蛍「駄菓子屋さんに寄っていきませんか?」小鞠「で、でも…」 (38)

小鞠「学校帰りの買い食いはしちゃダメってお母さんが…」

蛍「センパイは大人だからそんな社会のルールなんか気にしないと思ったんですけど…」

小鞠「じゃ、じゃあ行く…。でも、夏海やお母さんには内緒だからね!?」

蛍「はい♪」





小鞠「お小遣い厳しいから、正直何か買うのはな~…」

駄菓子屋「何だ、ひやかしか?」

蛍「えっと、それじゃあこのアイスを下さい」

小鞠「蛍はアイス買うのか…」

駄菓子屋「お前は何か買うのか?」

小鞠「う~ん…」

蛍「センパイ、このアイス半分に割れるんですよ」

小鞠「あ、うん。いいよね、お得感あって。……うーん、何か安いのは……」

蛍「あの半分に…」

小鞠「うーん……、アメにするかガムにするか……」

駄菓子屋「あー…、小鞠、お前もう帰れ」

小鞠「えぇ~?まだ何も決めてないんだけど?」

駄菓子屋「いいから帰れ。家に買い食いしようとしてたこと言いつけるぞ」

小鞠「何だよもー。蛍、帰ろ」

蛍「あ、はい…」

蛍「あの、センパイ…」

小鞠「ん?」

蛍「アイス溶けちゃいますから…その、半分…」

小鞠「え?くれるの?」

蛍「はい。半分こです」

小鞠「ありがと♪」

蛍「えへへ…」

小鞠「ん~、冷たくて甘~い♪」

蛍「もう完全に夏も終わって秋ですね…」

小鞠「そだね。涼しくなってきた」

蛍「何だか物悲しい気分になりませんか?」

小鞠「そう?……おっと、アイスこぼれちゃう」

蛍「……あの、センパイ」

小鞠「どうかした?」

蛍「私、センパイの事が好きです!」

小鞠「へ……?」

蛍「あ、センパイ、アイスが溶けて落ちそうに…」

小鞠「わわっ」

蛍「……落ちちゃいましたね」

小鞠「……うん」

蛍「……帰りましょうか」

小鞠「……うん」

小鞠「あ、あのさ……」

蛍「はい……」

小鞠「その、私も蛍の事は好きだよ?」

蛍「ありがとうございます……」

小鞠「……」

蛍「……でも」

小鞠「……」

蛍「それは、きっと私の『好き』とは違う『好き』ですよね……」

小鞠「……ごめん」

蛍「いえ、いいんです。今日は私の……気持ちを伝えられただけで……」

小鞠「……」

蛍「すみません、先に帰ります」

小鞠「あっ」

小鞠(翌日、蛍は学校を休んだ)

卓「ヒャッホーゥ、今日は一人分給食が余ったぜー!おかわりする人いるー?」

夏海「兄ちゃん、何はしゃいでんだよみっともない」

れんげ「ねえ、こまちゃん」

小鞠「何ー?」

れんげ「ほたるん、何で学校休んだん?」

小鞠「……」

夏海「風邪じゃねーの?季節の変わり目は風邪ひきやすいっていうし」

れんげ「ふーん……。ねえ、こまちゃん」

小鞠「……」

れんげ「何でこまちゃんは今日、元気ないのん?」

夏海「そりゃお前……」

卓「……」

小鞠(そして、その翌日も蛍は学校を休んだ)

小鞠(そして、その翌日も)

小鞠(夏海とれんげはお見舞いに行くと言い、私の事も誘ったが、私は行かなかった)

小鞠(帰宅した夏海は、蛍は誰とも会いたくないと言って門前払いを食らった事を私に告げた)

小鞠(きっと私のせいなんだと思った)

小鞠(でも、私にはどうしたらいいかなんてわかるはずもなかった……)

一穂「こまちゃん、ちょっといいかい?」

小鞠「何ですか?」

小鞠(蛍が学校を休むようになって一週間……。私は先生に呼び出しを受けた)

一穂「ほたるんが学校を休んでる理由、何か知らないかな?」

小鞠「……」

小鞠(言えるはずもなかった……。まさか、同性である、しかも年下の小学生である蛍に告白されただなんて……)

一穂「あ、言いたくないならいいんだ。私もこまちゃんがいじめなんかしてるなんて疑ってるわけじゃないから」

小鞠「はい……」

一穂「でも、何かあるんだったら仲直りして欲しいと先生は思うんだなー」

小鞠「……」

小鞠(仲直り……。そもそも私は蛍と喧嘩すらしていない……)

小鞠(私は……)

一穂「まあ、それだけだから。もう帰っていいよー」

小鞠「はい……」

れんげ「なっつん」

夏海「なんだい、れんちょん」

れんげ「ほたるん、学校辞めちゃうん?」

夏海「わからん……」

れんげ「なっつん」

夏海「んーっ?」

れんげ「こまちゃんも元気ないん……」

夏海「そうなんだよねー」

れんげ「もしかして、こまちゃんとほたるん……」

卓「そんな事より中当てしようぜ!ほら、校庭に集合だ!」

れんげ「うん……」

夏海「はぁ……。ま、体動かしてる方がいいか。姉ちゃんは……来ないな、うん」

小鞠「……」

小鞠(蛍が私に懐いてたのはわかる……)

小鞠(蛍が私を好きだというのもわかる……)

小鞠(でも、私はそれを受け入れる事はできない……)

小鞠(何故なら蛍の目は恋する女の子の目だったからだ……)

小鞠(女の子同士で恋なんてありえないよ……)

小鞠(確かに、素敵な女性に憧れたりする気持ちは私にだってある)

小鞠(だけど、それは異性愛とかじゃない……)

小鞠(何で蛍は……)

れんげ「こまちゃん、もうバスの時間なのん」

夏海「帰ろうぜ、姉ちゃん」

小鞠「うん……」

卓「……」

卓「今日は風が騒がしいな……」

夏海「はぁ?何言ってんのさ兄ちゃん」

れんげ「風はあまり吹いてないのん」

卓「自販機でジュッスをおごってやろう。夏海、れんげ、ついてくるがいい」

夏海「マジで!?よし、れんちょん、自販機まで競争だ!」

れんげ「ジュースー!」

小鞠「……」

卓「一人で帰りたい気分なんだろ?先に帰ってる」

小鞠「うん……」

小鞠(結局、一本バスをずらすことにした……)

小鞠(一人で待つバス停は寂しい……)

蛍「あ……」

小鞠「蛍……」

小鞠(予期せぬ遭遇だった。てっきり、蛍はずっと部屋にこもってるのだとばかり……)

蛍「……」

小鞠「……」

小鞠(言葉が出てこない……。でも、このままじゃダメだ。蛍は自分の気持ちを伝えてくれたのだから、私も正面から向き合わないと……)

ネタ被ってたとは知らなかった
仕方ないのでこのスレは落として下さい
次回はコメディ色全開にしてネタ被らないように気をつけます
すみませんでした

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