モバP「どうした紗南?何かあったのか?」(138)

紗南「……うう~っ…Pさぁ~ん…!!」

P「! おまっ……涙目じゃないか!?どうした!?」

紗南「うぅ~…あたし……あたし……っ」

P「……っ?」




紗南「もうポケモンやめる!!!!」

P「!!?」

このssは以前書いた↓こちらの続きになっております。
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1356010962

また、連投規制に連続でかかってしまい書き終えれなかったものを立て直したものでもあります。
前に立てた時に長時間保守してくださった方、本当にありがとうございましたですm(_)m

P「どうした紗南!?何があった!?お前がゲームをやめたいと言うだなんて!?」

紗南「うぅ~……っ…」

P「しかもお前、ポケモン!?昨日まで『やったぁーっ!新作出る!!これも買わなきゃだね!』とか言ってたじゃないか!?」

紗南「……いいの」ボソッ

P「?」



紗南「もういいんだってば!!」

P「!!!?」

P「……一体何があったんだ?」

紗南「……」

P「俺で良ければ話を聞くし、相談にも乗るぞ?」

紗南「……Pさん……」

P「ん?」

紗南「……」



紗南「人はどうして寛容な心を持てないの?」

P「え?そんな重い話なの?」

P「一体どうしたんだお前?何か嫌な事があったのか?」

紗南「うぅ~……」

P(なんにせよアイドルのモチベーションを保つのも俺の役目だしな…)

P「……ポケモンで嫌な事があったのか?」

紗南「……」コクリ

P「……対戦で負けたとか?」

紗南「……そんなんじゃないよ……勝敗とかじゃないんだ」

P「? ……エンテイが逃げまくって捕まえられないとか?」

紗南「いつのバージョンの話だよPさん……」

P「」 ガーン

紗南「……実は今日学校の男子と対戦してて……」

P「……うん」

紗南「嫌な事言われたりしてさ~…」

P「……うん」

紗南「その後立て続けに嫌な事が続いちゃってもう……」

P「そっか……」

紗南「……そうなんだよ……」

数時間前――

男子「三好ー!対戦しようぜーっ!」

紗南「おっ!あたしに挑むの!?あたしちょー強いよ!」

男子「シングルなシングル!」

紗南「よーしかかってこい!」



紗南「そこまではよかったのよー…」

P「その男子が、嫌な事言ったのか?仲良さそうなのに」

紗南「うん……」

P「……そっかー…」

P(とりあえずまずは殺し屋を雇わねば)

ちひろ(過保護過ぎませんか)

P(直接脳内はやめてくださいよ)

対戦中――


男子「あっ……くっそー読み外した!!」

紗南「へっへーんだ!どうだあたしの経験値からくる未来予測は!!」

男子「くっそーミスったぁ~っ!」

紗南「よっしゃぁぁ!これであたしが5勝3敗だね!勝ち越し勝ち越し~っ!!」

男子「あ~っ悔しい~っ!!」

紗南「フッフーン!厳選に厳選を重ねたあたしのポケモンをなめちゃダメよ!!」

男子「……え?」

紗南「?」

男子「……」



男子「お前今時まだ厳選なんかしてんの?」

紗南「」

紗南「……え?は?」 ビキビキ

男子「マジで?お前……それ全部厳選したやつなの?」

紗南「????」

男子「嘘だろ……」

紗南「……え?何?なんかおかしい事言った?」

男子「お前……馬鹿だな……乱数すりゃ一発じゃんそんなの」

紗南「」




P「はいストップ」

紗南「……?」

P「……厳選ってなんだ?」

紗南「あー…それは――」

ガチャッ

南条光「おはようございまーす!」

P「おっ光!おはよう!」

光「うん!プロデューサー!紗南!おはよう!」


紗南「……」 ションボリアン

光「……?」

P「……」

光「どうした紗南!?何があった!?」

紗南「うぅ~……光ちゃん……あたしポケモン引退する…引退記者会見開く……」

光「!!?何言ってんだ!?」

P「……なんかな、嫌な事が立て続けに起きたらしい」

光「!? そうなの!?……紗南大丈夫か?」

紗南「もう無理ー……」

光「しっかりしろ紗南!ゲームをやめる紗南なんてカラータイマーの無いウルトラマンだぞ!!」

P「……しぼむの?」

光「アタシで良ければ悩みを聞くぞ!仲間だもんな!それにホラ!楽になるかも!!」

紗南「……」

紗南「……ポケモンでねー」

P&光「?」←正座

紗南「昔っから『厳選』っていう行為があったの」

P&光「うんうん」

紗南「うん、で、あたしはそれをするプレーヤーだったわけね」

P&光「?」

紗南「ポケモンってね、今600匹以上いるの」

紗南「そのポケモンをね、集めて楽しんだり、好きなのを連れて旅してストーリーを満喫したり、普通はそうして遊ぶ訳ね」

紗南「でも、それ以外にも遊び方があるの。それが、他の人とポケモンを交換したり、対戦させるっていう遊び方」

紗南「で、今この対戦っていう方がプレーヤーの遊び方において、かなりの比重を占めているの。……ここまでは、わかる?」


P「お……おぅ!」
光「……う、うん、なんとか!」

紗南「前にちょっとだけ話したかもだけど、対戦に比重を置く人は当然まずどうやって勝てるかを研究するの」

紗南「これね、ポケモンが発売された頃から、熱心にたくさん研究されてきたことなの」

P「へー…すげーな」

光「熱心だなー」

紗南「まずはバージョンに合わせた育成システムの解析やダメージ計算式の研究とか、うん。相当本格的な奴が、何年も前からあったの。そういう風な研究の積み重ねが今のポケモンの対戦環境を生んでるの」

P「……」ポカーン
光「……」ポカーン

紗南「……うん、続けるね

紗南「何から説明すればいいのかなー……まず今、今の話だけど、解析とかそういうのによってさ、ポケモンには『種族値』って言うのが存在する事が知られているのね」

P「俺知らない」

紗南「Pさんは子供の頃緑や銀やってただけだったっけ?そういうの詳しくなくても仕方ないよ」

P「うん」

紗南「この『種族値』っていうのはポケモンの種族ごとにあらかじめ設定された数字なの」

P&光「?」

紗南「……例えば、HPとかこうげきとか、そういうパラメータがまずあるじゃない?」

P「うん」

紗南「それらの数字に、ピカチュウなら60、プリンなら40みたいにそれぞれあらかじめ設定された数値、それが種族値なの」

P&光「……」

立て直し待ってた……が、やり直し&連投回避ならSS速報がいいやもしれん

紗南「伝説のポケモンとかは、この『元々設定された能力値の数字』が高いから、パラメータが高いのね」

紗南「……わかる?」

P&光「……なんとなく?」

P「……まず対戦で勝つには、その基礎パラメータである『種族値』が高いポケモンが重視されるわけだな?」

紗南「うん。それがまず一つね」

紗南「次に重要視されるパラメータが『努力値』」

P「知らない」

紗南「……うん、これはポケモンをレベル上げする時に重要視される数字なの」

P「種族値高いポケモン捕まえて適当にレベル上げただけで終わりじゃないの?」

紗南「違うよ」

光(……なんか、話が難しい……)

紗南「『1.強いポケモンを手に入れました』→『2.当然レベルを上げると能力値が上がります』ここまではわかるよね?」

P「そら、うん」
光「アタシも」

紗南「『3.攻撃力が高いポケモンでした』→『4.じゃあ攻撃力が上がりやすくなるように育てましょう』、次はこうなっていくの」

P「え?……意図的に能力が伸ばせるってこと?」

紗南「実はそうなの。攻撃を伸ばす育て方、防御を伸ばす育て方、そういうのがあるんだ」

P「俺の知ってるポケモンと違う」

紗南「……うん、ホントは昔からこうだったらしいよ」

P「」
光「ふ…ふくざつなお話だ……っ!」

紗南「ついてこれてる?」

P「フィーリングでなんとか」
光「アタシもそれで」

紗南「……まぁなんとなくでいいからね?」

>>22
依然こっちで書いたので、一応こっちに続きを思い…
とりあえずもう立ててしまったので今回もダメなら、大人しくあちらに立てようと思います

紗南「さっき言った『努力値』っていうの、これが伸ばしたいパラメータに関連する数字なんだ」

紗南「どんなRPGでも、敵を倒したら経験値が手に入るでしょ?」

P「FFとかドラクエとかそうだよな」

紗南「うん。手に入れた経験値が溜まるとレベルが上がる、ここまでは普通だよね?
でも実は敵に隠しパラメータがあって、『倒せば上がりやすくなる能力値』が設定されていました。
この『敵に隠された能力値を上げやすくするパラメータ』が『努力値』って呼ばれている数字なわけ」

P&光「……」


P&光(むつかしい)

紗南「単純に言えば攻撃力の高いポケモンを倒すと攻撃力が高いポケモンに育つの。
で、体力の多い敵を倒せば体力が大きく育つの」

P「知らなかったわ」
光(レッドキングを倒せばウルトラマンに筋肉がつく感じかな)

紗南「対戦で勝つには、まず『種族値』が高いポケモンを手に入れて、『努力値』で上げたい能力を上げる、これが基本なの。
努力値には上限があるから、一番上げたい能力だけに上限まで降るのが理想なんだ」

P「へー」
光「皆色々考えてるんだなー」

紗南「ところが、最後にもう一つ、対戦において重要視される数字が出てきたの」

P「まだあんの?」
光「あ…アタシ覚えられないかも……」

紗南「それが『個体値』」

P&光「コタイチ?」

紗南「そう。個体一匹一匹に割り振られているパラメータの事なの」

紗南「わかりやすく言えば、ピカチュウを10匹捕まえたら10匹とも能力値が微妙に違うの。
それは細かい違いなんだけど、レベルが上がって数字が大きくなっていくと、その違いの『差』も大きくなるの」

紗南「それが『個体値』、多分、一番重要視されている数字なの」

P&光「……」



P&光「……」←とりあえず真剣な顔をしてる

紗南「例えば、数字を簡単にして説明すると【体力10攻撃9のピカチュウ】と【体力9攻撃10のピカチュウ】がいるとするでしょ?」

P&光「……うん?」

紗南「レベルが上がればね、これが【体力100攻撃90のピカチュウ】と【体力90攻撃100のピカチュウ】になるの」

P&光「ほうほう」

紗南「自分のパーティに合わせた、欲しい方を育てれば良い訳だから、単純にどっちか選べばいいの」

紗南「ここまでは、わかった?」

P「んー…多分」
光「…数字いっぱいだなぁ……」クラクラ

紗南「この、【同じ種類のポケモンの中からさらに欲しい能力値を選ぶ】時に使われる、必要な数字が『個体値』なの」

P「あー……そういう事か」
光「なんとなく、わかった」

P「ほんとか?」 ボソッ
光「……気がする」 ボソッ

紗南「ごめんね、複雑な話して。で、対戦を重視する人はね、この3つの数字、『種族値』・『努力値』・『個体値』が理想的な、そんなポケモンを探す事を始めないといけないわけ」

P「……」

紗南「……?どうしたの?Pさん」

P「……いや、うん」

紗南「?」

P「……個体値って、どんぐらい差があるんだ?重要視されるぐらいだから、結構な差があるんだろ?」

紗南「一つのパラメータにつき0~31まであるよ」

P「」

紗南「ポケモンに設定された能力値、つまりHP、攻撃、防御、特殊攻撃、特殊防御、素早さ、これら6つのパラメータの中にさらに設定されてる0~31の個体値……対戦で勝つ為に、それらの理想個体を皆必死で集めるわけ。
……それが、ポケモン対戦の現環境への第一歩なんだ」

P「……」

紗南「……? Pさん?」

P「……」




P(あかん、むつかしい

紗南「1.……まず理想の種族値のポケモンを決める
2.……さらにそのポケモンの中から理想の個体値を持ったポケモンを手に入れる
3.……そのポケモンに理想的な配分で努力値を降る
そうして、皆対戦用のポケモンを育てるの」


P「……皆そんなのやってんの?」

紗南「対戦をするなら必須だね」

P「うっそだぁ~!子供にそんなんできるわけねーべ!」

紗南「今は小学生でもネットで調べたりして普通にやってるらしいよ」

P「」

光「しょ……小学生にネットなんかやらせちゃダメだ!人の悪口とか、傷つける事とか、いっぱい書いてあるんだぞ!!」

紗南「うっ……ま……まぁ、時代が時代だし……」

光「……」

紗南「いや、ダメだね、うん。ホント。ホントはダメだ、うん」

紗南「えっとね……なんだっけ……あっ、話を戻すけどさ、で、そういうポケモンが出るまで粘って捕獲し続けたり探したり、卵を孵化させる作業がさ、【厳選】なんだよ」

P「おうっふ……そうだ、なんの話か忘れかけてた」

紗南「うん、この『厳選』っていうのはずっっっと昔から続けられてきた事なんだよね」

P「マジか」

紗南「うん。主に大人や年齢層が上のプレーヤーがやってたんだ」

P「まぁ子供はしないもんな普通は。そもそもそんな事考えないのが大半だろうし」

光「……」

光「……なぁ紗南」

紗南「ん?」

光「……孵化って?」

紗南「ポケモンはねタマゴを作れるの。で、親の個体値や技を引き継いだりもできるわけ」

P「なんかあったなそんなん。トゲピーだっけ」

紗南「古いよPさん」

P「」 ションボリング

紗南「タマゴは厳選しやすいからね、親さえ手に入れられれば後は欲しいのが産まれるまでタマゴを孵化させていけばいいだけだもん」

紗南「難易度低いし早ければ4桁くらい孵化させるだけで済むんだよね」

光「……で、でもそんなにいっぱい作ってどうするんだ?」

紗南「あー、ボックスに預けきれないからね。全部要らない子は逃がしちゃうよ」

光「」

光「……そ、それはいくらなんでも可哀想じゃないか!?」

紗南「……っ」

光「げ……ゲームでも、ちょっと酷い気がする…っ!生まれたばっかりのポケモンを逃がしたりするのが当然って、なんかそんなの……」

光「……子供とかもやるゲームなら、やっぱりちょっと……」

紗南「……」

紗南「……光ちゃん」


紗南「……お願いだから、そんなこと…言わないでよ」

光「……っ」

紗南「これは…やっぱりゲームだしさ。昔の人が、対戦を重視した遊び方ってのを考えてる内にできたやり方がこれなだけなんだ。……ホントに動物逃がしたりしてる訳じゃ、ないしさ。勿論、ポケモンが嫌いとかどうでもいいとか、そんな人ばっかりでもないからさ…」

紗南「……だから、お願いだから、悪い事をしている、みたいに…言わないで……?」

光「……っ」ズキーンッ

紗南「……やっぱりさ、正直、そう言われると傷つくって言うか……うん、ゴメン。なんていうか…」

光「ゴメン!!」

紗南「っ!?」

光「ゴメン!ホントにゴメンよ!……アタシ、別に紗南を傷つけようとして言ったんじゃないんだ!」

紗南「光ちゃん……」

光「ゴメン!酷い事しちゃったのはアタシの方だった!紗南が嫌な事言った!ゴメンよ紗南!!」

紗南「光ちゃん……うん、あたしのほうこそごめんね。ね?」

P「……光、もう頭あげな。ほら、仲直り、な」

光「……うん…ありがとう、紗南」

紗南「ううん、いいよ」

P「……しっかしアレだな。今のポケモンってそんな事になってるんだな」

紗南「……うん」

P「厳選かー……俺にはちょっとできそうもないなー……ははっ」

紗南「……ハハッそうだね。Pさんだし。感情移入とか強そう」

P「」

P「……しかし子供に優しくない仕様だなぁ。大会とかってどうなってるんだ?」

紗南「……例えば年齢で部門分けしたり、色々だよ。もいまはWi-Fi使って皆オンラインで戦うから普段とかは関係無しかな」

P「……ポケモン買ったばかりの子供がもし軽い気持ちでそんな環境に繋いじゃったら、正直想像したくも無いな……」

光「……」
紗南「……あー…」

P「いや、子供だからこそ『勝つぞ』って気持ちで繋いできそうだな……そんな環境の中に……ある意味そっちの方がキツいな」

光&紗南「……」

ちひろ(なんか重い空気になっとる)

P「厳選ありきの環境かー……こんな不親切だっけポケモンって」

紗南「でもね、だからこそ嵌る人が出て来るんだよ」

P&光「?」

紗南「ようするにこれは、やり込み要素の延長線なの!年齢を重ねればもっと楽しめる、そんな要素なの!」

紗南「ポケモンは今、技の組み合わせや、ポケモン一匹一匹が持つ特性っていう能力、そしてさっきの能力値が組み合わさった、すごく複雑で、でも楽しい環境なんだ!」

紗南「ターン性だから、相手の次の手を予測して立ち回るなんて事もできるし、今はポケモンに特殊な効果がある道具を持たせる事で戦略の幅を広げられるし!」

P(もくたんしかわからねぇ)

紗南「より広い年齢層に、長くアピールするためにあるのが『やり込み要素』なんだよ!それがあって、それに嵌る人がいっぱいいるのがさ、今の環境なんだ!」

P&光「……」

P&光「……」

P「……複雑だからこそ、楽しいのか?」 むーん

紗南「うん!」

P「……厳選とか、そういうのも含めてか?」

紗南「正直やり始めると止まらなくなるっていうか……こう、脳内麻薬的な……」

P「紗南は、ポケモン好きなんだな?」

紗南「……っ……うん、あたしはゲーマーアイドルだもん…ゲームは、全部好きだよ……」

紗南「ポケモンだって……勿論好きだよ……」

P「……」

光「……紗南」


紗南「……でも」

P&光「?」


紗南「……あたしは、もうポケモンはやらない」

P「……紗南」

光「……なんで?好きなのに…」

紗南「……」

光「……好きよりも、嫌な所があるのか?……アタシ達、良い所をいっぱい見ていくようになろうって約束したじゃん……」

紗南「……」

光「……紗南……」

紗南「……ごめん、光ちゃん」

P「……何があったんだ、紗南」

紗南「……」

P「途中まで話してくれてたよな。俺が腰を折っちゃったんだ。学校で、何があったんだ?」

紗南「……」

P「……確か、厳選をしてるのを馬鹿にされたんだよな?」

紗南「……」

P「……なんで、馬鹿にされるんだ?沢山の人がやってる事なんだろ?」

紗南「……っ」


紗南「よっしゃぁぁ!これであたしが5勝3敗だね!勝ち越し勝ち越し~っ!!」

男子「あ~っ悔しい~っ!!」

紗南「フッフーン!厳選に厳選を重ねたあたしのポケモンをなめちゃダメよ!!」

男子「……え?」

紗南「?」

男子「……お前今時まだ厳選なんかしてんの?」

紗南「」

紗南「……え?は?」 ビキビキ

男子「マジで?お前……それ全部厳選したの?」

紗南「????」

男子「嘘だろ……」

紗南「……え?何?なんかおかしい事言った?」

男子「お前……馬鹿だな……乱数すりゃ一発じゃんそんなの」

紗南「」



P&光「……」

P&光「らんすぅー?」

紗南「……」

P「なんざそらよ」

紗南「……正しくは、乱数調整っていうんだ」

P「……はぁ」

光「……調整?」

紗南「うん……」

P「って……何するの?」

光「の?」

紗南「んーっと……乱数調整っていうのはね…」


大石泉「簡単に言えば、コンピューターゲームの中のランダム性を排除するんです」

三人『!!!?』

P「泉!お前いつからそこに!?」

泉「今さっき、仕事が終わって帰ってたんだ」

P「さくらとアコは?」

泉「先に帰りました。……私は事務所でPCを弄っていた時にフラッシュメモリを忘れてしまっていたのを思い出して、取りに戻っただけだから

P「そっか……」

泉「……Pさん達は今、なんの話をしているの?」

P「……ああ、それがな……」




泉「なるほど」

P「うん、と言う訳なんだ」

P「泉は物知りだし詳しそうだな……なぁ、乱数調整って、なんだ?」

光「アタシにも、わかるように教えて下さい!」

泉「……難しいですね」

P「そんなにか!」
光「やっぱりふくざつなんだ」

泉(……この二人の頭にも理解できるように説明するのが)


紗南「……あたしさ、ポケモンにはさ、昔から解析ありきだったんだって、ちょっと言ったよね?」

P「ん?おお、そういやなんかそんなん言ってた言ってた」

光「言ってた!解析っていうので種族値とかを調べたんだ、みたいなこと!」

紗南「……うん」

P「……」
光「……」


P&光(解析か……)


※イメージ

怪しいパソコン

怪しい大画面

怪しい機械

怪しい機械に差し込まれたポケモンのソフト

画面に並ぶ怪しい数字

ヒェ~ッヒェッヒェッ!←怪しい笑い声

怪しい白衣の人達


P「解析だってな」
光「ね」

紗南&泉「…………」

秘書っぽい格好になった泉「ちょっと調べてみました」カタカタ←PC

P「ん?何を?」

泉「今は、有志が作った『解析ツール』というものを多くの人が利用しているようです」

P「なにそのいかがわしいもの」

泉「ゲームの中にいるキャラクター…この場合はポケモンの能力値を入力すると個体値などが割り出せる、という代物です」

泉「恐らく、多くの人はこれらを使用して隠しパラメータを調べているのかと」キリッ

P&光「へー……」

紗南「……今のポケモンの対戦環境はさ、何年も何年も前から解析ありきのものだったんだ、って、言ったと思うんだ」

P「確か言ってたな」

紗南「乱数調整って言うのは、その延長線上にあるものなんだって。……あたしは認めたくないんだけど」

P「……?」

泉「細かい説明や専門的な説明は省きます」

光「はい!」
P「是非お願いします!」

泉「通常このポケモンというソフトの中で、望みのポケモンを手に入れるには膨大な時間が必要とされます。ここまではいいですね?」

P&光「はい!」

泉「ですがそれをショートカットする方法があります」

P&光「!!!?」

泉「それが【乱数調整】です。簡単に言えばネットのツールなどにゲームやゲーム機本体の中にある数字を入力し、『どこで』『どんな行動をとれば』望みのポケモンが出るかを算出してくれるというものです」
泉「……当然『厳選』などと比べ手間も時間も段違いですし、何より『ネットで調べれば誰でも出来るもの』とされています」

光「……」
P「……」チラッ

紗南「……っ」

P「……それは……またけったいな代物で?」

P「……解析ありという環境込みでさ、虫取りで考えてみた」

泉「?」

P「強いクワガタが欲しくてさ、網と籠持って足でひたすら探して数を集めて、捕まえた奴を機械かなにかで強さを数字化して調べる」

P「そうやって欲しい強さのクワガタを探すのが『厳選』で……」

P「そうじゃなくて機械でどこでなにをすればクワガタが手に入るか調べるのが、『乱数調整』か?」

泉「……その場合だと、少々違いますね。後者においてですが、その場合因果律を捻じ曲げて手に入る様にする、が正しいかと」

P&光「」

泉「その場合、世界に干渉し取るべき行動を算出するわけですから」


P&光(よけいむずかしくなっちゃった……)ジワッ…

P「とにかく、厳選無しで、『こうすれば欲しいポケモンが手に入るよ』ってすんのが乱数調整だな!ニュアンスでわかった!」

光「うん、ニュアンスだな!」

泉「……正直言って遥かに効率的且つメリットしかない行為かと」

紗南「……っ!!」

P「!」

泉「過程が違うだけで結果が同じならどちらを取るべきか明白だと思う。なにより時間が無駄にはならないし解析が肯定されている環境なのだから後ろめたいものだってないはずだわ」カタカタ

紗南「…っ!!」

泉「それに、大きく時間を割くか否かで考えれば、非効率かつ非合理的な、無駄な行動を取るより」

P「泉」

泉「許されているなら、その範囲で最も効率的な行動を」

P「泉!」

紗南「あ た し の ! !」

三人『!!!!』

紗南「……あたしのやってきたことを!!あたしが打ち込んでた時間を!!思い出を!!」

紗南「勝手に……っ 勝 手 に 無 駄 と か 言 わ な い で よ ! ! ! !」

泉「……っ!」

P「……紗南」

光「紗南……」

紗南「あたしは……っ…決められたルールの中で、ゲームを楽しんで!!遊んで!!夢中になって!!色々考えて!!」

紗南「今までそうして…ゲームに向き合ってきたの!!遊んできたのっ!!」

泉「……紗南、私は…――」

紗南「無駄って何よ……っ何か間違った事したって言うの……!?それがっ…『乱数』しなかったって事が!!そんなにおかしいことだっての!!」


P「……紗南…」

紗南「」ハッ

紗南「……っ ご……ごめん、泉さん……あたし……」

泉「……ううん、これは私が悪いよ。ごめんね」



P「……紗南…お前、学校で何を言われたんだ?」

紗南「……」




男子「お前……馬鹿だな……乱数すりゃ一発じゃんそんなの」

紗南「」

男子「お前時間無駄にし過ぎだろ……」

紗南「……っ」

男子「今時律儀に厳選してる奴いないぜ?」

男子「明らかに時間の無駄じゃん?」

男子「今でも厳選とかやってる奴って何考えてんの?って思ってたけど……」

男子「……まさか三好がかよー……」


紗南「……なんでアンタにそんなこと言われなきゃいけないのよ」

紗南「あたしはね、好きで厳選やってるの!その方が愛着も沸くし、何より達成感が…」

男子「うわっ…乱数もできねーからって負け惜しみかよ……お前それは…正直ないわー」

紗南「はぁっ!?」

男子「だってできるのにやらない理由ないじゃん。だろ?」

男子「厳選なんて乱数もする頭がねーような、できねー奴が惨めに張り付いてやってるもんじゃん」

紗南「……っ! はぁぁっ!!?」

男子「いやそうじゃん。つか図星だからって逆切れすんなよみっともねー」

紗南「あんた……勝手な事ばっか言っ…」

男子「つか何?アレか?お前実はできるけどやらないだけですーとか言うの?」

紗南「……っあたしは……っ!」

男子「お前さぁ……」



男子「勝つ気ねぇんじゃねぇの?」


紗南「……っ」ブチィッ

紗南「ざっけんじゃないわよ!!アンタあたしのなにがわかるって言うのよ!?あたしが何してる時が楽しいとか、そんなんアンタにわかんの!?」

紗南「勝つ気が無い!?ふざけんな!!大体アンタえっらっそぉぉぉな事言ってアタシに負け越してんじゃん!!」

男子「俺の3勝5敗か?」

紗南「そうよ!!」

男子「馬鹿じゃねーの?お前気づけよ。お前が必死こいて無駄に厳選した奴と俺が乱数で出した奴と、こんだけしか差が出てねーってことじゃん」

紗南「っ!!」

男子「お前さ……乱数できる頭あるなら厳選なんてやめろよ。無駄だからさぁ。……俺さ、親切で言ってるんだぜ?」

紗南「……っ!!」

男子「お前ネットとか見ねーの?今なんて乱数してんのが普通だぜ?ホントにさ」

紗南「……」

男子「まぁネットでも乱数できねー奴が嫉妬でギャーギャー言って馬鹿みてーに騒いでさそういうのあるけど」

紗南「……」

男子「なんかお前までそんなんになるとか可哀想じゃん?」

紗南「…っ」

男子「やり方わかんねーなら教えてやろうか?なんなら6Vメタモンお前に分けて」

バンッ

男子「!!?」

紗南「……帰る」

男子「…おい三好」

紗南「じゃ」

ガラララッ ビシャンッ

P「……」
光「……」
泉「……」

紗南「……」

P「……」

泉「紗南……本当にゴメンね。私、なんにも知らずに…」

紗南「……ううん。正直、あたしも泉さんに当たっちゃった所、あったよ。それに、悪気が合ったわけじゃないのもちゃんとわかってるから、さ」

泉「……」

光「紗南……辛かったんだな……」 ジワッ

紗南「光ちゃん……」

P「……まぁソイツにも、負けて癪だった思いとか、あったのかもしれないな。……それでも、明らかに言い過ぎだし、言う必要だってなかった」

紗南「Pさん……」

P「……嫌だよな。自分が時間かけて、一生懸命やったこと、そんな風に言われるのは」

紗南「……うぅっ」ジワッ

P「あーあー…ホラ、よしよし、な?」

紗南「うぅ~……っ」

P「まぁ、なんだ。自分がさ、時間をかけて取り組んだことっていうのはさ、何でもそこにプライドみたいなものが生じるものなんだよ」

紗南「……」ギュッ

P「よしよし…例えば俺ならさ、アイドルをプロデュースすることに、プライドがあるわけだ」

紗南「……」

P「『こんなに長いことかけて、これだけの結果を出してきたんだ』、みたいな誇り、正直あるよ」

紗南「……」

P「紗南も、そうだよな?これだけかけて厳選をやってきたんだ。ルールの範囲内で、ここまで努力したんだって。そういうプライド、多分あるだろ?」

紗南「……」コクリ

光「あ……アタシも!ウルトラ怪獣全部言えるという誇りがあるよ!!」

P「? あー…うん、そういうの馬鹿にされたら、そらなんだって嫌になるよな」

紗南「……Pさん」

P「好きなことの話なのに……夢中になったからこそ、お前はそういう風に傷ついちゃったんだな……」 ナデナデ

紗南「……」グスッ

泉「……乱数調整は、是非が非常に別れているみたい」

P「……そうなのか?」

泉「うん、みたところ、かなり荒れる話題の一つみたい」

P「……三好みたいな子とかと喧嘩になってる感じなのか?」

泉「色々。中には『正規の遊び方ではない』という批判もあるみたい」

泉「隠しパラメータの数字化に解析ツールを使うのが是とされるのは、それが効率が良く、尚且つ誰にも迷惑をかけていないからだと思う。恩恵とかが大きいし。育成方針や目標を決める、あくまで手助けに過ぎない、という考えとか」

P「……既に自力で手に入れたものの数字を調べるだけ、とも取れるもんな」

泉「けど、乱数調整は、対戦で有利になり得るポケモン自体を手に入れるという直接的な使い方だし」

泉「同じ解析でも、違うという人が出るのもわからないでもない……かな」

P「……遠くに行っちゃったなー…俺の知ってるポケモン……」

P「……紗南は、自力で目標をクリアするのが好きなやりこみ派だからな、こういうの嫌がる気持ち、わかるよ」

紗南「……」

紗南「……実は、まだあるんだ。小さい事だけど、嫌になった理由」

P「……?」

光「……紗南、まだ何か言われたのか?」

紗南「ううん、さっきの話の帰り道でさ。あたしヤケ食いしようと思ってマックいったんだ。ついでにWi-fi目当てで」

P「そ……そうか……意外とその時はタフに耐えてたんだな……」

紗南「対戦ゲームだよ?今までマナーも態度も口も悪い人いっぱい見て来たもん。あれぐらいまだ平気だったよ」

P「それはそれで……哀しいな、なんか」

光「うん……」

紗南「ランダムマッチっていう、ネットで適当な人と対戦する奴を、やろうと思ったんだ」

P「ふむ」

紗南「でさ、2勝4敗だったの」

光「……負けたから、嫌になったのか?」

紗南「……ううん、そうじゃないよ」

紗南「あたしが負けた相手……全員が乱数使ってたんだ」

P&光「えっ……」

光「そんなの、わかるの?」

紗南「色違いって知ってる?」

P「赤いギャラドス?」

紗南「うん、ああいうの。色違いのポケモンっていうのがいてさ、その子達はすっごいレアなの」

P&光「へー」

泉「出現率はおよそ8000分の1とありますね」

P&光「無理じゃん」

紗南「……で、私が負けた相手はさ、手持ちが全部捕獲の難しいポケモンばかりで、尚且つ全員が色違いだったわけ」

紗南「それでなんとなくわかったんだ。『ああ、きっと乱数だ』って」

P「……そんな低い確率の奴を6匹持ってたら、そら疑う気持ちが出るわな」

紗南「……あの乱数やってた奴の言うとおりだったんだって、そう言われてるみたいでさ」

紗南「それで……あたし……っ」

泉「……現在の環境では、手持ち6匹を対戦前に開示するそうです。そこから3匹選出し3vs3で対戦をする、とあります」

泉「選出の読みあいや組み合わせ、運で多分に勝敗は変わります」

紗南「それでも、負けは負けなんだよ。『そういう相手』かもしれない奴に、あたし負けちゃったんだ」

光「……紗南」

P「……」

紗南「悔しいけどさ、でも、何が悪いのって言われたらさ、結局あたしが悪いんだよ。……負けたんだもん」

P「……」

紗南「そのあとさ、ランダムが終わった後に、話しかけられたんだあたし」

ピクッ

P「ナンパか?」

紗南「ううん、『アナタもポケモンやってるんですか?良ければ対戦しませんか?』って。大人の男の人だった」

P「そ…そうか……」

P(……怪しくね?そんな奴)

光(リアルポケモンバトルだ……!!)

紗南「ポケモンセンターとか行くとさ、たまにそういう人いるよ?」

P「……そうなのか」

紗南「悪い人じゃ無さそうだったし場所が場所だから、いいですよ、って」

P「ほ…ほんとに大丈夫だったのか!?」

紗南「うん、結果的にはね。ただ……」

P「?」


紗南「あたし、色々疲れちゃってさ。だから、勝ち負けよりもさ、もう好きなポケモンで戦おうって、そう思ったんだ」

光「強さとか関係なくか!アタシも、そっちの方が楽しいと思う!」

紗南「……うん」


P&光「……?」

P「大人か……若いか?大学生くらい?」

紗南「うん、友達連れだった。女の人もいたよ」

P「そうか……とにかくもう、お父さん心配で気が気じゃないよ」

泉「いくつなんですかもう」


紗南「……でさ、負けちゃったけど、楽しかったんだ。相手はガチパだったけど、2匹も倒したんだから!」

光「……紗南、その後、何かあったの?」

紗南「……対戦が終わった後さ、ありがとうございましたーって別れたのよ。正直、結構楽しかったよ」

光「……」

紗南「でもあたしと対戦した人がさ、去り際に隣の人に言ってるのがたまたま聞こえちゃって、さ……」





『うーん…相手がマイオナパーティだったのがちょっと残念だったかな』

P&光「マイオナ??」

泉「……」

P「? なんだそりゃ。また新しい単語か」

光「泉さん、どういう意味?」

泉「……っ」カァァァァッ

P&光「?」

泉「……ま…マイナー…ゴニョゴニョの略、です…っ!!」

P&光「……?」




P「……あっ(察し)」

泉「……っ!!」 カァァァァァッ

光「? その、マイナーゴニョゴニョってどういう意味なんだ?まさか、悪口か!?」

紗南「……簡単に言うとね、【普通は対戦で使われないようなポケモンをあえて使う事で悦に入ってるウザイ奴】が組んだ、【マイナなポケモンだけで構成されたパーティ】のこと」

P「……」



P「……ああ?」ビキビキィッ

泉「!?」ビクッ

P「なんだそれ。どういう意味だよ。好きなポケモン使ったらそんなん言われんのか?」

泉「ちょっ……落ち着いて下さい、急にどうし……」

P「好きなポケモンぐらい使っていいじゃん!!ポケモンやってんだぜ!?好きなの使えばいいじゃん!!?」

泉「ちょっ……Pさん!!」

P「好きなポケモン使っていいじゃん!!?」

P「ポケモンなんだからさぁ!!!?」

【蘇るPの少年期の思い出】




友人1「見ろよ!通信ケーブルだぜ!」

友人2「スゲー!これで対戦できるな!」

P「よーし早速やろうぜ!」


友人1「よーし行けゲンガー!!」

P「いっけー!エビワラー!!」


友人1「……」

友人2「……」



友人1「なんでそんな使えないやつ入れてんの?」

P「」

P「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

光「Pさん落ち着いて!!」

泉「なんか……トラウマ踏んだみたい!!」

紗南「でさ、そう言われた時、なんか崩れちゃったんだ」

泉「えぇっ!?この状態で語りを続けるの!!?」

紗南「マイオナってさ、要するにガチポケ使わない人を責めてる言葉なんだ」

光「Pさん!紗南が話してる!!ちゃんと聞いてやってくれよ!!」

P「!! はっ……俺は一体……」

紗南「好きなポケモン使っただけでさ、【勝つ気が無い惰弱が悦に浸る為に使ってるだけ】みたいに言われるんだ。勝敗とか、関係なくさ。好きなのを使っただけなんだよあたし……」

P「…っ!紗南……」

紗南「厳選だって、元々あったやり込み要素に則ってやってたんだよ……ずっと皆そうやってたじゃん……なのに……あたしがおかしいみたいに……言わないでよ……」

紗南「……」

P「……」

P「……まぁ、歴史が長くて人口の多い対戦ゲームなんだ。勝ち負けが存在する以上、負け惜しみやら挑発やら色々そういう無駄なもんも発展しちまったんだろうな……」

紗南「……」

P「でも、そんなの紗南が酷い事言われたり傷つけられていい理由にはならんよな」

紗南「! ……Pさん」

P「……うん、それがいい」

紗南「……?」


P「やめちまえ、ポケモン」

光&泉「!!?」

P「俺はな、紗南。正直ゲームってのは娯楽に過ぎないと思ってる」

紗南「……っ!」

P「だから、辛い思いをしてまで続けるものじゃないと思うんだ」

紗南「……」

P「楽しい、より、苦しいの方が上になっちゃったら、それはもうゲーム失格だ」

紗南「……」

P「もしゲームに問題がなくても、それをやってる奴らが紗南を傷つけるような、そんなろくでもない奴ばっかりだってんなら一緒だ」

紗南「……」

P「不良が集まるゲーセンに行ってまでゲームすることは無いだろ?」

紗南「……っ」

P「な?」

紗南「……Pさん」

P「ん?」

紗南「あたし……」

紗南「あたし……本当は悔しいよ……!!やめたくないよ……!!」

紗南「でも……頑張ってもクリアできないんだ……気持ちの整理ができないんだよ……」

紗南「……すっごく、辛いよ…!」

P「……」

P「俺は、例え好きでもやめたほうがいいこともあると思うぞ」

紗南「……え?」

P「頑張っても馬鹿にされて、好きなキャラクターを使っても馬鹿にされて、勝っても馬鹿にされて、負ければ馬鹿にされる。ハッキリ言って異常だろ、そんなの」

P「ていうか怖い。それが常態化してるのが昨今の対戦の環境だと言うのなら、俺はやめちまったってなんら恥ずべき事じゃないと思う」

P「それにアレだ、俺はなぁ紗南。相手を配慮できない人間はスポーツや対戦ゲームをやっちゃいけないと思うんだ」

P「だから、もしそんなのばっかの環境だって言うんなら、お前が傷つくだけになる。なら、もうやめたっていいよ」


紗南「……」


P「俺はそう思う。少なくとも、お前は少し離れてみたっていいと思う」

紗南「……Pさん」

P「……ん?」



紗南「……別の積みゲーがさ、あるんだ」

P「……」

紗南「ちょっとだけ……」ジワッ

P「……」

紗南「……ちょっとだけ、そっち……グスッ…やってみようってさ……思うんだ……」

P「……そっか」

紗南「……グスッ……うん」

紗南「……これ、Pさんにあげるよ」

P「ん?」

紗南「……ポケモンBWの、1&2」

P「……いいのか?」

紗南「うん。売ってもいいし、好きにしていいよ。どうするかは、Pさん任せるからさ」

P「……わかった。俺DS持って無いけど」

紗南「あはは。もしやるんだったらさ、あたしの交換用の予備貸してあげるよ」

P「……そっか。わかった」

紗南「……うん」

光「紗南……」

紗南「……ごめん光ちゃん、心配かけて。あたし、もう大丈夫だからさ、レッスンいこ!」

光「……!うん!」

紗南「よーし、じゃああたし荷物取って来る!待ってて!」

ガチャッ バタンッ



光「……」

泉「……」

光「……アタシさ、友達なのに、仲間なのに、どう言ってあげれば良いのかとか、今思いつかなかった」

泉「……」

光「……紗南…ゲーム好きなのに、あんなの可哀想だ」

泉「……私がもし、さくらや亜子が落ち込んでたらさ」

光「?」

泉「……一緒にいて、話を聞いて、いっぱい遊ぼうって思うな」

光「……」

泉「そうやって、笑顔になってくれればな、って。楽しかったら、嫌な事なんて考える暇ないもんね?」

光「……っ! ……そっか!そうだな!」

泉「うん」

光「泉さん!ありがとう!アタシ頑張るよ!頑張る!」


P(……ええ子らや…)グスッ

光「紗南に何かあったら、それを忘れるぐらい楽しく!」

泉「うん、『夢と希望を』だっけ?それが一番良いと思うよ」

光「うん!」


ガチャッ

紗南「おっまたせーっ!光ちゃん!レッスン場まで一緒にいこ!」

光「紗南!うん!いこ!」

バタンッ

<アハハーワイワイ



P「……」

泉「……お疲れ様」

P「……うん」

泉「……どうかしたの?」

P「……んー、ちょっと違うけど、似たような事思い出してさ」

泉「?」
P「この業界、色んな話聞くけどさ。今回のと似たような話があったんだよ」

泉「どんなのですか?」

P「んー、嫌な話さ。『好きなことなのに嫌になる』、『好きなままなのに周りのせいで嫌になっちゃう』」

P「アイドル、そういう子やっぱ沢山いるんだよ。そういう話」

泉「……アイドルも、ですか?」


P「そう。『好きで』『楽しくて』『憧れて』『充実して』…そういう、『アイドルすること』が好きで好きでたまらないアイドルってやっぱいるわけ」

泉「……」

P「それが、例えばマナーの悪いファンや、スタッフ、大御所、序列、マスコミ、とにかくなにか、周りが切欠になって潰されちゃうんだ。その子に非は無い事でも」

P「まぁ当然周りの人からみれば『そういう世界って知ってて入ったんだろ』で終わりなんだけどな。社会なんて厳しいもんなんだから、甘えるなって言われるかもしれないけど」

泉「……」

P「……何が言いたいかって言うとさ、まぁポケモンの対戦やってる奴にとっては今日紗南が言われた事や傷ついたことなんてのは、『そういう世界だ』『そういうの言われるのが普通の環境だ』の一言で終わっちゃうんだろうけどさ」

P「……そんなのが「当然」だなんて、ちょっと酷いなって思うよ。現に紗南はそれで傷ついたわけだしさ」

泉「……」

P「そういうもんなんだから泣き言言うな、なんてのは、やっぱ違うかなって」

P「いくら勝ち負けの世界だからって配慮や自重が無いと、子供だってやるんだから。……なーんて、俺は思ったりしてさ」

P「……スポーツにだってスポーツマンシップがあるくらいだし、なぁ」

泉「……そうだね」


泉「……紗南、元気になると良いね」

P「……しっかし複雑な心境だわ」

泉「?」

P「子供の頃だけどさ、俺もやってたよ。ポケモン。緑と、ピカチュウと、銀までやってたかな」

泉「結構やってたんだね」

P「ああ、楽しかったよ。思い出補正かなり入ってるけど」

泉「ふふっ…もし『昔は良かった』とか言い出したら、『懐古厨』って言われて嫌われるよ?」

P「懐古て……いや、間違いでは無いな。俺の場合」

泉「そうだね。……紗南がくれたゲームさ、どうするの?」

P「ん?そうだな……」

泉「?」

P「俺も古い世代だしな……」



P「…ちょっと新しい世代の事にも挑戦してみるかな」

あれ、デジャヴ…?

<数週間後……>

ガチャッ

紗南「お疲れ様でーっっす!」

ちひろ「あら紗南ちゃん、お疲れ様。久しぶりね、期末テストどうだった?」

紗南「ヴ……ま、まぁ、ほら、それは……ね?」

ちひろ「あらあら」

ガチャッ

光「おはようございまーす!」

ちひろ「あら、光ちゃんもおはよう。……テストどうだったの?」

光「ぁぅ」

紗南「……はは」

紗南「と……とにかく!今日からお仕事もゲームも再開!もうすぐキングダムハーツのHDも出るし、今日からめいっぱい頑張るぞー!」

光「アタシも!新しい戦隊が始まるから、一緒に頑張るぞーっ!」

ちひろ「ふふっ、そっか。頑張ってね」

紗南&光「うん!」

紗南「……あのさ、ちひろさん」

ちひろ「ん?」

紗南「……Pさんは?」

ちひろ「……ああ、Pさん……Pさんなら、事務所の大画面のテレビで……」

紗南&光「?」




ちひろ「……ポケモンしながらポケモン観てるわ」

紗南&光「!!!?」

sssp://img.2ch.net/ico/buun2.gif
>>91
立て直しなので……

市原仁奈「プロデューサー……ルカリオは消えちまったんですか?」 ぐすん

P「グスッ……ルガリオはね…ルカリオは……友達の所へ行ったんだよ……グスッ」

仁奈「そうでいやがりましたか……」


ピコピコ

P「あ、仁奈、そこなんか洞窟みたいなんあるぞ。そうそこ。入ってみろよ」

仁奈「ここですか?はいりやがればいいんですね?」

ピロリピロリピロリピロリ

仁奈「あ、野生が出やがりました」

P「お、またか」



紗南「……」

光「……」


紗南&光(9歳児とポケモン観ながらポケモンしてる……)

P「……! …よっ紗南、光」

光「うん、おはようプロデューサー!!」

紗南「……おはよ、Pさん」

P「……」

紗南「……」

P「いやー俺さ、紗南に貰ったポケモンやってみたんだけど、これが結構面白くってな!」

紗南「…そっか。良かったよ。うん、良かった!」

P「おう。で、ある日事務所でやってたら仁奈が、『なにしてるんでごぜーますかー?仁奈も混ぜてやってくだせー』って」」

紗南「あはは、じゃあ断れないね!」

光「子供の頼みは断れないもんな!」

P「というか、仁奈の頼みが断れないよな!」

紗南「うん、仕方ないね」
光「仕方ない」
P「しゃーない」
仁奈「しゃーないでやがりますよ」

グリグリ

仁奈「あぅー…やめやがってくだせー!」

P「で、仁奈にポケモンプレゼントして一緒にやってるって訳だ」

紗南「そうだったんだね。でも気をつけてね。9歳児を抱き枕代わりにしてポケモンやってる大人とか絵的に完全アウトだよ」

P「うっ……早苗さんには内緒にしてくれ。妙な抱き心地が……実際さっき杏に捕まってた仁奈を救出したばかりだが、こう、妙なフィット感が…」

紗南「あはは、わかった」

光「仁奈!楽しいか!?」

仁奈「楽しーですよ!……でも、ピカチュウがでねーでいやがります」

紗南「……」

仁奈「……仁奈は困りやがりました……」 ションボリアン

紗南「……」

P「……」

P「紗南、仁奈にピカチュウがどうすれば手に入るか教えてやってくれないか?」

紗南「えっ…」

P「それぐらいなら、いいだろ?」

紗南「……」

仁奈「紗南おねーさん知ってるでいやがりますか?教えてほしーでごぜーますよ!」

紗南「……」

光「……」


紗南「……うん、いいよ!仁奈ちゃん!いっしょにポケモン、やろ!」

紗南「まずはねー…ちょっと貸してね。図鑑に見つけてるか見せてね」

仁奈「いいでやがりますよ」

紗南「んーっとねー……まず……――」

貼り忘れていましたm(_)m

南条光

大石泉

市原仁奈

光「……」

P「……ポケモンやってみたんだ」

光「え?」

P「……とりあえずストーリークリアしたメンツでオンライン対戦に潜った」

光「えっ」

P「ヤムチャ視点だったよ」

光「?」

P「アンギラスがとりあえずツッコんだら周り皆ゴジラでした的な」

光「……そっかー…」

P「……」

光「……」

P「……」

光「……」

光「あっ…アタシは、アンギラスはよく頑張ったと思うぞ!」

P「……うん、アンギラス頑張った。頑張ったよ」

光「……」

P「トドメ刺せるのにわざと刺してこないガイガンと3回当たってやめちゃったけど」

光「……」

P「……悔しかったよ。やっぱ、な」

光「……」

P「というかアレだ。男はな、負けたくないって気持ちが強いようにできてるんだよ。いや誰でもそうだけど、特に野郎はそうなんだ」

光「……そうなのか」

P「……おう」

P「どんな形でアレ負けたのは悔しいわけだ」

光「うん」

P「対戦用のポケモンを育てようと考えた」

光「……うん」

P「挫折した」

光「早い!!?」

P「まず厳選に挑戦する事が頭をよぎった」

P「その瞬間社会人にはまず無理だという事に気づいた。紗南みたいな学生とか、自由時間が多い職についてないと無理だ」

光「そ、そっか」

P「……というか俺はポケモン逃がせない人だった」

光「……そっか」

P「うん。昔見たアニメのヒトカゲを思い出すとつい、な」

光(……人影?)

※イメージ

小梅『あ……あの子がいます……!いっぱい……!!』

P「俺は気づいた。やっぱり遊び方なんて人それぞれで良かったんだ!」

光「うん」

P「というか、対戦は向いてなかったみたいだ。ポケモン育てるよりお前らプロデュースしてる方が楽しかった」

光「うん!」

ちひろ(いやポケモンの方が楽しいとか言われても困りますけどね)

P「ストーリーを進めるだけでも結構楽しめたし、俺にはそういう遊び方のほうが向いてた。で、クリアしたんだからって仁奈にあげたんだ」

光「そうだったんだな」

P「おう。……仁奈とポケモンやっててさ、ちょっと思うところがあったから」

光「……?」

P「紗南にも、それが伝わったらいいな、なんて思って、な」

仁奈「人からもらったピカチュウでごぜーますか?」

紗南「うん。ていうか、交換ね。……嫌だった?」

仁奈「嫌じゃねーです!このピカチュウ、誰から貰ったんでいやがりますか!?」

紗南「んーっと、おっ!ギリシャの人だね!外国だよ!」

仁奈「外国の野郎がくれたんでやがりますか!?お礼をいわねーとですね!」

紗南「……うん、そうだね。仁奈は偉いね」

仁奈「へへーんでごぜーます!」

紗南「……」

仁奈「紗南おねーさん!仁奈のポケモンはつえーですよ!見やがりますか!?」

紗南「……うん、見せて見せて!」

紗南「……」

仁奈「どうでいやがりますか!?」

紗南「……」

仁奈「すげーでしょう!」

紗南(はは……技スペース秘伝技で埋まっちゃってるのばっかり……)

仁奈「このこはですねがんばりやでいやがるんですよ!」

紗南(がんばりやな性格……ははっこれじゃ対戦じゃ使えないね……)

紗南(そもそも努力値も降ってないだろうし……)

紗南(ははっ……こんなの全然対戦で使えないや……)

紗南(……)

仁奈「紗南おねーさんがくれたピカチュウ……名前がよめねーですけど大事にするですよ」

紗南「……」

仁奈「?」

紗南「……仁奈はさ、ポケモン、好き?」

仁奈「はいです!仁奈はポケモンすきでやがりますよ!」

仁奈「ポケモンキグルミが欲しくなってしまいやがりました!」

仁奈「そうすればいつもポケモンと一緒にいれるでごぜーます!」

紗南「……」

仁奈「? 紗南おねーさん?」

紗南「……」ジワッ

仁奈「!?」

紗南「……あ、ごめんっごめんね仁奈ちゃん!あたし、ちょっとなんか、色々考えちゃってさ」

仁奈「?」

紗南「うん……あたしダメだ!うん!」

仁奈「?」

紗南「仁奈!他に欲しいポケモンや、わからないこと、ある?あたしが助けてあげる!」

仁奈「ホントでいやがりますか!ありがてーです!一緒にポケモンやるです!」

紗南「! ……うん!やろ!一緒に、ポケモン!!」


P&光「……」クスッ

数日後……


ピコピコ

紗南「……」ムゥ~…

P「……よっ!紗南、光、何やってんだ?」

光「あ、Pさん!」

紗南「あ、Pさん!おはよう! ……へへっ…ちょっと、ポケモンB2やってるんだ。仁奈ちゃんとやってたらさ、またやりたくなっちゃって」

P「……続けるのか?前もらったの返したほうがいいなら、仁奈にあげた奴以外返すよ」

紗南「ううん、いいよ。あれはあげたの」

P「……じゃあ、もらっとくよ」

紗南「……うん」

P「今何やってんだ?」

紗南「ランダムバトル。マイオナパーティでレートに潜ってやってんの」

P「…へー…戦績は?」

紗南「んー8敗5切断」

P「どんだけゲームやって……つか切断って……回線切られたのか」

紗南「まぁね。いや~強いってのも困り者なんだよね」

P「……おっ、お前エビワラー入れてんのか?」

紗南「うん。ほぼ役に立ってないよ。邪魔だね」

P「」

紗南「あはは。嘘だよ。さっきヤドラン倒したんだ。すごいでしょ」

P「マジかよすげぇ」

紗南「麻痺強いよ」

紗南「……厳選ってさー、不公平だよねー」ピコピコ

P「……んんー?」

紗南「時間が無いとできないもん。学生やニート専用だね」

P「……お前はいいよ」

紗南「なんで?」

P「学生じゃないか」

紗南「ははっ そうだね」

杏「ニートは?」

P&紗南「ニートはしらねぇ」

杏「えー」

紗南「……でもやっぱあたしは乱数はしない事にしたよ」

P「まぁ、人それぞれだからな」

紗南「……んー、車がほぼ確実に通らない道路があるとするじゃん?」

P「……おう?」

紗南「目的地に向かう時にそこを通るとしてさ。そこの歩行者信号が赤になったら、Pさんどうする?」

P「……急いでるかによるけど、俺は個人的にそういう時は信号を守って立っとく派だな」

紗南「あたしも。確かに渡っちゃえば時間の短縮にはなるけど、なんだか今までやってきた事に対してさ、後ろめたい気がするし。
あと、『そこまでして』なんて、やっぱ思っちゃうからね」

P「……」

紗南「……厳選はしたのにね。ははっ」

紗南「あ、今の信号はさ、プレイスタイルの例えで…うーんと、なんていうか」

P「わかってるわかってる。大丈夫だ。まぁ、どうせ目的地が一緒なら、過程をゆっくり楽しんだっていいわな」

紗南「……うん。そう思うよ」

紗南「…それが、あたしの歩き方。一応、誰にも迷惑かけてないよ、ね?」

P「……ああ、かけてないと思う」

光「……」


P「……前の話さ、紗南が迷惑かけて無いつもりでも、不快に思う人がいたのかもしれない」

紗南「え?」

P「思ったんだ。なんで紗南があんな酷い事言われなきゃなんなかったんだろって考えた時にさ。
『効率よく』、『より強いものを手に入れる』、それを追及することこそが『本気で勝ちに行く事だ』って、そう考える人とかがいるのかもしれないなって」

紗南「…あたしだって、勝ちたいと思ってプレイしてるよ?」

P「わかってるよ。それは、『意識』の違いだと思ったんだって言いたいんだ」

紗南&光「意識?」

P「ああ。例えば、千秋と笑美、この二人はアイドルをやる『意識』が違うんだ。
千秋はストイックに上に行く事、自分を高める事を主眼にしてる。それに対して笑美は、楽しませる事、楽しい事に主眼を置いてる」

P「アイドルに取り組む意識が、この時点でもう違うだろ?」

紗南「……うん」

光「……意識…か…」

P「ポケモンは、それこそ本当に『意識』が違うんだと思う。
勝率や、勝ち数、所謂レートを気にするような、とにかく『勝つ』事に主眼を置いた人たちには、『好きなポケモンを使いたいだけ』って言う人や、『非効率な方法でゲームをする人』が理解できなかったり、言ってる事が信用できないんじゃないかと思う」

P「『本気で勝ちにいこうと思ってるならそんな風にはしない筈だ』、『負けたときの言い訳に違いない』、そう思っちゃうんじゃないか、って」

紗南「……一理、ある……かも」

光「でも、ゲームならさ、『楽しく遊びたい』って思ってやる人、普通にいると思うぞ」

P「きっとそうは思わないんじゃないかな。始める意識から、きっと違うんだと思う。勝つためにポケモンをやってる人と、楽しみたいからポケモンをやる人、多分この時点でそうとう違う」

P「他にも、ポケモンは大して好きじゃないけど対戦のシステムだけ好きって人も、もしかしたらいるかもな。そうだったらもっと意識の違いは顕著になるな」

P「さっきの、回線切断の話もそうだけど、勝ちたい余りそういう事が起きる。負け点がつくのが嫌だったりな。んで、勝ちに拘るからこそ拘らない他人を非難する」

P「負けたくないって気持ちはとにかく大事だ。人生何事においてもな。アイドルだってそうだろ?」

紗南&光「……」

P「でも、こんな風に傷つけあうようになるんだったら、考えなくちゃいけない事があるんだ」

P「紗南は、まだポケモンとかの対戦ゲーム、続けるのか?」



紗南「……勿論!やっぱり大好きだし、何よりあたしはゲーマーアイドルだもん」

紗南「好きなことで、こんなことで気持ちが負けちゃうのはやだ」

光「…っ!紗南!」ジーン

P「……そっか。じゃあお前に守って欲しい事が、一つだけある。大人としてのお願いだ」

紗南「…うん?」


P「負けも含めて、楽しんで欲しい。勿論勝ちを目指していいんだ。ただ、負けるのが嫌な余りに、勝ちに拘る余りに、人を傷つけるかもしれない事を言う事だけは無いようにゲームをして欲しい」

紗南「……うん」

光「……」

P「これは、まぁ…大好きなアイドルに、そういう事言って欲しくないっていう1ファンの意見…というか、願望みたいなもんでもある。……わがままともいう、な」

紗南「……っ!」

紗南「……心配しなくてもいいよ、Pさん!あたしはもう、そういうので悩んだりそういう事言ったりしないよ!……皆で楽しくできるようにって、自分に決めたんだ!」

P「!」

光「~~~っ!!紗南っ!!」 ガシィッ

紗南「わっ! お~よしよし光ちゃん」

P「……そっか」

紗南「うん。ゲーマーアイドルだからね。他の人に恥じるプレイスタイルは、できないもんね!」

P「紗南……」


P「……立ち直れて良かったよ。ホント」

光「うん!レッスンとかもずっと不調だったから、アタシ本当に心配したんだ!」

紗南「光ちゃん、Pさん、ホントに心配かけてゴメンね。あたしはもう大丈夫だから!!……仁奈や皆が、元気のかたまりくれたから!!」


紗南「もう安心して!ゲーマーアイドル、三好紗南!! 皆のおかげで元気に復活だよ!!!!」

紗南「……ねぇPさん!ポケモンやろ!」

P「いいけど俺弱いぞ?一番強いエンブオーはかいりき覚えてるぞ?」

紗南「いいよそんなの!あたしも旅パで行くよ!肝心なのは、楽しむ事!!その後は光とクライマックスヒーローズやりたい!!」

光「!! うん!やりたい!一緒にやろう!!」

紗南「うん!その後は……仁奈にプリンとピッピをあげるんだ!」



紗南「……ねぇ、Pさん」

P「……んー?」


紗南「へへっ……ゲームってやっぱさ!」

紗南「すっっっごい、楽しいね!!」



終わり

ここまでです。以前も今回も、読んでくださった方、猿避けや支援をしてくださった方、本当にありがとうでしたm(_)m
長くなりそうな奴は速報にというアドバイスをいただいたので、次からはそちらに行くつもりです。
本当にありがとうでしたm(_)m

おまけ


P「イチドモカテナカッタ」

ちひろ「……おつかれさまでした」クスッ

P「ちひろさん……ありがとうございます」

ちひろ「ハイ、コーヒーです。……皆の精神面のケアまで、ホントに大変でしたね。……元気になって良かったです」

P「……そうですね。泉もずっと気にしてたみたいで、ようやく楽になった顔してくれましたよ」


P「……ちひろさん」

ちひろ「? ハイ」

P「……大人は難しいですね…子供の前で背伸びするのって大変です」

ちひろ「……違いといえば数年長く生きてるだけですから、無理も無いですよ」

P「……お手本になろうとか、見損なわれないようにとか、変に意識しちゃいましたよ。……教師とかにならなくて良かったです」

ちひろ「…でも、立派だったと思いますよ。貴方はちょっと過保護すぎる気もしますけど」クスッ

P「あはは……すいません」

ちひろ「でも」

P「?」

ちひろ「……多分、紗南ちゃんは、嬉しかったと思いますよ」

P「……ですかね」

ちひろ「はい」クスッ

紗南「……」ジーッ

光「どうしたんだ紗南?こんな所に隠れて」

紗南「……光ちゃん、恋愛ゲームやったことある?」

光「レンアイゲーム?ううん、無いよ」

紗南「そっか……あたしね、今好感度MAX状態なのよ」

光「? そ…そうか」

紗南「……フラグはバッチリ立ってるのよ」

光「? うん?」

紗南「……あの二人、いっつも仲良さそうだよね」

光「ちひろさん?あの二人は付き合い一番長いからな!ずっと仲間だったわけだし良いと思うぞ!」

紗南「……」ムーッ…

光「……?」



紗南「……よぉーし」


紗南「絶っ対に、こっちだって、クリアして見せるんだから!!」

光「? よくわかんないけど、頑張れ!」

紗南「うん!」




終わり

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