夏海「姉ちゃん姉ちゃ~ん」小鞠「どしたの夏海?」 (140)

夏海「暇だな~」

小鞠「………」

夏海「あーーやることないわ~」

小鞠「………」

夏海「暇だよ~遊ぼうよ~~」ユサユサ

小鞠「わ、わかったから…じゃあゲームでもする?」

夏海「よーし!じゃあしりとりしようよ」

小鞠「えー、しりとり私弱いんだけど…」

夏海「いや、姉ちゃん弱いとかいうレベルじゃないじゃん」

夏海「この先大人になって、しりとりすら出来ないんじゃやってけないよ?」

小鞠「そうかなぁ…」

夏海「そうだよ じゃあウチからねー りんご!」

小鞠「え!? ちょ、ちょっと待っ…えっと、ご…ごりら!!!!」

夏海「ラッパ」

小鞠「ぱ…ぱ!? ぱ、ぱ…うーん、ぱ、ぱ…」

小鞠「ぱんつ!!!!」



夏海「…姉ちゃん、大声でパンツとか叫ぶのやめてくんない?」

小鞠「しょうがないじゃん!それしか思いつかなかったんだから……」

夏海「兄ちゃんが反応したらどうするの?」

小鞠「え?」

夏海「まあいいや、つくえ」

小鞠「え、えーっと、えー……えっ……えっち…」

夏海「え、なに?」

小鞠「な、なんでもない! なんでもないから!!今の無し!」

夏海「?」

小鞠「えっと、ちょっと待って…えでしょ…えー、え、」



小鞠「エプロン!!!!」



夏海「………」

小鞠「あ」

夏海「はーい姉ちゃんの負けー。ほんとしりとり弱いね~」

小鞠「………」

夏海「まあしりとりに限らず他のゲームも弱いけど~」

小鞠「………」

夏海「こりゃ人生ハードモードだな~」

夏海「って姉ちゃん?」

小鞠「………」

小鞠「うっ、うぅ…」

夏海「ちょ、な、何泣いてんの!?」

ガラララララ

雪子「夏海、ちょっとおつかい頼みたいんだけど……って……」

雪子「あんたまた姉ちゃん泣かせたの!?」

夏海「え?ち、ちが…」

雪子「いい加減にしなさい!!」

雪子「あんた妹でしょ!? 妹ならお姉ちゃんに優しくしてあげなきゃだめじゃない!!」

夏海「……え? えっと……」

雪子「……あら?」

夏海「それ逆なんじゃ…」



小鞠「うわあああああああああああああああああああ!!!!」

夏海「姉ちゃん姉ちゃ~ん」

小鞠「………」

夏海「ねえちゃ~ん」ツンツン

小鞠「……」

夏海「ねえちゃーん」ヨシヨシ

小鞠「……」

夏海「こまちゃーん」

小鞠「こまちゃん言うな!」

夏海「あっはは~ごめんごめん」

小鞠「もう……また私をからかいに来たわけ?」

夏海「違う違う、気を取り直してもう一回遊ぼうよ」

小鞠「いいけど…何するの?」

夏海「うーん、特に考えてないや」

小鞠「外は大雪だし、2人で遊ぶものは限られるよね。お兄ちゃんも呼んだら?」

夏海「あー、呼んだほうがいいかな?」

小鞠「私はどっちでもいいけど」

夏海「うーん、なんかそういう気分じゃないというか…」

小鞠「ふーん」


小鞠「そういえば最近あんた私によく構ってくるよね どしたの?」

夏海「え!? そ、そんなことないから!! うん!全然っ!気のせいだから!!」

小鞠「? なんでそんなに必死なの?」

夏海「ちょっとトイレ!トイレ行ってくる!」

タタタタタタタタタ

小鞠「い、いってらっしゃ~い?」

夏海「お、おまたせ~…」

小鞠「夏海大丈夫?お腹でも壊した?」

夏海「あー、そういうわけじゃないんだけど……」

小鞠「?」

夏海「あのさ、姉ちゃん……」


夏海「姉ちゃんって、可愛いよね」

小鞠「………」




小鞠「は?」

小鞠「急にどうしたの?」

夏海「いや、なんていうか、姉ちゃんってちっこいし、無理に大人ぶろうとするし、からかったら面白い反応するし…なんか可愛いなって」

小鞠「………」

小鞠「………」

夏海「ご、こめん!気持ち悪いよね、実の姉なのにこんなこと考えちゃって……」

小鞠「………」

小鞠「あはは、もしかして最近よく絡んでくるのってそのせい?」

夏海「うっ…ご、ごめ…」

小鞠「別に謝らなくていいって。少なくとも悪い気はしないから」

夏海「そうなの…?」

小鞠「うん。妹に好かれて嫌がる姉なんていないから」

夏海「じゃ、じゃあウチのこと嫌いにならない…?」

小鞠「嫌いになんてなるわけないでしょ?」

夏海「ほんとに?」

小鞠「ほんと」

夏海「良かった…」パアァ

小鞠「まったく、いつもの夏海らしくもな」

夏海「姉ちゃん大好き~!」ダキッ

小鞠「!? ちょ、ちょっと夏海!?」

夏海「えへへ~」ギュウ

小鞠「…はぁ、夏海もまだまだ子どもなんだから…」ヨシヨシ

夏海「姉ちゃんには言われたくないかなー」ギュウウ

小鞠「どういう意味よそれ…って、ちょっと待った!」

夏海「うお、いきなりどうした?」

小鞠「………」ジーー

夏海「?」

小鞠「あんた、いつの間にこんなに…」モミッ

夏海「ひぁん!///」


夏海「ね、姉ちゃん…いきなりウチの胸揉まないでよ…///」

小鞠「いいじゃん姉妹なんだし。あんただってふざけて蛍の胸揉んでるでしょ?」

夏海「それはそうだけど…」

小鞠「蛍に隠れて気づかなかったけど、意外とあんたも…何か秘訣でもあるの?」

夏海「そりゃ…毎日…姉ちゃんのこと想って…///」クネクネ

小鞠「キモッ!!」

夏海「ちょっ…冗談だって…そんなにドン引きしなくてもいいじゃん…」

小鞠「な、なんだ冗談か、びっくりした…」

小鞠「一応言っとくけど、いくらアンタでも一線を超えるのはお断りだからね!」

夏海「へいへいわかってますよー」

小鞠「ならいいけど…それで、何かしてることとかあるの?」

夏海「べつにー、姉ちゃんの栄養吸ってるとか?」

小鞠「ひどい!」

夏海「あはは、冗談冗談。特に何かしてるってわけじゃないなー」

小鞠「そっかー…」

小鞠「なんで私だけ成長しないんだろ。一番年上なのに…」

夏海「もしかして、姉ちゃん気にしてるの?」

小鞠「………」

夏海「なら夏海ちゃんがいいこと教えてあげよう!」

小鞠「ほんとに!?」

夏海「でもそのためには現状を把握しないといけないかなー」

小鞠「え」

夏海「そりゃっ!」

小鞠「きゃっ!」

夏海「ふむふむ……」モミモミ

小鞠「な、夏海ぃ…まだぁ…?///」

夏海「あーごめんごめん、終わったよ」

小鞠「はぁ…はぁ…それでぇ?」

夏海「ウチびっくりした。姉ちゃんぺったんこってわけじゃないんだね」

小鞠「どういう意味よ!」

夏海「そのままの意味だけど。てっきりまな板か何かかと思ってたわ」

小鞠「私をなんだと思ってるんだおまえは!」


小鞠「……それで、どうすれば成長するの?」

夏海「知らん」

小鞠「はぁ!? あんたねぇ…」

夏海「あー確か、人に揉んでもらうと大きくなるとか何とか?」

小鞠「本当なの?」

夏海「テレビかなんかで聞いただけだけど」

夏海「ねえ、やってみようよ!」

小鞠「なんでアンタが乗り気なのよ…まあいいけど」

夏海「じゃあウチが揉んであげる」

小鞠「えー……」

夏海「他に誰かいるの?」

小鞠「お母さんは……恥ずかしいし、蛍……は何か負けた気分になるし…」

夏海「ね?ウチしかいないっしょ?」

小鞠「うーん…」

夏海「大丈夫だって。ウチは何があっても姉ちゃんの味方だし、それに姉ちゃんの悩みをわかってあげられるのもウチだけだからさ。」

小鞠「なーんか胡散臭いなぁ」

夏海「そんなことないってば」


小鞠「夏海、もしかして…揉みたいだけとか?」

夏海「ギクッ」

小鞠「え!?まさか図星?」

夏海「あはは、おっかし~な~、ウチの姉ちゃんはもっと単純な子のはずなんだけどな~」

小鞠「あんたの誤魔化しにキレが無いだけじゃない?」

夏海「あはは…」

小鞠「でも、こんなこと頼めるのは夏海くらいだし、お願いしよっかな?」

夏海「マジで?効果があるかわからないよ?ていうか姉ちゃん嫌じゃないの?」

小鞠「今さらなによ。嫌だったら頼まないから」

夏海「うーん、どーしてもって言うなら、やってあげないこともないけど?」

小鞠「その言い方なんかむかつく」

小鞠「やっぱやめとこうかな…」

夏海「嘘ですごめんなさい何でもしますからやらせてくださいお願いしますお願いします」

小鞠「必死すぎでしょ…じゃあよろしくね」

夏海「ラジャー」

小鞠「あ、えっと……やさしくしてね?」

夏海「!?」

小鞠「……?」

夏海「あ、お、おう、この夏海ちゃんにお任せあれ!」

夏海(やばい、本格的に可愛いかも)

翌日

蛍(あぁこま先輩…今日も可愛いな…)

小鞠「蛍?」

蛍「ひゃい!?」

小鞠「どうしたの?顔がにやけてたよ?」

蛍「そ、そうですか!?な、なんでもないです!」

小鞠「そう?ならいいけど」

蛍「え、えーっと、何か御用でしょうか?」

小鞠「いやー実はさー、昨日夏海が私のことを、かわ」

夏海「ちょっと待ったああああ!!!」

蛍「な、夏海先輩!?」

夏海「姉ちゃん!ちょっとこっち来て!」ガシッ

小鞠「え!?な、なに!?ちょっと!な、なんなのー!」

夏海「はぁー危なかった……」

小鞠「ど、どうしたの急に」

夏海「どうしたこうしたも、ほたるんに昨日のこと言っちゃダメだって」

小鞠「え?なんで?」

夏海「わっかんないかなー、そんなこと言ったらほたるんが……」

小鞠「蛍が?」

夏海「……どん引きするかもしれないじゃん」

小鞠「そうかな?さすがにあの話までするつもりは無かったんだけど…恥ずかしいし」

夏海「どっちにしてもダメ!お願いだから言わないで!」

小鞠「わ、わかったよ…そこまで言うなら秘密にしとく」

夏海「じゃあそういうことで、教室に戻ろ?」

小鞠「う、うん」



れんげ「ほたるんほたるん」

蛍「れんちゃん、どうしたの?」

れんげ「廊下でなっつんとこまちゃんがお話ししてたのん。なんの話してるん?」

蛍「さ、さあ……私もよくわかんないよ」

れんげ「『ほたるんがドン引きするかもしれない』って言ってたん」

蛍「私が…ドン引き?」

れんげ「そうなん。ほたるん何も知らないん?」

蛍「う、うん…」

蛍(私がドン引き?小鞠先輩と夏海先輩…何かあったのかな?)

小鞠「ご、ごめんね蛍~」

蛍「あ、先輩、おかえりなさい」

蛍「あの…何の話を?」

小鞠「あー、うーん、えっと…ごめん。今は話せないんだ」

蛍「そうですか…」

蛍(夏海先輩が何か恥ずかしいことでもしたのかな?)


越谷家


夏海「姉ちゃん姉ちゃん」

小鞠「ん?なに?」

夏海「今日さ、一緒に寝ない?」

小鞠「いいよ 例の件もあるしね」

夏海「あー、なんか癖になってきたわ~」

小鞠「ちょ、ちょっと夏海ぃ…優しくしてって言ったじゃん…や!その手つきやめて!…くすぐったい!」

夏海「こしょこしょこしょこしょ」

小鞠「いやぁ! あははははははは!くすぐったい! あははははははは」

夏海「……」スッ

小鞠「……?」

夏海「……」ダキッ

小鞠「ふぇ!?」

夏海「ごめん姉ちゃん…つい…」ギュッ

小鞠「……もう!馬鹿!馬鹿夏海!」

夏海「あはは、メンゴメンゴ~」

小鞠「うざっ!」

夏海「やっぱ姉ちゃん可愛いわ」

小鞠「また調子のいいこと言って… 言っとくけどそれあんまり嬉しくないよ?」

夏海「ええ!? なんで!」

小鞠「だって……馬鹿にされてる感じだし」

夏海「いやいや、ウチ姉ちゃん馬鹿にしたこと一度もないし」

小鞠「えっ」

夏海「……え?」

小鞠「あんたそれ本気で言ってるの?」

夏海「あーえっと、本気で馬鹿にしてたわけじゃない、というか…」

小鞠「?」

夏海「ね、姉ちゃんが悪いんだよ」

小鞠「え? 私?」

夏海「いや、悪いのはウチか…」

小鞠「さっきから何言ってるのかわかんないんだけど」

夏海「すまん ウチもわからなくなってきた」

夏海「まあとにかく、ウチは姉ちゃん大好きだからさ。心配しないでよ」

小鞠「それはそれで心配なんだけど…」

夏海「姉ちゃんはどうなの?」

小鞠「ん?何が?」

夏海「ウチのことどう思ってるん?」

小鞠「うーん……」

小鞠「いちいち一言多くてムカつく妹」

夏海「……」

小鞠「って思ってたけど…別に馬鹿にしてるわけじゃないんだよね?」

夏海「まあ」

小鞠「えっと…昨日あんたと話してて思ったんだけど」

小鞠「その……あんたも可愛いところあるじゃん? って…」

夏海「………」

小鞠「………」

夏海「………」

小鞠「な、何か言ってよ!」

夏海「姉ちゃん熱でもあるの?」ピトッ

小鞠「へ!? な、ない!ないから!!」

夏海「? ならいいけど…今日姉ちゃんおかしくない?」

小鞠「……」

夏海「ウチのこと可愛いとか…なんか挙動も不審だし?」

小鞠「それを言うならあんたもでしょ…」

夏海「ん? あー、言われてみれば?」

小鞠「はぁ、あんたのせいで調子狂いっぱなしなんだから…今日はもう寝よ?」

夏海「そうだね。じゃあおやすみのキスしよう」

小鞠「おやすみ」クルッ

夏海「スルーしないでよ~姉ちゃん~」ユサユサ

別の日

小鞠「お兄ちゃん いる?」

卓「!?」

小鞠「えっと…ちょっといいかな?」

卓「」ウン

小鞠「え? 私が来るのは珍しい? 確かにねー 最近あまりしゃべらないよね」

卓「」

小鞠「あ、えっと…実は、ちょっと相談したいことがあって……聞いてくれる?」

卓「」オッケー

小鞠「お兄ちゃんと夏海ってさ、仲良いよね」

卓「」ウン

小鞠「よく『兄ちゃん兄ちゃん』って言って絡んでくるでしょ?」

卓「」ウン

小鞠「そういう時、お兄ちゃんはどんな気持ちなの?」

卓「」

小鞠「ふーん…じゃあやっぱり私がおかしいのかな…」

卓「?」

小鞠「あのね、最近夏海が私のことを可愛いとか言って、よくくっついてくるんだよね」

卓「」

小鞠「これってどう思う?」

卓「」

小鞠「別にいやってわけじゃないんだけど…妙に馴れ馴れしいっていうか、いつもと違うっていうか…」

卓「」

小鞠「えーっと、抱きついてきたり、あとは……その…胸を揉みあったりとか…」

卓「!?」

小鞠「お、おかしいよねやっばり! 」

卓「」キマシタワー

小鞠「お兄ちゃん?」

卓「」

小鞠「確かに姉妹だけど…ちょっとやりすぎかなって まあ頼んだのは私なんだけど…」

卓「」

小鞠「そうかな? まあそれは置いといてさ、夏海が何を考えてるのかわからないんだよね…」

卓「」

小鞠「夏海にしてあげてること? うーん、宿題手伝ってあげたりとか、掃除手伝ったり、一緒に遊んだり…とか」

小鞠「でも私不器用だから、よく失敗しちゃって笑われちゃうんだよね…」アハハ

卓「」

小鞠「そんなことないよ…姉として情けない…」

卓「」

小鞠「え? お兄ちゃんわかったの?」

卓「」ははは

小鞠「? まあ確かに夏海はまだ子供だけど、それなら私だって…」

卓「……」

卓「」キリッ

小鞠「え!? そうなの!?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「な、なるほど…確かに… でも、なんで急に?」

卓「」

小鞠「急じゃない?どういうこと?」

卓「」

小鞠「素直になった? 夏海が?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「じゃあ今までずっと私に絡んできたのも、私に甘えてたってこと?」

卓「」ウン

小鞠「ふーん……」

小鞠「………」

小鞠「」ブッ

小鞠「あははははははははははははは」

卓「!?」

小鞠「そっかーまさか夏海がねー はははは」

小鞠「かわいいねっ」

卓「」ウンウン

小鞠「お兄ちゃんもそう思うの?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「え?私も? エヘヘ…なんか照れる…」

卓「」ナデナデ

小鞠「ふふっ こういうのも久しぶりだね」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「え!? そうなの!?」

卓「」ウン

小鞠「いくら仲いいとはいえ、いつもやってるって普通なの?」

卓「」ウーン

卓「」

小鞠「だよね… 大丈夫かな夏海」

卓「?」

小鞠「だ、だって……もしもお兄ちゃんに…恋とかしてたら……」

卓「!!??!??!?」

小鞠「も、もしもの話だから!ね?」

卓「」ウン

ごめんなさい
急用ができたので少しだけ休ませてください

お待たせしました

卓「」

小鞠「私も無いとは思うけど…昔お兄ちゃんと結婚するとか言ってたみたいだし?」

卓「」

小鞠「そうだよね、今はそんなことないよね」

卓「」

小鞠「え?私に?」

卓「」

小鞠「やっぱりその可能性あるよね…」

小鞠「私もそれ考えると混乱しちゃって、夏海をどういうふうに見ればいいのかわからなくなっちゃって…」

小鞠「夏海のこと可愛いって思うのは変なのかなって思ったけど、そんなことないよね?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「おぉ~ お兄ちゃんいいこと言うねっ」

卓「」///

小鞠「そうだよね。私は私らしく普段通り過ごせばいいよね」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「ん?何?」

卓「」

小鞠「アドバイス?」

卓「」

小鞠「背伸びなんてしてるかな…」

卓「」

小鞠「だって、あの中では一番年上だし…大人っぽくしなきゃって」

卓「」

小鞠「ご、ごごごめん!忘れてた!2番目だよね!」

卓「」シュン

小鞠「え、えっと!悪気はなかったの!だからごめん……」

卓「」

小鞠「うん」

卓「」

小鞠「自然と…?」

卓「」

小鞠「……」

卓「」

小鞠「なるほど… お兄ちゃん、色々考えてるんだね。私よりよっぽど大人だよ」

卓「」

小鞠「でもさ、蛍に大人っぽさで負けてるのはちょっと…」

卓「」ハァ

小鞠「勝ち負けにこだわる時点で子供?」

卓「」コク

小鞠「……」

卓「」

小鞠「蛍にも?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「大人の条件? うーん、オシャレとか、お金持ちとか?」

卓「……」ウーン

小鞠「違うの?」

卓「」

小鞠「行動…?」

卓「」

小鞠「夏海? いやいや夏海は大人っぽくないでしょ わがままばっかりだし」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「ほ、ほんと?」

卓「」ウン

卓「」

小鞠「……」

卓「」

小鞠「……」

卓「」

小鞠「特別なことする必要はない?」

卓「」ウン

小鞠「心に余裕をもって、落ち着いていつものように過ごせば大人っぽく見えるの?」

卓「」ウン

夏海「兄ちゃ~ん……ってあれ?姉ちゃん?2人で何してたの?」

小鞠「ちょっと相談事」

夏海「え?めっちゃ気になる!ウチにも相談して~」

小鞠「だ、誰が夏海になんて!」

卓「」ポンポン

小鞠「あ……」

小鞠「……」

小鞠「わ、私って大人っぽいと思う?」

夏海「……」

夏海「……」

夏海「あっははははははははは!!!」

小鞠「な、何がおかしいんだ!」

夏海「姉ちゃんが大人っぽいとかwwwww太陽が東から登ってくるわwwww」

小鞠「いやそれ普通だから」

夏海「あれ?そだっけ?」

小鞠「あんたはちゃんと勉強しなよ」

夏海「あーはいはいわかってますよーだ」

小鞠「それで、どうなの?」

夏海「普通にほたるんの方が大人っぽい気がするけど」

小鞠「うっ……」

夏海「まあアグレッシブほたるんの時は微妙だけど…」

小鞠「……」

夏海「まず見た目がなぁ…」

小鞠「……」

夏海「怖がりだし」

小鞠「……」

夏海「すぐ必死になるし?」

小鞠「……」

夏海「なんか姉というより妹っぽいんだよねー」

小鞠「……」

夏海「……」

小鞠「……」

夏海「あとこまちゃんだし?」

小鞠「……」

夏海「姉ちゃん?」

小鞠「なるほど…ありがと夏海、参考になったよ」

夏海「へ?」

小鞠「ん? どうかしたの?」

夏海「……」

小鞠「?」

カチッ

卓「!?」

小鞠「ちょ!で、電気消さないで!な、何も見えない! やだぁ!」

夏海「わああああああああ!!!」

小鞠「ぎゃああああああああああああああああ!!!!」

卓「!!??」

カチッ

夏海「なんだ、いつもの姉ちゃんだったか……って…」


小鞠「う…うぅ…」ギュッ

卓「///」テレッ


夏海「ストップ!姉ちゃんなにやってるの!」

小鞠「だ、だってぇ…」

夏海「ほら離れて!」グイッ

夏海「兄ちゃんも!何赤くなってるの!」

卓「!?」

卓「」ブンブンブンブンブン

夏海「はぁ…なんでこんなことに…」

小鞠「あんたのせいじゃん…」

卓「」ウンウンウンウン

小鞠「私が怒らないからやった?意味わかんない」

夏海「普段の姉ちゃんだったら怒るじゃん」

小鞠「……そうゆうことね」

小鞠「ふふっ、私そういうので怒るのやめたから」

夏海「えー、つまんないの。ウチ姉ちゃんの怒る顔好きなんだけどなぁ」

卓「」ウンウン

小鞠「お兄ちゃんまで…そんなこと言われても困るよ…」

夏海「しょうがないなー…だったら別の手を使おう」

小鞠「え?」

夏海「まずは姉ちゃんを抱きしめます」

小鞠「わっ…ちょっと夏海…」

夏海「そして耳に息を吹きかけます」フッ

小鞠「ひゃんっ!///」

小鞠「ちょ、ちょっと!お兄ちゃんも見てるんだけど!」

夏海「どう?兄ちゃん」

卓「」b

小鞠「えー……」

夏海「せっかくだし、久しぶりに3人で遊ばない?」

夏海「最近全然遊んでないしさ」

小鞠「あんたは遊びまくりじゃん」

夏海「そうだけど…最近姉ちゃんほたるんとばっか遊んでるし」

小鞠「蛍は友達なんだし普通じゃない? あんただってれんげと遊んでるでしょ?」

夏海「………」

夏海「れんちょんは駄菓子屋に行ってることが多いんだよなぁ」

小鞠「……」

小鞠「え…じゃああんたは何してるの…?」

夏海「……」

夏海「ん、家でダラダラしたりとか適当に散歩?」

小鞠「夏海……」

夏海「まあ、ウチ1人でも平気なタイプだし?だから全然寂しくなんかないっていうか?」

小鞠「嘘だよ…あんたはそんなタイプじゃない」

夏海「……」

小鞠「もっと早く相談してくれれば良かったのに…」

夏海「だ、だって、この年になって姉ちゃんや兄ちゃんを頼るのもなんか気が引けるし…」

小鞠「そっか…ごめんね夏海 気づいてあげられなくて」

夏海「姉ちゃんはわるくないからさ、そんな顔しないでよ。ウチもう寂しくなんてないからさ」

小鞠「うん…」

小鞠(そっか…夏海が妙に構ってくるのは私に甘えてただけじゃないんだね…)

小鞠「でもそれなら私たちと一緒に来ればいいのに。蛍も喜ぶと思うけど」

夏海(それはどうかなー)

夏海「姉ちゃんとほたるん仲良いじゃん?だからウチなんかいてもお邪魔虫かなって」

小鞠「あんたいつからそんな卑屈になったのよ…いつも私の邪魔ばかりするくせに」

夏海「姉ちゃんの邪魔はできてもほたるんの邪魔はできないし」

小鞠「?」

小鞠「よくわかんないけど…何か悩みがあったら、私かお兄ちゃんやお母さん、誰でもいいから相談しなさいよ?みんなあんたの味方なんだから ね?」

卓「」ウン

小鞠「私だってお兄ちゃんに相談したんだしさ」

夏海「うん わかってる」

夏海「あのさ」

夏海「さっき姉ちゃんは妹っぽいって言ったけどさ、ウチ見直した。姉ちゃんは姉ちゃんだわ」

小鞠「何当たり前なこと言ってるの。妹に妹っぽいとか言われるようじゃ姉として失格なんだから」

夏海「ウチ思ったんだけどさ、姉ちゃんって大人っぽくなりたいんだよね?」

小鞠「え? う、うん…」

夏海「でも姉ちゃんの場合、大人っぽくしようとして失敗したり、逆に子供っぽくなったりしてるじゃん?」

小鞠「う……そうかもね…」

夏海「でもさっきの姉ちゃん、すごい大人っぽかった」

小鞠「え? ほ、ほんとに?」

夏海「うん ウチの気持ちに気づいてくれて嬉しかったよ」

小鞠「そっか」

夏海「さっきは大人っぽさとか意識しなかったんでしょ?」

夏海「だからさ、大人っぽくしようと意識しない方がいいと思う」

夏海「ほら、ウチらまだ中学生じゃん?無理に大人になろうとしなくていいじゃん」

夏海「普段通りに過ごせば姉ちゃんはまあまあ大人っぽいんだし」

夏海「あと、ちょっとしたことで取り乱しすぎ。もうちょっと落ち着きなよ」

小鞠「その普段通りを壊してるのはあんたなんだけど」

夏海「ぐっ…! だって面白いんだもん反応が…」

小鞠「でも、さすが兄妹だね。2人とも同じこと言ってる」

夏海「え、マジ?」

卓「」ウン

夏海「つまりウチら結ばれてるってこと!?」

小鞠「はい?」

夏海「やったー!兄ちゃん大好きー!」

小鞠「まったく…お兄ちゃんから聞いてるんだから。あんたいつもお兄ちゃんに髪なでてもらってるらしいじゃん」

夏海「それが?」

小鞠「ほどほどにしときなさいよ。お兄ちゃんも困ってるよ」

夏海「……」



夏海「あるぇー? 姉ちゃん、あるぇーー?」

小鞠「な、何よ!」

夏海「もしかして嫉妬~?兄ちゃんにウチを取られるのがそんな悔しいの~?」

小鞠「そ、そんなことない!」

夏海「兄ちゃんごめんねー 姉ちゃんウチがいないと寂しいんだって」

卓「」ウン

小鞠「ちょっと!二人とも勝手に決めつけないでよ!」

夏海「いやー、姉ちゃんの怒った顔可愛いわ」

小鞠「なっ…! ば、馬鹿!! 馬鹿夏海!!」

夏海「あっはははははははは な~にが『私そういうので怒るのやめたから』だwwww 自分で言ったこともできないでやんのwww やっぱこまちゃんはお子ちゃまでちゅねwww ほらおねんねのじかんでちゅよーwwwwwww」

小鞠「ぐ、ぐぬぬぬ……」

夏海「お子ちゃまのこまちゃんには夏海お姉ちゃんが添い寝してあげまちゅよーww」

小鞠「………」

小鞠「はぁ、まだ私眠くないんだけどな…」

小鞠(まあ、夏海が楽しそうだからいいか…)

別の日の夜

夏海「この日課はじめてからどんくらい経ったっけ?」モミモミ

小鞠「1ヶ月くらいじゃない?」

小鞠「どう?ちょっと変わってきた?」

夏海「うーん、特に変わってない」モミモミ

小鞠「えー……」

夏海「思ったんだけどさ、ドラマとかで男女のこういうシーンあるじゃん?」

小鞠「え? う、うん」

夏海「もっと激しくない?」

小鞠「……まあ、そうだね」

夏海「つまりウチらももっと激しくやらないとだめなんじゃ!?」

小鞠「!?」

夏海「ほら、女の人とか『はあああぁ~ん!』みたいな声あげてるじゃん あんな感じでさ」モミモミ

小鞠「そういえば、なんであんな変な声出すんだろ」

夏海「さあ…」モミモミ

夏海「とりあえず色々やってみるね」

小鞠「え?」

小鞠「ちょっと!なんで服めくるの!?」

夏海「いくよー」

夏海「……」ツンツンモミュンヌリュッグチュグリッコリッヌッチョンニャンパスグッチョングリグリ

小鞠「な!?んあっああん!なつっひゃあああっああんああ!!」ビクンビクン

夏海「……え?」

小鞠「はぁ……はぁ……はぁ……///」

小鞠「い、今のなにぃ…?」///

夏海「え? いや……それウチが聞きたいんだけど……大丈夫?」

小鞠「う、うん……」

小鞠「なんか凄いのきた…死ぬかと思った」

夏海「ご、ごめん!そんなつもりじゃなかった!」

小鞠「うん…」

夏海「でも、さっきのドラマの人の声に似てたような?」

小鞠「……おぉ!確かにそうかも!」

夏海「つまりこれが正しい揉み方ということか!」

夏海「でも…なんか姉ちゃん苦しそうだったしやめといた方がいいかな?」

小鞠「………」

夏海「姉ちゃん?」

小鞠「えっと……苦しかったわけじゃない…というか…」

夏海「え? 痛かったんじゃないの?」

小鞠「そうじゃなくて…なんて言ったらいいのかな…全身が震えて意識が飛びそうになって……」

小鞠「天国に行ったような感覚だった」

夏海「よくわかんないけど、良かったってこと?」

小鞠「そ、そう!良かった! ちょっと怖かったけど、またやってよ」

夏海「姉ちゃんがそういうなら構わないけど…ほんとに大丈夫?」

小鞠「うん」

小鞠「」



夏海(やば…姉ちゃんの体弄り回ってたら姉ちゃん失神しちゃった…)

夏海「姉ちゃん!姉ちゃん!?死んでないよね!?」



小鞠「ん……?」

夏海「あ、姉ちゃん…良かった……」

小鞠「………?」

小鞠「なつみ……えへへ…///」

小鞠「すごくよかったよ///」

夏海「あ、あはは」

夏海(かわいい)

小鞠「私、疲れちゃった…」

夏海「ウチも。そろそろ寝る?」

小鞠「うん」

小鞠「服着るね」

夏海「うん」

夏海「今日のことはみんなには内緒ね」

小鞠「うん さすがに恥ずかしいかも…」

夏海(すごかったなー今日の姉ちゃん)

夏海(なんか大人の階段登っちゃったって感じだ)

夏海「じゃあおやすみ姉ちゃん」

小鞠「すぅ………すぅ…………」zzz

夏海「もう寝てるし…」

小鞠「…すぅ………………」zzz

夏海(やっぱり姉ちゃんってかわいいよね…)

夏海(体ちっちゃいし、こうしてみるとやっぱり妹みたいだ)

夏海(暗くてよく見えないけど、幸せそうな寝顔してる)

夏海(………………)

夏海(ほっぺだったら…いいよね?)


チュッ


夏海(うわぁ、うわぁあぁぁ! しちゃった…///)

夏海(ついに一線超えちゃったかも…///)

翌朝

雪子(夏海はいつものことだけど、小鞠も起きてこないのは珍しいわね)

がちゃ

雪子「小鞠~!朝よ~起きなさ~い!」

雪子「って……」

雪子(また2人で寝てる…最近仲良いわね)

小鞠「……? おかあさん?」モゾモゾ

雪子「早く起きないと遅刻するわよー」

小鞠「はぁい」モゾモゾ

雪子「朝食の準備できてるから、着替えたらいらっしゃい」

小鞠「はぁい」モゾモゾ

がちゃ

小鞠(ぬ、抜けられない!夏海抱きしめる力強すぎ!)

小鞠「夏海!朝よ!起きないと遅刻するよ!」モゾモゾ

夏海「ん……んん……あと5時間…」

小鞠「ふざけてないで起きてよ!私まで遅刻しちゃうんだから!」キック

夏海「ぐぇっ! わ、わかったよ…」

半年後

小鞠「お?おおおお?」

小鞠「やた!きつい!きつくなってるこの水着!」

夏海「えー、それ太っただけじゃない?全体的にピチピチじゃん」

小鞠「うっ……いや、それは仕方ないというか…」

夏海「まあもともと細かったし、このくらいの方がいいんじゃない?」

小鞠「ちゃんと胸も大きくなったし!あと背も伸びたんだからいいの!」

夏海「あー、6cm伸びたんだって?」

小鞠「うん!これで鯖読む必要なくなったよ!」

夏海「あ、あははは、よかったね姉ちゃん」

小鞠「うん!」

夏海(良かった…さすがに140以下じゃ悲しいもんね)

小鞠「新しい水着買ってもらうようお母さんにお願いしてくるね」

夏海「ウチもー!」

小鞠「はあ?あんた去年買ってもらったばかりじゃん それに背もたいして変わってなかったでしょ」

夏海「実はさー」



夏海「……」

夏海「ほら、ここキツイし」

小鞠「…ちょっとこっち来て」

夏海「ん?」

小鞠「……」グイイイ

夏海「ちょ!無理やり着せようとしないで!」

小鞠「…あんたはもう成長しなくていいじゃん」

夏海「姉ちゃんが揉みまくるからじゃん」

小鞠「うっ………」

小鞠「まあいいや 私が成長したのはあんたのおかげだしね ありがと、夏海」

夏海「えへへ~ どういたしまして~」

小鞠「いくら背が伸びたとはいえ140じゃねぇ まだまだこれからだね」

夏海「ウチに追いつく日は永遠にこないだろうけどね~」

小鞠「それはどうかな?」

小鞠「夏海を追い越して蛍に追いついてみせるんだから!」

夏海「あ、それは無理だわ」

小鞠「…うん だよね」

れんげ「海なのん」

一穂「海、きたねー」

小鞠「海ですねー」

一穂「こまちゃんは今年も泳がんの?」

小鞠「ふっふっふっ」

一穂「?」

小鞠「じゃーん!! 新しい水着買いました!」

一穂「おぉ… 良かったなぁ」

小鞠「はい!」

一穂(体は小さいが出るところはちゃんと出ている… こりゃひかげの負けか)

れんげ「おおおお!こまちゃんかわいいのん」

小鞠「あはは ありがとれんげ」

れんげ「ひか姉、どんまいん!」

小鞠「?」

蛍「せんぱ~い!お待たせしました~!」

小鞠「あ、ほた……る!?」



蛍「せんぱ~い!」ボインボインボインボインボイン



れんげ「はっ!」

小鞠「」

一穂「」



終わり

読んでいただきありがとうございました

良い落とし所がみつからず申し訳ありません
海のくだりはオマケ的な位置づけでした

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