集団自殺して俺だけ生き残った話をしよう (15)

このSSはフィクションです
実際の団体,事件,人物とは無関係です

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夕焼けが照らす富士の樹海

車の中に男が4人



主催者「では皆さんまた天国で会いましょう」


主催者が練炭に火を放つ

ああ男達はやっと世の中から自由になる事が出来るのだ


それはとても魅力的で素晴らしい事に思えた


主催者「私が[ピーーー]ば病気の娘に保険金が」

厨房「[ピーーー]ばいじめから解放される」



キモロン毛「痴漢冤罪のせいで俺は社会的に死んだ!あの女を呪い殺してやる!」



田中「みんな凄いなそれに比べて俺は…ただ就職が決まらなかったぐらいで」

人は練炭の煙りを吸うと
脳の機能に支障を起こし
幻覚や幻聴を見る場合が有る

女「この人痴漢です!!」
キモロン毛「ち………違う……俺はやってない」


娘「お父さん〜私ね〜将来お父さんと結構するんだ〜」
主催者「ぁあ……」


不良「オイ!ブルドックワンワン鳴いて見ろよ!」

厨房「ワンワン」



田中(みんな練炭で狂ってやがる…どうする今ならまだやり直せる)

田中は迷って居た生きるべきか死ぬべきか
このままこの狂った空間に身を任せたら死ぬ事が出来る


だがしかし生きてなんになる?


何が出来る?


田中には仕事も友人も恋人も居ない

ここで生きてもまた別の機会に自殺を試みるだろう
ならばここで死のう そう田中は思いました


田中「そうだ俺は死ぬんだ……死ぬんだ…死ななきゃ」

田中「ダメだ…駄目だ…嫌だ」


田中の脳は恐怖感に支配されて居た


田中の死にたいする憧れは
生存本能に負けた

おそらくそれは生物として正しい行動なのだろう



田中がドアノブに手をかけたその時
主催者の手が田中の肩に触れた


田中「!…ヒ」


主催者「逃げるんですか」





田中「うわぁぁぁ!」

田中は主催者を突き飛ばしてその衝撃で主催者の首が取れた用に見えた


そう田中の脳は既に練炭に犯され

田中は幻聴を見て居たのだ


首無し主催者「田中さんあんたは卑怯者ですよ」

目が無い厨房「田中、お前は自分の事しか考えて無いんだな…俺をいじめた奴らと一緒だ」


下半身が無いキモロン毛「大卒の普通の人間が!…ちょっと就職活動が辛いからって被害者面しやがって」




田中「違う俺は……出なきゃ出なきゃ…家に帰らなきゃ…アレ?アレ?アレ?なんでなんでなんでなんで」


開かないドアノブ

それもそのはず


田中の身体は半分死にかけて居るもはやドアを開ける力等無い


田中「何か何か…有るはず有るはず…あ」


田中は主催者の革靴を奪い

それを窓硝子に投げつけた


バリンと五月蠅い硝子が割れる音がする


主催者「逃がしませんよ」


田中「うわうわ…うわぁぁぁ!」


田中は車から僅か数メートル離れた場所で意識を無くした

警察「富士樹海にて車の中から3人の死体が発見された…第1発見者は近隣住人…車の近くに気絶して居た男性を保護し病院に搬送…集団自殺の可能性有り」




〜病院〜


田中は未だに練炭の幻覚に迷わされて居た

嫌幻覚等では無くあるいは霊なのかもしれない


主催者「田中さん」


田中「うわぁぁぁ!…なんで病院にお前が?」


主催者「田中さんお願いです…175号室に私の娘が居ます……娘にこれを渡して下さい」


田中「手紙?…俺に手紙を渡せって言うのか?」

〜175号室〜


病室の扉を開け
室内を眺める田中


娘「おじさん何〜」

そのには髪が抜け

やせ細った身体で健気に笑う娘の姿が


田中「これをお父さんが」



手紙には娘を思う故の主催者…父親の嘘が並べて有った



娘へ

元気かいお父さんは元気いっぱいです

ちょっとお父さん頑張って手術のお金集めました


お父さんちょっとお仕事でしばらく遠くに行くけど

手術頑張ってね

お父さんより


田中(こんなのって……なんで…なんでこんな良い人が死んで俺が生きてる?)

娘「おじさん〜なんで泣いてるの〜」


田中「ごめん…ちょっと…目にゴミが」



死ぬたい者が生き


生きたい者が死ぬ

世界とはなんと無情なのだろうか



主催者編完

〜田中の家〜


不合格通知を眺める田中 「あれから一週間未だにニートかぁ」


厨房「………」


田中「ぇぇぇぇえ?」


厨房「僕をいじめた奴らを裁いてよ!」


田中「はあ?」


厨房「なんでなんでなんでお前だけ生きてる?…怖かったのか?え?…お前は臆病者だな!」


田中(これは幻覚だ…俺練炭でおかしくなったんだ主催者の時だって元々偶然ポケットに手紙入ってただけだ)

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