モバP「りんなおかれんと!」(91)

―――とあるスタジオ―――

監督「はいカーット! よし、今日はここまでだ!」

加蓮「お疲れさまでしたー!」

共演者「お疲れさまー。加蓮ちゃん、とっても可愛かったよ!」

加蓮「ホントですか? ありがとうございますっ」

共演者「うんっ。また次の撮影もよろしくね?」

加蓮「はい!」

http://i.imgur.com/LdfIQNl.jpg

P「加蓮、お疲れ」

加蓮「あ、Pさん。見ててくれた?」タタッ

P「あぁ、しっかり見せてもらったよ。よく頑張ってた」

加蓮「ふふっ、ありがと!」スッ

P「……どした? 頭なんか差し出して」

加蓮「えー、撫でてくれないの?」

P「あーそういう……ちゃんと口で言いなさい」ナデナデ

加蓮「えへ」ニコニコ

P「はい、おしまい」パッ

加蓮「ん……もう終わり?」

P「予定より長引いたしな、急がないと。奈緒から催促メールも着たし」

加蓮「そっか、残念」

P「挨拶済ませてからパパッと帰ろう。ほい、これ着て」モフッ

加蓮「うん。……動きにくいんだよね、これ。んしょ」モコモコ

P「動き易さより体調管理の方が大事だろ?」

加蓮「もう。ホント過保護なんだから」

P「はは、似合ってるしいいじゃないか。可愛いよ、加蓮」

加蓮「……それにずるいし。この卑怯者!」

P「えええ、なんでだ」

加蓮「知らないっ」テテテッ

P「あ、待ってくれよー」

監督(さすがCGプロ。アイドルとプロデューサーの仲の良さは業界一だなぁ)

共演者(加蓮ちゃんかわいい!)

―――帰路、運転中―――

ブロロロロ…

P「んー、夕日がきついな……加蓮、眩しくないか?」

加蓮「うん、大丈夫。だんだん日が長くなってきたね」

P「そうだなぁ。もう二月になるのか……時間が経つのは早いもんだ」

加蓮「ふふ、一周年記念ライブが懐かしく感じるよ」

P「あぁ、俺も懐かしいよ。懐かしいと言えば……出会った頃の加蓮も、な?」

加蓮「あー、そうやってまた私をいじめるんだPさん。ふーんだ」プイッ

P「悪い悪い、そんなつもりないよ。ただ、加蓮も成長したなってこと言いたいだけだよ」

加蓮「むぅ……」

P「そう膨れるなって。褒めてるんだぞ?」

加蓮「褒めてる内に入らないし……あんまり言ってると、バレンタインチョコ上げないから!」

P「え、そりゃ困るよ……」

加蓮「欲しいなら、私の機嫌損ねないようにね?」

P「はーい、加蓮さん」

加蓮「それでいいの。ふふっ」

ブロロロロ…

―――事務所―――

ガチャッ

加蓮「ただいまー」

P「戻りました」

奈緒「あ、おかえり加蓮、Pさん」

P「ただいま奈緒。悪いな待たせちゃって……っと、お?」

凛「……くぅ」スヤスヤ

加蓮「あれ……凛、寝ちゃってる」

奈緒「待ちくたびれたみたいでさ。最近忙しかったしな、こいつ」ナデナデ

http://i.imgur.com/Mbft8Vd.jpg
http://i.imgur.com/hy3CSlU.jpg

加蓮「膝枕なんて、奈緒。優しいね?」ニヤニヤ

奈緒「ち、茶化すな! 適当な枕がなかったんだよ!」

加蓮「ふーん? そのス○ィッチの毛布は奈緒のじゃん」

奈緒「いいだろ別に!」

P「こらこら、凛が起きちゃうだろ」

奈緒「あ、ああうん……」

加蓮「大丈夫。凛ったら、一度寝ちゃえばすぐには起きないから」

凛「すぅ……すぅ……」

P「そういや加蓮は、凛の家に泊まったことあるんだっけ」

奈緒「へー。って、なんでPさんが知ってるんだよ……」

加蓮「あはは、私が話しちゃって。で、いくらほっぺた突っついてもね……ほら」プニプニ

凛「んにゅ……むー……くー……」

P「ぷっ」

加蓮「ね、可愛いでしょ?」

凛「んにゃ…………くぅ……」モゾモゾ

奈緒(かわいい)

奈緒「って違う!」ビシッ

P「お、おおどうした奈緒、いきなりツッコミ入れて」

奈緒「こほん! なんでもないっ」

加蓮「んふふ、かわいー」ツンツン ツンツン

凛「んん……む……」

P「やめなさい」コツン

加蓮「いてっ。えへへ」

P「ったく」

奈緒「……」モジモジ

P「ん? 奈緒、どうした?」

奈緒「あ、いや、えっとその、なんて言うか……」モジモジ

P「?」

奈緒「あぅ……そろそろやば……」

加蓮「ああ、そういうこと。PさんPさん、奈緒、あっちだって」チョイチョイ

P「え? ……あ、トイレか」

加蓮「デリカシーないなぁもう」

奈緒「なんでもいいから……Pさん代わってぇ……!」

P「代わってって……膝枕をか!?」

加蓮「ほほう」ニヤリ

奈緒「はやくぅ……! げん、かい……!」

P「お、おう分かった! よ、いしょっと……よし」

凛「ふにゃ……」

奈緒「さ、さんきゅ……!」トトトトト!

ガチャバタン

P「おー、上半身がまったく動いてなかった」

加蓮「言ってあげないで」

凛「くー……」

P「ホントに起きないんだな。いつもお疲れ、凛」

加蓮「うんうん、あどけないね。いつもは澄まし顔のくせに、このこの」ムニムニ

凛「ん、んん……っ」モゾ

加蓮「あ」

P「おいバカ……!」

凛「んぅ……?」ムク

加蓮「起きちゃった……」

凛「…………」パチクリ

P「よ、よお凛。おはよう、まだ夕方だけど」

凛「……」キョロキョロ

P「りーん……?」

凛「……ぷろでゅーさーだ……ん……♪」スリスリ

P「おわあ凛待て、寝ぼけんなっ!」

加蓮「わああ凛ダメえええ!」

凛「うにゃぁ……しぶにゃんだにゃ……にゃぁ」ヨジヨジ

P「ぐっはぁっ!?」ズキューン

凛「にゃ、にゃ……♪」コシコシ

加蓮「どんな夢見てんの!? ダメだってばあああああっ!!」

すっぱーん!

凛「ふに゛ゃっ!?」

―――
――


奈緒「トイレから戻ったら……」

P「リンチャンカワイイリンチャンカワイイ」

毛布「……死にたい」

加蓮「ごめんってば凛ー……叩いたの謝るからぁ」

毛布「そっちじゃない……ぐす」

P「シブニャンニャン、シブニャンニャン」ブツブツ

奈緒「え、何これ」

奈緒「ちょっと、Pさん! どういう状況だよこれ!」

P「シッブリーン!」

奈緒「あーもう、戻ってこい!」ペシペシッ

P「はっ!? しぶにゃんがいっぱい!」

奈緒「何を訳分かんないこと……何があったんだよ?」

P「お、おお、奈緒か。いやぁそれがな――」

奈緒「……はぁ。つまり加蓮がちょっかい出して、凛が暴走して……ああなったと」

P「概ねその通りで……」

加蓮「りーんー。ほら、夕飯食べに行こうよー」グイグイ

毛布「やだ……プロデューサーの顔見たら、私死んじゃう」

奈緒「ああ、凛は毛布にくるまってるのか……ったく、しょーがないな」

毛布「……」

加蓮「あ、奈緒……」

奈緒「おい凛。Pさんも待ってるからさ、な?」ポフン ナデナデ

毛布「無理……恥ずかしいよ、あんな……」

奈緒「ネコくらいなんだよ。加蓮なんか、この前おもちゃ目当てでハッピーセット注文してたんだぞ?」

加蓮「ちょっ、なにカミングアウトしてんの!?」

P「ぶっふぉ」

毛布凛「……そうなの?」モゾモゾ

奈緒「うん。あたしが見せたアニメのおもちゃでさ、なんか気に入ったらしくて」

加蓮「ストップ! ストップストップストーップ!!」

奈緒「いやー、傑作だったなー。店員に聞き返されてたし……ぷふっ、また笑えてきた」

凛「そっか……加蓮が、ね……ぷっ」

P「ッヒーッヒー!」バンバンバンバンッ

加蓮「いやあああああああああ!!!」

―――
――


凛「プロデューサー、さっきはごめんね」

P「ああ、気にするな。可愛かったしな!」

凛「もう……ばか」カーッ

奈緒「あたしも見たかったなー、しぶにゃん」

凛「だ、ダメ! 絶対やだ!」

P「はは、今度はネコミミ着けてやってみたらどうだ?」ナデナデ

凛「にゃっ!?」

ホワワン

凛『にゃお』

P『ん? 珍しいな、しぶにゃんから寄ってくるなんて』

凛『にゃにゃ……プロデューサー、にゃでて?』

P『もちろんいいさ。よーしよし』ナデナデ

凛『にゃぁ……気持ちいい……』コシコシ

P『こらこら、くすぐったいぞ』

凛『にゃぁん……♪』ウットリ

凛「……」ボンッ

P「うお、真っ赤に!」

奈緒「凛ならネコミミ似合うだろうなぁ」

P「奈緒もどうだ、ネコミミ」

奈緒「え!? あ、あたしはいいよ! 似合うわけねーし!」

P「そうかなぁ、絶対似合うと思うけどなぁ」

奈緒「ッ! で、でも」

凛「……ネコミミ着けたら、可愛がってもらえると思うよ?」ボソッ

奈緒「!!」

ホワワン

P『ふふ、なおにゃんは可愛いなぁ。髪もふかふかで、触り心地最高だ』ナデリナデリ

奈緒『にゃ、Pさん……恥ずかしい、にゃ……』

P『なにを恥ずかしがる。こんなに可愛いのに』

奈緒『ふ、ふにゃぁぁぁ……♪』

P『よし、ブラッシングしてあげよう』

奈緒『にゃっ! にゃうん♪』ウットリ

奈緒「……やる」

P「お?」

奈緒「やる! 絶対やる!」ズイ

P「お、おう?」

凛「ふふ、プロデューサーの独り占めは良くないもんね」

P「うーん、よく分からないけど。奈緒が嬉しそうならいいか」

奈緒「なでなで……ブラッシング……えへ、えへへへ……♪」

加蓮「」

P「で、あいつ大丈夫か?」

凛「ハッピーセット……」

奈緒「うん、ハッピーセット」

凛「……ふふ」

奈緒「……くふっ」

P「…………ぐふぇwww」

加蓮「……ょ」

凛「ん?」

加蓮「……いいでしょ」ユラリ

P「お、おい加蓮」

奈緒(あ、マジ怒りだこれ)

加蓮「ハッピーセットくらいいいでしょおおおおおお!!?」

P「おおお!? 落ち着けかれーん!」

加蓮「いいじゃん! おもちゃ欲しくて悪いの!? なんなのバカにしてえええ!!」ポカポカポカポカ

凛「い、いたっ痛いよ加蓮! ごめん、ごめんって!」

奈緒「べ、別に悪いなんて、あいたたた!」

加蓮「うああああんバカバカバカああああ!」ペシペシペシペシッ

P「か、加蓮!」ギュッ

加蓮「っ、何よPさんまでぇっ!」

P「確かに笑っちゃったけど……バカにした訳じゃないよ」

凛(それはウソ)

奈緒(ウソだな)

P「加蓮にもこんな子供らしい一面があったって、知ることができたんだ」

加蓮「Pさん……。でも、嫌でしょ? こんな子供っぽい子なんて」

P「いいや、むしろ嬉しいよ。俺だって子供っぽいところあるし、なんてったって可愛らしいじゃないか」

加蓮「そう、かな……?」

P「ああ。俺はどんな加蓮だって、大好きだよ」

加蓮「あ、あぅ……! わ、私も、Pさんがだい」

奈緒「はいそこまでえええええ!!」

凛「速やかに離れてね加蓮。はい、はい離れて。ほら早く! 迅速に!」

加蓮「あとちょっとだったのに……」

奈緒「はぁ、はぁ……油断も隙もない……!」

凛「危ない……危なかったよプロデューサー」

P「え、何が危ないのか見当もつかないんだけど……」

奈緒「ほ、ほらPさん! もう日が暮れたし、ご飯行こう!」グイ

凛「そ、そうそう、さぁ行こう!」グイグイ

P「あ、ああ」

加蓮「むー」

―――事務所、出入り口―――

P「よーし、忘れ物ないかー?」

りんなおかれん「はーい」

P「んじゃ、鍵閉めて、っと」カチャ

P「さ、行こうか――」

加蓮「Pさん、ぎゅっ!」

P「おっと。なんだ、加蓮。手、繋いでいくのか?」

加蓮「だって私、まだまだ子供だしねっ♪」

P「あれは言葉の綾で……まぁ、いいか」

加蓮「うん♪」

りんなお「よくない!」

加蓮「ふぅん、羨ましい? 羨ましいよねぇ?」ニヤニヤ

P「おい、喧嘩は……」

凛「今すぐ離れよう、ハッピーセット」

奈緒「今日はPさんが加蓮についてったんだから、あたしたちに譲れよハッピーセット」

加蓮「」プチーン

加蓮「……上等。上等だよ」スッ…

凛「……プロデューサー、先に行って」

奈緒「あたしらは、後から追いつく」

P「それはフラグだ……ま、程々にな? エンジン温めとくよ」トコトコ

凛「さぁ、」

奈緒「かかってこい、」

りんなお「ハッピーセット!!」ダッ

加蓮「あっ、こら逃げるな! あとハッピーセット言うなああ!」ダダダッ



P「仲良しだなぁ、ホント」ニッコリ



おわり

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