夏奈「おい私の素敵な旦那様よ」藤岡「……へ?」 (66)

この物語は南家三姉妹の平凡な日常を淡々と描いたものです
過度な期待はしないでください

あとディスプレイからは3mは離れて見やがってください

夏奈「おい、私の素敵な旦那様」

藤岡「お……俺のこと…?」

夏奈「間違えた。私の素敵な旦那様候補」

藤岡「……俺のことでいいんだよね?」

夏奈「お前以外の男がここにいるか?」

藤岡「……トウマとか?」

夏奈「……ほう…藤岡はトウマが私の素敵な旦那様でいいんだな」

藤岡「っ!?」

千秋「急に何を言い出すかと思ったら、このバカ野郎」

夏奈「チアキは黙ってなさい。トウマー、ちょっとおいでー」

冬馬「ん?なんだよ、カナ?」

藤岡「ちょっと待った!!」

俺もしもしだったわ
30cmも離れてねーわ

藤岡「トウマは来なくていいっ!!」

冬馬「…?なんだよ、来いっていったり来るなっていったり…」

夏奈「じゃあ、お前が私の素敵な旦那様か?」

藤岡「っ!……う…」

夏奈「なんだ?違うのか」

藤岡「ちっ!……ちがわ」

夏奈「よく聞こえないな」

藤岡「うぅ……」

藤岡「ちが……」

夏奈「血が?」

藤岡「///」

夏奈「おい藤岡。どうにか言ったらどうなんだい」


冬馬「なぁ、あれ何してんだ?」

千秋「おかしなことの前座だろうよ」

冬馬「おかしなこと?」

千秋「まったく……いつまでウジウジしてるんだか」

冬馬「なぁチアキ。おかしなことってなんだよ」

春香「ただいまー♪」

千秋「あっ!お帰りなさい、ハルカ姐様ー♪」

春香「ただいまー。あら、トウマに藤岡くん」

冬馬「おかえり、ハルカー」

藤岡「お…お邪魔してます」

春香「ご飯食べてくでしょ?すぐ作るから待っててー」

千秋「手伝います」

冬馬「俺も俺もー」

藤岡「俺は…」

夏奈「おいおい。一体どこにいくんだい、素敵な旦那様よ」

藤岡「………ぐっ///」

夏奈「それともお前はただの藤岡か?」

藤岡「……」

夏奈「困ったら黙りときた」

藤岡「いや……あの…」

夏奈「お前は私の彼氏だろう?」

藤岡「う………ん」

夏奈「じゃあ堂々としてなさいよ!」バンッ

藤岡「はっ……はいっ!」

夏奈「うん。それで素敵な旦那様よ」

藤岡「な……なに、南?」

夏奈「その南って呼び方はいつカナになるんだい?」

藤岡「っ!?」

夏奈「どうなんだい?」

藤岡「そ…そんな……俺ごときが南のことを………か、カナだなんて…」

夏奈「俺ごときってなんだ!俺ごときって!」

藤岡「ご、ごめん…」

夏奈「お、お前から告白してきたんだぞ!」

夏奈「それなのに彼女の名前も呼べないなんて何様だー!?」


冬馬「なぁ、あれはいつまで続くんだ?」

千秋「カナの気が済むまでだ」

春香「いつもいつも飽きないわねーカナも」

冬馬「いつもなのか?」

千秋「毎日だ」

冬馬「毎日なのか」

千秋「毎日あんな感じの尋問をやってるよ、あのバカ野郎は」

冬馬「そーなのかー」

春香「チアキ、今日あれが始まったのはー?」

千秋「10分前くらいでしょうか」

春香「じゃあ、あと5分くらいかしらねー」

冬馬「いつも15分なんだな」

千秋「夏奈が飽きる時間だ」


夏奈「もういいよっ!」

藤岡「あ……その…ごめん……」

夏奈「ふんっ!明日は素敵なデートを企画してくれてるんだろうねっ!?」

藤岡「デート!?」

夏奈「デートだよ」

藤岡「南と……俺が?」

夏奈「そうっ!もう決まった!明日はデートだー!」

藤岡「南は……どこに行きたい?」

南「企画はお前だぁー!!」バンッ

冬馬「なに?どっか行くの?なら俺は」

夏奈「トウマは黙ってなさい!」

冬馬「えー?」


千秋「トウマ、集合ー」

冬馬「ん?なんだよ、チアキ」

冬馬「なんだー、チアキ?」

千秋「なんだじゃないよ、このバカ野郎」ポコッ

冬馬「いてーな」

千秋「どこの世界にデートに付いてく奴がいるんだ、バカ野郎」

冬馬「デート?……あっ、そうか。あの二人か」

内田「えー!?」

千秋「……驚かすな、バカ野郎」

内田「いつからっ!?いつからなのっ!!?」

冬馬「それはおれも気になるな。一体いつの間にって感じなんだけど」

千秋「少なくとも先週くらいじゃないか?それくらいから毎日これだし」

内田「きゃー♪藤岡くん、彼氏だってー♪カナちゃん、彼女だよー♪」

冬馬「さっき藤岡から言ったみたいなこと話してたな」

内田「なんて言ったんだろー?」

千秋「そこまでは知らないよ」

内田「でもまさかカナちゃんが一番乗りだなんてー」

冬馬「俺もハルカが一番だとばかり」

内田「まさかだよねっ!あのカナちゃんに!」


夏奈「あのってなんだい。内田、ちょっと来なさい」

内田「あっ、聞こえてた」

夏奈「このカナ様の魅力が分からないとは信じられない内田だよ」

内田「信じられる内田になるように努力します」


藤岡(やっと解放された……)ホッ


夏奈「……というわけで内田。内田も藤岡の尋問に付き合いなさい」

内田「あいあいさー!!」

藤岡「……あれ」

夏奈「ホッとしても無駄だよ、藤岡!」

内田「そうだそうだー!はくじょーしろー!!」

藤岡「………」


冬馬「なんか延長戦入ったぞ」

千秋「ハルカ姐様ー、もう少しご飯遅らせましょう」

春香「はぁーい」

内田「ねぇねぇ、カナちゃん!藤岡くんはなんて告白したの!?」

藤岡「っ!?」

夏奈「知りたいか、内田」

内田「知りたいっ!」

夏奈「じゃあ、藤岡にいってもらおうじゃないか」

藤岡「なっ!!?」

内田「ワクワク♪」

夏奈「さぁ!藤岡!どんとこい!」

藤岡「………」


冬馬「藤岡がどんどん縮こまってるぞ」

千秋「カナに告白したことを後悔してるんじゃないか?」

マキ「なんだって!?」

千秋「………また増えた」

マキ「カナちゃんに彼氏が出来たというのっ!?」

アツコ「よかったねぇー」

マキ「何がよ!カナちゃんよ!?あのカナちゃんなのよ!!?」

冬馬「奇跡はおきるもんだなー」ギュー

アツコ「あ……あの…トウマくん?」

冬馬「んー?」ギュー

アツコ「なんで抱きついてるのかな……?」

冬馬「……さぁ?」ギュー

アツコ「そ……そっか…」

マキ「私もイチャイチャしたい!!」

春香「あれ?マキは保坂先輩に」

マキ「違うのぉー!あれは間違いなのぉー!!」

内田「はくじょーしろー!!」

マキ「そうだそうだー!!」

藤岡「うぅ………///」


冬馬「んー♪」ギュー

アツコ「………」ナデナデ

千秋「なんだか今日は一段と騒がしいな」

春香「暗いよりはいいんじゃない?」

アツコ「ハルカは誰かいい人いないの?」

春香「いませーん」

冬馬「そうなのかー?」

千秋「当たり前だ。春香姐様程になると釣り合う男が少なすぎるからな」

冬馬「あれ?そういえばカナは?」

千秋「それならあそこに」


夏奈「………すぅ……すぅ」zzzz


春香「飽きて寝ちゃったのねー」

アツコ「飽きたの?」

冬馬「カナだからなー」

千秋「まったく……炬燵で寝ると風邪を引くというのに」

内田「ねぇ、なんて言ったのー?」

マキ「カナちゃんのどこに惚れたー!?」

藤岡「そ……その」

春香「お取り込み中のところすみませんが」

マキ「なんだ、ハルカ!邪魔立てするのか!?」

春香「そうじゃなくて。藤岡くん、カナが飽きて寝ちゃったの」

藤岡「あ……ホントだ」

春香「だからカナをベッドまで運んでくれない?」

藤岡「そうですね。風邪引いちゃいますし」

春香「ありがとー」

藤岡「いえいえ…」

藤岡「南ー、ちょっと失礼するよー?」

夏奈「……んんー………」zzzz

藤岡「よいしょっと」


マキ「出ました!!あれが噂の」

内田「お姫様抱っこ!!」

マキ「ひゃー!やりおったでー!!」

内田「写真!写真に撮らなきゃ!!」

マキ「カメラを!カメラをはよぉ!!」

藤岡「や……やめてください!///」

マキ「真っ赤になってる藤岡くんを劇写せよー!!」

内田「隊長!ここは隊長の携帯で撮りましょう!」

マキ「なるほど。その手があったか」

ピロリロリーン


マキ「うっわ!恥ずかしいっ!」

内田「いいなぁー、カナちゃん。私もお姫様抱っこされたーい」

春香「藤岡くん、もうこの二人は無視していいから行っていいよー」

藤岡「は、はい」

ガチャ


冬馬「なーハルカー。飯はー?」

春香「まだ夕方まで少し時間あるしカナが起きてからでいいんじゃない?」

冬馬「じゃあお菓子ー」

千秋「図々しいな、こいつ」

藤岡「……はぁ。助かったぁ」

夏奈「……んー」zzzz

ボスッ

藤岡「よいしょ……毛布はっと……」キョロキョロ

藤岡「あったあった」

夏奈「………すぅ」zzzz

藤岡「……///」

藤岡「……いかん。南の寝顔が見られるなんて…///」

夏奈「…じ…おかぁー………」zzzz

藤岡「……長居してもあれだし戻るかな」

ギュー

夏奈「………んー…むにゃむにゃ…」zzzz

藤岡「……南、袖を………」

夏奈「………すぅ」zzzz

藤岡「……寝顔も可愛いな」

夏奈「なまえー………」zzzz

藤岡「………」

夏奈「……すぅ」zzzz

藤岡「か……カナ…///」

夏奈「………」zzzz

藤岡「一人で何言ってんだ、俺///」

夏奈「……すぅ……すぅ」zzzz

藤岡「………よしっ…!」

藤岡「明日こそは南の名前を呼ぼう………!」

藤岡「……」

藤岡「デート、どこに行こう……?」

冬馬「ところであの二人はおかしなことでもしてるのか?」

マキ内田「「なにっ!!?」」バンッ

千秋「トウマー。お前、ちょっと空気読めー」

冬馬「?……悪かったよ」

内田「隊長!」

マキ「なんだね!内田隊員!」

内田「ちょっとドキドキしてきましたっ!」

マキ「ハルカの家に来たのにこんなに緊張するなんてっ!!」



おわろう

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