凛「Linkラジオ、ぎゅっと続くよ」(129)

代行、ですっ

 
凛「Linkラジオは第17回だね」

凛「今日は一段と冷え込むよ。皆も体調には気をつけて」

凛「ああ、うちにはそんなことも気にせず元気な子がいるんだけど」

凛「幸子ちゃんとか、まさにそうなんだよ」

 
凛『どうしたんですか凛さん? そんなに寒いんですか?』

凛『ボクは全くそんなことありませんよ! ほら、よく言うじゃないですか……』

凛『可愛い子は風邪をひかない、ってね!』

凛「……次の日、幸子ちゃんはマスクをして出勤してきました」

 
凛「まあそれでも、さらに次の日には完治してたけどね……」

凛「そういえば、スカイダイビングしたこともあったっけ」

凛「あの活動力はぜひ見習いたいよね」

凛「でも、一緒に料理番組に出演した時さ……」

 
凛『ほらほらなんですか、この季節限定スペシャルメニューっていうのは!』

凛『まさに、この可愛いボクのために用意されたメニューですよ!』

凛『凛さんは、ハンバーグ定食で良いんですか? 欲しいと言ってもあげませんからね!』

凛「……そうだね。5人前の鍋はさすがに食べられないからね」

 
凛「はじめの30分くらいは、元気良く話してくれてたんだけどね」

凛「鍋の熱気と一緒に、だんだんと口数が減っていって……」

凛「3時間くらいして、やっと食べ終わったんだよ」

凛「最終的に、私も2人前くらい助けたんだけど……」

凛「……食べすぎは、良くないからね」

凛「で、今度の仕事は、名勝を訪ねる番組だったんだけど……」

 
凛『見てくださいよ凛さん! 鹿がいたるところに! これはボクを歓迎してますね!』

凛『おや、この鹿は懐っこいですね! もしかして、ボクの可愛さに惚れたんですか?』

凛『いやあ、ボクってば罪作りな女です! でも、あなたは一匹だけなんですか……群れはどこに……』

凛「……せんべい持ってて良かったね。あやうく鹿に狩られるところだったね」

 
凛「鹿の住みかは油断ならない所だったね。幸子ちゃんもこりごりだったみたい」

凛「それでも収録はやめないあたり、アイドルの鏡だよ」

凛「シャワーを浴びた彼女と向かったのは、大迫力の名瀑」

凛「幸子はシャンプーの香りを漂わせながらこう言うの」

 
凛『これは凄いですね凛さん! 大瀑布ってやつですよ!』

凛『ま、ボクの可愛さに比べれば、こんなのシャワーみたいなものですけどね!』

凛『滝つぼの近くで飛沫が浴びられるみたいですから、行ってみましょう! 』

凛「……アドバイス通り、下に水着、着ててえらかったよ。もう逆に褒めたいぐらい」

 
凛『まあ、ちょっと興奮してましたからね! わざと頭を冷やしただけですよ!』

凛「……どんな事にも負けない幸子ちゃんを、私は応援するよ」

凛「たぶん今日もどこかで、元気にお仕事してるからね」

凛「私も、負けないように頑張ろうっ」

 
凛「そんな時は、The world is all one!!」

凛「君は一人じゃないよ。必ず、支えてくれる人がいるから」

凛「背中を押してくれる人、見守っててくれる人……」

凛「いろんな人がいる。それを、忘れないでね」

凛「よかったら、誰かと手を繋いだまま、聞いてみて?」

凛「……ほら、早く。言ってる本人が一人じゃダメじゃん。動けるのプロデューサーしか居ないでしょ」

凛「あ、始まっちゃうから。はやくはやく……」

 
凛「どうだったかな? 元気の出る曲でしょ?」

凛「私も、何度も励まされたな……」

凛「やっぱり人生は諦めないことが大切なんだね」

凛「どんな困難でも、一緒ならきっと乗り越えていけるよ」

凛「……はい。かえっていいよ」

 
凛「……すこしくらい喋っても良かったのに」

凛「まあ、ともかく。今日のゲストを紹介するよ」

凛「キュートでお茶目な、純真アイドル」

凛「小日向美穂ちゃん、どうぞー」

美穂「おじゃましまー……はわっ」

凛「……ぬ、ぬいぐるみ?」

美穂「うう、引っ掛かっちゃいました。よいしょ……」

 
美穂「えっへへ……お待たせしました、凛ちゃん!」

凛「構わないけど、それはいったい……?」

美穂「これですか? くまさんのぬいぐるみですよっ!」

凛「可愛いけど……どしたの?」

美穂「実はですね。今日は凛ちゃんに、ぬいぐるみの良さを教えに来ました!」

凛「ぬいぐるみの、良さ……?」

 
美穂「ふっふっふ、凛ちゃんは今まで、ぬいぐるみを愛でたことがないんですか?」

凛「うーん……たしかに、あんまりそんな機会はなかったかな……」

美穂「もったいないです、今すぐ、ぬいぐるみを買いに行くべきです!」

凛「そ、そんなに?」

美穂「はい! とっても素敵ですよー?」

 
凛「えっと、例えば?」

美穂「ふっかふかですっ!」

凛「ほかには?」

美穂「以上ですっ!」

凛「えぇー……」

美穂「だ、だって、そこが大事なんですよー!?」

凛「もうちょっと、具体的に……」

 
美穂「こう……ぎゅっ、とすると幸せなんですよ?」

凛「あ、それは分かるかな。うちの犬のハナコとか、もふもふするの大好きだからね」

美穂「ですよね? ぬいぐるみなら、好き放題ぎゅっぎゅできます!」

凛「わっ……ちょっと欲しくなったかも」

 
美穂「よかったら、今度一緒に買いに行きますか?」

凛「でも場所とるかな……」

美穂「置物だとそうですけど、抱き枕にすればバッチリです!」

凛「どうしよ……まずは見てみるのも大事だよね」

美穂「うんうん、その通りです。抱っこしたまま寝るのは至福ですからね!」

 
凛「へえー。ちなみに、毎晩抱っこしてる子の名前は?」

美穂「はい! プロデューサーくんです!」

凛「なるほど、プロデューサーくん」

美穂「ええ、プロデューサーくんですよ!」

 
凛「ぬくぬく?」

美穂「ぬくぬくです!」

凛「……もふもふ?」

美穂「もふもふです!」

凛「…………ぎゅっぎゅ?」

美穂「ぎゅっぎゅです!」

 
凛「…………」

美穂「……?」

美穂「……あっ、ま、間違えました! この子です! このぬいぐるみの名前で!!」

凛「そんな手には乗らないからね」

美穂「ほんとです! ほんとなんですぅー!!」

凛「私、わたしだってプロデューサーを抱っこするくらい……!」

美穂「凛ちゃん落ち着いてくださいー!?」

 
凛「……はいはい。インタビューの時にも間違えて答えたと」

美穂「そうなんです……」

凛「そう、そうなんだ。ごめん、私ってば早とちりしてさ……」

美穂「いえ、私のほうこそ、誤解を与えてしまって……」

凛「にしても、そんなにプロデューサーに似てるかな?」

美穂「え、そっくりじゃないですか?」

凛「この子の方が格好いいんじゃない?」

美穂「えー、そんなことありませんよー!」

 
凛「いや。この目つきとか、野生の力が感じられるでしょ」

美穂「な、なんですか野性の力って……」

凛「それに比べて、プロデューサーを見てみなよ」

美穂「……スーツ姿、じゅうぶん格好良いですよ?」

凛「それは見かけだけ。ネクタイ曲がってるし、襟も反ってる」

美穂「そうなんですか? プロデューサーさん……わわ、よく分かりましたね……」

凛「どうせシャツもしわだらけだし、ハンカチも忘れてきてるよ」

美穂「せ、正解みたいです……な、なんで分かるんですかー……!?」

凛「いつもだから。だらしないのがよく分かったでしょ?」

美穂(な、なんだか、お母さんみたい……)

 
凛「やっぱりこっちの方が、10倍カッコイイね」

美穂「そうですか? うーん」

凛「……決めた。私もぬいぐるみ買う」

美穂「やった! だったらおすすめのお店があるんです! 」

凛「よし、なら次の休みに案内してくれる?」

美穂「喜んで! それで……どんな子にするんですか?」

凛「そうだね、同じのがいいな」

美穂「お揃いですか? いっぱい可愛がると良いですよっ!」

凛「もちろん。いっぱい、可愛がるから」

事務所のアイドルが全員自分の持ち物にPの名前つけ始めたらどうなるんですかねぇ。

 
凛「美穂ちゃんは、事務所でも妹みたいに可愛がられてるんだ」

凛「でも年上だから……私にとっては、お姉ちゃんになるんだ」

凛「ふふっ、それもいいかもね」

凛「ぬいぐるみ、いくつ買おうかな……」

 
凛「それじゃ、最後にお便りのコーナー」

凛「ペンネーム、恋のルーキーさんから」

凛「凛ちゃんはここ最近、頑張ってますからね! 私も応援してますよ!」

凛「ふふ、ありがとう。恋のレッスンも……受けてみたいな?」

 
凛「続いてペンネーム、不思議の国のありすさんから」

凛「凛さんは素直に甘えることができるんですね。私には、中々できそうにありません……」

凛「そうでも……ないよ。甘えるって、難しいからね」

凛「でも、甘えられる相手がいるっていうのは、大事だと思うから。思い切ってみて?」

 
凛「最後はペンネーム、運命の赤い糸さんから」

凛「抱っこするよりされる……しあわせですよぉ」

凛「…………」

凛「女の子の夢だもんね」

凛「わかるよ」

 
凛「…………」

凛「女の子って、軽いより少し重いほうがいいらしいよ」

凛「男の人はそれを愛の量だと感じるんだって」

凛「私はつい前に食べ過ぎちゃったし。きっとぴったりだよね、うん」

 
凛「今日のLinkラジオはここまで」

凛「また聞いてもらえたら嬉しいな」

凛「それじゃ、またね」

 
支援ありがとうございました

ところで>>89のネタもらってもいいですかね

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom