コータス「コオオオオオオオオオ」 サトシ「何だこいつ・・・」 (30)

ケンジ「忘れたのかサトシ?コータスだよ」

サトシ「お、おう(そんなポケモンゲットしたか俺?)」

ピカチュウ「ピ」

ケンジ「久しぶりにサトシに会いたいらしくてさ」

サトシ「コータスって何タイプのポケモンだっけ」

ケンジ「え?ほのおタイプだろ。冗談きついなサトシは」

サトシ「ほのおタイプはリザードンにマグマラシ、ゴウカザルそれにチャオブーだろ」

サトシ「亀系のポケモンはゼニガメとドダイトスだろ・・・何だよコータスって」

コータス「コオオオオオオオオオ」

ケンジ「じゃあ転送するから」

サトシ「待てよ!勝手に決めるなよケンジ!」

ピカチュウ「ピ」

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コータス「コオオオオオオオオオ」

サトシ「来ちゃったよ。覚えてるかピカチュウ」

ピカチュウ「ピ」

サトシ「だよな」

セレナ「あれ?サトシそのポケモン」

サトシ「コータスって言うんだぜ。なあピカチュウ」

ピカチュウ「ピ」

シトロン「へえ。コータスですか」

サトシ「そうコータス」

ユリーカ「うわぁ!可愛い!」

コータス「コオオオオオオオオオ」

セレナ「私セレナ。よろしくね!」

ユリーカ「あたしはユリーカ!」

シトロン「僕はシトロンです」

コータス「コオオオオオオオオオ」

サトシ「・・・」

ピカチュウ「ピ」

コータス「コオォ・・・」

ユリーカ「急に静かになったね」

セレナ「お腹空いたんじゃないかな?」

コータス「コオオオオオオオオオ」

ユリーカ「やっぱり!」

セレナ「待ってて今ポケモンフーズ作るから」

コータス「コオオオオオオオオオ」

サトシ「ピカチュウ。あいつから何か聞き出してくれ」

ピカチュウ「ピ」

ピカチュウ「ピ(お前誰だ)」

コータス「コォ(お久しぶりですピカチュウさん)」

コータス「コォ(俺ですよコータスです)」

ピカチュウ「ピ(ああ、そうだったな。お前は何故サトシのとこに)」

コータス「コォ(ほのおタイプの枠が余ってますからね。新しい奴をゲットする前に手持ちに)」

ピカチュウ「ピ(ヤヤコマが進化すればほのお枠も埋まるそれにこの地方には)」

コータス「コォ(メガシンカでしょ?わかってますよ)」

コータス「コォ(恐らくあのリザードンがその枠に埋まる。ならば俺が)」

ピカチュウ「ピ(そうか。だからヤヤコマがファイアローになる前にリザードンがメガになる前に)」

ピカチュウ「ピ(己の力を見せようと)」

コータス「コォ(はい)」

ピカチュウ「ピ(だが今回のサトシは本気だ。生半可な覚悟じゃ勤まらんぞ)」

コータス「コォ(それぐらい覚悟に上ですわ!)」

ピカチュウ「ピ(そうか・・・まあ精々気張れやコータス)」

コータス「コォ(はい)」

シトロン「ええーっ!コータスのこと覚えてないのですか!?」

サトシ「そうなんだよ。参ったぜ」

ユリーカ「酷いよサトシ!可哀想だよコータスが!」

セレナ「でもほら忘れる時も誰だってあるし・・・」

サトシ「トレーナー失格だよな俺」

セレナ「そ、そんな事ないよ!ね?シトロン」

シトロン「そうですよ!」

サトシ「一度博士に聞いてみるか」

サトシ「俺って別の地方に行く度に記憶が薄れるんだよな。ハハハ」

シトロン「・・・」

サトシ「何だまたケンジか。博士は?」

ケンジ「オーキド博士ならサトシのママさんとホウエン地方に旅行に行ったよ」

サトシ「へえ。仲良いよなママとオーキド博士」

セレナ「サトシのママとオーキド博士ってもしかして・・・いやまさか」

ケンジ「研究所の事は全て僕に任されててね。フシギダネが居るから大丈夫だけど」

サトシ「ふーん」

ケンジ「それにカスミも手伝ってくれるし」

ケンジ「それで何の用?」

サトシ「ほら・・・えーっと」

シトロン「コータスの事ですよ!」

サトシ「そう。コータスだよ。あいつって俺がゲットしたのか?」

ケンジ「サトシ・・・」

サトシ「やっぱり俺がゲットしたポケモンか!ありがとうケンジ!」

サトシ「よし!これからコータスを特訓だ!」

ユリーカ「待ってよサトシ!」

シトロン「僕たちも行きましょうか」

セレナ「うん」

ケンジ「あ、君たち待ってくれないか」

シトロン「あ、はい」

ケンジ「サトシの事について言っておきたい事があるんだ」

セレナ「サトシの事?」

ケンジ「ほらサトシって少しおかしな所があるだろ?」

シトロン「そうですね。自分がゲットしたポケモンを忘れるなんて」

ケンジ「うん・・・サトシはその」

ケンジ「・・・」

シトロン「ケンジさん?」

カスミ「そこからは私が話すわ」

セレナ「あなたは?」

カスミ「私はカスミ。よろしくね!」

セレナ「カスミさん。サトシは一体」

カスミ「あいつ記憶障害らしいのよね」

シトロン「記憶障害!?」

カスミ「うん。部分的な記憶障害らしいけど」

セレナ「そんな・・・サトシが」

カスミ「最初は単純に子供っぽいからすぐに忘れるんだと思ってた」

カスミ「一度シンオウ地方でサトシの頭を検査したのよ」

ケンジ「その検査でサトシの病気が発覚したんだ。これは僕とタケシそれに」

カスミ「私とハルカ後はヒカリって子ぐらいかな。知ってるのは」

セレナ「部分的にって・・・」

ケンジ「うん。脳に強く残ってる事は覚えてるらしい思い出とか」

カスミ「ただそれ以外の事はすぐに記憶から抜け落ちて」

シトロン「ママや博士は知らないのですか」

ケンジ「言いづらいよ・・・あの二人には」

カスミ「・・・」

シトロン「僕たちにできる事は」

ケンジ「一つでもサトシとの思い出を多く作る。それしかないね」

セレナ「・・・」

ユリーカ「どうしたの二人とも?」

セレナ「ううん。何でもないよ」

サトシ「コータス!ふんえんだ!」

コータス「コオオオオオオオオオ!」

シトロン「この記憶も忘れてしまうかもしれませんね」

セレナ「うん。でも支えなきゃ私たちがサトシを」

シトロン「そうですよね」

セレナ「きっと今まで一緒に旅したカスミさん達だってそうして来たはず!」

シトロン「そうですよね」

ユリーカ「?」

ピカチュウ「ピ」

コータス「コォ(やっぱり旅するのはいいな)」

コータス「コォ(これで自分の存在がアピールできる)」

セレナ「ご飯できたよ!」

サトシ「俺もうお腹がペコペコだよ」

ピカチュウ「ピ」

セレナ「ねえサトシ」

サトシ「ん?」

セレナ「昨日の夕飯のこと覚えてる?」

サトシ「何だっけな・・・オニギリだったかな」

セレナ「うん!(昨日の事は覚えてるんだ)」

セレナ「じゃあイッシュ地方で旅した仲間に事は」

サトシ「うーん。タケシとデントだよ、間違いない」

シトロン「(確か前に言ってた時はタケシとヒカリでしたよね)」

サトシ「やっぱり前に旅した地方の事って記憶から薄れちゃうんだよな。ハハハ」

サトシ「だってコータスの事だって覚えてないんだぜ俺」

コータス「コォ(!?)」

コータス「コォ(忘れてたのか俺の事を)」

コータス「コォ(せっかく頑張ろうと思ってたのに)」

コータス「コォ(サトシ・・・許さない)」

シトロン「やっぱりバトルの事とかも忘れてちゃうのですか」

サトシ「うん。だってバトルフロンティア制覇してもシゲルやシンジに勝ってもさ」

サトシ「次の地方じゃ全く生かされないんだぜ。タイプの相性もさっぱりだし」

サトシ「どうしても記憶からすっぽり消えちゃうんだ」

セレナ「辛くないの?」

サトシ「辛いけど俺ポケモンや仲間と旅するのが楽しいんだ」

ユリーカ「何の話してるんだろうね?」

デデンネ「デ(ユリーカにはまだ難しい話。そうですよねピカチュウさん)」

ピカチュウ「ピ(ああ)」

コータス「コォ(許さない。そんなに仲間が大事ならサトシから奪ってやる)」

コータス「コォ」

セレナ「これ?これはアイスティーって飲み物よ」

コータス「コォ(これであいつらを眠らせてやろう)」

コータス「・・・」サーッ

セレナ「お待たせ!アイスティーしかなかったけどいいかな?」

サトシ「セレナは本当に御洒落だな」

シトロン「普通ご飯にアイスティーなんてありえませんよ」

セレナ「えへへへ。はい、どうぞ」

コータス「・・・」

コータス「・・・(飲んだら最後だ)」

ユリーカ「んん」

サトシ「どうしたユリーカ?」

ユリーカ「眠くなってきちゃった・・・」

シトロン「僕も・・・です」

サトシ「お、大丈夫か?大丈夫か?」

セレナ「私も・・・」

サトシ「俺も何か眠く・・・」

コータス「コォ(落ちたな)」

コータス「コォ(そんなに物忘れが激しいなら一生心に残る記憶を植え付けてやる)」

コータス「コォ(覚悟しろよサトシ)」

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