ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」天井「それは、もはや2スレ目だよ」 (1000)



・以前総合スレでやったやつ。

・※『どんなカプが成立するか未定』

・基本ほのぼのギャグ。たまにシリアス、バトル

・マイナーキャラ祭り。故に推測と憶測で書かれる場合あり

・気が向いたら更新

・原作再構成したりしなかったり


前スレウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1383193548/)



SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1391005483

上条ちゃんにらサローニャちゃんやろjk

前スレでウートと天井がやってたゲームは実際にあるんですか?


立てたスレにSSが書き込まれてないとHTML化される恐れがあるなぁ

ということで、小ネタ一個だけ置いてお茶を濁しておこうと思う。

>>5のレスの言ってる意味が3時間くらい考えてもよくわからなかったからとりま上条×サローニャっぽい何かを。

ぶっちゃけサローニャを書いてる時が一番楽しい。アホな事考えてるだけでいいからなのか。



>>8あるよ。(某マスター風)オンラインゲーム、『ファンタシースターオンライン2』です。
よくクソゲーと言われますが>>1は好き。


~某日、とある高校~


トール「あー、腹減った。上条ちゃん、早く飯くおーぜー」スタスタ

上条「おー」スタスタ

タタタタ……

上条「何食う?」テクテク

トール「喉に詰まらないもの」テクテク

タタタタ…


サローニャ「かっみじょ――……」タタタタ…

上条「へ?」クルッ

サローニャ「ちゃぁ―――――――ん!!!」ダキイッ!!!

上条「ごへっ?!」

トール「おっと、あぶねぇ。」ヒョイ

上条「」ズザザザザザザァァァッッ!

サローニャ「私ね、私ね?今日はなんと、上条ちゃんにおべんとーを作ってきたのでっす!きゃー☆」イヤンイヤン

上条「」チーン

トール「サローニャー?上条ちゃんはお前が勢いよく延髄に抱きついたせいで死んでるぜー?」

サローニャ「なぬぅー!?ごめんね大丈夫!?」ユサユサ

上条「なぬぅーじゃねーよ![ピーーー]気かー?!」ガバッ

サローニャ「きゃん!まっさかー。悩[ピーーー]るつもりはあるけどねん☆」キャハ☆

上条「なまじ悪意がないだけに怒りづれぇ…」ぐぬぬ

トール「んじゃ、俺は気をつかって購買にでも行きますかねっと。」スタスタ

上条「え」

トール「あ、俺つっちー達と食うから、上条ちゃんは俺に気がねなくいちゃついててくれ」ヒラヒラ

上条「ちょっ」

サローニャ「おー!トールちゃんありがとちゃん!」フリフリ

上条「……」

サローニャ「どこで食べるー?」






~とある高校、ビオトープ~


サローニャ「ふんふんふ~ん♪」

サローニャ「ほらほら!一緒にベンチでたべよう?」ポンポン!

上条「…あのさ、」

サローニャ「にゃーに?」

上条「うちの学校にさ、こんな池とか木や花とかベンチがあるオサレ中庭なんてなかったと思うんだけど」

サローニャ「へぇー、不思議だねぇ?(棒)」ニッコリ

上条「いや、絶対犯人お前だろ?」

サローニャ「ひ、酷いよ上条ちゃん!何の根拠があって私を疑うの?!」ヨヨヨ

上条「」ユビサシ


看板『サローニャちゃんの小さな森』


サローニャ「…わー、なんで私の名前が書いてあるんだろー(棒)」

上条「いや、だからお前が無許可で作ったんだろ?」

サローニャ「違うよ上条ちゃん!私、ちゃんと許可とったもん!」ぷぅー!

上条「やっぱり犯人お前じゃねーか」ツン

サローニャ「はう?!くっ、なんという見事な誘導尋問…」ゴクリ

上条「つか許可って…」

サローニャ「え?いや簡単だったよ?」


サローニャ.。oOO(  )ホンワホンワ



~某所~

サローニャ『ねぇ、理事長せんせ?サローニャちゃんのスケスケスカート…
      えっちでしょ…?中がどうなってるか、見たくない…?』ツツー

理事長『フフ…色仕掛けか?すまないが、私の性欲はもうずっと昔に枯れてしまったよ』

サローニャ『えー?そうなの?そのわりには、食い入るように見てるけどー?』クスクス

理事長『そんなことはないさ』

サローニャ『ねぇーえ?サローニャちゃんはただ学校にビオトープを作ってほしいだけなんだけどにゃーん?』

理事長『なぜ作りたいのかね?』

サローニャ『上条ちゃんといい雰囲気のとこでお昼食べたくてさー?』

理事長『……ふ、嘘だな。』

理事長『君がいつでも戦えるようにするために、術式に必要な"エカテリンブルクの針葉樹"を植えておきたいのだろう?』

サローニャ『…さー?どーでしょ?』ニッコリ





理事長『……パンチラしながらビーカーに胸を押し付けてくれるなら、君の要求を聞こうじゃないか』

サローニャ『いーよー』クスクス

サローニャ『ほーれほれー♪』ムニュムニュムニュムニュ

理事長『うっひょぉおおおおお!!!』ハァハァハァハァハァ



サローニャ.。oOO(   )ホンワホンワ

上条「もうその理事長やめちまえばいいのに」







サローニャ「からあげちゃんとー、ゆでたまごちゃんとー…どれから食べる?」

上条「おい、弁当箱ごと渡してくれよ」

サローニャ「だぁめー☆何故ならサローニャちゃんが満面の笑顔で上条ちゃんに"あーん"をしてあげるからなのです!」

上条「…っ///」

サローニャ「はい、あーん!」つ―∈○

上条「あ、あむ…」


サローニャ「おいしー?」

上条「あ、ああ…」モムモム

上条(なんだこの、こっ恥ずかしい感じ…//)ウググ

サローニャ「サローニャちゃんにもぉー」

上条「え?」

サローニャ「あー」アーン

上条「…ぐ////」

上条「あ、あーん……」つ―∈□

サローニャ「あーむっ!」

サローニャ「おいちー」モキュモキュ。

上条(ぐぁあああ!!なんか知らんがすげー恥ずかしいぃぃいいい!!!)













土御門「……」つ●REC

青髪「………」つ●REC

トール「……」つ●REC

姫神「………」つ●REC




※後日、自習になった視聴覚室で放映されました


終わり。

また何かイベントあればやるかもしれない。

では。

出来る事なら、姫神さんにももっと出番を…

>>19ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」天井「それは、もはや2回目だよ」

番外編。節分ネタ。こんなことばっかりやってるから本編が進まない。


~スーパー~

天井「さて、今日は何にしようか…」テクテク

天井「ん?」


『節分豆、鬼のお面つき』




天井「…節分、か」



~叶え屋~


天井「ただいまっと…うん?声が多いな」ヨッコイセ

ワイワイ





ウート「ッハイ!8切りーっでトリプル!しゅうりょぉぉおおお!!!!ウートガルザロキくんドンケツは免れましたッッ!!!」ドギュイーン!

シギン「ひ、ひどいよ!ウートガルザロキ!私また大貧民だよ!?」ウワーン!

ウート「えー?これでも待ってあげたんだぜー?」ヘラヘラ

シギン「むぅうううー!」プクー

ウート「そーんな頬を膨らますなーってぇー」ツン

シギン「あぶ」ポヒュ

サンドリヨン「…で?まだやるの?」フー

シギン「うん。…でも次は違うのをやろう?」

サンドリヨン「構わない。何をやろうとも、私の勝ちは揺るがないから」ニヤリ

シギン「むぅううー!」プクー!

ガチャ。

天井「ただいま。サンドリヨンが来てたのか」バタン

ウート「おー、あまっちおかえりー」フリフリ

シギン「おかえりぃ」プクー

サンドリヨン「お邪魔してるわ」ヒラヒラ

※皆さんフランス語が話せます






ウートシギンサンドリヨン「「「『節分』?」」」

天井「ああ。2/3は節分といって厄払いの儀式をする日なんだよ」

天井「日本では季節の変わり目には邪気(鬼)が生じると考えられており、それを追い払う行事がある」

ウートシギンサンドリヨン「「「へぇー」」」

ウート「具体的にはどんなことすんの?」

天井「豆を撒いたり、鰯の頭を柊の小枝に刺して戸口に挿したり、"恵方巻き"という食べ物を食べたり…だな。」

シギン「エホーマキ?」

天井「巻き寿司だ。『福を巻き込む』という意味と、『縁を切らない』という、げん担ぎで食べる。」

天井「食べ方もあって、その年々で変わる方角…恵方に向かって巻き寿司を丸かぶりするんだ」

サンドリヨン「ふぅん。日本人は変わっているな。今年はどの方角なんだ?」

天井「東北東だな。まぁ、安かったし、せっかくだからということで…」ゴソゴソ

天井「恵方巻きと節分豆を買ってきた」つ

ウート「お、マジで?」






ウート「へぇー、これがねぇ」シゲシゲ

シギン「これが『スシ』?」

サンドリヨン「フランスにも"スシ"の店は沢山あるけれど…これは初めて見たな」シゲシゲ


天井「これをあちらの方を向いて、丸齧りだ。」

天井「では」


サンウートシギン天井「「「「いただきます」」」」アグ。

ウート「…」あぐあぐ

シギン「…」あぐあぐ

天井「…」あぐあぐ

サンドリヨン「…」あぐあぐ


シギン「…わ、私ちょっと辛い。辛くなってきた…」アググ…

サンドリヨン「私もだ…」アググ

ウート「ほれはふぇつに」もぎゅもぎゅ。

天井「…」モキュモキュ






ウート「けふ。」

天井「ふぅ」

シギン「ウ、ウートガルザロキ、私の分も食べていいよ…」ウプつ◎

サンドリヨン「私の分も頼む…」つ◎

ウート「お、おー。いいよー」アハハ…

天井「すまない、もう少し小さいのを買うべきだったな…」






ウート「うぷっ」

シギン「ありがとうウートガルザロキ。」

天井「では、豆は撒くだけにしておこうか」

ウート「『鬼は外、福は内』だっけ」

シギン「なんだか、鬼さんが可哀想。可哀想だよ」

サンドリヨン「"鬼"というのは膿のようなものなのだろう?なら遠慮なんていらないじゃないか」

シギン「oh…鬼はサンドリヨンちゃんだったか…」

サンドリヨン「あんだとコラ」

シギン「…サンドリヨンちゃんはー外ー」バラッ

サンドリヨン「…」ゴスッ

シギン「いたっ」


天井「……」

天井(そういえば。節分といえば、昔……).。oOO(   )ホンワホンワ


―――――――――
―――――――――――――

―――――――――――――――――――

~天井くん幼少時代~


先生「はーい!では豆を撒いて鬼を追い払おう!」

あまい(4才)「……」

あまい(このおまめにどれほどのいりょくがあるのかはしらないが、もっとこうりつよくたおせないだろうか)





鬼(先生)「わははー!鬼だぞー!」


あまい「…きたな。」

あまい「とらっぷはつどう!」サッ

鬼「え?」

/   \パカッ

鬼(お、落とし穴?!くくりつけた紐で蓋を外したの?!)ズデーン!

鬼「いたっ!?穴の中には大量の豆が?!」

あまい「みんないまだ!おににまめをいっせいしゃげきだ!」

幼児'S「わ――――!!」ブンッブンッ

鬼「いたっ?!ちょ、まって!?痛い痛い!」ピシッピシッ

鬼「はっ?!」

幼児「あまいくんが作ってくれたパチンコだー!」ピュン!ピュン!

鬼(武器所持?!)ガビーン!

幼児「おままごとでつかうボウルいっぱいの豆をくらいなさい!」ブンッ!

鬼「ボウルごと?!」ガンッ


鬼「…畜生、」

幼児'S「わー」ブンッブンッ


鬼「お前らの方が!鬼じゃねーかぁあああ!!!」ウワーン!

―――――――――――――――――
―――――――――――――
――――――――


天井.。oOO(   )ホンワホンワ

天井(我ながら、あれは酷かったなぁ…)


天井(本当の"鬼"は、どこまでも残酷なことができてしまえる人間そのものなのかもしれない)


天井(……と、天井は天井はしたり顔)ニタリ
ウート「あまっち、なんか顔キモい」

天井「?!」ガーン




~黄泉川宅~



黄泉川「じゃ、打ち止め。この豆をぶつけるじゃんよ」つ

打ち止め「よーし!覚悟してねあなた!って、ミサカはミサカは迎撃準備!」

一方(E:鬼のお面)「……」グデーン

芳川「ちょっと、一方通行?ソファに寝そべっていないで、少しはやってあげなさい?」

一方「あァ?ちゃンとやってるだろォが。今の俺は誰かさンの怠惰な部分が実体化した『怠け鬼』さンなンだよ」ダラーン

芳川「あら?喧嘩売ってるのかしら?」ウフフ
黄泉川(『怠け鬼さン』て)ブフッww


一方(……そォいや、節分と言えば…)

一方「……」.。oOO(   )ホンワホンワ



―――――――――
―――――――――――――
―――――――――――――――――


~一方幼少時~


木原(数多)「一方通行。」

一方(6才)「ン?なンだよ、木原くン」

木原「今日は『節分』だろ」

一方「?それがどォしたってンだよ」

木原「豆の用意はしなくていいのか?」

一方「はァ?おれがあンな幼稚な行事やるかよ。」ケッ


一方「……それに、みンな俺を避けるし、つまンねェもン」ぶすーっ。

木原「………」






一方「?おーい、木原くン?なンだよ、こンなとこに呼び出して。部屋、真っ暗じゃねェか」トコトコ。

木原「節分をやんだよ。オラ、豆は持ってきたんだろぉな」

一方「持ってきたけどよォ…」

木原「よし。じゃ、やるか。」

一方「…」ワクワク


パッ



木原(E:リアル鬼の面)「鬼だぞゴルァぁあああぁあああぁあああ!!!」ゲハハハハハハハ!?

一方「うわァァアァアンン!!?」ビエー


木原(さらにE:メス)「さぁ~~って?悪いコトする能力者ちゃんはいねぇか~?
   もしもいたら、頭をカパッと開いて、色~ンなとこをこねこねして、ヤッヴァーイ"お薬"を投与しちゃうぜぇぇええええ!!!?」ウヒャヒャヒャヒャ!!

一方「いやだァァアァア!!」ウワーン!


木原「どこまでなら、『人間が生存に必要な最低限の臓器(パーツ)のみを残した状態』にできんのか、試してみちゃおっかなぁあああ?!」

一方「怖いよォォオォォォオォ!!!」ビエエエエ!!!


木原「あん?おかしいな、なんで豆をぶつけてこねぇんだ…?」ハテ?

一方「助けてよォォオォ!!」

――――――――――
―――――――――――――

――――――――――――――――――



一方.。oOO(   )ホンワホンワ

一方(まともに節分やった記憶がねェから、よくわかンねェンだよ)ッチ

番外「ねーねー、ミサカもあなたに目一杯ぶつけていい?返事は聞いてやんないけどさギャハ☆」



~とある高校(放課後)~


姫神「当麻くん。」

上条「ん?なんだ?姫神」

姫神「お腹。空いてない?」

上条「あー、空いてるけど…なんかあるのか?」

姫神「うん。えっと。ほら。今日は節分でしょ?」

姫神「恵方巻き作ってきたんだけど。よかったら。どうかなって」ニコ

上条「へー、手作りか!もらうよ」

姫神「うん。どうぞ。」つ

上条「具がそれぞれ違うんだな」

姫神「うん。これは。かんぴょう。胡瓜。卵焼き。椎茸煮。アナゴ。桜でんぶのスタンダードなもの。」

姫神「こっちは。かんぴょう、かいわれ。伊達巻。ウナギ。おぼろ。」

姫神「これは。サーモン。ブリ。卵焼き。カニカマ。ツナ。レタス。」

姫神「そっちは。実験で作った。高野豆腐。しそ。三つ葉。しょうが。菜の花。ニンジン。」

姫神「あとサーモン、イクラ、イカ、エビ、ネギトロ。」

姫神「お好きなのを。どうぞ。」ニコ

上条「ん、じゃ上条さんはウナギが入ったやつにするよ」

姫神「召し上がれ。」

上条「今年はどの方角なんだ?」

姫神「地域にもよるけど。ググったら出たのは東北東だったよ。」

上条「そっか。じゃ…」スッ

姫神「うん。」スッ


上条姫神「「いただきます」」あぐ。

上条「…」あぐあぐ。

姫神「…」あぐあぐ。






上条「ふーっ。どれも美味かった。ありがとな!秋紗!」

姫神「お粗末様でした。ふふ」ニコ

姫神「…今更だけれど。下の名前で呼ばれると。ちょっと。照れる。////」モジモジ

上条「わ、悪い。やっぱり名字呼びのがいいか?ちょっとどっちで呼んだらいいのかわかんなくて」

姫神「……皆の前だと。少し恥ずかしいけど。二人っきりの時だったら。……その。いっぱい。呼んでほしい。」チラッ

上条「秋、」


土御門「よぉーカミやん、今から一緒にゲーセン行かないか?」

青髪「新ゲー入ったらしいんや!な、亨くん!」

トール「おう!いやこの前ちょっと入ったら見かけてな!」

姫神「………」

上条「あー、じゃいこっかな。"姫神"はどうす」

姫神「……………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

姫神「うん。私も。行っていい……?」ユラリ

土御門「お、おう」







姫神「くらえ!HIME☆スペシャルコンボォォオォ!!!」ガチャガチャガチャガチャガチャコンシャガシャ!!!

土御門「おれの最強持ちキャラが地面に立てないだと?!」ガーン!

※このスレの姫神さんはゲーセンマスターです


トール「姫神ちゃんダンスゲーで勝負しねぇ?俺けっこー得意なんだぜ」

姫神「うん。いいよ?」ニッコリ


姫神「メニメニ大事件っ♪どんな無茶ぶりもっ♪マニマニAll light♪解決っですわねっ♪」ヘイヘイ♪

トール「んなっ?!俺よりめちゃくちゃ上手い?!」ガーン!



青髪「おっしゃ!二つも景品とれたで!」

上条「青ピ。」チョイチョイ

青髪「?」クルッ

姫神「甘い。例えアームが緩かろうと。"ずらし落とし"と"ひっかけ"。"崩し"を使えば造作もないこと。」ウィーン

景品「こんもり」

青髪「なん………やと……?」



上条「楽しかったなー」

姫神「うん。私も。楽しかった。」


姫神「ねぇ。当麻くん。今度また。私と…」

上条「あぁ。勿論!また行こうな!」ニッコリ

姫神「…うん!」ニッコリ




トール土御門青髪「「「………」」」ズーン……←それなりにあった自信が木端微塵


終わり。節分なんてもう何年やってないか。



~とある高校、教室~

上条「サローニャー」

サローニャ「ん?どうしたの、上条ちゃん?」

上条「よかったら、俺の恵方巻き食べないか?」ボロン

サローニャ「…へぇ?美味しそうだね?うん。もらうよ」ニコ





サローニャ「はぁぷ。ん…ちゅ…」アム

サローニャ「んっ…ふ、あむ、れぉ…」レロレロ

サローニャ「あ…ん。上条ちゃんの、おいし……はむ、はむ……」モムモム

上条「ああ、美味いか?俺の恵方巻き」

サローニャ「うん…すっごく、大きくて…おいちぃよぉ……はぷ。あむあむ…」アムアム

吹寄「…ねぇ」

上条「ん?なんだ?吹寄…っと」

サローニャ「ふわぁ…白くてドロドロしたの出てきたぁ…」

上条「あ、悪い。言ってなかったな。強く握ると出ちゃうんだ。」

サローニャ「ん…ちゅぱ。大丈夫。ちょっと口の回りが汚れちゃっただけだから」フキフキ



吹寄「…いや、貴様が購買で買ってきたサラダ風恵方巻き(フレンチドレッシング入り)をサローニャさんに食べさせるのは別にいいのよ?ただ、」

吹寄「男子のほとんどをトイレに駆け込ませるのはやめなさい」ハァ

ガラーン……


上条「? そういや何故か急に男子皆いなくなったな?」ハテ?

サローニャ「ねー?」ハテ?


某まとめサイトに前スレがあった。自動取得かもしらねーけど。

このスレでウートさんや上サロが好きになったなど嬉しいコメがあった。ので、過ぎちゃったけど節分の上サロを1レスだけプラスしておく。


あと一応だけど、本編のサンドリヨンさんはサンロリヨンさんではないです。

シギンは超雑に作りましたが一応キチンと分量は守ったから。

自動取得だった…ort

ついでにageてなかった…


 .*☆∴。 .∴☆*。
.★*‥*★∵★*‥*★。

☆゜   '☆゜   ゚☆
★* Happy    *★
'☆。 Valentine .☆゜

 *★。    .★*

  ∵☆。  .☆∵
   '*★‥★*゜
    '*☆*゜


これは番外編。本編とは一切関係がないのである。

パラレルワールドなのである



〓〓2/13、叶え屋〓〓



ウート「………」

天井「シギン、何か食べたいものはないか?もしくはしてほしいこととか」ニコ-

シギン「え?んー、特にない。特にないかな」

天井「そうか。何かあったら言ってくれ」ニコッ

シギン「うん。ありがとう」ニコッ


ウート「……」






天井「サンドリヨン、寒くないか?足が冷えないように軽い毛布でも…」ニコッつ

サンドリヨン「ん。ありがとう」

ウート「……」






天井「木山、今日はどんだけ脱いでもいいぞ」ニコッ

木山「おや君がそう言うなんて珍しいね。じゃあ、お言葉に甘えて」ヌギヌギヌギヌギ


ウート「……」






フルチン「~♪」

天井「フルチ」

ウート「あまっちあまっち」コイコイ

天井「ん?なんだウートくん」スタスタ

ウート「いやな?いくら明日がバレンタインだからって、女子へのアピールが露骨すぎ。どこの中学生ですかアンタ」ヒソヒソ

天井「」ゴハッ

ウート「あのさぁ…いや、気持ちは痛いほどわかんだけどさ、そーいうのが欲しいなら日頃から色々やんなきゃダメなんだって」ヒソヒソ

天井「しかし…」


ウート「まま。少なくともシギンはくれるって。社交辞令ってやつかもしんねーけど、そーいうのはやってくれるやつだしさ」ヒソヒソ

天井「!つまり、万年ゼロ個だった私のバレンタインに一条の光が?!」

ウート「…まぁ、あまっちのバレンタイン敗戦歴はともかく。多分今年は大丈夫だって。」ヒソヒソ

天井「だといいんだが…」ウーム

シギン「あ、ウートガルザロキちょっと」コイコイ

ウート「ん?なによ?」テクテク

シギン「ウートガルザロキって、チョコレート好き?」

ウート「おー、超好きだよー?」ヘラヘラ

シギン「ほっ。よかった。」

ウート「えー?何々?明日とか俺にチョコくれたりしちゃう感じ?」ヘラヘラ

シギン「ん。料理できるわけじゃないし、手作りはしないけどね」クスクス

ウート「そっかーあんがとな、シギン。楽しみにしてるわ」ナデナデ

シギン「ん…///」





天井「<○>Д<○>」



〓〓2/13学園都市某所〓〓



シルビア「…」スタスタ

オッレルス(…来たな。ではフィアンマ、計画通りに。)アイコンタクト

フィアンマ(ああ。この程度、俺様にかかれば赤子の手を捻るようなものだよオッレルス)アイコンタクト



オッレルス「…そういえば、日本ではバレンタインデーといって、聖バレンティヌスの殉教にちなんで女性が普段お世話になっている人や好きな人にチョコを渡す慣習があるようだね(棒)」

フィアンマ「ほう、感謝の意、特に『これからもよろしく頼む』という"気持ちを伝える"というのはとても素晴らしいな。
      こういったものを伝える機会とは中々ないものだしな(棒)」


オッレルス「惜しむらくは私達が男性ということかな。
      さすがに男同士で渡し会うのはキツいものがあるしね(棒)」

フィアンマ「そうだな。生憎俺様もそういう趣味はない(棒)」

オッレルス「いや、本当に残念だな。もし私が貰ったら、バレンタインのお返しをするというホワイトデーでは10倍返しをするんだが(棒)」

フィアンマ「そうだな、俺様もそのくらいの器は持っているが(棒)」

シルビア「………」



オッレルス「…」チラ

フィアンマ「…」チラ

シルビア「……」


オッレルス「おっと、これは恥ずかしい話を聞かれてしまったかな?(棒)」フフフ

フィアンマ「ああ、いや気にしないでくれ。ただただ、 ぐ う ぜ、ん 世間話をしていただけだからな(棒)」ハハハ

シルビア「ああ……うん…できれば、気にしたくなかったよ」



ブリュンヒルド「彼女も大変だな」

バードウェイ「全くだな」




〓〓2/14叶え屋〓〓


シギン「はい天井くん、ハッピーバレンタイン。ちょびっとお高いチョコの詰め合わせだよ」つ

天井「おぉ…ゴホン、ありがとうシギン。大事に食べるよ」ニコッ

シギン「うん。お返し、期待してる。期待してるからね?」ニヒヒ





シギン「ウートガルザロキ。」

ウート「ん?」

シギン「その、バレンタインのチョコなんだけれど。」つゴディバ

ウート「おぉサンキュな」

シギン「あの。ね?///」モジモジ

ウート「うん」

シギン「ここでは渡せない。渡せないの」

ウート「?」


シギン「だから、今日一緒に出掛けてほしいの」


ウート「?」

シギン「ダメ、かな?」

ウート「いやいや大丈夫大丈夫。全然大丈夫だけど」

シギン「よかった。じゃ、夕方にここに来てね」つ地図

ウート「おけー」


ウート(……なんで?普通に渡してくれればよくね?)



〓〓2/14とある高校〓〓


青髪「カミやんしねぇェェェッッ!!!!」くわっ!

上条「なんだよ急に?!」ビクッ

土御門「そりゃー、カミやんがこれからバレンタインのチョコをいっぱいもらうからに決まってるぜぃ」

青髪「畜生、いっそカミやんが女の子やったらよかったのに…」ウウ

上条「おぞましい想像すんなや」

トール「そうか?女の子の上条ちゃんも、けっこー可愛いと思うけどなー?」ギュ

上条「」

青髪「…前から思っとったんやけど、享くんてホモなん?」ヒソ

トール「いや?」


トール「つーか俺、女だし」


上条「」

青髪「」

土御門「」

吹寄「」

姫神「」



青髪「う、嘘やろ…?まさかの俺っ娘やないやろ…?」ゴクリ


トール「うん☆σ(〃∂ω_∂〃)嘘☆」エヘッ☆

青髪「しねっ!ボクの期待返してやぁあっ!」チクショォォ!


~そんなこんなで。放課後。~



雲川「上条。バレンタインだし、本命チョコをやろう。ハートのパズル型ブラウニーなのだけど」つ

上条「おお…ジグソーパズルみたいなチョコだ…真ん中にハート型の穴が空いてる」

雲川「『複雑怪奇な私のハートは、あなたにまんまと盗まれた』って意味を込めてみたのだけど///」テレッ

上条「大事に食べます!ありがとうございます」

雲川「その、だな、今夜私の部屋に来ないか?そこで告白の返事を…///」モジモジ

上条「え」

姫神「ッフ!」つ吹き矢

雲川「う?!」チクッ

雲川「はにゃ~ん~///」パタン

上条「先輩?!」


姫神(先輩。抜け駆けはダメですよ?ふふ。
   …ゆっくり眠れ。バレンタインデーの次の日までな!)ニヤリ




姫神「Σd(^∀^ )」

トール「( ^∀^)b」←吹き矢渡した奴





吹寄「はい、上条当麻」つ

上条「へ?」

吹寄「バレンタインだから板チョコ。義理。」キッパリ

上条「いやいや!どんなんでも吹寄から貰えれば嬉しいですことよ?ありがとな!」

吹寄「はいはい。ちなみにダークチョコレートよ。唯一健康にいいって医学的根拠があるやつで、超苦いけど」

上条「へぇー」パクッ

上条「………」

上条「…うぇ……にげぇ、ほん゙どに……超苦ぇ……」(;q;)ダウー

吹寄「顔がキモいッッ!!」ベチーン!

上条「理不尽ッ?!」バターン!




~帰り道~



上条「あーおーい空をともにいこっおよ~♪白い砂浜を見下ろーしながらー♪」スタスタ

サローニャ「か・み・じょ・う・ちゃん♪」ピョコ♪

上条「よ、サローニャ。今日は学校に来なかったんだな」

サローニャ「むふふー。ちょっと野暮用でねん♪」クスクス

サローニャ「ところで。サローニャちゃんが何で上条ちゃんに会いに来たかわかるよね?」〃ω〃

上条「えっと、」

サローニャ「正解!バレンタインチョコちゃんを渡しに来たよっ!」《*≧∀≦》キャー

上条「まだ何も言ってないんですが?!」

サローニャ「細かい事は気にするなー?ほらほら!サローニャちゃん渾身の愛情ちゃんを受け取って!」つ

上条「うお、ラッピングから随分凝ってるんだな」

サローニャ「もっちろんちゃん!だって、"本命"ちゃんだぜ?」☆ミ(ゝω・´★)ウインク
上条「////」

サローニャ「あ、なるべく早く食べてほしーにゃー?」

上条「?」

サローニャ「いやね、フォンダンショコラちゃんにしてみたんだけどさ?早く食べないと中の生チョコちゃんが固まっちゃうんだよね」

上条「へぇー」

サローニャ「よかったら、そこの公園のベンチちゃんで食べない?」ニコッ






上条「お、すごいな!本当に外側だけ固くて、中はトロットロなんだな」ヘー

サローニャ「えへー♪大変だったんダゾー?けっこー難しくて、3回は失敗ちゃんだったからねぇ」クスクス

上条「そっか。俺のために頑張ってくれたんだな」

サローニャ「おーともさ!だって私、上条ちゃん大好きだもん♪」ギュー

上条「//」モグモグ

サローニャ「んー…」スリスリモフモフ

上条「///」モゴ…

サローニャ「ねーえ?」

上条「ん?」

サローニャ「あなたのために頑張ったご褒美に、…唇じゃなくてもいーからさ?〃〃」

サローニャ「上条ちゃんのチューがほしーなー?」ンフフー

上条「んなっ?!///」

サローニャ「…だめ?」クビカシゲ

上条「えっと、そのっ」シドロモドロ

サローニャ「ねーぇー?だぁーめぇー?」スリスリ

上条「じ、じゃあ…頬に」

サローニャ「ホント?!うわー、頑張った甲斐があったよ!」

サローニャ「ん。」←ほっぺ突きだし

上条「……ん」チュ

サローニャ「んっ…///」









御坂「 」ゴファッッッ!!←上条さん見かけて手作りガチ本命チョコ渡しに来たみこっちゃん

御坂「」バタッ…



白井「お姉さま?!」ヒュン!

白井「し、死んでる…」






サローニャ「ねぇ。上条ちゃん」

上条「なんだ?」

サローニャ「私、いっぱい上条ちゃんに『大好き』って伝えてきたつもりだったんだけど。」

上条「…うん。」

サローニャ「もし、よかったら。今度のホワイトデーでお返事聞かせてほしいな」ニコッ
上条「あぁ」

サローニャ「んー…念のために、もっかい告白しとこっかな?」クスクス

上条「?」



サローニャ「…サローニャちゃんは、上条ちゃんの事が好き。大好き。すっごく、好き。」

サローニャ「あの日、私達は敵として出会って、…色々あったけど!」

上条「……」

サローニャ「あなたが『正義を利用してお前達を苦しめている奴等と戦うのは俺の役目だ』、」

サローニャ「『お前が世界中から非難される事はない』って。誰も言ってなんてくれない事を言ってくれた!」

サローニャ「それから、上条ちゃんと毎日を過ごしてく中でも。あなたとの時間はとても心地いい。」

サローニャ「だから…」

サローニャ「――そんな、一緒にいると楽しくて。優しくて、強いあなたが」

サローニャ「私はとっても大好きだよっ///」ニコッ



〓〓上条宅前〓〓


上条「返事、どうしよっかな…」

上条「ん?家の前に誰か…?」

姫神「…あ。」

上条「秋沙じゃないか」

姫神「うん。バレンタインのチョコ。渡しにきたの。」

上条「マジで?ありがとな!」

姫神「…」チラ

上条「ん?どうしたんだ?」

姫神「…随分。貰ったんだね。」プクゥ

上条「え?ああ。」

姫神「……」

姫神「家に。あがってもいい?」ゴゴゴゴゴゴ

上条「お、おう」ビクッ







姫神「それじゃ。改めて。」コホン。

姫神「私から。当麻くんに。"本命の"バレンタインチョコです。」つ

上条「…」

姫神「それと。私があなたに抱いてきた想いも。あなたに聞いて欲しい。」


上条「…うん」



姫神「あの日。三沢塾で助けてくれた時から。転校してきてから。ずっと。あなたを見てました。」

姫神「あの日。あの錬金術師が主人公になれなかったように。
   ヒロインになれないまま死にゆく私を。あなたは引き戻してくれた。」

上条「…」

姫神「私。"魔法使い"になりたかった。」

姫神「救われない者さえ救ってみせて。見捨てられた者すら守ってみせて。
   被害者も犯人も。既に亡くなった人すらも地獄から引きずりあげるような。」

姫神「そんな。魔法使い《ヒロイン》に。」

姫神「でも。それはもういいの。」

姫神「だってあの日。あなたという魔法使い《ヒーロー》に会えたから。」

姫神「たくさんの人を助けて。大覇星祭の日も私をまた助けてくれて。」

姫神「例え。あなたにとっては忘れ去ってしまう。過去に助けた内の一人なだけだったとしても。
   私は。あなたにしてもらった事は決して忘れない。」

姫神「例え。あなたにとってはただのクラスメイトの一人なだけだったとしても。
   私にとってあなたは唯一の特別な人。」

姫神「私は。」


姫神「…ずっと。あなたが好きでした。」

上条「…///」



姫神「私と。付き合ってください。魔法使い《ヒーロー》さん。」

上条「…」


姫神「答えは。ホワイトデーで聞かせて欲しい。」

上条「…うん」

姫神「…あ。告白に夢中で。チョコ忘れてた。」

姫神「ハイ。私のは正統派。ハート型チョコケーキにチョコペンで。」

姫神「『あなたが好きです』って書いておいた。////」ニコッ



~姫神さん帰宅~

トール「上条ちゃん姫神ちゃんを送ってくってさ」←帰ってきた

インデックス「そうなんだ。そういえばトールはチョコもらったの?」←空気読んで外出してた

トール「あん?俺?クラスの奴とかから6個くらい貰ったな。」

インデックス「へぇー」

トール「土御門ちゃんは『義妹チョコフォンデュをもらう』っつってたが…なんなんだろうな?」

インデックス「それはそっとしとくんだよ追究しちゃダメなんだよ。蓋しとくんだよ」フルフル

トール「青髪ピアスは吹寄ちゃんと姫神ちゃんからもらってはしゃぎすぎ、んで没収されたなー」

インデックス「少し可哀想かも」

トール「…ちなみにインデックスちゃんは上条ちゃんとか、誰かに渡さねぇの?」

インデックス「とうまには渡したいけど……私は料理できないし、お金もないから買えないんだよ…」ドヨーン

トール「…じゃ、『そんなとこじゃないかなー?』っと察してちゃっかり用意してたトールさんと一緒にチョコ作るか?」

インデックス「ホント?!」







トール「そんなわけで」

インデックス「作ってみたんだよ!」つ

上条「おー!ありがとな!」

インデックス「その、湯煎で溶かして詰め直しただけなんだけどね///」エヘ

トール「インちゃん、上条ちゃんのために頑張って作ったんだぜ?」

上条「そっかー、ありがとなー」ナデナデ

インデックス「いつもありがとうなんだよ。とうま!」にぱー☆

上条「いいんだよ、上条さんが好きでやってるだけだしな」

トール「あ、上条ちゃん。ついでに俺も作ったからやるよ。ハッピーバレンタイーン♪」つ 力作

上条「」

トール「変な意味はないから安心しろよ?"友チョコ"ってやつだ」ニコッ

上条「…トール、"友チョコ"って、基本は女子が女子の友達にあげるやつだからな?」

トール「え?マジ?まー気にすんなって」アハハ




〓〓2/14黄泉川家〓〓



打ち止め「ハッピーバレンタイーン!ってミサカはミサカはあなたに手作りチョコを渡してみたり!」

一方「……」ジーン…←もらったの初めて

一方「ありがとな、打ち止め」ギュ

打ち止め「えへへ///」


番外「……」ソワソワ

一方「ン?オマエも何かくれンのか?」チラ

番外「?!///」

番外「え、えー?ナニナニ?は?あなたひょっとしてミサカからもバレンタインチョコ貰えるとか愉快な妄想しちゃってるわけ?きんもー☆」ギャハ?!

一方「そォか。悪いな、勘違いした」プイ

番外「え」


黄泉川「そんじゃ、私から皆にチョコをあげるじゃん!」つ

芳川「あら私にも?ありがとう。」

一方「…どォも。」

番外「へぇ?ありがとね」

打ち止め「わぁ、ミサカも貰えるの?ってミサカはミサカは目が爛爛!」

黄泉川「勿論!他に渡すやつもいないしな」ハッハッハッ

芳川「…あー、今年も渡す男が居なかったわけね」ボソ

黄泉川「んっんー?誰か何か言ったかじゃーん?」グリグリグリグリグリグリ

芳川「いだだだだだ」






一方「美味いな」モグ

打ち止め「ねー」モキュモキュ。

番外「……」

番外「……」チラ

番外「…」つ自作チョコ⊂

番外「…別に、こんなん暇潰しで作っただけだし?たぶんマズイし。あの人は二つ貰ってたしね」ポイ

ゴミ箱「ガポン」


一方「……」






一方「…」モッサモッサ

番外「…何食べてるのさ」

一方「捨てられてたチョコ。」モグモグ

番外「…へー。天下の第一位様は残飯漁りなんてしちゃうんだ?」

一方「そォだ。知らなかったか?」モグモグ

番外「……美味しい?」

一方「あァ。誰が作ったかは知らねェが、たいしたもンだ。勿体ねェことをするもンだな」モグモグ

番外「ふーん」

一方「…仮定の話だが。」モグ

番外「うん。」

一方「もしオマエが今度、誰かにチョコを渡すとしたらなンだが」モグモグ

番外「なーに?」

一方「ゴミ箱には捨てンなよ。渡される奴が一々取り出さなきゃいけなくて困る」モッサモッサ

番外「…そーだね。一応、心に留めといてあげるよ」フフ

番外「ありがと。一方通行」ニコッ



〓〓2/14ホストクラブ『アースガルズ』〓〓


絶対「よし、店内をバレンタイン仕様に換えたな」

抜人「はいっす」

志熊「うす」

藍花「はい」

シルクロ「ええ。」

絶対「いつもの客もくる。テメェらも喜ぶ演技の準備しとけ」

ホスト'S「「「うす」」」







小萌「抜人ちゃーん!先生がバレンタインにウイスキーボンボンを持ってきたのですよー」つ

抜人「うぉおお!!マジっすか!あざーす!超嬉しいっすわー!」


親船(娘)「ハイ。バレンタインだし、志熊くんに」つ

志熊「わー、ありがざーす!」

藍花「おっと?僕だけまさかのゼロー?」アハハ

絶対「……」ソワソワ

シルクロ「…来るといいですね、薬味さん」

絶対「ああ?誰があんなババア待ってるって?あんなんただの金ヅルだっ!」ムニィー

シルクロ「痛いぇす、ふぇんぱい」フガフガ





薬味「へー?」




薬味「そーなんだー、イツキくんは私の事そー思ってたんだーへー」

絶対「?!」パッ

シルクロ「あぶ」


薬味「じゃ、この持ってきたチョコは他の皆にあげちゃおーっと。はい、シルクロくん」

絶対「あ、あ……」オロオロ

シルクロ「ありがとうございます、薬味さん」






絶対「……フンッ」グイッ


志熊「…さっきから一人でやけ酒してんな、イツキさん」

藍花「まぁ、あんな態度とられちゃなぁ…」

薬味(ぷぷ。かーいいのー、イツキくんは。別にそんな事ぐらいで私は怒らないって。)ニヤニヤ

薬味(でも、しょんぼり。したイツキくんがかーいいのでちょっと放置プレイしちゃうぜ☆)クスクス

薬味「ほーら、おめーら!もっと私にご奉仕しなさーい?」

「「「ウェーイ!!」」」






絶対「…ッチ」クピクピ

薬味「イ・ツ・キ・く・ん?」

絶対「…なんだよ」グビッ

薬味「隣失礼するわよ。……反省した?」ドサッ

絶対「……」

薬味「私ね、あなたが本当はそんなにイヤな子じゃないって知ってるわ?」

絶対「……」

薬味「あなたも変に子供っぽいわよね?」クスクス

薬味「意地張らずに。ちゃんと謝ってくれたら許してあげるわ?」

絶対「……悪か、った。」

薬味「はいはい。後輩の手前だからって、今度から変なプライド持たないよーに。」

絶対「…うす」

薬味「ほら、バレンタインのチョコ。ジャン・ポール・エヴァンのやつ。けっこー高いんだぞー?」

薬味「はい、あーん」つ

絶対「…」アーン

薬味「ふふ、可愛い」クスクス

絶対「…ッチ///」





カランコローン♪


シルクロ「いらっしゃいま…」

シルクロ「」



黒夜「な、なんだよ。何"我が目を疑う"な顔してんだよ」


シルクロ「いや…黒夜、何故ここに?私達はもう『新入生』じゃないだろう」

黒夜「…なんだよ、一緒の所属じゃなきゃ会いにきちゃいけないのかよ」プクゥ

シルクロ「いや、そういうわけでは」

黒夜「ん。」つ

シルクロ「?なんだ?この紙袋は」

黒夜「んっ」つ

シルクロ「…せめて何か説明してほしいんだが」

黒夜「んーっ!」つ

シルクロ「いや、あの」

黒夜「なんだよ!受けとるくらいしろよ!恥ずかしいから説明してねーんだよ!察しろよぉ!」

シルクロ「ひょっとして。ひょっとしてなんだが……バレンタインの、チョコ…か?」オソルオソル

黒夜「………ソォダヨ////////」

シルクロ「ふふ、そうか」ニコッ

シルクロ「わざわざありがとう」ナデナデ

黒夜「な!撫でてんじゃねぇよ!」バシッ


黒夜「義理だ!お前の見舞に行けなかったし、
   渡せそうなやつがお前くらいしかいなかったから渡しただけだ!他意はねーんだよカス!」

シルクロ「そうか」…フッ

黒夜「笑ってんじゃねぇよ…///」ッチ

シルクロ「よかったら、中に入っていかないか?積もる話もあるだろう?今夜は、私が奢ろう」

黒夜「……ん。」トコトコ。


シルクロ(バレンタイン、最高。)





〓〓2/14学園都市某所〓〓


フィアンマ「……」ドキドキソワソワ

オッレルス「……」ドキドキソワソワ


バードウェイ「おい、あの期待しまくって目をキラキラさせ、外に出ないくせに一張羅を着てるバカ二人を早くなんとかしろ」クイッ

シルビア「…あのさ、もう無視する方向にしないか?」

ブリュンヒルド「お前、アレを見捨てるのか?」σ


オッレルス「フィアンマ、賭けをしないか?『どちらが先にシルビアに渡されるか』、をだ」ヒソヒソ

フィアンマ「ふっ、オッレルス。お前は賭けが好きだなぁ?
      しかし、いいのか?どうせ俺様が勝つに決まってるというのに」ヒソヒソ

オッレルス「いや、負けないさ。何せ彼女と過ごした時間は私の方が長い。
      つまりは私の方が彼女の思考、行動パターンは熟知しているということさ」フフフ

フィアンマ「おや、『同時に渡される場合』や、『たまたま先に渡しただけ』に必ずしも人間関係が絡んでくるとは限らないはずだが?」フフフ

オッレルス「そうだね。だが、それ以外にも勝算はある。私は『自分にしか賭けてはいけない』なんて言ってないぞ?」ヒヒヒ

フィアンマ「ほう?俺様の"幸運体質"を利用すると?だが俺様も俺様自身に賭けたり、どちらも敗北した場合はどうする?」ヒヒヒ



ブリュンヒルド「あいつら完全に貰う前提で話してるぞ」

シルビア「今ほど見捨てて出ていきたいって思ったことないわ」ハァ

バードウェイ「いいから早く渡してこい。」

ブリュンヒルド「そうだな。もうなんかめんどくさい」

シルビア「ハァ」ヤレヤレ






シルビア「あー…二人ともちょっといい?」

オッレルス「いやだからあの時h―なんだい、シルビア?」←爽やかスマイル

フィアンマ「ッフ、釈明か?底が知れるぞ、オッレ―どうした、シルビア?」←爽やかスマイル

シルビア「今日、バレンタインだろ?だから…////」モジモジ

オッレルス「…」ドキドキ

フィアンマ「…」ドキドキ



シルビア「チョコをひとつ用意した。」つチロルチョコ


フィアンマ「」

オッレルス「」


シルビア「いいか?意味がわかるか?『1つだけ』だ。」ニヤリ

オッレルス「…なるほど。」ガタッ

フィアンマ「…つまりは。」ガタッ


シルビア「奪い合え。最初にこのチョコに触れた者が勝利者だ!」窓の外にぽーい。



オレフィア「「うぉおおおおおおおお!!!!」」ダダダダダ!!





バードウェイ「やっと静かになるな」フゥ

シルビア「そーだね」フゥ

バードウェイ「しかし、お前も酷いな。投げるチョコに細ーい紐をつけておいて、投げた後に回収してしまうとは」

シルビア「そう?」つ投げたチョコ

シルビア「あむ。」パクン

シルビア「おいしー♪」モグモグ

ブリュンヒルド「鬼か貴様」


フィアンマ「フハハハハハ!!どうやら足の早さは俺様の方が上のようだな?!」ダダダダダ!!

オッレルス「アハハハハハ!!何を!スタミナは私の方に分があるぞ?!」ダダダダダ!!


オレフィア「「勝つのは!」」


オレフィア「「私(俺様)だッッ!!!」」ダダダダダダダダダダ!!!


※彼等のゴール無き戦いは3日後まで続きました




〓〓2/14学園都市某ホテル〓〓


シギン「あ、来た」

ウート「ここ?」

シギン「うん。」

ウート(何か今日のシギンめっちゃお洒落してんな?香水も違うやつだし)






〓〓ホテルの一室〓〓

シギンウート「「乾杯」」チン☆

ウート「しっかし。チョコ渡すだけなのに随分と勿体ぶるんだな?」クスクス

シギン「うん。渡すのはチョコだけじゃないからね」

ウート「?」

シギン「…私ね。考えたんだ」


シギン「"バレンタイン"ってきっと、仲良くしてる人達に"特別"をあげることなんじゃないかなって。」

ウート「…」ウン

シギン「それでね?もう少し考えてみた。考えてみたの。」ガタッ

シギン「私が、ウートガルザロキにあげられる"特別"って何かなって。」スタスタ

シギン「私ができるのは『助言』だけ。」

シギン「でも、それは他の人にもあげられるモノ。」

シギン「だから、違うものをあげる。シュルシュル…パサ。

ウート「…」ピクッ




シギン「ウートガルザロキに"私"をあげる。」ギュ


ウート「…」チラ

シギン「…」プルプル

ウート(震えてら。あー…そっかそっか。すんごい、勇気振り絞ってくれたのね。そりゃそうか)

ウート「………」

シギン「…だめ?」クビカシゲ

ウート「………」

ウート「…いんや。ありがたく受けとるよ。」ギュ

シギン「ほんと?後で『やっぱりいらない』なんて無しだよ?無しなんだからね?!」ギュウ!

ウート「もち。」ナデナデ





ウート「シギンの全部、俺がもらってあげるよ」

シギン「ん。////」




ウート(わかってるくせに、また繰り返すのか。学習しねぇな、俺)




   _______
  /_  / /_ /|
  ( (ヽ/_/) )/ |
 /_\>(__)<∠/|//

`/ ∠ノ /ヽ_>/||/
/__/_/__/ |/
L__亅 L__|//
L__⊥_L__|/



番外編終了。以下オマケ。確実に力を入れる所が間違っているけど気にしないことにする


もしも、『グレムリン』が、オティヌスが。

"槍"を創造ろうとせず、2月になっても何もしてなかったら。


そんな話。



〓〓2月13日。『船の墓場』:とある豪華客船の会議室〓〓


オティヌス「全員、集まったようだな」


トール「…俺達、なんで集められたんだ?」

フェンリル「さー?また誰かのバースデーパーチーじゃねーかなー?」

ヘル「それはない。だって、メンバー内に2月生まれはいないし」フルフル

ウート「あん?じゃ、またオティっちの思い付きイベントか?」

マリアン「かねー?」

ヨルム「前は何やったんだっけ」

ロキ「先回は新年会でございます。
   みなで花火を上げたり、モックルカールヴィの肩に乗って初日の出を見ましたなぁ」

サローニャ「とっても綺麗だったよねぇー?」ウンウン

サンドリヨン「そうね、あれはまたやりたい」ウン

ミョルニル『…実はあの花火のうちの一つって私だったって気づいた?』

イドゥン「?!」

シフ「?!」

フレイヤ「あー…どーりでミョルニルちゃんいねーなと思ったわ」

シギン「あの、そろそろオティヌスちゃんに話させてあげて?プルプルし始めてるから」

オティヌス「……」プルプル


ベルシ「ッハイ!皆さんが静かになるまで10分もかかりました!オティヌスちゃんもお話できませんでしたよ!」パンパン!

シーン…

ベルシ(バカな、私の精一杯のギャグが受けなかっただと)


オティヌス「…あー、こほん。皆に集まってもらったのは他でもない。イベントをやるためだ」

オティヌス「明日はバレンタインデーといって、仲がいい人にチョコを渡す日らしい」

オティヌス「そこでだ」

オティヌス「丁度私もチョコが食べたくなっていたし、『誰がチョコを上手く作れるか』大会をしようと思う。」ウン

オティヌス「審査員は私だ。チームを作り、チョコスイーツを持ってこい。」

オティヌス「優勝チームは魔神の力を使って何か願いを叶えてやろう。以上だ。解散!」フフフ…




Aチーム

フェンリル「ヒューウ♪さっすが魔神殿だなー?」

トール「はは。しっかし、オティヌスは何が好きだったかね?」

ウート「…」


Bチーム

ヘル「色々な味のチョコとかどう」

フレイヤ「うん、良さげだね」

シギン「むー、でも私料理はわかんない。わからないんだよね…」んー



Cチーム

マリアン「ちぇー、ベルシと組みたかったなー」ブツブツ

ヨルム「えぐっ」グスン

ミョルニル『マリアン、ヨルムンガンドが泣いちゃうからその辺に。つーか避けられてることに気づけ』



Dチーム

イドゥン「」

シフ「」

ベルシ「」

モックルカールヴィ「何作りやす?パフェ系とかどうでやんしょ?」



Eチーム

ロキ「ほっほっほっ。実はこう見えて私、お菓子作りが得意なのでございます。」

サローニャ「へぇー?いっがーい!ロキちゃん多才だねぇ♪」

サンドリヨン「経験者がいるとは心強いな」



〓〓2月14日『船の墓場』キッチンホール〓〓


オティヌス「よし、出揃ったようだな。ではAチームから順に出品しろ」

トール「ほい!俺達は無難にチョコのメレンゲケーキだ」

フェンリル「俺達に料理スキルなんてねーしなー」ケラケラ

ウート「あ、でもけっこー頑張ったぜ?」ヘラヘラ

オティヌス「ほう?中々美味しそうだな」

オティヌス「スタンダードなものにダークチェリーのアクセントが素晴らしい」ウン



オティヌス「では次、Bチーム」

ヘル「生チョコレートにしてみた」

シギン「ミルクチョコ、ホワイトチョコ、ラズベリーチョコ、ストロベリーチョコ。」

フレイヤ「――をハート型にしてね☆」

オティヌス「ふむ。いかにも女の子、といった所か」ウンウン


オティヌス「では次、Cチーム。」

マリアン「私らはチョコラスク作ったよー」

ヨルム「一生懸命作ったんだよ」ヘヘー

ミョルニル『そうね、ヨルムンガンドが一番頑張ってたわ』クスクス

マリアン「あ!心配しなくてもベルシには後でチョココーティングした私をあ・げ・る・からねっ♪////」ブンブン!

ミョルニル『うんマリアン、ちょっと黙ろ?』ウフフ♪

オティヌス「ベルシならさっき、振り返りBダッシュしていったが…」


オティヌス「次、Dチーム。」

モックルカールヴィ「yes!mylord!」ビシッ!

モックルカールヴィ「今週ミス・オティヌスにお送りしますパワーチューンはァァッ!?
          デコレーション・パッフェッ(Saint Valentine's Day.ver.) !!!ッフーウッ!!!」

モックルカールヴィ「残念ながらイドゥン&シフはあっしの妙技についてこれやせんでした故、あっしがメインで作りやした!HAHAHA!!!」

オティヌス「ほう!チョコを削って作ったリアルテディベアが実に可愛らしいな!」ニコー

オティヌス「毛並みや目、肉きゅうなんかもとても繊細だ。職人芸だな」


(((あの巨体がどうやってあんな緻密なテディベアを…)))ゴクリ



オティヌス「さて、次で最後だな。Eチーム!」

サローニャ「にゅふふー♪自信作ちゃんだよ?」

サンドリヨン「ロキの腕もよかったしな」フッ

ロキ「いえいえ、お二方の助力あってのことでございます」ホッホッホッホッ

ロキ「ガトーショコラの上にマシュマロブッセ、マカロンを乗せ、ホワイトチョコソースとフルーツソースで紋様を描いてみました」ペコリ

オティヌス「さすがロキ。サローニャとサンドリヨンの腕も相俟って、素晴らしいクオリティだな」ニコッ

ロキ「もったいないお言葉でございます」ペコリ




オティヌス「では順位を発表する。」

「「「ゴクリ」」」


オティヌス「でけでけでけでけでけでけでけでけでけでけ…」←ドラムロールを口で言ってる

オティヌス「てーーん!」ビシッ!

トール「ぶふっww」


オティヌス「皆、一位だ。全部、素晴らしかったからな」ニコ



〓〓『船の墓場』:オティヌスの部屋〓〓


オティヌス「うむ。美味しいな」ハムハム。

ウート(『あの後皆で食べて、チョコが少し余っただろう?食べきれないから手伝え』って誘われた)モグモグ

ウート(ちなみに願いに関しては、皆が一位になったってことで各個人のちっさい願望を叶えてもらった。)

ウート(俺は今度一回、皆でどっかに遊びに行くって願いだ)

ウート(…リスみてーに食うオティっち、ちょー可愛い)クス

オティヌス「今回のイベントも成功だったな。はぷ」アムアム

オティヌス「…皆、楽しんでくれただろうか」

ウート「そりゃもちろんだろ。きっと、全員が全員『楽しかった!』って言うぜ」ヘラヘラ

オティヌス「うん、うん。…最近、皆が構ってくれなかったし、参加してくれるかわからなかったが…杞憂だったようだ」モムモム

ウート「…」

オティヌス「『グレムリン』の資金稼ぎのために出稼ぎに行っていたとはいえ、少し寂しかった。」

オティヌス「…普段プラプラしてるお前までいなくなりやがって」ムス

ウート「あーごめん。不安にさせちまって」ナデナデ

オティヌス「……む」



ウート「…なぁ、ひょっとして『皆に嫌われたかもしれない』って心配になって、今回やったのか?」

オティヌス「…う」

ウート「あーいや、別に責めてるわけじゃーねぇのよ?」ワタワタ

ウート「ただ、心配することなんて一つもねぇんじゃね?ってな」

オティヌス「?」クビカシゲ

ウート「…『グレムリン』のメンバーはさ、皆アンタが好きだからここにいて。」ギュ

ウート「アンタに笑っててほしいから何でもやんの。」

オティヌス「……」

ウート「…だからさ、んな怖がることはねーし、泣きそうな顔もしなくていいんだって」ナデナデ

オティヌス「…ん。」ギュ

ウート「ん。よしよし」ギュ


ギギ…

ウート「あん?」


バターン!!



マリアン「もー!だから言ったじゃん!数人だけでドアに耳つけよって!」

ミョルニル『そうよ!大体、私の上に乗ってた誰かさんがバランス崩さなきゃ…』クドクド

フェンリル「うがー!俺ばっかに言うんじゃねーよ!」ガルル

ヘル「ひょっとしたら押し倒すかもと少し心配だったけど」フゥ

トール「それはそれで見たかったけどな」ケラケラ

ロキ「ふむ?それは困りますな。その場合ですと、私はウートガルザロキ殿のを去勢しなくてはならなくなりますから」フム

シギン「うん。その場合、ウートガルザロキが顔面崩壊するまで私も鉄拳をぶちこまなきゃいけない。いけなくなるよ」

フレイヤ「…あたし、無責任に"種"蒔くやつは超絶大嫌いかな」ゴゴゴゴ

ベルシ「まぁ、何もなかったんだ。引き上げようじゃないか」

ヨルム「ん!」

モックルカールヴィ「旦那、ほどほどにしてくだせぇや?あっしも旦那を踏み潰したくはねぇんでね」

イドゥン「…」ウンウン

シフ「…」ウンウン

ウート「心配しなくても、んなことしねぇっつの!」=3プンスコ!


サローニャ「…ね?オティヌスちゃん!」ニコッ

オティヌス「?」

サンドリヨン「皆、あなたを心配している。そしてウートガルザロキの言った事は本当だ」


「「「『グレムリン』の皆は、オティヌスが大好きなんだよ」」」


オティヌス「……////」ッフ



オティヌス「ありがとう。私も皆が大好きだ///」ニコッ




終わり。一応本編の続きも70%は書き上がっている。

そういえば。前に『絶対等速は銀行強盗した』と書いたけど、よく調べたら『郵便局強盗』だった。

イコスピさんマジ小悪党。

あと姫神さん『秋沙』だった。誤字ってた。

ハッピーバレンタイン。

復活おめ!
アンケはサローニャで

あとベイロープとウートのいちゃラブが見たいなぁ

155までだから、同票なのか?
まぁ、一応姫神で


意外と投票数が多いとは。

↓5レスまでのつもりだったけど、このレスまででカウントします。

>>150から>>158で、

サローニャ5票
姫神秋沙4票

なので、ホワイトデー番外編の上条さんはサローニャを選ぶ。
投票ありがとうございました。

とりあえず番外編、雛祭り。短めだけど。



〓〓叶え屋〓〓


フレメア「灯りをつけましょ♪」

ウート「ぼんぼりに~♪」

シギン「お花をあげましょ♪桃の花♪」

天井「五人ばやしの♪笛太鼓♪」


「「「「今日はたのしい♪ひな祭り♪」」」」







サンロリヨン(3才サイズ)「……」ちょこん



サンロリヨン「…突然呼ばれて体を解体《バラ》してくれと言うからやってみれば…」ズーン


サンロリヨン「私にこんな服着せて、」←E:十二単っぽい衣装

サンロリヨン「供物捧げて、」←菱餅と雛霰献上されてる

サンロリヨン「雛壇の一番上に座らせるとはどういうつもりだ貴様ら」ピキピキ


ウート「超厚待遇だぜ?」

サンロリヨン「やかましい」


シギン「大丈夫。サンロリヨンちゃんは和服も似合ってて可愛いよ?」

サンロリヨン「サンロリヨンてなんだサンロリヨンて」


天井「すまない、もう一品何か増やした方がよかったか?」アセッ

サンロリヨン「誰が供物が足りんと言った」

サンロリヨン「これにどんな意味がある!一体なんなんだ!?」プンスコ!=3


「「「「だって一番適任だし…」」」」

サンロリヨン「……」

ウート「可愛いしな」

シギン「ね」コクン

天井「ああ」コクン

フレメア「にゃあ」

サンロリヨン「…ふんっ!///」←満更でもない人







ウート「いやな?フレメアちゃんが雛祭り一回もやったことないって言うからさぁ」ヘラヘラ

シギン「叶え屋さんとしては叶えないわけにはいかない!いかないんだよ!」ビシッ

サンロリヨン「人形使えばいいだろう。もしくはウートガルザロキの幻覚とか…」

ウート「かー!だめだな!お前何もわかっちゃいねぇよ!」アーダメダコリャ!

天井「ああ。こういうのは飾ってこそ、だからな」コクン

シギン「でも、雛祭りって人形飾った後どうするものなの?」

天井「昔、親戚の女の子の家では雛あられや菱餅、ケーキなんかを食べたな」

ウート「へー。人形はいつ片付けんの?」

天井「クリスマスツリーを片付ける時と同じような感じだな」

ウート「…じゃあサンロリヨンさん、明後日まで雛壇にいてもらっても」

サンロリヨン「いいわけないだろうが」


フレメア「にゃあ……?ダメ?お姉ちゃん……」ウルウル…

サンロリヨン「な、」

フレメア「くーん…」どーする♪アイ○ル~♪

サンロリヨン「…今日一日だけはこうしてるわ」フンッ

フレメア「!」

フレメア「大体、ありがとう!お姉ちゃん!」

サンロリヨン「…ふん///」



〓〓学問都市、川原〓〓



土御門「じゃあオレ達はひな祭りの原型でもやるか」

舞夏「あにきあにきー?私はもうそんな年じゃないぞー?」

土御門「なーに言ってる。雛壇にお雛様を飾る奴じゃないぞ?」

舞夏「ほー?」

土御門「こーやって、人形を乗せた船を川に流すんだ」

土御門「『流し雛(ながしびな)』といって、『祓い人形』と同様に身の穢れを水に流して清める。」

舞夏「あー、降りかかる災厄を人形に代わってもらうってやつかー」

土御門「そうだ。」

人形「流されていくで候」ドンブラコ



土御門(…こんな気休めでも。少しでも舞夏に降りかかる何かを祓える事ができれば……)

舞夏「おー、どんどん流れていくなー」



土御門(頼む、流し雛。お前で足りなきゃオレにも肩代わりさせろ。)





だから。




土御門(舞夏にだけは。何にも悪い事が起きませんように。)






――――河原にて。兄は妹を想い、人形に願いを託す。



終わり。ただ、姫神さんは今後の本編で大活躍してくれます。

ので、姫神派の人は気を落とさずに。


基本>>1はその日その時の気分で書きたい事を書きます。やります。

やっと、このスレ初めての本編の続き。


〓〓常盤台中学女子寮208号室〓〓



~そういえばこういう時絶対猪突猛進していくミコっちゃんは~



御坂「ヤハハハハ!!」


御坂「最大電圧!10億V放電《ヴァーリー》!!」バリバリバリ!!

御坂「"超電磁砲"!!!10!連!!射ァァアァア!!!」チュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーンチュドーン!!!!

御坂「"雷撃の槍"!!!」ズガーン!!!

御坂「"誘導加熱の原理"で物体の加熱!」ジュー!

御坂「砂鉄の剣!」ズバ!ズバ!

御坂「金属を磁力で操ってぶつけるっ!」ズガーン!

御坂「電子ロックに干渉、開錠!!」ガチャ!

御坂「私自身に電磁加速を+して一時的な走力向上!!」タタタタ!

御坂「電磁力で空中浮翌遊!」フーワフーワ

御坂「空気中の水分子をブースターにして飛行―――!!」バッサバッサ!


御坂「ぜぇ、ぜぇぜぇ………」


寮の壁「あ、自分無傷っす。」



 _--―---、_
/  _--ニ二二ヽ
  / _-⌒ヽノ`ミ、
 / / _イ\ /入ヾ
/ //-"_ ll′/」}
 イリ/ ∠ ヾI|レ" ヾ
/ リ/ui{_ ゚}I|{_ ゚}
i/uuヾく_ノ||ゞ-イ
、|| u   _〉〉 |
ヾ|  r-  `∪∪ィ}|
-}| /r"T丁 ̄| ̄l||※みこっちゃん
}(| ,イ |_L_|_l||
ハ | i L/  _ノノ∥
|| |Y/  -┴"" ∥
|| 仁レ ̄ ̄ヾ、 ∥
|l「]、   ヾ>∥
|l 「ヽ    }H∥
| |ヽ「ヽ__ノj-∥
| |\`[`T"""T"ノ|
| | \  ̄ ̄ ̄ /
| |  `-――′





御坂「何で部屋から出られないのよ―――!!!?」チクショォォォオォ!!


現在の常盤台中学女子寮→絶縁体効果と耐熱効果を持つ未元物質でフルコーティング。



――閉じ込められていた。



~VS・上条当麻~



「ほらよ」

監禁していた檻と樹が消え、上条は地に降ろされた。

「ありがとな垣根」

礼をいって、宙に浮かぶ垣根を見上げる。

「礼はいい。それよか早く行こうぜ。一度でいいから、"友達"を助けてみたかったんだ」

一切裏が無さそうな、屈託のない純粋な笑顔。そして、『友達』を強調する垣根。

「…そっか」

今までの話の内容からなんとなく垣根のバックボーンは察せる。


……普通、『友達になろう』なんて言葉で友達にはならない。


もし、それで『はい、私とあなたは今から友達です』となれるとするなら。

その人には本当に今まで友達が居なかったか、言われた側に『そういった人』を受け入れられる器があるか、


……もしくは。


「さ、行こう。お前の大事な奴を助けに。」


――――騙そうとしているか、だ。




「…そうだ、上条。俺がお前を抱えて飛んでやるよ。ほら、その方が"色々と"早いだろ?」

垣根はアルカイックスマイルを浮かべてそんな事を提案してきた。

「じゃあ、頼むよ」

「おう。…っと、お前、その右手は何かで包んでおいてくれよ?」

「あ、ああ。そうだな。」








「どうだ?上条。空の旅は」

「すげー怖い」

天使に抱えられた上条は学園都市の空を滑空していた。

「はは、じきに恐くなくなる」

「そうか?」

「ああ。あ、そうだ。俺の『友達』である上条に教えとくとな、俺はお前を殺さずに足止めする役目が与えられていたんだ。」

「足止め?」

「ああ。どうも"代表個体"はお前を殺す気はなかったらしい。そういう指示だったからっつってた。」

「…指示?誰から?」

「スレーヴ個体の俺じゃ、それはわかんねぇ。俺も代表個体から指示されただけだしな」

「じゃ、そいつに話を聞きにいけば…」

「そうだな、このバカ騒ぎも終息する。」



「そいつはどこにいるんだ?」

「学園都市上空に能力で国を作ったんだけどよ、そこにいる。」

「…嘘言ってないか?」

「残念ながら、本当だ。俺は垣根帝督の『純粋さ』と『好奇心』を多く受け継いでいるから、真実しか話せない個体だしな」

「?よくわかんないけど、それはまた不便だな」

「んー、あまり不便とは思わねぇな。真実しか話せないなら、話さなきゃいいんだから」

「なるほど」

「ま、だからそんな風に俺を作りやがった代表個体への嫌がらせって気持ちも含めて『上条当麻の足止め』を止めたわけだ」

「おいおい…」

「いやいや、一番は上条の『友達になろう』って言葉に心打たれてだぜ?」

「そっか。」

「あ、そういえばさ。上条」

「なんだよ」

「俺さ、もし友達ができたら一回やってみたかった事があるんだけど」

「へぇ?何だ?」

「友達を裏切ること。」

「…へ?――――――――




―――――――あまりにも自然すぎて。自分が垣根から手を放された事に気づいたのは、落下し始めてから数秒後だった。




「ありがとな、上条。俺と友達になってくれて。」

何の邪気もない、朗らかな天使の微笑み。

「嬉しかったぜ。だから、その友情に殺されてくれ」


それは、真っ白な殺意だった。


別に、憎いから殺すわけじゃない。

"代表個体"への反逆心から殺すわけでもない。


・・・・・・・・・・・
特に理由なんてなかった。


しいていうならば、「前から殺ってみたかったから」殺っただけ。

嘘は言っていない。"足止め"をやめて殺すことにしただけ。

だけど、ただ殺すのはつまらない。だから前からやってみたかった"裏切る"という形で殺すことにした。


そんな、子供のような。


「―――――!?―――――――!!!」


「え?わりぃ。何言ってんのかわかんねーわ」

ハハハ、と笑って。

「言ったろ。俺は、『純粋さ』と『好奇心』を多く受け継いだ『垣根帝督』。」

「純粋な殺意や純粋な悪意って言い換えてもいい。あー…ほら、アレだ、アレに似てる。」


「小さい頃、蟻を見つけてはちぎったり、踏み潰したりとかしなかったか?」


「あーいう、"好奇心"だよ」



地表まで後3m。

そして、上条当麻は三回目の死を迎え。





「させない。」




――――ることはなかった。


ビュァオ!!!

突風。上条当麻はその大きな風の塊に抱かれ、ゆっくり降下する。

いったい、誰が。こんな事ができる知り合いなんて心当たりがない。


目線を下に向け、驚いた。


そこにいたのは、一人の少女。

「お待たせ。当麻くん。ケガはない?」


こちらへ歩いてくる声の主は、かつて自分が救った黒髪の少女。


「助けに来たよ。」


腕を組み、ニッコリ微笑む彼女の表情には。

光と自信が満ち溢れていた。


思わず、少女の名前を呼ぶ。


「秋、沙。」




~ウートガルザロキ~


ウート「ごっふぇ、おふぅ……」フラフラ

ベイロープ「だ、大丈夫?ウートくん」サスサス

ウート「だ、大丈夫大丈夫。大丈ぼらろろれれ」つエチケット袋⊂

ベイロープ「今、回復魔術をかけるわね?」イソイソ

ウート「悪い…ボロロロ」







〓〓『叶え屋』が置いてあったとこ〓〓


ウート「」

ガラーン…

ベイロープ「…あの、ウートくん。ホントにここ?」

ウート「ああ、間違いはねぇんだけど……」

ウート「…車がない…」ズーン

ベイロープ「どこに移動したのかしらね」フム

ウート「避難したか、あのわけわからん白いのに飲まれたのか…」

ベイロープ「探知魔術使う?」

ウート「いやぁ、使ってもたぶん無駄じゃねぇかな。アレ、特別仕様だからさ」

ウート「"神隠し"系のと、"魔翌力封緘"系とか使ってるし…
    たぶん、"魔術使用痕跡"を検索条件にしても"霊装"を検索条件にしてもひっかからねぇと思うわ。」

ベイロープ「ふぅん。よく施せたわね、それ…それぞれ使った術式の宗派や学派とか絶対違うだろうし…」

ベイロープ「伝承同士の調和とかすごく難しかったんじゃない?」

ウート「だろね。いや俺が作ったんじゃなくて、業者(つっちー)に任せたから知らねぇんだけどさ。」

ベイロープ「何者よその人…」


ウート「ま、嘆いても仕方ねぇな。アレから逃げつつ、足で探すしかねぇわ」

ベイロープ「OK、それなら私に任せて!」

ベイロープ「私の『鋼の手袋』で移動して探しましょうか」つ―⊆∈

ベイロープ「さ、後ろから私に抱きついて…?///」

ウート「あいあい。」ダキッ

ベイロープ「~~////」ドキドキドキドキ

ウート「…ベルちゃーん?行っていいよ?」

ベイロープ「はっ、ごめんごめん!////」



シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!




~サンドリヨン、シギン~


サンドリヨン「ここでまごまごしていても仕方ない。とりあえず移動しよう」

シギン「うん…ん?」チラッ



ベイロープ「そういえば。ウートくんはこれくらいのスピードなら大丈夫なの?」シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!

ベイロープ「ほら、音速で吐いてたじゃない?」シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ

ウート「ああ、つかアレが異常なだけで、俺普通の乗り物は大丈夫なんだよね。気を使ってくれてありがとな」


シギン「ウートガルザロキ!?」

シギン(――と誰アレ?)

サンドリヨン「? 知り合いか?」




~合流。ビルの屋上~


ウート「シギーン!無事だったんだな!心配したぜ!」ダキッ

シギン「っ///う、ウートガルザロキっ?皆見てる、から…っ////」はうう

ベイロープ「………」ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ

サンドリヨン「ふおっ?!」ビクッ

ベイロープ(デート中断の理由はこの人、か。)ギリッ

?「おい」

「「「?!」」」バッ


黒垣根(スレーヴ個体)「テメェら、学園都市の人間じゃねぇな?悪りぃが、ちょっと拘束させてもらうぜ」バサァ


サンドリヨン「っち!まさかあの白いのを産み出したやつか?!『魔法使いのお婆さ――」

ウート「待った。」

サンドリヨン「?」

ウート「俺がやるわ。」

キン!

黒垣根(スレーヴ個体)「あ?テメェ俺を舐めてん――――

―――――――――

―――――――――――――
――――――――――――――――――


~沈め、深海へ~




ドプン。



…冷たい。世界が青一色に変化した。

ゴポリ。口から気泡が漏れる。



生存本能が「今すぐ息を止めなければならない」と叫ぶ。

そいつの言う通りにしてよかった。

気づけば俺は、海の中で揺蕩っていた。

ぽこり。

また一つ、気泡が吐き出された。


……あれ。俺は、何をしていたんだっけ。


頭上では白い光が海面を照らしている。

上がらなければ。

このままじゃ溺れ死んじまう。


………いや、それもいいかもしれない。


それに、水の中ってのは存外気持ちがいい。

「生物の原初」、「母なる海」。そんなフレーズをふと思い出す。

そりゃ気持ちいいわけだわ。

そんな風に、一人納得して。


沈んでいく。

沈んでいく。



沈んでいく。


深く、奥底へ。暗くて冷たい、辛いことも何もない"無"の世界へ。

それは、なんだか酷く甘美な響きだ。

緩やかな死。

甘き死よ、来たれ。

…"生"を象徴する光が、小さくなっていく。

ひょっとしたら。今すぐ足掻けばまだ間に合うのかもしれない


「でも、まぁ、いいかな」


もがく事も、動く事も、生きる事も。もっと言えば、息をする事すらも。

めんどくさい。

このままフッと死んでしまえるなら、それもいいかなと思う。


俺は目を閉じた。


落ちていく。


墜ちていく。



堕ちていく。



深く。暗く。静かな場所へ。


緩やかに。


そして。意識が、途絶え――――――――

―――――――――――――――――――

――――――――――――
――――――――
―――――


黒垣根(スレーヴ個体)「ゴボッ…ごぼぶ…」

黒垣根(スレーヴ個体)「ごぶっ………」バタッ…


ベイロープ「何?今の…まさか、"溺れた"の?」

ウート「そだね」ヘラヘラ

シギン「ウートガルザロキも大概チートだよね」ウン

サンドリヨン「すごいな…一体どんな術式を」

ウート「あー、うん。ま、"企業秘密"ってことで。」ヘラヘラ。

ベイロープ「こいつはどうする?」

シギン「ふむ。今のうちに手足を折って、貯水タンクに詰めておくべき、と『助言』しよう」

ベイロープ「」






黒垣根(スレーヴ個体)「」チーン←手足折られて、顔だけ出した状態で貯水タンクに詰められた


シギン「ところで。聞きたかったんだけど…あなたはだぁれ?」

ベイロープ「ベイロープ。魔術師よ」つ

ベイロープ「…っと。あなたにはこちらの手で握手させてもらうわ」つ

シギン(?なんで私には左手で握手なんだろ)つ

ベイロープ「ところで…この騒ぎはなんなの?」



かくかくしかじか。


ウート「んだよ、結局、何にもわかんねぇってことかよ」

シギン「む。私達は私達で大変だった。大変だったんだよ?ウートガルザロキ。」ムスー

ウート「ああ、悪かった。しっかし、どうすっかね」

ウート「あまっちや車がどうなったのかわかりゃしねぇし…」

シギン「…なら、手分けして探さない?
    さっきみたいにベイロープちゃんとウートガルザロキ、サンドリヨンちゃんと私で組むの。」

シギン「あとは木原くんと車を見つけて学園都市から出ればいい…と『助言』しよう」

ウート「かねぇ。できれば、まだ学園都市にいたかったんだけどなー」

ベイロープ「決まりね」

サンドリヨン「私は手伝うとは言ってない」プイ

シギン「…サンドリヨンちゃんを組み立ててあげたの誰だったっけー?」

サンドリヨン「アレはお前が勝手にやったんだろうが」

シギン「ひどい。ひどいよサンドリヨンちゃん!サンドリヨンちゃんはロクに恩も返さない人なんだね!」およよ…

サンドリヨン「貴様…」ピキピキ

ウート「ぢー」ジー

サンドリヨン「…なんだその目は」

ベイロープ「ぢー」ジー

サンドリヨン「やめろその目は」

シギン「ぢー。」ジー

サンドリヨン「ああああもぉおおお!!!」モダモダ

サンドリヨン「わかった!わかった!手伝う!但し、それでチャラだから!」

シギン(ふぅ。だったら最初から駄々をこねないでほしい。ほしいよ)フーヤレヤレ






シギン「じゃあ、『助言』するね?」

※全テの学園都市MAPを参考にするとわかりやすいかもしれませんの


シギン「木原くんと『叶え屋』がロストしたのは第7学区。学園都市の中央付近。」

シギン「もし木原くんが生きているなら、車で学園都市の外壁を目指しているはず。」

シギン「でも、車に組まれている術式のせいで、車自体は私かウートガルザロキが直接見ないと見つけられない。」

シギン「だから、ウートガルザロキはサンドリヨンちゃんと。私はベイロープちゃんとお互いの死角や行動範囲外をカバーするように移動して探す。」

シギン「そして、ロストした場所から外壁へ真っ直ぐ向かうならば、第10学区を目指すはず。」

シギン「第二候補のルートとして、第15学区から行く道と第22学区を行く道があるから、途中までは一緒に行こう。」

サンドリヨン「見つからなかった場合は?」

シギン「諦める」キッパリ

ウート「うぉい」ビシッ

シギン「だって…あの白いのの侵食スピードとか、『木原くんが生きてたとしたらかかる移動時間』とかを考えても。」

シギン「もし、このルートを通ってないなら木原くんは絶対助からないよ?」

シギン「それこそ、あの白いのを一時的にでも粗方消し飛ばすような人でもいない限りはね」

ウート「消し飛ばす、ねぇ…」



~~~~~~~~~~~~~~~~


トール「へっくちっ!」クシュン


~~~~~~~~~~~~~~~~




ベイロープ「ねぇ、この作戦が終わったらさ、ウートくん私のとこに来ない?ウートくんなら歓迎するわよ?」ウインク

ウート「マジで?じゃ、お願いしちゃおっかなー?そしたらベルちゃんといつでもいられそうだしな」ヘラヘラ

シギン「……今は口説く時じゃないと思うよ?ウートガルザロキ」ツネリ

ウート「あだっ?!いだだだだ?!取れる取れる!?俺の瞼がポロッちまう!!」

ベイロープ「ちょっと!彼に何かするの止めてくれないかしら!」

シギン「ぷいっ」ムスー






シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャミサカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ!!!

カカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカミサカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカカ!!!



シギン「ベイロープちゃん」

ベイロープ「なにかしら?」

シギン「ベイロープちゃんって、ウートガルザロキといつ出会ったの?」

ベイロープ「イギリスだと昨日の夕方、こっちだと今日の深夜…かしら」

シギン「…本当に、会って数時間なんだね」

ベイロープ「そうよ?それが?」

シギン「いや、よくそんな短時間で落ちたなーって…」ボソッ

ベイロープ「そう?彼、素敵じゃないかしら?」

シギン「うーん…悪い、とは言わない。言わないけど…ねぇ?」

シギン(…私だって、グレムリンの時からウートガルザロキの事は気になってるくらいだし)

ベイロープ「…彼ね、わざわざ 私に 会いに来て、『君のが欲しい』って言ったのよ?」

ベイロープ「顔も悪くはないし…話してみたら私と彼、すっごく気が合うの!」

ベイロープ「同じ北欧神話系魔術師、しかも優秀。誠実だし、笑いのツボとかセンスとか似てるし、私の事大事にしてくれそうだし…」

ベイロープ「私が『一緒にイギリスのために尽くしていこう?』って誘ってもOKしてくれそうだし?」

シギン「ベイロープちゃん重いね」

ベイロープ「うっさい。"魔術師"なんて職やってれば一般人とは付き合えなくて男日照りだし、上司は厳しい。
      なのに部下はよくドジるし…もうモテないのはウンザリなのよ!」

ベイロープ「きっと、ウートくんはそんな中での私のオアシスになってくれるわ!」

ベイロープ「ていうか、たぶんウートくん逃がしたら…私、後がない気がする」グッ

シギン「そんなことはないと思うけど…」

シギン(…なんか、ベイロープちゃんって疲れた30代の中間管理職の人みたいだね)







ウート「あまっちいねぇな…」キョロキョロ

サンドリヨン「おい、もし変なとこ触ったらヒールで貴様の股間をミンチにするからな」

ウート「へいへい… ! 見つけた!」

サンドリヨン「そうかほら、通信霊装を」








サンドリヨン「……で?アレがその『木原くん』なのか?」

ウート「んー……だと、思う、んだけど……」

ベイロープ「あの人も魔術師なの?」

シギン「ううん、一般ピーポーだよ。たぶん"能力者"でもないはず」フルフル



サンドリヨン「…ふぅん?学園都市の"一般人"っていうのは、あんな風に自在に空を飛ぶのか」





~VS・絶対等速、シルバークロース~


巨人は、嘲笑(わらって)いた。

「俺を、一撃で倒す?ハハハハハハハハ!!!」


「笑わせんなよ、ゴミが。たかが駆動鎧とLevel4が、学園都市Level5第二位の『垣根帝督』に勝てるってか?!」

「妄言もそこまで行くと失笑もんだぞー?」

悪意だらけのゲタゲタ笑い。


「―――ンで。なんでテメェらはまだ不敵に笑ってんだよ」


「「絶対勝てるってわかってるからだよ、第二位。」」


声を揃えて。二人は笑う。


「「行(きますよ)くぜ、先輩(後輩)」」


そして二人がしたことは。




「………………………ハァ?」

旋回。転回。錐揉み。


シルバークロースは垣根をドーム状に覆うように高速で空を舞い、ツバサを絶対等速の投げる鉄球に沿わす。

「オラァアアアア!!」

絶対等速は回転するシルバークロースに合わせて投げただけだった。


回転による遠心力と、ツバサの後押しをプラスされて多少威力は増しただろうか。

それが全方位からの鉄球の弾幕。

対し、垣根は

「…………ハァ。……ああ?…なんだよ、その陳腐すぎるクソみてぇなこうげき。」

呆れ果てた。身構えていた分、拍子抜けだといったように。

「御大層な大口叩くから期待してみれば。ただのテンプレな御家芸かよ、クソッタレ」

垣根は避ける動作もせず、ポケットに手を突っ込んだまま向かってくる鉄球を宙に浮きながらボンヤリ眺めていた。


「なぁ、『絶対等速【イコール・スピード】って能力は多分、"慣性質量"を操っているんだろ?まぁそれだけじゃねぇだろうが…」

「超絶簡単に言えば『投げた物をめちゃくちゃ重くする』ってだけの能力だ。」

「例えば、人間が地球を蹴っても地球の軌道を変えることなんてできねぇように、単なる鉄球にかなりの慣性質量を与えてるだけ。」

「だから鉄板くらいなら貫いてそのまま進む。…けどよ、」

「例えば、投げた物が鉄球じゃなくゼリーだったら?それでも鉄板を貫けると思うか?」

「答えは"無理"だ。仮に鉄板で止まらないとしても、ゼリー自体が鉄板の硬度に耐えきれず、潰れちまって貫くことはできねぇ」

「…なぁおい。テメェらが今投げた鉄球の弾幕は、俺の『未元物質』にとっちゃ、ゼリーと同じなんだっつの。んなこともわかんねぇのかよ」


鼻で嘲笑う垣根に対し、シルバークロースと絶対等速は。



「そうだな。"鉄球なら"、な」


―――笑っていた。


「…あ?」

そして。

鉄球が『未元物質』の翼に、垣根に。着弾した。


メキョ。


「が?!!?!あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙ッッ?!」


悲鳴。それが自分の口から吐かれていることに垣根は驚愕する。

「ん、なっ?!は?が、あああ?!!」

悶え、苦しむ。しかし、ほぼ全方位から撃ち込まれた鉄球達が楔の役割を果たし、垣根を拘束していた。


「なんっ、でぇぇえッッ?!だっぁああああああ!!!」

痛みで演算が止まる。故に解析もできない。異物が、垣根の体に捩じ込まれていく。

「お゙がじぃ、だろっッッ?!なん、だよ、そりゃぁあああ!!!」


メキョメキョメキョ。ビキビキビキ。グチュっ……

未元物質製の皮膚を、肉を、骨を、臓器を。

ゆっくり。ゆっくり。砕いていく。

「簡単な話だ。」

シルバークロースは語った。

「先輩が投げた鉄球に、私の『―Equ.Dark_Matter―』のツバサの破片を刺しただけだ」

「見えないよう、お前の視線と直線上になるようにな」




この世に存在しない物質『未元物質』を破るには、この世に存在しない物質を使えばいい。


「あ、が、ぐっ」

メキョメキョメキョ。


「う゛ぇe………が、」

「ナメてんじゃ、」

垣根の漆黒の瞳が深みを増す。

「ねぇぇえええぞぉぉぉおおおおぉぉおおおおぉぉおおおお!!!!!」

引き裂かれ、異物包囲網による四方八方からの弾幕を埋め込まれながらも未元物質の翼を無理矢理鉄球包囲網の外へ延ばす。

そして、その翼の中へ垣根の"中身"が吸い込まれていった。

さながら巨人垣根が翼に養分として吸われていくように。

巨人は萎び、空気の抜かれた浮き輪状態。



翼は、『翼型のビニール袋に人間を入れたらこうなった』……そんな巨大な状態となり、宙に浮いている。

―――と。

グニョン。モニュモニュニュコグニュニュ。

翼が形を整えていく

「ハッ、ハハハッ!!抜け出してやったぜ!アレはもう食らわねぇぞ」

脹らみ、変形し、巨人形態を再構築。

そしてシルバークロースと絶対等速の方を見やる。


「…………あ?」

二人は、居なかった。

「おい、まさか逃げやがったのか?ざけん――」



「「誰が逃げるって?」」



二人は居た。ビルとビルの隙間に。


シルバークロースは水平の体勢になっており、その仮面から伸びるツバサがビルとビルに引っ掛かけられていた。

絶対等速はシルバークロースの足を持って、後ろから引っ張っていた。

「……あ?」

引っかかっていたツバサがゴムのように伸びきって。


「「これが本命だ。食らっとけ」」


「なn」


直後、絶対等速から放たれたシルバークロースが、垣根の頭を砕いた。









「…よく思いつきましたね先輩。私の仮面のツバサをゴム代わりにし、先輩の能力で絶対貫通する矢として私を飛ばすなんて」


「ボーガンみてぇだったろ?運動を始める物体に対し、最初に俺が起点となってさえいれば。
 飛び道具に対しても俺の能力をかけられるからな」

二人はゆっくり地面に下りる。


「…ま、俺達よくやったよな」

「…ええ、がんばりました」


お互いの顔を見合い。ニヤッと笑って。


「「ヘーイ!」」

ホスト二人はハイタッチを交わした。




~VS・一方通行~



一方「打ち止め…!」

一方(俺には"絶対座標"があるからわかるが…)

一方(…あっちか)ダッ

一方(能力使用モードは残り4割…クソ)


一方(充電したくとも、街中『未元物質』で覆われちまってるからできねェしな)

一方(覆われてる『未元物質』を壊して充電なんかしてたらすぐ探知されて襲撃され、逆に消耗しちまう)

一方(ただでさえ何万匹もきやがるってのに)



?「おい、そこのオマエ。ちょっと待てよ」ガンッ!

ドガァン!



一方「鉄骨?!」キキーッ

?「そォンなに急いで、どォこに行こォってンだよ」コツ、コツ、コツ…

一方「な、に、……」

?「ハッ、なンだなンだよなンですかァ?!"今回は"あの『人形』じゃねェのかよ」コツコツコツコツ

一方「…………」


?「おいおい。一応聞くけどよォ、今回の『実験』の相手はオマエでいいンかヨ」コツ、コツ、コツ。



――――――――――――黒垣根(マスター)『本人を"再現"してる』―――――――――――――




?「もォしもォーし?なンだなンだよなーンなーンですかァー?」


?「返事くらいしやがれよ。しっかし、世界広しと言えどもよォ、俺くらいなンじゃねェのか?」


?「"自分を殺す"経験をするなンてのはよォ?」ニタァ……


一方「…ッチ、そォだ、そォだよな。普通、もし仮に戦力として他人の"脳"と"能力"を再現するとしたら。」

一方「…"Level5を再現する"に決まってるよな」




アクセラレータ(未元物質。『絶対能力進化実験』:第03032回時)「なァ、教えてくれよ。」


コツ。

アクセラ「第二位の奴が言ってやがったンだけどよォ」

アクセラ「オマエを殺せば、俺は速攻で『最強』の先の『無敵』になれるらしいじゃねェか」



一方「…まさか俺の"黒歴史そのもの"を直接ぶつけてきやがるとはな。趣味が悪すぎンだろ、第二位」アタマカカエ




かつての白い悪魔。かつての第一位。かつての『最強』。

アクセラ「あァ、第二位の野郎の発言の真偽なンてのはどォでもいい。」

アクセラ「たまには歯ごたえのある奴が食いてェだけだからな」

一方(…俺、こンなンだったっけ)

アクセラ「そンじゃァ、まァ…」

片足を振り上げ、

アクセラ「開戦。と行きますかァ?」

ニタァ…と引き裂くような笑みを浮かべ。

アクセラレータが地を砕く。


アクセラ「アハッ、ギャハハハハハッッ!?おいおい!まさか最初っから小手調べをしてくれるなンて思ってンじゃねェよなァッ?!」

砕かれた欠片が悪意ある指向性を持ち、一方通行目掛けて次々襲いかかる。



一方「ぐ、」ハンシャ!

アクセラ「っへェ――――?!マジで俺なンだな!ちゃンと"反射"もするンだなァ?!」

一方(クソ、本当に"全盛期の俺"を再現してたとするなら、どォ足掻いても演算力《パワー》負けしちまう!)ダッ!

アクセラ「おォ、そォだそォだ。一回試して見たかったンだけどよ」

アクセラ「誰も破れねェ"反射"も、俺自身なら破れると思わねェか?」ダンッ!

一方(あァ、だろォな。しかも演算力はオマエのが上だろォしな!)

アクセラ「おら、早く死んじまえよォ!!」ブンッ






アクセラ「…ッチ、なかなか掴まンねェな」

一方「ゼェ、ゼェ…」

アクセラ「いい加減楽になれよォ!?」ブンッ

一方(クソ、バッテリー残量が2割を切った!)ヒュン!

アクセラ「愉快にケツ振りやがって!誘ってンのかァ?!」ギャハハハ!

一方(あァー…あれ、言った覚えあるわァ…実際言われる側になると腹立つなアレ)

アクセラ「おらよォ!」バキバキバキバキバキバキバキバキバキ…………

一方(げっ、ビルを一棟、丸々千切り取りやがった!)

アクセラ「ギャハハハっ!そンで!オマエは何百回死にてェンだっつの!」ブォン!ブォン!

一方(危ねェ!!高層ビルを棍棒代わりに殴り付けてくるとか、どこの漫画のキャラだよクソッタレ!)ギュン!

一方(仕方ねェ、このままじり貧続ける訳にも行かねェしな)キキーッ


一方(説得、してやる!)クワッ!



一方「…オマエさァ、なンで"無敵《そンなもン》"になりてェンだよ」ヒョイ

アクセラ「ハッ、決まってンだろ。二度とバカどもが俺に楯突こうとすら思わねェよォにだっつの!」ブンッ

一方「……なンで、そォなりたかったンだよ」

アクセラ「あァ?」

一方「『無敵』になって、誰もオマエに関わらないよォになって。それでどォしたかったンだっつってンだよ」

アクセラ「…俺の日々が平和になンだろ。平穏が欲しかったンだよ」

一方「違う。当ててやろォか。」

アクセラ「あァ?」


一方「オマエさァ、結局寂しかっただけだろ」

アクセラ「…」ピクッ

一方「『世界中が俺を拒絶する。』」

一方「『誰も、"一方通行【アクセラレータ】"ではない"俺"に構ってくれない』」

一方「『仲良くしよォとしたら、利用されるか拒絶される。そして、傷つける』」

一方「『だから、もォいい。他人には期待しねェ』

一方「『死ぬまで一人でいれば、もォ何も起こらねェ』」

一方「『それが最善だ』」

一方「―――だろォが」

アクセラ「~~ちがっ、」

一方「わねェよな?何せ、俺はオマエなンだから。わかってンだよ全部。」

一方「だから。"先"を見てきた俺が、オマエに一言言ってやる。」

アクセラ「……」

一方「心配するな。オマエは孤独じゃなくなる。」ソッ…

一方「こンなクズでも、何の邪気もなく話しかけてくれる存在にちゃンと会える。」

一方「『ずっと一緒にいたい』と思える相手に会える。」

一方「命を賭けて、一生かけて、守りたいもンに。」ニコッ



アクセラ「……」





一方「だから、」

アクセラ「くっさ」プッ

一方「 」

アクセラ「ギャハハハハハ!!!なァにハズカシー台詞吐いちゃってくれてンですかァァ?!」ゲタゲタゲタゲタ!

アクセラ「やァァめェェろォォよォォォ?!こォンなセンチメンタルで気持ち悪いのが未来の俺とかさァァァァ?!」ギャハハハハハ!!

アクセラ「なァにが『命を賭けて、一生かけて、守りたいモンに』キリッだよォォ?!」ヒャヒャヒャ!

一方「///」ワナワナ

アクセラ「アヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!!あァーなァァるほどォ!力じゃ負けるから俺を笑い殺す作戦か!!ギャハハハハハ!!」ヒーハッハッハッ

一方「/////」プルプルプルプル

アクセラ「ふ、腹筋が捩じ切れるよォォォ!!!」ヒャヒャヒャヒャヒャヒャ!!

一方「 」 ブ チ ッ 。

アクセラ「ヒーッ、ヒーッ…ぷぎゃははは……あ?」

一方「Jg@ajtjadaptw,pada@gtmda」バサー

アクセラ「…あ?なンだよ、その黒いつばs



\ギャアアアアアアアアアア!!!/


※悪いが、こっから先は惨殺タイムだァ!しばらく待ちやがれェェ!



一方「ふゥ……昔の自分って、マジで恐ろしいな!」キリッ

一方「打ち止め…!」ダッ



~未元物質な人と心理定規ちゃん~


心理「そういえば、聞き忘れてたのだけど」

白垣根「なんでしょうか?」

心理「ねぇ、私はいつまでここにいればいいのかしら?」

心理「というか、何の用で呼ばれたのよ私。」

心理「最初に自分はあの人の使いだ、安全地帯に来てくれなんて言ってたけど…」

心理「それって、学園都市が危険になるから。なんらかの理由でいなくなられると困る私を避難させたってことよね?」

白垣根「……」

心理「…ねぇ、学園都市に何が起ころうとしてるのよ」

白垣根「…私には、」メソラシ

心理「わからないはずないわよね?あなたも『垣根帝督』なのだから。」

心理「計画漏洩対策で記憶を消したとしても、あの人ほど頭が良ければやらされてる仕事内容から推察していけるハズ。」

心理「…それとも、」

心理「最初にコトを始めたのがあの人だったから、代表個体とやらも含めて産み出された『垣根帝督』達全員が知らないのかしら?」

心理「違うわよね?代表個体は知っているハズだし」

白垣根「…はい。私は確かにこれから何が起こるかを知っています。」

白垣根「ですが、私の口からは言えません。というより、聞かない方がよいかと」フルフル

白垣根「なるべく貴女の望むモノをできうる限り御用意します。今はそれで納得してください」

心理「…せめていつまで監禁されるか、目安くらい教えてよ」

白垣根「……最短で約一ヶ月、と思ってください」

心理「」


白垣根「ですが、コトが上手く運べば2週間半ほどで開放できます。辛抱してください」

心理「……」









「…あの人は、どこに行こうとしてるのかしらね」

窓辺で、心理定規は外を眺めて呟いた。

窓ガラスの外で、白い竜が飛んでいた。

ヒトを辞めて。国を作って。化物を生んで。学園都市に何かしようとしていて。

自分は垣根の全部を知っていた訳ではないけれど、それなりに知っていたつもりだ。


――自分が知っている垣根は、こんな人間ではなかった。

「…"あの人"?」

翠の瞳を持つ垣根が話しかけてきた。

いつのまにか執事服になっている彼には、垣根の考えが理解(わか)るのだろうか。



「……私が知ってる、学園都市第二位の超能力者。垣根帝督よ」

「あの日から居なくなって、未だに会えない人。」

振り向かずに答える。

「……それは、私は垣根帝督ではない、と言いたいのでしょうか?」

「そうよ」

「…口調や人格は違っても、私は『垣根帝督』ですよ。」

「いいえ」

それだけは、と言うように。心理定規は否定した。

「ぜんっぜん、違うわ。間違ってもあなたは垣根帝督じゃない、」フルフル

「っ、私は『未元物質』を操る学園都市第二位の超能力者。『垣根帝督』です。」

「そう名乗ったつもりですし、現にそうです。」


声を荒げ、膨れっ面になった垣根を、心理定規は窓ガラスを通して見つめる。

「いいえ。」

「例え、どんなにあなたがあの人に似ていても。あなたは垣根帝督じゃないわ」

「…長旅でしたし、お疲れなんですよ心理定規さん。さぁ、ベッドに…」

付き合いきれないと肩に置いてきた手をそっと払う。

「疲れているのは否定しないけど、あなたが垣根帝督であるということは否定し続けさせてもらうわ」

「……何故、そんなに頑ななんです?」


「私は、『垣根帝督』です!他の何者にも行使できない『未元物質』を操り、『垣根帝督』の精神と記憶、見た目を受け継いでいます!」

「…だから?」

「?!…ッだから、私は――」

「…私は、あなたがどんな経緯で生まれて、どういったシステムで動いていて、どれだけ中身が垣根帝督に似ているのかは知らない。」

「でも」

「あなたは『垣根帝督』かもしれないけれど、垣根帝督ではないのよ」

「何を…!」

自分で感情を自制できなくなってきたのがわかったのか、慌てて落ち着かせ。

「……それは、私が最初の大元――人間だった頃の垣根帝督と連続性がないからですか?」

「それとも、私の精神性があなたの知る垣根帝督と似ていないからですか?」

「"それらも"あるわ」

「では。私が、垣根帝督と決定的に違うのはなんだというのですか」

振り返り、口を開く。


「暗部時代に、私と一緒に過ごしてくれたかどうか。」


「………」


「…私が知っている垣根帝督はね。『スクール』のリーダーで。冷淡で。秘密主義で。どこか子供で。チンピラで。ぶっきらぼうで。メルヘンで…」

「あのロクでもない世界で、私と一緒に生きてきた人よ」

「…私も"それ"は知っていますよ」

「そうね、多分"識って"はいるんでしょう。でも、あなた自身は経験(し)らないんじゃないかしら?」

「……」

「だから。あなたは、少なくとも私が定義する垣根帝督じゃないわ。」

「……」

「気を悪くさせてごめんなさい。でも、私にとっては―――」

パキ。

「?」

見ると、『垣根帝督』の顔に皹が入っていた。



「や、め…私を、否定しないでください…!」

ピキ……パキ…

「わ、私は…垣根帝督です!『未元物質』のシステム上に散らばった、垣根帝督の"善性"を多く受け継いだ個体です!」

ピキ…パキパキ…

「私は!垣根帝督だ!」

アイデンティティの崩壊が彼を壊していくとでもいうのか、亀裂や皹が広がっていく。

しかし、例え『垣根帝督』が壊れる結果になったとしても、心理定規は肯定してやるつもりはサラサラなかった。

「違う。」

首を振る。

「…あなたは、垣根帝督のお面を被って、『垣根帝督ごっこ』をしてるだけの子供よ」

「?!」

(残酷な言葉(やいば)を浴びせてるのはわかっている。でも。)

「なら!」

悲壮感と必死にな表情で、『垣根帝督』は問う。

「私は、何になれば?!私は誰なんですか!?」

「ヤメロ、ヤメて下さい!私は垣根帝督でなければ!」

「ただの兵器、"カブトムシ05"じゃないですか!!!」

「イヤですよ!兵器なんて!私は人間でいたいんです!
 私が垣根帝督でないなら、自分が誰なのか、わからなくなってしまうじゃないですかぁ………」

パーソナリティを失いかけ、壊れかけの少年は泣き出した。


「…無理して垣根帝督にならなくてもいいんじゃないかしら」

「…?」

「いいじゃない、垣根帝督じゃなくても。」

「確かに、始まりは垣根帝督だったかも知れない。」

「でもあなたは本人(かきね)じゃない。例えクローンを作っても、本人によく似ているだけの別人になるように。」

「あなたは"あなた"でしょ。垣根帝督以外のパーソナリティを取得した"何か"。」

「兵器であるのを嫌がる、何か。」

「…あなたが自分で自分を決めるべきよ。あなたは垣根のお面を外すべきだわ」

「でなければ、一生本当のアイデンティティなんて確立できないわよ」

「…………」

崩壊が止まる。

「私、は……!」


カブトムシ05は、『垣根帝督』だったモノは、光を帯び始める。


「よぉ。いい話の所、悪いんだけどよ」




時間が、停まる。


声の主は。


「あー……"代表個体"…とでも名乗ろうかね。いや、会いたかったぜ、メジャーハート。」

引き裂くような笑みを浮かべ、悪意の塊が滲み出るようなオーラを背負っていた。

『垣根帝督』。

「…心理定規さんは下がっていてください」

少年は、心理定規を庇うように手を、『未元物質』の翼を広げる。

「おうおう。探したぜ?カブトムシ05。」

オーバーアクションで、やれやれ参ったぜとやりながら近づいてくる。


「いきなりふざけた理由で俺の統制から離れやがった時ぁ、もう、ぶっ殺したくて仕方がなかったぜ」

あえて不快さと不安を煽るような、ニチャニチャ。とした笑み。


「…まぁ俺からのオーダーを忠実にキチンとこなしていた点は評価してやるけどよ」

チラリと心理定規に目線を向ける。

実にイヤな目線だった。ドロドロとした、暗くて黒い。ジメッとしていて、気分が悪くなる。

心理定規も思わず目を逸らす。

「つーかよ、多少のお痛は許してやるけどよ。
 さすがに別系統の『垣根帝督』に進化する事までは許容できねぇぞコラ」

『垣根帝督』は歩みを止めず。



「ちぃっとばかし、逸脱しすぎてんだろ?なぁ?」

元05にの額に自身の額をくっつける。


「……私と戦う気ですか?今の私とあなたの立場は対等ですよ?」

「独立したからって一人前ぶってんじゃねぇよ」


ドス黒い殺気。邪悪な笑み。




「くっ『未元―――


「 い た だ き ま す 。 」




      ぱ     く。






翼で視界を遮られていた心理定規には、何が起きたのかわからなかった。


翼が崩れ、視界が開けた先には、


『垣根帝督』が満足そうに腹を擦っていた。


ただ、どうやったかはわからないが、あの少年は"食べられて"しまったのだな、とだけ察せた。



「ゲフ。…ふぅ。」

「…あなたは、誰なの?」

「そうだな。少なくとも、全個体の中で一番、人間だった頃の名残がある"俺"だよ」

「……彼は?」

「あ?まさか情が湧いたとかじゃねーよな?"食った"。」

「…私を、ここに呼んだのはあなたなのかしら」

「そうだな。」

「…何の用よ」

「別に。ただ、前と同じように駄弁ったりしようかと思ってな」

「なら、あなたがこればよかったんじゃないかしら」

「バカ言うなよ。これから世界征服すんだぜ?下にいたら俺は大丈夫でもお前が死ぬじゃねぇか」


時が、凍る。


「……は?あなたそんなアホな事しようとしてるわけ?」

「? んだよ、05から聞いてなかったのか?」

「今から俺は学園都市をぶっ潰して、更に力をつけて世界征服する。」

「今の兵力なら、今の俺ならできる」

「バッカじゃないの。」

吐き捨てる。

「あのね?600%うまくいかないから、一秒でも早く諦めてくれないかしら」

「絶対の壁を越えちゃってんじゃねぇか」

「それくらい無理ってこと。そんなの小学生でもわかるわよ」

「あいっかわらず可愛げのねー女。殺しちまおっかなー」

「…そもそも。具体的にどうやって世界征服なんてやるわけ?」

「あん?一人残らず"食う"んだよ」

「…さっきの彼みたいに?」

「ちょっと違うが…まぁ、似たようなもんだな。さ、そろそろモニターを見にいこうぜ」

「もうすぐ、学園都市が最後を迎えるからな」スタスタ

「………」

『垣根帝督』の後についていき、部屋から出る。







長い廊下、渡り廊下、螺旋回廊を進み。


着いた所はかつてスクールがアジトにしていたマンションの一室だった。


細部まで完璧に再現されていた。

違うのは、本来はテレビがあった所に何インチかもわからない程の大きな画面があることくらい。

それから、

「お帰りなさいッス、心理定規さん」

「お帰り」

死んだはずの、ゴーグルを着けた少年と狙撃手。

「ようやく、全員揃ったな!」

『垣根帝督』は嬉しそうにニコニコと歪に笑う。

ゴーグルの少年と狙撃手も歪に笑う。


狂っていた。通常の物理法則だけではなく、ヒトも、部屋も、表情も、道理も。

何もかも。

「ところでよ、メジャーハート。"俺"なら垣根帝督を名乗ってもいいはずだよな?05は否定されてたがよ」

ニヤつく『垣根帝督』が問い掛ける。



「…バカ言わないで。あなただって"あの人"じゃないわ。」


思いっきり眉をひそめて、眉間に皺を寄せて。不愉快さを全面に出す。


心理定規の、せめてもののささやかな反抗だった。



~トール、サローニャ=A=イリヴィカ~


サローニャ「あっれー?トールちゃんじゃん。どったの?」

トール「…俺からしたら、お前が『どったの?』だよ。なんだよその白い畜生達は」

サローニャ「この子達?学園都市をこんなにして、私を襲ってきた奴等の仲間みたいなんだけど」

トール「…服従させたってか?」アキレ

サローニャ「そんにゃかんじぃー」ニヒヒヒ

トール「俺も襲われたんだよ。何か不死の『垣根帝督』とか言ってた、明らかに人間じゃない奴にな」

サローニャ「あ、私も私も!鎧騎士みたいな奴に襲われたんだけど、そいつも『垣根帝督』って名乗ってた!」

トール「はぁ?この街じゃ『垣根帝督』って名前が多いのかよ」

サローニャ「んー…"クローン"、ちゃんだったりー?」

トール「こんな化け物染みたクローンって…オリジナルはどんなだっての」

サローニャ「じゃー、『能力者』?」

トール「こんなことができちまう能力者がいるってのは考えたくねーけどな。」

トール「経験値稼ぎになりそうなら別だけどよ」

サローニャ「噂どーり、レベルあげ好きだねぇー?」

トール「あん?誰がそんな噂してんだよ」

サローニャ「けっこーロシア正教(こっち)でも有名だったよ?"戦争代理人"、"雷神トール"って。」テクテク

トール「へー」テクテク

サローニャ「これからどっするー?サローニャちゃんは上条ちゃんを探しに行きたいんだけど」

トール「行けよ、勝手にな。俺は高校行って皆の無事を確認してくるわ」ヒラヒラ

サローニャ「はいはいちゃん。あ、今私治癒術式使えるけど。その怪我なんとかしてったら?」

トール「お?頼むわ。すげー助かる」







〓〓とある高校〓〓



トール「すっかり白いのに覆われてんな」テクテク

トール「ふんッッ!」ヴォン!

ジュウウウ!!

トール「…ダメか。やっぱミョルニルと繋がってなきゃなぁ」

トール(…さっきの虎ヤローとの時、実は結構ダメ元で『投擲の槌』とリンクを試みたんだけどな)

トール("リンクできちまった"って事は、リンク圏内…つまりはこの街のどっかにミョルニルがいるってことか。)

トール(あとマリアンの野郎も。)

トール「………………」

トール(さって。どうしたもんかね)




〓〓学園都市某所〓〓



「ふぁーっく、ふぁーっく。ふぁっきーん。」

「ったく。あの野郎は一体どこほっつき歩いてんだか。」

「今『グレムリン』は大変な事になってるってのに。やる気も危機感もなーさーすーぎぃー。」

『マリアン、それはあなたもでしょ?』

「……まーね」

『ベルシが死んでからのあなた、ほとんど動かないじゃない。』

「太っちゃうかねー」

『貯金切り崩してホテル暮らし、ボーッとしてるか寝てるか、私と軽く遊ぶか。』

『…「死者の軍勢《エインヘルヤル》」になったベルシより、今のマリアンの方が死体みたいよ?』

「…ベルシの話はやめて。……泣きそうになるから」

『だったら、早く立ち直って。そんなマリアンを見てる私も辛いから』

「うあーいー。」

『もう、本当にわかってるの?』

「うあーいー。」

『ハァ、ダメだこりゃ。一度医者にかからせるべきかな』



〓〓学園都市某所〓〓


     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「それで?天井亜雄は木山春生、第二位と無事接触できたのかね?」


「ええ。順調過ぎて怖いくらいですね」

「そいつは上々」

「いやはや。やーっと天井くんが巣から這い出てくれたみたいです。やっと巣立ち(スタートライン)です。」

「君にしては随分かかったな」

「んー、"促しても"よかったんですがね。」

「魔術side、それも世間を賑わす『グレムリン』のメンバーと接触した以上は下手につつけなくなっちゃったんですよねぇ」

「ほう。」

「あ、いえ、一蹴してやるのはとーっても簡単なんですけど。今あっちの"魔神"に関わられても困るんですよ」

「後天性、それも偽名とは言え。仮にも"木原"の名を冠する天井くんはどこまでやれると思うかね」

「無論、"最後まで"やらせますよ。"授業"が全部終わってもダメなら"居残り"させて、それでも足りないなら家庭教師についてでも。」

「途中で死んだら生き返らせます。それか、"ストック"を使いますか…」

「…まぁ、私としては君が最後までやってくれれば文句はないよ」


そんな、リクルートスーツの上に白衣を着た女と、ゴールデンレトリバーの会話。


純粋過ぎる好奇心とも、自分が遊ぶために他者を何とも思わぬ傲慢さともとれる。


そんな、"木原"同士の会話。



「あ、ビーフジャーキー齧ります?」

「いただこう」





~VS・姫神秋紗~





姫神「白い何かが街を……?」

姫神「…きっと。当麻くんはまた戦うんだよね。」

姫神「………。」


姫神「私も。戦う時が来たのかもしれない」


姫神「吹寄さん。ごめん。私。ちょっと抜ける」スタスタ

吹寄「え?!ちょっとどこいく気?!」


姫神「ちょっとそこまで。」






姫神「…ここなら。誰も見てない。」キョロキョロ。

姫神「はぁあああ!」バッバッ!

姫神「変☆身!」バッ

姫神「たららら~ららーらららー♪」ヌギヌギ←普通に着替えてる



―――――――
―――――――――――
――――――――――――――――


~大覇星祭直後~



インデックス『「魔術師になりたい?」』

姫神『うん。』コクリ

インデックス『…どうして?』

姫神『私。今回の事で思った事がある。』


姫神『「もう足手まといはイヤ」って』


インデックス『……』

姫神『もし。私があの時戦う力があったなら。もし今後も上条くんと同じ舞台に立ててなければいけないのだとしたら。』

姫神『私は。いつまでも無力なヒロインでいるわけにはいかない。』

姫神『…お願い。私に戦う力を。』

インデックス『………いいよ。』

姫神『!ありがとう』


インデックス『…でも、あいさ。あいさは大事なモノを捨てる覚悟はある?』


―――――――――
――――――――――――――

――――――――――――――――――――



姫神「あるよ。だからこそ。あなたの指示通りに。」

姫神「術式に必要な技術を身につけるためにゲーセンに通い続けたのだから」


―――――――――――――
――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――



インデックス『えっと、ね?確かにあいさが戦えるようになれるであろう術式は、あるにはあるんだよ』

姫神『教えて。』

インデックス『…あいさ。神道、日本古事記に出てくる"天岩戸(あまのいわと)"って知ってる?』

姫神『なんとなく。聞いた事があるような。』

インデックス『かいつまんで説明するとね、ある時、天照大神(アマテラスオオミカミ)って神様が精神的ショックを受けて天岩戸ってシェルターに引き篭っちゃうの。』

インデックス『そのせいで世界から光が失われ、色んな災いが起こるようになる。
       それを八百万の神様達が協力しあって出てきてもらうって話なんだよ』

姫神『ふむ。』

インデックス『…私があいさに教えるのはね、その天岩戸の終盤、天照大神が出てくる直接の理由になった
       "天宇受賣命(アメノウズメノミコト)"の伝説を模した術式なんだよ』

姫神『アメノウズメノミコト?』

インデックス『わかりやすくいうと、芸能やコメディアン、神楽…今で言うエンターテイナーの神様なんだよ』

姫神『へぇ…。それは。使うとどうなるの?』

インデックス『端的に言うと、凄く難しい所定のステップとリズムの通りに踊れば、八百万の神様達の力を借りることができるんだよ。』

インデックス『あと、「神々を笑わせた」→「夢中にさせた」って理論で、踊っている時に術者を見ている特定の人の動きを止めたりだとか…』

インデックス『"鏡"や"矛"、"榊"を模した霊装があれば更に強力な力が使えるんだよ』

姫神『…すごい。是非教えてほしい。』

インデックス『でも、幾つか問題があるんだよ』

姫神『?』



インデックス『まず、「能力者」は魔術を使えないんだよ。いや厳密には使えないわけじゃないんだけど…』

姫神『使うと何か副作用が?』

インデックス『うん。魔術と能力は現実を歪める力を形成する回路が違うの。だから無理矢理使うと…』

姫神『使うと?』

インデックス『血管が破裂して、場合によっては一発で死ぬんだよ』

姫神『』

インデックス『…でも、この問題に関してはたぶん大丈夫。』

インデックス『"拒絶反応"が起きるのは人工的に能力開発された能力者が魔術を使用した場合。』

インデックス『能力開発を受けていないあいさみたいな「原石」なら。魔術を使える可能性があるんだよ』

インデックス『特にあいさのは"吸血殺し【ディープ・ブラッド】"っていう魔術sideに限りなく近い能力。』

インデックス『超能力…科学sideでいう"演算"ってのを使って能力制御もしてないし、どちらかと言えば"体質"って言った方が正確かも』

インデックス『だから、あいさが魔術を扱える可能性は十二分にある筈なんだよ』

姫神『…本当?じゃあ私。本物の魔法使いになれるの?』

インデックス『"魔術師"に、なんだよ。』

姫神『なら。私を魔術師にして。』

インデックス『うーん…いい、けど………』

姫神『…さっきから。歯切れが悪い。』


インデックス『うん、その、ね?これが一番の問題なんだけど、天宇受賣命の術式は、ね……?』

インデックス『天宇受賣命が天照大神を誘き出す時の舞踊をすることが発動キーなんだけど、』

姫神『うん』

インデックス『伝説ではその時、天照大神を騙すために喜びのあまり夢中で踊った(っていう設定だった)んだけど…』

インデックス『記述では、「胸元をはだけさせ乳房を露出、袴も脱げかけてて女性器を少し露出した」そうなんだよ』

インデックス『…だから、もしあいさが天宇受賣命の術式を扱うなら。その伝説になぞらえなきゃいけなくて……』

姫神『……まさか。私。局部を露出しなきゃいけないってこと…?』

インデックス『簡単に言えば。』コクン

姫神『………』

インデックス『それに。彼女の「夢中になって滑稽でメチャクチャなダンスを踊る」を再現するにあたって、相当なダンスの技量が求められるんだよ』

姫神『……』

インデックス『…日本人にとって馴染みやすい宗教で、あいさに扱えて。それなりに戦える術式、簡単で一番早く使える術式はこれしかないんだよ』

インデックス『でも。はっきり言って、凄く難しいよ。それでも。知りたい?』

姫神『……』


姫神『…教えて。もう。足手まといは。イヤ。』


インデックス『…わかったんだよ。じゃあまず――』



―――――――――――――

――――――――――
――――――――


姫神(神社神道の信仰。術式の扱い方。"戦闘服"の準備。所定のリズムとステップの記憶…)

姫神(ずっと。やってきた今までの努力は。きっと今日。この日のため。)


姫神(当麻くんと。同じ舞台に一緒に立つため!)ダッ




「助けにきたよ。当麻くん。」ニッコリ




「秋、沙」

上条当麻は宙に浮いていた。風の塊がクッションのように支えているためだ。

そして、そばには、その現象を起こしたであろうクラスメイト。

だが、助けてもらったお礼を言う前に、どうしてもツッコまずにはいられなかった。


「どうしたんだその格好」

「…言わないで…///」



姫神が着ている服はいつもより露出が激しかった。

いつもの巫女服の胸元を大きくはだけ、谷間が見える。

また、腋の下から脇腹にかけて服のパーツが分かれており、網状に紐で縛って留めているだけ故に、横乳も見えている。

肩口と袖もパーツで分かれ、網状に紐で縛って留めている。
故に姫神の白い肩と二の腕、腋が露出。

腹の部分は縦に長い菱形の穴が空いており、そこから形のいいヘソが覗く。

袴の部分は下腹部から股間ギリギリまで幅広いスリットがあり、太股の外側の布はなく。

お尻もほとんど見えていた。アイバックという奴である。

木で出来た草鞋っぽい太ハイヒールを履いていて……



一言で言うと、「スゲぇエロかった。」




そんな、かなり際どいエロエロ巫女な姫神が顔を真っ赤にして立っていたのだ。

聞かずになんていられない。


「これでも。彼女と相談して露出を極力抑えてる。//////」

「…それより。」

「…なんだ、感動の再会は終わったか?もう殺っていいのか?」

白い笑みを浮かべる天使を、巫女は睨み付けた。

「私の大事な人を。傷つけようとしたあなたは絶対に許さない。」


姫神のカラダから、魔力が迸り始める。


この日。漸く悲劇的少女(ヒロイン)は魔法使い(ヒロイン)としてヒーローと同じ舞台へ上がった。


永い間、ずっとずっと。独り努力して戦ってきた。

――その努力が漸く実を結ぶ。

待ち焦がれた檜舞台で。『神道系魔術師:姫神秋沙』は手を、足を、打ち鳴らす。





「―――覚悟して。今日の私は。ちょっと荒っぽい。」



~VS・天井亜雄~



ウートガルザロキ達が天井を発見する少し前。



(いよいよ、か。)


天井は一人、『叶え屋』の運転席でハンドルを握り締めていた。

木山とフルチューニングは既に『叶え屋』の後部に配置済みだ。


―――作戦開始まで、後50秒。



(まさか、この私が。こんな事をするとはな)


木山に熱く語り、述べた内容は全て真実であり、あり得る可能性だ。

だが。殆どは演技だった。

(…本当にやるべき、一番いい選択は…この車に引きこもったまま学園都市の壁まで最短ルートで避難する事だ)

("学園都市"も、むざむざ第二位に乗っ取られる事などしないだろう。
 いかに第二位が強くとも、必ず何か制御装置(くびわ)をつけるはずだ)

だから、学園都市が何か対策をとってくれるまで逃げればいい。

ただ、この件が終わった後で木山は何らかの形で処理されるだろう。


…現実的に言って、叶え屋で庇い続ける事もできないのだから。



だが。


(だが、私は『そういう形で諦めてしまう』というのができなかった。)


試したくなってしまった。

誰かの為に戦ってみたくなってしまった。

木山を、この街を救い。

第二位に一発食らわせ、自分の論の正しさと研究者としてのプライドをぶつけてみたくなってしまった。


…そう、これは実験だった。


『Q.天井亜雄は、全てを救えるか?』という。



かつて、借金に苦しめられていた頃の自分はこんな人格(ソフト)ではなかったと思うのだが。

(案外、これが本来の私だったのかな)


それはまた、存外子供っぽかったのだな、と一人苦笑する。


"できるかどうか。本当のことが知りたいんだ。"


"研究者"という生き物の根幹。


どうやら自分はそれすら忘れていたようだ。

この街はそれが行きすぎてしまっているが




―――作戦開始まで、後20秒。

ふと思う。もしこれが終わったら、自分はどうするつもりなのだろうかと。

(まぁ、失敗すれば死ぬだけ。成功すれば全てが助かる)



――作戦開始まで、後15秒。


無責任。無鉄砲。向こう見ず。……自分勝手過ぎる考え。



――作戦開始まで、後10秒。


(それでも)


――作戦開始まで後5秒。


(私は、知りたいんだ)




『叶え屋』の入り口…車両の後ろがバタァン!と勢いよく開かれ。

「いくよ!/return」

「ああ、よろしく頼む。」

木山を背負ったフルチューニングが飛び出す。

天井はサイドミラーでそれを確認し、ブレーキペダルから足をどけ、アクセルペダルを踏み込む。

「ふん!」

ブォオン!!!!

タイヤが高速回転を始め、走り出す。

「頼むぞ?木山、フルチューニング…!」




―――作戦、開始。






暫く車を走らせ、街の中央、『垣根帝督』達が蔓延る一画の目の前まで車を進ませる。

そして、

天井は叶え屋の運転席から出た。

そのままドアを閉め、後ろの扉も閉め。

遠くで歌が流れ出したのを確認した後に、『垣根帝督』達がいるところまで歩いていった。



「おい、なんでアイツ、"喰われ"てないんだ?」

「能力者、かもな」

「早く殺っちまおうぜ」


『垣根帝督』達が不穏な言葉を吐く。

そんな『垣根帝督』達に、天井は気さくに話しかける。

「やぁ、初めまして第二位。…少しばかり、"お痛"が過ぎたんじゃないか?」

「ああ?」

「たぶん。君はまともに怒られた経験がないのではないか?何せ、君はあまりにも子供過ぎる。」



「なんだコイツ」

「わからん。記憶にもねぇな」

「殺さね?」

「だったら、なんだってんだよ」


「だったら。ちゃんと怒ってあげよう。」

にこやかに微笑む天井。

「例え、どれだけ自分には関係のない子供だったとしても。
 逆上されて不利益を被るとしても、目の前で悪い事していたら叱ってやる。」

「若い奴の傍若無人さをキチンと叱れる。"大人"とはそういうものであるべきだ、と思うのでね」


「キメェ」

「ウゼェ」

「ッハ。その"若い奴"の方からしたらクソウゼェだけだろ、それ」


「かもな」


『♪~~~♪♪~~♪~~♪♪♪!!!!!』

遠くで流れているだけだった歌が、この付近でも流れ出した。

未元物質で覆われている街頭テレビ、緊急時用スピーカー、各店舗の店内のBGM…

街中の音楽再生機から全く同じ音楽が一斉に。

「…"来た"な」

天井はスッ…と眼を閉じ。集中する。


「ッッ?!っせーな!なんだ?急にあちこちから音楽が…?」

「もう攻撃しとくか」


『垣根帝督』の一人が翼を顕現させる。


「死ねコラ。」

ガッキィいインンンn!!

「…………………あ?」

垣根の怪訝な顔の先には。


『垣根帝督』達の攻撃を防ぐ、天井の背から伸びた白い6枚3対の翼。

それは間違いなく、『未元物質』だった。

「な、テメ、それは!」

「…さて、第一次実験は大成功、か。次の段階へ移行する」

天井の目がカッと開かれる。

そして、その瞳は真っ赤に変色していた。

"幻想御手《レベルアッパー》"使用者の証。かつての木山のように、文字通り目の色を変え。


「第二位。悪いが、この"実験"につきあってくれたまえ。」

天井が『未元物質』の翼で飛ぶ。


「っざっけんな。お断りだクソ野郎」

「知ってっか?俺にそう言った奴って、全員軒並み二度と口を開けなくなるんだぜ」

「どうやってんのかはわからねぇが、俺以外が『未元物質』のを力を振るうんじゃねぇよ」


『垣根帝督』達も飛ぶ。


「口径は65。"銃"を精製。数は7丁、弾は常時充填。」

天井が呟くと、翼からドデカイ銃7丁が現れた。

その内の一丁を手にとり、構える。

「「「んなっ?!」」」

「さあ。たんと食らうがいい。」

バァン!!!バババババババババ!!!

一斉射撃。

必死に翼で防御する『垣根帝督』達を嘲笑うかのように、天井から放たれた弾丸達はいとも容易くその翼を貫く。


「がっ?!いてぇぇえええ??!」

「ゔあ゙?!あ゙あ゙あ゙あ゙??!!」

「ひっぎ、ぐがあああ!!」



「掃射、継続!連射スピード、アップ!」

ダラララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララララ!!!!!

一片の容赦もなく、夥しい数の『未元物質』製弾丸が垣根達を粉砕していく。

向かってきた個体のみならず、地にいた垣根達にも死をバラ撒いていく。

弾丸と白い血の雨。

場は、一瞬にして地獄絵図に塗り変わっていった。






「…ふぅ。ここは粗方片付いたか」

周囲に『未元物質』製の即席ソナーを作成。

飛ばして、『垣根帝督』達の位置情報を取得していく。

ピコン。

探査情報が天井に届く。

「……ここらあたりだけで、38万人もいるのか……」

頭が痛くなる数だ。

(とにかく掃討していかなければ。これ以上増えられては困る)

ソナーから次々と送られてくる情報を脳内で処理していく。


(……?!待った!今の情報を再度表示!)

今スルーしてしまいそうになった情報をもう一度確認する。

(頼むから嘘、誤認、見間違いであってくれ!)

だが。

(………頭上には、10兆体、以上?!な、なんだそのあり得ない数字は?!ふざけてるのか?!)

思わず天を仰ぎ見るが、そこには何も見えない。

…いつもと変わらぬ青空があるだけ。


――――ではなかった。


(……?!いや、違う!"在る"!巨大な『未元物質』の塊が!)

『未元物質』の能力を有している故に、観測できてしまった。

うっすら、"力"の塊が視える。わかる。解析(わかっ)てしまう。


『隕石が落ちてきて、衝突する0.5秒前の景色がこれです』

と言われても納得できてしまう景色が。


なまじ理解できてしまうからこそ後悔する。

そして、恐ろしい。


あまりにも非現実的すぎて。




「は、……ハハハ……ははっ…。」

『嘘だろ?』『そんなバカな』と笑い飛ばすようなことが現実となった時。人は笑うしかできない。

(何かの間違いでは?いや、間違いであってくれ頼むから!)

しかし、何度確認しても。

(……とんっでも、ないな。一体どうやってこれ程の……やり遂げたのかはわからないが)

このまま地上で殲滅作戦をやっても、上で『垣根帝督』を生産されたらおしまいだ。

(いかんな。とりあえず木山達と合流し、練り直さなくては)

天井は自身が来た方へ顔を向け、飛んだ。


―――――――――――
――――――――――――――
――――――――――――――――――――



~フルチューニング回収前~


『貴女は幻想御手事件の首謀者として逮捕されたのだったな。』

『そうだね』

『実は、貴女の共感覚の論文を拝見したのだが…少し気になる事がある』

『なんだい?』

『貴女の、"一つの脳波を基軸に他者の脳波を調律する"という部分だ』

『レベルアッパーの根幹部の話かい?それが?』

『…ひょっとしたら、なんだが。貴女が考えたレベルアッパー理論は。
 「量産能力者実験」、「絶対能力進化実験」からヒントを得たのか?』

そうだ。偶然、というにはあまりにも使われ過ぎている。

"ミサカネットワーク"の技術が。

研究者が発表前の誰かの研究や論文を盗作し、先に発表してしまうというのはよくあることだが。

しかし、天井の研究と論文は暗部でのみ扱われていたはずだ。

ならば木山のインスピレーション元は。


『君もよくそんな暗部の研究と実験を知っているね。…ああそうだよ』

暗部を知る。つまりは、科学の発展のためなら人権や倫理も蹴り飛ばす真理を考究するためなら手段を選ばぬ研究員。

…木山もこの街の研究員だった、ということか。


『"天井亜雄"という研究者を知っているかい?それなりに有名で、有能な研究員なんだが』

まさか木山の口からその名を聞くとは思わなかった。

『あー…そうだな、聞いた事はある』

誤魔化した。…嘘は言ってない。

『"木原幻生"というクソジジ……ゲフン、"system"分野の元老である研究員から彼の研究データを渡されてね。』

『「君の生徒を救えるかもしれない、面白いモノがあるのだけれど」と宣っていた』

『私はそこから幻想御手を思いついたんだよ』


…なんてこった。という事は、あの事件の起因は自分ではないか

つくづく、自分の業の深さに頭が痛くなる。

これは、回り回って「自分のケツを拭け」という神様からの啓示なのだろうか。

『そうか…あー、興味があるんだが、よかったらレベルアッパーについて教えてくれないか?』

『ふむ…まぁ、構わないよ。君が「私が追われている原因かもしれない知識(りゆう)」でも欲しいというなら。』






~運転中~


『そもそも。貴女はどうやって脱獄したんだ?』

『ああ、それなんだが』

木山はいいかい、と人差し指を立て語る。

『私はちょっとしたツテがあってね。保釈金を払ってもらった上に、
 「幻想御手事件の真相は、木山春生が実験に失敗しただけ」
 ということにしてもらったんだが』

(いやどんなツテだ。どんなツテがあったらそんな事ができるんだ。)

『何故か、いつの間にか更に情報が改竄されたみたいなんだよ』

(なん……だと……?)

(木山の言う事が真であるならば。木山のツテとやらは相当大したものだ。
…だが、それほどの便宜よりも更に上?)

(たかがやらかした1研究員に一体どれほどの高次元な立場の人間が絡んでいるんだ…?)

不可解。あまりにも。

(…どうも、"幻想御手の作成技術"だけじゃないな?第二位が、学園都市が木山を狙う理由は…なんだ?)

というより。

そもそも"幻想御手"は木山が居なくとも。他の研究者でも十二分に再現可能な技術のはずだ。

(先程木山から"幻想御手"のシステム構築の話を聞いたが…アレは言ってしまえばただの"ミサカネットワーク"の応用だ)

そう。


(たった今話を聞いただけの私でも。設備さえあれば今すぐにでも再現できてしまうほどに。)


例え天井が研究員として一流のスキルを持っている事を抜きにしても。


(…重要なのは、木山じゃ、ない…?)

(黒幕が木山を再度犯罪者として牢から出したのは、第二位と接触させたかったから…なのだろうか。)

しかし。やはりそれでも。

(……ダメだ。辻褄は合わない。情報が少なすぎるというのもあるが、
 どう考えても仮に第二位と木山が接触した所で何がどうなるとも思えない)


現状で、天井には黒幕の真意はわかりかねた。



~フルチューニング回収後~


作戦概要はこうだった。

◎木山から"幻想御手"の各プログラム数値を教えてもらい、天井がフルチューニングに指示。

◎基軸脳波の数値部分を空欄にした状態の"幻想御手"プログラムを2つ作成。

◎フルチューニングが天井の脳波を読み取り、『天井を基軸にした"幻想御手"』の音声プログラムを組む。

◎また、並列して『木山の脳波を基軸にした"幻想御手"』の音声プログラムも組む。

◎そして学園都市の中央近くへ移動後、『フルチューニング、木山組』と『天井』で二手に別れる。

◎天井は更に中央へ向かい、フルチューニング達はその周囲を移動する。

◎フルチューニングは能力で高速移動しながら街頭テレビやスピーカー等をジャックしていき、『天井の脳波基軸』の"幻想御手"を街中に流して『垣根帝督』をネットワークに組み込む。

◎その後、天井が『未元物質』を行使。

◎垣根が自分の分身を作っていることから推察した、『未元物質の噴射点』を各地に作り、垣根に負荷をかけ続けながら囮になる。

(その間に『垣根帝督』をシステムダウンさせられたら僥倖。)

◎その後フルチューニングは木山を連れて跳び、天井とは逆方向へ。

◎今度は『木山を基軸にした"幻想御手"』を先程と同様に流し、その方面にいる『垣根帝督』達を『木山の"幻想御手"ネットワーク』に組み込む。


◎『天井亜雄の"幻想御手"ネットワーク』エリアと『木山春生の"幻想御手"ネットワーク』エリアを学園都市に作る。


◎そして木山も『未元物質』を行使し、『垣根帝督』に負担をかける。

◎フルチューニングは木山と共にネットワークを拡大させる。


◎これにより、『垣根帝督』のシステムを完全に落とす。


◎のちに木山と天井とフルチューニングは集結し、協力して昏睡した『垣根帝督』達を各個撃破する。



『……以上だ。何か質問は』

『はい/return』

『なんだ、フルチューニング。』

『その"幻想御手"の作成方法は機器とか要らない?全部ミサカネットワークだけでやれるんだよね?/escape』

『ああ。先程木山から聞いた分には充分再現可能だ。
 必要な情報と、プログラミング、細かい調整、ミサカネットワークでの扱い方については私と木山が教える。』


『すまない、私も質問いいかな。
 教えるのは構わないんだが…知っておきたい事がある。
 彼女は一体どういう人間なんだ?』

『ん?ああ…』


『この子は第三位のクローン。試作零号機…ミサカ0000号。通称"フルチューニング"。』


『他の"妹達"とは違い、私が個人的にプロデュースした個体だ。』

『持てる技術を全て持ち込み、なんとか能力は「欠陥電気」のLevel4まで引き上げた。』

『そして、ミサカネットワークの"総体"のインターフェースだ』

『…ふむ?』

『私は開発初期当時から…"妹達"を脳細胞代わりにした"ミサカネットワーク"そのものがいずれ、一つの大きな意思(のうみそ)を持つであろう事を見越していた』

『念のために、と"妹達"のセーフティストッパーとして妹達に強制命令を下せる"打ち止め"も用意されていたが…』

『もし、「ミサカネットワークに自我が生まれる」というそれが現実化した時。
 私はそのコントロール権限と管理は"打ち止め"だけでは不十分だと思った。』

『ふむ。』

『"総体"自体が何者かに奪取される可能性や、"総体"そのものが自由と復讐を求めての離反や…』

『"総体"が打ち止めに干渉する事ができるようになれば我々はせっかく用意した反乱防止の安全装置を失うことになる。』

『わかるだろう?「約2万人分の演算能力」と「発電能力」だぞ?
 リスクマネージメントの面からいっても
 「誰かが他の実験に利用する」、「研究対象」、「利用されてきた事への怒り」…挙げればキリがない』

『故に、その"総体"が生まれた時。何か入れ物を用意しておいて、"総体"そのものをそれに封入し管理しようとした。』

『あえてミサカネットワークから寸断し、"総体"の一部にならないよう調整。その"入れ物"として用意された自我なき個体。』


『それがこの子だ』

『はい!この子です!/return(^-^ゞビシッ!』


『残念ながら、それでもLevel5には至らない。が、限りなくLevel5に近い能力者だ』
『"総体"が完成した後、それはフルチューニングの中に強制ダウンロードされ、以後全ての意思表示はこの子から出力されるようにプログラムしておいていたんだ』

『……なるほどね。しかし驚いたな。』

『君は軽く言ったが、そのプログラムを組み、人の脳に仕込むのは並大抵の事じゃない。』

『……』

『十二分に。表でも裏でも"一流"を名乗れる技量だ。……君は、一体何者なんだい』


『……"妹達"の精神面に関しては、この世で誰よりも精通している人間。とだけ言っておくよ』


天井は、木山からの挑むような目線に対し。

手をヒラヒラと舞わせ、笑って誤魔化した。






―――――――――――――――――――
―――――――――――――――
―――――――――――


―――今頃は彼女達も向こうでやっているだろう。

しかし、想定していた以上に第二位は厄介なことをしてくれていた。

どんな魔法を使ったのかはわからないが、あれだけの規模の分身を作り、未だ地上でも分身を蠢いている。

システムダウンさせるには少々どころではないほどに足りない。

…我ながらいい案だとは思ったのだが。


「がっ?!」


突如、痛みが脇腹に走った。

「よう、猿真似野郎。さっきテメェにやられたやつをそっくりそのままぶちこんでやったぜ」

振り向けば、

「第、二位……!」

プルプル震えながら脇腹を『未元物質』で塞ぐ。

不味い。アレをもう一度やられても対応はできるが――――


「よくもやりやがったな」

「クソッタレが」

「触れた『未元物質』を自壊させる未元物質の弾丸とは、やってくれるじゃねぇか」

「しっかし、どうなってんだ?」

「おい、一部の『俺』に何か仕掛けられたみたいだぞ」

「それか。『未元物質』の噴射点になったってことか?」

「いや、それにしては」



――――数が、多すぎる。








天井はズタボロになって地面に墜ちていた。

「ゼェ、うぇ…痛い……」

『垣根帝督』達に撃墜され、地面にみっともなく這いつくばって。

ジンジンする。ぐわんぐわんする。ヒリヒリピリピリ、傷口が熱い。

…ああ、そういえば、これが『痛い』という感覚だった。

あの日撃たれてからずっと優しい世界にいたから、この感覚は随分久しぶりだ。

おかげで全く動けなくなった。演算も出来そうにない。

「ま、ここで終わりだよ。兄ちゃん。」

「足掻いて藻掻いても意味ねぇよ。数には勝てねぇ」

「この俺相手によくやった方とは思うけどな」



―――ああ、どうやら。この実験はここまでらしい。


(こんなことなら、やはり安全策をとるべきだったな)


不確定要素しかない現状では結果論であるが。


(…いや、案外これでよかったのかもしれない。)


自分は無意識に死に場所を探していただけなのかもしれなかった。



「……結局、私はヒーローみたいに決着を付ける力は、無かった訳だ。」

思わず、自嘲が零れた。


遠い昔、天井がまだ十代の頃。

"ヒーロー"を、"努力や根性があればどんな事でも成功する"と信じていた頃。

『自分にもきっとそんな力がある』と思い込んでいた。

大人になるまでに自分にはそんな力は欠片もないと認めるまで随分かかった。

8月31日。あの日一方通行に言った言葉は、かつての自分を重ねて出た言葉だった。

手で顔を覆う。

「… 無理もない。私みたいな人間は、みんな…そうだよ」

(なんで、忘れてたんだ。)

「こんなもん、なんだ」

(わかっていたはずだったのに。)

何故、またそんな夢を見た。

「…ああ…きっと、ウートくん達と関わっていたせい、だな」

(若者達の熱気や活気にあてられたんだ。)


(…それで結局、また失敗した。)


何も変わらないまま。変えられないまま。

死ぬ。

木山もフルチューニングも、居場所も守れず。

「……実験は、失敗だったな。」

第二位達が翼を振りかざす。



「願わくば。もう少し生きて、全てを救いたかったが」






「いいよー」




この場にいないハズのその軽薄そうな声を聞き、天井は痛みも忘れて思わず勢いよく起き上がった。


「がっ?!」

「うわっ?!」


金髪の女性の蹴りと、銀髪の女性の振り回す奇妙な道具が、

天井のにまとわりつく垣根達を吹き飛ばした。


そして、こちらに歩いてくる金髪の男女二人。


「よかった。よかったよ。生きてたんだね」

ホッとした顔のシギン。


―――そして。



「話は聞いた。その幻想(ゆめものがたり)を現実にしてやろうぜ。あまっち。」


ヘラヘラ笑って歩く、全てが軽薄そうなスーツの男。



「いいぜ。その願い、聞き届けた。」





ウートガルザロキ「あなたの願い、叶えます」





ニッコリ笑う彼を見て。天井は何故か、涙が出た。


本編投下終了。以下オマケ。

この秋沙ちゃんの大活躍がお気に召すかはわからないけど、やりたいようにやるます。

本当はスレタイ回収は前スレでできると思ってた。


マリアン「ベルシ、ちょっといい?」

ベルシ「どうした?」

マリアン「実は、私のパンツが盗まれちゃって」

ベルシ「なんだと……?」フルフル

マリアン(あれ?私のために怒ってくれてる?)

ベルシ「君、普段パンツ履いてたのか…!」 てっきりマッパにオーバーかと!

マリアン「そっちかよ!」ビシッ

ベルシ「わかった。よく相談してくれたな!私も全力で探そう!こんな卑劣なヤツを許してはおけない」スック

マリアン「ベルシ……!」キラキラ







〓〓『船の墓場』とある豪華客船の会議室〓〓

ベルシ「―――というわけで。」コホン。



ベルシ「今この場にいる『グレムリン』メンバー全員に聞く!」バッ

ベルシ「マリアンの黄色紐パンを盗んだのは誰だ?先生怒らないから出てきなさい」クイッ

マリアン「…」プルプル


全員(((ひっでェェェ――――――――!!!)))


※ベルシに悪気は一切ありません



ウート(バカなの?!こんなの公開処刑じゃねぇか!マリアン泣きそうになってんじゃねぇか!?)

トール(学校かよ!せめてサーチ魔術使えよ!)

シギン(最低!最低だよベルシ!)

ヘル(マリアンが可哀想。後で何かお菓子でも)

フェンリル(ギャグか?!ベルシのギャグなのかこれは?!)

ベルシ「…ふむ、出てこない、か。」

ヨルム(そりゃ仮にいても加害者も出てき辛いよ)

ロキ「あー、ベルシ。せめて、顔を伏せさせてから手を挙げさせてはいかがでございますかな?」

ベルシ「なるほど」コクリ

フレイヤ(せめて最初にやれや)

ミョルニル(ロキナイス。後でベルシは〆る)メラメラ

ベルシ「では全員顔を伏せろ。」

バッ。

ベルシ「では聞く。マリアンのパンツを盗んだ者は手をあげろ」

シーン…

ベルシ「む?いない?…では」

トール(まぁ、素直に出てくるヤツもいねぇとは思うけどよ)

ベルシ「犯人は、来てくれなかったオティヌスか…」ウーム

(((((ねぇよ)))))

ベルシ「すまないマリアン。少し待っていてくれ。必ずオティヌスを連れてきて皆の前で謝らせるからな!」

ミョルニル「ファッ?!」ガーン

マリアン「ベルシ……///」キュン

シギン(なんで?!なんでなの?!今のどこにキュンってするとこがあったの?!)

ベルシ「では、行ってき」ポロッ

マリアン「?ベルシ、何か落とし」

つ黄色紐パン

ウート「」

トール「」

シギン「」

ヘル「」

ヨルム「」

フェンリル「」

ベルシ「あ、すまないな」ヒョイ


ミョルニル『殺すわ』ガタッ

ロキ「ほっほっほ」

マリアン「えっと…ベルシ?それ私の……なんだけど」

ベルシ「何?そうなのか?すまなかった」つ

ベルシ「事件、解決だな」キリッ

ミョルニル『解決だな、じゃねーよクソッタレがぁぁああああ!!!』ビシャーアアン!!!






ミョルニル『…で?』

ベルシ「…いや、風で飛んできたから拾ったんだ。マリアンのとは知らなくて」セイザ

ミョルニル『いや相談持ちかけられたんやからそこで気づけや。
      つかなんでそれ持ち主探すか何かしなかったんだ?コラ』ガンッ

ベルシ「…いや、何か復讐に使えるかなって。なんか紐のあたりが、いいかなって」

ミョルニル『使えるかぁぁああああ!!!ナニにしか使えねーよ!!どんな復讐するつもりやねんんんん?!』ガスッガスッガスッ

ベルシ「痛い痛い」

トール(なんで関西弁なんだ)

ミョルニル『ハーッ、ハーッ…、もうええわ!はよマリアンに謝った後で盛大にジャパニーズハラキリやれや!』

ベルシ「いやそれはちょっと。やるとマジ死んぢゃうんで」サーセンッス

ミョルニル『もう死ねやぁぁああああ!!!』ビシャーアアン!!!

マリアン「だ、大丈夫!私は平気だし、わけがわからないベルシも素敵だよ!」


シギン「…悪趣味、と『助言』しておこう」




※後日、オティヌスがベルシにウイスキー飲ましてたことが発覚しました



○月×日。

今日はロキじいとチェスをした。

ロキじいは強かった。

一回も勝てなかった。


○月∈日。

今日は皆が酒盛りをしていた。

ウートガルザロキとフェンリル、トールとシギン、マリアンとミョルニルとヘルとリーダーで。

俺はまだ若いから参加すんのはやめとけとフェンリルに断られた。

いつか俺も参加して、皆と尻出して踊るトールにネギを挿したい。

○月∀日。

今日はフレイヤが「つわりが辛い…」とこぼしてたから背中を擦ってやっていた。

妊婦って大変なんだな。

「バケツ二杯分の水を抱えてるのと同じくらいの重さをずっと腹に抱えてるんだぜ」

って、ウートガルザロキが教えてくれた。


へー。



○月@日。


今日はミョルニルとオセロやった。

途中からシギンが来て、

「あ、そこに置けば角全部とれるよ」

と『助言』してきた。

でも俺は自分の力で勝ちたかったから、無視した。

シギンが隅っこでいじけてた。


……負けた。


○月∂日。

今日は仕事だった。

リーダーが「グレムリンに仇なす奴を潰せ」と指示してきたから。

めんどくさかったけど『毒の息』で一発だった。

こういうのはトールに任せればいいのに。


○月△日。

ベルシが「何か復讐に使える魔術はないか」と聞いてきた。

そーいうのはマリアンに聞けよって言ったら、

「マリアンに聞いたら、『いいよ…教えてアゲル』って言って押し倒された」

って言われた。


痴女かよ。


○月◎日。

皆でバーベキューした。

煙とかでアジトの場所バレるんじゃないかと心配だったけど、
リーダーが何やら特別な術式を使ってるらしい。

リーダースゲー。

肉も野菜も美味かった。

トールがまた尻を出してたので、今度は俺も皆と鉄串を挿した。

楽しかった。



『グレムリンのメンバーは皆仲良し、という事が伝わってきました。
 とても楽しく書けていますね。

 皆といつまでも仲良くしていてください。花丸!』



ヨルム「うわぁああああん!!誰だよ!隠してた俺の絵日記に感想と花丸つけたのはぁあああぁあああ!!!」ウワァアアン!!


※犯人はトールでした。

オマケ終わり。では。



ごっめーん!待った~?(みこっちゃん風に)


結局、これはホワイトデー番外編。

この番外編は本編とは全く関係がないってわけよ!




〓〓3月12日上条宅〓〓


トール上条「「ごめん、インデックス。ちょっと男同士で話すから出ててもらえるか?」」ニコッ

インデックス「ユニゾンでひっでぇんだよちくしょうなんだよ」グス

トール「悪いな。ほら、一万円あげるからこれで好きなモン食ってきな」つ

インデックス「トール大好きなんだよ!」






トール「……なるほどなるほど。上条ちゃんは姫神ちゃんとサローニャに告られた、と」

トール「……んで?」

上条「俺、どうしたらいいと思う?」

トール「…いや、そりゃ上条ちゃんが好きな方と付き合えばいいんじゃね?」

上条「いやそう言うけどさぁ…」

トール「…羨ましいねぇ、俺はどうやったって誰かとそういう関係にはなれないっつーのによー」ふー

上条「?そんなことは」

トール「まぁ、俺のことはいいんだ。…じゃ、とりあえず上条ちゃんの気持ちを整理してみようぜ」




トール「上条ちゃん、正直に答えてみてくれ。言いづらいことは言わなくていい。」

トール「まず、サローニャ=A=イリヴィカについてだ。」



トール「…上条ちゃん。お前はサローニャという娘についてどう思う?」

上条「……」


上条「可愛い子、かな」

上条「『本当に俺の事を好きなんだな』って感じさせてくれる子で。」

上条「一緒にいて楽しくて。自分が本当に好きだと思ったことには脇目もふらずに一直線で一生懸命で。」

上条「色々な見地から客観的に見れる子で――」

上条「もし一緒に戦う事があっても頼りになりそうだな」

上条「あとは……なんか、きゃわきゃわしてるとことかは可愛いと思う」

トール「ほー。(最後はよくわからんが)」




トール「じゃ、姫神ちゃんは?」


上条「姫神は…」


上条「一緒にいると落ち着く、かな。」

上条「上条さんの回りが結構アクティブでアグレッシブな子ばっかりだからかもしれないけど…
   一緒にいるとホッとする。」

上条「後は…おしとやかで家庭的。たまに『魔法の~』とか言って無理に目立とうとしてる時があるけど」

上条「無理せずそのままの素敵な君でいてくださいって思う」

トール「ふーん(最後のやつは直接言ってあげろよ)」




トール「今、上条ちゃんから二人の印象を聞いたけどよ」

上条「うん」

トール「ひょっとして、上条ちゃんの中ではもう答え出てんじゃないの?」

上条「……!」

トール「なら、俺から言えることは何にもねぇよ。」ニヤ


トール「上条ちゃんの気持ち、ちゃんと伝えてこい」

上条「……ああ!」




トール「…ん?」

トール「そういやお前、雲川先輩にも告られてなかった?」

上条「? ああ、アレは先輩のただの冗談だろ」ケラケラ

トール(oh…先輩報われねーなーおい)

上条「まぁ、嫌いとかじゃないけど…俺は先輩のことあんまり知らないから。」

上条「仮に本当に言われてもちょっと困る、かな」ハハハ

トール「…へー」



トール(…後で土御門に連絡しとかねーとな)






トール「ところで上条ちゃんはホワイトデーで何を渡すんだ?」

上条「へ?いや、クッキーでも渡そうかと思ってるけど」

トール「……甘いな。」

上条「え」

トール「こんな話を知ってるか?上条ちゃん。」


トール「ホワイトデーでのお返しで、普通に返したつもりなのに、女に『ガッカリした』って思われるケースがたくさんあるってことをな!」


上条「な!そうなのか?!」



トール「ここにアンケートがあるんだが…」スッ

上条「え、いつやったの」

トール「まず、多くの女性が『ガッカリした』と答えたのは“値段が見合っていない”お返し。」

上条「?」

トール「『2000円くらいするチョコをあげたのに、お返しがスーパーで売ってる1000円以下のお菓子でガッカリなのですよ…』(××歳・教師)、」

トール「『上司に1000円近いチョコをあげたのに、お菓子の箱詰めから1つだけ渡された』(22歳・猟犬部隊所属)とかな」

上条「それは酷いな」コクン

トール「…とまぁ、自分があげたチョコよりもあきらかに安いお返しには納得いかないという女性が多い」

トール「バレンタインチョコってのは、小さくて安く見えても、実は想像以上に値が張るものなんだぜ?」

上条「へー」

トール「お返しを選ぶときは、まずもらったチョコの値段を知るところから始めた方がいい。
    既製品でも包装紙とか社名検索すれば出るしな。」



トール「また、『手作りで手間をかけたのにお返しがボールペンだった』(22歳・猟犬部隊所属)と…
    “労力に見合わないお返し”もガッカリするという意見もあるぜ」

上条「猟犬部隊所属の女性って皆可哀想だな」

トール「でも、高ければいいというわけでもなさそうなんだよな。」

トール「『はまづらから高価なネックレスをもらったけど趣味じゃなかった』(16歳・アイテム所属)、」

トール「『超欲しくないマフラーをもらって超ガッカリです。値段的にはあげたチョコより超高そうでしたが」(13歳・アイテム所属)」

トール「――と、その人の好みでなければガッカリ度は増すみてぇだな」

上条「そのあげた男も可哀想だよな」ハハハ

トール「他にもあるが、統計的に見ると衣服類やアクセなんかの趣味が分かれるやつは、例え高いブランドもんでも避けた方がいいな」

上条「どっちみち上条さんには買えなさそうだけどな」

トール「『高いものを買うなら一緒に買いに行って選ばせてほしいわね』(18歳・アイテム所属)」

トール「なんて言う人もいたし…相手に聞くのが一番無難なのかもな」

上条「…なんかさっきから聞く人の所属すごく偏ってないか?」


トール「他にも、男からしたら『鉄板だ』と思うお返しも女性にとってはガッカリだったというのもあるな。」

上条「へー?」

トール「例えば、定番と思われているハンカチなんかは」


トール「『ずっと家にいるからそんなに使わないし…』(22歳・無職)、」

トール「『ハンカチなんて自分が持ってるもので充分じゃんよ。
    メインのお返しにされてもぶっちゃけ『う、うん…』って感じじゃん?』(22歳・教師)
    という厳しい意見もあるぜ」

上条「おい前者」

トール「更に、女子ウケ抜群だと思っていたバスグッズなんかも『well…色んな人にもらうから家に沢山ありすぎて困るわ』(16歳・研究者)とか」

上条「結構人によるんだな」


トール「ああ。後は…職場や学校で使えそうなかわいい付箋やクリップなんかのオサレ文房具も『意外と仕事で必要ないわね』(80歳・医者)」

上条「80才?」

トール「女性は喜ぶイメージがある花束も『枯れるし、邪魔だね☆』(0歳・無職)と撃沈…。」ヤレヤレ

上条「0才?」

トール「では、"手紙"は? と聞いてみると『ぶっちゃけ重い。ってミサカはミサカはドン引きしてみたり』(3歳・無職)」

上条「3才?」

トール「『にゃあ。大体、物も一緒にほしい』(12歳・小学生)と、なんとも現実的な意見が!」

上条「聞く年齢層極端過ぎね?」




トール「…総合すると…ガッカリされないお返しは、
    『もらったチョコの値段や、作るための労力に見合った、相手の趣味に合うちょっと珍しいもの』
    じゃなきゃダメってことだな」

上条「は、ハードル高ぇ……」

トール「ちなみに、『いくらくらいのお返しが理想的?』って質問に対し、『5000円くらい』という答えが」

上条「」

トール「後は、『香水』『本』『イルカのぬいぐるみ』『メイク用品』なんかもあったが…これらは個人で異なる感じか」

上条「お返しって、難しいな…」ウーム




トール(ちなみにこのアンケートはmobile R25、トリビアのR25コラムを参考にしたぜ)キリッ



〓〓3月14日学園都市某所〓〓


オッレルス「さて。」チラッ

フィアンマ「ああ。」コクン



オレフィア「「報復だ」」





フィアンマ「俺様達の『チョコほすぃ』という純粋な気持ちを踏みにじったシルビアには天罰を」

オッレルス「長い間、二人三脚でやってきた私にすらチョコをくれなかったシルビアには裁きを」

フィアンマ「なぁ。どうしてくれようか、オッレルス?」(悪党顔)

オッレルス「よし、彼女の服のボタンを一個だけ千切る」(企み顔)

オッレルス「しかも、服の丁度真ん中のボタンだ……但し、胸元ではなくお腹の辺りだ」(愉悦顔)

フィアンマ「おやおや…それはあまりにも間抜けに見えてしまうだろうなぁ……胸元では下着が見えてしまうかもしれんからなぁ」(愉悦顔)



オレフィア「「ハーッハッハッハーッハッハッ!!!」」



シルビア「……」



バードウェイ「…あいつらはコントをやっているのか?それとも真にバカなのか?」ヒソヒソ

ブリュンヒルド「後者だろ。しかし仲いいな」ヒソヒソ








シルビア「……で?」パンパン

フィアンマ「いや、なんか、悔しかったから……」←亀甲縛り+オン・ザ・三角木馬

オッレルス「いや、酷いイタズラの仕返しくらい」←亀甲縛り+オン・ザ・三角木馬

シルビア「私さぁ。コソコソしたりみみっちいことされるの大嫌いなんだよ」

シルビア「だからやり返したの。アンタ達があんなくだらない小芝居やらなきゃちゃんとあげたわ」つ鞭ピシーン!ピシーン!

フィアンマ「ひぎぃん!」

オッレルス「あひぃん!」

シルビア「しかも何?私の服の…なにをするつもりだったんだっけ?」鞭グリグリ

オッレルス「ボタン、を…っ!」ハァハァ

シルビア「ちゃんと喋りな」ピシーン!

オッレルス「あはぁん?!」ハァハァハァハァ


バードウェイ「…おい、SMプレイが始まったんだが」

ブリュンヒルド「知らん私に振るな。もうあれが彼等のコミュニケーションと取るべきじゃないか?」




シルビア「ほらほら!そんなに欲しいなら、ちゃんと
    『今からでもいいから、シルビアからのバレンタインチョコが欲しいです』
     っていいな!」ピシーン!

フィアンマ「あはぁん!?…くっ、俺様にも男のプライドがある!
      口が裂けても女性にねだる真似はしないっ!」キリッ


ブリュンヒルド「今までのアレとか、あの体勢と格好でも男のプライドってなくならないものなんだな」





オッレルス「………………………」ハァハァ

フィアンマ「くっ、耐えてみせる」ゼェハァ


フィアンマ「なんとか逃げ出す隙を…」ゼェハァ

オッレルス「……………………………」ゼェハァ


オッレルス「フィアンマ」ハァハァ

フィアンマ「?なんだ?」ハァハァ


オッレルス「すまない」

フィアンマ「? 何を」



オッレルス「『今からでもいいから、シルビアからのバレンタインチョコが欲しいです』!」くわわっ!


バードウェイ「お、遂に屈したぞ」

ブリュンヒルド「いや、終わらせるつもりなんだろう。このままでは何も変わらなかっただろうしな」


フィアンマ「オッレルス……!お前、俺様を庇ってっ!」グスッ

オッレルス「…まさか。俺はただ、助かりたいだけだよ」フッ…


シルビア「ふぅん……」


シルビア「じゃ、最初におねだりできたオッレルスに『ご褒美』あげるよ」つチョコ


オレフィア「「え?」」




シルビア「…あむ。」モグ

シルビア「…むぐむぐ」クイッ…

オッレルス「?俺の顎を持ち上げて何を」


シルビア「ん……」チュ…


フィアンマ「 」

バードウェイ「 」

ブリュンヒルド「 」


オッレルス「?!むぐ、あ…ふ……!…う…!」


シルビア「…」じゅるちゅばレロれぉえぉズルルピュちゅっ


シルビア「はい。遅くなってごめん」

オッレルス「」チーン!


フィアンマ「」

ブリュンヒルド「」

バードウェイ「///////」


シルビア「さて、オッレルス。ちょっと来な」ズルズル

オッレルス「」

パタン。

バードウェイ「」

フィアンマ「」

ブリュンヒルド「」




〓〓寝室〓〓



シルビア「ふん」ポイッ

オッレルス「うわっ」ドサッ

ギシッ…

シルビア「…ねぇ、オッレルス。」ノシ…

オッレルス「何、を……?!」

シルビア「…」ギチチチ…

オッレルス「い、痛いよシルビア!押さえつけないでくれ!万力で絞められてるみたいだ!」


シルビア「……私さぁ、最近のあんたが気に入らなかったのよ」


オッレルス「……?」

シルビア「いっっつもフィアンマとベッタリで仲良くってさぁ、私にかまってくれなくなっちゃったしさぁ?」ツツー…

オッレルス「ふぇ?」

シルビア「『アイツたぶん、今までああいう友達が居なかったんだろうから』って思って、いい子にしてたのにさぁ……?」サワサワ

オッレルス「し、シルビア?服の中に手は…っ、どこ触って、って顔が近」

シルビア「あんたを理解してあげられるのは私だけだろ?あんたの傍にずっといたのは私だったろ?」
シルビア「あんたみたいな根暗でお人好しのバカは私が見てなきゃダメだろ?私以外に気を許しちゃダメだろ?ねぇ?ねぇ?ねぇ?」

オッレルス「し、シルビっ」





シルビア「オッレルスは私のモノでしょ?」(レイプ目)





オッレルス(どうしてこうなった)




\「エ?イヤァアアアア!ムカナイデッ、ウ、ウワァァアア!!!」/



フィアンマ「……」

ブリュンヒルド「……」

バードウェイ「………」


フィアンマ「俺様、後5年くらいはバレンタインいいや」

バードウェイ「奇遇だな。私もだ」

ブリュンヒルド「…黙祷」




\「ダメッ!ヤメテッ!シルビア?!チョ、イヤァアアアア!!!アンッアンッ!」/






〓〓3月14日『アイテム』のルームシェア先・黒夜の部屋〓〓


シルバークロース「…………」



シルクロ(黒夜にホワイトデーのプレゼントを渡しに来たんだが)



黒夜「//////」ギュゥゥウ!

シルクロ「…………」

黒夜「んん~///」スリスリモフモフ

シルクロ「………」

黒夜「ンほォォォっ!か、か、可愛いよォ……/////」ハァハァモフモフ!

黒夜「ハァハァ…ギャハッ…アっハハ、ヒャハハハハハアアアhッハははハはアハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ !!//////」スリスリスリスリスリスリスリスリ

黒夜「ウェッヒヒハハ!!////」ポーン!ポーン!

シルクロ「…気に入って貰えたようで何よりだ」

黒夜「は!?ハァ?!べ、別に気に入ってなンかねェよォ?!/////」モフモフモフモフ!

黒夜「だけど!ホワイトデーのお返しに『イルカのふわふわぬいぐるみ』を選んだお前のセンスは認めてやるよォ!///////」モフモフモフモフモフモフモフモフ♪

シルクロ「そうか」

黒夜「た、たまンねェよォ…このふわふわ感がよォ……/////」モフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフモフ♪

シルクロ(……あのイルカのぬいぐるみ、普通に市販の奴を買ったつもりだったが…)

黒夜「らめぇ!可愛いしゅぎるのぉ~/////」モフモフモフモフ

シルクロ(…ヤバい薬物とか使われてないよな?)

黒夜「はァァ~~ン/////」モニュモニュモニュモフモフモフモフモフモフスリスリ♪

黒夜「ウエッヒヒヒヒ!!!////」ペロペロ



シルクロ(…このまま落ち着かなかったら第7学区の病院に運ぶか)




〓〓3月14日『叶え屋』〓〓


天井(拝啓、田舎に残してきた父さん母さん。お元気ですか?亜雄です。)

天井(突然ですが)



シギン「もうっ////ダメだよウートガルザロキ。」

ウート「えー?なんだよー腰に手を回すくらいいーじゃんかー」ヘラヘラ



天井(職場から私の居場所が完全消滅しました)



ウート「でもさぁ俺、シギンと離れたくねぇんだよねー」ダキヨセ

シギン「あ……ん、ダメだよウートガルザロキ。私そこは弱い。弱いの知ってるでしょ……?////」


天井(ちなみに今は客待ち中です。)

天井(最近は客が来てくれることだけが唯一の救いです)

天井(はじめてのホワイトデーのお返しに、シギンにはお高いプリンを渡しましたが
   『あ、ありがとう』で終わりました)

天井(バレンタインにナニがあったのでしょうか)



シギン「ん、ちゅ」

ウート「ん…」


天井(なぜ私は同僚のオフィスラブを見せつけられているのだろうか)

天井(しかし仲が険悪になりそうなので私は何も言えん。)くっ

天井(誰かァァァァァァァ!!頼む!誰でもいいから、このピンクな空気を破壊してェェェェェェ?!)



バタン!


ベイロープ「呼んだかしら?私(すくい)を!」ニッ


天井「ベイロープさん!!」パァア


シギン「ん…?///」

ウート「あれ?ベルちゃんじゃん。久しぶりー」フリフリ







ベイロープ「へー、ウートくんとつきあってんだー
     (副声音:サラリと抜け駆けして…ふざけんな)」ニコニコ

シギン「うん。そうなの。そうなんだよね
   (副声音:ざまぁ。ほら、私が勝ちで決まったんだから早く帰れ)」ニコニコ

ベイロープ「よかったわね。あ、私ウートくんに会いに来たんだけど…ほら『あの件』で
      (副声音:あーら?あなたは知らない…私と彼だけの秘密があるって知ってるかしら?)」

シギン「あの件?ちゃんと言ってくれないとわからない。わからないよ?
    (副声音:それが何かは確かに知らないけど、理由言わなきゃ貸さないからね?)」

ベイロープ「ごめん、これはナイショなの。」ゴメンネ?

シギン「ううん、そっかぁ…」


ベイロープ「うふふふふ♪」

シギン「あははははは♪」




天井(女性の表裏ある会話怖い……なんかもうお腹痛い)キリキリ




※その日、ベイロープさんは『叶え屋』にお泊まり。
 天井くんは一晩でストレスで胃がやられました



〓〓3月14日とある高校〓〓



雲川「ふっふっふ…」

雲川「バレンタインは失敗したが、ホワイトデーは抜かりはないのだけど」フハハハ

雲川「今朝、上条の下駄箱に、この隠し部屋への地図と
   『放課後にここに来るように』と書いた手紙を入れておいたのだけど!」ガッ!

雲川「これで誰にも邪魔されず、放課後に上条とお返しを食べられるというわけなのだけど!?」ハーッハッハッハ!!!


雲川 月「ニア、僕の勝ちだ」ニタァ






土御門(……甘いな、雲川芹亜。お前は一つ見落としていた。
    それは、オレ達の友情の厚さだ!)

トール(悪いな、雲川芹亜。俺は上条ちゃんの味方なんだ。
    上条ちゃんが望まない関係はシャットダウンさせてもらう)

青ピ(チョロいな、雲川芹亜。でも勘違いせんといてや?
   ボクはカミやんがモテるのが気に食わんだけや)


青ピ土御門トール(((状況、開始!)))


[上条]の下駄箱


土御門「……」つ[上条]ハズシ


[  ]の下駄箱


土御門「……」つ[鎌知]スッ


[鎌知]の下駄箱


土御門(ミッション、コンプリート!)サッ

トール「…」コクン!

青ピ「…」コクン!

青ピ(! カミやん来たで!)



上条「あー♪なんでいーつも♪危険値大好調ぉ?♪あー♪逃げるまーえに♪悪夢がやぁってくる♪」

上条「さてと…あれ?俺の下駄箱の位置が変わって?」

青ピ「あ、あんなカミやん。なんか知らんけど、カミやんの場所と鎌知くんの場所が変わっとったらしいで」

上条「?そーなのか?」

青ピ「ほら、出席番号も鎌知と上条やったら鎌知が最初やろ?間違えっとったんやって」

上条「へー」

トール「おい、早くしろよ上条ちゃん」

上条「あ、わりぃ!」

トール「…」グ

青ピ(トラトラトラ!)サッサッサッ!

土御門「……」コク!




雲川「んー…クロッチオープンはやりすぎか…?しかし、ノーブラで」ブツブツ





上条「なんか先輩が今日居なかったから先輩の机にちょっと高いクッキー入れといた」スタスタ

トール「ふーん」スタスタ



※後日、雲川先輩はちょっと寂しそうにクッキーをかじっていたそうです







上条「吹寄、はい。ホワイトデーの」

吹寄「ありがと。…へぇ?健康チョコ?」

上条「ああ、吹寄そういうの好きだろ?」

吹寄「まぁね。いいお返しをありがとう」ニコッ


上条「姫神。」


姫神「?」クルッ




上条「ちょっと、いいか?」




〓〓とある高校:屋上〓〓



上条「悪いな秋沙。呼び出しちゃって」

姫神「ううん。大丈夫だよ当麻くん。」

姫神「……それで。何かな?」


上条「バレンタインの返事をしようと思うんだ」


姫神「………」

上条「…ごめん。」

姫神「…」ピク


上条「俺、他に好きな子がいるんだ」


上条「姫神のことも好きだけど…俺、その子の事が」

上条「……だから、俺は秋沙とは付き合えない」

姫神「…そう。」

上条「でも、いい友達でいような」



姫神「……………うん。そうだね。」ニコッ







姫神「…………誰。」

ガサッ

吹寄「あの、聞く気はなかったのだけど……」

姫神「うん。いいよ。別に。」フルフル

吹寄「姫神さん…」スッ…

姫神「…吹寄さん」ギュ

姫神「う、う……」

姫神「ぐすっ…ひぐっ……ううっ……」エグエグ

姫神「私。フラレた。……ぐすっ。」

吹寄「…」ポンポン

姫神「…吹寄さん。今日はカラオケに付き合って。」グスッグスッ

吹寄「はいはい。」ポンポン








〓〓カラオケ〓〓



姫神「…てよ♪ごいずる…♪フォー…ヂュンクぅッキぃ♪」

姫神「未来は……えぐっ。ぐすっ。ひっく。」

姫神「ヘヘイ。ヘ~イ…♪」グスッグスッ


吹寄(後にも先にも。こんな悲哀に満ちたフォーチュンクッキーを聞いたのはこの時だけだった)




姫神「ヘヘイ。ヘ~イ♪」グスッ




〓〓放課後とある公園〓〓



サローニャ「やっほー、上条ちゃん。」フリフリ

上条「よ」フリフリ







サローニャ「もー。上条ちゃんも人が悪いよ!『どうしても今から会いたい』なんてさぁ?」テクテク

サローニャ「…そんな風に言われたら、ちょっと期待しちゃうじゃんか…///」テクテク

上条(可愛い)テクテク

サローニャ「…ねぇ、わかる?サローニャちゃんもうさっきからドキドキが止まらないんだよ?」ソッ

上条(なっ?俺の手がサローニャの胸元に?!)

サローニャ「えへ…///どう?すっごぉく、ドキドキしてるでしょ?」ドッドッドッ…


サローニャ「サローニャちゃんは上条ちゃん一緒にといるだけで、こんなんなっちゃうんだよ?///」エヘヘ…///

上条「////」

上条(ああ、やっぱり俺は……)



上条「サローニャ。聞いてほしいことがあるんだ。」



サローニャ「……うん。なぁに?」ニコ



上条「この前の…バレンタインの、告白の返事…なんだけどっ…///」ドッドッドッ

サローニャ「…うん」

上条「俺、そのっ……すっげぇ、嬉しくて……っ!////」ドッドッ

サローニャ「うん。」


上条「俺もっ、////」ドッドッ


上条「サローニャの事が大好きだ!////」



上条「俺でよかったら!付き合ってくださいッッ!/////」





「…………」


上条「………?//」ドッドッドッ

上条(え?なんで黙ってるんだ?)ドッドッドッ

上条(まさか、『やっぱり嫌』とか?)ドッドッドッ

上条(なんで……?)チラッ





サローニャ「/////////////」カー////////




上条(すごい、顔真っ赤だ)

サローニャ「ぅん…////」コクン

上条「!」

サローニャ「…」トコトコ

サローニャ「///」ポスッ。

上条(俺の、腕の中に…)

サローニャ「ん……///」スリ

上条(俺の背中に手を回して、しっかり抱きしめてきた)

サローニャ「上条ちゃん。」

上条「なんだ…?」ギュ


サローニャ「…本当に、私とつきあってくれるの?///」

上条「ああ」

サローニャ「そっかぁ……/////」

サローニャ「えへ。///へへ。///」ギュゥ。

サローニャ「~~////」ポフン!

上条「?!ど、どうしたんだ?急に胸に顔埋めて」アセアセ

サローニャ「…だめ。今の私の顔みにゃいで」ギュゥゥ。

上条「?」

サローニャ「…い、今っ!わらしっ、すっごぉい、にやけててっ!わたし、変なかおになっちゃってるからっ!/////」モフ

上条「///」ギュ


サローニャ「ねぇ、上条ちゃん。」

上条「ん?なんだ?///」ニコ

サローニャ「すき。///」

上条「ああ…俺もだ//」ギュ

サローニャ「だいすき/////」キュ

上条「…ああ//」

サローニャ「すっごくっ!大好きっ!////」ギュゥゥウ

上条「うん…////」

サローニャ「ああダメ!もうっ、何回言っても足りないのっ!///」パッ




サローニャ「上条ちゃんだいすきっ!/////」




ちう!





上条(ああ………幸福、だ)






〓〓とある公園:物陰〓〓








御坂「 」ごぶっ……←諦めきれなくて上条さん探して告白しにきたみこっちゃん


御坂「」ドサッ…



御坂「」ビクンッビクンッ……


御坂「」チーン



黒子「お、お姉さま?!大丈夫ですの?!」ヒュン!

御坂「………」




御坂「………もう、黒子でいっか……」(レイプ目)

黒子「何がですの?!」ガーン!




〓〓サローニャのマンション〓〓



上条(サローニャに『私の部屋に来ない?』って誘われて、来てしまった)

ガチャ。

サローニャ「あ、そういえば上条ちゃんって、この部屋に入るのクリパ以来なんだね」

上条「あ、そういやそうだな」

サローニャ「だよねぇ。あ、はい。コーヒーちゃんだよ」つ⊂□

上条「サンキュ。」

サローニャ「よいしょ。上条ちゃんの隣ぃー♪」トスン。

上条「//」

サローニャ「えい。」ニギ

上条(う、ぁ…恋人繋ぎされた///)

サローニャ「…あのね。これからはいっぱい、ここに来てほしいな…////」コテン

上条(もたれかかられた///)クピ

上条「うん。///」


サローニャ「…あのね。これからはいっぱい、ここに来てほしいな…////」コテン

上条(もたれかかられた///)クピ

サローニャ「…いっぱい、お喋りちゃんしようね///」

上条「うん。いっぱい話そう」

サローニャ「…いっぱい、ギュってしてね?///」

上条「ああ、いっぱい抱きしめるよ」

サローニャ「…いっぱい、デートしようね?///」

上条「うん。色んなトコ行こうな」

サローニャ「…いっぱい、キスしようね?////」

上条「あ、ああ///」

サローニャ「ふふっ…///」

サローニャ「じゃぁあ。さっそくしてほしいかな///」ススッ

上条「!」ドキッ


サローニャ「ん」

上条(目を瞑ってキス待ち体勢…////)

サローニャ「……」ト゚キト゚キ

上条(…サローニャって可愛い顔してるよな…綺麗だし、髪がシャラシャラしてるし)コト

上条(ホント、キスしたくなるっていうか)スッ

上条「ん…///」

サローニャ「んっ……ちゅ…//」

上条(柔らかくて、あったかい)

サローニャ「ちゅ…んっ……ふ、ちゅ…///」

サローニャ「ぷあっ…」

サローニャ「…ねぇ、上条ちゃん…///」グイッ

上条「おわっ?」


トサ。


サローニャ「んしょ。」ノシカカリ

サローニャ「…ごめんね?急に押し倒しちゃって。」ギュ

上条(サローニャに覆い被さられて…密着してる…サローニャのカラダ、すごい柔らかい)ドキドキ

上条「いいよ、うん」

サローニャ「私…もっと上条ちゃんといっぱいキスしたいの////」

上条「///」

サローニャ「もう、我慢できないの…」


サローニャ「いい?///」ウル








サローニャ「ん、ちゅ……は、あぷ。は…んちゅ、ぱ…」チュ…パレロ、リュロ…

上条「ん、ぷぁ…ふ……っちゅ……」

サローニャ「はっ、はっ…ちゅ、ちゅ…」

上条「さ、サローニャ…ぁぷ…」

上条(さっきとは全然違うキスだ……すごく激しっ、くて…!)

サローニャ「い、や…なんっ…でぇ?んちゅ、上条ちゃんとの…ちゅ…キス、やめられないよぅ…れろ…///」

サローニャ「ごめんね?上条ちゃん…ちゅ……あともうしばらく、…ちゅぱ……私とキス、して……?…んちゅ…」




上条(あ、ヤバイ。このキス、クセになりそう)






上条(気づいたら、すげー長い間キスしてた……///)

サローニャ「ふぇへへ。///いーっぱい、キスしちゃったね!上条ちゃん!////」ギュー
上条「今更なんだけど、なんかちょっと恥ずかしくなってきたな…//」

サローニャ「ねー、上条ちゃん」

上条「ん?なんだ?」ナデナデ

サローニャ「私、…できればでいいんだけど。デートは週に二回以上で…キスは毎日したいなー?」

上条「ん。いいよ」

サローニャ「ほんと?嘘ついたらダメダメちゃんなんだよ?」

上条「おう、上条さんは嘘つきませんことよ?」

サローニャ「嬉しい…///」


上条「……あ、そろそろ帰らないと…」

サローニャ「え……もう、帰っちゃうの?」ショボン

上条「う…」

サローニャ「うう…今日はもう上条ちゃんに一緒にいれないなんて辛いなぁ…」

上条「ごめんな」ナデナデ

サローニャ「…もぉ!上条ちゃんは酷いよ!私をこんなに惚れさせるなんて!」ギュウ!

サローニャ「…私、もう上条ちゃんが側にいてくれないと生きられなくなっちゃったじゃんかぁ…!」ギュゥウ…

上条「ご、ごめんな」ナデナデ

サローニャ「もー」ぷくぅ

上条(可愛い)ジー

サローニャ「…ダメだよぉ…上条ちゃん…そんなに見つめられたら、またキスしたくなっちゃうじゃんかぁ…」








上条「…じゃ俺、帰るな」ガチャ

サローニャ「…うん、また明日ね」フリフリ

上条「…ん?」

サローニャ「…」キュ

上条「……」

サローニャ「……」

上条「…サローニャー?服の裾を握られてると上条さん帰れないんだけど?」クスクス

サローニャ「うう…だぁってぇ…今日はもう上条ちゃんに会えないって思うと辛いよぅ…」ウルウル

上条「…あー、じゃあ、帰ったら電話するからさ」ナデナデ

サローニャ「…うん…////」スッ







ちゅ。







〓〓3月14日上条宅〓〓


カッチコッチカッチコッチ。


インデックス「…とうま遅いね」

トール「だなー」

トール(『姫神とサローニャには、"俺の気持ち"をお返しする』って言ってたが)

トール(…うまくいったみてぇだな、上条ちゃん。バッチリ決めてこいよ)ニッ



トール「あ、インちゃん。上条ちゃんがインデックスにお返しって、冷蔵庫にホワイトチョコクッキーがいっぱいあるから」

インデックス「いやっほーい!」ダッ


トール(けどよ、)フッ…



トール(俺にはお返しねーのかよー上条ちゃんよー( ;∀;))




~お返しに失敗した男達の悲歌《エレジー》~


〓〓3月15日あまたンち〓〓




一方「……」ドヨーン

浜面「……」ドヨーン

絶対「……」ドヨーン


木原(数多)「…オイ、テメェら何で俺ん家にいやがる」



一方「いや、家の人が入れてくれたし…逃げ込めそうな所がここくらいしか…」ドヨーン

浜面「便乗っす…」ドヨーン

絶対「同じくっす」ドヨーン

木原「知るか。ここはテメェらの溜まり場じゃねぇんだよ帰れ」

一方「話聞いてくれたら帰る」

絶対浜面「「同じく」」

木原「しね」

一方「頼む、スタバ仕込みのコーヒー淹れてやるからよォ」

木原「……ハァ。わーったわーった。但し、その一杯分だけだからな」







コポコポコポコポコポ………


木原「…んで?」ウメェ

一方「ホワイトデーのお返しに…去年と同じように黄泉川と芳川、番外個体、打ち止めに渡したンだが、引かれてた」ドヨーン

浜面「アイテムメンバーとフレメアに、去年と同じようにホワイトデーのお返し渡してガッカリされてた」ドヨーン

絶対「客に去年と同じようにホワイトデーのお返し渡して笑われてた」ドヨーン

木原「ほー。何渡したんだよ」ズズー

一方「黄泉川と芳川にはハンカチ、番外個体に花束、打ち止めに手紙とプリン」

浜面「滝壺に高いネックレス、絹旗にマフラー、フレメアにレターセットと手紙」

絶対「可愛い文房具」

木原「? あんだよ、結構まともじゃねぇか。」ズズー



木原「手紙以外。」

一方「?!」






木原「ほー、こんなアンケートがあんだな」ズズー

一方「これに回答してやがったンだよ」

木原「ふーん……」ズズー

木原「…まぁ、俺からテメェらに言えんのは一つだけだ」

木原「『んなもん気にすんな』」

木原「っつーかな、女にガッカリされたからって一々気にしてたら何もできねぇわ。
   あいつらどんだけ気難しいと思ってやがる」ズズー

木原「大体、こっちが『一生懸命考えた』っていう"気持ち"が"本当に"がわかんねぇ女なら。
   そいつには本気になるべきじゃねぇよ」ズズー

一方「あァ?好きになった人がそォだったらどォすればいいンだよ」プンスコ!=3

浜面「そーだそーだ!」プンスコ!=3

絶対「自分がそーいう経験ないんじゃないスか」プンスコ!=3

木原「ピーチクパーチクっせーなぁ…」ハァ




木原「テメェらの『気持ちが』『本当にわかんねぇ』女ならっつったろ」ズズー


一方「…」

浜面「…」

絶対「…」

木原「いいか、テメェらの仲とか、話とかはよく聞いてる。」

木原「あいつらは本気で『ガッカリした』なんて思っちゃいねぇよ。こんなもん一般論を答えただけだろ」

木原「『ちょっと残念だった。"けど、"嬉しい』のはずだ」ズズー

一方「木原くン…」

浜面「木原さン…」

絶対「木原さン…」




木原「大体な?俺も部下から貰ったが、返したのは『ボールペン』か、『業務用菓子詰めから一粒』だ」

一方(あァ、確かにコイツよりはマシだわ)

浜面(パネぇ。てか絶対それはダメだろ)

絶対(部下の人はキレていいんじゃ)

木原「それに、いい勉強になったじゃねぇか。次は念入りに調査して、そいつらが喜ぶモン渡してやれ」


絶対浜面一方通行「「「はい!」」」

木原「…ッチ、なんで俺がこんなガラじゃねーことしなきゃなんねぇんだ…」ズズー






乱数「あ、数多さァーん?部下からメェェール来てんぞォ―――?」ヒョコ

数多「?!」ブハッ



一方「?」

浜面「?」

絶対「?」


乱数「あ、数多さんお忙しそぉ――なんでェ!俺、読んじゃいまァァ―――――すッッ!!」ゲヘヘ

数多「?!バッ、バカ止めろ!」




乱数「『木原隊長へ♪』」





乱数「『私が前から欲しいって言ってた限定アロマキャンドル、自宅に届きました!』」

数多「テメっ!止めろっつってんだろ!!」バッ!


乱数「『ホワイトデーのお返しにボールペンでガッカリしてたら…
   こんなサプライズなんて…!
    私、木原さんに一生ついていきますっ♪』」ヒョイ



乱数「『あなたのナンシーより』(笑)」




一方「」ブフォ

浜面「」ブフッ

絶対「」ブハッ

数多「乱数ゥゥゥウウウウウ!!!」

病理「あらあら数多くん?『キャサリン』さんからも来てますよー?」キィコキィコ

数多「?!てめっ、オイババア!何勝手に人のメール印刷してやがる!?」

円周「うん、うん。数多おじちゃん、『マリア』さんからも来てるよ?モテモテだね」ピョコ

数多「ふざけんなテメェらぁあああああ!!!」




\ギャーギャー!/


那由他「やれやれですね」フゥ

テレス「あらやだ、また数多が怒ったの?」クスクス

加群「…」コソコソ


幻生「…おんやぁ?加群くん。君も教え子からもらったんじゃないのかな?」ガッシ!

加群「え?!い、い、いや?もらっとまへんけふぉ?」アタフタ

唯一「嘘はいけませんよ」ガシッ!

脳幹「全くだ」ワン!




\加「イヤァアアアア!!!」/







絶対「…いつ来ても賑やかだな、木原一家」

浜面「な」コクン

一方「あァ」コクン

番外編終了。以下おまけ。




もしも、『グレムリン』が、オティヌスが。

"槍"を創造ろうとせず、3月になっても何もしてなかったら。


そんな話。



―――――――――――――

―――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――



〓〓『船の墓場』モックルカールヴィの肩〓〓


オティヌス「…そういえば、今日はホワイトデー…か」

モックルカールヴィ「ハハ。また何かイベントでもやりやすかぃ?」

オティヌス「…いや、今回はやらない。」

モックル「おや、珍しいですねぃ?」






オティヌス「………もう、皆いないのにやったってつまらないだろ」

モックル「………」




オティヌス「トールは離反。ウートガルザロキとシギンは生死不明。」


オティヌス「ヘルとロキはイギリス艦隊の集中砲火を受けた。」


オティヌス「フェンリルとヨルムンガンドは戦って散ったし…」


オティヌス「サンドリヨンとサローニャはアメリカ側に捕まった。」


オティヌス「マリアンとミョルニルは倒されて」


オティヌス「イドゥンとシフも行方不明。」


オティヌス「フレイヤは流産したし」


オティヌス「ベルシは願いを叶えてしまった」




オティヌス「『グレムリン』はもう、私とお前だけだ」

モックル「………」




オティヌス「…おかしいな。私達が何をしたと言うんだろうな」

モックル「ただ生きて、人生を歩んでいるだけで。人は誰かに恨まれるものでさぁ」

オティヌス「ふっ…人ならざるお前が、人生を語るのか?お前、生まれて数ヵ月だろう」クスクス

モックル「人は書物や体験談を見聞きするだけでも成長するものでしょうや」ハハハ

オティヌス「そうだな…」

ドーン!

オティヌス「…どうやら、上条当麻やオッレルス達が来たようだな。」

オティヌス「お前も私も、ここまでということだ」

モックル「……あっしらは、どこで何を間違えたんでしょうなぁ?」

モックル「何か悪い事をしたわけでもなし、危険物を持ってるわけでも、企んだわけでもなく。」



モックル「ただ、皆で仲良く暮らしてただけなんですがね」




オティヌス「…私が、『槍』を創らなかったからだろうな」

モックル「っ、姉さんのせいじゃ、」

オティヌス「いや、そうでなければあまりにも話に整合性が無さすぎる。」フルフル

オティヌス「今までの言動の中で、私の"無限の可能性"がどこかで負の方向へ傾いてしまったんだろう」

モックル「………」

オティヌス「…悔しいのは、その悲劇が私だけに向かなかったことだな」

オティヌス「……すまない、皆。」

モックル「………」ビシッ……

ボロッ………

ガラガラ。


オティヌス「……誰かに"心臓"が壊されたか」

オティヌス「……すまない、モックルカールヴィ。」



オッレルス「やぁ。魔神オティヌス。君を殺しにきたよ」スタスタ


オティヌス「…………」


オティヌス「…ふん、貴様は何故私を殺す?」

オティヌス「私が、私達が何をしたというんだ…?」

オッレルス「決まってるだろう?」スタスタ

オッレルス「世界を滅ぼせる力を、"魔神"の力を。君が持っているからだよ」

オッレルス「例えば。もし隣人が核ミサイルと発射機構を持っていたら、側に住む人々は戦々恐々だろう?」

オッレルス「何かの拍子に起爆されても困るんだよ、魔神(ばくだん)。」


オティヌス「……そうか。」



オティヌス「なら。きっと。その『何かの拍子』とやらは、今なんだろうな」


























―――――その日、魔術結社『グレムリン』は壊滅した。



きっと、世界にとっては安寧を取り戻した日だった。


でも。彼女と彼等にとっては世界が終わった日だった。


魔神と魔神に近き者の衝突により、

そこにあった『船の墓場』は跡形もなく消えた。





でも、確かにここにはあった。


彼等の幸せが、


居場所が、


営みが、


笑顔が、


優しさが、


絆が。



これは、そんなお話だった。





~fin~




――――――――――――――
―――――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――

カラカラ…



オティヌス「―――どうだった?私の自作映画、『グレムリンの最後』」


トール「いや、どうって…あー……よかった、んじゃね?」

ウート「ホワイトデーのお返しに皆に自撮り自作の映画って…うん、斬新だったけどさ」

シギン「ふぇええん!いいお話だった!いいお話だったよ!」チパチパチパチパチパチパ!

ヘル「そうね、私もまぁ、好きかな。できれば出たかった」

フレイヤ「…色んな意味で、"胎教"には悪い映画だった…かな…うん…」

ロキ「いやぁ、中々にいい映画でございましたなぁ」ホッホッホッ

フェンリル「あーでも次はハリウッドみてーのがいいなー」

ヨルム「よくわかんなかったけど、最後のズガーン!ってのはすごかったな」

サローニャ「ショートムービーちゃんって初めて見たよ」

サンドリヨン「私もだ。…だが自分が死ぬのはな…」

ベルシ「事前アンケで、『映画見るならどんなのがいい?』ってやつで感動系、悲恋、悲劇系が上位だったからだろうな」


マリアン「へー。確かに、私とベルシが付き合えなかったのは悲劇としかいいようがなかったよね」ウンウン

ミョルニル『マリアン?それについては「あー、やっぱり?」よ?』ウフフ

イドゥンシフ「「…」」ウンウン



オティヌス「さて、ここで名演技をしてくれた彼等を紹介しよう。」


オティヌス「主演女優、監督、脚本、カメラ、etc…のオティヌスだ」キリッ

モックル「どうも。主演男優を勤めさせていただきやした、モックルカールヴィでやす」

オッレルス「やぁ。特別出演、悪役として主演したオッレルスだ。初めまして。」


ウート(たった3人で撮るってスゲーな…機材とかはどうしたんだ)






ウート「なー、オティヌス。」

オティヌス「ん?なんだウートガルザロキ」

ウート「あの映画はよかったけどさ、やっぱ皆ちょっと不満みたいだぜ?」

オティヌス「…む、やはり皆はハッピーエンドがよかったのか?アンケでは…」

ウート「そーじゃなくて。」

オティヌス「?」

ウート「あー、まぁ。皆は皆で何か色々思うとこはあるみてぇなんだけどさ」

ウート「根底にあんのは一つなんだよね。」

オティヌス「?」


ウート「…次、やんならさ。今度は皆でやろうぜ。」


ウート「ハッピーエンドでもバッドエンドでも。皆は『グレムリン』で迎えたいんだって。」

ウート「皆、例え画面の中の世界でもオティヌスを一人にしちまうのは嫌なんだよ」ヘラヘラ


オティヌス「……」





オティヌス「――そうか。では、次は皆でハリウッドだな」フッ…

おまけ終わり。また何か思いついたら番外編はかく。

あ、あと深夜したらばで

上条「こんなの知らない」

って奴も書いてる。あっちは即興と遊びで書いてる。

ので、あまり質とかは期待しないほうが。

興味があればどうぞ。では。

>>1
>>428のやつ以外になんかss書いてた?
あったら教えてほしい


>>434このウートガルザロキの叶え屋さんシリーズが生まれて初めて立てたスレです。

あっちのと、このスレ以外は書いてない。

でも終わったらやろうかなと思ってるやつはいくつかある。

ので、もしこのシリーズが完走できたら……


このままだとお蔵入りになるから短い小ネタを何個か放出しておく。原作のifネタ。



御坂「と・う・ま・く~~ん♪」ダキッ

上条「どうした?御坂気持ち悪いぞ」


ビリビリバリーン!

トール「ミコっちゃんかと思ったぁ?残念!トール君でしたぁ!」

上条「…だと思ったよ。トール、いい加減それやんの止めろって面白くな」


ビリビリバリーン!

オッレルス「トールかと思ったぁ?残念、俺だよっ」ミ☆

上条「ええっ?!あの時の?!いったい何をしに」


ビリビリバリーン!

オティヌス「出来損ないかと思ったぁ?残念、私だ」ニヤリ

上条「な、なんだってー?!」


ビリビリバリーン!

エツァリ「魔神だと思いましたぁ?残念、自分です」ドヤァ

上条「なんだ、お前だったのかよ」ホッ


ビリビリバリーン!

冥土「アステカの魔術師かと思ったかい?残念、僕なんだね?」ニコッ

上条「う、うわーぁああああ?!!」



冥土「……」

上条「……(つ、次は誰が)」ドキドキ






冥土「趣味の特殊メイク披露だったんだね?」ドヤ?

上条「あんた何してんの」



〓〓『船の墓場』〓〓


上条「まさか!完成したのか?!『主神の槍《グングニル》』が……?!」


オティヌス「さぁ、お楽しみの時間だ」ズッ

ゴキゴキバキビキ………


オティヌス「はは!はははは…ッ?!い、いだっ?!いだだだだだ!?何これ痛ッ!!めっちゃ痛い!何この鼻の穴からスイカ産む感じ?!痛い痛い痛い痛い痛い!?いったぁあああ!!!」ジタバタジタバタ

上条(そらそうなるよ)

オティヌス「あっだだだだだァァアアアアアア?!」ゴロゴロゴロゴロ!


ポローンッ………



バッシャーン!


上条「お、落ちた―――?!」



オティヌス「ちまちま戦うのも面倒くせぇな。まずは世界でも終わらせてやるか」


オティヌス「どすこ―――い!」ドーン!




―――――――――――
―――――――――――――――

―――――――――――――――――――



上条「………で?」

オティヌス「…いや、その、ついテンション上がっちゃって……」セイザ

上条「お前めっちゃノリノリだったもんな」コク

オティヌス「ッッッント、マジでここまでする気はなかったっていうか」ボソボソ

上条「…バカだな、一時のテンションに身を任せる奴は身を滅ぼすんだよ」

オティヌス「マジ反省してっす…マジサーセンッス…」

上条「ったく…早く戻せよ?」

オティヌス「え?いやそれはちょっと無理っていうか」


上条「は?」

オティヌス「何でもないッス」フルフル


〓〓『船の墓場』〓〓


上条「ここが『船の墓場』……」

上条「よし、必ず『槍』製造とオティヌスを止めてみせる!」ダッ!





オティヌス「………」トコトコ

上条「見つけた!」ダダダダ

オティヌス「うー、寒ッッ!!」プルプル

上条「え」

オティヌス「あー、ほっカイロあったかい…」

上条「え」

オティヌス「あ、お前もよかったら使え。私いっぱい持ってるから」つ□

上条「あ、ども」

オティヌス「ふー…全く、このクソ寒い時期に露出度の高い格好でウロついている奴の気が知れないな」

上条「」

オティヌス「なんだその目は」

上条「いや…なんかプロ野球選手が『俺野球嫌い』って言ってるのを聞いたみたいっつーか…」

オティヌス「よくわからん奴だな」クスクス

オティヌス「ところで、私は今から焼き芋やろうと思うんだが…
      お前は何をしにここまで来たんだ?」

上条「うん……俺…ホントに、何しに来たんだっけな…?」


小萌「上条ちゃん!この常盤台の子でも難しい問題が解けたら、先生がぱふぱふしてあげるのですよー?」ウフフ

上条(できんの?!どうやって?!)



「絶対正解しなきゃと思った」by上条当麻



暗部教室の始業のベルは今日も鳴る。


佐久「……」コク

鉄網「……」コクン

手塩「やれ―――っ!」つ爆弾

査楽「食らうですね!」パァンパァンパァン!

馬場「いけ――!―Type_Mantis―!グレートデーン!」

ドゴーン!

博士「いけ、『オジギソウ』!」

ショチトル「ふん!」

垣根「未元物質で埋め尽くす!」ドパーン!

心理「私のために死んで?」←能力発動

砂皿「狙い撃つ!」パァン!

一方「黒翼!」バサー!

土御門「黒ノ式!」

結標「コルク抜きを体へ転送!」

海原「金星びぃ―――んむっ!」ピカー!


「はははは。全く効かないよ。」


エイワス「殺せるといいな?暗部卒業までに」ヌルフフフ……


全員((((無理ゲーじゃねーか!!))))ガーン!


〓〓『"終わったセカイ"』〓〓


上条「なんだ、ここ…全部が真っ暗だな」キョロキョロ


上条「どこにもなんにも誰もいない…」テクテク


上条「クソ、何んでもいい!何か、誰かいな」クルッ


__▲__
(回ω・)つ―<∞〓>


上条「」


__▲__
(回ω・)「ふ、てっきりどこかで野垂れ死んでいるかと思ったが」




上条(今何か変なのいた――――?!)ダダダダ!!


「とにかく関わってはいけないと思いました」by上条当麻



〓〓『シンセカイ:上条当麻と魔神しかいない川原』〓〓


烏<カー!カー!

上条「………」←体育座り

オティヌス「………」←体育座り

オティヌス「…上条。」

上条「何?」

オティヌス「私は、"オンリーワン"という言葉が嫌いだ」

上条「唐突だな」

オティヌス「いわゆる"業界"という世界において、日夜自分達の"商品"の質を向上させるのは何故だと思う?」

オティヌス「少しでも、より"ナンバーワン"に近づくためだ」

オティヌス「もちろんナンバーワンの席は一つしかないのだから、実際に座る事はまずないだろう」

上条「まーな」つ石ポーイ

オティヌス「だが、だからと言って努力を怠れば取り残されるだけだ」

オティヌス「他の者は常に前へ前へと進むのだからな」

上条「そーだな」コク

オティヌス「だから私は『オンリーワン』という言葉を聞くとだな、決してナンバーワンになれない者達がその言葉を作り」

オティヌス「それに逃げこみ、妥協してるように聞こえるんだ。」

上条「ふーん」

オティヌス「何というか…努力と向上心を否定する言葉というか」

上条「うん」

オティヌス「…知っての通り、私は"魔神"だ。その神の領域に足を突っ込むまで死に物狂いで努力した。」

上条「…」

オティヌス「だから。そんな、私の努力も無下にされるようだから『オンリーワン』という言葉が嫌いなんだ」

上条「…某歌に喧嘩売るような考え方だな」ハハ

上条「でも、わかるよ」

オティヌス「………」


オティヌス「…そうか」フフ



オティヌス「それに付随して…私は努力した、してきた者は讃えられ報われるべきだと思うんだが」

上条「? そーだな。」コクン

オティヌス「………」

オティヌス「…私はその"努力してきた者"に当てはまると思うんだが」

上条「そーだな」

オティヌス「…………」

上条「?」

オティヌス「…褒めてくれてもいいんだぞ?」

上条(ああ、そういうことか)クックッ

上条「…そーだな、オティヌスは偉いよ。よく頑張ったな」ナデナデ

オティヌス「………ん。」マンゾク


上条(こいつって、遠回しな奴だよな。不器用というか、周りへの本心の出し方が下手くそというか)ナデナデ


上条(ちょっと可愛―――)

オティヌス「さて、小休止は終わりだ。そろそろ『次の世界』へ行こうか」

上条「えっ」


オティヌス「ふむ…次は『上条当麻以外全員がテッラの世界にでも…」

上条「おま」

オティヌス「グッドラック!」(o^-')b ビシッ!



上条「訂正。やっぱりかわ――――――


―――――――――――

――――――――――――――――

――――――――――――――――――――――

終わり。

どーでもいいことだけど、新訳7巻の裏に描かれてるカブトムシキーホルダー欲しいなって思った。


えー。残念ですが、エイプリルフールネタはやりません。

















ウソです。やります。4月バカネタ投下。



〓〓3月31日『叶え屋』〓〓


天井「そういえば明日はエイプリルフールか」

シギン「えいぷりる?」キョトン

天井「エイプリルフール。4月バカ。『午前中なら嘘をついてもいい』とする日だな」

シギン「へー。ウートガルザロキが喜びそうな日だね」

天井「まぁ、それを知ったら必ず私達に仕掛けてきそうだしな」ハハハ



〓〓『物陰』〓〓




ウート「…………」

ウート(へぇ。面白そうじゃねぇか)ニヤリ



〓〓4月1日上条宅〓〓


ピンポーン。

上条「はいはーい」ドタドタ…

上条「どちらさ……」ガチャ。




ウート「よお、"幻想殺し"。」ニヤリ


上条「っ、お前はっ!」サッ

ウート「あぁ、安心しろよ?別にあの時の借りを返しにきた、なーんてメンドクセェ事は言わねぇからさ」ヘラヘラ

上条「……」

ウート「…? どうした?」


上条「いや、あの。誰だっけお前」

ウート「」ピキッ。#

上条「あ、待ってくれ!あとちょっとで思い出せそうなんだ!」

ウート「…いっそ、本当に借り返してやろっかなもう」イライラ


上条「……あ!」

ウート「…思い出せたか?そうだ、俺はバゲージシティで」

上条「ハワイの時に見たリンディ=ブルーシェイクの保護し」
ウート「いや誰だよ」ベシッ


ウート「ねえ、何でバゲージシティってヒントも出したのにハワイの人を挙げんの?バカなの?」グリグリ

上条「いや、ちょっとマジでわかんなかったっていうか」アググ

ウート「あーもういいわ。ちょっと来い」グイッ

上条「おわっ?!おい!どこに連れていく気なんだよ!」




――――――――――――

―――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――



〓〓『Joseph's』(いつもアイテムがたむろしてるファミレス)〓〓



木山(ウェイトレス)「ご注文をお伺いします」

ウート「あ、俺タンドリーチキンで。」

上条「あ、俺はコーヒーだけで」

木山「かしこまりました、ご注文を繰り返させていただきます」





木山「以上でお揃いでしょうか?ごゆっくりどうぞ」



上条「で、なんで俺をこんな所に?」

土御門「…遅かったな、ウートガルザロキ。舞台は完成してるぞ」スタスタ

ウート「おっ、マージー?流石だなつっちー!」ガタッ

土御門「このくらいなら朝飯前だよ」ガシッ

上条「土御門?!こいつと知り合いなのか?」

土御門「よぅカミやん。まぁ"お得意様"ってやつだよ」






\カランコローン♪/


浜面「あれ?大将?」

上条「浜面も呼ばれてたのか。なぁ、何が始まるんだ?」

浜面「え、大将聞いてないの?」



浜面「エイプリルフールってことでドッキリやるんだってよ」

上条「え?」



ウート「おーし。じゃ仕掛け人も揃ったし、説明するぞ」

ウート「えー、今回集まってもらった人達にはドッキリ仕掛け人になってもらいます」

ウート「仕掛ける相手は"アイテム"の女の子達。」

上条「ふんふん」

浜面「それ大丈夫なのか…?」

ウート「アフターケアも用意はしてる。まぁ大丈夫さ」ヘラヘラ

上条「具体的には何をやるんだ?」

ウート「プールに落とします」

上条浜面「「は?」」

ウート「落ちます」ウン

浜面「えー…どこに?」

ウート「"水の中"に。」ニヤリ

ウート「俺の…あー、便宜上は"能力"って事にしとくけど、その能力は」

ウート「"幻覚を見せる事"なんだよ」

浜面「…なるほど。実際には普通の店にプールは作れないけど、水の中に落ちたって幻覚を見せるのか」

上条「?じゃあさっきの土御門の言ってた舞台ってなんだ?」

ウート「ああ、店に金握らせてドッキリへの協力と、指定した席に人が座らないようにしてもらったんだよ」ヘラヘラ

上条「なんかすげーな…」




ウート「じゃ、手順を説明するぞ」

ウート「1。まずアイテムの娘達が来たらこの席に座ってもらいます。
    だから、上条と浜面は近くの席に座っておいてくれ。」

ウート「2。店員さんが注文したものを"うっかり"こぼします」

ウート「3。上条が『おい、テメェ俺達にもかかったじゃないか』と店員に難癖つけます」

ウート「4。いたたまれないくらい難癖つけます」

ウート「5。アイテムの娘達の注意を引き付けてる内に俺が幻術をかけます」

ウート「6。ツレの横暴を見かねた浜面くんが上条を諌め、店員が怒られてるために注文の品が来ない状態になってるアイテム娘達に『悪かったな、奢るから許してくれ』とかっこよく大人な対応します」

浜面「ほう」

ウート「7。その後、店員が『あちらのお客様からです』と注文の品を置く時に……」

ウート「"落とします"」ニヤリ

ウート「8。そしてテンパってる様子を撮影、幻術を解きます。」

ウート「9。気がついてみると浜面と俺と上条が『ドッキリ大成功!』の看板を持って立ってます」

ウート「10。んで、撮影したものを別室で見てもらうって事で別室に移動するんですが…」

ウート「11。もっかい幻術をかけてプールへ落とします。」

ウート「12。もっかい看板を持って、『またまたドッキリ大成功!』ってやります」

上条「二段オチかよ」ハハ

ウート「そりゃあな。じゃなきゃ面白くないだろ?」ニヤニヤ

浜面「…それ大丈夫か?後で麦野あたりにぶっ殺されそうなんだけど……俺が」

ウート「その辺は大丈夫。後で俺がフォローするからな」ヘラヘラ



上条「にしても上条さんが悪役か」

ウート「まーまー。たまにはいいんでね?ヒーローばっかじゃ疲れるだろ?たまにはヒールもいいもんだぜ?」

上条「……ダメだな」

ウート「?」

上条「こんなん悪趣味だろ!人を騙すなんてダメだ!俺は絶対やらないからな!」ガタッ

ウート「…成功したら、報酬として41万円支払うけど」

上条「任せてくれ!アカデミー賞モノの演技をしてみせる!」キリッ

浜面(大将ェ)


ウート「…じゃ、始めるぞ。各自台詞は考えといてくれ。」





~作戦開始~



\カランコローン♪/




〓〓近くの席〓〓

上条「あれが"アイテム"か。皆可愛い子ばっかだな」ヒソヒソ

浜面「外面はな。滝壺は中身も可愛いけど」ヒソヒソ



麦野「…」

絹旗「やれやれ。まーた浜面はアイテムミーティングを超サボりですか」

フレンダ「結局、今度お仕置きってわけよ」

滝壺「喉乾いた…」

木山「…」テテテ


上条「あ、さっきの店員さんも仕掛け人なのか」

浜面「綺麗な人だよなー」ハハ


木山「いらっしゃいませ。お一人様ですね?」ススッ



上条「…一人?」

浜面「一人?言い間違いか?ドジっ子だな」ハハ



麦野「よく見て?私の後ろに3人いるでしょ?」クスクス


木山「え、君は浜面くんにフラレたから"お一人様"だろう?」キョトン?


麦野「#(○Д○)」ピキッ。

絹旗「」ブフッ

フレンダ「」ブハ

滝壺「ふっ」ドヤ


上条「わざと?!」ガーン!




麦野「…大丈夫よ?もっといい男見つけるから。」ヒ、クヒク…

木山「え、君が?」ッハ


木山「かしこまりました。では4名様ですね?こちらの席へご案内させていただきます」スタスタ

麦野「#(#○田○)」ビキビキビキビキ

絹旗「は、鼻で…笑っ…」プクク

フレンダ「ぶ、ぶふふ…っ」

滝壺「アイスクリームが食べたい…」



上条「お、オイ!あれも台本通りなのか?」ヒソヒソ

浜面「勇気あるなー…あの店員…」ヒソヒソ








木山「ではご注文をお伺いします。」

麦野「んー……じゃあ私、サーモン…」

木山「お客様。」

麦野「?」

木山「申し訳ございませんが、当店では鮭一匹まるごとは扱っておりません」

麦野「は?いや私はこのサーモンパスt」

木山「どうせ鮭を頼むんだろ?鮭女め!」

麦野「?!」

木山「ではこちらのお客様からご注文をお伺いします。」

麦野「え?」


上条「え?え?ちょ、どういうこと?」

浜面(あの店員怖ェェ!!麦野にあんな真似できる奴なんていねぇぞ!?)



絹旗「あ、じゃあ私は超ラザニアで」

木山「はい、かしこまりました。『超』ラザニアひとつ!」ピッ

フレンダ「」ブフッ

絹旗「………」ピキピキ


浜面「うわ、めっちゃイラついてるよ…」



フレンダ「あ、じゃあ私は結局サバ味噌定食をお願いしますってわけよ!」

木山「かっしこまりましたッッッ!てんちょー!サバ味噌一丁ッッ↑」ピッ!

店の奥|リメエア「ッエーイ!かしこまりっ!」b

上条「」ブフッ?!




滝壺「わたしは、K」

木山「滝壺さんだろ?自己紹介しなくても知ってるよ?」ポン

滝壺「え?いやちゅうも」

木山「ご注文は以上でございますね?ごゆっくりどうぞ」ペコ

麦野「いやまだ私の」

木山「ふっ」シュタタタタタ!


タタタタ……

麦野「…あの、私の……サーモン、パスタ…」



上条「なぁ、さっきから台本と違くないか?」ヒソヒソ

浜面「あの店員、スゲェ早さで走って厨房に逃げたな」



麦野「クソっ、なんだあのクソ店員!もっかい呼んでやる!」ポチ!

ピンポーン!

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ←木山

麦野「……さぁ来い。泣くまで滅茶苦茶クレームつけてやる」

    ∞
店の奥|ω・`)


麦野「……」イライラ

   
店の奥|ミ サッ

麦野「……」イライライライラ




麦野「はっやっくっ、来いってんだよ!」ポチ!

ピンポーン!

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ

麦野「…」イライライライライライラ


店の奥|ミ サッ


麦野「……」ポチポチポチポチポチ!

ピンポーン!ピンホピンポピンポピンポーン!

    ∞
店の奥| ω・`)チラッ

店の奥|ミ サッ

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ

店の奥|ミ サッ

    ∞
店の奥ミ ω・`三 ヒュババババ!


麦野「我慢、我慢だ私。ここで消し炭にすることは訳ねぇが、もうここで駄弁れなくなることは痛い…」ブツブツブツブツ

滝壺「わたしのクレームソーダ…」ショボン

絹旗「なんか、今日の店員は超知らない人でしたね。
   普段、利用の仕方が悪い私たちへの超当て付けですかね?」

フレンダ「まー、私たち持ち込みしまくり&長時間居座りだったりドリンクバーも使いまくりだったしねぇ…」


浜面「自覚はあったのか…」

上条「…なぁ、まだフェイズ2に移行してないんだが」



麦野「もう直接言ってやる」ガタッ

滝壺「私もクレームソーダ頼む」ガタッ

フレンダ「頑張れー」フリフリ


絹旗「クレームソーダ……いや超いいまつがいなのはわかりますが、実際に作ったら超どうなるんでしょうかね」


木山「お待たせしました。」スタスタ

絹旗「?!超いつの間にこっちに」

木山「超ラザニアです」ブンッ

絹旗「わぷっ?!」ベチャッ



浜面「絹旗の顔にラザニア叩きつけた――?!」ガーン!

上条「全然うっかりじゃねぇ?!」



木山「サバ味噌定食です」メチョ

フレンダ「ぽまっ?!」ヌチョ



上条「サバを手掴みで顔に押し付けた?!」



麦野「あ!?テメェそこにいやがっ」ダッ

木山「ご注文いただいたサーモンです」つ鮭一匹ビターン!

麦野「だから私はサーモンパスだぶる?!」ビターン!

浜面「麦野が鮭でビンタされてノックアウトした?!」


滝壺「あ。てんいんさん、私はクリームソーダをお願いします」ペコ

木山「そこにドリンクバーあるからセルフでやりたまえ」

滝壺「(´・ω・`)」ショボン


浜面「…なんか、もう滅茶苦茶じゃないか?」ヒソヒソ

上条「ああ…あの店員さんがフリーダム過ぎて…どうする?このままだと41万円が」ヒソヒソ



木山「…」クルッ

木山「」パクパク


上条「……?口パクで何か」


木山「…ッチ、ワカラナイカ…あーん!"うっかり"こぼしちゃった~ん!店長に怒られちゃーう!」テヘペロ☆

木山(早くフェイズ3の『難癖をつける』をやりたまえ)パクパク



上条浜面((今までのが『うっかりこぼしちゃう』だったの?!))ガーン!


上条「…くそっ、もう見てられねぇよ!」

浜面「大将?!(アドリブでやる気か!?)」

上条「やめろよ!店員さん!アンタの仕事は客に嫌がらせをすることじゃないはずだろ!」

浜面(やだ大将ヒール役のはずがいつの間にかヒーローに)

浜面「そ、そうだ!何してんだよ!やめてやれよ!(そして俺も便乗!)」

木山「『あちらのお客様からです』!」ブンッ

上条「だぷっ?!」←パイ投げつけられた

浜面「ばぶっ?!」←同じく


上条浜面((ダメだこの人フリーダムすぎる!台本守ってくれねェェ!!))



上条「ぷ、ぶへっ!ぺっぺっ!止めるんだ!ウェイトレスさん!自分の役目を…」

木山「黙れ!私は、この街の全てを敵に回しても……やめるわけにはいかないんだぁぁァアアア!!」

上条「ファ?!」

浜面「人選間違えすぎだろこれ!」

木山「そんなわけでポチッとな」ポチ




上条浜面「「え?」」
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\パカッ。


上条浜面「「 」」
  川
  川


バッシャーン!!


上条「????(゜Q゜)」??

浜面「え?へ?え?(゜Q゜)」??



木山「…」スッ

麦野「…」スッ

絹旗「…」スッ

滝壺「…」スッ

フレンダ「…」スッ

ウート「…」スッ

土御門「…」スッ



「「「「「ドッキリ!大成功!!!」」」」」



上条浜面((仕掛けられたの俺達だった―――――?!))







木山「いやすまないね。まぁ、犬に噛まれたとでも思ってくれたまえ」クスクス

上条「うう…びっちゃびちゃだ…不幸だ」

浜面「くっそー…まんまと騙された…」ガックシ

麦野「ふふーん。ウートガルザロキに『ドッキリやらない?』って言われた時はめんどくせって思ったけどさ」

絹旗「こういうのもたまには超いいですね」ニヤニヤ

フレンダ「私達も中々楽しかったってわけよ」ニヤニヤ

滝壺「ごめんね?はまづら、かみじょう」クスクス

上条「うー、騙された……」

ウート「この舞台裏はこんな感じだったんだぜ」ピッ

上条「撮ってたのかよ?!」


TV「……」



~舞台裏VTR~


ウート『さって、始まりましたなつっちーさん』ニヤリ

土御門『ああ。楽しみだな』ニヤリ

ウート『実はこれ。上条と浜面が仕掛け人ではありません』

ウート『アイテムと店長、店員さん、俺とつっちーが仕掛け人です。』クックックックッ

ウート『アイテム側には浜面達に説明した内容と、それを基軸にしたシナリオに従い…』

ウート『「木山に指示を出すから、そのアドリブに自然な感じで対応してくれ」
   という旨を伝えているぜ』


土御門『…始まったぞ』



麦野『…』

絹旗『やれやれ。まーた浜面はアイテムミーティングを超サボりですか』

フレンダ『結局、今度お仕置きってわけよ』

滝壺『喉乾いた…』

木山『…』テテテ


上条『あ、さっきの店員さんも仕掛け人なのか』

浜面『綺麗な人だよなー』ハハ




滝壺「はまづら……?」ユラリ

浜面「え?!やだなぁ!滝壺さんが一番だよ?!」ブンブン


土御門『よし。』

ウート『お?いっちゃう?』

土御門『木山。麦野に「お一人様ですか?」って言え』


木山『…いらっしゃいませ。お一人様ですね?』ススッ


上条『一人?』(;´д`)?

浜面『一人?』(;´д`)?


ウート『おおっと?二人が早速ポカン顔だぞー?』プクク


麦野『よく見て?私の後ろに3人いるでしょ?』クスクス


土御門『木山、「は?お前フラレたからお一人様だろ」って言ってくれ』ブフフ…


木山『え、君は浜面くんにフラレたから"お一人様"だろう?』キョトン?

麦野『#(○Д○)』ピキッ。

絹旗(ちょ、超何を言わせてるんですかww)ブフッ

フレンダ(いきなりアドリブってわけよww)ブハ

滝壺『ふっ』ドヤ

麦野『…大丈夫よ?もっといい男見つけるから。』ヒ、クヒク…


ウート『鼻で笑って!鼻で!』ウヒャヒャ



木山『…君が?』ッハ

麦野『#(#○田○)(の野郎)』ビキビキビキビキ



ウート『ダッハハハ!!むぎのんが歯を剥き出しにしてキレ顔してるww』

土御門『ぷふっ…くく』


木山『かしこまりました。では4名様ですね?こちらの席へご案内させていただきます』スタスタ

絹旗『は、鼻で…笑っ…』プクク

フレンダ『ぶ、ぶふふ…っ』

滝壺『アイスクリームが食べたい…』


上条『あ、あれも台本通りなのか?(;゚д゚)』

浜面『勇気あるなー…あの店員…』(;゚д゚)


ウート『んで、二人ともめっちゃ不安顔になってるし!』プフー

土御門『ふっくくく…』







木山『ではご注文をお伺いします。』

麦野『じゃあ私、サーモン…』



ウート『はるみん、鮭一匹は扱ってないんでって言って?』


木山『…お客様。』

麦野『?』

木山『申し訳ございませんが、当店では鮭一匹まるごとは扱っておりません』

麦野『は?いや私はこのサーモンパスt』

木山『どうせ鮭を頼むんだろ?鮭女め!』

麦野『(゚。゚)?』



ウート『アッハハ!はるみんが自分からアドリブ入れおったぁあ!!』アッヒャヒャ!

土御門『麦野が「信じらんねぇ」って顔してやがる…』クックッ


木山『ではこちらのお客様からご注文をお伺いします。』

麦野『え?』


ウート『むぎのん無視されたww』


上条『え?え?ちょ、どういうこと?』

浜面(あの店員怖ェェ!!麦野にあんな真似できる奴なんていねぇぞ!?)



土御門『カミやんテンパり過ぎだろ…っ』クックックックッ


絹旗『あ、じゃあ私は超ラザニアで』

木山『はい、かしこまりました。』


ウート『はるみん、"超"ラザニアだってさー』クックッ


木山『「超」ラザニアひとつ」ピッ

フレンダ『』ブフッ

絹旗『………』ピキピキ


浜面『うわ、めっちゃイラついてるよ…』



フレンダ『あ、じゃあ私は結局サバ味噌定食をお願いしますってわけよ!』


土御門『よし、木山。めっちゃテンション上げて復唱してくれ』クックッ

木山『…かっしこまりましたッッッ!てんちょー!サバ味噌一丁ッッ↑」』ピッ!

リメエア『ッエーイ!かしこまりっ!』b


ウート『店長、ノってくれたよwwwwww』

土御門『というか何で第一王女がここにいるんだ…』ブフフ…

ウート『いや、なんか「出ない?」って聞いたら二つ返事でやってくれたんだよww』

土御門『暇人過ぎるだろ…』クックッ



滝壺『わたしは、K』

木山『滝壺さんだろ?自己紹介しなくても知ってるよ?』ポン

滝壺『え?いやちゅうも』


ウート『アッハハハ!?はるみんのアドリブが止まらねぇwwww』

土御門『木山もノリノリか…』プクク


木山『ご注文は以上でございますね?ごゆっくりどうぞ』ペコ

麦野『いやまだ私の』

木山『ふっ』シュタタタタタ!



タタタタ……

麦野『…あの、私の……サーモン、パスタ…』


ウート『無ww視wwされるww』アハハハハ!

土御門『切なげ!凄い切なげだ……っ!』ブハハ



上条『なぁ、さっきから台本と違くないか?』

浜面『あの店員、スゲェ早さで走って厨房に逃げたな』


ウート『上条焦るwwww』

土御門『そして無視されてるな』ハハハ



麦野『クソっ、なんだあのクソ店員!もっかい呼んでやる!』ポチ!

ピンポーン!

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ←木山

麦野『……さぁ来い。泣くまで滅茶苦茶クレームつけてやる』

    ∞
店の奥|ω・`)


麦野『……』イライラ

   
店の奥|ミ サッ

麦野『……』イライライライラ

麦野『はっやっくっ、来いってんだよ!』ポチ!

ピンポーン!

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ

麦野『…』イライライライライライラ


店の奥|ミ サッ


麦野『……』ポチポチポチポチポチ!

ピンポーン!ピンホピンポピンポピンポーン!

    ∞
店の奥| ω・`)チラッ

店の奥|ミ サッ

    ∞
店の奥|ω・`)チラッ

店の奥|ミ サッ

    ∞
店の奥ミ ω・`三 ヒュババババ!


麦野『我慢、我慢だ私。ここで消し炭にすることは訳ねぇが、もうここで駄弁れなくなることは痛い…』ブツブツブツブツ



ウート『はwwwwるwwwwみwwwwんwwww出てこなwwwwいwwww』アッハハハハ!!

土御門『おい、木山!お前そんなキャラじゃなかっただろ!』ハハハハ



滝壺『わたしのクレームソーダ…』ショボン

絹旗『なんか、今日の店員は超知らない人でしたね。』


土御門『クレームソーダって何だ』フックク


絹旗『普段、利用の仕方が悪い私たちへの超当て付けですかね?』

フレンダ『まー、私たち持ち込みしまくり&長時間居座りだったりドリンクバーも使いまくりだったしねぇ…』


浜面『自覚はあったのか…』

上条『…なぁ、まだフェイズ2に移行してないんだが』


ウート『上条がめっちゃ必死wwww』

土御門『いや、まぁ41万ももらえるなら必死になるのもわかるがな』ハハ


麦野『もう直接言ってやる』ガタッ

滝壺『私もクレームソーダ頼む』ガタッ

フレンダ『頑張れー』フリフリ


ウート『おおっと?むぎのん出撃?』ククク

土御門『滝壺もか』

絹旗『クレームソーダ……いや超いいまつがいなのはわかりますが、実際に作ったら超どうなるんでしょうかね』


ウート『絹旗ちゃん一人可愛いww』

土御門『お?木山が忍び寄ってるな』


木山『お待たせしました。』スタスタ

絹旗『?!超いつの間にこっちに』


ウート『はるみん、なんか面白い渡し方して?』ククク


木山『…超ラザニアです』ブンッ

絹旗『わぷっ?!』ベチャッ


ウート『アッハハハハハハ!!!マジかよ?!』

土御門『やりやがった…』クークックッ…

ウート『もっかいもっかい!はるみんもっかい何かやって!』


木山『…サバ味噌定食です』メチョ

フレンダ『ぽまっ?!』ヌチョ


上条『サバを手掴みで顔に押し付けた?!』


ウート『ダイレクトアタックしたよwwww』

木山『……』フキフキ


土御門『さりげなくエプロンで拭いてるな』プクク


麦野『あ!?テメェそこにいやがっ』ダッ

木山『ご注文いただいたサーモンです』つ鮭一匹ビターン!

麦野『だから私はサーモンパスだぶる?!』ビターン!

浜面『麦野が鮭でビンタされてノックアウトした?!』


ウート『今スカートの中から鮭出したぞ?!』アッハハハハハ!

土御門『四次元スカートか』クックックックッ


滝壺『あ。てんいんさん、私はクリームソーダをお願いします』ペコ

木山『そこにドリンクバーあるからセルフでやりたまえ』

滝壺『(´・ω・`)』ショボン


ウート『そんな店ねーよwwww』

土御門『断られる滝壺のショボン顔が可愛いな』ハハハハ



浜面『…なんか、もう滅茶苦茶じゃないか?』ヒソヒソ

上条『ああ…あの店員さんがフリーダム過ぎて…どうする?このままだと41万円が』ヒソヒソ


ウート『いwwまwwwwさwwwwらwwwwwwww』

土御門『カミやんさっきから金の話ばっかだぞオイ!』ハハハ!

木山『…』クルッ

木山『』パクパク


上条『……?口パクで何か』


木山『…ッチ、ワカラナイカ…あーん!"うっかり"こぼしちゃった~ん!店長に怒られちゃーう!』テヘペロ☆


ウート『何そのキャラwwwwwwww』

土御門『無理すんな!無理すんなって!』クククックッ!

木山(早くフェイズ3の『難癖をつける』をやりたまえ)パクパク

上条浜面((今までのが『うっかりこぼしちゃう』だったの?!))ガーン!


上条『…くそっ、もう見てられねぇよ!』

浜面『大将?!(アドリブでやる気か!?)』


ウート『お?上条がなんかやるみたいだな』

土御門『どうなる…?』


上条『やめろよ!店員さん!アンタの仕事は客に嫌がらせをすることじゃないはずだろ!』

浜面(やだ大将ヒール役のはずがいつの間にかヒーローに)

浜面『そ、そうだ!何してんだよ!やめてやれよ!(そして俺も便乗!)』

木山『「あちらのお客様からです」』ブンッ

上条『だぷっ?!』←パイ投げつけられた

浜面『ばぶっ?!』←同じく


上条浜面((ダメだこの人フリーダムすぎる!台本守ってくれねェェ!!))


ウート『やっべぇwwwwはるみんフリーダム過ぎんだろ!!』アハハハハ!

土御門『あいつ、またスカートから…一体どうなってんだアレ』


上条『ぷ、ぶへっ!ぺっぺっ!止めるんだ!ウェイトレスさん!自分の役目を…』


土御門『カミやんが何か言ってるな。………パイまみれで。』プククク

ウート『説得力ねぇwwwwあ、はるみん!何か上条に決め台詞言ってやって!』


木山『……』

木山『黙れ!私は、この街の全てを敵に回
しても……やめるわけにはいかないんだぁぁァアアア!!』

上条『ファ?!』

浜面『人選間違えすぎだろこれ!』


ウート『いや、これ以上ないってくらい適任だっただろwwww』ヒッヒッヒッ…

土御門『全くだ』アハハハハ

土御門『…っと、そろそろ時間だな。木山、終わらせてくれ。』


木山(了解。)


木山『そんなわけでポチッとな』ポチ


上条浜面『『え?』』
/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\パカッ。


上条浜面『『 』』
  川
  川


バッシャーン!!


上条『????(゜Q゜)』??

浜面『え?へ?え?(゜Q゜)』??



ウート「ハイ、おしまい。」ピッ


麦野「あっははは!やだ、もう!凄い顔してるじゃない!アハハ!」

絹旗「ぶっふふふ!C級映画くらい超面白い顔です!」

フレンダ「アハハハハハハ!!結局、傑作ってわけよ!」

滝壺「ふふっ。ふふふふ!」クスクス

浜面「あー…まぁ、楽しんでもらえれば。」

土御門「くっくっく…いや、皆良かったぞ」

ウート「じゃ!お疲れ様したー!」イエーイ!


「「「「「「「「お疲れ様でした!」」」」」」」」



上条「…………」


上条「あ!まさか報酬も?!――――――――

―――――――――――――――――――
―――――――――――






〓〓上条宅〓〓


ウート「―――――どうだった?」

上条「Σ(´□`;)」ハッ!

ウート「面白かっただろ?」ニヤニヤ

上条「えっ?!えっ?!ど、どっからどこまでが幻覚だったんだ?!」

ウート「俺がお前ン家に来て、引きずってファミレスに行く前~今まで。」ニヤニヤ

上条「な、は?!なんでこんなことを…?41万円は?!」

ウート「ヒント。今日って4月1日だろ?4月1日。41万円…エイプリル・フぅぅううルぅ。」ニヤー

上条「ああ…うん………ちくせう…」ガクッ

ウート「いやぁ、実はお前以外に嘘つく相手が居なくてさぁ」ヘラヘラ

上条「えっ…」アワレミノメ

ウート「…いや、友達ゼロとかじゃあねぇからな?」


ウート「最初はウチの従業員に仕掛けようと思ったんだが、あいつら『絶対何かしてくる』って俺を警戒してたんだよな。」

上条「お前普段何してんの」

ウート「だからさ、そんな奴らにドッキリジョークやったってつまんねぇじゃんか」

ウート「で、油断してそーなお前に不意打ちしにきたってわけ。」ヘラヘラ

上条「ああ…そうかい」

ウート「面白かっただろ?」ヘラヘラ

上条「いや、全然?」フルフル

ウート「」

上条「いや、お前は面白かったかも知らないけどさ」ハハハ

ウート「…そっかぁ。悪かったな、つまんねぇジョーク飛ばしちまって」ハハハ


上条「ははは」

ウート「あはは」




上条ウート「「ふんッッッ!!!」」バッキャアアア!!!


イントール「「く、クロスカウンター?!」」


ウート「てめっ、そこは『Oh!コイツは騙されちまったぜ!HAHAHA☆』ってなるとこだろーが!綺麗に終われよ!」ボカスカ!

上条「知るか!上条さんはそんなアメリカンな返ししねぇよ!ぬか喜びさせやがって!」ボカスカ!


\ギャーギャー!/



インデックス「……」

トール「………」




インデックス「トール、今日のご飯はなーに?」トコトコ。

トール「んー。折角だし、春っぽい奴にしようかねー」ハハハ

おしまい。




本編、一回しかやってないな……

関係ないけど最初の頃は乱数が似たような企業を立ててライバル会社になるのかと思ってた

>>516いい案だなーと思いつつも予想されてたならやらなくてよかったなーという矛盾した気持ちが


今回で未元物質編終わる。『垣根帝督』と『未元物質』を書きすぎてゲシュタルト崩壊してきた。

投下。


「あん?まだ"喰われて"ないやつがいたのかよ」
「らしいな。どうやって逃れたんだか」
「おい、向こうにも女二人生きてるみてぇだぞ」
「第一位以外のLevel5は"喰えた"のか?」
「第三位、第四位、第五位は"喰えた"。第六位は見当たらなかった」
「またか。あいつだけいつも不干渉だよな」
「いいからコイツら殺そうぜ。何人かの"俺"も殺られてるみてぇだ」

『垣根帝督』達が不穏な言葉を漏らす。



「なんだか聞きたくない言葉がちらほら。ちらほら聞こえてきたね。」

「慎重に行くべきね」

「どうする?ウートくん」

「ん。あまっち救出最優先。んで殲滅、かな。…シギン!」


ウートガルザロキが己の術式用のコインを手に、シギンへ声をかける。


「『助言』、頼むわ」

「うん。任せて」

彼女の自信に溢れる微笑みにクスリと笑って。


「んじゃ。――開戦といきますか!」


ピィイイ―――ン!


その両手から賽(コイン)は投げられた。




「右半分に"馬車"を!左に"雷"と"鷲掴み"!木原くんの周りと上空に"火の海"を!」

『叶え屋』専属コンサルタントの『あらゆる作戦を100%成功させる助言』。

必殺の指揮が執られる。


「『カボチャの馬車のお婆さん♪

  急いで馬車をくださいな♪

  一夜の夢が覚めるよりも早く、早く。♪

  カボチャの馬車を走らせてくださいな♪』」

"灰被り"の『詠唱』。
直後、彼女の手の平からゴッ!!!!!!と乗用車が通り抜けたような衝撃波が発せられ、垣根達を遥か彼方へと跳ね飛ばす。


「『でっかい雷、落ちて痺れろ!』」

銀髪の少女の振るう『鋼の手袋』が"魔雷"を呼び、垣根達を感電死させ、"掴み"、"薙ぎ払い"、"握り潰す"。


「『――~地獄業火【"Volcano"】~』」


"巨人の王"が見せる幻覚は、垣根達を紅蓮の灼熱地獄へ叩き落とす。





「おーいあまっちー。まあだ倒れてる気かよー?」

ウートガルザロキはヘラヘラ笑って垣根をあしらう。

「俺、あまっちはあまっちが言うようなダメな大人には見えねえんだけど?」

「死ねぇえっ!!」

肉薄してくる『垣根帝督』に"モーション"を見せて"幻痛"を浴びせる。

「ヒーロー…とまでは言わねえよ。でも、きちんと決着をつけるチカラはあると思うぜ」

「ウート、くん…」



「サンドリヨンちゃん!私を投げて!ベイロープちゃん!私を"掴んで"回避させて!」

「「了解」」

シギンを狙った『垣根帝督』達の大砲の弾は少女達の連携で緊急回避される。

落ちていくシギンをサンドリヨンが高速ダッシュで回収に向かう。

 ・・・・
「たまたま。何回か上手く行かなかったくらいで、もうダメだなんて諦めちゃダメだよ、と『助言』しよう」

びしっ!っと効果音が出そうな指差しをしながら天井へ『助言』する。

「ほいっと。危ないな」

言葉の割りには余裕を持ってサンドリヨンはシギンをキャッチ。

「シギン…」



「ベイロープ!"掴め"!」

「はいよっ!」

サンドリヨンはシギンをベイロープにパスし、振り返る。

「『カボチャの馬車のお婆さん♪急いで馬車をくださいな♪』」

追尾してくる『垣根帝督』達に『馬車』を飛ばす。

「「「「がっ?!ああああ!!!」」」」

チラリと左右へ視線を向ける。

「「死ね!!」」

「『カボチャの馬車のお婆さん♪急いで馬車を下さいな♪』」

左右からの鳥型垣根達にも両の掌を翳し、『馬車』を飛ばす。

「「ごっ?!がぁあああああ!!」」

「ふん」

間もなく滞空時間が終わるという頃に縦回転し、

ヒュンヒュンヒュン……スタン。

華麗に着地。

「隙有りィィィ!!!」

「そんなものはない」

着地の瞬間を狙って斬りかかってきた剣士型垣根の顎にヒュ、バキッ!っとサマーソルトキックをかます。

「ほげっ?!」

「何を!まだまだだな!」

倒れゆく剣士型垣根の背後から侍型垣根が刀を振り上げる。

「貴様がな」

「へぶっ?!」

ズドム。ばすこむ。ズドズドズドズドズドズドッッ!っと、ミシン針が布を縫うがごとく突き刺すような鋭い蹴りが侍型垣根の胸に容赦なく突き刺さる。

「お、お見事…だが拙者はま」

「やかましい。」

ついでにリバーブローをマシンガンのごとく叩き込み、45mほど遥か後方へ殴り飛ばす。


「…木原だったか。」

「私は貴様のことなど何も知らないけれど。
 貴様がここまで戦った事は評価する」

「サンドリヨン…」

彼女の事は呼ばれていた名前しか知らないが、居丈高な言い方の中に僅かに優しさを垣間見た。



「ふふっ!木原さん…だっけ?今行くからもう少し待ってちょうだい!」

ベイロープは孫悟空か何かのように『鋼の手袋』をブンブン回転させ、振り回す。

そして、『垣根帝督』達を

撃って

「ほがっ?!」

殴って

「ゲベ!?」

払って

「おぐぇ?!」

掴んで叩いて突いて、放電した後に

「おいそこは、だっ?!へう゛んっ?!あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」

打ち据える。

「だぱんぷっ!?」

「大丈夫?今回復術式を」

「…ありがとう」

駆け寄ってきたベイロープが天井に回復魔術をかける。


回復魔術が、同僚と見知らぬ少女達からの言葉が天井に染み渡る。

(――そうか、私は………っ!)

グググ、と痛みに軋む体に力を入れる。

(私は……!)


天井は立ち上がる。もう一度。


ヒーローみたいにでなくてもいい。ただ、自分が始めた戦いに決着(ケジメ)をつけなくては。

そんな決意が天井を奮い立たせる。

(…そうだ。自分はヒーローではない。だが、こんな"カッコ悪い人生"に甘んじていいわけじゃない!)

(戦え。格好をつけろ!これだけ助けられて「いえ動けませんでした」なんて無様な言い訳なんてできない!)

(痛み?知るか!震える?知るか!!数の不利?)




「知ったことかぁああああッッッ!!!」





「不味い、大分やられやがった!応援を呼べ!」
「クソ、コイツだけでも倒してっ、」
「ぶっ殺す!!」


「うっッッッぉぉォォォォオオおおおおおおおおおおおおおおぁあああああああッッッッッッ!!!!」


天井は叫ぶ。今までの人生で一度も出した事がない程の大きな声で。


魂の奥底から込み上げてくる、"咆哮"。


―――そうだ。決めたんだ。






『Q.天井亜雄は、全てを救えるか?』











『A. YES。』




その実験結果を、出してみせると。



アドレナリンが痛みを跳ね飛ばし、天井の頭脳がフル回転する。

勝利への方程式を計算し、ネットワークに繋がれた垣根達の演算力も使って。

『垣根帝督』を確実に破壊する『未元物質』の演算、その破壊力を最大出力(マキシマム)まで引き上げる。

「はぁあああああ!!!」

右手を天へ突き上げる。

背から爆発する『未元物質』が、その突き上げた右手に沿って巨大な"拳"を形作る。

そして、その右手を何重にも覆う形で。

"それ"は白く巨大な鉄拳となる。


振りかぶり、その白銀の拳を握りしめて。



「はぁぁぁぁあああああああああアアアアッッッ!!!!」

「「「――ッッッ―――――!?」」」


―――――――穿つ。


『垣根帝督』達の増援と、僅かに残存する『垣根帝督』達にその拳を、有らん限りのチカラを


叩きつける。




ドッガァァアアアアアアアアアアアンンンンン!!!!










辺りを見回す。

散った『未元物質』も、『垣根帝督』達も粉々になって道に放り出されていた。

(…全滅を、確認。)


右手の『未元物質』は雪のようにほどけ、散った。

天井は過呼吸気味に手を膝につく。


「……やってやった……はは。やってやったぞ!!なんだ、私もやれば出来るんじゃないか!」

小さくガッツポーズを決めてみる。

それを見たウートガルザロキやシギン、見知らぬ女性二人が小さく微笑む。


――諦めるのは、間違いだった。

自分はひょっとしたらヒーローにだってなれるのかも知れなかった。

「はふ?」

緊張の糸が切れたのか力が抜け、ガクン!ドテーン!と尻餅をついてしまう。

「おげっ?!」

…いや、まぁ。詰まる所、やっぱり自分はヒーローじゃなかったかもしれない。

「よお。やるじゃんあまっち」

でも。"目指す事はできる"のかもしれない。

きっと、今までの自分はそんな余裕もなかったのだろう。

自分が進むべき道を指し示す羅針盤の針はいつもグルグル空回りしていた。

方針も指針もあったものじゃなかった。

だから、きっと間違った道を進んでいってしまった。

…選び直そう。やり直そう。方針と指針はようやく定まったんだ。

もう、迷わない。大丈夫。

「立てる?手え貸すぜ」

手を差しだしてきた同僚の青年(ヒーロー)の笑顔を見るとそう思う。

「ありがとう」

その手を取って、立ち上がる。

ふと空を見上げ、木山達の事を思い出す。

……そうだ、まだ終わっていない。

この『実験』は木山達も含めて全員救う事で初めて成功なのだから。





「ウートくん。シギン。話がある」



天井の眼には、"光"があった。




~VS・『叶え屋』~



ベイロープ「――っと。これで大丈夫よ木原さん。」

天井「ああ…すまない。助かったよ」

とりあえずは治療を。と天井はベイロープの治癒術式を受けていた。

天井「それで、私が戦っていた理由なんだが…」





ウート「なーる。木山春生さんとフルチューニング……はるみんと零ちゃんね…」

サンドリヨン「どうする気だ?」

シギン「…もし、『生き残ること』を最優先で考えるなら。
    今すぐ壁まで逃げるべきだ、と『助言』するよ」

ウート「……」

シギン「その人達を探し当てたとしても。さっきの『未元物質』を使える木原くんを見てる限りは生き残れるとは思えない。だから…」

天井「…いや。それでさっきの"話"になるんだが…」

シギン「?」

天井「シギン。一つ『助言』してほしいんだ」

シギン「なにかな?」

天井「『全てを救った上で、この事件を終わらせるためにはどうすればいい?』」

シギン「………」

シギン「…そうだね、」ウーム


シギン「『"首謀者"をソッコーで直接叩く』」


シギン「それしかないよ、と『助言』しよう」

天井「…具体的な方法は」

サンドリヨン「おいおい…私はそこまでやらな」

ベイロープ「あっらぁー?自称完璧の"灰被り"殿は自分の術式に自信がないんだ?」ニヤニヤ

サンドリヨン「フン、そんな安い挑発に乗るとでも?」

シギン「サンドリヨンちゃん」

サンドリヨン「なんだ」

シギン「いい加減空気読んで?」ポム

サンドリヨン「っしケンカ売ってるんだな?いいだろう全力で蹴り飛ばしてやる」ボキボキ

ウート「…ま、サンディちゃんがどうするかは任せるけどさ、」

サンドリヨン「待てそのハワイの人っぽいあだ名はひょっとして私のことかコラ」


ウート「俺はあまっちに『あなたの願い、叶えます』って言っちまったからねぇ?」ヘラヘラ

ウート「一度吐いた唾を口に戻す趣味はねえよ。全力で叶えてやるさ。」

ウート「そいつを倒す事が必要なら、協力は惜しまねえ」ヘラヘラ

天井「そうか…君達はどうする?」

シギン「うん。私も一応は『叶え屋』さんだからね。協力する。協力するよ」ニコッ

ベイロープ「うーん…ちょっとの間『叶え屋』さんに入ってみるのもいいかもね。
      ウートくんがやるみたいだし、私も乗ろうかしら」クス

天井「ありがとう。……君は?」チラッ

サンドリヨン「ッチ。非常に不本意だけど。……まぁ、乗り掛かった船だ」プイ

天井「…皆。」

天井「ありがとう。恩に着る」ニコッ

ウート「…」ニコッ

シギン「…」ニコッ

ベイロープ「…」ニコッ

サンドリヨン「…」フン




ウート「オッケ。じゃー『叶え屋さん』メンバーも5人揃った事だし、いっちょやりますかあ!」

ウートシギン天井ベイロープ「「「「おー!」」」」





サンドリヨン「…あれ、これ私も『叶え屋』さんに含まれてる?」




~絶対等速&シルバークロース=アルファ~


「…オイ、こりゃどういうことだ」

自分達の居城であるホストクラブは『未元物質』に覆われていた。

それだけならまだ理解はできる。既に街中そうなっているのだから。

だが、

「…中の様子がチラっと見えますが……誰も居ませんね」

建物の中はもぬけの殻だった。


「あいつらがどっかに自主的に逃げた…じゃない、よな」

希望的観測ではあるが、そうであってほしい。

「……ええ。残念ながら、そうではないでしょう。」

シルバークロースは断言した。


「でなければ彼等はわざわざ着ている服をルパン三世よろしく脱ぎ捨てて、全裸で逃げた事になります」


中には、人間だけが消失したようにスーツ一式が3着落ちていた。


「ちょっとしたホラーだな。」

「…どうします?」

「決まってんだろ。」

煙草を取りだし火を点けて。

絶対等速は宣言した。


「仕事ほっぽらかしてフケやがった奴、全員ケツバット100回だ」


(…つまり、まだ生きてると信じて助けに行くぞ、と。)

「…はいはい。では、全員見つけて助け出さなければいけないですね」

苦笑しながら、シルバークロースはツバサを展開させる。



ホスト仲間が居なくなっては仕事ができなくなるし、つまらない。

だから、機動力もある自分が助けるのは合理的なんだ。

そう自分に言い聞かせる。

(……決して。)

(決して……単純に「助けたいから助ける」なんて思っちゃいない。)



シルバークロースも変わろうとしているのかもしれなかった。






~VS・姫神秋沙~





「『神楽』
 【カグラウタ】」


「お前が何しようとしてるか興味はあるけどよ。」


「むざむざ完成させてやる程、俺は優しくはねぇぞ」

天使型垣根の翼が無数の刃に換わり、轟スピードで姫神を襲う。

そんな脅威の強襲を認めながらも、姫神は意に介さず舞っていた。


刃が姫神の胸を貫、

スルリ。

「…あ?」

スルスルスルスルスルリ。

白玉ぜんざいを食べてる時に、フォークを白玉に突き刺せなかった時のような。そんな感覚。

姫神は。首を捻る、肩を捻る、足をどけるだけなどの最小限の動きのみで全ての翼を躱してみせた。

「あ?んだそりゃ。一応今の攻撃は人間じゃどう足掻いても避けきれないよう計算された攻撃なんだがな」

「ふふ。世の中には。あなたが知らないことでいっぱい。」

姫神は微笑む。

「例えば。"天宇受賣命の舞"術式を扱うのはどういう事か。とか。」

「……」


垣根は無言で人体を破壊する毒素を『未元物質』で精製、噴射する。


「元の伝説…"天岩戸"での天宇受賣命の舞は滅茶苦茶な動きの舞だった。
 それこそ。局部を晒すなど同性からしたら見れたものではなかったはず。」


されど。姫神は全く意に介さず舞い続けていた。

悪意と害意の毒素は漂うだけで、姫神の身体を破壊する事はなかった。

「それはもちろん。共通の目的として"天照大神を誘い出す"というのがあったり」

垣根は音速で跳び、衝撃波と共に姫神の周辺一帯を吹き飛ばす。

「純粋に楽しんでいたからかもしれない。」

なのに。姫神は変わらず無傷で舞い続ける。

側で風の玉に守られる上条ですら、無傷。


「でも。観客役は男神だけではなかったはず。そして日本古事記の女性達はとても繊細。」


『未元物質』の銃が乱射される。

『未元物質』の爆弾が投下される。

『未元物質』の刃が周囲を埋めつくし、串刺しにかかる。

『未元物質』の塊が圧殺せんと投下される。


「実際の所。全員が全員心底楽しんでいたかはわからない。」

なのに。

全ての起こるべき事象は起こらない。悲劇も惨劇も軒並みキャンセル。


姫神秋沙はたおやかに舞い続ける。



「しかし。それでも八百万の神様達は天宇受賣命の舞に嫌な顔やブーイング。中止を叫ぶなどの行為はしなかった。」

「…故に。『実は気に入らない舞だったが誰も介入や批判。邪魔ができなかった』という解釈ができる。」

垣根はもう直接殴りかかった。

「それに準え…"舞い続けている間だけ『害意がある攻撃全てを絶対に躱す』事ができる"…とか。」


肉薄する垣根を姫神はさらり。と躱して淑やかに舞う。



力強く、妖艶に、豪快に、繊細に、扇情的に、柔らかく、硬く、活発に、揺蕩うように、軽やかに、しなやかに、愛らしく、弛み、滑らかに、雅やかに。


変幻自在。千変万化。


その舞は万華鏡のようにころころとその艶姿を、舞姿を変える。




―――それは、とても美しかった。




「なるほど。『舞い続けている間』ね…じゃ、俺はお前が力尽きるのを待てばいいわけだ。」

     ワラウ
ニヤリと強がる

「もちろんそんな事にならないよう鍛え。そして対策がある。」

ニタリ
不敵に、笑う。


タンッ♪


今まで次々とランダムに変化していた姫神の舞のスタイルが指向性を持ったものに変わる。





「『鯊鐚與鑪虍懋齲~♪~鐚麼弖鑼鬆與驪姆~~♪鬆芭鑼輜豬~~譌鴕臥♪~鐚~鑼啝~玲鴕♪~~♪』!」


吹き荒ぶが如く。恐慌を掻き立てる旋律と唄が、姫神の唇から紡がれる。

そして。『詠唱』。


「『風ノ神様。志那都比売神様。御身ノ御力ヲ我ニ御貸シ下サイ
 【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】』」

再び足を"絶対回避の舞"の足運びへシフトしながら、姫神は指で鉄砲の形を作る。

「志那都比売神(姫神)様は風の神様。
 古くから『風を吹かせて欲しい時に祈れば強い風を吹かせてくれる』神様。」

「記述はないけれど。"天岩戸"よりも前からいた神様。
 …暴論だけど。天宇受賣命の舞を見ていた八百万の神様達の中に"実はいたかもしれない"。」

「その解釈で天宇受賣命の術式とリンクさせられた。」


「シュレッダーにかけてあげる。」


その指先には風の凶刄が集束された玉が。

一つ。二つ。三つ。

ズドン!

「?!」

発射された玉が垣根の頬を掠め、翼を食い破り、腹に風穴を空ける。


グシャジュ!


更に。着弾後に風弾は爆散し、『垣根帝督』を細切れにした。


「が………ふぁ……………だっちゅ。」

"地下鉄に跳ねられたらきっとこんな感じ"

そんな状態。

風玉は、垣根の8割を喰らっていった。


「……へぇ。面白いじゃねぇか」

顔の右半分がごっそり無くなったまま垣根はニタリと笑う。

すぐさま喪った部位をグチュグチュ再生させ、あっという間に完治。

「悪いな。ちょっと見くびってたよ」

残った血をペロリ。と舐めとる。

「テメェのその綺麗な顔や肢体。捻り潰したらどうなるかな?興味津々なんだが」

ふと思いついた、といった顔で『未元物質』の翼を広げる。

「?!」

直後、小さな白いドームが姫神の周りに展開され、一気に包み、圧縮する。

そして、"白い箱"に変化する。

『人間一人をグシャグシャにして、体積を立方体で表現するとこうなります』という形に。

「…終わったな」

人間を無理矢理小さな箱へ真空パックすればどうなるかなんて、想像するまでもない。



「何が?」




が。姫神はドバーン!と白い箱をぶち破って。

質量保存の法則も、推測される悲劇も全部まるっとガン無視して派手な登場をかましてきた。

(なんですと?!)

産まれて初めて箱を串刺しするマジックを見た子供のような顔をする垣根に、姫神は微笑む。



そして箱を勢いよく飛び出し、空中で錐揉み回転。

ふわっと着地、からのステップ。ステップインステップ。くるりふわりと軽やかに回転。

「心配しないで。ショータイムはまだまだこれからだから。」


「『風ノ神様。志那都比売神様。悪風暴風を吹カセテ下サイ。轟ト吹イテ。截断ヲ』
 【タトヨツテヤユエケメ・クムスルソセホヘ・フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】」


姫神の前に塵や埃、石や破片が風によって集束され。幾つもの"線"が精製される。

「駆けろ!」

"線"が、飛ぶ。

垣根が慌てて翼と盾を展開させるが、

ズパァッッンッッ!!

斬られる。

翼も盾も、肉体も。

言うなれば玉の代わりに無数のギロチンが飛ぶパチンコだった。

「おいおい…どうなってんだそりゃ。一応、この体や翼はそれなりに強度がある未元物質製なんだけどよ」

再生。からの『未元物質』により複数の大槌を現出させて姫神を襲う。

「そう。なら素材変更する事を薦める。」


「今の私にとっては。あなたは絹ごし豆腐くらい脆すぎる。」


ズドン!ズドズドン!!ズドンズドンズドン!!

タイプテストでもしてるかのように高速で襲いくる大槌を、姫神は跳び。翔び、跳び、躱す。

そして、"飛んで"避ける。


「逃がすか」

宙に浮かぶ姫神を狙い、垣根は大槌の側面に銃を精製、弾丸を乱射させる。

ダララララララ!!!

「当たらない!」

姫神はそれを大振りな縦回転で弾丸全てを躱していく。

「やるな。…でもよ、空中じゃステップは踏めねぇんじゃねぇの?」

『未元物質』で更に長銃、槍、大砲を無数に精製、発砲する。


「ご心配なく。」


ド ン ! 

ふわーっと滞空していた姫神は突如、発射されたように飛んでいく。

「逃がすかよ!」

垣根が放った銃弾の『未元物質』を操作し、ホーミング機能を追加する。
垣根が指をクンッ――と上げると、弾丸は本来の弾道軌跡を変え、姫神を追尾し始めた。

姫神を四方八方から『未元物質』の弾丸が襲う。




例えベテランパイロットが乗るゼロ戦や最新戦闘機でも避けきる事は叶わないだろう弾幕。

そもそも空で常に切迫する弾丸の嵐を躱しきる事など物理的に不可能だ。


だが、姫神秋沙は笑っていた。


「『神憑り』。『御力ヲ。我身二。志那都比売神』
 【ジンシンイッタイ】。【ワレハ"シナツノヒメノカミ"ナリ。】」


旋風と暴風、竜巻をその身に纏い。勝利への確信と笑みを携えて。

姫神は大きく螺旋運動をしながら弾丸を回避していく。

いや、弾丸そのものが姫神に当たる事を避けているようにも見えた。

ギュン。ギュンギュンギュンギュン!!!


姫神は更に加速する。加速、加速。加速!

突風を巻き起こし、それさえも加速装置(ブースター)にして。

弾丸を砲弾を槍を躱しきる韋駄天台風。

ビル群がある高度では機動性が失われることはわかる。

故に、

空へ…空へ、空へ。舞う、舞う。舞い上がる。

なおも執拗に追い縋る『未元物質』の牙達。

それを姫神に纏う風が叩き落とし、更に高見へと昇る。



「ざけやがって…じゃあ、こうしたらどうなるかな?」

「わかるだろ?」
「確実にあいつは死ぬ」
「逃がしゃしねぇよ」

天使型垣根から新たな『垣根帝督』が生まれる。

ドン!ドンドン!

衝撃波を地に残し、姫神を直接押し潰さんと『垣根帝督』達が飛び立つ。

「「「くたばれ」」」

あっという間に追い付き、翼から衝撃波を姫神へと飛ばす。

「テメェの回りを吹く"風"を相殺されちまったら、流石に飛べねぇんじゃねぇの?」

「さぁ?試してみたらわかるよ。」

あえて風を消し、落ちて垣根の衝撃波から逃れる。

「まだまだぁあ!!」

垣根が無数の羽根のカッターを飛ばす。

それを認めた姫神が再び風を自らに再接続。

姫神が再び発進し、再加速する!

ドーナッツスピン、真横へスライド、ターン、急降下、旋回、アップ。そしてダウン!

タップ、ジャンプ、タップエンターン!

「まだ殺れないのか?しぶといな」

地上付近の天使型垣根も『未元物質』でできた羽根を発砲する。

そんな追尾する切り裂き羽根に後ろをとられながら。

それでも姫神には当たらない。追い付けない。


彼女の術式という名の"努力の翼"は、決して折れない。


「何でだ?何で当たらねぇ?飛ばした"俺"から"害意"だって消したってのに…」

空を縦横無尽に駆け回る姫神を天使型垣根は歯噛みして睨む。

最早学園都市の上空は姫神の曲芸飛行のステージとなっていた。

彼女を引き裂こうと牙を剥く凶弾は、空を舞う巫女を際立たせるための舞台装置としてしか見えなかった。


「この程度か?鈍(のろ)いぞ。天使。」


不敵に笑いながら指で鉄砲の形を作り、風玉弾を垣根へ撃つ。



「もうそれは効かねぇよ。…もっと弾増やすか。」
「あいつ、さっき直撃しそうになった時初めて防御したしな。」
「たぶん、あれは"効く"んだろ。」
「それに躱し続けてるとこを見ると本体の防御力は皆無みてぇだし」
「全方位から撃って全身どこでもピアスできるようにしてやるよ」


先程の姫神の助言を取り入れたのか、今度は風玉弾が直撃しても垣根は無傷だった。


だが、姫神秋沙は笑っていた。


「…もう2、3人俺を増やすか」

追撃だ、とばかりに天使型垣根の翼から新たな『垣根帝督』が創造される。

「逃がさねぇ」
「おしまいだよ」
「終わりだな」


だが、姫神秋沙は笑っていた。


地上の『垣根帝督』達が更に夥しい数の銃と、固定砲台を設置。発射。


だが、姫神秋沙は笑っていた。


そして。


「…無駄。もう準備は整った。降伏するなら今のうち。」


「な…?」
「…ハッタリだ」
「ああ、あの女は踊ってもいなかったし、さっきの風みてぇに何か唱えてたわけでもねぇ」



「別に。私が術式を発動する方法が『詠唱』と『舞』だけだなんて言ってない。」

「……まさか」

姫神の曲芸飛行、その軌跡。

それは、巨大な魔法陣を描いていた。

「ペンタグラム(五芒星)…!」

"魔術"(オカルト)に疎い垣根だって知っている。
『魔法』という分野で最もポピュラー、使用される記号。

そのペンタグラムから、発光する軌跡が追加で表れ、別の魔法陣へと変わる。


…いや、どちらかと言えば曼陀羅やセフィロトの樹に近いだろうか。

その陣の中央から光が放たれ、姫神を囲うように立方体の"結界"が張られる。

「『神楽』。『外来魂集メ』。
 【カグラウタ】。【マナアツメ】。」


結界の中で姫神が軽く舞うと魔法陣から更に光が放たれ、幾つかのビルの屋上にある貯水タンクへ注がれる。



「これは天宇受賣命とは別の術式。」


「きっと。天宇受賣命の術式だけではいつか限界が来る。
 それを見越して彼女にねだって教えてもらった…」


「"調伏"術式。」


「殺れ殺れ!殺っちまえ!何かする前に叩きのめせ!」
「わかってるっつの。」
「間違いなく厄介な何かをする気だ!」

『垣根帝督』達が"結界"目掛けて総攻撃をかける。


「貯水タンクは水道管から直接汲み上げるのではなく。一旦地下水層に貯めた水を汲み上げるのが一般的。
 多くのマンション・ビルでは実は地下にも貯水タンクがある」

「そして。学園都市では断水や災害時に対応できるように。
 街中の地下に"竜脈"に酷似する特殊な水道管経路が構築されている。」

貯水タンクから水が勢いよく飛び出し、魔法陣へ集結していく。

「古来。"龍神様"というのは"水"を司る。」

「それは雨乞いの伝説だったり。川の氾濫の伝説だったり。豊穣神や海などの神様の伝説なんかを見ていくとわかる。」

「そしてそれらの伝説の共通点から推察すると。"龍神様"は"大きな水の流れ"があるところにいらっしゃる事がわかる。」

「くそっ、破れねぇ!」
「解析結果も意味不明だな」
「とにかく有効打を見つけろ!俺達が数をこなせばすぐ見つかる!」


「…私は"吸血殺し"の能力の恩恵で血、液体や流体的な"流れ"を読む事に長けている。」

「だからこの街の上下水道の水路図を調べてみた時にピンときた。」



「下準備さえ出来れば。この科学の街でも"龍神様"が呼べると」




街の各地から集められた水が、形を成していく。

「「「「「な……?」」」」」


「"龍神様"がいらっしゃった。」


だが。それはよく世間一般で表現されたりイメージされているような…爬虫類的な『龍』の姿ではなかった。


ナニカ
"   "が降臨した。



海碧に発光する体は大きく。長く。

頭は空を突き抜けており、見えなかった。

体の表面から細い強い光を無数に放ち、それが規則的に重なって絡まり合いながら天に向かって"流れていた"。



ひょっとして、大昔に初めて"その光景"を見た人はそれを説明する時に『鱗』に例えたのかもしれない。


『神々しい』。ただ、その一言に尽きた。



「…伝説では。"龍神様"の御姿は全宇宙の生物に御光をお与え下さるという御慈愛の意味から。
 全ての生物の姿を含んでおられる。」

「だから。本来"龍神様"に決まった形はない。"龍神様"を見た人各々によって認識する御姿は異なる。」

「ただ。"多くの人が見、そして祭られる"龍神様"のお姿は。」

「眩く光り輝いておられ。その眼は慈しみと厳しさを兼ね備え。
 深遠で透き通った神秘な輝きに満ちておられ。
 生命力を表すような大きな角。口髭。蜥蜴のような手足。
 手に持つ宝珠は全知全能のお力を感じさせるらしい。」

「…参った。なんてこった」

この垣根帝督の"好奇心"を多く受け継いだ『垣根帝督』は"天使"型だ。

あの日、一方通行との戦いで見出だした『未元物質』の真価。"覚醒"した垣根帝督。

それを常に出せるよう調整した『垣根帝督』だった。

そしてその力の本質は十字教としての見方が強い。

だから、この『垣根帝督』は十字教を信じていた。


だが。

(こんな"モノ"を見せられちゃあ、神道を信じてもいいかなって思っちまうな)


思わずそんな事を考えていた。



姫神が『詠唱』を始めても。


"龍神様"に対して。それを祭る巫女(シャーマン)に対して。

『妨害、攻撃をしよう』だなんて、畏れ多くて出来なかった。




「『龍神祝詞
 【りゅうじんのりと】』。」


「『龍王神なるを尊み敬いて
 【りゅうおうじんなるをとうとみうやまいて】』」

「『眞の六根一筋に御仕え申すことの由を受け引き給いて
 【まことのむねひとすじに みつかえもうすことのよしを うけひきたまいて】』」

「『愚かなる心の数々を戒め給いて
 【おろかなるこころのかずかずを いましめたまいて】』」

「『一切衆生の罪穢れの衣を脱ぎさらしめ給いて
 【いっさいしゅじょうのつみけがれのころもを ぬぎさらしめたまいて】』」

「『萬物の病災をも立所に祓い清め給い
 よろずのものの やまいわざわいをも たちどころにはらいきよめたまい】』」

「『萬世界も御親のもとに治めしせめ給へと
 【よろずせかいもみおやのもとにおさめせしめたまへと】』」

「『祈願奉ることの由をきこしめして
 【こいねがいたてまつることのよしをきこしめして】』」

「『六根の内に念じ申す大願を成就なさしめ給へと
 【むねのうちにねんじもおす だいがんをじょうじゅなさしめたまへと】』」

「『恐み恐み白す
 【かしこみかしこみもおす】』」





『詠唱』後、"龍神様"が垣根達を見据えた。


(私。ずっと"魔法使い"になりたかった)


(救われない者さえ救ってみせて)


(見捨てられた者すら守ってみせて)


(被害者も加害者も)


(既に亡くなった人すらも地獄から引きずりあげる。)



(…それから。自分の大事な人を。彼を襲うあらゆる艱難辛苦から守れる……)


(そんな。"魔法使い"に。)



「『Felixicis999(万人全てへ幸福を)』!!!」



"龍神様"が口を開いた。




(…アレに喰われたら、どうなるんだろうな?)

最後に頭に浮かんだ好奇心が、天使型垣根の抵抗する気力を奪っていった。

死への好奇心が、天使型垣根を。


"龍神様"が、天使型垣根と『垣根帝督』達を呑み込んだ。



―――――――――――
――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――



「…ふぅ。終わった。」

"龍神様"は消え、その体を構成していた水は元あった場所へ還っていく。

姫神は上条を包んでいた風の防御壁を解き、解放する。


神道系魔術師、姫神秋沙の初陣は勝利で飾られた。


地面に大の字になって倒れる垣根達に姫神はチラリと目線を向ける。

「…大丈夫。加減はした。私はあなたも救ってみせるから。」

その言葉通り、地面に倒れる垣根達は誰も死んではいない。

気絶しているだけだった。


「終わったよ。当麻くん。」


未だ「信じられない」といった面持ちの正義の味方(ヒーロー)に。

魔法使い(ヒロイン)は静かな微笑みを浮かべた。



~終わりゆくセカイと心理定規ちゃん~



「それでよ、一方通行の奴自分に笑われてんだぜ?!ウケるだろ?」

「アハハっ!マジッスか?!」

「…、ふっ」

白いローテーブルにはスナック菓子とコーラ。

それを囲むように置かれたソファやカジュアルデザインのパイプ椅子なんかに座り、『未元物質』でできた3人は仲良く談笑していた。


垣根が話題を振り、ゴーグルをつけた少年が意見や感想を、狙撃手が相槌をうつ。


少し離れた位置の白いクッションに座り、その光景を眺めながら心理定規は思う。


こんなの『スクール』時代にもなかった光景だ。


(これも、"あの人"が望んだことだったのかしら)


心理定規の目線から言わせると、垣根が構成員とプライベートで仲良くしてる印象はなかった。

それは暗部では当たり前なのだが、垣根はその中でも特別だった。

裏切りやスパイ、情報漏洩の懸念だったり、親しい間柄の人質として他組織から狙われるようになる可能性を摘み取ってきたかったからなのかもしれない。

あくまでもビジネスライクな接し方だった。

(私以外は、だけど。)


垣根帝督はあらゆる意味で"普通"とは欠け離れた少年だった。

超能力者。第二位。未元物質。暗部組織『スクール』のリーダー。ダース単位での人殺し。チンピラ。統括理事長のスペアプラン。

普通なぞ許されるわけがない。


(…だから。)


(こんな、"普通"の…平凡な十代の少年達が送るようなことをやってるのかしら)


垣根帝督は本当は。こんな風に友達と駄弁りたかったのか?

あるいは、"代表個体"が。

あるいは、『垣根帝督』が。


 ぼんやり『垣根帝督』について考察してみたがやはり暇潰しの域を出ない。



…このままでは埒が空かない。

とにかく自分がやるべき事は『世界征服』なんて幼稚でチープな手段を止め、学園都市を元に戻させてそこに自分を戻してもらう事だ。

この國については知ったことではない。
なんならラピュタよろしく宇宙の果てまで飛んでいったらいい。

まぁとにもかくにも。

「ちょっといいかしら」

交渉だ。

「―――で、そいつぶちまけちまったんだぜ!?……あ?なんだよ」

怪訝そうな顔で"代表個体"がこちらを向く。

見れば見るほど垣根帝督とは、人間とはかけ離れた生き物だ。


そもそも人類分類学上は人間ではないのだから当たり前なのだが、『ヒト』の姿形をしているのにどこか非生物チックだ。

無機質。無機物。無造作。そんな"物"の中に何か得体の知れないモノが入り込んで無理矢理グニャグニャ動かしているような。

そんな印象。


「あなたはさっき『世界征服』をするなんて言っていたけれど。」

「おう」

「何故それをやるのかしら」

「知ってどうすんだよ」

「あなたがどうしてそんな"偉業"を成そうとするのか気になるのよ」

「しょーがねぇなー」

ふぅ!やれやれっ!と得意げな顔で頭をふるあたり皮肉は通じなかったらしい。

「なぁ、メジャーハート。『この世は腐ってる』って思わないか?」

「……そうね。そうかも知れないわ」
(いかにも中二ねって感想は避けた方がいいわよね)

「ああいや、別に学園都市だけに限ってじゃねぇ。日本も世界の国々もだ。みーんな自分勝手、だろ。」


「それに…あれだな、救いがねェよ」

「…"救い"?」



「むかーしさ。研究所で実験動物の置き去り間でイジメがあったんだよ」

「うん」

「俺も見かけたら助けたりはしてたんだけどな」

「そう」

「他の奴は誰も助けねぇんだよ。あの年頃って、俺みたいな奴でもない限り能力とかLevelとか関係ないだろ?」

「つまり、研究員でも他の奴でも助けられたわけだ。」

「でも誰も助けなかった。」

「それどころか皆『もっとやれ』って嬉々として囃し立ててた。」

「そいつも抵抗はしてた。で、親友に助けを求めた。」

「なのに、やられてた奴の親友はそいつを見捨てた。」

「後になって『なんで見捨てたんだ?』って聞いてみたら」

「うん」

「『アイツも悪いし、自分もされたら嫌だから』」

「悪いかどうかは別として、主張としては正当だと思うけど」

「いやいや。おかしくねぇか?そいつは一番誰よりもやられてた奴を助けなきゃいけない奴だったはずじゃねぇか」

「義務、というのは違うと思うのだけど」

「義務だよ。自分がされたら嫌だってわかってるなら尚更だ。」

「ついでにさ、『アイツの何が悪かったんだよ』って聞いたら」

「うん。」

「『アイツ、イジメてた奴の大事なものをわざと壊した』って言うんだ」

「…なんで壊したかはわからないけど、それある意味そのイジメられてた子の自業自得じゃない」

「ああ。でもな、ねぇだろ。救いが」

「イジメてた奴も、イジメられてた奴も、見捨てた奴もだ。」

「やった奴は大事なものを理不尽に傷つけられて、やられてた奴はその報復を延々と受け続けた。見捨てた奴は知らんぷり。」

「皆クズだろ」

「ちなみにそのイジメられてた奴はその末に死んだ。」

「そう」

「ねぇだろ。救いが」

「そうね」

「中途半端にしか助けなかったあなたもあなたじゃないの?それ。」

「心配するな。そのあとでそいつら皆ぶっ殺しといたから」

「あなたが一番クズじゃない」

「害獣駆除しただけだろ」

「そういう発言が出る時点でって……ああもういいわ」

思わず額に手を置く。


「…勧善懲悪。やりすぎよくない、触らぬ神に祟りなし…って認識ではダメなの?」

「ダメだな。というよりも人類ってのは大体、根本からしてそういう奴等ばっかりじゃねぇか。
そんな事しか考えてねぇだろ」

「全員が全員そうだ、というわけではないと思うわ」

「仮にそうだとしても多いだろ。目障りじゃねぇか。だからさ、」



「そんなクズな人類は全員滅ぼして新しい人類を造っちまおうと思うんだ」

「論理飛躍にもほどがあるんじゃない?」



「いや何もあの話だけで決めたわけじゃねぇよ。今までの経験、情報、…暗部時代の俺達や、それを取り巻く凄惨な環境…」

「あんなもん無くしちまった方がいいだろ。んで、そういう『闇』は世界中にあるわけだ」

「それは…まぁ。」



「だからひとまず世界ごとぶっ潰して"皆が幸せな新世界"の神になる事にしたんだ」

「頭がおかしいのね?」



「そんなに正義感が強いならあなたが直接出向いてその人達を片っ端から刑務所にでも放り込んだらどう?」

「数が多すぎるし善人が悪人にもなったりするからメンドクセェ。
 それに仮に今がなんとかなっても未来にまたそういうのが現れるだろ。」




「なら、もう二度と悲劇を生まないように人類全員を『未元物質』にしちまった方がいいだろ?」

「それが一番凄い悲劇生んじゃうんだけど」



「というかどうやって"それ"を実現する気なのよ。無茶だし無謀で無理よ」

「できる。」

「地球を『未元物質』で包んで、人類全てを"俺"に変えるんだよ」

「……は?」

今、なんといった。

「全人類の脳を洗脳、更に『未元物質』のチップを埋め込むんだよ。それで、皆を"俺"にして管理する。」

「現存する500台の『樹系図の設計者《ツリーダイアグラム》』の演算機構があれば、それは可能だ。」

「全ての演算を『未元物質』の大量生産につぎ込み、人類を地球全土ごと『未元物質』で覆う。」

「その後は予め残留思念から造って用意しておいたLevel5ほぼ全員の脳を使って…」

「"俺"の思考回路をプログラムした『心理掌握』の洗脳電波を『超電磁砲』で飛ばし、『原子崩し』で拡散、『一方通行』で全人類の脳へ届ける』」

「後は全人類の脳以外の人体をゆっくり『未元物質』に置き換えていって…」

「その脳にさっき話した反乱防止のための『未元物質』の管理制御チップを埋め込む。」

「それで、終わりだ」

「それって…その『人類未元物質化計画』が成功したら、人類の思考ルーティンや人格があなたになるって事よね?」

「そうだな」

「私が現段階で知る"あなた"の人格を人類の基準人格にするべきとは思えないわ」

「"かもな"。…だが、"カブトムシ05の人格"なら?」

「え?」



「俺だって何も考えずに分裂していたわけじゃあねぇ。
 指向性を持って垣根帝督の精神をバラしていってたんだよ」

「あー…アレだ、少しづつ玉葱を剥いていくみたいな感じだな。垣根帝督の一側面…"聖人君子な部分"を探しだしていた」

「あの人にもそんな一面があった事に少し驚くわね」

「遅かれ早かれ、その"聖人君子な『垣根帝督』"個体…05を生んだ後、そいつを"喰って"、"俺"の中に取り込みデータ化するつもりだったんだ」

「なぁ。お前もアイツと接していて、『コイツ嫌いだ』とか、『悪い奴だ』とかは思わなかったんじゃねぇか?」

「………。常識はなかったけど」

「それは今後学習させれば済む話だ。必要なのは人類の人格フォーマット後に入力する『信頼できるベース人格』だからな」

(だからさっき急いで直接止めに来たのね。彼の『新たなる自我の萌芽』を…)

(タッチの差でこのバカな計画は止められなくなった、ってことね)


"代表個体"がソファから立ち上がる。

「もういいだろ?俺に交渉しても無駄だ。お前の能力は俺には効かねぇし、切れる交渉カードなんて持ってねぇだろうしな」

「…"私自身"は?」

「わざわざ連れてきたのは理由があるんじゃないかしら?」

「案外、『止めてくれなきゃ自[ピーーー]る』っていったら止めてくれたり?」

人差し指を自分の頬に当て、いたずらっぽく笑ってみる。

「………」

"代表個体"は少しだけ考える素振りをして。

「…別に?『スクール』で生存しているやつかたまたまお前だけだったから、暇潰しで呼んだだけだ」

「仮に死なれても『残留思念』があるしな」

「…そう。どうあってもやるのね?」

「ああ。」

(…ダメね。言葉も力づくも無理みたい)

(まぁ、もういいか。あんなロクでもない世界で生きてきた私も人間に期待なんてしてないし。)

(この人が創る新世界で私は生きられるみたいだし。)

心理定規はフゥ…と溜め息をついて。

(皆が自分なんて悪夢な世界で生きようとするって…)

(なんて究極のナルシスト。どんだけ自分に自信があるのって思うわ)



―――ヒトの未来を諦めた。



「どんな風に世界が変わるのか、そのテレビで見れる。
 映画の中の世界にしか見えないだろうが、まごうことなき現実だ。」

"代表個体"が自分の知る『スクール』のアジトと、それに似せたこの部屋のわかりやすい相違点を指差す。


「学園都市での実験はもう終わりだ。『座標移動』の脳を使って学園都市の住人をこの國に呼んで試してみたし…そろそろ。」

『ゴーグルの少年』と『狙撃手』を消して。



「人類の進化を始めてやる」


"代表個体"は酷薄な笑みと共に――――


世界征服を開始した。


―――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――――――


"代表個体"が部屋の天井へ手を翳す。


「…さぁ始めよう。世界を一変させ、福音をもたらすんだ。」


ガクンッッッッッッ!!!!!


『國』そのものが、強烈に揺れた。

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………


ありがちでわかりやすい。世界崩壊の序曲を心理定規は聞いた。


頭の奥、腹の底、心臓に"クる"響音。


500台の『樹系図の設計者《ツリー・ダイアグラム》』…その『演算中枢《シリコランダム》』らが唸りをあげ、莫大な演算を行い始める。

動き出した破滅を止められない心理定規は勝手に映り出したテレビの画面を見つめた。


「さぁ、変質しろ」



同時刻。学園都市の異変を撮影していた海外のカメラの映像にも変化が起きた。


学園都市上空。光学迷彩を解いた巨大な『未元物質』の國が突然その姿を現した。


その國が、塊が、解(ほど)けていく。


その國の基盤たる土台……白い土塊のような質感の未元物質が"羽毛"に変わる。

柔らかい、白い羽根へ。

建物も、そこにいた多種多様な姿の『垣根帝督』達も。

自身を一枚の羽根へと変質させ、國の土へと還る。


"國"は、次第にその姿を変えていく。


一枚の布を限界まで捻ったような、ジャイアント・ジャックのような。細長い蛹のような。二本の棒を螺旋を描くように絡み合わせたような。

"それ"は地から天へと縦に伸びる。


どこか、神話か創世記を思わせる光景だった。


"それ"の天辺が開く。

上部が、巨大なツバサへ。

下部が、更に巨大なツバサへ。

中部が、二対のツバサを合わせたよりも巨大なツバサへ。


『未元物質』の國は、


超巨大な6枚3対のツバサに変わった。


そして、伸びる。


どこまでもどこまでも。宇宙(ソラ)まで伸びる『未元物質』の翼。


雲を突き抜け、吸い込まれるような蒼天へ伸びていく。



         ノビ
延びる。伸びる。巨大化ていく


ツバサは学園都市に留まらなくなった。

白い巨塊。空は白一色に代わった。


青から白へ。"通常"から"異常"へ。

日本上空の範囲を飛び越え。世界中へとツバサは伸びていく。



「さぁ、『樹系図の設計者』。全てを飲み込むツバサを開け。」


伸びきったツバサは、地球全体を包むように折り曲げられていく。


地球を、巨大な『未元物質』のツバサが覆っていく。


「インパクトだ。」


ツバサが、形容できない轟音と共に地球に接地した。


人を、建物を、動物を、虫を、魚を、山を、森を、川を、石を、大地を、海を、氷を。


国も歴史も言葉も財産も文化も習慣も思想も宗教も。

"科学"も"魔術"も


『垣根帝督』は、『未元物質』は。


"呑みこんだ"。



地球が、白一色となる。




「これで、いい。もう誰も不幸にはならねぇ。」

『垣根帝督』、その"代表個体"は満足そうに微笑んだ。


「最初っから。"個"なんてなければよかったんだよ。」


「人類全員が"俺"なら。差別はしねぇ、言葉や文化、思想の壁は作らねぇ。」

「殺したり、盗んだり、騙したり、イジメたり。貶めたり、悪いことは絶対しない。」

「仮にそれが起こったとしても。正義の基準も皆が同じだからその判断も迷わないし、納得する。」

「富める人は貧しい者へ財産を分配し、仕事や家、生きるのに必要なモノを与える。
 だからもう、誰かが貧困も飢餓も仕事がなくて悩むこともなくなる。」

「国同士の過去の因縁や領土についても。全て忘れる。『皆の物』にするからだ」

「復讐や嫌悪、個々の事情も全部なくなる。何故ならそれらも忘れるからだ」


「"神様"は自分達。よって、宗教も統一されるからその軋轢もなくなる」

「誰が何を好きで、嫌いでもそれを否定しない。」

「何故なら、両者が"俺"なら。それを理解し、『この人はそういうものなんだな』と受け入れ合えるからだ」

「誰かが寂しいと泣くならば、すぐに飛んで駆けつける。何時間でも一緒にいて、遊んで話して、支えてやる。」

「そして、相手も自分だから。知らない誰かであっても国籍も言葉も血や間柄、仕事も関係なく仲良くなれる。」

「もう老いや見た目の劣等感を抱くことも、自分の無能さ、無力さに嘆き、悲しみ、誰かを妬み、羨むこともしなくていい。」

「全ての実力は底上げされ。また、頭打ちなんだからな」

「この地球上に現存する人類全てが尊重しあい、助け、喜びを与え、認め合う。」

「…優しくなれる。」


「だって"俺なんだから"」


『垣根帝督』はドス黒い満面の笑みを浮かべた。



「これこそ、人類がすべき"進化"だ。」



『垣根帝督』の傲慢な悲願は、達成された。


たった数時間で、世界は『垣根帝督』に掌握された。

残る"作業"は経過を見ての調整のみ。


事実上。『垣根帝督』は人類の王、神となった。



―――――――――――

――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――




「こォンにィィちわァア……」




ニタァァア……と毒々しい笑顔を湛えた学園都市Level5第一位の顔が目の前にあり。

その手が"代表個体"の頭に触れていた。

「"逆流"開始」


「――――――――は――……?」


(何がっ……どういう……こと…だ……?)


直後、『未元物質』の

     奔
 流

           が 






~数十分前。VS・『叶え屋』~


「いたぞ」
「あいつらか」
「今度はやられねぇ」
「なぁ、なんで『座標移動』を使わねぇんだ」
「こっちには作ってねぇんだと。」
「もうすぐ起こすのに、新しく作るのも無駄に演算させちまうしな」


「やれやれ。また随分来なすったぞ」

「いてこませー。」

「全く面倒だ」

「で?あれの内一匹を捕らえるのよね?」

「うん。どうもあの白いの達は何らかのネットワークを持ってるみたいだし。
 逆に言えばアクセス鍵さえもっていれば"はっきんぐ"を仕掛けられるはず。と『助言』しよう」







「離せ!離しやがれ!」

「始めるぞ」


『垣根帝督』の内の一人を捕まえて天井の『未元物質』でDNW《ダークマターネットワーク》にリンクする。
(天井がネーミングした)


『垣根帝督』のシステム、思惑、目的、計画を探っていく。


「どう?あまっち。」

『垣根帝督』の頭に手と翼を翳す天井にウートガルザロキが尋ねる。

「うむ……なんとも言えないな。どうもMNWとは勝手が違う。随分強固な相互間ネットワークを持っているみたいだ。」

「このまま解析を続ければわかるだろうが」と付け足して、天井は解析を続ける。

「しっかしイヤなもんね。"無限湧き"とかモンスターボックス状態ってカンジ。」

『鋼の手袋』で魔雷で『垣根帝督』達をピンポイント爆撃しながらベイロープがぼやく。

「だが私達の敵じゃない。…フンッ!」

「ごがっ?!」

サンドリヨンが『垣根帝督』にカウンターブローとラリアットを決める。

「なーなー、あまっちも『未元物質』が使えるんなら、わざわざ捕まえてこなくてもアクセスできたんじゃね?」

「いや私も『未元物質』を扱えるなら…とは思ったんだが、これはどうも肉体(のうみそ)が『未元物質』で出来てないとネットワークには参加出来ないみたいだ」

「なにそれ気持ち悪っ」







「…解析、終わるぞ」

天井が告げる。

「オーケー。じゃ一時戦線離脱しましょう。」

天井が翼を広げ、ベイロープがウートガルザロキと『鋼の手袋』に乗り。

シギンを背負ったサンドリヨンは。

「っし!にっげろぉぉおおお!!!」


ウートガルザロキ達は全力で逃げ出した! ▼







〓〓とあるビルの屋上〓〓


天井「それで、解析結果なんだが」

シギン「うん」

天井「木山達はまだ生きているみたいだ。現在進行形で第二位達が探している。」

天井「そして、街中の住人が消えたのは残留思念で再現した『座標移動』で連れ去ったから。」

天井「『國』の直下に建立された『未元物質』の巨大なケースに納められているみたいだ」

丁度フィギュアケースのように。

天井「彼等が"喰った"と表現しているのはそれの事らしい。」

サンドリヨン「…随分回りくどいな。そんな情報を求めていたわけじゃないだろう。
 早く奴の目的を吐け」

天井「ああ…わかってる。ただその、」

ベイロープ「?」

天井「……どうやら、"世界征服"をしようとしているみたいだ」

ウート「そらまたどこの魔王様だよってな」プクク

天井「簡潔にまとめると…地球を人類ごと『未元物質』で包んで自分の人形化、徹底管理をしようとしているといったところか」

サンドリヨン「…出来るのか?そんな事が」

天井「ああ。残念ながら理論上、計算上は可能だな。
   このままでは数十分後に世界は第二位に掌握される」

ウート「マジかよ…」



シギン「連れ去られた人達は助け出せそう?」

天井「ああ。周囲の『未元物質』を破壊すればな」

シギン「倒せそう?」

天井「…難しいな。『國』に引きこもられているし、他の個体より強い。」

天井「おまけに今統率している"代表個体"が死んだとしてもすぐに別の『垣根帝督』が"代表個体"となる。」

天井「DNWにウイルスでも流せたら、とも思ったが…各々の各個体が"個"として機能しているために、仮に実行しても全体の内の1ブロックしか潰せない」

サンドリヨン「厄介だな」

天井「それに時間がない。後は"代表個体"の気分しだいでいつでもそれが実行可能だ」

ベイロープ「手詰まりってトコ?」

「「「………」」」

ウート「おいおい。忘れたのかよ。」

天井「?」

ウート「ウチにはシギンがいるじゃねえか。」ニヤリ

ウート「シギン。『助言』を頼むわ。」

シギン「ふふ……うん、任せて。」コクン



シギン「まぢ無理!と『助言』しよう!」どーん!







サンドリヨン「――で?」

シギン「ひどいよ、ぶつことないじゃない!」イタイイタイ

ウート「え?てかマジで無理なの?かっこつけた手前、俺スゲーダサイんだけど」

シギン「ううん。ないわけじゃないけど、今のメンバーじゃ無理だよ。」

シギン「"役"が足りてない。攻略するための手札が足りないんだよ」

シギン「空が飛べて、白い人に負けなくて、"代表個体"に街中の白いのを回収させられる人が必要なんだけど…」ウーム



打ち止め「ふぇえ…ここどこぉ?ってミサカはミサカはようじょ口調でさまよってみたり…」トボトボ


ウート「……ん?あの子って確か…」

ウート「!」ティーン!


ウート「…ギリギリの中で活路が見えてきやがったって感じ?」ニヤリ

打ち止め「ふぇえ…」




~VS・一方通行~


一方「クソ、打ち止めが飛ばされたのはこの辺りの筈なンだが」(・д・ = ・д・)キョロキョロ

一方「どこに…」キョロキョロ



ウート「お探しの子はこの子かぃ?お客さん」ニヤニヤ

打ち止め「あ!あなたーミサカはここよーってミサカはミサカは抱っこされてるのに人質気分!」フリフリ

ウート「いやまあ、実際人質なんですけどね」ヘラヘラ

一方「あァ?オマエいつかの『叶え屋』の…」チラッ

天井「……」プルプル

一方「お?オマエ生きてやがったのか。天井くン」ヘッ

天井「へぁ?!いやいや人違いだ!私は『木原加群』――」

一方「あのな、美容整形で俺の目が誤魔化せると思ってンのか?」アキレ

ウート「…」アッチャー

シギン「…」アッチャー

ベイロープ「…アマイ?」

サンドリヨン「ああ偽名だったのか」

天井「ああああ!!クソっ最悪だ!空気を読めよ第一位ぃぃいい!!」ウワァアン!

一方「は?いや、ンな事言われてもな」






一方「『協力しろ』?」

ベイロープ「ええ。貴方だっていつまでもこの街をこの状態にしておきたいとは思わないんじゃないかしら?」

一方「そりゃァな」

シギン「ならお願いしたいな」

一方「………」

打ち止め「ミサカからもお願い…ってミサカはミサカはうるうるしてあなたの手を握ってみたり…」

一方「…で?具体的にはどォやるつもりだ」

天井「え?!」

一方「乗ってやるって言ってンだよ。前に世話ンなったし、あれが変わるキッカケになったしな」ッハ


天井(……"あの"一方通行がこんな素直に……?かつてを知る私としては驚天動地と言う他ないな…)マジカヨ







一方「――で。つまり、オマエ達が抑えてる間に俺が特攻をしかけて、第二位が吐いたモノ全部を口に戻させる、と」

天井「そうだ。一方通行、お前なら『未元物質』の防御機構も『垣根帝督』達もものともせず突っ込める。」

一方「オマエらはどォやって第二位を足止めする?」

天井「私が『垣根帝督』にリンクし、そこからDNWに接続、"代表個体"にウートくんの幻覚を送信する。」

天井「あたかも『世界征服が成功した』ように見せ、油断させる。」

天井「後は"代表"が他の個体に変わる前に"代表個体"の『未元物質の操作ベクトル』をお前が直接操作するんだ。」

天井「『國』の展開ベクトルを操作し、本件で第二位が生み出した『未元物質』全てを"代表個体"に集める。」

天井「『垣根帝督』を一人に戻しさえすれば。お前ならトドメを刺せる。」

一方「あァ、わかった。」






一方「じゃ、行ってくる」

打ち止め「頑張ってね!ってミサカはミサカはエールを送ってみたり!」フリフリ

一方「…あァ、そォいやァよ」クルッ

天井「ん?なんだ?」

一方「オマエ、随分変わったな。憑き物でも取れたみてェに晴れやかな面だ。」

天井「……ああ。まさにそんな感じだからな。」ニコッ

天井「それがどうかしたか?」

一方「いや、オマエもようやくリスタートが切れたンだな、と。…おめでとォ」ダンッ!

ヒュイイイイン!!

天井「はは、言うじゃないか一方通行。」

天井(そうだな。ようやく、だ。)フッ

天井(しかし皮肉なものだな。かつて私を追い詰めた敵に今の私の全てを託す事になるとは。)

天井「…頼んだぞ、一方通行。」







〓〓現在『未元物質』の國〓〓〓



心理(第一位…!)

一方「ギャハハハハハハ!!そォンなわけで!オマエはまた俺に負けるンだよォォォ!!!」

黒垣根「クソ…………が………っぽぅ」

人が、部屋が、家具が、壁が、建物が、『垣根帝督』達が、"代表個体"に集約されていく。

あちこちから『垣根帝督』が産み出してきた『未元物質』の塊を"代表個体"に"戻していく。"


ボコッ。ボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ。


黒垣根「う?!ぐ、ごぷっ?!うぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼぼッッッ?!」

行き場を失った質量が"代表個体"の身体へ捩じ込まれていく。

"代表個体"の身体が膨張していく。

指がソーセージのようになり、背中は盛り上がり、頬はブルドックのように垂れ下がる。

肥りすぎた巨漢になっていく。

一方「ギャハハっ!!なンだなンだよなンなンですかァ?!増量しすぎて風船肉達磨になっちまってンじゃねェか!」ギャハハ!

黒垣根「クソ、がぁあああああああ!!!」

しかし尚も『未元物質』は容赦なく飛んでくる。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


姫神「?!白い人達が急に飛んで?!」

姫神「…っ」ダッ


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


シルクロ「先輩!」

絶対「なんだ?ありゃ…街中の白い奴等が空の一点目指して…」

シルクロ「……追いますッ!」バサァ!

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


サローニャ「にゃん!」ポテッ!

サローニャ「あったったっ~…?」サスサス

サローニャ「え?え?私のしもべちゃん達が空へどんどん飛んでって?!」ホワァアア?!

サローニャ「やーん!いーやー!お願い帰ってきてよぉー!」てってってっ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

トール「あん?……スゲーな、街を覆ってた白いのが全部排水溝に流れてくみてぇに…」

トール「…事態解決って事でいいのかね?」ダッ

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



黒垣根「が!!ぐ!!ごぅっ?!あああああああ!!!」

ラスト3人の『垣根帝督』が"代表個体"に入った。


一方「エッヒャッヒャッヒャッヒャッヒャッ!!!!一人残らずオマエの毛穴にぶちこンでやったぜェ?
   さァ、この『國』の残りカスをオマエにぶっ込ンじまえば終わりだァ!!」


学園都市に残る『未元物質』は彼等の足場、『スクール』のアジトの床だけとなっていた。

"代表個体"は破裂寸前の人間風船状態で喘いでいる。

一方通行のベクトル操作により、『未元物質』の逆流を防ぐ事もできず。
演算も阻害されているために吐き出す事も、新しく『未元物質』を産み出して戦う事もできず。


"代表個体"…『垣根帝督』はもう終わりだった。


一方「ハッ!たァンと食わしてやったンだ!!きちンと"爆死する"っつゥ代金を払って逝きやがっ」



      ピ――――。



一方「………………あ?」





一方「………」オソルオソル



       バッテリー残量:0




一方(は?!ハァ―――――――?!ウ、ウソだろォォォォォォ?!!!)グラッ……


一方「電池………切レー………ター……」バタッ。


黒垣根「え」

心理「え」


一方「pa@mgp充,jad電mjgaしmwdとa@きゃajtよaTかg@っe@qgbた,ux」モソモソ



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



打ち止め「え―――――――?!」ガビーン!

ウート「え?なに」

打ち止め「あの人への代理演算が届かなくなっちゃったの!ってミサカはミサカは大ピンチをお知らせしてみたり!」ピョンピョン!

サンドリヨン「?つまり?」

天井「……恐らくだが、一方通行が行動不能になったという事だ」



シギンベイロープウートサンドリヨン「「「「は――――――――――?!!」」」」



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



~"垣根帝督"と心理定規ちゃん~



心理「……」

黒垣根「ッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハアっハハ、ヒャハハハハハアアアhッハははハはアハハ八八ノヽノヽノヽノ \ / \/ \ !!!!!!!」

黒垣根「なんだよ!このザマは?!ああ?!なぁオイ第一位様よぉぉおおお?!」ゲシッ!

一方「majikanbensite」ゴロゴロ

一方「afu~n」ポローッン…

一方「sainara~」ヒュー……


心理(第一位、笑顔で落ちていったわ…)

黒垣根「ふーっ、ふーっ…はは…何をしたかはわからねぇが…
    この『國』の6/1と地上に残しておいた非常用『樹系図の設計者』(機械100%で作った)はまだ一基残ってる!」

黒垣根「ぜぇ……うぷっ。これならまだ再建できる……!!」

黒垣根「ハハハハハハハハハハハハハハ………ッッッ?!」



        ドクン。







「スキを見せましたね?」





黒垣根「な?!テメェ、なんで…?がっ?!」

心理「?どこから声が」


「『未元物質』の"制御権"。頂いていきます」



黒垣根「?!ぶざげっ…おぶ?!が……あ……おぶぇぼろろろろろ?!」ゲボォォオ!!!

"代表個体"の口を無理矢理拡げて、白い塊が床に吐き出された。

ベチョリ。

塊はグニャングニョン、モニョモニョモニョ…と蠢いたかと思うと、

ムクっ…と起き上がった。

ガリ。ガリガリガリガリ。

大福のような見た目が目に見えないヘラで削られていくように形が洗練されていく。

「ふふ…」

完成。

それは"代表個体"に喰われたあの少年だった。



「ふふ…私の人格を利用するために、私を完全に消さない事はわかっていました。
 何せ、"私"ですからね」クスクス

「第一位と衝突し、あなたが弱るその時を虎視眈々と狙ってたんですよ!!」

体や服に付着した"代表個体"の白い粘液(未元物質)を落としながら、立ち上がる。


白垣根「……ふぅ。私、大復活です!」ヌッチョォオオ!!




心理「復活の仕方気持ち悪ッッ?!」

白垣根「Σ( ̄□ ̄llミ?!」ガビーン!


黒垣根「が?!ああああああああああああああ?!!!」


白垣根("代表個体")「…ふ。『未元物質』の"制御権"を失ったあなたの中で『未元物質』が大暴れしているみたいですね」ヌッチョ…

黒垣根「が、ぐ………あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!」ボコン!ボコッボコボコボコボコボコボコボコボコボコボコ!!!

"代表個体"の身体が隆起したり凹んだりを繰り返しだす。

黒垣根「あ゙が…………ま゙だ……だ!」ふーっ、ふーっ…

白垣根「?!まだ余力を!?」

黒垣根「うぷっ………う…まだ、これなら…まだ、"再建"出来゙……る……!ぼろろろ…」ゼェ、ゼェ……ビチャビシャッ

"代表個体"は『未元物質』を嘔吐しながら、風船から人型へ徐徐にその身体を戻していった。

白垣根「くっ、私に"制御権"を奪われる時に余剰『未元物質』を私に押しつけたのか!?」

黒垣根「お゙うあ゛!!」ビュルン!!

白垣根「?!白い触手?!」ガシッ!


黒垣根「もゔ一゙回゙吸収じでやるよ…」ニタァ…

白垣根「あ?!あああああああ!!!」ビキビキビキビキ!



触手に掴まれた所から徐徐に白い少年へ侵食が進む。

手、肩、首、顔へと血管が浮き出ることでその進行具合がわかった。


黒垣根「くぞ、抵゙抗゙が゙激゙じい゙…」

白垣根「く、互角……ですか!」

心理「……ねぇ。」

黒い少年に心理定規が声をかける。

黒垣根「あ゙あ゙?!」

心理「もう、諦めたら?」

黒垣根("  個体")「うぉえっ………あ゙あ゙……?あぎらめ゙る゙だぁ…?んなごどでぎるがよ……」ゼェハァ…

黒垣根(" う個体")「ごんどごぞ!おれだぢはっ……じゆ゙うを゙でに゙ずるんだッッ!」

黒垣根(" ょう個体")「ごのぐざっだ………っう……ぷ…街がらッッ!」

黒垣根("  個体")「ロ゙グでもない゙ぜがいがらッッ!!ぬげだずんだッッ!」

黒垣根(" う個体")「ぞうだろッッ!?メジャーハートっ!!!」

黒垣根("  個体")「あ゙の゙日゙!!お゙れだぢ『゙スグール゙』が決゙起゙じだの゙ば!!その゙ため゙だっだだろぉが!!!」
黒垣根("  個体")「全゙部゙ぶ゙っ゙壊゙ずため゙だっ゙ただ゙ろ゙ゔがッッッ!!!!」


心理「……」


黒垣根("  個体")「ア゙レイ゙ズダーの野郎に復讐じでっ!『おれだぢの味わっでぎだ辛さ』を゙わがらぜでやるんだろ゙う゛がッッッ!!!」ゼェ、ゼェゼェ…

黒垣根("  個体")「…ぢぐじょう゛!ごんなどごで終われね゙ンだよッッ!!」

黒垣根("  個体")「クゾッタレ!まげら゙れ゙ねぇんだよ!今゙ま゙で゙ロ゙グな゙ごどながっだんだ!!!一つくらい願いが叶ったっていいはずだろうが!!!」

白垣根("代表  ")「…ッ。でも、それは……!」

心理(…どうしようかしらね。)

心理(本当なら元カブトムシを応援するべきなんだけど。)

心理(…私は……私の叶えたい願いは)

心理「……」スッ

白垣根("代表  ")「心理定規さん!?逃げて下さい!!」




心理「ねぇ、"垣根"。」


黒白垣根「「なんだよ心理定規?」」


心理「……やっぱり。」

心理「あなた達はあなただったのね。」

心理「"白い"彼も、」

白垣根「?」

心理「"黒い"あなたも、」

黒垣根「?」


心理「あまりにも欠けているから。私、別人だと思ってた。」

心理「違ったのね。ごめんなさい。…そうよ、あなた言ってたわね。」

心理「『自分の精神(こころ)をバラした』って。」

心理「断片的な『垣根帝督の一側面』だったから、わからなかった。
   目に見えてるモノが小さすぎて、全体像がわからない時みたいに。」

心理「…ねぇ、"垣根"。一つ"賭け"をしない?」

黒白垣根「「?」」




心理「このままでは埒があかないわ。だから、」

心理「融け合ってみるの。『未元物質』の"制御権"と"心"を一つにして。」

白垣根「?!何を…!」

心理「あなたも本当は迷っているのでしょ?
   あなたも"彼"だから、本来の目的を達成したいはずよ。
   だから、確かめるべきよ『後悔しないかどうか』を」

白垣根「…」

心理「あなたはもう一度、邪魔もなく確実に再建できるかもしれない。」

黒垣根「…」


心理「だから、融け合って一人になれば。」

心理「お互い利益とチャンスが生まれるわ」



心理(…それに。)

心理(『未元物質』のシステム上に散らばった『垣根帝督の精神の破片』は今、全部ここにある。)

心理(それに、彼等の白と黒の精神は飽和状態。)

心理("今なら"。この世で唯一"未元物質"を扱える、学園都市Level5第二位、垣根帝督に戻れるはず。)

心理「…どう?」

白垣根「いいんですか?!本気ですか!?心理定規さん!もし、彼が勝ったら!」



心理「…別にどうも?」

白垣根「な…!」



心理「私は"代表個体"が勝っても構わない。」

心理「あの日、私が垣根に手を貸したのは彼が言った目的を私も達成したかったからだし、それが叶うのならそれでもいいの。」

心理「でも、元カブトムシのあなたが勝って、元の変わらない学園都市で暮らすのも悪くない。」

心理「そう考えてる。…酷く利己的でしょ?でも、これが私」

白垣根「それはまた…」

黒垣根「食えねぇ女だ」

心理「私はヒーローでもヒロインでもないもの。」

白垣根「しかし…なら、何故」

心理「……まぁ、実の所は…ひょっとしたら、」


心理「もう一度。"彼"に会えるかもしれないって、期待してるだけ。かも」


白垣根「…」

黒垣根「…」


白垣根「…」

黒垣根「…」

白垣根「……」チラッ

黒垣根「……」チラッ


白垣根「…どうします?私としては彼女の願いを叶えてあげたいのですが」クスクス

黒垣根「は、裏切られる事を想定できねぇのか?俺は『勝率が上がるから』やってやってもいいけどな」クックッ

白垣根「ええ。わかっています。あなたは"私"ですから」

黒垣根「………」

黒垣根「ああ……テメェは"俺"だったな」

白垣根「………」



白垣根「では」

黒垣根「ああ」





白黒垣根「「今、心を一つに」」




二人の『垣根帝督』を繋げていた白い触手が"糸"に変化した。

"黒"と"白"は発光し、ふわりと浮いて近づいていく。

触れ、重なりあい、お互いへ沈み、お互いを理解し、混ざりあう。"白"と"黒"が。


―――そして、とある少年のシルエットを象(かたど)る。



 空中に浮かぶ僅かなマンションの床(フローリング)。
その上でドレスを着た少女と光る少年。

写真や絵画にでもしたくなるような非現実で、空想的な図。


――――――――フッ。


発光がなりをひそめ、変化が止まる。

「――…………」


パァッ――――――…………


心理「えっ?!」

突如、残っていた床がバラけた。

床は全て無数の白い羽根へと変わり、ふわりふわりと風に揺られながらゆっくり降下していく。

そんな光景に目を奪われているのも束の間。


心理定規と少年は空に放り出された。



「?!……まさか、何か失敗したの?それとも――」

いや、そんなことより。

「――ダメ、落ちる!」

少年は石像か何かのように微動だにしない。

自分には生を獲得するための飛行能力(ツバサ)はない。

重力に従わざるを得ない。落下していく。地上へ。学園都市へ。


「いや!イヤァアアア!!!」

思わず叫んでいた。自分が唆した結果ではあるが、納得はできない。

(こんな―――事って!)

神を、運命を、数分前の己を恨む。

(――何よ!何よ何よ何よ!!!こんな、私のちっぽけな願いも叶わない世界なんていっそなくなればよかったんだわ!!)

目尻に涙が滲む。

「――けて。」

言葉が、零れた。





「助けて!!!帝督!!!」





「―――おう。」




ボスン。


誰かの両腕で、やんわり受け止められた。


…懐かしい声、懐かしい匂い、懐かしい信頼感だった。

ほんの少しだけ神様に期待して。目をそっ…と開ける。

その両腕の先にある顔は、かつて共に闇を生きた少年の顔だった。


「…悪い。帰ってくるのが遅くなった。」

そのちょっとはにかんで笑う少年は、白い少年のようで。黒い少年にも見えた。


「遅いのよ、バカ……」


その胸に抱きつく。




「―――ただいま。心理定規」

「おかえり―――。垣根帝督」




少年は、やっと『あの日』から帰ってきた。



ヒーローでもヒロインでもない少女の、ちっぽけな祈りと願いを聞き届けないほど。


世界は残酷ではないらしい。








〓〓地上〓〓



垣根「よっ…と」スタン

心理「……」ギュ

垣根「…おい、そろそろ離せよ心理定規」

心理「や。」フルフル

垣根「ったく。キャラ変わり過ぎじゃねぇのか」

心理「酷く寂しかったのだもの。埋め合わせくらいしてくれたっていいじゃない」

垣根「埋め合わせって…別に俺達付き合ってなかっただろーが」

心理「…だめかしら?」

垣根「……いや」ギュ

垣根「ダメじゃない。」ギュウウ。


垣根「……埋め合わせ。させてくれるか」

心理「うん」





ウート「…」

天井「…」

シギン「…」

ベイロープ「…」

サンドリヨン「…」

打ち止め「(〃ω〃)」ドキドキ

一方「kiーsukiーsu。hayakusiro」

姫神「…」

上条「…」

サローニャ「…」

トール「…」

シルクロ「…」

絶対「…」


垣根「」

心理「」



垣根「み、見てんじゃねぇよ///」

ウート「あー、とりまあんたが今回の事件の首謀者……ってことでいい?」

垣根「え、ああ……まぁ。」


ウート「…」つコイン

天井「…」拳

シギン「ベイロープちゃんが"掴んで"。」ジョゲン

ベイロープ「はいはい」つ

サンドリヨン「『カボチャの馬車のお婆さん♪』」スッ

姫神「【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】」タンタンタタン♪

上条「いいぜ!お前がこの事件の首謀者ってんなら…まずはふざけたお前をぶち殺す!」

サローニャ「ふーん?"人間"なら効くかにゃーん?」つ種

トール「今度こそ、隠しボス級…なんだよな?」ニヤァア

シルクロ「…」バサァ!

絶対「俺の部下拐いやがって…覚悟しろ」ジャラ

打ち止め「んもー!あなたは早く復活して!ってミサカはミサカは攻撃体勢をとりながら充電充電!」ピリビリ

一方「majigomen」モソモソ


心理「……」ススーッ


垣根「」




垣根「ちょ、タンマ」



\ああああああああああああああッッッ―――――/




~以下フルボッコタイムなのーちょっと待ってほしいのー~










~事件のあとのエピローグのようなもの~



〓〓とある高校〓〓



吹寄「皆お疲れ様!いよいよ明日ね!一端覧祭!」

上条「やっとか…」はふー

トール「楽しみだな!上条ちゃん!」

土御門「くぅ。舞夏と色々回れたらいいんだけどにゃー舞夏忙しいからな…」

青髪「ああ~~ん!明日はこの店にくる娘達にボクの本気コスプレ見せたるんや!!そんでメロメロにしたる!!」

サローニャ「ははっ。ねーよ」

青髪「?!」



姫神「ふふ。…あ。上条くん」

上条「なんだ?」


姫神(頑張れ!私!勇気を出せ!)ドキドキ

姫神「その。よかったら。明日一緒に回らない?」ドキドキドキドキ

上条「おう!いいぞ!」

姫神「!///」ドキドキドキドキドキドキ

上条「あとトールと土御門、青ピと吹寄とサローニャ誘ってるんだけど…いいか?」

姫神「……………うん。」ズーン

姫神(はっ!負けるな私!ここで終わってはダメ!)

姫神「皆でまわるのも。いいけど。できたら二人で回ってほしい。」

上条「え?」

小萌「あ!みなさーん!ちょっとお知らせがあるのですよー」てちてち

上条「?」クルッ

姫神「ちょっ」



小萌「またまた"転校生"です!長点上機から来た子なのですよー」

上条「長点上機?なんでまたそんなトップ校からウチに?」

小萌「喜べ子猫ちゃん達!イケメン男子なのです!」

「「「うおー!」」」

「「「「チッッッッ!!!」」」」

小萌「じゃ、入ってきてくださいですー」





カツカツカツ。


上条「……?」


ガラッ。


上条「――――ああああッッ?!」

姫神「そんな…」

サローニャ「うっそぉー…」

トール「お?」ニヤニヤ

土御門「……」

青髪「イケメンはしね」








「垣根帝督だ。好きな食べ物はがんもどき。能力は"未元物質"。強度はLevel5だ」



「よろしくな」






〓〓ホストクラブ『アースガルズ』〓〓


志熊「」チーン!

藍花「」チーン!

抜人「」チーン!

絶対「ふー…よし、全員ケツバット100回終わったな」

シルクロ(やったのは私だがな)フーヤレヤレ。

ウート「おっつー、シルクロ」ヘラヘラ

絶対「っち、最近来てなくて順位落ちた癖に、一回来ただけでまた返り咲くとかどういうことだ…」ブツブツ

ウート「あ、そーいやーよ、オーナーが新しく一人雇うんだってよ」

絶対「使える奴になればいいけどな」ハッ

シルクロ「どんな奴です?」

ウート「ま、見ればわかる。おーい。入ってきてよ」



カツカツカツ。


シルクロ「…?」


ガチャ。

絶対「……」

シルクロ「」

抜人「?」

志熊「ほう」

藍花「へぇ?」

ウート(すげぇよな、あれの直後に『こいつを雇う』って決めたオーナーは)ハハハ





黒垣根「垣根帝督だ。好きな食べ物は切り干し大根。能力は"未元物質"。強度はLevel5だ。」




「よろしく」




〓〓元『スクール』アジトマンション〓〓




「「ただいま」」


ガチャ。


白垣根「おかえりなさい。」ニコッ

垣根「出迎えはテメェかよ」チッ

黒垣根「虫酸が走る」チッ

白垣根「酷い言われようですね」クスクス


白垣根「二人とも帰ってきましたよ、心理定規さん。」

心理「…」クルッ



心理「おかえり」

垣根「ただいま」




黒垣根「俺にはねーのか」

心理「はいはいおかえりおかえり。バイトと学校はどうだった?」

垣根「しょっぱなからかましてやったぜ。ありゃ俺がクラス1の人気者になるのも近いな」

黒垣根「俺もかましてやった。ありゃ俺が他の奴等蹴落としてナンバーワンになるのもすぐだな」






心理「でもよかったの?また彼等を生み出して。」

垣根「なんか消したくなくてな。俺の精神は一切流出させずにコピぺした」

垣根「それに…『もし自分が3人いたらなー』って考えたことないか?」

心理「あー…なるほど。」

垣根「俺は『学生』も『仕事』も『お前の側にいて守る』のもやりたいからな。体が一つじゃ間に合わねぇんだよ」

心理「……………そ。///」プイ


黒垣根「あ、今照れたな。可愛いじゃねぇか」ダキ

心理「////」

垣根「?!」

白垣根「まぁ、3人とも垣根帝督ですから。思考回路は同じですよね」ギュ

心理「///////」

垣根「あっ?!テメっ、いつのまに?!クソ!テメェら俺の女に手ェ出すんじゃねぇよ!」バッ

心理「//////////」



\ギャーギャー!/





心理(全員同じ人だけど…これはハーレムってやつなのかしらね。)クス


心理(願ってみるものね。私、今幸せだわ。)フフ




〓〓学園都市:某街角〓〓


「失敗だな」

「…はい。失敗です」

「『第二位のオリジナル脳に"木原"を…木原唯一の思考を植えつける』」

 ・・・・・・・・・・・
「いずれやる事ではあったが、ここまで目立つ事やられるのはまだ避けるべきだった。自由にさせ過ぎたな」

「ごめんちゃいです」

「…だがまぁ、そうしょげかえることもないだろう。」

「"『樹系図の設計者』の復活"、"天井亜雄の『萌芽』"、"第二位の表舞台への復活"、"この街に潜む『魔術』side連中の炙り出し"…」

「得られた実験結果はどれも"次"へ繋がるものばかりだ。」

「ですかね」

「次策は」

「もち。」

「なら結構。」



「あらー?可愛いわんちゃんですね!お腹撫でていいですか?」

「あ、はい。どうぞどうぞ。」

「わんっ?!」

「可愛い~♪わしゃわしゃー♪あ、雄ですか?雌ですか?」

「あ、雄です。ちゃんとティンコついてます。お腹さすってあげると喜ぶんですよー」

「や、やめたまえ!私の体(ボディ)は確かにゴールデンレトリバーだがっ、わふーぅぅうん……あっそこっ気持ちっ♪」

「シャベッタァァアアア!!!」


「「あ、やべっ」」



〓〓叶え屋〓〓


木山「やれやれ。結果的に助かったはいいが…やはり早計だったんじゃないかな?」

フルチュ「まーまー。いいじゃない!ミサカ達は助かったしね!終わりよければ全てよしだよ/return」

サンドリヨン「…狭いんだが」

ベイロープ「それは仕方ないわよ」

シギン「女の子率高くなったね」

天井「ああ…おかげで物理的にも精神的にも肩身が狭いな」ハハ


ガチャ。


ウート「たっだいまぁー!っと!」


「「「「「「おかえり」」」」」」

ウート「おおう、壮観だねえ?」ハハ






天井「お茶だ」コト、コト、コト、コト、コト、コト、コト

ウート「それで…皆今後はどうするカンジ?」ズズー

木山「私は彼女と共に某医者を頼る事にするよ。
   元より脱獄……じゃない、解放されたら「僕を頼ってくれ」と言われていたしね」

フルチュ「今のパパじゃ私を養えないものね…/return」アワレミ

天井「…すまないな、甲斐性なしで」






ガチャ。

木山「落ち着いたらまた連絡するよ。よかったらまた話でもしよう。」ヨイショ

フルチュ「じゃあね、パパ。/return」

天井「ああ。……ん?」

木山「なんだい?」

天井(木山が言っていた、「出所しなければならなくなった理由」はなんだったのか気になったが…やめておくべきか。)


天井「いや、なんでもない。」

木山「なんだ、気になるじゃないか」


天井(すねにキズがある人間の一人として。そういうキズをつつくなんて不粋なマネはしたくないからな)






シギン「サンドリヨンちゃんはどうするの?」

サンドリヨン「私はまだこの街に留まる。復讐の足掛かりを探さなければならないしな」

ガチャ。

シギン「行くあてはあるの?」

サンドリヨン「そのあたりのホテルにでも泊まる。」

サンドリヨン「…ああ、一応私へ繋がる通信霊装を渡しておく。何かいい情報があったら教えて。」


シギン「そしたらまた来てくれる?」

サンドリヨン「それはまぁ。…というか何故私の来訪を望む?」


シギン「サンドリヨンちゃんと仲良くなれたらいいかなって」


サンドリヨン「………//////」

サンドリヨン「考えておく」



バタン。


ウート「耳まで真っ赤だったな」クックックッ








ベイロープ「私はどうしよっかな。ウートくんとの『約束』もあるし……まだ、一緒にいたいしね?」ギュウ

ウート「そだねぇ」ヘラヘラ

ウート(そしてベルちゃん谷間見せるファッションばっかなだけあってボリュームヤバイ)ムホホホホ

シギン「むぅううう」プクゥ

天井「しかし彼女は何者なんだ?ああサンドリヨンさんもだが」

ウート「魔術師だよ二人とも。サンディはフリー、ベルちゃんはイギリスの魔術結社のリーダー。」

ベイロープ「イエーイ!」ブイ

天井「ほう…。しかし、ベイロープさんがリーダーなら早く帰らないと不味いのでは?」

ベイロープ「そのあたりは大丈夫よ。仕事の依頼が来るのは私に直接だし、通信霊装でメンバーに指示も出せるわ?」フフン

シギン(くっ、やはりおっぱいか。おっぱいなのか)プクゥ!


ベイロープ「まぁ一度イギリスに帰って今後暫くの指示は出しておこうと思うわ」

ウート「あ、帰っちゃうんだ?じゃあ送ってくわ。」ヨイショ

ベイロープ「本当?!ウートくんやっさしー!」ギュウ

シギン「そんな御近所感覚で外国に…むぅうう。」

天井「えっと…色々大丈夫なのか?ウートくん」

ウート「まね。実はまだイギリスに用事を残してきてんだよ」ヘラヘラ

ウート(…イギリスでなら『知の角杯』の話ができるしな)








~結局、なんやかんやで次の日ってわけよ~




ウート「うし。準備できたし…行くか。」

ベイロープ「私もできたわ」

ウート「んじゃ。帰ってきたら『叶え屋』さん再開するからヨロー」ヒラヒラ

天井「あ、ウートくん」

ウート「ん?何?」

天井「その、だな。いい忘れていたんだが」

ウート「?」

天井「今回の件で私は色々と君に助け……ああいや。一言にまとめよう。」フルフル





天井「私の願いを叶えてくれて、ありがとう」ニコッ

ウート「……どーいたしましてっ。」ニコッ



ウート「んじゃ、改めて。行きますかっ!」ガチャ

ベイロープ「ん。じゃあね二人とも」ヒラヒラ


天井「ああ。気をつけて」

シギン「じゃあね」フリフリ




天井シギン「「いってらっしゃい」」

ウート「おう!」ヘラヘラ

本編投下終了。疲れた。以下おまけ。

次回からイギリス編?と一端覧祭編(想像で)。


〓〓『船の墓場』:フレイヤの部屋がある船、甲板〓〓

ウート「パパだぞー」

フレイヤ「…あ、今動いた」サスリサスリ

ウート「お、ちゃーんとわかるんだなー!…これで俺も父親、か」フゥ

フレイヤ「…不安?」クスッ

ウート「正直な。でも…」ソッ

フレイヤ「…」ニコッ

ウート「お前と一緒なら。」

ウート「俺は何でもできる気がするよ」テギュ

フレイヤ「あなた…」クスッ

トール「」

ウート「あ、どーした?」

トール「いやお前何してんの」

ウート「いやフレイヤがな?マタニティブルーで心細いっていうからちょっと子供産まれる前の夫婦ごっこを」

トール「はぁ?お前も知ってるだろ?フレイヤは」

フレイヤ「ふふっ」ニコッ

トール(…フレイヤの笑い方じゃ、ない?)

フレイヤ「ねぇ。この子、酷く危なっかしい子なのよ。」

フレイヤ「父親はいないし、母親もいないようなもの。もし、よかったらこの子を気にかけてあげてほしいの」

フレイヤ「…私は何もできないから。ごめんなさい。どうか、この子をよろしくね?パパ達」ニコッ

ウートール「「!」」

フレイヤ「」ガクンッ

ウート「おっと!大丈夫か?!フレイヤ!」ポスッ

フレイヤ「う、う~ん?あれ?私…何を?」

フレイヤ「…何かした?」

ウート「…」チラッ

トール「…」フルフル

ウート「あー…そうだ、フレイヤ。俺んとこにプリンあるんだけど食う?」

フレイヤ「ホント?食べるー☆(*≧∀≦*)」キャハ☆


ウート「…どー思う?」

トール「さぁてな?」

子が親を支配しているはずなのだから、俺達が"彼女"に会うなんてことはないはずなのだけど。

フレイヤ「ウートガルザロキ!トール!早く早くっ!」キャッキャッ!

誰かさんを心配する"彼女"は間違いなく母の顔だった。


〓〓『船の墓場』〓〓


オティヌス「それでは、定例会議を始める。まず―――――」

ヘル「わかった。ザルツブルクでのサーチ術式をかけた結果―――」

フェンリル「いや、それなんだけどなー?フェンリルちゃんには北欧神話、ユミルの――」

ウート「ちょ、トール見ろよ。この霊装、マジカッコよくね?
    霊装職人マカ=アルバーンがデザインした奴なんだけどさー」

トール「へー、鎌があしらわれた指輪か。でもそれお前の術式壊すんじゃね?もっと伝承のさ―――」

ベルシ(木原病理への復讐を誓い、『魔術』の世界へ飛び込んで少したった。)

ベルシ(私も少しづつ馴染み、科学とは違う世界を楽しんでいる。)

マリアン「――だから、もしベルシがこの逸話のモチーフを術式に転用するにあたっては」

ベルシ(ふむ…ではまた少し術式を調整する必要があるな。)

ベルシ(…そういえば。) ふと。

ベルシ(随分と環境が変わったのだな。)

ベルシ.。oOO(   )ホンワホンワ。

―――――――――――――

―――――――――――――――――――

―――――――――――――――――――――――――


~科学sideの加群さん~

加群「今日の『ヒトはどこまでなら死から生き返るか』実験は、この可愛いカピバラを使う。」

カピバラ「マジ勘弁」

乱数「スゲーや加群さん相変わらずブッ飛んでんなー」




鞠亜「せーんせ♪」ピョコ♪

加群「鞠亜か。どうしたんだ?」

鞠亜「今日の授業でわからないとこあったから、教えてほしいなって」ニコッ

加群「ああ、わかった。どこがわからなかった?」




鞠亜「ありがと、先生!」ニヒ

加群「どういたしまして。」ニコッ

鞠亜「ねー加群センセ。前から言ってるけどさ、
   私がもう少しいい女になったらセンセの彼女になってあげるね?」ニヒヒ

加群「…フッ、バカを言うな。」クスクス

ベルシ.。oOO(   )ホンワホンワ。

ベルシ(今は…).。oOO(   )ホンワホンワ。

~魔術sideのベルシさん~

ベルシ「今日の『どうやって復讐するか』の実験はこの可愛いナポレオンフィッシュを使う」

ナポレオンフィッシュ「マジ勘弁」

ミョルニル『スゲーわベルシさん相変わらずブッ飛んでるわー』





マリアン「ベールシ♪」ピョコ♪


ベルシ「マリアンか。どうしたんだ?」

マリアン「今日の授業でわからないとこあったら、教えてあげよっかなって」ニコッ

ベルシ「ああ、ありがとう。…丁度ここについて質問があるんだが」





マリアン「わかった?生徒くん?」ニヒ

ベルシ「ああ。助かったよ。」ニコッ

マリアン「なぁーベルシ。前から言ってるけどさ。」

マリアン「復讐が終わって何も無くなっちゃったら、私のトコに来いよ」ニヒヒ

ベルシ「…フッ、バカを言うな。」クスクス

――――――――――――――――
――――――――――――
―――――――――

ベルシ.。oOO(   )ホンワホンワ。


ベルシ(……あれ?あんまり変わらない?)


姫神「必要な事は全部教えてもらった。」スタスタ。

姫神「あとは。努力だけ。」スタスタ。

〓〓ゲーセン〓〓

姫神「えい。えい…あれ?違う。ほっはっ。」

2点チーン!

姫神「」



姫神「日本古事記の本買ってきた。」

姫神「ふむふむ。」




姫神「『詠唱』の練習しないと。【フモハヌ・ラされっ…ラサロなかまねこっだっふ」ガブッ

姫神「イタイ…【フモハぶっ。ラサのレかまネカなまこっ…」

姫神「言いづらいわ!」ベチーン!



姫神「ふっはっ!」

姫神「採点は…」

25点

姫神「……ぐすっ」




姫神「…」チクチク←戦闘服を作ってる

姫神「いたっ」プスッ

姫神「……」グスッ

姫神「私。何してるんだろ。魔術を使えるようになったところで。上条くんを助けられるとは限らないのに。」グスッグスッ。

姫神「しかもこんな恥ずかし過ぎる格好でアホみたいに躍り狂わなきゃいけないとか…」グスッ

姫神「……私。なんでこんな辛いことしてるんだっけ……」ポロポロ


アウレオルス『―――"死ね"』

上条『――――っけんじゃねえぞ、テメェ!!』


上条『一緒にナイトパレードを観よう』


姫神「……」

姫神「……もう少しだけ。頑張る。」チクチク…



姫神「ふっ!はっ!」

「なー、あの娘毎日見るよな。なんか頑張ってるみてーだけど。」

「な。」

50点

姫神「…まだ。足りない。」




姫神「【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】!【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】!」ブツブツ




姫神「はっ。やっ。たー!」ズダダン♪

100点!スゲー!

姫神「やっ…た…!やっと。目標とする技量を…!」ゼェハァ

「「「わーー!!」」」パチパチパチパチパチパチ!!

姫神「え?」クルッ

「やったな!」
「毎日頑張ってたもんな!」
「やるじゃねーか!」
「ファンです!やったね!あいさちゃん!」

姫神「……」

姫神「…ありがとう。」ニコッ



姫神「【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】」

姫神「『風ノ神様。志那都比売神様。悪風暴風を吹カセテ下サイ。轟ト吹イテ。截断ヲ』
 【タトヨツテヤユエケメ・クムスルソセホヘ・フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】」

姫神「できるようになった!」フンス!



姫神「このステップを…ん。足運びがまだ難しい。」はっほっ



姫神「教えて。きっと。アメノウズメノミコトの術式だけでは足りない。」つお土産:大福

インデックス「あいさ……うん。わかったんらよ」モッチャモッチャ

インデックス「"志那都比売神"と"竜神様"って知ってる?」モッチャモッチャモッチャ。



〓〓とある神社〓〓

姫神「某神社に来た。」トコトコ。

姫神「外出許可をもらって。神社にお参りと術式に必要な『信仰』を…」

姫神「……」パンパン

姫神(神様。)

姫神(どうか。私に上条くんを。皆を守る力を。」

「あら、恋人のためにお参りにいらっしゃったんですか?」ニコッ

姫神「え?!いやそんなんじゃ…///」ブンブン!

姫神(うかつ。口に出ていた。///)カァ///…





姫神「…………」

姫神(―――長かった。とても辛かった。)

姫神(でも。そのおかげで私は当麻くんと同じステージに立つ事ができた。)

姫神(頑張ってよかった。私。エラい。)


上条「――――――?!」

姫神「『支エル風ヲ。彼ヲ空へ留メル優シキ風ヲ』
   【フモハヌ・ラサロレノネカマナコ】。」ビュオ!

上条「?!」ボフン!

姫神(…さぁ。魅せてあげる。)スタン!

姫神(私はもう無力な女の子じゃない。)

姫神「助けに来たよ。当麻くん。」ニコッ



姫神(私。"魔法使い(ヒロイン)"。)




――――――努力は決して。自分を裏切らない。


おまけ終わり。

毎回の更新で読む人の度肝を抜く事を心掛けている。

今後も読んでくれる人の度肝をひっこ抜けたら。

投下、本当にお疲れ様でございました!
秋沙のたゆまぬ努力が結実して、とても嬉しいです!

嘘だ…こんな目立つ姫神なんて姫神じゃない…

乙です
ていとくんは和食好きか

「俺の姫神がこんなに目立つわけがない」

乙乙
>この『國』の6/1

破壊されたのに6倍になるとか未元物質マジ常識通じねえ

超乙
姫神が最っ高に輝いてたわ…感動した…ッ!
心理定規もよかったね~垣根ハーレムでお幸せに~ ヒラヒラ

小萌
「努力すれば必ず目立てるとは言いませんけど、努力しない人は絶対に主人公にはなれません!」
「姫神ちゃんなんて漫画版では丸々エピソードを削られたくらいの不遇キャラだったのに頑張って頑張って頑張って魔術師(ヒロイン)まで上り詰めたんですよ!」

普段とIDと酉違うけど>>1。一端覧祭での上条さんたちのコスプレ衣装を募集。
(文章だからあんまり反映できないかもだけど)

上条
サローニャ
姫神
土御門
青ピ
トール
垣根
吹寄

で。期限は一週間くらいまで。参考画像あると助かる。来た中から>>1の琴線に触れたのを採用。
あと何か要望があれば。叶えられそうであればやる。

たまには全レスしてみたり。

>>675姫神「ありがとう。」ニコッ

>>676姫神「ふっ。もう存在感ゼロキャラは返上させてもらう。」

>>677垣根「まーな。朝は白米味噌汁焼き鮭納豆だ」

>>678姫神「いつ。私があなたのモノになったというの。」

>>679ろくぶんのいちと読んで欲しかったんですがまあそれでもおかしいのでていとくんがついついテンパっておかしな事を口走っちゃったと思ってください

>>680垣根'S「「「はいっ!絶対心理定規を幸せにします!」」」

  心理「?!」

>>681姫神「皮肉?皮肉なの?小萌先生コラ。」


ちょっと本編が中々書き進まないから小ネタをいくつか。


ウート「あっれえ?バードウェイ姉御じゃござーやせんか」

バードウェイ「ん?お前か」

ウート「……リコーダーとランドセル?」

バードウェイ「ああ、これから日本に行くからな」フフン

ウート「えーと…なんで日本に行くとその小学生ルックになるんですかね?」

バードウェイ「私くらいの年頃はこういう格好をしているものだと教わってな」フッ

ウート(誰にだ…耐えろ俺。笑うな俺。)プルプル

バードウェイ「ぴーぽぱぺっぺーぷーぴっぴー♪」

ウート「あ、上手いっすね、リコーダー。」

バードウェイ「ふふふ…だろう?なんなら私の得意曲『エーデルワイス』を聞かせてやっても構わんぞ?」

ウート「えーマジッすかー?じゃおなしゃーす(エラく懐かしいなオイ)」ヘラヘラ

バードウェイ「ふっ…」スッ

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽぱー♪ぱー♪」

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽー♪ぱー♪」

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽぱー♪ぱー♪」

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽー♪ぱー♪」

バードウェイ「ぽーぽぽ♪ぽーぱぽぱーぱぱー♪」

バードウェイ「ぱーぱ♪ぱーぱぽー♪ぽー」

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽぱー♪ぱー♪」

バードウェイ「ぴー♪ぽぱー♪ぱーぱぽー♪ぽーぽぽぽー♪ポォヒッ!」

ウート(あ、最後ミスった?)

バードウェイ「ち、違う!////いつもはできる!いつもはできるんだ!///」ジワ…

ウート「あーうんうん!わかってるわかってる!姉御ができるって俺ちゃんと知ってっすから!!」アセアセ

バードウェイ「ふんっ!わかってるならいい…/////」プルプル

ウート(涙目ぷるぷるなバードウェイ姉御可愛い)



バードウェイ「違う!何度言ったらわかるんだマーク!」ペチィィン!!

マーク「ぶええぇぇっ?!」ズザザザァ!!

バードウェイ「はぁ、はぁ……全く!」カチィン!シュボ!

バードウェイ「ふー…」スパー

ウート「」

バードウェイ「ん?ウートガルザロキか。なんだ?」

ウート「あ、どもっす。姉御煙草吸うんすか」

バードウェイ「…ふっ。私は大人だからな、煙草の一本や二本吸えなくてどうする」フフン

マーク「あ、ご安心ください。それただのオモチャですから」ムクッ

バードウェイ「反省が足りないよぉぉぉおおおだなぁぁあああ?!ムァアアアアクッッッ!!!」パァン!パァン!ペチン!ペチィン!

マーク「ごへっ?!ごへっごへっ!!」

ウート「姉御!抑えてくださいっす!それ以上はマークさん死んぢゃうから?!」

バードウェイ「ふーっ、ふーっ!ったく、使えん部下だ!」プンスカ!

ウート「つーかマークは何やらかしたんすか?」


バードウェイ「『お兄ちゃんが漫画とか貸してくれなかったり遊んでくれなかったりして私にいじわるしてくるけど、それは私との接し方がいまいちよくわからなくてついついそういう態度になっちゃう』

       ごっこでこいつの演技が下手くそなんだ!」プンスコ!=3

ウート「………姉御、上級者っすね」


ウート「姉御にせがまれてゆーえんちに来ました」てふてふ。

バードウェイ「来たか、ウートガルザロキ。」

ウート「姉御、今日も素敵ですね」サワヤカスマイル

バードウェイ「ちっっがぁあああう!!」クワッ

ウート「?!」ビクッ

バードウェイ「そこは、」

バードウェイ「『わり、遅れた!…ごめん、悪かったって!ほら!そこでレヴィの好きなアイス買ってやるから!』」

バードウェイ「だろうが?!」プンスコ!=3

ウート「あのう、すいませんそれひょっとして俺にもお兄ちゃんプレイ求めてます?」

バードウェイ「…ち、上条当麻を呼ぶべきだったか」チッ!

ウート「やめてさしあげろ?」フルフル



ウート「…やっぱり姉御はお兄ちゃん欲しかったんすね」

バードウェイ「別にお前でも構わんぞ」

ウート「慎んで辞退させてもらいます」フルフル

バードウェイ「私の中での理想お兄ちゃん候補ランキングは1位上条、2位マーク、3位がお前だ」フフフ

ウート(嬉しくねえし、3位ってお前)

バードウェイ「マークは仲いいし、私が過ぎたワガママを言った時は冷たいが、そういうタイプのお兄ちゃんでもそれはそれでありだし…」

バードウェイ「上条当麻は私ともっと接していって遠慮がなくなる仲になった時は最高の『理想のお兄ちゃん』になってくれそうだ」ウム

バードウェイ「お前は…私を理解し、『私が不快にならない接し方』をよくわかっているからそこそこ好きだな」ウム

ウート「……」

バードウェイ「マークや上条と違って私のワガママによくつきあってくれるしな」

ウート「……姉御。」

ウート(そうだよな。レヴィの年頃なら本当はもっと……)

バードウェイ「お前ならいいぞ?もう少し学べば私の『理解のお兄ちゃん』の内の一人になっても」チラリ

ウート「…考えとくよ」ハハ



バードウェイ「…じゃあ『自分が乗りたいからってジェットコースターを怖がる妹を無理矢理説得する』感じでちょっと私に」

ウート(帰りてえ)


姫神「私の術式は神社神道。アメノウズメノミコトの舞を舞う事で八百万の神様達の御力をお借りできる術式。」テクテク

姫神「…他の魔術師に教えてもらえば。私のレパートリーが増えるかも。」






神裂「で、私に…ですか」

姫神「そうです。教えてください。"おっぱいねーちん"さん」コクン

神裂「待てや」ガシッ

姫神「痛い。放して。」

神裂「…誰です?誰に私を紹介してもらったんです?いやなんとなく察しはついてますが」

姫神「土御門元春くんですけど。」

神裂「やっぱりですかちょっとあのグラサン叩き割ってきます」ガタッ





姫神「やっぱりその露出も魔術なんですか」

神裂「…ええ、まぁ」

姫神「……魔術師って。なんで露出しないと戦えないんでしょうね。」(遠い目)

神裂「…あなたも、ですか」

姫神「そう。『アメノウズメの術式』。そう言えば。たぶんわかっていただけるかと。」

神裂「アメノウズメ……なるほど、そういうことですか…」

神裂「辛かったでしょう。私の胸で泣きなさい」バッ

姫神「う。うわぁああああん!」ダキィッ!

神裂「よしよし」ナデナデ

姫神「うっうー。」

神裂「…」ナデナデ

姫神「……」

神裂「……」



姫神「…やっぱり。おっぱいおっきいのも術式なんですか?」モミュモミュ。

神裂「離れてください」ペイッ


〓〓土御門んち〓〓

姫神「土御門くん。あなたも神道系魔術師。陰陽師なら私の術式に応用できるかもしれない。何かアレンジとか工夫あるなら教えて。」

土御門(ボッコボコ)「んんー。姫神と俺の術式は扱ってる話の時代が違うからにゃー…」ウムム

土御門「まぁ式神系ならいけそうですたい」

姫神「恩に着る。」

土御門「まずは指で印を結ぶ。こう…」ニギニギ

姫神「こう?」ニギニギ

土御門「女性器の形に似ているだろう?」

姫神「うん。……で?」

土御門「いやそれだけだぜい。意味はない」

姫神「…は?」

土御門「いや姫神に下品な行動をさせて、でもそんな事は知らない姫神の『? どういうことー?』な顔をしてるのが見たかっただk 姫神「ふんッッッ!!!」ドズン!


土御門「が…あ……?(ぼでぃぶろー……?)」ドサッ…

土御門「カハ…ッ……うぼろろろろろろろ(つーかボディブローの威力じゃねぇぇええ!?)」ビシャビシャ!

土御門「オゲッ……オゲぇぇええッッッ!!!」オロロロロ!!

姫神「」



土御門「」ガクッ…

姫神(やべっ。やりすぎた。)ダッ!



〓〓天草式の家〓〓

姫神「そんなわけで来ました」

建宮「よく来たのよなお嬢さん!」フフ

姫神「天草だと宗教が違うけど。何かヒントを貰えないかと」

建宮「うんうん。女教皇から話は聞いているのよな。…諫早!」

諫早「…」スッ

建宮「これを着てみるのよな」つ

姫神「! これは……!」

建宮「ファイナル・ドスケベみこみこ巫女メイド服なのよn 姫神「ふんッッッッ!!!!」ズドムッ!!!


建宮「?!!ご……ぉっぅお……あ………?」ガクンッ!?

建宮(なんだ……ッ?!俺は…、今、"何を"されたんだ……?単なるボディブローの威力じゃねーぞッッ……?!)ゴブッ……

建宮「うごっ…」ドチャッ。

建宮「が……あ………?」ガクガクガクガクガクガク!

建宮「オゥエっ!オゥエぇぇええ!!!」ビシャビシャ!

姫神「」


姫神「か。軽く殴っただけ。軽く殴っただけなのに……?」ガタガタガタ

諫早「あ、8割このクワガタの自業自得ですから気になさらず」フルフルフリフリ。

姫神(わ。私の拳どうなってるの……?)ガクガクガク


オティヌス「それで私の所へ、か」フン

姫神「うん。魔術を極めた貴女なら。きっと何か教えてくれると思って。」

オティヌス「…いいだろう。ならばまずはこの私とおそろの魔神衣装を着ろ」

姫神「アメノウズメのとは違う術式を使うの?」

オティヌス「いや、単に私と同じように痴女呼ばわりされる仲間を増やしたかっただけd 姫神「ふんッッッ!!!」ズドム。


オティヌス「ご………が………あ…………?」ガクッ…

オティヌス「ごぶっ…おげ、おげぇぇああああああああ?!」ゴバッ!ブシャアアアア!!!
姫神「 」


オティヌス「まさ…か、この魔神に素手で土をつける人間が……?」グハッ!ゴバッ!オボァアッ!

姫神「」

オティヌス「む、無念……」バタッ


姫神は新しい魔術(物理)『悶絶必至(あいさちゃんなっこぉ)!』を覚えた!テッテレー♪ ▼


姫神「」


オティヌス「えー今日は我らがグレムリンも魔術だけではなく科学も取り入れていくために講師を呼んだ」

ヘル「へぇ」

ロキ「ほっほっほっ」

トール「ほー?」

オティヌス「科学の悪魔でマッドサイエンティストの申し子!目的のためならば手段なんてどこへやら!」つマイク⊂

オティヌス「『木原』の皆さんだ!ハイっ!拍手ぅぅうう!」チパチパチパチパチパチパチパチパチパチパ!

木原'S「「「「やめろその紹介」」」」


ウート「ほーん?」

ベルシ(今回は魔術side…『グレムリン』としての立ち位置に。つーか木原sideにいたら絶対弄られるからな)

マリアン「なーベルシ、この前いい感じの店見つけたんだけどさー」

ベルシ「そうか」

マリアン「いつが都合いい?」

ベルシ「行くのは確定事項なのか?!」ガーン!





病理「あら?ずいぶん可愛い魔法使いさんですね?」

ヨルム「はあ?!可愛くねーし!カッコイイんだし!」プンスコ!=3

病理「あらあら。ヨルムンくんは可愛いですねー」ヨシヨシ

ヨルム「や、やめっ!やめれー!」ジタバタジタバタ

病理「あーん!もう!連れて帰っちゃいたいです!」ギュー!

ヨルム「んー!やぁーめぇーろぉーよぉー!」ジタバタ!





乱数「は?え?何?お宅らも幻覚を扱ってたりすんの?」

ロキ「左様でございます」ホッホッホッ

ウート「まーな。」

乱数「へぇー?ちなみに聞いてみてーんだけどよー?"幻覚使い"に一番必要なのってなんだと思う?」

ロキ「"悪意"でございますかな。
   まあ一口に"悪意"と申し上げましても大なり小なり、種類もございますので総合的な意味合いとして申し上げますが」

ウート「一番必要…?そりゃ、クリエイティブな発想をし続けられる"才能"じゃね?」

乱数「"才能"に"悪意"ね。」

ウート「そーいうあんたは何が一番幻覚使いには必要だと思うんだ?」

乱数「あー?俺?」


乱数「"人を騙し続けても痛まない心"」


ウート「あー…なる、なる…。確かになー。俺は罪悪感を覚えないような幻覚しか見せないようにしてっけどー」

ロキ「私は慣れてしまいましたな」ホッホッホッ







幻生「おんやぁー?どこかで見たような加群くんだね?」ニヤニヤ

ベルシ(フルフェイスメットの上にロングコートなのにバレてる……だと……?)

幻生「君の評判も聞いているよ?中々に優秀だそうじゃないか。」

ベルシ「…そんな事は。」

幻生「『科学者』『教師』『魔術師』…確かに見聞を広げる事は様々な角度と見地から物事を見、多次元的な考えを持てるようになるとは思うよ?」クックックッ…

幻生「だが君も『木原』だ。どこまで行っても運命からは逃げ切れない。」

幻生「"科学の悪魔"。それが僕達の本質だ」

加群「……」

幻生「加群くん。そんな君はどうするのかな?ん?」

加群「…無論、全てを受け入れた上で進みますよ。」

幻生「"復讐"なんて茨の道を?」

加群「……」

幻生「言っておくけどねぇー。脳科学的に言えば、復讐心なんて脳内のドーパミン分泌による一時的な精神錯乱だよ?」

幻生「『科学者』がそんな非合理的なモノに踊らされ、『教師』が非道徳的な行為を実行して、『魔術師』がそんなくだらない事に秘術を使うなんて…」


幻生「僕ならそんな頭が悪い事はやらないよ」クックックッ…

加群「………」


幻生「それでも君がやるというのなら。せめて科学に貢献し、生徒の反面教師になり、魔術の礎になりたまえ。」

     クルッテル
幻生「僕が面白いと思えるモノになりなよ」

加群「……」

加群(これは…この人なりに私を止めようとしてくれているのだろうか。)

加群(…あなたと言う人は…)フッ

幻生「そういえば聞き忘れていたんだけど」

加群「?」

幻生「君、鞠亜ちゃんとマリアンちゃんのどっちを嫁にするのかな?うん?このロリコンめ!」ウリウリ

加群「すまない、素直に『やっぱテメェは死ね』と思っていいだろうかクソジジイ?」フルフル


〓〓カフェ〓〓

天井「ふむ…」カタカタ←カフェのレンタルノートパソコン弄ってる

店員「御客様。大変申し訳ございませんが相席よろしいでしょうか?」

天井「…ああ、構わない。」

店員「ありがとうございます!」





店員「御客様!こちらへどうぞ!」


芳川「よかった。ランチタイムだし座れないかと…すみません、相席失礼しま」ピクッ。

天井「」



天井「……」

芳川「……」





天井「…」カタカタ

芳川「…」ズズー

天井「…あー、元気そうだな」

芳川「…ええ。あなたも生きてて元気そうね」

天井「……」

芳川「……」


天井「…」フー

芳川「…」フー


天井芳川((気まずい))


ピルピル♪

天井(? メールが来たな)


『うんこ』


天井「……?」チラッ

近所の小学生「くすくす」つ携帯


天井「…」フッ

芳川「何を笑っているのかしら?」

天井「これだよ」スッ

天井「……小学生からのイタズラメールだ」フフ

芳川「あら、まぁ可愛いものよね。」クスクス


芳川「『うんこ』と言えば…」

天井「おいその話を続けるのか」

芳川「小学生くらいの子って、皆『うんこ』とか『おしっこ』とか『ちんちん』とか好きよね」

天井「なんて話題を振ってくるんだお前は」


天井「…だがまあ、そうだな。私もそういった言葉で無邪気に笑ったりした記憶があるよ」フフ

芳川「ふふ。あなたにもそんな時期があったのね?」クス

天井「お前は私をなんだと思ってる。私だって子供の時があったんだ」フッ

天井「そういえば…フロイト先生によると生後から乳児を"口唇期"、幼児期~青年までを"肛門期"と呼ぶだろう?」

芳川「そうね。最近はあまりフロイト先生の評判はよくないけどね」

天井「幼稚園児~小学生というのは肛門期…つまりは排泄、トイレトレーニングの時期だ」

天井「自分の性器について学ぶ時期でもある。ほら、陰茎を触ると安心するから触りすぎて痛くなる子もよくいるだろう」

芳川「やだ、セクハラだわ」

天井「………また、『排泄物は汚い』とインプリメントされる時期であり、肛門で感じる排泄感で初めて性的快楽を学ぶ。」

天井「小学生である彼等達にとっては興味の対象であり、一番身近。
   また、隠喩や隠語…ブラックジョーク的意味合いがあるのだろうな」

芳川「禁忌とされるものほど…ってやつかしらね」

天井「それに人が誰しも絶対持つ"秘密"だ。」

天井「母も父も。先生も友達もクラスメイトも。アイドルもヒーローもヒロインも気になるあの子も皆が持つ秘密だ。」

芳川「…なるほど。そういう誰かの秘密ってのは誰でも知りたがるものよね」

天井「ああ。小学生の頃、便所で排泄していたら上から覗かれた…ってないか?」

芳川「…あったわね」コクン

天井「ああいう好奇心もそうだよ」

天井「幼い精神性故に重大な秘密を知りたがる気持ちがモラルを乗り越えてしまうからだ」


芳川「トイレの個室ドアと一緒にモラルを乗り越えてしまう…って事ね?上手くないわよ?」フフフフ?

天井「私、何も言ってないんだが?」ハハハ?


天井「…結論づけると、小学生が排泄物や性器なんかを嬉々として声高に叫んだり冗談としてよく発言するのは、」

天井「"それ"らが彼等にとっては『親友的な位置付け』だからではないだろうか」

芳川「ふうん?中々面白い見解かもね?」




天井「…私達はなんの話をしていたのだったかな」

芳川「うんこ♪」ニコッ

おしまい。GWネタはやるかわからない

本編はまだ待ってて。では。


〓〓銭湯(アックアん時の)男湯〓〓


ウート「ふー…ジャパニーズセントーは中々にクセになるな。」

天井「気に入ったようで何よりだ」

[菖蒲湯]

ウート「…ん?ショーブユ…?」

天井「菖蒲湯?…ああ、5月5日だからか」

ウート「日本人は5月5日だとネギを風呂に浮かべんの?」

天井「ネギではないよ。菖蒲だ菖蒲。」


カポーン……


天井「5月5日は『端午の節句』といって、菖蒲の根や葉を入れて沸かす風呂に入る慣習があるんだよ」フーッ…

ウート「ふうん?」フーッ…

天井「この風呂みたいに長いまま入れる場合もあり、または刻んで入れる。」

天井「風習自体は平安時代からあったようだが…一般家庭で行われるようになったのは江戸時代だ」

ウート「へー…オエドー、か」

天井「それは場所としての呼び方だが…武家社会で菖蒲と尚武をかけて5月5日を尚武の節日として祝うようになったそうだ」

ウート「ふーん…実際健康にいいワケ?あまっちお得意の科学的にはさ?」

天井「ふむ……菖蒲にはアザロンやオイゲノールという精油成分が多く含まれているから…腰痛や神経痛を和らげる効果が期待できるな」カポーン

ウート「へー」カポーン…



天井「また、菖蒲には独特の香りがある。菖蒲湯にはアロマセラピー効果もあり、心身ともリラックスする効能もあるだろうな」ワシャワシャ

ウート「ほー…」ワシャワシャ



トール「……」ワシャワシャ





トール「――で、『カップに入れたお湯に刻み菖蒲根を浮かべた菖蒲湯を飲んだら健康になれんじゃね?』と考えた菖蒲湯ジュースだ」つ⊂□ コト

上条「いや飲まないし…飲むものじゃないし…」ノシ ナイナイ

トール「……」パチン!

ウート「呼ばれて飛び出て」ピィィイーン!

―――――
――――――――
―――――――――――

上条「なんだクルトン入りポタージュだったのか」ゴクゴク

―――――――――――
――――――――
―――――


上条「菖蒲ごばッ?!」ゴバッ?!


トール「ッエーイ!」ハイタッチ

ウート「ッエーイ!」ハイタッチ

1レスだけ。>>1にごーるでんういーくなんてなかった。げんそうだった。


――新訳10巻発売されました――

ウート「(○ q ○)」つ10巻⊂

シギン「(○ q ○)」つ10巻⊂

天井「あ、あー…まあ、その、あそこにいなかったって事は…君らはやっぱり4巻でご退場…だったんじゃないか?」

ウート「……」ズーン…

シギン「……」ズーン…


天井「いや!ほら!でも『全能神』トールにフルボッコにされなくてすんだし!」

天井「てーか元々逃避行になるって予測できてたんだし!!」

天井「仮に『グレムリン』メンバーが出てきても細かい設定ある奴以外はそこまでは活躍しないだろうってわかってたし!」

天井「生き残っていても『グレムリン』は世界から追われる事になるかもだったんだし!総合的に見たら」

ウート「俺ちょっとかまちーんちにカチこみかけてくるわ」ヨイショっと

シギン「手伝うよ。」ヨイショっと

天井「」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

マリアン「私もけっこーやるでしょ?」ドヤァ?

ミョルニル『…』ガタゴト

トール「俺ッッ!!さいッッきょォォォォ!!!」ッフー!


ヘル「カーッペッ」

トール「」ビチャ

ヨルム「カーッペッ」

トール「」ビチャ

フェンリル「カーッペッ」

トール「」ビチャ

ロキ「カーッペッ」

トール「」ビチャ

イドゥンシフ「「カーッペッ」」


トール「…無言で痰を吐きかけるのはないんじゃないのお前ら」

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

オティヌス「ヤッタヨ!ワタシ!イキノコッタヨ!」

上条「そうだな。スフィンクスに食われるなy」クルッ


スフィンクスの口「モッモッモッ」<ィヌス



上条「オティちゃんんんんんん!!!スフィンクス!めっ!それは食べ物じゃありませんからあ――!?」

新巻の挿絵のオッレルスさんマジイケメンだった

なぜウートガルザロキ出なかった。なぜもうちょっとグレムリンメンバーに設定をつけなかった。
(ヨルムんくんの一人称知れたのはよかったけど)

次巻で是非…

投下。



〓〓とある高校:上条達のクラス〓〓


小萌「えー、」コホン。

小萌「……はいっ!それではっ!」





小萌「一端覧祭、スタ→トなのです!」



「「「「 イ エ ー !!!!!」」」」



小萌「じゃーよく聞くのですよ?子猫ちゃん達!!」

小萌「私達のクラスは前から決めていたように『コスプレ喫茶』をやるのです!」

小萌「午前の部9:00~13:00、午後の部13:00~17:00に別れて営業をするのです」

小萌「前もって相談しあって午前グループと午後グループに別れてもらってましたし…
   後は各々の役目と目的を達成してください!」

小萌「それじゃ!午前グループは今から更衣室で着替えてくださーい!」







〓〓男子更衣室〓〓


トール「俺達仲良しグループは午前の部だったな」ヌギヌギ。

上条「『仲良しグループ』てお前…いやそうだけどさ?」

土御門「にゃっはっは!いいからほら、オレ達も早く着替えようぜい?」ヌギヌギ。

青髪「あーん!小萌センセーもボクと回ってくれへんかなー?」クネクネヌギヌギ


垣根「…まさかお前らが俺もこのグループに入れてくれるとは思わなかったな」ヌギヌギ

トール「ん?まあお前結構強かったしな!これからは仲良くやろうぜ」つ

垣根「…おう!」つ

ギュ。



上条(上条さんは若干トラウマなんですが…まーいっか。反省したみたいだし、これからは仲良くすればいいや)ヌギヌギ




〓〓女子更衣室〓〓


姫神「へえ?衣装。よく揃えられたね。」

吹寄「ふふ、この街は変に品揃え豊富だしね。…まあ実際に探したのはトールなんだけどさ」

サローニャ「ほっほーう?それ大丈夫…あ、そういえば!」

吹寄「? なあに?」

サローニャ「お礼。まだ言ってなかったにゃーって」

吹寄「お礼?」

サローニャ「ほら、サローニャちゃんもこれに参加できるように手配してくれたでしょ?ありがとね!吹寄ちゃん!」テギュ!

吹寄「ふふっ。いいのよそれくらい。あなたもずっと手伝ってくれてたしね!」ニコッ

サローニャ「…おともだち!」ギュ!

吹寄「ん!」ギュ!

姫神「…私も!」ギュ!

サローニャ「ん!おともだち!」ガシッ







サローニャ「…やっぱり吹ちゃんおっぱいおっきーね」モニュ

吹寄「うにゃっ///?!」

姫神「私も。これの半分でいいからほしい。ちょうだい。」モニュモニュ

吹寄「ちょ?!やっ…///揉まないであふんっ?!」

サロ姫神「「もーみもみもみもみぃぃい!!!」」モニュモニュモニュ!

吹寄「あふ――――ん!!!…てやめんか貴様ら―――!!!」キャシャーン!

サローニャ「あっはははは!」

姫神「ふふふふ。」




〓〓上条達のクラス〓〓


土御門(E:狩衣)「よーう!カミやん!礼服似合ってるぜい!」

上条(E:マーク礼服)「お前も狩衣似合ってるな。陰陽師っぽい」ハハハ

土御門「にゃー?!"ぽい"じゃなくて、オレは本物の陰陽師だぜい?」バタバタ




青髪(E:ダメージダサパンクロッカー)「ふふ…このダメージ系ロッカーなボクならモテモテ間違いなしや…!」キリッ

姫神(E:海賊、女船長)「うん。絶対ない。」ポン、フルフル。

青髪「?!」





サローニャ「かっみじょーちゃーん!私はどー?似合ってるぅ?」ダキッ

上条「おわっと…はは、似合ってますのことよ」ハハ

サローニャ「ふっふー!ありがとちゃん!
      ねー、…でもぉー、やっぱりちょーっとえっちすぎないかなー?」スリスリ♪

上条(確かに…)Gokuri…

上条(ピンクのウサ耳カチューシャ、ピンクのもふもふ乳バンド(オリアナみたいな感じ)、ピンクのウサ尻尾つきもふもふパンツ…)

上条(もふもふウサギグローブと肉きゅうブーツ…可愛い!!)クワッ!

うサローニャ「ふふーん♪ねえ?いいんだよ?」

うサローニャ「上条ちゃんがお願いしてくれるなら…私、上条ちゃんだけのペットになってあげてもさぁー?」スリスリスリスリ♪

上条「お、おふぅ…柔らかーい…」

うサローニャ「あのね?うさぎちゃんってね、寂しいと死んじゃうんだよ…?」ウル…

上条「お、おう…///」



トール「うらやま」ケッ

土御門「しね」ケッ

青髪「ちね」ケッ

姫神「ちっ。」ケッ

垣根「うぜ」ケッ

吹寄(E:牛柄カウガール)「さ!馬鹿はほっといて皆準備して!」パンパン!



トール(E:軍服)「なあー、誰も何にも言ってくれねぇんだけどよー、どう?この服!似合ってるだろベイビー?」

垣根(E:" 忍 ")「あ?……まあ、似合ってんじゃねぇの?」

トール「へへ!サンキュな!お前もナイスニンジャだぜ!」bビシッ!

垣根「お、おう!」


トール「……」

垣根「……」


トール「あ、あー俺ちょっとトイレ!」

垣根「お、おう!」



垣根(くそ、まだ何か馴染めねぇえええ!!)ガシガシ






小萌(E:スモッグに幼稚園鞄と帽子)「よし!それじゃ!」


小萌「とある高校『コスプレ喫茶』開店なのです!」


「「「「「「お――――!!!」」」」」」







うサローニャ「いらっにゃーい!2名様ですかにゃー?」

「はい!二名様ですの!!!お姉さまと!!二名様ですの!」

「うっさい。(…あのバカは…?)」キョロキョロ





キャプテン姫神「お待たせしました。"骨付き肉"です。」

「んまほー!」





「「あの!写真いいですか?」」

"軍人"トール「いいともー!!」ヘーイ!





「……あの………ハアハア…ハアハア写真……ハアハアハアハアハアハア」

吹ガール「すみません勘弁してください」フルフル






心理「あら、忍者スタイル似合ってるわね」クスクス

黒垣根「だな。…ああ、メジャーハートとデートできない役回りとかもな」ニヤニヤ

白垣根「自画自賛になるのでしょうが…イカしてますよ。
    あ、すみません私ミルクプリンでお願いします」ニコッ


心理黒白垣根「「「あ、勿論あなた(テメェ)の奢りな?」」」


垣根「テメェら…」ピキピキ…







〓〓厨房〓〓


土御門「カーミやーん?料理はまだかにゃー?客がキレてるぜい?」

上条「うあああああ?!何で上条さんしか作れない料理ばっかりオーダーが入るんでせう?!」ジャクッ、ジャクジャクジャクッ!

青髪「…どーもカミやんの料理目当ての娘達が来とるみたいやね。」

上条「だ―――?!ちきせう!!不幸だ――――!!!」ジャクッジャクッジャクッジャクッジャクッ!







~1番テーブル~

御坂(アイツの手料理アイツの手料理アイツの手料理アイツの手料理アイツの手料理やだ幸せ////////)モグモグモグモグモグモグ

白井「お、お姉さま…黒子の胃袋はもう限界ですの…もう注文は」ウプ



御坂「あ!すみません!これもう二皿追加で!」

白井「DEATHのぉぉおおお?!」



~2番テーブル~


芹亜「オイ!遅いのだけど?!私が頼んだ『上条家のモヤシ炒め』『上条家のモヤシパスタ』『上条家のオヤツ』はまだなのか?!」

青髪「す、スミマセン!!もう少々お待ちください!」

芹亜「全く!こんなに待たせるなら上条を呼んで私の話相手をさせるべきだと思うのだけど?!!」ダンッ!

鞠亜「姉さんちょっとマジで恥ずかしいからやめて?」フルフル




~3番テーブル~


五和「上条さんの手料理上条さんの手料理上条さんの手料理上条さんの手料理上条さんの手料理ウフフフフフフフフフフフフフフフフフ」モキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュモキュ




建宮「五和…?そんなに食べたら腹を、五和、ちょっ…五和?!五和ぁああああ?!」なのよなぁあああ?!

香焼「すいまっせーん!ちょっとお医者さんを呼んでもらえないっすか?!頭とお腹の!?」

対馬「うわあ…」

諫早「やれやれ…」

浦上「まあ五和らしいと言えば」

牛深「五和らしい!」キリッ

野母崎「…これでいいのか天草式」






~午前の部終了~



上条「だー!疲れたー!!!」グデー

姫神「はい。おしぼり。」つ

上条「さんきゅー…」

姫神「ふふ。お疲れ様。」カタモミ

上条「あー……あんがとー」



サローニャ「…18万8千円…上条ちゃんの料理、すんごい売り上げに貢献したね…」

トール「スゲーよな、一組15皿以上とか。インちゃん相手にしてるかと思ったぜ」

垣根「…アイツの料理は何か中毒性でもあんのか?」

土御門「意外と否定できないあたり流石カミやんぜよ」

青髪「料理に『カミやん属性』でもいれたんかな。ボクもそんなん欲しい!!くれ!カミやんくれ!」

姫神「そういえば。吹寄さんと写真を取るのもお金取るようにしたらすごく売れ 吹寄「はいはい皆お疲れ様!じゃ、回ろっか!」








〓〓『叶え屋』〓〓


シギン「んん。今日お祭りなんだね」

天井「なんだ、行きたいのか?よければ付き合うが」

シギン「んー…天井くんと二人っきりで行ってもなぁ…」

天井「 」ごはー?!


\コンコン/


シギン「はーい。」

ガチャ。

フレメア「にゃあ!大体久しぶり!」ピョコン♪

シギン「フレメアちゃんか。いらっしゃい」ニコッ

天井「遊びに来たのか?」フッ

フレメア「にゃあ!大体ちょっと違うぜ!」フンス!

フレメア「大体、私と行こうぜ!一端覧祭!」bビシッ!

シギン「へえ?お祭りのお誘い?いいよ。行こっか」テギュ

天井「…なら私は留守番しているよ。行ってくるといい。」ヒラヒラ

シギン「え?ダメだよ天井くん。一緒に来てよ」

天井「…私と一緒は嫌なのだろう?」

シギン「あーもーごめん。ごめんね?だから拗ねないでー」グイグイ

フレメア「にゃあー」グイグイ

天井「あーわかった!わかったわかった!わかったから引っ張らな、」グラッ…


\がしゃーん!/





〓〓その頃のウートガルザロキinイギリス〓〓




ウート「やあーれやれ。睡眠時間が不規則な上に音速とか…マジ超テラキツいわー」ふらり。

ベイロープ「あら大丈夫?よかったら回復術式使うけど…」チラッ

ウート「あー大丈夫大丈夫。全然オッケーだから超ヨユーだから」フリフリ

ベイロープ「そう?無理しないでね?」

ウート「んー。ありがとね」ヘラヘラ








〓〓『新たなる光』アジト〓〓


ランシス「あ、おかえりベイロープ…とウートガルザロキさん」

ベイロープ「ただいま。彼にお茶淹れてあげてくれる?私ちょっと着替えるわ。」スタスタ

ランシス「はいはい。」

ウート「あ、いーよいーよ。お構い無くうー」ヘラヘラ





ベイロープ「お待たせ!…あら?レッサーとフロリスは?」

ランシス「ん、なんか買い物行くって言ってたよ」

ベイロープ「ふぅん?ま、いいわ。ウートくん」

ウート「ん?」

ベイロープ「私の部屋で話さない?」

ウート「お?いいの?じゃあお邪魔するわ」ヘラヘラ

ウート(…ガチで落としに来……ないよな?)



ランシス(…にしてもあの人胡散臭いな…何者なんだろ。)

ランシス「うーんと…」エート


ランシス「…詐欺師?」







〓〓ベイロープの部屋〓〓



ウート(『ちょっと待ってて』と言われてベルちゃんの部屋で待機中なわけですが)

ウート(やー。やっぱ女の子の部屋っていい匂いするよね)スンスン。


ガチャ。

ベイロープ(E:バスローブ)「ふふ…お・待・た・せ♪」クスッ…

ウート「あ、シャワー浴びて来たんだな」

ベイロープ「ええ。少し…汗をかいてたから」フフッ…

ウート(…谷間がモロ見えて…)Gokuri

ベイロープ「ふっふふ…?」ストン

ウート(隣に座られるのはいいんだが…ちょっと近くねえ?)


ベイロープ「そういえば。私フロリスから『ベイロープはふとももが弱い』って言われるのよ」ススス

ウート「へえ?そうなんだ?」

ベイロープ「でもぉ…自分ではよくわからないのよね…」スリ

ウート「…俺に、確かめさせてくれんの?」ニヤ

ベイロープ「ふふっ。ええ…いいわよ…?」ソッ…

ウート(バスローブを軽くほどいて捲り上げて…これヤバイなマジで)ゴクリ

ウート「ふうん?」サワッ

手をベイロープのふとももの内側に這わす。

ベイロープ「あんっ////」ビクッ

ウート「ははっ、ホントに弱えんだ?」サワ……サワ。

くすぐったさを感じさせず、強すぎず。それでいて優しく。

撫でる。

今のベイロープは普段履いている青いレギンスはない。

だから、白く、柔らかい肌が。


ベイロープ「あっはっ、…ん……ふ…。ふふ…?」

ベイロープの薄い唇が艶やかさを醸し出す。

ベイロープ「ウートくん撫でるの上手いわ。…私ちょっと興奮してきちゃったじゃない…」

ベイロープは瞳を潤わせ、もたれ掛かる。

「ん…」

鼻を、ウートガルザロキの首筋に擦りつける。

ベイロープ「ふふ…ねぇ…肩、抱いて欲くれないかしら?」

ウートガルザロキの手に自分の手を添え、甘えた声で自らの肩へ導く。


「ベルちゃん積極的だね?…ひょっとして慣れてる?」

どこか困った顔でウートガルザロキがベイロープの髪を撫でる。





「あら、あなただけよ?…私がこんな風になるのはね」












〓〓bar。〓〓



マスター「何に致しますか?」

ウート「何かテキトーにお任せでー」ヘラヘラ

マスター「かしこまりました」ス

ウート(んー…逃げてきちまった…)ハー

ウート(軽ーいペッティングとでこちゅーに留めたが…ヤバかった。
    あれ以上あそこにいたら俺自制できなかったんじゃね?)ガシガシ

ウート(ラニー(ランシス)ちゃんがベルちゃんに『緊急の依頼が来た』って言って入ってこなきゃヤってたかも)クピ。

ウート(そんで俺は俺で飯を用意しなきゃならなくなったんだが…まあ近くのバーで酒飲んでる。)グイッ。

ウート(…別にベルちゃんをたぶらかすとか、本気で落とすつもりとかではなかったんだけどな)フー。

ウート(ただなー。あそこまで惚れられちゃってるとな…責任とって付き合っとくか?)

ウート(いや、それはそれで不誠実な上に真摯さがねえよな?)

ウート(…ッハー…。何やってんだかな、俺は。)クピクピ。







オリアナ「…ちょっと?お姉さんはちゃんと依頼通り仕事を完遂したのに対価を支払わないってどういうことかしら?!」



ウート「…あん?」チラッ。

オリアナ「……あらそう!ならもう結構!お姉さん、もうあなたの依頼は受けないから!どれだけ上手におねだりしてもね!」プンスコ!=3

ウート「…」カラン…

オリアナ「まったく…お姉さんが個人事業者だからってバカにしすぎよ。あり得ないわ!」プリプリ!

オリアナ「マスター!強いお酒ちょうだい!とびっ…きり熱くて、白くて。ドロドロした濃いモノをね!」プンスコ!=3

マスター「エッグノッグですね。少々お待ちください」

ウート(俺一瞬アレかと思ったよ。マスター慣れてるな)フフ


オリアナ「ほんっと!失礼しちゃうわ!」プンスカ!


ウート「…」ススス


ウート「お姉さん荒れてるね。何かあった?」ニコッ

オリアナ「ん?…ええ!あったわ!お姉さんの大事なトコロを熱くさせるだけ熱くしておいて放置して帰られたのよ!」プンスカ!

ウート「へ、へえー…」ヒキッ

オリアナ「…あら、その服装…あなたも魔術師?」

ウート「ま、ね。」クピッ。


オリアナ「お姉さんは『運び屋』をやってるのよ。」

オリアナ「"追跡封じ"《ルート・ディスターヴ》なんて異名を名付けられるくらいには有名で信頼があるのよ?」フフン?

ウート「んん?ルート…ああ、なんか聞いた事ある気がするなウン」ゴク

オリアナ「でしょう?…なのに!そんなそれなりに信用と実績があるお姉さんにあんんッッなに奉仕させといて!自分はヤらないっていうのよ?!」

ウート「へえ?」

オリアナ「客の情報漏洩になるから詳細は話さないけど…お姉さん、とっても難しいお仕事をしたのよ」

ウート「ふんふん」

オリアナ「とある『霊装』を運んだんだけど…成功報酬をお姉さんに払う前に依頼主が逃げちゃったのよ!」

ウート「あらまあー」

オリアナ「通信霊装も使い捨てだったし…もうあの依頼主に会う事はないわ」フルフル

オリアナ「なのにどうやってかお姉さんの通信霊装にハック仕掛けてきて、更に仕事を頼んできたのよ!?前の代金も支払ってないくせに!」

オリアナ「『やってくれたら前のも払う』…あんまりお姉さんを舐めないでちょうだい!」ダンッ!

ウート「あー…大変だったな。よけりゃ一杯奢るよ。慰めって事で」ヘラヘラ

オリアナ「…あら、本当?愚痴聞いてくれた上に奢ってくれるの?」

ウート「おう。」ヘラヘラ

オリアナ「ふーん?お兄さん"いいオトコ"ね?」クス






マスター「…」キュッキュッ


ウート「リーナちゃんも大変だねえ?18の女の子一人で魔術業界を渡り歩くなんてさ。スゲエよ。」クピ

オリアナ「そう?」クス

ウート「マジマジ。大したもんだって。俺なら絶対無理だもんよ」ヘラヘラ

オリアナ「ふふん?ま、お姉さんの術式もちょっとしたモノだし?」フフ

オリアナ「そういう技術面でも人気があるのよ?」コク…コク…

ウート「ああ…それに、まあ魅力的ってのもあるんだろうな」ニコッ

オリアナ「あら?褒めても何も出させてあげないわよ?」クスクス

ウート「いや素直な感想と賞賛を述べたいだけだよ」

ウート「君が綺麗で有能だから…皆が君を欲しがる。」

ウート「俺だって、君にお願いしたくなるよ」

オリアナ「…あら、お姉さん口説かれてるのかしら?」クスクス

ウート「あっ…、ああいや、そうじゃない。そうじゃないんだけどな?ただ、」

オリアナ「えー?口説いてくれないの?残念だわー?」クスクス

ウート「いや、君と"そういう事目当てで近づいた"みたいになるのが嫌なんだよ」

オリアナ「あら違うの?お姉さんの下のお口はちょっと期待しちゃったんだけどな」

ウート「ゼロとは言わねえけど、一番はリーナちゃんの傷心を癒してあげたかっただけだよ」プイ

オリアナ「あら残念」クスクス






オリアナ「そういえば…あなたはお仕事何をやってるの?」

ウート「俺?俺は『叶え屋』をやってる」ゴク

オリアナ「…『叶え屋』?」

ウート「そ。俺は幻術専門の魔術師なんだけどー、それを活かして…」




オリアナ「へぇー…『その人が望む世界を体験させてあげる』商売か…素敵ね」

ウート「あんがと。…ほら、幻術使いって大抵幻覚を見せる奴に精神的ダメージを与える根暗なイメージあるじゃん?」

オリアナ「そうね。お姉さんも昔、エッチな幻覚見せられて足腰立たなくなるまで凌辱されちゃった事あるもの」

ウート「そんなんダセェじゃん。そりゃ本気で精神ブッ壊そうって思えばできるぜ?」スルー

ウート「20禁系のファンタジーエログロとかなんかを俺が音読してやるだけでそいつは発狂するだろうし、拷問系だとかなんかでも延々見せられる。」


ウート「……でもよ、そんなの寂しくね?」

オリアナ「……」

ウート「"全ての悲劇に優しい嘘を"…俺の魔法名もこれなんだけどさ、俺は…」

ウート「悲劇だとか…そういうモンはどう頑張ってもなくせねえんだと思う。人間の本質って奴がそうだから」

ウート「だったらせめて。そーいう悲劇が起きた時のアフターケアとして俺はこの力を使いたい。」

ウート「そういう信念を持って、俺は幻術師に――」

オリアナ「……」ジー

ウート「―――あー、わりい。ちょっと自分語りし過ぎたわ。酔ってるね、俺」ガシガシ

オリアナ「あらいいのよ?もっと語っても。あなたの本音…お姉さんもっと聞きたいわ」

ウート「よしてくれ。"弱い自分"を見せたくねえんだよ」ハハ






ウート「そうだ。せっかくだし…よかったらリーナちゃんもこの『叶え屋』に願いを叶えてもらわねえ?」

オリアナ「あら、いいの?…お代はカラダで?」

ウート「いんやタダ。そん代わり、さっきの俺の吐露は忘れてほしーなーって。」ヘラヘラ

オリアナ「…ふふっ。いいわよ?別に。でも、お姉さんのカラダには教えこまれちゃってるかも…?」

ウート「えーわーすーれーてーよー」ヘラヘラ

オリアナ「…それでお姉さんはとうすればいいのかしら?」

ウート「ん。まずはリーナちゃんの"望む世界"を教えてほしーね。そっから後は俺が組み立てる」






ウート「――はいはいっ!準備整いまーしたっと。」

オリアナ「どんなのかしら?」ワクワク

ウート「ッハイっ!ではこの養護施設のHPを御覧ください…」

オリアナ「ん…」ジッ


ウート「…………」

オリアナ「? どうしたのかしら?」

ウート「あ、いやこの流れスゲー久しぶりな気がしちゃって」ヘラヘラ

オリアナ「へぇ?そうなの?」

ウート「そうなの。」コクン

ウート「っとゴメンゴメン。この写真をじーっ。と見つめてください…」

ウート「あなたはここの職員さんです。」

ウート「いつも皆を笑顔にする事ができる素敵な職員さんです……」

オリアナ「…」ポワン……

ウート「さあ、今日も"人"と共にある、あなたの仕事が始まります―――――――――――

―――――――――――――――――――


―――――――――――――――――――――――――





~"本当に大切なモノ"は目に見えない~





「オリアナちゃん。ちょっといいかね?」


「オリアナねーちゃん!」
「はーやーくー」
「あそぼー」


「ハイハイ。すこーし待っててね。お姉さんのカラダは一つしかないのよ?
 そんなに求められても困っちゃうわ?」


車イスに座った老人に呼ばれ、小さな少年少女達にまとわりつかれる。


そんな人気者のオリアナ・トムソンはここ、とある総合養護施設の職員だった。



数年前からここで働きだした彼女はすぐに溶け込んだ。

彼女が元来有していた、

『他者を思いやる心』

『キチンとその人の"声"を聞く事ができる器』

『それを現実化する能力。』


それらが生かされ、彼女はとても重宝されたからだ。


「ほら、お姉さんの用事は終わったわ。何だったかしら?」








「じゃあ、明日は前から決めていたピクニックにイクわよ!皆準備しておいてね?」

「「「わーい!」」」

「いいねぇ」
「楽しみだわぁ」
「私、何か作って行こうかねぇ」

子供と老人達がそれぞれはしゃぐ。


つられて自分もウキウキしてきてくる。

万全な下準備は既に済み。


(フフ…何だかお姉さんもわくわくしてきたわ。早く明日にならないかしらね)






翌日。彼等を引率し、近くの丘を目指す。


彼等は山や海なんかのレジャーに向いた場所へはいけない。

それはもちろん車イスや杖を必要とする人がいるためだったり、迷子や、彼等の体力面、かかる費用を考えなければならないからだ。

日帰り。近場。若い人達からすれば『遠出(笑)』。


だが、彼等は楽しそうだった。


『人が本当に心から楽しいと思える娯楽とは何か。』

『"それ"はきっと、"モノ"ではない。
 わかりやすいゲームやレジャー、玩具という形ではない。
 そういったモノはあくまで手段だ。』


…それを長年の経験から識る者達。また、他の事を何も知らない無垢さを持つ者達だからか。



「オリアナねーちゃん!見て見て!てんとーむしー」

「あら、本当。よく見つけたわね?」

「オリアナちゃん、歌でも歌わんか?」

「ええ。いいわよ♪」


\「~♪~♪」/



牧歌的な行進。とても平和で、とても大事な何か。


「さ!ついたわ!皆、シートを敷くのを手伝ってちょうだい!」

「「「はーい!」」」

子供達がふざけながらも広くシートを敷いていく。


「おにごっこしよーぜ!」
「いいよ!」
「私も入れて!」

「いいねぇ、子供は元気が一番。」
「わしらが子供の頃はあんな風には」
「あらやだ、あんたはアホやっただけでしょ」
「ちげーねーや!」

「「「「アハハハハ!!!」」」」

そんな風景を見ながら。オリアナは幸せを感じていた。


『自分のよかれと思った行動が悪い方へ行く』。

それは、本当に極稀なケースであると気づいた。

もし、かつての自分のように絶対の基準を求めなければならないほどに世界が深刻であるならば。

もしも、本当にそうであるならば。
自分のような、こんな仕事は絶対できない。

『命』を預かる仕事なんて、できない。


だが自分は上手くやれている。やってきた。そして、これからもやるつもりだ。



「さ、皆!そろそろお弁当にしましょう!おばあちゃんが作ってくれたモノもあるわよ!」

「「「はーい!!」」」

「そーんな大したもんじゃないよぉ?」
「ほう?わしらはそんなもん食わされるんか?」
「あ、じゃあ、スンゲーもんじゃ。目ん玉ひん剥いて腰抜かせ!」
「ほう!なら楽しみにさせてもらおうかのう!!」


「…ふふっ」



――――求めるべきは結果じゃない。

    …勿論いい結果が出るにこしたことはない。


でも。ただ単に良い結果を出すだけの基準を元にした行動をとるだけならそれはもう機械だ。

――我々は人間だ。

『誰かを思いやる』。善意による"気持ち"を前提とした行動を続ける事が大事なのであって。

誰かから押しつけられた基準での善意なぞ意味がない。


現に彼等はそんな基準と結果を求めて行動なんてしていないのに幸せそうだ。





彼等につられて。オリアナも自然と笑みが零れた。



…今日も。平和だった。



―――――――――

―――――――――――――――

―――――――――――――――――――







オリアナ「―――っ、」

ウート「どーだった?」ヘラヘラ

オリアナ「………」

ウート「? わりぃ、なんかダメだった?」

オリアナ「…ううん。そうじゃない。そうじゃないのよ」フルフル

ウート「?」

オリアナ「…ただね、」

オリアナ「もし、私が『運び屋』なんてならなかったら…」

オリアナ「あんな風になれたのかなって。…ちょっと思っちゃったのよ」

オリアナ「今更人生やり直すなんて、この生き方を止めるなんて難しいのにね」フフ

ウート「ふーん…」



ウート「……あのさ、今からでも遅くはねえんじゃね?」

オリアナ「…え?」





ウート「だってよ、リーナちゃんまだ18じゃねえか。
    人生まだまだ、いっくらでもやり直せるよ?」

オリアナ「……」

ウート「もし君があの幻想《セカイ》を現実にしたいんならさ、」

ウート「ちょっとだけ。頑張ってみたら?」ニコッ

オリアナ「………でも…」

ウート「あー、俺は『こうするべきだー!』なんて言ってねえよ?ただ、提案しただけ。聞き流してくれていい」

ウート「でもさ、もしリーナちゃんが本当にやりたい事があの世界にあるのなら。」

ウート「頑張ってみるべきだと思うよ。そんな無理な夢ってわけでもなさそうだしな」ヘラヘラ

オリアナ「……」





オリアナ「…少し。考えてみようかしら」クスクス

ウート「ん。」ヘラヘラ








オリアナ「今日は本当にありがとう。これ、お姉さんへの連絡用通信霊装よ」つ

ウート「お?マジ?ありがとー」

オリアナ「お姉さんを新しい世界に目覚めさせてくれてありがと」チュッミ☆

ウート「いえいえ。また何か愚痴でもあったら連絡してよ。いくらでも聞くからさ」ヘラヘラ

オリアナ「ふふっ。じゃあね」ヒラヒラ

ウート「おう」ヒラヒラ





ウート「…さって。どっかで飲み直そっかなーっと」

ウート「今のウーさんは機嫌がいいから、がに股でスキップしちゃうぜっと♪」タッタカタッタカ♪




〓〓学園都市:屋台だらけの道〓〓


「いらっしゃいませー!」

「リンゴ飴いかあっすかー?」

「チョコフォンデュありますよー!」

「焼きそばどうっすかー!」


上条「こうして見るとやっぱ食べ物関係の露店が多いな。インデックスさんよかったな」キョロキョロ

インデックス「ふぉんとにね!わらひ幸せかも!」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ!

トール「…まさかインちゃんの食費だけで手持ち金が全部持ってかれるとはな……下ろしてこなきゃ」スッカラカン

垣根「綿菓子ウメェ」ハムハム

サローニャ「あ!上条ちゃん上条ちゃん!あっちのお店ちゃんに一緒にいかない?」クイクイ。

上条「お?ストライクアウトか」

吹寄「へー?私も行こっかな。意外と得意なのよ?」

上条「うーん?確かに吹寄は制球力はあった…かな?」

姫神(うう。結局『二人で回ろ』って言い出せなかった。私の意気地無し…)ズーン…



垣根「……?」ピタッ

上条「? どうした?垣根」

垣根「ああ、いやな?ちょっと気になる店がな。」ユビサシ

上条「…」チラッ

上条「……ああ、確かに気になるな。あの店は」

垣根「悪いな皆。ちょっと寄らせてくれ」スタスタ

上条「気にすんなよ。上条さんも気になりますし」スタスタ

「「「「?」」」」



〓〓カブトムシ屋〓〓



白垣根(E:甲虫05の着ぐるみ)「いらっしゃいませー!!白くて可愛いカブトムシはいかがですかー!!」

白垣根「キーホルダーにストラップ、ぬいぐるみや抱き枕に生きてるカブトムシ!」

白垣根「普通のカブトムシよりもとっても可愛いですよ!」ニコニコ

カブトムシ05(ディフォルメ)「…」キシキシ…

「あ、ホントだ!ちょー可愛い!」

「わー!何これ?!新種のカブトムシ?まるっこーい!カワイー!ほしーい!」

白垣根「はいはい!よかったら是非見ていってください!あ、ボク触らないでくださいねー?」


垣根上条「「何やってんだテメェ」」ガシッ!

白垣根「おっと暴力は止めてください。営業妨害ですよ?」フルフル







上条「…」←ちょっと遠くで待機


垣根「オイ心理定規はどうした。まさか黒と二人きりか?」

白垣根「ご心配なく。私は"私"から新しく産み出された"私"です。心理定規さんとも"私"は一緒にいますよ?」ニコッ

垣根「オーケー、オーケー。それはわかった。だがな…」ガシ!


垣根「テメェ!あれ単なる"未元物質(スレーヴ個体)"じゃねぇな?全部"俺(マスター個体)"じゃねぇか!」ヒソヒソ!


白垣根「ええ、まあ。はい。ベース人格は私ですけどね。ちょっと"目"をバラ撒いておこうかと」ヒソヒソ

垣根「何してんの?お前ホント何してんの?何?それやってどうする気だコラ」グググ

白垣根「…情報収集ですよ。アレイスターの滞空回線《アンダーライン》の劣化版といったところでしょうか」いたゃいれふ。

垣根「だ・か・ら!バラ撒いて情報収集して何をやる気だっつーんだよ!」

白垣根「……」

垣根「オイ、今度はテメェが何かやらかすとかじゃねえだろうな…?」

白垣根「ええ。謀反とかではないです。…私なりの生活費稼ぎと…」





白垣根「『とある暗部の計画』潰しですよ。」ニコッ

垣根「……あ?」








垣根「わりいな上条。待たせたな」テクテク

上条「大丈夫だったのか?」

垣根「ああ。ちょっと俺も思う所があってな、見逃す事にした」

上条「ふぅん?まあいいけど…」スタスタ






白垣根「いらっしゃーい!あ!そちらのお嬢さん!お一ついかがですか!?」

フレメア「にゃあ?」

天井「む?カブトムシ?…あ?!第二位?!」

シギン「あ。あの時の」

白垣根「おや?これはこれは」




〓〓ストライクアウト〓〓



サローニャ「おーし!サローニャちゃんの鉞(まさかり)投方を見せてやるぜ!」フンス!

サローニャ「上条ちゃーん!私の勇姿見ててよねー!」フリフリ!

上条「おー頑張れよ」ハハ

サローニャ「よーっし!ぅえーいっ!」ブンッ!

パコッ。

サローニャ「やったー!ねーねー見てた?上条ちゃん!」キャッキャッ!

上条「おー。あと二つ頑張れよ!サローニャ!」

サローニャ「うんっ!さー!どんどんいっちゃうぞーっ!o《*≧∀≦》o」イエーイ♪







吹寄「ふん!!」ピュパッ!

ズパンッ!ズパンッ!ズパンッ!

土御門「す、すげえ!一投で3発入れたぜよ?!」

青髪「なんやて?!」

垣根「やるじゃねえか」

吹寄「ふっふーん?」ドヤァア?







――――――――――――――――――――


トール「これで決めるぜ!」カットイン!


――――――――――――――――――――



トール「天光満つる所に我は在り!」ビシャーン!



トール「黄泉の門開く所に汝在り!!」ピキャーン!




トール「出でよ!!神のイカヅチ!!!」ガッキャーン!





トール「ッハァァアアアアア―――!!!!」┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨ドドド!!!




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


トール「"全能たる神の鉄槌"《インディグネイション》!!!」 ド ン ! ! 


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――





トール「っっでゅゃぁぁあああああああ!!?」ブゥゥン!!!



※散々勿体ぶりましたが普通にボール投げただけです。


スカッ。


トール「  」


姫神「ぶ。ぶふぅううう?!」ブッハー!

インデックス「あはは!!思いっきり外したんだよ!」ケラケラ

トール「な……く、くそっ!もっかい!もっかいだ!」





トール「天光満つる所に我は在り!!」ビシャーン!

姫神「また?ねえ。それどうしても?どうしても言わなきゃだめなの?」

トール「言わなきゃダメです!!!」ハイッ!

インデックス「…私にはよくわからない美学かも」モキュモキュモキュ。








〓〓ミスコン会場〓〓



姫神「…男の子って。本当にこういうの好きだよね。」ジトー

インデックス「早く他行かない?女の子と回ってるのに…ちょっとデリカシーがないかも!」ジトー

サローニャ「そー?サローニャちゃんは『私も出とけばよかったかにゃーん?』
      って思ってるーとこなーんだけどー。」

吹寄「全く…こういうとこは来なくてよかったんじゃないの?」


トール垣根青髪土御門上条「「「「「いや!ここは外せないだろ!!!」」」」」ドン!


姫神「男子って。」





土御門「ふー、吹寄も出ればよかったのににゃー?そしたらその良さが」

吹寄「なんか言ったか」ゴキゴキ

青髪「あ~ん!雲川先輩とか出てきてくれへんかなー?」

上条「はは、あの人が出るなら余計見たくなるよなー」ハハハ

サロ姫イン「「「むーっ!!」」」







雲川「……」







雲川「おい、そこの運営委員。参加枠をもう一つ用意してほしいのだけど」






扶桑「レッディぃぃぃぃぃぃースアぁンド!!!!ジェントルメぇぇぇぇぇぇぇぇン!!!!」

扶桑「さあさあ始まりましたよミスコンが!若い子もおじさんもおじーちゃんも!!男子なら皆大好き、『ミス最強にせくすぃーなのはどの娘なのかおじちゃん気になって夜も眠れないよぉ!ハァハァ!コンテスト』ッッッッ!!!」

「「「「わああああああああああああ!!!」」」」


上条「この『ミスコン』ってそんな略なの?!キモすぎだよ!?」ガーン!





※扶桑彩愛(ふそう・あやめ)。新訳8巻で登場。

 恐らくは音を増幅、あるいは指向性を持たせる能力で"衝撃波"を飛ばす。

甘ったるいキャンディのような声を持ち、紫のビキニ(貧乳)、紫のダボパンを履く。

4台の大型トラックに繋いだ拡声器を使って実況し、声(音)を広範囲に、長く、力場をぶつけ続ける戦い方をする女の子。

フレメア救出の為に立ち上がった"ヒーロー"の内の一人であり、むぎのんにやられた。



扶桑「さあああっ!!!登場して、もらいまっ…しょう!!!」


扶桑「エントリぃぃいーナンバああああーワアアン!!」


扶桑「たべはちさんじゃないゾ☆しいたけ目って言っちゃイヤぁ☆お前本当に中二かあ?!常盤台の女王!!Level5第五位!!!"心理掌握"…」


扶桑「食蜂ぉぉおおお!!!操祈ぃぃいぃぃいぃぃい!!!」



食蜂(E:ビキニ)「イッエーイ☆みさきちちゃんだゾ☆」ゆさっミ☆


「キャー!女王ー!」
「美しいですわー!」
「可憐よー!」


「「「せーっのっ!!みっさきちゃああああああああんん!!」」」




上条「うわー、あれ本当に中学生かよ…御坂とはエライ違うぞ…」

トール「バインバインだな…!」キラキラ

垣根「イイカラダしてやがるな…!」

土御門「くそ、写真撮影…はダメか!あそこにそんな看板がある!」クソ!

青髪「うっひょぉぉおおお!!みっさきちゃああああん!みっさきちゃあああん!!!」

姫神「むぅ。」

インデックス「うー。一体何を食べたらあんな風になるのか教えて欲しいんだよ」


サローニャ「ねぇねぇ、吹ちゃんとどっちがおっぱいおっきいかな?」

吹寄「そうね、私の方が…って何言わせんのよ」ビシッ


上条垣根トール土御門青髪(((((チッッッ!!!)))))


扶桑「ハイッ!いきなり強力な参加者が出ましたが大丈夫なのかあああ?!」

扶桑「つっづきましてぇぇぇぇ!!」

扶桑「エントリぃぃいーナンバああああーツううううううう!!!」


扶桑「『えーマジマジー?てゆーかー私ってチョーくのいち系ってカンジー?』…イイエ!!そんな古いギャルっぽい言語は使いませんよ?!もっと古風な言葉を喋りますッッ!!普段は褐色の浴衣ギャル!!!」

扶桑「郭ちゃああああああんん!!!」


郭(ビキニ)「浜面氏の推薦で参加します!!忍法お色気の術!///」

「かわいいー!!」
「照れてるー!」
「ハァハァハァハァ」



上条垣根「「浜面氏ェ…」」


トール土御門青髪「「「よくやった浜面氏」」」

姫神「参加者のレベルが高い。」

サローニャ「サローニャちゃんもあんなないすばでぃになれたらなー」

吹寄「あら、いいことなんてそんなにないわよ?精々常に注目を浴びるくらいだわ」ユサ

吹寄「…まあ私くらいスタイルいい子ってあまり見ないし。仕方ないのかもしれないけど」ファサッ

インデックス(せいりってそんなに自分の事ナイスバディだと思ってたんだ!?)ガビーン!






扶桑「エントリぃぃいーナンバああああースリぃぃいぃぃいぃぃい!!!」

扶桑「……え、マジで?」


上条「?」


扶桑「え、エントリーナンバースリー!」

扶桑「かつては他国の外交官から『平和的な侵略行為』と恐れられていた話術・交渉術の大天才!!」

垣根土御門「「…ん?」」



扶桑「『学園都市の子供達に選挙権を与えよう』と日夜頑張るおばーちゃん!!」

扶桑「学園都市統括理事会の一人……」

扶桑「親船ぇぇぇぇ!!!最中あああああああああ!!!」




親船(E:スリングショット)「よろしくです」ニコッ



上垣土青トー吹姫サロイン「「「「「「「「「ブフぅぅうううううううう?!!」」」」」」」」」




土御門「オイぃぃい!!マジでかあああ?!!」

垣根「目が!目が腐るぅぅう!!」ぐぁああ!!

青髪「え?えーと…えーと…」
青髪「ごぱぁっ!!」ドシャッ…

トール「流石の青髪ちゃんも守備範囲外だったか…」

上条「なんであんな暴挙に出ちゃったのあの人?!」

吹寄「待って!あの人の事よ?!きっと何か深い訳が―――」


親船「…私もまだ、イケるでしょ?」クネ♪


垣根「黙れ賞味期限切れがあああ?!」ウェー!

姫神「待って!ひょっとしたら『見た目だけで人の価値を測るな』みたいなそういうメッセージを私達に――」


扶桑「あの、本当に…?」

親船「見た目でも私はこの子達には負けてないつもりだよ!」ビシッ!


トール「おこがましいよ!?他二人に失礼極まりねーよあのばーちゃん!」



サローニャ「あそこまで体張れるってすごいよね」

インデックス「私にはマネできないんだよ…」









〓〓舞台裏〓〓



雲川(E:スリングショット)「………」





雲川(私、この後に出るのぉぉおおお――――?!)ガビーン!!!





雲川(クソッ!これは計算外なのだけど!まさか自分の出番前に"オチ"が出るとは!!)ガシガシガシガシ!


雲川(乱入して、他参加者とは違ってビキニではなくスリングショットという意外性とスタイルの良さを見せつけるはずが…)

雲川(あのババアと水着が被ってる上にアレの後の空気で出るなんてキツ過ぎる!!)

雲川(しかして不幸中の幸い!!私はまだ呼ばれてもいない!今の内なら逃げられるのだけど!?)ダッ!



扶桑「お?何々?皆さん聞いてくださあああああいっ!!!なんとぉ!!もう一人飛び入り参加者がいるらしいぞぉぉおおお!!!」

雲川(テメェぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!?)ガーン!



扶桑「それではっ!幻のエントリぃぃいーナンバああああーフォぉぉおおお!!!」

雲川(やめて?!帰らせて!?)

扶桑「とある高校でも神出鬼没!!通称『ヘソ出しカチューシャ先輩』!!!」

雲川(私皆からそんな風に呼ばれてんの?!)ガーン

扶桑「バストサイズはぁ!?なんとなーんとGカップ!!」

親船「あら私の若い頃と同じくらいかしら」

雲川(うるせえババア!!お前はちょっと黙ってろ!?)


扶桑「雲川あああああ芹亜あああああ!!!」





青髪「え?!マジで!?」ガバッ!

トール「お、復活した」

垣根「『ヘソ出しカチューシャ先輩』?」

上条「ああ、垣根は知らないよな。そーいう人がウチにいるんだ。」

土御門「よっしゃ!早く潤いと口直しを!!」

サローニャ「へー?そんな人いたんだねぇ?」

姫神「めったに。会えないしね。」クス

吹寄「あの人確か私よりバストおっきいんだっけか…この街で唯一、私よりスタイルいいのよね…」

インデックス(せいりの自信が留まる事を知らないんだよ!怖いんだよ!)






雲川(ぐあああああ?!後には引けないのだけどぉぉおおお?!)ガシガシガシガシ!

雲川(くそ!くそ!上条当麻にアピールするはずがどうしてこうなった?!)

雲川(落ち着け!落ち着け落ち着け雲川芹亜!!冷静になれ!考えろ!お前は『ブレイン』だろ!!)

雲川(考えろ!考えろ考えろマクガイバー!!)

雲川「………」

雲川「………」

雲川「………」



雲川「よし、もう何も考えないで早く済まそう。」スタスタ←諦めた







扶桑「…? あれ、遅いな…?あ、出てきた!」


雲川(E:スリングショット)「………」スタスタ



扶桑「あ」察し



「「「「「「「「「「あ。」」」」」」」」」」察し



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


―――その後、各自の自己PRがあったりセクシーポーズをとるなどのイベントがあったが、親船最中のあまりのむごさに皆苦笑いを浮かべるしかできず。

ぶっちゃけあまりの毒々しさに直視ができなかった。

なお。厳正な投票の結果によりみさきちさんが優勝した。

雲川先輩は2位。だが、彼女は終始無表情だった。

3位はまさかの親船さん。ユニーク票だろうか。


必然、ビリとなった郭ちゃんが絶望の表情をしていたのを見、

『人に順位をつける事の残酷さ』を僕らは学んだ。


        ~介旅初矢『僕のマル秘日記』第185巻、竜の章より抜粋~


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~






吹寄「さて。次はどこ行く?」

上条「そーだなー…」


「おい!もうすぐ軽音部のライブやるみたいだぜ!」
「えっホント?!行く行くっ!」
「早く行こーぜ!」


上条「…へー、ウチ軽音部なんてあったんだ…」

トール「いーねぇいーねぇ。ライブ!青春って感じしねぇ?できればやりたかったぜー」

垣根「確かにな。…行くか?」ソワソワ

吹寄「それは『行きたい』っていうんじゃない?垣根」クス。

サローニャ「いーんじゃにゃい?まだ充分行動可能時間余ってるみたいだしね♪」

姫神「ライブは。私。初めて。」

インデックス「私もライヴは好きなんだよ!」

上条「じゃ、行くか!」







〓〓とある高校:体育館入口〓〓




「そんな!こんな、土壇場で?!」
「悪い…」
「悪いじゃねえだろ!どーすんだよ!!」


上条「…ん?何か揉めてる?」

サローニャ「にゅー?」

トール「オイ、何かあったのか?」






上条「ハァ?!ウチの学校の『進学してくる子への学校アピール』の出し物ができなくなった?!」

「そうなの!2回ライヴをやるつもりだったんだけど、演奏者が事故でひどい怪我しちゃって!2グループとも!」

垣根「そいつら抜きでやれねぇのか?」

「うん、その人達が抜けちゃうと…」

垣根「だったら普通に中止の旨を広報しろよ」

「そんな!『一端覧祭』でウチの高校だけ何にもやらなかったなんてなったら…!」

垣根「じゃあ何か代わりの出し物を無理矢理でもやるしかねえだろうな。何かねぇのか?」

「それが…何も、なくて…っ」

垣根「ふーん…」

上条「…なあ、後どれくらい時間はあるんだ?」

「後、1時間…」

吹寄「んん…確かに後1時間じゃね…」

青髪「なら、ボクの各属性への愛を語ってなんとか…」

土御門「来年の入学希望者を激減させたいのかにゃー?青髪ピアス?」



姫神「じゃあ。」

「?」


姫神「――私が。出る。」カツカツカツ



「「「え?」」」



姫神「考えがある。ただ。私にどうにか出来そうなのは最初の1つ分だけ。二つ目は何とかしてほしい。」スタスタ


姫神「…インデックスちゃん。ちょっと。」コイコイ

インデックス「ふぇ?」キョトン



上条「…じゃあ、一つは姫神に任せるとして…後一つはどうしようか…」

上条「なあ土御門!何とかならないか?」

土御門「うーん……そうだにゃー…」ウムム。

土御門「!」ティーン!

土御門「垣根!ちょっと」コイコイ

垣根「あん?」

土御門「……」ゴショゴニョ


垣根「……はあ?!"俺"の分身を作って演奏させろ?!」

土御門「お前ほどの能力があるなら出来るんじゃないかにゃー?」

垣根「…確かにできなくは、ねぇ」

上条「! そうなのか?!頼むよ、垣根!」

吹寄「お願い!垣根!」

青髪「頼むでかっきー!」

トール「お前しかいねーんだよ!」

サローニャ「垣根ちゃん!お願い!」


垣根「……」ガシガシ






垣根「…わーったよ。やってやる」


「「「「「「!!!」」」」」」

垣根「その代わり。テメェらも手伝えよ。ほら、楽譜を寄越せ。」



垣根「俺に出来ねぇ事はねぇ事を教えてやるよ」









姫神「―――の術式を。教えてほしい。」

インデックス「いいけど…あいさ、出来るの?」

姫神「問題ない。基礎は出来ているし。教えてもらえれば舞える。」

インデックス「わかったんだよ!じゃあこのステップと――」






垣根「クソ、他のバックバンドの奴等事故った奴等の見舞に行っちまってるらしい。
   今すぐ帰ってきても時間的に無理だな」

姫神「え。それは。私も少し困る…」

垣根「…チッ、仕方ねぇ。バックバンドは姫神の時の分も含めて全員"俺"がやる」


青髪「じゃ、ボクは照明とか舞台装置とかやるわ!」

吹寄「私は変更の手続きとかをやってくるわ!」

トール「俺と上条ちゃんは手伝えそうな事を手伝って…後は片付けでもやりますかね」

上条「かね」






垣根A「俺はギターか」

垣根B「俺はベース」

垣根C「キーボードか」

垣根D「ドラム…」


土御門「後は演出と演目、内容なんだが…どうせ大幅に変更になるんだ。なら普通にライヴはやらず、こーいう感じで…」

垣根E「ふーん?…へぇ?」

サローニャ「ふむふむ。」







土御門「急げ!開演5分前だ!お前ら準備はいいな?」

垣根'S「「「「「おう!」」」」」

サローニャ「おっけー!」

青髪「ライトもおっけーや!」

トール「他機材は俺がやる!」

上条「あれ?姫神は?」

吹寄「着替え中!直接舞台へ上がるわ!」


上条「そうか…」


上条「頑張ってくれよ、姫神。」タタッ





〓〓更衣室〓〓



姫神「…まさか。何か必要になるかと持ってきて正解になるとは思わなかった。」ゴソゴソ

姫神「天宇受賣命の衣装。」つ

姫神「変☆身!」バッバッ!ババッ!

姫神「たららーらららー♪」ゴソゴソ

※普通に着替えてるだけです



インデックス「ねぇあいさ?それ絶対やらなきゃダメなの?」

姫神「やらなきゃダメです!」ッハイ!

インデックス「…やっぱり私にはよくわからないんだよ」








〓〓体育館(開演時間)〓〓



ガヤガヤ


「なあ、まだかな?」
「そんな楽しみか?この学校ってLevel0ばっかりって言うぜ?」
「期待できねーよなー」



『皆様、大変お待たせいたしました!』

「ん?始まるか」
「やっとか」


『突然ではありますが、予定していた演目を変更し、とある高校の出し物ライヴ二つは』


『姫神秋沙さんと垣根帝督さんによる「千本桜」』

『サローニャ=A=イリヴィカさんと垣根帝督さんによる「Let it go」となりました!』

『ご了承ください!では、開演します!』



「…今、垣根帝督さん二回名前呼ばれなかったか?」
「放送した奴が間違えたんだろ」




―――銀幕が、上がる。



そこに立つ演者はバックバンドと、過激な改造巫女服の少女。


「………」


「なんだアレエロっ」
「可愛いな」
「露出しすぎじゃね?」


ダーダンダ♪ダーダンダ♪ダーダダーダン♪

バックバンドの垣根達が音楽を掻き鳴らし始める。

ダーダンダ♪ダーダンダ♪ダーダダーダン♪


「あ?これあれじゃね?ボカロの」
「ああ、『千本桜』だな」
「コピバンか?」



たった1時間で垣根達は楽器をマスターし、そこらの学生バンド程度には演奏できるまでになっていた。


…この能力の高さはさすが第二位と言うべきか。


そして、少女がマイク片手に歌い出す。



「だーいたんっ不敵に♪ハーイカラっ革命。♪」タンタンタタン♪


体を軽やかに揺らし、手をくるくる"舞わす"。

…だが、実はこれはただの舞ではない。

インデックスから授けられた姫神秋沙の新術式。

とある女神"召喚"の舞だ。


「磊々落々(らいらいらくらく)反戦国家。♪」バーバッババッ♪

ブゥン…ッ。


「なんだ?!あの子の後ろから絶世の美女が出てきたぞ?!」
「の、能力か?!とある高校ってそんな高レベルの能力者がいんのかよ!?」


いつのまにか姫神の背後に透けた美しい女性が現れていた。



「少年少女♪戦国無双♪浮世の随(まにま)にー…。♪」バッ!

パラッ……

姫神の後ろに立つ透けた絶世の美女は手から桜の花弁を辺りへ撒く。

天井に、舞台に、客席に、外への道に。


すると歌のタイトルに合わせたかのように。

パァッ……!!


"千本桜"が現れた。



「千本桜♪夜ニ紛レッ♪君ノ声モ届カナイヨ♪」


加速するダンススピード。複雑な手と首、腰の動き。軽いジャンプと足運び。

禁書目録の叡知を使い。巫女は桜を、"神"を喚ぶ。

「す、すげえ!」
「まるで魔法みたいだ!」
「ライヴ…なのか?これ!」

軽快なリズムと歌声。




(これは"木花之佐久夜毘売(コノハナノサクヤビメ)"を喚ぶ術式。)

(本来は天孫・邇邇芸命(ニニギノミコト)とのエピソードを使った術式を使うらしいのだけど。)

(今回はあえて副次的なエピソード…
彼女の『富士山の頂上から桜の花びらを蒔き。国中に桜の木を広めた』
 "桜の神"としての術式として扱う。)




「三千世界♪常世之闇(とこよのやみ)♪嘆ク唄モ聞コエナイヨ♪」

舞う。桜の花弁が。

「いったりきたりの花魁道中♪アイツもコイツも皆で集まれ♪」

舞う。巫女が。


「聖者の行進 わんっ つー さん しっ♪」


「きっと終幕(さいご)は大団円♪拍手の合間にー…♪」


「千本桜♪夜ニ紛レッ♪君ノ声モ届カナイヨ♪」


千本桜と共に。





「此処は宴♪鋼の檻♪さあ光線銃を♪撃ちまくれぇ―――♪」



ドーン!!


決めポーズと共に演出爆発が姫神の後ろで鳴る。



「「「「「「「わぁああああああああ!!!!!」」」」」」」


直後、観客からの割れんばかりの拍手。





「ふーっ…上手くやれた。」


舞台から満員となった観客席を見渡す。立ち見も随分多い。

実際の演舞時間は5分弱だったのに、途中参加にしろこんなに集まるのは驚愕である。

吹寄が何か上手く立ち回って広報活動をしたのだろうか。

姫神はほっ。と胸を撫で下ろす。


(ぶっつけ本番。やったのは演目一つ。稼いだ時間は5分程度。)

(でも…)

チラリと舞台袖を見やる。

サローニャ達が指でOKサインを出していた。

次の演奏に備える垣根達も親指を立てて姫神を労っていた。

(よかった。役にはたったみたい。)

観客に手を振りながら退場し。仲間の待つ舞台袖へと帰還する。


「スゲーな!姫神!」
「やるじゃねーか、姫神ちゃん!」
「私ビックリしちゃったわ!」

「…ありがとう」

すると、緊張気味にぷるぷるしているドレス姿のサローニャが目に入る。

ああ、次は彼女の番だったな、と姫神はクスリ。と笑って。



「後は。任せた。」

「お、お任せちゃん!」


サローニャとハイタッチ。





―――演者、交代。





『続きまして、サローニャ=A=イリヴィカさんと垣根帝督さんで『アナ○雪の女王』の劇中歌『Let it go』です』


再び、銀幕が上がる。

バックバンドは同じ。

違うのは少女。

黒髪純和風の少女から金髪碧眼の少女へ。

「お、今度の娘も可愛いな」
「俺絶対この学校に入るわ」
「俺も!」



(うおー…にゃんだかドキドキちゃんだね!)


サローニャは客の期待が込められた拍手の収まり時を待って、後ろの垣根達へ演奏開始の合図をする。




「…The snow glows white on the mountain tonight♪
 (山では今夜 雪が白く輝き)」


サローニャが静かに、しっとりと歌い始める。

姫神の時とはうってかわった曲調と雰囲気である。


「Not a footprint to be seen.♪
 (足跡も残らない)」


柔らかく澄んだ音叉の音色。そんな歌声が子守唄のように耳に響く。


「A kingdom of isolation,and it looks like I'm the Queen♪
 (隔たりの王国、そして女王様はきっと私ね)」


銀色の"未元物質"製プリンセスドレスを纏うサローニャは観客へ訴えかけるように歌い上げていく。




「The wind is howling like this swirling storm inside♪
 (風はうなる 心の中の嵐みたいに)」


「Couldn't keep it in;Heaven knows I triedー…♪
 (もう十分我慢したこと 神様は知ってるわ)」



サローニャが手を天井(てんじょう)に翳す。

そして、世界が一変した。

体育館中が白銀の砂粒に覆われ、一面銀世界となった。


「す、スゲー!」
「お前そればっかかよ。ボキャ貧すぎるわ」
「床も壁も真っ白だな。どーやってんだろ」

実はこっそり垣根(オリジナル)が3人、体育館の各場所から"未元物質"を操り演出している。

勿論観客からは見えない位置から。



サローニャが舞台から、ふわり。と跳んだ。




「Let it go,♪ let it go♪
(もういいの、ありのまま)」


一陣の風。白銀の砂粒が多分に含まれた"ソレ"の上に立ち、歩いて天井へ、いや…上へ上へと走っていく。


「Can't hold it back anymore♪
(これ以上我慢なんて出来ない)」


体育館中に響き渡る流麗な声。


「Let it go, let it go♪
(気にしない、ありのまま)


「Turn away and slam the door♪
(背を向けてドアを思いっきり閉めて)」


「I don't care♪
(気にしないの)」


「what they're going to say♪
(彼らが何を言おうと)」


「Let the storm rage on.♪
(嵐よ吹き荒れなさい)」


「The cold never bothered me anyway!♪
(とにかくもう気にしないの!)」



壁から西洋の城の塔が。観客の頭上には神殿のような建物が"未元物質"によって次々と精製される。


「わぁ…綺麗…!」
「クリスタルで出来てるみたい!」


「My power flurries through the air into the ground♪
(私の力は空を舞い大地を揺るがして)」


"未元物質"の白い雪砂嵐が吹き始める。


「My soul is spiraling in frozen fractals all around♪
(魂は凍てつく図形となり渦を巻く)」


サローニャの周囲から吹き荒び、荒れ狂う。


「And one thought crystallizes like an icy blast♪
(想いは氷の爆風のように結晶となって)」


「I'm never going back, the past is in the past♪
(もう二度と戻らないの、過去は過ぎ去ったのよ)」


パアッ…

そして、爆散。


「And I'll rise like the break of dawn.♪
(新しい夜明け)」


「Let it go, let it go♪
(これでいいの。かまわない)」


サローニャは、歌う。

普段の彼女は森の妖精のイメージだが…

ステージの上の彼女のイメージはまさに雪の女王。




「That perfect girl is gone♪
(理想の娘は もういない)」


「Here I stand, in the light of day.♪
(私の道を行く 輝く光を受けて)」


垣根の"未元物質"がサローニャが渡るための橋を、宮殿を、形づくっていく。


それは、幻想的で。とてもロマンチックだった。

サローニャの歌声と呼応するように、サローニャの一挙手一投足に対応するように。

垣根は"未元物質"を操作する。


こなあああああああああああああああゆきいいいいいいいいいいいいいいいいいのように舞う"未元物質"がファンタジーな世界を創り出し、観る者全てを魅了する。


スターダスト。マリンスノー。一足早い冬景色。

だが寒くはない。ただ、ひたすらに美しい。

その神秘的な美しさに観客達は何度も心を打たれる。




「That perfect girl is gone♪
(理想の娘は もういない)」


「Here I stand, in the light of day.♪
(私の道を行く 輝く光を受けて)」


垣根の"未元物質"がサローニャが渡るための橋を、宮殿を、形づくっていく。


それは、幻想的で。とてもロマンチックだった。

サローニャの歌声と呼応するように、サローニャの一挙手一投足に対応するように。

垣根は"未元物質"を操作する。


粉雪のように舞う"未元物質"がファンタジーな世界を創り出し、観る者全てを魅了する。


スターダスト。マリンスノー。一足早い冬景色。

だが寒くはない。ただ、ひたすらに美しい。

その神秘的な美しさに観客達は何度も心を打たれる。





体育館の中央付近で、サローニャが橋から飛び降りる。

「?!」
「飛び降りた!?」


追従し、未元物質の砂粒がサローニャを包む。



「Let the storm rage on!♪
(嵐よ 吹き荒れるがいい)」



落下中、サローニャの純白のプリンセスドレスがほどけ…

「~~♪~~♪」

鮮やかな蝶を模したようなデザインのドレスへと変化する。


別の"未元物質"の砂粒風が花畑を模した舞台を形成し、着地地点を創る。


ふわっ…トンッ…


サローニャがその花畑にふわっと着地する。



「The cold never bothered me anyway!♪
(寒さなど 平気よ!)」



「「「「「「「「「わあああああああああああああああ!!!!」」」」」」」」」



体育館の屋根はそろそろブッ飛ぶんじゃないだろうか。

拍手喝采と口笛、称賛と絶賛が体育館を支配する。




「よかったぞー!」
「すごかったー!」
「結婚してくれー!」
「アンコール!アンコール!」


サローニャ「えへ。ふぇへへ…////」

照れ笑いをしながら、サローニャは観客に手を振った。









〓〓楽屋裏〓〓


トール「っしゃー!やったぜ、大成功だ!!」

上条「ああ!よかったぜ、皆!」

垣根「あー疲れた…クソ…まあ、楽しかったけどよ」

吹寄「皆!お疲れ!」

姫神「ふふ。私も。楽しかった。」

インデックス「私、すっごく感動しちゃったんだよ!二人ともとっても綺麗だったかも!」

サローニャ「ほんとー?えっへっへー♪」

青髪「ああん!二人ともよかったな~♪」クネクネ

土御門「はは、オレも考えた甲斐があったってもんぜよー」ニャハハ

トール「後で打ち上げやろーぜ!打ち上げ!」

上条「だなー」

サローニャ「あ、でもでもっ!まだお祭りちゃんは終わってないしぃ?もうちょっと回らない?」


姫神「…うん。少し休んだら。」

垣根「かね。俺もちょっと疲れた…」

サローニャ「あー…二人ともすっごく体張ってたんだったよね…ごみんごみん。」


垣根「………」




垣根(……悪く、ねぇな。こーいうのも。)フッ…

垣根(俺もこれで少しは馴染めたかね)








〓〓再びイギリス〓〓



ウート「生きる事の♪美しさと♪儚さを知ーるそのっとーきー♪
    この痛みは♪やがて明日の歌にな♪るーよ♪っと…///」ガニマタスキップ♪

ウート「ご機嫌ウーちゃんが道行くぜーってな///」ハハー

ウート「…あん?//」


黒服「…」コソコソ

ウート「? …なーんか、キナ臭えなー?」

ウート「尾行けちゃお♪///」コソコソ









〓〓イギリス郊外:とある小高い丘〓〓



「…で、つけてみたはいいんだーけどー?」

「なーんか、随分ものものしいな?」

近くの廃墟に隠れて、様子をうかがう。

月明かりに照らされてそこにいる人間達の姿ははっきり見えた。


「…よう、テメェだろ?最近俺達のツレを襲って拉致監禁してやがるっつーアマは」


スキンヘッドのガラが悪いスーツの小男。

まさにマフィア、といった出で立ちである。

(あん?オイオイオイオイ…ちょーっとこりゃマズイ場面に出くわしちまったんじゃねえの?)

ウートガルザロキは「うへぇ」っといった顔で物陰から見つめる。

ウートガルザロキの位置からではマフィアのボスが声をかけている『アマ』とやらの顔や姿は見えない。

(…誰だか知らないけど御愁傷様、だな。
 流石の俺もイギリスでマフィアとは関わり合いたくねえんだよねー…)

助けたい、けど……ちょっと。である。





…昔、とある半お笑い番組で「イギリスにはマフィアはいない」と宣った議員がいたそうだ。

だが、正確には違う。"人間の本質"というのは意外とどのお国でも同じで、どこにでも所謂『犯罪者集団』(チンピラ等も含む)というのは存在する。


……先ほどの議員の発言を正しく言うならば。


「『イギリスで生まれたマフィア(犯罪組織)は』いない」


である。




イギリスのマフィア(暴力団や犯罪者)事情を簡単に言うと、

『自国では生まれてないけど、他の国の犯罪組織がたくさん入ってきて『商売』をやっている』である。

現在、ロンドンを中心にアルバニア、トルコ、カリブ海、ロシア、中国系など、200近い国際組織犯罪グループが暗躍していて、組織員総数は不明でありながら構成は24国籍に上るとされている。

…ぶっちゃけ、麻薬の取引量は日本のそれより多い上に売春もかなり横行しているのだ。

しかし、イギリスの治安は他の欧州諸国よりは"良好という事になっている"。

何故かと言えば。強盗・空き巣・スリ・ひったくりといったわかりやすい「末端の犯罪」にはマフィア達は基本手を出さないからだ。

("仁義"があるとかではなく、単に儲からないし、捕まりやすくなるといったデメリットの方が大きいから)





まぁ、つまり。

"イギリスで"『マフィア』に目をつけられて、しかもそれに遭遇するという事は。


ボス「構えろ。"まだ"殺すな」

黒服部下「「「………」」」ジャキン!ジャキ、ジャキジャキ!


―――"死"と、死んだ方がマシというレベルの"肉体的精神的を問わない苦痛"を味わう羽目になる――という事である。



(うっわー……ホンッットマジでえっらいとこに遭遇しちまったよ…逃げよ逃げよ。)

口止めなんてバカな理由で何かされてもたまったものではない。

(君子危うきには近寄らずーっと)

そそくさと退散しようとした所で。


その『アマ』の綺麗な声が聞こえた。





「チッチッチィ。残念ながら、たかが"銃"ごときではこの私を倒す事はできませんとの事」





その言葉を聞いて、ウートガルザロキはピタッ。と足を止めた。

(…『銃ごとき』?……『魔術師(どうぎょうしゃ)』かね?)

少なくとも、"銃"の恐ろしさを知る一般市民ならば発言できない台詞だ。


(…気が変わった。結末まで見届けよ)

確実に身を隠せる場所までこっそり移動し、その場を覗いてみる。

そこにいたのは美しい妙齢の女性。

……なの、だが…



(な、なんだありゃ…)




自分を含め、魔術師達は術式を扱うために一般人のそれとは変わった格好をしている。

別にそれを変とは思わないし、思いたくない。(自分自身をも否定する事になるから)

『サラリーマンと漁師が同じ格好だったら色々適切じゃなくてやりにくいだろ?
 場所や仕事内容によって服装が変わるなど当たり前だ』

、という持ち前の感性もある。


が。


それを踏まえた上でも。思わずちょっぴり「コイツバカなのかな?」と思ってしまう。

そんな格好を女性はしていた。


「しかし…こんなアホな格好してるバカにウチのファミリーはやられたのか…」

「なぬぃ?!アホな格好してるバカとは心外との事!せめてアホな格好に留めて欲しいにつき!」

「じゃあ総合してバカ」

「むっきぃいいいい!!?」



軽く頭を抱えるマフィアのボスと地団駄を踏む女性。

その女性の格好は。


「…しかし、『水着甲冑(ビキニアーマー)』てお前……」

「ふん!このエロさがわからん奴には黙ってろとの事!」




ビキニアーマーだった。





彼女の容姿の詳細を述べるならば。

大体は神裂火織と同じくらいの年頃で。
限りなく銀髪に近い金髪のスラリとした巨乳美女。

布の上から複数の鋼を配置して形を整えたであろう胸当て(ビキニ)

胸当てと同じような鋼の腰部装甲にロングブレードを提げ。

両手は肘の上あたりまである長い手袋両足は太ももまである長いブーツ(手袋とブーツは白黒の牛柄)

である。


(んー……?ありゃ全体的に見ると北欧神話ベースだな?んで…どーも『ワルキューレ』…っぽい?)

自分も同じ北欧神話の術式を扱う魔術師でもあるので、初見でもそういうモノはわかるものである。

(んんー……?)

だが何となく納得はいかない。

(ただなー?どーも『ワルキューレ』にしちゃ、身体能力系の魔改造部分が多すぎるんだよなー…んー…)



魔術業界には十字教のリーサルウエポンでもある『聖人』と、それに酷似した身体能力を持つ者達が北欧神話圏でも存在する。


彼女等は通称、『ワルキューレ』と呼ばれる。

"業界"で有名な名前を挙げるなら"ブリュンヒルド・エイクドベル"。
(但し彼女は『ワルキューレ』と『聖人』の特徴を持つが)


(ううん…。もしホントに『ワルキューレ』なら、威力強化術式やパワーセーブ術式なんかの『強靭な肉体』ありきの術式構成になるはずなんだが…)

(あの人、どーも『肉体強化』系とか『耐久力上げ』術式が多いんだよな。
 元から強い肉体を持つ『ワルキューレ』なら要らん要素だ)

じーっ。とその女性を上から下まで隅々までじっくり観察していく。

(ん?)

ふと。『グレムリン時代』にどこかで彼女に似た術式構成を組まれたモノを見た事を思い出す。


(…あー!あれか!ちょっと前に『グレムリン』でやってた実験、『人工ワルキューレ』の劣化版か!)

確か『グレムリン』が『主神の槍《グングニル》』の設計図面を、件のブリュンヒルドの頭から盗ませる時に用いた兵だったはずだ。



…北欧神話に出てくる天女、もしくは戦乙女と呼ばれる『ワルキューレ』。
(英語読みは『ヴァルキリー』。)


彼女らは実は天使や精霊なんかの『そういう生き物』ではない。

『人間』だ。(という学派もある。)

人間の娘として生まれた女の子が何よりも戦を望み、主神オーディンに力を与えてもらう法則に合致すると人間はヴァルキリーになる。



すんごく簡単に言うと。

『勇猛果敢なおにゃのこが特殊な道に走ると神格化される』。



…人は、『ヴァルキリー』になれる。


ならばもし。『聖人』級のリーサルウエポンを量産できるとしたら。

…となれば、魔術師が人為的に『誰でも簡単!ワルキューレのつくりかたレシピ!』を作りたがるのは無理からぬ事である。


(んで。彼女はそれを自己流でやり遂げた…って感じ?)


ならば身体能力に重点を置いた魔改造に合点がいく。

(…ん?でもそれだと…)



推定される結果を頭の中に描き、思わず哀れみの目をマフィア連中に向ける。


(…御愁傷様。どーやら、厄介な奴に目をつけられたのはあの娘じゃなくて―――)


「フフン。それじゃそろそろ…」


「! 撃て!撃て撃て撃て!!撃て――――!!!」






ヴァルキリー「このヴァルキリーの虜にしてあげるとの事ッッッ!!!」






(あのマフィア達だったみてえだね)


――――――――――

―――――――――――――――

――――――――――――――――――――



黒スーツの男達の手に握られた拳銃の口が一斉に光る。

「ふっ!」

己を"ヴァルキリー"と呼ぶ女性は着弾より素早く屈み、その弾丸をやり過ごす。


「ハッハア!!覚悟するとの事!!」


ドンッ!と地を蹴り黒服達へ突撃する。

「やはりバカだ!撃て!物理的に避けきれなければいくらなんでも当たるわ!!」

マフィアのボスの指示により、部下達が彼女が避ける隙間をなくすように荒い射撃を行っていく。


―――だがヴァルキリーは静かで艶のある笑みでくすりと笑って。


「先人曰くッ!!『当たらなければッッ!!――」

ヴァルキリーが腰に提げたロングブレードをバチっと閃光させ―――"抜剣"する。


「――どうという事はない』との事ぉぉおッッッ!!!」

ヴァアオオオン!!!

鋼の塊が唸り、重厚な一閃が振られる!!


バキキキキキキキキキキキキキン!!!!!!

ロングブレードの剣身中間部…ミドル・セクションで弾丸全てを薙ぎ払う!



その豪快で大雑把な闘い方は正に女戦士。

「せいっ!!!」

そしてロングブレードを振り切った体勢のまま黒スーツ達へ踏み込む!

「もぉおおいっぱああああああああつッッッ!!!」

ブルゥウン!!

斬る、切断する、というよりは打ち据える、殴打し破壊するといった攻撃。


「「「ほぎゃああああああああ!!?!」」」


机の上の物を無理にどけるようなフルスイング。


ロングブレードにより巻き起こる現象なはずなのに、猛スピードのダンプカーにでも跳ねられたかのようにマフィア達は吹き飛ばされていく。

(ヒュー!やるねえ!)

ウートガルザロキは心の中で感嘆と口笛を漏らす。



(ありゃ一見して豪快なフルスイングに見えるが、違う!)

(剣の面と衝撃波なんかを合わせてぶつける…かなり高等な剣技だ!)

(それに初撃の"一閃"も、"バラ撒かれた"銃弾を残さず救い上げて弾道ごと薙ぎ払いやがった!)

(しかもその剣の軌道が一閃したように見えるとは…)

(あのヴァルキリーちゃん、相当な…一流を名乗れる技量の剣士じゃね?)


「フンッ!ハーッ!」

ヴァルキリーは跳躍し、大根斬りを黒服の肩にロングブレードを叩き込む!

「ごがっ?!」

「まだっ!まだまだまだまだまだまだまだまだにつきッッッ!!!」

片手拳のラッシュ。

ラッシュラッシュラッシュ!!

「くそがっ」

「なんのっ!」

チュイン!チュインチュイン!

自動小銃から撃たれる銃弾を、鎧ブラ、手甲、剣で弾道を逸らす!

「ほいっ!」

「がっ?!」

肘を的確に人体の急所に当て、手際よく昏倒させる。


「クソが!撃て!撃て撃て!」

「おーっとぉ?そーんな芸がない攻撃ばかりではつまらないにつき!!」

ヴァルキリーは超スピードで彼等の背後に回ると、裏拳で手甲を脳天に殴りつけていく。


(『グレムリン』で開発されてた『人工ワルキューレ』…)

(アレはこっそり非人道的実験をしてた奴等から奪って魔神の知恵で強化する事で漸く手に入れたシロモノだった。)

(俺はあんなの大嫌いだけどさ。でも――)



「ヒャッハア!!ほーらほらほら!さあさあさあさあ!ほら行っくぞぉ―――ッッッ?!」


(――そんな血みどろ実験なんかに頼らずに、一人であの術式を組み上げたあの姉ちゃんの『人工ワルキューレ』は…俺、好きだな。)


彼女は陽気に元気に暢気に無敵。

お散歩気分でマフィア連中をブッ飛ばしていく。

「くっくっ。イイ女だよなー」

そんな光景をニヤニヤしながらウートガルザロキは眺めていた。







ヴァルキリー「ふーっ。やっと片づいたとの事。」


ボス「うぐぐ…」ボロロ

黒服'S「ぐぬぬ…」ボロボロ


ヴァルキリー「フッフーン?降参との事?」



ヴァルキリー「さて……それでは。」つ麦わら帽子カポ。

ウート(え?何?麦わら?)

ボス「…?」

黒服'S「?」





ヴァルキリー「お前ら!!私の部下にならないか?!」 ド ン !!


黒服'S「?!」
ボス「?!」



ヴァルキリー「給料も休みもやれないが、目の保養だけは保証するとの事ッッ!!!だから私の部下に」

「「「「なるかボケぇぇえええっっ!!!!」」」」


ヴァルキリー「ええっ?!何で?!」ガーン!

ボス「何でじゃねーよ?!むしろなんでそれで『イケる!』って思っちゃったんだよ?!」

ヴァルキリー「んー…?おかしい…このじゃぱにーずコミックによれば、この麦わら帽子を被った少年のこんな感じの発言で…」ブツブツ


ウート(えー……思考回路が…バカなのかな?)ウフフフフ♪


ヴァルキリー「んー…テイク2につき!!」

ウート(まだやるの?!)

ヴァルキリー「…」スパーン!

ボス「は?!貴様俺のズボンだけを剥ぎ斬りやがって?!何を…!」

ウート(何気にスゲー技術だな。肌だけは一切傷つけずにズボンだけ斬るって)

ヴァルキリー「…」スック

ボス「あ?!貴様俺のパンツを返せ!!」

ヴァルキリー「フッフッフ……」




ヴァルキリー「『このパンツ!!!返して欲しけりゃおれ達の仲間になれ!!!!』」 ドン!!


ウート(よりによって一番変なの選びやがったコイツ――――?!)ガーン!?


※フラン○ーさんを仲間にした時のル○ィさんの台詞です


ボス(フルティン)「クソッ…こんなアホに負けた自分が情けねェ……」ガクッ!

ウート(心中お察しします)

ヴァルキリー「ちょ?!まだ返事っ…」

ヴァルキリー「うう……また、失敗につき…」ショボン

ウート(またってアンタ…いやそりゃそうだろ)







ヴァルキリー「――仕方ない。さっきから私を見ていたあの男に標的《ターゲット》を変更との事」ギラリ。

ウート「―――え?」



ヴァルキリー「ふっ」ヒュン!

ウート「な?!あんな遠くから一瞬で俺の後ろに?!ちょっと!タンマ!タンマタンマあああ!!」

ヴァルキリー「えー?『ちょっとタンマ』とはどのくらいとの事?」ワタシワカンナーイ

ウート「さ、30分とか!」

ヴァルキリー「ふーむ。いいだろう!30分間だけ待ってやる!」ビシッ!

ウート(よかった!バカで!)

ウート(うし、今の内に幻覚で…)ゴソ…




ヴァルキリー「でも変な事はできないように両手両足は掴ませてもらうにつき。」ガッシ!

ウート「ちょっ」







〓〓ヴァルキリーが野宿してるテント〓〓


パチパチ…


ヴァルキリー「さて…火も起こしたし、ごはんと酒も用意したにつき」

ウート(どっから用意したのか安酒と焼き魚、焼いた肉塊、サラダが出された)

ヴァルキリー「よし、宴との事ッ!」バッ!
ヴァルキリー「…」ゴソゴソ

ヴァルキリー「ミュージックスタート!」カチッ

ラジカセ「~~♪」ズンドコ♪ズンドコ♪


ヴァルキリー「~♪」フリ♪フリ♪クネクネ♪

ヴァルキリー「イッエーイ♪」(^3^)/ミ☆チュッ☆

ヴァルキリー「フッフー!」

ウート「…楽しそうだねー」ハハ

ヴァルキリー「ん!初めての部下につき!これ以上の喜びはそうはないとの事!」えへー♪

ウート「そっかー」ハハ

ウート(『ちょっと考えさせて』っつったら連れてこられたんだが)



ヴァルキリー「むっふっふ!お前にはナンバーツーの座をやるとの事!」ビシッ!

ウート(なんかもう部下にされとるし…)

ウート(つーか、もうこれ助け呼んだ方がいいんじゃね?)

ヴァルキリー「そういえば名前は?」

ウート「へ?あー…ウートガルザロキ。」

ウート(あーでもこの人何気に結構強いんだよなー…
    仮にベルちゃんやリーナちゃん呼んでも負けそうだわー…)

ヴァルキリー「そっかそっか!よろしくとの事!」ニパー

ウート「おー。よろしく」ヘラヘラ


ウート(しゃーね。テキトーに付き合って逃げちゃおーっと)ゴクゴク






ラジカセ「タラタタン♪」

ヴァルキリー「決めっ!」ビシッ!

ウート「ヒュー!キュリアちゃんエロいな!それにカッコいい!」チパチパチパチパ!

ヴァルキリー「むっふー?そんなに褒められても照れるとの事ぉー///」テレテレ

ウート(んん…部下になるのは御免こうむるが…この子スゲー美人でスタイルもいいし?
    頭は軽いが…女はそーいうののが愛嬌があるってもんだし?)

ウート(うん。俺、この子は嫌いじゃねえな。むしろ好感持てるわ)

ウート「ハハ、そんなに綺麗だとほんとに天女みてえだな!」

ヴァルキリー「むっふっふっふ!!最高の褒め言葉につき。感謝の意を示すとの事!」フッフッフッ!

ヴァルキリー「…で?決心はついたとの事?」

ウート「え?えー……と…あ!そういえば!アンタは仲間を増やして何がしたいんだ?!」

ウート「そーいうのがわからないとウーさんはちょっと仲間になれないなー?」チラッ

ヴァルキリー「むー?なら話しておくにつき。」



ヴァルキリー「私の目的は!この色香で数多の男を虜にし!優れた"エインヘルヤル"を集め…」


ヴァルキリー「単独で魔術結社級の力を得る事につきッッ!!」どーん!


ウート(うんだからそうやって仲間集めて最終的に何をしたいのかがわかんねえっつってんだけど)

ウート「あー…」ガシガシ

ウート「しっかし…北欧神話系の魔術業界ならよくやるみてえだが、俺『ヴァルキリー』は初めて見たわ。」

ウート(『グレムリン』(ウチ)製の奴以外で。)

ヴァルキリー「ほー?なんならよーく見て行くといいの事。」

ヴァルキリー「そのまま私の虜になっちゃう?…そしたら、色々見せちゃうの事よ?」ウッフーン?

ウート「ははは、いやいや!もう俺は既に君の虜だって」ハハ

ヴァルキリー「…ふうん?…イッツ・ア・九人祝い《ナインサポート》!!」スュワン!

ウート(?! 術式?!くっ、油断した!!一体何の効果が…!)バッ!




ウート「……」

ヴァルキリー「……」

ウート「……」

ヴァルキリー「……」

ウート「……」

ヴァルキリー「……」


ウート「……?」

ヴァルキリー「……」

ウート「……別に、何ともねえんだけど…?」クビカシゲ。

ヴァルキリー「…」



ヴァルキリー「う。」

ウート「? どうし、」

ヴァルキリー「ウソつきぃぃぃぃぃぃ!!」ウワーン!

ウート「え?!え?何で?!」

ヴァルキリー「えうー!わ、私の術式、『九人祝い』《ナインサポート》は…」グスッグスッ

ヴァルキリー「私をエロい目で見たり…私に欲情すると発動する術式との事。」

ウート「へ、へー…」ヒキ

ヴァルキリー「ウートのウソつき。『君の虜』とか言った癖に全然虜になってないとの事」グスッグスッ

ウート「あ、いや、俺が君に抱いてる気持ちは『そういう好意』じゃないからじゃね?」

ヴァルキリー「はあ?!こんなにエロい私に『そういう好意』を抱かないなんて……




               ホモ?」クビカシゲ



ウート(もういっそ本当に殴っちゃおっかな)



ウート「いや違うし、そーいうのを偏見とか蔑視するように茶化したりネタやギャグにすんのはどうかと思うんだけど…ってのはまあ置いといて」オイトイテ

ウート「仮にそーいうエロい関係になったとしても。
    そんな関係は長続きしねえもんじゃね?恋とかもそうだけどさ」

ウート「…結局さ、"長く続いていく人間関係"とか"縁"ってのは、大抵人柄だとか人間性による結びつきの要因が強いだろ?」

ヴァルキリー「………うーん?」ハテ?

ウート「……まあ、俺はそう思うんだよ。んでさ、」

ウート「俺は君さえ良ければ、君と長く付き合っていきたいなって思ってんだよ」

ウート「だから君をエロい目で見てないって事。」ヘラヘラ

ヴァルキリー「……」



ヴァルキリー「そんなの、嘘。…よくわからないの事」ショボン

ウート「…ん?」




ヴァルキリー「今まで私がそんな仲を求めても誰も応じてくれなかったの事」

ヴァルキリー「…でも、エロい関係なら。」

ヴァルキリー「私をエロい目で見る人は"私"との人間関係の構築を求めてくれるにつき」

ヴァルキリー「"私"を見てくれるの事」

ヴァルキリー「しかも数秒前まで全く知らない赤の他人でもすぐに仲良くなれるの事」

ヴァルキリー「きっと、もっとエロかったら皆がついてきてくれるとの事」

ヴァルキリー「……今のとこ、誰も彼も一晩しか一緒に居てくれないけれど。」

ヴァルキリー「私は間違ってないにつき」

ヴァルキリー「…大体、私が普通に仲良くしようとしても皆『変な奴』とか言って…」ウジウジ

ウート「………」



ウート(…ああ、そういう事、か。)


ウート(北欧神話の『人からヴァルキリーになる学説』によると…
    『ヴァルキリー』っていうのは確か『戦い好きな女の子が特殊な道へ走るとなる』…んだっけか?)

ウート(…『特殊な道』。たぶん、彼女の回りにいた、寄ってきた普通の人達はそれで離れちまったんじゃねえかな)

ウート(所謂『変わった子』っていうのは極稀に受け入れられる事はあっても自分達の同列には扱わねえもんな)

ウート(ましてや自分達の上に立たせるなんて。)

ウート(…十中八九、『周囲から拒絶される』ってエピソードか何かがあったんだろうな。
    いや"それ"を聞き出そうとは思わねえけどさ)


ヴァルキリー「……」アンニュイ



ウート(この子は…人との交流の仕方が酷く不器用なのか。)

ウート(誰かに側にいて欲しいのに、その誰かとの仲良くなるやり方がわからない。)

ウート(その"誰か"は"自分という人間"を許容してくれない。)

ウート(…だから。絶対自分の言うことを聞いてくれる"部下"を求めて。"そういう術式"を使うのか。)

ウート(…極めて軽度の性行為依存症に近い精神性…って言えばいいのかね?)

ウート(なんつーか…『承認欲求』と飢愛っていうか。)

ヴァルキリー「……」シュン…

ウート(同情…ああ、たぶんきっと俺はこの子に同情してるんだと思う。)

ヴァルキリー「…」ショボン

ウート(でも彼女は同情なんていらないだろうし、イヤだろうな)



ウート(……なら。俺は彼女がそう感じないような彼女との関係を作ろう。)





ウート(せめて、そのほっせー肩を抱いて慰めてやりたいから。)

ウート(彼女の悲しそうな顔を変えてやりたいから。)


ウート(この世には"君"を好きになる人間だっている。
    "君"を拒絶する人間だけじゃねえんだって伝えてやりたいから。)



ウート「なあ」スッ…

ヴァルキリー「?」

ウート「…」ギュ

ヴァルキリー「…ふぇ?///」

ウート「俺は、違うよ。」ギュゥ。

ウート「君が今まで出会ってきた人達とは違う。」

ヴァルキリー「…そんなの、」プイ

ウート「『わからない』…か?なら信じてみてよ。」

ウート「どーせわかんねえなら。信じる方に賭けてみるべきだよ」

ウート「そうじゃなきゃ話は終わっちまうしな」ニコッ

ヴァルキリー「………」

ウート「なあ、キュリアちゃん。」ヒソ…





ウート「俺と、来ないか?」




ヴァルキリー「…何を突然。どこに?」

ウート「…俺と一緒に仕事をやらないかって事」ヘラヘラ

ヴァルキリー「!」

ウート「…もし君がそうして欲しいなら。俺はエロい目でも君を見る。
    …まあ、君は元々すごく魅力的だしね」クスクス

ヴァルキリー「っ/////」

ウート「でも俺はエロい目以外でも"君"をちゃんと見る。」キリ

ウート「信じてくれとは言わな…いや、信じてくれ。
    俺は、君と一緒に生きていきたいんだ」

ヴァルキリー「……//」

ウート「君とは会って間もないけれど、俺は君の事好きだよ」ギュ

ヴァルキリー「っ?!/////」ポフッ!


ウート「君さえよければ…俺は、ずっと君の側にいたい」テギュ

ヴァルキリー「えっ…//////」///

ウート「…俺はそのくらいには君が好きだよ」ニコ

ヴァルキリー「ふぁ、え?あ、あわわ…////」プシュー////


ウート「…どう、かな…?」ウワメヅカイ

ヴァルキリー「……お、お願いしますとの事……//////」テギュ








〓〓『新たなる光』アジト〓〓


ベイロープ「はーっ…もうっ!呼び出すタイミングとかも空気を読んで欲しいわ!」プンスコ!=3

ベイロープ「あともうちょっとで――……だったのに」ブツブツブツブツ



フロリス「…なーに?ベイロープってばさっきから。」ヒソヒソ

レッサー「どーも愛しの彼とのランデヴーを邪魔されたみたいですよ。……ランシスに」

ランシス「わ、私のせいじゃないし!?」



カタカタ。カタカタ。

ベイロープ「…ん?」スッ

ベイロープ「! ウートくんから?!」サッ!

ベイロープ「ハァイ♪ウートくん!ごめんねーさっきは…」ペラペラ


ランシス「すごい変わりよう…っと、通信霊装の魔力が…!くすぐったひ…」プルプル。

フロリス「ワタシはああいうキャラ作りはするべきじゃないんじゃないかなーって思うんだけど」

レッサー「うーん?私はよく『お前はむしろキャラ作れ』って言われますけどね?」

フロシス「「レッサーはね」」

レッサー「な、なんですかー?!それ――ッ?!」ガーン?!


ベイロープ「……え?!外泊?!なんで?!」ガタン!



フロリス「え?何?……まあ男が女所帯にお泊まりはちょっと常識ないよね。」アーヤダヤダ

ランシス「気を使った…のかも。ベイロープは泊まらせる気満々だったみたいだけど…うひひ…くく…」プルプル。

レッサー「え?お泊まりってそんな常識ないですかね?
     むしろ籠絡してイギリスのための駒に仕立てあげるチャンスじゃ…」

フロシス「「お前はちょっと黙ってろ?」」フフフ♪






ベイロープ「え?今にも泣きそうな女の子拾ったから…?」

ウート『そー。…ちょっとほっとけなくてさ?
    まあ元から男が女の子しかいないとこに泊まるのもダメだと思うし…
    さすがにベルちゃんちに一緒にお泊まりとかもどうかと思うしな』

ベイロープ「いやもうその人を家に送り届けるだけでいいんじゃないかしら?早く帰ってきて?」←冷たい目

ウート『いやちょっとそーいうわけにもいかないっぽいんだよね。どーも彼女宿無しみたいで』

ベイロープ「じゃあその辺りのホテルに泊まらせてあげたら?
      で、ウートくんは帰ってこればいいじゃない」ニコッ←冷たい目

ウート『いや今飲んでたからそこまで手持ち金が…』


ベイロープ「……ねぇ?ひょっとしてー、なんだけどー。」

ウート『何?』


ベイロープ「お酒飲んでて可愛い子見つけて話しかけたら意気投合。できればこのままホテルへベットイーン!

       ……ってしたいわけじゃないわよね?」

ウート『ほわっ?! ああん違う違う!違うから!ホンットマジ違うから!マジマジ!ちょーちげえから!』アタフタ

ベイロープ(あ、怪し――ッッッッ!?)ガーン?!

ベイロープ「…もう!いいから早く帰ってきて!」

ウート『ごめん!ちょ無理!ホントマジごめん!また明日会いに行くし、その時説明するから!じゃ!』


ブツッ。


ベイロープ「…………」




ベイロープ「………………」ジッ

通信霊装「………」



ベイロープ「ぐすっ。」プルプル…


ランシス「はー…早く寝よ…」ふぁ

ベイロープ「…えぐっ…」ポロポロ

ランシス「? どうしたのベイロープ。通信は終わっ…」

ベイロープ「うわぁああああん!!!」ダキィッ

ランシス「ちょっ?!何?本当にどうしたのよ?!」アセアセ

ベイロープ「ウートくんがね、ウートくんがねぇぇええぇぇええ?!」グスッグスッグスッ

ランシス「え?何?遊ばれてたとか?」

ベイロープ「うえええん!!!」ビエー!

ランシス「はぁ……ほら、落ち着いて落ち着いて」ヨシヨシ

ベイロープ「イヤぁあ!どこぞの女狐に取られるのイヤぁあ!!」ウェェン!!

ランシス「落ち着け」ビシッ

ベイロープ「なふっ?!」







〓〓ベイロープの部屋〓〓


ランシス「…んで?」

ベイロープ「えぐっ。ウートくんが帰ってきてくれないのよ!」エグッエグッ

ランシス「ふー…言っとくけどね?ウートガルザロキさんはベイロープのとこに帰ってくる義務とか道理はないんだよ?」

ランシス「つーか付き合ってないんだからさ…」

ベイロープ「"まだ" ね」グスッ

ランシス「ああ……うん…(何言ってんだコイツ)」

ランシス「ほら、『明日説明しに来る』んでしょ?大丈夫だよ。少しは彼を信用するべきじゃない?」



ベイロープ「…そうね。彼女なら"彼氏"を信用しなきゃね!」

ランシス「ああ……うん……(ダメだコイツ早くなんとかしないと)」





〓〓ヴァルキリーのテントの中〓〓



ヴァルキリー「/////」テギュ

ウート「…大丈夫だって。離さないからさ」ニコッ

ヴァルキリー「………/////」テギュ

ウート「ほら、おいで」

ヴァルキリー「ぅん…///」ポスッ

ウート「…」ナデナデ

ヴァルキリー「………」

ウート「……」



ヴァルキリー「……ねぇ」

ウート「何?」ナデ

ヴァルキリー「明日になったら居なくなってる…なんて絶対やめて欲しいの事」

ウート「しねえよ」ニコッ

ヴァルキリー「…今までは皆そうだったにつき。」

ウート「俺は違うよ」ギュ

ヴァルキリー「……さっきの言葉、嬉しかった。」

ウート「…」



ヴァルキリー「もしあなたが明日の朝居なくなってたら言えないから。今の内に言っておくにつき」

ウート「……」




ヴァルキリー「ありがとう、ウートガルザロキ。私、とても救われた気がする」ニコッ

ウート「…どういたしまして。よければこの先何度でも言ってやるよ」ニコッ










~朝~


ヴァルキリー「…」パチ。

ヴァルキリー「…」ムク

空っぽ

ヴァルキリー「……」キョロキョロ

ヴァルキリー「…ウートガルザロキ?」

ヴァルキリー「………」

ヴァルキリー「……いない、か。」


ヴァルキリー「………」ジワ…

ヴァルキリー「……ウソツキ。」フルフル…



ヴァルキリー「ウートのウソツk」


ウート「あ、起きた?」ヒョコ。

ヴァルキリー「?!!」ビクッ?!




ウート「朝飯出来てるよ。」ヘラヘラ

ヴァルキリー「…っ、……っ、」えぐっ、えぐっ、えぐっ!

ウート「あー!いや、君が起きた時に見える範囲にいた方がいいかなとも思ったけど!!ちょっと膀胱が限界だったからさ!ごめんね?!」

ヴァルキリー「…いい。許すの事。朝ごはんありがとうウートガルザロキ」ゴシゴシ…ニコッ

ウート「どういたしまして。…あ、言い忘れてた。」






ウート「おはようキュリアちゃん。」ニコッ

ヴァルキリー「おはよう!ウートガルザロキ!!」にぱっ!




本編投下終了。以下おまけ。


〓〓『船の墓場』シギンの部屋の近く〓〓

ウート「~♪」フンフンフーン♪

シギン「?」テクテク。


シギン(あの軽そう人は…ウートガルザロキ、だっけ。)

シギン(私まだ『グレムリン』に入ったばっかだからメンバーの事はよくわからない。よくわからないんだよね)

シギン(ストーカー…ではない、よね?)トコトコ

シギン「ねぇ」

ウート「~♪あん?"シギン"か。今日も可愛いね!」ニコッ

シギン「それはどうも。…何してるの?」

ウート「ん?散歩してたらさあ、望遠鏡見つけたんだよね」

シギン「ふんふん。」

ウート「どーせだからさ、天体観測でもしよっかなーって。」ヘラヘラ

シギン「…一人で?」

ウート「シギンが来てくれたら二人になるかな?」チラッ

シギン「……」エー…ナニコイツ。

シギン「…ひょっとして。私を誘うためにわざわざここで望遠鏡を調整してたの?」ジト

ウート「まーな」ヘラヘラ

シギン「何で?」

ウート「『グレムリン』メンバーの中で、『この中で一番一緒に星を見たい』って思える人がシギンだったからさ」ニコッ

シギン「……ふーん?」

ウート「ど?」

シギン(まあ悪い人じゃなさそうだし…)

シギン(変な事目的だったら思いっきりひっぱたいて次の日から言いふらしてやろう)ウン

シギン「うーん…まあ、いいよ。暇だったしね」






〓〓『船の墓場』で一番高い所にある船〓〓

――満天の星空――

シギン「わあ…」

ウート「いやあ、ちょーどいい感じに晴れたな。絶好の天体観測日和じゃね?」ヘラヘラ

シギン「うん…でも、ちょっと寒いかな。」

ウート「そー思って、軽いブランケットと温かい紅茶を水筒に用意してきたぜ」ヘラヘラ

シギン「あ、ありがとう。」

ウート「かけてやるよ」フワッ

シギン「……(いい匂いがする。)」





ウート「秋の星座を探すんなら『秋の四辺形』を探した方がいいぜ。」つ紅茶

シギン「どうして?」つウケトリ

ウート「綺麗な形の四角形だからすぐ見つけられるし、そっからペガスス座、2等星のアルフェラッツ、お姫様の星座アンドロメダ座なんかを見つられるんだよ」

シギン「へえー…」

ウート「ちなみに秋の四辺形の東側の辺から北に伸ばしてくと、アンドロメダ姫の母のカシオペヤ座、その隣に細長い五角形の…古代エチオピアの王様で父のケフェウス座を見つけられる。」

シギン「へえ…」

ウート「知ってるかもだけど。この4つの星座とくじら座、ペルセウス座は、1つの神話に出てくる星座なんだぜ?」ヘラヘラ

シギン「ふうん?ウートガルザロキは星座に詳しいんだね。」

ウート「あーいやいや!ちょこっとだけだよ?ちょこーっと。
    魔術師だからそーいう術式に使うような"星座"の事を知っとかなきゃいけないからさ」ヘラヘラ

シギン「ふうん。」

シギン「なら…私じゃなくて、そういう話ができる魔術師の人がよかったんじゃない?」

ウート「えー?んなことねーよ。いや、そういう奴等と見るのも悪いわけじゃないけどさ」

シギン「…」

ウート「…まあ、その。単純にシギンと仲良くなりたかったんだよ。」

シギン「…私が可愛くて好みだったから?」クス

ウート「いやそりゃそれもあるけどさ、そーいう下心ありきじゃーなくてっ」アセアセ

シギン「ふふ…うん、わかってる。わかってるよウートガルザロキ。」クスクス

ウート「え?」ポカン

シギン「あなたは一見すごく軽く見える人だけど、ホントはすごく真面目な人だものね」クスクス

ウート「にゃっ///?!ちょ、やーめーろーよーシギぴー!かーらーかーうーなーってー!////俺そーいうんじゃねーから///!!」

シギン「だめー。ウートガルザロキはからかうと面白い。面白いもの。」クスクス♪

ウート「~~/////」





―――――――――――
――――――――――――――――
――――――――――――――――――――

シギン(それから…私達はいつの間にかよく話すようになって。よく一緒にいるようになったんだっけ)

シギン(懐かしい。懐かしいよ)シミジミ


〓〓『船の墓場』豪華客船のカジノ部屋〓〓

ウート「さーって!今宵もやってきましたギャンブルターイム!」

ウート「ディーラーおよびホストはこのウートガルザロキが勤めさせていただきますっ」ペコリ

フェンリル「っえーい!」チパチパチパチパ

トール「ヘーイ!」チパチパチパチパ

マリアン「いえーい!」チパチパチパチパ

ミョルニル『ふー!』ガタガタガタガタ

シギン「わー」チパチパチパチパチパチパ

ウート「尚、ディーラーの勝ち分は世界の恵まれない子供達に寄付されっますッ!」

ヘル「わー胡散臭ーい」チパチパ





ウート「ゲームは何にする?ルーレット?バカラ?ビックシックス?ブラックジャック?ポーカー?何でもできるぜ?」

トール「じゃールーレットやらね?」

フェンリル「おー?フェンリルちゃんは文句ねーよ?」ヒヒヒ

ヘル「私も」

ウート「…反対意見もなさそーだな?じゃルーレットからだ!」





~ルーレット~

フェンリル「いけっ!いけっ!」

カコン。

トール「だー?!ハズレた?!」ガシガシ

ヘル「よし。アタリ!」

シギン「うー残念。」





~ブラックジャック~

ウート「さ、俺(ディーラー)の数字は20だ。ブラックジャック以外の数字でなきゃ勝てねえぞ?」ニヤニヤ

マリアン「くっ……掛け金はこれを逃せばゼロ…私の数字は18…」


マリアン(顎と鼻が妙にとんがってる画風)「……勇気を出せ……っ」

マリアン(顎と鼻がry)「二度三度なんて言わねぇ………っ!ここ一度だけ……っ!勇気を…………っ!生き残るための勇気…っ」

マリアン(顎と鼻ry)「ヒットだ……っ!」つ□ペラッ

マリアン(顎ry)「」つ4

ウート「あ、負け(バースト)だな」

マリアン(バーストしちゃった~~~~!!?)グニャアア~~





~ポーカー~

ウート「さ。配ったぞ。」

シギン(ううん…負けが続いてる…自分に『助言』ができればいいのに…)

シギン(……次負けたらどうしよう…)

シギン(…? いい手札ばっかだ!)

シギン(これなら…ん?)

ウート「(ゝω・´☆)」パチン☆

シギン「!」

シギン(…ふふっ。そっか。私にいいカードくれたんだね。ありがとうウートガルザロキ。)クスクス

トール「あん?何笑ってんだよシギン」

シギン「さあね?それより自分の手札を心配するべきだよ、と『助言』しよう」クスクス

トール「くっそー…あ、役無し(ブタ)だ…」





ウート「やー!楽しかったな!」

フェンリル「だなー?」ハッハッ

ヘル「そうね。またやりたいわ」

シギン「うん。…あ」トコトコ



シギン「ウートガルザロキ」

ウート「ん?何?」

シギン「ありがと。」

ウート「…さーって?何の事かなーっと」~♪



トール「(;・∀・)」←有り金スッた

マリアン「(;;・∀・;)」←有り金スッた上で借金

ミョルニル『…マリアン、早く私から借りたお金返してね?』


※ギャンブルは身を滅ぼさない嗜む程度に。


〓〓『船の墓場』最南端の甲板〓〓


ウート「ようシギン!こっちこっち!」ヒラヒラ

シギン「もう。なあに?急に『お茶しねえ?』なんて」テクテク

ウート「んー…ちょーっとしたプレゼント、贈り物…みたいなを渡してえーなーっていうかー?」

シギン「ふうん?」ストン

ウート「あ、何がいい?紅茶?コーヒー?」

シギン「じゃあ…紅茶で。」

ウート「おけおけ。」ジョポポ…





シギン「それでね?マリアンちゃんたらあの家具で女子お茶会しようって言うんだよ?アレはない。アレはないよ。」

ウート「ははは、まーマリアンだからなー」ヘラヘラ

シギン「あ。そういえば…私に"贈り物"ってなあに?」

ウート「ん?ああ、まーそんな大したモノじゃねえんだけど」スッつコイン


ウート「」ピィィン!


ふわあっ―――……



シギン「! わあ…回りが花畑になった…」

ウート「へっへっへ。シギンがマリアンとこじゃなくて、こーいう感じな所でお茶飲みたいっつってたってのを聞いたからさー」ヘラヘラ

シギン「……ありがとう。ウートガルザロキ////」ニコッ

ウート「ま。しばらく楽しんでいってよ」ヘラヘラ

シギン「…うん。」ニコッ




\「ソレデサー」「ヘェー」クスクス/


麦野「……」

麦野「はっ!」ポゥ……

麦野「"原子崩し"を発射する光の玉二つを私の両乳首の先に…」ポポゥ…

麦野「行くわよ!」

麦野「チクビィィイイイイインムッッッ!!!」チュドーーン!!

麦野「ふぅ…」スッキリ。


麦野「いくにょ!」

麦野「目からビィィイイインムッッッ!!」チュドーーン!!

麦野「ふぅ…」スッキリ


麦野「皆!オラに力を分けてくれ!」

麦野「元気玉――!!!」チュドーーン!!!

麦野「ふぅ…」スッキリ!


麦野「み、み、みらくる♪みっくるんるん♪」

麦野「みくるビィィイイイイインムッッッ!!!」チュドーーン!

麦野「うーん?」アンマリカワラン


麦野「ホーッホッホッホ!!」

麦野「デスビーム!!」チュドーーン!!!

麦野「ふぅ…」スッキリ


麦野「デュワ!!」

麦野「デュワ!!(スペシウム光線)」チュドーーン!

麦野「うーん…」ビミョウ


麦野「ハァアアアアア!!!!」ポゥ…

麦野「か~め~は~め~……」

麦野「波―――――――!!!」チュッドゥッーン!!!

麦野「ほふぅ…///」スッキリ!!!


麦野「『原子崩しで前から一度やってみたかった事』」

麦野「やって気持ちいいランキング1位は『かめはめ波』かしらね」ッフー…


浜面「」

浜面(見ちゃいけない物を見ちまった)

浜面(逃げ…ッ)ダッ



麦野「あら、そこで何してるの?はーまづらぁ?」ガッシ!

浜面「」



\麦「カーメーハーメー波ー!!!」浜「アッ――?!」/



『グループ』。それは学園都市の表沙汰に出来ない案件を処理する組織。

そして、『グループ』は薄情な組織だ。

彼等の間に仲間意識はなく、お互いの事を"駒"として見、自分に有益になるかどうか、自分の目的達成の足を引っ張らないかどうかのみを気にする…

ドライな関係だ。

そう。彼等こそ学園都市の"闇"を生きる暗部組織…『グループ』だ。



土御門「……何?そんなオレ達の日常が見たい?」

土御門「いいだろう、見せてやる。だが、お前が想像している以上にこの世界は…」




土御門「―――地獄だぞ」


――――――――
――――――――――――
―――――――――――――――――


―――『グループ』。それは学園都市の表沙汰に出来ない案件を処理する組織。






御坂「うわーん!門限に間に合わない!」ダダダ!


御坂(海原)「ただいま帰りました寮監」

寮監「うむ。」


海原「結標さん!部屋につきました!自分を座標移動で外へ!」ベリッ!

結標「わかったわ!」ヒュン!

土御門「よし、監視カメラのスイッチは切って別の映像と切り替えた!後は御坂美琴が自分で部屋に入るだけだ!」


一方「よ、よォそこのお嬢ちゃン?君かわうィーねェ!
   すぐに部屋に帰らず俺と御茶しねェ?」(ゝω・´★)パチン☆

白井「あ、すみません警備員ですの?ええちょっと怪しい男に」



御坂「あ、れ…?普通に部屋に帰れちゃった?」


――そして、『グループ』は薄情な組織だ。





土御門「何ぃ?!海原が捕まっただと?!」

一方「チッ、足引っ張りやがって…どこのクソだウチの海原浚いやがったのは」カチッ

結標「よし、今すぐ助けに行くわよ!」

「「「おう!」」」


――彼等の間に仲間意識はなく。






土御門「ほらよ、オレの奢りだ。よかったら皆で食ってくれ」つドサッ

海原「おやアイスですか?ありがとうございます」

結標「あ、私バニラがいいわ」

一方「おらよ」つ




―――お互いの事を"駒"として見、







土御門「これが前から約束してた、オレ秘蔵の義妹系AVだ。
    ショチトルに見つかるなよ」ヒソヒソつ

海原「すみません、いつもありがとうございます」ヒソヒソ

海原「あ、あとこれ…どうぞ。お口に合うかはわかりませんが…」つ

土御門「いつも悪いな。お前んちのアステカ家庭料理、オレも舞夏も好きなんだよ」




――自分に有益になるかどうか、






一方「ったく…オマエまたソファで寝てンのかよ…」ブツブツ

結標「くかー」ZZZ

一方「ベッドあンだからそっちで寝ろっての」ヨイショ


一方「おらよ。キチンと毛布掛けて寝ろ。風邪引くンじゃねェぞ」

結標「くかー…」



――自分の目的達成の足を引っ張らないかどうかのみを気にする…






結標「はーいっ!海原また『UNO』って言ってなーい!」キャッキャッ!

海原「ああっ?!くっ、自分とした事が!」くぅ…!

土御門「くくっ、海原またか?」クックック…

一方「ハッ、イイ加減学習しろっつゥの」ッハ




――ドライな関係だ。







土御門「そろそろ飯食いに行かないか?」

海原「そうですね、そろそろ行きましょうか。」

一方「じゃあ俺、車出しとくわ」カツッカツッ

結標「あ、ねぇねぇ!終わったらスポッチャ行かない?」

「「「行く」」」



――そう。彼等こそ学園都市の"闇"を生きる暗部組織…



ファミレス店員(あの子達また来てるなあ…)


一方「にーっぽンのっみっらいはっ♪」ブンブン♪

土御門「ウォウ♪ウォウ♪ウォウ♪」グルグル

海原「せーかいっがうーらやむっ♪」フリフリ♪

結標「いぇいいぇいいぇいいぇい♪」



一方「って、古すぎるわァ!」ビターン!

海原「アハハハハ!!」パンパン!

土御門「いいツッコミだぞ!一方通行!」ハハハ!

結標「あ、私ドリンクバー行くけど何か持ってくる?」


―――『グループ』だ。





海原「…そういえば。自分達は通称"仲良しグループ"って呼ばれてるそうですよ?」クスッ

土御門「っは、よくわからないな。
    オレ達はあくまで淡々と仕事をこなしているだけだってのに…
    どこが"仲良し"なんだ?」ホワーイ?

結標「全くよね。ところで今度のプライベートで行く"外"への旅行の件なんだけど」

一方「上との交渉とかのなンやかンやは土御門がやってくれてンだろ?悪ィな」

土御門「フッ、任せろ。任務外でのレベル5の外出も、出先でのアレコレも全て準備完了済みだ」

「「「さっすが土御門!」」」


――――――――――――――
―――――――――――
―――――――


土御門「…どうした?お前が見たいと言ったんだろう?この"裏"の世界を」

土御門「わかっただろう?こんな恐ろしい世界を垣間見たいなんて…思うもんじゃない。」

土御門「…ほら、お前は"表"の世界に帰れ。そうやって生きれるのは幸せなんだよ」


土御門「………」



一方「おい、用が終わったンなら早くしろ土御門。
   海原の誕生日パーティーまで後30分しかねェ」キリッ

土御門「…そういう事だ。悪いな。オレ達はもういかなきゃならない。」

土御門「じゃあな。オレの悪運が尽きなければ…また会えるだろ」ヒラヒラ




\土「デ?オマエナニヲプレゼントスルンダ?」一「アイツガホシイッツッテタゲーム」/


天井「ふうむ。未元物質製のカブトムシか…」

白垣根「ええ。よかったらグッズなんかもいっぱいありますよ?」ニッコニコ

白垣根「カブトムシキャップ、カブトムシアームカバー、カブトムシリュック、カブトムシ前掛け、カブトムシ手袋、カブトムシズボン、カブトムシ靴下、カブトムシシューズ…」

白垣根「ちなみに全部つけると見た目が完全にカブトムシ05になります」

フレメア(E:カブトムシフルアーマー)「にゃあ!」

天井「やめなさい」

シギン(E:カブトムシキャップ)「えー?でも可愛いよ?」

天井「はぁ…」

天井「いくらだ?」

白垣根「全部合わせて18万円でーす」ニコッ

天井「……」


天井「……シギン、フレメア。帽子だけにしてくれ」

「「え――?」」ブー

おまけ終わり。数日以内に再び前スレと同じ感じの安価をやろうかなーと思っている。

コスチューム案ありがとう。

では


ウート「えー。んじゃーまー第二回、残レス処理のお時間でえす」ヘラヘラ


ウート「んじゃあまっちあとよろー」ヒラヒラ

天井「…おい、本当にやるのか?需要があるとは思えないんだが」

ウート「NO、NO。あまっち?需要っつーのは想像するモノじゃなくて、創り、見つけ出すモノだぜ?」チッチッチィ。

天井「…そういうものか?」

ウート「たぶん!」bグッ!



天井「ハァ…だそうだ。私が前スレと同じように安価でトークする。」



天井「○但し、新鮮味が欲しいので前回登場した

    アンジェレネ
    神裂
    五和
    レイヴィニア
    アニェーゼ
    オルソラ
    上条当麻

         は指定されても安価↓対象となるから気をつけてくれ」

天井「およそ>>995レス前後、リミットは今日の5月13日、23:00前後までを予定している。」

天井「尚、安価が来なかったり進行速度の問題で到達しなかった場合は機を改めて再開する。」

天井「安価対象となる人間は前回と同様に時系列、場所、生死を問わない。」

天井「本編登場、未登場も問わない。」

天井「※但し、マイナーキャラ過ぎたり使いづらすぎる人間が指定された場合は再安価か推測と憶測が混じった感じになる」

天井「前回同様、呼べる人間は4人までだ」

天井「また、話題に関してもどうしても思いつかない場合は安価↓にする場合がある事を了解してくれ。」




天井「では、よろしく頼む。」



天井「対象となる人物を安価+1」

天井「話題を安価+2」



〓〓とある研究所:オフィス〓〓



天井「ふぅ…」ギシッ

天井「『ここに訪れる人と会話するだけの簡単なお仕事です』…か」

天井「『叶え屋』が休業状態で収入がゼロだからな、こういうバイトでもして稼がないとな」

天井「………」

天井「…」チラッ

天井「もう昼過ぎか。随分来客は遅いのだな。いや指定時間はなかったが」

天井「………」

天井「丁度クッキー缶とインスタントコーヒーがあるな…」チラッ

天井「…淹れておくか。来客があるとわかっているんだ。おもてなしくらいは、な」ヨッコイショ




コポポ……



天井「…皿は…あるな。紙皿だが」

天井「まあ、客もそんなにこだわらないだろう。」

天井「こんな胡散臭いバイトの客なんだ、そんな大した人間などこないさ」ハハハ


キ―――――――――ン!!


天井「? 随分煩いな…学園都市は飛行機の騒音問題などとっくに完全解決したはずなんだが」


バタァン!!


天井「うわ?!」ビクッ!


SP「…」スッ!

SP2「……」サッサッ!

SP3「………」コクン!

SP4「…………」ササッ!ビシッ!


SP'S「「「「……………」」」」ダダダダダ…


天井「な、なんだったんだ?ドアや部屋の中の安全チェックのような事をしてすぐ出ていったぞ…?」


コツコツコツコツ。


天井「…まさか今のが客人か?向こうは会話すらする気はなかったようだが…」



コツコツ、コツコツコツ、コツ。



天井「まぁこれで20万とは安いもの…」




バタン。





キャーリサ「おや、此度の日英親交会談、学園都市代表の代役で私と会談するのはお前でいーの?」



天井「( Д )  ゚  ゚ 」



キャーリサ「んー?見たとこ一介の研究者のよーだが…」ジロジロ

天井(とッッ!とんでもない大物来たぁあああああああああ?!)ガビーン!


天井(おいいいい?!!第二王女が来るなんて聞いてないぞ?!しかも日英間の親交?!ハァ?!)

天井(統括理事会は何を考えてるんだ!?んなメチャクチャ大事をバイトに任す?!ハァ?!)

キャーリサ「うん?私の到着に合わせてクッキーとコーヒーを用意したのか?
      中々やるな。流石は『おもてなし』の国」スンスン。

天井「は、はは…」

天井(ま、マズイ!英国第二王女相手にそこらの安いクッキーとインスタントコーヒーて!!)

天井(クソッ!代役頼むならせめてもっとまともな事前説明と物資を用意してくれ!)ギリッ

キャーリサ「おっと、すまない。まだ名乗っていなかったな。失礼したの」コホン。


キャーリサ「英国第二王女。キャーリサだ。よろしく頼むし」つ

天井「学園都市代表代役、天井亜雄です」キリッつ


天井(何で私という人間はここまで貧乏くじを引く才能があるんだ…)ズーン








トポポ…


キャーリサ「む?飲んだ事がない味だし」

天井「おやそうですか?お味はいかがです?」ニコッ

キャーリサ「…美味しいし」

天井(『んー?なんか随分安っぽい味だなあ?』って顔しているな)ダラダラ

キャーリサ「さて…」モキュモキュ。

キャーリサ「……んん?」モキュ、モキュ…?

天井(すみません美味しくはないですよね安クッキーですもんねコンビニに売ってそうなお徳用百円クッキーですもんねそりゃ首かしげますよね)ダラダラ

キャーリサ「…?」

天井(おいメチャクチャ訝しんでらっしゃるぞ!全くお気に召してないぞ!)ダラダラダラダラ


キャーリサ「!」キュピーン!

キャーリサ「…なるほど…そういう事か…!」

天井「いかがなさいましたか?」ニコッ

天井(ヤバイ!ヤバイぞこれは!『バカにしてるのだなこのイエロージャップが!』とでも言いそうな雰囲気だぞオイ!)

キャーリサ「このクッキーもコーヒーも…ハッキリ言えば庶民的な味だし。」

天井(っすよねー)

キャーリサ「普通、こんな対応をするなんて喧嘩を売ってるとしか思えんし」

天井(いやすみません本当これしかなかったんです限界だったんです)ダラダラ

キャーリサ「だが…」

天井「……」ダラダ、ラ…?


キャーリサ「お前、私を試したの?」

キャーリサ「英国のトップ…王室が『庶民の味』…ひいては庶民の気持ちを知っているかを」

キャーリサ「『いいものしか食べてない、ロクに世間を知らない小娘でないかどうか』」

キャーリサ「『国民の大多数が食す物を知っていて、国民の気持ちになって政を行える器かどうか』を…」

天井(それは深読みしすぎではないのか?)

キャーリサ「ふふ…やるな、天井とやら。
      ああ、白状しよう。私はこういった『庶民の味』を知らなかった」

天井「………」

キャーリサ「今一度引き締めるとしよーか。中々気に入ったぞ、天井」フフ…

天井「……」

天井「瞬時にそこまで読み、ご理解いただけるキャーリサ様も中々に素晴らしい方ですね」ニコッ

キャーリサ「ふっ、あくまで"対等"か。益々面白い男だ。」

キャーリサ「年も近いのだろー?私の事は『キャーリサ』で構わない。
      あとは…砕けた話し方でいーぞ。たまには年の近い者と話したい」

天井「かしこまり…ああ、わかった。」


天井(あっぶなあああああ!!!)







キャーリサ「そーいえば。お前は結婚しているの?」

天井「いや?研究ばかりでそもそもそういう縁にも恵まれなかったからな」

キャーリサ「ほー?でもまー、研究がなくとも天井はあまりモテなさそーだし」ケラケラ

天井「やかましい。そういうあなたこそどうなんだ」

キャーリサ「……」ズーン……

天井「…すまん。触れない方がよかったか?」

キャーリサ「ち、違う!そーいうわけではないし!」ブンブン!

キャーリサ「第二王女故に、私の婚姻は決して失敗できない上に政治に大きく関わるからだし!」

キャーリサ「だから私、個人の問題の範疇ではないから、決定権は回りにあるからだし!」


キャーリサ「私が結婚できないのは決して私がモテないわけではないの!!」ガターン!

天井「あー…わかった、わかったからとりあえず落ち着け。な?」

キャーリサ「ふんっ!////」グス…ガタ




天井「しかし…そうなると跡継ぎはどうなるのだろうな?あなたが結婚できないとなると…」

キャーリサ「だから!私に問題があるみたいにゆーなし!」プンスコ!=3

天井「…ゼロ、とは言えない気がするが…しかし、実際誰が産むのか等は決められたりするのか?」

キャーリサ「ふん、なんだ?英国王室の性事情を知りたいと?ムッツリスケベめ」チッ

天井「違う。候補は貴女を含めて3人いるだろう?
   私は英国政治にそこまで詳しくはないが…
   誰が産むかで色々変わってくるのではないか?」

キャーリサ「ふん、まー実際そーだ。」

キャーリサ「頭の良さ…つまりは政の才能を継がせるためにはリメエア姉様が産むのがいーの」

キャーリサ「まー本人が拒否してるが」

天井「ふむ」

キャーリサ「私は…まー"ブリハロ"の件もあるし、私の性質を次世代に残すのはあまり、な。」

キャーリサ「軍人ならともかく、"王"として血筋を残すべきかは少々首を捻らねばならないの」

天井「やはり一般人とは結婚や出産に対する捉え方、考える事は違うのだな」

キャーリサ「そりゃそーだし。まーつまり消去法から言っても、継がせるべき"性質"を持つのもヴィリアンだな」

キャーリサ「やはり王の資質で一番大事なのはなんだかんだいって"人徳"だからな」

天井「ああ、彼女か…」


キャーリサ「でもヴィリアンはとある傭兵に恋しちゃっているの」


天井「ぶっ?!」

キャーリサ「あ、これオフレコな。そんな訳で少々困っているし」

天井「…本人の気持ちの問題、か。やはりあなたが頑張るしかないのではないか?」

キャーリサ「頑張っていいなら頑張るが。さっきも言ったよーに私だけの問題ではないからな…」

天井「"王女様"も大変だな」クス

キャーリサ「そーだ。お前のよーな自由に恋愛できる一般人が私は羨ましーの」クスクス


天井「では次の話題を。」


キャラを1人追加可能。現時点ではキャラの増減は不可。


誰か増やすか否かと次の話題を安価+1


コンコン。ガチャリ。


レッサー「失礼しまーす」

天井「む?」

キャーリサ「ん、レッサーか。どーした?」
レッサー「いえ、別に『キャーリサ様があのワカメにナニされるかわかんねぇから護衛しろ』なんて言われてから来たとかではありませんよ?」ジロ

キャーリサ「なんだ、また騎士団長のお節介か」ハフゥ。

天井「ワカメて」

キャーリサ「部下が失礼した。許せよ、天井」ゴチン☆

レッサー「でっ?!」クラクラ…






レッサー「いえですね、ドア越しに『跡継ぎ』だの『英国王室の性事情』、『やはりあなたが頑張る』なんかのワードが飛び交っている中で男女二人は不味いと思うんですよ」セイザ

天井(まあ確かに)

キャーリサ「ふん、仮に天井が襲ってきたらナニもかも次元ごと切断してやるから安心しろ」フン

天井(うん、元よりなかったが万が一にもそんな気を起こすワケにはいかなくなったな!)ガタガタ






レッサー「そういえばキャーリサ様。『あの少年』の事はお話に?」

キャーリサ「? いや?」

天井(『あの少年』?)

レッサー「えー?とっとと『私の婿によこせ』って言っちゃいましょーよー」

キャーリサ「アホか。今の今まで『私が結婚するのは諸事情から難しい』と話してたところだし」ハゥ。

レッサー「でも実際のとこ、キャーリサ様があの少年と結婚したら一番いいと思いません?」シシシ。

レッサー「政治的カードとしてはこれ以上ないと思うんですが」

キャーリサ「…私がもし仮にあの少年と婚姻関係を結んだら、私は後々『ショタコン女王』と呼ばれる事になるんだが?」

キャーリサ「おまけに日本との関係も大幅に変わるぞ。"幻想殺し"を得た事で諸国との関係もな」

レッサー「愛があれば年齢だのなんだのはいいんじゃないですかね?」

キャーリサ「…レッサー?私はお前と違って"世間様"というのをある程度は気にする方だし」

レッサー「ひでーですね」ぷー



レッサー「てーかキャーリサ様はあの少年をどう思っているんです?」

キャーリサ「…まあ、勢いと勇猛さは認めているし。だが少々無謀と向こう見ずが過ぎる、といった所だな」

レッサー「んー…辛口ですね。恋愛感情はゼロですか?」

キャーリサ「んん?そーだなー、上条当麻がもう少し私の年に近くて。
      アックアみたいな体格だったら考えたな」ウム

天井(上条…?ああ、第三位の…あと、実験ぶち壊して私が職失う理由になった…いや別に今は恨んではいないが)

レッサー「あー…そういえばキャーリサ様マッチョ好きでしたね」

キャーリサ「と、いうよりお前でもいいじゃないか。」

キャーリサ「お前はあの少年と懇意にしてるのだろー?
      私と違ってしがらみないんだからはよ落としてこい」

レッサー「うーん。けっこー色々やってるんですが中々落ちないんですよね…」

キャーリサ「? お前はあの少年が好きではないの?」

レッサー「好きか嫌いか。アリかナシかでいったら好きでアリですね。個人の感情としては。」

レッサー「悪い人ではないですし、かっこいい所も知ってます。」

レッサー「もし『一生イギリスのために働きます』って言うなら私的にも好感度はググンとあがるんですが…」ウーム

レッサー「でも彼にその気がないようなので。
     私の恋愛感情としてもそこで頭打ち…といったとこですかね。」

レッサー「知り合い以上、ギリ友達ライン。です」

天井(凄い打算的な子だな…はは。
   まあ考えが十代前半っぽくてそれが可愛いと言えば可愛いが)



天井「では次の話題を。」


キャラを1人追加可能。現時点では天井、キャーリサ、レッサーをはずすのは不可。


誰か増やすか否かと次の話題を安価+1


天井(あまり親交と呼べる事はしてないがいいのだろうか…)ズズ

コンコン。

天井「どうぞ」

ガチャリ。

フロリス「失礼します。念のためにワタシもつけと指示が下りましたので…」

天井(どんだけ信用ないんだ私)ゴーン

キャーリサ「うむ。ごくろーだし」

天井「しかし、随分若い女の子ばかりなんだな」ズズ

キャーリサ「ふふん、そこらの奴よりは遥かに"有能"な人間がたまたま彼女達だった…それだけだし」

天井「すごいな。完全な実力主義を実現しているのか」

キャーリサ「女子供でも責任能力は充分にある。使えるならば使わなければな」フフン

天井(日本では考えられんな。私の学生時代の周囲の少年少女達なんてアホばっかだったから余計に…)







天井「ところで…親交を深めるために悩みを話すなどどうだろうか」

キャーリサ「ふうむ?」

天井「何か困ってるとかないか?ああ、国家レベルではなくあくまで個人レベルのもので頼む。」

キャーリサ「そーだなー…騎士団長の世話焼きがうっとーしーの」

天井「世話を焼いてもらえるのは幸せじゃないのか?」

キャーリサ「程度にもよるし。あいつめ、バスタイムを終えた私の肢体をタオルで拭いて…」

天井「んなっ?!」

キャーリサ「私にぱんつを履かせ、ブラをつけるとこまで…」

天井「ええええええええ?!」

キャーリサ「最近では私が夜寝る時に抱きつくテディベアの代わりといって私に――――」

天井「/////」ドキドキドキドキ



キャーリサ「―――というのはまあ冗談なんだが」

天井「」ガクッ

キャーリサ「四六時中、というほどでもないがかなりの時間を共にしているな」

天井「まあ確かにそこまでされると閉塞感や束縛感はあるだろうな」ウム

キャーリサ「それがヤツの仕事で、私の義務だからというのもあるが…たまーには自由がほしーの」ハフゥ。

天井「もういっそ家出したらどうだ?」クックッ

キャーリサ「私が家出する…そんなネタは伝説級のが前にあったしなぁ」

天井「そうなのか?」

キャーリサ「いや。何でもないし。」ヒラヒラ






天井「君達は何かあるのか?」

レッサー「私は…そうですね、『あの少年』がちっとも私に靡かないので困ってますね」

天井「君はもう少しその打算的な所を隠すべきではないかな」ハハ

天井「陥れられるとわかっていながらそれに引っ掛かる人間などそうはいないだろうに。」

レッサー「えー?小悪魔っぽくてよくないですか?」ニヒ

天井「私は可愛らしいと思うし、コンセプトを守るのもいいが…よくは思われづらいんじゃないか?大丈夫か?」

レッサー「ご心配なく。ギャグの範疇に留めてますから。
     それに、『私、こーいう打算、ありますよー』って予め言っておけば。
     最初からバレてるから許されるじゃないですか」

レッサー「まあ私も本気でイギリスに忠誠を誓わせようとは思ってませんし。
     『あわよくば、やってくんないかなー?』みたいな」

天井「そうか。しかし彼は真っ直ぐな少年との事だが…君のそれは彼の性格や趣味には合わないとかないか?」

レッサー「う?それはちょっと考えた事なかったですね?飴でダメなら鞭を、とは考えましたが」

天井「…まあ参考程度、という事で。頭の片隅に置いておいてくれ」






天井「君は…」

フロリス「あ、フロリスです。ワタシは…」

フロリス「そうですね、あの少年にちょっと拳固をしこたまぶつけてやれなくてちょっとフラストレーションが溜まっている事ですかね」ゴゴゴ

天井「"あの少年"大人気だな」


フロリス「橋から一緒にダイヴした時からちょっと気になり始めて…」

天井「映画か何かの撮影か?」

フロリス「アイツがあんまりにもアイツだからちょっと一言言ってやろう言ってやろうとは思ってるんですけど機会に恵まれなくて」

天井「…ん?」

フロリス「何かごはん食べてる時とか風呂の時とか寝る前とかずっとアイツの事が頭から離れないんでそろそろ精神科とかカウンセリングとか受けようかなって」

天井「………」

レッサー「…イッガーイ。」

キャーリサ「……よかったな、レッサー。」



キャーリサ「どーやら"幻想殺し"をイギリス側に引き込む人員は確保できたよーだし」クックックッ



天井「では次の話題を。」


キャラを1人追加可能。
現時点では天井、キャーリサをはずすのは不可。

レッサー、フロリスならば可


誰か増やすか減らすかと次の話題を安価+1



一応載っけておこうと思う。


※ヴァルキリー

禁書SS巻の2巻で一話のみ登場。

彼女は所謂『一話キャラ』であり、唯一登場したのはSS巻2の神裂ねーちんの話。
(時系列は2月の第一金曜日。)

彼女の詳細については本編を参照との事。人工ワルキューレ。

『ジーンズちょきちょき切り裂き魔』という通り名で道行く人をすれ違いざまに辻斬り(ジーンズだけを切断していく)していた。

本人曰く羞恥プレイ(攻め)らしい


頭が残念な、ビキニアーマーとロングブレードを装備した巨乳美女。


安価は+1

天井「わかった。出きれば話題も頼む安価+1」


コンコン。

天井「はい」

ガチャリ。


インデックス「こんにちわなんだよ」

キャーリサ「んなっ?!『禁書目録』?!」

レッサー「あれ、どしたんです?こんなところへ」

インデックス「とうまもトールも私のごはん用意するの忘れて学校行っちゃったんだよ…」ぐ~

レッサー「あらま。」

インデックス「で、彷徨ってたらここに」

レッサー「一応ここVIP対応のための超厳重警備になってるはずなんですが」

インデックス「ついちゃったのは仕方ないんだよ」

レッサー「はぁ…今あんまりウロウロされると困りますし。私ちょっと何か食べ物探してきますね」

インデックス「いいの!ありがとうなんだよ!」キャッキャッ!






天井「君の言う『とうま』とはひょっとして上条当麻か?」

インデックス「いえーすなんだよ」コクン

天井「…あの少年は顔が広いな」

インデックス「とうまは色々なとこに顔を突っ込むからね。仕方ないんだよ」

天井「奇特な人間もいるものだな」

インデックス「でも色々な女の子のスカートの中にも顔を突っ込むんだよ」

天井「警備員に通報した方がいいんじゃないのかそれ」

インデックス「ちなみに私は一回全裸に剥かれたんだよ」

天井「もしもし警備員ですか?幼気な少女に手を出す少年が…!」

キャーリサ「ほほー。アイツめ、とぼけた顔してヤる事はヤってるか」ニヤ




フロリス「」








フロリス「確かにアイツ、落ちた時も五和?とかなんとかと…だったり、」ブツブツ

インデックス「アドバイスすると、敵が五和だけと思ったら大間違いなんだよ」

インデックス「とうまが一人の少女を助けてたら30人とは関係があると思うべきなんだよ」

天井「それは某黒い虫の話か?」

フロリス「なるほど…つまり、始末すべき害虫はたくさんいると!」

キャーリサ「うまいな」
天井「うまいか?」

インデックス「ちなみに私もその一人なんだよ!」

フロリス「っし、まず一人目みーっけ!」ジャキン!



\ギャーギャー!ガブーッ!/



キャーリサ「……元気だな」

天井「ああ…しかし何か終始"あの少年"の話しかしてない気がするな…」


天井「では次の話題を。」


キャラを1人追加可能。
現時点でははずすのは不可。




誰か増やすか減らすかと次の話題を安価+1

今回はここまで。安価↓



キャーリサ「…」モキュモキュモキュ…

キャーリサ「ん?もうクッキーがないし」カラッポ

キャーリサ「…コーヒーももうないんだが」カラッポ

天井「わかった、少し待て。」ヨッコイ



天井「んー…すまんな打ち止めだ。ない」

キャーリサ「なん…だと…?」ガクガク

キャーリサ「こんな会談は初めてだ」

天井(でしょうね)

キャーリサ「ええい、お茶もお菓子もない会談などできんし!…おい!シルビア!」パンパン!

ガチャリ。


シルビア「はい、ご用件を承ります」ススス。



キャーリサ「えー…えーと…ケーキ食べたいし!」

シルビア「かしこまりました」

キャーリサ「あと紅茶だ」

シルビア「かしこまりました。少々お待ちください」

シュッ…

天井「消えた?!」

フロリス「ああ、彼女は"聖人"ですからね。あの程度は造作も」

天井「? 成人?そんな事をいったら私もキャーリサも成人なんだが」


キャーリサインデックスフロリス「「「え――――――?!」」」

天井「えっ」

フロリス「そ、そうだったんですか?!キャーリサ様?!」

インデックス「つまりブリテン・ザ・ハロウィンの時も戦争の時も手を抜いてたの!?」

キャーリサ「い、いや?!私は知らん!知らんし!」ブンブン!



天井「何を言ってるんだ?どう見ても成人じゃないか。見ればわかるだろう」キョトン

インデックス「そーなの!?"聖人"を見た目で判別する特徴とかあるの?!」

フロリス「あの人何者なんですか?!」

キャーリサ「私、聖人だったのか……!」おお…

天井「? まあキャーリサは綺麗だし、そう見えない…という気持ちはわからんでもないが…」

インデックス「そーなの?!聖人=not綺麗なの?!じゃあかおりはどうなんだろ?!」

キャーリサ「褒められちったしー」テレテレ

フロリス「知らなかった…醜女=聖人なのか…」

天井「え?いや――」

コンコン。ガチャ。



シルビア「お待たせ致しました。ケーキと紅茶でございます」ガラガラ

フロリス「では彼女は!"聖人"に見えますか?」

天井「え、うーん…成人、だと思うが。うん」

シルビア(え、"聖人"かどうかってそんな見てわかったりすんの?)

インデックス「すぐにわかった…つまり、シルビアはその、アレな顔立ちという事かも!」

シルビア(は?)

フロリス「ワタシから見たらシルビアさんは綺麗だと思うんですが…」

天井「? 待て、さっきから何か変だ。ひょっとしてなにか行き違いを、」


フロリス「天井さんから見たらシルビアさんはブッサイクって事ですか!」


天井「え、いや――☆(゚ロ(ゴッ!

バッキャアアア!


天井「」クルクルクルクル…

天井「」ヒューン…


天井「」ズシャアアアアア!!



天井「」チーン!


シルビア「っふー…いえ、頬に蚊がいましたので#」シュゥゥウ…






天井「…"聖人"か。なるほど…」ヒリヒリ

シルビア「大変失礼致しました。申し訳ございません」ペコリ



フロリス「いやまさか"聖人"を知らないとは思わなくて」セイザ

インデックス「ごめんなさいなんだよ」セイザ

キャーリサ「あの、私もか?」セイザ

シルビア「シャーラップ」





コポポ…

天井「しかし…メイドさんは初めて見たな。学園都市には結構いるらしいが…」カチャン

シルビア「そうですね、何名かは私も存じております」ニコッ

天井「…あの、そろそろ彼女達の正座を解除してあげては」

シルビア「おや、もうでございますか?」ニッコリ。

天井「…ナンデモナイデース」ズズ



フロリス「…辛い」プルプル

インデックス「ケーキ食べたいんだよ」プルプル

キャーリサ「私、とばっちりすぎないか」プルプル







天井「…親交に来た相手を正座させ続けるのは私も辛いのだが」

シルビア「かしこまりました。では、まだ残っている私の鬱憤は彼S…友人のオッレルスにぶつけます」ニコッ

天井「オッレルスさんかわいそう!?」ガーン!



キャーリサ「ふひー。やはり正座は苦手だし」

フロリス「足が…」シビシビ

インデックス「私は結構慣れてるかも」ケロッ






天井「オッレルスさんにもいつも暴力を?」

シルビア「……ええ、まあ。」

天井「ふむ…あなたは中々にヤンデレの気があるのではないか?」

シルビア「ヤンデレ…で、ございますか?」

天井「ああ。造語ではあるが、定義づけるならば、
  『恋人や好きな人の事が好きで好きで好きで仕方無くて、
   歪な愛情表現を取る子』だ」

シルビア「べ、別に私はオッレルスの事が好きで好きで仕方ないとかなんて!////」

天井「ちなみにそういうのはツンデレという」

シルビア「////」

天井「…ヤンデレの話に戻すと。ヤンデレ状態は心理学的には、ある種のヒステリー状態。
   "抑圧"した負の感情が限界を超えて噴出している状態だな」

シルビア「? 具体的にはどのような行動をすると?」

天井「そうだな…好きな相手に過度の暴力を奮ったり監禁したり、普通で無い事をやったりだな」

シルビア「」グサ

天井「先程のような行為も含めて、『いや私はサディストだから』『怒りの感情をぶつける』という理由でも、それを実際にやるのはどう考えても一般的ではない。」

フロリス(『いやただのギャグだから!』って考えはないのだろうかこの人)モキュモキュ。

天井「…まあ『本人とは相互理解がある』と言われればそれまでだが。」



天井「…そうだな、心理学では『ストローク』という考えがある」

インデックス「ストローク?」


天井「そうだ。例えば私が君に対して『話しかける』、『褒める』、『叱る』、『触れる』…
   といった人への物理的、精神的な働きかけの事だ」

天井「この『ストローク』というものには二種類あり、
  『プラスのストローク』と『マイナスのストローク』がある。」

天井「『プラスのストローク』とは『褒める』、『笑顔を向ける』『抱きしめる』といった、相手をプラスの気持ちにさせる行動全般。」

天井「『マイナスのストローク』とは『貶す』、『煽る』、『殴る』なんかの相手を不快にさせる行動全般をいう。」

フロリス「へー」

天井「『ストローク』は『心の栄養』と呼ばれ、食事や水分補給と同じだ」

キャーリサ「生きる上ではかかせないとゆー事か」フム

天井「そうだ。飲まず食わずでは我々は生きられない。それと同じで『心の栄養』がなければ生きられない。」


天井「故に、人は『ストローク』を得ようとする。
   ……が、実はその得ようとする『ストローク』はプラスでもマイナスでも、構わないんだ」


シルビア「プラスだけ、ではなく?」

天井「そうだ。そりゃあ、『プラスのストローク』を得られるのが一番いい」

天井「だが、それを得られない時――例えば、」

天井「御馳走と不味くて貧相な飯。どちらを食べたいかと言われたら インデックス「御馳走なんだよ」

天井「…その通り。だが遭難した時なんかで不味くて貧相な飯しかない場合はそれでも口にしたいと思うだろう?」

インデックス「なんだよ」コクン



天井「…人間にとって一番辛いのは『孤独』と『無視される事』。」



天井「小学生の子が好きな子に意地悪をしてしまう…という話があるだろう?」

天井「あれも本来ならば、
  【『好きになってもらう』という『プラスのストローク』が欲しい。でも得られない。
  だから『イヤがられる』『苦悶の表情』といった『マイナスのストローク』でも構わない】」

天井「そんな心理から来ている。」

キャーリサ「待て。ではサディズムは?サディストもそうなるのか?」

天井「いや。それらに関しては『サディズム』から来るもの、」

天井「または別件での『マイナスの反応を得て安心する心理』といった別の話になってくる。
   それらの診断はケースバイケースだが…」

天井「話を戻すか。だから、『気持ち悪い!と言う』『泣く』なんかの『マイナスのストローク』を返されても。」

天井「相手にそんな反応をされても『自分に気持ちを向けてくれている』と『心の栄養』になってしまう場合がある」

シルビア「…」←ちょっと思い当たる節ある



天井「長くなってしまったが、結論づけると。」

天井「"ヤンデレ"というのはこの『ストローク』を好きな子に過剰に求めてしまう子。」

天井「そして彼女らへの先程の行為、普段しているであろうオッレルスさんへの行為を考えると。
   シルビアさんにもそういう資質がある……かも知れないのでは?という事だ」

シルビア「う…」

天井「…一つ付け加えると。」

天井「あなたはもう少し彼氏に優しくするべきだ。
   自分が優しくしてほしい、理解してほしい、キスしてほしい、抱きしめてほしい…
   そういう『プラスのストローク』がほしいなら。」


天井「まずは自分からやってみては?」ニコッ


シルビア(……超余計なお世話だっての。)




天井「すまない。話が長くなったな」

キャーリサ(なんで理屈っぽい人って話がアクロバットになるんだろーな)ごくごく。

インデックス(ケーキ美味しいんだよ)モキュモキュ

フロリス(そういえばレッサーはどこまでいったんだ?)モキュモキュ



※天井くんの話は実際の心理学の本とネット知識から>>1が勝手に推測した"なんちゃって心理学"です。
 くれぐれも本気にはしないようにお願いします。




天井「では次の話題を。」


キャラを1人追加可能。 現時点でははずすのは不可。




誰か増やすかと次の話題を安価+1


コンコン。ガチャリ。

フレイヤ「お邪魔しまーす☆」

キャーリサ「む?誰だし」

シルビア「……」

フロリス「知らないですね」

インデックス「あ、フレイヤ」

天井「? 知り合いか」

インデックス「うん。えー…えと」

インデックス(さすがに今『グレムリン』正規メンバーとは言えないんだよ)ダラダラ

インデックス「…知り合いかも!」くわっ!

天井「…だから、どういう知り合いなんだ」

インデックス「たまたまちょっと顔合わせたくらいの…詳しい事は忘れたんだよ!」

キャーリサ「お前"絶対記憶能力"はどーした」





フレイヤ「いやーたまたま気分転換に散歩してたらさ、レッサーって子に会って。」

フレイヤ「『私今呼び出されちゃったんで、この食べ物あそこの部屋に持ってってくれませんか』」

フレイヤ「なんて言われちゃってさ?まあ暇だしいいかな?って」クスクス

天井「レッサー…妊婦にそんな事を頼むとは」

インデックス「あ、いやフレイヤは違うんだよ」




~説明中~

キャーリサ「かー、2年!そんなに長い間か!」

フロリス「お母さんが可哀想だよね、色々な意味で…」

インデックス「可哀想度合いなら皆なんだよ。てーか相手の男が全ての発端かも」

天井「気の毒だな」

フレイヤ「世の中『どーしようもない不幸』ってのもあるけど私父さんだけは許さないわ」プルプル

天井「お父さんは君に養育費等々は支払う事になっているか?そういう手続きと後見人を見つけておいた方が」

フレイヤ「うーん。お母さんの親兄弟はお母さんを見捨てたし、父さんはクルーザーでおっ死んだみたいだし」

フレイヤ「私はどうもできないんだよねー」

天井「ふむ…ではそういう施設に相談に行くべきだな。」

フレイヤ「はーっ。本当、最悪。」ハフゥ。

フレイヤ「父さ、いや男ってどうしてああなの?私にはわからないわ」

フレイヤ「私は詳細な事情を知らないけど。望まれない子なら最初から作るなってーの」

天井「はは…そんな事は言うものじゃない。
   君のお母さんは君を産む為に全部失ってでも産もうとしたんだろう?」

天井「君にはそのくらい価値があって、お母さんから望まれた子という事だよ」

フレイヤ「…ふん。」ムス

フレイヤ「でも、せめて父さんは母さんをもっと大事にするべきだったわ。」

フレイヤ「愛がないよ。金はあるくせに。」

フレイヤ「助ける力があったなら、周囲からどう思われても守るべきでしょ。
     自分の子よ?情けないったらありゃしない!」

天井「…まあ男はいくつになっても情けない人間の方が多いからな」(遠い目)

フレイヤ「もう、ホンッットに男という生き物はどうしようもないね!」プリプリ!





天井「ケーキは美味しいか?」

フレイヤ「ん。まーまー美味しいわ。」マクマクマクマク

シルビア「……(まあまあて)」

フロリス「ワタシも結婚するならちゃんとした男見つけないとなー」ハフゥ

インデックス「私はシスターさんだから結婚は微妙なんだよ…」

キャーリサ「お前らはまだいーだろ。私の結婚は上手く行くか行かないかが個人レベルに留まらないんだぞ」

フレイヤ「いちおー言っとくけど。子供からしたら親の失敗は自分にまで降りかかってくるんだからちゃんとしてほしいよ。」マクマク。

天井(私もある意味では人の親だが…耳が痛いな)




フレイヤ「つーか、責任と覚悟、甲斐性がないなら作んなっつーの!」プリプリ

フレイヤ「何?『自分は孕まないから後よろしくー』ってか?ふざけるのも大概にしろ!!」

フレイヤ「『結婚当時は愛してたけど…』?結婚は忍耐だろ!」プンスカ!

キャーリサ「最早、世の離婚した旦那への愚痴になってるな」

天井「…あー、ちょっといいか?」

天井「実は私の親戚でも結婚してすぐに離婚した人がいたんだが」

天井「離婚する時、まだ子供はお腹の中にいたんだ」

フレイヤ「その男を教えなさい。ケツに『地の底這う悪竜《ニーズヘッグ》』ぶちこんでやる」

天井「落ち着け」


天井「私も又聞きだから詳細は知らん。」

天井「だが、どうもライフスタイルのすれ違いや、旦那が妻を労らない、旦那が妙に女々しいなんかの理由から別れる事になったようだ」

フレイヤ「やっぱ離婚の理由は大体旦那がクソだからなのね!」ガタ!

天井「…世の中全ての離婚パターンがそうではないからな?
   何でもそうだがレッテル貼って決めつけない方がいい。
   無知さを晒すだけだから恥ずかしいぞ」


天井「…で、離婚する時に両者の親も交えて話し合いしたそうなんだが」

天井「まあ、相手の親がちょっとモンスター系だったり、男が親にベッタリだったりとちょっと色々発覚しちゃったりしたんだが」

天井「子供の話になった時、父親は
  『まだ産まれてないから僕には関係ない。愛情もない』
   と言ったそうだ」

フレイヤ「サイッテーなクズヤローだね?!やっぱちょっとニーズヘッグ3匹ぶちこんで」ピキピキ

天井「…だが、私はそんな風に言ってしまった彼の気持ちが少しだけわかる。」

フレイヤ「お前もか―――!!」ペチーン!!
天井「ぶえー?!」ぐはー!

フレイヤ「全く!これだからテメーら男という奴は!後先考えず種を撒く事しか考えないケダモノだっていうんだ!!」プンスコ!=3


天井「ご、ごふぅ…いや私も彼の考えを肯定するつもりはないよ。私もそれは最低で無責任過ぎると思うさ」

天井「ただ、男も自分の人生までぐちゃぐちゃになるんだ」

天井「通常、離婚する場合協議離婚できるならまだいいが、落ち度があるなら当然慰謝料を払わなければならない。」

天井「また、妻に生活していく力がなければその生活していく金も支払わなければならなかったり」

天井「場合によっては財産をごっそりもっていかれる。」

フロリス「エグいね」

天井「ああ。しかも子供がいれば養育費を支払わなければならないし…」

天井「殆ど関係なくなった人、しかも自分ももう愛していない人のATMにならなければならないんだぞ?殆ど一生な」

天井「再婚するにもそれが足を引っ張るし…」

天井「そんな重いペナルティーが待っているんだ。
   彼はその重圧に精神が耐えきれなかったんだろう。元々性格が女々しいらしいし…」

キャーリサ「でも男はまだいーだろ。出産や子育てとかをしなくていーし」

天井「出産はともかく、子育てに関してもケースバイケースだし、逆に女性が悪いパターンも少なくない。
  『どちらがマシか』なんて一概には言えんよ」フルフル



天井「まあ、私が君に言いたいのは。」

フレイヤ「……」



天井「君は父親が~と言っていたが、君の父親は父親で大変だったんだよ。」

フレイヤ「…」ムスー


天井「確かに君の父親は悪いし、無責任だ。だが親だって一人の人間なんだよ。君と同じね」

天井「批判するなとは言わない。憎むな、とも言わない。
   でも、親には親の深い事情と苦悩があるんだ」


天井「それを少しだけわかってあげてほしい」

フレイヤ「……ふーん」ムス




インデックス「そんなに語れるあおは経験者なの?」

天井「…ある意味では似た経験をした、だな」




フロリス「ワタシ達は失敗しないよう選ばなきゃ……」

キャーリサ「そーだな」コク

シルビア(オッレルスは…大丈夫、だよな?)






フレイヤ「それでさー」

キャーリサ「あ、ケーキお代わりだし」つ

シルビア「かしこまりました」

フロリス「そんなに食べると太りますよ」

インデックス「私みたいに食べても太らないならともかくね!」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ

キャーリサ「そーだな、お前は体の一部分も太らないがな」ヘッ

インデックス「む――――!」モッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュモッキュ

天井「ははは…」


コンコン!ガチャリ!


「「「「「?」」」」」




貝積「!?ここにおられたんですか第二王女様!探しましたよ!」ツカツカ

キャーリサ「む?お前は?」

貝積「学園統括理事長の代役、統括理事会メンバーの一人。貝積継敏です」ペコリ

天井「えっ」

キャーリサ「えっ」

フロリス「えっ」


貝積「…そちらは?」

キャーリサ「学園都市統括理事長代役、天井亜雄…だそうだが」ジロリ

天井「…」メソラシ

貝積「……?」

貝積「! 君、もしかして私達の隣のブロックに呼ばれたバイトくんではないか?」

天井「えっ」

キャーリサ「?! どーいう事だし!会談を行うのはセクションB―地区の801号室ではないのか?」

貝積「いえ、セクションA―地区の801号室です」

キャーリサ「」

天井(…ああ、ブロックを間違えたのか…いや何でそんな事を間違えるんだ…)








キャーリサ「…すまない。」ショボン

貝積「お疲れでしたら、また明日でも可能ですが」

キャーリサ「すまない。そーさせてもらうの」トボトボ

キャーリサ「おい、お前ら引き上げるし!」

「「はい」」

フレイヤ「じゃ、私達も。」ガタ

インデックス「帰るんだよ」ガタ


ぞろぞろ……

天井「…」



キャーリサ「あ、天井」クルッ

天井「?」




キャーリサ「お前との会談は楽しかったし。また機会があれば語りあおーぞ」ニコッ

天井「…ふふ。喜んで。」ニコッ




天井「…結局、私のバイト代は出なかった。」

天井「まあ当たり前だな。依頼内容の人間とは一切会話してないのだから」



天井「だが、それ以上のものを得られた。」

天井「…私も楽しかったよ」



天井「これで終了だ。次スレ誘導を行うので、埋めないでくれると助かる。」

>>783の扶桑さんの説明ですが、新訳8巻ではなく新訳7巻でした。

お詫びと訂正を。

いつも乙レスと感想をありがとう。

励みと活力になる。次スレもブッ飛んで行こうと思う。

ので、もしよかったら暇潰しに次も読んでいって。

                            ____
.            /^\             '"::::::::::`^::::::::::::`丶
           /////〉         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::\
            〈∨//∧         /::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::ヽ
          \_//,∧        ′:::::::::::::::/::::::/:::: |:::::: |::::::::|::::::::'.
              ∨//∧       | ::::::::::|:::::: |::::: |:::::: |:::: ∧::::::|:::|:::l|   _
            ∨//∧    │::::::::::|:::::: |::::/{::__/{::::j」 レ'⌒T::_リ r┴-、)--、
               ∨//∧_,    | ::::::::: |:::::: l_/-―=ミ    ィテト|⊂ニニー(\_ _ハ
              ∨//∧〉   :| :::::::::: l::::::::::| x‐==     ヒリ'|:::|, -‐'′   _
             〈∨//∧  |::::::::::::::l ::::::::|         、  :::(/   ̄ ̄}   丶
              \_//∧  :::::::::::::(|:::::::::|         / : |        {    '、
               ∨//∧ | :::::::::::::::|:::::::::ト       '^  イ :::::|-‐く「丁厂 \   〉
                    ∨//∧::::::::::::::::::::::::::::{  `  ,、__/| ||::::::|  | |│    /
                  ∨//∧:.::::::::::::∧::::::::〈\_〈_ \ | ||::::::|  | |├―‐ '´
                 ∨//∧_::::/三\::::: \\  ̄∨八::: |  | |│

                      ∨//∧〉 ̄ ̄ ̄ \::::::|、 \ |//∧:|__|__」_|
                      〈∨//∧ -─//'⌒>二∨//,ハ|
                    |\_//∧ //´ ̄\ 〉>r<〉 =ヘ
姫神「>>1000は。もらった。次もよろ」 |::::∨//∧ーヘ      ∨ ̄\__}  }
                    |:::::::∨//∧//∨     }    { ヽ │
                    |:::::::::∨//∧/八    |     }、ハ |
                    |:::::::::〈∨/////∧.   |   ノ \ `\
                    |:::::::::::∨///////〉  , |  人      丶
                    |::::::::::::::∨//////  /│ /  \  )   〉
                    |::::::::::::::/ヽム厶r'__/ イ /     〉 ∨ /
                    |:::::::::::::`{二(.ノ^)/`く|:::|     〈 厂∨
                    |:::::::::::::::| \二////〉::|______}∧

このSSまとめへのコメント

1 :  SS愛し者   2014年04月04日 (金) 18:57:51   ID: CwQ4lNcb

このSS見てると楽しいし元気が出る気がする。このSS一番好きかもしれない。
頑張ってほしいです!次スレ期待

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom