幻想郷のSOUL CATCHER(s) (551)

現在週間少年ジャンプで連載中の漫画、SOUL CATCHER(s)をオマージュした東方Projectの二次創作ssです

なので本来無い設定がキャラに付いたり、また、>>1に二次創作程度の知識しかないのでキャラ崩壊に注意(訂正してくれると有難い)

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1390836862

支援するしか ないだろ!!

さとり「…ふぅ」

さとり「読みたい本もほとんど読み終えて、暇になってしまいましたね」

さとり「何か書きたいという気分でも無いし……」

さとり「……」

さとり(そういえば最近は、こいしもペット達もよく地上へ遊びに行ってるみたいね)

さとり「たまには地上へ行ってみるのも悪くはないかも……なんて」

さとり(地底の住民でさえ私を敬遠するというのに……いえ、露骨に嫌われてましたね)

さとり(忌み嫌われて地底へ移った私が地上へ行こうだなんて、何を考えているのでしょう──)

【人里】

さとり「来て、しまった」

今日の私はどうしてしまったのでしょうか。地霊殿に居る時でさえ外へ出る事はほとんどなかったというのに、まさか地上へ出て人里まで行く行動力を見せるだなんて

さとり「しかし、せっかく久々に地上へ来たのですから、冷やかしでもしていきますか。ついでにめぼしい本があれば買って帰りましょうか」テクテク

男「なぁ女、この後暇だったらどっか寄って行かない?」

さとり(ムダですよ。彼女の心、完全に閉じてますから)

女「ゴメーン、今日親の手伝いしなきゃいけないからもう帰らないと」

女2(男くん……)

さとり(それ見てもう一人が傷ついてますし)テクテク

やはり人が多い場所へ行くと多くの心に触れてしまいますね。幸い悪意を向けられてはいないですが──

さとり(……)

私の正体がバレたらその悪意を一斉に浴びることになる。
こいしはその重圧に耐えきれずに自身の能力を、第三の目を閉ざしてしまったけれど、私だって本当はそんな嫌な思いをしたくはない。この目を閉ざしてしまいたい。

さとり(……嫌な事を考えてしまいました)

さとり(心なんて無い場所へ行きましょう。……里の外れなら、誰もいないかしら……)

───

【里の外れ】

~♪

さとり(ダメだ、誰かいる……)

~♪

さとり(一人で演奏しているの? 他でやって欲しいのですが)

~♪

さとり「……何か、よくわからないけど」

さとり「いい 音ですね──」

~♪♪♪♪

さとり「!!?」

~♪

さとり「……!?」

さとり(何? 今の……確かに今……音が……)

~♪

さとり(向こうのヒト……一体……)

~♪

さとり(何を……したの?)ザッ

リリカ「!」

さとり「あの……今の──」

リリカ「しまった! 遅れる!」

さとり「あっ、ちょっと待って!」

リリカ「ゴメン!急いでるの!」

さとり「貴女の音… それ……」

リリカ「音が聞きたいなら」ピタ

リリカ「里の広場に来なよ」

とりあえずここまで。
導入はオリジナルにならざるを得ないから書き溜めての投下
あとは単行本見て改変すれば楽勝だろwww
とか思ってたけどかなり時間かかるね。明日以降は遅筆

このssはグッドじゃない。最高!
以上!


乙でした。次も期待
スレタイからじゃ原作1話のコミュ症こじらせた神峰っちゃんが幻想入りするのかと思ったが違ったようだ。だがこっちも面白そうだ

漫画は知らないけど、さとりんが主人公なら珍しいし見ようかな

支援&期待ありがてェス

>>9
そのアイディアもあったけど幻想入りネタならニコニコに任せる事にした
まぁ小ネタでやろうとは思ってるけど

>>10
これを読んで興味がでたら漫画を読んでくれると嬉しい。このssよりも何倍も面白いから

ソルキャの方々は今週スタンドバトルおっ始めたから弾幕ごっこも出来るんじゃなかろうか

さとり「え?」

───



【広場】

さとり(ふむ……)

さとり(ビッグバンド……吹奏楽でしょうか……?それともジャズ?)

さとり(しかし観客も多いですね……)

なのにどうして……? ここに来てしまった……
何かに引っ張られるみたいに……
強い心に残って離れない、「何か」に──

指揮棒が振るわれ演奏が始まる

♪幽霊楽団~Phantom Ensemble

さとり「!!!」

さとり(くっ……空気が震える!)

さとり(お腹の底に振動がズンズン来る! 音が空間を揺さぶっ──)

違う

さとり(嘘でしょ? そんな……!)

さとり(こんなことって!)

さとり(音が!!)

さとり(心を揺さぶっている!!)

さとり(傷ついた心を癒し、閉じた心を開いて──)

これは……この音はまるで 手!!

さとり(心を直接掴んで、動かしている!)

これが生演奏の迫力なの!?
……いや……この「手」には核がある
この「手(おと)」を出せるのは実は一人で……大勢でその力を増幅させているように見える!

さとり(私は知っている)

さとり(その核が誰なのか……!!)

リリカ「♪」~♪

さとり(あのコの音は、人の心を掴む!)

さとり「……」

さとり(……?)

───



団員「リリカ!今日良かったよ!ソロ!」

リリカ「!」

団員s「さすが白玉楼に呼ばれて演奏を披露してる騒霊!」

団員s「ウチの楽団のオールラウンダーなだけはあるね!」

リリカ「いやー、私なんて……」

さとり ガシッ

団員s「!」

団員s「な……なんだろ急に!?」ヒソヒソ

さとり(好奇心を向けられててる……こうなるのは分かってたからやりたくなかった)

さとり(逃げたい……)

さとり(でも今は……彼女を逃がしちゃいけない気がする)

さとり「あなたの心を掴む手みたいな音、どうやって出したの?」

リリカ「は!?心を掴……手!?何のこと!?」

自覚が無いですか……無意識なんだ
自分がいつ誰を感動させているかまでは把握できてないみたいですね

さとり(だから……かしら……?)

団員s「重度のファンだね、心奪われたって言いたいんだよ!」

さとり(確かに凄い「音」でしたけど)

公演では沢山の心を掴んでいたのに、私は掴まれなかった。
同じ音でも里の外れで聴いた時とは何か違う……
きっと感動していない人が分からないから──

さとり「音 届かない人が出てくるのですね……」

リリカ「」

リリカ「アナタ……今何て言った!?」

リリカ「何でそれを知ってるの!? 」

リリカ「確かにいるの!私の演奏を届けたくても届かない人が!!」

リリカ「どこでそう思った!?私の演奏の限界を見抜いたの!?」ユサユサ

さとり「そっ……そんなの見抜けませんよ!」ガックンガックン

何なんでしょうか……?
里の外れの時から気になっていましたが

さとり「他人の心を掴んで感動させられる音を出せるのに、貴女の心」

さとり「今にも潰れそうなくらい」

さとり「悩んでいる」

リリカ「……」

リリカ「みんなゴメンね、先に帰るよ。えっと……」

さとり「古明地…さとり」

リリカ「私はリリカ」

リリカ「今から行く所、ついてきてくれない?」

さとり(病院ですか……)

───



【永遠亭】

リリカ「ミスチー、来たよ」ガラ

ミスティア「」

さとり「!!」ビクッ

さとり(この子……これは……この心は……)

さとり(心が深く沈んでいる。絶望している)

さとり(……?)

リリカ「どうしたのさとり?」

さとり ハッ

リリカ「この子はミスティア・ローレライ」

リリカ「最近、音楽をやっていて知り合ったんだ」

リリカ「今日も一曲聴いてよ、ミスチー」

リリカ ~♪

~♪

心を掴む彼女の音が……水の上を撫でるだけで全く届いていない……

リリカ「聴いてくれて……ありがとう」

───



【帰路】

リリカ「ミスチーは声が綺麗で歌もスゴく上手いの!」

リリカ「ミスチーの歌とセッションしてさ!楽しかったなー」

リリカ「私もミスチーの綺麗な声に負けないくらい上手くなろうって頑張ってた」

リリカ「……なのに」

リリカ「ある日突然、ミスチーの声が出なくなった」

リリカ「手術をしてもリハビリを続けても、一向に声が戻らない」

リリカ「歌えない苦しさ、元の綺麗な声に戻れるかわからない不安で」

リリカ「こころが『治そう』って力を失くしてしまったの」

リリカ「医者も、本人に治る気がなかったらどうしようもないんだって……」

リリカ「だから思ったの。私の演奏でミスチーを救うんだって」

リリカ「ミスチーのためにもっと上手くなって「このメロディと一緒に歌いたい」って気にさせてみせるって……」

リリカ「でもどんなに上手くなっても、たとて何百人が感動してくれても、一番届いて欲しい人に届かない音なんて

意味がない!」

さとり(これが……彼女の心を潰した悩みですか……)

リリカ「……もう限界だ」

リリカ「決めてたんだ……今日ダメだったら、音楽やめるって」

さとり「!!」

リリカ「周りはチヤホヤするけどアナタが初めてよ「悩んでる」って言ったの」

リリカ「私、無理してるように見えた?」

心に関わると碌なことが無い……
こういうのは見て見ぬフリをして逃げるしかありません。ずっとそうしてきましたし、私には何も出来ませんから

だけど……今は、今だけは

さとり(それじゃ、ダメだ)

さとり「やめないで下さいリリカ」

さとり「私が困ります」

リリカ「!!」

リリカ「何でアナタが……関係無いでしょ」

さとり「あの子は、生きてる意味が分からなくて、暗くて深い絶望の海の底に沈んでいます」

さとり「だけど最後に残された希望にしがみつくように、貴女の音(たすけ)を求めています」

リリカ「アナタにミスチーの何が分かるのよ!!何が私の助けよ、人の気持ちも知らないで!!」

リリカ「頭おかしいこと言わないで!!」

当然の反応ですね……(人の気持ちはわかりますけど)
心の状態をバラすと人は怒る……
だけど

さとり「貴女の音が人の心なんか掴むから!!」

さとり「言っているんです!!」

さとり「貴女の音に掴まれて、貴女の音が他人の心を変えるのをみて、生まれて初めて思えました」

さとり「ああいうのが見れるなら、こんな要らない目を持って生まれてきた意味も、少しはあるのではないかと……」

さとり「唯一あの子のSOSに気付いている私が逃げたら、それで貴女が音楽を捨てたら!」

さとり「あの子の心は一生海の底!貴女の心も一生潰れたままです!」

リリカ(さっきから何の話?心がどうとか……目とか海とか……ワケがわかんない……)

リリカ(でもこの人は初対面なのに誰にもわからなかった私の悩みを見抜いた……)

さとり「……もう一回だけでいいですから、明日、あの子の前で演奏してくれませんか?」

さとり「私には変えられませんけれど……」

こんな事も、生まれて初めて言う

さとり「せめてあの子の心と目をそらさず向き合いたい」

よし、とりあえずここまで
オリジナリティ入れようとしたらほとんどパクリになってワロエナイ
これ大丈夫なのか?
神峰っちゃんもこんな気分だったのか

ちなみにリリカはwikiによると楽器全般出来るそうなので、楽団ではキーボードを使わない時は基本的にサックスパートに、もしくは人手不足のパートに補充要因として入ってる設定ね>オールラウンダー

このSSは……何だ?
とても稚拙だ…
物書きを覚えたてで、原作をなぞることしかやっていない文章だ…

しかし…

だが…

だけど……


非常に

魅力的だ

>>27
じゃが……
実は初ssなのでな

───



【永遠亭】

さとり(う……)

さとり(昨日はああ言いましたけど)

さとり(あの心は見てて辛いですね……)

リリカ「さとり。今日演る曲の楽譜よ」

リリカ「ミスチーと私がセッションする時は必ずやる曲で……」

さとり「読めないので結構です。知らない曲ですし……」

リリカ「あ……そう?」

リリカ(昨日はもしかしてと思ったけど、やっぱり信じられないわ)

リリカ(心が『見』えるなんて……)

さとり「いえ、『見える』のではなく『読める』のです」

リリカ「!?」

リリカ(も……もしかしてさとりって──)

さとり「はい。私は覚りの妖怪ですよ」

リリカ「」

リリカ(な、何はともあれ今は演奏に集中よ……!)

さとり「お願いします」

♪夜雀の歌声~Night bird

リリカ ~♪

さとり(周りの心は掴んでいるのに)

さとり(あの子の心には届いていない)

~♪

さとり(不思議なことに、私にも来ない……)

~♪

さとり(昨日と同じですね……きっとあの子も演奏会に来てたら掴まれなかったかも……)

~♪

さとり(ではどうして私は……里の外れで聴いた時は心を掴まれたのでしょう?)

~♪

さとり(そもそも、何故彼女はあんな所で弾いていたのでしょうか……?……って)

さとり(あの子に関係しませんね。ちゃんと心を見ないと)

~♪

さとり(すぐに逃げる癖が出ますね)

~♪

さとり(……? 逃げる?)

~♪

──心なんて無い場所へ行きましょう。……里の外れなら、誰もいないかしら……

さとり(まさか、アレって違いなのかしら?)

~♪

さとり「リリカ、弾きながら聞いて下さい」

リリカ「!?」

~♪

さとり「貴女の今の音……なんだかグネグネしているように見えるのですが……」

さとり「演奏会の時もそうでした」

~♪

さとり「だけど里の外れで聴いた時は何と言うか……真っ直ぐでした」

さとり「何か違いがあるのかしら?」

リリカ(グネグネとか真っ直ぐとか何言ってんのよ!いつでもどこでも同じように……)

~回想~

──なんかさぁ、余計なこと考えてない?

ミスティア「そういう邪念の入ったリリカの音キライ!」

ミスティア「何も考えずズバッとストレートに!」

ミスティア「その方が騒霊らしいし、リリカらしくてあたしは好きだよ」

───



~♪

リリカ(全く気付かなかった……ミスチーの為って思う事も……プレッシャーになっていたの!?)

リリカ(確かに……誰も居ない所へ行ったのは、何も考えたくなかったから──)

~♪

リリカ(楽器の演奏は心情の差が出るけど……素人に気付かれちゃったか)ニッ

~♪

リリカ(なんか……力、抜けてきた!!)

~♪♪♪♪

さとり「!」

さとり「それですリリカ……!」

さとり「何も考えずに、真っ直ぐ深く! 突き刺して下さい!」

さとり(……動いた!!)

リリカ「!!」

ミスティア ポロポロ

リリカ(ミスチーが!! 泣いてる──!!)

リリカ(さとりの言う通りにした途端だ……)

さとり「まだですリリカ! 気を抜かないで下さい」

リリカ ビクッ

さとり「ずっと隠してた悲しみが表にでただけですよ」

ミスティア(相変わらず……この部分は雑に弾いてるのね……)

さとり(!)

さとり「リリカ、そこはもっと一つ一つ丁寧に弾いて下さい」

リリカ「!」

リリカ(どうして知ってるの? ここは苦手で雑にする癖があるのを)

さとり「そうではありません!もっと速く正確に!」

リリカ(この曲はミスチーと2人で何度も演った曲よ!)

さとり「───!」

リリカ(しかもさとりは楽譜読めないんだ!)

さとり「~~。」

リリカ(なのにさとりの言う通りに弾くとどんどん演奏が良くなる!)

さとり「……!」

リリカ(演奏者のメンタルから曲の構成まで的確に見抜く!!)

リリカ(これはまるで……)

リリカ(ゴメン、ミスチー……アナタを助けるつもりがさとりのお陰で)

リリカ(やっと思い出したよ、大事な事を、)

リリカ(これが、私の音だ!!)

リリカ(取り戻した!!もう失くさない!!)

リリカ(だからもう、帰っておいで!)

さとり(!! 心が!再び閉じてしまう!曲が終わるのね……)

さとり「ラストですリリカ! 貴女の音で!」

さとり「心を!掴んで!」

リリカ(私の音!? 違う!!)

リリカ(ここまで導いたのは、お前よ!!!)

私"たち"の、音だ!!!



観衆 ワーッ!!

さとりリカ「はっ」

リリカ(曲終わってた……夢中で気付かなかった)

リリカ(! ミスチーは…!)

リリカ「ミ……、!!」

ミスティア「リリカ……」

リリカ「ミスチー……!?アナタ……声が…出」

ミスティア「あたし……がんばるよ……」エッグエッグ

ミスティア「やっぱりわたし……歌いたい……!!」ウエェェン

リリカ「声が出たんだ、もう……大丈夫」

パチパチパチパチ

さとり「……」

───



【帰路】

リリカ「ミスチー、リハビリ頑張ってるよ!すごく順調だって」

さとり「よかったですね」

リリカ「ねぇさとり」

リリカ「私と一緒に、音楽やらない?」

さとり「!!」

リリカ「私には誰が感動しているかわからない」

リリカ「アナタが私の"目"になって!私の音が届いてない人を見つけ出して欲しい!」

リリカ「だから私たち演奏者をまとめ導くウチの楽団の……」

リリカ「指揮者になってよ!!」

さとり(音楽……? 私が……?)

不謹慎だから彼女には言えませんが……だから……なのでしょうか…?
リリカがあの子の為に必死になっている最中なのに……私は……

震えるほど 楽しかった……!!

さとり(でも……)

さとり「……心を掴んだのは貴女の音ですよ」

さとり「私は彼女の求める音を貴女に演奏させただけ。私なんて必要無いでしょう?」

さとり「それにいきなり指揮者になれ……なんて」

さとり「確か……皆にダメ出しとかする……音楽を知り尽くしてなければいけなモノでしょう?」

リリカ「音楽知識なら後からいくらでも勉強出来るわよ。いい、さとり? 指揮者とは!」

リリカ「感動!歓喜!癒し!決意!勇気!再起!生きる力を!観客の心に届ける為に」

リリカ「音楽をまとめ上げ完成させる者よ!」

リリカ「他人の心に触れて苦しんできた、アナタにこそ相応しい……!」

さとり「……」

さとり「観客の心を読んで求める音や感動を届けられるなんて最強じゃん!是非ウチに欲しい、ですか」

リリカ「」ギクッ

リリカ「アハハ……でも一緒に音楽をやりたいのは本心よ?」

さとり(こいし……)

さとり「あまり私を……買い被らないで下さい」

リリカ「!」

さとり「この目はそんなに良いモノではありませんし……もう忘れて下さい」

リリカ「『忘れろ』!?そんなことできるか!!」

リリカ「だって私はあの時!アナタが必死になっているのに──」

さとり「死ぬほど楽しかった、ですか」

リリカ「」ズルッ

さとり「不謹慎だから言わないようにしてましたけど、私も……本当は楽しかったですよ」

さとり「友達になりたい? それは有難い申し出なのですが……」

さとり「えっ?私の為に演奏をしてくれるのですか?私が観客としての最後の演奏ですか……分かりました」

さとり「ではお願いしましょう」

リリカ「あ、あのねぇ……そんなに先回りするから嫌われ者になるんじゃないの!?」

さとり「そういう性分なので。すみませんね」

リリカ「人の話は最後まで聞いてから返事してよね!ヒトの言葉の先回りしちゃいけないってカウンセリングの基本じゃない!」

さとり「私はカウンセラーではありませんので……」

リリカ「じゃあこれからは分かってても話は最後まで聞いてから喋ってよ」

さとり「……わかりました。努力しますね」

リリカ「……じゃあ、演奏始めるわよ」

さとり「お願いしますね」

♪少女さとり~3rd eye

~♪♪♪♪

さとり(忌み嫌われた私と友達になりたいだなんて)

~♪

さとり(本当に有難い、嬉しい申し出ですね)

~♪

さとり(その気持ちには嘘も下心もない。本心なのでしょう)

~♪

さとり(貴女にも、友達なんてほとんどいないのに、どうしてそんなに真っ直ぐ言えるんでしょうね)クスッ

~♪

───




リリカ「……」

さとり「正直、もう他人とは関わりたくありません」

さとり「……けど」

さとり「ミスティア(あの子)に起きた事がただの奇跡ではなく」

さとり「貴女の音を導くことで……また見られるのなら…!」

さとり「貴女と演る音楽なら」

さとり「悪くは無いですね」

リリカ「……ようこそ。ウチの楽団へ」アクシュ

リリカ「善は急げよ!入団許可を貰いに行きましょ!」

……私は、とんでもない道に入ったのかも知れません
自分から心に関わっていく……おかしくなってしまうかも……
だけどその先に人の心を動かす喜びがあるなら

進もう──!

ここまで。また来るかも
いつの間にか酉取れてたけど人居ないし俺って分かるよね。IDコロコロ変わるけど

乙!
多くの人妖の心の共振現象を引き起こした先に待つ事とは……?

原作の展開は完璧だった
まず完璧(せんせい)の原作を土台にするのがいい
その中にほんの少しづつでも>>1との差を見つけられれば
そこから切り崩していけるかもしれねェ…!!


……自分らしさを全開にした>>1の続きに期待ッ!

ところでどこのキャラまで出る予定?心綺楼?輝針城?

>>45
それは原作が完結するまで俺にも分からん
ぶっちゃけこのssをどこで完結させようか悩んでる

>>46
ホントこれ。神海っちゃんの構成が完璧すぎて改変が苦しい。
特に一番面白い演奏シーンを変えなきゃいけないから辛い

>>47
メインキャラの割り振りはだいたいできてるからあとはモブをちょっと東方キャラに変えるだけ。
現在の予定では神霊廟まで。出して欲しいキャラがいたら物語と関連出来るなら調べて出すかも。キョクリス先輩どうしよう……
そして現在出る予定の無い霊夢と魔翌理沙……

───



紫「……とりあえず、ダメな理由3コ言っておこうかしら」

紫「楽器やるために集めた団体だし」

紫「責任重大な私の役目だし」

紫「初心者に音楽的指導は無理だし」

紫「何より地底の妖怪なんて誰が認めるのかしら?」

慧音「4コになってるぞ」

さとり「何とも……ならないですか」

慧音「……指揮やるために集めた団員なんていないしなぁ」

紫「指揮者は演奏者の心を繋いで一つにするのよ? 貴女に出来る?」

紫「ふざけてるなら、入団も認めてあげないわよ」

リリカ「ふざけてなんか、いませんよ」ズイッ

さとり「……!?」

紫「……昨日と今日じゃまるで別人ね……リリカ、どうしたの?」

紫「それに聴こえてたわよ……あの音…何アレ?」

紫「演奏会(きのう)とは比較にならない程、上手くなってるじゃない…!」

慧音「……確かに! リリカのあの音、初めて聴いたな……!」

慧音「魅力が増したというか……」

リリカ チラッ

紫(……ウソでしょ)

さとり(そう思われるのが普通でしょうね)

紫(他ならぬあの騒霊にここまで言わせる子なの……?)

紫(……)

慧音「折角の入団希望者なんだし、今は普通に入って楽器一つ始めればいいんじゃないか?」

紫「……そうね」

紫「一演奏者としての入団を許可します」

紫「……そして」

紫「指揮者としてやれるかどうか、テストしてあげるわ(もうすぐ冬眠しなきゃいけないし)」

さとり(……)ジト...

さとり「……ありがとうございます」

慧音「いいのか紫!?」

紫「慧音……この後のミーティング、二人も連れて行くわ」

慧音「!!」

慧音「そ……それはちょっと急過ぎじゃないか……?」

紫「どの道、指揮者やるなら避けて通れないわよ」

慧音「いや、だか……」

紫(わかってるわよ。でも冬場の代役は必要だし……なんだか面白い事になりそうだし)

さとり(……)

紫(それに……騒霊の音が明らかに違う。見極める必死はあるかも知れないわ……)

紫「──いい? これから貴女を"指揮者志望"として」スタスタ

紫「彼女達に紹介します」スタスタ

紫「指揮者は演奏者全員の心を一つにする」スタスタ

紫「私一人で決められることじゃないの」

紫「テストの条件はただ一つよ!」ガラッ

紫「各楽器のパートリーダー」

紫「全員に認められなさい!!!」

さとり「!!!」

~オマケ~

さとり「そう言えば、楽団楽団と言っていますけど、貴女達の楽団の名前は何というのですか?」

リリカ「えっ? うーん……私達プリズムリバー楽団を基にして集まってるからプリズムリバー管弦楽団……?」

慧音「八雲紫が集め出したから八雲管弦楽団じゃないのか?」

紫「幻想郷管弦楽団で良いんじゃないかしら?」


これも割とどうしようか……

さとり「古明地さとりです。指揮をやりたくて……入りました」

(??)

(エ?)

(ドユコト?)

(……)ボー...

歓迎ムードじゃ全然ありませんね……
それもそうですね……「素人が楽器じゃなくて指揮やりに入ってきた」のですから。
これを全部……味方にしなきゃいけないのですか……!

静葉「聴いたよぉ、リリカまた上手くなったのね」

妹紅「まさか今度の演奏会で指揮やらせるわけないでしょうね?」

紫「彼女は指揮者志望の普通の団員です。一度全パートを回ってやりたい楽器を決めてもらいます」

紫「パートリーダー(貴女達)との関わり方で素質を見たいだけ」

紫「…それで……最初はどこへ行く?」

さとり「そうですね……よくわからないですけれど……でも素人目に言えば」

さとり「アレ(打楽器)でしょうか。何というかその……申し訳ないですが」ピッ

さとり「言い方が悪いですけど、音出すだけなら……吹くよりは簡単……というか」

慧音「!」

さとり「私なんかでもできそう……なんて思──」

萃香「あ?」

さとり「すみません」

萃香「アンタ今何つった!? テキトーにやってもすぐ出来るっつったか!?」

萃香「パーカッション無くても世界は回るっつったか!?」

さとり「そんなこと言ってません!」

萃香「楽曲のリズム!! 更に雰囲気まで支配してるのがパーカッション!!」

萃香「明るい曲は陽気に!! 暗い曲は重苦しく!!」

萃香「魂込めないと務まらないよ!!」

さとり(よりによってこの方ですか!)酒臭い...

萃香「リリカが連れて来たから誰かと思ったら……まさかアンタだったとはね」

萃香「アタシゃ認めないよ。入団からやり直しな」フリフリ

この方は無理なんじゃ……もっと優しそうな人から……
違う。それじゃ今までと同じです
逃げたら心も何も変わらない。苦手も苦手のままだ──

さとり「そこを……何とか」

苦手な人にも関わるんだ!!

さとり「お願い、できないでしょうか!」

慧音「頼むよ萃香。初心者にも奏でやすくて吹奏楽入門に役立ってるのも打楽器の良さだろう?」

萃香「……アタシは忙しい。邪魔したら……すぐに追い出すからね」

慧音「萃香のパートは(とりあえずは)仲良いパートだから、気楽にやりな」

紫「明日は合奏やるから、用意お願いね」

紫「──解散」

ここまで。
例のごとくほぼパクり
導入だから下手に変えるのが怖い……パートの終わりの方が改変しやすいよぅ

>>53
Ringin Garden風の奴でいいんじゃないですかね

>>1はコレが初ssの
『この板の誰にも敵わねェ』初心者なんス
原作みたいにとか下手に変えるのが怖いとか
考えても仕方ねェんだ


乙でした。自分も何かソルキャのSS書きたくなってきた


で、これが能力バトルをしだすの?
登場人物達も大変な事で

暴君楽しみ

>>59
幻想郷だから……イマジンカントリー?それともフォガットヘブン?
っていうかウィンドフェス編好きだろ?最初からみてくれてる人だよね?
書いてよ(小声)

>>60
上でスタンドバトルとか言われてバトル漫画みたいな演出でファンからも吹争楽なんて揶揄されてるけど、あれは料理漫画のリアクションみたいなものだから能力バトルは行ないません
登場人物は大変だけど

>>61
すでに暴君が誰になるか予想できてるだろうけど胸の中にしまっといてね


すまんが今日は小ネタのみ

~小ネタ・楽団結成~

【白玉楼】

プリズムリバー三姉妹「♪」~♪

~♪

幽々子 パチパチパチパチ

幽々子「相変わらずのお手並みね」

幽々子「ねぇ、貴女達。私今度はオーケストラっていうの? 大勢での合奏を聴いてみたいわ」

プリズムリバー三姉妹「えっ?」

ルナサ「でも、私達にそんなバンドを組めるような楽器出来る知り合いなんていないし……」

メルラン「あら、面白そうじゃない?メンバーなら集めればいいじゃない!」

紫「楽器は教えればいいものね。だったら私も協力してあげるわよ?」

幽々子「そうよね! メンバーが欲しいなら妖夢を貸してあげるから!」

妖夢「はっ!? しかし……!」

幽々子「演奏するのは何時でも良いから、よろしくね!」

リリカ「まぁ……メンバーが集まるならいいかな……?」

───



───そして……

紫「ちょっと管楽器に偏り過ぎじゃないかしら……?」

リリカ「メルラン姉さんが張り切ったから……」

ルナサ「しかも管楽器を教える前提で……」

メルラン「人任せにして誰も集めなかったリリカよりマシじゃない?」

メンバー収集比率
紫2:ルナサ1:メルラン7:リリカ0

紫「とりあえずこの編成でやるとしたら……吹奏楽辺りね。」

紫「私が指揮者をしてあげるから、これから頑張って幽々子に聴かせてあげましょう?」


終わり

……果たして気楽にやれるでしょうか……?(というかとりあえずはってどういう意味ですか……)

───



ガチャガチャ

萃香「今日の合奏に必要な物を運ぶよ。アンタも手伝いな」

さとり(打楽器って種類多いですね。一人で何個もやるのでしょうか?)

さとり(割り振りも大変そうですね……)

さとり「コレは……木の棒?」キンキンキン

萃香「雑に叩くな。クラベス壊す気かい?」ズイ

さとり「すみません……」

───



さとり ガラガラガラ

萃香「引きずるな持ち上げて運べ!!」

さとり「ヒッ」

───



さとり グッ

萃香「そこを持つんじゃないよ!!」

さとり「ヒッ」

楽器触るのってスゴく怖い!かなりデリケートです!

萃香「よーし、準備できたね!」

萃香「今日も魂込めて練習するよ!」

パートメンバーs「ハイ!」

確かにすごくまとまりのあるパートですね。
皆ちゃんと萃香さんを心から見ている……

───



紫「じゃあ行くわよ。頭から!全員!」

紫「さん・はいッ」

ズダダダ

さとり「!!!」

さとり(近くで聴くパーカッション、衝撃が凄いですね)

さとり(全身に浴びる感覚です)

さとり(! 自分の出した音で自分を鼓舞してる!?)

さとり(!! 皆さんも自分の音でテンションが上がっている 音を楽しんでいるようです)

さとり(……しかし……何でしょうか……この……違和感は)

紫「ストップ!」

紫「打楽器!ちっとも直ってないじゃない」

紫「全体の"一体感"がまるでないわ」

紫「特にグロッケンシュピールとスネアドラムね。調子悪いの?」

にと椛「!」

にと椛「すみません」

紫「もう一回!」

さとり(言われてみれば……)

さとり(皆さんテンションを上げてる中……あの二人だけそうじゃない……)

紫「何回やってもダメね。全体的に合ってない!」

萃香「にとりも椛もまだスランプなんだよ」

萃香「あたしの……責任だよ」

紫「……打楽器抜けて、パートで練習してきなさい」

───



椛「……伊吹さんすみません……」

にとり「私らのせいで……」

萃香「私が合奏までにスランプを克服させられなかった……それだけだよ」

にと椛「……」

さとり「あのぅ……二人とも……もしかして……」

さとり「スランプじゃない……んじゃない……でしょうか?」

萃香「何だい そりゃあ」

萃香「指揮者気取りかい」

萃香「アンタに音楽語れるのかい!?」ゴオオオオ

さとり(そうですけど……でも……!)

萃香「言った筈だよ 邪魔すりゃ追い出す」

萃香「子守は終わりだよ。どっか生きな」

さとり「!!」ゾッ

にと椛「……!」

───



さとり「早まってしまいました……」ヨロヨロ

リリカ「伊吹萃香に直に行くのはキツ過ぎたか……」

リリカ「本当にスランプじゃないの? 『音は心 心は音』だよ」

さとり「?」

リリカ「好きな曲演ったり練習して上手くなれば誰でも嬉しい気持ちいいしテンション上がるけど」

リリカ「思い通りに出来ないとどんどん自身を失ってスランプに陥る……」

リリカ「どんな人も"自分の音"と"自分の心"は絶えず影響し合ってる」

さとり「あのパートは……」

さとり「音がズレているからではなく、心がズレているから一体感が出ないのです」

さとり「だからなおさら見過ごせないんです」

リリカ「……! ってことはその二人の心を動かして音が良くなれば」

リリカ「あの鬼も認めてくれるんじゃない!?」

リリカ「全てのカギはあの二人だ! 戻ろう!」

リリカ「今日残って練習するって言ってた!」

リリカ「何なら私の演奏で……」

さとり「いえ、悪いのですがそれは結構です」

さとり「貴女の音は人の心を掴みますけど」

さとり「あの人達は同じ目標に向かう演奏者ですので(というか貴女の演奏は人の心を変えられるのですか?)」

さとり「これは演奏者に認められる為の私の戦い……ですので」

リリカ「! わかった!」

さとり「あ、でもついて来てくれませんか? やっぱり怖い……」

リリカ「……わかった」

───



リリカ「あそこだ! 音が二つ聴こえる」

~♪

さとり(……?この音……)

さとり「すみません、入りますよ──」ガラッ

にと椛「!!」ガシャガシャ

さとり「あの?」

にとり「さとり……と、リリカ!?」

さとり「ちょっと待って下さい……今のって……」

にとり「いっ……言うなよ!誰にも!」

椛「これは…遊びだから!」

さとり「やはり……テンションが上がらないのは、スランプじゃないから……なんですね」

さとり「この事は萃香さんに言った方が──」

にと椛「ダメだ!!」

さとり「?」

にとり「それは……それだけは絶対に…!」

椛「お願い…黙ってて…!!」

さとり(あんなに怯えて……昔の上司に畏縮してしまっているのですね……)

───



さとり「今までは何とかなっていたけどついに綻びが出始めましたか。それが……あの二人……」

さとり「どうしましょうリリカ……このままではパートメンバーが可哀想です」

リリカ「……さとり、明日も合奏だよ」

さとり「……すみませんが明日の合奏」キッ

さとり「荒れますよ!」

───



さとり「萃香さん……もう少しだけ」

さとり「打楽器パートにいさせて下さい」ペコッ

萃香「……」

萃香「絶対に邪魔するなよ。……勝手にしな」

~合奏~

萃香(あの二人も居残りまでして必死で練習してたんだ)

萃香(昨日よりは絶対、良くなってるハズだよ!)

~♪

さとり(私には何をやってるかさっぱりですが……)

さとり(だけど多分)

紫「それから……」

さとり(言われる)

紫「どうしたのパーカッション、昨日と全く同じじゃない」

萃香「!!」

紫「一体感だってば! 揃えるの難しい?」

萃香「何でだ……何が悪い……ミスも音ズレも無い……」

萃香「一体感って何だ……!?」

さとり ドッドッドッ

──邪魔、するなよ──

さとり ドッドッドッドッ

──誰にも言うなよ! 伊吹さんには……絶対!──

さとり ドドドドドド

──一緒に、音楽やろう──

さとり ギッ

さとり「萃香さん、一つ……よろしいですか?」ユラ...

萃香「うるさいね、今忙しい」チリチリ

さとり「提案なんですが……」

さとり「この二人の担当楽器、交代する……というのはどうでしょうか」

紫慧音「!?」

にとり「お前……ッ!」

萃香「……楽器の割り振りは、あたしの仕事だ」

萃香「私が間違ってるって言いたいのかい!? え!?」

萃香「指揮者ぶりやがって!!」

ザワザワザワザワ

さとり「あの二人は……気付いてしまったのです」

さとり「今の楽器が向いていないと」

さとり「最初はスランプだと思っていたようです」

さとり「ずっと上手くいかなくてだんだん疲れてきて……」

さとり「息抜きにふと、グロッケンに触れてみるとそれが面白く」

さとり「犬走さんも一通りの打楽器で遊んでいて、思ってしまったんです」

さとり「向いてる楽器が逆なのでは、と」

さとり「それ以来時々、楽器を交代して遊んでいるそうです……」

さとり「二人ともすみません……やはり……言うべきです……」

萃香「それが、どうした」

さとり「!」

萃香「今 一体感をどう出しゃいいかって話だ!」

萃香「関係無い話するんじゃないよ!!」

萃香「そんなこと私が知らないと思ったのかい!?」

萃香「息抜きが面白いのは当たり前だ!!」

萃香「今交代させたら益々バラバラになるだろ!!」

萃香「こいつらもこのままでいいから言わねェんだろうが!!」

さとり「二人が言えなかったのは!」

さとり「貴女のせいでしょう!」

萃香「な……」

さとり「とあるリーダーシップ論によると、リーダーに必要な要素は二つです」

さとり「一つはパフォーマンス。リーダーの持つ仕事をする能力……有能さです」

さとり「貴女が妖怪の山で四天王をやってた時は、貴女の誰にも文句を言わせない実力で部下を引っ張って来れたのでしょう」

さとり「それで上手く行っていましたが……」

さとり「二つ目はメンテナンス。これは部下の心を調整する能力です」

さとり「二人が言えなかったのは貴女に対して畏縮してしまっていたから……」

さとり「萃香さん……貴女、細かい事考えるの、苦手なんですね」

萃香「!?」

さとり「打楽器叩く時に生き生きしているアレが、本当の貴女でしょう?」

さとり「二人の秘めてた違和感が阻害してましたけど……一体感なんて簡単な筈ですよ」

さとり「最初からパーカッションは貴女の心(おと)を中心に一つなのですから」

さとり「貴女の言う通り大事なのは魂ですね」

さとり「音を出すのは人の心ですから」

にと椛「……!」

萃香「……!アンタ……」

萃香「知ったような口……叩──」

にとり「伊吹さん!」

にとり「私たちからも……交代」

椛「お願いします」ペコ

萃香「!!!」

萃香「勝手にしな……もう……知らないよ」

ザワザワザワザワ

紫「続き、やるわよ」

萃香(くそ……何なんだい、さとりのヤツ……)

萃香(アイツの素人考えで音が良くなる筈が無──)

萃香(……あれ?)

萃香(いつもと違うぞ!? 私の出す音まで……違って聴こえ……)

萃香(いやバカな! 殆ど何もして無いのに……音が良くなるワケ……)

紫 グー

萃香「!!!」

萃香(一体感が出たのかい!? そんな……じゃあ私は今まで何を……)

萃香(それになんだこのカンジ……この音を聴くと……湧いて来るものは!?)ハッ

萃香(ごちゃ混ぜでガムシャラ……アンタら)

萃香(アタシはそれでいいってことだね!!)

さとり(打楽器全員の心が一つになった……!)

一つになると……心って……音って……
音楽って、こんなに凄いのね!
衝撃のレベルが桁違いですね
自分の心にショックを与える……これはまるで

雷!!!

慧音「──」

───



さとり「あの……生意気言ってすみませ──」

萃香「言うな言うな。アンタのおかげで一体感も出せたしね」

萃香「もう一人で考えんのやめた!全部皆で話しあって決めるよ! そういうリーダーがいてもイイだろう?」

萃香「だからさ……アンタ"指揮者志望"なんだろ? 何かあったら──」

さとり「はい、頼まれました。その時は私の意見も言わせてもらいますね」

萃香「……アンタさ、心をまとめるんだから話は全部聞いてやりなよ」

さとり「これでもかなり堪えたと思うのですが……」

萃香「昔と比べたら……ね……」

紫(萃香が認めた……)

紫(一人じゃなく複数の音をまとめるのが指揮者の役目)

紫(一つのパートとはいえ、それをやってしまった!……けど)

紫(まだまだ、これからよ……)

休憩したら次のパート行く
暴君編よりも御器谷編の方が先に改変できてしまったよ

>>1gut!

トールは勇儀姐さんかと思ったが萃香ちゃんでしたかー。姐さんは先代か…?


……とりあえず
gutな理由3コ言っとくか
読者を待たせない投稿間隔だし
東方キャラの性格が上手く書かれてるし
心が読めると心が見えるの違いが上手く表されてるし
さとりんは可愛いし!

萃香「明日からも色んなパート回っていくんだろ?次、決めてあるのかい?」

さとり「いえ、まだですけど……」

慧音「さとり。だったら、ウチに来ないか?」ザッ

萃香「!?」

萃香「おっ……おい慧音!? それはダメだ!!」

さとり「慧音さんのパート……」

リリカ「トランペットパートだよ」

さとり「!?」

慧音「頼むよさとり」ズイ

萃香「血迷ったかい慧音! 自分が何言ってるかわかってんのか!?」

萃香「トランペットのパートリーダーは、あのマガママ姫だよ!! 初心者のさとりを潰す気か!?」

───



慧音「よく決心してくれたな、トランペットパートにくること」

心底助けを求める迫力に負けた……
というのはありますが……それよりも

必要とされている、という感じが
単純に 嬉しかった

慧音「……やっぱり、輝夜は今日もいないか」

さとり「輝夜さんって、幽霊団員……なんですか?」

慧音「いや……毎日来てるよ」

モブ団員「ちょっと慧音!輝夜さんウチのパートに来てるよ!!なんとかしてよ!!」

~ホルンパート~

~♪

輝夜「ねぇ」

ホルン「」ビクッ

輝夜「そんな吹き方しないで。曲が死ぬわ」

───



慧音「───トランペットの音色というのは、とにかく目立つんだ」タタタタ

慧音「どんな大勢の楽団でも、トランペット一本の華やかな音をかき消すことは出来ない」

慧音「重ねた音の一番上に立つ、王のような存在だ」

慧音「輝夜はそんな楽器のパートリーダーで実力ナンバー1の1stトランペット」

慧音「……なのにあいつは、入団初期以来、トランペットパートと練習していない」

慧音「他のパート練習に勝手に混ざってダメ出しするんだ。輝夜が飽きるまで終わらない」

慧音「一番の問題は、実力差があり過ぎることだ」

ズアッ

さとり「!?」

慧音「……いた」

慧音「輝夜の上手さは別次元だ。誰も対等に演奏出来ない」

慧音「圧倒的な演奏技術で団員を振り回すんだ」

さとり(なんて存在感……! 周りの音を食ってしまっている!)

一緒に吹いているのに混ざっていない。普通のヒトが巨大生物と二人三脚やらされているみたい……

さとり(あれじゃ相手は……)

リグル(もうイヤ……こんなの……あたしの力じゃ合わせられっこない……!!)

リグル(少しでも何とかなるかもって思ったあたしがバカだった……!! もうやめて……!!)

リグル(もう、吹きたくない……!)

さとり グイッ

輝夜「──」

輝夜「……あなたは」

さとり「それ以上は、潰れてしまいますので」

リグル「あっ……」

輝夜「古明地さとりね」ニッ

輝夜「あなた指揮やりたいんでしょう?」

さとり「えっ」

輝夜「指揮者って何するか知ってる? 楽典勉強してる?ソルフェージュやってる?ドイツ音名覚えた?ピアノ弾ける?何か楽器出来る?」

さとり「えっ、えっ!?えっ?」

さとり(矛先がこちらに……!私も潰す気ですか?)

さとり「!?」

さとり(は?)

輝夜「絶望的につまらなかったリリカの音も、今はいくらかマシになったわ」

輝夜「あなたたち面白そうね。次はあなたたちとセッションしましょうか」

さと慧音「──」

リリカ「いいよ」

リリカ「私たち2人であんたと対等な良いセッション、やってみせるわ!」

慧音「待て、輝夜。トランペットパートの練習に出ろ!」

輝夜「あそこは……イヤよ」

輝夜「一人で吹いているのと変わらない」

輝夜「あ、そうだ。ホルン」

ホルンs「」ビクッ

輝夜「リップスラーの基礎練習増やしなさい。あとテンポ走ってるわ、裏拍意識しなさい。変え指使うな音程狂うわ。少しは……マシになるわよ」

───



慧音「輝夜とセッションして自信を失い楽団に来れなくなった人もいる……」

慧音「トランペットパート無視して他のパートおびえさせて……仲間遠ざけて何がしたいんだ輝夜……!」

てゐ「姫様ってメッチャ恵まれてるよねー」

てゐ「所見の曲一発で吹けるし、頭良いし」

兎s「実は怪力だし、美人だし?」

兎s「それに永遠亭のお姫様だしね」

さとり「永遠亭って……」

リリカ「ミスチーが入院してるとこだよ」

兎s「きっとお師匠様いなくても一人でなんでも出来るんじゃないかな」

さとり(……そうでしょうか……?なんだか腑に落ちませんね)

さとり「……!」

フルート「この曲まだ吹けないから一人で練習してくるね!」

静葉「はいよー」

さとり「あの……慧音さん。一回でも輝夜さんが」

──一人で吹いているのと変わらない──

さとり「だった一人で吹いている所、見たことありますか?」

慧音「そりゃ一人で練習する必要があれば……」

慧音「──いや、ないな」

トランペットパートに来ない理由……
無理矢理セッションに割り込む……
「少しはマシになる」……
そしてあの心……

リリカ「何か見たわねさとり」

さとり「ええ……幸か不幸か次の標的は私たち」

さとり「とことん、かまってあげましょう」

さとり「戻りましょう。輝夜さんの所へ──」

紫「あーいたいた慧音」

紫「輝夜から伝言よ。"門限だから帰る"ですって」

さとりリカ「」ズルッ

───

さとり「ねえリリカ、今日じゃなくてもいいでしょう?確かに調子がいい貴女の音の方が導き甲斐はあるでしょうが……」

リリカ「~~!(また……!)」

さとり「! いました!」

さとり「! リリカ、お願いします」

リリカ「だから先読みしないでよ!」

さとり「一刻を争うので」

~♪♪♪

さとりリカ(届け!)

輝夜 クルッ

さとりリカ(気付いた!)

さとり「早く向こうに行……」

さとり(な……)

さとり(そ……そこから!?)

輝夜「」~♪♪♪

な……なんて存在感……
近くのリリカと同じ……いやそれ以上の迫力でピッタリ音を合わせて──

さとりリカ ハッ

待って……おかしい

リリカ「……!」

リリカ(なんで私たちはあんな遠くからくる音と……セッション出来ているの?)

相手が遠ければ遠いほど「吹いてる音」と「聴こえる音」にタイムラグが生じて、今日なんか成立しない

リリカ(なのに今……デュエット出来てる……?私たちにそう聴こえるってことは……!)

リリカ(タイムラグを計算してわざとズラして演奏している!?演奏のレベルを落とさず平然と!!!)

リリカ「そんな訳あるか……! 能力使ってるに決まってるじゃない!!」

【永遠亭】

鈴仙「お師匠様?聞きました?」

鈴仙「姫様、トランペットが評価されてるみたいですよ!」

瑛琳「所詮は趣味よ」

瑛琳「姫にも早く辞めていただかないと…」

───



輝夜「ただいまー」

瑛琳「姫……まだ楽器をやっているのですね」

輝夜「あら?いいじゃない。異変を起こすよりは遥かに健全よ?」

瑛琳「ええ……それだけなら私も許しますが……問題はその楽団を集めるように手配したのがあの八雲紫ということです!」

瑛琳「あの妖怪が幻想郷からヒトを集めて組織を作ったということに何か裏があるのかも知れないのですよ!?」

輝夜「本人は亡霊の親友に聴かせてあげるためって言ってたわよ?」

瑛琳「本当にそれだけとは限らないでしょう!」

瑛琳「とにかく、楽器をやるのは許しますけど楽団へいくのはおやめ下さい。せめて私が楽団の目的を確信出来るまでは!」

輝夜(……石頭)

───



ここまで。

>>87
4コになってます。でもありがてェス
勇儀姐さんに細かいこと考えるの苦手だろ、って言わせるアイディアもあったけど、実際鬼がどんな指揮をとってたか分からないから省いた
そして本当は(というか初期設定では)棟梁はレミリアにやって貰おうとしたけど、
レミリアは打楽器なんてしない

>>98
×今日なんか成立しない
○曲なんか成立しない

このペースで3巻購入までに二巻分が終わらなければいいけど……

>>1

3巻購入前に2巻分が終わった時は……
ひたすらキーボードを叩くしかない
小ネタを書くのがいいんじゃないかな…だから

神峰とさとりの邂逅を書いた小ネタを1本
3巻発売前に書いてきてよ

瑛琳: 福岡県博多区にある中華料理店のこと
すまんかった永琳
あと
>>88
×マガママ姫
○ワガママ姫
……暴君編終わったら神峰っちゃんには幻想入りしてもらいます

───



さとり「~~!」カアアアアアア

さとり「……吹ける気がしません……」

慧音「力まないで唇を震わすんだよ」プーイプィーィ

さとり「どう練習すれば輝夜さんみたいになれるんでしょうか」

慧音「あいつは特別だったからな」

さとり「……だった?」

さとり「なんで過去形……辞めたのですか……」

慧音「……。八雲紫に本人から連絡があった……。一身上の都合だそうだ」

兎s「まさかこんな急に辞めるなんてね」

兎s「でもちょっと浮いてたからなぁ……」

てゐ「上手さも飛び抜けてたしね……みんなでやる吹奏楽は向いてなかったのかね」

さとり(そんなワケありません。何かありますね)

さとり(あの人は"人に飢えている"。強大な実力を身につけてしまって加減を知らないだけです)

さとり(辞めたかったなんて思っていませんでしたし)

さとり「……パートリーダーはどうなるんですか?」

慧音「暫定的に私がやるよう八雲紫に言われた。不在のままには出来ない」

さとり「それで本当に良いのでしょうか……?」

慧音「いいわけないだろう!……でも仕方ないんだ!」

慧音「何なんだ輝夜……あいつが考えてることが何一つ分からない……!!」

慧音「分からないんじゃ手の施し様がないじゃないか……!」

さとり「……」

慧音「輝夜がいなくなってしまった以上、トランペットパートは私達で良くしていくしかない……!」

さとり「……すみません慧音さん。私……輝夜さんをこのままにしたら、駄目な気がします……!」

慧音「……!」

さとり「私、輝夜さんを探してきます」タタタ...

さとり「リリカ!?あの子どこにいるのよ!?」

萃香「おーさとり。こんにちはだコノヤロー!」

さとり「こんにちは!萃香さん!リリカ知りません?」

萃香「あれ?アンタ知らないの?定期的に行ってるの。病院だよ。夜雀の見舞いに」

───



さとり「リリカ見つけましたよ!」ドゴーッ

リリカ「痛ーーー!?」

リリカ「さとり!?何!?どうしたの!?」

…………



リリカ「知らなかった……輝夜が……」

さとり「とはいえどこに行けばいいか……」

リリカ「そうね……永遠亭までもうすぐだし、いるか分からないけど、ミスチーのお見舞いの後に行ってみよう!」

さとり「わかりました」

───



【永遠亭】

リリカ「ミスチー、来たよ……」

さとりリカ「」

輝夜「!」

ミスティア「あ!リリカ───!さとりさんもだ!」

リリカ「輝夜!?なんでココに!?」

輝夜「病院内ではお静かに」シーー

さとり(何?この組み合わせ……)

ミスティア「あたしがリハビリで歌ってるときにね、急にトランペットで入ってきてセッションになったの!輝夜さん超上手いよ!」

さとり「!」

なるほど……彼女の綺麗な声に興味を持ったのね……
やはり相手には実力がある人を選んで……

輝夜「もう帰るわ……そろそろ"時間"だし。お邪魔したわね」

ミスティア「えー!折角二人も来たんだから、もっと居なよ輝夜さん!」ヒシッ

輝夜「えっ」

輝夜「いや……もう行かないと……来るから……」

ミスティア「まあまあ」

ちょい休憩

永琳「ミスティアさん、回診の時間ですよ。調子はどうですか?」ガラッ

ミスティア「あ、先生!」

輝夜永琳「……!」

さとり(はっ……)

さとり(八意永琳……この人ですか……!)

永琳「ではノドを見せてくれますか?」

ミスティア「はーい」

───



さとり「輝夜さん、ちょっと……よろしいですか?」

輝夜「私はもう楽団を辞めたのよ?……用なんて無い筈だけど」

さとり「その事なんですけど……八意永琳さんと関係があるのでしょう?」

輝夜「なんで貴女にそんなことが分かるの……」

──貴女達とセッションしましょうか

──輝夜が一人で吹いてる所、見たことない……

さとり「……」

さとり「吹奏楽ってやっぱり孤独じゃ、楽しくない……ですよね」

輝夜「──」

輝夜「……そう……リリカも萃香も……コレにやられた訳ね」フイッ

輝夜 フーーー

輝夜「管楽器は普通、同時に一つの音しか出せないわ。一人で吹いても面白くない」

輝夜「あらゆる楽器が違う音を出し、違う動きをしてハーモニーを作る。それがあって初めてトランペットも映えるの」

輝夜「一人よりも二人……8人よりも55人で吹いた方が……面白いに決まってるじゃない……!!」

輝夜「なのに誰もついてきてくれない……途中でやめてしまうの……本気を出したら駄目なの?」

輝夜「好きな事をやったら……駄目なのかしら?」

輝夜「永琳だって私が皆で音楽をやることを認めてくれない……あの石頭は……」

さとり「辞めたら駄目です。貴女は楽団に必要です」

輝夜「貴女に……私の何が分かるの」

さとり「わかります」

さとり「どうにもならない現実に喘いで全然上手く行かなくて……他人に疎まれ避けられ……存在理由を見失う……死ぬほど辛いです」

さとり「でも貴女と私は全然違う」

さとり「私は逃げましたけど、それでも貴女は他人と関わろうとしました」

さとり「すごく、カッコいいですよ」

輝夜「──」

さとり(付き人にも楽団の皆さんにも構って欲しくて仕方がない。そんな人、放っておけません)

さとり「楽団に戻ってきて下さい。永琳さんにも許してもらいましょう」

さとり「私とリリカが手伝います!」

───



リリカ「……なるほど! 輝夜とさとりと私の演奏で永琳の心を掴めばいいのね!」

さとり「……いえ、それだけでは駄目です。もう一つ問題があります」

さとり「どうにかしないといけません。トランペットパートそのものを」

さとり「正直に言うと輝夜さんの問題は私一人いればすぐに解決出来るものなのですが、今回はトランペットパートをなんとかするために利用させて貰います」

…………

……

慧音「……さとり、今何て……?」

さとり「八意永琳さんに演奏を聴かせます。輝夜さんとリリカと私の演奏に、トランペットパートの皆さんにも参加して欲しいのです」

慧音「……トランペットパートは輝夜と吹いて来なかった。それでもお前は、やると言うんだな?」

さとり「はい」

慧音「……わかった」

慧音「……で、何の曲をやる? 相手が八意永琳なら、輝夜がソロを吹いて主役になれる曲がいいと思うが……」

さとり「……、いえ」

リリカ「この曲をやるよ」スッ

慧音「……こ、これは」

~~~~

リリカ「輝夜が目立つ曲がいいよね?」

さとり「いえ……曲とかはわかりませんが…こういうのありませんか?」

さとり「リリカと輝夜さんと慧音さん。三人が同じくらい目立つ曲」

リリカ「……! 曲選びは指揮者の大事な仕事よ。メンバーの能力、好み、演奏時間……色々考えなきゃいけないのにアナタの要求は的確ね」

リリカ「らしくなってきたじゃない!あるよ!そういうの」

~~~~~

慧音「『千年幻想郷』……。バカな!私に輝夜とリリカと対等の演奏をしろと言うのか!?」

さとり「それなんです慧音さん。輝夜さんがトランペットパートに寄り付かない理由……」

さとり「輝夜さんの事を話す時、こう思ってますよね。"私は輝夜には、絶対勝てない"……と」

さとり(こんなこと言えば、普通は怒る)

でも、いい

たとえ永琳さんに許されて戻って来れても、今のままのトランペットパートに居場所は無い……
他のパートわさまよって避けられ、孤立する
だからパートと!八意永琳の!両方を動かさなければ意味が無い!

みんなが輝夜さんの味方になってくれるのなら……

怒られても、いい!!

さとり「セッションをした方たちは少なくとも最初は対等であろうとしたと思います。楽器を始めて才能のあった輝夜さんは、上手くなる事も音楽も心底楽しかった……自分が上達しても輝夜さんは相手に"対等"を求めていた」

さとり「しかしパートの舵をとっていた慧音さんの"諦めの心"がパート全体に伝染して、輝夜さんを孤独な気持ちにさせた……!」

──一人で吹いているのと変わらないわ──

慧音「……そんなこと言われても……私は……どうすれば……!」

リリカ「さとりのおかげで私の音は良くなったのよ」

リリカ「さとりの指揮で演奏したら……何か分かるかも知れないわ」

慧音「……ッ」

慧音「……わかったよ。やろう」

さとり「……では行きましょう、輝夜さん」

慧音「輝夜……!」

輝夜「……」

萃香「聞いたよ演奏しに行くんだろ!?アタシも混ぜろコノヤロー!!」ガシ

さとり「萃香さん!?」

萃香「トランペットばっかりじゃないか!打楽器入れろ!」

萃香「アンタの指揮で演奏してみたいんだよ。文句あっか?」

さとり「……いえ」

リリカ「あ」

リリカ「そうだ!さとりに渡すものあったんだ!それやるよ!あなた専用の指揮棒よ!ケースも!」ハイッ

さとり「先回りされたくないんですね……。ありがとうごさいます」

リリカ「それに"あなたの心"も詰め込んで振れ!そして、永琳の心まで私らの音を導け!」

さとり「よし、行きましょう!」ザッ

───

東方で音楽だから
紅魔のスキマに墓碑銘のように名が残る彼女の話が出てくるのかと期待している次第

それにしても輝針城勢は半分くらいが音楽系じゃねえか
(人魚の歌声をそこに数えていいかどうかは微妙だが入れなくても3/8だ)
本当に出番なしか?勿体ない

【永遠亭】

永琳「……アポ無しで来たという事は……、断られるのは分かっていたのでしょう?」

さとり「吹奏楽は輝夜さんが現在、一番好きなものです。少しでいいので……どうか輝夜さんのために、聴いてやってくれませんか?」

永琳「……」

鈴仙「師匠、もう次の予定が……」

永琳「……少し遅れると伝えておいて」ギシ

一同「!!」

永琳「一曲だけ聴きましょう。ここは狭いから……場所を移しましょうか」

───


ミスティア「リリカ!さとりさん!輝夜さん!ガンバレー!」

さとり「慧音さんたち緊張してますね」

トランペットs ブルブルブル

リリカ「金管は唇が命だからウォーミングアップしてるんだ」

…………

さとり(リリカが言っていた……メトロノームに合わせて上下に往復)カチカチカチカチ

さとり(『最も快活に……)サッ

さとり(速く』!)バッ

始まった!凄い存在感!永琳さんの心に音が届……

さとり「!!!」

届いていない……輝夜さんを八雲紫に近寄らせたくないという頑固な親心というわけですか

いくら底から叫んでも、高見の見物をされていては輝夜さんの音は……心は……永遠に届かない!

さとり(だったら!)

さとり「リリカ!輝夜さんの音が届くように!下から押し上げて!」

リリカ(輝夜が際立つように低音をしっかり吹いて支えろってことね?)コクッ

リリカ ~♪

永琳「!」ピクッ

さとり(反応した……!だけど……足りない)

さとり(やはり三人が対等ではないと、ダメなんですね)

さとり「慧音さん!!心まで二番手にならなで下さい!!」

慧音「!!!」

さとり「技術で勝てなかったら二番なんですか!?貴女も凄いものを持っているじゃないですか!」

さとり「輝夜さんが絶対勝てない物を!」

慧音(!! リリカの言った通りだ。メチャクチャで意味不明で……、だけど的確に心を突いてくる……でも)

慧音(この気持ちは……!この音は……!!)ザァッ

さとり「!!後ろの皆さん!この曲は輝夜が永琳さんに聴かせるために吹いていますが、緊張せずにもっと楽しそうに吹いていいです! 走っていいのでどんどん駆けて!」

兎s(でも……テンポがズレて、合わなくなるんじゃ……)

さとり「大丈夫!」

さとり「慧音さんがいるから、大丈夫です!」

慧音(何で……お前にわかるんだ!)

さとり(私も……慧音さんにはもう二回も助けてもらいました。貴女の心は楽団の心臓……胴体です)

さとり(初めてかも知れません。一緒にいて安心する心なんて)

慧音(さとりの言う通りだ……。輝夜の上手くなっていく音を聴きながら、こいつには勝てないと思ってしまった)

慧音(だが!それだけにとらわれてメンバーを不安にさせて何になる!!)

慧音(輝夜も……そうだったんだ……!)

慧音(私は堂々と、していればいい!!)

慧音(今まで悪かったな、輝夜)

輝夜 フッ

~♪

永琳「姫……」

永琳(貴女は大勢の中で演奏する時に、そんなに生き生きした顔をするのですね)

来た来た来た!

さとり「リズムもっと走って!トランペットまとまって前進!慧音さんがコントロールしてくれます!」

輝夜さんは先頭! 慧音さんがバンドの胴体!後ろは前進する為の足!リリカが全ての音をつなげる!

さとり(音楽が、完成する!)

~♪♪♪♪

さとり(もうすぐ!もうすぐ永琳さんの心に、音が……届く!)

シュン

慧音(輝夜の音が…急に弱くなった……?)

慧音(まさか……いつもなら大したこと無い音域なのに……、認められたくて……緊張して……、高い音が出なくなってきているのか!?)

慧音(高い音を担当する1stの負担に耐えられない!?この後…1stが一人で吹く所があるのに……! 輝夜が消えたら曲が途中で止まってしまう!!)

リリカ(輝夜が……消える!)

さとり サッ

慧音リリカ「!!!」

バチッ

さとり ズアッ

輝夜「!!!」

輝夜(アイ……コンタクトで……)

萃香(一瞬で……慧音を1stに……リリカを2ndにスイッチしただと!?)

萃香(1stを吹かせ曲を止めないだけじゃない!少し休みのある3rdを輝夜に譲って大勢を立て直させた!)

萃香(オイオイ……素人が即興で出来るレベルじゃないよ!!)

さとり(最後の仕上げ……これで!終わりです!)

観衆「わーーーっ」パチパチパチパチ

さとり「……」

輝夜「……」

永琳 フ...

───



さとり「まず言っておくことがあるのですが……、貴女の憂いである八雲紫の目的というのは、親友に演奏を聴かせるという事だけですよ。今はそこらでも演奏会をやっていますが」

永琳「!?その証拠はあるのかしら?」

さとり「私は覚り妖怪ですので。それだけで十分でしょう?楽団に入ったのもごく最近ですので八雲紫と一枚噛んでるということもありません」

永琳「……分かったわ。姫」

輝夜「!」

永琳「パートリーダーを勤めているのですから、それに恥じない演奏をして下さいね?」

輝夜「分かったわ。ありがとう永琳」

永琳「それから……さとりさんと言ったかしら? 良い演奏だったわよ。貴女が指揮者なら、きっと大丈夫ね」

さとり「……!ありがとうございます」

───



紫「さとり!何してるの貴女!勝手にパートリーダー2人も連れ出して!勝手に演奏会やって!」

さとり「」ヒーーッ

紫「まぁいいわ。そろそろ気合い入れなさい」

紫「紅魔館から連絡があったのだから」

慧音「!!」

慧音「ウィンドフェスの招待……今年も来たのか!」

さとり「……ここ以外にも楽団があったんですね」

さとり「幻想郷の楽団が数曲演奏して観客の投票がある音楽祭ですか」

さとり「ウチの演奏よりもすごい……?どんな音なのでしょう」

さとり(聴いてみたい……!)

ここまで

>>122
ニワカですまん
九十九姉妹は吹奏楽の性質上出すこと叶わぬゆえ……おかげでルナサも影が薄い。
雷鼓さんは完全にとばっちり。隙があれば出したい
一応原作漫画の主訴に合うようにキャラを配置してます

神峰っちゃんinします

>>1おt……何!?

今…何て…

神峰っちゃんin!?

神峰っちゃんinって言ったのか!?

これは…

期待するしか
ないだろ!!

>>129
何で「体勢」って打ったのに「大勢」が出るんねん

あと主訴に合わせてとか言ったけどすまんありゃ嘘だった。
話の筋に合いそうなキャラを配置ね

~小ネタ・神峰翔太が幻想入り~

神峰(誰か……俺の目を潰してくれ!)

神峰(逃げなきゃ……心なんて無い場所へ……。屋上なら……いねェかな……)

ズズズ...

パクッ

神峰「!?」ガクンッ

神峰「なっ!?」

神峰(お……落ちてる!?地面は……真横!?)ヒュー

神峰(っていうか俺の周り何も無……!!?)ヒュー

神峰「こっ……これは穴!?なのか!?」ヒュー

私の名前は水橋パルスィ。嫉妬の妖怪であり、橋姫である。

パルスィ「来る……」

そんな私だが、今上空から向かって来ている人間には心底、同情をしている
何せ、空を飛ぶ術を持たず、幻想郷に現れた場所が地底へ繋がる穴の上なのだから
だから、助けてあげようなんて気まぐれを起こしてしまった───

───



ヤマメ「やあお兄さん!そんなに急いで、地底の観光なら気をつけなよ?この先のヤツらは物騒なのが多いからねぇ!」

神峰「観光じゃねェス!!っていうかどこから出て来たんスか!?なんで飛んでるんスか!?とにかく助けて下さい!!」ヒュー

ヤマメ「いやいや残念ながら、自力で助かる方法を持たない人間はこのまま死んで、妖怪の餌になるか炉の中に放り込まれるかしか無いんだよ」

神峰「!?」ヒュー

神峰(この人……マジで言ってるのか……!?妖怪ってなんだよ!?でも冗談で言ってるワケじゃねェ!!)ヒュー

神峰「そこを何とか!助けて下さいお願いします!!」ヒュー

神峰(マズイ!!底が見えて来た──!!)

ヤマメ「これが自然の厳しさって事で、受け入れてくれない?」

神峰「そんな事出来るワケ無───!」

パルスィ「キャッチ」

神峰「はっ……!?」ガクッ

パルスィ「このまま底まで運んであげるわ」

神峰「……?あ、あざス……」

神峰(何なんだ?この人も飛んでる──)

ヤマメ「あらら、まさかアンタが人間を助けるなんてねぇ!」

パルスィ「気まぐれよ。この人間には……何の嫉妬も湧かない。ただひたすら同情してしまったわ……だから」

神峰(助けてもらったのはありがたいけど……この人の心!マジでヤバイ!!)

神峰(こんなにジメジメした心なのに!あちこちで火が燃えてる!正直、降ろしてもらったらすぐにでも逃げてェ……)

───


ヤマメ「良かったわねお兄さん!ひとまずは助かったね!」

神峰「……はぁ」

神峰「あの……さっき言ってた事で気になったんスけど……妖怪なんているんスか?」

ヤマメ「何言ってるのさ!目の前に二人居るじゃないか」

神峰「は?」

ヤマメ「アタシは土蜘蛛のヤマメっていうんだ、よろしくね!こっちは橋姫の水橋パルスィ!」

神峰(マジで言ってるのか……?とてもそうには見えない……でも蜘蛛だっていうなら、糸を伝って落下してる俺に話しかける事は出来るよな……問題は……)

神峰「あの……アンタ、さっき飛んでなかったか……?」

パルスィ「幻想郷に居る妖怪ならみんな飛ぶくらいは出来るわよ?」

神峰「!?」

パルスィ「それよりアナタも可哀想ね。皆に忘れられて幻想郷に来たのにまさか穴の上に出るなんて」

神峰「忘れられた……!?幻想郷!?もっと解りやすく教えてくれないか!?」


~幻想郷について&神峰の事情説明中~


ヤマメ「これはこれは、面白い人間が地底まで落ちてきたモンだよ!」

神峰「ワスレラレタ」ズーン...

パルスィ「どうするのよコイツ……」

ヤマメ「アンタが助けたんだ、アンタが責任持ちなよ」

パル「……同類に預ければ大丈夫かしら?」

ヤマメ「おっ、まさか同じ事を考えるなんてね」

パル「そりゃ考えるわよ。……ペットも多いし、一匹くらい面倒みてくれるでしょ」

パル「ほら、行くわよ」

神峰「……?」

パル「アンタの面倒をみてくれそうな人が居る所よ。本当は近寄りたくもないんだけど……」

───



【地霊殿】

神峰(道中……スゲェ怖かった……この人がいなかったら無事にここまで来れる自信ねェ……)ガタガタ

パル「ほら、着いたわよ。一緒に挨拶してあげるから後は頑張りなさい」ギィ...

神峰「あ……どうも……。いろいろ助けて貰って、ありがとうございます……」

お燐「おや、いらっしゃい!アンタがここに来る何て珍しい事もあったもんだ!……そこのお兄さんは人間かい?生きた人間を持って来られてもアタイは嬉しくないよ?」

パル「貴女のために連れて来たんだないわよ。貴女の主人に面倒をみてもらいたいのよ。面白いわよ?コイツ、心が見えるんですって」

お燐「!? それはまた、こいし様が喜びそうなペットになりそうだね!」

神峰「ちょ……ちょっと待ってくれ!?ペット!?」

パル「ええ。だから言ってるじゃない、"あなたの面倒をみてくれそうな人"って。それにあなた、落ち込んでた時仔犬みたいだったわよ?」

パル「それにあなたはもうココしか頼る場所は無いわよ?……上手くやれば、地上に出して貰えるかもね……。頑張って」バタン

神峰「……!?」

お燐「おやおや、一方的に言われて置いて行かれちゃったねお兄さん。どうするんだい?」

お燐「ウチはこいし様が色んなコを拾ってきてペットがペットの世話をしてる状態だから、全く問題無いよ!」

さとり「お燐、お客さんが来てたのですか?」テクテク

神峰「?」

お燐「あ!さとり様!」

ここまで。どうしてこんなに長くなった……

>>124
ミスティア「リリカ!さとりさん!輝夜さん!ガンバレー!」

さとり「慧音さんたち緊張してますね」

トランペットs ブルブルブル

リリカ「金管は唇が命だからウォーミングアップしてるんだ」


…………

さとり(リリカが言っていた……メトロノームに合わせて上下に往復)カチカチカチカチ

さとり(『最も快活に……)サッ

さとり(速く』!)バッ

♪千年幻想郷~History of the Moon

始まった!凄い存在感!永琳さんの心に音が届……

さとり「!!!」

届いていない……輝夜さんを八雲紫に近寄らせたくないという頑固な親心というわけですか

いくら底から叫んでも、高見の見物をされていては輝夜さんの音は……心は……永遠に届かない!

神峰(さとり様……?)

さとり「初めまして。ここ地霊殿の主をしてます古明地さとりです」

神峰「あ……初めまして……。あの──」

さとり「ペットの件ですか?構いませんよ。ああ、すみませんね。何せ人間がここに来るのは稀なので、どう対応して良いのか……」

さとり「しかしここに滞在するのなら、どうしてもペットという扱いになってしまいますし……客人扱いですか?」

さとり「今の貴方は私にとって客人たり得るのでしょうか?」

神峰(!? この人……!この心……、俺への感心なんて殆ど向けてないのに……全て見透かしているような……しかも実際見透かされた!!)

さとり(……!)

神峰(もしかしてこの人も俺と同じ──!)

おもしろいな

さとり「いえ、似てはいますが私の能力は心を読むことです。貴方の見る能力よりも正確に人の心が分かります」

神峰「!?」

さとり「貴方も随分とその能力で苦労してきたのですね……。──わかりました。貴方を客として、ここ地霊殿に滞在する事を許可します」

神峰「? あ、ありがとうございます……?」

神峰(なんだ……?ついさっき客として扱えないって言ったばかりなのに……?)

さとり(まさかこの人に同情してしまうなんて……。でもそれ以上に、この人にこいしを重ねてしまった……!)

さとり(この人もいずれは心を閉ざすか壊れるか、自ら目を潰してしまうほどの苦しみを体験している……この人を助けることで、私にこいしの心を開かせる何かを得られるなら!)

お燐「良かったねお兄さん!ウチに宿泊客だなんて初めてなんじゃないかな!?」

さとり「ついて来て下さい。貴方の部屋を用意します。それと……貴方には私の妹に会って欲しいのですが……今はどこかへ行っていますが」

神峰「?それくらいなら……」

───



ガヤガヤガヤ

神峰「神峰翔太です……しばらくここでお世話になります……よろしくお願いします」

さとり「彼は私の客人なので失礼のないように。間違っても殺してはいけませんよ」

神峰(本当に動物ばっかりだ……)

お空「あなたさとり様のお客さんなの!?」

神峰「!?」ビクッ

神峰(羽が生えてる!)

お空「ココにお客さんなんて稀なの!ねぇ、あなたのこと教えてよ!」

神峰(このコの心スゲェな……初対面だってのに全く警戒してない……何て言うか、フワフワして地に着いてないし裏表も無い)

さとり「彼は先ほど幻想郷に来て大変な目に遭っているので、程々にして下さいね。……それと、翔太さん。貴方は心が胸の中に見えるのですね」ジト...

神峰「?はい、そうスけど」

さとり「女性の心を見る時は気を付けて下さいね」

神峰「……?わかりました……?」

さとり(解っていませんね)

───

【神峰の部屋】

神峰「疲れた……」グデ

神峰「今日一日で色々あり過ぎ……理解が追いつかねェ」

コンコン

神峰「!はい!」

さとり「私です。妹が帰って来たので、すみませんが会ってもらえますか」ガチャ

神峰「ウス」

───



神峰「初めまして……神峰翔太です……」

こいし「あなたがお姉ちゃんのお客さんね?」

神峰(!? この人の心!真っ白だ!何も描かれてねェキャンバスみたいだ!!)ドキッ

さとり「私の妹のこいしは、私と同じ心を読む能力を持っていました。しかし心を読むことで嫌われる事に耐えられなくなったこいしは、自らの心を能力と共に閉ざしてしまったのです」

神峰「!?」ドクンッ

神峰(それって──)

さとり「はい。こいしは貴方の末路と言ってもいい」

神峰「……!」ドッドッドッドッ

神峰(! よく見たらこの子の心……キャンバスなんかじゃねェ……!! 閉ざした扉の上から……コンクリートで固められてる!!こんな心が開くなんて出来るのか!?)

さとり(……)



続く…ハズ…

ここまで。明日から本編やります

>>147
ありがとう

>>1ェ!!」
「お前さっき先生の原作と似てたぞ!!」
「同じことやって勝てるわけねェだろ!!」
『まだアイデアはあるか!?』
「今試してる!!」
『やるべきことはわかってるよな!!』
「当たり前だ!!」
『「先生の原作」に勝つんだ!!」

ぐらいの心意気での執筆に期待!


最初はスレタイに笑っちまったけど…
このスレの存在感が…俺の中でどんどんデカくなって
目が離せなくなってきた…!!!

このSS!
カッケェ!!!

神峰編、さとり編、どっちも全裸待機ッス!

乙。
心が見えるのに鈍感というのも神峰の良さだ

>>154
スゲェ、ヤベェ、スゲェ、カッケェ
神海っちゃんを叩っ斬りてぇ!!
……な訳あるか!尊敬してるから斬るなんてとてもとても……
俺は神海っちゃんには、絶対勝てない(ボンボン
とりあえず服は着ろ

>>155
嫌われ者だったから自分が好かれるという発想が無いんだろうね。あとはまさに心が見えると読めるの違い

ついに星合ちゃん攻略来るか!? 初登場でスカート短いのは分かってたのに今週の星合ちゃん(の太もも)はかなりエロかったです。胸も大きいんだな

あと金井淵先輩は早く一話カラーの綺麗淵先輩になって下さい

星合ちゃんいいよな

口を開くたびにネタにされる不感症先輩が僕は大好きです。先週&3巻表紙のカスミンも太ももがエロティックだったし神海っちゃんが太ももフェチである可能性が微粒子レベルで存在している……?

>>131から

紫「本番まで時間が無いから、今からパートリーダー集めてやれる曲の候補挙げといてね。私は出かけるから……慧音よろしくね」

慧音「行こう萃香、輝夜」

リリカ「私はパート練習に行ってくるよ」

さとり「紫さんが居ない時は楽団のまとめは慧音さんがやってるんですね……」

輝夜「指揮者志望。貴女も来なさい」

さとり「へ?」

慧音萃香「へ?」


……………

ズラッ

天子「ちょっと、なんでコイツ(さとり)がいんの?」

衣玖「そういえば知ってました? 輝夜さん、楽団辞めるそうですよ」

衣玖「……って、居ますね」

霖之助「輝夜の気まぐれには本当に困るよ。君もさとりに指揮して欲しいとでも思っているのかい?」

輝夜「さぁね……でも今のところは、そっちの方が面白いと思っているわよ」

萃香「同感だ」

萃香「さとりの指揮には何かあるよ! 今すぐにでも振らせりゃいいんだよ! なぁ慧音!!」

慧音「今すぐは無理だが……ゆくゆくは彼女が、マンネリを打ち破る新しい風になると思っている!」

妹紅「……お人好しと酔っ払いといい加減の言う事なんか、聞かなくていいでしょ」

妹紅「熟練の指導者たちが導いてるのが普通でしょ!」

妹紅「天地がひっくり返っても素人がコンクールで振るなんて有り得ない!」ビシッ

妹紅「指揮者になりたかったら一人でやれば? あたしらを巻き込まないで」

さとり(この人……かなり怒ってる……)

妹紅「それにアンタ、リリカの練習の邪魔になってんの、自覚してる?」

さとり「!!」

妹紅「あの子のこと連れ回して……。あの子最近パート練習にあんまり来てない!」

妹紅「八雲紫の指揮であと一歩の所まできてんの! あんたの指揮で紅魔館とか他の強豪と渡り合うなんて有り得ない!」

さとり「紅魔館……この前のコンクールの王者……!」

さとり(一体、どんな音を出すのでしょう?)

天子「ちょっと、冷静になりなさいよ妹紅。指揮以前に、紅魔館強すぎだから!」

静葉「ケンカはやめなよー、音楽は楽しまなきゃー」

妹紅「静葉、ごめんね今黙ってて!」

静葉「はーい!」

慧音「……少し待つか」

霖之助「ああ……」

さとり(恐らく……これが楽団の大きな壁……。音楽への思い……考え方に……大きな溝がある……)

───



リリカ「ミーティングどうだった?」

さとり「疲れました……」

さとり「私……ちょっと出かけますね」

リリカ「どこへ?」

さとり「紅魔館。どんなのか……聴いてみたくて」

リリカ「おお!私も行くよ!」

さとり「いえ、貴女は練習をして下さい。一応サックスパートにも所属しているのなら、パート練習に行って下さい。私のせいでパート練習、減ってるのでしょう?」

リリカ「?妹紅に言われたの? あの人パート練習を重視してるだけだから、心配しないで」

さとり「はぁ……」

輝夜「面白そうね。私も行くわ」

さとり「え?本当ですか……?」

輝夜「貴女達、何か面白いことやらかしそうだからね」

さとり「……大勢いた方が心強いですね」

妹紅「さ~と~り~……あんたまたリリカ振り回してるでしょ!!」

リリカ「ごめんね妹紅。さとり、紅魔館わからないと思うから……案内役よ」

妹紅「……わ…わかったわ!じゃああたしも行く!!」

さとり「は!?」

妹紅「監視役よ!リリカに無駄な時間使わせたら、すぐに連れて帰るから!」

───



【紅魔館】

さとリカ輝夜妹紅 ヒョッコリ

妹紅「緊張してきた……」

リリカ「あの奥が合奏室か」

"ようこそ!命蓮寺の皆さん"

さとり「……?これ、どういうことでしょう?」

リリカ「合同練習してるね。二つの楽団が一緒に音楽を奏でてる──」


♪神々が恋した幻想郷


~♪♪♪

さとリカ輝夜妹紅「!」ばっ

さとり(何、今の……?)

さとり(滝のような……太陽のような……いや、虹のかかった空のような)

さとり(虹を口の中に突っ込まれたような……。これは……!?)

リリカ カチャ...

さとり(人が演奏してるのに……まるで、どこからともなく自然に鳴ってるみたい……! それに何?感じたことがない……)

さとり(すごく、スカッとする!)

妹紅「……来なきゃよかった」

さとり「!」

妹紅「こんな爽快な音楽やるバンドに……どうやったら太刀打ち出来るの……!?」

リリカ「あ、紫だ!ここに来てたのか!」

さとり(これも……指揮者が導いているの……?どんな人かしら……すごい!)

さとり(私もいつか、こんな音が出せたら……!!)


神子「……いやぁ素晴らしい指揮だ!しかし思いきったわね」パチパチ

神子「命蓮寺さん音楽祭の指揮、部外者のキミがやるなんて」

アリス「恐れ入ります」

リリカ「アリス!? 紅魔館の音を導ける程の実力が……!」

リリカ(まずい……さとりが実力差に畏縮したら……)

さとり ホー

輝夜リカ パチクリ

輝夜 ドン!

バン!

さとり「」ドダダダダ

さとり「あ」

全員(((((((((誰?)))))))))ザワッ

さとり「!!」

紫「さとり!?なんでここに……、リリカ!輝夜!妹紅まで!?」

アリス「!」

アリス「ねぇ、あなた」

アリス「あなたも、指揮やるの? あなたの服のポケットからタクトケースのこすれる音、シ♭の音が聞こえるわ」

さとり「!?……絶対音感ですか……」

神子「命蓮寺の楽団はまだ創設して間もないの。指導者も経験者もいなく、大会でも良い成績を出せなかったの」

神子「しかし今年の命蓮寺は部外から魔法使いを指揮台に立たせて、それで成績が上がって私達は騒然となった」

神子「紅魔館(われわれ)はアリス・マーガトロイド率いる命蓮寺を新興勢力とみなし、今年のウィンドフェスに出演してもらうことにしたわけよ!」

リリカ「たった一回の演奏で……紅魔館を認めさせたの!?」

さとり(こんな人じゃないと他の強豪と渡り合うことが出来ないという事!?考えが……甘かった……。皆さんが冷静で……正しかった……!!)

さとり「……」

さとり「私……古明地さとりといいます。直接会うのは初めてですね」

さとり「次の音楽祭でうちの楽団を金賞に導く指揮者ですので、覚えておいて……くれませんか?」

ざわッ

神子「ほう」

紫「調子に乗るな」ゴッ

紫「ごめんなさいね。すぐ帰らせるから……」グググググ

アリス「振って見せて!」

さと紫「え?」

アリス「見てみたいわ!いいでしょ、皆さんも!?」


紫「ダメよ!このコまだ初心者だし」

神子「でもいい機会ですよ八雲紫」

神子「貴女達も指揮者を育てている!面白いわ。初心者なら誰でも知ってる簡単な曲を振ってみればいい!何事も経験よ!」

紫「……! ……わかりましたわ……。少しだけ振らせて……帰します」

さとり「変なこと言って恥かかせて、すみません」

さとり「でも私、指揮……やりたいです」

紫「……。やるからには……悔いの無いようにね……」

リリカ「私たちも混ざっていい?」

神子「もちろん!空いてる楽器貸してあげて!」

咲夜「騒霊さん、よろしく。一緒に吹けて光栄よ」

咲夜「十六夜咲夜です。紅魔館サックス担当よ」

咲夜「ああ緊張しないで。可もなく不可もない平凡なメイドですので、色々教えて下さいね」

リリカ「いえ、そんなこちらこそ」アクシュ


……………

さとり(まるで人の海……私に振れるでしょうか……)

さとり(いえ……きっと出来る)スッ

さとり(私もあんな音を……導き出したい……!)バッ

♪上海紅茶館~Chinese tea

さとり「!!」

かぐもこ「!!」

リリカ(なにが……平凡なメイドよ)

リリカ(メチャクチャ上手いじゃん!)

リリカ(私たち三人と命蓮寺約30人……そんなもの、いてもいなくても同じなんだ。私の音も、紅魔サウンドに取り込まれてしまう!!)

リリカ(さとり……ダメだ……!!私の音が……かき消される!!)

さとり(……リリカも輝夜さんも妹紅さんも見えない……!舵がきかない!)

完全に 遭難した!!

これじゃない……私が欲しいのは! このままじゃ……振り回されて終わる……
だけど……他に言い方がわからない!伝わらないかも……。笑われるかも……。でも

さとり(言うしか……ない!)

さとり「虹です!! 頼みます!! 虹を!! 出して下さい!!」

レミリア「!?」

聖「??」

アリス「今……何て……言ったの?」

アリス「虹……!! 虹って言ったの!?」

アリス(古明地さとり!初心者の口から何故虹という言葉が出るの!!)


さとり「リリカ!手が見えません!手!出して下さい!」

リリカ(やってる……やっているのよ)

さとり「輝夜さん!他の音!食い尽くすくらいの音で!!」

輝夜(ハイレベルのプレイヤーが多すぎる!食いきれないわ!)

妹紅(……!さとりも……輝夜もリリカも、何やってんの……)

妹紅(あたしはもう、紅魔館の音に埋もれてる。命蓮寺のみんなもそう。あたし達は身を任せるだけ。あんたはただのメトロノームなの……!)

妹紅(なのになんでリリカも輝夜も紅魔館の音じゃなくて、さとりの指揮に合わせようとするの……!?)

妹紅(なんであんたは、このどうしようもない状況の中でも、必死になって指揮者であろうとするの!?)

妹紅(さとり……あんた……、そこまで指揮者に……)ゾク

アリス(まさかここから……音が変わるの……!?)

さとり「!」ハッ

しーーん…

神子(曲が……)

紫(途中で……止まった……)

アリス(間に……合わなかった……)

さとり ギュッ...

ザワザワザワザワ

神子(彼女自身……楽譜のどこを振っているのかわからなくなっていたわね。それが演奏者の混乱を招いたか……指揮の初心者なら……仕方ないか)

アリス「……あなたは……何をしようとしたの?」

さとり「!」

アリス「紅魔館の音はほぼ確立している。なのになぜ、他の"色"を出そうとしたの?」

さとり(私に見えたものを話してもきっと通じない……けど……、それ以外の説明が出来ない……)

アリス「あなたは一体、何を見ていたの?」

さとり「──」

さとり「真っ暗で大荒れの海に飲み込まれてしまいました……。貴女の指揮のような青空を出したかったのに……雨があがれば……虹が出るでしょう……」

アリス(だから……虹と言ったのか)

アリス「あなたは、『共感覚』って知ってる?」

さとり「……はい。ある刺激に対して二つ以上の感覚が生じることですよね……」

アリス「私の共感覚は色聴。音を聴くと色が見えるの。ドはオレンジ、レは銀、悲しい音は青、嬉しい音は黄……音が色となり私に様々なことを語ってくれる」

アリス「最高の演奏は7色……いえ、それ以上の色が同時に見える。まさに虹……。私はいつもそんな音を目指しているわ」

アリス(だけど、あなたが要求したのは7色じゃなく虹そのもの……具体的すぎる……!!)

アリス「"ウィンドフェス"は約一ヶ月後……抜き打ちテストみたいなものだけど、あなたはどこまで伸びるかしら」

アリス「初めてよさとり!音楽やっててこんな気持ちは」

アリス「私はあなたに、絶対に負けたくない!!」

神子(アリスさんに……ここまで言わせるなんて……!)

紫(さとり……貴女は一体……!)

アリス「会場でまた会いましょう」

さとり「……!」

───



リリカ「おじゃましましたー」

さとり「ねぇ……リリカ……。私……今までみたいに今日も、指揮出来ると思ってました……」

さとり「でも全然甘かった……」

リリカ「さとり……」

さとり「やはりダメです、私……。全然ダメでした……!」

さとり「もっと、勉強したい。音楽のことも指揮のことも!どこの指揮者にも負けないくらい!」

リリカ「ええ、もちろんよ! まずは楽譜読めるようになるところからね!」

アリス「……!」バッ

アリス(まさか楽譜も読めないなんて……初心者どころか素人じゃない!)

アリス(音楽知識0で、あそこまで具体的なイメージを持っている……)

アリス(もし彼女が音楽を学んだら……どこまで行ってしまうの……!?)ブルッ


……………

輝夜「……貴女は圧倒的に基礎が足りないわ」

リリカ「独学じゃ限界があるしね……どうするか……」

輝夜「一人……うってつけのヤツがいるわよ。ウチのパートリーダーにね」

さとりリカ「!」

リリカ「パートリーダーに!?そんな人いたっけ?」

輝夜「私はセッションふっかけた時に知ったけど……あいつは周りにそれを隠しているわ」

輝夜「ファゴット・バスクラリネットパートリーダー、魂魄妖夢」

もこリカ「!!」

妹紅「嘘でしょ?」

輝夜「マジよ」

リリカ「いやいやだって妖夢って」

輝夜「マジなもんはマジよ」

輝夜「さとり、とにかく妖夢のところに行きなさい。今のままの貴女にはそろそろ飽きたわ」

輝夜「成長して面白くなったら、また遊びましょう」

さとり「……はい」

───


とりあえずここでストップ
こーりん、すまん。他に合いそうキャラが分からんかった
レミリアはもっとすまん。打楽器のパートリーダーから除外されて紅魔館で指揮者になってもらおうとしたら、さとりの能力が強すぎたので神子に指揮者をやってもらうことになって、今はトランペット奏者に落ち着いてる
>>158
かわいい。本スレでも言ったけど二巻の「一体何が起きている……?」のコマの作画が最高!
>>159
不感症先輩のあだ名が多様性を産んでて草不可避
神海っちゃんは腰から下が好きなのかもな

「SS速報VIP盛り上がってるなーーー!」
「チョー良い!」
「『ハニポ』出てたし」
「『幼女倫』もスゲェ良かった」


「いや……オレは幻SOULだな」

「え!?ウソ!!あたしも幻SOUL!!」

「うんうん東方の!!」
「ソルキャの!」
「さとりんの!」

「そう!!超カッケー>>1がいる」

「『幻想郷のSOUL CATCHER(S)』!!」

誠にすまんが「幻想郷のSOUL CATCHER(S)」はウィンドフェス編で終了させる。アンコンはまだ良いとしてライブハウスなんて……ロックフェスなんて……
原曲厨だからアレンジなんてほとんど聴いてないんだ。って言うか舞台が用意出来ない

リリカ「……私、まだ信じられないんだよね……妖夢が……」

リリカ「あ、いたいた!」

天子「ちょっといい加減にしてよ妖夢!! 邪魔なんだけど!!」

さとりリカ「」

リリカ「天子!クラリネットのパートリーダー! ……なんか、もめてる?」

妖夢「で……でも……この曲……クラリネットとバスクラリネット、混ざって練習した方が良いかなって……」

天子「それはアンタの都合でしょ? こっちは今日それやんないから!後にして!」

妖夢「しかし……ウィンドフェスでやる曲だし……」

天子「カンケーないって。どうせ紅魔館が一番なんだから」

妖夢「……」

さとり「……」

妖夢「そうですか……そうですね。ごめんなさい」

さとり(あ……心が……)

妖夢「私の都合なんてカンケーないですよね。私なんていなくても誰も困りませんもんね……」

さとり(この人……卑屈だ!)

───



妖夢「音楽を0から教えて欲しい?なんで私が……」

リリカ「こいつ、何から始めればいいかもわからない超ド級素人だから」

妖夢「ああ、なるほど」

妖夢「たらい回しにあって私まで流れたんですね。皆急いですもんね。私だけですよね、ヒマそうに見えるの」

さとり「ち……違います!妖夢さんが楽団で一番知識があるって聞いて……」

妖夢「紙貼ってないうちわみたいな役立たずの私が勉強して対等になりたいとか図々しいってことですよね……」

さとり(何を言っても凹んでしまう……この人の心……まるで機雷が誘爆するように、ネガティブ思考が連鎖してますね)

妖夢「そもそも教えられる程の知識なんてありませんよ」ソソクサ

さとり「あっ」

さとり「待って下さい……」ガシッ

さとり(……!)ハッ

さとり「魂魄妖夢さん……私も、頑張りたいんです」

さとり「出来るだけ早く沢山のことを知りたい、学びたい。……どうか……教えてもらえませんか!……私、勝ちたい人が、いるんです!」

妖夢「……ついてきて下さい」

妖夢「楽譜読めるようになるには……ひたすら音符に触れるしかありません。写譜するのがいいのではないでしょうか?……だから、吹奏楽曲100曲、一週間で書き写して下さい」

さとり「!!」

妖夢「各曲に"コンデンス・スコア"が入ってまずは。大人数の吹奏楽曲をピアノ一台でも弾ける位に必要最低限の音符で構成した楽譜のことで」

妖夢「曲の全体像を掴みやすい……それを100曲写してきて下さい。達成できたら、基礎でよければ教えますよ……」

さとり(この人、最初から教える気が無い……!……でも──)

さとり「一週間ですね。わかりました」

リリ妖夢「!」

……………

リリカ「さとり大丈夫なの!?100曲よ?」

さとり「わかりませんがなんだか、できませんって言えませんでした」

リリカ「なんで?」

さとり「さっき妖夢さんの腕を掴んだ時、あの人の体……鋼みたいに硬かったんです」

リリカ「!?なっ……確かに吹奏楽に基礎体力は大事だけど……!」

さとり「あの小さな体に知識と体力を詰め込んで、どれだけ努力してきたのでしょう」

さとり「そんな人にできませんなんて、失礼だと思いました」

さとり「アリスさんに勝つには、妖夢さんの力が必要です。私もやるべき事をやります」

───



萃香「お?」

萃香「リリカァ、今日さとりは休みかい?」

…………

さとり カリカリ

───



慧音「あれ?」

慧音「リリカ、今日もさとりは休みか?」

…………

さとり グッタリ

───



輝夜「リリカ、5、6日さとりを見てないけど、あいつ今、何やってるの?」

…………

さとり ガリガリガリ

…………

リリカ「さとりなら今、頑張ってるよ」

「「「……なら、いい」」」

───



さとり「妖夢さん」ハァ...ハァ...

さとり「やってきたので、見てもらっていいですか?」

妖夢(本当にやってきたんだ……どうしよう。未熟な私なんかが人に教えるなんてとてもとても……)

妖夢(ミスを見つけてそれを口実に断ろうかな……)ズシ...

妖夢「あれ?」

妖夢「写譜したコンデンススコアだけ見せてくれれば……これ原本でしょ? 丸々ある……」

さとり「いえ……それ全部、私が書いたヤツです」

妖夢「!?」バッ

妖夢「そんな……嘘だ……本当に書いたんですか……!?」

妖夢「楽譜は3種類が一つになっている。一つはコンデンススコア……二つ目はパート譜、三つ目がフルスコア……全部で1000枚以上あるのに!一週間で!書いたのですか!?」

さとり「私は内容がちんぷんかんぷんでしたけど、多分アリスさんは全部理解出来るから」

妖夢「なんで……そこまで……さとりさん……アナタは、そこまでするのですか……?」

さとり「……。指揮者を目指してから、他人との関わり方が変わりました」

妖夢「!?」

さとり「嫌なものに対して何も出来ないからといって逃げたら、逃げた先で同じ目に必ず遭うんです。多分一生嫌なものに、追いかけ回されます」

さとり「でも逆にすごく辛い、すごく苦しいけど今の内にぶつかっておけば、次同じものが来ても、あの時逃げなかった自分が勇気をくれる。解決だって簡単になる」

さとり「それが、わかったんです。そっちの方が少しだけ、希望がある感じ、しないですか?」

妖夢(……さとりさん。いいな、アナタみたいに思える人は……。私は……)

妖夢「練習の合間に……ちょっとだけなら……教えられるかもしれません」

さとり「ありがとうございます!」

───



妖夢「……って事です」

さとり「4拍子と2拍子ってちゃんと違うんですね」

妖夢さんの説明はわかりやすい。きっと何度も復習してるのでしょう

さとり「あとココもわからないんですが──」

ガラッ

天子「あーっ!ココ使われてるじゃない!しかも妖夢のとこだ」

さとり(比那名居天子! クラリネットパート……!)

天子「あー!妖夢がさとりになんか教えてるー!」

さとり妖夢「!」

天子「妖夢ぅ、あんたもアレ?さとりに洗脳されちゃったワケ?」

さとり「妖夢さん……」

妖夢「いいんです……。私なんてホントにダメなヤツですし」

天子 イラッ

天子「じゃ、辞めちゃえば? アンタいなくなっても、誰も気付かないかもね?」

さとり「───!」

さとり「何を、ヘラヘラしてるのですか?向上心の無い貴女に妖夢さんを笑う資格はありません!」

天子 イラッ

天子「ホント……わかんない。妹紅みたいな根拠の無い自信も、輝夜やリリカみたいに上手いくせにもっと上手くなろうとする気持ちも」

天子「妖夢やアンタみたいに、報われるかもわかんない努力を続ける気持ちも。イライラする。もう行こ」ピシャッ

さとり「……」

さとり「あの人、妖夢さんにだけ、やたらキツいですね。……昔のように生真面目で張り合いのある貴女に戻って欲しいみたいですよ?」

妖夢「!?」

さとり「貴女が卑屈になって逃げるようになったのは、過去の演奏で、主人の前でミスをして演奏を止めてしまったからなんですね……」ギュッ...!

妖夢「なっ───「ここにいたのね、さとり」

さとり「……紫さん?」

紫「すぐに来なさい、妖夢も。緊急全体ミーティングです」

───



紫「さて……課題は一つだけ。ウィンドフェスについてです」

紫「ウチは3曲ほど演る予定……なんだけど、私色々考えたの」

紫「その中の一曲を、さとりに指揮させようと思っています」

一同「!?」ザワザワ

天子「ちょっと意味わかんないんだけど紫!!楽団全体に関わる大問題じゃない!!」

紫「そうよ……だからこれは相談です。次の合奏練習……皆にはさとりの指揮で一曲演奏してもらいます」

紫「感情にまかせて正しく見ず考えずのままで、決めつけは良くないと……私は考えました」

紫「演奏者としてさとりの指揮を肌で感じてから!彼女を受け入れるか拒絶するか!貴女達に決めて欲しい!」

紫「各パート一票で多数決を取ります。パートリーダーがメンバーの意見をまとめてパートとして賛否を決めてもらう。票が割れるよう慧音も入れて13票!過半数が賛成ならさとりに一曲振らせます!」

リリカ「今のままじゃ……」ヒソヒソ

さとり「ええ……負けますね」ヒソヒソ

完全な味方が少なすぎる……だったら、この投票戦で楽団の半分以上を!味方にするしかない!

紫「さとり、一応聞くけど演ってみたい曲ってある?」

さとり「えっ」

紫「本番で演る曲、まだ変更可能なのだけど……って言われても困るわよね。こっちで決めてあげるわ」

さとり「いえ、えっと……、ないこともない……というか……あるには……ある……というか」

紫「あるの!? 言ってみなさい」

さとり「ゆ……『幽雅に咲かせ、墨染の桜』……とか」

紫「……ウチに楽譜もあるし、いいかも!」

妖夢「──!」

妖夢「あ、あの!」

妖夢「わ、私は……私はその曲の演奏には、反対です! その曲の終盤には……バスクラリネットに無伴奏のソロがあるんです……!」

妖夢「私以外誰も吹かない所があらなんて……耐えられない!もし私がそこでまた失敗したら……、リードミスで変な音が出たら……!根性なしの私には無理です!」

紫「……指揮者の希望なので異論は認めません。合奏した後決めなさい、いいわね」

───



さとり「!」

さとり「天子さん……」

ワイワイ

天子「アンタ、ソコ吹けないの?」

クラs「私には難しくて……替え指とかわかんないし……」

天子「だと思ってあたしこういうの作ってきたの」

天子「運指表ミニチュアブック!」

クラs「キャーカワイー!皆の分もあるー! 天子さん手作りですか!?スゴーイ」

天子「大切にしなさい」

さとり(天子さんは今も音楽が好きなんですね……。いや、人と関わる事を求めていると言っていいでしょうか)

さとり(誰かと関わりを保つために、音楽をずっと好きでいられるようにあらゆることに気付いて動く。その気持ちが人を集める)

さとり(輝夜さんと似たタイプですね)

さとり(音楽が好きなだけで上を目指す事が視野に無かった。そしていつの間にか自分の世界(ハコ)を完成させてしまった……)

さとり「ハコから出してあげないといけませんね……」

さとり「時間が無いので、楽譜が読めない以上、聴きまくって体で覚えるしかありませんね」カチャ

さとり「───!!」

───



~合奏日~

紫「じゃあさとり、始めなさい」

霖之助「……なぁ、幽香はどうした?」

霖之助「コントラバスがいないぞ。……サボりかい」

団員s「コントラバスパートは一人しかいないから気楽なもんだよ」

さとり「……」

さとり(……今は気にしません……。天子さんも妖夢さんも……いる)

さとり「始めましょう」スッ...

ここまで。
ヤバイ。九州だから三巻購入は早くても6日なのにこんなに進めちゃった……

>>181
レス速すぎ!

>>186
×コンデンススコアが入ってまずは
○コンデンススコアが入ってます
>>195
×私以外誰も吹かない所があらなんて
○私以外誰も吹かない所があるなんて
>>196
天子「大切にしなさい」

天子「大切にしなさい」フフン

九州地方は福岡・佐賀・長崎・熊本・大分・宮崎・鹿児島、そして沖縄……
東京の発売日から数日遅れる県が集まってる

そん中で単行本無しにSSを書くのはスゲェ大変なんだろうな

>>1さん…
あの…
月並みっスけど…
頑張ってください!

さとり編とか…
神峰編も…
書いてもらえたら…

残念だけど

わたしには
>>1を止められない

真面目に>>1
はっきり言って次々と語録が生まれるソルキャは異常だ。星合ちゃんは私のこともちゃんと考えてるコラでソウルキャッチされました。攻略あくしろよ

あらかた東方キャラのキャラ振り分けが公開されましたな。想像どうりだったり違ったのもあったり…てっきり暴君はゆうかりんだと。いやそうしたら医者の事情が書けなくなるし輝夜しかいませんでしたね。
それにしてもゆうかりんとのバトルが見れないのは残念だなー(チラッチラッ

オーラ姐さんポジの天子さん、虹の装飾品をつけてましたね、確か。しかしパカーンはどうなるんだ?

次も期待です!

      /:::::::::/:;':::;:'::::/:::::::::::::/:::::/
     /:::::::::/::::;'::::;':::::i'::::::::::::/:::::/
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  ,':::::::::::;'::::::::::/::::/:::::::,'l::::::;'::::/     知    何   .2
  |:::::/::;'::::::;::/」:::/'|::::/ |:::::|:::/        っ   の   月
  ,':::::;':::::::::/::;__|:;ヘ|::;' |:::::|::;'       て   日    .4
  |:::::|::::::::// リー、|:;ヘ, |:::::|:|         る   か    日
  |::l::|::::::/≧_、_'  |ト、゙ |:|:从       ?         は
  |::l::|::::リ ´',ャ斤≧xリ、  l:l:川
  ';::l;;|;;/ ,,-、 V:::::゚。:入゙ ',リ |,',
  ';l;:l::|   `''ー"‐'<    ' 'ハ
   '::::|| """           \
   ';:ハ               \                  _
  ∧` ゙、       丶      冫,、_           __,,-''"

  ∨   \                '´   ̄`フTー┬―,,ゥ''"´
       /ヽ     、         ,        /|::|:::::トヘ´\
.    /    ,>、   `‐ --― '´    _/  |::|::::リ  |  ! へ、
   /   /:::_;;;\        _,, -''   ,イ:::|:;';|  ! |    ヘ、
   |  人j''´:::;;;:::::`:.、  _,,, -‐''"    / /:::/ リ   ! |     \
   |  |:::;;゙‐-<:::::::::ノ` |      /  // ' 丿    リ

>>201
俺は二巻買って「星合ちゃん可愛いじゃん」って思ってた所に私のことちゃんと考えてる?が来てソウルキャッチされました。
むしろゆうかりんは、弦野編を見てから「ねぇ、アナタって本当に必要なの?」が浮かんで即決だった。刀(傘)を突き付ける所とか似合い過ぎた。最初に決まった
天子ちゃんを邑楽先輩にするのは苦悩したよ。地上に友達少ないしカリスマ無いし。レミリアにすればよかったと思ったけどレミリアの設定決まった後だし微妙にキャラが違った

さとり(最初はリリカの一人舞台……)バッ

さとり(私たちの真剣勝負、相応しい音で始めましょう)

♪幽雅に咲かせ、墨染の桜~Border of Life

リリカ ~♪♪♪♪

一同「!!!」

ピリッ...!

リリカ(いい緊張感がうまれた!"相応しい音"が出たかな?)

リリカ(……いや、待って……。さとり今、喋った?)

さとり バッ

萃香(お?)

萃香(おっと……鋭さは残しつつ……もっと音量をおさえるのか……)~♪

萃香(ん?……あいつ喋ってないよね。なんで私、あいつの指示分かったんだ?)

輝夜(……なに?……あれは!?)

慧音(どういうことだ?)

さとり(分かる……、楽譜が……読める……。)

さとり(楽譜の情報が、イメージが!体の中にどんどん入ってくる!!)

さとり(伝えたいことが多すぎる!喋ってる暇がありません!どうにかして伝えなきゃ!)

さとり(伝われ!)

伝われ!

──テンポ走りすぎない
──低音、もっと軽快に
──リズムはっきり
──ピッコロ跳ねて
──トロンボーン酔っ払いみたいに

リリ輝夜慧音萃香妹紅「!!!」

リリカ(あいつの指揮から……まるで、具体的な指示が聞こえてくるようだ……!)

リリカ(100曲1000枚の写譜!!そして音楽の基礎知識を学んだおかげで、さとりの「曲の解釈」と「思い」が私たちに伝わりやすくなってきたんだ!)

リリカ(声での指示は本番では極力使うべきではない!今までとは比べものにならない……これは! 実践的な指揮!!)

~♪

さとり(これは勝負です……これは!この曲で!比那名居天子さん……貴女を、味方にする戦いです!)

さとり(そのためには貴女の力が絶対不可欠なんです)ビッ

さとり(魂魄妖夢さん!!)

妖夢「!!」

さとり(妖夢さん……もうすぐ『幽雅に咲かせ、墨染の桜』終わりますよ。ラストはテンション高く行きましょう)

さとり(まずは二人!頼みます!)

──トランペット、スネアドラム、テンション高く!

輝夜椛 ~♪♪

妖夢(──)

~回想~

妖夢「さとりさん、お願いです!考え直して下さい……!」

妖夢「あの曲は……貴女も知っての通り、私が幽々子様の前で演ってミスをした曲なんです……」

さとり「その曲をやり直す事で、私……何か答えが出ると思うんです。それを一緒に見つけましょう」

~~~~



妖夢(さとりさん……何をする気なんですか?)

さとり グイッ

──バスクラリネット、音量で全員に勝て

妖夢(!?)

団員s「!?」

妖夢(出来ない!! そんなの無理に決まってる!バスクラリネットが……私なんかが!目立っちゃダメなんだ!)

さとり グイッ

──バスクラリネットもっと音量!!

妖夢「……!!」

~♪♪

霖之助メルラン「!!」

天子(何、やってんのよ妖夢……さとり!)

天子(アンタもクラリネットではあるんだから、そんなにグイグイ行ったらウチらとのバランスが崩れる……!)

さとり(トラウマのせいで目立つ事を恐れている。だから知力も体力も隠してきた。じゃあなんで、努力をやめなかったのです?)グイッ

──バスクラリネット足りない!もっと!

さとり(なんでこうして貴女は、私の指揮に食らいついてくる!?)

それは、「もう自分の失敗で迷惑をかけたくない」という、悲痛な願い。

さとり(だったら今こそ失敗したこの曲を全力で吹き切って、願いを決意に変えればいい!!)グアッ

──全て、出し切れ

妖夢「──」

天子(一体……何なの……?)

さとり(!! ……もう少しです、ここで)

──バスクラリネット!ティンパニと同じテンションで

萃香「ウシャアアアアア!妖夢ついてきな!!」

妖夢(ムリムリムリムリ!)~♪♪

メルラン(低音が妖夢一人に、押されてる!?)

メルラン(知らなかった……妖夢に、こんな演奏が出来たなんて!!)

天子(……妖夢の……、この音……。なんでアンタが引き出せるの!?)

天子(メンバー結成時に、二人でクラリネット始めて……、真面目な妖夢と喧嘩しながら練習して、張り合いがあって楽しくて楽しくて仕方なかった)

天子(あの頃の音に、戻ってきてる!?)

慧音(さとり、マズイぞ!妖夢の音が強くて高音と低音のバランスが崩れている!!)

リリカ(高音が弱すぎる!どうするの!?)

さとり(決まってる!)

天子 ~♪

団員s(!!! 天子!?)

さとり(違う)

~♪♪♪

さとり(クラリネットパートです!)

さとり(天子さんを慕う方達が……天子さんの初めての本気についてきた! このクラリネットパートの結束力が高音のパワーになる!)

天子(思い……出しちゃったじゃない。音楽が好きで、好きでたまらなくて……音楽の大変な所も、難しい所もメンドくさい所も大好き)

天子(好きなように演ってたら妖夢に怒られて、ムカついたけどコイツには負けないように頑張ったことも……!)

さとり(!天子さんの閉じた世界が広がった!)

天子(──遠っ……ゴール……見えないじゃん)

天子(でも狭くない、先がある!妖夢はどの辺だろ?すぐ追いついてやる!)

さとり(……さぁ……、妖夢さん。最後のソロですよ)

さとり(楽勝でしょう?……だって、)

機雷は全て、爆発し尽くしたのですから。

妖夢 ~♪♪

───



~翌日~

リリカ「あ!紫!結果は……」

紫「今、貼っておいたわ」

さとりリカ「」バッ

"賛成過半数で 古明地さとりに一曲 指揮権を与えるものとする 以上"

ここまで。
幽雅に咲かせ、墨染の桜の終盤のソロをバスクラリネットでやらせる暴挙。ごめん。

感動
してしまった

>>1乙!

>>152のキャンバスかと思ったらコンクリで塗り固められた扉だったってのは荒木イズムと言うか神海イズムが効いてて流石ッス!

ウシャアアアア!!二巻終わらせるぞコラァアアアア!!

>>215
ありがとう。パルスィの独白が浮かんでから書き始めて、全部即興だけどなんとか無理矢理地霊殿まで神峰を導けたよ

萃香慧音輝夜妹紅「」

萃香「おい、マジか」

慧音「どうなってるんだ?」

妹紅「あんた何か知ってるんでしょ、言いなさいよ!」

輝夜「知らないわよ」

萃香慧音輝夜妹紅「さとりが、ピアノ弾いてるぞ」

……………

~回想~

紫「───という結果になったけど、各リーダーの意見を聞きましょうか……。さとりの今後のためにもね」

メルラン「……バランスが悪すぎたわ。クラリネットに偏りすぎて金管が響かなかった。金管楽器の事もちゃんと考えてる?」反

藍「正直、何も感じなかったな。何で賛成がいるのか分からない。……妹紅は元々反対じゃなかったか?」反

妹紅「別に完全に認めたワケじゃない……けど」

妹紅「紅魔館で見たさとりの気迫と……あの時より成長した事を考えて、一曲くらいいいかなって思っただけよ」賛

藍メルラン雛「妖夢は?」

妖夢「私は……、感動、してしまった」賛

妖夢「さとりさんみたいに……苦手でもぶつかっていけばその先に、希望があるんだなって……思えました!」

さとり(……演奏に自信がついたみたいで……良かった)

妖夢「師匠も斬ってみるまで分からないと言っていましたし!」

さとり(それは違うと思いますよ?)

衣玖「……そして、意外な賛成派がもう一人」

天子「……別に、大した理由なんてないし」賛

雛「最初怒ってたじゃない……」反

天子「……」

霖之助「……まぁいい……。それよりも……、少し気になるのは……」

慧音「棄権が二人。サボりの幽香は置いとくとして、静葉は何故棄権した?」

静葉「んー?」

静葉「だってさ、どっちに決まっても負けた方は楽しくないでしょ? そういう人が出ちゃうのって良くないと思ったんだ」

静葉「だから私は勝った方の味方だし負けた方の味方! みんなみんな楽しくないと!」

メルラン(この投票そのものを否定ね)

紫「……さとり。最後に私から」

紫「紅魔館で貴女の指揮を初めて見た時、指揮者になりたいって本気の気持ちを感じたわ……だから、引き続き精進なさい」

さとり「はい」

紫「──解散」ガタッ


天子「──さとり、これ」ガサ

さとり「?」

天子「ピアノの教則本、あげる」

さとり「!」

天子「指揮者になりたいならせめてピアノ弾けないと駄目だから、あたしのお古だけど……あげる」

さとり「あ、ありがとうございます」

天子「じゃ」

───

……………

さとり「……難しい……『緑眼のジェラシー』……、果てしなく難しいです……!」グギギギ

さとり「片手でこれじゃ私……挫折しそうです……」

リリカ「……そのまま続けて」ストン

~♪

さとり「!!」

さとり(お?……なんか、ジャズっぽい? しかも、ノってきたら……弾きやすくなりました!)

さとり(お、面白い!)

リリカ「──はい、今日はおしまい!パート練習に戻るね」

さとり「ありがとうごさいました」

リリカ「さとり、復習忘れないでよ! じゃあね!」

───



さとり「さて、次はどのパートに行きましょうか……」

リリカ「金管のこと考えてるのかって意見は気になるけど、まず木管楽器全て回るって考え方もあるよ」

さとり「うーん……」

静葉「あ、さとり!」

さとり「!秋静葉さん」

さとり(……あれ?)

静葉「これから楽器屋さんに行って備品買ってくるの。荷物多いからついて来てくれない?」

静葉「さとり、一番ヒマそうだからさ」ドウ

さとり「ぐっ……確かに行くアテはありませんけど……」

静葉「早速行こう!ゴゥゴーゥ!」グイッ

【楽器屋】

静葉「店員さんに聞いてくるからブラブラしててねー」

さとり「すごい……楽器がたくさんありますね……。こんなにするんですか……!?」

さとり「楽譜も沢山ありますね」ペラ

穣子「その曲、チョコレートパフェの味するー」

さとり「?」

穣子「この音がチョコで、これがナッツ。これがアイス!あ!でも抹茶アイスだ。会わなーい」

さとり(音符を見て、味を感じる?このコ……これは、共感覚?)

穣子「あなたも音楽やるの?」

静葉「さとり、お待たせー」

さとり「!」

さとり(何?この空気…?この二人、姉妹なんですか)

静葉「穣子」

穣子「……お姉ちゃん」

穣子「さとり……あなたがウワサの……、ちょうどよかった。私たちは妖怪の山の楽団でウィンドフェスに招待されてるの」

穣子「……もっとも、もうすぐ楽器吹けなくなるお姉ちゃんがいるバンドなんかに、絶対負けないけど」

さとり(な……何て言ったの今……。静葉さんがもうすぐ……楽器吹けなくなる……!?)

よし終わったー。スポットの当たらないあの方達の小ネタが出来るよ!

ということで主演とパートリーダーはそれぞれ
神峰→さとり
刻阪→リリカ
谺先生→紫
棟梁→萃香
奏馬→慧音
暴君→輝夜
歌林→妹紅
御器谷→妖夢
邑楽→天子
カスミン→静葉
雅→衣玖さん
弦野→幽香
川和→こーりん
星合→メルラン
管崎→雛
金井淵→藍
伊調→アリス

でした。いくつ正解したかな
管崎さんは最後まで決定せず苦戦しました
厄を振り撒かなければいいけど……

藍様が壮大なネタキャラに……

>>226
ネタキャラにしてるのは俺たち読者で、本人は至って真面目だから……

~オマケ・紅魔館編~

咲夜「お嬢様、スキマ妖怪はどのような用事だったのですか?」

レミリア「一緒に音楽をやらないか、ですって。聞けば亡霊のために演奏をするんだと。私がそんなことの為にやるわけないじゃない」

…………

~数ヶ月後~

レミリア「みんな、音楽やるわよ」

咲夜「? しかしこの間のスキマの誘いは断っていましたよね?」

レミリア「スキマの楽団がなかなか目立ってきた様だから、その人気を奪ってやるのよ。それだけよ」

フラン「音楽やるの!?あたしやりたーい!!」

咲夜「はぁ。お嬢様がそう仰るのでしたら……」

~パート分け~

フラン「私は何をするの?」

レミリア「お前は楽器なんてしたこと無いでしょ。……パーカッションでもしてなさい」

レミリア「パチェは何の楽器が得意?」

パチュリー「私もやるの?……楽器なんて弾けないわよ」

レミリア「じゃあ、色々試そうか」


……………

・トランペット

パチュリー プォー♪

レミリア「出来るじゃない!」

パチュリー プォー♪

パチュリー「ゴッホゴッホ!!!」ブフォー

パチュリー「喘息があるから吹く楽器は無理よ……」

・コントラバス

パチュリー ~♪

レミリア「器用じゃない……パチェ。大体の楽器はできてるし」

パチュリー「ゼー、ハー…」~♪

パチュリー「体力が……無いから……、重い……コントラ……バスも……、出来ないわよ……」…♪

レミリア「コンバスは美鈴ね」

美鈴「分かりました」

咲夜「そう言えば私達、楽器やるのに夢中で指揮者を忘れてましたね」

レミリア「大丈夫よ。うってつけのヤツに心当たりがあるから。ついでにそいつらも全員私たちの楽団に入ってもらいましょう」



……という流れで神子さん達が紅魔館に出入りするようになりました。
ちなみに紫の楽団のモブはほとんどが下っ端天狗と河童と兎。萃香とてゐが連れて来ました

体育会系文化部の吹奏楽にパチェさんなんてとてもとても…
おジジイ訳は誰かやるのかな?続きが気になります

3巻発売したな
ああ、したな

~オマケ・フラストレーション~

リリカ「友達を団活に誘って何が悪い!!!」クワッ

メルランルナサ「!?」ビクッ

リリカ「死ぬほど楽しかったのよ!!悪かったわね!!!」

ルナサ「どうしたのよ……躁病?鬱にさせようか?」

リリカ「いや、さとりのせいで名台詞が潰されちゃった気がして……」

ルナサ「何それ……」

天子「私なんてメインヒロインの座から降ろされたわよ!」バンッ

メルラン「今日は賑やかね!」

リリカ「どこから出てきたのよ……」

天子「そんなことどうでもいいでしょ。問題は私にスポットが当たる所がアンタに変わっていた事よ。地底妖怪の相手とかはどうでもいいわ」

リリカ「だってピアノ弾いてるシーン無かったし、ピアノなら私に一日の長があるし、相方だし。何よりパカーンするシーンがさとりに通用しないもん」

天子「4コになってます。……じゃない。ぐぬぬ……!」


終わり

~オマケのオマケ~

紫「藍ー、私たちの楽団に入って楽器やってくれない?」

藍「やるわけ、ないだろう」

紫「……」

紫「トロンボーンなんてどうかしら?きっと似合うわよ?」

藍「やるわけ、ないだろう」

紫「……」

紫「なんだかお腹空いちゃったわ。今日のご飯は何かしら?」アセアセ

藍「やるわけ、ないだろう」

紫「……グスン」


~完~

>>231
そらもちろん【あの人】よ。
ヤメロ……そんなに圧をかけると……ガラスの心が……壊れる!

>>152から


さとり「翔太さんは私には読めないこいしの心を見ることが出来るのですね」

神峰「ああ、心が無いヤツ以外の心なら……。そんな人には会ったことねェけど……」

こいし「あなた心が見えるんだ!? お姉ちゃんとお揃いね!」

神峰「あ、ああ……そうだな……」

神峰(! どうして心を閉ざしているのにそんなにグイグイ来れるんだ!? 普通心が閉じてたら、誰とも関わろうとしねェのに……。分からねェ……正直気持ち悪い……)

さとり「こいしは心を閉ざし、能力を閉ざした事で、代わりに無意識を操る能力を得ましたので。今のこいしは無意識の中で動いています」

さとり「気をつけて下さいね? こいしがこの場から居なくなると、こいしを見つける事は大変困難ですから。もっとも、ここから居なくなったら、こいしを覚えていられるのか分かりませんけれど」

神峰「……」

───



さとり「翔太さん。貴方がここに居る間は、せめてこいしの心と逃げずに向き合って欲しい……。きっと貴方には、こいしにも……、心と向き合う強さが必要なのだと思います」

神峰「!」

さとり「心が読めない相手の行動の不一致に気持ち悪さを感じるでしょうが、それが私達以外の人には普通なんです。……本当の所私達は、自分の嫌う能力に依存しているのでしょうね」

神峰「──!言われてみれば確かにそうだ……!あの気持ち悪さも、心が見えるせいで本心が分かっちまうから……心が見えない相手の行動に対して感じたんだよな……」

さとり「……ありがとうございます。ちゃんとこいしと向き合ってあげて下さいね」

神峰「あの……心読んで先に話進めるの、控えてもらっていいッスか……?」

さとり「こういう性分なので。では約束ですよ。お休みなさい」

神峰「お休みッス!」ガチャ

神峰「はぁー……、今度こそまとめよ」

神峰「本当に色々あった……。幻想郷、妖怪、地底、……忘れ去られたモノが行き着く楽園なんて謳ってるのに、ここには嫌われ者しかいないんだな……」

神峰「空飛んだり出来るのが珍しくない場所なのに……、いろんな超能力や魔法があるってのに、心を読む能力はここでも嫌われるってことか……」

神峰(やっぱ怖ェよ……。ここでも俺は受け入れられないってことなのか?うまくやって行けるのか?)

神峰「……疲れたし、寝よ」バサッ

神峰「ふー」ゴロン




こいし「ねぇ翔太、もっとお話ししましょう!」


神峰「!?」ドッキーン!!

神峰「なんで布団の中に居るんスか!!? 何時の間に入ったんスか!?」ガバァ

こいし「驚いた?お姉ちゃんから聞いてたでしょ、私のこと」ウフフ

こいし「私は誰にも気付かれることはないの。本当はあなたが落下してる所からずっと見てたのよ?」

こいし「あなたが死んだら私の部屋に飾ろうと思って!」

神峰「!?」

こいし「別にあなたの命を狙ってはいないわ、お客さんだしね。でも死んじゃったらお部屋に飾らせてね?」

神峰(マズイ……これが……、妖怪と人間の倫理観のギャップ……!!スゲェリアクションに困る!!)ヒー

こいし「聞いてる?半分は冗談よ。翔太ったらさっきはお姉ちゃんとばっかり話してたから!」

神峰「ああ……悪い。さっきのはさすがにリアクションに困って……」

神峰(やっぱりあの心を見ながらこの子と会話するのは辛ェ……正直、早く寝たい……。けど! さとりと約束しちまった! だから、この子が満足するまでは俺は逃げずに付き合ってやらねェと……!)

こいし「あなたも私と同じなのよね?」

神峰「?」

こいし「人の心を見るの、嫌なんでしょ?」

神峰「! ……ああ、スゲェ辛ェよ……。今朝までこの目を潰して欲しいって思ってた」

こいし「やっぱり同じなんだ!……私はもう閉じちゃったから分からなくなったけど」

こいし「翔太もその目と心を閉ざすと、無意識に何か出来るようになるのかな!?」

神峰「いや……俺は人間だし、そんなふうにホイホイ能力なんて付かないんじゃないか?……それに、ここに居る間は心と向き合うってさとりと約束したから……」

こいし「……ふーん、そうなんだ。頑張ってね」

───


~翌日~

神峰「おざス……」

さとり「おはようございます」

さとり「……徹夜したんですね。こいしが迷惑をかけてしまって、すみません」

神峰「いえ……」フラフラ

さとり「律儀なんですね。私との約束を守ってくれるなんて。……眠って構いませんよ?お昼にペットに起こさせますので」

神峰「すんません……そうさせて貰うわ……」フラフラ

さとり「お休みなさい」



こうして、これから地霊殿での神峰の生活が始まるのであった───

続く

ここまで。
明日はおそらく休み。三巻買うしバイトあるし

乙。
サイコメトラー同士の組み合わせっていいですね。
他の作品だと神峰とKT浦さんとか合いそう

ああ、3巻の密度マジヤベェ……



>>1さん
1コ…いいスか
提案…なんスけど
ウィンドフェスまで書いたら原作が進むまで神峰の方を書くって…どうスか

置いてなかった…(ガシャアアアアアア ガクッ
みぞれのせいであまり遠くに行けん

>>243
なんだ そりゃほ

ミス!
>>243
なんだ そりゃ?読者様気取りか?
いや、ウィンドフェス終わっても神峰inが終わるまでは続けるつもりだけどね
原作進んだらまたスレ立てるかもしれない

待たせたな、俺もようやく……飛べる!
※3巻買いました

でも本編は待って欲しい。改変が大変だ
しばらく神峰編で
VOMICはじまた!

VOMIC良かった

>>246
それだよ>>1ーーー!!

うん、VOMIC良かったな

>>247,248
音楽が題材だから音声付けると映えるね

スレ的にはVOMICが!始まるぞ!って言った方がよかったよ……

>>241から


……………

ボスン!

神峰「うぐっ…」

神峰「何だ……? ……猫?」ムクッ

神峰「あ……、もう昼か……。日が刺さないからあんまり実感ねェな……。これにも慣れなきゃな」フア~...

お燐「おはようお兄さん!よく眠れた?」

神峰「!? 猫が人になった!?」ドキッ!

こいし「おはよー」

神峰「何で同じ布団に寝てるんスか!!?」ドッキーン!!

こいし「私が寝てる所に入ってきたのは翔太の方よ?今日は眠くてこの布団で寝ちゃったの」

お燐「どうやら目は覚めたようだね!もうすぐお昼ご飯の用意が出来るよ」

神峰(すっげえ目ェ覚めた……心臓に悪ぃ……)ドックンドックン

───

さとり「先ほどはお楽しみでしたね」

神峰「カンベンしてくれ……」

さとり「……さて、早速ですが翔太さん。貴方にはここで生活するにあたって、何かしらの仕事をして頂きたいのですが……。さすがに何もせずにここに居られるワケにもいきませんので」

神峰「ああ、世話になる以上、出来ることなら何でもやるよ」

さとり「とは言っても、さすがに怨霊の管理や核融合炉の管理なんて任せませんから、ペット達の世話でもしてもらいましょうか」

神峰「核融合───!?」

さとり「何故忘れられたものの行き着くこの地に、確立されていない技術が存在しているのかというと、簡単に言えばそういう能力を持った神様の力を手に入れたからです」

神峰「……説明どうも……」

さとり「いえ。では、お願いします。暇が出来たら自由にしても構いませんよ。地底の住人なら、私の客だと言えば手は出して来ないでしょう。え?旧都に行くのはまだ怖いですか……」

神峰「……」

───



神峰「ペットの世話とは言っても……ほとんど放し飼いだな。俺のやる事なんてあるのか?」

神峰「散歩も適当にやるだろうし、餌をやるくらいしかなさそうだ……。そう言えば他のペットもペットの世話してんだよな……。仕事少なくないか?」

神峰「もしかして……引きこもらずに旧都って所に繰り出せって事か……?さとりのあの、俺を試しているような心ってそういう事なのか?」

神峰「……でも一人であの連中が居る所に行くのは怖ェし……、しばらくはここのペットと向き合って練習しよう……!」


……………

【窓際】

さとり(彼に人と、その心に関わる勇気を与える……。こいしが心を閉ざす以前にしてあげられなかった事を彼に実行することで……!あの時をやり直すことで!私も何かを得られるはず……!)

さとり(すみませんね、翔太さん。私の為にも、貴方の為にも、まだまだ課題を乗り越えてもらいますよ?)

───



~一ヶ月後~

神峰(こいつらも大分俺に懐いてきたな……。なんか、こういうのっていいな……、癒される……。こいつらの世話してると何かカタルシス感じて……、何て言うか、動物っていいな)

さとり「人に嫌われるからといって、動物に手を出してはいけませんよ?」

神峰「?いや、懐いてる相手に暴力は振るわねェけど……」

さとり(この鈍感さは治せないのでしょうか?ボケ殺しもいい所ですね)

さとり「お茶にしましょう。来てください」

神峰「あざす!」


……………

さとり「翔太さんがここに来てから一ヶ月ほど経ちましたが」

神峰「?」

さとり「元の世界に帰りたいなんて全く考えませんでしたね」

神峰「!? 帰る方法があるのか!?」

さとり「地上に住んでる巫女を頼れば、元の世界へ帰る事が出来ます。しかし、私はまだ貴方を地上へ向かわせる気がありません。貴方はまだ旧都にすら踏み出していませんから。なのでしばらくはここで暮らしていて下さいね?」

神峰「なっ……」

さとり「それに……帰りたいと思わないということは、未だ人との関わり合いを恐怖しているということ……。そんな貴方を帰した所で、貴方はここへ来る以前と変わらないまま。放ってはおけません」

神峰「……そう……だな……」

さとり(自分の本音を突き付けられたというのに、怒らずに受け止めた……)

さとり(彼が心の状態をバラして他人を怒らせた経験から、自分の心を暴かれても嫌悪感は抱かないようにしようという気遣いですね……)

さとり「翔太さんは良い人ですね……」

神峰「えっ……?」

ドンドン!

??「誰か居るかい?」

さとり「お客さんですね。ちょっと出て来ます」

??「さとり!アンタなら居るだろ!?」

さとり「お待たせしました。……何の用ですか?」

勇儀「何しらばくれてるんだい?アンタなら分かってんだろ?」

勇儀「ヤマメとパルスィから聞いたよ。ココに客人が居るそうじゃないか!しばらく待っても私の所に挨拶にも来ないもんだから、こうやって出向いてやったんだよ」

さとり「すみませんね。彼は今リハビリ中ですので。どうぞ、案内しますのでついて来てください」

勇儀「リハビリだ?穴に落ちて足でも折ったのかい?パルスィが助けたと聞いたよ?」

さとり「いえ、社会進出のためのリハビリです」

勇儀「アッハハハハ!心が読めるヤツらってのは難義なヤツが多いねぇ!」

さとり「お待たせしました」

神峰「!」

神峰(この人……あの角……まさか……)

神峰「アンタ……、鬼……なのか?」

勇儀「ん?そうさ。まさか我々鬼の存在を覚えているヤツがいるなんてね」

さとり「神峰さん、彼女に挨拶をお願いします。わざわざお越し頂いていますので」

神峰「あ、どうもすみません。俺、神峰翔太です。ここでしばらくお世話になってます……」

勇儀「あたしは星熊勇儀。見ての通り鬼だよ。挨拶に来なかった事は……人間だから大目に見てやるか、今回だけね」

神峰(この人……スゲェ真っ直ぐな心してるな。自信に溢れてる)

勇儀「さて、目的も果たしたし、帰るとするか。まさかさとりが男を匿うとはね!面白いモン見れたよ!」

勇儀「アンタも、旧都に来たなら歓迎してやるよ!じゃあね!」

さとり「彼はそういうのではありません!分かって言ってますね!?」

神峰「え?は???」

さとり「……行ってしまいましたか。彼女ら鬼という種族は、約束を違える事を嫌いますので注意して下さいね」

神峰「ああ……」

さとり(しかし、きっと彼女らと関わる事で、翔太さんの精神は成長出来るはずです。……ぶつけるタイミングが重要ですね)

ここまで。どこに進んでいるんだろう?ラストシーンしか浮かんでないや

本当は勇儀姐さんブチ切れさせて神峰に初めての旧都へのお使いとして菓子折りを持って行かせるつもりだったけど可哀想だからやめた

ageとく

乙!

勇儀姐さんはまさに刀の心って感じッスね

いよいよラストスパート。世界変革の時までやりたかったのに……
>>260
鬼は競争事が好きだから、心模様はそうなりそうだよな(それっぽいことを神峰に言わせてるだけなんて言えない)

>>223から


さとり「あの、妹さん……」

穣子「!」

さとり「静葉さんの音に何か……だんだん悪くなっていくものを感じているんですね?」

穣子「……あなた……」

文「あなたも変な事を言う穣子さんの仲間なのですか!?面白いですねー」

さとり「!!」

さとり(あれ?こっちが食いつきましたね……)

文「私は清く正しい射命丸文と申します!」

穣子「ブンブン丸さんウルサイ」

文「それは新聞の名前です!」

さとり「ブンブン丸さん、妖怪の山ってやっぱり強いんですよね?」

文「あやややや、もう浸透しました!?さとりさんなら知ってますよね!?もうそれでイイです!」

文「……私達のバンドは賞レースにしか参加しません。演奏会は年に一回の定期演奏会のみ。しかもちゃんとチケット代を頂いて反響という結果を出します!」

文「分かりやすい結果が出る事でモチベーションも向上心も技術力も上がっていくのよ!!」

穣子「そんなやり方はもはや音楽じゃない、芸術じゃないとか言う人いるけど、私に言わせれば全然的外れ」

穣子「だって結果的に演奏者も観客も楽しんでるんだもん」

さとり(芸術のイメージとは違いますが、確かに、喜ぶ人がいるなら……間違いではない気がする)

穣子「すぐ逃げ出すお姉ちゃんには分からないでしょうけどね」

さとり(この人……ただの敵対心とは違いますね)

さとり「穣子さん……お姉さんにも競争の舞台に立って欲しいのですか?」

穣子「……紅魔館で不思議な指揮したってウワサ通りだね……。変な人……そんなワケないでしょ」

穣子「どうせお姉ちゃんは言ってないだろうから……私が教えてあげる」

~~~~~~~

お姉ちゃんのフルートは、誰よりも美しかった。

悔しくはあったけどそれ以上にお姉ちゃんは私の誇りで……目標だった

紫「貴女も私の楽団に入りたいの?」

穣子「……はい!」

紫「貴女の為に言っておくわね。フルートは諦めた方がいいわ」

紫「仮に入っても同じ楽器の姉妹は必ず比べられる。貴女達は姉妹で競いあってたから尚更」

穣子「そんな……!お願いします……イヤです……。私……フルート辞めたくない!」

紫「仕方ないわね……。じゃあ、次のソロコンテスト……お姉さんより上位になれたら考え直すわ」

静葉「……」

───



パチパチパチパチ

穣子(今までの何十倍も練習してきた……それが全て出せた!! 少なくとも他の子には絶対負けてない!!)

穣子(あとはお姉ちゃん。どれだけ上手くなってるんだろう……。怖いけど……楽しみ)

穣子「お姉ちゃん頑張ってね!真剣勝負だよ!最高の演奏聴かせてよ!」

静葉「うん」ニコッ



静葉 ~♪



穣子「」

穣子「うそ……うそでしょ……お姉ちゃん」

穣子(手、抜いて……演奏してる)

穣子「うそ……うそ!そんなのお姉ちゃんの音じゃない!なんで……!」

穣子(もしかして……聞かれてた?私を……勝たせるため……?)ビリ

穣子(なにそれ……私が喜ぶと思ってんの……!?本気でお姉ちゃんに勝つために頑張ってきたんだよ!?)ビリビリ

穣子(本気出したら私が負けちゃうと思ったの!?バカにしてんの!?)ビリビリ

穣子「ゔっ……何これ……、何、この感覚!?苦い!!」ビリビリ

穣子「お姉ちゃんの音が"苦い"……、味が……する!?」

私の誇りで……目標だったお姉ちゃんは、どこに行ったの……!!



紫「お姉さんより上位を取ってから、どんどん上手くなっていくわね……」

穣子「お姉ちゃんは逃げただけよ、紫。競いの場から」

穣子「こっちから頼んでおいて悪いけど……あなたの楽団には入らない───」

~~~~~~

穣子「あの日から私は何かに目覚めたから、感謝はしてる……。でも、音がどんどん苦くなっていくお姉ちゃんなんて、大嫌い」

穣子「じゃあねさとりさん……、お姉ちゃん」

───

静葉「……なんで……こうなっちゃうんだろうね……。私に勝てないと穣子がフルートを辞めなきゃいけないなんて……おかしいよね」

静葉「私……負けることも勝つことも怖いの……。私が勝つ事で他の誰かが負けて辛い思いをする……」

静葉「勝ち負け関係なく皆が楽しくて嬉しい……私はそういう音楽をやっていたい。さとりん、それは……いけないことなのかなぁ」

さとり(間違ってはいない……だって、今も静葉さんは音楽を楽しもうとし……、穣子さんは競争で力をつけ、二人ともフルートを続けている)ガサガサ

静葉「ありがとう。お疲れ様」

さとり(これ……私が入っていって何になるんでしょう……?誰も悪くありませんし……誰も間違ってません……)

さとり(なのに静葉さんの心から……楽しさがどんどん削られていって止まらないのは何故!?)

さとり(本当に音楽が出来なくなってしまうのでしょうか? それは……なんか、悲しい……。でも、何をどうすればいいの……?)

───



【白玉楼】

さとり「……来てしまいました」ザッ

さとり「ここで私は……指揮を振るんですね……」

さとり(ここで指揮を振って……アリスさんに勝ちたい……。私は……本当に、出来るのでしょうか……?)

アリス「あら……?古明地さとりさん?」

さとり「アリスさん!?」

映姫「おや、さとりさん。思い詰めた顔をしてますね。悩んでいるの?」

さとリス「!?」

さとり(閻魔翌様!? こんな所にいるような人ではないでしょう!?)

さとり「……あの……一つ、聞いていいですか?」

映姫「!」

さとり「音楽を楽しもうとする心と、誰よりも優れた音楽をやろうとする心。どっちが……正しいんでしょうか?」

さとり「私は……どうしたらいいと思いますか」

映姫「……指揮者も人がやるものです。時々わがままも言います」

映姫「ねぇ、"指揮者"古明地さとりさん。貴女は、どうしたいどうしたいのですか?」

映姫「貴女の悩み……その問で答えを出しなさい」

さとり「……。私は……───」

───

映姫「去り際、良い目になりましたね、さとりさん。油断出来ませんよ、アリスさん?」

アリス「ええ……。でも勝つのは私よ」



~翌日~

穣子「……。急に来て何の用かな?説明してくれる?さとりさん」

穣子「お姉ちゃんまで連れてきてさ」

私は……自分のバンドメンバーが……

さとり「宣戦布告です」

音楽を辞めるのは……やっぱりイヤです。自分勝手かも知れませんけど

私が、導きたい

さとり「私たち幻想郷管弦楽団は妖怪の山に勝ちます。そして……」

だって……私は!!

さとり「私は秋静葉さんを指揮して、秋穣子に絶対勝ちます!!」

指揮者だから!!

ういーこんだけ。
世界の伊調は四季映姫でした。さとりより格上ってこの人くらいしか残ってないし
クロスカウンターは……ごめん。女の子だしね。
あと神峰inはまだまだ長(くなり)そうです

>>268
×貴女は、どうしたいどうしたいのですか?
○貴女は、どうしたいのですか?

今週のアリスくんは一体どこに向かっているんですかね…

このssでのアリス再登場が楽しみだなー

今週のアリスさんは……
っていうかどうするんだよ今週……これ続けるならまだ出てないのはルーミア、レティ、橙、小町(この子は無理だろう)、妖精、霊夢、魔翌理沙、こころ、山の神、針輝城くらい?
地底民はでませんとか言ってられない。ぬえとマミゾウを命蓮寺メンバーから外すか……
天人キャラはよ
旧作は知らん

ミキタニ先輩はやっぱり男でしたね

穣子「私に勝つ?お姉ちゃんに出来るの?」

さとり(二人とも正しい。どっちの考え方も否定出来ない……。だからこれは……自分勝手です)

静葉「さとりん……私そういうの向いてないよ……」

さとり(でも……、静葉さんが音楽出来なくなるのを防ぐために、私がこうしたいと思ったから、これでいきます)

さとり「言い方が悪いですが……、静葉さんが勝ち負けに一切関与しないのは……」

さとり「それが静葉さんにとって、一番簡単だからだと思うのです」

静葉「そっ……そんなことないよ……。私は……楽しくやりたいなって……」

さとり「……それ、本当に今も、楽しいですか?」

静葉「えっ?」

さとり「私……少し前まで、人と一切関わらないことが最善だと思っていました……けど、ただ、一番楽な方法をとっていただけなんです」

さとり「リリカに出会って音楽始めていなかったら、多分気付けなかったでしょう」

さとり「楽な事を選んで楽しかったことなんて一度もありませんでした。それどころか……何もかも楽しくなくなっていきます……」

さとり「今までのやり方全部捨てて、私、はっきり言えます。昨日までより今の方が、何百倍も楽しいです」

静葉「わ……私は……」

穣子「本番直前にそんなこと言いに来るなんて、やっぱり変ね、あなた」

穣子「お姉ちゃんが何と言おうと、私たちは全力で勝ちに行く。待ってるよ……お姉ちゃん」

───

さとり「静葉さん。私とリリカと三人でセッションしませんか」

静葉「ええっ!?」

リリカ「さとり、指揮じゃなくてピアノ弾きなよ。わたしサックスやるから」

さとり「片手緑眼のジェラシーを練習中の私になんてハイレベルな要求を……」

リリカ「いいでしょ。私たちがアレンジするよ」

さとり「本当ですか?では…」

静葉(……。この二人……なんだか……)~♪

~♪

リリカ「そこ間違えないでよー!」アッハハハ

さとり「黙ってて下さい!」

静葉(楽しそう)

静葉(私は……あの日から、本当に……音楽を楽しめてるのかなぁ?)

さとり「もう一回最初からお願いします」スッ

──リリカ、もっと楽しみましょう

リリカ コクッ

~♪

静葉(私は……)~♪

───



【白玉楼】

慧音「光陰矢の如しだな……。もう本番か」ガチャガチャ

リリカ「そうだね」ガチャガチャ

天子「あれ?さとり居なくない?」

妹紅「緊張で震えてんでしょ」

妹紅「ほら、あそこにブルブルしてるのが……」

静葉「あー寒いねー、冬は苦手だよー」ブルブルブルブル

妹紅「静葉!!震えすぎっ」

天子「あ!来た来た。紫も!」

紫「ごめんなさい。観客も送らなきゃいけなかったから……。さ、中に入りましょうか」

萃香「さとり緊張してるのかァ?今日は練習だと思いな」

慧音「そう。いつも通り、お前らしく振ればいい」

輝夜「引っ掻き回してみせなさい」

妹紅「ちゃんとやりなさいよ!」

妖夢「私も!ちゃんとついていきます!」

リリカ「さとり。これが、私達のデビュー戦よ!」

さとり「ええ。行きましょう」


………………

紫「ウィンドフェスは3部構成になっていて、一部毎に4団体が一曲ずつ交代して演奏するの」

紫「さとりの振る墨染の桜は、第二部二番目よ」


………………

リリカ「今、命蓮寺が演奏してるけど……、いいの?聴かなくて」

さとり「ウチの一曲目は終わったのですね」

さとり「初めて人前に立つから、なんだか震えてしまって……」

リリカ「第一部ではその年のコンクールで演奏した自由曲を演るのが通例よ。でも第二部からは、どこも観客を意識した選曲をしてくる」

リリカ「つまり本当のウィンドフェスは第二部から」

さとり「!」

リリカ「ここから観客と私たちのボルテージは一気に跳ね上がる!」

リリカ「その第二部の指揮をさとりが任されたんだ!すごいことよ!初心者で初舞台のあなたが!!」

リリカ「私たちを導け。あなたなら出来るよ」

さとり「……!はい!」

リリカ「さあ、戻ろう」


………………

司会『第二部一番手は妖怪の山管弦楽団……曲目は……』

リリカ「もうすぐだ!」

♪フォールオブフォール~秋めく滝

穣子 ~♪

全員「!!」

リリカ「『フォールオブフォール』!」

さとり「フルートが活躍する曲を入れてきた!?穣子さん……本気で勝負する気ですね」

観客s「フルートの音きれい!」

観客s「穣子様!やっぱり上手いなぁ」

穣子(神奈子に無理言ってやらせてもらったの。私の実力をはっきり聴いてもらうために……!)

観客s「わーーーっ!」パチパチパチパチパチパチ

リリカ「スタンディングオベーション……!最大の賛辞だ……!」

さとり(……いよいよ、私の番……!!)

紫「さとり。忘れないでよ、紹介されたらお辞儀。拍手止むまで振らない」

さとり「はい」

紫「あとは、好きにやりなさい」

さとり「はい!」


ザワッ


さとり「!!」

観客s「誰だろう……」

観客s「八雲紫は?」

司会『二番手は幻想郷管弦楽団──』

観客s「何者?ホントに振れるの?」

さとり(く……何百もの奇異の心が……向けられる……。頭が……おかしくなる……!)ペコッ

パチパチパチパチ

さとり(逃げたい……!……だけど、私は指揮者だから)

さとり(この人達の心まで……音を、私が導くんだ!)バッ

さとり(静葉さんがこの曲で活躍出来るのは、最初のリリカのソロの次の主旋律……そこで私は勝負をかけます)スッ

さとり(あとは、貴女次第です……!)スゥッ

───リリカ、思い切り、歌え

♪幽雅に咲かせ、墨染の桜~Border of Life

静葉「……」

静葉(昨日……眠れなくて、ずっと考えてた。音楽を楽しんでいたいだけなのに……どうして悪いことが起きちゃうんだろう)

静葉(ううん……本当は……気付いてる。最初から勝ち負けなんかに関わらなければ、あの時の誤ちを二度としないで済む。そうやって色んなことから目を背けてた)

静葉(だけど、さとりんに言われて妙に納得しちゃった。あの日以来、私の中から少しずつ、楽しさがこぼれ落ちてるのかもしれない……)

静葉(さとりん、私はどうしたらいい?)

さとり スッ

静葉「───」

静葉(そっか……それで……いいんだね)クルッ

穣子「! お姉……ちゃん?」

───さよならを

静葉「さよなら」ニコッ

穣子「え?」

さとり バッ

静葉(勝ち負けは……考えなくていい。あの日のさとりんとリリカのように、ただただ、楽しさだけを求めていい)

静葉(楽をして現実からも穣子からも楽しむことからも目をそらしてきた……)

静葉(自分に、さよならを!!)~♪♪♪

~♪♪♪♪♪

観客s(あのフルート誰だ!?穣子様の姉……!?)

観客s(穣子は姉を既に越えたって聞いたぞ!?)

静葉(穣子……ちょっとわがままになるね……!私も今を……楽しみたい!)~♪♪♪

穣子「……この……味は……。おっ……お姉ちゃん……!!」ポロポロ

穣子(やっと……帰ってきた……。あの日よりも前の、誰よりも美しくて目標だったお姉ちゃん……!!)

穣子(それどころかもっともっと色んな味がする!甘いし辛いし酸っぱいし……苦味さえもアクセントになって美味しい……!!)

穣子(すごい……あなたは……。お姉ちゃんに何をしてくれたの……?)

さとり(勝負が嫌でも……誰でも何かを頑張っています……戦っていると言ってもいい。秋静葉さんは気付いたんです。楽しさを保ち続けるためには戦う必要があると。私とリリカは……それを伝えただけです)

さとり(美しく儚い秋の紅葉が、美しく強い女神へと変わる!)

~♪♪♪

………………

妖夢 ~♪

妖夢(最後のソロ……うまく吹けました……!)

さとり「!」

しー……ん

さとり「……え……?あれ……?もしかして……ダメ……でした?」



アリス「いえ、ブラボーよ」パチパチパチパチ

わーーーー!!

観客s「良かった!!」パチパチ

観客s「すごいー!!」パチパチ

観客s「感動したー!!」パチパチ

アリス(一流に対しては歓声が沸く。超一流に対しては、人はまず沈黙する───)

アリス「これが初舞台だなんて……」バッ

穣子「お姉ちゃん!」ダッ

静葉「!」

穣子「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」ギュッ

静葉「うん、うん」ポンポン

さとり ホッ

さとり(三番手は命蓮寺……。始まる。アリスさんの指揮!)

アリス スッ

♪神さびた古戦場~Suwa Foughten Field

~♪♪♪♪

さとりリカ「!!」

藍「『神さびた古戦場』!!」

衣玖「有名なやつですね」

豪壮。曲の雰囲気も相まって、30人そこそことは思えない程
圧倒的な音圧……!

さとり(客を感動させるとか黙らせるとか、そういうのを超越してる。自分を大きく超えたものへの……恐怖)

さとり(立ちはだかるのも恐れ多く思う程に、尊敬してしまう……!)

さとり(アリスさんと私は、こんなにも違うのですか! 私は)

負けるの……──

リグル「ねぇ、これヤバくない?」

団員「当時まで秘密だからこういうことが……」

リグル「かぶっちゃってんじゃん」

さとり「?」

さとり「あの……何の話ですか?」

リグル「さとり見てないの?実は……」

バタンッ

さとり「!?」

穣子「おっ……お姉ちゃん!?」

さとり「静葉さん!?」

紫「すごい熱……!こんな体で舞台に立つなんて……」

妹紅「体調悪いの……隠してたんだ……」

紫「……。楽団のみんな、聞いて。私が静葉を永遠亭に連れて行かなきゃいけない。付き添いもしなきゃいけなくなると思うの」

紫「だから三曲目は、指揮出来ないかも」

団員s「!!!」

団員s「そんな……!どうするの!?」ザワザワ

神子「事情が事情だから、二部と三部の間の休憩時間を長く入れてもいいし……何なら私が振ろうか?」

紫「いえ、ご迷惑はかけられませんわ」

紫「私たちの三曲目は『少女綺想曲』。苦渋の決断だけど……!」

紫「振れるわね?さとり!」

さとり「!!」

静葉「振って……さとりん。知ってるよ……『少女綺想曲』の練習中、後ろでいつも、一生懸命勉強してたの……」

静葉「わたしちょっと出かけるけど、私も皆と一緒だから……!」

さとり「……振らせていただきます!」

ザワザワザワザワ

輝夜「ちょうどいいわ。最悪のニュースよさとり」ニヤニヤ

輝夜「貴女、『墨染の桜』に集中しすぎてプログラムろくに見てないんでしょ」カサ

輝夜「こういう事があっても変更しない……だからウィンドフェスは好きよ」

輝夜「三曲目の『少女綺想曲』、アリスがいる命蓮寺も……同じ曲を演るわよ」

さとり「!!」

さとりは……笑った───
って事でここまで

乙。本家と同じように原曲聞きながら読むとまた違った面白さに!

本当に先生は御器谷の性別隠しに来てるな……一体どっちなんだ?
今週の例のコート着てるアリス想像したらもう爆笑ものですわ

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  ,':::::::::::;'::::::::::/::::/:::::::,'l::::::;'::::/     知    何   .2
  |:::::/::;'::::::;::/」:::/'|::::/ |:::::|:::/        っ   の   月
  ,':::::;':::::::::/::;__|:;ヘ|::;' |:::::|::;'       て   日    .11
  |:::::|::::::::// リー、|:;ヘ, |:::::|:|         る   か    日
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バイト先から
>>288
ありがてェス!
今週のミキタニ先輩はズボン履いてるかも?ってシーンが一応あるけどね
七色の魔法使いから連想してアリスにしたのに、予想外だよ。これは魔王アリス誕生か

今日は伊調の誕生日ですね。おめでとう
ちょっとだけやります

藍「紫様、それは駄目です」

藍「『少女綺想曲』は吹奏楽のド定番。上手い演奏を聴く機会も多い、バンドの実力がはっきりわかってしまう曲なんですよ」

藍「紫様が振らないと、ウチの団員が動揺して実力が出せないのでは……?」

紫「……だったら余計、神子に振ってもらうより、ウチの団員であるさとりの方がいいでしょう?」

紫「それに私は信じてるわ。これ位のトラブルで動揺する程、貴女達は弱くないって」


………………

穣子「お姉ちゃんには敵わないなぁ……完敗だ」

文「穣子……」

穣子「でも感謝してるよ、さとりさん」

さとり「!」

穣子「私はこれでまた、越えるべき大きな目標を得たわけ。コンクールまでにお姉ちゃんより美味しい音を出せるようになって、あなたたちを倒しにくるから……」テテテテ

藍「ふー……。仕方がない」

藍「私達はお前の指揮で『少女綺想曲』を吹く以外ないようだ。ラストの曲……当然、全身全霊で吹いてやる。……だが勘違いするな」

藍「私は、お前なんか認めない」

さとり「!!」

藍「行き当たりばったりで曖昧な指揮。偶然でここまでやれてこれたような奴なんかな」

さとり「………!」

霖之助「幽香、早く準備しておけ。デカい楽器は先に動かないと」

幽香「……。紫、もう居ないわね?」

霖之助「?何をしているんだい?楽器はそこに……」

霖之助「!! 幽香、何持ってきているんだ!」

幽香 ズラァッ

藍「エレキベース!?お前バカか!!」

幽香「大丈夫よ。音響係には話してあるから」

霖之助「いつの間に!?八雲紫がバランス考えてコントラバスやれっていってたろう!?」

幽香「あらあら、真摯に行きましょう?『少女綺想曲』なんてノれるナンバー、コントラバスもいいけど、コレで弾かなきゃ勿体無いわ」

幽香「私に指図する前に、本番で試してみましょう?」

幽香「安心しなさいさとり。アリスと張り合いたいんでしょ? 最高の演奏してあげるわ」

幽香「ただ、私を指揮しようだなんて思わないでね。私は私の音楽をやるわ」

幽香「お互い、真摯に行きましょう?」

さとり「───」

リリカ「……さとり、今はこれでいいよ。あの人達は上手いから……大丈夫よ」

ここまで。すまぬ短い……
ちなみに今日は>>1の誕生日でもあるよ……こんな人が少ないスレで言っても意味無いよね……(ボンボン

乙やで

誕生日おめでとう


誕生日来たな

>>296
ありがとう

>>297
ああ来たな

───



アリス「事情は聞いたわ。嬉しいわ。また指揮の試合ができるのね」

アリス「次の3曲目が本当の勝負よさとり。"同じ曲を演る"ということは、貴女達と命蓮寺のどちらの『少女綺想曲』が心を打ったか、客はシンプルにその一点で判断するわよ!」

アリス「でも予習しているとはいえ、振るのは初めての曲なんでしょう? 大ラスは紅魔館だから無理だけど、演奏順を入れ替えて私たちが先に演奏してもいいわ」

アリス「少しでも本番までの時間を作ってあげたい」

さとり「?」

アリス「貴女が最も力を発揮できる環境でやって欲しい!全力同士で勝負しましょう!」

リリカ(確かに演奏順に有利不利は無い。一長一短だ……。先攻は判断基準にされるし挽回も出来ない。後攻は同じ曲を聴かされて飽きてる客もいる……)

アリス「ね、聖」

聖「ええ、問題ありません」

聖「我々命蓮寺は胸を借りるつもりです。是非仕上がった貴女達と比較されたい」

聖「アリスさんの一目置く……あの『墨染の桜』を指揮した貴女が振るのなら尚更です」

さとり「……」

さとり(単純に……見てみたい。同じ曲をアリスさんがどう振るのか。少しでも参考になれば……!)

さとり「では……後攻で」

神子「わかった。そのように手配しよう」

アリス「恐れ入ります」

さとり「ありがとうございます」

リリカ「さとり……後攻にしたのね」

さとり「ええ……ダメ……ですか?」

リリカ「いや……、アンタが決めたならそれでいいけど……」

リリカ「飲まれないでね……」


咲夜「アリスさんに甘いですね。彼女の将来が楽しみだからですか?」

神子「彼女だけではないよ」

咲夜「……ああ、さとりさんも、ですか」

こころ「咲夜さんどういうことかな! ヒイキしてるの!?」ノシッ

こころ「あの人達何なの? 誰?」

咲夜「そういえば貴女、合同練習居なかったわね。神社で能楽していましたね」

咲夜「しかし貴女といい、騒霊、豊聡耳様、さとりさんといい……心に関わるあなたたちは一体どうなっているの?」

こころ「そんな事言われてもよく分からないかな。……でも、『墨染の桜』のあの子には、興味あるかな?」

司会『演奏順の変更をお知らせします。二番手の幻想郷管弦楽団と三番手の命蓮寺管弦楽団を入れ替え……次の演奏は、命蓮寺管弦楽団の『少女綺想曲』です』

パチパチパチパチパチパチ

さとり(……アリスさんに勝ちたい。全て目に焼き付けましょう、アリスさんの指揮を!)

アリス バッ

♪少女綺想曲~Dream Battle


───



【永遠亭】

紫「点滴終わったら送ってあげるわ」

静葉「ありがとう。ごめんね紫」

静葉「……よく託す気になったね、さとりんに」

紫「……託してないわよ。古明地さとりという子は、心を読む妖怪なんだけど、どうやらあの子、心以外に何かが見えてるみたいなのよねぇ……」

紫「その謎の中に何か可能性があるなら……、さとりのためにやれることをやろうと思ってるわ。」

紫「例えば、更なる試練……とかね」

───



観客s「ワアァアアアアア」パチパチパチパチパチパチ

パチパチパチパチ

アリス「さぁ、始めましょう。さとりさん」

アリス「存分に、やり合いましょう」

さとり「ええ」

さとり(今終わったばかりなのに、「始めよう」だなんて、変なヒト)

さとり(だけど、正にその通りです)

さとり(たった今目に焼き付けたアリスさんが、幻影のようにそこにいる……)

さとり(この人に勝つ!)ザッ

アリス(……私の指揮と勝負よ、さとり!)

~回想~

紫「『少女綺想曲』で一番大事なものは、ノリ!」

紫「特にパーカッションはアドリブとフィルイン。楽譜に書いてあるのはあくまで基本形!センスでどんどんアレンジしていいわ」

紫「アドリブは適当って意味じゃ断じてないわよ。自分らしさを全開にしろってことかしら?」

~~~~~~


さとり バッ

♪少女綺想曲~Dream Battle

萃香 パーン!

~♪♪♪

さとり(アリスさんの指揮は完璧でした。まず完璧の指揮をベースにするのがいいでしょう。幸い、想起は得意です)

さとり(その中にほんの少しずつでも、私との差を見つけられれば……そこから切り崩していけるかもしれない……!)

ちょい休憩

さとり(……?)

さとり(……あれ……、なんでしょう……?どうしたんでしょうか……?)

リリカ(何、やってんのよさとり)~♪

さとり(どうしたんでしょう……? みんな……)

さとり(はっ)

観客s(幻想郷のは上手いけど……命蓮寺はそれ以上にスゴかったからな……)

観客s(かわいそうだな)

観客s(それと比べるとな)

観客s(あれよりスゴいのは無理だろう……)

さとり(何……?心が……目をそらして……)

さとり「!?」

ガンッ

さとり(!?何コレ……?客席がひっくり返った!?)

さとり(あんなに高く遠い所に……!?あれじゃ音が届かない……!これは……)

さとり(客席全体に広がる、私に対する哀れみと……失望の心……)

観客の心が、離れた……!!

さとり(どうして!?アリスさんの指揮は完璧のハズです! 少なくともこれに食らいついていれば、大きくミスすることなんて無い!)

輝夜(何やってんのさとり!!)

萃香(バカヤロー!!)

リリカ(それ以上は駄目だ……!飲まれる!!)

さとり「!!」

さとり(アリスさんの存在が……大きすぎる!)

さとり(観客も一緒なの!?……アリスさんがスゴ過ぎて、アリスさんと同じでは全く見向きもしなくなってる!!)

さとり(でも……!私はアリスさんのように上手くなんてできません……! どうしろというんですか!)

──……さとりん、楽しんでる?──

──楽しむためには楽なことは捨てたって、言ってたじゃん──

さとり「───」ハッ

さとり(私が楽なことを捨てて、やってきたこと?)


××の心と向き合うこと───!?


──指揮者もヒトがやります。時には自分勝手にもなりますよ──

──自分らしさを全開にしろってことかしら──


さとり(私にしか……出来ないこと……?)

さとり(いや!でもアレはやれません! 皆が……混乱してしまいます!)

ズダダダダダ

さとり ビクッ

さとり(びっくりした……萃香さんのフィルインですか……)



さとり(……あ)

さとり(ああ、そうでした)

さとり(私、今日初舞台の、ここにいる誰にも敵わない初心者でした)

さとり(アリスさんみたいにとか、皆が混乱しないようにとか、考えても仕方無いんでした)

さとり(自分らしさを出していいのは演奏者だけって、紫さん言ってましたか!? 指揮者は演奏者を完璧に管理しろって、閻魔様言ってましたか!?)

さとり(私が出来ることから逃げたら駄目です)クルッ

さとり(どう思われようと私は、これでいきます!)

観客s「!?」

アリス「!? 演奏者に背を向けた!?」

アリス「指揮を放棄したのさとり!?」

さとり(私にしか、出来ないこと)


観客の心と向き合うこと───


さとり(私にはこれしかできません。演奏のことは何も! だからこれだけに集中するために、皆さんを信じて、背中を預ける!!)

萃香(ハン!バカヤロー待たせやがって!!)

慧音(アリスの真似を見せられて調子狂ってしまったが……)

輝夜(ようやくこれで……みんな、本気が出せる)

妹紅(相変わらずメチャクチャだけど!)

妖夢(やっぱり!)

天子(すごく!)

リリカ(それでこそ!! さとりらしい!!)

~♪♪♪♪♪

観客s「!!」

観客s「何だ!?指揮者がこっち向いたぞ!?」

観客s「音が良くなったよ!あんなのアリ!?」

アリス「……」

観客s「さっきと……アリスの指揮と全然違うじゃん!」

さとり「!!」

観客s「ハハッ、何あれすごい!見たことない!」

さとり(来た……来た来た!)

さとり(観客の心が……戻って来た!!)

ガンッ

さとり(ここからが勝負です、アリスさん!)

───



幽々子「今年のウィンドフェスも聴き応えがあるわねぇ。新興勢力の命蓮寺がどこまで行くかしら」

幽々子「それにしても……よく今回、特別ゲストとしての招待……受けてくれたのかしら?」

映姫「特に意味はありませんが、たまたま時間が空いていただけですよ」

───



さとり(皆に背中を預けたら、不思議と冷静になれて、皆の音がクリアに聴けるようになった)

幽香 ~♪

さとり(楽譜に書いていないカッコイイリズムと音をガンガン入れてくるのに、全然邪魔にならない。すごい……どうやっているのでしょう!?)

さとり(そして……ホルン、オーボエ、ユーフォニウム、トロンボーン、チューバ!)

さとり(私でも少しわかる。皆かなり上手い!)

さとり(この曲の要は正にこの人達です。……なのに、その人達が私に心を開いていない!)

さとり(なんだか、悔しい。この人達が味方だったら、この曲で……色んなことが出来たかもしれないのに……!)

さとり(……出来ないことをグダグダ言っても仕方ありません。出来ることを全部やりましょう!)

さとり(アリスさんと私は違いますので、アリスさんと私、どちらの指揮が上手いですかと、観客に聞いても今の私には勝ち目はありません)

さとり(だったらやることは一つです)

さとり(今日のプログラムで一番面白かった曲は何ですか?と観客に聞いて、私達の『少女綺想曲』だったと! 言ってもらう!)


さとり(まずは客席の……あの辺ですね)

さとり(フェスも終盤……思考がまばらで眠そうですね……心ここに在らずといった所でしょうか……。よし!)

───リリカ!トランペットパートを連れて、空まで目の覚める様な音を!!

~♪♪♪

観客s「!!おおお!?」ハッ

さとり(!できた!)

リリカ輝夜慧音「……」

リリカ(……ついさっきまでさとりがやっていた、身振り手振りで演奏者に指示を伝えるというのは、指揮者によってやり方は違っても指揮の基本中の基本……)

リリカ(むしろ出来ない指揮者は指揮者じゃない)

さとり(次の部分はトロンボーンとユーフォニウムに隠れて木管楽器が面白いフレーズを吹いてますね)

───フルート!クラリネット!アルトサックス!オーボエ!

さとり(二回目の『少女綺想曲』に聴き飽き飽きてる人に聴かせてあげなさい!)


妹紅(何あれ……!「こういう演奏して」から「こういう演奏をこういう人に聴いて欲しい」……って)

天子(指揮の意味が変わってきてるじゃん!?)

妖夢(指揮者対演奏者で終わっていたさとりさんの指揮が、演奏者対観客の橋渡し役として機能し始めた!?)

輝夜(指揮棒の描く軌道で、音が通るべき道を示したの!?あいつ!演奏中に、成長した!!)


さとり(更にここで!トランペット!遠くまで響け!)

さとり「!?」

さとり(な……途中で……音の行き先を……絶たれた……!?)

さとり(こっ……これは……アリスさんの指揮!?)

さとり(もう終わったはずのアリスさんの指揮が!命蓮寺の演奏が!観客の心にずっと残ってる!)

さとり(アリスさんの指揮に阻まれて……観客の心までの道が途中で切れて、音が届かなかった!?)

さとり(観客は、比較している!)

さとり(今の指揮が届かなかったのは、観客が、そこは命蓮寺の方が良かったと判断したから……。命蓮寺の演奏はそれほど印象深かった!)

さとり(ですが届いた音もあります。だったらやる価値はあります!)

さとり(かいくぐるか突破するか……私はただ、ひたすらに!)

さとり(全力を、出すだけです!)ダンッ

萃香「ジャンプ……した!」

続きは夜に。ラストスパートかけようかな


やっぱウインドフェス編って神だわ

───



幽々子「うふふふ!派手なパフォーマンスね!お祭り騒ぎに相応しいわ! ねぇ、閻魔様?」

映姫「そういう見方もできますね。しかし、私は他にジャンプする指揮者を知っていますが、他にはない非常にダイナミックな指揮をしていましたね」

映姫「これは単なるお祭り騒ぎなのか……、それとも……」

───



リリカ(さとり!そんなに飛び跳ねたら危ないわよ! 何やってんのよあいつ!)

リリカ(まったく……そんなにガムシャラにやられたら……、ついていくしかないじゃない!)

さとり(静葉さんが居ないことに気付いた観客がいますね)

──フルートみんなで!!

さとり(フルートパートならトラブルをカバー出来ると安心させてあげなさい!)

フルートs(……、あんたに言われなくても、分かってるっつーの!)~♪

妹紅(お!フルートパート)

天子(ノってるノってるぅ!)

~♪♪♪


観客s「………なんか……あの指揮者……」

観客s「すごく活き活きしてる」

観客s「あの子を見てるとなんだか自然に、笑顔になってくる……!」

さとり(もう少し……、もう少し……)

さとり(曲ももうすぐ終わる。もう少し私たちの音を観客の心に、残したい!)

さとり(これで)ダンッ

──全員!!音で壁をブチ破れ!!

さとり(ラストです!)ブンッ

さとり(あ、)ズルン

ズダダダダァン

全員「!!!」

観客s「………」ざわざわどよどよ

リリカ ガタッ

リリカ「さとり!!」

さとり ガバッ

さとり よじよじ

さとり くるっ

観客s「!」ビクッ

さとり「大丈夫、です!」ペコッ

観客s「おっ……」グッ

観客s「おおおお」パチパチ

観客s「おおおおおおおおお」パチパチパチパチ

観客s「良かったー!」パチパチ

観客s「ブラボー」パチパチ

観客s「良い演奏だったぞー!」パチパチ

観客s「めっちゃ面白かった!」パチパチ

ワーワー!

さとり(良い試合、出来たでしょうか……私)スタスタ

アリス「……」

さとり「……」


神子「顔を打ったのか?幸い軽傷のようだ。ここで応急手当てをするといい」

神子「どの楽団も、素晴らしい演奏だった。その健闘とこの演奏会に、我々の総力を以って」ザッ

神子「花を、添えよう」

パチパチパチパチパチパチ

神子 ピッ

♪EXボスメドレー

~♪♪♪♪♪



一同「…………!!!」


文「紅魔館は私達とはスタンスが全く違うのよねぇ……」

さとり「ブンブン丸さん」

文「どうすれば客が喜ぶのか。そのための選曲、そのための演奏会」

文「彼女の能力さえあれば、客の需要を満たすことなんて造作も無いわ」

文「あの吸血鬼のお嬢様が率いているのに、どこまでも客のため、なんてスタンスが成り立っている。紅魔館はその一点で頂点に立ったのよ」



───



司会『お客様投票の集計が終わりました』

司会『今年も2項目での投票をお願いしました』

司会『一番良かったと思う楽団と、一番良かったと思う曲です。早速発表します』

司会『最優秀楽団は……紅魔館管弦楽団!』

紅魔s「よぉし!」ワッ

司会『得票数は203票!これは過半数です!』

観客s「圧倒的だなぁ」パチパチパチパチ

観客s「これはもしかして、最優秀曲の方も紅魔館が取っちゃうの……?」パチパチパチパチ

司会『さて、次は最優秀曲です。先ほどと同じくこの封筒に結果が入っておりまして、私たちも知りません!』

司会『発表します! …………』カサッ

観客s「……?」ざわ…

司会『あ……失礼しました。印刷ミスかと思ったので』

司会『最優秀曲は……124票、少女綺想曲』

さとりアリス「!!」

観客s「紅魔館じゃない!?っていうかどっちの!?」ザワザワザワザワ

司会『その下にもう一つ……少女綺想曲』

司会『えっと……つまり全くの同数で、命蓮寺と幻想郷管弦楽団の少女綺想曲、両方とも……最優秀曲ってことになります』

さとりアリス「」

観客s「マジかぁあ!!」

萃香「スゴイよ!紅魔館抑えたぞー!」

妹紅「しかも即興の指揮でだぞぉぉ!!」

聖「結成間もない我々が最優秀曲!?」

村沙「奇跡だ!奇跡が起きた!!」

パチパチパチパチ

さとり(私の……指揮で……、ウチの音楽が……最優秀に……!?)

パチパチパチパチ

司会『それでは最後に、この方に総評をいただきます』

司会『本日の、特別ゲスト』

観客s「!!おい、あれ……」ザワザワザワザワ

司会『ヤマザナドゥ、四季映姫さんです!』

映姫「こんにちは」スタスタ

全員「!? 閻魔だ!」

映姫『えー……』キィィン

映姫『皆さん楽しそうで何よりです。生きている内はこうでなくてはいけませんね。文句なし。グッド!』

映姫『ですが……一人だけ。古明地さとりさん、貴女を除いて』

さとり「え……」

映姫『何ですかあの墨染の桜は! バスクラリネットには無理ばかりさせて良さを殺してますし、クラリネット達に力任せに吹かせて金管とのバランスを取ったつもりですか、貴女は!』

さとり「あ……う……え……」カタカタ

映姫『フルートも貴女、振り回し過ぎですよ!』

映姫『そもそも貴女、ちゃんと怨霊の管理は出来ているのですか!?』

観客s「え?何?あの子怒られてんの?」

観客s「なんで?閻魔翌様って怖い……」

映姫『それに手すりの無い指揮台の上でジャンプするなど自殺行為!打ち所が悪ければそんなケガでは済みませんよ! というかスカートを履いてジャンプするなんて、もっと慎みを持ちなさい!』

さとり ビクッ

映姫『ノリで跳ぶなら二度とやってはいけませんよ!?』

映姫『……要は貴女は、グッドではありません』

さとり しゅん...

映姫『最高(ファンタスティック)!! 以上!!』

映姫『同数というのははっきりしませんからね』

司会『あ……ありがとうございました……』

司会『───以上をもちまして、今年のウィンドフェス、閉会とさせていただきます』

───

アリス「まさか閻魔の一票差で負けるなんてね」

アリス「閻魔は私ではなく、貴女を選んだのね。……初めてよ、こんな気持ちは」

アリス「コンクールでは貴女を倒して、四季映姫の評価を覆してみせるわ……!」スタスタ

さとり(彼女の心が……あれは一体……)バッ

萃香「オイさとり」

さとり「ハーホウ!」ビクーーーー!

萃香「何サボついてんだい?行くよ」

萃香「打ち上げだよ、打ち上げ!」

さとり「へ?」

さとり(打ち上げ……!そんなの初めてです)

さとり「どこでやるんですか?居酒屋?」

萃香「そんな小さな所に収まりきらないよ!何人いると思ってんだい!」

さとり「は?」

萃香「4団体合同!大☆打ち上げパーティだ!!」

さとり「まさか博麗神社でやるなんて……ちょっと手狭ですね……」

リリカ「まぁ宴会といったらココだしね!」

さとり「!」ハッ



さとり「私、帰ってもいいですか?」ガタガタ

リリカ「どうしたの急に!」

さとり「だって、色んな人が私の事を見てる気がして……どうかしてしまいそうです……」

穣子「当然でしょさとりさん。ここにいるみんながあなたの指揮を見た。みんながあなたの存在を意識し始めたんだよ」

穣子「幻想郷管弦楽団には、面白い指揮者がいる!……ってね」

穣子「あと、あなたもね」

リリカ「?」


神奈子「古明地さとり……インパクトすごかったな」

諏訪子「……でも、あれは演奏者苦労するよ……。……いや、いるね。演奏者の中に実力十分の、最大の理解者が」

諏訪子「特に『墨染の桜』のソロは圧巻だったね。この前より遥かに上手くなっているよ!」

神奈子「どこまで上手くなるんだろうな、彼女は……」



映姫「俊豪。という言葉が当てはまりますね、貴女は」

さとり「あ、閻魔様…」

映姫「貴女にも言いたい事があります」

リリカ「!」

映姫「"道を示すもの"が常にあるとは思ってはいけません。自分自身がそうなる覚悟でなければ……先はありませんよ」

リリカ「……分かったわ」

映姫「よし! ではそれだけです」

さとり「あの、待って下さい……。アリスさんは……どこに」

聖「アリスさんなら先にかえりましたよ」

さとり「え?本当ですか?」

聖「今日の結果に思う所があるようです」

聖「……とは言え、今日は本当にありがとうございます。お陰で確信しました」

聖「来年の我々は今年以上の躍進を遂げられると」

慧音「アリスの率いる命蓮寺!我々も負けてられないな!」

慧音「お互いに競い合おう!」ピリッ

慧音「さて、このくらいにして……今は楽しもう!」オツカレー

さとり「切り替え早いですね……」


司会『みんなー!ビンゴゲームの時間だよー!賞品は当たってからのお楽しみ!』

───



司会『───さあ、そろそろビンゴ出ますね! 36番!』

輝夜(当たったわ)

さとり「輝夜さん、ビンゴになりましたね」

輝夜「最優秀曲のお祝いよ、貴女にあげる。遠慮しないで」

さとり「え?ではお言葉に甘えて」

司会『次ー!』

さとり「輝夜さん、これどうしましょうか」ガサ

輝夜「? クラリネットとサックスのリードね。使うヤツにはすごく良いものだけど……」

輝夜「それはもう貴女の自由よ。ただ、必要としてる子にあげれば、100%喜ぶわよ」

さとり「分かりました。リリカ!」

さとり「リードが当たったのでサックスパートで分けて下さい」

リリカ「え!すごい!ありがとう!」

さとり「次は……天子さん!」

天子「ん?」

さとり「これ、天子さんに使って欲しいです」

天子「」ミ″ャーッ

天子「ってなるか!!」バシーッ

輝夜「ちぇ、つまんない」フゥ

さとり「あ、そうだ」



藍「何だ、何か用か?」

さとり「あの……今日はありがとうございました。私を認めていないのに……あんなすごい演奏──」

藍「礼なんてするな」

藍「私達はお前を居ないものと思って吹いているから」

さとり「……」

さとり(この人……まったくわからない……。さすがは八雲紫さんの式神なだけはありますね……、心を隠すのが上手い)

紫「こら藍、もめてるの?」

さとり「紫さん!」

紫「幽香は?」

藍「帰りました。用事でもあるのでしょう」

紫「そう……それはそうと、さとり、最優秀曲獲ったのね」

紫「とりあえず……おめでとう」

さとり「! あ……ありがとうございます」

妹紅「紫、それおかしー!」

天子「私達が獲ったのよ!」

萃香「こいつメチャクチャな指揮でさ!大変だったよ!」

輝夜「そうそう!ラスト衝撃映像だったし!」

紫「そうね。みんな、おめでとう!」

一同「いえー!!」


さとり(ああ……なんだか……、色んなこと……たくさんあるけど)




さとり(音楽って、楽しいです……!)







~ひとまず完結~

【after】



司会『さて……お待たせ致しました』

さとり「ん?」

司会『ウィンドフェス打ち上げパーティ恒例、4楽団合同即興バンド演奏のコーナー!!』

わーーーー!

さとり「え?え?」

司会『曲目は『華のさかづき大江山』!演りたい人挙手ー!』

萃香「10人くらいやりたい奴で演奏するんだ。他の奴とやれて面白いよ!」

司会『はい決まりました!フルート秋穣子さん。チューバ聖白蓮さん。トロンボーン射命丸文さん』

司会『トランペット蓬莱山輝夜さん。アルトサックス、リリカ・プリズムリバーさん』

司会『クラリネット寅丸星さん。パーカッション、フランドール・スカーレットさん。ユーフォニウム姫海堂はたてさん』

司会『あ!もう一人サックスいた!』

こころ「さんざん引っ張ってこれか……まぁ……よろしく、リリカさん」

こころ「私、秦こころっていうの。紅魔館のサックス」

司会『では、指揮者ですが、……去年は神子さんでしたので、今年は八雲紫さんにお願いしたいと思います!』

紫 フルフル

司会『?』

紫「この会場は……それを望んでいないようよ?」

司会『え?』

ザワザワ




さとり「え?……私!?」

こころ『上がってきなよ、さとりさん。みんな君の起す風に興味があるんだよ』

司会『───では、別室で軽く準備してきて下さい』


………………


司会『それではお願いします。『華のさかづき大江山』!!』

パチパチパチパチ

~~~~~

慧音「良い経験だから行ってきなよ」

~~~~

さとり(確かに……こんな機会はなかなかありません。それに、今ならあの時よりも上手く出来ると思います)

さとり(やってやりましょう、リリカ!)

♪華のさかづき大江山

~♪♪♪

さとり(やっぱり皆さん上手いですね。私はたまたま写譜したことのある曲でしたけど)

さとり(ちょっと楽譜さらっただけで吹けてしまうんですね───)

さとり(でもここから、私らしさも入れてみましょう)バッ

───次のメロディ、リリカ!掴んで!

~♪♪♪

さとり(いい感じです)

フワ...

さとり「?」

さとり(……なんでしょうか?)

リリカ(こ……この子は……!)

こころ ~♪

こころ(いいなー、このメンバー。とても心地良いよ)

さとり(これは……このコ……こころさんの出す音かしら? リリカの音が……薄くなる……)

さとり(あの時と同じですね……。どこからともなく聴こえてくる大きな流れ……)

さとり(みんなの音を……一つにしていく……!?)


リリカ(天籟だ。……天籟とは、どこからともなく奏でられる自然の音という意味……あの時は、大編成の音の洪水に呑まれそうだった)

リリカ(間違い無い。あの時紅魔館にいなかったこの子が……、紅魔館の核だ!)

こころ(……あ、この流れ良くないな……このままだと、次の息継ぎ、全員被ってしまいそう。風が止まる)

こころ(……やだなぁ)

こころ(せっかくの良い風……止めたくないな……。どうしよう……せめて、私だけでも……吹き続けられないかな)プゥ

スゥッ

こころ スゥ

こころ ~♪♪

一同「!!!」

~♪♪♪♪

……………

司会『素晴らしい演奏でした!ありがとうございました!!』

パチパチパチパチパチパチ

リリカ「こころさん、すごいわねあなた」

リリカ「みんな一斉に息継ぎが被った時、咄嗟に循環呼吸をして、音を途切れさせなかった」

こころ「……ジュンカンコキューって何?」

リリカ「えっ? やったでしよ?口の中に溜めた息を出してる間に、鼻で息を吸うことで、音をずっと出し続ける奏法よ……」

こころ「あー、やったやった」

こころ「初めてにしては上手く出来てたでしょ?まぁ、吹奏楽では二度とやらないかなー」

リリカ「初めて……?しかも知らないでやったの?」

こころ「うん。そんな名前なんだねー」

リリカ「ちょ、ちょっと待って!あなた……吹奏楽歴何年!?」

こころ「えーと……最近始めたから、8ヶ月くらい」

こころ「今まではここで能楽やってたんだけど、誘われちゃってね。初心者だからあんまりわからないの。ゴメンね」

こころ「だからシンパシー感じてるんだ、さとりさん。でも……勿体無いよ。」

こころ「悪いけど、リリカさんより私の方が、絶対に良い風起こせるのに。リリカさんさ、さとりさんの力全然活かせてないよ」

リリカ「!!!」

こころ「でもありがとねー。楽しかったよー」テクテク

さとり「リリカ……」

リリカ「……なるほどね」

リリカ「正直、私不安だったの。さとりはどんどん成長して行ってるのに、私は自分の音を取り戻しただけなんだよ」

リリカ「私は今日、大きな収穫を得たよ。もっと強くならなきゃ!」

さとり「……」

映姫「なかなか面白いものが見れました」

さとり「閻魔様!?今日暇なんですか!?」

映姫「いえ、一つ言い忘れたことがありまして」

映姫「アリスさんの事です」

さとり「!」

映姫「アリスさんは、実力があるのに全力を出そうとすることを避けているのは分かっていますよね?」

映姫「そんな彼女が音楽で、初めて貴女に全力で勝とうとしていました。これから彼女が、貴女に勝つためにどのような道を進むかは分かりませんが……」

映姫「古明地さとりさん、これからもアリス・マーガトロイドさんの前に、立ちはだかってはくれませんか?」

紫「もちろんそうさせるつもりですわ」

さとり「!」

紫「……さとり。……みんな感じてるわ。来年のコンクールは今までとは全く次元が違う」

紫「総合力の絶対王者紅魔館、秋穣子など層の厚い妖怪の山、そしてアリス・マーガトロイドな命蓮寺!」

慧音「その戦いをお前一人に背負わせる気は無いぞ、さとり」

慧音「今こさ心を一つにして命蓮寺に勝たなければ!」

さとり(心を……一つに)

さとり(コンクールでアリスさんに……命蓮寺に勝つには……、今のままじゃ足りない!)

さとり(もっと私が成長しなければ、心を一つに出来ない!)

映姫「良いバンドですね。日頃の指導の賜物でしょう」

紫(今日で……世界がガラッと変わったわね……)

紫「メンバーそれぞれが対戦相手の存在をはっきり意識し始めたわ。そして……」


紫「さとり、幻想郷(せかい)が貴女に気付いたわよ」


紫「これからもっと……沢山の試練が貴女を襲うかもしれないわね……」






~続完~

本編終了です
神峰っちゃんinはまだまだ続きます
>>339
×アリス・マーガトロイドな命蓮寺
○アリス・マーガトロイドの命蓮寺

最後の最後にミスとか……

乙!本当に乙!そして勝ったッ!第一部完!
……原作も下手したらこうなったかもしれないと思うと…うむ


あの…スゲェ…今更なんスけど…収録楽曲のYouTubeURL貼っとくッス

>>14
♪幽霊楽団~Phantom Ensemble
http://www.youtube.com/watch?v=5xpPYfLJfOk&feature=youtube_gdata_player

>>31
♪夜雀の歌声~Night bird
http://www.youtube.com/watch?v=BMTmpKwRZsk&feature=youtube_gdata_player

>>41
♪少女さとり~3rd eye
http://www.youtube.com/watch?v=i3klAC54Nn4&feature=youtube_gdata_player

>>124
>>145
♪千年幻想郷~History of the Moon
http://www.youtube.com/watch?v=1KPDiyqJqtI&feature=youtube_gdata_player

>>171
♪上海紅茶館~Chinese tea
http://www.youtube.com/watch?v=Fg-lN_whc3I&feature=youtube_gdata_player

>>204
>>281
♪幽雅に咲かせ、墨染の桜~Border of Life
http://www.youtube.com/watch?v=Snq87Oj1VQc&feature=youtube_gdata_player

>>220
>>276
♪緑眼のジェラシー
http://www.youtube.com/watch?v=Jloixdimm90&feature=youtube_gdata_player

>>279
♪フォールオブフォール~秋めく滝
http://www.youtube.com/watch?v=Z6-aHtmSMkM&feature=youtube_gdata_player

>>284
♪神さびた古戦場
http://www.youtube.com/watch?v=f1l2TYqFrE8&feature=youtube_gdata_player

>>302
>>304
少女綺想曲
http://www.youtube.com/watch?v=SdE5O23gyhM&feature=youtube_gdata_player

>>321
♪ EX メドレー
https://www.youtube.com/watch?v=s7pkaZxvWpE&feature=youtube_gdata_player

>>334
♪華のさかづき大江山
http://youtu.be/KqUVLa-aqAU

>>317
うむ。このssの面白さは全てソルキャの面白さだ!

どうでもいいけど、新聞で「ソチオリンピック」を見るたびに「ソルキチオリンピック」に補完される

…って殆どノッファンエラーかかっとる<ボンボンボン

>>341
わざわざありがとう……

曲は雰囲気とか物語の流れで選んだけど、しかし6ボス曲が多いな。輝夜編とかは風神少女とか演らせたかった。モロにトランペットだし

>>14
♪幽霊楽団~Phantom Ensemble
http://www.youtube.com/watch?v=5xpPYfLJfOk

>>31
♪夜雀の歌声~Night bird
http://www.youtube.com/watch?v=BMTmpKwRZsk

>>41
♪少女さとり~3rd eye
http://www.youtube.com/watch?v=i3klAC54Nn4

>>124
>>145
♪千年幻想郷~History of the Moon
http://www.youtube.com/watch?v=1KPDiyqJqtI

>>171
♪上海紅茶館~Chinese tea
http://www.youtube.com/watch?v=Fg-lN_whc3I

>>204
>>281
♪幽雅に咲かせ、墨染の桜~Border of Life
http://www.youtube.com/watch?v=Snq87Oj1VQc

>>220
>>276
♪緑眼のジェラシー
http://www.youtube.com/watch?v=Jloixdimm90

>>279
♪フォールオブフォール~秋めく滝
http://www.youtube.com/watch?v=Z6-aHtmSMkM

>>284
♪神さびた古戦場
http://www.youtube.com/watch?v=f1l2TYqFrE8

>>302
>>304
少女綺想曲
http://www.youtube.com/watch?v=SdE5O23gyhM

>>321
♪ EX メドレー
https://www.youtube.com/watch?v=s7pkaZxvWpE

>>334
♪華のさかづき大江山
http://youtu.be/KqUVLa-aqAU

>>339
×慧音「今こさ心を一つにして~
○慧音「今こそ心を一つにして~

最後の最後に慧音っちゃんも何で噛むんですかね……?

すまん村紗……わざとじゃないんだ
眠かっただけなんだ

~オマケ・古明地家~

【地霊殿】

お燐「最近はよく外出するようになったと思ったら、また引き込もっちゃったね、さとり様」

お空「外で何してたんだろうねー?」

お燐「旧都では素通りするのを見かけたって聞いたから、どうも地上に行ってるみたいなんだよね」

こいし「私知ってるよ!お姉ちゃんは今、地上で音楽やってるのよ」ニュルンベルク

お燐「わっ!?……音楽ですか?それがまた何で引き込もっちゃったんです?」

こいし「そんな事、自分で確かめてみたらいいじゃない?」

お空「さとり様音楽やってるんだ!?聴きたい!」

お燐「お食事を運ぶ時に確かめてみようっと……」

───


お燐「さとり様、お食事をお持ちしましたよ」ガチャ

カリカリカリカリカリカリカリカリ

さとり「……」カリカリカリカリ

お燐「……あのぅ?さとり様?」

さとり「……」カリカリカリカリ

さとり「……!あら、お燐。ご飯を持ってきてくれたのね。耳が塞がってて分からなかったの。そこに置いといていいですよ」カリカリカリカリ

お燐「あ……はい……」

カリカリカリカリカリカリ

お燐「……」

カリカリカリカリカリカリカリカリ

カリカリカリカリカリカリカリカリカリカリ

お燐「……」パタン...



お燐「……楽譜写してたんだ……」

~数日後~

お空「さとり様、ご飯持って来ましたよ!」ガチャ

カリカリカリカリカリカリカリカリ

さとり「……」カリカリカリカリ

カリカリカリカリカリカリカリカリ

お空「……」

カリカリカリカリカリカリカリカリ

さとり「……」カリカリカリカリ

お空「……」

カリカリカリカリカリカリカリカリ

カリカリカリカリカリカ.......

お空「」バタン



お空「???」

お空「なにあれこわい」

終わり

~オマケ・本編ではやれないけど思いついたから仕方ない~

ロックフェス

観客s「ボーカルは……あの子か。真ん中の子何やんの?何も持って無い……」

さとり サッ

♪霊知の太陽信仰でメタルっぽい何か
http://youtu.be/GGNYqYi35gA

~♪♪♪

観客s「霊知の太陽信仰のメタルアレンジ!?」

観客s「っていうかあの子!アレって……指揮者……じゃない!?」

観客s「クビメタル!!?」

観客s「カッコイイ!!」

さとり カクカクカクカク

~♪♪♪





幽香(さとり……貴女、マジでイカレてるわ……)

終わり。

すまんかった。後で神峰編やるから許して欲しい

ん?今なんでも

お待ちしております。ってか原作の方も写譜はあれ一週間学校休んでカンヅメ決め込まないと無理な量ですよね。神峰お前パネェな!

>>353
何でもなんて言ったら「ソルキャのSS100本、一週間で書いてきてよ」と言うんだろ?
言った事はちゃんとこなす神峰っちゃんマジで良いヤツだよ

>>256から

───



神峰「……よし、行くか」ドキドキ

さとり「行ってらっしゃい」

神峰「……あの、やっぱ誰か付いて来てくれね?あの連中怖え……」ビクビク

さとり「……とは言っても……。仕方ありませんね。お燐」

お燐「はい」

さとり「翔太さんのお供として付いて行ってあげて」

お燐「分かりました!お兄さんもペットの世話をして助かってるから、お安い御用だよ!」

神峰「悪りィな……助かる」

神峰(お燐……この子は地霊殿に来た時からフレンドリーに接してくれるな。というかここのペットは、さとりで慣れてるせいか、心が見える事を知っても俺を嫌わない)

さとり「この子達は言葉が話せませんから、言いたい事が分かる私に懐くのですよ。恐らく翔太さんにも、同じような理由で懐いたのでしょう」

神峰「へぇー」

神峰(そしてさとりとのこの独特の会話にも慣れてしまった……)

さとり「それは翔太さんが、自分の本心を認め、受け入れる強さを手に入れたという事です」

さとり(というか、この人意外とストレートな性格なんですよね。思った事を口にしちゃうから、本心も表層意識に表れ易い)

神峰「とにかく、初外出だな。言葉にするとスゲェ情けねェ……」ドキドキ

さとり「人間は貴方しかいませんけど、私の関係者だとは伝わっているでしょうから危険な目には遭わないと思いますが……気をつけて」

神峰(? 何をそんなに心底心配してんだ……?確かに怖えけど……)

お燐「行ってきまーす!」


………………

【旧都】

ガヤガヤ

神峰「こんなに人が多い所に来るのも久しぶりだな」キョロキョロ

神峰「見渡す限り妖怪ばっかりだ……。なんか、漫画の世界に来たみてェだ……」

お燐「お兄さんは外の世界から来たから、あながち間違ってはいないと思うけどねぇ」

お燐「しかし───」

ザワザワヒソヒソ...

お燐「見事に伝わってるね!さすがに二ヶ月近く居れば噂になるか!」

神峰「……。なぁ、お燐。珍しいモン見て噂されるのは分かるけどさ、……どうして皆、俺に関わろうとして来ないんだ?」

神峰「地底の連中は物騒なのが多いって聞いた気がするんだけど」

お燐「忘れたのかい?心を読む能力は嫌われてるんだよ。地底の連中でさえもさとり様と関わろうとはしないんだ。だからさとり様は地霊殿に引き籠ったんだよ」

神峰「!」

お燐「それにこの辺なら、さとり様の関係者だと言えばみんな大人しくなるからね」

神峰「だから……皆の心は俺達から目を逸らしてんのか」

神峰(さとりの心配ってコレの事か! 皆から避けられるって事が分かってたんだ!確かに関わる気の無い人に関わって行くのは……辛い)

神峰「……とりあえず今日は、用事を済ませたら帰るか。服屋は……もうすぐだな」カサ

───



神峰「こんなモンかな?どうだ?似合ってる?」ヒラヒラ

お燐「似合ってるよ!やっぱり場に馴染むならこっちの服も持っておかないとねぇ。というかアレ(制服)でよく今までもったね……」

神峰「一応地霊殿にも何着かあったから借りてたんだけどな」

神峰「───あ。そうだ。お燐」

お燐「なんだい?」

神峰「星熊勇儀って人の所に行きてェんだけど、いいか?」

お燐「あの鬼に用があるのかい?お兄さんも物好きだねぇ」

神峰「いや、あの人、挨拶が無いからってこないだ地霊殿まで来たんだよ……。だから今日、外出してるのみんなに見られてるし、それが分かったら何か思われるんじゃねぇかと思って……」

神峰(それに次は無ェって言われた気がするし……)ブルブル

お燐「ふーん、分かったよ。勇儀の家はこっちだよ!案内してあげる!」

神峰「助かる!」


………………

……


神峰(まさか居酒屋に居るなんて思わなかった……しかも今昼間だぞ!?)

勇儀「アンタ確か、古明地のトコの……翔太っつったね?こんな時間にこんな所で何の用だい?」

神峰「それはこっちのセリフッスよ!何で昼から酒飲んでんスか!?」

勇儀「元気イイね、アンタ。さとりのリハビリは効果があったってワケだ!」

勇儀「それで、私に何の用だい?」

神峰「リハビリ……?」

お燐「お兄さんは初めての旧都進出だからって、わざわざあんたに挨拶に来たんだよ!」

勇儀「へえ。ちゃんと筋は通せる人間ってワケだ……。気に入った!約束通り歓迎してやるよ!」

勇儀「さぁ座りな!おごってやるから好きなの頼みなよ!お燐もいいよ!」

神峰「あ……あざす!」

お燐「やったね!ラッキー!」

神峰(この人……他の人とは違ってグイグイ俺達に絡んでくる!言動が一貫してて、ここじゃかなりありがてェな……。絶対敵にしちゃいけねェ)

勇儀「んじゃ、料理が来るまで……はい、はい」コト、コト

神峰「……え?コレ……」

お燐「どうしたの?せっかくのおごりなんだから、遠慮したら損だよ?」

勇儀「そうだよ翔太。ほら、乾杯するからコップ持ちな」

神峰「いやでも、コレ……お酒ッスよね?」

勇儀「居酒屋なんだから酒飲むのは当たり前だろ?それとも私の出した酒が飲めないってのかい?」

神峰「それパワハラッスよ!?っていうか俺未成年ッス!」ヒーー

勇儀「あん?そんな事気にしてんのかい?大丈夫だよ、幻想郷の住人はアンタくらいの年なら皆酒飲んでるから」

お燐「そうだよ!お兄さんより年下っぽい娘もお酒飲んでるんだから大丈夫だって!万が一の時はあたいが送ってあげるから!」

神峰(……断るのは無理っぽいな……しかも本当の事っぽい……。でも確かに、好意を無駄にするのも悪いし……腹括るか……)

神峰「……わかりました。では」スッ

三人「乾杯!」カキーン


───



【帰路】

神峰「……う、……頭痛ェ……気持ち悪りィ……」フラフラ

お燐「」

神峰(お燐が勇儀さんとの飲み比べを代わってくれたからこれくらいで済んだけど……鬼ってスゲェ……)ゲンナリ

神峰(お燐には今度お礼しなきゃな……)

神峰「ほら、大丈夫か?もうすぐ地霊殿に着くぞ」ユサユサ

お燐「揺らさないで……」

神峰「あ、悪い……」

【地霊殿】

神峰「ただいまー……」フラフラ

神峰(ただいまだなんて、久しぶりに言ったな……。俺、本格的に引きこもりだったんだな……)

さとり「おかえりなさい。お昼は済ませたみたいですね。勇儀さんに捕まるとは……災難でしたね。ああ、お燐を運んで下さってありがとうございます。適当な部屋に寝かせておいて結構ですよ」

さとり「翔太さんも、今日は早めに休んだ方が良いと思います」

神峰「ああ、悪いけどそうするよ……」


………………

神峰(───とは言ったけど、せめてお燐の介抱くらいしてやらねェと。俺の身代わりになってくれたし……)

神峰(とりあえず俺のベッドに寝かせて、お燐が起きれるまで回復したら俺も寝よう……)

コンコン

神峰「はい」

さとり「お水を持って来ました……」ガチャ

さとり「って……お燐の介抱をしていたんですか……。わかりました、もっと多めにお水を持って来ます」

………………

さとり「どうぞ」コト

神峰「サンキュー……」

お燐「すみませんさとり様……ありがとうございます……」

さとり「いえ。では私は戻ります。翔太さんも早く休んで下さいね?」

神峰「ああ……助かるよ」ゴクゴク



さとり「そういえば」ピタッ

さとり「言い忘れていましたね」クルッ

神峰「?」

さとり「服、似合っていますよ。では」

お燐 パカーーン!

神峰「ああ、ありがとう……──ってお燐!?」

さとり「何をしてるんですか……。やらなきゃいけない気がした?意味が分かりませんよ……」バタン

神峰「せっ、洗面器だ!!頼む!!洗面器を!!持って来てくれ!!」ウワアアアア

今日はここまで。
パロっちゃった。ゴメンね

VOMICが!!始まるぞ!!

光翼読んでたらすっかり忘れてたぜ!それだよ>>1ー!カッケーー!

来週はどこまで行くかな?
目をそらさず向き合いてぇ…!で終わって再来週一話分完辺りか?

でしょうね
出来れば、お前と演る音楽なら悪くねェ…!あたりまで見たかったけど…

一話と二話は完成度スゲェからなー
アニメ化はよ

本スレ見てるとライトウィング欲しくなる

今日バレンタインだったんだね……

      | : : : : : : : : : : : : : : : : : : : : |
     マ.: : : : : : : : : : : : : : : : : : : :| | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|

       |: : : : : : : : : : : : : : : : : : : リ |    ガ   |
  __ノ : : : : : : : : : : : : : : : : : 从l  |    ラ.    |
/:.: : : :/|: : : : : : : : : : : : : : : : : :)   |   ス   |

: : : : : : | | : : : : :/|: : : : : : : : 」 ̄    |    の    |
: : : : : : | |: : :ハ V \:_:_:/       |    心    |
: : : : : : | l: : :| | . /〉   イ         |    が    |
: : : : : : |/: : :| l : 〈/  〈/ ,イ.      |_____|

: : : : : : : : :.:.ヽl: : : /|   V
: : : : : : : : : : : : :/ニ ニ7
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| : :/ニ ニ7  / ̄ ̄\

          | : : : : |/ /⌒| /丁\ハ
    壊    |: : : : / / _ |∧∨′   |
    れ    |: : : : | .|´  ` ヽ/_,  /
   る   |: : : : | .|__ /|  ̄ Χ不   /^l
    〃    |: : : : | ノク⌒7ハ|    )ハ{   | /   ,ィ,ィ
   ゚゚   ..|: : : : |  /⌒\フ l  /       l′/> レレヘ
          |: : : : l      \l/        </  </


バレンタインなんて2病で忘れて下さい

───



神峰「よし」ドキドキ

神峰「今日こそは、一人で行ってくる!」ドキドキ

お燐「頑張ってね!」フリフリ

さとり「行ってらっしゃい」

神峰「ただのお使いなのにこの有様……スゲェ情けねェ……」

さとり「さすがに状況が特殊ですからね」


結局、俺が一人で旧都へ行くのには一週間ほどの時間を要し、今日こそ一人で行く決心がついた。
それまではお燐と共に、旧都の雰囲気に馴染むために、散歩や日用品を調達するための外出を繰り返していた
旧都の住人はさとりの言った通り、俺に対して積極的に接して来る事は無いが、勇儀さんのお陰か、会話程度なら関わってくる奴らも出てきた。

神峰(勇儀さんに会うと必ず酒の席に連れ込まれて顔を覚えられるからだよな……多分)

さとり(間違いなくそのせいでしょうね)

さとり(しかし……初日に言った「こいしの心とちゃんと向き合って欲しい」という約束が、翔太さんの中で「人の心とちゃんと向き合う」に変化したのは僥倖ですね)

さとり(翔太さんは約束はきちんと守る方なので、これから旧都でさらに鍛えられる事になるでしょう。せめて嫌な事から逃げずに踏ん張るくらいの強さを手に入れたら、地上に送ってあげてもいいかもしれませんね……)


………………

【旧都】

神峰「一人で来るだけでこんなに緊張するモンなのか……? 元の世界なら人混みの中に居ても無視すりゃ余裕があったってのに……」

神峰「やっぱ相手が人間じゃねェって大きいな……」

ヤマメ「というか、ココに人間なんて翔太だけだよ?」

神峰「!?」ビクッ

ヤマメ「今日はお燐と一緒じゃないんだね」

神峰「あ、ああ……今日こそは一人でお使いだ」

ヤマメ「あっはっはっは!ようやく一人前って訳かい!? あの時から随分時間がかかったね!」

ヤマメ「まぁ仕方ないか!ココじゃあさとりに守られていなけりゃ今頃は誰かの腹の中だしね!」

神峰「!!!」ゾクッ

神峰(そうだ……すっかり忘れてたけど、ここは妖怪の巣窟じゃねェか!いつまでもさとりに甘えて、守られてるワケにはいかねェよな……。地底に人間なんて場違い過ぎだ。いつかは地上に出なきゃならねェんだ……)

ヤマメ「でも、翔太もうまくやって行けてるようだね!」

ヤマメ「まさか地霊殿の客人になるなんて!ペットにされるかと思ってたのに」

神峰「それは俺にも良くわかんねェんだけど、なんか突然客でいいって言われたんだ」

ヤマメ「ふーん……。シンパシーでも感じたのかね?まぁいっか、お使い頑張りな!」バイバイ

神峰「ああ。またな」

───


【地霊殿】

神峰「ただいまー」

お空「あ、翔太だー!おかえりなさい!」

神峰「おっ、お空! 珍しいなこんな時間にこんな所で」

お空「ちょっと休憩よ!」

神峰(お空とのコミニュケーションってかなりレアなんだよな……初日に話して以来、あんまり会わないし、人間が入れない所で仕事してて、もう一つ別の施設で仕事してんだよな……。核融合出来るってスゲェよ)

お空「お燐から聞いたよ!買い物行って来たんでしょ?何かおみやげある!?」

神峰「お使いだから残念ながら無駄金は使えねェんだ……悪ィ」

お空「ちぇー。でもさとり様がそう言うなら仕方ないね」

さとり「別に買い食いくらいなら構いませんよ?翔太さんは本当に律儀ですね」

神峰「!」

お空「さとり様!」

さとり「おかえりなさい。どうやら一人でも大丈夫だったみたいですね」

神峰「ただいま。スゲェ怖かったけどな……。ヤマメと会ってここが妖怪の住む場所だって再認識したせいで……」

さとり「地上へ行くのはまだまだ許せませんので、しばらくは我慢してください」

神峰「分かってるよ……人って簡単には変われねェな……」

お空「ねぇ翔太!さとり様が良いって言ってくれたから、今度行った時はおみやげ買って来てよ!」グイグイ

神峰「分かった、分かったよ」

さとり(少なくとも初日よりは変わりましたよ、翔太さん。あのやさぐれた上に全て諦めていたあの頃よりは、前向きで活力がありますから)

さとり(まぁ、それはペット達との触れ合いのお陰でしょう。まるでアニマルセラピーですね。……人と関わる強さを身に付けたら、帰してあげますね)

───



~次の日~

神峰「……」

ワイワイガヤガヤ

神峰(捕まってしまった)

勇儀「ほら翔太、飲みな!独り立ち記念だ!」

神峰「いただきます!!」ゴクッ

勇儀「これでアンタを庇うヤツは居なくなったってワケだ……」

神峰「あの、もしかして……」

勇儀「分かってるなら話は早い。物分り良いじゃないか」

神峰「助けて!!!」

パルスィ「諦めなさい。鬼と人間は古来より戦うさだめなのよ……」

勇儀「その通りさ!良い事言うじゃないか!」

神峰「!アンタ……俺を助けてくれた……」

パルスィ「久しぶりね。どうやらペットは免れたみたいね……妬ましいわ」

神峰「あの時は本当にありがとうございました。何て言ったらいいかわかんないッスけど……人間の俺を助けてくれて、本当に感謝してるッス!」

パルスィ「いえ、礼は要らないわ。あの時の貴方は嫉妬する余地なんて無かったもの。ただの同情よ?」

パルスィ「だけど今は……、地霊殿で上手くやれてる様ね……妬ましい。聞けばペットにも懐かれたみたいね……妬ましいわ」フツフツ

神峰「!?」

神峰(なんだ……!?心が……沸騰してんのか!?火の勢いがどんどん増して行ってる!!)

パルスィ「まさかあんなに不幸に見えた貴方がここまでなるなんて、まるで悲劇のヒーローね……、助けた甲斐があったわ……妬ましい。こんなに私を嫉妬させるなんて、思っても見なかったわ。たまには気まぐれも起こしてみるものね」グツグツ

神峰(この人……一体!?)

勇儀「ほら、お喋りはここまでにしてグラスを持ちな!地霊殿まで運んでやるから安心して飲んでイイよ!」

ここまで。

>>370
バレンタイン?何だっけ?刹那で忘れちゃった♪
まぁいいか、あんな一日

良かったーーーー喪服着てきて!
自称"今年もチョコ0個"の>>1さんがお亡くなりになってるじゃない!

>>378
何も知らないくせに!俺の悪口言うな!!

無限に!自由に!音を出せる。トロンボーンは良い楽器です!
キョクリス先輩良い事言うなー。ド素人だけどトロンボーン始めたくなるわ
風呂の後に続きやるか

───



【地霊殿】

勇儀「お邪魔するよ」

さとり「こんな所に来るなんて珍しいですね……って……、翔太さんを潰さないで下さい。まだお酒を飲んで一週間しか経っていないんですよ?」

勇儀「これも一種の歓迎だよ。洗礼って言った方がいいかな?」

勇儀「アンタがいつまでこいつを匿うのか分からないからね、出来るだけ人間と戦いたいのさ。それとも一生側に置いとくのかい?」

さとり「……貴女の考えてる関係ではありませんし、そんな感情はありませんよ。残念がらないで下さい」

勇儀「……寝かしといてやるからこいつの部屋教えてくれない?」

神峰「」グッタリ


………………

……

更新が!!始まるぞ!!

神峰「ん……」

神峰「……今何時だ……?頭痛ェな……」

神峰「とりあえず起きるか……」ムク

神峰「時計時計……お、まだ5時か。確か昼に勇儀さんに捕まって、一時間くらいで潰れたと思うから……寝てたのは3、4時間か」

神峰「買い物袋も置いてある……勇儀さんが送ってくれたんだな。……仕舞いに行こう」ガチャ

………………

お空「あ、翔太!おはよー!」

神峰「お空! 二日連続で会うなんて珍しいな。……そうだ!約束通りちゃんとお土産買ってきたから、やるよ!」ガサガサ

お空「約束?何だっけそれ?でもありがとう!あ……でもご飯の前に食べたら入らなくなるかも……」

神峰「? 昨日お土産が欲しいって言ってたろ?」

お空「うにゅ?そうだっけ?忘れちゃった♪まぁいいか、冷めちゃってるけど」モグモグ

神峰(マジで心の底から忘れてるのかよ……何かショックだ……俺ってやっぱその程度の認識なのかな……?)ズーン

お燐「おはようお兄さん!時間は早いけど起きるのは随分遅かったね!」

お燐「あと、お空は相当な鳥頭だから、まともに憶えてるのはあたい達の顔と名前と、さとり様の命令くらいだから、そんなに落ち込むことないよ」

神峰「そ、そうなのか!知らなかった……」

お燐「最初に言っておけば良かったかな。会話も大変だと思うけど頑張ってね」

お空「お燐、翔太!早く朝ごはん食べに行こ!」

神峰「……ん?」

お燐「どうしたのさ?」

神峰「そういえばさっき、起きるのは随分遅かったって言われたな……」

お燐「そうだね。なかなか起きないから心配したよ!」

神峰「って事は今は朝の5時って事か!?……イテテ……!」ズキン

お空「当たり前じゃない。変なのー!」

神峰「ヤベェ、15時間も寝てたのかよ……!」

お燐「そりゃあんだけ飲んでたら昏睡もするよ」

神峰「俺、先に行ってこの荷物仕舞ってくるわ!ついでに朝食も準備してくるから!」ダッシュ

お燐「え?そう?じゃあよろしく!」

お空「行ってらっしゃーい」フリフリ

……………


神峰「あー疲れた……。二日酔いなのにダッシュしてメシ用意して……」

神峰「地底は日が入らねェから時間の感覚狂うよな……。なのに何故か雪は降るんだよな」

神峰「よく考えたら酔い潰れて3、4時間で目を醒ますなんて無ェよな」

神峰(しかし……あの時のあの人の心……。最初に会った時も思ったけど、ヤベェよ……)

神峰(アレは完全に俺の手に負えるモンじゃねェ……。あの火を消して湿気も吹き飛ばせる、強い風でも心に吹かねェと無理だよな)

さとり「それは不可能でしょうね」

神峰「!」

さとり「彼女は嫉妬の妖怪……。嫉妬と共に生きて嫉妬をするために生まれた、嫉妬無しでは生きられない……彼女自身が、嫉妬で出来ているような存在ですから」

さとり「彼女の嫉妬心を消すということは、彼女の存在を消すのと同義です。もちろん、彼女以外にも、妖怪というのはそれぞれ"在り方"……つまり存在の理由があります」

さとり「その在り方に関わるような事をするというのは、妖怪にとっては死を意味するのです」

神峰「!?」

さとり「心苦しいとは思いますが、明らかに間違っていても、それがその妖怪の存在理由ならば……存在を消したくないのなら、正す事は出来ません……」

さとり「……トラウマを刺激するような事を言ってすみません……。ですが、翔太さんは以前よりも強くはなっています。あの頃よりも無力ではありませんよ」

神峰「な……んで……」

神峰「じゃあ……、俺がココで出来る事ってなんなんだ!?」

神峰「さとりの存在に守られて!俺は雑用しかやれてねェ!!俺は!……俺は!心と向き合うって決めたのに!なんとかしたいって、心を変えてやりたいって……まだ諦めてないのに……それも出来ないのかよ!?」

神峰「一体なんの為にさとりに守られてるんだよ……地底に居る意味あんのかよ……」

さとり「……少なくとも、私のためには、まだ翔太さんを側に置いておく必要があります」

さとり「私は……貴方に勇気をもらうために……貴方が必要なんです」

神峰「俺から……勇気を……?……やれるワケ無ェ……。このザマだぜ?」

さとり「いえ、少なくとも、翔太さんは私よりも一歩前を進んでいます」

神峰「?」

さとり「私"も"、こいしと……心と、向き合う覚悟を持ちたいのです」

───地底の妖怪でさえさとり様とは関わろうとはしないんだ。だからさとり様は地霊殿に引き篭もったんだよ───

神峰(!!)

さとり「ですので、私に道を示して欲しい……!」

さとり「翔太さんが、私の影響で避けられていても他人に関わり続ける事で、それが私には希望になります!」

さとり「お願いですので、私の心を箱から出して下さい!」

神峰(……そんな事言われたら……、そんなに助けを求められたら……)

神峰「お前のために……頑張るしかないだろ!」

神峰「お互いにお互いの為の行動が、自分に返ってくるなんてな……出来過ぎだろ」

神峰「でも……もう顔は伏せねェ……!覚悟はもう出来てるから……あとは突き進むだけだ!もう……躓かなねェ!」

さとり「私の我儘に付き合わせてしまって……すみません。これからよろしくお願いします」


お燐 ニヤニヤニヤニヤニヤニヤ

お空 ジーーー


さとり「何を見ているのですか?」

神峰「いつの間に!?」ドキッ

お燐「いやぁ、悪いなーとは思ったんだけど、どうしても気になってね!」

さとり「全くこの子は……。お燐の考えているような感情はありませんよ……」

神峰「?」

お燐「とにかく!お兄さん、さとり様をよろしくね!」

さとり「はぁ……。もういいですそれで。さて、久しぶりに早起きしましたから……翔太さん」

神峰「え?」

さとり「朝ご飯をよろしくお願いします。作ってくれたんですよね?」

神峰「ああ!わかった!」

お燐 パカーーン!!

お空「あはは!お燐何その変なカオー!」

さとり(いつの間にこんなに俗になってしまったのかしら……)イラッ

神峰「だから一体何なんスかソレ!?」

お燐「いやいや気にしないで!まさかさとり様が……」

神峰「その顔戻してくれねェか!?なんでそんなにウキウキしてんだ!?」




さとり(地上に行くの控えさせた方がいいのかしら───)クルッ

こいし パカーン

さとり「」ドキーーン!



さとり「こいしまでそんな表情しないで!!」ドックンドックン

さとり「というか何時帰って来たの!?」

こいし「今朝よ。お燐達がここを覗いてたから気になっちゃって」


神峰「! こいしがいる! スゲェ久しぶりに会ったけど……多分一ヶ月は会ってねェかも」

こいし「私も翔太の料理食べたい!早く行きましょ!」


───


ここまで。
こいしは絡ませやすくてイイなぁ……。脈絡なく出せるわ

~オマケ~

神峰「そういやなんでこんな時間に起きてんだ?」

さとり「お燐に起こされて……。翔太さんが料理作ったからって」

神峰「あ、そうなんだ……」


終わり

サッカー興味無いのに右翼買っちゃったよ
今日はお休みだな

なんだ、今日はお休みか

――――と思っていたが 違った

あ……ありのまま今起こった事を話すぜ!
『俺は先々週、星合ちゃん攻略だ!やったー、なんて思っていたら、今週ホルンちゃんルートに入ろうとしていた』!
何を言ってるか分からねーと思うが、俺も何が起きたのか分からなかった……

管崎さんは神峰の前でも弱気なんだね。本当は金井淵派の中では一番金井淵に賛同するのに疲れていて、それを親友の星合ちゃんに相談したら星合ちゃんも気持ちが離れかけていたとかで金井淵と管崎さんの橋渡し役になっているんじゃなかろうか。
金井淵に賛同しかねるけど級友だし、金井淵と管崎は仲良くして欲しいし、自分も二人と仲良くしていたい板挟みな星合ちゃん超良い子。

>>391
勝手に続きやらせようとするなwwwwww

俺にはほとんど見えてンスけどね、>>1さんが今日続きを投稿する未来。

銀杏くんの心どうなってもうたんや!あとまさかのホルン子ちゃんターン来たな

復活しとる……
そんなに早く復活されたら……書くしかないじゃん……

神峰「よし!行ってくる!」

お燐「行ってらっしゃーい」フリフリ

さとり「行ってらっしゃい」




さとり「今朝あんな事になったというのに、決意してすぐに行動ですか……」

お燐「いやー、行動力もあってお兄さん熱いですねー!惚れました?」

さとり「まだ引きずるのね、それ……」

───



【旧都】

神峰「勢いで飛び出しちまったけど……やる事は人と関わる事なんだよな……どうするか」

神峰「知らないヤツに話しかけるか、知り合いから人脈を広げるか……」

こいし「迷った時はいっそ大胆な行動をするのも解決の秘訣よ?」

神峰「わっ!? ビビった……ついて来たのか」

こいし「翔太が生き方を変える瞬間に立ち会ったんだもの。面白そうだから見学させてね?」

神峰「……まぁ構わねェけど」

こいし「ありがとう。なんだかデートみたいね! 翔太はデート初めて?」

神峰「デート!?」

神峰(そういや……女の子とデートなんてしたことねェ……っていうか多感な時期に人と関わらねェように生きてきたから……、人と関係すんの諦めてたな……。あれ?)

神峰「そういやお燐とは一週間くらい、一緒に旧都に来てたな」

こいし「なんだ、つまんない。もっと狼狽える所を見たかったのに」

神峰「デートと言うよりは付き添いだったけどな。……さて、どうしようか」

こいし「他人と関わるなら、それこそ地底の住民よりも地上の住民の方が適してると思うんだけど」

神峰「いや、ダメだ。避けられても関わっていかなきゃ意味が無ェ!……地上に行く手段も無ェし……」

こいし「ふーん……だったら、翔太が(多分)まだ会ってない子の所に行きましょ」

神峰「?」

………………

神峰「会ったこと無いヤツなんてこの辺なら沢山いると思うんだけど、なんで穴の方に向かってんだ?」

こいし「翔太が落下してる時に会ってないんだもん。会えるのに会ってないのは勿体無いわ。それに最初は軽く済ませて次に繋げたいでしょ?」

神峰(心が変わんねェと何考えてるのか本心が分からねェな……)




パルスィ「待ちなさい」

神峰「!!」

パルスィ「あなた達……二人仲良く地上に行く気……?そんな駆け落ちみたいな事許さないわよ?」フツフツ

神峰(この人……何でもこじつけて嫉妬してるのか……。正直、見てて辛え……)

パルスィ「沈黙したって事は図星かしら? 貴方はさとりに気に入られてると思ったのだけど……まさか妹とくっつくなんてね」グツグツ

パルスィ「ああ、だからこれから地上へ逃避行という訳ね? 急がなきゃ嫉妬に狂った姉が追いかけて来るのかしら? そんな昼ドラみたいな展開が目の前にあるなんて───」ウフフフ

神峰「アンタ何言ってんだ!?スゲェ誤解されてる!!」

こいし「命懸けの逃避行も面白そうね!翔太、私の物になる?」

神峰「お前も乗っかるな!!」

こいし「冗談よ。……私達はこの先に居るキスメに会いに行くだけよ。地上には行かないわ」

パルスィ「なんだ、つまらないわ。……もう行っていいわよ」

神峰「あ、ああ……。あざす」

………………


神峰「着いたな……」

こいし「ここで待ってたら向こうから来ると思うわ」

神峰「……なぁ、そのキスメってどういう人なんだ?っていうか向こうから来るって何だ?」

.....ゥゥゥゥゥ

こいし「キスメっていう釣瓶落としの妖怪がいるの」

...ゥゥゥゥゥウ

こいし「その子がこの穴に居てね、翔太が初日に会わなかったのが珍しくて、どうしても会わせたいなって!」

...ウウウウウ

神峰「釣瓶落とし……?どんな妖怪なんだ?」

ヒュゥウウウ

こいし「……それはね?」

キスメ スカーーーン!!

神峰「」ドゴァ!

こいし「こんな妖怪よ♪」

神峰 バタッ




こいし「驚いた?びっくりした!? さ、次に行きましょ?」キャッキャッ♪

神峰「待て!!っていうかこの子スルーすんのかよ!?俺にイタズラしたかっただけか!!」ドクドク

キスメ「……」ジーー

こいし「だってその子、人間にとって危険なのよ?不用意に近付いて桶の中を覗こうものなら、首刈られちゃうかも」

神峰「!?」

こいし「良かったね、地霊殿で暮らしてて!さすがに噂は届いてたね!」

神峰(さすがに分かってたから会わせたんだよな……?じゃなきゃ命がいくつあっても足りねェぞ……)ゾッ

神峰「……でも、せっかく会いに来たんだから挨拶くらいしとかねェと!」

こいし「真面目だね」

神峰「……なぁ、ちゃんと顔を見せてくれねェか?」

神峰「俺、神峰翔太っていうんだ。多分知っての通り地霊殿で暮らしてんだけど、良かったら憶えておいてくれねェか?」

キスメ「……」

キスメ「……」ヒョイ

キスメ「私……キスメよ……。釣瓶落としの妖怪……」

神峰「! ああ!よろしくな、キスメ」サッ

キスメ「───!」パシィィン!

神峰「!? 痛ェ!? ……握手拒否られるなんて……初めてだ……」ズーン

神峰(でも……この子、俺が嫌いっていうよりも、恥ずかしいから咄嗟に弾いたって感じだな。悪意は無ェし)

神峰「も、もう一回チャレンジだ……。よろしくな……?」

キスメ ドゴッ

神峰「グーパン!」ブハッ

こいし「大丈夫?鼻血出てるよ?頭も流血止まってないし」

神峰「これがこの子なりのコミュニケーションなのか……?くじけそうだ……体力が、無くなる……」

こいし「いや、ちゃんと喋ってコミュニケーションするよ」

神峰「……もう……帰ろう……。手当てもしてェし……」

こいし「えー?もう帰るのー?いろいろ回りたかったのにー」

神峰「正直、上手く歩ける自信ねェんだよ」フラフラ

神峰「とりあえず挨拶はしたし、この子は俺に嫌悪感持ってねェみてェだしな……(自己紹介はしてくれたし)」

こいし「はいはい、わかったわよ。朝の勢いからこの様で帰ってきたら何て思われるかしらね?」ヨイショ

神峰「ぐっ……! 悪ィ……助かる。……あんまり考えたくねェけど……恰好悪過ぎるよな……」ハァ

こいし「明日から頑張ってよね?」

神峰「ああ、明日からは身の安全も考えて行動するわ……」

ここまで。終わりに近づけねェ……

鯖直ったーーー?ぬぇーーー、入っていい?

良かったー、アクセスしてみて!
「ss速報vip」が復活してるじゃない

避難場見て昨日と今日で急いで書き溜めしたから明日投稿する。今日はバイトなので

鯖落ちの間に本編進み過ぎワロタwwwww
今週の星合先輩がエロかった。数時間後の次号が楽しみですわ

>>403
二週間でここまで話が進むなんて……一つ見逃したら話しについていけないじゃない!
>>403君……いいな……ボクも、君みたいに早くにジャンプを読めたら……
何で俺の所は入荷が4時なのさ

あと二時間したらまた落ちるそうなので投稿します

【地霊殿】

こいし「───はい、手当て終わったよ」

神峰「サンキューこいし」

神峰「しかしどうするか……。今日はもう出歩けねェな。……頭のダメージのせいで」

こいし「ウチのコ達と交流を深めるって考えもあるよ?あんまり関われてないペットとか、お姉ちゃんとか!」

神峰「どちらかと言えばこいしとの方が交流が少ないんだけどな」

こいし「私とお話しするの? せっかくお空の仕事場に案内しようと思ったのに」

神峰「さっきから俺を危険な目に遭わせようとするのやめてくれねェか!?」

さとり「こいし、あんまり翔太さんに無茶な事をしないでね」ツカツカ

神峰「さとり! 」

さとり「おかえりなさい、二人とも」

こいし「だって翔太ったら反応が面白いんだもん、からかい甲斐があるわ! 」

さとり「だからと言っても限度は考えて欲しいわ。客人を死なせてしまったともなれば、誰も地霊殿に寄り付かなくなってしまうじゃない」

神峰「ちょ……」

こいし「もともと誰も寄り付こうとしないじゃない?」

さとり「皮肉よ」

こいし「それに限度ならちゃんと弁えてるわよ? 翔太を殺す気は無いし、私はただ翔太を見ていたいだけよ」

神峰「あの……」

さとり「翔太さんの反応を、でしょう?」ハァ

こいし「それに人間を驚かせるのが妖怪の本分でしょ?殺す気は無いし、怪我はさせちゃったけどケアはしたから問題無いでしょ?」

さとり「怪我をさせたのは問題でしょうに……。とにかく無茶はさせないように気を付けて」

こいし「はーい」

神峰「あのさ……本人の前でそんな物騒な話すんの控えてもらえねェスか?」

さとり「あ、すみません」

こいし「あと、翔太の反応だけを見てるワケでもないよ? 他人と関わり続けて、翔太は翔太のままでいられるか、私になってしまうのか、それも楽しみだもん」

神峰「……!」

さとり「……」

こいし「翔太も妖怪になれば、ずっとここに居られるのにね!」

神峰「俺が妖怪!?なる気は無ェけど……なれるのか!?」

こいし「ウチのペットだって元はただの動物よ? 力を付ければ妖怪化出来るんじゃないの?」

さとり「前列が無い訳ではありませんけど……結論を言えばなれます。鬼なんかは有名な例ですね」

さとり「あとは……仙人や亡霊なんかも幻想郷には存在していますね。後者になるのはお勧めしませんけど」

神峰「さすがにまだ死にたくねェし、人間を辞める気も無ェから……」

さとり「ちなみにお空はウチでは例外ですね。元は灼熱地獄跡で働く、ただの地獄鴉だったものが、山の神に手懐けられた上に八咫烏を喰わされて急激に変化したので」

神峰「ヘェー……」

こいし「みんな妖怪になればイイんだよ」

───


~夕飯時~

お空「翔太怪我しちゃったんだ!? 頭大丈夫!?」

お燐「お空にだけは言われたくない一言だね……」

神峰「ああ、もう問題無ェよ。明日にはまた出歩けると思う」

お空「なんだ、良かったー!」

神峰「ところでさ、ここに居るみんなは力を付けて妖怪になったって聞いたんだけど……どんな感じだったんだ?」

お燐「質問が漠然としてて何を訊いてるのかはっきりしないね。……でもまぁ、狐や狸が妖怪になるのと同じかな?アタイは猫だから、猫又になるって言った方がいいかな?実際には火車だけどね!」

神峰「ああ、悪ィ……。その、妖怪になった瞬間って言うか……妖怪になったって実感した時に……どう感じたのか気になって……」

お燐「そういう事なら、アタイは念願叶ったって感じかな? もっとさとり様のお役に立てる!って思ったよ。ここのペットはみんなそんなモンだと思うね!」

お燐「そうでなくても、動物が妖怪化するって事は本人の中では喜ばしい事がほとんどだと思うよ。何せ力が全ての世界で生きているからね」

神峰「そういうモンなのか……」

お空「私はねー、なんかこの核融合の力を手に入れてから、この姿になってからー、……何だっけ?その後の事はもう忘れちゃった!」

神峰「ああ……そう……?」

お燐「お空は力を手に入れてすぐに、暴走して地上を火の海に変えようとしてたんだけどね」ボソ

神峰「」

お燐「いきなりそんな事聞いて……もしかして……お兄さん妖怪になりたいの? さとり様と添い遂げる為に!?」

神峰「そんなんじゃねェよ!? ……ただ、人間が妖怪になれるって聞いて……、実際に妖怪になった人はどう思ったんだろう……って思ってさ……」

神峰「人間って集団で生きるじゃねェか? いや、人間に限った話じゃねェ。集団の中で逸脱したヤツってのは大体、周りのヤツらに疎まれて、否定されて孤立する。力が異常に強いヤツですら、弱者が集団になって否定すれば悪者扱いだ」

神峰「どっちの立場に居てもさ、人とは違っていたら……、妖怪になるなんて、人間を辞めちまったら間違い無く集団には居られなくなるじゃねェか。それってスゲェ……悲しかったと思うんだ」

お燐「人間の思考回路は複雑だからね。アタイら動物なら、力で服従させれば問題無いんだろうけど、人間って敵を作りたがっているみたいに他のコミュニティを攻撃するよね」

お燐「……まぁ、過去に妖怪化した人間ってのは、妖怪になったから居場所を亡くした連中よりも、居場所を失ってから妖怪化したヤツの方が圧倒的に多いと思うよ」

お燐「妖怪化する人間のほとんどが強い負の感情を持ってるからね。それこそ集団から弾かれて憎いだとか、鬼なんてまさに怒りの化身じゃない?」

お燐「そう考えると、お兄さんもあのまま深い絶望を持ち続けると、自分でも気付かずに妖怪になってたのかもね!」

お燐「"心を見る程度の能力"を持つ人間が妖怪になるんだから、これは覚り妖怪待った無しなんじゃないかな!?」

神峰(…………)

神峰(俺も……妖怪に、なりかけていた……のか……?)

神峰(だから……幻想郷に来た……?)

さとり「それは無いと思いますよ」

神峰「!!」

さとり「翔太さんと初めてお会いした時、そのような兆候は見られませんでしたので」

さとり「幻想郷に来たのは恐らく、偶然出来た結界の歪みに飲み込まれたのか、またはスキマ妖怪が"食糧"として神隠しにしたか……もしかしたら翔太さんの観察をするために、娯楽として幻想郷……いえ、地霊殿に放り込んだか……」

さとり「スキマ妖怪が関わっているのなら考えるだけ無駄ですけどね」ハァ

神峰「スキマ妖怪……ってのは?」

さとり「この幻想郷の創造に関わっている妖怪の賢者の事です。この幻想郷では彼女の名を知らない者が居ない程の有名人物で、それだけ永く生きている妖怪です」

さとり「彼女には深く関わってはいけませんよ? もし胡散臭い女性が話しかけて来たら適当に受け流して逃げて下さい。何も無い空間から誰かが現れたら確定です」

「というか女性に話しかけられたら、無視して私のもとまですぐに帰っ来て下さい」

神峰「あ、ああ……。気を付ける」

さとり「……お燐。私の声を真似して何を言っているのかしら?」

お燐「え?いやー、あはは……」

神峰「最後のセリフお燐かよ!?声真似スゲェな!?」

さとり「ペットの躾けくらいやっておいた方が良かったのかしら……? 今からでも遅くはないわよね?」ガシッ

お燐「助けてー!! トラウマ抉られるー!!!」

───

ここまで。
あの量で分割しても10レスしかないの……?
じゃああと10レス分しかストックないよ……
今まで行き当たりばったりで曖昧な投稿だったから問題無いけどね。

神海っちゃんは相変わらず気合い入った表情描くと崩れるなぁ
奏馬は調和をとるのが抜群に上手いのコマの谺先生可愛い
目を瞑ってる星合ちゃんはもっと可愛い
ついに新章が動き出すな!

神峰「明日からどう関わって行こうかな……」

神峰「せめて旧都の住人と仲良くなれたらイイんだけどな……。けど、嫌がっているヤツにグイグイ押していっても余計に嫌われるだけだし」

神峰「つーか、下手に関わって絡まれると怖ェし……」ブルブル

紫「だったら、人と関わる仕事を見つけたら良いんじゃないかしら?」

神峰「仕事か!確か、掲示板に求人があったな!」

神峰「───ん?」

紫「初めまして」ニュッ

神峰「」





神峰「ギャアアアアアア!!! 生首が喋ってるゥーーーー!!!?」ビクーーッ





お燐「どうしたのお兄さん!?生首ドコ!?」バタバタ

さとり「翔太さんどうかしましたか!?大きな声が聞こえたのですが……」バン!

さとり「───って、どうして貴女がここに居るのですか? 地上と地底は相互不干渉の取り決めがあった筈ですが?」ジト

紫「あら非道いわ……。私は、貴女達が私の噂をしていたから出てきただけだというのに」

神峰「噂……?」ドキドキ

紫「ええ。私がスキマを操る妖怪の賢者、八雲紫ですわ」

神峰「アンタが……! みんながスキマ妖怪って……呼んでる人か……!」

さとり「貴女が出てきたという事は、翔太さんが幻想郷に来たのは貴女の仕業と考えて良い……という事でしょうか?」

紫「そんな事、私の心を読めばすぐに分かるでしょう? でもまぁ、概ね正解ね」

神峰「!」

紫「別に観察するだけだったら、私が本人の目の前に出てくる必要は無いのだけど……、私の存在に辿り着いたからサービスよ」

さとり「貴女の存在なんて、幻想郷に居れば嫌でも知ることが出来るでしょう?」

紫「まさか地底でまで、私の噂をされるとは思わなかったんですもの」

お燐「相変わらずの地獄耳だね……」

紫「……でも、まさか貴女まで来るとは思わなかったわ。余計な事を知られる前に、私は退散させてもらいますわ」ズズズ

神峰「待ってくれ!どうして俺をここに───! 行っちまった……」

さとり「彼女の思惑については深く考えない方が良いですよ。考えるだけ無駄ですから……。貴方も彼女の心を見たのなら、どれだけ底が知れないか分かったでしょう?」

神峰「ああ……確かにな……」

さとり「では、私達は戻ります。食糧として連れて来られた訳ではなくて良かったですね。お休みなさい」

お燐「おやすみー」バタン




神峰「……」

神峰「スッゲェ疲れた……。つーか観察するためって……俺下手したら初日に死んでるぞ……?」

紫「その時は私が手を貸す予定でしたわ」

神峰「!?」ビクッ

紫「どうかしら、幻想郷は? 気に入ってもらえたかしら?」

神峰「……なぁ、なんでアンタは……俺をここに連れて来たんだ?」

紫「心を見る能力を持つ面白い人間だから、外の世界で腐らせてしまいたくなかったのよ」

紫「貴方が外の世界でもその能力に苦しめられる事が無かったのなら、幻想郷に招待することは無かったでしょうけど……」

紫「ここの住人は不思議な力を持つ子が多いでしょう? それが貴方に良い刺激となってくれたら、と思ったの。特にさとりね」

神峰「……確かに、以前よりは辛くはねェけど……。やっぱりさ、何も出来ねェのは悔しいよ」

紫「その辺の成長に期待をして観察させて貰っているわ。頑張りなさい?」

神峰「!」

紫「もう質問はいいかしら?いいなら改めてこっちから質問するわよ」

紫「ようこそ幻想郷へ。貴方は幻想郷を気に入ってくれたかしら?」

神峰「いや、ここの妖怪(住人)怖ェし、命の危険があるから未だに慣れねェよ……」

紫「うふふ……。それもそうねぇ」

神峰「でも……、この環境の変化で、俺も変わろうって思えたから、……そこはありがてェって思ってるッス!」

紫「……! そう。気に入ってくれて嬉しいわ。歓迎するわよ、神峰翔太さん」

紫「一応教えておくけど、もしも貴方の世界に帰りたくなったなら、地上にある博麗神社を訪れなさい。……貴方には必要無い情報かもしれないけれどね」ズズズ

神峰「言うだけ言って帰っちまった……」

神峰「元の世界か……。今まで帰りたいなんて、考えもしなかったな……」

神峰「さとりに言われるまで、帰れるなんて思いもしなかったし……何より……」

神峰(人との関わりが限定的になって……希薄になって……)


ホッとしている……自分がいたんだ───





【部屋の外】

さとり(……)

さとり(これが、今まで翔太さんが気付かせないように隠してきた本音……。その本音と向き合うということは……翔太さんが人生の岐路にぶつかったということ)

さとり(元の居場所へ帰るか、幻想郷に骨を埋めるか……。私のやる事は成長した翔太さんを地上へ送ることなので、この件には関わる必要はありませんね)スタスタ

───



~翌日~

神峰「おざス」

さとり「おはようございます」

さとり「ずいぶんスッキリした顔をしていますね。……幻想郷で生きる事を決めたんですね」

神峰「ああ……。元の世界に戻って失敗していた人間関係をやり直さないなんて逃げだと思われるかも知れねェ」

神峰「だけど、俺がやりてェ事は人の心と向き合う事なんだ。元の世界に戻って人間関係やり直して、卒業して新たに人間関係を作って……」

神峰「それはこの幻想郷でも同じなんじゃねェのか?って思ってさ。俺はいつかは地上に行くんだろ?そしたら新しい人間関係が生まれるだろ」

さとり「はい。貴方は必ず、責任を持って人里までお送りします。……ですが、その後の事は翔太さんの自由です。私は何も口出ししませんよ?」

さとり「要は貴方がやるかやらないか、です。……まぁ、元の世界に帰らない理由としては弱いと思いますけれど……」

神峰「ぐっ!痛ェ所突いてくるな……。まぁ……これはケジメって言うか……」

さとり「?」

神峰「俺が変わるきっかけをくれた幻想郷に恩返しをしてェ!心と向き合うって決めたんだ。与えられたらちゃんとお返しをしてェんだ! 」

神峰「……だからまずは、さとり!アンタの期待に必ず答えて見せる!」

さとり「! ええ。楽しみにしていますよ?」

ここまで。
書き溜め尽きた。最後の展開はバリバリライブです。即興だと思わぬ方向に進むわ

……………

……

【旧都】

神峰「───と言ったは良いけど……、勢いよく何か言った日って碌な事出来てないよな俺……」ズーン

神峰「昨日も結局一人と挨拶しただけで体力的にキツくなったし……」

神峰「おっ、あったあった!えーと……求人は……」

神峰「しかし日雇いが多いな。とりあえず人間の俺でも出来そうなのから当たってみるか!」



~三時間後~



神峰「全滅……」ズーン

神峰(やっぱり皆が断る理由は……さとりか……)

神峰(俺が居るだけで客が来なくなるとか、隠してたみたいだけど間接的にもさとりと関わる事はしたくないみたいだな……)

勇儀「翔太じゃないか。こんな所で何頭抱えてんだい?」


神峰「あ」

勇儀「立ち話も何だし、いつもの所行こうか」ニッ

───



【居酒屋】

勇儀「へぇ、仕事をねェ」

神峰「あの……日雇いばっかりって事は、やっぱりどこも人が足りてるって事ッスよね?」

勇儀「いんや。ココの連中ってのはその日暮しをしてる輩ばかりだからね、今日生きるだけの金を得られれば十分なのさ。あたしもその中の一人さね」

神峰(スゲェ適当な理由だった……)

勇儀「しかしあの引きこもりだった翔太が仕事を探すまでに成長するなんてね……。案外さとりは更生させるの上手いじゃないか!」

神峰「地霊殿からは出ませんでしたけど引きこもっていたわけじゃないッスよ!?」

勇儀「知ってるよ、リハビリしてたんだろ?」

神峰「あながち間違いじゃねェスけど、前も言ってましたよね、リハビリって」

勇儀「ああ、アンタと初めて会った日にさとりからそう聞いたからね」

神峰「あの人そんな冗談も言うんスね!?もっと真面目かと思ったわ!!」

勇儀「地霊殿を社会復帰施設にするなんてどうだい? もっとも、地底の連中は癖が強いのばっかりだからそんなの必要無いけどね!」

神峰「……確かに、求人が全滅した以上、自営するって手段も考えなくちゃな……こいしも、悩んだ時こそ大胆な行動をするのも解決の近道って言ってたし」

勇儀「いや、こいしの言う事をそんなに真面目に受け止めてもね……」



店主「……だったら兄ちゃん、ウチで働くか?」



神峰「えっ!!?」

勇儀「どうしたんだよオヤジ。地霊殿の住人を雇ったら客が来なくなるかも知れないんだよ?」

店主「ウチの常連は勇儀のおかげで、神峰とは仲良くしてるし、神峰と顔見知りの客も多いから問題ねェよ」

神峰「マジで良いんスか……?」

店主「お燐から料理も出来ると聞いてるからな、問題ねェよ」

神峰「あざス!」

店主「じゃあ明日から来てくれ。時間は……昼でいいか」

神峰「はい!」

神峰(良かった……!旧都の数少ない人脈を……勇儀さんとの付き合いを大切にしてたおかげじゃねェかこれ!?)

神峰(今度何かお礼しよう……。あ、そういえばお燐に身代わりのお礼してねェや。給料貰ったら何か買おう、地霊殿の皆にも!)

───

~翌日~

常連s「オ?神峰ェ、勇儀がいねぇのにここに居るなんて珍しいじゃねェか。一人酒か?」

神峰「いえ、今日からココで働く事になったんス!」

常連s「は?……オイオイマジか!? 大丈夫かよオヤジィ、こいつあの古明寺ン所の人間だぜ!?客が減るぞ!!」ギャハハハ

店主「ウッセーな!!大丈夫だよイイんだよ!俺が誘ったんだよ!!」

常連s「間違えて神峰を料理にして客に出さねェように気をつけないとな!!ギャハハハ!!」

神峰(笑えねェ……)ヒキッ


………………

……


あの後も客は入って来たが、やはり噂になったのか、どうやら以前と比べると来た数は少ないらしい。中には俺を見てUターンする者も少なくなかった……


神峰「見事に閑古鳥が鳴いてるッスね」

店主「この時間は基本的にどこも暇だ。晩飯時までな」

神峰「飲食業界はどこも変わらねェんだな……」

店主「だから晩飯までに仕込みをする。ところでよ、オメー外の世界から来たんだろ?何か向こうのツマミとか料理とか教えてくれよ」

神峰「もしかしてそれが目的で俺を雇ったんスか……?」

店主「それもある。つーかお前を雇うなんてデメリットの方が大きいんだからそれくらいイイだろ? 客が来ねぇなら新しい料理で釣るしかねェ!それでプラマイゼロだ」

神峰「うっ……分かりましたよ……。つっても、俺だって居酒屋に入るのココが初めてなんスから、どんな料理があるのか知らねェんだけど……」

店主「お前もう何回ココに来てんだよ。ココに無い料理でお前が酒に合いそうな料理教えてくれりゃイイんだよ。あと、味が濃いヤツとかな!」

神峰「……それじゃあ───」


……………

………


神峰「───くらいスね」

店主「よし。んじゃ、明日は店休みにしてこの料理作ってみるか。お前も朝から来いよ?」

神峰「ウス!」

店主「……そろそろ客が混む時間になる。準備しとけ」

……………

……

勇儀「よう、やってるね」

ヤマメ「へぇ、本当に働いてた!」

神峰「勇儀さん!ヤマメも!いらっしゃい」

ヤマメ「しかし……いつもより広く感じるね!店員は一人増えたってのに!」

神峰「うぐ!」グサ

店主「うるせーな!いいから何か注文しろ!」

ヤマメ「はいはい。……お?メニュー増えた?見覚え無い名前が載ってる」

店主「神峰に教えて貰ったんだよ。んで、すぐに出せそうなのだけ先に載せといた。明後日からまた増える予定だ」

勇儀「ずいぶん翔太に甘いと思ったら……そういう事か。ちゃっかりしてるねぇ」

勇儀「どうだい翔太?ちゃんとやれてるか?」

神峰「ええ、まぁ……。店主さん客にタメ口だし喧嘩するし、接客は厳しくねェスけど、それ以外だと怒られる事は多いスね」

ヤマメ「接客業がそれでいいのかい……?」

店主「俺のやりたいようにやる。地底の住人なんてそんなんばっかじゃねェか」



店主「───もう誰も来そうにねぇか。こいつら帰ったら仕込みして店閉めるぞ。お前先に仕込みやってろ!詳しい事は明日聞くから」

神峰「はい!」

勇儀「客を目の前でこいつら呼ばわりとはね」

店主「常連だろ、んな事気にするなよ。あと、明日は休みだからな」

ヤマメ「そういう事は外に貼り出しといてくれないかい?あたしらに言われても全員に伝わらないよ?」

勇儀「んで、明日は料理の勉強?真面目だねぇ」

店主「ちゃんと貼り出しとくわ!……人に出すなら食えるモン出さなきゃ文句言うだろ。そういう事だよ」

───


【地霊殿】

神峰「初めての仕事……緊張したけど、上手くやれたよな。っていうか結構適当だったな……」

さとり「おかえりなさい。お仕事お疲れ様でしたね」

神峰「ようやくありつけた仕事だから、精一杯頑張ってみるよ」

さとり「……すみません。私の存在が翔太さんの障害になるなんて……」

神峰「いや、さとりにはスゲェ護って貰ってるから気にしないでくれ!……それに、疎まれても関わっていかなきゃ意味無ェしな」

神峰(つーか仕事を見つけるのが目標じゃなくて、他人に関わっていくのが目標だしな)

さとり「そうでした。人と関わるために仕事に就いたんでしたね。何だか、脱引きこもりをした息子を見ている気分になったので……」

神峰「本当にそんな冗談言えたんだな!?っていうかさとりの容姿で息子は無理あるだろ!倒錯しすぎ!!」

さとり「これでも翔太さんよりずっと年上ですけどね。そういう問題じゃない?ふふ、分かってますよ」

神峰(スゲェ意外な一面が見れた……ココに来てベスト10に入る驚きだな)

さとり「ちなみに一位は何ですか?」

神峰「気が付くと地面が無くて急降下してた事」

さとり「飛べない人間にとっては恐怖以外の何でもないですね」

神峰「さてと、明日は朝からだからもう寝るよ。お休み」

さとり「お休みなさい」

───



~翌朝~

店主「来たな。……んじゃ作るか!細かいところは教えてくれ」

神峰「俺もレシピ知ってるだけなんで自信無ェスけど……」

店主「その辺はセンスでどんどん変えていく。自分らしさを全開にすりゃいい。その中で食える物、酒に合う物はお品書きに追加だ!」

神峰「了解付ッス!」


下味を付けて焼き……
ここで調味料……
スープを足して煮込むか……

さぁ……召し上がれ

ここまで。
また夜来るかな?

……………

……


店主「やっと終わった……」

神峰「もう食えねェッスよ……」

店主「誰かに試食に来て貰えば良かったな……。まだ余ってるぞ」

神峰「今からでも遅くないんで店開けて試食会でもしますか?」

店主「いや、メンドイからいい……。お前持って帰るか?いや、持って帰れ。地霊殿の連中の評価もらってこい。そして皿は洗って返せ」

神峰「マジスか?この量を……まぁ、ありがたくいただきますけど……」

店主「おう、気ィ付けて帰れよ」

神峰「お疲れッス」

【地霊殿】

お燐「これ全部お兄さんが作ったのかい?」

神峰「俺と店長が分担しながらな」

お燐「一度にこれだけメニュー増やすなんて冒険するなぁ……」

神峰「全部がメニューになるワケじゃねェけどな。それでもかなり増えるけど」

さとり「何にせよ、外の世界の最新の料理なんてここではなかなか食べられませんから、ご厚意に甘えて頂きましょう」

お空「もう食べていいの!?とっても美味しそう!」

神峰「ああ、皆食べてくれ。そんで感想を聞かせてくれ!」

───




~翌日~

店主「で、どうだった?」

神峰「はい、"全部とても美味しかったです"だそうです」

店主「そんなん参考になるかー!!チクショー!!!」

神峰「そんで"居酒屋で出すなら十分な味です"って言ってました」

店主「なんでそんなに上から目線なんだよ……さとりか」

神峰「とりあえず客に出しても問題なさそうッスね!」

店主「ああ……客が来ればな」

……………

……

ワイワイ

神峰「杞憂でしたね」

店主「アホか、よく見ろ。殆ど常連ばっかだろ!大方、勇儀達から話を聞いて来たんだろうな」

店主「しばらくは新メニュー目当てで常連達が賑わうだろうが、お前の影響はまだ拭えねェぞ?」

神峰「そう……ッスね……」

店主「だからお前、夕方から客引きやれ!」

神峰「はぁ!?俺がッスか!?客が来なくなるかも知れないんスよ!?」

店主「そんなモン店内に居ても同じだろ。いや、むしろ蓋を開けたらお前が居る分、店内に居る方がタチ悪ィよ」

神峰「そこまで言うスか……」ズーン

店主「だからあえて!先にお前が居る事を知らせるためにお前が客引きをやるんだ!」

神峰(そうだな……どの道、避けられていても関わる事に変わりはねェんだ。これから始まるんだ。これから始めるんだ!)

神峰「わかりました……。やらせて、いただきます!!」

~夕方~



神峰 ザッ


ザワッ...

「おい、アイツ」

「ああ、地霊殿の……」

「古明寺ン所の人間だな」

「あの店で働き始めたらしいぞ」


神峰(くっ……久しぶりに感じる……。皆が俺を避けて、遠目から見てる……。この人達に今から!話しかけていくのか)ギリッ

神峰(けど!もう決めた事だ!!俺が選んだんだ!!だから……やる!!!)グッ

神峰「今日から新メニュー追加しました!!良かったらウチで食って行きませんか!?外の世界の料理ッス!!」



「外の世界の料理?」

「アイツが教えたんだろう」

「あいつ料理人だったの?ハズレは引きたくねぇんだけど」

神峰(やっぱり届かねェな……心、閉まったままだ……あんまりしつこいとこの店の評判も落としそうだ……)

勇儀「よお、翔太。なんで客引きなんてしてるのさ?ミスして追い出されたのか?」

神峰「勇儀さん!違うッス!メニュー増えたから多くのお客の意見を聞きたいんスよ。あと、俺が客引きやれって店長に言われました。店内に居る方がタチ悪いとか言われて」

勇儀「ほお~…それで難しい顔しながら客引きに悪戦苦闘って訳か。ま、頑張りなよ。私は新しい料理に舌鼓だ」ケラケラ



神峰「……」



ヤマメ「翔太も大変だね。でもここの店主はテキトーなヤツだし、気楽に自分勝手にやってりゃいいんじゃない?」

神峰「ヤマメ!パルスィ!キスメも!?」

パルスィ「勇儀に誘われて来たのよ。なのに、さっさとあんたに話しかけに行った上に一人で店に入って行って……鬼って本当に人を振り回すのが好きよね……」

神峰「あの人はなんつーか、他人を自分のペースに巻き込むからなぁ……迷惑とか考えてね───」ハッ

ヤマメ「どうしたの?」

神峰「いや……。多分席とってるだろうからもう行けよ。俺は客引きやんなきゃいけねぇからさ」

パルスィ「言われなくてももう行くわよ。じゃあね」

神峰(そうだよ……俺が居る事がデメリットだって店長言ってたじゃねェか!)

──ここの店主はテキトーなヤツだし、自分勝手にやってりゃいいんじゃない?──

神峰(これ以上迷惑かかるとか、どの道客が来ねェなら店にはマイナスしかならないんだ!)

神峰(俺は勇儀さんみたいに、強引に自分のペースに他人を巻き込むなんて出来ねェ……けど!俺にだって出来る事はある!そう決めた事が、ある!!)


人の心と向き合うこと───


神峰(だから、俺は俺のやり方で!客を集めるんだ!)スウゥ...


神峰「当店では本日より!!地底では唯一の!!他には無いメニューを出させていただいてます!!幻想郷全体で探してもこのメニューを食える所はほとんど無いって断言出来るッス!!」

神峰「今まで食べて来た物が飽きたという方には良い刺激になると思いますので!是非!!寄って下さい!!」

神峰(まずは掴みだ!!地上との関係を捨てた地底民に外の世界なんて言っても興味は引かねェんじゃねェか!?だから言い方を変える!!)

神峰(!!ドアの隙間からこっちを覗いてる心があるな!興味を持ったか?……よし、まずはあの人だ!!)

神峰「あの、今晩ウチで飲んで行きませんか?今まで食べた事無い珍しい料理出しますよ?」

「えっ!?いや、どうしようか……」

神峰「あ、大丈夫ッスよ!味もちゃんと保証するんで!!地霊殿の皆にも食べて貰ったけど、みんな美味しいって言ってくれました!!」

「はぁ……あのさとりもか?」

神峰(もう人押しだ!)

神峰「はいッス!さとりもちゃんと食べて、店に出せる味だって言ってたッス!!絶対変なモノは食わせませんので是非!!お願いします!!」

「分かった分かった!じゃあ寄ってやるよ!」

神峰「あざス!!いらっしゃいませー!!」



神峰(は……初めて客引きに成功した……!スゲェ……う、嬉しい……!!)パアァ

神峰(これだ!まずは相手の興味を引いて、心を開かせるんだ!その後どうする?さっきは強引に行って成功したけど……)

神峰(回り道しながら誘導するか!ストレートに突破するか!……俺はただひたすらに!!全力を出すだけだ!!)

……………

……

「おい、アイツ急に客引き上手くなってねェ?」

「皆珍しい物好きなんじゃねぇの?」

「客引きなんて下っ端のやる事だろ?……なのにあいつ」

「すごく楽しそうに客引きやってんな……」


神峰(ハハッ!スゲェ!面白ェ!今までの俺に足りなかったのは……これだ!!心の問題の向き合い方も同じなんだ!!)

神峰(真っ直ぐありのままを伝えたんじゃ意味がねェんだ!車が正面衝突するのと同じだったんだ!!)

神峰(最初に動かすのは自分じゃねェ!!相手からだったんだ!まずは相手に本音を気付かせる事が大事なんだ!!本音を気付かせて認めさせて受け入れさせる!!)

神峰(それだけで……後は本人達が勝手に解決に向かっていくんだ……!!俺が1から10まで解決する必要は無かった!!)

神峰(こんなに身近に解決があったなんて……気付けなかったなんて……、スゲェ、悔しい……)

神峰(だけど!もう後悔しねェ!!これからはもう!!何も出来ねェなんて事はねェ!!)

神峰(ようやく手に入れた……!絶対に離さなねェ!忘れねェ!)

神峰(この目を持って生まれて……ようやく辿りついた……俺の、理想に)ゴァッ

神峰「!?」

神峰(なんだ!?この感覚……。なんか……俺の言葉が……声が……)

まるで、手みたいに相手の心を掴んでいる───!?

神峰(俺から手が出てるみたいだ……!)






店主「オイ神峰ェ!!!テメェ呼び過ぎだ!!!席の数くらい考えやがれ!!!」

神峰「スンマセンッ!!!」ビクッ

店主「もういいから中手伝え!!!殺す気かァ!!?」

神峰「はいッス!!」

───



店主「フーーー……ようやく終わった……。まさかお前にあんな才能があるとはな……。立派な詐欺師になれるぞ」ケラケラ

神峰「この力はそんな事には使わないッスよ」

店主「今まで見た中で一番良い顔してるじゃないか。まぁ、今までは勇儀に連れられて諦めた表情ばっかだったけどな!そんなに忙しいのが好きか?」

神峰「いえ、嬉しいのは……俺の能力の活かし方を手に入れたからッス」

店主「そうか。……明日は休むぞ。こんなに客が来るなんて想像出来なかったから買い出しだ。仕込みも要る。お前も手伝えよ、仕込みが終わったら帰っていい」

神峰「了解ッス」

店主「んじゃお疲れさん。気ィ付けて帰れ」

神峰「お疲れッス!」

はいお疲れ様deathーーー
今日はここまで。

乙。心を掴む程度の能力か…

>>1

書き溜めは充分なんだろ?

仕上がって
いるんだろうな

愚問を 吐くなよ

>>447-448
んなもん2日で無くなったスよ

……始めましょう(スッ

酉忘れてた

───



~翌日~

店主「うし、仕込み完了!もう帰っていいぞ。お疲れっしたー」

神峰「何スかそのノリ……」

店主「珍しく昼に終わったからな。ゆっくりしたいんだよ。やっぱり二人居ると早ぇな」

神峰「昼つってももう3時回ってますけどね。……じゃあ、帰ります」

店主「おう、また明日なー」


……………

……

【地霊殿】

さとり「おかえりなさい」

神峰「ただいま」

さとり「とても良い顔になりましたね。求めていたモノが手に入りましたか」

神峰「! ああ。ようやく手に入れたんだ。もう、無力じゃねェ!」

さとり「おめでとうございます……良かったですね。正直……翔太さんが羨ましいです」

神峰「何言ってんだよ、羨む必要はねェさ。俺はもう手に入れたんだ、だったら次はあんたの番だ! 」

神峰「約束通り道は示したぞ!俺に出来たならさとりにも出来るハズだ。俺達は似ているから……さとりも俺になれるんだ」

さとり「───!」

さとり「私にも……出来るでしょうか……?」

神峰「この二ヶ月……ずっと心と向き合う事を目標にしてきた……。その中で気付いた事がある」

さとり「?」

神峰「心と向き合う強さってのは、向き合うって"決意"しただけじゃ手に入らねェんだ。気持ちだけじゃ何も変わらねェ!決意だけで満足してたんじゃ前に進む事が出来ねェから……」

神峰「だから気持ちだけじゃなく、向き合うために行動するって"覚悟"を持って動いていかなきゃならねェんだと思う……」

神峰「さとりは俺に自分の心をハコから出して欲しいつった。変わりたいと決意した。……だったら後は、ハコから出るために、どんなに辛い思いをしてもいいって覚悟を持つだけじゃねェか!」

神峰「覚悟を持てばそこで尻込みする必要はねェんだ。やるかやらないかだ! ……覚悟した時点で、あんたは一歩進めるんだ。自分のハコから一歩だけ出る事が出来るんだ」

神峰「だからさ、さとり……。そろそろ自分から動く番なんじゃねェか?」

さとり「………」

神峰(鍵は外してやった……その扉を開けるのは、あんた自身だ。楽勝だろ……?道はすでに示されてんだ。俺にだって出来たんだ)

さとり「……確かに、その通りでした。私は、勇気を貰うために貴方を見ていましたから……。もう十分に頂いてましたね」

さとり「これからは私の問題……。やるかやらないか、あんまり悩んでいると翔太さんにも申し訳ありませんからね」

さとり「貴方に出来たという事実だけで、迷う必要なんてありませんでしたね」

さとり「私も!翔太さんのように、心と向き合う強さを持ちたい!そしてこいしをいつか……!」

神峰「だったら後は、行動するだけだ」ニィ

さとり「翔太さん……ありがとうございました。ここまで来れば、私は大丈夫です。そして貴方ももう……大丈夫」

さとり「なのでそろそろ、地上へ送る段取りを決めないといけませんね」

神峰「!!!」

さとり「私も同行します。地霊殿から出るのが私達の第一歩のようですね」クスクス

神峰「な……いいのか……?」

さとり「良いも何も、元々そういう約束でしたので。"翔太さんが心と向き合う強さを手に入れたら地上へ送る"と。私も得る物がありましたから、十二分な成果です」

神峰「その話……少し待ってくれねェか?」

さとり「どうしたんですか? せめて今月いっぱいは仕事をやる、ですか?いいですけど」

神峰「悪ィな……でも、ちゃんとやるべき事はやっとかねェといけないって思うんだ……」

さとり「では、地上へは新年に。三ヶ日は人里も大変でしょうから1月5日に地上へ行きましょう」



こいし「えーーー!?翔太、地上に行っちゃうの!?」



神峰さとり「こいし!?何時の間に!?」

こいし「翔太、地上に行っちゃうのね……。でもいっか!私もしょっちゅう地上に行ってるから、また遊びましょ?」

神峰「危険なのは勘弁して欲しいんだけど……」

さとり「間違えても翔太さんを拉致して来ないでね」

神峰「!?」

……………

……

その後、地上へ行く話は地霊殿のみんなに伝わった。


お燐「アタイもこいし様と同じように、地上へは何度も行くからね、向こうで会ったらみんなの様子を教えてあげるよ!特にさとり様の!」

神峰「おお、それはありがてェ!よろしくな!」

さとり「なんで私を強調するのよ……いえ、分かっていますが」

お空「翔太行っちゃうんだね、寂しくなるね」

神峰「元々地底に人間が居るのが場違いなんだよ。生きてる内にまた会えるといいな!忘れられたらスゲェショックだからな……」

お空「みんなの事は覚えてるからきっと大丈夫だよ!」

お燐「いつまで覚えていられるかねえ?」

神峰「そういう怖ェ事言うの止めろ!」

神峰「……みんなも世話になったな。お前達のおかげで前に進む事が出来た……。あと二週間しかねェけど、それまでよろしく!」

───



~翌日~

店主「あ″?」

神峰「あの……だから……、今月いっぱいで辞めさせていただきたいと……」ダラダラ

店主「雇われて四日目で辞める話か!!お前スゲェよ!!」

神峰「スミマセンッ!」ヒーーー!

店主「いや、日雇いばっかだし、新しい料理も覚えたからもうお前に用はねェんだけどよ」

神峰「スゲェ酷いなこの人!?いや俺も相当スけど!!」

店主「んー……、んじゃ、宴会でもやるか?こういう時って宴会するモンだろ?営業最終日にお前達のスペース取っといてやるよ。お前は仕事しながら混ざれ。人も適当に集めろ」

神峰「相変わらず投げやりだ……。つか、宴会なんてしたことねェス……どういう時にするモンなんでしょうね……?」ドヨーン

店主「……悪かった」

神峰「いえ、でもありがとうございます!」

店主「気にすんな。俺からの餞別だ。……おし、仕事に集中するぞ!客連れて来い!」

神峰「はい!」

──────

──


~そして宴会当日~

勇儀「さとりはずっとアンタを置いとくつもりだったら面白かったのに、やっぱり地上に行っちまうんだね」

神峰「ええ、そういう約束だったんで……。勇儀さんにはかなりお世話になったんで、これ、受け取って下さい!」

勇儀「おっ?まさか祝う相手から贈り物を貰うなんてね、アンタ面白いね!」

パルスィ「本当に地上へ行けるようになったのね……。半分冗談で言ったのに、まさか実現させるなんて妬ましいわ……」

神峰「理由はどうあれ、命を助けて貰った事は本当に感謝してるんス!パルスィもこれ、受け取ってくれねェか?」

パルスィ「あら?私にもくれるのね?ふふ、命を助けてあげたんだものね……貰ってあげるわ」

ヤマメ「二人ともいいねぇ。で、次は私の番?何くれるの?」

神峰「あ……悪ィ……。世話になった人全員にやってたら給料足りなくなるから、恩がある人にしか渡してねェんだ……」

パルスィ「クスクス……貴女、こいつを見殺しにしようとしてたわよね。私みたいに気まぐれでも起こせば良かったのに……」

ヤマメ「」ガシャアアア ガクッ

神峰「心が砕けるほどショックな事か!?それ!?」

神峰「……キスメも、来てくれたんだな。サンキュ」

キスメ「皆に誘われたから……」

勇儀「神峰!地上には萃香って飲んだくれの鬼が居るからね、今の内に鍛えておくよ!」

神峰「俺仕事しながらッスよ!?せめてもう少し待ってくれ!」

勇儀「何言ってんのさ!そんなのオヤジに任せとけよ!最後にアンタと飲み比べしたいんだよ!」

店主「聞こえてんぞコラァ!!」

こいし「翔太頑張れー!」

神峰「こいし!?何で居るんだ!?」

こいし「なんでって、決まってるじゃない!」

ガラッ

店主「らっしゃーい」

ザワッ

こいし「翔太の送別会やってるから来たのよ?」

シーン......

神峰「?なんだ?急に静かに……?」



さとり「宴会の席はここですね?」



神峰「さとり!?」

パルスィ「ちょっと、なんでコイツが居るのよ……?」

勇儀「これはこれは……珍しい事もあったモンだね」

さとり「なんでって……翔太さんの送別会をやるのなら、私達が来ても何もおかしくないでしょう?」

パルスィ「もっと周りの事考えなさい。みんな貴女とは同じ空間に居たくないのよ?」

神峰「な───!?」

さとり「翔太さん、分かりましたか?……これが私なんです。誰も私と目を合わせようとしていないでしょう?」

さとり「ですが、翔太さんは気にする必要はありません。もう"覚悟"はありますから。どんなに辛くても、向き合って行こうと思います。どれだけ永い道のりになっても構いません」

勇儀「はぁ~……、翔太の影響って訳か……分かったよ。翔太が呼んだんなら文句言無いよ。席につきな、宴会の続きだ!」

お空「わーい!宴会だ宴会だ!」

お燐「あちゃー……やっぱりお客さん離れて行ってるね……」

神峰「お燐!お空!」

お燐「地霊殿でも送別会やろうとしてたんだけどね、どうもさとり様がお兄さんの心を読んで、こっちも行くって……」

神峰(さとりも前に進み始めたって事か……!)

店主「おい神峰!……さとりが来たなら仕方ねェ……、けど!客は連れ戻せよ!全員じゃなくてもいいから説得してみせろ!!……それが終わったらさとりの相手してろ、同じ席の奴らが可哀想だ」

神峰「───!!了解ッス!!」


……………

……

店主「そう上手くはいかねぇか」

神峰「さとりの相手は俺がするって事で三割くらいは戻って来てくれたッスけど……」

さとり「いえ、こんなに助けて貰えれば十分です。これは私の問題ですから、私自身がなんとかして行かなくてはいけません」

さとり「……今は、これで十分です。さぁ、宴会しましょうか」

店主「お前も行け。こんだけ客が減りゃ一人で十分だ」

勇儀「来たね。この白けた空気、どうしてくれるんだい?」

さとり「貴女のご所望通り、翔太さんと飲み比べをしたら良いのではありませんか?」

神峰「!?」

勇儀「それでイイんだね?遠慮しないよ?」

さとり「最後ですからね。貴女達も悔いの無いように翔太さんと付き合って下さい」

神峰「裏切り者ー!!マジで考えてるな!?」

勇儀「往生際が悪いね!こっち来な!アンタがくれた酒を開けてやるよ!!」

さとり「介抱してあげますので」

勇儀「何言ってんだい?アンタも飲むんだよ」

さとり「え?」

勇儀「だいたい、アンタは付き合い悪過ぎなんだよ。地霊殿の主のクセに酒の席にも現れないから、なかなかアンタと飲む機会も無いじゃないか」

勇儀「覚悟は決まってるんだろ?だったら、飲んでくれるよな?」

さとり「……言葉尻捕まえて都合好く解釈しないで下さい!!」

神峰「いや……さとり、勇儀さんの言う通りだ!心と向き合うって事は辛い事に向き合って行く事なんだ。乗り越えなくちゃいけないんだ!」

さとり「道連れになって欲しい、ですか……恰好いい建前なのに本音が恰好悪過ぎですよ……」

さとり(でも……これから向き合って行くのなら、こういう事も大切ですよね)

さとり「分かりました……。では、頂きましょう」

勇儀「そう来なくちゃね!!」

お空「さとり様!翔太!ガンバレー!」

お燐「アタイ達が介抱しなくちゃいけないんだよね……」

……………

……


さとり「分かっているのお燐!?あまりおいたが過ぎるなら、トラウマ想起でしゅよ!?」ヒック

お燐「はい……はい……。すみません……」

さとり「こいしも!ちょっとは私に心開いてもいいんじゃないの!?」ヒック

こいし「えー……でも私はもう閉じちゃったもん」

さとり「そう言ってられるのも今のうちでふよ……貴女の心は必ず開いてみせるんだから……!私としょーたさんが組めば、暴けない心なんて無いのよ?」ヒック

さとり「ねー?しょーたさーん?」ヒック

神峰「」

さとり「心が暗転してまふよー?もう潰れたんですかー!?」ヒック



勇儀「これは予想外……なんて言うか……さとりって酔っても面倒くさいね」

パルスィ「本当よ。なんとかしなさいよ……このままじゃさとりの暴露大会(ソロライブ)が始まりそうだわ……」

勇儀「しょうがないね……。おいさとり!まだ勝負が付いてないなら続きと行こうか!」

さとり「! ……私を酔い潰す気でふね?いいでしょう、受けてたちましゅ!」ヒック

ヤマメ「お願いだから早く潰れて……っていうか潰してちょうだい……」

お空「外の世界って料理美味しいんだね!わたしも行ってみたいなー!」


ワイワイガヤガヤ


「さとりってあんな酔い方するんだな……」

「あんま乗り気じゃなかったけど、神峰の説得に応じて良かった。珍しいモン見れたわ」

…………

……

勇儀「ふぅー……やっと潰れてくれたか」

さとり「」

勇儀「なかなか楽しかったよ。また飲もうじゃないか」

お燐「二人とも潰れちゃったね……じゃあアタイ達はこの辺でお暇させて貰おうかな?」

勇儀「おい、お燐。地霊殿でも宴会やるんだろ?私も行くよ!」

お燐「そう?だったらお正月に来なよ!新年会と一緒にやるんだ!」

勇儀「ああ、次はちゃんと翔太に挨拶してやらないとね……。じゃあね!」

お燐「ほら、お空帰るよ!どっちか運んで!」

お空「はーい。またねー!」フリフリ

こいし「それじゃあ私も帰るね。バイバイ」



勇儀「一気に減ったね……なかなか楽しかったよ。さて、飲み直しだ!」

パルスィ「よくそんなに飲めるわね……」

勇儀「珍しい相手と飲めたからね、最高に調子がいい。誰か飲み比べしようか?」

ヤマメ「鬼って本当ザルだよね……このまま私達も酔い潰す気じゃないよね?」

勇儀「愚問を、吐くなよ」








ヤマパルキスメ「えっ」



勇儀「ちゃんと送ってやるから心配するな。もう年末だ、今年の事は飲んで忘れるよ!」


───



ここまで。
多くのキャラ動かすのムズイ……神峰のキャラが変になる……

昨日も今日も明日もバイト……なら、俺のやる事は

いつもの3倍動く!

まぁ無理だけどね。ラスト近いしのんびり行こうかな

【地霊殿】

さとり「ん……?」パチ

さとり「私の部屋……?」

さとり「ああ、そういえば居酒屋の宴会に参加したんでしたっけ……」モゾ



神峰「」



さとり「~~~ッ!?!?!?」

さとり(え!?何!?どうして!?何で翔太さんが一緒に寝てるの!!?)

さとり(確か昨日は勇儀さんと飲み比べをして……まさかそれから酔った勢いで……!?いや、服は着てますね。じゃあ───)

さとり「あ」



さとり「あああ……っ!私はっ……なんという醜態を……!」

さとり「お酒に酔って……皆さんに迷惑をかけてしまいました……」

さとり「ああ……恥ずかしい……。人前に出るのが億劫になりました……」カアァァ

さとり「うう……とりあえず起きましょう……。こんな事をするのは……お燐ね」

さとり「翔太さんはどうしましょうか……? ……ペットに運ばせましょう」

さとり「お燐にはお仕置きしておきましょう。最近のあの子ときたら、地上で変な影響を受けて来て困るわ……」

神峰「ぅ……」

神峰「頭痛ェ……」

さとり「えっ」

神峰「今何時だろ……?……さとり?何でここに居るんだ?」

さとり「い、いえ……、翔太さんの様子を見に来ただけですよ……?」

神峰「そっか……悪いな。……何でそんなに動揺してんだ?」

さとり(そうでしたぁぁぁ!!心が見えるから咄嗟の嘘なんて意味無いじゃないですか!!変な誤解が生まれる前に正直に言うべきでした!いえ、今からでも遅くはありません!!)

神峰「あれ?そういやココ、俺の部屋じゃねェな……?」

さとり(\(^o^)/)

さとり(いえ!まだ挽回出来るはず!!)

さとり「どうやらお燐達の仕業みたいで……、私もついさっき起きたので動揺して……」

神峰「そっか。……ん?"ついさっき起きた"?って事は……」

神峰(俺の片方に寄った位置……まさか)

さとり「……」

神峰「またこのパターンかよ!?寝起きドッキリか!?」

さとり「そういえばこいしとも一緒に寝ていましたね」

神峰「う……もう忘れてくれねェか……?」




神峰「……なぁ、本当に俺は地上に行っていいのか?」

神峰「こいしの心開きてェなら、俺も手伝った方がいいんじゃねェか?」

さとり「……翔太さんの気持ちは嬉しいですが……。確かに、翔太さんが協力してくれたなら、こいしの心を開かせるのも楽になるでしょうけど」

さとり「ですがこれは私のわがまま……私の問題なんです。翔太さんの手を借りずに、私一人でやるべきだと思うんです」

さとり「こいしの心を私一人で開かせる事が出来たら、次はちゃんとこいしを守ってあげられるような気がするんです。……だから、良いんです。言ったでしょう?私は大丈夫です、と」

神峰「そっか!分かったよ」ニッ

神峰「じゃあそろそろ行くか。みんな心配してるかも知れねェ!」

さとり「すっかり忘れてました……お燐達が余計な事をしたせいで」

ここまで。

いつもの3倍動く!→3レス
繋ぎを書くのって難しいな

……………

……

お燐「あ!おはようございますさとり様!お兄さん!……昨晩はお楽しみでしたか?」

さとり「お燐。貴女ちょっと俗に染まり過ぎじゃないかしら……?あんまりおイタが過ぎるなら、私にも考えがあるわよ?」ガシッ

神峰(怒ってる……。初めて見たかも……)

お燐「あの……お兄さんを寝かせたのはお空なんですけど……」

さとり「面白がってそのままにしたのは貴女でしょう?」ニコ

さとり「心と向き合う覚悟をしてから……私、ペットともちゃんと向き合っていくべきだと思ったの。飼い主が放し飼いなんて無責任でしょう?」

お燐「えーと……それは素晴らしいお考えで……」

さとり「ふふ、ありがとう。……だから、まずは貴女を躾けてあげる。この前は手加減してあげたけど、今回はLunaticでいきましょう」

お燐「」サーーー...

さとり「では、私は飼い猫の躾がありますので後ほど」ズルズル

バタン

神峰(静かに怒る人って超コエー!!!)ビクビク





こいし「結局、翔太は私にならなかったのね。私は翔太みたいに前向きにはなれないや」

神峰「そんな事はねェよ。こいしだって、心と向き合うための術を手に入れたら変われるさ」

神峰「……俺とお前は一緒なんだろ?心に関わるのがスゲェ辛かったんだろ?……だけど、変わろうと望めば変われるんだ。こいしが心を閉ざしたのだって、お前が望んだ結果だ」

神峰「俺は心と向き合おうって戦い続ける道を望んで、こいしは関わりたくねェって……逃げ続ける道を選んだんだよ……」

こいし「翔太のクセに生意気ね。心が読めるのと心が見えるのじゃ、全然違うじゃない。……私はもうどうやったら開くのかも分からないけど、無意識の中を泳ぐのも楽しいよ?」

神峰(こいし本人はそうかも知れねェ……けど、周りから見たら……それは楽な事に逃げ続けて、無感動に生きてるようにしか見えねェ……。俺やさとりから見たら、本当に"楽しい"って感じているのかすら分からねェ……)

神峰「……今度はさとりが守ってくれるから、大丈夫さ」

こいし「心が開いたらの話でしょ?」

神峰「さとりがやるって決めたんだから……必ず開くよ」

こいし「ふーん……」

───



お燐「光陰矢の如しだね!もう正月だよ!」

さとり「明けましておめでとうございます」ペコ

お燐「明けましておめでとうございます!」

お空「明けましておめでとうございまーす!」

神峰「あけおめッス!」

こいし「明けましておめでとう」

お空「翔太も、もうここに居るのも一週間も無いんだね……」

神峰「新年早々、そんなに悲しい顔しないでくれよ……。そうだ!お年玉とかじゃねェけど、皆には世話になったから渡してェ物があるんだ!」ゴソゴソ

神峰「まずはお燐!」

神峰「お燐にはかなり世話になったからな。特に飲み比べの身代わりになってもらって……その時のお礼と一緒にしちまって悪ィけど……」ハイ

お燐「おお!ありがとう!でもこのタイミングで渡されるといよいよって感じだね!」

神峰「うっ……もしかして俺って空気読めてねェ……?」

お燐「……。まぁとにかくありがとうね!」

神峰「心が目ェ逸らしてるぞ!?空気読めてなくて悪かったな!!」

神峰「お空にも!あんまり接する機会はなかったけど、ありがとな!」

お空「だったら今度、私の仕事場に遊びに来てよ!」

こいし「それなら私が連れてってあげるー!」

神峰「いや……さすがに生きて帰れねェ気がするんだけど……」

さとり「五体満足で地上に送ってあげたいのでほどほどに」

神峰「怖ェこと言わないでくれね!?」

神峰「───次はこいしだ。さすがに俺の死体なんて無理だから……これで我慢してくれ」

こいし「ありがとう。翔太の死体は翔太が死んだ時に持って帰るわ。それまで元気でね!」

神峰「はは……冗談で言ったのに、その返しはリアクションに困るぞ……」

神峰「最後はさとりだな」

さとり「ペットの皆にも渡してもらって……ありがとうございます」

神峰「さとりには地霊殿に住ませてもらったり、成長させてくれて……スゲェ感謝してる。大恩人だ」

さとり「私も、翔太さんのおかげで大切なモノを手に入れましたから、お相子ですよ。……それに、もし駄目だった時は、恐らく妖怪の賢者が動いたでしょうから」

神峰「それでも、これは俺の恩返しだ。実際、さとりが動いてくれたじゃねェか……ありがとう」

さとり「ふふ……まるでお別れ間際のような雰囲気ですね。今夜は送別会もしますからね」

神峰「新年早々しんみりさせてスマン」

お空「翔太も人の事言えないじゃない」

神峰「悪かったよ……」

……………

……

ここまで。

乙。

今週の見開き胸熱過ぎィ!

見開きカスミンの心はメガミンのままだったね
御器谷先輩の心は機雷映したら意味ねェんじゃ……ねェ……スか?
神海先生……連載順ヤベェスけど……来週祭回やって大丈夫なんスか……?今期生き残り確定したんスか……?
それとも神峰が指揮してないから指揮させるため?

ってよく考えたら甲子園で指揮振ってるじゃん!
でもパーリーいなかったからね。次はパーリー含めてウィンドフェス以来の合奏を期待

見開きの足組み淵先輩かっけーっす

勇儀「よぉ。来たよ」

神峰「勇儀さん!?何でココに!?」

勇儀「今日の宴会にも参加するってお燐に伝えてたんだけどねぇ」

神峰「そうだったんスか……。あ、あけおめッス!」

勇儀「明けましておめでとさん。ホラこれ、オヤジに作らせて持って来たよ。餞別だ。卓に並べといておくれよ」

神峰「あざす!店長……俺のために……」

勇儀「いんや、作らせたんだって。本人は結構渋ってたね」

神峰「………」

さとり「お客ですか?こんな日に……あ」

勇儀「明けましておめでとさん、さとり」

さとり「ゆ、勇儀さん……えっと……、明けまして……おめでとう……ございます………」カアァ

神峰「何で赤くなるんだ!?何で恥ずかしがってんの!?」

勇儀「こいつこの前酔っ払ってね。その様子だと、どうやら覚えてるみたいだね」クスクス

さとり「お願いですので忘れてください……」プシュー

神峰「酔っ払ったさとりか……俺はすぐに潰れちまったから……ちょっと興味あるかも……」

さとり「今日はそんなに飲みませんからね!」

勇儀「あたしも遠慮しときたいね。やめといた方が良いよ、翔太。こいつ絡み酒でさ、面倒いったらないから」

さとり「もうこの話は終わりです!お料理ありがとうございます!こちらへどうぞ!」

勇儀「はいはい」





神峰「最近はさとりの新しい一面をよく見るな……」

お燐「それもさとり様の心を解してくれたお兄さんのおかげだね!」

神峰「解した?俺が見て来た限りじゃそういう影響は与えてねェはずだけど……。あ、ハコから出たからか!」

お燐「そういうこと!さとり様ったらこの前まで引きこもりっきりだったからね」

神峰「心のエネルギーが外に向かうと感情も豊かになるんだな……」ヘェー

……………

……

さとり「───では、改めまして、新年明けましておめでとうございます。皆さん、今年もよろしくお願いします」

「「「明けましておめでとうございます」」」

さとり「翔太さんもいよいよ地上へ行きますので、お互い悔いの無いように。乾杯」

「「「乾杯!」」」カキーン



お空「地霊殿で宴会だなんていつぶりだろ?」

神峰「そんなにやってねェのか?」

お燐「さとり様が引きこもりだったし、誰も地霊殿には来ないからね。来客の準備があるのかすら怪しいくらいだよ」

神峰(そういや俺も部屋用意されただけで、特に何もなかったな……まぁ、俺の場合は突然だったし気にしねェけど)

さとり「さすがにお客をもてなす準備くらいはしていますよ。……棚の中に眠っていますけど……」

さとり「翔太さんのおもてなしについては……すぐに準備出来なかっただけです。すみませんでした」

神峰「あ!いや!気にしてねェよ!ここに住まわせて貰っただけでもスゲェ有り難かったし!」

勇儀「そういや、翔太が客人として地霊殿に住むようになった詳しい経緯を聞いてなかったね。あのさとりが人間を招くなんて……一体何があったんだい?」

さとり「それについては私のわがままが理由なんですけど───」




さとり「───という理由です」

神峰「あの時いきなり言ってる事が変わったのはそんな思惑があったからなんだな」ヘェ

さとり「翔太さんには以前話した理由ですね」

勇儀「つまり使うだけ使って要らなくなったらポイって訳だ」

さとり「人聞きの悪い事を言わないでください!!確かに利用させてもらいましたけれど……」

お空「うわ……さとり様非道い……」

お燐「あんなに一生懸命尽くしたお兄さんの気持ちを袖にするんですね……?」

さとり「そこも乗っからない!!」ビシッ

神峰(あのさとりがすっかりツッコミキャラだ……)

こいし「ねえ翔太。私もあなたに餞別をあげる!」

神峰「! こいし!見ねェと思ったら……何くれるんだ?」

こいし「さっき地上で貰ってきたの。はい、あげる」

神峰「本……?『幻想郷縁起』……?」

こいし「地上の妖怪のことは知ってた方が良いと思ったの」

神峰「へぇー……妖怪図鑑みたいなモンか……。お!さとりも載ってる!」パラパラ

こいし「地上に行く前にそれで勉強しておけば、危ないコに会った時にすぐ逃げられるでしょ?」

神峰「サンキュー!助かるよ!」

さとり「今日は正月なので店は空いてないと思うのですが……まさか……?」

……………

……

勇儀「楽しい時間ってのはすぐに過ぎて行くね。翔太!もうちょっと地底に居るんだろ?それまでよろしくね!」

神峰「はい!よろしくッス!」

さとり「必要無い心配でしょうけど、気をつけて帰ってください」

勇儀「またね、さとり、翔太」



神峰「……勇儀さんにはスゲェ助けて貰ったな……」

さとり「私も、今になって分かります。彼女のありがたさが……。私も、彼女を絶対に味方にしておかなければいけませんね」

神峰「……今のさとりなら大丈夫だろ」

さとり「ありがとうございます。……さて、片付けましょう。人任せではなく、自分からも動かないといけませんからね」

神峰「……ああ!」


こうして、俺の激動の二ヶ月半が終わっていった───
これで少しは他人に受け入れて貰えるハズだ。地上で上手くやっていけるハズだ───!


─────

──





~一月五日・神峰が地上へ行く日~



さとり「準備はよろしいですか?」

神峰「ああ。元々、荷物なんてほとんど無いからな。……着替えくらいしかねェよ」

さとり「では、行きましょう」

お空「私が地上まで運んであげるからね!」

神峰「よろしくな!」

お燐「アタイが運んであげてもよかったのに」

さとり「あなたの猫車は死体を運ぶ物でしょう……さすがに良い気分はしないわよ……」

神峰「悪ィけどさとりの言う通りだ……」

お燐「ちぇ」

お空「行ってきまーす!」

……………

……

とりあえず中断。今日中に終わらせたい(願望)

>>480
金井淵先輩よりも登場する度にスタイルが良くなっていく星合ちゃんから目が離せません><
伊調に対して「無い」ってどういう意味なんだ……?トロンボーンはジャズ色が強いってレスを見た事あるけど、まさか最初から完璧な伊調は受け付けないとか?
好きな音楽がフリージャズとかだったら笑う



パルスィ「来たわね」

さとり「こんにちは。話は聞いているのでしょう?ここを通してもらえますよね?」

パルスィ「ええ、通してあげるわ。さすがの私も……前々から言われていた事だし、承諾しちゃったから、今になって反対なんて意地悪い真似はしないわよ」

さとり「ありがとうございます。それでは───」

パルスィ「待ちなさい」

さとり「なんですか……」

パルスィ「一つ、答えて欲しいんだけど……貴女達、交際しているの?してないの?」

神峰「交際ィ!?」

さとり「この期に及んでどうしてその話題が出るんですか!?」

パルスィ「さとりが人間の男を匿ったって話が拡がってから、旧都じゃ皆、ずっとその事が気になっているの」

さとり「はぁ……。お燐や貴女ならまだしも、皆さんも物好きですね……」

パルスィ「だってずっと引きこもりだった地底の元締の貴女がよ?隠してるけど、これ以上の話題は無いわ」

さとり「…………付き合っていませんよ……興味があるなら詳しくは勇儀さんから聞いてください。……もう行きますからね」

パルスィ「面白い話ありがとう。お互い無自覚の恋愛漫画みたいで妬ましいわ」





さとり「皆さん他人の恋愛話になると本当に興味津々ですね……いくら暇人が多いとはいえ、まさか私達なんかに火の手が来るなんて……」

神峰「恋愛なんてした事ねェ……つーか、恋バナだってしたことねェや……」ドヨーン

さとり「これからきっと出来るようになりますよ。頑張って下さい」

神峰「そういう慰めが一番辛ェ……」

お空「着いた!!」

神峰「───!」

さとり「あとは、上へ上がるだけで地上ですね」

お空「じゃあ翔太、背中に乗って!」

さとり「お荷物は私がお持ちしますね」

神峰「ああ!頼んだ、お空!」

さとり「準備はよろしいですか?飛びますよ?」スッ

お空「天にも届くように、飛べって事ですね?」コクッ

神峰「何今の!?」

さとり「指の動きで指示を出しただけですよ」

さとり「離陸しますので舌を噛まないように気をつけて下さい。慣性が働きますのでお喋りのその後で」フワ...

神峰「飛行機───!?」グンッ

神峰(い……以外と早い!?マジで舌噛みそうだ!!)

さとり「この穴はかなり深いですから、それなりに速度を出さなければ日が暮れてしまいます。慣れるまで我慢して下さい」

神峰「…………スゲェ、地面がもうあんな所に……」

お空「丁寧に飛ぶけど、振り落とされないように気をつけてね。ちゃんと掴まってて」

神峰「落ちたら洒落にならねェもんな……気を付けるよ」

さとり「万が一落ちた場合はフォローします。心が読めるおかげで助けるのも早いですからね」

神峰「……頼んだ……」

ヤマメ「おっ?翔太に……さとりも一緒だ!?やっぱり二人って───」

さとり「もうその話は結構です!!天丼ですか!?」

ヤマメ「何の話だよ……?」

さとり「橋姫にも同じ話をしてきたところです。詳しくは勇儀さんから聞いてください」

ヤマメ「パルスィに話したのに勇儀に聞けとはこれいかに」

さとり「……聞けば分かります」

ヤマメ「あっそ。じゃあ聞いて来るよ!翔太!また地底に来たくなったら、次は底まで案内してあげるよ!その時は何か買ってね!じゃあね!」

神峰「意外と気にしてるのな!?……その時は頼んだ!じゃあな!」


……………

……

神峰「!光が見えてきた!もうすぐ地上か」

お空「そういえば!翔太は人里行ってどうやって生活するの?お家持ってないよね?」

神峰「……0からのスタートになるな。なんとかやっていくさ。まずは部屋を借りて、仕事を探して、里の皆に認められていこうって思う」

さとり「翔太さんの目標が幻想郷への恩返しなら……お勧めしませんけど、手っ取り早いのは八雲紫の役に立つ事ですね」

神峰「?どういう意味だ?」

さとり「彼女は幻想郷の創造に関わっていると言いましたよね?……つまりそれ程この幻想郷に愛着を持っています。幻想郷を守る為にならどんな働きもしますので、彼女の役に立つ事は幻想郷のためになる確率が高い、という事です」

神峰「なるほど……」

さとり「しかし、ここ最近は平和ですし、異変が起きても博麗の巫女が解決してしまいますから……八雲紫と関わっても、無理難題を押し付けられて彼女がほくそ笑むだけかもしれませんね」

神峰「博麗霊夢!幻想郷縁起にも載ってたな!」

紫「まさかこんなに早く地上に来る事になるなんて思わなかったわ」

神峰「!?」ビクッ

さとり「……出ましたね」

紫「貴女が私の話をしてくれたからね」

さとり「冬眠しているのではなかったのですか?」

紫「私の名前が聞こえたから起きてきてあげたのよ。……ところで神峰翔太さん?私の役に立ちたいというなら、ちょうどこの前、親友に大合奏が聴きたいって───」

さとり「いきなり勧誘しないで下さい!!」


─────


──

【人里】

こいし「ようこそ人里へ!」

神峰「」ズルッ

お空「こいし様だー!」

さとり「先回りしていたのね……」

こいし「うふふ……村人Aの私がいい情報をあげるね!」

神峰「いい情報……?」

こいし「もしもここで住む場所が見つからなかったら、お寺に行くと良いよ!とりあえずは面倒見てくれると思うから」

神峰「寺か……まぁ、身寄りもねェし、出家には都合が良いのかも知れねぇけど……。ありがとな!困った時は頼ることにするよ」

紫「人里へ入る前に、霊夢と顔合わせしておいてくれるかしら?」

神峰「紫さん!?着いて来てたんスか!?」

さとり「何故博麗の巫女と会う必要があるのですか?」

紫「幻想郷の役に立ちたいなら、覚えておいて貰った方が良いでしょう?それに今、このタイミングじゃないと、彼、神社に行けないでしょう?」

こいし「人里から神社までに妖怪が出るもんね」

さとり「……そういう事なら……腑に落ちませんが……」

【博麗神社】

紫「霊夢、居るかしら?」

霊夢「なによ……?アンタ眠ってんじゃなかったの?」

紫「貴女に会わせたい人がいたから連れて来たのよ」

魔理沙「紫が冬眠から起きてまで会わせたいヤツなんて、面倒事の予感しかしないぜ」

紫「大丈夫よ。きっと貴女達の助けになるわ」ニコッ

霊夢魔理沙(怪しすぎる……)

紫「来て良いわよ」

霊夢「!……誰かと思えば、地底の覚り妖怪ね」

魔理沙「……と、人間がいるな」

神峰「……初めまして。神峰翔太です」

霊夢「……で?この人が何の役に立つっていうの?普通の人間じゃない。悪いけど、私の役に立ちそうには無いわ」

紫「酷い言われ様ね……でも、貴女が困窮した時の経済的支援ならしてくれると思うわ」

神峰「!?」

紫「それに……ただの人間でもないわ。彼は心を見る程度の能力を持っているから」

魔理沙「それでさとりと一緒という訳か。何だ、さとりの男自慢か」

神峰「ちょっと待ってくれ!俺にはまだ住む家も無ェんだけど!?」

さとり「どうして皆さんそういう解釈をするんですか!?翔太さんは今日から人里で暮らしますから!」

霊夢「───なんて言ってるけど?」

紫「大丈夫よ。彼が働けばすぐに儲かるわ」

魔理沙「なるほど、心を見る能力で儲け放題ってことか」

神峰「悪いスけど、この目をそういう使い方する気はねェッス」

魔理沙「うん?じゃあどうやって儲けるんだ?」

さとり「翔太さんは地底で成長しましたから、その時の技術を使えば接客に役立ちます。能力は自己申告なので、誤解されたくないのなら"心を掴む程度の能力"と言っておけば良いでしょう」

魔理沙「何だそりゃ?深窓の令嬢を助けに来た大泥棒か?」

神峰「それは心を盗む能力……」


霊夢「───まぁいいわ。わざわざ挨拶に来てくれたんだし、世話になる事は無いでしょうけど、よろしくね。博麗霊夢よ」

魔理沙「お前が儲けたら世話になるぜ、よろしくな。私は霧雨魔理沙だ」

神峰「よろしくお願いします!」

さとり「結局挨拶だけでしたね……もう行きましょう。翔太さんの家を探す時間が減ってしまいます」

お空「もういいー?」

───

【人里】

さとり「……グダついてしまいましたけど、私達の助けはここまでです。頑張って下さい」

神峰「ああ。さとりも、頑張れよ!」

さとり「はい。貴方が生きている間に必ず!こいしの心を開いて会いに行きますね」

神峰「楽しみにしてるよ。俺も、ここから再スタートだ!上手くやっていけるさ」





───と思っていたが、違った


ザワザワ

「おい、あいつさっきもいたよな?」

「妖怪に連れられて来たぞ?」

「また外来人か……」


さとり「……どうやら、歓迎ムードではありませんね」

神峰「みたいだな……。でも、やってやるよ!地底でも出来たんだ」

さとり「人間の村社会というのは、結び付きが強い分、地底の方達のようにはいかないかも知れません」

神峰「それでも、真摯に心と向き合っていけば……受け入れてくれるさ」

お空「頑張ってね!」

さとり「お達者で」

神峰「お前達もな!こいしの心が開いた時にまた会おうぜ!」



バァーーーン!





神峰翔太が幻想入り ~完~

終わり。
博麗神社のくだりは蛇足です。出番が無いので出したかっただけです。
人里編も考えてたけどヤメタ。小ネタでやっていきます


人里編もっと続けていいんですよ!てかつづけてください!

自分もソルキャと何かのクロスss書きたいなぁ。最近アイマス映画化したし合いそうだなぁ。書いてみようかなぁと思ってたら今VIPで立っとるやんけ!

>>497
小ネタで人里の暮らし書いてくことにするよ。これだけは本当にやりたいネタだし
魔王アリスとかもやりたいし金井淵先輩ネタもやりたい

確認したらマジだった!
同じネタでもいいじゃん!神峰カンタービレとか賭博黙示録カミネとかやっていいのよ?要はお前がやるか、やらないかだ
尻込みせずに思い切ってみればなんとかなるから。体験談的に

俺は小ネタスレに書いたライトウィング×白糸台やろうか考えてる。

藍さんが何をしたっていうんや!


神峰x俺ガイルも合うと思うんスよ

照「みんな私になればいいんだよ」
咲「ねェーーーーーツモ切ったー?もうカンしていいーーー?」

白糸台!?今白糸台って言ったのか!?

白糸台x人生スレ書いてるからとてもとてもソウル書く余裕が無いんです

>>499
一番可哀想なのは出番直前まで配役が決まらなかった雛さんなんだ!!セリフも少ない!!

>>500
白糸台は照が入ってから二連覇中だって聞いてリヒトみたいだって思っちまった……
照がリヒトをやれば……上手く収まるだろ……

>>501
一本持ってて精一杯なら、アンタのやる事は一つだ
今までの二倍動く!
スレタイはよ

あのぅ……もしかして…もしかしてなんスけど…
>>501さんが書いてるのは…ここのCLANNADと白糸台の奴なんじゃねェ…のか…?

ついさっき30万振り込んできた。テンションヤバイ。オマケ書いてく

~オマケ・本編アフター~

さとり「どうして……貴女がここに居るんですか……」

さとり「アリスさん!!!」



                     _
                     /乂 ミ\_
                 ノ彡ハj从爻<_

                _フ从从N从爻「

                     フハ{岦^岦 }爻      
                /从  l_  从\
               / -=ヽ`ニ´イニ  \
               二\ニト ┴イニ/二
             |⌒l -=\\%/=-l⌒ヽ

            /廴N ニニニ\/ニニニ|〃Y
            入\ Yニニニ/ニニニフ/ |
            辷_)|ニニニ|Οニニ7_彡
            |匚[ヨ]〉ニニニ|ニニニニ|[E]コ|

               厂丁(ニ;\ニ|Ο∠;ニ厂丁ノ
                | 八 [二二二「E |二| / /|
              |\ ハ V丁テ六テ丁ハ/ / |
              ∨∧ |/ニニ;|ΟΧニ;| / /
              | ∧ハ;ニニ|ニニニ / 二|
              ∨/∧| ニニ|ニニニ;/ =ニ|
           ____|////〉ニ=∧=ニニ/ニニニ|
        /      l广 ⌒∨/ニ∨=/⌒\=/――
       _|二ニ=―〈〈 i 「┘'ニ|ニ=〈/j   |\=ニ二\
     /      ∠ニ水〉、〉/ニ|ニ└1ノハjニ  ̄ ̄\ニ\
    / ∠二ニ二二/ ニニ/ニ=|ニ∧ニニ┘\ニニ  \二\

※アリスです

アリス「何でって……貴女が呼んだんじゃない」

輝夜「ぶっはwwwwwwwwwwww」

妖夢「人を見て笑っては失礼ですよ……」ピクピク

アリス(どうして私がこんな格好を……)

さとり(同情します)

~一応演る曲は決めてました~

衣玖さん編、木管六重奏
♪ラストリモート

ルナサレッスン
♪フラワリングナイト

幽香編、ロックフェス
一曲目
♪古きユアンシェン
二曲目
♪メイガスナイト
三曲目
♪有頂天変

原作の焼き直しになっちゃったから各自補完で






藍 ビシィ!

さとり(八雲藍さん……まさか私に突き付けるために……「わざわざ本編に投稿する必要は無い」───と!)

>>503
なるほど!

~オマケ・神峰翔太の人里入り~

さとり「あ」

神峰「?」

さとり「忘れてました。地底でも行われるのですけど、翔太さんは見た事ありませんでしたね」

神峰「何をだ?」

さとり「幻想郷ではスペルカードルールという決闘が存在します」



さとり説明中...



神峰「つまり花火が見えたら近寄らないように気を付けろって事だな?」

さとり「人里上空なら弾幕ごっこもしないとは思いますけど……念のため。地上では盛んに行われると思います」

神峰「わかった!ありがとな!」

さとり「それでは」

……………

……

神峰「しかし……完全にアウェーだ……皆余所者を見る目じゃねェか」

慧音「おい、お前。妖怪に連れらて来たな?人間か?何者だ?どういう関係だ?何を企んでいる?」

神峰「え?えっ?」

神峰(スゲェ警戒されてる……!当然と言えば当然か)

慧音「質問に答えろ!」

神峰「いっぺんに言われても答えきれねェス!」

神峰「とりあえず自己紹介しとくなら……神峰翔太です。外の世界から来た人間ス。二ヶ月ほど地霊殿で暮らしてました……能力は……"心を掴む程度の能力"……ス!」

慧音「地霊殿……旧地獄か!人間……しかも外来人がよく地底で生きていけたな!?」

神峰「さとりに匿って貰ってたんで」

慧音「心を読む妖怪か……。よく地上まで出て来れたものだ。さとりがけしかけたのか?」

神峰「違います!!さとりの願いを叶えたから……今日から人里で生きる事になったんス。そういう約束をしてたんで……」

慧音「そうか……嘘ではなさそうだな。警戒して悪かった。今まで大変だっただろう?行くアテはあるのか?さとりが手配してるのか?」

神峰「いえ……その……今から探す事に……0からのスタートなんス。困ったら寺に行けって言われたから、いざという時は……」

慧音「そっ、そうか……。だけど、外来人がいきなり住居をくれと言っても、貸してはもらえないだろう……」

神峰「そうッスよね……保証人もいねぇし」

慧音「……もし万が一の事があったら、私を頼ってもいい。寺子屋をやっている。場所を教えておこう」

神峰「!! イイんスか!?」

慧音「人里で余所者が生活するのは大変だろうからな……馴染むまでは頼るといい」

神峰「あざす!」



慧音「これからどうするんだ?」

神峰「まずは寺の確認をして、その後駄目元で部屋借りれねェか聞いてみます」

慧音「その意味もあるけど、どうやって生活していくんだ、と聞いているんだよ」

神峰「どっか求人募集してないスかね……?掲示板とかに貼り出してないスか?」

慧音「そりゃ人出が欲しい時は貼り出されるが……」

慧音「いや、無いな」

神峰「!?」

慧音「今、貼り出されているのはほとんど妖怪からの依頼だ。そんな仕事を外の人間が出来るか?」

神峰「内容によっては……」

慧音「……まぁ、寝る場所を確保してから仕事を考えるんだな。時間をとって悪かった」




神峰「……よし、寺を探すか」

こいし「案内してあげるね」

神峰「おお、悪ィな───!?」

神峰「まだ居たのか!?」

こいし「私は翔太を見送りに来たなんじゃないもん。地上に遊びに来たのよ?」

神峰「せっかくジョジョ三部の最終回みたいに別れたのに……余韻も台無しだ」

こいし「何言ってんの?こっちだよ」

……って、人里編になってるじゃないですかー!ヤダー!
もっとぶつ切りにやりたいネタだけ出そうとしたのに……
次からぶつ切りで行きます

え、もうこのまま書いちゃえばいいんじゃないかな


ぜひ続けてくれ

ソルキチの掲載順は見てて辛ェ……!

アンケだ!アンケを出してくれ!

>>490
×お喋りのその後で
○お喋りはその後で

>>511
×翔太を見送りに来たなんじゃないもん
○翔太を見送りに来たんじゃないもん

>>513-514
うーん、まぁ短いし続けちゃおう。

出している……!出しているんだ……!

【命蓮寺】

こいし「ここだよ」

神峰「命蓮寺……」

響子「こんにちはー!」

神峰「!!」

響子「お客さんですか!?」

神峰(ぐわっ…うるせェ……!)

神峰「ああ……ここの人に話があるんだけど、会わせて貰えねェスか?」

響子「どうぞどうぞー!いらっしゃいませー!」

神峰「お邪魔しまス」

……………

……


星「おや、お客さんですか?こんにちは」

神峰「こ、こんにチワ!」

星「私は虎丸星といいます。本日はどのような用件でいらしたのですか?」

神峰「神峰翔太ッス。……あの、俺、今日から人里で暮らす事になったんスけど……まだ住む所が無くて……」

神峰「それで、もし今日住む場所が決まらなかったら……厚かましいと思うんスけど……泊めて欲しくて……」

星「人間が今日から人里で暮らすという事は……あなたは外来人なんですね?」

神峰「そうッス!こいしに寺を頼るといいって言われて……」

星「こいしさん……最近寺に出入りするようになったあの子ですね! ……分かりました。上に掛け合ってみますので、少々お待ち下さい」

神峰「お願いします!」

神峰(そういや……いつの間にかこいしがいねェ)

……………

……

聖「お待たせしました」

神峰「!」

聖「私がここ命蓮寺の住職、聖白蓮と申します」

神峰(スゲェ……!なんて穏やかな心なんだ……。何でも受け入れくれそうな包容力を感じる……俺ももっと早くにこの人に会えていたら、なんて考えちまうくらいだ)

聖「外来人なのだそうですね。我々も最近人里に来たので、苦労する事が多いであろう事は想像できます。里に馴染むまでは我々を頼るといいでしょう」

神峰「あ……あざす!」

星「良かったですね。これから住居を探しに?」

神峰「はい。家が見つからなくても明日には仕事も探していこうって考えてます」

星「そうですか。頑張って下さいね」

聖「困った時はいつでもいらしてください」

神峰「よろしくお願いします!ありがとうございました!」




響子「さよーならー!」

神峰「……よく考えたらあの子、妖怪だよな……?今まで地底に居て違和感感じなかったけど、人里にも妖怪がいるのか……?幻想郷縁起最後まで読んでみるか」

神峰「その前に家だな!」

……………

……


「───お兄さん外来人だろ?ここのお金持ってんの?仕事は?誰が保証人になってくれるのさ?」

神峰「お金なら少しだけ持ってます……仕事はこれから探して……保証人は……いねェス…………何とかなりませんスか……?」

「アンタ舐めてんの?そんな人、ドコも住まわせてくれないよ?せめてまとまったお金くらいは持ってきてもらわないと!」

神峰「うっ……!やっぱ無理スか……」

「当たり前でしょ!アンタも駄目元かい!!ここは外来人には厳しいからね、仕事に就くのも簡単じゃないよ?外の世界ほど便利じゃないけど、アンタちゃんとやっていけるの!?」

神峰「接客なら……客引きは得意ッス!ここの設備で料理もした事あります」

「あっそう。ウチは仕事は斡旋してないから、そういうのは他所で言いな」

神峰「……」

………





神峰「早速行き詰まっちまった……。仕方ねェ、仕事から見つけるしかねェか!」

神峰「向こうに掲示板があるな。妖怪からの依頼がほとんどだって言われたけど……それはそれで興味あったり……」



神峰「結構あるもんだな……。"治験の被験者募集……永遠亭まで"……確か薬師が居る所だよな。俺でも出来そうだし、他に無かったらここしかねェかも……」

神峰「献血の募集もしてるな……紅魔館?霧の異変を起こした所だったハズだから……食用じゃねェか!!」

神峰「"盗っ人の情報提供お願いします。正月早々、本を一冊盗まれたので、心当たりのある方は稗田まで"……これには協力出来ねェや」

神峰「"新製品のモニター及び販売してくれる盟友いませんか?"おっ、これはイイかもな!河童からの依頼か!人間に交友的だったよな。よし、サインしとくか」カキカキ

神峰「あとは……"バンドメンバー募集"?紫さんか……そういや地上に行く時に勧誘されたな……さとりの言ってた事も気になるし……前向きに検討しとこうかな……」

神峰「明日の昼に河童と待ち合わせだな。どんな人が来るんだろう……?」ドキドキ

神峰「出来ることはやったハズだ……!もう日が暮れてる……スゲェ久しぶりに夕日見たな……。今日は命蓮寺に世話になるか」

…………

……

ここまで。また夜に

>>517
×虎丸
○寅丸

乙。広がる選択肢!地底編は序章だったんだ!

ファッ!?アイマスの人また始めとるやんけ!昨日の今日で凄すぎぃ

【命蓮寺】

神峰「今晩は~……」

ナズーリン「うん?君は……こんな時間に何か御用かな?」

神峰「いえ……こちらにお世話になりたくて……星さんと住職さんには話していたんスけど……」

ナズーリン「ああ、君が……。分かった、来るといい」

神峰「お邪魔します」

………



聖「結局、住む場所は見つかりませんでしたか……」

神峰「はい……保証人はともかく、やっぱまとまったお金は必要みたいなんで……みっともねェスけど、お世話になります」

聖「そうですか。分かりました、住む家が見つかるまではここで暮らすといいでしょう」

神峰「イイんスか!?そんな迷惑かけちまって……!」

聖「困った時は……、ですよ」

神峰「ありがとうございます!」

聖「もうすぐ夕飯の時間なので、その時皆さんに紹介しますね」

~夕飯時~

聖「こちらは神峰翔太さんです。今日から人里で暮らす事になった外の方なのですが、住む場所が見つかるまでは命蓮寺で生活するようになりました」

神峰「よろしくお願いします」ペコ

響子「よろしくお願いしまーす!」

星「よろしくお願いしますね」

一輪「よろしくお願いします」

「「「よろしく」」」

神峰「……見た感じ、妖怪が多いスね」

星「ここ命蓮寺は人妖平等を謳ってますからね。戒律で人を襲う事を禁じているので安心して下さい」

神峰「ここでも守られるのか……」

聖「……では、軽く自己紹介してから頂きましょう」

………




星「そうだ!折角なので神峰さんの事を教えていただけますか?」

神峰「俺ッスか?どんなことを聞きたいんス?」

星「幻想郷に来る前の事など、身近な事をお願いします」

神峰「……俺の目、人の心を見る事が出来るんスよ」

「!!」

神峰「その目のおかげで、人間関係が上手くいかなくて……絶望してたんス。そんな時に、紫さんが俺を幻想郷に招いた……らしいッス」

ナズーリン「まさか八雲紫の名前がでるとは……」

神峰「それが約二ヶ月前の話ッスね」

村紗「はあ!?じゃあ二ヶ月前から幻想郷に居たっていうの!?今までどうやって生きて来たの?」

神峰「幻想郷に来た瞬間、大きな穴に落ちてました」

ぬえ「それ死ぬじゃん」モグモグ

神峰「何とか助けてもらって、二ヶ月ほど地霊殿って所にお世話になってました」

村紗ぬえ一輪「」ピタッ

星「なるほど、地底に居たのですね。よく生きて出られましたね?」

神峰「いろいろ助けてくれて、さとりには感謝してるッス。……で、今日晴れて地上に送って貰ったんス」

ぬえ「ふーん……あのさとりに匿って貰ってたのね?あのさとりがまさかねェ……」ニヤニヤ

神峰「知り合いなんスか!?」

村紗「私達も地底に封印されてた妖怪だからね」ニヤニヤ

一輪「と言っても私達三人ですがね」

神峰「そうだったんスね!」

聖「神峰翔太さん……よろしければ我々命蓮寺の一員になりませんか?」

神峰「いきなりどうしたんスか!?」

神峰(あれ……?なんか……もしかして同情されてる!?)

聖「いつの世も力を持つ者は迫害されるものです……今まで辛かったでしょう……。我々は人妖平等に、力を持ち、迫害される者を受け入れています。神峰さんさえよろしければ、命蓮寺は歓迎しますよ」

神峰(優しさが眩しい……!なんか……スゲェ申し訳ねェ……でも……!)

神峰「ありがてェスけど、お断りさせてもらいます……。確かにスゲェ辛かったスけど……さとりのおかげでもう平気ッス!」

村紗ぬえ一輪「何ソレ!?もっと詳しく!」パカーーーン!

神峰「何なんスか!?」




神峰説明中...



村紗「なーんだ、思ってたのと違うじゃない」

ぬえ「いや、さとりの方はまだわかんないよ?」

マミゾウ「……それで、仕事の方はどうなんじゃ?何かアテはあるのかの?」

神峰「一応、地底で接客を鍛えたんで、それを活かして行きてェスけど……今日掲示板で河童の依頼を受けて来ました!」

星「明日から探すと言っていたのに、行動が早いんですね」

神峰「やれる事はやっとこうって思って」

マミゾウ「河童か……あやつらは確かに技術はあるが、妙な物ばかり作っておるぞ?正直、あまり金にはならんと思うのじゃが」

神峰「まずは里の人達の信用を得る所から始めようって考えてるんスけど……」

聖「地道にコツコツと積み上げて行く。素晴らしいと思いますよ。我々もそうやって理解を得て来ましたから」

神峰「経験者がいると心強いッス!さとりもこんな気持ちだったのか……」


─────

──


~翌昼~

神峰「そろそろ時間だよな……。どんな人が来るんだろう……」ドキドキ

にとり「やあ、君が神峰翔太?」

神峰「そういうアンタは河城にとり」

にとり「は?」

神峰「あ!?いえ!ちょっと緊張しちまって!」

にとり「……まぁ、ついて来なよ。道中説明するからさ」



河童説明中...



神峰「つまり自分の作った物を人間にも使って欲しいから、試運転と販売をやって欲しいんスね?」

にとり「そういう事だね。さぁ着いたよ、ようこそ、河童の住処へ」

……………


……


【河城家】

にとり「これは私が使うために作った物なんだけど、飛べない人間も使ってくれないかと思って量産したんだけどね、なかなか評判が良くなくて……」ガシャ

神峰「重た……!何スか?リュック?」

にとり「よくぞ聞いてくれた!これは中にプロペラが入っていてね、スイッチ操作で自由に空を飛ぶ事が出来る装置なんだ!」

神峰「おお!それは便利そうスね!」

にとり「そうだろうそうだろう。その上、オプションとしてマジックバンドとミサイルを搭載して、妖怪に襲われても撃退出来る優れ物なんだ!」

神峰「ちょっと待ってくれ」

にとり「どうしたんだ盟友?」

神峰「盟友って……。いや、ミサイルって何スか?マジックバンド?そんなの付けたから重いんスね。つーかそんなの物騒で持ちたくねェスよ……」

にとり「知らないのか?ミサイル。私が持ってる物を量産しただけだからね、だから小型ジェットエンジンで高速飛行出来る装置もサービスだ!」

神峰「無駄にハイスペックだな!?悪ィスけど……もっとシンプルで便利なヤツの方が人間にはウケると思うんスよ」

にとり「うーん……じゃあこれはどうかな?」

神峰「笛?」

にとり「虫が嫌がる音波を出す笛だよ。夏や畑仕事で役立つだろう?」

神峰「おお!これは売れそうス!」

にとり「どうせならと思って鳥除け、獣除け機能も付けておいたんだ」

神峰「畑仕事には有難いスね!」

にとり「幻想郷だからさらに強化して妖怪除けも足したんだけど……人間が音波に耐えられなくて、現在吹ける者が居ないんだ」

神峰「なんでそんなに無駄な機能ばっか付けてんスか!?だから売れないんスよ!!」

にとり「無駄だと!?失礼な!!」


ぎゃあぎゃあ!!!

……………

……


神峰「うう……強え……」バタ

にとり「ふん!人間が私に相撲を挑むなんて100年早いね!」

神峰「結局……なんとか売れそうなのはこの包丁だけか……」

にとり「なんとかとはなんだ。この素晴らしさが分からないのか?」

にとり「動体センサーを搭載して確実に狙った所へ刃を通す精密性、応用すれば飛んでるハエも捉え、投擲も出来る優れ物だ!トリガーを引けば超振動して、鍋やフライパン程度なら紙のように切断出来るんだぞ!?」

神峰「そんな恐ろしい包丁で何をさせる気なんスか!?」

にとり「料理に決まってるだろ!!」

にとり「とにかく、ちゃんと売って来てくれないか?それ、かなり良い鉄使ってるんだよ。売り上げの二割あげるからさ」

神峰「売れる気しねェスけど……そういう契約スもんね……」

にとり「ありがとう!じゃあ、はい!」ドチャドチャ

神峰「こんなに量産してたんスね……」

にとり「あと、これは前金!」つキュウリ

神峰「……河童の通貨はキュウリだったんスね」

にとり「現金は開発費で溶かしちゃって、今は手元に無いんだ……これで我慢してくれないか?」

神峰「包丁売れたらちゃんとくれるッスよね?」

にとり「もちろん!さぁ人里へ行こう!」


───



【人里】

ワイワイ

神峰「あの!包丁要らないスか?これスゲェ便利なんスけど!」

「悪いね、間に合ってるよ。そんなに買い替える物でもないしね」

神峰「やっぱ売れねェな……」

にとり「売り方が悪いんじゃないの?」

神峰「うーん……確かにもっと工夫しなきゃいけねぇんだけど、やっぱ昨日来たばっかの外来人には、皆心開いてくれねェな」

神峰「地底での客引きの時はもっと上手くいったのに……説明だけじゃ足りねェ……!」

にとり「えっ!?君外来人だったの!?」

神峰「そうだ!!ちょっと待っててくれ!!」ダッ

【寺子屋】

神峰「先生!居ますか!?」ドタドタドタドタ

慧音「神峰!?今授業中だぞ!!」

生徒s「誰ー?」

神峰「スンマセン!あの、机とまな板貸して貰えねェスか!?」

慧音「ああ……別に構わないけど……」

神峰「あざす!」バタバタバタバタ

慧音「なんだったんだ……」

「先生ー今の人誰ー?」

「知り合い?」

「恋人ですかー?」

慧音「ええい!授業を再開するぞ!!」

……………

……


神峰「待たせた!」ズリズリ

にとり「なんだい机なんて持って来て。実演販売でもするのかい?」

神峰「ああそうだ!言葉で説明して伝わらねェなら、実際にスゴさを見て貰ったほうが早いだろ?……悪いけど、これで魚や野菜買って来てくれ。それまではこのキュウリで凌ぐ!!」

カミネットしょうた……

神峰「おし!」

パン!パン!

「!」ピリッ

神峰(う……このプレッシャー……注目を引いたは良いけど、アウェーだからな……あの時と同じだ……。……やるか!)

神峰「皆さんよろしければ見ていって下さい!今からこの包丁の実演販売します!欲しくなったら何時でも声かけて下さいね!!」

「あいつ……まだやってたんだ」

「次は実演販売ねぇ……」

「面白そうだから見て行こうよ」

神峰「この包丁、なんと河童が作った便利包丁で、このように転がってズレてしまうキュウリだって精確に捉えて斬ってくれるッス!」トントン

「それってお前の腕が良いからじゃねぇの?」

神峰「確かに料理経験はあるスけど、俺、まだ16の男ッスよ?……さすがにこんな事は、出来ねェスよ……ね!?」ポイッ

「おい、何食べ物投げてんだよ!」

神峰「ほっ」スパパパン

「おお!曲芸みたいに着地する前にキュウリを斬っていく!」

「しかも大きさも均等だ!!すげえ!!」

神峰「どうすスか?この包丁のおかげで煮物も大きさを揃えて作れるんスよ?かなり危険スけど、子供に料理教える時はこれで動きを覚えさせるなんてどうでしょう?」

「おお……確かにすごいな」

神峰「さらにこの包丁……こんなに雑に扱っても!!」ガンガンゴリゴリ

神峰「良い鉄使ってるんで、刃こぼれ一つしねェでこんなに良く切れます」スパスパ

にとり「ほら、買って来たよ!」

神峰「おお、サンキュー!」

神峰「良いタイミングで食材が増えたッスね。魚の面倒な鱗取りだって、この包丁の精密動作で無駄無く素早く出来るッス!」ガリガリ

神峰「で、三枚下ろしもお手のもの」スパスパ

「おお!それはいいな!いくらだ!?」

神峰「おっと、肝心の値段を言い忘れてた!……いくらなんだ?」

にとり「そうだね……一万五千の所を……これなら皆買ってくれそうだからね……7000にしとこうか!!」

「よし、俺は買うぞ!」

「私も!」

ワイワイ

神峰「……で、これは何だ?」

にとり「見て分からない?ギターだよ。ちょっと遠くに行って買って来た」

神峰「いや、見れば分かるけど…しかもエレキ……。何で買って来たんだよ……俺の財産が……」

にとり「まだアレを使ってないだろ?」

神峰「おいおい、お客さん引くぞ?」

にとり「いいから!やってよ!」

神峰「どうなっても知らねェぞ……」ドンッ

「何だ?楽器なんて出して……」

神峰「えーと……実はもう一つ、この包丁に機能がありまして……」











神峰「この包丁、ギターも斬れます」









「「「は?」」」





ズ バ ン ッ !



「「「!!?」」」

「マジで!?」

「スゲェ!!」

「何だソレ!!?」

神峰「おい……やっぱりお客さん引いてんじゃ……みんなポカンとしてるぞ───」

「ヤベェ!!何だソレ!?スゲェ欲しいな!!」

「つまり何かを加工する時にも使えるって事だな!?」コクッ

「俺も叩っ斬りてェ!!!」

神峰「アレ……以外とウケた……あ」

神峰(皆、心掴まれてる……。マジかよ……あのパフォーマンスで……もしかしてとんでもねェの売っちまったんじゃ……)

にとり「ありがとう盟友!!おかげで大盛況だ!!このままやれば完売出来るよ!!」

神峰「あ、ああ……」





【寺子屋、窓】

慧音「心を掴む程度の能力か。確かに、みんなの心を掴んでいるな」クス

「何それー?先生あの人に惚れたって言いたいのー?」

慧音「このマセガキども!」ガー

キャーキャー!

……………

……

「ねえアンタ!確か仕事探してんだったよね!?ウチの新商品売ってくれない!?包丁買うからさ!」

神峰「!」

「ちょっと待った!そいつは俺が目を付けたんだ!俺、道具屋やってんだけどよ、どうだ?給料弾むぜ!?」

「おいおい、お前達何勝手に話進めてんだ!ウチだってこいつが必要だ!!」

にとり「盟友!!私と契約して、専属売り手になってよ!!!」

「んなコト許せるか!!」

神峰「あ、ありがとうございます!あの……!俺、神峰翔太っていいます!仕事の依頼なら受けますんで、今後ともどうかよろしくお願いします!!」


「「「「よろしく!」」」」




───



【寺子屋】

神峰「にとりから給料貰ったし、机返さねェと」


神峰「お邪魔します……机、ありがとうございました!」

慧音「見てたよ、神峰。お前はすごい奴だよ。初対面なのに皆の心を掴んで……。自分の存在まで認めさせてしまった!」

神峰「以前の俺だったら、とてもこんな事はできねェ……。地底でやってきた事が、今に……次へと繋がってんだ!……全部さとりのおかげだよ……!」

慧音「そうか。教師として、そのさとりに嫉妬を禁じえないな!私も精進しないとな!」

神峰「……あの、……スゲェ申し訳ねェんスけど……」

慧音「どうした?」

神峰「もうすぐまとまったお金が手に入る目処がついたんで……その時は……俺の保証人とか、頼めねェ……スか……!?」

慧音「保証人か……少し考えさせてくれないか?お前がまとまった金を手に入れるまでには答えを出すから、それまで待っててくれ。答えが出たらお前を尋ねよう」

神峰「いきなりスミマセン」

慧音「気にするな。頼っていいと言ったのは私だからな。前向きに検討するよ」

神峰「あざす!」


───



【命蓮寺】

マミゾウ「見ておったぞ、神峰。見事な手際じゃったな!今度はワシと路上販売でもするか?」

星「話は聞きましたが、神峰さんはそういう才能があったんですね!」

ナズーリン「寺の面子もあるから、あまり怪しい物は売らないでくれるかい?」

神峰「そりゃもちろん売らないようにしてるけど……」

聖「この調子ならば、住居もいずれ見つかるでしょうね」

神峰「はい!」


神峰(さとり……ありがとう……!!お前のおかげで、成長出来た!強くなれた!って実感出来るよ!俺も……お前の心配する必要は無いよな。俺が大丈夫だったんだから、お前だって大丈夫だよな!)

神峰(お前がこいしの心を開いて、俺に会いに来てくれるの、ずっと待ってるからな!!)




この後、神峰は人里で雇われ販売員として独立し生計を立てる。
収入が安定した頃に八雲紫に誘われて、彼女の楽団で問題を解決しながら指揮を振るう事になるが、本当にこれが恩返しになるのかという疑問は消えず、趣味として音楽を楽しんでいる
ちなみにその過程は本編参照




神峰翔太の人里入り ~完~

良かったーーーハートキャッチャーネタ出来て!
神峰翔太が人里入りが完結出来るじゃない

あとはマジで小ネタだけです。許して下さい

>>523
済まぬ。選択肢は最初から一つだけやったんや
そしてこれが最終章なんだ

>>532
ハートキャッチャー神峰です
このネタやるために引き伸ばしました

~オマケ・うっかりさとり~

【地霊殿】

さとり(あ……翔太さんにはいずれ恋愛出来るなんて言いましたけど……、あの鈍感さの矯正はしていませんでした……)

さとり「これじゃ相手の女性は苦労するでしょうね……申し訳ありません……」

お燐「いや、いますね!実力十分の最大の理解者が!」

お燐「さとり様……見送って尚お兄さんの心配をするなんて、いったいどこまでいってしまうんですか!?お兄さんを想う気持ちの底が見えません……!!」

さとり「……」ガシッ

~本編には関係しないオマケ~

さとり「お待たせしました……十年かかってしまいましたが……ようやくこいしの心を開いて、再会しに来ました!」

神峰「さとり!!」

さとり「貴方はどうですか?やるか、やらないか……いつも言って聞かせたはずですよ」

さとり「要は……限界見えた時でも───」

神峰「"俺がやる"って決められるか決められないかだ……!」

神峰(そうだ……そうだよ……!!俺がやるんだ!! 俺が……証明するんだ!!)

アリス「神峰……翔太……、何よ……それ……」

ドドドドドドドド

アリス「何なの!それは!!!」

ドドドドドドドド

※多分虹的な何か


神峰「立てアリス……演奏始まったばっかりだろ」

アリス「神峰……あなたまさか、世界最強になる気……!?」

神峰「先の話をする気はねェ」

"ハートキャッチャー"神峰 翔太

神峰「今!ここで!俺たちは幻想郷一になる……」

神峰「アンタを倒して最強を証明する!!それだけだ!!!」



"ソウルキャッチャー"神峰 翔太



ご愛読ありがとうございました!>>1の次回作にご期待下さい!


天子「なによこれ……」

慧音「妖夢の半霊が神峰にソウルキャッチされたぞ!!」

藍「早く取り返せ!!」

はい。

アリスは命蓮寺のパーカッションと弦も兼任してる設定がありました。人形で
天子は神峰に惚れさせようと思ってました。
書いてる内にさとりが俺の好きなキャラベスト3に食い込みました。1位天子、2位お空、3位さとり、4位美鈴です
お空は好きなのに⑨設定のせいですごく絡ませにくかった……
勇儀は暴君ポジで動かし易かった。スゲェ有難いキャラでした

明日依頼出しますね

乙。

乙……え?
終わり…?

ガシャァァァァ
ガクッ

>>546,547
今まで読んでくれてあざす!おかげでくじけなかった

俺頑張ったぞ!何回も頑張った!!
店主なんてオリキャラ出したのも、客引きさせたのも、全て神峰に実演販売させるためだけど、それ以外は全部即興で頑張ったぞ!!

本編では祖父持ちの妖夢を伊調にしようとかいろいろ変わったなぁ……
タイトルの(s)はミスです。

>>547
id被ってる……まるで自演してるみてェだ……

乙だよ!
>>1カッケェ―!


面白かった…以外にも何かあったはずだけど刹那で忘れちゃった
まあいいかこんな感想

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