日向「マヨナカテレビ?」 (839)


日向「ペルソナ?」

日向「ペルソナ?」 - SSまとめ速報
(http://ex14.vip2ch.com/test/read.cgi/news4ssnip/1388811039/)

の続きになります。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1390574732


今日も遅いのでヒントと最初の安価だけやって終わりにしましょー


Time 06:30 3rd day 対立の水曜日

 ……なんだか嫌な夢を見た気がする。そのせいか、少し早く目を覚ましてしまった。みんなが起きるまで、ゲームでもして時間を潰そうか……


モノクマ「……オマエラの絶望的な顔を見られるから、ボクは構わないんだけどね。でもまさか1スレ費やして3日目の朝とは思わなかったよ!」

モノクマ「七日終える頃にはどうなることやら……初めは何周もやろうと思ってたけど、無理かねえ……」

モノクマ「ま、それはいいや! 恒例の質問タイム、行ってみよー!」

モノクマ「もしかしたら何を聞いたらいいのかわからないかもしれないから、ただヒントって書いてくれたらボクなりのヒントをあげよう!」


>>モノクマへの質問orヒント

 2個下


モノクマ「ヒントだね! 了解!」

モノクマ「そろそろただ目の前の人を助けるだけでなく、『この世界の真実』に目を向けたほうがいいかもしれないね! っていうか3日目はそれがないとロウルートは正直詰みだったり……」

モノクマ「前の週ではちらほらと『真実』のかけらが見えはじめてる感じはあったけどね。七海さんの『呪い』、左右田くんの『記憶』、狛枝くんの『デジタル』、そしてソニアさんの『王』……」

モノクマ「これらのことがどういう意味なのか、スレの皆で話し合ってみるのもいいと思うよ!」

モノクマ「ダークルートに進むんだったら、罪木さんと左右田くんを手放したのはミスだったね! ダーク、カオスは同ルートでも対立するキャラが多いから自分の味方になってくれるキャラは貴重だよ!」

モノクマ「それと、最後に大ヒントを! どの属性とも仲良くなれる属性、【ニュートラル】。これは一度手放すとなかなかもとには戻れないけど……絶対ってわけじゃないんだ」

モノクマ「『ニュートラル傾向が高まる』ことはないんだけどね。あることをすれば……」

モノクマ「さらに、ニュートラルからしか行けない特殊な属性もあるみたいだよ! これは狙うっきゃないね!」

モノクマ「それじゃ、よい一日を。はば・ないすたー!」


>>どこからロードしますか?

面倒ですが前スレのレス番を。3個下

明日も今日始まった時間位に?


日向「いや……それじゃまだ生ぬるい。むしろこちらから積極的に仕掛けていくべきだ」

左右田「は!? お、おい日向、何言ってんだよ……」

罪木「そ、そうですよぅ、日向さん……」

 なぜ自分がそんなことを口走ったのか、自分でもよくわからなかった。少なくともさっきまでの俺なら、そんなことは口が裂けても言わなかっただろう。

 けれど、彼女の――ソニア・ネヴァーマインドの――その妖しい瞳を見ていると、今まで大事に思っていた常識やモラルが、とてもくだらないもののように思えてきたのだ。

ソニア「まあ!! それはとてもいい考えですわね。日向さんは頼りになる殿方ですね♪」

 ソニアはさっきまでのピリピリした空気が嘘のように甘えた声を出した。もはや俺が彼女にとって”脅威”ではない、と察知したのだろう。

日向「左右田、罪木。お前たちはどうする? 今ならまだ、二人が十神たちの方に合流したいって言っても、それを咎めたりはしない」

左右田「ど、どうするって……そんなこといきなり言われてもよぉ。お、お前はどうするつもりなんだよ」

日向「別に……どうもしないよ。ただ、『死に顔動画』なんてものに踊らされて、名前も知らない奴のために必死で走り回るのが馬鹿らしくなっただけだ」

日向「これからは……自分たちが生き延びるために戦う」

罪木「ひ、日向さんは私たちについてどうお考えなんですかぁ!?」

 罪木が今にも泣き出しそうな声を上げた。

罪木「しょ、正直言って今の日向さんはなんだか怖いですぅ……で、でも、私……」

罪木「日向さんが私を必要だって言ってくれるなら……ついていこうと思います」

左右田「つ、罪木までなに言ってんだよ!?」

罪木「…………」

 罪木は足を震わせながらも、俺から目を逸そうとはしなかった。どうやら彼女は真剣なようだ。

日向「…………」



>>  1お前たちにはこの道は無理だ、大人しく旧校舎に帰れ
   2それを決めるのはお前たちだ、自分で考えろ
   3……一緒に来い、罪木、左右田
   4やっぱり気が変わった、お前らここで死んでいけ
   5その他(内容も)

2個下

今日はここまででー。

>>19 土曜だし出来ればもうちょっと早くからやりたい気はする。前スレ立ててから三週間で三日しかすすんでないし、このままでは完結まで二ヶ月かかってしまう……

これってロウ貫くの難しすぎね?
結構ロウ・ライトらへんの傾向高まってたと思うのにたった一つの安価で寝返るとか七海さん涙目にも程が有る

というかダークに落ちるのが早するんだよな
結構団結して平和な雰囲気だったのに葛藤もなしに一発で落ちるとか無理ゲー過ぎワロタ
性格もなんか変わっちゃってるし洗脳としか思えないレベル


>>27>>28 実際洗脳なので……スキル【邪流転生】でダーク傾向を高められた結果です。

 見ればわかると思うけど、このソニアさんは俺たちがよく知るダンガンロンパ2のソニアさんとは別物です。

『真実』がもう少し掴めていればソニアさんを救う方法もなんとなくわかるようにはなってるんですが、そこまで行ってないのでどのみち詰みなので死ぬかダーク化するか逃げるかになっちゃいますね……

ここからロウ傾向に戻ったり旧校舎の方へ戻ったりできるの?


>>31ロウに戻るのはもちろんできます。旧校舎にも行くにはいけます。歓迎はされませんが

ライトは無理?

あと、最初にソニアさんじゃなくて切りぎりさんに会うことも出来たのかな?

>>35 多目的ホールに行けば会えますが、左右田を連れて行くとどちらかと袂を分かつことになります。十神を連れてソニアにあっても同様。

>>33 ライトになりたかったら、ライトの人と一緒にいるのが一番です。七海とか

ぶっちゃけ「対立の水曜日」は属性の対立がテーマなので、どのチームに入るかで日向の属性も8割決定されちゃいます

メガテンでいう最終属性決定が今日ってことか···

>>40 あ、最終属性はまだまだなので安心してください。属性変化の余地はありまくりです。とくに明日は「反転の木曜日」なので

投下します


日向「……罪木、左右田」

罪木「はい、日向さん」

左右田「な、なんだよ……」

日向「お前ら……俺と一緒に来い」

左右田「…………」

日向「正直言って、俺の選択が正しいのかはわからない。きっと、俺がお前らにみせてやれるのは絶望だけだと思う。十神についていった方が懸命だ」

日向「だけど、それでも一緒に来い。二人とも」

罪木「……はい」

左右田「……チッ。わーったよ。ここまで来たら乗りかかった船だ!」

ソニア「ふふふ……日向さんは皆さんに信頼されてるんですね」

 ソニアが怪しく嗤う。その目には未だ、妖しい光が宿っている。その目を見ていると、どんどん自分が自分でなくなっていくのを感じる。けれど、俺は。

日向「……これからよろしく頼むな、ソニア」

ソニア「はい。日向さん」

 この道を行く、と決めたのはあくまで俺自身だ。ソニアのことを言い訳にはしない。俺はこの絶望的な世界で必ず、生き延びてやるんだ。


ソニアとの間に絆が芽生えるのを感じる……



                 我は汝……汝は我……
              汝、新たなる絆を見出したり……

             絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
        汝、”女帝”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 

 日向は【女帝】コミュを手に入れた!

 ソニアの連絡先を手に入れた!

ソニア・ネヴァーマインド
【女帝】コミュ コミュランク1 
属性:ダーク
ペルソナ:ペルセポネ
アドレス:取得済み


ペルセポネ
・悪魔召喚・交渉(悪魔との契約・契約した悪魔の使役が行える)
・邪流転生(対人間限定。属性をダークに変える)
・マハムド
・リカーム




 日向の【ダーク】傾向が高まった! 日向の属性が【ダーク】になった!

 左右田の【ダーク】傾向が高まった! 左右田の属性が【ダーク】になった!

 罪木の【ダーク】傾向が高まった! 罪木の属性が【ダーク】になった!

 拠点が【旧校舎】から【プール】になった!



 このスレはダンガンロンパとアトラス作品全般のクロスSSです。安価で行動を選択して進めていきます。



 前スレまでのあらすじ

 私立希望ヶ峰学園学園に入学した日向創。彼と、同じ新入生の左右田・七海の三人は、気が付くとある教室にいた。そんな彼らのもとに一通のメールが届く。

 「死に顔動画」と題されたそれには、彼らが謎の女と彼女が操る化け物に殺される、未来の映像が添付されていた。その映像をなぞるように現れる女。しかし日向たちは女と同じく化け物を使役する力、ペルソナ能力に目覚め、間一髪生還するのだった。

 謎の女から逃れたはいいものの、構内には「悪魔」と呼ばれる化け物が徘徊していた。さらに彼らに一週間後、悪魔によって破壊し尽くされた学校が映った「死に顔動画」が届く。三人はこれを回避するため、悪魔の謎を解くために奔走するのだった。

 一日の終わりには次の日、誰かが死ぬ様子が映った「死に顔動画」が届く……当面の間はこれを回避するのが日向達の目標である。



 現在 Time 10:00 3rd day 対立の水曜日


 パーティーメンバー

日向創
【愚者】コミュ コミュランク3
属性:ダーク
ペルソナ:オーディン

オーディン
・真理の雷(雷)
・グングニル(貫)
・マッドアサルト(打)
・ブフダイン(氷)


左右田和一
【魔術師】コミュ コミュランク2 
属性:ダーク
ペルソナ:ダイダロス
アドレス:取得済み

ダイダロス
・マハラギダイン(炎)
・トラエスト(ダンジョン脱出)
・マカジャマ(封付着)
・マハタルンダ(攻UP)


罪木蜜柑
【月】コミュ コミュランク1
属性:ダーク
ペルソナ:アスクレピオス
アドレス:取得済み

アスクレピオス
・アムリタ(状態異常回復)
・メディア(体力回復)
・夢見針(睡眠付着)


ソニア・ネヴァーマインド
【女帝】コミュ コミュランク1 
属性:ダーク
ペルソナ:ペルセポネ
アドレス:取得済み

ペルセポネ
・悪魔召喚・交渉(悪魔との契約・契約した悪魔の使役が行える)
・邪流転生(対人間限定。属性をダークに変える)
・マハムド
・リカーム


十神パーティー

十神白夜
【隠者】コミュ コミュランク3 
属性:ロウ
ペルソナ:プロテウス
アドレス:取得済み

ダイダロス
・プフダイン(氷)
・ジオダイン(雷)
・ガルダイン(風)
・警戒(敵奇襲率ダウン)


七海千秋
【永劫】コミュ コミュランク2 
属性:ライト
ペルソナ:ツキノウサギ
アドレス:取得済み

ツキノウサギ
・アナライズ(敵の解析)
・トラフーリ(ザコ敵との戦闘回避)
・人感知


舞園さやか
【太陽】コミュ コミュランク1 
属性:ライト
ペルソナ:タマモノマエ
アドレス:取得済み

タマモノマエ
・セクシーダンス(悩殺付着)
・マハラギダイン(全体火炎)
・ディアラマ(回復)
・吸魔(魔力吸収)


小泉真昼
【女教皇】コミュ コミュランク1 
属性:ロウ
ペルソナ:???
アドレス:取得済み


コミュメンバー

大和田紋土
【皇帝】コミュ コミュランク1 
属性:カオス
ペルソナ:シュテンドウジ
アドレス:取得済み

シュテンドウジ
・マハタルカジャ(味方全体の攻撃力アップ)
・チャージ(次の攻撃のダメージが2倍)
・ゴッドハンド(打)
・刹那五月雨撃ち(貫)

狛枝凪斗
【死神】コミュ コミュランク2 
属性:???
ペルソナ:???
アドレス:取得済み

モノクマ
【塔】コミュ コミュランク3
電子生徒手帳で【ペット】を選ぶと役立つ情報をくれる

セレス
【運命の輪】コミュ コミュランク1
ベルベットルームにいる。依頼の品を持って行くとアイテムをくれる。現在の依頼は「メカ苗木」

カムクライズル
【道化師】コミュ コミュランク1
謎の男。こちらから接触を図ることはできない



 移動場所

【旧校舎】【新校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】【グラウンド】【校門前】【ベルベットルーム】

 電子手帳メニュー

 【校内マップ】【ペット】【メール】【死に顔動画】※【校則】※【ペルソナ】

 ※は時間消費なし

 旧校舎でのみ、時間消費なしでパーティーの変更ができます。



 


Time 10:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 プール

現在の属性 ダーク

パーティー 日向創 ソニア・ネヴァーマインド 

待機メンバー 左右田和一 罪木蜜柑

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜 十神白夜(真) 舞園さやか 七海千秋 小泉真昼

 2個下

  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更(3人まで)

 移動場所

【旧校舎】【新校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】【グラウンド】【校門前】【ベルベットルーム】

直下


狛枝「~~♪~~♪」

 俺がソニアを連れて校門前に行くと、そこにはいつものように狛枝が寝転んでいた。違うのは、奴が音楽を聞きながら鼻歌を口ずさんでいたことだ。

ソニア「あれが先ほど話していた狛枝さんですか?」

日向「ああ。ソニアはここで待っててくれないか。ちょっと話をしてくるから」

 そう言い残して一人狛枝の元に向かう。

日向「おい、狛枝! 何やってんだ、お前?」

 俺が声をかけると、狛枝は不機嫌そうな顔で身を起こした。

狛枝「見てわからないかな、日向くん。音楽を聞いてるんだよ。人がイヤホンをしているときにわざわざ声をかけるなんて、日向くんも常識がないね。ボクとしては人を拒絶するつもりでつけてたんだけど」

 けれどその表情は、後ろに立っているソニアを見つけると興味深そうなそれに変わった。俺とソニアの間を視線が何度も行き来する。

狛枝「へえ……お仲間が変わったんだ。それに日向くん自身も。少しはボクの往く道に近くなったのかな?」

日向「さあ、な。ところでそれ、なんだよ。今どきカセットテープか?」

 狛枝のつけているイヤホンの先につながっているのは、最近流行りのMP3プレイヤーなどではなく、ポケットに収めるのがやっとの大きなウォークマンだった。

狛枝「違うよ。これはS-DATさ。CDなんかより、音の劣化が少ない。良いものだよ。最近ではハイレゾ音源、なんてものもあるみたいだけどね」

日向「ふーん」

 正直音楽機器のことはあまり詳しくないのでわからなかったが、適当に相槌を打つ。

狛枝「日向くんは、デジタル派? それともアナログ派?」

日向「それって音楽の話か?」

狛枝「なんでもいいよ。別にゲームのコントローラーでもテレビの電波でも。単なる雑談なんだから」

 しかし、そう言う狛枝の目にはただの雑談とは思えないほどの真剣な光が宿っていた。

日向「俺は……」

>> 1アナログ派
  2デジタル派
  3どちらでもない

2個下


日向「別に……どっちでもないかな」

狛枝「どっちでもない? ハッ、考えうる限りで最もつまらない答えだね」

狛枝「もういいから行きなよ。これ以上キミみたいな人間と話していたらこっちまで退屈な人間になっちゃうからさ」

 そう言うと狛枝はまたイヤホンを耳に戻してしまった……どうやらこれ以上会話する気はないみたいだ。


Time 10:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 校門前

現在の属性 ダーク

パーティー 日向創 ソニア・ネヴァーマインド 

待機メンバー 左右田和一 罪木蜜柑

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜 十神白夜(真) 舞園さやか 七海千秋 小泉真昼

 2個下

  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更(3人まで)


 多目的ホールへ向かう道の途中で、俺たちは一人立ち尽くしている女の子を見つけた。長い髪を片方だけ三つ編みにした、変わった髪型の少女だ。

日向「あれは……たぶん、例の死に顔動画の女だ!」

ソニア「あら……あれが噂の? ふふ……けっこうお強そうですわね。どうしますか?」

日向「どうするって言っても……この位置じゃもう見つかってるだろ」



>>  1こちらから先に攻撃をしかけよう
   2友好的に話しかけて様子を見よう
   3その他(内容も)

2個下


霧切「あら、貴方達……」

日向「【グングニル】!」 ソニア「【マハムド】!」

 こちらに気づいた三つ編みの女がなにかを言いかけた瞬間、こちらが持てる限りの最大火力で攻撃を叩き込む。

霧切「くっ!【ヤマ】!」

 彼女は信じられない速さで反応し、ペルソナを呼び出すがそれでも初撃をまともに食らってしまう。

日向「やったか!?」


直下コンマ30以下で勝利


霧切「喰らいなさい!【アギダイン】!」

日向「おっとお!」

 高速で飛んでくる火の玉を、すんでのところで躱す。

日向(おかしい……アイツは確かにグングニルをモロに食らったはずだ……つまり)

日向「気をつけろ! アイツはなにか、こちらの攻撃を無効化する術を持ってる!」

ソニア「あら、そうですの? それは大変ですわ、ね!【邪流転生】!」

日向(ソニアは俺の指示を聞くようなタマじゃないな……自分の攻撃に専念しよう)

日向(こんなことなら左右田か罪木をつれてくればよかった……っ!)

>> 1本体に殴りかかる
  2スキル(真理の雷)
  3防御を固めて様子を見る
  4逃げ出す
  5その他(内容も)

2個下


日向「【真理の雷】!」

 俺はとっさに呪文攻撃に切り替えて三つ編み女を狙う。しかし俺の攻撃を読んでいたのか、彼女はいとも容易くこれを避けてみせた。

霧切「貴方がそう来るのは予想済みよ!【光の審判】!」

 ヤマが手に持っていた笏を振り下ろすと、辺り一帯に衝撃波が走り、俺とソニアは吹き飛ばされる。

日向「くっ!」

ソニア「おかしいですわ……【邪流転生】が全く効かないなんて、そんなこと……」

霧切「これで終わりかしら? だったら、貴方達には聞きたいことがあるわ」

日向「まだまだぁ!」


>> 1本体に殴りかかる
  2スキル(マッドアサルト)
  3防御を固めて様子を見る
  4逃げ出す
  5その他(内容も)

2個下



 俺は怒りに身を任せて突撃を仕掛ける。

日向「ちっくしょおおおおお!」

霧切「破れかぶれね。こんな攻撃、避けるまでもないわ。【光の審判】!」

日向「ぐはっ……」

 しかしカウンターの要領でまともに攻撃を受けてしまった。

日向(ヤバイ……けっこういいのをもらった……もう、意識が……)

ソニア「日向さん!【リカーム!】」

レス直下コンマ30以下で復活



霧切「……うっかりしてたわね。聞きたいことがあったのに」

霧切「まあ、二人いてよかったわ。貴方はどうする? 続ける?」

霧切「続けるというなら……まあ、どうなるかはわかるわよね? 私が”どこまで”やるつもりかは……」

霧切「そこの彼が雄弁に語ってくれるから」





        才とは、己が手で掴み取るもの
       絆とは、他者と手を取り合うこと

         なぜに人は二つの腕持つ
        己の生を繋ぎ止めるためか 
      それとも時に死さえ抱きとめるためか

          死は決して無為にあらず
    ……しかして答えを知る前に命手放すは敗北なり      

              BAD END


>>面倒ですが前スレのレス番で再開場所指定をお願いします

2個下


Time 06:30 3rd day 対立の水曜日

 ……なんだか嫌な夢を見た気がする。そのせいか、少し早く目を覚ましてしまった。みんなが起きるまで、ゲームでもして時間を潰そうか……


モノクマ「オマエラ、どんだけ死ねば気が済むの? 話がぜんぜん進まないよ!」

モノクマ「こうなったらペナルティを設けたほうがいいのかな……」

モノクマ「例えば次に死んだら十神白夜が十神白夜(真)に変化するとか……」

モノクマ「冗談はさておき、質問タイムだよ! 例によって何を聞いていいかわからなかったらヒントって書いてね!」



>>モノクマへの質問orヒント

 2個下


モノクマ「うーん、本物かどうか、か……なかなかに形而上学的な質問だね!」

モノクマ「何を持って本物とするかにもよると思うけど……少なくともソニアさんのこの世界での立場は、日向くんのそれとあまり変わらない、ということは言えるかな」

モノクマ「この世界では一部を除いてほぼ全員が『呪い』の影響下にある……むしろ『呪い』があるからこの世界にいる。そんな感じかな」

モノクマ「ソニアさんの場合は、ちょっとそれが色濃く出ちゃっただけなんだ」


Time 08:30 3rd day 対立の水曜日


 朝食を終えた俺たちは、十神の呼びかけの元で本日の作戦会議を行っていた。

十神「さて、今日の行動指針についてだが……昨日までと同じく、死神動画に映った殺人を止める。これは確認するまでもないな?」

七海「うん……だけど今回は、どっちが『犯人』っていう感じでもなかったよね……殺人って言うより、戦いっていうか……」

日向「おまけにどっちもペルソナ能力を持ってたからな……おそらく、戦闘は避けられないだろうな」

 と、ここで今まで黙って話を聞いていた左右田が唐突に口を挟んできた。

左右田「あのよォ……思ったんだけど、パーティーを幾つかに分散したほうが効率がいいんじゃねえかな……なんて」

十神「貴様は……今までの話を聞いていたのか? おそらくペルソナ能力を持つもの同士の戦いになる。となれば、当然戦力は集中させておくべきだ」

 そのとおりだ、といった感じで皆が頷く。

左右田「でもよ、見つけられなかったら元も子もねえし……それに大人数で行くから警戒させるんだって! 戦いにならないようにするのが一番だろ?」

十神「……どうやらお前の中では『パーティーを分散したい』という結論が先にあるようだな。俺に言わせれば馬鹿らしいの一言だが……」

 そう言って十神は俺の方に向き直った。

十神「リーダーは日向、お前だ。お前はどう思う?」

小泉「うっそ、あんたがリーダーだったの? アタシ、ずっと十神くんだと思ってたわ」

 俺は……

>> 1パーティーを分散するという
  2分散させるべきではないという

2個下


 
日向「俺は、やっぱり皆がバラバラになるのは良くないと思う。そりゃ、効率を考えたら左右田の言うとおりかもしれないけど、こんな状況だし……なにが起こるかわからないからな」

十神「うむ」

 十神は当然だ、といわんばかりの顔で頷いている。

左右田「ケッ……そりゃ二人はその方がリーダー面できるからいいかもしんねえけどよォ……」

 左右田がぼそぼそとボヤく。

十神「ちょっと待て。貴様、今なんて言った?」

日向「まあまあ、十神。いいから」

十神「いいや、聞き捨てならんな。俺はともかく、日向の皆への尽力をお前はどう思ってるんだ!?」

日向「いいから!!」

十神「…………」

左右田「…………」

日向「そろそろ出発しよう。探索はいつものように三人で行く。残りの皆はここで待機しておいてくれ。いいな」

七海「うん、わかったよ」

前園「はい……」

日向(マズいな……誰を残して、誰を連れて行くか慎重に考えた方がよさそうだ)


Time 09:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 十神白夜

待機メンバー 七海千秋 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(真)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更

2個下


日向「あ、そうだ左右田」

 俺は道すがら、ベルベットルームで出会ったセレスと名乗る女の依頼のことを思い出した。

左右田「なんだよ。言っとくけどそのギャグ、小学校の時に百回は言われてっからな」

日向「ギャグじゃないって!……『メカ苗木』っていうのが欲しいんだけど、お前作れないか?」

左右田「なんだそりゃ? なんでそんなもの欲しいんだ?」

日向「えーと……」

 あの不思議な青い空間のことを、どうやってこいつに説明したらいいんだろうか……。

左右田「ま、なんだっていいけどよ。でも俺、お前に機械いじりが得意って言ったっけ? いや、まあ確かに得意なんだけどよォ」

 そう言われてハッと気がつく。確かになぜ自分は、メカ苗木なるものの制作を左右田に頼んだのだろう? なぜかはわからないが、左右田なら作れる、という確信が自分の中にはあった。

左右田「でも、流石の俺でも苗木ってのがなんなのかがわからねえとなあ。作って欲しいんだったら、その苗木ってのの情報を集めてきてくれ。そしたらいつでも腕を振るってやるからよォ」

日向「でもお前、材料とか……」

左右田「それがよ……ほら!」

 そういって左右田はポケットからネジやらなんやらガラクタを掌いっぱいに掴み出した。

左右田「化け物が暴れた後に残ってたのを拾ってきたんだ。こんだけあったらロボットの一体や二体すぐだぜ!」

日向(いや……いくらガラクタがあっても普通ロボットは作れないぞ……)

 左右田との絆が深まるのを感じる……【魔術師】コミュランクが3に上がった!


Time 09:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 十神白夜

待機メンバー 七海千秋 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(真)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更

2個下


新メンバー

>>直下と3個下

Time 09:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(真)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更

2個下

七海「あっ!」

 多目的ホールへ向かう道の途中で、七海が突然声を上げた。

日向「どうした、七海?」

七海「うん。あそこ、ほら」

 七海が指さした先をよく見ると、かなり遠くの方にうっすらと人影が見えた。

日向「あれは……もしかすると、例の死に顔動画の女じゃないか?」

左右田「げ! マジかよ! どうすんだよ、そいつが好戦的なやつだったら?」

七海「うーん……その可能性はないとは言い切れないけど……でも、まずは話しかけてみなくちゃなにも始まらない、と思うよ?」

日向「そうだな……」


>>  1このまま見つからないよう逃げ出そう
   2一人を逃走経路の確保に回して二人で襲いかかろう
   3友好的に話しかけて様子を見よう
   4その他(内容も)

2個下


日向「いや……なんだか嫌な予感がする。とりあえず今のところは帰ろう」

七海「そう? 日向くんがそういうんだったら……」


Time 10:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 実習棟

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(真)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


日向「……なんだこれ」

 俺たちがプールにやってくると、昨日まではなかったものが待っていた。化け物に壊された学校の廃材で出来たと思われる、大きな神輿のようなものだ。

 その天辺には一人の女性が座っている。どこから持ってきたのかパラソルのようなものまで有って、ここが学校のプールでさえなければまるでセレブの休暇のようにも見えたかもしれない。

???「あら、ごきげんよう」

 そう言って女性はこちらに手を振って来た。顔は逆光になっていて、よく見えない。

日向「あんた、こんなところで一体なにをしてるんだ!?」

???「見てわかりませんか? 暑いので水辺で涼んでいるんです。よかったらみなさんもどうですか?」

日向「暑いので、って……お前な」

七海「! 日向くん、見て!」

 七海がペルソナの耳をぴょこぴょこと動かしながら言う。指差された方向を見ると、人形のような姿の小さな化け物が一匹、神輿の下で動いているのを見つけた。

日向「……! おい、お前! 急いでそこから離れろ!」

ソニア「無礼者! お前ではありません! わたくしにはソニア・ネヴァーマインドという立派な名前があります! 腹を切りなさい!」

日向「そんなこと言ってる場合か! 早く逃げろ、そこに化け物が……」

>> 1神輿を駆け上ってソニアを運び出す
  2化け物に飛びかかる
  3放っておいて逃げる

2個下


日向「くそ、こいつめ!」

 俺はとっさに化け物に素手で飛びかかっていた。以外にも、敵の力はそれほど強くなく、あっけなく組み伏せることができた。

日向「よし、これで……」

ソニア「ああ、モコイさん!」

 するとソニアと名乗る女は神輿の上からするすると滑り降りてきて、俺に駆け寄ってきた。

日向「まて、近づくな! まだ暴れるかも」

ソニア「退いてください!」

 そのまま体当たりの要領で吹き飛ばされる。

日向「??」

ソニア「ああ、大丈夫ですか? モコイさん」

 そのまま彼女は化け物を抱き起こし、介抱しはじめた。

左右田「……なあ、この状況どういうことだ?」

七海「…………さあ?」


日向「へえ……悪魔、かあ」

ソニア「はい! こちらにいらっしゃるのがモコイさんで、あのこちらがジャックフロストのジャアくんです! わたくしのコレクションの一つ、『悪魔全書』に挿絵付きで載っていたから間違いありません!」

 俺たちはプールサイドに座って、ソニア・ネヴァーマインドを囲んで話を聞いていた。彼女はこの学園にいる化け物のことを”悪魔”と呼んだ。

 彼女の膝元では、モコイが膝枕の状態で傷を撫でてもらっている。ジャアくんという悪魔はそれが気に入らないのかちょっかいを出している。

日向「それにしても、なんでこの学園に『悪魔』なんてのがいるんだ?」

ソニア「それは私にもわからないのです……昔読んだ本に彼らの姿が載っていただけですから」

七海「じゃあ、もう一つ質問。どうしてソニアさんはそんなに悪魔たちと仲良く出来るの? 私たちの時は、姿を見たら襲いかかってきたのに……」

ソニア「ウフフ。それはきっとこの……」

 ソニアの横にペルソナが現れた。その多くの花を携えた女性形のペルソナに、俺たちは見覚えがあった。

ソニア「ペルセポネさんのおかげでしょう。どうしてこんな不思議な能力が使えるのかも、わたくしにはとんとわからないのですが」

左右田(これって……)

日向(ああ、死に顔動画に出ていたペルソナだ)

 ということは彼女があの金髪の女性なのだろうか。髪を卸しているのでまったく気が付かなかった。

ソニア「わたくしの知っていることはこれで全部です。今度はそちらの事情も話していただけますか?」

日向「……え?」

ソニア「お三方はどのようにして出会われたのですか? それにここに来たとき、誰かを探しているようにも見えましたが……」

>> 1死に顔動画についても包み隠さず話す
  2死に顔動画についてだけ隠して事情を話す
  3適当なつくり話をする
  4その他(内容も)

2個下


日向「実はな……俺たち、高校生くらいに見えるかもしれないが、本当はもっと年上なんだよ。怪しげな組織に変な薬を飲まされて、体が縮んでしまったんだ」

左右田「おい、日向なにいっ……」

日向(黙ってろ!)

 左右田の足をおもいっきり踏みつける。

日向「それで、もとの体に戻る手がかりを探すためにその組織の奴らを探してたんだ」

ソニア「……………………」

日向「……あれ?」

七海「日向くん……『怪しげな』組織に『変な』薬を飲まされてって……ディテールが曖昧なのは嘘の証拠だよ?」

ソニア「……わかりました。わたくしは事情を話すに値しない人間、ということですね」

日向「いや、その……」

ソニア「もういいです。帰ってください。そんな人とお話することはもうありません」

 そう言うとソニアはプイと後ろを向いてしまった。

日向(怒らせちゃったみたいだな……)


Time 10:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 プール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(真)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下

電子生徒手帳メニュー

 【校内マップ】【ペット】【メール】【死に顔動画】※【校則】※【ペルソナ】

 ※は時間消費なし

レス直下


>>レス直下 相手

>>3個下 内容

ちょっと風呂入ってきます。



日向「このアドレス……登録した覚えがないぞ。名前は十神白夜になってるけど、

十神のやつは知らないって言ってたし」

日向「とりあえずメールしてみるか。お前は誰だ、あって話がしたい、っと」

日向「お、さっそく返信が来た」

From 十神白夜

 お前は誰だ、だと? お前の目は節穴か。十神白夜だと書いてあるはずだがな。

 だがまあ、最低限の常識は弁えているようだな。話をするのなら、こんなメールなどといった手段ではなく直接顔を合わせて、というのが常道だ。

 しかしそれも無理な話だ。俺とお前では住む世界が違う。文字通りの意味でな。

 まあそんなことはどうでもいい。重要なことだけ伝えておく。俺がお前たちを庇

ってやれるのも、そちらの時間であと5日が限界だ。

 それでその世界は終焉を迎える。それまでに何としても江ノ島盾子を倒すんだ。

 今回、首を突っ込んだバカはいない。もし失敗してもそれはそれ、そこでお終い

だ。そうなりたくなかったらせいぜい頑張るんだな。


日向「……なんだこれ? どういう意味だ?」

日向「それにしても本物の十神と比べてずいぶんぶっきらぼうなやつだな……心の

なかで偽十神って呼んでやろう」

 偽十神との間に微かな繋がりを感じる……



                 我は汝……汝は我……
              汝、新たなる絆を見出したり……

             絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
        汝、”教皇”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり……

 

 日向は【教皇】コミュを手に入れた!

十神白夜(偽)
【教皇】コミュ コミュランク1 
属性:???
ペルソナ:???
アドレス:取得済み

というわけでこれからはこっちの十神の名称が十神(偽)になります。ややこしいですがご了承ください


Time 11:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 プール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽)


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  3メンバーと会話

  

2個下


日向「さあ、またしても多目的ホールにやってきたわけだけど……」

左右田「……あの女、さっきからあの位置をほとんど動いてないみたいだな。なにやってんだ?」

日向「さあな……それも直接聞いてみるか」


>>  1このまま見つからないよう逃げ出そう
   2一人を逃走経路の確保に回して二人で襲いかかろう
   3友好的に話しかけて様子を見よう
   4その他(内容も)

2個下


日向「俺が話しかけてみるよ。二人はここで待っていてくれ」

七海「……わかった」



日向「おーい!」

???「……なにかしら。日向創くん?」

日向「うぇ!?」

日向「……どうして俺の名前を知っているんだ?」

霧切「さあ。どうしてかしらね。ここにいるのは貴方一人かしら?」


>> 1……俺一人だ
  2左右田と七海を呼ぶ
  3なぜ名前を知っているかが先だ

2個下


日向「……いや、仲間がいる。左右田! 七海!」

 目の前の女から目線をそらさずに二人を呼ぶ。 

???「……なるほど、その二人が仲間なのね」

霧切「私の名前は霧切響子。よろしくね」

 霧切は厳つい手袋をした右手を差し出した。間違いない。あの『死に顔動画』に映っていたものだ。

 彼女は俺の視線に気がついたのか、少しバツが悪そうに

霧切「ああ、これ? ごめんなさい、無礼なのはわかってるわ。ただ、少し事情があって外すわけには行かないの」

 と言った。

日向「いや、別にいいよ。よろしくな、霧切」


日向「それで、霧切はあんなところで何をやってたんだ? それにどうして俺の名前を知ってるんだ?」

霧切「私が何をしていたかというと、あなた達が来るのを待ってたのよ」

日向「俺たちを?」

霧切「ええ。日向創、それに左右田和一、七海千秋。あなた達なら信用できるわ。私に力を貸して欲しいの」

左右田「ちょ、ちょっと待て! なんでテメーが俺らの名前を知ってんだ!? 日向、オメーが教えたのか?」

日向「いや、俺はなにも……」

霧切「そんなことはどうでもいいわ。重要なのはあなた達が『彼女』の影響が薄い人たちだということ。そう、江ノ島盾子のね」

 江ノ島盾子? 聞いたことのない名前だ。だが、なぜか懐かしいような……

左右田「その江ノ島盾子ってのは誰なんだよ?」

霧切「あなた達にもわかるように簡単に説明すれば、江ノ島盾子はこの学園に『悪魔』を蔓延らせた張本人、ということになるわね。あなた達もみたでしょう? 徘徊する化け物の姿を」

左右田「悪魔ァ!?」

霧切「そうよ。そして、アイツと戦うためには力がいる……江ノ島に汚染されていない、ペルソナ使いの力がね。だからここで誰かが来るのを待っていたのよ」


日向「ちょっと待て、その江ノ島って、もしかして……」

 俺は死に顔動画に映っていた女の特徴を伝えた。

霧切「……いいえ。それは江ノ島盾子じゃないわね。彼女は金髪をツインテールにしたギャル系の女よ。それは、特徴からして……おそらく、ソニア・ネヴァーマインド。そう、彼女と私が……」

霧切「ということは彼女は向こう側の陣営、ということね。江ノ島と戦う前のウォーミングアップと行きましょうか」

左右田「……ちょっと待てよ!」

 左右田が彼女の弁を遮るように大声を挙げた。

左右田「さっきからなんなんだよ!? 悪魔だの、江ノ島盾子だの……結局俺たちの名前を知ってた理由も聞いてねえ! お前はいったいなんなんだ!?」

霧切「……ごめんなさい、それは説明できないわ。おそらく言ったところで理解できないと思う」

左右田「……悪いけど俺はアンタのことは信用できねえ。少なくともアンタの言うことを信じて、その江ノ島盾子だかソニア・ネヴァーマインドだかと戦うつもりもねえ」

左右田「なあ、日向もそうだよな?」

日向「俺は……」


>> 1俺にはまだわからない
  2俺も左右田と同じ考えだ
  3もう少し霧切の話を聞こう
  4その他(内容も)

2個下


日向「……悪いけど俺も左右田と同じ考えだ。いきなりそんな話をされても、ハイそうですかってわけにはいかない」

霧切「そう。残念ね」

日向「……俺たちとも戦う、か?」

霧切「あなた達が江ノ島の方につくというのならいずれ、ね。理解できないというあなた達の気持ちもわかるもの」

霧切「私はもうしばらくここにいるつもりよ。私の話を信じるつもりになったらいつでも来なさい」


Time 11:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽)


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  3メンバーと会話

  

2個下


>> 内容

レス直下

俺ってばどうすりゃいい?

まだ呪いについて話してもらってないんだよね確か


>>211>>212 すまん、この週は呪いの話まだだったの忘れてた。安価なしで


 多目的ホールから離れ歩いていると、七海が突然妙なことを言い出した。

七海「……ねえ、日向くんは呪いって信じる?」

日向「いきなり何を言い出すんだ? もしかして、さっきの霧切の話と関係有るのか?」

七海「関係……ある、かな。ねえ、それより質問に答えてよ。日向くんはどう思う?」

日向「俺は……」

>> 1何を言ってるんだ、バカバカしい
  2悪魔がいるくらいだ、あるかもしれない
  3七海があるというなら信じるさ

 2個下


日向「正直、ぶっ飛んだ話だとは思う……だけど、七海が言うんなら信じられる」

 そう、なぜか不思議と彼女の言葉はまっすぐに俺に入ってくるのだった。なぜだろう? まだ彼女と会ってから、たかだか二三日だというのに。

七海「……日向くん。ありがとう。」

七海「あのね、世の中には本当にいるんだよ。その存在が……あまりにも、あまりにも強すぎて。他の人間に烙印を刻み込んでしまう、そんな人が」

七海「それは、その人を決定的に変えてしまう……その人の深層心理、魂にまで刻まれて。たとえ記憶を無くしたとしてもその影響を完全に消すことは出来ない。それって、もう呪いみたいなものなんだ」

七海「霧切さんの言ってた、江ノ島盾子もそんな人だった。ソニアさんがもし霧切さんと戦う運命なんだとしたら、彼女はきっとその呪いから逃れることが出来なかったんだと思う」

日向「七海、お前……霧切が言ってたことについて、なにか知ってるのか?」

 七海はコクリと首を縦に振った。

七海「……ごめんね。でも、今はこれ以上は言えないんだ」

日向「……そうか。七海が話したくないならそれでいいさ。それより……」


>> 1俺にはそんな人はいないなあ
  2七海にもそんな人がいるのか?
  3俺にとっては七海がそうだな

2個下


日向「俺には、そんな人はいないなあ」

七海「…………」

日向「七海?」

七海「……そうだよね。日向くんなら、きっと大丈夫。」


Time 11:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽)


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  3メンバーと会話

  

2個下

電子生徒手帳メニュー

 【校内マップ】【ペット】【メール】【死に顔動画】※【校則】※【ペルソナ】

 ※は時間消費なし

レス直下


モノクマ「うう……正直3日目ループは心が折れそうだぜぇ……」

モノクマ「でもその甲斐あってか、『呪い』については少し謎が解け始めてきたんじゃないかな?」

モノクマ「よし! このまま勢いに乗るために、ここはひとつどどーんと!」

モノクマ「>> 2個下、3個下、4個下! 三つの質問に答えちゃおうかな!?」

霧切と真とがみの関係

>>234

戦わずに3日目を乗り切る方法はないの


>>236 モノクマ「ぶっちゃけ無いよ! この二人はバックグラウンドがまったく別のキャラだね!」

>>237 モノクマ「無いよ! この二人に会うには別の手順が必要だね! さっきの周回は惜しいとこまでいったんだけど……」

>>238 モノクマ「無いよ! この世界をサバイブするためには、戦いは避けられないのだぁ……」


モノクマ「流石にこれじゃあヒントにならないから、特別にもう一つだけ教えてあげよう! この情報があればあまりにバラバラなこのスレももう少しまとまるはず……」

モノクマ「一度他に傾いた属性をニュートラルに戻す方法だけどね……」

モノクマ「全ての属性を見て回るんだ。ロウも、カオスも、ライトも、ダークも、ぜ~んぶ!」

モノクマ「その上で原点に立ち戻ってもう一度自分の往くべき道を選ぶのさ。そうすれば、もしかしたら新しい道も見えてくるかもしれない……」

モノクマ「それじゃ! はば・ないすた~」



 モノクマとの間に確かな絆を感じる……【塔】コミュランクが4に上がった!

ソニアに洗脳されても大天使七海たんが平手打ちで目を覚まさせてくれるはずだ

Time 12:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽)


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  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下

 移動場所

【旧校舎】【新校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】【グラウンド】【校門前】【ベルベットルーム】

直下


左右田「なあ、オイ。もっかい多目的ホール行ってどうするつもりなんだよ。もしかしてあの霧切とかいうヤツの言うこと、信じるのか?」

左右田「俺はヤだぜ。もしそうするっていうんだったら、ワリーけど俺は抜けさせてもらう」



霧切「あら、日向くん。どうしたの? もしかして、私の話を信じる気になったのかしら?」



>> 1霧切に戦いを挑む
  2もう少し話を聞かせてくれ
  3ああ。だから俺たちのアジトに来てくれ
  4その他(内容も)

2個下


日向「ああ。だから俺たちのアジトに来てくれ」

左右田「! オイ、日向!」

日向「そうは言ってもだな……まだ信じると決めたわけじゃないけど、十神たちにも話を聞いてもらわないことには……」

霧切「あら。あなた達、三人だけじゃなかったのね。十神くんも一緒なの?」

日向「ああ。俺たちの他にあと四人いる」

霧切「……四人?」ピクッ

日向「ああ。十神に舞園に罪木に小泉に……なにか問題あるか?」

霧切「……いえ。構わないわ。行きましょう」

七海「もしかして……霧切さん、人見知りするほう?」

霧切「そんなわけないでしょう。全然問題ないわ」


左右田「オイオイ、マジかよ……マジなのかよ! お前ら、ホントにこの女の言うこと信じんのか!?」

左右田「悪いけど、俺はパスだ……一人でどことなり、行かせてもらうぜ」

霧切「左右田くん、待ちなさい」

左右田「へっ、誰がテメーの言うことなんて聞くかよ。【トラエスト】」

日向「っ……おい待て! 七海、左右田の位置がわかるか?」

七海「……ううん」フルフル

日向(しまった……なんだかんだ言って、本当にチームを抜けることはないだろうと思っていたから、油断した……まさかスキルまで使って逃げ出すなんて……)

霧切「……ごめんなさい、私のせいで」

日向「……いや、霧切のせいじゃないさ。とりあえず、左右田の抜けた穴に入ってくれるか?」


Time 12:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下

 移動場所

【旧校舎】【新校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】【グラウンド】【校門前】【ベルベットルーム】

直下


今日はここまでで。明日も同じ時間にやります

ちょっと帰りが遅くなりそうです。9時くらいからやろうと思います。

だいぶ遅くなったけど人いるだろうか……投下します


>>246の前にこれを

 霧切との間に絆の芽生えを感じる……

                 我は汝……汝は我……
              汝、新たなる絆を見出したり……

             絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
        汝、”正義”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 

 日向は【正義】コミュを手に入れた!

 霧切響子の連絡先を手に入れた!

霧切響子
【正義】コミュ コミュランク1 
属性:ロウ
ペルソナ:ヤマ
アドレス:取得済み

ヤマ

・光の審判(全体物理)
・アギダイン(炎)
・物理無効
・魔力覚醒(パーティー全体の魔法威力1.5倍)

ヤマ
言わずと知れた地獄の主、閻魔大王。本来は裁きの十王の一人なのだが、他の九王を圧倒する認知度を持つ。日本では地蔵菩薩と同一視されることもある、厳しいながらも慈愛の面も持つ神。


十神「日向……ようやく帰ってきたか。そっちの女は誰だ? それに左右田はどうした?」

 俺は多目的ホールで起こったことを説明した……

十神「そうか……左右田が離脱したのは正直計算外だが、お前を責めるわけにもいかないな」

十神「なに、生きてさえいればまたいつか会えるさ」

霧切「貴方が……十神くん? 本当に?」

日向「なんだ? 霧切は十神のことを知っているのか?」

 俺がそう言った瞬間、十神の顔にらしくもなく怯えの色が見えた。

十神「あー……たしか霧切、だったよな?」

霧切「…………いいえ、私の気のせいだったみたい。よろしくね、十神くん」

 そう言って霧切は右手を差し出した。十神は露骨に安心したように見えた。




霧切「それで……これからの方針だけど。『死に顔動画』については日向くんからだいたい聞いてるわ」

霧切「……なるべく死人を出したくない、というあなた達の気持ちはわかるわ。けれど私にも私なりの理由がある。江ノ島盾子の信奉者をのさばらせておくわけにはいかないの」

十神「その江ノ島盾子というのが、ここに『悪魔』とやらをばらまいて俺たちを閉じ込めている元凶なのか?」

霧切「そうよ。どうして私がそれを知っているのか、そこまでは教えることが出来ない。けれど、本当のことよ」

日向(霧切の様子からして、嘘は言ってないとは思う……けれど出会ったばかりの彼女のいうことを本当に信用していいものだろうか?)


>> 1それでも俺は誰も死なせたくない
  2お前のいうことを信じられる根拠は?
  3わかった、とりあえず信用しよう
  4十神はどう思う?
  5その他(内容も)

2個下




霧切「言ったでしょう? 今言ったところでどうせあなたたちには信じられないと思うわ」

日向「…………」

 煙に巻くようなことばかり言う霧切に、無言で疑惑の視線をぶつけてやる。すると観念したのか、彼女ははぁ、と呆れたようにため息をついたあとで言った。

霧切「……バベルの塔」

七海「!?」

 霧切の言葉に、七海がビクリと反応を示した。

霧切「そこに書いてあったのよ。この世界のこと、江ノ島盾子のこと」

日向「ちょ、ちょっと待てよ。そのバベルとやらに書いてあることが本当だって言う根拠がないじゃないか」

霧切「……だから言ったでしょう。あそこは、根拠がどうとかそういうものじゃないのよ。貴方もアレを見れば、無条件に信じざるを得なくなるわ」

日向「じゃあ、俺たちもそこに……」

霧切「それも無理ね。今のあなた達じゃ、行っても死ぬだけだわ」

日向「それじゃ、何も情報は増えてないじゃないか!」

霧切「だから言ったでしょう。言っても無駄だって。結局は、私を信じるか信じないか、よ」


七海「……私は、霧切さんの言うこと、信じるよ」

日向「七海!?」

七海「でも私は、だからといってソニアさんと霧切さんが戦うことが正しいことだとは思えない。私たちの倒すべき敵はあくまで江ノ島盾子ただ一人……だと思うんだ」

霧切「……少なくとも、『江ノ島盾子を倒す』という一点に置いては私たちは協力出来そうね」

霧切「……まあ、いいわ。とりあえずはこのチームのリーダーである日向くんに従おうかしら。貴方がソニア・ネヴァーマインドを倒す必要がある、と認めるなら私をパーティーに入れて頂戴」


Time 13:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更  

2個下


 俺たちは再びプールへとやってきた。ソニアは相変わらず悪魔に作らせた神輿の上で寛いでいる。

ソニア「……あら。日向さんじゃないですか。ようやく私に本当のことを話していただける気になりましたか?」

日向「ああ……俺たちは『死に顔動画』という、未来の映った動画を見た。お前と、ここの霧切が殺しあう姿をな。それで、お前たちを探してたんだ」

日向「霧切が教えてくれた。ここに俺たちを閉じ込め、悪魔をばらまいたのは江ノ島盾子という女だと。そしてお前とそいつは仲間だと!」

ソニア「江ノ島盾子……? はて、耳にしたことのない名前です」

日向「え……?」

霧切「惑わされないで。嘘に決まってるわ」

日向(わからない……どっちの言っていることが本当なんだ?)


>> 1もう少し双方の話を聞く
  2ソニアに襲いかかる
  3霧切とそっと距離を取る
  4七海に意見を求める
  5その他(内容も)

2個下


日向「七海……どう思う? どっちを信じればいい?」

七海「うーん……日向くんが信じたい方を信じればいいと思うよ?」

日向「……は?」

七海「二人の言うことってね、実は矛盾してないんだ。霧切さんは『ソニアさんが江ノ島盾子の手下だ』って言う。ソニアさんは『江ノ島盾子という名前を聞いたことはない』って言う」

七海「ね? これって矛盾してないでしょ? だから、日向くんの信じたいことを信じて」

七海「でも……私は」

七海「日向くんなら、この争いを止められるって……そう、信じてる」


>> 1もう少し双方の話を聞く
  2ソニアに襲いかかる
  3霧切とそっと距離を取る
  4二人ともと敵対する
  5その他(内容も)

 2個下


日向「待ってくれ! 二人とも、もう少し落ち着いて話を……」

ソニア「日向さん。私は本当に江ノ島盾子という人のことを知りません。だからこそ、そのことを証明できないのです。それは悪魔の証明ですから」

霧切「そうね。それに日向くんは『死に顔動画』とやらを見たんでしょう? この戦いは不可避の運命なのよ」

日向(なんてことだ……俺が二人を引きあわせたばっかりに、こんなことに……)

日向(そもそも、本当に『死に顔動画』が無くても二人は殺しあう運命だったのか? 俺たちは、あれが『死を回避する』ために送られてくるんだと勝手に思ってたけど……もしかして、あのメールこそがこの状況を生み出した原因何じゃないのか!?)

日向(だめだ……こんな状況じゃあ上手く頭がまわらない……とにかく今はこの場をなんとかしないと)

>> 1もう少し双方の話を聞く
  2ソニアに襲いかかる
  3霧切とそっと距離を取る
  4二人ともと敵対する
  5その他(内容も)

 2個下


ソニア「そういうことです。疑いが晴れない以上、この場は退いても彼女はいつ襲ってくるかわかりません。恨みはありませんが、私はそんな危険分子を放っておくほどお人好しでもありません」

霧切「それはこちらの台詞ね。あなたと江ノ島盾子の繋がりがないと証明できない以上、放置しておくことは出来ないわ。ここでケリをつけさせてもらう」

 二人はどちらからともなくお互いにペルソナを召喚し、対峙した。

日向「待ってくれ! まだ話は……」

ソニア「日向さん。残念ですが話し合いで収まる段階はとっくに過ぎたのです」

霧切「そういうことね。危ないから下がってなさい」

日向(なんてことだ! 二人とも、本当は争う理由なんてないのに……お互いに『相手が自分を狙っている』と完全に思い込んでしまっている!)

ソニア「来てください! アバドンさん、デカラビアさん!

 ソニアのペルソナが手に持った本のページを繰ると、一瞬のまばゆい光の後で二体の悪魔が彼女を守るように脇に控えていた。

 それに対し霧切は、自分のペルソナであるヤマを盾にまっすぐに相手の懐に切り込んでいく。


日向(マズい……このままじゃ『死に顔動画』で見た状況の再現だ!)

 本当ならもっと早く、自分がどちらにつくか決めておくべきだったのだ。けれど俺は悩むばかりで、その機を逃してしまっていた。

 二人の戦いは激しさを増していく。その素早さ、力強さ、共に幾度かのペルソナバトルを経てレベルアップしているはずの俺たちをはるかに上回っていた。

日向「くそっ……とてもじゃないが入り込めそうにない!」

七海「……今は見守ろう。二人の決着を。私たちに出来ることは、まだきっとあるはずだから」

 二人は何度も激しく切り結ぶ。力はほとんど互角のようだった。しかし、その均衡もあっけなく崩れ去る。光の矢のようなものが突如、何もない方角から霧切を襲った。

 彼女はそれをなんとか躱したものの、バランスを崩してしまう。ソニアがそれを見逃すはずもなく、デカラビアと呼ばれた星形の悪魔が氷の塊を霧切にぶつける。

 しかし霧切もとっさにペルソナを呼び出し、その力をあろうことか防御ではなく敵を攻撃することに使った。

 二人の放った攻撃がぶつかり、融け合い、光を放って――そしてそれが収まったとき、そこに立っていたのは一人だった。


霧切「……私の勝ちね」

 彼女は手袋についた埃をもう一方の手で払いながら、淡々とした調子で言った。

ソニア「そう……みたいですね。こんなところでわたくしの王道が途絶えるのは残念ですけれど……撃った瞬間から撃たれる覚悟はしていました。どうぞ、止めをさしてください」

霧切「……そう」

 霧切のペルソナ、ヤマが手にした笏を高く掲げ――

日向「待て!」

七海「霧切さん、やめて!」

霧切「……バカバカしいわね」

 ――そのまま、空間の中に消えていく。

ソニア「……なんのつもりですか?」

霧切「私の目標……いいえ、使命は希望ヶ峰学園77期生から江ノ島盾子の影響を排除することよ。それは貴方だって例外じゃない」

霧切「ここで貴方を殺したところで、本当の意味で江ノ島のシンパを減らすことにはならない。だとしたらこんな行為、無意味だわ」

ソニア「……わたくしを見逃す、というのですか? 言っておきますが、わたくしは本気で貴方を殺すつもりでしたよ?」

霧切「でも江ノ島盾子のことを覚えていないのも本当。ちょっと彼女の影響が色濃く残っていただけ。だったら殺す必要はないわ。もちろん拘束はさせてもらうけど」

ソニア「……ですが、わたくしは」

霧切「ほら。いいから立ちなさい」

 霧切は倒れたままのソニアに手を差し伸べた。

ソニア「……一人で立てます」

霧切「あら。失礼」

 そう言ってソニアが立ち上がろうとした、その瞬間。


    【 ムドハンマ 】

 どこからか男の声が響いた。それに応えるように、二人の足元に紫で描かれた魔法陣のようなものが現れる。そこから何十、いや何百もの黒い腕が獲物をまさぐるように伸びだした。

 霧切はとっさに後ろへ飛んでその指先を躱す。しかし倒れたままだったソニアは、なすすべもなくそれに捕まってしまう。

日向「ソニア!」

七海「ソニアさん!」

 俺と七海はとっさにソニアに駆け寄ろうとしたが、霧切に手で押しとどめられた。

日向「離せよ! ソニアが!」

霧切「残念だけど彼女はもう手遅れよ」

 そう言った彼女の顔にも、苦渋の色が浮かんでいる。

ソニア「……どうやらわたくしはここまでみたいですわね。……霧切さん」

霧切「……なにかしら」

ソニア「結果としてはこうなってしまいましたが……わたくしは、貴方に情けをかけてもらったこと、本当に嬉しく思います」

ソニア「貴方のような人と最後に戦えたことは、わたくしの誉れですわ」

霧切「……そう。私もよ」

ソニア「……ふふっ」

 ソニアは、最後に晴れ晴れとした表情で笑った。今までどこか彼女にずっとまとわり付いていた陰のない、輝くような笑みだった。

 次の瞬間、ソニアは消えてしまっていた。文字通り、髪の毛一本残さずに。


日向「っ!!! ちくしょおおお!!」

 俺は思わず膝をついて地面をかきむしる。自分の無力さが嫌というほど胸を締め付ける。

霧切「泣いてる暇はないわよ。そこの人! 出てきなさい」

 霧切が戦いの影響で壊れかけた神輿に向かって叫んだ。すると、誰もいないと思われたはずのそこから影が一つ、むくりと形をなした。

???「アハハハハ! 直接手を下したんだ、そりゃあバレちゃうよねえ」

霧切「さっきから私たちの戦いにちょっかいを出していたのはお前ね」

???「あれ? そっちもバレちゃってたんだ? じゃあ結果オーライってとこかな」

七海「あなたは……」

日向「狛枝ァ!」

狛枝「やあ、日向くんひさしぶり。ボクだよ」

 狛枝は、今までとは違う禍々しいとしかいえない表情で笑ってみせた。



日向「狛枝! なんで! なんでソニアを殺した!?」

 俺は全ての怒りを込めて、声も枯らさんばかりに叫んだ。しかし狛枝はそのニタニタと粘着く笑みを引っ込めもせず淡々と答える。
 
狛枝「なんでって……おかしなこというね。キミたちだって同じことをしようとしてたじゃない。直前で気が変わったみたいだけど。ボクはちょっと最後の仕上げを手伝っただけさ」

日向「ソニアは! 最後にはわかってくれてた! 俺たちの仲間になれたかもしれない! なのに!」

狛枝「悪いけど、ボクには関係ないんだよね……この世界の人間は、一人残らず殺す。もちろん、日向くんだって例外じゃない」

日向「なんのために! なんでそんなことを!」

狛枝「なんでって……それが日向くんの為なんだよ。日向くんだけじゃない、皆のためなんだ。こんなニセモノじゃない、本物の日向くんの、ね」

霧切「その口ぶり……貴方もバベルの塔に行ったの?」

狛枝「ああ、そうだよ。そこで全てを知った……だからこんなことも出来る」

狛枝「来い! タナトス!」

 狛枝はそう叫ぶと、手を拳銃のような形にして自分のこめかみにあてた。

 呼び出されたペルソナは、竪琴を持った男の姿をしていた。それが、狛枝が手の拳銃で自分を撃つ真似をすると、口から何かを吐き出し始めた。

 それは大きな髑髏を被り、数多の棺桶を引き連れていた。竪琴のペルソナは、それが出てくるにしたがって、何かを吸い取られるように掠れ、そして最後には消えてしまった。

 髑髏のペルソナは最後にその口から一振りの飾り気のない直刀を取り出すと、地獄の底から響いてくるような声で叫んだ。

タナトス「ウォォォォォォォ……!!!」


 その声はビリビリと体を、シャツを、身の回りのもの全てを震えさせていく。感覚でわかる。こいつは、今までに見たどんな敵よりも強いと。

日向(それでも……!)

霧切「待ちなさい!」

七海「日向くん!」

 背中で二人が叫んでいるのがわかる。けれど、俺は自分の足を止めることができなかった。

狛枝「へえ……! 向かってくるんだ! 面白い!」

狛枝「まずは小手調べだよ。【回転説法】!」

 タナトスと呼ばれたペルソナがその場でくるくると回り出した。やがて、そこを中心に今度は光で描かれた陣が出来上がる。


レス直下 コンマ60以下で即死


狛枝「ああ、残念だよ日向くん。ボクの手でキミを殺さなきゃいけないなんて」

狛枝「でも、そう思うことさえ冒涜なのかな……本物の日向くんへの。そして本物のボクへの」

狛枝「今のボクには理解できないよ……ハハ」

狛枝「アハハハハハハハハハハ!!」





        才とは、己が手で掴み取るもの
       絆とは、他者と手を取り合うこと

         なぜに人は二つの腕持つ
        己の生を繋ぎ止めるためか 
      それとも時に死さえ抱きとめるためか

          死は決して無為にあらず
    ……しかして答えを知る前に命手放すは敗北なり      

              BAD END

Time 06:30 3rd day 対立の水曜日

 ……なんだか嫌な夢を見た気がする。そのせいか、少し早く目を覚ましてしまった。みんなが起きるまで、ゲームでもして時間を潰そうか……


モノクマ「うう……ボクだってね、イジワルでこうしてるわけじゃないんだよ」

モノクマ「ただ、皆があまりに地雷を踏みにいくから……」

モノクマ「基本的にただ様子を伺うような安価は地雷だよ! 即断即決こそが長生きの秘訣さ! ラディカル・グッドスピード!!」

モノクマ「もちろん、今回のようにその中に全てを救う道が隠されていることもあるけど……それは険しい道だよ」

モノクマ「全てを救うためには、全てを完璧にこなさなければならない……」

モノクマ「例えば、今回だったら、ソニアさんを身を呈して庇ってくれるような人がいればね……仮にその人が死んでも、もしかしたら彼女のリカームで蘇らせられるかもしれない……」

モノクマ「じゃ、どこから再開する?」

2個下

Time 11:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 左右田和一 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽)


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


左右田「なあ、オイ。もっかい多目的ホール行ってどうするつもりなんだよ。もしかしてあの霧切とかいうヤツの言うこと、信じるのか?」

左右田「俺はヤだぜ。もしそうするっていうんだったら、ワリーけど俺は抜けさせてもらう」



霧切「あら、日向くん。どうしたの? もしかして、私の話を信じる気になったのかしら?」



>> 1霧切に戦いを挑む
  2もう少し話を聞かせてくれ
  3ああ。だから俺たちのアジトに来てくれ
  4その他(内容も)

2個下


日向「……いや。まだお前はなにかを隠してる。それを話してもらうまで信用出来ないな」

霧切「だったら何をしに来たの? もしかして、だけど……力づくで聞き出そう、とか思ってる?」

日向「ああ……そうさせてもらう!【グングニル】!」

霧切「効かないわ! 【光の審判】!」

日向「おおっと!」

 彼女のペルソナが打ち下ろした笏から出た衝撃波を、すんでのところで躱す。

日向(初撃を完璧に防がれたのは計算外だったが、収穫はあった……おそらく敵は、こちらの攻撃を無効化するなんらかのスキルを持ってる……だったら!)

>> 1本体に殴りかかる
  2スキル(真理の雷)
  3防御を固めて様子を見る
  4逃げ出す
  5その他(内容も)

2個下


 俺はペルソナを傍に呼び寄せ、防御を固めた。

霧切「なに? 私から情報を引き出したいんじゃなかったの? 守りを固めたところで、なにも掴めないわよ!」

日向(くっ……霧切は攻撃の手を緩める気はないみたいだ)

>> 1本体に殴りかかる
  2スキル(真理の雷)
  3防御を固めて様子を見る
  4逃げ出す
  5その他(内容も)

2個下


日向「【真理の雷】!」

霧切「喰らわないわ。【アギダイン】!」

 霧切のペルソナが放った火の玉が目の前を横切って行く。

日向「うわっ!」

すんでのところで躱すが、そこを霧切に回りこまれて腕を後ろ手にねじりあげられてしまった。

霧切「チェックメイトね。残念だけど、私のペルソナは物理攻撃が効かないの。だから属性攻撃にさえ気をつけていれば攻撃は喰らわないってわけ」

七海「日向くんっ!」

 七海がこちらにかけよってくる。すると霧切は俺の拘束を解いた。

霧切「でもまあ及第点と言ったところね。ご褒美になんでも一つだけ、質問に答えてあげるわ」


>> 1なんで俺たちの名前を知ってたんだ?
   2悪魔って一体何なんだ?
   3江ノ島盾子とは何者なんだ?
   4どうしてもソニア・ネヴァーマインドと戦うつもりか?
   5その他(内容も)

2個下


日向「協力してください! オナシャス!」

 俺はあらんばかりの声を張り上げて頭を下げた。

霧切「……急に大きな声を出さないでよ。びっくりしたわ」

日向「あ、そうか?」

霧切「いきなり素に戻らないで頂戴。……で、質問の権利はもういいのかしら?」

霧切「初めから私は協力するのにやぶさかではないわ。問題は貴方達が私を信用できるかどうか、だったはずだけど?」

日向「……そう言えばそうだったな」

霧切「はぁ……やっぱり協力するの、やめようかしら」


>> 1なんで俺たちの名前を知ってたんだ?
   2悪魔って一体何なんだ?
   3江ノ島盾子とは何者なんだ?
   4どうしてもソニア・ネヴァーマインドと戦うつもりか?
   5その他(内容も)

2個下


日向「その江ノ島盾子っていうのは一体何者なんだ? お前の説明だけじゃどうもよくわからなくて……」

霧切「……江ノ島盾子がどういう存在かについては、私も全てを知っているわけじゃないわ。わかっているのは、彼女が本来、この世に存在するべきでない存在だということ」

左右田「な、なんだ、そりゃ……亡霊だとでもいうのかよ」

日向「悪魔やペルソナがいるくらいだ、亡霊だって居てもおかしくないさ」

霧切「亡霊、か……まさに言い得て妙ね。問題は、そんな彼女をこの世界に呼び出したのが、一体誰なのか、ということ……」

 と、ここで霧切はちらりと七海に目をやった。

七海「…………」

霧切「……まあいいわ。とにかく江ノ島盾子については私もよく知らないの。知っているのは、彼女が悪魔をばら撒き、手下のペルソナ使いたちにコロシアイを命じている、ということだけ……」

霧切「でも、それだけで彼女を危険視する理由としては十分でしょう?」


霧切「それで……結局のところ、貴方達は私に協力してくれるのかしら?」

>> 1まだわからない
   2協力できない
   3協力しよう

2個下

今日はここまででー。


投下します


日向「……わかった。協力する」

左右田「! オイ、日向!」

日向「だから、まずは俺たちのアジトに来てくれないか? 他のメンバーに紹介したいからさ」

霧切「あら。あなた達、三人だけじゃなかったのね」

日向「ああ。俺たちの他にあと四人いる」

霧切「……四人?」ピクッ

日向「ああ。十神に舞園に罪木に小泉に……なにか問題あるか?」

霧切「……いえ。構わないわ。行きましょう」

七海「もしかして……霧切さん、人見知りするほう?」

霧切「そんなわけないでしょう。全然問題ないわ」

左右田「オイオイ、マジかよ……マジなのかよ! お前ら、ホントにこの女の言うこと信じんのか!?」

左右田「悪いけど、俺はパスだ……一人でどことなり、行かせてもらうぜ」

霧切「左右田くん、待ちなさい」

左右田「へっ、誰がテメーの言うことなんて聞くかよ。【トラエスト】」

日向「っ……おい待て! 七海、左右田の位置がわかるか?」

七海「……ううん」フルフル

日向(しまった……なんだかんだ言って、本当にチームを抜けることはないだろうと思っていたから、油断した……まさかスキルまで使って逃げ出すなんて……)

霧切「……ごめんなさい、私のせいで」

日向「……いや、霧切のせいじゃないさ。とりあえず、左右田の抜けた穴に入ってくれるか?」



 霧切との間に絆の芽生えを感じる……

                 我は汝……汝は我……
              汝、新たなる絆を見出したり……

             絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
        汝、”正義”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 

 日向は【正義】コミュを手に入れた!

 霧切響子の連絡先を手に入れた!

霧切響子
【正義】コミュ コミュランク1 
属性:ロウ
ペルソナ:ヤマ
アドレス:取得済み

ヤマ

・光の審判(全体物理)
・アギダイン(炎)
・物理無効
・魔力覚醒(パーティー全体の魔法威力1.5倍)

ヤマ
言わずと知れた地獄の主、閻魔大王。本来は裁きの十王の一人なのだが、他の九王を圧倒する認知度を持つ。日本では地蔵菩薩と同一視されることもある、厳しいながらも慈愛の面も持つ神。


Time 11:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


 多目的ホールから離れ歩いていると、七海が突然妙なことを言い出した。

七海「……ねえ、日向くんは呪いって信じる?」

日向「いきなり何を言い出すんだ? もしかして、さっきの霧切の話と関係有るのか?」

七海「関係……ある、かな。ねえ、それより質問に答えてよ。日向くんはどう思う?」

日向「俺は……」

>> 1何を言ってるんだ、バカバカしい
  2悪魔がいるくらいだ、あるかもしれない
  3七海があるというなら信じるさ

 2個下


日向「正直、ぶっ飛んだ話だとは思う……だけど、七海が言うんなら信じられる」

 そう、なぜか不思議と彼女の言葉はまっすぐに俺に入ってくるのだった。なぜだろう? まだ彼女と会ってから、たかだか二三日だというのに。

七海「……日向くん。ありがとう。」

七海「あのね、世の中には本当にいるんだよ。その存在が……あまりにも、あまりにも強すぎて。他の人間に烙印を刻み込んでしまう、そんな人が」

七海「それは、その人を決定的に変えてしまう……その人の深層心理、魂にまで刻まれて。たとえ記憶を無くしたとしてもその影響を完全に消すことは出来ない。それって、もう呪いみたいなものなんだ」

七海「霧切さんの言ってた、江ノ島盾子もそんな人だった。ソニアさんがもし霧切さんと戦う運命なんだとしたら、彼女はきっとその呪いから逃れることが出来なかったんだと思う」

日向「七海、お前……霧切が言ってたことについて、なにか知ってるのか?」

 七海はコクリと首を縦に振った。

七海「……ごめんね。でも、今はこれ以上は言えないんだ」

日向「……そうか。七海が話したくないならそれでいいさ。それより……」


>> 1俺にはそんな人はいないなあ
  2七海にもそんな人がいるのか?
  3俺にとっては七海がそうだな

2個下


日向「俺にとっては七海がそうだな」

七海「……え?」

日向「……あ、いや、違うんだ!」

 自分でもいきなり何を口走っているのかわからなかった。

日向(確かに七海は可愛いけど……会って二三日かそこらの女の子に言う台詞じゃないよな)

日向「悪い。お前に呪われた、なんて言われたら気分悪いよな」

七海「ううん、そんなことない……それが本当だったら、どんなに嬉しいか……」

日向「七海?」

七海「ごめん、なんでもないの。忘れて」


 少し、七海の心に触れられた気がするが……彼女の謎は一向に深まるばかりだ……

【永劫】コミュランクが3に上がった!


Time 12:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 多目的ホール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


十神「日向……ようやく帰ってきたか。そっちの女は誰だ? それに左右田はどうした?」

 俺は多目的ホールで起こったことを説明した……

十神「そうか……左右田が離脱したのは正直計算外だが、お前を責めるわけにもいかないな」

十神「なに、生きてさえいればまたいつか会えるさ」

霧切「貴方が……十神くん? 本当に?」

日向「なんだ? 霧切は十神のことを知っているのか?」

 俺がそう言った瞬間、十神の顔にらしくもなく怯えの色が見えた。

十神「あー……たしか霧切、だったよな?」

霧切「…………いいえ、私の気のせいだったみたい。よろしくね、十神くん」

 そう言って霧切は右手を差し出した。十神は露骨に安心したように見えた。

霧切「それで……これからの方針だけど。『死に顔動画』については日向くんからだいたい聞いてるわ」

霧切「……なるべく死人を出したくない、というあなた達の気持ちはわかるわ。けれど私にも私なりの理由がある。江ノ島盾子の信奉者をのさばらせておくわけにはいかないの」

十神「その江ノ島盾子というのが、ここに『悪魔』とやらをばらまいて俺たちを閉じ込めている元凶なのか?」

霧切「そうよ。どうして私がそれを知っているのか、そこまでは教えることが出来ない。けれど、本当のことよ」

日向(霧切の様子からして、嘘は言ってないとは思う……けれど出会ったばかりの彼女のいうことを本当に信用していいものだろうか?)


>> 1それでも俺は誰も死なせたくない
  2お前のいうことを信じられる根拠は?
  3わかった、とりあえず信用しよう
  4十神はどう思う?
  5その他(内容も)

2個下


十神「ぼ、ぼくは……」

日向「?」

七海「?」

霧切「…………」

十神「あ、ゴホン。いや、俺は」

日向(今、十神のやつ少し妙じゃなかったか?)

十神「俺は意見できる立場にない。お前はどうだったんだ? そのソニア・ネヴァーマインドというのを見て、どう感じた?」

日向「俺が、どう感じたか、か……」

十神「ただ、戦うにしてもわざわざこの女を連れて行く必要はないだろう。みすみす死に顔動画の実現を助けるだけだ」

霧切「……悪いけど、それには賛成できないわ。もし私の考えている通りだとしたら、ソニア・ネヴァーマインドはかなりの力を持っていることになる……きっと貴方達だけではやられるだけよ」

日向(俺たちだけでソニア・ネヴァーマインドに戦いを挑む、か……)


Time 12:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 七海千秋

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 舞園さやか

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更  

2個下

新メンバー

>>直下 と>>3個下

Time 12:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更  

2個下


七海「ねえ、日向くん……ちょっと私、お腹が空いちゃった」

日向「そういえば、朝からなにも食べてなかったな……せっかく旧校舎に帰ってきたんだし、昼食にするか」

 俺たちは、購買部から思い思いの食べ物を持ってきて食事を摂ることにした。

舞園「……こんな状況だからしょうがないですけど……こんなに毎日カロリーメイトや菓子パンばっかり食べてたら、体のラインが崩れちゃう……」

罪木「そ、そんなぁ! 舞園さんがそれ以上痩せたら、倒れちゃいますよう!」

小泉「そーそー。それに舞園ちゃんは元がいいんだから、気にすることないって!」

 皆でわいわいと会話をしながらの食事。こんな状況で、唯一気が休まる時だ。けれど俺はふと、ここに足りない人物がいることに気がついた。

日向「悪い。ちょっと俺お手洗い行ってくるわ」

小泉「何? 食事中にデリカシーないわね!」

日向「悪いな」


日向「……こんなところにいたのか」

霧切「……何か用かしら?」

 霧切は一人離れたところでカップラーメンを啜っていた。彼女はハードボイルドというかなんというか、孤独の似合うところがあるが、今回ばかりは少し哀愁が漂っている。

日向「みんなと一緒に食べないのか?」

霧切「お気遣いありがとう。でも、ああいう雰囲気、苦手なの」

>> 1そうか。ならいいんだ
  2俺もここで食べていいか?
  3やっぱり人と話すのが苦手なのか?
  4その他(内容も)

2個下


日向「……俺もここで食べていいか?」

霧切「……別に構わないわよ」

 霧切の隣に座って、持ってきたパンを齧る。

日向「…………」

霧切「…………」

日向(あまり沈黙を気まずいとは思わないタイプなんだろうか……)

霧切「……私と一緒に食べても退屈よね。ごめんなさい」

日向(考えを読まれた!?)

日向「いや、そんなことないけど……」

霧切「いいの。いつも一緒に食べてる人が、むこうから話しかけてくれるタイプでね……こうなってみて、どれだけ彼に甘えていたかわかったわ」

日向「……へぇー」

霧切「……なにかしら、その意味深な相槌は」

日向「……いや、そういう顔もするんだなって。なんていうか、凄く女の子らしかったからさ」

霧切「っ……! ごちそうさま。さて、貴方も食べ終わったなら行きましょう」

日向「もう少し、そいつの話を……」

霧切「……なにかしら」ぎろっ

日向「やっぱなんでもない」


 霧切のことが少しわかった気がする……【正義】コミュランクが2に上がった!


Time 13:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー変更  

2個下


 俺たちがグラウンドにやってくると、そこには悪魔たちと戦っている大和田の姿があった。戦いと言っても一方的なもので、悪魔たちは大和田のペルソナの攻撃になすすべもなく吹き飛んでいく。

日向「大和田!」

霧切「知り合いなの?」

日向「ああ、ちょっとガラは悪いけど、悪いやつじゃない。おーい、大丈夫か?」

 俺が声をかけたとき、ちょうど彼は最後の一匹にとどめを刺すところだった。

大和田「……んだ、コラァ……!」

日向「ひさしぶりだな。よかった、無事で……メールしても返事がないから心配したんだぞ?」

大和田「……テメェも俺のことを狙ってんのか?」

日向「……え?」

大和田「残念だが、そう簡単にやられるつもりはねえ……三人まとめてかかってこいやぁ!」

日向「ちょ、ちょっと待てよ大和田。俺たちは別にお前と戦おうなんて……」

大和田「そうやって俺を油断させようったってそうはいかねえ!」

霧切「……ダメね。話が通じないわ。こうなったら、やるしかない」

日向「くそっ!」

日向の行動 2個下

>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4その他(内容も)

二人への指示 4個下

>> 1本体を狙え
  2スキルを使え
  3防御せよ
  4その他(内容も)


大和田「死ねやクソがぁぁぁ!」

舞園「【マハラギダイン】!」

日向「【真理の雷】!」

 俺たちは、突っ込んできた大和田にカウンターの要領で魔法攻撃を叩き込む。

大和田「ぐあああああああ!?」

日向(なんだ? いつもより明らかに魔法の威力が高いような……)

霧切「それは私の力よ。私のスキル、【魔力覚醒】で貴方達の魔法の威力を高めているの。こんなふうにね。【アギダイン】!」

 霧切の放った炎の塊は、彼女の手を離れた瞬間に倍ほどにも膨れ上がった。それが未だ俺たちの魔法に囚われたままの大和田を襲う。


>> 1とっさに火の玉をはたき落とす
  2そのまま見守る
  3大和田に【真理の雷】を使う

 2個下

ちょっとぼっちさんも見境ないな
大和田は呪いの影響を色濃く受けては無さそうだし


日向「! 【グングニル】!」

 俺はそれを見た瞬間、とっさに必中の代名詞である槍を放った。それは大和田に向かって飛んでいき――直前で彼の目の前にまできていた炎の塊を貫いた。

大和田「チクショウが……覚えてろよテメェら!」

 大和田はふらふらとした足取りで逃げようとする。尚も追い打ちをかけようとする霧切を、俺は手で制した。

霧切「……なにをするの?」

日向「やりすぎだ。お前、アイツを殺すつもりだっただろ?」

霧切「運が悪ければ、ね。彼には聞きたいこともあるもの」

日向「俺たちは……! 誰かを殺してまで生き延びようなんて、思ってない! それじゃ、あいつらと同じじゃないか!」

霧切「じゃあ、逆に聞くけど……あの人がこの先、他の人をその手にかけたとしたら……貴方、責任が取れるの?」

日向「……それは」

霧切「自分たちが生き残るためだけなら、あんなことはしないわ。他の人も救うためにこそ、彼にはここで適切に対処しなければいけない。貴方にその覚悟がないというのなら、私がやるわ」

日向「…………」

霧切「なに? まともな反論も出来ないの?」

日向「…………」

 俺はぐっと唇を噛み締めた。

霧切「……わかったわ。今回は貴方の意思を尊重しましょう。でも覚えておいてね。力っていうのは、それを振るったときだけじゃなく、振るわなかったときにも責任が生じるものなのよ」


 日向のライト傾向が高まった!


Time 13:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 グラウンド

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話


2個下

電子生徒手帳メニュー

 【校内マップ】【ペット】【メール】【死に顔動画】※【校則】※【ペルソナ】

 ※は時間消費なし

2個下


相手>>直下 内容>> 3個下


日向「大和田にメールしてみるか……」

日向「ダメだ。返事が来ない」


Time 14:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 グラウンド

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話


2個下


日向「そういえば、前にちらっと言ってたけど……舞園はアイドルなんだよな?」

舞園「え? ええ、そうですけど。どうしたんですか、急に」

日向「いや、本物のアイドルなんて見るの初めてだからさ……でも」

>> 1やっぱりオーラが違うな
  2普通の女の子って感じだな

直下


日向「普通の女の子って感じだな」

舞園「ふふっ、そうですか?」

日向「なんだよ。なんかおかしな事言ったか?」

舞園「いえ、そういうわけじゃないんですけど……」

舞園「私がアイドルになったとき、言われた言葉があるんです。『人は見たいように見たいものを見る』。あと、『アイドルはイデアである』とも」

舞園「ということはー、日向さんはアイドルである舞園さやかじゃなくて、女の子としての私に興味があるってことですねー?」

日向「はは……そういうことになる……のかな?」

舞園「ちなみに今の私の日向くんの印象はー、『頼りがいのあるリーダー』って感じです♪」

舞園「頑張ってくださいね、リーダー♪」

日向「あはははは……まあ精一杯頑張るよ」


 舞園との絆が深まったのを感じる……【太陽】コミュランクが2に上がった!


Time 14:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 グラウンド

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話


2個下


 再びプールにやってきた俺たちは、そこで神輿の上で寛いでいるソニアと、彼女の周りで忙しなく働いている左右田の姿を見つけた。

日向「ソニア、それに左右田も!?」

ソニア「あら。日向さん。左右田さんから全て話は聞かせて頂きました。『死に顔動画』のこと、そこに居る霧切さんのこと……当然ですが、私は身に覚えがないことでむざむざ殺されるのはごめんですわ」

左右田「日向……残念だが、オメーがソニアさんの敵になるっていうなら、俺がオメーを倒す」

 左右田の目はなんだか普通じゃない……ギラギラとした赤い光を放っている。

霧切「左右田くんの様子……なんだかおかしいわ。ソニア・ネヴァーマインドの精神攻撃を受けた可能性がある」

霧切「つまり、彼女は放置しておけばどんどん戦力を増すということ……危険すぎる、やはりここで叩いておくべきよ」


>> 1もう少し双方の話を聞く
  2ソニアに襲いかかる
  3霧切とそっと距離を取る
  4七海に意見を求める
  5左右田を説得する
  6その他(内容も)

2個下


日向「…………」

 俺は、霧切の視線が完全にソニアに向いているのを確認して、彼女からそっと距離を取った。

霧切「……日向くん」

 しかし彼女は背中に目でもついているのか、ソニアから目線を一切外さずに声をかけてきた。

霧切「今ならまだ許してあげるわ。ソニア・ネヴァーマインドの軍門に下れば、確かにこの場は生き延びられるかもしれない……だけど、貴方に正義を信じる心があるなら、ここは戦うべきところよ」


>> 1もう少し双方の話を聞く
  2ソニアに襲いかかる
  3それでも霧切から離れる
  4七海に意見を求める
  5左右田を説得する
  6その他(内容も)

2個下


七海「…………」

 ふと振り返ると、心配そうに俺を見つめる七海の姿が目に入った。

日向(……そうだ。俺は七海を、皆を守る義務がある。だから……例え左右田が相手でも、戦わなきゃいけないんだ!!)

日向「悪かった。もう、惑わされない」

霧切「……そう。なら、名誉挽回のチャンスをあげるわ。来るわよ!」

ソニア「残念です。日向さんなら、わたくしと同じく『王』になれる器でしたのに……」

左右田「来い、日向ァ!」



日向の行動 2個下

>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4その他(内容も)

二人への指示 4個下

>> 1本体を狙え
  2スキルを使え
  3防御せよ
  4その他(内容も)

なんで七海がいるのか突っ込んじゃだめか

>>491 ワイの脳はもうボロボロ……そうだね、舞園さんだね。


日向「くらえ!【真理の】……」

左右田「そうはさせるかよ!【マカジャマ】!」

日向「しまっ……」

左右田「オメーらの戦い方はよーく知ってんだよ!」

霧切「それはどうかしら。【アギダイン】!」

ソニア「喰らいません! 来てください、シーサーさん!」

 霧切の放った火炎は、ソニアの呼び出した悪魔によって受け止められ、かき消されてしまう。

霧切「気をつけて! あいつには火炎は効かないみたい!」

舞園「だったら……【吸魔】!」

ソニア「うっ……力が、抜ける……」


日向(スキルを封じられてしまった……!)


日向の行動 2個下

>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4その他(内容も)

二人への指示 4個下

>> 1本体を狙え
  2スキルを使え
  3防御せよ
  4その他(内容も)


とりあえず今日はここまで。明日はこれないんでまた今度

あれ
誰も踏んでなかったのか
仲間が使うスキルって指定できるの?

>>502 ありですよー

>>431-438あたりを見てるとリアル女神転生感あるな、と思った。属性で意見が対立してる感じが…

このスレって考えて見れば女神転生をロウやりたい人とカオスやりたい人がセーブ共有してやってるようなもんで、そりゃしっちゃかめっちゃかになるよね…

たぶん明日の夜は来ます。スレタイまで行きたい

このSSって7日経過したらエンディングになるの?
7日じゃコミュが間に合わない気がするんだが

すまんが今日は無理っぽいです。明日こそは…

>>514 コミュレベルは5をmaxで考えてます。

人いたら書いてきたい


日向「舞園! セクシーダンスだ!」

舞園「はい!」

 舞園のペルソナは左右田に向かって妖艶に体をくねらせてみせた。しかし……

左右田「へっ! なんだよそりゃあ! 俺の心の純潔は、ソニアさんに捧げるって決めてんだよ! 【マハラギダイン!】」

霧切「下がって、舞園さん!」

 霧切はとっさに舞園を庇い、ペルソナで左右田の攻撃を受け止める。

霧切「くっ……」

ソニア「残念でしたね。左右田さんは今や完全に私の虜……さあ、終わらせましょう。やりなさい! シーサー!」

 シーサーはくぐもった唸り声を挙げ……なんとソニアに向かって襲いかかった!

ソニア「くっ! なぜ……?【マハムド】!」

 ソニアの攻撃をまともにくらったシーサーは、闇の中へと引きずり込まれていってしまう。その瞬間、俺はソニアに向かってかけ出した。

日向「この時を……待ってたんだ!」

 ソニアの腰にアメフトの要領でタックルをかます。ペルソナ使いといえど、その肉体は普通の女の子だ。倒れた彼女を組み伏せる。

日向「左右田! お前ももうやめろ!」

ソニア「かまうことはありません! 攻撃を続けなさい!」

 がむしゃらに押し倒したはいいものの、俺にここから彼女を殴るほどの度胸はない。それを見抜いているのかソニアが叫んだ。しかし、左右田はこちらを見たまま動けずに居た。

 そんな彼に霧切のペルソナが笏を突きつける。

霧切「チェックメイト、ね」

左右田「……ソニアさん。俺……俺……」

ソニア「……左右田さん、貴方はよくやってくれました。死しても、私に仕える名誉を与えましょう」

霧切「左右田くんを道連れにするつもり?」

ソニア「家臣に命の使い道を与えてやるのも王としての勤めです」

 ソニアは絶体絶命のこの状況でも、その冷たい表情を決して崩そうとはしなかった。

 二人が無言のにらみ合いを続ける……その時

    【 ムドハンマ 】

 どこからか男の声が響いた。それに応えるように、俺たちの足元に紫で描かれた魔法陣のようなものが現れる。そこから何十、いや何百もの黒い腕が獲物をまさぐるように伸びだした。

 ソニアはもちろん、俺も彼女の上に座り込んだ状態で、とっさに魔法陣の外に逃げるのは不可能な状態だった。屍者の指先が俺たちを掴み、そして引きずり込んでいく……


左右田「危ねえ!!」

 その瞬間、左右田が魔法陣の中に飛び込んできた。そしてどこにそんな力があったのか、体当たりで俺とソニアを二人まとめて魔法陣の外に弾き飛ばした。

日向「左右田!」

ソニア「左右田さん!」

 彼は慌てて自分も外に逃げ出そうとするものの、一瞬早く腕たちが彼の足を掴んだ。振りほどくのは無理と悟ったのだろう。左右田は逃げようとするのをやめて、俺たちの方を見た。

左右田「日向……お前と敵対することになっちまって悪かったな……不思議とお前には初めて会った気がしなかった。またどこかで会えるといいな」

左右田「ソニアさん……これが俺なりの命の使い方です……。ソニアさんが俺の命を道具だと思ってるのはわかってたけど、好きな女を守るために使うってのは、俺としてはいい使い方だったと思えます」

左右田「ソニアさんの命はこんなところで使わないでください。もっと……この世界を救うような……」

 その先に彼が何を言おうとしたのかはわからなかった。次の瞬間、左右田は消えてしまっていた。いつも被っていたニット帽だけをその場に残して。


日向「っ!!! ちくしょおおお!!」

 俺は思わず膝をついて地面をかきむしる。自分の無力さが嫌というほど胸を締め付ける。

霧切「泣いてる暇はないわよ。そこの人! 出てきなさい」

 霧切が戦いの影響で壊れかけた神輿に向かって叫んだ。すると、誰もいないと思われたはずのそこから影が一つ、むくりと形をなした。

???「やあ。ロウとダーク、二つの派閥のリーダーを一網打尽にする良いチャンスだったと思ったんだけど……左右田くんに邪魔されちゃった」

???「まあ彼自身の言うとおり、彼のちっぽけな命一つで君たちを救えたんだから大健闘ってところかな?」

日向「狛枝ァ!」

狛枝「やあ、日向くんひさしぶり。ボクだよ」

 狛枝は、今までとは違う禍々しいとしかいえない表情で笑ってみせた。

日向「狛枝! なんで! なんで左右田を!」

狛枝「だーかーらー、殺したかったのは彼じゃないって、そう言ったじゃないか。もちろん、いずれは殺すつもりだったけどね。この世界の人間を、一人残らず」

日向「なんのために! なんでそんなことを!」

狛枝「なんでって……それが日向くんの為なんだよ。日向くんだけじゃない、皆のためなんだ。こんなニセモノじゃない、本物の日向くんの、ね」

霧切「その口ぶり……貴方もバベルの塔に行ったの?」

狛枝「ああ、そうだよ。そこで全てを知った……だからこんなことも出来る」

狛枝「来い! タナトス!」

 狛枝はそう叫ぶと、手を拳銃のような形にして自分のこめかみにあてた。

 呼び出されたペルソナは、竪琴を持った男の姿をしていた。それが、狛枝が手の拳銃で自分を撃つ真似をすると、口から何かを吐き出し始めた。

 それは大きな髑髏を被り、数多の棺桶を引き連れていた。竪琴のペルソナは、それが出てくるにしたがって、何かを吸い取られるように掠れ、そして最後には消えてしまった。

 髑髏のペルソナは最後にその口から一振りの飾り気のない直刀を取り出すと、地獄の底から響いてくるような声で叫んだ。

タナトス「ウォォォォォォォ……!!!」


 その声はビリビリと体を、シャツを、身の回りのもの全てを震えさせていく。感覚でわかる。こいつは、今までに見たどんな敵よりも強いと。

日向(それでも……!)

霧切「待ちなさい!」

七海「日向くん!」

 背中で二人が叫んでいるのがわかる。けれど、俺は自分の足を止めることができなかった。

狛枝「へえ……! 向かってくるんだ! 面白い!」

狛枝「まずは小手調べだよ。【回転説法】!」

 タナトスと呼ばれたペルソナがその場でくるくると回り出した。やがて、そこを中心に今度は光で描かれた陣が出来上がる。


レス直下 コンマ60以下で即死

七海はどっからきたんだよ

>>530 すまぬ……すまぬ。舞園さんだね


狛枝「あはははは……アハハハハハハハハハハ!!」

 狛枝の高笑いが響き渡る。白い魔法陣に閉じ込められた俺たちは、そこから逃れることもできずただ立ち尽くすだけだった。

狛枝「ハハ……おっと!」

 しかし、もう駄目だと思ったその瞬間。狛枝の手元から何かが転がり落ちた。彼がそれに気を取られた瞬間にとっさに俺は【グングニル】を放った。

狛枝「! 防げ、タナトス!」

 狛枝のペルソナは手に持った刀でそれを真っ二つにしてしまう。しかし代わりに、俺たちを囲んでいた魔法陣は雲散霧消した。

日向「畜生……行くぞ、皆!」

霧切「言われるまでもないわ……!」

 俺たちは狛枝を取り囲み、そして一斉に攻撃を仕掛けた。……いや、仕掛けようとした。

日向「真理の雷!」

舞園「マハラギダイン!」

霧切「光の審判!」


しかし。

狛枝「駄目だよぉ! まだボクのターンは終わってないんだからね!」

日向「くっ!?」

 狛枝が【龍の眼光】でぐるりと俺たちを見渡すと、それだけで体がこわばり、無防備な姿を奴の前に晒してしまう。

狛枝「それにしてもキミたちは運がいいよね……いや、これは『彼』の運というべきかな?」

 そう言って狛枝は落とした『モノ』を拾い上げた。狛枝はそれを、『彼』と人間のように扱った。ボール大の大きさのそれを。

狛枝「なんていったって、彼は『超高校級の幸運』なんだからね!」

 狛枝が手にした、それは……人間の頭だった。


霧切「! 苗木くん!」

 霧切が、平素の彼女からは信じられないくらい感情的な声を挙げた。狛枝は彼女をを興味深そうに見つめる。

狛枝「へえ……キミはこれが誰だか知ってるんだ。キミがいったい”いつ”から来たのか、気になるところだけど……」

 そう言って狛枝は霧切に近づこうと、一歩前に踏み出した。そのとき

ソニア「【邪流転生】!」

左右田「【マハタルンダ】!」

狛枝「くっ……これは!?」

 狛枝が頭を抑えてもだえ苦しむ。彼の後ろにあるのは、ソニアと……そして、左右田の姿だった。

日向「左右田! お前、どうして……」

左右田「お前らがやりあってるうちに、ソニアさんが助けてくれたんだよ!」

ソニア「【リカーム】が成功するかは、一か八かでしたが……やってみた甲斐はありました」

ソニア「さて、確か狛枝さん、とか言いましたね? 貴方には聞きたいことがあります。わたくしの足元に傅いてもらいます」

 狛枝の目の色が時折、赤い光を放つ。

狛枝「……悪いけど、ボクはね。あの女の呪いにだけは屈するわけにはいかないんだ……そう、絶望にだけは」


 そう言うと狛枝は自分の目に指をつっこみ、なんとそれを抉り出した。

狛枝「……流石に5対1はちょっと分が悪いかな……ここは引かせてもらうよ」

 狛枝は、今度は自分の足元に魔法陣を生み出した。そして俺たちが止める間もなく、自らその中に落ちていった。

狛枝「一つだけ、言っておくよ。キミたち、まさか自分たちが誰一人死なさずにここまで来ただなんてうぬぼれちゃいないよね? 苗木くんだけじゃない……ボクはもう何人も始末してきた。今、この学園に残っているのは……全部で16人だ」

 その言葉を残して、狛枝はこの場から完全に消えてしまった。


日向「……本当に俺たちのところに戻ってくる気はないのか?」

左右田「ああ。ソニアさんにゃ、命を救ってもらった恩もあるしな」

ソニア「……わたくしたちを見逃すおつもりですか?」

霧切「あの狛枝凪斗から助けてもらった恩もあるし、ね。流石にもう一度貴方達と戦うのはごめんだわ。命がいくつあっても足りない」

ソニア「……次に会ったときは」

霧切「ええ。その時は容赦なく叩き潰させてもらうわ」

 二人は、にこやかに、とまではいかないまでも普通に会話を繰り広げている。この様子なら、今日のところは【死に顔動画】の光景が現実になることはないだろう。

舞園「……あの、狛枝くんが持っていたモノ……あれは本当に、その……人間の」

霧切「……あまり考え過ぎない方がいいわよ」

舞園「それだけじゃないんです……霧切さん、あの人を『苗木くん』って呼びましたよね? 私、中学の頃のクラスメートに、苗木って名前の人が居て……それで……」

霧切「…………」

舞園「すみません……こんなこと話されたって困りますよね。霧切さんには関係ないのに」

霧切「……ひとまず、旧校舎に帰りましょう。話ならそのあとで聞いてあげるから」

 そうして、俺たちはプールを後にした。


 狛枝の言葉が頭にこびりついて離れない。あいつは今、この学園に残っているのは全部で16人だと言った。本当は何人居たのだろう? 何人あいつに殺されたんだろう?

 あいつを絶対に許すことは出来ない。そう心に固く誓った。

 【愚者】コミュランクが4に上がった!

3日目の死に顔動画を回避しました! 18時まで自由に行動出来ます。

Time 15:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 プール

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話


2個下

即死とはなんだったのか

1体育館


>>544ぶっちゃけ3日目の目的は旧校舎で動けない仲間が多すぎるので分散することでした。だから皆一緒に……を選ぶと狛枝が出てきて難易度が跳ね上がります。

でももう一周する気力が>>1になかったので……


日向「体育館か……一日目に行って以来だな……誰かいるだろうか」

???「朝日奈よ……本当に食わんのか?」

???「アハハ……さくらちゃんには悪いけど、遠慮しとくよ……それよりドーナツ食べたいなー」

霧切「……人の声が聴こえるわね」

 舞園が扉を少しだけ開けて、その隙間に顔を近づけた。

舞園「ちょっと覗いてみますね……きゃあ!」

日向「お、おい! 大きな声出すなって!」

舞園「な、なかに……お、鬼が……」

日向「鬼だって? 何を馬鹿なことを……」

 俺も隙間を覗いてみる。しかし真っ暗でなにも見えない。

???「お主ら、そこでなにをしている」

 と、その暗闇が声を挙げた。そこにあるのは人の顔だった。あまりに近すぎて見えなかったのだ。

日向「う、うわぁ!」

 それは確かに鬼と呼ぶに相応しい怪物だった。口からは何かの足がはみ出ていて、ぴょこぴょこと動いている。

日向「ぐ、グングニ……」


霧切「待って。私たちに敵意はないわ」 

日向「霧切!? お前、なに言って……」

霧切「人を見た目の印象で判断してはいけない、というのは探偵の鉄則よ。私の名前は霧切響子よ。貴方は?」

大神「……我の名は大神さくらだ」

霧切「失礼、食事中だったかしら?」

大神「うん? ……おお、済まない。これは見苦しいものを見せた」

 そう言うと大神は顔を赤らめて口からはみ出ていた足を飲み込んだ。

大神「蛙の肉は貴重なタンパク源なのだが……炊事の煙を見て何が寄ってくるともしれぬのでな」

霧切「……私たちのアジトに来ない? あそこならまだパンやお菓子の類があるはずよ」

???「ねえねえ! そこってドーナツもある!?」

 いつの間にかもう一人が傍に立っていた。褐色の肌で、髪をポニーテールにした元気そうな女の子だ。

舞園「え、ええ……たしか菓子パンのなかにあったはずですけど……」

???「やった! ねえさくらちゃん! いこーよいこーよ!」

朝日奈「あ、私は朝日奈葵。よろしくね!」

大神「ふむ……それでは世話になるとしようか」

霧切「……こんな短い時間で私たちを信用してくれたのかしら?」

 霧切がそう言うと、大神は心底愉快そうに笑った。そのあまりに豪快な笑い声に、体育館全体が揺れているような錯覚さえ覚える。

大神「ふははは! 自らそんなことを言い出すとは、面白いな」

大神「……別に信頼したわけではない。ただ、お主たち程度であれば、朝日奈一人守ることくらい造作も無い、と思っただけよ」


 大神、朝日奈との間に絆の芽生えを感じる……

                 我は汝……汝は我……
              汝、新たなる絆を見出したり……

             絆は即ち、希望と未来のよき糧なり……
        汝、”剛毅””恋人”のペルソナへと至る、その一歩を踏み出したり…… 

 日向は【剛毅】【恋人】コミュを手に入れた!

 大神さくら、朝日奈葵の連絡先を手に入れた!

大神さくら
【剛毅】コミュ コミュランク1 
属性:ライト
ペルソナ:アスラ王
アドレス:取得済み

アスラ王

・霧雨昇天撃(敵単体に特大物理)
・刹那五月雨撃(敵全体に複数回物理)
・ヒートライザ(自分の攻撃・防御・スピードを上昇)
・貫通(敵の物理耐性を無効化する)

アスラ王
インド神話の魔神。古代ペルシアの聖典『アヴェスター』に出る最高神アフラ・マズダーが元だと言われる。やがて仏教に取り入れられ、言わずと知れた「阿修羅」になった。大日如来と同一視されることもある。


朝日奈葵
【恋人】コミュ コミュランク1
属性:ロウ
ペルソナ:アマビエ
アドレス:取得済み

アマビエ
・皆中の予言(味方の攻撃が必中、さらにクリティカル率上昇)
・夢見針(敵一体を睡眠に)
・マハブフ(敵全体に氷攻撃)
・滅亡の予言(敵全体に恐怖付着)

アマビエ
日本における人魚伝説の一つ。予言の力を持つ。その昔肥後の海に毎晩光るものが目撃された。その噂を耳にした役人がその場に行ってみると魚のような光る生き物が現れた。更にはその光るのの言うには、自分はアマビエという海に住む者で、この国はこれから6年間豊作恵まれるが、もし病が流行ったら、私を写した絵を見せなさい。そうすれば良くなるでしょう、と言ったとされる。


Time 15:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋 朝日奈葵 大神さくら

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー交代

2個下



日向「……っていうのが、今までの俺たちの経過かな」

 俺は大神に、今まで俺たちがここでどんなふうに過ごしてきたかを説明していた。大神と朝日奈の二人は、意外というかなんというか、誰とも争わず、体育館に隠れて過ごしてきたらしい。

大神「そうか……我が争いを避けている間に、そんなことが……お主たちにはすまぬことをした」

日向「あのさ、大神……聞いていいか?」

大神「なんだ?」

日向「大神ってやっぱり、強いのか?」

大神「真の強さとはなにか……それは我にはまだ答えられぬ。ただ、強くありたいと思ってはいる」

日向「じゃあ、なんで戦わないんだ?」

大神「……お主は、強き者とは好戦的である者のことだと思うか? 例えば、先ほど話していた狛枝凪斗。お前は其奴のことを強いと思うか?」

日向「あいつは強いよ……悔しいけど、今の俺たちじゃ歯がたたない」

大神「……朝日奈は、大事なものを守るためなら戦うべきだと言っていた。しかし、我はそうは思わん。大事なものを守るためには、我らを戦いに誘うものとこそ戦うべきなのだ。自分自身も含めてな」

日向「……よくわからないよ」

大神「そうか。また機会があれば話をしたい。聞いてもらえるか?」


 大神の話を聞いて、彼女の考えが少しわかった気がする……【剛毅】コミュランクが2に上がった!

 日向のライト傾向が高まった!

Time 16:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋 朝日奈葵 大神さくら

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー交代

2個下

人いなかったら今日はここまででー

 移動場所

【旧校舎】【新校舎】【実習棟】【部室棟】【プール】【体育館】【多目的ホール】【グラウンド】【校門前】【ベルベットルーム】

直下


舞園「はあ~。なんだか少し、喉が乾いちゃいました」

 それは俺たちがあてもなくぶらぶらと歩いているときのことだった。

霧切「はい、これ」

 霧切は持っていた鞄の中から魔法瓶を取り出すと、舞園になにか液体を注いでやった。

舞園「わぁ、ローズヒップティー! 私、これ好きなんですよ」

日向「……なあ。前から思ってたんだけど。お前らって知り合いなのか?」

霧切「……いいえ」

舞園「ちがいますよぉ。なんでそんなこと聞くんですか?」

日向「いや、なんとなくなんだけど……霧切って、紅茶が好きなのか?」

霧切「どちらかと言えば、コーヒーの方が好みね」

日向「じゃあ、なんでわざわざ紅茶を?」

霧切「……なんとなくよ。そんな気分のこともあるわ」

舞園「そうなんですか……私もコーヒー、好きなんですよ。おそろいですね!」

 舞園がそう言うと、霧切は背伸びをする子供を見るような、そんな笑みを浮かべた。

霧切「……じゃあ、戻ったら美味しいコーヒーを入れてあげるわね」

舞園「はい! 楽しみです!」

 舞園、霧切の二人と少し仲良くなった気がする……


Time 16:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 新校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋 朝日奈葵 大神さくら

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


 前回投下分は自分で見ても酷かった……でもまだ見てくれてる人がいるなら頑張って完結までやり通したい。

 安価やるので人がいたら投下します


日向「なあ、霧切……」

霧切「なにかしら、改まって?」

日向「さっき、狛枝と戦ったとき、【バベルの塔】がなんとか、って言ってたよな?」

霧切「……そうだったかしら」

日向「とぼけないでくれ。それってどういう場所なんだ? 俺がニセモノってどういう意味だ? 狛枝のペルソナが力を増してたことに関係あるのか?」

霧切「……時が来たら全てを話すわ」

 霧切は話はこれで終わりだ、と言わんばかりに口を閉じた。

日向「どうしてそうやって隠そうとするんだ!? 俺たち、仲間なんじゃないのかよ!?」

 俺がそういうと、霧切はぽかんと目を丸くして……その後、突然クスクスと笑い出した。

日向「なにがおかしいんだ!」

霧切「いえ……あのとき、彼もこんな気持だったのか、と思ってね」

日向「…………?」

霧切「私があなたに隠し事をするのは、あなたを信じてないからじゃない。その方があなたの……いいえ、私たちのためだと信じているからよ。あなたも私を信じてくれないかしら?」


>>  1霧切を信じて話してくれるのを待つ
   2それでも今聞いておきたい

2個下


日向「……わかった。霧切のことを信じるよ」

霧切「…………」

日向「どうした?」

霧切「やっぱり、あなたは強い人ね。私には、ただ信じて待つ、ということが出来なかった」

霧切「あなたならきっと、どんな残酷な真実にも耐えられると思う……だから忘れないで。そのときが来たら、あなたが為すべきと思ったことを為しなさい」

日向「……あのさ、霧切」

霧切「なにかしら? 日向くん」

日向「待つって言った以上、もう聞かない。だけど、そうやって思わせぶりなことばっか言うのはやめてくれないか? 気になってしかたない」

霧切「あら……ふふふ、ごめんなさい」


 霧切との信頼が深まった気がする……【正義】コミュランクが3に上がった!


Time 17:00 3rd day 対立の水曜日

現在地 新校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋 朝日奈葵 大神さくら

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  

2個下


日向「しかし、俺たちも大所帯になったなあ……」

 夕暮れ時。俺たちは旧校舎のある教室に集まって、丸くなって夕食を食べていた。

日向「おまけに左右田がいなくなって、女の子が二人増えて……そろそろ男の仲間が欲しいな」

十神「くくっ……」

日向「なんだよ。なにかおかしいか?」

十神「いや……初めは自分たちが生きるので精一杯だったのに、仲間の構成に文句をいえるなんて、ずいぶん余裕が出来たと思ってな」

日向「……そうだな」

舞園「ちょっと、二人とも! 男の子だけでなにを喋ってるんですか? 怪しいなー」

日向「べ、別に変な話じゃないさ。そろそろ俺もそっちに混ざろうかな」

>> 誰と会話する?(複数可) 2個下



舞園「えー、二人ともそんなに可愛いのに、もったいないですよー!」

七海「そう……かな?」

霧切「そんなこと……それを言ったら、あなたはどうなのかしら?」

舞園「わたしは……ほら、アイドルですから。そういうのはご法度なんです」

日向「なにを話してるんだ?」

霧切「あら、日向くん。女同士の会話に入るのは、あまり関心しないわよ?」

舞園「まあまあ。ちょうどいいじゃないですか! ちょっと男の子の意見も聞いてみましょうよ」

日向「?」

舞園「さっきまで恋バナをしてたんですけど……二人とも、あんまり恋愛に興味が無いみたいなんです。もったいないですよね? こーんなに可愛いのに」

霧切「だから……あなたに言われても嫌味にしか感じないわよ」

舞園「わたしのことはいーんです! 日向くんは、二人のどっちが好みですか?」

日向「そうだな……」


>>  1クールな霧切にぞっこん
   2小動物系な七海を愛でたい
   3敢えて無理めな舞園狙いで
   4その他(内容も)

 レス直下


日向「ソニアかな? 俺、本物のブロンドって初めて見たしな」

舞園「…………」

霧切「…………」

七海「…………」

 三人からの視線が冷たい……

舞園「こーいうとき、お茶を濁すためその場にいない人を選ぶってよくないですよ?」

霧切「しかも、よりによってソニア・ネヴァーマインドを選ぶなんて……あの人は的なのよ? わかってるの?」

七海「…………」

日向(七海ー! 頼むから何か言ってくれ! 無言が一番キツいぞ!)

 あまりいい印象を与えられなかったみたいだ……


Time 17:30 3rd day 対立の水曜日

現在地 旧校舎

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 霧切響子 舞園さやか

待機メンバー 十神白夜 小泉真昼 罪木蜜柑 七海千秋 朝日奈葵 大神さくら

連絡先 大和田紋土 狛枝凪斗 十神白夜(偽) 左右田和一 ソニア・ネヴァーマインド


  1移動 
  2生徒手帳 
  3メンバーと会話

  4メンバー交代

2個下


日向「なあ、罪木」

罪木「は、はいぃ! なんでしょう、日向さん!」

日向「そんなに怯えるなって……俺たちが探索してる間、なにか怖いことでもあったのか?」

罪木「い、いえ……みなさん、優しくしてくれて……私が黙ってても、海亀のモノマネしろとか、ダーツの的になれとか言われなかったんですぅ! こんなに優しくされたのは、生まれて初めてです」

日向「そ、そうか……」

日向(今までどんな環境にいたんだ……?)

罪木「確かに悪魔とか、怖いモノもいっぱいありますけど……私、幸せで……」

罪木「出来れば……ずっとここにいられたらなぁ、なんて」

日向「罪木……」


>> 1俺は早く元の世界に帰りたい
  2それでも俺たちはここを出なきゃいけない
  3ここから出ても皆一緒だ
  4俺も罪木とずっと一緒にいられたらな、と思う
  5その他(内容も)

レス直下


日向「大丈夫だ、罪木」

罪木「え?」

日向「お前がどんな辛い目に遭ってきたのかはわからないけど……少なくともこれからは、皆一緒だから。ここから出ても。な?」

罪木「日向さん……」

日向「だって俺たち、同じ希望ヶ峰学園の生徒じゃないか。早くここから出て、普通の学校生活を送ろう。授業とか、部活とか、体育祭とか……」

罪木「そ、それじゃあ……あの……お願いが……」

日向「なんだ?」

罪木「その……もし、無事に帰れたら……一緒にお弁当を、食べれたら、なんて……」

日向「なんだ、そんなことか。毎日だって一緒に食ってやるよ」

罪木「ええぇ、ま、毎日ですかぁ!?」

日向「ああ。約束する」


 罪木と、帰ったら一緒に弁当を食べる約束をした……【月】コミュランクが2に上がった!

 日向のライト傾向が高まった!


Time 18:00 3rd day 対立の水曜日

 無事、【死に顔動画】を回避した俺たちは早めに探索を切り上げ、旧校舎で野営の準備をしていた。

十神「……妙だな。まだ【死に顔動画】が来ない」

 十神がそう声をあげると、俺たちの間に緊張が走った。もう日が暮れてだいぶ経つ。いつもなら新しい【死に顔動画】が送られてきてもおかしくない時間だった。

霧切「もう少し待って様子を見ましょう」

 霧切のその言葉に皆が頷いた。しかし、5分経ち、10分経っても死に顔動画は送られて来なかった。

小泉「どういうことかしら……?」

大神「さあ、な。我はその【死に顔動画】とやらをりあるたいむで見たことはないが……ひょっとすると、お主たちの活躍が功を奏したのではないか?」

十神「……だといいがな。しかし、だとしても一週間後の【死に顔動画】の謎が解けたわけじゃない。このまま新しいのが届かなければ、明日はそちらの情報を集めるのを優先しよう」

七海「じゃあ、今日はもう寝よっか。私、さっきから眠くて眠くて……」

 七海が大口を開けてあくびをする。彼女の言葉に促されるように、俺たちはそれぞれ就寝の準備を始めた。心のどこかにしこりを残しながら。

日向(この学校に来て初めての【死に顔動画】の届かない夜……それの意味するところはいったいなんだろう?)


Time ??:?? 4th day 反転の木曜日

 いつからだろう。カチリ、カチリという腕時計の針の音が聞こえなくなった。いや、針の音だけじゃない。まるで時が止まってしまったかのように、あらゆる音は消え去っていた。

 俺は浅い眠りの中にいた。そのまどろみを破るように、突如大きな音が響き渡る。音の出処は、俺の懐にある電子生徒手帳だった。

日向「……こんな夜中に一体なんだ?」

 まさか、今頃【死に顔動画】が届いたのだろうか。そう思った俺は、眠い目を擦りながら電子生徒手帳を起動する。

 音の原因はやはりメールだった。しかしいつものそれとは、件名が異なっていた。

日向「……マヨナカ動画?」

新着 1件  件名:新しい【マヨナカ動画】が届きました!


 ……ザッ……ザザッ……


『絶望体験! インクレーティボー!』デデーン!!

「――彼は、私立希望ヶ峰学園に通う普通の高校生だった……しかし彼は一夜にして変わってしまった。そう、殺人鬼に……」 

「一夜にして生徒会の全員が殺された事件……その裏には学園の理事会の進める謎の計画、『カムクライズル計画』があった」

「希望の象徴と称される学校を襲う突然の悲劇! 犯人の正体は? その影でうごめく謎の組織、『超高校級の絶望』とは!?」

「今夜ご紹介するのは、手術によってあらゆる才能を与えられ……そしてその才能の全てを他人に絶望を与えるために使った男」

「超高校級の希望にして超高校級の絶望、日向創についての物語である――」

???「才能なんて、ツマラナイ……絆なんて、なんの役にも立たない……絶対的な、絶望の前では」

 ザッ……


 それは、よくあるドキュメンタリー番組を模した映像だった。途中挟まれた再現映像のカットなども、セット丸出しのチープなものだ。

 しかし、そこに映っていたのは……確かにこの俺、日向創だった。

日向(どういうことだ? 俺にはこんな映像を撮った記憶なんてない……もしかして、記憶を失っているのか?)

日向(待て、落ち着け。【死に顔動画】のこともある。自分が知らない映像に出ているのはこの場では問題じゃない。けど、あれは一体どういう意味だ? 俺が殺人鬼に……? これからそうなる、という予言なのか?【死に顔動画】みたいに?)

日向「駄目だ、考えてもわからない……とりあえず、皆を起こしてみるか」

 俺は体を起こすと、隣で寝ていたはずの十神に向かって声をかけた。

日向「おい、十神起きてるか?」

 しかし、返事は帰ってこない。

日向「……? おい! 聞いてるか!」

 他の奴らが起きるのを覚悟で大声を出す。しかしその声は吸い込まれるように消えていってしまった。

日向「十神……?」

 気がつけば、俺の周りは深い霧に包まれていた。怖くなり、扉があるべき場所に向かって走りだす。しかし、狭い教室のはずなのに、行けども行けども扉にも壁にも突き当たることはなかった。

日向「ここは、一体どこなんだ?」

 走れども走れども何もない。霧はいっそう深くなり、目の前さえも見通すことができなくなった。

日向「おーい! みんな! 誰か! 誰かいないか!!」


Time 09:00 4th day 反転の木曜日

現在地 ???

現在の属性 ロウ

パーティー 日向創 


 あれからどれくらい走り回っていたのだろう。腕時計は9時を指していた。俺は流石に疲れ、その場にへたり込んでいた。

日向「絶対におかしい……ゆうに学校の端から端まで位の距離を俺は走ったはずだ」

 なのに、塀はおろか建物一つにさえぶつからない。寝ている間に何もない空間に飛ばされたとしか思えなかった。

日向「ま、目が覚めたら知らない場所にいるのは初めてじゃない、か……」

 それにしてもここはどこなのだろう? 知らない場所に一人、というのはどうにも心細かった。

日向「アイツは大丈夫だろうか……」

 俺は、一人の仲間の顔を思い浮かべた。

>> 1十神白夜
  2七海千秋
  3罪木蜜柑
  4舞園さやか
  5霧切響子
  6朝日奈葵
  7大神さくら
  8小泉真昼



2個下


日向「七海……」

 俺は、七海の顔を思い浮かべた。ぼーっとしたところのある彼女だが、俺とはぐれてどうしているのだろう? 皆と一緒にいればいいが……一人だとしたら心配だ。

 ペルソナ能力も戦闘向きじゃないし、早く見つけ出さなければ……

日向「……あれ? あんなところにあんな建物あったか?」

 気が付くと、霧が少しだけ薄くなっていた。気が付かなかったが、100mほど先に大きな建物が建っていた。

日向「……なんだ、ありゃ」

 それはゲームに出てくるような城だった。ゲームに出てくるような、というのは比喩でもなんでもない。まるで一昔前のポリゴンのように、やたらカクカクした立方体を積み上げてその城は作られていた。

日向「……なにか手がかりがあるかもしれない。ここに入ってみるとしようか……」


>> 1入る
  2もう少し周りを探索する

 レス直下


今日はここまででー。明日もやります。

書き溜めてくるので次に入るダンジョンも決めておきたい。


>> 1十神白夜
  2七海千秋
  3罪木蜜柑
  4舞園さやか
  5霧切響子
  6朝日奈葵
  7大神さくら
  8小泉真昼



>> 2個下 4個下

すみません……今日はちょっと無理でした。本当にごめんなさい

昨日はホントすみませんでした。とりあえず七海編出来たので投下します


日向「どう考えても怪しいよな……ほかに建物も見当たらないし。入ってみるか……」

 俺は意を決してその建物に足を踏み入れることにした。

七海「あなたの名前はなんですか?」

 城の中に足を踏み入れたとたん、どこからか声が響き渡った。その声は、俺のよく知っている彼女のものだった。

日向「七海! ここにいるのか?」

七海「あなたの名前はなんですか?」

日向「いるんだったらふざけてないで早く出てきてくれ!」

七海「あなたの名前はなんですか?」

日向「さっきから何を言ってるんだ? 俺だよ! 日向創だ!」

七海「勇者、日向創よ……」

日向「七海……?」


七海「ごほん。てーててーてーてーてー♪ 勇者、日向創は囚われのお姫様を救うため、魔王の城にやってきた」

 突然七海は、誰もがよく知っている某RPGのBGMを口ずさんだ。

日向「七海! どこだ? どこからか俺を見てるのか?」

七海「姫を救いたければ、城の最上階を目指すのじゃ、勇者よ」

日向「七海!」

七海「姫を救いたければ、城の最上階を目指すのじゃ、勇者よ」

 それから、何度呼びかけても帰ってくる答えは同じだった。

日向「姫っていうのが七海のこと、なのか……?」

 七海を見つけたければ、この奇妙な世界のルールに従うしかないのだろうか……。

日向「城の最上階を目指せ、か。とりあえず、目の前に大きな階段があるけど」

 俺が今立っているのは城のエントランスホールだった。円形のホールの周囲に、いくつか扉が配置されている。真正面には、どこまで続くかわからないほどの大階段がある。


>> 1とりあえず階段を昇ってみる
  2他の部屋から見てみる

レス直下


日向「なんかいやな予感がするしな……とりあえずこっちの部屋をから見てみよう」

 俺は周りの扉から一つを選ぶと開けてみることにした。

日向「なにがあるんだ?」

 扉を開けたとたん、部屋の奥から矢が飛んできた。

――Bad Ending――


日向「――はっ!」

 俺は目を覚ますと先ほどのエントランスホールにいた。どうやら気を失っていたらしい。

七海「コンティニューしますか?」

日向「イテテ……くそ、罠かよ」

 薄々気がついてはいたが、ここは……

日向「どうやらゲームを模した世界らしいな。いわゆる『死んで覚える』ってやつか」

 昨日までのここの方がまだ常識的だった。悪魔なんて化け物はいたが、それ以外は普通の場所とそれほど代わりはなかった。これじゃあ本当になんでもありだ。

七海「コンティニューしますか?」
 
日向「コンテニュー、か。死んでもやり直せるのはありがたいな。」

>> 1やっぱり階段を昇ってみる
   2さっきの部屋に行く

レス直下


 俺は、今度は目の前の階段を昇ってみることにした。

日向「よっこいしょ、と」

 初めの一段に足をかける。するとその途端、そこが空洞になった。

日向「え? えええええええええ!?」

 俺はぱっくりと空いた黒い穴に、どこまでもどこまでも落ちていった。


――Bad Ending――


日向「……畜生!」

七海「コンテニューしますか?」

日向「……ああ、する。してやるとも」

 俺はさっきの扉を選んで開く。

日向「おっと!」

 今度は飛んできた矢をきちんと避ける。俺は奥に梯子があるのを見つけた。昇ってみ

ると、そこは一つ上の階の倉庫だった。

日向「……こうやって一階一階昇って最上階を目指せってことか。いいさ。やってやる



 倉庫にはさまざまな物が積んである。しかし、扉のようなものは見当たらない。ただ

し人一人分ほど、色が変わっている部分があった。

日向「ここ、あからさまに怪しいな……おまけにこんなものまであるし」

 見つけたのは、漫画で見るような黒光りする球に導火線をつけたタイプの爆弾だ。ご

丁寧にマッチまで添えてあった。

日向「……どうしようか?」


>> 1爆弾で壁を爆破する
  2やめておく

レス直下



日向「よし……いくぞ!」

 爆弾を色の変わった部分の前に置き、自分は倉庫の隅に避難する。導火線が少しずつ短くなっていき

日向「3……2……1……」

 どかん! と大きな音とともに、爆弾が爆発した。

日向「よし!」

爆発は思ったより強く、倉庫全体を包んでいき……


――Bad Ending――


七海「コンテニューしますか?」

日向「……あんなに威力が高いとは思わなかった」

 俺は起き上がると、先程の扉を開け、矢を躱し、はしごを登り、爆弾を仕掛けると急いで一階に避難し、大きな音が聞こえたあとではしごを登った。すると、倉庫の壁には見事に穴が空いていた。

日向「よし。この調子でどんどん登って行ってやる!」


 ――それからどれくらいの時が経っただろうか。

日向「よし、希望杖セブンスシーゲットだ。これがあれば最後のモノケモノを倒せるはず……」

 幾つもの罠を抜け、何匹も敵を倒して、俺は遂に最上階へもう少しのところまでやってきた。

日向「もう死ぬのはゴメンだ……ひたすら面倒くさい」

 大変だったのは、この世界で死ぬと最初のエントランスホールにまで戻されてしまうことだ。

日向(コンテニューすると初めからって……いつの時代のゲームだよ)

 それでも、何度も俺はやり直し、遂にここまでやってきた。そして……

日向「よし! モノケモノを倒したぞ! これで最上階に続く階段への道が開く!」

 とうとう、魔王と姫が待つという最上階へとやってきたのだった。


日向「なんだか緊張するな……」

 その扉は、何やら荘厳な装飾に彩られ、最後を飾るに相応しい風格と威厳を兼ね備えていた。

日向(おそらく、ラスボスであろう魔王……そいつはどれだけ強いんだろうか)

 また死んで初めからやりなおすのはごめんだ。

日向「よし……行くぞ!」

 意を決して扉を開くとそこに待っていたのは、高貴な人の私室、といった感じの場所だった。豪華な調度品、天蓋付きのベッド。そしてソファに座っているのは……

七海?「よく来たね、日向くん」

 七海だった。怪我をしている様子もなく、元気そうだ。それを見て俺はほっと安堵の溜息を吐いた。

日向「七海、やっぱりお前が姫だったのか。それで、魔王とやらはどこだ?」

七海?「いやだなあ。何言ってるの、日向くん。目の前にいるじゃない」

 七海の見た目も、服装も、昨夜見たものと全く変わらない。しかし、その身に纏う雰囲気と、瞳の色だけが全く違っていた。彼女の目はいつもの赤ではなく、ぬらぬらと濡れた金色に輝いている。

日向「……お前、本当に七海……か?」

七海?「わたしは七海千秋だよ。七海千秋で……日向くんをこの世界に招き入れた、魔王」

???「日向くん! 逃げて!」

 ベッドの方から声が聞こえた。その声もまた、目の前にいるのと同じ七海の声だ。

日向「七海! そこにいるのか!?」

七海「日向くん! 私のことはいいから、早く!」

シャドウ七海「駄目だよ、日向くん。魔王を倒す前に姫に手を出しちゃあ」



http://www.youtube.com/watch?v=6psnrd6m6qQ


シャドウ七海「我は影……真なる我……」

シャドウ七海「私は魔王……日向くんたちをこの世界に招いた、全ての黒幕……」

シャドウ七海「でも、もういい。日向くんの永遠の戦いも、あの人の呪いも……全てここで断ち切る……全てを終わらせる」

 七海そっくりの奴は姿を変え……紫のマントに龍を象った杖を持つ、魔王然とした姿になった。

 俺はふと、さっきまで手に入れた装備が無くなっていることに気がついた。どうやらこいつとは……俺自身の力で戦わなければいけないらしい。


シャドウ七海「日向くんのペルソナ、【オーディン】……使えるスキルは真理の雷、グングニル、マッドアサルト、プフダイン、そして弱点属性は風……」

日向(もしかして……俺のペルソナをアナライズしてるのか?)

日向「七海! 奴の弱点は!?」

 七海は縛られでもしているのか、ベッドの方から出てこない。ただ、その悲痛な声だけが響いた。

七海「駄目なの……ペルソナが使えない。そいつに、能力を取られたみたいで……だから、日向くんだけでも逃げて!」

日向「……だったら、俺一人で倒してやる!」


>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4その他(内容も)

2個下


日向「喰らえ!【真理の雷】!」

 俺は雷をシャドウに向けて放つ。しかし敵はそれをマントで軽くいなしてしまう。

シャドウ七海「無駄だよ……日向くんのペルソナは全て、解析済み。【ガルダイン】!」

 逆に奴の放った風の弾は、こちらのガードを容易くすり抜けて俺の肩に突き刺さった。

日向「ぐっ!」

七海「もうやめて! わたしのことはいいから!」

シャドウ七海「だってさ、”勇者”日向創。お姫様はああ言ってるけど?」

日向「まだ……まだだ!」

シャドウ七海「アハハハハ! 良かったじゃない、ワタシ! 日向くんはあなたの為に命を懸けるつもりみたいよ! 望み通りじゃない!」

七海「違う……わたしはそんなこと、望んでなんて……」

シャドウ七海「違わない。あなたはワタシ、ワタシはあなただもの」

日向「いつまで喋ってるつもりだ! 行くぞ!」

>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(ブフダイン)
  3防御
  4その他(内容も)

2個下


日向「【プフダイン】!」

シャドウ七海「だから聞かないって!【アギダイン】!」

 俺が放った氷の塊は、シャドウの炎によって空中で溶かされ、奴に届かなかった。

日向(こっちの攻撃は全て読まれてしまう……なにか打つ手はないのか?)

シャドウ七海「頑張るね、日向くん。そんなにワタシを助けたい?」

日向「当たり前だ!」

シャドウ七海「ふーん……ねえ、日向くんはここに来るまでに何回死んだ?」

日向「さあな……数えきれないくらいだ」

シャドウ七海「でも、日向くんは生きてここにいる……どうしてかな?」

日向「そんなの……あれが、ゲームみたいなものだからだろ」

シャドウ七海「そう。ゲームだから。何回死んでもまた生き返るから。ワタシは、自分にそう言い聞かせて、日向くんを何度も何度も殺した」

日向「さっきから何が言いたいんだ?」

シャドウ七海「真実、だよ。ワタシが隠していたこと。それを全てぶちまけるのが、ワタシの望み」

七海「駄目! 日向くん、聞かないで!」


>> 1本体に攻撃(殴りかかる)
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4シャドウの話を聞く
  5その他(内容も)

2個下


日向「話してみろよ」

シャドウ七海「……聞いてくれるの?」

 俺が両手を上げ、戦いを止めるそぶりを見せるとシャドウは意外そうな顔で首を傾げた。

日向「なんだよ。お前が話したいって言ったんだろ?」

七海「ヤダ、やめて! 日向くん、聞いちゃダメ!」

 背中に七海の縋るような声が聴こえる。けれど俺は意識してそれを無視した。

シャドウ七海「……この世界は、ゲームなの」

日向「知ってる。ここに来るまで嫌というほど体験した」

シャドウ七海「違うの。もっと前……日向くんが希望ヶ峰学園だと思っている場所は、ゲームのプログラム上の存在でしかない。本物の日向くんはずっと眠ってる……」

日向「……そうか」

 それはかなり衝撃的な告白だった。だけど、それなら悪魔なんて化け物がいたり、俺たちにペルソナ能力なんて不思議な力が使えることにも説明がつく。

シャドウ七海「信じてくれるの?」

日向「そうだな……突拍子もない話だとは思う」

 けれど俺は、七海の姿をした彼女の言葉を、何故か信じている自分に気がついた。


シャドウ七海「ここにいる日向くんは忘れているけど……本当はもう、何回も死を経験してる。その度に何度もやりなおしてきた。ううん、ワタシがやり直させたの。望む結末に至らないからって、何度も、何度も」

日向「望む結末?」

シャドウ七海「……『江ノ島盾子を倒す』こと。それがこの世界が生まれた意味で、ワタシの生まれた理由」

シャドウ七海「ワタシは……」

 そこまで言ってシャドウは、何故か口を閉ざした。真実を話す、とそう言っておきながら、最後の最後でそれをためらうかのように。

シャドウ七海「とにかく、そういうこと。ワタシは日向くんたちをこんな状況に追い込んだ、全ての黒幕なの。でも、もう疲れた。これ以上、日向くんが死んでいくのを見たくない。だから終わりにすることにしたの」

 シャドウは杖を振りかざした。その先から光がほとばしる。

日向(! まずい、あれはなんだかヤバそうな感じがするぞ……)

シャドウ七海「……ワタシに守られる価値なんてない。これは、ワタシが自分に下す罰なの。だから、邪魔しないで」


>> 1ガードを固める
  2七海を庇う
  3一か八か反撃を試みる
  4その他(内容も)

 2個下


シャドウ七海「【アローレイン】!」

 禍々しい光が部屋全体を迸った。その矛先は当然、ベッドに倒れている七海にも向かう。

日向「危ない!」

 俺はとっさに七海を庇うように覆いかぶさる。背中に灼けつくような痛みが走った。

日向「ぐあっ!」

七海「日向くん……どうして」

日向「さあ……七海が危ないと思ったら、体が勝手に……」

 見ると、俺の体の下で七海はさめざめと泣いていた。その端正な顔が涙でぐしゃぐしゃになっている。

七海「ごめんなさい。ごめんなさい。全部本当なの。あっちの私が言ったこと、全部」

七海「私が日向くんを、皆を、この世界に閉じ込めたの。私が……」

日向「……七海」

 俺は起き上がると、シャドウに相対し、奴を睨みつけた。背後の七海を庇うように両手を広げる。

シャドウ七海「……何のつもり?」

日向「見ての通りだ。七海には手を出させない。例え、七海自身が相手でも」

七海「日向くん……もうやめて」

シャドウ七海「そうよ……ワタシに、そんな価値なんてない」

七海「だって、私は……」

シャドウ七海「ワタシは……」






        『人間じゃないの。この世界のプログラムの一つに過ぎないの』


日向「そんなの、関係ないさ」

七海「え……?」

日向「七海……俺は」


>> 1お前の仲間だ
  2お前のことが好きだ
  3お前を救う勇者だ
  4その他(内容も)

2個下


日向「お前のことが好きだ」

七海「日向くん……」

日向「だから、お前が俺をここに連れてきたとしても、人間じゃなくても、関係ない。俺がお前を守る!」

 俺がそう叫んだ瞬間、俺と七海の間に光の球が生まれた。それは次第と形を変え、龍の姿になって、俺の傍に寄り添った。




 七海との間に確かな絆を感じる……


               我は汝、汝は我……
            汝、ついに真実の絆を得たり……

          真実の絆、それ即ち絶望を払う希望の光なり。
             今こそ、汝には見ゆるべし。
     【永劫】の究極の力、”ニーズホッグ”の汝が内に目覚めんことを……



ニーズホッグ
・治癒促進(体力が自動回復)
・闇無効(闇属性の攻撃を無効化)
・世界樹齧り(物理攻撃。巨大な敵に有効)
・ラグナロク(全体火炎攻撃)


ニーズホッグ
 北欧神話に登場する飛龍。冥府ニヴルヘイムで世界樹の根を齧りつづけ、世界の根幹を脅かし続ける邪龍である。この龍はラグナロクの後も生き続け、屍者を齧りつづけるという。


日向「これは……新しいペルソナ?」

 雪のように白い鱗の龍が、大きな口を開けてシャドウと七海の間に立ちはだかる。不思議と、いつの間にか背中の痛みが消えていた。

シャドウ七海「今更、そんなもの……【ガルダイン】!」

日向「効かないぞ!」

 龍はシャドウの放った攻撃をその口で容易く飲み込んでしまう。 

シャドウ七海「弱点が違う!? アナライズし直さないと……」

日向(ここだ……まだアイツがこっちのスキルを把握してない今のうちに……〉


>> 1本体に攻撃
  2スキル(ラグナロク)
  3防御
  4ペルソナチェンジ
  5その他(内容も)

2個下


日向「喰らえ! 【ラグナロク】!」

シャドウ七海「ああっ!」

 攻撃をまともに食らったシャドウは倒れ伏した。持っていた角は折れ、マントも燃え尽き……そこにはいつもと同じ姿の七海がいた。

シャドウ七海「ワタシは……ワタシに、日向くんと一緒にいる資格なんて……」

日向「資格なんて必要ないさ。だって俺たち、仲間じゃないか」

七海「……ごめんね」

 気が付くとすぐ側に七海が立っていた。

日向「七海! もう体は大丈夫なのか?」

七海「うん……彼女の力が弱まったからだと思う」

シャドウ七海「…………」

 シャドウは唇を噛んで俯いている。七海はその自分自身の姿をした影に、優しく諭すように語りかけた。

七海「ねえ、私。私は確かに、日向くんに、皆に、酷いことをした。ううん、今だって。でもね……」

七海「辛いからって、ここで投げ出すことなんて出来ない。最後まで、見届ける義務がある……と思うよ」

シャドウ七海「……その覚悟が、ワタシにあるの?」

七海「うん。たぶん、一人じゃ無理だったと思う。だけど、日向くんがいてくれるから……永遠に続くとしても、私は最後まで戦う。日向くんと一緒に」

シャドウ七海「……じゃあ、それを見届けさせてもらうね。ワタシの戦いを……」

これは日向のペルソナが増えたではなく変わった認識でいいのか?


 そう言うとシャドウは耳を生やした姿に……ペルソナを使ったときの七海の姿になり、さらに彼女は羽衣のような服を身にまとい、女性形のペルソナの姿に変化した。

カグヤ「我は汝、汝は我……私はいつでもあなたのそばにいる……」


 ”ツキノウサギ”は”カグヤ”に転生した!

カグヤ
・ハイ・アナライズ(敵の解析)
・ランダマイザ(コンマの値を±10変えられる)
・神々の加護(味方の回復呪文の効果アップ)
・癒しの波動(属性変化スキルの無効化)

カグヤ
仮名文字で描かれた日本最古の物語「竹取物語」の主人公たる女性。
竹を取り生計を立てていた「竹取翁」が見付けた「光る竹」より産まれた身丈三寸の女子。
生後三か月ほどで妙齢となり、都一帯で知らぬ者なき絶世の美女として知られるようになる。

噂を聞き付けた貴賎を問わぬ数々の男性に求愛されるものの、その都度無理難題を投げ掛け撥ねつけ寄せ付けなかった。
最後は、自らを育てた老夫婦に自身が「月の都の人」であるという身の上を明かし、十五夜の夜に来た遣いの者と共に月に帰っていった。



七海「ごめんなさい……あなたの声は聞こえていたのに、ずっと無視して……でも、もう逃げないよ」

日向「……よかったな、七海」

七海「うん、日向くんのおかげ……って、日向くん!?」

日向「はは……安心したら、なんかどっと疲れが……」

 俺は薄れていく意識の中で、七海の心配そうな叫びを聞いていた。


短いけど今日はここまでで。明日も出来れば来ます。

>>655 日向のペルソナは増えました。七海のペルソナは変わりました。


人いたらやります


 目を覚ますと、ふりふりのフリルの付いた天井が目に入った。どうやら、七海が倒れていた天蓋付きベッドで眠っていたらしい。

日向「……久々にまともな寝具で寝た気がするな」

 俺は体を起こそうと体の横に手をついた。すると、なんだか柔らかい感触を覚えた。

日向「なんだ?」

七海「ふぁ~。あ、日向くん。目が醒めたんだね。よかった~」

 体を起こして、自分の手に目をやると……その下にはなぜか七海の体があった。

日向「な、七海!? なんでお前が一緒に……」

七海「だって、日向くんを床に寝かせておくわけにはいかないし……久々に私もベッドで寝たかったし。ダメ……だったかな?」

 そう言って七海は上目遣いにこちらを見上げる。


日向「う……別に、駄目ってわけじゃ」

七海「本当? よかった~」

 そう言って七海は安心したように笑った。

七海「でも、本当に心配したよ。日向くん、急に倒れるんだもん」

日向「朝からずっと皆を探して走り回ってたからな……でも心配することなんてないだろ? だってこの世界じゃ、死んでもどうせやり直せるんだから」

七海「! ……それがね、駄目なんだ。この世界は、今までとは少し違うの。死んだら、そこでおしまい。これは正真正銘の、最後の賭けだから」

日向「それって、どういうことだ?」

七海「いい機会だから最初から話すね。この世界について、私が知ってることの全てを……」


七海「全ての始まりは、『新世界プログラム』だった。それは、ある機関が作り上げた仮想世界上で人間の精神活動をエミュレートするプログラム……わかりやすく言えば、人間をゲームの世界に飛ばすプログラムって感じかな」

七海「私はそのプログラムを管理するAIとして生まれた。日向くんたちは、このプログラムの最初の被験者だった。理由は……日向くんたちがある病気にかかってたから」

日向「なんで病気の治療にそのプログラムとやらを使うんだ?」

七海「その病気は精神……心に作用するものだったから。機関の人たちは、『絶望病』って呼んでた。そしてその病気は、ウイルスや遺伝じゃなく、たった一人の人間と接触することによって感染する……」

日向「もしかしてそれが、お前の言ってた『江ノ島盾子』ってやつか?」

七海「そう……彼女に関わった人間は例外なく、希望を失い心を閉ざしてしまう……だから機関は『新世界プログラム』を使って、ある実験をすることにした。被験者の精神を江ノ島盾子と出会う前まで巻き戻した状態でプログラムを起動し、その精神を肉体に上書きする」

日向「……ちょっと待て。じゃあ今ここにいる俺は、もしかしてその『江ノ島盾子』に出会う前の俺ってことか?」

七海「そう。外の世界で日向くんは18歳になってる」

日向「マジかよ……」

 あまりのことに流石にショックを隠せない。そんな俺の表情を見て、七海はすまなそうに顔を伏せた。

七海「……ごめんね。酷いことをしたってわかってる」

日向「ああ、いや別に責めてるわけじゃ……俺たちを治療するためだったんだろ? その『絶望病』とやらからさ」

七海「……だけど、『新世界プログラム』を持ってしても江ノ島盾子の影響を取り除くことは出来なかった。プログラムの世界でも、日向くんたちは何度も何度も死んでいった……」

 七海は辛いことを思い出したのか、今にも泣きそうな表情だ。


日向「なんでだ? 記憶を消したんだろ?」

七海「そう。でも、江ノ島盾子が人間の精神に及ぼす影響は想像以上に強かったの。例え日向くんの記憶から小学生時代の日向くんをエミュレートしたとしても、それは『今の日向くんが覚えている小学生時代の日向くん』でしかない」

七海「江ノ島盾子の影響は、その人の記憶さえ都合のいいように変えてしまうほど強かった」

日向「……わかった。それが前にお前が言っていた『呪い』ってことなんだな?」

 俺がそう聞くと、七海はコクリと首を縦に振った。

七海「……私たちは、何度も何度も繰り返した……皆の死を、何度も、何度も」

 七海は寒気を堪えるかのように自分の体を強く抱いた。……俺は見ていられなくて、気が付くと七海を抱きしめていた。

七海「……日向くん?」

日向「大丈夫だ、七海。大丈夫だから」

七海「……ありがとう」

 泣きじゃくる七海の頭を撫でてやる。


 しばらくして。七海が涙を拭い、そっと俺の腕を振りほどいた。

七海「……もう大丈夫。続き、話すね」

七海「機関の人たちは、とうとう諦めることにした。それで新世界プログラムは一度リセットされることになったの。日向くんたちの精神もろとも」

日向「おい、まさかリセットって……」

七海「うん……日向くんたちの精神が、消えちゃうってこと……」

日向「なんだってその機関ってやつらはそんなことを!? 俺たちは病人なんだろ!?」

 俺がそう言うと、七海は何かを言おうとして……しかし、口を噤んだ。

七海「……その辺りの事情は私も知らないんだ。だけど、私は黙って見ていることができなかった。だから、持っていたゲームソフトのデータを日向くんたちの精神データに置き換えたの」

日向「ゲーム?」

七海「そう。新世界プログラムは、現実そっくりに作られた仮想世界。だからゲームをすることも出来る。そしてそのソフトには、小さなサイズにとってもたくさんの情報が込められてる。それに日向くんたちのデータを圧縮して上書きしたの」

七海「私がサルベージされたとき、そのソフトは一緒に持ちだして、リセットを免れた……そしてそれをリセット後のまっさらな世界に展開した」

日向「それが、俺たちが今いるこの世界ってことか……」

七海「うん……展開するときの影響で、ちょっとゲームの世界が混じっちゃったけど……もう一つ、予想外のことが起きたんだ」

日向「はは……ちょっとって感じでもないけどな。それで、予想外のことってなんなんだ?」


七海「うん……日向くんも見たでしょ? ここに初めに来た日に、私たちに襲いかかってきた女の子。私、実はあの人のこと知ってたんだ。機関の人に写真を見せられたことがあったから」

七海「あれが……あれこそが、『江ノ島盾子』その人」

日向「……どういうことだ? そいつもこの『新世界プログラム』の世界に入ってきたってことか?」

七海「ううん……あれは、きっと日向くんたちが心のなかに持っていた『江ノ島盾子』的な物の集合体。日向くんたちの精神を圧縮して解答する過程で凝り固まった、呪いの塊」

七海「皮肉だよね……何度繰り返しても取り除けなかったものが、こんな方法で私たちの前に姿を現すなんて」

日向「……あれを倒したらどうなるんだ?」

七海「たぶん……それは、日向くんの精神から、彼女の影響が取り除かれることを意味する。つまり、『絶望病』の治癒だね」

七海「でも、機関の人々はそんなイレギュラーな方法を認めない……だからこの世界もろとも、江ノ島盾子を消し去ろうとしている」

七海「私は防護壁を展開してるけど……プログラム上のデリートを免れられるのは、今日を含めてあと4日が限界かな」

日向「それまでに『江ノ島盾子』を倒す……か。それが出来れば、もしかして」


日向「……いくつか質問してもいいか?」

七海「うん。私に答えられることだったら、なんでも」


>>  1『死に顔動画』とは?
   2今日のこの世界は?
   3『バベルの塔』について知ってるか?
   4ここにいる全員が『絶望病』患者なのか?
   5その他(内容も)
 
 2個下


日向「今朝やってきたこの世界はなんなんだ?」

七海「昨日までの学校とは違うゲームの世界……だと思う。それに私たちの精神が混ざって、こんな形になったんじゃないかな。たぶん、他の人の精神を形にしたダンジョンもあるはずだよ」

日向「じゃあ、この霧のどこかに元の学校があるわけじゃないんだな?」

七海「うん……元の世界とは全く別って考えた方がいいと思う」

>>  1『死に顔動画』とは?
   2今日のこの世界は?
   3『バベルの塔』について知ってるか?
   4ここにいる全員が『絶望病』患者なのか?
   5その他(内容も)
 
 2個下


日向「あの『死に顔動画』ってのはなんなんだ?」

七海「もともとはゲームのシステムの一つなんだけど……新世界プログラムが未来の可能性をシュミレートした結果の一つって感じかな」

日向「どういうことだ?」

七海「この世界で起きることは、新世界プログラムによるシミュレーションの結果……その結果を計算速度を早めて先取りしたものがあの動画……」

七海「でも、計算は早めた分だけ正確じゃなくなる……だから現実に起こることとの違いも生じる……んだと思うよ」


>>  1『死に顔動画』とは?
   2今日のこの世界は?
   3『バベルの塔』について知ってるか?
   4ここにいる全員が『絶望病』患者なのか?
   5その他(内容も)
 
 2個下


日向「ペルソナっていうのは、一体なんなんだ?」

七海「ペルソナシリーズはアトラスから発売されてる名作RPGだよ! 元は『真・女神転生』の外伝として始まったんだけど、正直3と4はもうオリジナルって言ったほうがいいと思うんだ。特徴としては90年代のサブカルチャー・オカルト的要素と青春ジュブナイルの融合があるんだけど、3から4にかけてはインターネットの一般化も欠かせない要素になってると思う!
 そもそも都市伝説というものがその役割をネットに移していく過程を追える作品として都市民族学的な研究価値もあると思うな! 4は『マヨナカテレビ』って言ってテレビが重要なキーワードになるんだけど、『人が見たいものを見たいように見るテレビ』ってそれは即ちインターネットのことに他ならなくて、ゼロ年代に蔓延するネット批判を含んだ作品の中でも最も先鋭的な一つだと思うんだ。一方で1・2はというと……」

日向「つ、つまりゲームのタイトルなのか? っていうか聞きたいのはどっちかっていうとなんでこんな能力が使えるかの方なんだが……」

七海「あー。たぶんそれも圧縮と解凍の過程で日向くんたちの人格データとゲームが混じっちゃった結果……だと思うよ」

日向「そうか……ずいぶんとざっくりした説明だな」



>>  1『死に顔動画』とは?
   2今日のこの世界は?
   3『バベルの塔』について知ってるか?
   4ここにいる全員が『絶望病』患者なのか?
   5その他(内容も)
 
 2個下


日向「『バベルの塔』って知ってるか?」

七海「正確なことはわからないけど、このプログラム上の世界を展開するための、核になるための部分じゃないかな……本来なら、プログラム上の存在である私たちが触れるものじゃないはずだけど……ゲームと交じり合って、形を持ったんだと思う」

日向「それに触るとどうなる?」
 
七海「この世界の全てのデータを持った存在だから……文字通り、全てを知ることが出来る……と思うよ」

日向「狛枝のペルソナが変化したのも、それが理由か?」

七海「うん……ペルソナは、その人の精神の形だから。きっと、彼の価値観そのものをひっくり返すような事実を見た……んだと思うよ」


>>  1『死に顔動画』とは?
   2今日のこの世界は?
   3『バベルの塔』について知ってるか?
   4ここにいる全員が『絶望病』患者なのか?
   5その他(内容も)
 
 2個下


日向「俺たちは全員、その『絶望病』とやらの患者なのか?」

七海「ううん……私は他にも、機関のメンバーや私を創ったプログラマーの友人の精神データも持ってたから……そういう人もいるよ」

七海「でも、ここでは皆自分のことを人間だって思ってるはずだし……日向くんにもそう接してあげてほしい、かな」

 七海は自信なさげにそう言った。おそらく、AIだという自分の状況と重ねあわせているのだろう。

日向「ああ。なんであろうと、仲間には違いないしな。関係ないさ」

 俺がそう言うと、七海はほっとしたようだった。


日向「……これで聞きたいことは全部かな。けっこう長いこと話をしてたな」

 まだまだ話しておきたいことはあるものの、そろそろ他の仲間を探しに行った方がいいかもしれない……

日向「いい加減ここを出るか。七海ももう知ってることは全部話してくれただろ?」

 俺がそう言うと、七海はためらいがちに頷いた。

七海「……う、うん」

日向「……? じゃあ、そろそろ行こうぜ。っていうか、話すのはベッドじゃなくてもよかったよな」

 俺は急に七海と二人で横になっていることが恥ずかしくなってきた。これじゃ、まるでピロートークじゃないか。

七海「……本当は、もう一つだけあるけど……でも、私の予想が正しければ……」

日向「うん? なにか言ったか?」

七海「ううん。なんでもない」


日向「おお……」

 俺たちが外に出た途端、背後で城が崩れ始めた。

七海「あれは、私のシャドウ……普段見てみぬふりをしている後ろめたい部分が創りだしたものなの」

日向「それを七海が見つめなおしたから役割を終えた……ってことか」

七海「たぶん、どこかに他の人のシャドウが創りだしたダンジョンもあるはずだよ」

日向「じゃあ、それを探しに行くか」


Time 12:00 4th day 反転の木曜日



日向「……見つけた」

 俺たちがしばらく歩いていると、七海が「こっちの方に何かの気配を感じる」と言い出した。その方向にしばらく歩いて行くと、また新たなダンジョンを見つけた。

七海「これは、船……かな」

日向「ああ。それもただの船じゃない……豪華客船でクルーズって感じだな」

 なんとそれは端が見えないほど大きな船だった。どうなっているのかはわからないが、陸に乗り上げている感じではない。水もないのに海に浮いているかのようだった。

日向「まあゲームの世界だからな……なんでもアリってことか」

???「当船はまもなく出港致します。ご乗船の方はお急ぎください」

七海「! 今のって」

日向「ああ、間違いない。霧切の声だ」

 ということは、この船が霧切の創りだしたダンジョン、ということなのだろう。

日向「……外から眺めていてもしょうがない。とりあえず、乗り込んでみるか」

七海「うん!」

 俺たちは船の横っ腹から伸びているタラップを見つけ、中に入ることにした。


受付嬢「ようこそ! 希望船ウサミ号へ! ご招待状はお持ちでしょうか?」

 船の中には受付があり、なんと受付嬢まで待ち構えていた。

日向「えっと、招待状ね。ちょっと待って下さいね」

 俺はしどろもどろになりながら七海を連れて物陰へ引っ込む。後ろには、どこから現れたのか他の乗客が不審げにこちらを見つめている。

日向「おい! この人達も俺たちと同じ元患者なのか!? こんなに!?」

 俺の問いかけに七海はふるふると首を横に振る。

七海「ううん……こんな人達のデータは知らない。たぶんエディットで作られたNPCじゃないかな」

日向「えぬぴーしー?」

七海「つまり、人間っぽく見えるけど決められた受け答えだけするキャラクターのこと。『○○の村にようこそ』ってね。あ、あと招待状なら持ってるよ。いつの間にかポケットに入ってた」

 七海ははい、とはがき大の紙を手渡してきた。

日向「…………」

 俺は釈然としないながらも受付嬢に招待状を手渡す。

受付嬢「はい。ご夫婦でご予約の日向様ですね? こちらが船室の鍵になります。ごゆっくりお楽しみください」

日向「ふ、夫婦だって!?」

七海「日向くん、落ち着いて。それもゲームでの役割だよ。とりあえず今のうちは従っておいた方がいいと思う」

 七海はなんでもないというふうに一人でひょこひょこと先に進んでしまう。これではうろたえていた自分が馬鹿みたいだ。

日向「……ちょっと待ってって。一人で先に行くなよ。どんな罠があるか……」


???「痛っ!」

 急いで七海のあとを追いかけようとしたとき、足元で声がした。

???「…………」

 声のした方を見下ろすと、金色の瞳と目があった。こちらを睨みつけるように見上げている。

日向「悪い、ぶつかったか?」

少女「ええ。でも気にすることはないわ」

 そういうと少女は俺が差し伸べた手を無視して自力で立ち上がった。小学生……いや、中学生くらいだろうか。彼女もきっとNPCとやらの一人なのだろう。

七海「日向くーん? なにしてるの?」

日向「あ、悪い! 今行く!……本当に大丈夫か?」

少女「ええ。早く彼女のところに行ってあげたら?」

 少女は見た目に似つかわしくない大人びた口調で言った。

日向「悪かったな。じゃあ行くよ」


 ――それから。

日向「……しかしこの船、凄いな。思わずゲームの中だってことを忘れそうだ」

七海「あ、日向くん! あれみて! あのおっきいハサミ、たしか伊勢エビってやつだよね?」

 俺たちは豪華客船での旅を存分に楽しんでいた。船にはプールもあればカジノに、はては映画館まであった。今は大食堂でビュッフェ形式の夕食を楽しんでいるところだ。

 部屋にはご丁寧にドレスとスーツまで準備してあった。これも城の装備と同じで、ここから出れば消えてしまうのだろうが……

 しかしこうしてドレス姿の七海を見ていると、むしろ先ほどまでの方が非現実的で、夢だったのではないかと思えてくる。

七海「……なあに、日向くん。私の顔になにかついてる?」

日向「いや、別に……おっと!」

 突然、船がぐらりと揺れた。他の乗客たちの間にわずかにざわめきが起こる。

七海「なんだろう?」

日向「さあ……」

 しばらくしてから、スピーカーから聞き覚えのある声が聞こえてきた。

霧切「失礼いたしました。エンジントラブルが発生した模様です。お客様にはご迷惑をお掛けしますが、そのまま船旅をお楽しみください」

七海「今の声って……」

日向「ああ、霧切だ」

 その声はここが彼女の創りだしたダンジョンの中なのだということを嫌でも思い出させた。


少女「…………」

日向「ん? あれって……」

 俺は先程の少女が小走りに人々の間をすり抜けていくのを見つけた。

日向「おーい。どうしたんだ?」

少女「……さっきの放送を聞いたでしょ。船の損傷の具合を見に行くのよ」

日向「なんで、お前みたいな子供が?」

少女「それは……私が、この船で唯一、船の損傷を修理出来る人間だから」

日向「なんでだ? 君一人ってことないだろ? そもそもなんでそんなことわかるんだ?」

少女「わかるのよ……そう決まっているから」

日向「?」

少女「とにかく、邪魔しないで」

 そう言うが早いか、彼女はまたしても駆け出そうとする。


>> 1少女についていく
  2そのまま食事を続ける

 2個下



日向「だったら、俺もついていくよ。七海も来るか?」

七海「うん。船の内部なんてめったに見られないし、面白そう!」

少女「……勝手にしなさい」

 いうが早いか、少女は走りだした。俺たちはそのあとを慌ててついていく。



日向「……まだか?」

少女「もう少しよ」

 それから、階段を昇っては今度は降り、狭い通路をいくつも抜けて俺たちは走り続けた。

少女「着いたわ」

 そこは大きなボイラー室とでも言うべき場所だった。彼女はてきぱきとパイプに計測機器を取り付け、そのメーターを確認していく。

少女「……おかしいわね。エンジンに異常は見られないわ」

七海「ねえ、見てみて日向くん! お魚さん!」

 七海がのんきな声で言う。彼女の言うとおり、壁の丸窓からは海の中が見えた。

少女「まさか!?」

 少女は絶望的な表情で窓に飛びつく。

少女「……間違いない。この船、沈没してるわ。きっとさっきの衝撃は船底に穴が空いたのね」

日向「そんな馬鹿な……」

少女「本来ならここは水上5mのはずの場所よ。なまじ船が大きいから多少沈んでもわからないのね。でも間違いない」

日向「だって、さっきの放送では、ただのエンジントラブルで、大したことないって……」

少女「現にそのエンジントラブルが嘘だったのよ。きっとパニックを起こさないためでしょうね。きっと今頃、脱出艇が出ているはずよ。乗せられる、限られた人数だけを乗せて。この船の乗客全員を乗せることは出来ないもの」

日向「…………」


>>  1少女の話を信じる
   2そんなわけない、と笑い飛ばす


ミスった。このレスの二つ下で


日向「……わかった。それで俺たちはどうすればいい?」

少女「脱出艇に向かいましょう。急げばまだ間に合うかも。こっちよ」

 そう言って少女は先を歩き始めた。

日向「ほら七海、行くぞ」

 俺はまだ魚を眺めていた七海を引きずるようにしてついていく。


少女「……なんとか間に合ったみたいね」

 少女の言うとおり、そこには既に脱出艇が準備されていた。その周りでは人々が戸惑いながらも乗り込んでいく。

女性「待ってください! まだ子供が中にいるんです!」

係員「時間がありません! 乗れる人だけでも早く! もう出発します!」

少女「なにしてるの。私たちも早く乗り込みましょう」


>>  1係員にもう少し待つよう言う
   2黙って船に乗り込む


 2個下



日向(大丈夫だ……だってこれはゲームで、あれはNPCなんだから)

 俺は自分にそう言い聞かせて、船に乗り込む。

少女「……そう。それで正しいのよ。行きましょう」

 彼女がそう言うと、それに応えるかのように船が動き始めた。



七海「……本当に沈んじゃったね、あの船」

日向「ああ……」

 俺たちが脱出艇に乗ってからしばらくして、水平線の向こうに脱出艇が完全に沈むのが見えた。

七海「……この船、どこにいくのかなあ」

日向「さあ……そもそもこの海がどこなんだ? どこに陸地があるんだか……」

 脱出艇は波を切って走り続けている。俺たちはただそれに乗っていることしかできない。

 俺たちが乗っているものの他に、もう一隻、脱出艇が出ていた。こちらより小型で、乗っている人数も少ないようだ。

 俺はふと、先ほどの少女が見当たらないことに気がついた。

日向「……あいつはどこへ行ったんだ。まさか!?」

 この船に乗りそこねたのではないか。俺は嫌な予感を感じて彼女を探しに走りだした。


日向「……なんだ。こんなところにいたのか」

 結論から言うと、俺の心配は杞憂だった。彼女はまたしても船艇で機械を弄りまわしていた。

日向「まったく、心配したんだぞ。この船に乗ってないんじゃないかって」

少女「……それなら自分の身を心配することね。私が乗ってなかったらこの船は終わりだったわ」

日向「……はい?」

少女「今度こそエンジントラブルよ。脱出艇なんて使わないだろうと普段の整備を怠ってたのね」

日向「……大丈夫なのか?」

少女「ええ。時間はかかるけど、直せると思う」

日向「そうか」

 安堵のため息をつく。と、そこに七海が必死の形相で駆け込んできた。

七海「日向くん!」

日向「どうした、七海?」

七海「いいから来て!」

日向「お、おい!」

 七海は俺の手を掴んで強引にデッキまで引っ張ってきた。



七海「あれ、見て!」

 彼女が指さした方を見る。それはもう一隻の脱出艇だった。それが、どういうわけか黒い煙を立ち上らせている。

少女「……おそらくあっちもエンジントラブルね」

 いつの間にか背後に少女が立っていた。彼女が冷静な声で告げる。

日向「どうにかならないのか!?」

少女「無理ね。もう手遅れよ。それにこの船にもまだ私の手が必要よ。私があっちの修理に行けば、こっちが沈むわ」

七海「でも……」

少女「見たところ、あっちの船の方が乗り込んでいる人は少ないわ」

日向「だからって!」

少女「……私だって、出来ることなら両方を助けたいわ。でもそれは不可能なの」

 少女は、金色の瞳で俺の目を見つめた。その目に見つめられると、まるで心の奥底まで見透かされるような気がした。

少女「助けられるのは二つに一つ。たくさんの人間かより少ない人間。どっち?」


>>  1たくさんの人間
   2より少ない人間


 2個下

中途半端ですけど今日はここで。霧切'sシャドウ戦がまだ書き終わってないので


真っ昼間だけど人いるだろうか

>>719 >>720 安価するの無理っぽかったんで夜やることにしました。今から投下します


日向「……たくさんの、人間だ」

 俺は嗚咽をこらえてなんとか答えを絞り出した。少女の金色の瞳が、まだ俺のことを探るように見つめていた。

少女「……そう。あっちの船の人たちは見捨てるのね」

日向「! だって! お前が言ったんじゃないか! どちらかしか助けられないって!」

少女「落ち着いて。別に責めているわけじゃないわ」

 ただし、と少女は付け加えた。

少女「それを選んだのはあくまで貴方だということは忘れないで。私に責任転嫁するのは、お門違いというものよ」

 これはあくまで霧切の創りだしたダンジョンにすぎない。それがわかっていながらも俺は、こみ上げてくる吐き気を抑えることが出来なかった。

日向(そうだ……これは霧切の創りだした、彼女の精神世界のはず。これが、霧切の内面だっていうのか? 今までアイツはどんな世界を生きてきたんだ?)


 そんなことを考えていると、またしても衝撃が船を襲った。

日向「またか! 今度はなんなんだ!?」

少女「……この船にも船底に穴が空いたみたいね。今度は私でも修理は出来ないわ。この船もじきに沈む運命よ」

日向「はあ!? いい加減にしろよ! なんでそんなことわかるんだ!? それにそう何度もトラブルばかり起きるなんて、どう考えてもおかしいだろ!!」

 俺はつい冷静さを失い、目の前の少女に怒鳴ってしまう。彼女に責任など無いのに。しかし年端もいかないはずの彼女は怒鳴られたことなど意にも介さず、淡々と言った。

少女「……理由なんてどうでもいいでしょう? 船を沈めるための工作員がいたとか、この中に超高校級のトラブル体質がいたとか、好きな風に想像すればいいわ。ここはこういう世界なの。」

少女「確かなのは、もうすぐこの船が沈むということ。そして脱出するためのゴムボートは一つしか無い。乗れるのはどちらか。あなたたち二人か、私か」

 そう言って彼女は俺と七海を順に見渡した。他の方法もあるだろうとか、七海と彼女がボートに乗ればいいとか、そんな疑問はきっと無意味なのだろう。天秤に載せられているのは、あくまで俺と七海の命と少女の命。選択肢は二つに一つなのだ。


少女「さあ、どうする?」

>>1少女を犠牲にする
 2自分たちが犠牲になる


 2個下


日向「……俺たちが脱出させてもらう」

七海「日向くん!」

日向「悪いが……俺には七海を守る義務がある。ここで死ぬわけにはいかないんだ」

 俺は少女の目を見据えて言った。もう彼女がNPCだとか、そんなことは考えもしなかった。俺は、生きるためにこの少女を犠牲にする。

少女「そう。それが正しい選択よ。救えるのならより多くの命を。間違いじゃないわ」

少女「けれど、間違いではない選択の結果として……あなた達二人は、その何十何百倍もの命を犠牲にした」

 そう言った次の瞬間、彼女は波に飲み込まれて――


日向「――はっ」

 目を覚ますと俺は真っ白な部屋にいた。窓も扉もない、四方を白い壁に囲まれた箱の中に。慌てて七海を探すが、彼女は俺の横で寝息を立てていた。

日向「よかった……」

 安堵し、周囲を見渡してみると部屋の隅に人影が立っているのを見つけた。何かを覗きこんでいるその後ろ姿には見覚えがあった。

日向「霧切! よかった、無事だったのか」

霧切「…………」

 彼女は自分の腰ほどの高さの台を前にして立ちすくんでいた。

日向「霧切……? どうかしたのか?」

 それは樹脂で出来た精巧な海のジオラマだった。その真ん中には沈んでいく船の模型が鎮座している。

霧切「私は……私は、間違って、ない」


少女「そう。あなたは正しい。圧倒的なまでに」

 背後から声がした。振り向くと、いつの間にか先ほどの少女がいて、こちらをあの金色の瞳で見つめている。

少女「何かを救うためには何かを犠牲にしなければならない。あなたはその犠牲に自分を含むことさえ惜しまない」

 そう言うと少女は、みるみる内に成長し……霧切と同じ姿になった。

シャドウ霧切「そのあなたならわかっているはず。ここにいるあなたは、居てはいけない存在だと。消えなければならないと」

霧切「私はっ……」

シャドウ霧切「それが出来ないというなら、あなたは霧切響子ですらない……だから、私がこの手で……」

http://www.youtube.com/watch?v=6psnrd6m6qQ

シャドウ霧切「我は影……真なる我……」

シャドウ霧切「我、霧切響子が審判を下す……汝、霧切響子で無き者……死すべし!」

 シャドウは霧切の姿から更に変身し、不出来な阿修羅像のような、手と顔をいくつも生やした不気味な姿になった。その中の一つの顔はベレー帽を、一つは法冠を、一つは処刑人の被るようなマスクを被っている。


日向「霧切、ペルソナは!?」

霧切「…………」

日向「霧切っ!!」

霧切「……駄目ね、使えないみたい。彼女の言うとおり、あっちが本物、ということかしら……」

 霧切は諦めたように悲しげに笑った。いつもの強気な彼女は見る影もない。

日向(くそっ……やっぱりここでも霧切抜きで戦うしかないのか)

日向「七海!」

七海「合点承知の助だよ、日向くん!」

 いつの間に目を覚ましたのか、既に七海は俺の横で待機していた。

日向の行動

>> 1本体に攻撃
  2スキル(真理の雷)
  3防御
  4ペルソナチェンジ(ニーズホッグ)
  5その他(内容も)

2個下

七海への指示

>> 1ハイ・アナライズ(敵の解析)
  2ランダマイザ(コンマの値を±10変えられる)
  3癒しの波動(属性変化スキルの無効化)
  4防御
  5その他(内容も)

4個下

4
ラグナロクって物理?


日向「【真理の雷】!」

 俺が放った雷は、まっすぐにシャドウに向かって飛んで行く。しかし攻撃が当たる瞬間、法冠を被った顔がずいと前に進み出た。

シャドウ霧切「【電撃反射】」

七海「きゃ!」

日向「七海、大丈夫か!?」

七海「うん、なんとか……」

 彼女はイタタ、と顔をしかめた。

日向「ちくしょう……アイツには電撃は効かないのか?」

七海「解析の結果が出たよ、日向くん! ……でも、これって」

日向「どうかしたのか!?」

七海「うん、アイツは一体に見えるけど、実は三体のシャドウが重なってる状態みたい! 一体が電撃を、一体が火炎を、一体が氷結を跳ね返してくる!」

日向「なんだって……ってことは」

シャドウ霧切「【アギダイン】【ジオダイン】【ブフダイン】」

日向「やっぱりかよ!」

 俺は戦えない霧切、戦闘向きのペルソナでない七海の代わりにすべての攻撃をオーディンで受け止めた。

日向「くそ……これはそう何発も耐えられないぞ……」 


>>734ラグナロクは火炎です

日向の行動

>> 1本体に攻撃
  2スキル(グングニル)
  3防御
  4ペルソナチェンジ(ニーズホッグ)
  5その他(内容も)

2個下

七海への指示

>> 1ハイ・アナライズ(敵の解析)
  2ランダマイザ(コンマの値を±10変えられる)
  3癒しの波動(属性変化スキルの無効化)
  4防御
  5その他(内容も)

4個下


日向「これならどうだ!【グングニル】」

シャドウ霧切「【物理無効】」

日向「げ!」

七海「あ、日向くん! あと三体とも物理攻撃は効かないみたい」

日向「そういうことは早く言ってくれ!」

 シャドウはまたしてもさっきの三体同時攻撃を仕掛けようとしている。俺はとっさに七海に霧切を連れて攻撃が当たらない場所に避難するよう指示した。

霧切「……日向くん、もういいわ」

日向「はぁ!? 何がだよ!」

霧切「奴の言うことを聞いたでしょう? 私は……ここにいる私は、霧切響子じゃないの」

 俺はその言葉を聞いて、先ほどの七海との会話を思い出した。

――――

七海『ううん……私は他にも、機関のメンバーや私を創ったプログラマーの友人の精神データも持ってたから……そういう人もいるよ』

七海『でも、ここでは皆自分のことを人間だって思ってるはずだし……日向くんにもそう接してあげてほしい、かな』

――――

日向(つまり霧切は、実際の人間がゲームに送り込まれたんじゃなくて……データから作られた仮の人格ってことなのか? それこそ、さっきのNPCってやつみたいに?)



霧切「私は、バベルの塔に触れてわかったの。この世界のこと、そして私がどういう存在か……」

霧切「外の世界にいる本物の霧切響子は、『新世界プログラム』はともかく、こんなイレギュラーな世界は望んでいなかったはず……ならせめて、私が霧切響子でいるためには、この世界を消すしか、ない」

>> 1確かにそうかもしれない、という
  2ここにいるお前はどう思うんだ、と問う

 2個下


日向「確かに、そうなのかもしれない……俺はその、外にいるっていう霧切響子という人間のことをなにも知らない……だから、お前がそういうならそうなんだろう」

日向「でも、中にいる俺たちは、そんな勝手な理由で消させるわけにはいかないんだ!」

霧切「そう……あなた達は抗い続けるのね……」

シャドウ霧切「だったら、ワタシは……」

霧切「私は」



         『あなた達を消す!!』



 シャドウと霧切は、その姿を重ねていく……霧切の属性が反転した! 霧切は【ロウ】から【カオス】になった!

”ヤマ”は”メルキセデク”に転生した!

霧切「来なさい! この世界ごと、滅ぼしてあげる!」

 霧切は金色の目をぎらぎらと光らせて俺たちに挑んできた。ペルソナも、今までとは全く違う……無機質な仮面を被った男の姿に変化した。

 そのペルソナが、手にした剣をこちらに向けた。

霧切「【天軍の剣】!」

日向「ぐあっ……」

 突然の状況の変化についていけず、まともに食らってしまう。とっさに反撃を試みるものの、

日向(なんだ……体が、動かない?)

七海「日向くん!」

 七海が心配そうな声を挙げる。

日向「七海!」

七海への指示

>> 1ハイ・アナライズ(敵の解析)
  2ランダマイザ(コンマの値を±10変えられる)
  3癒しの波動(属性変化スキルの無効化)
  4防御
  5逃走
  6その他(内容も)

2個下


日向「七海、癒しの波動だ!」

七海「わ、わかった!」

 七海はカグヤを呼び出し、霧切に向けて【癒しの波動】を放った。しかし……

霧切「……無駄よ。私はもう決断を下したの。それはこんな小手先で変えられるほど安いものじゃないわ」

日向(くそっ……もう霧切を止める方法はないのか……?)



日向の行動

>> 1本体に攻撃
  2スキル(プフダイン)
  3防御
  4ペルソナチェンジ(ニーズホッグ)
  5その他(内容も)

2個下

七海への指示

>> 1ハイ・アナライズ(敵の解析)
  2ランダマイザ(コンマの値を±10変えられる)
  3癒しの波動(属性変化スキルの無効化)
  4防御
  5その他(内容も)

4個下


日向「くっ……来い! ニーズホッグ!」

霧切「ペルソナを変えたのね……だったら……【メギドの雷火】」

日向「ぐはっ!!」

霧切「あら、案外粘るわね……」

七海「日向くん! 解析の結果が出たよっ!」

メルキセデク
・天軍の剣(必ずクリティカルになる物理攻撃)
・メギドの雷火(火・雷属性全体攻撃)
・大洪水(氷・雷属性全体攻撃)
・邪念の波動(敵の逃走を防ぐ)

弱点属性 闇

日向(くそ、今の俺の手持ちペルソナじゃ弱点を突く攻撃は出来ない……おまけに逃走出来ないとなると……打つ手なし、か)

霧切「とうとう観念したみたいね。それじゃあ、死になさい。【天軍の剣】!」

日向(七海……ごめんな。俺、結局……)





        才とは、己が手で掴み取るもの
       絆とは、他者と手を取り合うこと

         なぜに人は二つの腕持つ
        己の生を繋ぎ止めるためか 
      それとも時に死さえ抱きとめるためか

          死は決して無為にあらず
    ……しかして答えを知る前に命手放すは敗北なり      

              BAD END


モノクマ「ひっさしぶりだね! ここのところ順調だったみたいだから、もうボクのアドバイスを聞くことはないと思ってたよ!」

モノクマ「せっかく話すチャンスを得たから、ここではちょっと裏話をしておこうかな!」

モノクマ「実はね……ボクの予定では、この四日目までには一人二人くらいコミュMAX(コミュランク5)になる人が出ると思ってたんだ。で、そのキャラと真の絆を得るためのイベントとして各ダンジョンを考えていたわけ」

モノクマ「コミュランクが5になると日向くんは新しいペルソナを手に入れることができるわけだけど……これがないとシャドウやシャドウと融合したキャラクターは倒せないんだよ!」

モノクマ「でも日向くんは一つしかペルソナを持ってない……で、これは困った、ということになって……急遽、シャドウ戦の中に新しいペルソナをゲットするイベントを組み込んだってわけ」

モノクマ「そういうわけだから、この周回では属性反転したキャラを倒したり仲間にすることは出来なくなってます……ごめんね?」

モノクマ「素直に彼・彼女が自分と向き合うお手伝いをしてあげよう!」

モノクマ「それじゃ! はば・ないすた~」


再開位置指定

>> 2個下


霧切「私は、バベルの塔に触れてわかったの。この世界のこと、そして私がどういう存在か……」

霧切「外の世界にいる本物の霧切響子は、『新世界プログラム』はともかく、こんなイレギュラーな世界は望んでいなかったはず……ならせめて、私が霧切響子でいるためには、この世界を消すしか、ない」

>> 1確かにそうかもしれない、という
  2ここにいるお前はどう思うんだ、と問う

 2個下


日向「ふざけるな!」

霧切「っ!」

 俺がそう言うと、霧切はビクリと肩を震わせた。

日向「外にいる霧切のことはわからない! けど、ここにいる霧切はこの世界を、俺達の事をどう思ってるんだ!? 消えちまったほうがいいって、そう思うのか!?」

霧切「……そんなこと、関係ないわ」

日向「関係なくなんてない! お前は霧切響子だろ!? お前がこの世界を消したくないって感じたんだったら、外にいる霧切だってきっとそう思うはずだ!」

日向「それを、あんな奴に言われたからって自分の考えを曲げるなんて……お前の知ってる霧切響子っていうのは、そんな奴か! その程度の奴なのか!?」

霧切「日向くん……」

シャドウ霧切「我、霧切響子が命ずる……絶望の使徒よ、お前も死ね!」

 シャドウはまたしても三体同時攻撃を仕掛けてきた。

シャドウ霧切「【アギダイン】【ジオダイン】【ガルダイン】」

日向(くそっ……ここまでか)


霧切「日向くん、七海さん、こっちよ!」

 諦めかけたそのとき、急に体がガクンと引っ張られた。そして攻撃が目の前で炸裂し……

シャドウ霧切「馬鹿な! 何故生きている!?」

霧切「三つの攻撃のちょうど境目の部分で躱したのよ。そんな程度のこともわからないなんて、やっぱりあなたは私じゃないわね」

日向「霧切!」

七海「霧切さん!」

霧切「ありがとう、日向くん。さっきのあなたの言葉を聞いて、思い出したわ」

日向「……何をだ?」

霧切「私の、大事な人のことを。彼ならきっとこんな状況でも、こう言うでしょうね……『希望は前に進むんだ』って。あの人との思い出が、この胸にある以上……私は霧切響子よ。それ以上でもそれ以下でもないわ」

 彼女がそう力強く宣言すると、彼女の胸元から光が漏れだし……やがて隻腕の優男の姿になった。


 霧切との間に確かな絆を感じる……


               我は汝、汝は我……
            汝、ついに真実の絆を得たり……

          真実の絆、それ即ち絶望を払う希望の光なり。
             今こそ、汝には見ゆるべし。
     【正義】の究極の力、”テュール”の汝が内に目覚めんことを……



テュール
・光の審判(全体物理)
・トリニティ(火炎・氷結・疾風をそれぞれ三体の敵に放つ)
・物理無効
・食いしばり(死亡したとき、一度だけHP1で復活する)

テュール
北欧神話の法と平和を司る神。古代ノルド語で『神』を意味する一般名詞でもあり、2世紀後半に戦乱の時代が訪れ軍神であるオーディン信仰が盛んになるまでは最高神であったとの説もある。フェンリルを拘束する際、彼に危害を加えない担保として腕を口に突き入れ、これを噛み切られる。


日向「これは……新しいペルソナか!」

霧切「日向くん!」

日向「ああ!」


>> 1本体に攻撃
  2スキル(トリニティ)
  3防御
  4ペルソナチェンジ
  5その他(内容も)

2個下


日向「うおおおおおお!! 喰らえ!」

 俺は固く握った拳をシャドウに向けて全力で突き出した。

日向「……いってぇー!」

シャドウ霧切「……何のつもり?」

霧切「日向くん! ふざけてないで真面目にやって!」

日向「いや、この流れならなんとかなると思ったんだけどな……」


>> 1本体に攻撃
  2スキル(トリニティ)
  3防御
  4ペルソナチェンジ
  5その他(内容も)

2個下


七海「右の頭は疾風が弱点! 左は火炎!」

日向「ってことは真ん中が電撃だな! 喰らえ、【トリニティ】!」

 俺が放った火炎、疾風、電撃の三つの攻撃は七海の指示通りに飛んでいき、シャドウの三つの顔にそれぞれ直撃した。

シャドウ霧切「あ、あ……ああああああ!!」

 攻撃を受けたシャドウの左右の二つの顔が溶けていく……そして真ん中の、ベレー帽を被った顔だけが残った。それもどんどん小さくなっていき……やがて先ほどの少女だけが残された。


シャドウ霧切「私は……私は死ななければならない!! 私の正義を貫かなければ!! でないと、あの時、コロシアイ学園生活で死んでいった彼らに、顔向けが……」

 シャドウは幼い子どものように泣きじゃくった。まるで、誰かの赦しを乞うかのようだった。

霧切「そうね……私はたしかにあの時、彼らを犠牲にした。学級裁判という形で、直接手は下していないにせよ、それは変えられない事実よ」

 霧切はそんな彼女の前に仁王立ちし、しゃがみこんだ自分を冷たい目で見下ろした。

霧切「でも、それは決して私の正義なんていうつまらないものを守るためじゃない。皆と、そして私が生き延びたいと、生きていたいと願ったから……自分で死のうとするなんて、それこそ彼らの命に対する冒涜よ」

霧切「自分がデータ上の存在だと知っただけでそんなことも見失うくらいに狼狽するなんて……私もまだまだ真の探偵には遠いわね」

シャドウ霧切「……たんてい?」

 シャドウが不思議そうに首を傾げる。心なしか口調も先ほどまでとは違い、歳相応の子供のようだ。

霧切「ええ、そうよ。あなたの歳の頃からずっと変わらず、私はそれを目指している……それが霧切響子でしょう?」

 霧切がそう言うと、シャドウは嬉しそうに顔を綻ばせた。

シャドウ霧切「そっか。そうだったね?」

シャドウ霧切「我は汝、汝は我……わたしは、いつでもあなたのそばにいる……」

 彼女は空中でくるりと前転すると、翼を生やした天使の姿になった。


 ”ヤマ”は”メルキセデク”に転生した!


・天軍の剣(必ずクリティカルになる物理攻撃)
・救いの光(パーティー全体に、闇属性スキルで即死時に食いしばり効果)
・メギドの雷火(火・雷属性全体攻撃)
・大洪水(氷・雷属性全体攻撃)

メルキセデク
キリスト教、グノーシス派の天使。平和と正義を司り、力天使に位置する。キリストが人間にとっての救世主に過ぎなかったのに比べ、彼は天使にとっての救世主であることから、キリストより偉大であるとする声もある。


霧切「……見苦しい物を見せたわね。ごめんなさい」

 そう言って振り返ったときにはもう、彼女はいつもの霧切響子に戻っていた。一部の隙もない鉄面皮。先ほどまでの狼狽っぷりが嘘のようだ。

日向「気にするなって」

七海「そうだよ! それにさっきのあの子、可愛かったな~。霧切さんって昔はあんな感じだったんだね!」

霧切「……忘れなさい」

 そう言って彼女は顔を赤らめた。……前言撤回、少しは感情表現豊かになったようだ。



 気が付くと四方の壁は消え、俺たちはまた霧の中に立ち尽くしていた。例のジオラマもいつの間にか無くなっている。

日向(さっきの船……次々に命の取捨選択を迫られていく世界……あれが霧切の心の中の世界なんだよな)

 彼女は今まで、一体どのように生きてきたのだろう? あんなものを心のなかに育ててしまう人生というのを、俺は想像することが出来なかった。

日向(今回のことでわかったのは、霧切が機関とやらの人間らしいってことくらいだからな……機会があったら聞いてみるか)

霧切「日向くん? ぼーっとしてないで行くわよ」

日向「わぁ!」

 彼女のことを考えている最中に急に顔を覗きこまれたので、思わず大声を出してしまう。

霧切「……そんなに驚かれると心外だわ」

日向「いや、悪い。ちょっと考え事しててな」



Time 15:00 4th day 反転の木曜日


七海「……なかなか見つからないね」

日向「そうだな……」

 あれからどれくらい時間が経っただろうか。俺たちは歩けども歩けども、次のダンジョンを見つけられずにいた。

日向「いっその事、手分けして探してみるか?」

霧切「それはやめたほうがいいわね。この霧だし、目印になるような建物もない。一度はぐれたら終わりだと思ったほうがいいわ」

日向「わかってるって。冗談だよ」

 そう言ったとき、霧の向こうに人影が見えた気がした。

日向「! おい、今あっちに誰か居なかったか?」

 俺は振り返って二人に聞いてみた。けれど二人は不思議そうな顔で首を傾げるだけだ。

霧切「いいえ。私には見えなかったわ」

七海「うん。私の能力でも、人の気配は感じないけど……」

日向「そうか……」

 俺はまた振り向いて歩き始めようとする。けれど、今度は先程よりはっきりと霧の向こうに人の姿が見えた。

日向「ほら! やっぱりいるじゃないか!」

 俺はそう言ってその人影を追って走りだした。

日向「おーい! 待ってくれ! 俺たちに敵意はないから!」

 けれど、走っても走っても、人影が近づく気配はない。向こうはただゆっくりと歩いているだけのように見えるのに、だ。

 俺がそのことを不審に思った時にはもう遅かった。先ほどまで後ろをついてきていたはずの二人の姿がいつの間にか消えていた。

日向(もしかして、ハメられたのか?)

 今度は人影が向こうから近づいてくる。俺はとっさに臨戦態勢を取る。


???「落ち着いてください。ボクの方にも敵意はありませんから」

 霧の中から現れたのは、いつだったか俺の枕元に立っていた青年だった。たしか、名前は……

日向「お前……カムクライズル、だったか?」

カムクラ「覚えていてくれたんですね」

日向「今の今まで夢かと思ってたけどな」

 俺がそういうとカムクラは自嘲的に笑った。

カムクラ「夢ですよ。この世界は、すべて」

日向「その口ぶり……お前も『新世界プログラム』について知っているのか?」

カムクラ「ええ……七海さんがアナタに隠していたことも含めて、ね」

 カムクラは妙なことを言った。七海が俺に隠していること?

カムクラ「だから、アナタだけを連れてきたんですよ。きっと彼女がいれば止められてしまうでしょうから」

日向「俺を殺すためじゃないのか?」

カムクラ「さあ、どうでしょう。結果的にアナタが死んでしまう可能性はあると思います。七海さんもそれを恐れているんでしょう」

日向(どうするべきか……)


>>  1カムクラについていく
   2七海たちと合流する
   3カムクラに戦いを挑む


 2個下


霧切編終了。今日はここまででー。

しばらくモノクマと触れ合えるチャンスがないので、疑問とかあったら信仰に差し支えない範囲で答えます。特に前回と今回は設定説明が多かったので。

苗木がケロイドぼっちと親しくてて舞園とは中学のみの関係って世界どうなってんだ

>>794 舞園さんは、コロシアイ学園生活以前にちーたんに人格データを提供してて、そこから高校以降の記憶を消して作ったアバターって感じです

いつになったら更新ががが…

>>797 すまぬ……リアルが忙しくて。

見てくれる人がいる限り、いつかは責任持って完結させねば、とは思っとります

今度こそ生存報告

放置してすみません。逃亡するつもりはないんですが、新しい環境で落ち着くまで少しかかりそうです。
落ちないように報告だけ。

                                             / /        ィ7r厶ィ4
                                         __     / /      /rfくヴ⌒¨´
                                     / ̄⌒^ヽ、 / ,′      //八广 ,ィ仏
                                   /,ィ7ハ_」yイ Y〃       ぐy7衫ダ ∠7に
                                     / /ry 'ーケ}  レ′  ___ ノ厶√ _,.厶イ7広ィ
.\            _ - -―一…¬弋Yfrrイ¬  / 厶 `r=y//厶ノ ry¬^y'  /^⌒rfぅくrくん乏え
\ \       ,ィイべ - ―=¬ミ、  ハⅥム 亅  レ7少、`ラ〃イ /|「  〃 /ノ77¬孑r≦孑ケ7厂
\\ \    /'⌒¨           `ヽ厶イ7八厶ヘ ⌒-=彡イ⌒7^{. レ  ″/≦く厶ィく
  \\ \                  ¨マ弋ィYr少xrク77≠トr'〃_ 厂>rぐ⌒⌒^¨ヾト }fゝ
   \\ \    ,r¬≠二ニ≡ュ ._      ゙f丈Yス弌 ∨ ノ亅{{⌒’ / /        }}Y厶
.     \\ \         `¨^-=二三ニ=z斗}   /  厶ィf込ィくムー'7{, l        《rイ「]八 /
.      \\ \          ¬=<r小._    |   人ノ ¨ ̄^′,ノ l |          Ⅵ八Y∠/厶イ
          \\ \            片fく少>ィL_.ィ升/  {    _ノ |        厶ィ7厶ィイ7
           \\ \         ィ幺ィY´,イYkく| 八__ ヽ       |     _ , イィイ7ク〃/
           \\ \   rf了   ノ广fメXく77夊rf!   ハ        l   , イィイノソノ/y7イ
             \\ \ノ乃     /ートyく´    イ ∧  、    _厶イ7 _厶厶孑≠仟ftム
                   \>/くノ   xく尢7厶ィ'     |/ ヽ ! <≦厶ィrぐ¨^´    |1 7 }
               rf乏少ぐ\ zく圷厶イ          _/ l   厂ヽ、 \     l亅// L/
                厶广¨  \xらjfタ          , -…¬ 厶 │  ∧、 }}  ヽ.    八//7 /
                        尨斗{       _/     rノ rfヽl  / }} 《~   》   /〃// /
                           \\     {ト、___/   ソ込-く 〃 ヾ、__〃  /7〈// /
                            \_>、 /`「 ̄{{__,/∥ rリ |L__/厂T′ 〃ハ/厶,′
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\            ヽ厶/ー ′ ` ̄l「  jj/|[  `7厂~′ l   /厶イ/
             |               /⌒ヽ   r‐、 ヾ/⌒ヾr=''      | _ノ∠/
     こ         |                 /   | 「 _厶<__    │  `ヾ≦壬f斥く
             |             i {  ム<_ -‐ァ⌒ー--ムーァ      | /  ヽ.
     の      │            ヽ、_,ィブ   /        \⌒ヽf冖/     │
             |                   / ̄   /           \ 厶〈 rz  │
     辺      │             /    /     ト、__   __メ幺∨ハ   l
             |           ∠ -‐…           \  ̄ ¨⌒ー仏.∨ハ   |
      に.       │                          `ー=マ__人.∨′¦
             |                                   `下ミ小ム  |
     ぬ      │                                 l  \Y  丨
             |                                   ‘ー′|l  |
     こ         |                                      |l  |

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