兄「一日妹独占チケット?」(144)

妹「はい、今日一日兄さんは私を好きにしていいんですよ」

兄「好きにしていいって……何でもいいのか?」

妹「そうです。私の独占権ですから、私に出来る事なら──なんでもいいですよ」ポッ

兄「そうか……」

兄「じゃあさっそく……眼ぇ閉じてじっとしてろ」

妹「は、はい……っ」ギュッ


妹「──ん」ビクッ


妹「あの……兄さん」

兄「何だ?」

妹「何をしてるんでしょうか」

兄「妹の頭をポンポンしています」ポンポン

妹「むぅ、そんなので喜ぶような歳ではありません。一つしか違わないんですから」

兄「いつもお前、全く兄さんは子供ですね、って言ってるじゃないか」ポンポン

妹「それは兄さんの精神年齢の事です。おバカさんです」

兄「男はみんなおバカなんだよ」ナデナデ

妹「それで兄さん」

兄「ん?」コチョコチョ

妹「私の頭で遊ぶのは楽しいですか?」

兄「んー髪の毛ふわふわだな」ポムポム

妹「いつもお手入れしていますから……って質問に答えてください」

兄「あーたのしーなー」ナデナデ

妹「棒読みじゃないですか」

兄「でも俺お前の髪の毛好きだぞ」サワサワ

妹「えっ」ポッ


妹「って髪だけなんですか?」

兄「おお、シャンプーのいいにおいが」ポンポン

妹「とにかくそのチケットは一日有効なわけです」

兄「そう言われてもなぁ」

妹「もし今日は兄さんの都合が悪ければ、明後日の連休初日など、妹は一日フリーですよ」

兄「それって遠まわしにどっか連れてけって事ですか」

妹「滅相もない。妹を独占するチケットですから、私は何処へでもついて行きますよ」

兄「はいはい、素直にどこか行きたいって言えばいいのに……」

妹「とにかく使ってくださいね」

兄「考えとくよ」ポムポム

妹「それでいいんです」


妹「ところでチケットも使わずに私の頭を玩具にした件についてですが」

兄「さーお母様の朝食がお待ちだぞー」

妹「……素直に言えばいいのに、か」

妹(私が素直になってしまったら、きっと兄さんは困ってしまいますから……)

妹(兄を困らせる妹は、駄目な妹ですよね……)

妹(兄さんを困らせたくないから……せめてこういう形で、気持ちを表現させてください)

─夕刻 兄のバイト先の居酒屋─

姐さん「おつかれさんー」

兄「あ、お疲れ様です」

姐さん「いやー五年ぶりに倉庫が片付いたわ。ありがとね兄やん、こんな遅くまで」

兄「いえ、姐さんとのタッグだからできたんですよ。これ店長か他の人とだったら絶対今日中に終わりませんでしたよ」

姐さん「全くだねぇ。ほんとウチのはあーだこーだ言う割に自分は不精なんだから」

姐さん「でも今日ばっかりはほんと感謝するわ。兄やん雇ってくれたのはマジ大当たり」

兄「雇われて賃金貰ってる限りは頑張って働くのが労働だと思いますけどね」

姐さん「最近はそんな考えする子いないって。バイトだからーって手抜きしちゃう子が大半なんだよね」

兄「そういうもんなんですか?」

姐さん「あんまり行き過ぎると単なる奉仕になっちゃうけど、君の努力はそのラインギリギリだね。兄やんはもうちょい気抜きな? 給料安いんだから。ウチにその権限があったら時給を二十円上げちゃうのに」

兄「はぁ……ありがとうございます」

姐さん「さーって、君はもう上がりな。後はやっとくからさ」

兄「じゃあ、お先に失礼します」

姐さん「外寒いよ、ちゃんと着てきてる?」

兄「上着ありますから」バサッ

ヒラリ

兄「んじゃ、お先失礼します」

姐さん「あいよ、お疲れー」

ガタッ

店長「あらー兄くんもう帰っちゃったの?」

姐さん「今帰りましたー。いやーあんなに頑張ってくれるバイトは久しぶりだねぇ」

店長「ウフフ、だから言ったじゃない、アタシの眼に狂いはないのよ」

姐さん「あのねぇ店長、今年だけで何人クビにしたと思ってんですか。どう考えても今回は単なるラッキーストライクです」

店長「もうーいいじゃないたまには誉めてくれたって」

姐さん「はいはいそうですね」

店長「うう……愛娘が冷たいわぁ」

姐さん「ちょっと今は仕事ちゅ、──あら? なんか紙切れが」ピラッ

店長「あら、ゴミかしら。お掃除ちゃんとしてくれたぁ?」

姐さん「それは店長の分担でしょーが。────なにこれ」

[一日妹独占チケット 24時間有効 有効期限一週間]

姐さん「妹? 誰の妹だろ」

店長「ああ、兄くんの妹さんのことじゃないかしら」

姐さん「へ? 兄やん妹なんかいんの」

店長「一つ下の妹さんがいるらしいわね。スタッフの中で兄弟がいるのは兄くんだけだし、きっと兄くんの落し物だわ」

姐さん「もう一人クソ生意気な弟がいるけどねぇ。それにしても、こんなの妹さんから貰うなんて、仲いいんだねー」

店長「うーん……」

姐さん「どしたの? 店長」

店長「これはアタシの推理だけど……単なる仲良しじゃないかもしれないわね」

姐さん「え?」

店長「あの子……きっととんでもないほどのシスコンよ」

姐さん「し、シスコン?」

店長「実は今日休憩中に家族の話になったんだけど──」


兄『店長って家でもそんな感じなんですか』

店長『もちろんよーアタシは生粋の乙女なの』

兄『身長190のごつい乙女ですか』

店長『オネエ様って呼んでいいのよ』

兄『けっこっす……』

兄『でも何で乙女なら女の人と結婚したんですか』

店長『それはね、愛に性別は関係ないからなの』

兄『生物学的には正しいんだけどなんか違う気がする!』

店長『ま、男女には色々あるってコトよ』

兄『はぁ』

店長『それより兄くん、ウチのコどう思う?』

兄『は? 店長のコって……姐さんのことですか』

店長『そうそう!』

兄『んー賑やかでさっぱりしてて、きっぷも良いし気配りも細かいし、いい人だと思いますよ』

店長『そおじゃなくてぇ……』

兄『んー店長の質問の意図は判りました。要するに女性としてってコトですね』

店長『そうそう!』

兄『そうですねぇ。今言った通りの印象以上はないですけど……強いてあげればあのころころ変わる表情は見てて飽きないですね。あれは一つの魅力だと思います』

店長『んーその感じだと今のところ脈はなさそうねぇ。兄くんが貰ってくれればあのコも安泰なんだけどなぁ』

兄『何言ってるんですか』

店長『あ、じゃあ妹さんにウチのもう一人のはどう? ちょっと生意気だけど根っこのほうは』

兄『結構です』キッパリ

店長『そ、そう……』


店長「あれは獣を狙う狼の眼だったわねぇ」

姐さん「人のいないところで勝手に旦那候補を決めないでください」

店長「とにかく、あのコは間違いなくシスコンよ。そしてそんな兄に独占チケットなんてものを渡す妹は……」

姐さん「──ブラコン?」

店長「ふふ……ウフフ……禁断の恋の香りがするわね」

姐「またそんな突飛なことを……とにかく今から追いかけたら間に合うかもだから、あたし兄やん追いかけてくるわ。これを捨てるのは忍びないしね」



─帰り道─

兄「さむ……」

妹「兄さーん」フリフリ

兄「あれ妹。何してんだこんなとこで」

妹「お使いです。お醤油と牛乳が切れちゃったのでコンビニに。ついでに兄さんを迎えにきました」

兄「寒いんだからこっちまで来ずにまっすぐ帰れよ。ほら荷物」ヒョイ

妹「ふふ、ありがとうございます」

兄「あ、こっちのポケットカイロ入ってるぞ、手ぇ突っ込め突っ込め」

妹「え、あ……はい」モゾモゾ

妹(冬の夜の道で兄さんと二人きり……ふふ、デートみたいです)

妹(寒いから、とでも言えばぎゅっとくっついても、変じゃないですよね)

妹「じゃあ……失礼しま」
姐さん「おーい!」ザッザッザッ

兄「ん?」

妹「!?」

姐さん「はぁ……はぁ……間に合ったぁ」

兄「姐さんどうしたんですか」

姐さん「兄やんに渡すものが……ん? そっちのコは?」

兄「ああ、妹です」

妹「──こんばんは」ペコリ

姐さん「ああ、こんばんは」

妹(誰ですか、この女の人は……)

兄「渡すものって?」

姐さん「ああそうそう。間に合ってよかったわー。今日逃すと次に会うまで日があるからね。はいっ、これ」ピラッ

兄「え?」カサッ

妹「!?」

姐さん「ちゃんと渡したかんね! 忘れないでよ! じゃ、おやすみ!」ザッザッザッ

兄「あ、ああ、おやすみなさい」

妹(何? 兄さんは何を受け取ったんですか?)

兄「えっと、これは……うっ」カァァ

妹(に、兄さんの顔が真っ赤に!)

兄(こ、これを見られた!? は、恥ず──)ガサガサッ

妹(今のは、もしかして……)

兄(うわー妹からこんなの渡されてるのが知られたら、絶対シスコンの烙印を……)カァァ

妹(か、顔を真っ赤にして物思いに耽ってます!)

妹「……何を受け取ったんですか?」

兄「え? あ、い、や、何でもないよ」

妹「何でも、ないんですか」

兄「う、うん、忘れ物だよ忘れ物」

妹「忘れ物? 何を忘れたんですか?」

兄「え? あー……し、シフト表」アセアセ

妹「ふーん……」

兄(本人の前でチケットバイト先に忘れて届けてもらいました、なんてバレたら傷つくよなぁ)

─深夜─

妹(はぁ……気になって眠れない)

妹(あの人息をきらしてまで走ってきて、すごく大事なものだったんだろうなぁ)

妹(何かの紙みたいだったけど、やっぱりあれって……ラブレターというものでは)

妹(いやいや、今時そんなアナクロなものを使う人が……)

[一日妹独占チケット 24時間有効 有効期限一週間]

妹(──いました、すごく遠回りなメッセージを書く人が)ガクッ

妹(あれがもしあの女の人からのラブレターだったら……)

妹(そんなの、嫌ですよ……)

ちょっと風呂

ただいま
使用中だったorz

妹(でも私は妹ですから、兄さんの恋愛に口を出す筋合いなんて……ないですよね)

妹(──だめ、やっぱり、嫌です)グスッ

妹(兄さんが他の女の人とそういう関係になるなんて思うと……苦しいですよ)

妹「──にいさん」モゾモゾ

妹「やだ……私、何かんがえてるんですか」モゾモゾ

妹(駄目ですよ……駄目なんですよ……ああ、でも、ドキドキしてる──)

妹「ふ──んっ」モゾモゾ

妹「は、ん……兄さん……すき……だいすきです」

妹(いけない……今口に出しちゃうと……)

妹「はぁ……あ、ん──」クチュ

妹(火が、ついちゃいます……)

妹「あっ、ん……あっ、ああ……」モミモミ

妹「ふぁ……にいさん……兄さんの手、あっ」

妹「おっぱい、触ってる……私の……んっ」

妹「はぁ、はぁ……もっと、触ってください……ふ、あ……」

妹「乳首も……もっと、強く、んんんっ」コリッ

妹「あっ、んっ……はっ」クニクニ モミモミ

妹「兄さん……はぁっ、は、ぁ……」クチュッ

妹「う、うそ……もう、こんなに、濡れて……」

妹「んあっ、ひゃっ、あ、あふ……」クチュクチュ

妹「に、兄さん、だから……にいさんだから、こんなになるんですね……」クチュッ クチクチ

妹「はっ、んう……みて、ください、兄さん……私、兄さんのこと考えて、こんなにえっちになってるんですよ、あっ、ふぁぁっ!」ピクッ

妹「ああっ、み、みられてます……兄さんの視線、感じますよ……んくっ、あっ、ああ……」トロトロッ

妹「すごいです、あっ、にいさんに見られてるだけで、どんどん……あっ、んふぅ」クチュクチュ

妹「兄さん……見るだけじゃなくて、触ってください……。おっぱいも、お○○こも……あん、触って」モミモミ

妹「びりびりします……んっ、ふぁ、あぁぁ……」クチュクチュ モミモミモミ

妹「もっと、もっとしてください……はぅ、んっ、ふぁ、ひぁっ」チュプチュプ コリコリ

妹「ああ、あっ、き、きもちいいで──ふああっ」クリッ

妹「にい、さ、ひゃ……あっ、あああっ、そ、そこは……いきなり、だめですぅ」クリクリッ トロトロッ

妹「こ、こんなの、がまん、できません……止まらないよぉ」クチュクチュクチュ

妹「ふぁっ、んっんっ……だ、だめ……ああっ」チュプチュプチュプ

妹「に、兄さんで妄想して……こ、こんなに、あっ! あふ──んんっ」ピクピクッ

妹「だめ、い、いく──いっひゃ……あっ」チュプチュプ クリクリクリ

妹「ああっ、にいさん、みて、ください……い、イっちゃいます、いっちゃ、あっああっ、い、いぁ、いっ」ビクッ

妹「くぅぅ──うう~~~~~~っ!!」プシッ ビクッ!ビクビクビクッ!!

妹「あっ、あああっ、ふうぅぅっ!」ビクビクッ! ヒクヒクヒク

妹「す、すご、あっ、ま、まだ、いって……ふぁぁっ」ビクッ ビククッ

妹「はぁ──はぁ──」クタッ

妹「ま、また……兄さんで、してしまいました……」ハァハァ

妹「どうして……どうして私は妹なんですかぁ……」

妹「はぁ──シーツと下着、換えないと……すごい汚しちゃった」

妹「──兄さん」

─翌朝─
兄「おはよー……あれ? 妹は?」

母「おはよう。今朝は急いで出て行ったわよ」

兄「はぁ。ここ最近たまにあるよな。何なんだ?」

母「さあねえ? 何か知らない?」

兄「いや全く。なんか用事でもあんのかな」

母「ふーん。学校で好きな人でも出来た、とか」

兄「え? なんでそうなんの?」

母「なんとなくよなんとなく」

兄「あいつに、好きな人ねえ」

母(──あの子の朝が早い日は、なぜか決まってクローゼットのシーツが一枚無くなってて、洗濯する下着が一枚増えるのよねぇ)

─通学路─
妹(はぁ……こんなに早く出る必要ないんですけど……)チリンチリン

妹(今朝はやっぱり兄さんの前で、平然を取り繕える自信がありませんでした)

妹(こんなもやもやした気持ち……いつまで引き摺ればいいんでしょうか)

妹(でもこの気持ちを打ち明けてしまったら、きっと兄さんが嫌な思いをする筈だから……我慢するんです)

妹(私の精一杯はあのチケットです。そして妹として、出来る限り兄さんと仲良くできれば、それでいいんです、それで……)

自転車の人「わわっ」キキィッ!

妹「わっわっ!」グラグラッ

妹「ご、ごめんなさい! 大丈夫ですかっ!?」

自転車の人「ふぅ、大丈夫大丈夫、ごめんなさい手帳みてたもんで──ってあら」

妹「あ──」

姐さん「兄やんの妹さんだー」

姐さん「ごめんね、怪我ない?」

妹「いえ、こちらこそすいません。考え事をしていたもので。それにしても、覚えていてくれたんですね」

姐さん「商売柄ね、人の顔を覚えるのは得意なんよ。リピーターさんは大事にしないと、個人経営はやってけないからさ」

妹「はぁ……」

姐さん「妹さんこそ、よく覚えててくれたねー」

妹「いえ、たまたまですよ」

妹(何度も、思い返しましたから……)

姐さん「そうなん? ま、いいや。良かったら今度お店おいで。キミの兄さんよく働くから、特別にご飯をおごってあげましょう」

妹「えっ、そ、そんな」

姐さん「兄くんは良く働いてるよー、ほんと親父をとっちめて時給あげさせようかと思うくらい」

妹「は、はぁ」

姐さん「あたしも凄い助かってるからさ。遠慮しないで二人して食事においでな」

妹「でも……」

姐さん「あーそっかそっか。あんまし知らない人からこんな事言われるのも気持ち悪いよねぇ、んじゃぁ」ゴソゴソ

姐さん「はいこれっ」ピッ

妹「えっ、名刺……?」

姐さん「そう、ウチの。しかもあたしの携帯番号付のレアなやつ」

妹「レアなんですか……?」

姐さん「あ、そういえば兄くんにはまだあたしの携帯教えてなかったな。家帰ったらそれ渡しといて」

妹「ええっ!?」

姐さん「えっ? 何、なんかそんなに驚くコト?」

妹「い、いえ……」

妹(連絡先も教えていない人に、いきなりラブレター……?)

妹(まさか……今時気になる人と番号もアドレスも交換しないなんてこと、ありえないです)

妹「あ、あのーつかぬ事をお伺いしますが」

姐さん「ん?」

妹「兄さんのコト、どう思ってますか?」

姐さん「んー素直でいい子だねえ。よく働くし、大事にしたいアルバイトだねありゃ」

妹「アルバイト……ですか」

姐さん「どしたの?」

妹「い、いえ……。そ、そういえば昨日、兄さん何を忘れてたんですか?」

姐さん「えっ? あ、あー……言っていいのかな……」ポリポリ

妹「?」

姐さん「チケット……そう、チケットだよ! 映画の!」

姐さん(あんなチケット忘れてたから届けた、なんて言ったらきっと恥ずかしいだろうし……)

姐さん(~~~っ! 許せ! 兄くん!)

姐さん「あの子から聞いてないの? 映画のチケット貰ったから兄くんにあげたんだよ。そしたら妹でも誘っていこうかなーって言ってたんだけど」アセアセ

妹「え、ええっ!?」

妹「ほ、本当ですかっ!?」フンス

姐さん「う、うんっ」

姐さん(なにこの子、一瞬で眼の色が変わったんだけどっ!)

妹「兄さんが、私と、映画に……」ジーン

姐さん(なんか、めっちゃかみ締めてるんですけど……)

姐さん「あ、じゃああたしこっちだから」

妹「はいっ!」キラキラ


姐さん「っと、こうしちゃいられない……急いで兄くんに連絡とって事情を話さないと」

姐さん「えーっと、あたしは携帯の番号知らないから先ずは……」ピッピッピッ

プルルルルルル ガチャ

店長『ハーイ! 愛しのパパよっ どしたの?』

姐さん「父ちゃんごめん! 先に公私混同謝っとく!」

店長『へ?』

─昼休み─
姐さん『と言うわけで、兄くん妹ちゃんを映画に誘ってあげてっ』

兄「はぁ……なんでそんな嘘を……いや、やっぱ助かりました」

姐さん『だよねっ、だよねっ。あ、チケット代は出すからさっ』

兄「いいですよそれくらい。姐さんのおかげであいつは恥ずかしい思いせずに済んだんですから」

姐さん『でも騙しちゃったコトに変わりないし……』

兄「姐さんのそういう男前なとこ好きですけど、気負いすぎだと思います……あ」


  妹『明後日の連休初日など、妹は一日フリーですよ』


兄「……姐さん、そしたら明日、晩御飯で手を打ちません?」

姐さん『へ? 明日?』

兄「妹連れて店行きますから、妹におごってください」

姐さん『──おっけー! 二人予約しとくから!』


兄「さて……放課後、チケット取りにいけるかな」

─夜 自宅にて─
コンコン
妹「はい?」

兄『俺だけど、いいか』

妹「は、はいっ」ドキッ

カチャ

兄「よう、おつかれ」

妹「何ですか兄さん」ソワソワ

兄「えっと、明日空いてるんだよな?」

妹「はい喜んで!」

兄「えっ?」

妹「あっ、そ、その今のはっ」アセアセ

兄「……映画行くか?」

妹「──勿論です」

翌日
妹「思ったより空いてますね」ギュー

兄「そうだな」

妹「連休だからもっと混んでると思ったんですけどね」ギュー

兄「そうだな」

妹「あ、ポップコーン食べますか?」ギュー

兄「そうだな。時に妹さんや」

妹「はい?」ギュー

兄「何でそんなにくっついてんの」

妹「寒いんですよ」ギュー

兄「その割にはほっぺたあったかそうですね」

妹「えへへ、さわってみますか?」

兄「うりゃ」プニプニ

妹「あん」

兄(……)

兄(やわらかい、な……)

ワー キャー
兄(映画見に来るなんて久しぶりだな……)

兄(割と人気の映画をチョイスしたから、大丈夫だよな)チラッ

妹「っ」ピクッ

兄(こっち見てた……? 映画見てないのかよ……まあ、急に誘ったしなぁ)

兄(まあチケット取れてよかったよ。全然空いてたし、最近は映画館の人気も落ちてんのかな?)

兄(チケットといえばあのチケットどうすっかな……上着の内ポケットにまだあるんだけど)

兄(こんなもん渡してきて……そして最近の妹の様子……)

兄(こいつまさか……いやでもそんな都合のいい事が……)

兄(そもそも俺は兄貴でこいつは妹で……倫理的に許されるコトじゃ)
 

  店長『愛に性別は関係ないの』

兄(──都合、良すぎだろ)

鑑賞後

妹「面白かったですねー」

兄「ああ、そうだな」

兄妹(内容なんて全然覚えてないけど)

妹「この後、どうしますか?」

兄「ああ、それなんだけどな」

兄「ちょっと、歩こうぜ」

妹「寒いですね」

兄「冬だからなー」

妹「でも、今私の心はとっても暖かいんです」

兄「そ、そうか」

妹「そう、思わないと、心まで寒くなってしまいますから」

兄「……」

兄(性別は関係ない……なら、血のつながりだって関係ない……?)

兄(……)

兄「なあ、妹」

妹「はい?」

兄「……これ、有効期限まだ間に合うよな」ピラッ

妹「あ……」

[一日妹独占チケット 24時間有効 有効期限一週間]

妹「──勿論ですよ」

兄「……今、使うわ」ビリ

妹「はい……それじゃあ今から一日、私は兄さんのものです」ニコッ

兄「よし。じゃあ今から二つだけお願いする」

妹「なんですか?」

兄「──まず一つ目、俺の質問に素直な気持ちで答えてほしい」

妹「はい……」

兄「もう一つ……俺からお前に言う言葉がある。先に俺から伝えるのが正しいのかどうかわかんないけど、聞いて欲しい」

妹「え──」

兄「──好きだ」ギュッ

妹「────」

兄「お前がすごく気になってる。家族としてじゃなく、女として……妹のこと、すごく気になってるんだ。だから、教えて欲しい。お前は俺のこと、どう思ってるのか。素直な気持ちで、答えてくれ」

妹「あ、あう……」プルプル

兄「……」

妹「い──いいんですか? 私……素直になっても……いいんですか?」

兄「いいんだよ。だって今のお前は俺のものなんだろ。その俺がお願いしてるんだから、素直な言葉、教えてほしい」

妹「あ、あう……ああ……」

妹「兄さん、卑怯です……こんな方法で、女の子から気持ちを聞きだすなんて……」

兄「俺の自惚れじゃなかったら、多分こうでもしないとお前は素直になれないと思う」

妹「──ずるいです……やっぱり、お見通しじゃないですか……」ギュッ

妹「すきです……兄さん、大好き」ギュウウッ

妹「好き……にいさん、すきです、すき……好きです」ウルウル

兄「お、おい、そんな……」

妹「ずっと、ずっと言いたかったですよぅ……兄さん。やっと……やっと言えた、言えたんですから……もっと言わせてください……」

兄「そうか……ありがとう」ギュッ

妹「兄さん──好き、すきです……」

兄「好きだ……俺も、好きだよ」

妹「兄さん……あの」

兄「ん?」

妹「い、今の私は、兄さんに独占されてますから、兄さんのものですけど、その……ひ、一つだけ、ワガママを言ってもいいでしょうか」

兄「ん、何だ?」

妹「──キスしたい、です」

兄「……ああ、俺も、したい」

妹「ん──」セノビッ

兄「……」

妹「──」

兄「……」

妹「はぁ……」

兄「ふぁ……」

妹「も、もういちど、いいですか?」カァァッ

兄「……うん」カァァッ

妹「ふ──ン」セノビッ

兄「ん……」

妹「ちゅ、ん……ちゅ、ちゅ……」

兄「ん、んん……ふ……」

妹「ちゅぷ、ちゅ、ちゅ、んふ……ふぁ」

兄「ちゅむ、ちゅるる、ちゅ……」

妹「ぷは」

兄「はぁ……お前、初キスにして大胆なことするな……」

妹「でも兄さんも、ちゃんと応えてくれました」ポッ

妹「あ……」

兄「あ……」

妹「~~~っ」カァァァ

兄「えっとぉ……その」

妹「兄さんはもっと大胆なことを……」

兄「いやこれはですね妹さんや。男の生理現象といいますか」

妹「──いい、ですよ」

兄「え?」

妹「兄さんが、したいなら……私は」

兄「いや、でも、告白したその日っていうのは、手順というかですね」

妹「んっ」セノビッ

兄「んむっ!?」

妹「ちゅる、ちゅ、はむ……ん──ちゅ」

兄「ん、んんっ、ちゅ、ちゅぷ」

妹「はぁ……兄さん。一緒に過ごした時間は、他のカップルにひけをとりませんよ。何しろ私が生まれた瞬間から、ずっと近くにいたんですから」

兄「あ、ああ……」カァァッ

妹「そして気持ちも誰にも負けないと信じています。となれば後は、キスの回数くらいですよね」

兄「え? そ、そうなのか?」

妹「そうなのです。だから……その……」

兄「……ゴクッ」

妹「──」カァァァァ

兄「──わかった。女の子にここまで言わせちゃ、駄目だよな……ん」

妹「んっ」セノビッ

─自宅 兄の部屋─
妹「はぁ……にいさん」

兄「──綺麗だ」

妹「えへへ……これでも、頑張ってたんですよ」

兄「ああ、すげえ可愛い」

妹「兄さんに、見てほしくて……」

兄「そ、そうか……」

妹「さわって……ください」

兄「う、うん」ナデナデ

妹「は、ふ……」

兄「ちょっとしっとりしてる……」

妹「きんちょう、してるんですよ」ドキドキ

兄「ゆっくり、するな」フニフニ

妹「ふあ……おっぱい……兄さんが……」

妹「んっ……ふ、ぁ……」ゾクゾク

兄「うわ、やわらか……」フニュフニュ

妹「あっ、ん、ああ……も、もっと、さわってください……」ドキドキ

兄「どきどきしてるの、わかるよ……」フニュフニュ

妹「はっ、ず、ずっと夢でした……兄さんに、こうしてもらうの……」

兄「もしかして……俺のこと考えて、してた、とか?」

妹「っ、な、なにいってるんですか──」

兄「だって、こんなに敏感だし」フニフニ

妹「あっ……」

兄「こうなることをずっと考えてた、みたいなコトをですね」

妹「そ、そんな事ないです……第一わたし、そんなに敏感じゃ、ひゃう」

兄「いやでもですね妹さん」

妹「ふぁ……」

兄「おっぱいしか触ってないのに俺の足元まで垂れてるのはどういう事かと」

妹「し、知りませんっ」カァァッ

兄「触って、いいかな」

妹「ん──はい……さわって、ください

兄「……」クチュッ

妹「ひゃっ!」

兄(まだ下着越しなのに、すごい反応だな……それとも女の子ってみんなこうなのか?)チュプチュプ

妹「は、ああっ、あ、ふぁ、ん……」

兄「妹……キス、しようか」

妹「は、はい……んっ、ちゅ、ちゅく……ちゅっ、ん、ふぁ・・・…」

兄「ちゅ、ん、ちゅ……」チュプチュプ

兄(うわ、下着越しでもとろとろ出てきてるのがわかる……)

兄「……」チュプッ

妹「ふ、ぁ……」

兄「妹、白状しなさい」

妹「え……?」

兄「お前、俺でオナニーしてただろ」

妹「っ、だ、だからそれは」

兄「今のお前は……俺のものだぜ。だから……言うんだ」

妹「あ、あう……」

兄「……」

妹「う、うう……いわなきゃ、だめですか?」

兄「駄目」

妹「は、あ……し、して、ました……」

兄「なにを?」

妹「お、おなにー、してました……兄さんの事、考えて、ずっと……してました」カァァァ

兄「っ!!」

兄(お、思いついて言わせてみたんだけど、いざ言われてみると、すっげえはずかしい…)

兄「あーもう! 可愛いなお前は!」ガバッ

妹「きゃ」

兄「俺……もう、たまらない、お前の事、ほしい」

妹「──兄さん」

妹「貰ってください……兄さんのための、私のはじめて……」

兄「ん……」コソゴソ

妹「わ……お、思ったより、大きいです」

兄「なんか、いつもより大きい気がする」

妹「……ふぅ」

兄「行く、な」チュプッ

妹「はい……」んっ

兄「く……」ニュル

妹「あ、く……ぅ……」プルプル

兄「ん──」ズブ…ズブ…

妹「は、はいって……にいさん、が……ああっ」

兄「は、く……妹……お前のはじめて、貰うぞ……っ」

妹「はいっ、あっ、そ、そのまま、奥まで、だいじょうぶ、ですから……あふっ」

兄「くうっ」メリッ

妹「ううっ! く──いた……んっ!!」ビクビク

兄「は、あ……だいじょうぶか?」

妹「はい・・・…そのまま、来てください」プルプル

兄「くっう、ううっ」ニュルン

妹「あ、ああっ、く……はぁぁっ」ピクピクッ

兄「ぜ、ぜんぶ、はいった……」

妹「あ、あふ……奥で……兄さんの、感じます──」

兄「動いても、いいか?」

妹「はい……思ったより、痛くないです、から……動いて、ください」

兄「ん……」ニュルルッ

妹「ふ、ぁぁぁぁっ、ああっ」

兄「く……」チュププププ

妹「ああっ、ふ、く……」

兄「う……お、お前、すっげえ感じてるんじゃないか?」

妹「は、はう……」カァァァ

妹「きっと……私のそこは、兄さん専用だから……兄さんが入ってくると、悦んでしまうんだと思います……」

兄「うう……」チュプッ

妹「ああっ、あふ、に、にいさんは、嫌ですか? 妹が、こんなにえっちなのは……」

兄「嫌なもんか……俺の前でだけ、どんどんえっちになってくれ」チュプチュプ

妹「は、ああっ、い、いいんですか? もっと……あっふあっ、え、えっちになっても」ビクビオ

兄「ああっ、えっちに! おれもすげえドキドキしてるから……もっと、したい」

妹「ああっ、あっ、に、兄さんっ、兄さんっ」キュン キュンキュン

兄「はあっはあっ! い、妹! 妹ぉぉっ!!」ニュプニュプニュプ

妹「はぁんっ、んぅ、あ、あああっ、にいさ、す、き……もっと、もっとぉ」トロトロッ ビクビクッ

兄「ああっ、お、俺も好きだ! 妹……好きだ……すきだ!」パチュパチュパチュ

妹「んああっ、ああっあふ、ふぁぁぁぁっ、ひゃっ!」

兄「い、いく……いく、ぞ……もう、すぐ……」

妹「あっ、ああああっ!! にいさん! きて、きてくださいっ、あああっ! はぁぁぁっ!!」ギュッ

兄「は、く、くううっ」パチュパチュパチュ

妹「あっ」ビクッ

兄「ぐううっ」ビクッ

妹「あああっ、ああっ! ふゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」ビクビクビクッ!キュゥゥゥゥッ!

兄「くぁぁぁっ!!」ビュルッ!ビュルルルルルルルルッ!!

妹「あ──あああっ、ふ──は……ああっ」ピクッ ビクビクッ

兄「は──ぁ、ああああ……」ビューーーッビュルッビュルッ

妹「はぁ……はぁ……」

兄「く、は、ぁ……」ビュクッ

妹「お、おわり、ましたか……?」

兄「──ああ、すっげえ、よかった」

妹「えへへ、わかりましたよ……兄さんがいっぱい出してくれてるの」

兄「妹──」

妹「ん……ちゅ、ちゅぷ」




妹「にーさん」

兄「なんだよ」

妹「えへへ……なんでもないです」

兄「これで何回目だよこのやりとり」

妹「ここにいるのが兄さんだというのを、確かめてるんです」

兄「俺はどこにもいかないって」

妹「だって、兄さんとこうなるなんて、夢みたいですから」

兄「それなら、現実でもっと思い出作ろうか」

妹「そうですね……私としては……その」

兄「?」

妹「えっちな思い出が、もう一つ欲しいなぁ、と」

兄「……」

妹「わ、おっきくなりました……」

兄「全く、お前がこんなにえっちだなんてなぁ」

妹「ずっと一緒にいた家族でも、知らない事ってあるんですよね」

兄「そうだな……」

妹「今までとは違う二人の時間を、いっぱい作りたいです」

兄「じゃあ、妹さんのリクエスト通り、まずはえっちな時間から作りましょうかね」

妹「はい……ん……」

兄「く、ふぅ……」

妹「あ、ああっ」










店長「ちょっとぉ、予約のお客さんはいつ来るのかしら?」

姐さん「さ、さぁねぇ……?」

おしまい

ただ妹とのエロが書きたかっただけでした
五時半から仕事なのに何やってんだろ俺
仕事代行ってどこで頼めますか
つーわけで付き合ってくれてどうもありがとう
抜いてくれたすべての人に幸あれ
ではおやすみ

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