京介「桐乃が太っちまった…」(163)

―――高坂家リビング

京介「桐乃、おまえ最近ちょっとデブったんじゃねえ?」

桐乃「はあ!?どこが!」

京介「いや、腹の辺りとかさ……プヨンとしてんぞ」

桐乃「こ、これは……違うの」

京介「なにが?あきらかに腹出てきてんだろ」

桐乃「だから、違うって言ってんじゃん!」

京介「んじゃ、その腹はなんだ」

桐乃「えぇと……これは、その…」

京介「これは?」

桐乃「……あんたに関係ないっしょ」

京介「いや、そりゃそうだけどよ……モデルの仕事とか大丈夫なのか?」

桐乃「うっさいなー!ほっといてよ!」

スタスタスタ
ガチャ…バタンッ

京介「なんだ、あいつ?」

>>1さんへまたは代行を依頼した方へ
貴方のしている事は場違いです。速やかに消え去って下さい。
なんで勝手に語り出すのですか?ただの画像、動画、自分で作ったであろうつまらない文章を貼り出すのですか?
ここvipは貴方のブログでは無いのです。日記帳でもメモ帳でも無いのです。もうvipに来ないで下さい。
貴方「たったらかく 淡々と 書き溜めが 一人でも聞いてたら 需要があれば とりあえず 経緯を スペックを」
単発「支援 見てる はよ 詳しく」
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――――

俺の名前は高坂京介。自分でいうのもなんだが、ごく平凡な男子高校生である。
平凡を愛し普通の人生を送るため、なるべく無難な選択肢を選んできたつもりだったのだが………
去年の夏、妹からされた人生相談をきっかけに俺の人生は大きく変化することになる―――

ところで最近、桐乃の様子がおかしい。
さっきの腹のこともそうなんだが、何か隠してるような………
あいつ……俺に隠さなきゃいけないことでもあるのか?

………よし。
桐乃のことなら、あいつに相談してみるか。

長くなりましたがこのSSはこれで終わりです。
ここまで支援、保守をしてくれた方々本当にありがとうごさいま した!
パート化に至らずこのスレで完結できたのは皆さんのおかげです (正直ぎりぎりでした(汗)
今読み返すと、中盤での伏線引きやエロシーンにおける表現等、 これまでの自分の作品の中では一番の出来だったと感じています。
皆さんがこのSSを読み何を思い、何を考え、どのような感情に浸 れたのか、それは人それぞれだと思います。 少しでもこのSSを読んで
「自分もがんばろう!」という気持ちに なってくれた方がいれば嬉しいです。
長編となりましたが、ここまでお付き合い頂き本当に本当にありがとうございました。
またいつかスレを立てることがあれば、その時はまたよろしくお願いします! ではこれにて。

―――公園

京介「よう、あやせ久しぶりだな」

あや「お久しぶりです、お兄さん」

あや「わたしに聞きたいことがあるんですよね?」

京介「おう、そうなんだ。えと…桐乃のことなんだけどさ、」

あや「桐乃がどうかしたんですか!?」

京介「お、落ち着け!首が絞まって、る……グェッ」

あや「あっ、すみません……大丈夫ですか?」

京介「はぁはぁ………こ、殺す気か!?」

あや「謝ってるじゃないですか!」

京介「逆ギレ!?」

あや「で、どういうことなんです?」

京介「いや、桐乃の様子が最近おかしい気がしてさ」

あや「と、言いますと?」

千歳がなんでこんな話を切り出して、なんでこんな結末を迎えたか

①千歳はただ綾乃から謝罪の言葉がほしかった
「そうだったのね、ごめんなさい」これだけでよかった
そのために「あのときうちは綾乃ちゃんのことが好きだったんよ。謝ってくれへん?」とただ言うのは気がひける
なので彼女が感じたことを正直に話すことにした
『死ね』と思ってしまったこともそのまま話した
なぜなら「言わない」ことで「嘘」をつくことは形だけの親友だったとしても最低限の礼儀だと感じたから
でもそれがいけなかった
この言葉をもって綾乃は千歳はの裏の暗い気持ちを思い知らされ、
ずっと偽りの親友関係を続けられていた事実というに愕然とし、自分を騙し続けていた千歳を心から軽蔑した
最後、千歳は「私はこれまでずっと自分を信じてくれていた綾乃を裏切っていたんだ」ということに気付き自責の念に駆られる
千歳にとってBADEND

②嫉妬で頭がおかしくなりそうだったのでこの機会をもって綾乃との親友関係をやめようとした
千歳にとってHAPPYEND

この二つが俺の解釈です

なんで俺がいきなりこんなSSを書いたのか…よくわからない

京介「あいつ…最近太ってきてる気がするんだよ」

あや「……なるほど。そのことですか」

京介「何か心当たりがあるのか?」

あや「心当たりというわけではないんですが………それと太ったというのは少し違うと思います」

京介「そうか?太ったわけじゃないんなら、モデルの仕事もちゃんとやってるってことなのか?」

あや「いいえ、休んでますよ。………部活も、モデルのお仕事も」

京介「部活も休んでるのか!?」

あや「はい……桐乃ってば太ったわけじゃなくてお腹だけ出てると思いませんか?」

京介「そう言われてみると………たしかに」

あや「学校では元気なんですけど、あの娘何か隠してるんだと思うんです」

京介「隠してる……やっぱりおまえもそう思うか?」

あや「はい。わたしたちにも言えないようなことを隠してると思います………お兄さん」

京介「ああ、わかってる。……なんとか調べてみるよ」

あや「お願いします……お兄さんのご相談だったのに、逆にわたしがお願いすることになってすみません」

京介「なに、気にするな。桐乃のことは俺に任せてくれ」

京介「さくっと解決してみせるさ」

あや「はい、お願いします!」

――――

俺に任せろ――なんて言ったものの、あやせからはこれといった情報が手に入らなかったな………
あやせの言うとおり、桐乃は太ったというより腹だけぽっこり出ているのも気になる。
さて、こうなったらやっぱり直接本人から聞くしかないか。

しかし、あいつが素直に教えてくれるとも思えない。
この前も逃げられちまったし、どうしたもんかな………
よし……まずは探りを入れてそこから聞き出してみよう。

そうして俺は妹の部屋に足を運ぶのだった――――

―――桐乃の部屋

コンコン

ガチャ…

桐乃「……なに?」

京介「よう、おまえ今なにしてんの?」

桐乃「エロゲー」

京介「相変わらずだな……あのさ、俺も一緒にやっていいか?」

桐乃「な、なに……?興味あんの………?」

京介「まあな」

桐乃「……ふうん。んじゃ、入れば」

京介「おう」


よし……ひとまずは作戦成功か。
あとはタイミングを見計らって切り出せばいいだろう。

それまではエロゲーに付き合うとしますかね。

京介「んで、今回はどんなゲームやってんだ?」

桐乃「にひひ~……これ!」

京介「えーと、なになに………【妹孕ませっくす】……」

桐乃「略していもはら!」

京介「ひでえタイトルだなぁ、おい!」

桐乃「これはね15日の限られた期間に新しい命を宿さないといけないの」

京介「……妹にか」

桐乃「うん!」

京介「はぁ……」

桐乃「なに?文句でもあるワケ?」

京介「いや、そんなことはないぞ?んじゃ始めてくれよ」

桐乃「オッケー!あんたも絶対ハマるよ、これは!」

京介「ハマりたくはねえな……」

そこから3時間ほどぶっ続けでエロゲーをプレイする俺たち兄妹。
俺はもうすっかり慣れちまったが、はたから見れば異様な光景だろうな………。

そして、エロゲーに区切りが付いたところで俺は本題を切り出すことにした―――


桐乃「うんうん、やっぱこれは当たりゲームだったね~!」

京介「……そうかい」

桐乃「面白かったっしょ?」

京介「ま、まぁまぁかな……ところで桐乃」

桐乃「ん?」

京介「おまえ最近、モデルの仕事も部活も行ってないらしいじゃねえか。あやせが心配してたぞ」

桐乃「………ん、ちょっと忙しくてさ」


嘘吐け!
エロゲーやってたじゃねえか!!

京介「ふうん…いつまで忙しいんだ?」

桐乃「……わかんない」

京介「なんだそりゃ?おまえ、このまま仕事も部活も辞めちまうつもりじゃねぇんだろ?」

桐乃「そうじゃないけど!………たぶん卒業するまではできないかな」

京介「おいおい、大事だな。何か悩みがあるなら言ってみ」

桐乃「悩みっていうか……その…」

京介「もしかして、その腹と何か関係があるのか?」

桐乃「………あんたには関係ない」

京介「あるんだな?相談があるなら乗るぞ」

桐乃「……あんたには話すつもりないから」

京介「はぁ……そうかよ」

桐乃「ふん……もう、いいから出てってよ」

京介「へいへい……」

俺は桐乃に部屋を追い出され、夕飯までの時間を自分の部屋で過ごしていた。

桐乃からは結局なにも聞きだすことができなかったな。
あの様子だと何かあるのは間違いなさそうなんだが………やれやれ。

ウチの妹様は一度こうなると頑固だからな……聞き出すのは難しいだろう。
どうすっかな………

と、そこで俺は桐乃の様子に詳しそうな人物に思い当たった。
お袋なら桐乃のこと何か知ってるんじゃないか?
よし、聞いてみるか……

俺はさっそくリビングへと降りていった。

―――高坂家リビング

京介「お袋ちょっと聞きたいことがあるんだけど、いいか」

佳乃「なあに?夕ご飯ならカレーよ」

京介「またカレーかよ……って、そうじゃなくて!桐乃のことなんだけどさ……」

佳乃「桐乃がどうかしたの?」

京介「最近のあいつなんか様子がおかしい気がするんだよ。お袋なんか知らねえ?」

佳乃「うーん、そうねぇ……少しお腹が出てきたかしら」

京介「やっぱりお袋もそう思うか?」

佳乃「あんたが気付いてたことの方が意外だけどね」

京介「なんかストレスでもあんのかね」

佳乃「年頃の女の子には色々あるのよ。今までが痩せ過ぎてたくらいなんだから別にいいんじゃないかしら」

京介「痩せ過ぎだったのはそうだけど、あいつ部活も仕事もしてないみたいなんだよ」

佳乃「うーん……忙しいって言ってたけど」

京介「なにが忙しいのか聞いてねえか?」

佳乃「聞いてないけど…うーん、そうね……恋人でもできたとか」

京介「はぁ!?あいつに恋人なんてありえねーよッ!」

佳乃「なんであんたが断言するのよ?」

京介「いや!それは……なんとなくだけど、さ」

佳乃「あんた、まさか本気で桐乃のこと……」

京介「ちげーって!!……じ、じゃあ飯できるまで部屋に戻ってるから!」

――――

ふう、やべえやべえ……お袋にまたあやしまれると厄介だからな。
気をつけねえと………
実は俺と桐乃はお互いに恋人を作らないという約束をしているのだ。

まあ……ほとんど俺のエゴみたいなもんだけどな。
妹に彼氏ができるなんて考えたくもねえ………
それにしても、お袋も知らないみたいだし桐乃の件は暗礁に乗り上げちまった感じだな。
……しばらく様子を見てみるとするか。

そうして数ヶ月が過ぎたある日、俺たちは家族会議をしなければならなくなった―――

―――高坂家リビング

桐乃「…………」

佳乃「………はぁ」

大介「…………」

京介「………ゴクリ」


空気が重い………窒息しちまいそうだ……
そんな重苦しい空気が続く中、お袋が切り出した。


佳乃「桐乃……言いたいことは分かるわよね」

桐乃「……はい」

佳乃「誰の子なの?」

桐乃「………」

大介「……教えなさい」

桐乃「……えっと、好きな人の……子」

京介「………ッ!」

大介「……そうか」

佳乃「はぁ……どうするつもりなの……って、そんな大きくなってからじゃ選択肢は一つしかないけど」

桐乃「産みたい……最初は一人じゃ無理かもしんないけど……ちゃんと育てる」

佳乃「………とにかく、誰の子かはっきり教えなさい」

桐乃「………」

京介「……桐乃」

桐乃「……言いたくない」

大介「言いなさい」

桐乃「やだ!あたしがちゃんと育てるからほっといて!!」

ガチャ…バタン!
ダンダンダンダンッ

京介「おい!」

大介「ふう……京介、後はおまえに任せる」

京介「………わかった」

――――

はぁ……とんでもねーことになった。
あいつが妊娠してるなんて……考えただけで相手の男をぶち殺したくなる。
しかも、好きな男だと?
………約束が違うじゃねえかよ。

誰の子なのかはっきりと問いただしてやる。
俺は重い足取りで桐乃の部屋を訪ねた―――

―――桐乃の部屋

コンコン…

京介「桐乃……開けろ」

ガチャ…

桐乃「……なに」

京介「なにって……とりあえず中に入ってもいいか」

桐乃「……好きにすれば」

京介「おう」


桐乃の腹をよく見ると、かなりでかい……。
ここまで大きくなると出産するしかないんだろうということくらいは俺にも分かった。

京介「………で、俺がなにしに来たかわかってるな」

桐乃「フンッ……あんたには教えない」

京介「あのな……そんなことが通ると思ってんのか?」

桐乃「………」

京介「だいたい、おまえ俺との約束はどうなったんだよ?俺との約束やぶってまで付き合いたかったのか?」

桐乃「……それは!」

京介「子供まで作って、そんなにそいつのことが好きなのか!?」

桐乃「好きだけど……って、そうじゃなくて!!」

京介「………おまえが約束やぶるとは思ってなかったよ」

桐乃「だから、それは!」

京介「けっ!……色んなことに悩んでたのが馬鹿らしくなってきたぜ」

桐乃「だぁーーーー!違うっつってんじゃん!!このバカッ!!」

京介「はぁ!?馬鹿はてめえだろうが!付き合ったらすぐ股開きやがってこのクソビッチ!!」

桐乃「ビ、ビッチ……!?あたしは誰とも付き合ってないっての!!」

京介「付き合ってないのに子供作ったってか!?てめーは誰にでも股開くような女だったんだな!」

桐乃「だから違う!」

京介「なにが違うってんだ!!」

桐乃「あ、あたしが好きなのはあんたなのっ!」

京介「ッ………じゃあ、なんで他の男と寝たりしたんだよ!?」

桐乃「だ、だから……それはね…」

京介「俺だっておまえが好きだ!おまえを誰にもやりたくないくらい好きだ!」

桐乃「……ほんと?」

京介「おう、だからムカついてんだよ……その男をぶっ飛ばしてやりたいくらいにな」

桐乃「……そんなに知りたい?」

京介「ああ、教えろ」

桐乃「できれば、この子のお父さんをぶっ飛ばさないで欲しいんだけど……」

京介「悪いな桐乃、それは約束できん」

桐乃「……そっか」


正直言って殺さずにいられる自信がないぜ……!
俺の妹に手を出しといてただで済むと思ってんのか?

少なくともボコボコにしてやる……それで別れさせて………それから…


桐乃「あんた」

京介「は……?な、なんだって……?」

桐乃「えと……この子のお父さんはね………あんたなの」

京介「………はい?」

桐乃「だからっ……あたしのお腹の子は、京介の子なの!」

京介「はぁ!?な、なんでそうなるんだ!………さすがにありえねえだろ!?」

桐乃「だって、ほんとのことだもん……」

京介「え……マジで俺の子?」

桐乃「……うん」

京介「ちょ、ちょっと待ってくれ……」


えええええええええええぇぇぇぇぇ―――――ッッッ!?!?
なにがどうなってるんだ……俺が桐乃の子供の父親……!?

お、落ち着け……円周率を、円周率を数えるんだ………ッ!!

桐乃「あの、大丈夫?顔色真っ青だけど……」

京介「真っ青にもなるわ!!お、俺はおまえと子作りした覚えはねーぞ!?」

桐乃「そっか、やっぱ覚えてないんだ……あたしのことは遊びだったんだ……」

京介「なにその俺がチャラ男みたいな言い方!?」

桐乃「まあ、半分冗談だけどさ――この子のお父さんが京介なのは本当だよ」

京介「すまんが……その時のことを詳しく教えてもらえるか?………まったく覚えてないんだ」

桐乃「しょーがない、あの日起きたことを教えてあげる」

京介「はぁ……お願いします」

桐乃「えっとね……あんたが寝てるときにあたしが部屋に忍び込んだ時にね、」

京介「ちょっと待て」

桐乃「なによ」

京介「なんだ、忍び込んだって…いったいどういう……」

桐乃「それは、まあいいじゃん?」

京介「よくねーよ!?」

桐乃「もう、細かいなぁ……あたしが京介とちゅーするために毎晩部屋に忍び込んでたのっ!これでいい!?」

京介「………俺、もうファーストキス終わってるの?」

桐乃「ま、まあ、そう……なるかな」

京介「相手はおまえってことか……?」

桐乃「そ、そう……」

京介「……はぁ」

桐乃「な、なによ……嫌だったわけ…?」

京介「いや、そういうんじゃなくて……なんで寝てる間にするんだよ」

桐乃「だって……起きてる時にしたら嫌われると思ったんだもん………」

京介「ビックリはするだろうけど、嫌いになったりしねえよ」

桐乃「ほんとに?」

京介「おう……てか、寝てる間にされてたことのほうがショックだ」

桐乃「………ゴメン」

京介「いいけどよ……今度は起きてる時にしろ」

桐乃「いいの?」

京介「まあ、おまえがしたいんならな」

桐乃「わかった……にひひっ」

京介「……で、肝心な部分はどうなったんだ?」

桐乃「えっとね……あんたのスウェットを下ろそうとしたらね、ぱんつも一緒に脱げちゃったの」

京介「……それで?」

桐乃「でね………しちゃった」

京介「………」

桐乃「い、言っとくけど!あたしは先っぽ入れただけなんだからね!?」

京介「嘘吐け!」

桐乃「ウソじゃないっ!あ、あたしが抜こうとしたら……あんたがっ!」

京介「お、俺が?」

桐乃「桐乃ー、桐乃ーって腰を動かし始めたの!」

京介「マジかよ!?」

桐乃「マジ、マジ!あんた寝ぼけて、あたしの初めてを奪ったんだよ?」

京介「寝てる間に初体験を済ませただけじゃなく、俺は妹の初めてまでをも奪ってしまったというのか……ッ!」

桐乃「うんうん、チョー痛かったんだからね?」

京介「もしかして、おまえの歩き方がおかしかったのもそれが原因か?」

桐乃「そのとーり!妹の初めてを奪うなんて、とんだシスコンだよねー!」

京介「すまん、桐乃………って、ちょっと待て」

桐乃「ん?」

京介「なんか俺が悪いみたいな流れになってねえか?」

桐乃「だって、あたしを妊娠させたのはあんたじゃん?」

京介「いやいや!夜ばいしようとしたのはおまえだろ!?」

桐乃「うッ……まあ、そうだけどさ」

京介「それにどうしてもっと早く言わないんだよ?そんな大きくなるまで秘密にして……」

桐乃「だって!………京介の子、産みたかったんだもん」

京介「………」

桐乃「……イヤだった?」

京介「……そんなわけない」

桐乃「ほんと?」

京介「ああ、本当だ」

桐乃「そっか……よかった」

京介「お腹、触ってみてもいいか?」

桐乃「ん……いいよ」

トクントクン…

京介「暖かい……生きてるんだな」

桐乃「うん」

京介「………これから親父たちに話してくるよ」

桐乃「それはダメだって!絶対反対されるに決まってるし!」

京介「だろうな」

桐乃「このまま秘密にしてた方がいいって……」

京介「桐乃、おまえとそのお腹の子は俺が必ず守ってやる………俺に任せろ」

桐乃「………うん」

桐乃「京介……大好き」

京介「俺もおまえが大好きだよ」

――――

なんつうかホッとしたけど、あいつの腹の子供が俺の子だったなんてな。
嬉しいような、驚いたような……やっぱ、嬉しいかな。
俺が父親になるのか。実感ねえな。

つうか、初体験の記憶が寝ぼけててないとか……哀しすぎる。
………絶対に今度は起きてる時にしてやるからな。

よし、あいつと腹の子を守るためにその覚悟を親父たちに伝えに行くとしよう。

―――高坂家リビング

ガチャ

大介「京介か」

京介「親父、桐乃と話してきたぜ」

大介「そうか…」

京介「お袋は?」

大介「母さんなら夕飯の買い物だ。……で、どうだった」

京介「桐乃のお腹の子は、親父もよく知ってる奴の子だったよ」

大介「なに…!?教えろ、どこの馬の骨だ!?」


お、おっかねえ……!やばいぞ……下手したら、俺殺されるんじゃねぇか!?
一瞬ひるんだ俺だったが、桐乃のために親父を説得してみせる。

京介「親父……落ち着いて聞いてくれ」

大介「いいだろう」

京介「えっと、桐乃を妊娠させたのは………俺なんだ」

大介「………すまん京介よく聞こえなかった……もう一度言ってくれるか?」

京介「桐乃の子の父親は、俺なんだよ」

大介「………京介、貴様」

京介「俺は!桐乃と俺たちの子を守ってみせる!!」

大介「……言いたいことはそれだけか?」

京介「ああ」

大介「………」

京介「……親父」

大介「俺はおまえに桐乃を任せると言ったな」

京介「おう」

大介「……どうしてこうなった?」

京介「………俺が、桐乃を愛してるからだ」

大介「………」

大介「………はぁ…」

京介「すまん親父……でも俺は、」

大介「もういい……」

京介「……わりぃ」

大介「桐乃はもう腹の子を降ろすことはできん」

大介「………こうなってしまった以上、おまえが責任を取れ。一生をかけてな」

京介「ああ……かならず桐乃を幸せにする」

大介「……信じるぞ」

京介「任せてくれ………でも、親父いいのか?」

大介「なにがだ?」

京介「正直言うとさ、俺……殺されるんじゃないかなーと思ってたんだよね」

大介「そうしてほしいのか?」

京介「い、いやいや!そうじゃねえって!!ただ、やけにあっさりしてるなと……」


親父のことだからもっと修羅場が待ってると覚悟してきたんだが………
………ちょっと拍子抜けしたって感じだ。

大介「……おまえをどうにかして解決する問題ではあるまい」

大介「それに、父親となるおまえが居なくなっては桐乃が困るだろう」

京介「………そうだよな。桐乃も、産まれてくる子も絶対に俺が守ってみせる」

大介「口ではなんとでも言える。行動で結果を示してみせろ」

京介「……わかった」

大介「母さんには俺から話しておく……おまえはこれからできるだけ桐乃の側にいてやれ」

京介「親父……」

大介「早く行け」

京介「おう…!」

――――

こうして、親父との話し合いは意外にもあっけなく決着がついた。
腕の一本くらいは覚悟してたんだけど………
あれから親父がお袋に話をしてくれて、お袋も折れたようだ。

お袋からは強烈なビンタを一発喰らったけど、結局は応援してくれるってことらしい。

それにしても何か忘れてるような気が………あ。
………あやせのことをすっかり忘れてた。

このことを報告したら俺、死ぬかもしれない………。

親父「うまくいったな」
桐乃「あいつ単純だからねー」

―――公園

京介「――――ということで、あいつの腹の原因は俺だったわけだ」

あや「………」

京介「あや、せ…さん?聞こえてましたか……?」

あや「……ふふふ、桐乃に手を出したんですね?」

京介「いやっ!これには海より深い事情がありまして!!」

あや「お兄さん……覚悟はできていますか?」

京介「ま、待て!早まるんじゃないっ!その鞄から出そうとしている銀色のモノをしまえ……!」

あや「お断りします!」

京介「お、落ち着け!俺を殺せば桐乃が一人で子供を育てなきゃいけなくなるぞ!いいのか!?」

あや「わたしが一緒に育てますから安心してください」

京介「俺が死んだら桐乃が哀しむぞ!?」

あや「……くっ、この卑怯者…!」

京介「たしかに俺は取り返しのつかないことをしてしまったのかもしれん………でもな、俺は桐乃を愛してるんだ」

あや「………知ってます」

京介「だから、俺がちゃんと桐乃を幸せにできるか見ててくれないか?」

あや「………」

京介「桐乃を哀しませることがあればその時には切腹でも何でもしてやる。……だからさ、あやせ信じてくれないか?」

あや「……いいでしょう。ずっと監視してますから」

京介「おう」

あや「お兄さん……桐乃のこと、お願いしますね」

京介「ああ、任せろ」

あや「ふふ……頼りにしてますよ」

――――

文字通り命がけであやせを説得することに成功し、俺はホッと胸をなでおろすのだった。
危うく桐乃をシングルマザーにしてしまうところだったぜ………

これからも大変なことが起こるだろうけど、桐乃と二人なら乗り越えていけると俺は確信している。
あやせと親父たちも力になってくれるってんだから尚更だ。
俺たち兄妹の未来にはきっと明るい物語が続いているはずだ。


そして、数年の歳月が流れた――――

―――寝室

京介「………寝たか?」

桐乃「うん……寝たみたい」

涼介「……すぅ、すぅ」

京介「お疲れさん、桐乃」

桐乃「ふぅ……子供を育てるのって大変だね」

京介「はは、そりゃ…な」

桐乃「でも可愛いよね?」

京介「ああ……おまえに似て自慢の息子だぜ」

桐乃「ええ~?どう見てもあんたに似てんじゃん?」

京介「いーや、絶対おまえに似てるね。よく言うだろ?息子は母親に似るってさ」

桐乃「あたしは絶対に京介似だと思うケド……」

京介「そうかぁ?」

桐乃「うん!にひひ……可愛いよねぇ」

京介「………まあ、桐乃のほうが可愛いけどな」

桐乃「ば、ばかじゃん!?……ったく、これだからシスコンは…」

京介「へっ…シスコンで悪かったな」

桐乃「あんた開き直ってきてるよね?」

京介「おう、シスコンであることをむしろ誇らしく思ってるぜ?」

桐乃「……バカなんだから」

京介「ハハッ………えっと、涼介も寝たしさ……そろそろいいか?」

桐乃「……だめ」

京介「な、なんで!?」

桐乃「あのね……できたみたい」

京介「……マジで?」

桐乃「……うん、嬉しい?」

京介「おう……すっげぇ嬉しいよ。今度は女の子だといいな」

桐乃「絶対女の子だよ!ひひっ……実はもう名前考えてあるんだぁ~!」

京介「おいおい、気が早いな。男だったらどうするんだ?」

桐乃「大丈夫!絶対女の子に違いないから!」

京介「……なんか、おまえがそう言うと俺もそんな気がしてきたよ」

桐乃「でしょ?ねぇねぇ――それよりさ、名前聞きたい?」

京介「ああ、聞きたいね」

桐乃「にひひっ!しょーがない、特別に教えてあげる!えっとね―――」


数ヵ月後、俺たちには家族が増えたのだが……桐乃の予想通り可愛い女の子だったよ。
きっと、これからも俺と妹は騒がしく楽しくやっていくのだろう。

その先には幸せな未来が待っているに違いないのだから――――


              ~fin~

支援くださった方々ありがとうございました。

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