まこ「千里山で殺人事件……!?」(146)

?? 「まさか……貴方が殺したんですか?」

???「そうですよ、××さん」

?? 「なんで……どうしてそんなこと」

???「どうして? あなたも知っているはずですよ。私が彼女に……いえ、彼女たちに恨みを持っていたことは」

?? 「……それは」

???「あなたなら私の気持ちを分かってくれると思っていたのだけれど……」

???「あなたに任せるわ。私を通報してもいいし……」

???「…私の復讐を、手伝ってくれてもいい」

?? 「……」

?? 「…私に」


?? 「私に、出来るわけがないじゃないですか。貴方を売るようなこと……」

?? 「…お手伝いしますよ。あの人たちへの復讐」

???「ふふ。そう言ってくれると思っていましたよ」

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【清澄高校麻雀部】

まこ 「千里山で殺人ン?」

久  「ええ。園城寺さん……って知ってるかしら?」

まこ 「あー…一順先を視る、とかなんとかの」

和  「そんなオカルトあり得ません」ピシャリ

優希 「相変わらずのどちゃんはオカルトに手厳しいじぇ」

久  「その園城寺さんが被害者。背後からガツン、と殴られたみたいね」

まこ 「シンプルそうな事件じゃね。 …って、問題はそこじゃなく」



まこ 「なんで大阪で起こった事件にワシが呼び出されなきゃならんのじゃあ!?」ガーッ

久  「それだけ頼りにされてるってことじゃない? よっ、名探偵っ!」

咲  「…? なんで染谷先輩が名探偵なんですか?」

久  「そうねぇ……アナタ、覚えてるかしら? まこの持つ異能が何か」

咲  「えー、と。『今まで見てきた牌譜から、今後の麻雀の展開を予知する』……みたいな」

和  「オカルト極まりないですね」

優希 「あれ? キング・クリム・……」

まこ 「それは全然違うわっ!!」

久  「……おほんっ。ま、そんな感じの異能を持ってるわけだけど……」


久  「…実は、まこの異能は何も『麻雀』だけに限った話じゃないのよ」

咲  「え?」

優希 「それって……」

久  「翌日の天気から朝のニュースの占い結果まで……まこの予知はほとんどの物事を見透かすことができるの」

久  「『殺人事件』だって、その予知の範疇に入るのよ」

優希 「……エニグマティックだじぇ」

久  「ま、そんなわけで……行ってらっしゃい!」

まこ 「待たんか! まだ行くと決めたわけじゃ……」

久  「もう千里山にOK出しちゃったのよねぇ~」ヘラヘラ

まこ 「お前さん、何を勝手に……授業もあるというに!」

久  「大丈夫! 先生がたに根回しして一週間公休取っておいたから!」グッ

まこ 「ぐむむむむ……」


優希 「仕事が早いじぇ……」

咲  「こういう時の手の速さは尋常じゃないよね、部長は」

和  「普段はへらへらしてばかりですけどね」


久  「ほら、新幹線のチケットも取ってあるから!」

まこ 「……はぁ」

まこ 「分かった分かった! 行けばいいんじゃろ、行けば!」

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【大阪:千里山駅】

まこ 「はぁ。ようやく着いた……」グッタリ

まこ 「久のやつ、あんなギリギリのチケット取らなくても良いじゃろうに……!」


 ププー     ブォォォン
         ニギニギ    ワイワイ


まこ 「…都会じゃのう。長野とはえらい違いじゃ」

まこ 「……」ポケー

まこ 「…っと、いかんいかん。さっさと千里山高校に行かんと」


?? 「あのー……もしかして、染谷さんですか? 長野から来た」

まこ 「ん? 確かにワシが染谷まこじゃけど」

?? 「やっぱり!」

?? 「今回の事件捜査の助手をします、>>7です! よろしくっ!」ペッコリン

ステルスモモ

モモ 「事件捜査の助手をする、東横桃子っす! よろしくお願いするっすよ!」ペッコリン

まこ 「ん、よろしく……あれ? 今誰かに話しかけられてたような……」キョロキョロ

モモ 「……」

モモ 「……すぅーっ」


モモ 「こー! こー! にー!」

モモ 「いるっすよおおおおぉぉぉぉぉぉっ!!」ガーッ

まこ 「うおおっ!?」

モモ 「はーっ、はーっ……。ひどいっす、染谷さん」

まこ 「スマンのう……どうも異能は苦手で」

モモ 「薄々気づいてたっすよ。さっきから話しかけてるのに、ずーっとムシですもん」

まこ 「……いつから?」

モモ 「長野からっす……」

まこ 「……本当にスマンの……」

モモ 「それじゃ千里山高校まで行きましょうか。ここからなら歩いて行ける距離っす」

まこ 「道案内、頼めるか?」

モモ 「お任せあれ! っす!」

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【千里山高校 麻雀部部室】

モモ 「はるばる来たっす、殺人現場!」

まこ 「既に警察の捜査は終わったようじゃね。血痕もなんにも残っとらん」

モモ 「被害者・園城寺怜はここに……」

モモ 「こんな感じで倒れてたみたいっす!」ネソベリ

モモ 「また、現場に争った跡は無いっす! こんなとこで暴れたりしたら麻雀牌が散らばっちゃいますしね!」

まこ 「ふむ……顔見知りの犯行、って線が強そうじゃのう」

まこ 「……桃子」

モモ 「!?」ビクッ

モモ 「きゅ、急に名前で呼ばないで欲しいっす! どきっとしちゃったっすよ!」

モモ 「……私には加治木先輩が……うう」モジモジ

まこ 「何をもじもじしとるんじゃ、おのれは」

まこ 「現場写真か何か、預かっとるんじゃろ?」

モモ 「あ、はい。ここにあるっす」

まこ 「見せてもらえるか? ……過去の記憶と照らし合わせるけぇ」

モモ 「! 噂に聞く異能っすね!」

モモ 「それじゃ、写真が……これっす!」ピラッ

まこ 「ん、サンキュー」

まこ 「……」ジーッ

モモ 「……」ドキドキ

まこ 「……」ジィーッ

モモ 「……」ドキドキドキ

まこ 「……」ジィィーッ

モモ 「……」ドキドキドキドキ

まこ 「……」ジィィィーッ

モモ 「……」ドキドキドキドキドキ



モモ 「あの、まだっすか……」


   バァンッ


まこ 「!」

モモ 「!?」

竜華 「また刑事が来とるんやて!?」

セーラ「ちょ、竜華! 落ち着けや!」

竜華 「あんた! あんたもどうせ私を疑っとるんやろ!?」

竜華 「私が怜を殺すわけあらへん! ふざけんなボケ刑事っ!!」

まこ 「刑事じゃないんじゃがなぁ……」ポリポリ

セーラ「だから落ち着けって!! ……あれ、もしかしてアンタ……清澄高校の?」

まこ 「お、ワシを知っちょるんか」

セーラ「そら優勝校のメンバーくらい知っとるって! 染め手の染谷まこやろ!」

まこ 「大阪府警に依頼されて事件の捜査に来たんじゃ。事件解決のためにも、協力よろしく頼むけぇ」

セーラ「おう、何でも協力するでー!」

セーラ「…聞いたか、竜華? この人は刑事やあらへん」

セーラ「この人なら、きっとお前の話もちゃんと聞いてくれるはずや」

竜華 「……」



モモ 「……この人『たち』の間違いじゃないんすかね……」

セーラ「うおおっ!? 何もないところから人が!?」

まこ 「それじゃあ聞かせてもらえるかのう? アンタが園城寺さんを殺しとらん、って理由を」

竜華 「……笑わんで聞いてな?」

竜華 「私と怜は、その……付きあっとったんや」ボソボソ

モモ 「つ、付き合ってた!?」

竜華 「! アンタも女同士やからって笑うクチの人間かいな!?」

モモ 「むしろ真逆っす! 私も女の先輩とお付き合いしてて……あっ、加治木先輩っていうんすけどね?」

モモ 「その先輩がまたカッコ良くて……とっても頼りになる先輩なんすよ……」ウットリ

モモ 「例えばこの前加治木先輩と遊園地に行ったときの話なんすけどね!? 先輩が……」ペラペラペラ


まこ 「はい、はいっ。そのくらいにしてくれー。今は清水谷さんの話を聞かんとね」

まこ 「……続きをお願いできるかのう」

竜華 「…いや、続き言うても……言いたいことはそれだけなんやけど」

セーラ「よーするに、竜華は『自分と怜は付きあっとった! だから殺すわけがあらへん!』って言いたいわけや」

モモ 「うーん……付き合ってたのが事実なら、警察に疑われる理由が分からないんすけど」

まこ 「何かあったんか? 例えば……ケンカした、とか?」

竜華 「…その通りや」

セーラ「竜華と怜なー。事件の前の日に、部室でちょっとしたことでケンカしてん」

まこ 「ちょっとしたこと?」

モモ 「あっ、あれっすね! 他の女がどうとか、浮気がどうとか!!」

セーラ「『膝枕の質が悪くなった』とか『肉付きが悪くなった、これじゃ膝枕じゃなくて膝だ』とか……」

モモ 「……なんすか、それ……」ゲンナリ 

まこ 「そのケンカがあったせいで警察に疑われちょる、ってわけか」

竜華 「あんなのちょっとしたスキンシップやんか! そないなことが理由で誰が殺人なんかするかいな!」

竜華 「ましてや怜を……私が殺すなんて……!」

モモ 「清水谷さん……」

セーラ「俺からも補足させてもらうけどな。実際、あの程度の言い争いはしょっちゅうあったんや」

セーラ「その度に仲直りしとんのも、俺ははっきり見とる。……竜華は犯人やあらへん」

まこ 「…ふうむ」



まこ 「ところで。これはワシの勘なんじゃが……」

まこ 「事件当日、ここに千里山のモン以外の人間がおりゃせんかったか?」

セーラ「おっ、よう分かったなー! あの日はちょうど……」

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【姫松高校】

赤阪 「ふぅ~ん。それでウチに来たんや~」

洋榎 「遠いところからはるばるようこそや!」

由子 「お茶入れるのよー」トトト

モモ 「あ、これはどうもっす」

由子 「はい、どうぞー」スッ

まこ 「わざわざすまんのう」スッ

モモ 「…私の分は……」



まこ 「事件当日、千里山高校麻雀部は姫松と合同練習を行っていたと聞いたからのう」

モモ 「ここに何かカギがある、と読んだわけっすね!」

洋榎 「うんうん、なるほどなー」

赤阪 「わざわざご苦労やったねぇ。でも……」

赤阪 「ウチに来たところで、犯人の手掛かりなんてあらへんのと違う?」

赤阪 「な~、末原ちゃん?」


末原 「……前に警察の方が来た際に伺ったんですが」

末原 「なんでも、事件現場はまったく散らかっとらんで、争った形跡はなんも見られへんかったとか」

末原 「そして園城寺さんの死因は後頭部から殴られたこと、と」

末原 「つまり犯人は顔見知り、しかも相当仲が良い人に限定されるんとちゃいますか?」

モモ 「確かに……」

末原 「そしたらウチに犯人はおらんはずですわ。ウチと千里山はそんな仲良いわけとちゃいますし」


まこ 「……ふむ」

洋榎 「さすが恭子! 姫松のぶ……ぷ、ぷれーんは伊達やないな!」

絹恵 「おねーちゃん、それを言うならブレーンや」

赤阪 「ありがとな~、末原ちゃん」

末原 「……別に、代行のために言うたんとちゃいますわ」プイッ

赤阪 「や~ん、ツンデレ末原ちゃんも可愛いな~!」


赤阪 「…とにかく、そういうわけやから」

赤阪 「悪いけど、ここに手がかりはあらへんよ~」

モモ 「その通りみたいっすね……無駄足になっちゃったっすね、染谷さん」

まこ 「そうみたいじゃのう……仕方ない、一旦ホテルに戻ろうか」



まこ 「…っと。その前に、最後にひとつだけ聞いておこうかのう」

赤阪 「……何やろ?」ピク

まこ 「被害者の死亡推定時刻は19時頃……合同練習が終わったあとらしいんじゃが」

まこ 「合同練習が終わってから、一番最後まで千里山に残っとったのは誰かのう?」

赤阪 「……私らを疑ってるん?」

由子 「私たちは犯人じゃないのよー!」

まこ 「いや、一応聞くだけじゃけぇ」

洋榎 「あの日最後まで残っとったんは……」チラ



末原 「……私ですね」

漫  「えぇぇ!? じゃあ先輩が犯人なんですか!?」

末原 「アホぅ、そんなわけあるかいな。私が犯人じゃない理由はさっき言うたやろ?」

漫  「…あ、そっか。犯人は園城寺さんと仲が良い人だから……」

まこ 「何か気になることなんかは……」

末原 「なんもありませんね」キッパリ

末原 「私が部室を出たのは18時頃やったんですけど、そん時残っとったんは園城寺さんだけでした」

末原 「大方、その後に誰か千里山の部員が来て殺した……ってところやないでしょうか」

赤阪 「他に何か聞きたいことは~?」

まこ 「…いえ、特には。それじゃ失礼……」

洋榎 「またいつでも遊びに来てなー!」ブンブンッ

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モモ 「染谷さん……ひょっとして、姫松の人を疑ってるんすか?」

まこ 「ん、そう見える?」

モモ 「千里山の人からはあんまり話を聞いたりしなかったのに、姫松の人へはがっつり追求してましたから」

まこ 「そうか……なるほどなぁ」

まこ 「ところで桃子、アンタはこの事件の犯人は誰だと思うんじゃ?」

モモ 「露骨に話を逸らしたっすね……まぁいいっすけど」

モモ 「……やっぱり、清水谷さんじゃないっすかね。本人に聞かれたら殺されそうっすけど」ボソボソ

まこ 「『殺されそう』ってのはこの状況ではシャレにならんね」

モモ 「動機には疑問が残るっすけど、それでもあの状況で殺せたのは竜華さんだけだと思うっす」

まこ 「なるほど……お前さんはそう考えるわけか」

モモ 「それで、染谷さんはどう思うんすか? 今回の事件の犯人は?」

まこ 「……」

まこ 「桃子、ちょっと頼まれてくれるか?」

モモ 「もー、また話を逸らすー! ……で、なんすか?」

まこ 「警察に1つ、頼みごとをしたいんじゃ……被害者の解剖を」

モモ 「? でも、死因は後ろからの打撃で決まったんじゃ?」

まこ 「ワシの推理が確かなら……」

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竜華 「うう……。怜ぃ、怜ぃ……」グスグス

船久保「しっかりしてくださいな、部長……いつまでもそんなやと他の部員に示しがつきませんわ」

泉  「姫松との練習試合も近いんですから。いい加減立ち直らな……」

セーラ「……いつやったっけ? 練習試合は」

船久保「えーと……明後日ですわ」

セーラ「……そか」

竜華 「怜ぃ……うう」グスンッ

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赤阪 「すっえはっらちゃーん」

末原 「…なんです、代行」

赤阪 「や~ん、その代行ってのやめてや~」

赤阪 「これでもちゃ~んとした監督になろうと頑張ってるんやから~」

末原 「……」ピク

末原 「…それで、何ですか?」

赤阪 「も~、分かってるくせにぃ」

赤阪 「…そろそろ、さ。  ……私と一緒にならへん?」

末原 「お断りします」スッパリ

赤阪 「え~、一刀両断~?」

末原 「代行とそんな関係にはなれませんわ」

赤阪 「……それは、私と末原ちゃんが生徒と先生やから?」

末原 「ええ、その通りでs」

赤阪 「嘘はあかんで、末原ちゃん」

末原 「……」

赤阪 「私、一応立派な大人なんやからね~。末原ちゃんの考えとることくらいお見通しやで~」

末原 「…そうですか」

赤阪 「ま、大人な私は末原ちゃんの気が変わるまで待っとることにするわ~」

赤阪 「……それじゃあね~」ヒラヒラ

末原 「……」

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 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【2日後 20:00】
【とあるホテル】

モモ 「はい……はい。分かりましたっす。…それでは」

  
    ガチャッ


モモ 「良いニュースと悪いニュースがあるっす。どちらから聞きたいっすか?」

まこ 「嫌な予感しかせん……じゃあ、良いニュースから」

モモ 「被害者・園城寺怜の解剖結果が出たっす。 ……睡眠薬が検出されたらしいっす」

まこ 「なるほど……やはりそうか」

モモ 「これで犯人は千里山以外の人間である可能性が出てきたっすね」

まこ 「うム。 ……それで、悪いニュースの方は?」

モモ 「今日、千里山と姫松の麻雀部が練習試合を行ってたらしいんすけど……」



モモ 「殺人事件っす。今度の被害者は……」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

?? 「これで2人目、ですか」

???「ええ。意外と簡単に片付くものでしょう?」

?? 「でも……よう、平気でいられますね。私なんて見てるだけなのに……未だに震えが止まりませんわ」

???「ふふ。そうね、正気じゃこんなことできないわ。……狂ってしまってるのかもね」

?? 「……」

???「うん。きっと狂ってるんだわ。私も、あなたも」

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【姫松高校】

まこ 「……これは」

モモ 「江口……セーラさん」

まこ 「現場に荒らされた形跡は無し。死因は同じく後頭部を殴られて……か」

まこ 「…似とるね。千里山での事件と」

まこ 「桃子。千里山か姫松の人の話を聞きたいんじゃが」

モモ 「はい、それが…千里山なんですが、清水谷さんがショックで倒れてしまって……」

モモ 「病院に運ばれてしまったらしいんす。だから話を聞けるのは船久保さんと泉さんだけっす」

まこ 「構わんけぇ、呼んできてくれ」

モモ 「了解っす!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

船久保「……はあ。今日のことですか」

船久保「分かりました。何でも聞いてください」

まこ 「…それはありがたいんじゃけど」

泉  「……」ブルブルブルブル

まこ 「なんでそこの子はそんなに震えとるんじゃ……」

船久保「あー……気にせんとってください」

船久保「こいつ、どこから聞いたんか知らんけど『千里山の人間が疑われとる』思とるらしくて」

泉  「ウチが逮捕されるんや……ウチはやっとらんのに……誤認逮捕や……」ブツブツ ガタガタ

船久保「……この通りですわ。まあ、無視したってください」

モモ 「すごい怯え様っすね……」

まこ 「そうか……それじゃ、アンタに質問させてもらうけぇ」

船久保「どうぞ」

まこ 「ここで江口さんが殺されとったっちゅうことは、最後までこの部室に残っちょったんは江口さんってことでいいんか?」

船久保「ええ。誰かと会う用事があったと聞いてます」

まこ 「誰かと? それは……」

船久保「姫松の部員やと思います」

まこ 「……ふんふむ」

まこ 「そのアポを取ったのはいつか分かる?」

船久保「……多分、今日じゃないですかね」

船久保「昨日まではそんな話聞いてませんでしたし、姫松の部員と会う機会は……あの事件以降、ありませんでしたから」

まこ 「……ん、分かった。スマンかったのう、わざわざ話してもらって」

船久保「あれ、これだけで終わりですか?」キョトン

まこ 「ああ、終わりじゃ。気を付けて帰ってな」

船久保「……そうですか。ほな、失礼しますわ」

船久保「ほら、行くで泉」

泉  「それでも私はやってへん……やってへんのや……」ブツブツ

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

モモ 「姫松の人を疑ってるんすか?」

まこ 「ん。ただ、問題は……」

まこ 「……桃子は、姫松の中では誰が怪しいと思うんじゃ?」

モモ 「そりゃ末原さんっすよ!」

まこ 「…随分はっきり言い切るんじゃな」

モモ 「だって、千里山での事件で最後までいたのが彼女なんすよ! そりゃ怪しいに決まってるっす!」

まこ 「…よし、それじゃ」

まこ 「次はその末原さんの話を聞くことにしようか。 ……なぁ、末原さん?」

モモ 「……へ?」


  ガチャ


末原 「失礼します」

モモ 「……」ダラダラ

まこ 「スマンのう。うちの桃子が『アンタが怪しい!』なんて言うもんじゃから……」

末原 「いえ、怪しいと思うのは自然やと思いますわ。被害者と最後に会った人間やなんて」

モモ 「……うう」ダラダラダラ


まこ 「それじゃ、いくつか質問させてもらうけぇ」

まこ 「……今日のアンタの行動を聞かせてもらおうかのう」

末原 「…分かりました」

末原 「知っての通り、今日は姫松と千里山の練習試合でした」

末原 「私もみんなと同じように、姫松の人らとよう打たせてもらいましたわ」

まこ 「その中には江口さんも?」

末原 「ええ。含まれますわ」

まこ 「…練習試合が終わった後は?」

末原 「全員が出た後に部室の鍵を閉めようと思たんですが……」

末原 「江口さんだけが部室に残ってまして。誰かと話さなアカンことがある、と」

まこ 「…それが誰か、心当たりは?」

末原 「何もありませんわ」

まこ 「…ん。続けてもらえるか?」

末原 「ええ。とにかく、誰かと会うようでしたから。しばらく時間をずらしてからまた戸締りに来ようと思たんです」

末原 「それで30分くらいしてから戻ってきたら……江口さんが倒れとって……」

モモ 「つまり第一発見者ってことっすか!」

末原 「そうなります。 …これまた怪しい要素になりますね?」ニコ

モモ 「うう……あんまりいじめないでほしいっす……」

まこ 「じゃが、実際怪しいのう。第一発見者で、なおかつ生きちょる被害者に最後に会った人間じゃ」

末原 「千里山の殺人とそっくりですね?」

まこ 「…ま、正確に言えば。こっちでの殺人の場合、最後に会った人間はアンタではなく『会う予定だった人間』になるんじゃが」

まこ 「どうにしろ、アンタが怪しいことに変わりはないのう」

モモ 「そうっす! 睡眠薬も見つかったんすから!」

末原 「睡眠薬?」

末原 「……ああ、なるほど。それで被害者を眠らせて殺した、いうことですか」

末原 「それで『顔見知りによる犯行』という線を潰せる、と」



末原 「ですが、それやったら外部犯の可能性も出てくるんと違います?」

まこ 「ほう?」

末原 「何も姫松のモンに限らずとも、別の知らんモンが犯人やったとしても……」

末原 「睡眠薬を使って眠らせてやれば、現場を荒らさずに殺害することも可能になるんとちゃいますか?」

末原 「それに、私が犯人だという直接的な証拠もありませんしね」

末原 「……これくらいでよろしいですか?」

まこ 「ん、十分じゃあ」

末原 「それじゃ、私はこれで失礼します」


   ガチャ パタン


モモ 「やっぱり犯人は末原さんっすよ! 間違いないっす!」

まこ 「お前さん、本人がいなくなった途端に活き活きし始めるんじゃのう……」

モモ 「『証拠が無い』なんて言ってますけど、あれならちょっと叩けばすぐに証拠が見つかると思うっす!」

モモ 「よっし、早速警察に連絡して……」ピポポ



まこ 「……」

モモ 「…なんか、腑に落ちなさそうっすね?」

まこ 「彼女が犯人だとして……ひとつだけ、しっくり来ない点があるんじゃ」

まこ 「あと1ピース……それが嵌れば、すべて辻褄が合うんじゃが……」

モモ 「まだ何か足りないんすか?」

まこ 「そうじゃな……」

まこ 「……」ジーッ

モモ (染谷さんの目が虚ろに…? …違う、これは……)

モモ (過去の記憶と照合してるんすね! それで何が足りないかを調べてるんすね……!)

まこ 「……」



まこ 「桃子」

モモ 「はいっ!」

まこ 「姫松の人間関係を洗いたい。そういうのに詳しそうな人を呼んでくれるか?」

モモ 「了解っす!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ 

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

?? 「…もう無理ですよ。私、すごく疑われてますよ……あのメガネに」

???「そうねぇ……まさか、こうまで早くあなたに辿り着くなんてね」

?? 「どうするんですか? このままじゃ、復讐が……」

???「……仕方ないわね」

???「本当は最後まで取っておきたかったのだけれど……千里山は後回しにしましょう」

?? 「それじゃあ……」

???「ええ。いよいよ本命ね」

?? 「分かりました」

???「……もうちょっとよ、××ちゃん。頑張りましょうね」

?? 「はい。 ……私、好きです。××さんのこと」

???「ふふ。ありがとうね」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

洋榎 「それで、私に白羽の矢が立ったってわけやな! いやー、良い目しとるでアンタ!」バシンバシン

モモ 「あうっ! 痛い、痛いっすー!」

洋榎 「それで、人間関係やったっけ? 何でも聞いてええでー!」

洋榎 「事情通の洋榎とはウチのことやで!」ドヤッ

洋榎 「漫の落書きから絹の下着の色まで何でもござれ、やで!」

まこ 「それじゃ、聞かせてもらおうかのう……」


まこ 「……末原さんと赤阪さんのこと、をな」

洋榎 「……さすがやな。一発目から姫松高校麻雀部のいっちゃん黒いトコを突いてくるんか」

モモ 「何かあるんすか? あの2人……」

洋榎 「んー、どっから話せばええかなぁ」


洋榎 「まず代行……あ、赤阪さんのことな? あの人なぁ、惚れとんねん」

まこ 「末原さんに?」

洋榎 「そう。ただ、恭子にその気はまったくないんやなー、これが」

モモ 「あっ、分かったっすよ! 末原さんには別に好きな人がいるんすね!」

洋榎 「惜しいな、半分正解や。それもあるんやけど……」

洋榎 「それ以上に、恭子は憎んどるんや。赤阪さんのことをな」

まこ 「憎む……穏やかな話じゃないのう」

洋榎 「ああ、そりゃもうドロッドロやで。ドロドロポイントがいくつもあるわ」



洋榎 「ポイントその1。赤阪さんはあくまで『代行』なんや。この意味分かる?」

モモ 「前任者がいた……?」

洋榎 「その通り。その前任者……善野さん、いうんやけど。この人な……ハメられたんよ。赤阪さんに」

まこ 「ハメられた?」

洋榎 「赤阪さんが監督になるためにな。ウチの部は代々、練習試合の結果で監督やら主将やらの役職を決めとるんやけど……」

洋榎 「善野さんが監督の頃の練習試合の度、赤阪さんは対戦校に姫松のデータを横流ししとったんや」

洋榎 「打ち筋から弱点、何から何まですべてな」

モモ 「……ひどいっす」

洋榎 「それでも、善野さんはすごかったで。並の高校相手やったら采配力で何とか互角まで持っていっとった」

洋榎 「…ただ、千里山にだけはどうしても勝てへんかったんやな。全国ランキング2位はそう甘くはなかった」

まこ 「千里山……」

洋榎 「千里山との練習試合で負け続け、善野さんは監督を降ろされた」

洋榎 「そして目論見通り、赤阪さんは監督に就任したんや。……ま、まだ代行扱いやけどな」

洋榎 「多分、すべては恭子に近づくためやったんやろな」

モモ 「でも、それは片想いなんすよね……」

洋榎 「……」コクン

洋榎 「……以上がポイント1や」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

末原 「代行」

赤阪 「? あっれ~、末原ちゃん?」

赤阪 「珍しいねぇ~。末原ちゃんから話しかけてくれるなんて」

末原 「…あの、この前の話なんですが」

赤阪 「ん~、何何~? もしかしてその気になってくれた~?」ヘラヘラ

末原 「……」コク

赤阪 「な~んて、そんなことあらへんよね~……」


赤阪 「……あれ?」

赤阪 「末原ちゃん……もしかして、今頷いた?」

末原 「……はい」ボソ

赤阪 「……ええの?」

末原 「そのことも込みで……代行のお家でゆっくり話したいです」

赤阪 「…分かった。車準備してくるわ」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

洋榎 「そして、ポイント2。さっき言うた、恭子が好きな相手なんやけどな」

洋榎 「……善野監督やねん」

モモ 「……ドロドロすぎっすよ……」ドンビキ

まこ 「好きだった相手が監督から引き摺り下ろされ、代わりに自分を好いているモンが来る……か」

モモ 「心中穏やかじゃなかったでしょうね、末原さんは」

洋榎 「でもな? 赤阪さんは決して、悪意を持って動いてたわけじゃないねん」

洋榎 「ただ、恭子が好きだという一心だけで動いてたんや。……手段は無茶苦茶やったけどな」


まこ 「…赤阪さんを呼んできてくれる?」

モモ 「分かったっす!」

洋榎 「赤阪さんなら今日は早退しとるはずやで?」

まこ 「早退?」

洋榎 「ああ。ここ来る途中、エンジン鳴らしとるん見たし」

まこ 「……まさか、そこに末原さんは」

洋榎 「あー、そういやおったなあ。今思えば珍しい組み合わせやったなあ」

まこ 「! 桃子、今すぐ警察に連絡! 赤阪郁乃の車を止めさせぇ!」

モモ 「は、はいっ!!」

モモ 「もしもし! えと、染谷まこの助手の者なんですが……!」

まこ 「それと連絡が終わったら善野さんの方にも連絡!」

モモ 「ですから車を……え? 元監督さんの方にもですか?」

まこ 「そう!」

洋榎 「ちょっとええか? 善野さんに連絡ってとこなんやけど……」

まこ 「……まだ何かあるっちゅうんか?」

洋榎 「まだ最後のポイントを残しとるやろ? …ポイント3はな……」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【赤阪家】

赤阪 「適当なトコ座ってくれてええよ~」

末原 「……」チョコン

赤阪 「紅茶とコーヒー、どっちがええ?」

末原 「…紅茶で」

赤阪 「はいは~い。ま、安物しかないんやけどな~」ケラケラ

末原 「……」

赤阪 「お湯入れて……っと」トポポポ

赤阪 「オッケーやで! はい、どうぞ!」スッ

末原 「…どうも」

末原 「……」

赤阪 「ん? 飲まへんの?」

末原 「あの……砂糖を」

赤阪 「あっ、あ~あ~! 砂糖やね、砂糖!」スタスタ

赤阪 「……んー、どこやったかなー……」ゴソゴソ


末原 「……」スッ



赤阪 「……その睡眠薬で私も殺す気なんやね~」

末原 「!?」ビクッ

末原 「……気付いてはったんですか」

赤阪 「だから言うたでしょ~? 私は大人なんやから~」

赤阪 「はい、砂糖~」ヒョイッ

末原 「……」コツンッ

赤阪 「あ~ん、ちゃんと受け取ってくれなアカンやんか~」



末原 「…いつから気づいてたんです?」

赤阪 「千里山での合同練習の後やね~。末原ちゃん、すっごく震えてるんだもん」

末原 「他の部員には何も言われませんでしたが」

赤阪 「みんなは気づかなくても、私の目にはちゃ~んと写ってたよ。末原ちゃん」

赤阪 「すぐに分かったわぁ。『あ、この子が殺したんやな』って」

末原 「……なら、どうして警察に言わなかったんですか」

赤阪 「やぁん、末原ちゃんのイケズ~。 そんなの決まってるやんか」

赤阪 「私が、末原ちゃんのことをと~っても、好きやからや」

末原 「……」

赤阪 「私じゃアカンの? 私なら、殺人者の末原ちゃんだって愛せるで?」

赤阪 「…善野ちゃんよりも、ずっとずーっと深く、愛せるんやで?」

末原 「……私は」



末原 「…私は……殺してない……」カタカタ

赤阪 「……そ、か」

末原 「私じゃないんや……すべて、××が……私は見てただけ……」カタカタカタ

赤阪 「もしかしたら、思たけども……やっぱり善野ちゃんを忘れられへんのやね」

赤阪 「…睡眠薬、貰うで?」スッ

末原 「××のために……私は、準備しただけなんや……あとは私じゃない……」ブツブツ

赤阪 「…悔しいなぁ……私なりに精一杯、末原ちゃんに振り向いてもらう努力はしたんやけど」サァーッ

赤阪 「それでも、善野ちゃんには勝てへんのか…… ん、溶けたかな」クルクル

末原 「××なんや……××……千里山……代行……」ブツブツ

赤阪 「末原ちゃん。ナイフ、ここに置いとくで?」チャッ


赤阪 「末原ちゃんの復讐は……いや。アンタら2人の復讐か」

赤阪 「その復讐は、きっと私を殺してすべて終わるんやろね」

赤阪 「復讐を遂げて、末原ちゃんが救われるなら……私は喜んで殺されるわ」

赤阪 「……ゴクッ」

赤阪 「……好きな相手に殺されるってのも、なかなか乙なモンやんか……」


   バタッ

末原 「…私は……私は……」

???『末原ちゃん。これですべてが終わるのよ?』

末原 「終わる…これで……」

???『そう。このナイフで。赤阪の。喉元に』

末原 「ナイフで……」スチャ

末原 「……」ユラ

???『あとは私が刺すわ。ありがとう、末原ちゃん』

末原 「……」






末原 「…善野さん」


   ……ファンファンファン ウー ウー
   キキィッ
   ココガアカサカダイコウノイエッスネ!!


末原 「……!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

モモ 「その現場、ちょっと待ったーっ!! っす!!」バァンッ

モモ 「……って、あれ? 末原さんは……」

まこ 「…! 赤阪さんっ!!」ダダッ

赤阪 「……」

モモ 「し、死んでるっすか!?」





まこ 「……脈がある! アンタ! しっかりせいっ!!」パシンッ ペシンッ

赤阪 「……んん」

モモ 「…!!」パァァァッ

赤阪 「やぁん……末原ちゃん、朝から激しいわぁ……」
 
まこ 「アホなこと言わんと早よ起きんしゃい!!」

赤阪 「あれ……私は~……」

まこ 「アンタ殺されかかっとったんじゃぞ!?」

赤阪 「…そっか~……」

赤阪 「やっと……善野ちゃんに一勝できたんかな」

モモ 「…? 何を言って……?」

まこ 「それより! 末原はどこに!?」

赤阪 「ん~……善野さんのとこやないかな」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

   ブロロロロロロ......

赤阪 「睡眠薬飲んだ直後に車運転するハメになるとは思わんかったわぁ~」ヘラヘラ

まこ 「今は緊急じゃけえ、黙認じゃ黙認」

モモ 「はい……はい。了解したっす」ピッ

モモ 「染谷さん。末原恭子の家から睡眠薬が見つかったっす」

モモ 「園城寺さん、及び江口さんから検出されたものと同じ成分だったそうっす」

赤阪 「…ね~、メガネちゃん?」

まこ 「? なんじゃ?」

赤阪 「末原ちゃんなんだけど~……刑は軽くなったりしないのかな」

まこ 「殺人2件に殺人未遂が1件。……無期懲役は堅いじゃろうな」

赤阪 「でもね~? ほら、なんていうのかな~……」

赤阪 「…精神に異常があったりしたときは、ある程度は大目に見てもらえるんでしょ?」

まこ 「ま、そういう制度もあるがのう」

赤阪 「だったら末原ちゃんも……。あの話、聞いたんでしょ~? 愛宕のおねーちゃんから」

まこ 「……」

モモ 「ポイント3、っすか……」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【善野家】

赤阪 「それじゃ……開けるで?」

まこ 「……」コクン


   ギィィィィィィ

   .........モ.........マスワ


モモ 「……末原の声がするっす」ヒソッ


   ......エエ......ダイコウモ......センリヤマモ......


まこ 「……この部屋の向こう、じゃな」


   洋榎 『ポイント3。善野監督なんやけどな……実は……』


まこ 「……開けるぞ!」ガチャッ!!


   .........フクシュウデス......ゼンノサン......アナタノ......










   洋榎 『自殺してしもたんや』

末原 「はい。千里山はこれで2人……残りは3人です」

末原 『そうだったわね。ありがとう、末原さん。ここまで来れたのもあなたのおかげですよ』

末原 「いえ、私はただ見てただけですから。復讐をしたのは私じゃなく貴方です、善野さん」

末原 『ふふ……。そういうことにしておきましょうね』

末原 「残りの3人と代行……これだけ殺せば貴方も報われますよね」

末原 『ええ。十分すぎるわ。…ありがとう、末原ちゃん。大好きよ』

末原 「はい。私も大好きです。善野さん……」



赤阪 「……末原ちゃん」

モモ 「……」

まこ 「……末原恭子。園城寺怜・江口セーラ両名の殺害、及び赤阪郁乃の殺人未遂の疑いで逮捕する」

末原 「……」


    ガチャン


 
                                カン

おいおいエピローグがまだだぜ

広島弁やら大阪弁やらが無茶苦茶なのは許してください……

>>108
しばらく頭ひねって考えたけども、
上手く落とせそうなエピローグは思いつかなかったんで勘弁してください! オナシャス!

【エピローグ】

モモ 「……と! 以上が今回の事件の全容っす!」

モモ 「いやー、考えれば考える程ドロッドロな事件だったっすね!」ウンウン

    「「「「……」」」」

蒲原 「あー……モモ、ちょっといいかー?」

モモ 「なんっすか?」



蒲原 「話盛りすぎだぞー」

モモ 「!? も、盛ってないっすよ!!」

妹尾 「東横さん、染谷さんの助手が決まってから火サスばっかり見てたもんね……」

津山 「うむ。影響を受けても仕方ない」

モモ 「……せんぱいぃ~……」

加治木「あー……その、なんだ……」


加治木「にわかには信じがたい、な」

モモ 「先輩までひどいっすー!! じゃ、じゃあ染谷さんにも聞いてみてくださいよぉ!!」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

まこ 「……と! こうして今回も無事解決したってわけじゃ!」

久  「……まこ。アナタねぇ……」


久  「なんでアナタが出るといっつもいっつもロクでもない終わり方になっちゃうのよ!」

優希 「大体、全然無事解決だなんて言えないじぇ」

咲  「末原さんなんて壊れちゃってるし……」

和  「何も働いてないじゃないですか」

まこ 「末原のことは仕方ないじゃろうが!」

まこ 「それと和! ワシがおらんかったら赤坂さんまで殺られとったかもしれんじゃろうが!」

優希 「結果論極まりないじぇ」


   ギャー    ギャー     ギャー


久  「ふうっ。若いっていいわねぇ……私みたいな年寄はこうやって新聞を読むしか……」ペラッ

久  「……あら?」

久  「……減刑。認められたのねぇ」

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

漫  「減刑、決まったんだ……末原先輩」

由子 「それでも懲役25年だから相当なのよー」

絹恵 「……なんだか、複雑ですね」

洋榎 「せやなぁ……」



赤阪 「な~にしんみりしてんの~?」ヒラヒラ

漫  「わ、代行!」

赤阪 「な~んも難しいことあらへんやんか~。アンタら、末原ちゃんのお友達やろ~?」

洋榎 「あ、当たり前やんか!!」

赤阪 「せやったら末原ちゃんを支えていってあげたらええねんよ~。末原ちゃんだって、今は相当辛いやろし~」

赤阪 「……罪に向き合うって、大変なことなんやで」

由子 「代行……」

怜とセーラはなんで殺されたん?

洋榎 「よっしゃっ! そしたら、これから毎日面会に行ったろうや!」

漫  「毎日はさすがに……あっちも鬱陶しくなりませんかね」

絹恵 「上重さんやったらむしろ喜ぶんと違います?」

由子 「漫ちゃんは恭子のお気に入りやからねー」


   キャッキャ   ワイワイ


赤阪 「……」

赤阪 (…25年か)

赤阪 (そんなに待ってたら、私おばあさんになってまうなぁ~……)

赤阪 (末原ちゃんがおらんで25年過ごすんか……辛すぎるわ。…これも贖罪のひとつなんかな)

赤阪 (……ごめんな)



赤阪 (ごめんなぁ、善野ちゃん……)


 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【25年後】
【千里山】


    「……」


竜華 「……よう、ウチの前に顔出せたな。その度胸は認めたる」

泉  「……」ギリッ

船久保「…清水谷先輩。これ」スッ

竜華 「ん。 アンタ、これ何か分かるか?」

    「……ドスです」

竜華 「その通りや。……アンタ、今ここで刺されても文句は言えへんのやで?」

    「……」

竜華 「……」

    「……」

竜華 「……行くで」




     ザクッ!!




竜華 「……ずっと」

竜華 「ずっと、考えとったんや。アンタが出所してきたらどうするかを」

竜華 「アンタは憎い。そらもう、殺したくなるほど憎いわ」

竜華 「……だけど、それで殺してしもたら」

竜華 「そんなんで殺してしもたら、そらアンタと同類やんか!!」

竜華 「せやから、アンタは殺さへん。アンタの代わりにこの床をドスで刺して、この話は終いや」

    「…清水谷、さん……」

竜華 「分かったら早よ行き! いつ気が変わっても知らんで!!」

    「……本当に」




    「……本当に申し訳ありませんでしたっ!!! 失礼します!!」


    タッタッタッタッタッタ............



船久保「……よう我慢できましたね」

竜華 「正直、ちょっとでも情けない姿見せるようやったらホンマに殺すつもりやったわ」

泉  「……先輩、怖いっす」ガタガタ

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

 ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・ ・

【姫松】

赤阪 「遅すぎやで~」

    「…お久しぶりです」

赤阪 「ん、久しぶりやねぇ」

    「……」



    「……主将…いや、洋ちゃん達なんですが」

    「まさかホンマに毎日面会に来るとは思いませんでした」

赤阪 「何だかんだで、自分の言ったことは必ず守る子達やからねぇ~。私の教育の賜物やね」

    「何言うてはるんですか、まったく……」


    「…それでも」

    「代行だけは絶対に来なかったですよね、面会」

赤阪 「……」

赤阪 「…だって、ズルいやろ?」

    「……」

赤阪 「私も罪を背負っとるんや。善野さんのことを」

赤阪 「それなのに、罪を無視して毎日末原ちゃんときゃっきゃしとったら……ズルこいわ」

赤阪 「私は私なりに、罪を償っとったんやで」

    「……ごめんなさい。私のせいで……」

赤阪 「ホンマになぁ~? おかげで肌はカサカサだし、腰は曲がってきとるし、未だに独身やし……」

    「よく、25年も待ってくれましたね」

赤阪 「言うたやろ? 『善野ちゃんより深く愛する』って」

    「……!!」


 
赤阪 「こんなおばあちゃんやけど……もろてくれるか? 末原ちゃん」

    「……」グスッ

末原 「はいっ……!! よろこんで……!!」


                                  もいっこカン

エピローグも書いたんで堪忍してくださいオナシャス!


>>121
末原さんは代行のことも憎んでましたが、
それと同じくらいに姫松をことごとく負かしてきた千里山の麻雀部員も憎んでたんです

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