回の内通者をすぐに調査するわ。」

P「皆、俺の所はもう良いから早く自分達のアイドルのフォローに行ってやってくれ。」

CuP「……わかったよ。P君、すまないね。こっちに気を使って貰って……。」

P「なに、気にするな。俺も少し手を考えるとするよ。まだ諦めるわけにはいかないからな。」

-------- 会場屋外

P「…………」

ちひろ「Pさん………」

P「………厄介な事になりましたね。」

ちひろ「私、悔しいです!こんな事で、折角掴んだチャンスをつぶされるなんて!」

真奈美「おやおや、決勝戦を前に緊張しているのか?」

拓海「二人だけか、何してんだ?」

P「木場さん!拓海!」

拓海「っていうかP!その包帯!?誰かにやられたのか?」

P「いや、ちょっと転んでぶつけただけだよ。」

拓海「なんだよ、どんくせぇ奴だな。」

ちひろ「木場さん………」

真奈美「………ん?何かあったのかい?」

拓海「どうしたちひろ、辛気くせぇ顔して?」

ちひろ「それが………」

真奈美「ふむ………」

拓海「なんだよそれ!?」

ちひろ「もう私はどうしたら良いか……。」

真奈美「Pに何か考えはあるのか?」

P「……いえ、正直まだ何も思いついてないです。」

拓海「そんなやりたい放題やられていいってのかよ!?」

P「そんなわけないだろ、しかし今のところこっちは打つ手なしの状況さ。」

真奈美「そこまでしてくるとは……そんなプロダクションがあったんだな。」

P「えぇ、まさかここまでしてくるとは思いませんでしたよ……。」

ちひろ「木場さん、何かいい方法は無いんですか?」

真奈美「………正直、私も思いつかないね。」

拓海「チッ!なんなんだよ!」

真奈美「…………」

拓海「オイ!P!絶対負けんじゃねぇーぞ!!」

P「……わかってるさ」

-------- 会場廊下

ちひろ「控室に戻りましょうか。」

P「えぇ、そろそろ決勝の準備を始めないといけませんからね。」

?「おろ?」

P「ん?」

ちひろ「あ、あなた達は……。」

P(ニューウェーブ……。)

大石泉「モバプロのPね。」

P「あぁ、君達はニューウェーブか。」

土屋亜子「あーどーもどーも!土屋亜子です!シクヨロ!」

村松さくら「村松さくら、15歳でぇす!」

大石泉「私、大石泉。よろしく。」

P「よろしく。」

亜子「聞いたでー、うちのおっさんが迷惑かけたみたいやん?」

P「………まぁ、ちょっとな。」

泉「申し訳ないわね、あの人は横暴な所があるから。」

さくら「さくらはあの人苦手ですぅ……。」

ちひろ(意外とニューウェーブとの折り合いは良くないみたいね……。)

P「気にする事は無いさ、それより決勝戦は楽しみにしてるよ。」

亜子「悪いけど、いずみやさくらと一緒にいるといつもより何倍もいいLIVEが出来るわ。これで勝利は頂きやん!」

泉「『The Wild Flowers』についてはすでに調査済み。もちろんP、あなたの事も。」

P「………俺の事も?」

泉「えぇ、相手の指揮官を知るのも当然のこと。」

泉「トップアイドル達が沢山いる中、人を引き付ける力はあるけどプロにはなれない微妙な音楽センス」

泉「スカウトはほとんど運任せで、結局なんだかんだでアイドル達が寄ってくる。」

泉「後、ギターが上手い。」

P「………ちひろさん、俺ってこんな風に思われてるんですか?」

ちひろ(て、的確だわ……。)

ちひろ「そんな事より、あなた達はなんでNプロダクションにいるの?」

さくら「むぅ……なんでって言われましてもぉ…。イズミンとアコちゃんがいるからでぇす。」

亜子「そんなん決まってるやん!目標はがっぽり一攫千金ってことで!」

P「一攫千金ね、確かにNプロは金払いが良いからな……。」

泉「私はさくらと亜子がなるなら…なってもいいかなって、アイドル」

P(やはり三人のまとめ役は土屋亜子か……。)

亜子「でもまぁ、今回はあんたら運が悪いなぁー、なんか決勝戦ではニュージェネレーションがバックに着くみたいやん。」

泉「…………」

さくら「えっへへー♪全力でLIVEしますよぉ!」

ちひろ「あ、あなた達……ムグッ!」

P「やめるんだちひろさん。今はその話はすべきじゃない」ヒソヒソ

ちひろ「で、でもPさん……。」ヒソヒソ

P「とにかく、俺達も裏の話は知らないフリをしていてください。」ヒソヒソ

ちひろ「わ、わかりました。」ヒソヒソ

亜子「ん?作戦会議?」

P「そんな大したもんじゃないよ。」

亜子「まぁ、何にせよ宜しく頼んますわ!」

泉「私たちは、負けない」

P「あぁ、俺達も全力で行かせてもらうよ。」

亜子「………あー、さくら。悪いけど喉乾いたから売店でジュース買ってきてもらえへん?」

さくら「わっかりましたぁ♪」

亜子「ほいっ、これジュース代。」

さくら「あれれー?アコちゃん。10円じゃジュース買えませんよぉ?」

亜子「何言うてんの。10年前の10円やから120円分の価値があるんやで?」

さくら「あぁー、なるほど!凄いですねぇ!じゃあこれで買ってきますね!」 タッタッタッ

P(ひでぇな………。)

ちひろ(騙される方も騙される方だけど………。)

泉「亜子………」

亜子「じょ、冗談やん。後でちゃんと返しとくわ。」

P「………さて、これで本題に入れるかな?」

亜子「そうだね、さくらにはあんまり聞かせたくない話だから。」

ちひろ「もしかしてあなた達二人は気づいていたの?」

泉「この決勝戦はどう考えても不自然でしかないから。」

亜子「おっさんの差し金?」

P「想像している通りで合ってると思うよ。」

ちひろ「じゃ、じゃあ、あなた達もこの試合には反対なのね?」

亜子「…………」

P「……それとこれとは話は別でしょう。」

ちひろ「えっ!?なんでなんですか?」

P「今回の過剰なまでの演出を考えたら彼女達も負ける事は許されないんでしょうね。」

ちひろ「じゃ、じゃあ………。」

亜子「まぁ、悪いとは思うけどアタシらにも負けられん理由があるわけよ。」

P「……そうか。」

泉「……いい言葉の一つも言えなくて、ごめん。」

P「気にするな、その事が確認したかっただけだよ。」

亜子「んじゃ、そろそろ行くとするよ。さくらがベソかいてる頃やしな。」

泉「また、決勝の舞台で。」

P「あぁ、お互い頑張ろう。」

--------

P(考えれば考えるほど、どうすれば正解なのかわからなくなる……。)

prrrr……

P(ん?電話か。)

P「………すみません、ちひろさん。ちょっと電話なんで先に行ってて下さい。」

ちひろ「はい、わかりました。」

ピッ

P『もしもし』

美世『もしもしPさん?』

P『どうしたんだ、美世?』

美世『うん……、決勝戦進出おめでとうって言いたくて。』

P『あぁ……、ありがとう。何とかここまで頑張って来れたよ。』

美世『ホントに凄いよ……。テレビでもPさん達は凄いって言われ続けてるよ。』

P『何言ってんだ、言ったろ?絶対優勝するってさ。』

美世『ふふっ、なんだか嬉しいな……。決勝戦も頑張ってね。』

P『………あぁ。』

美世『………Pさん疲れてる?』

P『えっ?いや、なんでなんだ?』

美世『ううん、何となく……。あの、無理しないでね。』

P『ははっ、美世に心配されるとはな。』

美世『はぐらかさないでよ!ホントに心配してるんだから!』

P『………わかってるよ。でも、元気は出た!』

美世『ホントに?』

P『そりゃな、美世の声が聞けたしな。』

美世『う、うん………。』

P『それじゃあ、俺はそろそろ準備に向かうとするよ。』

美世『わかった、応援してるね。』

P『ありがとう、美世。やっぱり俺はお前がいないと駄目っぽいな。』

美世『もう!恥ずかしいから切るね!』

ピッ

P(ふぅ……、このタイミングでかけてくるなんて何でもお見通しってわけか。)

P(でも、美世のおかげで不安で気が変になりそうだったのが楽になった。)

P(しかし、ホントに勝てるのか、あんな相手に……。)

------ 事務所

ピッ

イヴ「美世さん、Pさんは何て言ってましたか~?」

美世「……………」

茄子「どうしたんですか?」

美世「あたし今から会場に行くよ!」

イヴ「えっ!?えぇ~!!」

ブリッツェン「フゴッ?」

茄子「美世さん、ちょっと待って下さい。」

美世「どうしたの?」

茄子「私もつれて行ってもらって良いですか?」

美世「う、うん良いけど……。」

イヴ「美、美世さん!私とブリッツェンもいきます~!」

ブリッツェン「フゴッ?」

美世「イヴちゃんも?かまわないけど、急ぐからすぐに準備してね!」

茄子「わかりました。でも急にどうしたんですか?」

美世「うん……、何だかPさんの事が心配になったから。」

茄子「ふふっ、なら私もPさんのために頑張りますね♪」

美世(何をがんばるんだろ…?)

------

イヴ「えっとぉ~、戸締りよし!火の元よし!ばっちりです~!」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「ブ、ブリッツェン!どうしたんですかぁ、そこはPさんのロッカーですよ?」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「開けてみろって?何があるんですかぁ?」

ガチャッ

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「あ、ホントですねぇ。Pさんこんな大事なもの持っていくの忘れてます~!」

------

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「お、お待たせしましたぁ~!」

美世「じゃあ、出発するね。」

茄子「でも、美世さん。ここから会場まで1時間はかかりますよ?決勝戦に間に合わないんじゃないんですか?」

美世「………3倍で飛ばせば、20分で着くよね?それならギリギリ間に合うかもしれないよ……。」

イヴ「えっ!?どういうことですかぁ?」

茄子「………美世さん、私にナビをさせてもらって良いですか?」

美世「茄子ちゃんが?う、うん。わかった。」

イヴ「あ、あのー、美世さん?」

美世「喋らないで!舌噛むよっ!」

茄子「行きましょう。」

美世「飛ばしていくよーっ!」

ブゥーン!

イヴ「え、えぇっ!?きゃー!」

-------- 会場裏口

CuP「すまないね、こんな事になってしまって。」

卯月「私は良いんですが、モバプロの方々が……。」

杏「卯月にこんな事させる程、うちってお金に困ってたっけ?」

CuP「まぁ、別にやる必要は無いんだけどね……美味しい話なんだよ、会社的に。」

杏「じゃあ突っ立って口パクで良いんじゃない?」

CuP「そういうわけにもいかないさ、ファンの目もあるしね。」

卯月「そ、そうですね応援してくれる人達がいるのに手を抜くわけには……。」

杏「こんな集団リンチみたいなやり方なのにファンの事が大事なの?」

CuP「正直、今回の話はボク達にとって何も痛い事はない。卯月が頑張って苦しむのはP君達だけだからね。」

CuP「それでもボクはP君達に勝ってほしいと思うし。卯月にも頑張ってほしいと思う。複雑な気持ちだよ。」

CuP「とにかく、卯月は何も考えずファンの声援にこたえてあげて欲しいと思う。こっちはこっちで考えてみるさ……。」

卯月「……卯月、頑張りますねっ!」

杏「……皆には黙っておくよ。」

CuP「感謝するよ……卯月、杏。」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

P「…………」

紗枝「決勝戦がこんな風になるやなんて想像もつきまへんでしたなぁ。」

P「そうだな、結局あのチームとやりあうのは避けれないからな。」

あやめ「なんだか複雑な気持ちですね………。」

柚「でも、負けるわけにはいかないねっ!」

あずき「あずき達なら大丈夫だよ、ここまで勝ち上がってきたんだもん!」

聖「……私……歌えるなら……」

ちひろ「みんな、しっかり頑張ってきてね!」

愛梨「私も応援してますねっ!」

P(……この勝負に皆を送り出す事は……本当に……正しかったんだろうか……。)

雪美「……P……私……なら……大丈夫……」

P「……雪美」

P「わかった……みんな行こう!この戦いで全てが決まる!全力で行こう!」

------ Nプロダクション ステージ裏

凛「……まさか雪美ちゃん達とこんな形で再戦になるなんてね。」

未央「せっかく凛ちゃんと卯月ちゃんの三人揃ったのに……。」

さくら「どうしたんですかぁ?皆さん元気が無いですねぇ?」

泉「……さくら、やめなさい。」

卯月「ふふっ、良いんですよ!プロデューサーのためにも今はクヨクヨしてても仕方ありませんっ!」

亜子「ちょっと、納得のいかん所もあるけど……、アタシらは全力で行かせてもらうつもりよ?」

凛「わかった……。」

未央「うんっ!そうだね、今はファンのために頑張るよっ!」

未央(プロデューサー……私は私で頑張るから……あずきちゃん達に力を貸してあげて……。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

P「……始まったか。」

ちひろ「みんな、頑張って!!」

愛梨「頑張って下さいっ!」

P(くそっ……残された時間じゃ6人での構成を見なおすくらいしかできなかった……。)

P(どうする………このままじゃ……。)

愛梨「…………」

愛梨(Pさん……こんな苦しそうな顔するなんて……)

愛梨(CuteプロのLIVEバトルの時もこんなに追い詰められた顔してなかったのに……)

愛梨(もう……遅いかも知れないけど……今の私にできる事は……。)

愛梨「…………」ブツブツ

ちひろ(えっ?十時ちゃん……何を呟いて……?)

愛梨「…………」ブツブツ

P(愛梨……お前……。)

------ Passionプロダクション 観客席

藍子「プ、プロデューサー……何で…未央ちゃんがNプロダクションにいるんですか!?」

PaP「…………」

美嘉「それもあるけど……Nプロは10人なのに……『The Wild Flowers』は6人じゃん!?」

莉嘉「ど、どうなってるの!?PaPくん!」

きらり「ふぇぇ……きらり……全然わかんないにぃ……」

茜「ど、どど、どうしましょう!?プロデューサー!!!」

PaP「未央はわけあって、今だけNプロに加勢してんだよ……。」

日菜子「モバプロにはお手伝いしないんですかぁ?」

美嘉「そ、そうだよこのままじゃ雪美ちゃん達は……」

PaP「……手伝うったってお前ら『The Wild Flowers』の動きを覚えてんのかよ?」

唯「それは……覚えて無いかな……。」

PaP「Nプロはニュージェネレーション混みでのステージ構成までしっかり考えて来てやがるな……。」

PaP(チッ!華やかに見えるが全部シナリオ通りってわけか……胸糞悪ぃステージだぜ……)

------ Cuteプロダクション 観客席

美穂「……あ、あやめさん達がどんどん押されてます!」

みく「……こ、こんなの勝てるわけ無いにゃ!」

まゆ「……まゆはそうは思わないですねぇ。」

かな子「まゆちゃん?」

まゆ「まゆの邪魔をしたんですから……こんな事で負けてもらっちゃ気に食わないじゃないですかぁ?」

桃華「そうですわ……卯月さんには申し訳ないですけど……。」

桃華「雪美には簡単に負けてもらっては困りますわ。」

幸子「あのチームは全力のボク達に勝ったんですから、優勝してもらわないと困りますよ!」

幸子「優勝したチームを負かしてこそボクのカワイさが引き立つんですから!」

菜々「ナナも全力でモバプロを応援しますよ!」

智絵里「私も……今は応援します!」

CuP「ふふっ、ありがとう。みんな。」

杏(……普通にやってもみくの言うとおり勝てるわけの無い相手だけどね……。)

CuP(すでに差はかなり開いてきている……まずいね……。)

------ Coolプロダクション 観客席

蘭子「この空間……落ち着かないわね……。(ど、どっちを応援したら良いんだろう……。)」

奈緒「凛の奴……本気だな。」

周子「紗枝ちゃん達も頑張ってるけど、流石に相手が悪いね……。」

加蓮「CoPさん……私、もう見てらんないよ……。」

CoP(普通のチームならこんな状況だと心が折れてまともに動けないはずだ……。)

CoP(今、『The Wild Flowers』を支えているのはPがまた何とかしてくれるのではないかと言う希望か……。)

李衣菜「師匠、頑張って下さい!あーっ!でも凛ちゃんも頑張って!」

瑞樹「また豪華なメンバーを揃えてきたわね……、私達を破ったニューウェーブとのコラボなんて。」

礼子「……プロデューサーなら今のモバプロと同じ状況ならどうするの?」

CoP「……棄権しますね。逃げたと言われても戦うには分が悪すぎる。惨敗よりはマシでしょう。」

楓「なんで、モバプロは棄権しなかったんですか?」

CoP(……俺達のモバプロに対する期待が棄権と言う逃げ道を塞いだんだろうな……。)

CoP(試合が始まってしまった今……できるのは祈る事だけか……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

雪美(……P……きつい……。)

紗枝(6人で全力で挑んでるのに手も足もでえへんなんやなんて……。)

あやめ(このままだと……逆転する事も不可能になってしまいます……。)

柚(まずいな……皆、精一杯やってるけど……気持ちが折れかけてきてる……。)

あずき(あずき達の作戦は……こんな事で!)

聖(Pさん……私……最後まで…心をこめて歌います……。)

------ Nプロダクション ステージ裏

卯月(迷っちゃ駄目……ファンのためにも……。)

凛(今は何も考えずに歌うしかないね……。)

未央(うぅ……やっぱこういうのは性に合わないなぁ……。)

さくら(えっへへー♪アコちゃんにイズミンと皆一緒で楽しいですぅ!)

泉(流石ね……『The Wild Flowers』はまだ諦めて無い……。)

亜子(色々思う事はあるけど……やっぱりLIVEに勝たないと何も始まらないね!だから、アタシは本気だよ!)

亜子「さくら、いずみ……行くよ!」

さくら「えっへへー♪ いくよーっ!」

泉「………いいわ」

亜子「……ってなわけで、アタシらが勝ぁぁつ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

-------- 会場屋外

美世「着いたね……。」

イヴ「うぷっ……ぶ、ブリッツェン……ちょっと乗せて下さいぃ…。」

ブリッツェン「フゴッ!」

茄子「決勝戦はもう始まっていますね……。」

美世(通った道は凄く空いてたし全部青信号……。)

美世(茄子ちゃんのナビが無ければ全然間に合わなかったな……。)

茄子「美世さん、ここからどうするんですか?」

美世「うん……何とかしてPさんに会わないと……。」

イヴ「美世さん!茄子さん!」

茄子「どうしたんですか?」

イヴ「あ、あの……決勝戦の様子があのモニターに……。」

茄子「………これは」

美世「そんな………。」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合開始10分経過 ファン投票数
(防)The Wild Flowers :183473
(攻)Brand New Wave  :293847

『ただいまより、攻守交替です!』

ちひろ「そ、そんな……こんな事って……。」

愛梨「…………」ブツブツ

P「…………」

P(万策……尽きたか……。)

P(みんな……すまない……もう……勝ち目は……無い。)

ちひろ「Pさん……。」

愛梨「…………」クイクイ

P「……愛梨?」

愛梨「私は諦めませんっ!だからPさんも諦めないで下さいっ!」

ちひろ「そ、そうですよ、Pさん!『The Wild Flowers』の名前を由来を忘れたんですか?」

P「ちひろさん……。」

パッ!

P「!?」

ちひろ「!?」

愛梨「!?」

P「な、何だ!?照明が……消えた?」

『会場にお集まりの皆さまに緊急連絡です。』

『ただいま照明トラブルにより一時的にLIVEバトルを中断いたします。』

『大変ご迷惑をおかけいたしますが、何卒ご了承ください……。』

ちひろ「照明トラブル……?」

愛梨「両方のステージの照明が消えてますね……。」

P「一体何が……。」

prrrrr……

P「……こんな時に誰からだ?」

ピッ

真奈美『やぁ、LIVEバトルの方は中断されたかい?』

P『き、木場さん!?』

真奈美『その慌てようを見ると間にあったようだね。』

P『もしかして、この照明トラブルは木場さんが……?』

真奈美『本来は手を貸すつもりは無かったんだがね。今回は特別に拓海君と二人でちょっと助太刀させてもらったよ。』

真奈美『頑張っているスタッフには悪いが……。相手も色々やってきたんだし、これくらいやってもバチは当たらないだろう?』

P『は、はぁ……そうなんですか?』

真奈美『ともかく、時間は稼いだんだ。後は君達の頑張りを信じているよ。』

真奈美『私と拓海君は関係者だとバレると面倒だからここからは外で観戦させてもらう。』

真奈美『負けるなよ……皆を頼んだぞ。』

P『……わかりました。』

真奈美『……うむ、良い返事だ。拓海君も話したいそうだから代わるよ。』

拓海『へへっ、Pどうだよ。ここまでやってやったんだから終わったら飯奢れよな!』

P『拓海まで……すまないな。』

拓海『本当Pは、アタシがいねぇとダメなんだな!ま、気にすんなや!』

P(そこまで言って無いけどな……。)

拓海『まぁともかく、こんなにコケにされてナメられるわけにはいかねぇよな?』

P『……あぁ。』

拓海『キッチリお返ししてやろーぜ!』

P『えっ!?拓海はLIVEバトル参加しないだろ……?』

拓海『アタシじゃねーよバカか!!!お前らの事だよ!』

拓海『……でもまぁ、アイドルも悪くねぇ……かもな。』

P『そうか……もし拓海がアイドルやるなら是非ともうちに来てほしいけどな。』

拓海『……何嬉しそうな顔してんだよ……バカP』

P(電話で顔見えないはずだけどな……)

拓海『……お前がどうしてもって言うなら、優勝したら考えてやらなくもねーよ。』

P『……ありがとうな、拓海。』

ピッ

ちひろ「Pさん、誰からの電話だったんですか?」

P「木場さんですよ。この照明トラブルは木場さんがやったみたいです。」

ちひろ「えぇっ!?そうなんですか?」

P「何にせよ、時間を稼いでくれたみたいです……。」

ちひろ「そうなんですか……早く雪美ちゃん達にも知らせないと。」

P「ちひろさん、LIVEバトル再開まで時間はどれくらいって言ってましたか?」

ちひろ「1時間後に再開みたいです。」

愛梨「Pさんっ!今のうちに逆転する方法を考えないとっ!」

P「……わかってるよ。ちひろさんは雪美達が帰ってきたら、皆を連れて先に控室に戻っててくれませんか?」

ちひろ「わかりました、Pさんはどうするんですか?」

P「……少し、頭を冷やしてきます。」

愛梨「……Pさん。」

ちひろ「あまり……気負いすぎないで下さいね……。」

P「…………」

和久井「どこへ行くの?」

P「……和久井さん。」

P(しまった……、まずい人に感づかれたな……。)

和久井「あなた達……何をしたかわかってるの?」

ちひろ「わ、私達じゃないですよ!?」

和久井「生放送なのに1時間遅れ……おかげ様でスタッフ側はとんでもない事になってるわよ?」

愛梨「そ、それは……。」

P「すみません……。俺達がやりました。」

ちひろ「P、Pさん!?」

和久井「そんなわかりきったことを正直に言われてもね……こんな状況で時間を稼いだ所で勝てるの?」

P「どうでしょうね……。」

和久井「はぁ……、そんな自信の無い顔で大丈夫かしら……?とりあえず、こっちは私が何とかするからさっさと行ってきなさい。」

ちひろ「……良いんですか?」

和久井「良いわけ無いでしょ……でも、ここまでしたんだから絶対勝ちなさいよ……。」

P「和久井さん……ありがとうございます。」

あずき「Pさん!いったい何が起きたの!?」

P「みんな、戻ってきたか……。」

愛梨「お、お帰りなさいっ!」

紗枝「急に明りが消えてしもうて……。」

あやめ「試合が中断になったのですか?」

ちひろ「照明トラブルが起きたのよ、今から1時間後に再試合になるわ。」

柚「1時間後……、またえらく伸びたね。」

雪美「…………」

聖「でも……今のうちに……逆転する方法を……。」

あずき「そ、そうだね!Pさん!今回も逆転する作戦があるんだよねっ?」

P「…………」

あずき「ど、どうしたのPさん?いつもみたいに任せとけっ!って言わないの……?」

雪美「……あずき……」

柚「あずきチャン……やめなよ……。」

あずき「な、なんで!?あずき達はまだ諦めて無いんだよっ!?」

紗枝(せやかて……この状況の打開策をPはんに全て押し付けるのは……。)

あやめ(P殿がこれ程までに沈黙するという事は……もうどうしようもないのでしょうか……。)

あずき「ねぇ、Pさん!何か言ってよ!あずき達にこのままみじめに惨敗しろっていうの!?」

ちひろ「あ、あずきちゃん……。」

愛梨(あのステージにもう一度立てって言うのは酷な話ですね……。)

聖「Pさん………」

P(あずき……泣かないでくれ……。)

あずき「……グスッ…嘘でも……良いから……あずき達は…ヒック……負けて無いって……言ってよぉ……」

P(こんな時に……俺は…何も言ってやれないのか……。)

-------- 会場裏口

美世「ここから入れそうだね……。」

茄子「誰かに見つからなければ良いんですが……」

イヴ「大丈夫ですよぉ!私、社員証持ってますから~!」

美世「あれ?イヴちゃん、そんなもの着けてたっけ?」

イヴ「これですぅ!」

雑用 いぶ さんたくろーす

茄子(首にぶら下げていたカマボコ板が社員証……。)

美世(Pさん……いくらなんでも適当すぎるよ……。)

ブリッツェン「フゴッ!」

4WD ぶりっつぇん

茄子「ブ、ブリッツェンさんのもあったんですね……。」

美世「よ、4WD……」ゴクリ

イヴ「どうしたんですかぁ?」

美世「と、とにかく……先を急ごう!」

------ モバイルプロダクション 控室

雪美「……ちひろ……P……は…?」

ちひろ「Pさんは少し席をはずしているわ……。」

あずき「…………」

聖「帰って……きて……くれるんでしょうか?」

雪美「……聖………」

聖「………?」

雪美「……P…は…帰ってくる……必ず……」

柚「ゆきみん……へへっ!そうだね!」

紗枝「うちは……Pはんの事信じとります……。」

あやめ「わたくしもですっ!」

聖「私も……信じます……。」

あずき「……あずきもっ!Pさんはあずきをトップアイドルにしてくれるって言ったもん!」

ちひろ(Pさん……見てますか?)

ちひろ(皆、Pさんの帰りを待ってますよ……。)

-------- 会場廊下

美世「何かバタバタと皆、走りまわってる……。」

茄子「先程の照明トラブルの影響じゃないでしょうか?」

美世「あー、多分そうだろうね……。」

イヴ「美世さん~!どこに行けばいいんですか?」

美世(部外者のあたし達が道を聞くわけにもいかないな……。)

イヴ「すみません~!モバプロの人達はどこにいるんでしょうかぁ?」

ブリッツェン「フゴッ!」

Nプロ社長「……なんだ、お前らは……関係者じゃないな。」

美世「い、イヴちゃん!?」

茄子「ちょっとまずい人に聞いてしまったかも知れませんね……。」

Nプロ社長「おいっ!警備員はどこだ!?この部外者を摘み出せっ!」

警備員「は、はいっ!」

イヴ「ち、違いますよぉ~!私達はモバプロの関係者なんですぅ~。」

イヴ「社員証もちゃんとありますぅ~!」

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

Nプロ社長「……何だそのカマボコ板は……。モバプロの奴らはこんなのしかいないのか?」

Nプロ社長「さっさと連れていけっ!」

警備員「さっさとくるんだ!」

美世「ち、ちょっと離してよっ!」

茄子「は、離して下さいっ!」

イヴ「P、Pさ~ん!この社員証、全然効果がありませんよぉ~!」

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

茄子「す、すみませんっ!誰か助けて下さいっ!」

?「……おや?」

CuP「……その子達はボクの知り合いだから、離してあげてくれないかな?」

まゆ「どういう状況なんでしょうか?」

美世「C、CuPさん!?」

CuP「大丈夫かい?原田ちゃん、イヴちゃん。」

イヴ「お、お会いできてよかったですぅ~!」

茄子「何か分かりませんが……助かりましたね……。」

Nプロ社長「Cuteプロの若造か……。」

CuP「ボクの知り合いなら部外者じゃないよね?」

Nプロ社長「その飄々とした態度気に入らんな……。」

CuP「奇遇だね~、ボクもアンタが気に入らないんだよ。」

まゆ(CuPさんがこんなに凄むなんて珍しい……。)

Nプロ社長「本来はモバプロでは無く貴様の所を叩き潰すつもりだったが、今回は命拾いしたな。」

CuP「やってみなよ?いつでも受けて立つよ?」

まゆ「うふふ……まゆも良いんですよぉ、CuPさんとの仲を邪魔するって言うなら容赦しませんから?」

Nプロ社長「ふんっ……。」

CuP「やれやれ、めんどくさいおっさんだったね……。」

まゆ「大丈夫ですか?CuPさん。」

CuP「大丈夫だよ、ちょっと見つめ合っただけだからね。」

茄子「美世さん、この方がCuPさんなんですか?」

美世「うん、そうだよ。CuPさんありがとう、助かったよ!」

CuP「お安いご用さ、彼女もP君の知り合いかい?」

茄子「初めまして、鷹富士茄子と申します。」

CuP「はじめまして。ところで、みんなはここに何をしに来たんだい?」

イヴ「そ、そうです!CuPさん、Pさんを知りませんかぁ?」

ブリッツェン「フゴッ!」

CuP「……なるほどね、P君ならここを真っ直ぐ行ったとこの自動販売機の前で難しい顔をしてたよ。」

茄子「ありがとうございます!美世さん、急ぎましょう!」

CuP「原田ちゃん……P君を頼んだよ?」

美世「……うん、ありがとう!CuPさん!」

タッタッタッ

まゆ「あの人とモバプロのPさんってお付き合いしてるんですか?」

CuP「さぁ、どうだろうね?」

まゆ「知らなかったんですか?」

CuP「女の感って奴さ、何となくそんな感じがしただけだよ。」

まゆ(CuPさんは男ですけどねぇ……。)

CuP「P君は原田ちゃんにだけは甘いからねぇ、頼み事断んないし。」

CuP「でもまぁ、もしそうだったとしてもボクは諦めないけどね。」

まゆ(まゆもCuPさんの事諦めませんよぉ……。)

--------

P「…………」

P(残り50分……どうしたもんかな……。)

美世「Pさん!」

茄子「やっとお会いできましたねっ!」

イヴ「はぁはぁ、疲れましたぁ~!」

ブリッツェン「フゴッ!」

P「美世!?茄子にイヴ……ブリッツェンまで!?どうしてここにいるんだ!?」

美世「どうしてって……心配だから顔見に来ただけだよ。」

茄子「ふふっ、Pさん達の事、応援に来たんですよ。」

P「関係者以外は入れないはずだぞ……。」

イヴ「Pさん!私はモバプロの社員ですから関係者ですよぉ~!社員証もちゃんとありますぅ!」

P「う、嘘だろ?」

美世(やっぱり……適当に作ったんだね……。)

茄子(イヴさん……社員証、気に入ってるのかな……?)

茄子「……でも、何だか大変な状況みたいですね。」

イヴ「Pさん!今から逆転するんですよねぇ?」

P「…………」

ブリッツェン「フゴッ?」

P「……正直……勝てる気がしないよ。」

茄子「……Pさん。」

イヴ「うぅ……。」

美世「……ふーん、そんな事言うんだ?」

P「……美世」

美世「約束はどうするの?」

P「それは………」

美世「もう……仕方ないな……。」ダキッ

茄子「あらっ、美世さんったらこんな所で抱きつくなんて大胆ですね~」

ブリッツェン「フゴッ……」

イヴ「ブ、ブリッツェン!急にどうしたんですかぁ~?目の前に立たれると前が見えないですぅ!」

P「急にどうしたんだよ……。」

美世「毎回頼られてばっかりで、Pさんは誰かに頼る事はして無かったでしょ?」

P「…………」

美世「だから……Pさんが疲れたときはあたしが癒してあげる。」

P「…………」

美世「だって私たち、最高に相性ピッタリだもん!理想のパートナーだよね!」

P「……美世」ギュッ

美世「……んっ……頑張ってね……あたしがいつでも助手席に座っててあげるから……。」

P「……あぁ、そうだったな、そんな大事な事忘れて、一人で頑張ってる気になってたよ……。」

美世「……Pさんが苦しい時は……あたしがPさんの身体のメンテしてあげる。優しく……ね? 」

茄子「はぁ~、何だか幸せな光景ですねぇ~」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「えっ!?えっ!?何が起きてるんですかぁ~?」

P「……よしっ!皆の所に戻るか。」

美世「何か思いついたの?」

P「いや……正直何も。だけど、一人でウダウダ考えてるよりは良い。」

茄子「あっ、Pさん。待って下さい!」

P「ん?どうしたんだ?」

茄子「はいっ、これをどうぞ。わざわざ今回のために買ってきたんですよ?」

P「……必勝祈願のお守りか、ありがとう茄子。」

茄子「Pさんには強運を分けてあげますから、勝ってきてくださいね♪」

P「あぁ、任せてくれ!」

イヴ「Pさん~!私からもプレゼントがありますよぉ~!」

ブリッツェン「フゴッ!」

P「イヴからも?何かあるのか?」

イヴ「はいっ!これですぅ!」

P「……お前……俺のロッカー空けたろ?」

イヴ「……うぅ、すいません……」

P「……何言ってんだ、逆だよ!良くやった!やっぱりイヴはサンタクロースだな!」

イヴ「よ、喜んでもらえてよかったですぅ~!でも、空けろって言ってたのはブリッツェンですよぉ?」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「『ふっ、やはりP殿にはそれが良く似合う……』って言ってますぅ~。」

P「ありがとうな……二人とも。」

美世(いまだにこのハナタレの喋りには馴染めないな……。)

茄子「ふふっ、確かにPさんの大事なものですからねぇ~。」

------ モバイルプロダクション 控室

ガチャッ

P「ただいま」

雪美「……P……」ダキッ

柚「Pサンっ!おかえりっ!」ダキッ

紗枝「Pはん……おかえりなさい。」

あやめ「P殿!お待ちしておりました!」

あずき「Pさん!やっと帰ってきてくれたんだねっ!」

聖「帰ってきてくれるって……信じてました。」

美世「みんな相変わらずだね……。」

柚「あれっ?美世サンっ!」

茄子「皆さん、お久しぶりです~。」

雪美「……茄子………」

紗枝「あらっ?その方は?」

美世「そっか……紗枝ちゃんとあやめちゃんとちひろさんは茄子ちゃんとは初対面なんだね。」

茄子「自己紹介はまた後ほどしますね。」

イヴ「私達もいますよぉ~!」

ブリッツェン「フゴッ!」

紗枝「イヴはんまでいらしたんどすか……。」

あずき「ブ、ブリッツェンってよくここに入って来れたね……」

P「ちひろさん……すみません。今、戻りました。」

ちひろ「ふふっ、良いんですよ。お帰りなさい……Pさん。」

ちひろ「Pさん、後半戦からの作戦は思いついたんですか?」

P「……んー、何も思いついて無いですね。」

あずき「えっ!?じゃあ、どうするの?」

P「それは試合までには考えておくつもりさ……、とその前に。」

あやめ「何かされるんですか?」

P「一曲……歌わせてもらうぞ。」

紗枝「う、歌うんどすか?」

聖「Pさん……いつもと……違う…ギターですね」

P「まぁ、こいつは人前では使わないだろうって思ってたからな。よしっ、準備はこれで良いか。」

柚(あ、あのギターって……。)

ちひろ(久しぶりに見たな……Pさんがそれに触る所……。)

P「よしっ、音もバッチリだこまめに手入れしていたかいがあったな。」

ポスン

P「ん?どうしたんだ雪美?膝の上に座って?」

雪美「……特等席……で…聞く……」

美世「……Pさん……あたしもしっかり聞かせてもらうよ…?」

P「あぁ、じゃあ行くぞ!」

茄子「ふふっ、何だか変な感じですがPさんの歌を聴けるなんてラッキーですっ!」

イヴ「わぁ~!楽しみですぅ!」パチパチ

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

P「♪~」

雪美(…………)

紗枝(今までのPはんの歌とは雰囲気が違いますなぁ……)

あやめ(P殿が自分から歌ってくれるなんて珍しいですね……。)

柚(そっか……Pサン…アタシ達のために……。)

あずき(Pさんって歌も歌えたんだ……)

聖(やっぱり……Pさんの歌……素敵です。)

美世(これって……聞いたことあるな……。)

茄子(何か心が穏やかになる感じがしますねぇ~。)

イヴ(す、凄いですぅ~!Pさん!)

ブリッツェン(流石……P殿は面白いな……。)

ちひろ(この曲……知らないわ……。)

P「♪~……」スゥ

美世「……良い歌だったよPさん。」

P「みんな、『The Wild Flowers』の信条はどんな困難にも負けない事だ。」

柚「……へへっ!現役時代のギター使ってまで歌ってくれたんだし……。元祖から言われちゃ、アタシ達もクヨクヨしてらんないねっ!」

雪美「!?」

紗枝「が、元祖って?」

P「そりゃ、俺の昔やってたバンドの名前が『The Wild Flowers』なんだよ。」

あやめ「そ、そうだったんですか?」

イヴ「わ、私知りませんでしたぁ~!」

P「あぁ、モバプロで知ってるのは俺と柚だけだと思ってたけど……ちひろさんも知ってたんですね?」

ちひろ「ふふっ、私はファンでしたからね!」

茄子「そ、そうだったんですね。」

あずき「もう!なんであずき達には黙ってたの?」

P「そりゃ……恥ずかしいからだろ。柚には言うなって言っておいたからな……。」

聖「酷い……です…でも……今の歌……聞けたから…良いです。」

P(ひとまずこれでみんなの気持ちは持ち直したか……。)

柚「……皆のやる気は充分……後は戦力差だね……。」

P「あぁ、やはり10対6、それに10万の差をひっくり返すにはかなり厳しいな……。」

ガチャッ

ちひろ「だ、誰っ!?」

ツカツカツカ バンッ!

愛梨「今から……Pさんは……私のプロデューサーですっ!いいですよねっ?」

紗枝「い、いきなり机を叩きはるからびっくりしましたわぁ……。」

P「愛梨、それは……。」

P(……移籍の契約書。)

あずき「と、十時さんってモバプロに入るの?」

あやめ「しかし、今からモバプロに入っても試合には出れないのでは?」

聖「……大丈夫です。」

ちひろ「Nプロが改編してきたルールはうちにも適応されてるわ……。」

柚「……うちもエントリー枠は変更可能なんだね。」

愛梨「プロデューサーさんにはサインしてもらいました。後は……Pさんがサインするだけですっ!」

P「……あいつ。」

雪美「……P……どう…するの……?」

ちひろ(十時ちゃんがメンバーに入ればNプロに対抗できるかも知れないわ……。)

P「……でも駄目だ、俺はサインしない。」

愛梨「えっ………?」

茄子「どうしてなんですか?」

イヴ「そ、そうですよぉ~。せっかく来て下さったのに……。」

ブリッツェン「…………」

P「……お前、今の状況でうちに加勢して、これから先、アイドルをやっていけると思ってるのか?」

愛梨「…………」

P「図星か……、お前アイドルやめるつもりか?」

紗枝「アイドルを……止めはるんどすか?」

柚「……まぁ、今のモバプロに加勢したら裏切り者と世間に思われても仕方ないかな……。」

あやめ「そ、そんな……十時殿はわたくしたちの事を思って申し出てくれてるのに!?」

ちひろ「でも、今の会場の雰囲気からすると私達は悪役みたいになってるから……。」

あずき「せ、せっかくシンデレラガールって凄い称号まで得たのにそれでも駄目なの?」

聖「多分……そうでしょう……それに……Passionプロに……歯向かう事に……なります。」

雪美「…………」

P「愛梨の申し出はありがたいが……会って一日も立っていない俺達のために愛梨の今まで頑張りを捨てさせるかもしれないなんて事は俺には許可できない。」

愛梨「……だったらなんなんですか?」

P「…………」

愛梨「私にはPさんを手伝う権利なんて無いって事ですか?」

愛梨「シンデレラガールとか人気とか……そんなの!Pさんがまたそこまで連れて行ってくれたらそれで良いじゃないですかっ!」

PaP「あんまり意地悪しないでやってくれよな!」 ガチャッ

莉嘉「愛梨ちゃんの事泣かせたら噛み付くからね!がおー☆」

美世「PaPさんじゃない!?」

PaP「おう、原田ちゃんおっすおっす!イヴちゃんと後……誰だおめぇさん?」

茄子「な、なんかこっちではレアキャラ扱いですね……。」

イヴ「ち、ちょっと部屋が狭くなってきましたぁ~!」

ブリッツェン「フゴッ!」

莉嘉「あーっ!トナカイだ!名前は何て言うの?触っても良い!?」

イヴ「ブリッツェンって言うんですよぉ~!」

莉嘉「ブリッチャ……ブリッツ……ン?んぁー!わかんないけどこっちおいでっ!」

ブリッツェン「フゴッ?」

莉嘉「何て言ってるの?」

イヴ「『良いのか?もう普通の生活には戻れないぞ?』って言ってますぅ!」

茄子「…………」チラッ

美世「期待されてもあたしはもう突っ込まないよ!」

PaP「おいP!十時の事なら心配すんな!自分で選んだ道なんだからおめぇさんが気にする必要はねぇよ。Passionプロの方も俺で何とかしとくからよ!」

P「……そう言うわけにもいかないだろう、シンデレラガールを無償で手放すって相当やばいぞ?」

PaP「アハハッ!そりゃそうだな!まぁクビになったらお前んとこで運転手として雇ってくれよ?」

莉嘉「大丈夫だよ~、PaPくんはあたしやお姉ちゃんで守るから☆」

紗枝「Pはん……どないしはるんどすか?」

あやめ「わたくしは正直、十時殿が居てくれるのは心強いです……。」

あずき「歌もダンスもトップレベルだからね……あずきも十時さんなら大歓迎かな……。」

聖「私は……Pさんに……任せます。」

柚「……アタシこういうの苦手だからPサンに従うよ。」

雪美「……P……」

ちひろ「私から、何も言う事はありません……。」

愛梨「………Pさん、駄目ですか?」

P「………何か俺が悪者みたいだな……わかったよ。」

P「愛梨、お前のアイドル人生……俺に預けてもらうぞ!」

愛梨「はいっ!……えっと、これからも、ずっとずっと、一緒にいて下さいねっ!ね?」

あずき「んっふっふー、新生『The Wild Flowers』だねっ!あずき、何だかイケる気がしてきたよっ!」

聖「Pさん……十時さんは……どういう風に……動いてもらうんですか?」

P「……オーダー表の変更は可能だから愛梨にはフロントメンバーに入ってもらう。今回はあずきとあやめがバックメンバーだ。」

あやめ「了解しました!しかし、十時殿はフロントの動きができないのでは?」

P「……愛梨、2曲目のサビの部分を歌って踊ってくれないか?」

愛梨「はいっ!確か……こうでしたよね?」クルクル

紗枝「これは……完璧……どすなぁ……。」

柚(まいったな……いるんだね……天才って。)

雪美「……十時……上手……」パチパチ

莉嘉「愛梨ちゃん!すごぉーい!!」

PaP(やっぱりこいつ……底が知れねぇな……。)

PaP(そして、その事を見抜いていたP……Pなら十時の100%を引き出せるかもしれねぇな……。)

ちひろ「いつの間にこんな……。」

P「……決勝戦の前半だろ?お前あんな覚え方するんだな?」

愛梨「えへへっ!Pさん達との試合を思い出すのも一緒にやってましたから。集中してると声に出ちゃうんですっ!」

ちひろ「これならバッチリですね、後は後半戦にどんなステージ構成で行くかですけど……。」

P「……普通にやってても勝ち目は無いですからね。」

紗枝「そうどすなぁ……差は維持できるかも知らんけど……逆転するとなると……。」

イヴ「美世さんは何か良い方法とかあるんですかぁ?」

美世「えっ!?あ、あたし?……んー、そうだね、いっその事……をしてみるとか?」

P「えぇっ!?そんなの良いわけ無いだろ……。」

雪美「……美世……ナイス…!」

愛梨「それっ!凄く良いですねっ!」

柚「へへっ!アタシも賛成!面白そうじゃん!」

あずき「美世さん!その作戦頂きだよっ!」

聖「私も……やってみたいです。」

あやめ「流石美世殿ですね!わたくし達の逆転にはピッタリの演出です!」

紗枝「うちもやってみたいどすわぁ……。」

茄子「ふふっ、美世さん良いじゃないですか!」

ブリッツェン「フゴッ!フゴッ!」

PaP「おぉ!何だか面白そうじゃねぇか!それは、楽しみだぜ!」

莉嘉「うわぁー、羨ましいなぁ……PaPくん!あたしも混ざりたいっ!」

ちひろ「みんなもうすっかり乗り気ですけど私も良いと思いますよ?」

P「……うーん、そんなのできるのか?後30分しかないのに……。」

PaP「ステージの準備なんざCoPにやらせろよ!あいつはそういうの得意だし俺から言っといてやるよ。」

PaP「るーみんにも協力してもらえば間にあうだろ、おめぇらは本番まで練習しとけよ!」

紗枝「るーみんって誰の事どすか……?」

P「和久井さんの事だよ……まぁ、そうと決まれば今から30分みっちり練習するぞ!」

雪美「……任せて……」

紗枝「……もう決心はできとります……やりましょか。」

愛梨「みんな、一緒に頑張りましょうね!」

柚「よぉーし、絶対逆転して見せるよっ!」

あずき「うんっ、ここからあずき達の逆転大作戦の開始だよっ!」

聖「精一杯……やります。」

あやめ「みなさん!悔いの無いようにやりきりましょう!」

------ Nプロダクション ステージ裏

亜子「はぁ……やっと試合再開か……一時間は長かったなぁ。」

泉「……『The Wild Flowers』は巻き返してくるかな?」

さくら「イズミンとアコちゃんがいれば大丈夫ですよぉ!」

凛「……どうかな、『The Wild Flowers』はここからが怖いよ?」

さくら「ど、どうしてなんですかぁ?」

卯月「なんででしょうね?よくわからないけど紗枝ちゃん達は後半戦が凄いですからねっ!」

泉「理屈じゃないのね……」

未央「だね~、本気で行かないと足元すくわれるかもね。」

『皆様、お待たせ致しました。間もなく決勝戦後半戦を開始致します。』

『ここで緊急メンバーチェンジのお知らせです。The Wild Flowersのフロントメンバーに十時愛梨さんが入ります。』

凛「!?」

泉「こっちの変更したルールを利用してきた……」

未央「愛梨さんと敵対するとは私も予想外だったなぁ……」

亜子「へぇ……これで遠慮なく全力が出せるね。さて、本気のアタシを見せちゃうよ!」

------ モバイルプロダクション ステージ裏
P「…………」

愛梨「……Pさん」

P「ん?どうした?」

愛梨「心臓がドキドキしすぎて変になりそうです! ほら、触ってみてくださ……あっ!」ムニッ

P「お前……次はどんな技をかけられたい?」

愛梨「私……また一からになるかも知れませんけど……トップアイドルになっても……Pさんがいなきゃだめですからねっ!」

P「……だから話聞けよ。」

ちひろ「バカな事してないで……最後の試合なんですからPさんからみんなに一言いってあげてくださいよ。」

P「俺からですか?」

雪美「……うん……P…の……言葉…欲しい…」

紗枝「うちが元気になれるようお願いできますやろか?」

柚「ビシッと決めてね、Pサン!アタシも何か言って欲しいよっ!」

あやめ「P殿!ここは主君の腕の見せ所ですよ!」

あずき「あずき達の最後はPさんにかかってるんだからねっ!」

聖「Pさん……お願いします……。」

P「んー、わかったじゃあみんな。一人づつ俺の手の上に手を重ねていって決意を教えてくれ!」

あずき「あずきから行くよっ!」

あずき「Pさん、あずきはアイドルになってすっごいよかったと思ってるよっ!これからもPさんと過ごす計画、立てないとね!」スッ

あやめ「わたくしが背中を預けられるのは、P殿をおいて他におりません。これからも是非によろしくお願い申し上げます!」スッ

愛梨「Pさん……私……抜けてるしどんくさいですけど……でも……全力でやりますね!」スッ

聖「私を…アイドルにしてくれた…Pさんは…私にとって…特別なサンタクロース……。最高のプレゼント…ありがとう……。」スッ

紗枝「Pはんには、ぎょーさん感謝しとるでぇ~。これからも仲良ぅしてなぁ?」スッ

柚「あの冬の日は運命的だったけど、こうして桜の季節も一緒に過ごせて嬉しいな。Pサンもそう思っててねっ!」スッ

雪美「……そば、いないと……心配……。だから……隣……いて…。P……私…わかってる……心…通じるから……」スッ

ちひろ「……私も仲間に入れて下さいね!」スッ

P「みんな……ここまで良く頑張ってくれたな…でもあと少し……俺に……ファンの皆に最高のステージを見せてくれ!」

P「……行こう、みんな!最後の戦いだ!」

「せーの!!!」

「The Wild Flowers!! ゴー!!!」

------ 喫茶店

『それではただいまより、決勝戦を再開します』

『モバイルプロダクション The Wild Flowers 対 Nプロダクション Brand New Waveの対決です!』

『モバイルプロダクションの攻撃からの再開になります!』

拓海「なんだぁ?あいつPassionプロにいた奴じゃねぇか!」

真奈美「………ふふっ、まったくPの奴は天然のジゴロだな。」

拓海「木場さん、なんでモバプロに十時ってやつがいるんだ?」

真奈美「さぁね。でもPassionプロを相手取ってまでモバプロに味方していてくれているようだね。」

真奈美「それも飛びっきり強力な味方だ……この勝負分からなくなってきたぞ……。」

拓海「やったじゃねぇか!アタシが手伝ってやったかいがあったな!」

真奈美「そうだな……、後は皆の頑張りに期待しよう……。」

拓海「おっしゃぁ!雪美っ!ぶちかましてやれよっ!」

真奈美(これが最後だ……頑張るんだぞ……皆。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合再開時 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :183473
(防)Brand New Wave  :293847

ちひろ「……始まりましたね。」

イヴ「み、みなさ~ん!頑張って下さい~!!」

茄子「こんな近くからステージを見れるなんて、凄く素敵ですね!」

美世「みんな!アクセル全開でぶっちぎろう!」

P「…………」

美世「どうしたの?Pさん?」

P「……何でも無いよ。」

P(この10分で全てが決まる……みんな……頼んだぞ……。)

------ Nプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

亜子(この緊張感、ちょっとクセになっちゃうかも……んふ!)

泉(誰をも満足させるくらいの人たちを集めてみせるから………。)

さくら(誰よりも目立てるように、元気いっぱい飛び跳ねちゃいます☆)

卯月(みんなと……一緒ですっ!)

凛(……あとは頑張るしかないね。全力で、駆け抜けてみせるから。)

未央(プロデューサー、楽しんでくるから、ちゃんと見ててね!)

亜子「最高のLIVEにするよん!」

------ モバイルプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

雪美(……P……安心して……。)

紗枝(Pはんの願い……うちが叶えます……。)

あやめ(やるべきことは全てやって参りました!泣いても笑ってもこれが最後の出番ですね!)

柚(Pサン……アタシ、他の子にも負けないんだからねっ!)

あずき(この感じ……あずきもアイドルとして皆に認めてもらったって感じだねっ!)

聖(Pさんを…導く…光に……)

愛梨(今日の私はすごいんです!ちゃんと見ててくださいねっ?)

雪美「……みんな……歌おう……」

------ Nプロダクション ステージ

試合再開1分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :220398
(防)Brand New Wave  :311736

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

泉(この票数の増え方……さっきとはまるで違う………。)

亜子(んふふ、イイヨイイヨー……盛り上がってきたね!)

凛(……決勝戦ともなると票数の上がり方が凄いね……でもニューウェーブの3人は全然焦って無い……。)

未央(何だか楽しくなってきたよっ!私も負けてられないねっ!)

亜子「んじゃ……アタシ達も軽くジャブ打っときますか!」

泉(相手の勢いは凄いけど……亜子は……楽しそうだから大丈夫。)

さくら「とびきりスマイルれっつごー!」

卯月「私もバックアップしますねっ!」

------ スタッフルーム

和久井「……まったく、P君には振り回されてばっかりね……。」

CoP「いきなりPaPの奴が来たから何かと思えば……無理難題を言ってくれる……。」

和久井「でも、こんな事……良く用意できたわね……。」

CoP「まぁ、P達とバンドしてた時は俺がマネージャー代わりでしたからね……。」

CoP「和久井さんこそ良いんですか?こんな好き勝手やってしまって?」

和久井「……今更、良く言えるわね。もうみんな好き勝手やりすぎよ。」

和久井「責任者として辞表は用意してあるから別にいいわ。」

CoP「そうなんですか?それだったらうちに来ますか?」

和久井「……せっかくだけど。先約があるのよ。」

------ モバイルプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

雪美(……まだ…ここから……。)

あやめ(……村松さくら殿と島村卯月殿のデュオですか……。)

柚(……やな感じ……後半になってニュージェネと息が合ってきてんじゃん……。)

聖(…でも…私達の中にも……凄い人は…いるんですよ……?)

愛梨(……誰が前に出るかは聞いて無いけど……きっとこの状況なら動いてくれますよねっ?)

紗枝「……行きますえ!うちはこの歌を歌うからには負けるわけにはいきまへん!」

あずき「行こう紗枝ちゃん!あずきが力を貸すよっ!」

------ Cuteプロダクション 観客席
試合再開2分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :250276
(防)Brand New Wave  :334736

かな子「さくらちゃん……凄い!こんなに成長してたなんて……。」

CuP「ふふっ、『The Wild Flowers』も懐かしい歌を歌ってるねぇ……。」

桃華「今までの試合で歌ってた歌とは違いますわね……。CuPちゃまは知ってますの?」

CuP「多分、原田ちゃんの入れ知恵かな?あれはボクが昔P君達とバンドを組んでた時のデビュー曲だよ。」

みく「にゃ?CuPちゃんってそんな事やってたのかにゃ?」

杏「へぇー、何か意外だね……。」

美穂「で、でも素敵な歌ですね!」

まゆ「でも、Passionプロの十時さんが『The Wild Flowers』にいるのはなんで何ですか?」

幸子「そ、そうですよ!一体何があったんですか?ボクにはサッパリですよ!」

菜々「卯月ちゃーん!ウーサミン、ハイッ!」

智絵里「…………」

菜々「……あ、ナナのコールを……智絵里ちゃん……そんな冷めた目で見ないで……」

CuP(頑張りなよ、卯月も……『The Wild Flowers』も……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

あやめ(良い感じですねっ!この一体感たまりませんっ!)

柚(時間に余裕は無いんだから、勢いは止めないよっ!)

愛梨(えへへっ!波に乗れてる感じがしますっ!)

あずき「よしっ!交代だよっ!」

紗枝「……次は任せましたえ!」

聖「雪美さん……行きましょう!」

雪美「……うん……。」

------ Nプロダクション ステージ

亜子(うん、うん、良いカンジだよっ!そうこなくっちゃ!)

未央(雪美ちゃんと聖ちゃんに交代したね……。)

さくら「あ……こ、ここはイズミンに任せる!」

卯月「凛ちゃん、お願いしますねっ!」

凛「任せて……期待してもいいよ」

泉「……悔いの残らないように全力を出し尽くすわ。覚悟してね!」

亜子(さて、どうなるかなぁ……いずみは逸材よ、色んな意味で……)

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ Passionプロダクション 観客席
試合再開3分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :291273
(防)Brand New Wave  :360927

藍子「雪美ちゃん達凄いですっ!追い上げてますよっ!」

莉嘉「でもやっぱり……未央ちゃん達とどっちを応援したら良いか迷っちゃうよぉ!?」

美嘉「莉嘉……そのトナカイは何なの?」

ブリッツェン「フゴッ!」

莉嘉「ブリッチャン!モバプロのイヴちゃんから借りてきたよっ!」

茜「何て言ってるんですか?」

きらり「多分、『莉嘉はもう俺の女だ……』って言ってるにぃ!」

日菜子「むふふ……顔に似合わず強引なんですねぇ……。」

唯「いやん、莉嘉ちゃんはオトナにされたんだね~。」

美嘉「こ、このエロトナカイ!」バキッ

ブリッツェン「ブゴッ!」

莉嘉「お、お姉ちゃん!ブリッチャンを殴るのは止めたげてよっ!」

PaP「おめぇら大人しく試合見ろよ……。」

------ Nプロダクション ステージ

さくら(イズミン、頼りになるぅ!)

卯月(凛ちゃんはやっぱり凄いですねっ!)

亜子(う~ん、いずみと凛さんでも追い上げられるなんてねぇ……。)

亜子「いずみ……凛さん……代わるよ。」

泉「……大丈夫、私ならまだやれる。」

亜子「……いずみ。」

泉「……わかった。」

凛「未央……頼んだよ。」

未央「よーし、行っくよ~!」

亜子(ヤバい!笑いが止まらないよー!)

亜子「でももう最後のLIVEなのかぁ……。まぁ……貴重な1勝を勝ち取るよ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

紗枝(土屋亜子はんが動いた……。)

あずき(あの子だけは何としても止めないとっ!)

聖「交代です……お願いします」

雪美「……柚……頼んだ……」

柚「じゃんっ!アタシの出番が来たね!さぁ二人とも!対決の準備はいい?」

あやめ「行きましょう!必ず勝って見せます!」

愛梨「まかせてくださいっ!」

柚「アタシが相手だよーっ!」

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合再開4分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :324583
(防)Brand New Wave  :402719

P「くっ……やはりネックは土屋亜子か……。」

ちひろ「柚ちゃん達が3人がかりでも離されるなんて……。」

イヴ「ま、まずいですぅ~!」

茄子「う~、勝てますようにっ!」

美世「……P、Pさん!」

P(柚達と土屋亜子、本田未央のデュオとの力の差か……。)

P(今のままじゃまずい……何とかしてあの自信を崩さないと……。)

P(一か八か………やってみるか……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

雪美(……柚…が…押されてる……。)

紗枝(このままじゃ、差を広げられ続けられてまう……。)

聖(柚さん……あやめさん……愛梨さん……頑張って下さい!)

あずき(あの表現力に対抗できる手段なんて……。)

柚(……今度こそ勝てると思ったのにおっしいなぁ!)

あやめ(魅了はくのいちの術のはずなのに……!不覚ですっ!)

愛梨(ん~、まさかここまでなんて……未央ちゃんとのコンビとなると厄介ですね……。)

P『柚!ダンスオンリーで動け!愛梨は歌オンリーだ!』

柚「!?」

柚「……十時サン、行くよっ!」

愛梨「……Pさんからの指示なら!頑張るんですっ!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

というか、もう200以上投稿してるのか
すごいな>>1。さるよけはどうなってんだ?

>>359 あんまり意識はしてませんが大丈夫っぽいです。

------ Nプロダクション ステージ

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

さくら(あれれー?あの人歌って無いですぅ……)

泉(十時愛梨さんがダンスを止めた……どういうこと……?)

卯月(う~んどうしたんでしょうか……。)

凛(……票数の上昇は変わって無いのに何の意味があるの?)

亜子(ん?あの喜多見柚って子、あんなダンスができるんだね……。)

亜子(それと……十時愛梨さんだっけ…歌上手いなぁ~……。)

未央(今はちょっと様子見で動いた方がいいのかなぁ……。)

------ モバイルプロダクション ステージ裏

試合再開5分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :359382
(防)Brand New Wave  :442981

P「よしっ!種は蒔いた!みんな……後は頼んだぞ!」

ちひろ「そろそろ曲が変わりますね……逆転の2曲目ですよ!」

イヴ「ここから逆転するんですねぇ~!」

茄子「わ、私なんか緊張してきましたっ!」

美世「まさかあたしの案が通っちゃうなんてね……。」

P「確かにな……俺も予想外だったよ。音源を確保しててくれた和久井さんとCoPに感謝だな……。」

ちひろ「あのPさんが控室で歌ってた曲って、私は知らなかったんですけどLIVEとかではやってませんでしたよね?」

P「あれは発表する前に解散しちゃったからなぁ……。」

P「個人的に歌ったのは柚と美世の前だけでしたしね。」

ちひろ「ん~、良い曲なのに勿体無いですね……。」

美世「そんな貴重な曲だったんだね……。」

P「それが今、皆の役に立つなら本望ですよ……。」

------ モバイルプロダクション ステージ

雪美(……曲……変わる……。)

紗枝(ここからが本番どすな……。)

聖(全力で……行きます!)

あずき(いつでも変われる準備をしとかないと……。)

あやめ「2曲目に入りましたよっ!」

柚「十時サン、役割交代してみる?」

愛梨「良いですねっ!やりましょうっ!」

------ Nプロダクション ステージ

試合再開6分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :396738
(防)Brand New Wave  :455938

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

さくら(ま、また変わってきましたぁ……)

泉(今度は喜多見柚がダンスを止めた……?)

卯月(曲も変わって……また聞いた事無い曲が……。)

凛(……勢いがかなり上がってるね。)

未央(全力で行ってるのに、追いついてくるよ……。)

亜子(……抑えないといけないな……。)

亜子(歌かダンスか……どっちでアピールして行けば……。)

------ 喫茶店

拓海「よっしゃぁ!!あと少しだぜ、柚!!」

真奈美「……この勢いなら追いつける!」

拓海「それにしても、何でいきなりこっちが追い上げてるんだ?」

真奈美「柚君と十時君のダンスと歌のアピールは恐らく布石だな……。」

真奈美「土屋亜子の意識にダンスも歌もできるという事が刻まれた。」

真奈美「彼女は『The Wild Flowers』を抑えようとしているから」

真奈美「どっちのアピールを重点的にすれば良いかわからずどうしても動きが後手に回る……。」

拓海「隙ができたってわけか!」

真奈美「その通りだ、今度は追い上げれる……!」

拓海「柚!十時!気合い入れやがれっ!」

真奈美(そして今『The Wild Flowers』が歌っている歌……なんともみんな楽しそうに歌ってるじゃないか。)

------ モバイルプロダクション ステージ

紗枝(この曲……なんやろ…昔から知ってるみたいわぁ…。)

聖(やっぱり……Pさんの歌……好き……。)

あずき(またこっちの勢いが上がってるよっ!)

あやめ(柚殿と愛梨殿のバックアップを!)

柚(歌オンリーのアピールって難しいな……。)

愛梨(柚ちゃん、頑張って下さいっ!)

柚(声を張り続けて……苦し……。)

雪美「♪~」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

柚「!?」

柚(……へへっ!ありがとっ!ゆきみん!)

------ Nプロダクション ステージ裏

試合再開7分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :433562
(防)Brand New Wave  :474362

Nプロ社長「…………」

Nプロ社長「大石!何をしている!佐城雪美に対抗しろ!」

Nプロ社長(目立たないリーダーだと思ってたが……)

Nプロ社長(常にモバプロの危機を察知し的確に動いている……。)

Nプロ社長(喜多見柚と十時愛梨が無茶苦茶な動きをしても、それとなくカバーに入っている。)

Nプロ社長(モバプロの流れを作っているのは間違いなくあのガキか……。)

Nプロ社長(まずは止めるべきは佐城雪美だったか……)

------ Nプロダクション ステージ

亜子「!?」

亜子(おっさんから指示がでるなんて……。)

泉「……亜子。」

亜子「……いずみ、全力でおさえなよ。」

泉(亜子の余裕が無くなってきている……。)

泉「……いいわ。」

凛(Nプロが雪美ちゃんを警戒するなんて……。)

卯月(雪美ちゃんは確かに杏ちゃんにも負けて無かったですからね……。)

未央(ほへ~、何だか凄い事になってきたね……。)

さくら(イズミン頑張って!)

泉(……亜子が信じてくれるなら、応えるべきね。)

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

試合再開8分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :474039
(防)Brand New Wave  :498273

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

あやめ(よしっ!このまま追い抜きますよっ!)

聖(大石泉さん……声を張り上げてきましたね……。)

雪美「…………」ニヤッ

愛梨(残りの時間……絶対に譲りませんっ!)

柚(土屋亜子チャンだっけ?確かに凄いね……実力は間違い無くNo.1だよ……)

柚(……でも『The Wild Flowers』は負けないよっ!)

柚「……紗枝チャン!あずきチャン!頼んだよっ!」

紗枝「この1分……全力でやりますから後はお願いしましたえ……。」

あずき「んっふっふー!魅せるよっ!」

------ Coolプロダクション 観客席」

楓「『The Wild Flowers』が追い上げてますね……。」

奈緒「あいつら…こんな……こんな事ができるのかよっ!」

加蓮「凛もいつもより凄く感じるね……。」

周子「うわ~、両方ともあたしらとやった時より数倍凄くなってんじゃん……。」

蘭子「秘めたる力を解放したのね……。(底力ってやつですかね?)」

李衣菜「違いますよっ!あれこそがロックですよロック!!」

瑞樹「それにしても、CoP君はどこに行ったのかしら?」

礼子「あなた試合見なさいよ……。」

------ Nプロダクション ステージ

試合再開9分経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :518276
(防)Brand New Wave  :521927

卯月(こんなに差を詰められるなんてモバプロのどこにそんな力が……。)

凛(……『The Wild Flowers』の団結力か……。)

未央(こんなピリピリしたLIVEは初めてだよ……。)

泉(あの佐城雪美ちゃんって子……笑って……。)

泉(……あの声量……響く歌声…凄いな……。)

泉(……誰も気づいて無いだろうけど……。)

亜子「いずみ!さくら!最後行くよ!」

泉「私たちは……負けない!」

さくら「まだまだ行きましょー♪へへへ!」

亜子(……これ以上好き勝手はさせないよっ!)

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

試合再開9分10秒経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :525847
(防)Brand New Wave  :530928

P(残り一分を切った!ここで離されれば逆転のチャンスは無い!)

美世「みんなっ!死守だよっ!絶対に離されちゃ駄目っ!」

イヴ「し、死守です~!!」

茄子「ニューウェーブが全員で前に出てきましたよっ!」

ちひろ「全力で守りきって!みんなっ!」

P「頑張れっ!愛梨!聖!あずき!柚!紗枝!あやめ!雪美!!」

------ モバイルプロダクション ステージ

試合再開9分20秒経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :534726
(防)Brand New Wave  :538736

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

紗枝「……柚はんっ!」

柚「任せてよっ!」

あやめ「行きましょう柚殿っ!」

愛梨「全力でサポートしますねっ!」

柚(Pサン、見てる?アタシ、アイドルすっごい面白いよ!)

------ Nプロダクション ステージ

試合再開9分30秒経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :547362
(防)Brand New Wave  :545382

泉(抜かれた!?)

亜子「……いずみ!さくら!もっとアピールして行くよっ!」

泉「三人なら出来ないことはないわ!」

さくら「ニコニコ笑顔でがんばりまぁす!」

亜子「うん、アタシひとりじゃないもんね!」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

------ モバイルプロダクション ステージ

試合再開9分40秒経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :553948
(防)Brand New Wave  :555867

ちひろ「抜き返されたっ!?」

茄子「もう時間がっ!」

イヴ「Pさん……ど、どうしたんですかぁ~!?」

美世(……Pさん…泣いてるの……?)

『……P…約束…守って……私を…助けてくれた…。だから…今度は……私が……約束する…。……Pを……必ず助ける………。』

『P殿こそ、わたくしの主に相応しい最高のプロデューサー。ならばあやめも、最高のアイドルになるのです! ニンッ! 』

『単刀直入に言います。Pはん、立派なあいどる目指して精進しますから、うちの面倒みてくれはりません?』

『うん!アタシ、アイドルになる!Pサン、アタシ頑張るから……見ててねっ?』

『私、Pさんとだったら……もう一度アイドルに……なりたいです。』

『………あずきもトップアイドルになれるかな?』

『今から……Pさんは……私のプロデューサーですっ!いいですよねっ?』

P(こんな時に……何思いだしてんだよ俺は……まだ試合は終わって無いじゃないか……。)

------ モバイルプロダクション ステージ

試合再開9分50秒経過 ファン投票数
(攻)The Wild Flowers :560498
(防)Brand New Wave  :563645

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

あやめ(曲が終わってしまって……!)

愛梨(歌のアピールができないですっ!)

柚「……チッ!ゆきみん!最後頼むよっ!」

聖(雪美さん……どうするん…ですか。)

雪美「…………」

ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

雪美(……伝えたい……言葉は……ひとつ……だけ…)

雪美「……みんな……ありがと……」ニコッ

ウォォォォォーーーー!

『そこまで、試合終了!!』

------ モバイルプロダクション ステージ

『ただいまの試合 576847 対 572635 で……』

『勝者!モバイルプロダクション The Wild Flowers!!』

ウォォォォォーーーー! ワー! ワー! ワー! ワー! ワー!

あずき「紗枝ちゃん!」

パンッ!

紗枝「……作戦!」

あずき「……大成功だねっ!」

あやめ「柚殿っ!やりましたよっ!」ガバッ!

愛梨「えへへっ!私達の勝ちですっ!」ガバッ!

柚「ゴフッ!ち、ちょっと苦しいよっ!」

柚(へへっ……Pサン……アタシ……頑張ったよ……。)

聖「雪美さん……素敵な……笑顔でした……最後そうするって……考えてたんですか?」

雪美「……ううん……」フルフル

雪美「……何となく……言いたかった……だけ……」ニコッ

------ Nプロダクション ステージ

卯月「………ふぅ」

卯月(短い時間でしたけど、仕事を忘れて私も楽しんじゃってましたね……)

凛(こんな風に負ける事もあるなんて……トップヘの道は甘くないってことか……。)

未央(えへへっ、凛ちゃんも卯月ちゃんも負けたのに何だか楽しそう!私も楽しかったなっ!)

さくら「……イズミン……アコちゃん……。」

泉「…………」

亜子「…………」

------ 喫茶店

拓海「………よっしゃぁぁぁぁ!!!」

真奈美「…………」パチパチパチ

拓海「やったぜ木場さん!なんかガラにもなく感動しちまったよ!」

拓海「!?」

拓海「き、木場さん!?泣いてんのか?」

真奈美「ふふっ、涙なんかはとうに忘れたと思っていたが……私にも残っていたようだね。」

真奈美「良い物が見れた……モバプロは素晴らしいプロダクションだな……。」

拓海「へへっ!雪美達が頂点に立ったんだから当たり前だぜ!」

------ モバイルプロダクション ステージ

ちひろ「Pさんやりましたっ!優勝ですよっ!」ガバッ

茄子「おめでとうございますっ!Pさんっ!」ガバッ

イヴ「や、やりましたぁ~!!」ガバッ

P「へっ!?」

ドシーン!!

ちひろ「いたたた……」

茄子「す、すいませんっ!Pさんを下敷きにしちゃいましたっ!」

イヴ「うぅ……痛いですぅ……」

P「あいてて……」

美世「ふふっ、もう何やってるのよ……。はいっ、Pさん立てる?」

P「あぁ……すまないな……」

美世「優勝……おめでとう……約束…守ってくれて……ありがとう……。」

P「お安いご用さ……。」

------ Nプロダクション ステージ裏

Nプロ社長「…………」

さくら「…………」

泉「…………」

亜子「…………」

Nプロ社長「……ニュージェネレーションの三人はご苦労だったな。」

Nプロ社長「それぞれ、自分のプロダクションに戻ると良い。」

卯月「は、はいっ!」

凛「……行こうか。」

未央「う、うんっ!」

亜子「……おっさん。」

Nプロ社長「さて、土屋、大石、村松……貴様らどうなるかわかっているな?」

さくら「……うぅ」

泉「…………」

Nプロ社長「一つ答えろ……お前らは『The Wild Flowers』に勝てるのか?」

亜子「あ、当たり前やんっ!次は絶対まけるわけないから!」

さくら「そ、そうですぅ!イズミンとアコちゃんが居れば大丈夫ですぅ!」

泉「……私も……そう思う…。」

Nプロ社長「ふん!……だったらさっさと泣きやんでレッスンをしろ!次は許さんぞ!」

亜子「……おっさん……。」

Nプロ社長(一番モバプロを侮っていたのは私だったな……。)

Nプロ社長(モバプロのPか……この屈辱……忘れんぞ。)

------ モバイルプロダクション ステージ
P「…………」

ちひろ「Pさん、そろそろ私達も撤収しないといけませんよ。」

P「ん?そうですか……残っているのは俺ら二人だけですか?」

ちひろ「こんな時間だし、雪美ちゃん達は未成年だから木場さんに送ってもらいましたよ。」

P「そっか………。」

ちひろ「さっきからずっとステージに立ってどうしたんですか?」

P「何でも無いですよ、ただ……この景色を焼き付けておきたかっただけです。」

ちひろ「……夢は叶いましたか?」

P「そうですね、俺が望んでいたよりもっと凄い夢のようなステージでしたよ。」

ちひろ「……プロデューサー辞めちゃうんですか?」

P「まぁ、皆はCute、Cool、Passionでやっていける実力を持ってますからね……。」

ちひろ「…………」

P「……なーんてね。冗談ですよ。こんな面白い事……他の誰にも渡したくありませんよ。」ニカッ

ちひろ「ふふっ、だと思いました。私もお付き合いしますよ。」

P「ありがとう、ちひろさん。じゃあ、俺達も帰りましょうか!」

------ 事務所

P(波乱のフェスから三日過ぎ、俺達にも再び忙しい日々が戻ってきた。)

P(フェスでの人気は凄まじく、仕事量も一気に増え俺一人じゃてんてこ舞いになってしまう程だ。)

P(他のプロダクションも同様にフェス効果かかなりの仕事が増えているらしい。)

P(Cuteプロは双葉杏、緒方智絵里の露出が増え、かなりの力をつけてきている。)

P(その他のメンバーも好調のようだし、次回は強敵になりそうだな……。)

P(Coolプロは相変わらず渋谷凛の人気が凄まじい……。)

P(しかし、潜在ファン層から言えばCoolプロが一番隠れファンが多い。次はどんなアイドルが出てくるか楽しみではある。)

P(Passionプロはシンデレラガール移籍問題でPaPがクビになりかけたらしい。)

P(しかし、所属アイドルのストライキ運動により何とか減給だけで済んだようだ……。)

P(Nプロはニューウェーブを全力で売り出しにかかるみたいだ。)

P(今はまだ注目が足りないかもしれないが……いずれまた出てくるだろうな。)

P「………もう夜の11時か。」

P「どうせ徹夜だしちょっと寝ようかな……。」

ガチャッ!

美世「Pさんお疲れ様っ!元気を分けに来たよ!」

美世「あれっ?」

P「……zzzzz」

美世「もう……事務所生活は止めてって言ってるのに……。」

美世「イヴちゃんももう寝てるか……。」

ガサゴソ

美世「えーっと毛布はここに……あっ!あったあった。」

美世「よっとこれでよし。……いつもお疲れ様。風邪引かないでね?」

美世(ふふっ、でもこのプロダクションがこんなに変わっていくなんて意外だったな……。)

美世(目立つ所に飾られている皆の笑顔の写真と……トロフィー……)

プロダクションマッチフェスティバル 優勝 モバイルプロダクション The Wild Flowers

------ エピローグ 事務所

P「……ねむ」

ちひろ「この暖かさが、春って感じですねぇ……」

和久井「P君、ちひろさん……この書類片づけて頂戴。」 バンッ!

P「は、はい!」

ちひろ(しまった……和久井さんが居たんだわ……。)

イヴ「るーみんさん!私もなんかお手伝いする事ありますかぁ~!」

和久井「イヴちゃんはアイドル達が飲むジュースとかお菓子買ってきて頂戴。」

イヴ「はぁ~い!わっかりましたぁ!!行きましょうブリッツェン!」

ブリッツェン「フゴッ!」

P「パシリ……」ボソッ

和久井「何か言ったかしら……」ギロリ

P「い、いえ……」

P(和久井さんはフェスでの騒動の責任をとり退社……そして、約束通りうちに来たわけだ。)

P(アイドルとして雇ったはずなのに何故か秘書業をやっている。まぁ、助かってるけど……。)

柚「へへっ!るーみんは相変わらず厳しいねっ!」

紗枝「ふふっ、でもるーみんはんがいてくれはるお陰で仕事が助かってるさかい……。」

あずき「一気にオファーが増えたからね、あずき達もお休みがなかなかとれなくなったよっ!」

あやめ「わたくしの忍ドルもだいぶ浸透してきましたね!これを機にグッズを作らねば……。」

愛梨「Pさん!私も何かグッズ作って欲しいですっ!」

聖「るーみんさんは……なんでマスク……してるんですか?」

和久井「猫が好きだけどアレルギーなのよ……」

雪美「……ペロ達…るーみん…と…遊びたいって…」ニャー ニャー ニャー ニャー ニャー

拓海「雪美、アレルギー持ちにそれは止めとけ。るーみんだってつれぇんだからよ。」

真奈美「こればかりはどうしようもないからな……、ペロ達にもちゃんと言い聞かせておくんだぞ。」

ちひろ(何でみんなるーみんって呼ぶのかしら……。)

ガチャッ

イヴ「ただいまですぅ~!みなさんお菓子買ってきましたよぉ!」

柚「やったぁーっ!待ってたよっ!」

ブリッツェン「フゴッ!」

イヴ「あ、それとPさんに手紙が来てましたよ?」

P「……俺に?なんだろ?」

イヴ「はいっ、どうぞっ!」

P「ありがとう、イヴ。」ガサゴソ

P「………へぇ。」

紗枝「Pはん、どうしはったんどすか?」

聖「なんの……手紙ですか……?」

P「ん?あぁこれだよ……。」

アイドルLiveツアー in USA のご招待

真奈美「ほう……アメリカライブツアーとは驚いたな。」

あやめ「あ、アメリカですか!?ならばわたくしはNINJAになるのでしょうか!?」

ちひろ「これって来月開催予定の相当大きなイベントですよね……。」

P「前回のフェスの成績が評価されての抜擢みたいですね。」

雪美「……アメリカ…行くの……?」

あずき「そうだねっ!あずき達も世界進出ってわけだよっ!」

愛梨「えへへっ!アメリカって初めてなんで楽しみですっ!」

和久井「遊びに行くわけじゃないんだから……観光はそんなにできないわよ。」

和久井「それに……もっと大きな問題があるでしょう?」

拓海「またなんかあんのかよ、問題だらけだなモバプロって。」

ちひろ「まぁ、否定はできないわね……。Pさん、その大きな問題って何なんですか?」

P「………ツアーユニットは10人一組とするってとこでしょうね。」

雪美「……足りない……?」

柚「足りないね……」

和久井「ちなみに私は頭数には入れないでね。」

紗枝「そうなると、後3人も集めんといかんというわけどすか……。」

P「……いや、二人だよ。」

あずき「えっ、誰か決まってる人が居るの?」

P「あぁ、こんな事もあろうかとな。」

拓海「へへっ、P、呼んだ」

バンッ!

茄子「るるる~ん♪ぽぽぽぽーん!!私ですよっ!」

拓海「…………」

P「おっ、ナイスタイミングで来てくれたな。」

聖「茄子さん……だったんですね……。」

P「そうだな、フェスの時に声をかけておいたんだ。」

茄子「Pさん、一緒にトップを目指しましょう!いっぱい幸せにしますから♪」

P「こちらこそ、宜しく頼むよ。茄子。」

ゴチン

P「………」プスプス

愛梨「た、拓海さん!なんでPさんをどつくんですかっ!?」

拓海「そいつの頭に聞いてみろっ!」

真奈美(今回ばかりはPが悪いか……。)

P「……いててて、何なんだ一体……」

ちひろ「ふふっ、フェスの次はLIVEツアーなんて忙しいですね。」

P「まぁ、イベントは年中やってますからね……。」

ちひろ「みんな、あんなにはしゃいじゃって……。Pさんもこれからまた頑張らないと。」

P「……そうですね。」

ちひろ「あれ?どこへ行くんですか?」

P「ちょっと、休憩に行ってきます。」

------ 公園

P「煌めく瞬間に捕われ~………」

「…………」ジーッ

P(…………)

「…………」ジーッ

P「ごめんうるさかったかな……?」

「………そこ」

P「ん?」

「私……の……場所」

P「……ごめんすぐにどくよ。」

トテトテ ポスン

P(…………)

「…………」ジーッ

P「まだ何か……?」

「もう……弾かないの?」

P「ギターのことか?」

「…………」コクッ

P「あぁ……じゃあ隣座って弾いても大丈夫か?」

「…………」コクッ

P「リクエストは……?」

「…………」フルフル

P「OK、じゃあ適当に弾くとするよ。」

P「………プッ、ちゃんと覚えてるんだな雪美。」

雪美「……ふふっ……P…も…覚えてて……くれた…」

P「忘れるもんか、ここから全部始まったんだからな。」

雪美「……私……と…P…が…初めて……あった…場所……」

P「そうだな、あれからなんだかんだで半年か……早かったな。」

雪美「……うん………」

P「雪美がいなかったらここまでこれなかったな。ありがとうな。」

雪美「……私……も…P…と…会って……変われた……」

P「そっか……。」

雪美「……ねぇ…P…私…約束……果たせた……?」

P「あぁ、もちろんだよ。」

雪美「……うん……これからも…一緒……に……居て……約束…」ポスッ

P「あぁ……。」

prrrrr

P(ん?メールか……)

ちひろ『Pさんそろそろ戻ってきてもらって良いですか?』

P「はぁ……やれやれ。」

雪美「……どう……したの…」

P「ちひろさんがさっさと戻ってこいってさ。」

雪美「……残念……」

P「最近は、こうしてゆっくりできる時間が少ないからな。俺も残念だよ。」

雪美「……P……帰るの……?」

P「……手つないで帰るか?」

雪美「……うん……」ニコッ

P「ほいほいっと」ギュッ

雪美「……P……ゆっくり…行こう…」

P「そうだな……帰ろうか…雪美、皆の待ってるモバプロに……。」

おわり

------ おまけ

雪美「……P……ちょっと……耳…貸して…」

P「ん?どうしたんだ?」

チュッ

P「ゆ、雪美!?」

雪美「……ふふっ……これで……」

美世「へぇー……、雪美ちゃん……やってくれるね。」

P「み、美世!?どうしてここに?」

雪美「……私…と……P…魂で……繋がってる……」

美世「Pさんはあたしと約束したんだから!あたしに乗るんだよ!」ダキッ

雪美「……所詮……美世は……身体だけ……の…関係……」ダキッ

P「はぁ!?何言ってんだよ二人とも!?」

美世「か、身体だけじゃないよね!?私とPさんは一心同体だよ!」

雪美「……それも……今のうち……」

P「そんな事より二人とも離してくれっ!」

ちひろ「迎えに来てみれば一体何をやってんだか……。」

あやめ「おぉ!P殿はモテモテですねっ!美世殿とそういう関係だったのですか?」

柚「指に美世サンのヘアゴムついてるし、美世サンはPサンの指輪持ってるしバレバレじゃん。」

あずき「えーっ!そうだったの!?駄目だよっ!Pさんはあずきとラブラブ大作戦するんだからっ!」

紗枝「あずきはんは残念ながら要注意人物にははいっとりまへんえ……?」

あずき「えぇっ!?」

愛梨「駄目ですっ!Pさんは私と結ばれるんですっ!」

聖「十時さんは……ポッと出なんで……論外です……プロレス技でも……かけられていて……下さい」

愛梨「そ、そんなっ!?」

ちひろ「あーあ、どうするんですかPさん……えらい事になってますよ。」

あずき「柚ちゃんも紗枝ちゃんもなんでそんなに落ち着いてるの?」

柚「アタシは大丈夫かなぁ。だってPサンが……ううん、なんでもない♪」

あやめ「わたくしはP殿の影なので、特に問題はございませんよ?」

紗枝「今はまだ年齢的に問題もありますしなぁ……でも、美世はんと柚はんに遅れを取るつもりはありまへんえ?」

聖「私……これだけは……みなさんには……負けません。」

愛梨「ん~、なんか凄い事になってますね……私も負けませんっ!」

美世「Pさん!今日はPさんの家に泊るからね!身体だけじゃないって教えてあげてよっ!」

雪美「……そうやって……今だけ…愉悦に……浸ってればいい……」

P「……やれやれ、まいったな……」

おわり

長々とお付き合い頂いた方々、支援頂いた方々。ありがとうございました。

自分の書きたい事はかき切ったのでシリーズ的には終わりになります。

USA編は多分……無いかと。

書くとしたらせっかく長々と続けた設定があるのでダチャーンとの話でも書いてるかもしれません。

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