もし千尋が強烈なツッコミ要員だったら【千と千尋の神隠し】(117)

※注意

キャラ崩壊(特に千尋)注意
ストーリーわずかに変更
原作のイメージも崩壊必至

なので見る際は注意してください

ガラガラガラ・・・

父「千尋、もうすぐだよ」

母「やっぱり田舎ねぇ。買い物は隣町に行くしかなさそうね」

千尋「田舎・・・ってちげえぇぇぇぇ!!何で公道を戦車で走ってんだオヤジィィィ!!!」

父「母さんが戦車道極めてるからだぞ」

千尋「知らねぇよんなモン!しかもオヤジが運転してんじゃねーかァァ!!」

母「もう、うるさい子ね。ほら、新しい学校見えてきたわよ。綺麗なところね」

千尋「その綺麗な学校の裏道を戦車で荒らし回ってるオヤジに一言ツッコミ入れろよぉぉ!」

父「あれ、道間違えたかな。おかしいな・・・」

母「あそこじゃない?ほら、あの青い家」

千尋「あぁぁよかったぁぁ戦車が家の前の道路踏み潰さなくてさぁ」

父「千尋、もうアウディはご逝去なされたんだから、もう何も言うな」

千尋「オヤジが飲酒運転してガードレールに激突したからだよな?な?そこちゃんと理解しとけよ?免許はく奪されるぞ?」

父「・・・あれ、何かな?」

母「ほこらみたいね・・・」ガタンッ!

千尋「お父さん、大丈夫?」

父「まかせとけ、こいつは戦車だぞ!」

千尋「あんな質問をする私は馬鹿だったねうん!」

千尋「うわっ!うわああっ!」

母「あなた!しっかり運転して!砲塔が木に引っ掛かってるわよ!」

父「仕方ないなぁ。それっ!」ズドーン

千尋「何で撃ってんだぁぁぁ!!街中でぶっ放すなぁぁぁ!!」

父「イエェェス・・・って、行き止まりだ」キィィ

戦車の前に赤い建物が出現した。三人は戦車を降りる。

母「なぁに、この建物」

父「門みたいだね。モルタル製か。結構新しい建物だよ」

千尋「ところどころ塗装剥がれてんだけどさ、何で気づかないの?ちゃんと目ぇ見えてんの?」

母「あ、あなた!・・・もう」

千尋「ここどこ?」キィィン

父「ジェットエンジンの音だ」

母「飛行場が近いのかもしれないね」

千尋「さっき地図見たけど無かったろ・・・ちゃんと見とけよ、なぁ・・・」

母「飛行場はなかったけど、こんなところに家があるわね」

父「テーマパークの残骸だよ。バブルが弾けて計画中のものが全部つぶれちゃったんだよ。その一つだよ、きっと」

千尋「えぇーっ、まだ行くのー?お父さん、もう帰ろうよ!ねぇーっ!・・・あいつらは話を聞かないからな」

父「ん、何か匂わない?」

母「あら、そうね」

父「案外、まだやってるのかもしれないね。行ってみようよ」

父「こっちだ。ケーキがいっぱい並んでるね」

千尋「ちょっと待てぇぇ!何で中華風の建物にケーキが山盛りされてんだよぉぉぉ!しかも奥にアニメのポスター並んでんじゃねぇかあぁぁぁ!世界観守れぇぇ!」

父「やることは一つだね」

母「食べましょ。カード持ってるし」

千尋「意地汚さは一級品だなオイ!ってこら何食ってんだよ!」

母「ん、おいしい。千尋、すっごく美味しいわよ」

千尋「もう知らないからな!もう知らないからな!大事なことだから二度言ったぞ?!」

千尋「はぁ・・・」トボトボ

諦めて店を出る千尋。角を曲がった先にあったのは、油屋と書かれたのれんを擁する巨大な城のような建物だった。

千尋「へんなの。・・・あ、下から何か聞こえる」

千尋「電車かな・・・って何だあれぇぇぇ!!リニア走ってんじゃねぇかぁぁぁ!世界観守れって何度言えばわかるんだコラァァ!!」

ハク「・・・!ここに来てはいけない!すぐに戻れ!」

千尋「えっ・・・?」

ハク「ここはもうじき夜になる!その前に早く戻れ!」

沈黙していた商店街に灯りが入り、何も無かったところに人影が立つようになった。

ハク「もう灯りが入った!急いで!私が時間を稼ぐ!川の向こうに走れ!」ドン

千尋「何よあいつ・・・」

千尋「お父さーん!帰ろ・・・って何じゃお前らァァ!!」

さっきまで父と母が座っていた場所に、二人の黒人男女が腰を振っていた。

黒人男「イエェェス!ノってるかいお嬢さーん!」

黒人女「YEAH!平家BOY♂」

千尋「うわぁぁぁ!何かきめぇぇぇぇ!!!」

店の主人「早く出て行けよBOY!イェア!」ベシッベシッ

黒人男「ぐはぁぁ!!も、もうダメだよハニー・・・僕はもう・・・」

黒人女「あなたぁぁ!!・・・くそ!この借り、かならず返してやるぜBOY・・・!」

千尋「何だこのgdgdはぁぁぁ!!」

千尋「うそだうそだうそだ・・・豚ならまだしもファンキーな黒人になっちまうなんて・・・ゆめだゆめだゆめだ!きえろ!」

千尋「あぁ・・・って何だこれぇぇぇ!!」モニョモニョ

気づけば、千尋の足が細くなり、メガネのフレームになっていく。

千尋「メガネのフレームって何だよこれぇぇ!!もっとマシなのに変えやがれぇぇぇ!!」

プォォォォ・・・

千尋「向こう岸から・・・って空母じゃねぇかアレぇぇ!ふっざけんなコラァァ!!」

接近してきた空母からタラップが降り、春日様がぞろぞろと出てくる。そして、最後の春日様が出たところ・・・

ドカァァン!!

春日様「へっ、汚ぇ花火だ」

千尋「何で自分が乗ってきた船吹っ飛ばしてんだオイーー!!ベ●ータやめぇぇぇ!!」

千尋「・・・っ!」

ハク「怖がるな。お前は私の味方だ。これを喰え」

千尋「や、やぁぁっ・・・」

ハク「口を開けて。この世界のものを食べないと、君は伊達メガネになってしまう」

千尋「すっげぇ嫌だなソレ」

ハク「大丈夫、食べてもファンキーな黒人にはならない。噛んで飲み込みなさい」

千尋「んん・・・んぐ、んぐ」モグモグ

ハク「もう大丈夫。触ってごらん」

千尋「・・・大丈夫」

ハク「ごめん、トイレ行ってからまだ手を洗ってなかった。ごめん」ジャバジャバ

千尋「うぎゃああぁぁぁきったねぇぇぇ!!つか、さっきのおにぎりも・・・ぎゃぁぁぁぁ!!」ゲホゲホ

銀魂のノリって言っておけばよかったかな

ここから言い訳
千尋の口調でツッコミを入れる場面が思い浮かばなかった
もう新八にしとけばいいやと思った

バサッ バサッ キエー

ハク「・・・!」ドン

千尋「あれ、カラ・・・」

ハク「声を立てるな。・・・そなたを捜しているのだ。時間が無い、走ろう」

千尋「あっ、立てない・・・力が入んない・・・」

ハク「落ち着いて。深く息を吸ってごらん。・・・イエァァァァ!!」

千尋「呪文キモチワルっ!」

橋の下を離れ、千尋とハクは商店街を通って油屋への道を歩いていく。さっきとはケタ違いの人が集まっている。

ハク「橋を渡る間、息をしてはいけないよ。ちょっとでも吸ったり吐いたりすると、術が解けて店の者に気づかれてしまう」

千尋「でも、怖いよ・・・」

従業員「いらっしゃいませー。いらっしゃいませー。早いお着きで。いらっしゃいませー」

ハク「所用からの戻りだ」

従業員「へい、お戻りくださいませ」

ハク「息を吸って・・・止めて」

千尋「・・・んっ!」

息を止めたまま、橋を通るハクと千尋。

青蛙「いよっしゃぁぁ!!空母が吹っ飛んだ!」

千尋「何で喜んでんだ・・・あっ!」

青蛙「ひっ、人か!?」

ハク「走れ!」

青蛙「あっ待t」ベキッドカッ

千尋「体術で黙らせたよ、つくづく怖い人だなぁ」ノンビリ

ハク「何をしている!走れ!」

ハク「感づかれたな」

千尋「ごめん、私、息しちゃった・・・」

ハク「千尋はよく頑張った。・・・でも、ここにいれば必ず見つかる。私がみんなを少し黙らせてくるから、その隙にここから抜けだして・・・」

千尋「店の従業員黙らせてどうすんだよオイ!」

ハク「・・・ダメか?」

千尋「さすがにマズいんじゃ」

ハク「とりあえず、ここから離れるんだ。ご両親を助けるためにも」

千尋「やっぱりファンキーな黒人になったの、夢じゃなかったんだ・・・」ガックリ

ハク「騒ぎが収まったら、裏口の門から外の階段を一気に降りるんだ。そこにボイラー室がある。そこにいる釜爺に会うんだ」

千尋「ハマジ?(難聴」

ハク「・・・君にもボケの素質があるみたいだ。とにかく、その人にここで働きたいと頼むんだ。断られても、粘るんだよ。ここでは仕事を持たない者は、湯婆婆にファンキーな黒人にされてしまう」

千尋「湯婆婆って?」

ハク「ここを支配している胡散臭い魔女だ。ファンキーになりたいとか、レゲエ聞きたいとか言わせるように仕向けるけど、働きたいとだけ言うんだ」

ハク「わけがわからなくても、耐えて機会を待つんだよ。そうすれば、湯婆婆には手は出せない」

千尋「幾らか突っ込みどころがあったから突っ込んでいいかな?ね?つか突っ込ませろ!」

従業員「ハク様!ハク様!どちらにおられますか!」

ハク「行かなきゃ。忘れないで、私は千尋のよm・・・味方だから」

千尋「今なにかヘンなこと言おうとしたよね?・・・って、何で私の名を知ってるの?」

ハク「そなたの小さい頃から知っている。私の名は・・・コ・ハーク3世だ」

千尋「嘘をつけぇぇ!!ハクって呼んでたろ今ぁ!」

ハクは千尋に笑いかけ、庭から廊下に上がる。

ハク「私は・・・ここだッ!!」ベキッドカッ

従業員「ぐああああっ!?」バタッ

千尋「従業員ぶっ倒してどーすんだぁぁぁ!!」

ヒュオォォ…

千尋「この先にボイラー室があるんだよね・・・」

千尋(高い・・・怖いな)

千尋は怖がりながらも、木製の階段に足をかける。

バリッ!

千尋「いやっ!あああああっ!!」ダダダダ

千尋「あああ──」ベチャ

千尋「いきなり階段が壊れるなんて、聞いてないよ・・・」

ガチャ

千尋「ボイラー、室・・・」

千尋「・・・!あつっ」

ボイラー室の通路を進むと、少し広めの空間に出た。奥には大きな釜があり、その近くに足が何本も生えた老人が何かの作業をしている。

千尋「あの・・・すみません!」

釜爺「ぁあ?んだテメェ」

千尋「柄悪いなオッサン」

釜爺「ワシは釜爺だ。風呂釜にこき使われとるジジイだ。チビ共!早うせんといてこますぞオラァ!」

ススワタリ1「チッ、ジジイが」

ススワタリ2「おととい来やがれってんだ」

ススワタリ3「だらしねぇ・・・」

千尋「すっごく険悪なんですけど!完全に893じゃねーか!」

カタカタ…

千尋「?」

千尋の足元で、ススワタリが石炭を重そうに持っていた。数歩歩くと、重みでつぶれてしまった。

ススワタリ4「ぐはっ!俺はもうダメだ・・・お前ら、後のことは、頼んだ・・・」

ススワタリ5「ススワタリィィ!!くッ、せめてコイツの仕事を楽にさせてやれたら・・・!」

千尋「・・・持てって言ってるなら最初に言ってよ」ヒョイ

千尋「「あっ!あっ!」ヨロヨロ

千尋(意外と重い・・・)

釜爺「何してんだァ!手ぇ出すならしまいまでやれ!」

釜爺の怒声を背に、千尋はしぶしぶ石炭を釜まで持って行く。釜に石炭を投げ、急いで戻る。

ススワタリ6「ケッ、新人がやんのか。じゃ、俺らはニートするぜぇ」

ススワタリ7「いい考えだなアンタァ・・・ぐおっ」

「あがっ!」「おふっ!」「アッー!」「ひぎぃ!」カランカランカラン

釜爺「こらぁチビ共!ただの売れないアイドルに戻りてぇのかァ!・・・あんたも気まぐれにこいつらの仕事をとっちゃならねぇ」

釜爺「働かなきゃな、こいつらの魔法は消えちまうんだ。仕事なら他を当たれ」

千尋「売れないアイドルの方が幾分マシだろ・・・ススに変えられるくらいなら」

釜爺「ぁ?」

千尋「何でもありません」

やっと暇になったから更新続けるわ
by >>1

リン「メシだよー」

釜爺「おお、飯か。きゅうけーい!」カーンカーン

リン「なぁんだ、またケンカしてんの?よしなさいよもー。器は?ちゃんと出しといてって言ったのに」パラパラ

千尋「・・・何でススがこんぺいとうなんて食ってんだ」

リン「うわっ、人間じゃん!やばいよ、上で大騒ぎしてたんだよ?」

千尋「あー無視ねハイハイ」

釜爺「お前は黙っとれ。そいつはわしの孫じゃ」

リン「孫ぉ!?」

釜爺「ここで働きたいって言うんだが、ここは生憎手が足り取る。おめぇ、湯婆婆のところに連れて行ってやってくれねぇか?」

リン「やなこった!あたいがファンキーな黒人にされちまうよ!」プンスカ

千尋「どんだけファンキーな黒人が好きなんだ、その湯婆婆って奴」

釜爺「・・・これでどうだ?東京ディズニーランドのペアチケット」

千尋「何で持ってんだジジイ!?」

リン「・・・チェ、そこの子、ついて来な」

千尋「あっ、はい」

リン「靴なんて持ってどうすんのさ。靴下も!」

千尋「靴箱すらないのか、ショボい店だ」

リン「どっから入って来たか、もう一度よく辺りを見回しな!」ガツン

千尋「いたい・・・」

リン「ったく・・・ほら、お礼は言ったの?」

千尋「あっ、ありがとうございました」ペコリ

釜爺「グッドラック!」ビシッ

リン「湯婆婆は建物のてっぺんのその奥にいるんだ」

千尋「・・・魔王かよ」

リン「魔王ねぇ、確かにそうかもね」

千尋「・・・」

リン「鼻がなくなるよ」

千尋「あうっ」

リン「・・・」キョロキョロ

周りを見まわしつつ、エレベーターに乗る。

リン「もう一回乗り継ぐからね」

千尋「は、はい」

リン「着くよ」

神様「・・・」ウエ、ウエ

リン「い、いらっしゃいませぇ、このエレベーターは上には参りません。他をお探しください」

神様「・・・」テクテク

千尋「ついて来る・・・」

リン「キョロキョロするんじゃないよ」

蛙男「八階でございまーす」

千尋「何でエレベーターから・・・おっと」

リン「・・・」シーッ‼

蛙男「リン」

リン「はーい?」ドン

千尋「あうっ」

蛙男「お前、何か匂わぬか?お前、人間クサイぞ?」

リン「そうですかぁ?」

蛙男「匂う匂う。楽しそうな匂いだ・・・正直に申せ」ニヤニヤ

リン「これのことでしょ」ヒョイ

蛙男「東京ディズニーランドのペアチケット!くれぇ!」

リン「やなこった、彼氏と一緒に行くんだよ」

千尋「彼氏いたのかオメっ!?」

リン「・・・!」

蛙男「・・・?」

リン「チッ、ウラァァァァ!!」ベキッドカッ

蛙男「ぶべら!?」

千尋「あぁぁ・・・またやっちゃった」ガックリ

神様「・・・」ビシッ

千尋「あ・・・」コクリ

千尋「・・・ところで、何だこの部屋」テクテク

ドア装飾「ノックもしないのかBOY」

千尋「キェェェェェアァァァァシャベッタアアァァァァ!!」

ドア装飾「ぁあ?何くっちゃべってんだBOY?」

千尋「もうダメなパターンか・・・ご愁傷さま」

湯婆婆「・・・とにかく、来るんだ・・・」キュッ

千尋「キェェェェ」

湯婆婆「その反応はもういいよ」ポイ

千尋「ひぇ!あっ!」ゴロゴロ

千尋「いっててて・・・扱い荒いなBB・・・おっと」

湯婆婆「うるさいねぇ、静かにしろBOY・・・」

千尋「ここで働かせてください!」

湯婆婆「・・・」キュッ

千尋「んっ・・・!」

湯婆婆「冗談はやめな・・・ここはアタシらレゲエ信者の巣窟さぁ・・・」

千尋「・・・(言ってることがわけわかんねぇぇぇ!!)」

湯婆婆「熱狂的なレゲエシンガーたちが疲れを癒しに来るお湯屋なんだよBOY」

湯婆婆「それなのに、お前の親は何だ・・・GUESTの食いモンを食い荒しやがってよォ・・・」

湯婆婆「どのみち、お前は元の世界に戻れねェ・・・BACKDANCERにしてやろう。STAGEの照明って手もあるなァ・・・」

千尋「・・・」

湯婆婆「よくここまで来れたなァ。誰だ?手引きしたBOYは?褒めてやらねぇとなァ・・・教えな」キュッ

千尋「働かせてください!」

湯婆婆「だぁーまーれぇぇぇぇ!!」ゴゴゴゴゴ

湯婆婆「何でアタシがBOYを雇う必要があるんだぁ・・・?もうSTAFFは足りてんだよォ!」

湯婆婆「見るからにヒッキーで、アニヲタで、ツッコミしか能のないBOYには仕事はねぇ・・・」

坊「うぁああぁぁあぁぁああぁぁああぁああああぁあぁぁ!!」ガシャンガラガラ

湯婆婆「チッ、ガキが!うるせぇぇぇぇ!!」

千尋「働かせてください!」

湯婆婆「それしか言うことないんかワレェ!?」

千尋「働かせてください!」

湯婆婆「わかったわかった!静かにしてろクソガキャアァァァ!!ぐえっ」ベキッドカッ

千尋「・・・?」ヒラリ

湯婆婆「契約書だBOY・・・その代り、ファンキーになりたいとか、レゲエになりたいとか言ったら、すぐにファンキーな黒人にしてやるからなBOY・・・」

千尋(どうやったらファンキーになりたいって思うようになるんだよ。洗脳電波でも出てるのか?)サラサラ

湯婆婆「つまらない誓いを立てたモンだ・・・働きたい奴に仕事をくれてやるなんてな」チョイチョイ

千尋「はい」ピラ

湯婆婆「マクシミラン・フランソワ・マリー・イジドール・ド・ロベスピエールというのかBOY・・・クソ長ぇ名前だ・・・」

千尋「偽名です」

湯婆婆「本気でファンキーな黒人にされたいようだな・・・チッ」チョイ

湯婆婆「今からBOYの名前は「セントジョージ1世」だ」

セントジョージ1世「ファッ!?一体どこから湧いてきやがった!?」

湯婆婆「略して千だ」

千「それでいいじゃん」

ハク「お呼びでしょうか」

湯婆婆「そいつが今日から働く。世話しなBOY」

ハク「Yes,Sir」

ハク「名は何と言う?」

千「セントジョージ1世です(あぁぁこれはひどい)」

ハク「では千、来なさい」スッ


千「・・・ハク?」

ハク「無駄口を聞くな。私のことはニギハヤミコハクヌシ様と呼べ」

千「あんた、名前の長さから察するに覚えてるのな」

ハク「・・・・・・・・・・黙っててくれ」

千「黙っておけと言われると黙れないのが人間の性だから喋っちゃうかもね」

ハク「・・・・・・・・銀座でケーキを奢ろう」

千「やった!(っていうか、何で喋っちゃったんだろう)」

父役「いくら湯婆婆様のおっしゃりでも、それは・・・」

兄役「YO☆JO!YO☆JO!」

千尋(うわぁぁぁ兄役きめぇぇぇぇ!!!)

ハク「既に契約済みだ」

父役「何と・・・」

湯女1「あたしらのところにはよこさないでおくれ」

湯女2「ポニテはダメダメ。ツインテじゃないと」

ハク「ここのものを食べれば臭いは消えよう。それで使い物にならなければ、私が嫁にすr」ガツン

千「ハァ、ハァ・・・さて、行きましょ。あっ、リン!」

リン「あ、あたいぃ!?」

リン「埋め合わせはちゃんとしてもらうからね!」

兄役「あぁ、幼女・・・」

父役「ロリコンめ、さっさと仕事に戻れ」

リン「来いよ」


リン「お前うまくやったな。お前ちょっとツッコミ癖あるからさ、心配してたんだ。油断するなよ、わからないことがあったら俺に聞け」

千「ん・・・」

リン「どうした?」

千「足がフラフラするの・・・」フラッ

リン「・・・ここが俺たちの部屋だ。食って寝りゃ元気になるさ」ガサガサヒョイ

リン「前掛け。自分で洗うんだよ。それと袴。チビだからな・・・でかいな」ガサガサ

千「リンさん、ハクって何者?」

リン「ただの変態。それと湯婆婆の手先。地位と性的な意味で危ない奴だから気をつけな」

千「・・・チッ、嫁にするとかぬかしやがって」

リン「ま、あいつはいろんな奴を嫁認定したりするからな。その度にボコられて海に流されるのがオチ」

千「あいつ、今度やったら・・・んっ」フラッ

リン「あーあったあった。・・・どうした?しっかりしろよ」

千「んっ・・・・・・っ」

女「うるさいなぁ、どうしたのリン?」ガサガサ

リン「気持ち悪いんだって。新入りだよ」

ハク「・・・千尋たんは俺の嫁、千尋たんは俺の嫁、千尋たんは・・・」以下ループ


湯バード「ハリアー、発進準備開始!」

頭1「離陸シークエンス開始、メインエンジン点火用意」

頭2「航路、オールグリーン。発進準備完了」

湯婆婆「操縦を自動管制に切り替え、出撃準備完了だ・・・」キィィィン

ハク「・・・」ペコリ

頭3「ハリアー、出撃せよ」キィィィィィン ゴォォォォォ

ハク「・・・」カチッ

次の日

グオオォォォガラガラガラギシギシギシンゴォォォォ

千「・・・女のくせにイビキがひでぇ、何だこの魔境」イライラ

ガラッ

千「!?」

てくてく てくてく

ハク「スッバラシィィ!女の園だ!おさわr」

千「チッ・・・」ベキッドカッバシッ

ハク「ごめんなさいごめんなさい」ペコリペコリ

千「何の用?」

ハク「橋のところにおいで、お父さんとお母さんに会わせてあげる」

千「靴が無い・・・」

ススワタリ1「へへっ」

ススワタリ2「こんなこともあろうかと!」

ススワタリ3「靴はここだぜ、お嬢ちゃん」カサカサ

千「嬉しいけど、何かちょっと違う」


千「・・・?」

橋の上に黒い影のようなものが立っている。

千「・・・」スタスタ

ハク「おいで」

イェアボーイ?センキューサー‼

巨大なディスコの中、テーブルに伏せている黒人2人がいた。

千「お父さん!お母さん!私よ!・・・セントジョージ1世よ!・・・病気かな?ケガしてる?」

ハク「いや、酔いつぶれて寝ているんだよ。日本人だったことは今は忘れている」

千「・・・っ、お父さん!お母さん!きっと助けてあげるから、あんまりお酒飲んじゃダメだよ!肝臓をダメにしちゃうからね!」

ハク「・・・これは隠しておきな」スッ

千「あっ・・・何か臭い」ベキッドカッ

ハク「違う違う・・・ごめんなさい。でも、帰る時にいるだろう?」

千「それはそうだけどこれはひどい・・・あっ、これ、お別れに貰ったカード」ガサッ

『チヒロ 天気晴朗ナレド波高シ 究極暗黒神(アルティメットダークネスゴッド)リサ・ホークアイ』

千「もっとまともなメッセージは書けなかったのかオイィィ!」

千「いや、それより・・・ちひろ、って、私の名だわ!」

ハク「湯婆婆は相手の名を奪って支配するんだ。いつもはセントジョージ1世でいて、本当の名前はしっかり隠しておくんだよ」

千「私、もう取られかけてた。セントジョージ1世になりかけてたもん」

ハク「名前を奪われると、帰り道がわからなくなるんだよ」

ハク「これをお食べ。ご飯を食べてなかったろう?」

千「食べたくない・・・」

ハク「千尋の元気が出るように、まじないをかけて作ったんだ。お食べ」

千「ん・・・」パク

千「うっ、うわあぁぁぁん・・・・・・・・」

ハク「辛かったろう。さ、お食べ」

千「うわぁぁぁぁぁん・・・」

ハク「あ、トイレ行ってから手を洗ってなかった」

千「うわ・・・おぇぇぇぇ、いい人だと思ってたのに最低だよアンタ」ベキッドカッ

ハク「んごぉぉっ!?」

ハク「ひほひへほほへふへ?(一人で戻れるね?)」

千「お陰さまで目が覚めたっての」

ハク「ほへはひょはっは(それはよかった)」

千「とりあえず、ありがとう。私、頑張れるね」

ハク「ふん(うん)」


釜爺「・・・?」

千「・・・」スヤスヤ

釜爺「・・・ほい」ポフ

ススワタリ4「何だ、ジジイ意外と優しいじゃねえか」

ススワタリ2「オレたちにも優しくしろよ」

釜爺「黙ってろ」

リン「どこ行ってたんだよぉ?心配したんだぞ?」

千「ごめんなさい」


千「うわっ」

湯女「ジャマだねぇ、これだからポニテは」

千「ツインテとか二次限定だろ」

湯女「ぁあ?」

千「何でもないです」


千「うぐぐぐっ・・・」ギュゥゥ

リン「千、もうちょっと力入んないの?」

兄役「リンと千、今日から大湯番だ」

リン「ええーっ!?それマヌケガエルの仕事だろ?」

兄役「上役の命令だ。骨身を惜しむなよ」

千尋「よいしょ」ザァァァ

水を流したところ、千尋は黒い影のようなものを見る。

千尋「あの、濡れませんか?」

カオナシ「・・・」

千尋「・・・(妖怪の一種ってことは客か?)」

リン「千ー!あくしろよ!」

千尋「ここ、開けときますね」

カオナシ「・・・」スゥ

湯女「リン、汚さ地獄級のクレイジー大湯だって?」

リン「ほっとけ!つか何だよソレ」


リン「ひでぇ、ずっと洗ってないぜ」

千「いやいやいや、何で空き缶やらガムの包み紙なんかが落ちてるのさ!明らかにゴミ箱代わりにされてたよな!?って!」スッテンコロリ

リン「ここは汚しの客専門なんだよ。うー、こびりついて取れやしねえ」ゴシゴシ

兄役「リン、千ちゃん、一番客が来ちまうぞ」

リン「チッ、下いびりしやがって。一回薬湯入れなきゃダメだ。千、番台行って札貰ってきな」

千「札?うわっ」ツルッ

リン「薬湯の札だよ!」

千「はーい」トテトテ


湯婆婆「・・・?何か来やがったなBOY・・・雨に紛れて来やがった」

番台蛙♂「もったいないわねぇ、そんなコト、できるわけないでしょ~?」

千「・・・(ここの湯屋は個性が強すぎる)」

番台蛙♂「いつまでいたって同じよ。ほら、さっさと帰って、手でこすってきなさいなぁ~」

千「薬湯じゃないとダメだって言われたんだ、とっととよこしな。さもないと・・・」

番台蛙♂「あ~れ~~~!」

千「わかったら早くよこしな」

番台蛙♂「ダメよぉ。ダメダメ」

カオナシ「・・・」スゥ

千「あ、どうも」ペコリ

番台蛙♂「はいは~い、こちら番台で~す」

カオナシ「・・・」ポイ

千「・・・チッ、ようやくよこしやがったか、こんちくしょうめ」ダダダダッ

番台蛙♂「あっ!待ち・・・待てコラァァァ!!」

湯婆婆「ぁあ?ケンカかワレ?」

番台蛙♂「いえいえぇ~、何でもありませんわよぉ?おほほほ」

湯婆婆「何か入り込んでるぜBOY・・・」

番台蛙♂「いいオトコ❤ですかぁ?」

湯婆婆「少なくとも違ぇよBOY、それを調べろ、今日はコ・ハーク3世がいねぇ」

リン「何でチョコ湯なんだよ!わけわかんねーよ!」

千「チョコ湯って何だよそれー!?需要あるのか?」

リン「チョコが出てくる温泉だ。うめーぞ!」

千「あのヤロォ、次会ったらコロヌ」ピキピキ

リン「仕方ないか。俺が極秘ルートを使って手に入れた極上の薬湯札を使ってやるぜ」

千「始めからそれを使えー!!」

リン「悪かったよ。それより、これが釜爺のとこへ行くんだ。混んでないからすぐ来るよ」キィ

リン「この綱を引けばお湯が出てくるよ。やってみな」

千「・・・うわっ」ドテッ ザァァァァ

リン「お前って本当ドジなー」

千「ところで、何で金色に光ってるのかよくわかんないんだけどさ」

リン「こいつには金色の塗料が入ってんだ。こんだけテカテカ光ってたらこすらなくても同じだな。もう一回引けば止まるから。俺朝飯とってくんな!」ケラケラ

千「見た目的に凄く健康に悪そうだな。絶対ここには入らん」

千「ふぅ・・・あ」

黒い影が大湯の隅にいる。

千「よっと・・・あぅ」コロン

千「ごめんなさい、お風呂まだなんです」

カオナシ「・・・」カラリ

千「こんなに一杯・・・って、全部チョコ湯じゃねーか!さっきと一緒だろ!使えねーよ!」

カオナシ「・・・ァ、ァ」

千「だからいらねーよ!チョコなら受け取ってやるけどな!」

カオナシ「・・・ァ」スゥ

千「ちぇ、チョコが食えたらどれだけいいか・・・」

父役「奥様!」

湯婆婆「クサレ神だとBOY・・・」

父役「それも特大のオクサレ様です!」

蛙従業員「目標、橋に接近中!侵攻を阻止できず!ぐえぇぇ!」

従業員「お帰りください!お帰りください!」

青蛙「お帰り下さい!ぐえっクサいいぃぃひひっぃぃぃいくぁwせdrftgyふじこlp」

湯婆婆「おかしいな、クサ野郎の臭い・・・じゃなった、気配じゃなかったんだがな。仕方ねぇ、歓迎してやれ。出来る限り早く引き取ってやれ」


兄役「リンと千ちゃん、湯婆婆様がお呼びだ」

千「はい!」

湯婆婆「いいか、これがBOYの初仕事だ。ドジ踏んだらファンキーな黒人にしてやる」

千「あ、あの・・・」

湯婆婆「とっとと配置につけ!石炭にしてやるぞ!」

蛙従業員「目標接近!絶対防衛ライン突破!」

湯婆婆「うぐおっ!?」

千「ファッ!?」ガシッ

湯婆婆「ヤメロ、キャクニシツレイダ」

オクサレ神、侵入

湯婆婆「ヨくオコしクダサいましタ!え、ア、オカネ!セン、カネをウけトリナ!」

千「う゛ぅ゛、ハ、ハイ」

オクサレ様、千にお金(?)を手渡す

千「アッーーーー!!!!」

湯婆婆「ナニしてヤがる!ハヤくゴアンないシロBOY!」

千「こ、コチらデす」テクテク

リン「せぇぇぇん!うわっくっせぇ!あ、メシが!」プスプス

湯婆婆「窓を開けろGUIS!全部だ!」

千「・・・(ぎゃあああああああ!!くっせぇぇぇぇえええええぇぇええぇ!!妖怪だ!いや生物兵器だ!B.O.Wも裸足で逃げ出すレベルだ!)」

湯婆婆「超級の汚さだなBOY・・・うっぷ」

父役「笑いごとではございません」コポォ

湯婆婆「どうするセントジョージ1世・・・ほう、足し湯か、新しい札をやったのか。っていうか、あれ全部チョコ湯じゃねぇか」

父役「まさか、もったいない!って、チョコ湯って何」

ギィ

千「よし、チョコ湯で臭いをゴマカしてやる!あっ」ツルッ ザバァァァァ

湯が注がれ、千はオクサレ神に救出される。

千「あれ、チョコ湯じゃない・・・ん?」

リン「せぇぇぇん!大丈夫か!?釜爺にありったけの湯出すように頼んできた!最高の薬湯おごってくれるって!」

千「ありがとう!あの、ここに何か刺さってる!形からしてM16A4だ!」

リン「何気に銃器に詳しいなお前!ところで、何か刺さってんだって?」

千「そう!深くて取れないの!」

湯婆婆「M16・・・?BOY、下に人手を集めろ・・・」

父役「ええっ!?」

湯婆婆「早くしろBOY!千、リン、そいつはクサ野郎じゃねえ!このマイクの線を使え!」

千「いっつも持ってるのか、アンタ」

湯婆婆「ライブの時に必要だろうがァ!」ガツン

千「いってぇ!」

リン「遊んでる場合じゃないよ!早く結びな!」

千「はい!」

湯婆婆「早くしろ!10秒以内だ!女も力を合わせろGUIS!」

千「結びました!」

湯婆婆「湯屋一同、心を一つに!Let’Go Boys!」

一同「ウラァァァァー!」

リン「そーれ!そーれ!」

観客一同「ジャーヨウ!ジャーヨウ!」

グプッ

千「アサルトライフル!」

湯婆婆「やはりな・・・ラストスパートだGUIS!GO FIGHT!」

一同「ウラァァァァ!!」ガラガラガラガラ

千「んっ・・・!」ポンッ

河の主「ハァ~~--・・・・」

リン「せぇぇぇん!大丈夫かー!?」

千「・・・」

河の神「・・・佳き哉」

千「満足できたみたいだな、あんた。よかったな・・・ん?」

千の手にすっぱいガムのレモンが握りしめられていた。

千「・・・何ですっぱいガムなんだよ。もう突っ込む気すら失せたよ」

湯婆婆「・・・ん?」

従業員「砂金だ!砂金だぁ!!」

湯婆婆「静かにせい!お客様がおいでだGUYS!お帰りだ、大戸を開けろ!」(ちっ、GUYのスペリング間違えてやがった)

河の主「ヒャッハァー!汚物は消毒だァー!」ゴォォォォ

千「消毒される側だったろアンタ!」

湯婆婆「やったぞセントジョージ1世!大儲けだ!奴は名のある河の主だ!お前らも千を見習え!」

千「どっからどう見ても米軍基地の近くに流れてる河だったよな。全部銃器やら薬莢じゃないか」

湯婆婆「さあ、拾った砂金を全部出しな!」

従業員「ぁああああ!?」

湯女「だらしねぇ・・・」

リン「チェ、せっかく儲けたのに」


リン「食う?かっぱらって来た」

千「ありがと・・・って、馬鹿みたいに硬いな、この肉まん!」

リン「気ぃ付けて喰わないと歯が折れるぞ」

千「チッ・・・あ、街がある。海みたい」

リン「当たり前じゃん。雨がふりゃ海くらいできるよ。俺、いつかあの街に行くんだ。こんな腐ったところ絶対にやめてやる」

千「ふぅん・・・うわすっぺぇ!やっぱすっぱいガムだな」

青蛙「・・・ん?んんん・・・」カリカリ

カランカラン

青蛙「砂金だ!・・・あ、お主何者だ!客人ではないな。そこに入ってはいけないのだぞ!」

カオナシ「ァ・・・ァ・・・」チャラチャラ

青蛙「お主、金を出せるのか!くれ!くれ!」

カオナシ「・・・」パクッ

青蛙「んご!?」


兄役「ちぇ、千たんprprしたかったのに・・・誰ぞそこにおるのか?消灯時間はとっくに過ぎたぞ!」

カオナシ「どうしようもないロリコンの兄役殿、ワシは腹が減った!腹ペコだ!」チャラチャラ

兄役「その喉が潰れかけたような気持ち悪い声は・・・!おあっ!?」カラカラ

カオナシ「前金だ。受け取れ。ワシは客だぞ!風呂にも入るぞ!みんな起こせぇ!このロリコンが!」

兄役「ロリコン言うな!千尋・・・じゃなかった、千たんファンクラブの会員第1号だぞ!」

千「お父さん!お母さん!河の神様から貰ったすっぱいガムだよ!これを食べれば、きっと人間に戻れるよ!」

豚「ブヒヒヒィ!!」

千「く、来るな!こ、この私が・・・うわぁぁぁぁ!?」


千「ハッ!?・・・やな夢。リン?誰もいない・・・」

千「わぁ、本当に海になってる。それに、畜舎もここから見えるんだ・・・あれ、釜爺がもう火を焚いてる。そんなに寝ちゃったのかな」トテトテ

兄役「お客様を爆破してやれ!そこ、もっと火薬を詰めろ!」

父役「生煮えでもいい、どんどんお持ちしろ!」

リン「せぇぇぇん!今起こしに行こうと思ったんだ。見な、本物の金だ!貰ったんだ。すげー気前のいい客が来たんだ」


カオナシ「俺は腹ペコだ!ぜーんぶ持ってこい!」


千「そのお客さんって・・・」

リン「千も来い。湯婆婆まだ寝てるからチャンスだぞ」

千「私、釜爺のところ行かなくちゃ」

リン「やめとけ。叩き起こされてものすごい不機嫌だから!」

女「リン、もう一回いこ!」

リン「ああ!」


千「・・・お父さんとお母さんがわからなかったらどうしよう。あ、かなり太ってるだろうからわかるか。お母さんは派手だし」

ヒュオオオォォ・・・

千「・・・あ、橋のところで見た龍!何だろう、あれ・・・って、湯婆婆の形した式神じゃねーか!うええええ!」

千「ハクー!こっちよー!・・・ハク?ハクー!」

ヒュオオオオオオ!ガッシャァァン

千「くッ!」ガラガラ

千「紙・・・なんだけど、すっげぇキモいデザインだな!」

千「ハク・・・ハクでしょ?ケガしてるの?あのキモいデザインの式神なら行ったよ、もう大丈夫だよ!」

ヒュオオオオオオオ!!

千「わっ!・・・湯婆婆のところに行くんだ。ハクが死んじゃう!」

千「昨日拾ったアレが役に立つかな・・・」カチャ

式神、千の服にくっつく。


兄役「死ね!」ベキッ

カオナシ「効かんな!」バキッ

兄役「チッ、強いな!」

みんな「いらっしゃいませぇ!」

千「何で役立たずとロリコンが戦ってんだよ!で、周りはそれに構わず砂金ねだりか。シュール過ぎんだろ」トテトテ


蛙男「おいこら、何をする」

千「上へ行くんです」

蛙男「ダメだ。あっ、血だ!」

千「チッ・・・あ」

兄役「千たん!危ないお!」ガシッ

カオナシ「きえええ!・・・ァ」

千「こんなところで何してんのさ」

カオナシ「ァ・・・ァ・・・」ジャラジャラ

千「ほしくない。要らない」

カオナシ「ェ・・・ェ・・・」

千「忙しいので、失礼します」

カオナシ「ェ・・・・」ジャラジャラ

従業員「わぁぁぁぁ!!」

兄役「くそっ!奴を潰せ!奴はわしをロリコン呼ばわりしよった!どけぇぇ!お前も千たんのことが好きらしいな。だが、千たんは絶対に渡さん!」

カオナシ「千は渡さん」パクッ

従業員「うわぁぁぁぁ!?」

千「ここの上か・・・わ、わあっ!?」

千「・・・うわぁ」ヒュオオォォ

千「行くしかない、か・・・やああああっ!!」ドカドカドカ ガシッ

千「ふぅ・・・よいしょ・・・」タン、タン

キィィィン

千「!?・・・あ、湯婆婆のハリアー!」

キィィィィン・・・

千「・・・窓、開かないなぁ。よいしょっ!」ドン

式神、内側に侵入し鍵を開ける

千「うひゃあ!?」ガシャァァン

千「坊、とかいう奴の部屋か・・・」

湯婆婆「ったく、そいつはカオナシだ!カ オ ナ シ!欲にかられてファンキーな客を招いちまったよ。アタシが行くまで余計なことはするなよBOY!あぁ、敷物を汚しちまって、その龍を始末しな」

千「あっ、こっちに来る!」ゴソゴソ

湯婆婆「チッ、またこんなところで寝やがって。ほら、さっさと寝ろ」

坊「んあーんあーぁ!」

湯婆婆「うるせぇガキだ!」

千「・・・行ったかな。よっと・・・あう!?」

坊「お前、病気を移しに来たのかい?大気中には有害な病原菌がうじゃうじゃいるからな」

千「あんた本当に赤ん坊かよ・・・とりあえず、私はもう行かないと」

坊「外はダメだ。あのクソババァ、空気清浄機も買わないでこんな部屋用意しやがって。ここで私と遊ぼうぜぇ?」

千「インテリヤクザかあんたは!それより・・・それなら、これはどうだっ!?銃だ!デザートイーグル.50A.E.!」

坊「?!うわぁぁぁぁぁぁぁ!!」

千「ハク!しっかりして!ハク!」

頭「オイッオイッ」

千「あっちいけ!」バン!

坊「んぁぁぁぁあああん!坊は銃なんか平気だぞ!兵器なだけに。クク・・・ハハハハ!」

千「アンタ悲しい人間だな」

坊「チッ!」ブオン!

千「おっと、やる気か!?」カチャ

坊「受けて立とう。この身体でも銃弾程度なら造作もなくかわせる」ヒュオン

千「ファッ!?あうっ・・・」ギリギリ

坊「言うこと聞かないと、この腕折るぞ」

千「メチャクチャだ・・・あっ!ハク!だめぇぇ!」

頭「オイッオイッ」

銭婆「うるさいわよ、少しは静かにしたらどうかしら?」

千「・・・!?」

式神から銭婆が現れる。

銭婆「やっぱり透けるか・・・やっぱり不完全ね」

坊「うっひょー!すっげー美人!」

銭婆「あんたの伯母だけどね」キュッ

銭婆、坊をネズミに、湯バードをハエドリに変える。

千「あんた誰だ?坊の伯母とか言ってた割に、かなり美人じゃないか」

銭婆「湯婆婆の双子の姉よ。貴女のおかげでここを見物できて楽しかったわ。さぁ、その龍を渡しなさい」

千「ハクをどうするの?ひどいケガなの!」

銭婆「そいつは妹の手先の変態泥棒龍よ。あたしのお風呂を覗いた挙句、大事なハンコを盗み出しちゃって」

千「ハクはそんなこと・・・あ、風呂覗きはするか。でも、ハンコを盗んだりはしない!」ベキッ

龍「ンゴォォ・・・」

銭婆「あんたも容赦ないわね」

銭婆「龍はみな優しい。優しくて愚か。魔法の力を使うために湯婆婆の弟子になるなんてね。この変態はファンキーな妹のいいなりだ」

銭婆「さあ、そこをおどき。その龍はどっちにしろ助からないわ。ハンコには盗んだ者がパンツレスラーになる呪いをかけておいたから」

千「もっとマシな呪いはなかったのかアンタ!つか、ここの世界の魔法はお馬鹿なのばっかりだな!」

ドシン!ドシン!

銭婆「何だろうね、この連中は。ほら、部屋に帰りなさい」

龍「グォ・・・グオァ!」ベシン!

銭婆「あーあ、やっちゃったわね・・・」グニャア

千「あっ、ハク、だめぇぇ!きゃあぁぁぁ!!」

千「ハク、しっかり!」

龍「・・・グオァ!」ヒュウゥゥゥ

千「換気扇・・・!」

ガッシャァァァン!

釜爺「うおあ!?」ガシッ

龍「グオォ!」ガラガラ

千「あっ!ハク!」

釜爺「こりゃ何事じゃい!こら、待ちなさい!」

千「ハク、苦しいの!?」

龍「・・・ユガミネェナ・・・!」

千「チッ!」ベキッ

釜爺「やめなさい!・・・身体の中で何かが命を蝕んでおる。強力な魔法だ、わしにはどうにもならん」

千「身体の中・・・ハク、これ、河の神様がくれたすっぱいガム!効かないと思うけど、食べて!」

釜爺「すっぱいガム!?貴重品じゃないか!」

千「食べて、ほらっ!」

龍「グオォォ!グオァ!」ペッ

釜爺「出た!コイツだっ!」

千「ハンコ!あっ、逃げた!」カチャ

千「くぅ!死ねッ!」バンバンバン ベチョ

千「やった!」

釜爺「えんがちょ!せい、えんがちょ!切った!」

千「これ、湯婆婆のお姉さんのハンコなの!」

釜爺「銭婆の・・・魔女の契約印か!それはまたえらいものを・・・」

龍、ハクの姿に戻る。

千「やっぱりハクだ!おじさん、ハクだよ!」

釜爺「早く治療せんとな。そこに寝かせなさい!」

釜爺、ハクに薬を飲ませる。

釜爺「これで少しはよくなるだろう。・・・ハクは、千と同じように突然やってきて、魔法使いになりたいと言いよった。わしは反対したが、聞かんかった。もう帰るところはない、とな」」

釜爺「結局、湯婆婆の弟子になっちまった。日に日に顔色は悪くなって、目つきばかりきつくなってな・・・」

千「私、これをお姉さんのところに返してくる。謝って、ハクを助けてもらうようにお願いしてくる。ついでに変な癖も直すように」

釜爺「さすがにハクの色欲は直せんと思うが・・・待ちなさい」ガサガサ

千「みんな、私の靴と服、お願いね」

リン「千!ずいぶん探したぞ。あれ、ハクじゃん。何かあったの?」ガラッ

千「リンさん」

リン「湯婆婆がカンカンになって怒ってたぞ。気前がいいと思ってた客がカオナシっていう化け物だったんだ。湯婆婆は千が引き入れたって言うんだ」

千「あの役立たずが怪物だったなんて・・・」

リン「心当たりあるのか?」

千「まぁ、うん」

釜爺「あったぞ。こいつだ」

リン「リニアの特別回数券じゃん。どこで手に入れたのさ?」

釜爺「客の落し物だ。いいか、6つ目の「トトロの森」という駅だ」

千「完全に別世界じゃねーか!東京かここは!?」

釜爺「とにかく6つ目だ。普段は戻りの電車があるんだが、今は故障していて行きっぱなしだ。それでも行くか?」

千「うん。帰りはその線路を歩いてくるからいい」

リン「湯婆婆はどうするんだよ?」

千「今から片づけてくるからいい」カチャ

リン「・・・やる気だな」

釜爺「どこで使い方を習ったんだ?」

千「テキトーだ、テキトー」スタスタ

父役「千、よかった。もう湯婆婆様では抑えられんのだ」

湯婆婆『おっほほ、そんなに暴れなくても千は来ますよ』

カオナシ『千はどこだ!千を出せ!』

父役「さ、急げ。湯婆婆様、千です」

湯婆婆「遅い!何をグズグズしてたんだ、奴から金を絞り取るだけ絞り取りな」

千「傲慢もいいところだな」

湯婆婆「アンタのせいだろうがッ!」ドカッ

千「あう」

湯婆婆「では、ごゆっくり」ピシャ

カオナシ「これ、食うか?うまいぞ」

千「またチョコかよ。虫歯になるぞ」

カオナシ「金を出そうか?千の他には出してやらないことにしたんだ。何が欲しい?言ってごらん」

千「傲慢だな。私がほしいものを、アンタは出せない。早く元の場所に帰りな」

カオナシ「グゥ・・・」

千「住処はどこだ?親父と母さん、いるんだろ?早く帰れ。それが最後の忠告だ」

カオナシ「サビシイ・・・サビシイ・・・千欲しい・・・千欲しい・・・欲しがれ」ゴポォ

千「また金か。これを餌に私を取りこむ算段か。なら、これを食らえ!」バン!

カオナシ「グゥ!」

千「すっぱいガムも負けてやる!」ポイ

カオナシ「うぐっ!?グオォォォォ・・・小娘が、何を食わしたぁ!」グフッ ゲロゲロゲロ

千「今言っただろ!すっぱいガムって明言したよな!?ちゃんと人の話聞け・・・って、うわぁぁ!!」

千「チッ!」バン!

カオナシ「グギャアア!!」

千、銃を撃ちつつ廊下を走って逃げる。

千「しつけぇ!戦車かよ!」バンバン

湯婆婆「どけ糞野郎共!」パシュッ

カオナシ「グプゥ」ゲロゲロ

湯婆婆「ファッ!?」ゴポッ

千「こっちだ!」バンバン

カオナシ「グオオオ!」ドテドテ

千「銃が効かないなんて、本物の化け物だな!」バンバン

カオナシ「グプゥ!」ペッペッ

湯女「・・・?」

兄役「・・・あっ!千たんが助けてくれたんだね!後でprprしてあげるお!」

千「いらん!」

リン「せぇぇぇん!こっちだ!」

千尋「あ、ありがとう!」カタン

千尋「こっちだよー!」

リン「呼んでどうすんだよ」

千尋「あの人、湯屋にいるからいけないの。あそこを出た方がいいんだよ・・・って、身体をハンググライダーみたいにして飛んできやがった!?」

リン「あーあ、ついて来んぞあいつ」

カオナシ「んげぇ」ペッ

青蛙「・・・ん?」スィー


リン「ここから歩け。駅は行けばわかるって」

千尋「うん。ありがと」

リン「必ず戻って来いよ」

千尋「うん」

リン「せぇぇん!お前のことツッコミ癖あるって言ったけど、取り消すぞー!!」

千尋、リンに手を振る。

リン「カオナシ、千に何かしたら許さないからな!」


千尋「あれだ・・・うへぇかなり現代的な建物だなオイ。ご丁寧に改札まであるし」

千尋「あ、電車が来た。来るよ、おいで」

坊ネズミ「ちゅう」

リニア、駅で停止。

千尋「トトロの森、だっけ。完全に別作品だけど、まぁいいか。あれ、カオナシじゃん」

カオナシ、千尋と一緒にリニアに乗り込む。リニア、急発進。

千尋「影みたいな人が一杯いる・・・」

車掌「えー、次はトトレの森、トトレの森」

千尋「分かりにくい駅名だな!惑わす気マンマンだろ!」

ハク「・・・」ガサッ

ハク「お爺さん」ユサユサ

釜爺「おぉハク・・・気がついた」

ハク「千はどこです?何があったのでしょう、教えてください」

釜爺「お前、何も覚えておらんのか?」

ハク「切れ切れにしか思い出せません。結婚式場で、千尋が私に結婚指輪をくれました。千尋に誓いのキスをしようとしたら、ここに寝ていました」

釜爺「そうか、あの子は千尋というのか・・・とにかく、お前さんは考えを根本から改め直しなさい」


湯婆婆「しょぼくれた端金だ。これでどう埋め合わせろってんだBOY・・・千のヤツ、見つけたらただじゃおかん」

青蛙「で、でも、千のおかげで助かったんです!」

湯婆婆「シャラップ!奴は自分の親を見捨てた!親豚は食べごろだろう、ベーコンサンドにして食っちまえ!」

ハク「お待ちください」スタスタ

青蛙「ハク!貴様よくも・・・あうっ」ベキッ

湯婆婆「生きてたのか出来そこないめ・・・」

ハク「まだ気づきませんか、あんたの子供はもうどこか別のところだ」

湯婆婆「このアタシにタメ口か?偉くなったなファッキンボーイ!」

ハク「仕方のない人だ」ピッ

頭「オイッオイッ」

坊、頭に戻る。

湯婆婆「!?坊!坊はどこだい!?坊をどこへやったァ!?」

ハク「銭婆のところだ」

湯婆婆「銭婆!?あの性悪女め・・・で、これからどうするんだBOY!?」

ハク「坊を連れ戻してやる。その代り、千と家族、そして私を解放しろ」

湯婆婆「お前まで逃げるつもりか!?」

ハク「逃げてなどいない。私には元々身寄りが無い。ただ私は千尋を嫁にしたいだけだ」

青蛙「自重しろヘンt」ベキッドカッ

車掌「えー、次はトトロの漏れ、トトロの漏れ」

千尋「叩き潰すぞコラァ!さっきからずっとメチャクチャな駅名ばっかりつけやがってぇぇぇ!!」

車掌「だって間違って降りた奴がどんな反応するか楽しみじゃん」

千尋「人間のクズだ!お前は人間のクズだ!」


車掌「えー、次はトトロの森、トトロの森」

千尋「あぁぁやっと着いた。もう絶対使わん。廃線になってしまえ!」


千尋「・・・ここで、いいんだよね。本当にここでいいんだよね」

カオナシ「ァ・・・ァ・・・」

千尋「それはよかった」スタスタ

ハエドリ「ハァ・・・ハァ・・・」プゥーン ペチョ

千尋「疲れたの?肩に乗っていいよ」

坊「・・・」ツイッ

千尋「大丈夫?ならいいけど」

バラバラバラ・・・

千尋「あれ、何か聞こえない?」

バラバラバラバラ

千尋「電灯がプロペラで飛んでるー!?原作は足だったろ!」

バラバラバラバラ

千尋「しかも置いて行くのか!待てー!!」ダダダダ

坊「ちゅうぅぅ・・・」

カオナシ「ァ・・・ァ・・・」


千尋「ハァ・・・ハァ・・・やっと着いた。この電灯だな、置いてけぼりにしやがったのは」ベキッ

電灯「」

千尋「案内役は!他人を案内して!ナンボなんだよ!覚えとけ!」

電灯「ハイ・・・」

キィ

銭婆「入りなさい」

千尋「失礼します」

銭婆「みんなよく来たわね。お茶を淹れてあげる」ナデナデ

千尋「あのっ、銭婆さん。これ、ハクが盗んだものです。お返しに来ました」

銭婆「あんた、これが何だかわかる?」

千尋「いえ。でも、とっても大事なものだって。ハクの代わりに謝りにきました。ごめんなさい」

銭婆「・・・あんた、これ持ってて何ともなかった?守りの呪いが消えてるわね」

千尋「あの、ハンコについてたヘンな虫、私が銃で撃ち殺しちゃいました!」

銭婆「撃ち殺した?・・・ふふふふ。その虫は、妹が弟子を操るために龍の腹に忍ばせた虫よ。撃ち殺した!?ふふふ・・・」

銭婆「さ、座りなさい。あんたはカオナシね。あんたもお座りなさいな」

千尋「あの、この子たちを元に戻してやってください」

銭婆「もう魔法は切れてるわ。戻りたかったら戻ればいいのに」

坊「・・・」カキカキ

千尋「なになに・・・『この身体の方がメシ一杯食えるじゃん』だって?アンタ食い意地張りすぎだろ。インテリヤクザのくせに」


銭婆「私たちは二人で一人前なのに気が合わなかったのよ。ほら、あの人はあの通りファンキーだし」

千尋「もう突っ込むのも飽きた。わけわからん」

銭婆「あんたを助けてあげたいけど、私にはどうすることもできないわ。この世界のルールだから。両親のことも龍のことも、自分で何とかしないと」

千尋「でも、何かヒント貰えませんか?ハクと私、ずっと前に会ったことがあると思うんです」

銭婆「じゃ、話は早いわ。一度会ったことは忘れない。ただ、思い出せないだけなのよ」ナデナデ

銭婆「今夜はもう遅いから、ゆっくりしていきなさい。あんたたち、ちょっと手伝ってくれない?」

ジー カンカンカン チュウチュウ・・・

銭婆「ほら、頑張って。そうそう、上手いじゃない。本当に助かるわ。魔法で作ったんじゃ何も意味が無いからね」

千尋「何で家の中で戦闘機なんて作ってんだ!物騒だなオイ!」

銭婆「妹は旧式のハリアーを持ってるから、対抗するにはそれ以上の機体が必要でしょ?」

千尋「何だこの姉妹、頼朝と義経かよ!」

千尋「違う違う。それより、私帰る。だって、こうしてる間にもハクが死んじゃうかもしれない。お父さんとお母さんが肝臓を悪くしちゃうかもしれない・・・」グスッ

銭婆「ちょっと待ちなさい。・・・できた。これを持って行くといいわ」

千尋「何これ?やたらとキモいデザインだな」

銭婆「それはヘビのお守り。さっき千尋の目を盗んでみんなで作っておいたの」

千尋「・・・ありがとう」

ガタガタガタ・・・

銭婆「いい時に来たわね。お客さんよ、出て」

千尋「はい」

千尋「ああっ!ハク!会いたかった・・・よかった、ケガは大丈夫?」

龍「・・・千尋の力があれば大丈夫サ」キラーン

千尋「うへぇ・・・キザすぎる」

銭婆「グッドタイミングね」

千尋「おばあちゃん、ハク生きてた!」

銭婆「白龍、あなたのしたことはもう咎めません。その代り、その子をしっかり守るのよ。さあ、坊やたちも帰りなさい。また遊びにおいでね」

坊ネズミ「ちゅっ」

銭婆「あなたはここにいなさい。手伝いをよろしくね」

千尋「おばあちゃん、私、もう行くね」

銭婆「大丈夫、あなたならやり遂げられるわ」ナデナデ

千尋「ところで、何で私の名前を知ってたんですか?」

銭婆「これ、落としたでしょ」ヒョイ

千尋「あ、これ・・・理沙からの中二臭いカード・・・」

銭婆「ちひろ。いい名前ね。自分の名前を大事にするのよ。さ、行きなさい」

千尋「うん。おばあちゃん!ありがとう!さようならー!!」


ヒュオオオォォォォ・・・・

千尋「わぁ・・・きれい」

坊ネズミ「ちゅう!」

ゴポポポ・・・

千尋「・・・?」

ザバァ!

千尋「・・・」

千尋「ねぇ聞いてハク。私、小さい時、川に落ちたことがあったの。その川はゴルフ場になって、埋められちゃったんだって」

千尋「でも、今思い出したの。その川の名前は、琥珀川。私を助けたのは、あなただったんだね」

ピキッ! シャアアァァァ・・・

ハク「そうだよ。私、ニギハヤミ・コハクヌシは琥珀川の神様だったんだ」

千尋「やっぱり。そうだったんだ」

ハク「千尋は、靴を拾おうとして私の中に落ちたんだね」ハァハァ

千尋「やめろ気持ち悪い!台無しじゃねーか!」ベキッドカッ

ハク「ぐはぁ!でも、本望だよ・・・」ガクッ


リン「帰ってきたー!」

千尋「ゼェ・・・ゼェ・・・ハァ・・・ハァ・・・あ゛ぁ゛疲れた。降りろ!」ポイ ドサッ

湯婆婆「坊は連れ戻してきたんだろうな・・・」

ドシィン!

湯婆婆「!?」

坊「・・・戻ってきたぞ、婆さん」

ハク「湯婆婆、約束を果たしてもらおう!我々を元の世界に返せ!」

湯婆婆「それは許されん。世の中には決まりがあるからな」

従業員「ぶーぶー!」

湯婆婆「シャラップ!」

千尋「おばあちゃん、今そっちに行きます」スタスタ

湯婆婆「おばあちゃん!?」

千尋「掟のことはハクから聞きました」

湯婆婆「いい覚悟だ。これはお前の契約書だ。こっちに来い」

イェア…オウイェ…ヘイケボーイ…オウッ!

湯婆婆「この中から両親を見つけな。そうすればお前は自由だ」

オウイェェェス…アッー!

千尋「うげぇ・・・ダメだ、この中にお父さんとお母さんはいない」

湯婆婆「・・・それが答えか」

千尋「うん」

ボンッ!

湯婆婆「!?」

従業員「おおあたりーー!!」

リン「よっしゃぁぁ!」

釜爺「よし!」

青蛙「ついでにハクを・・・」ベキッドカッ

千尋「ありがとう!・・・私の勝ちだ、湯屋の主」

湯婆婆「フン!行っちまえ」シッシッ

千尋「ハク、行こう!」

ハク「うん!」タッタッ


千尋「水が引いてる・・・」

ハク「千尋は元来た道を辿っていけばいいんだよ。でも、決して振り向いてはいけないよ。車に乗るまではね」

千尋「ハクはどうするの?」

ハク「私の契約も切れたから、後でそっちの世界に行くよ」

千尋「またどこかで会える?」

ハク「うん、きっと」

千尋「うん。きっとだよ!」

ハク「さぁ行きな。振り向かないで!」

千尋「おっとっと!あっ!」ガラガラ

母「千尋、何してんの、早く来なさい!」

千尋「あ、お父さん、お母さん!」

母「ダメじゃない、急にいなくなっちゃ。引越しのトラック、来ちゃってるわよ」

千尋「いなくなってたのはアンタらだよ・・・」

父「何言ってるんだい。ほら、早く来なよ」

千尋「・・・」タッタッタ


父「千尋、早くおいで。足元気をつけてな」

母「千尋、そんなにくっついたら歩きにくいわ」

千尋「・・・」

父「あぁ!・・・戦車がボロボロだ。中もホコリだらけだ」

母「イタズラ?だから嫌って言ったのよ」

千尋「・・・」

母「どうしたの?早くしな・・・あれ、その子誰?」

千尋「うん・・・?ぎゃああああああ!?!?!?」

ハク「・・・千尋、また会えたね」ハァハァ

千尋「やけに潔いと思ったら・・・いい加減にしろ、ボケぇぇぇぇ!!!」ベキッドカッバシッ

ハク「あぁひゅうはやめへひゅうは・・・(あぁ銃はやめて銃は)」

千尋「チッ!」バン!

ハク「あう・・・あう・・・」ブルブル

千尋「・・・一緒に来る?」

ハク「ふん(うん)」


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