黒雪姫「ハルユキ君、ちょっと」(195)

黒雪姫「これを見てくれ」

ハルユキ「はぁ」

ハルユキ(紐のついた5円玉?)

黒雪姫「……」ユーラユーラ

ハルユキ(え、これってまさか)

黒雪姫「あ、あなたはだんだん意識がふかーいところまで落ちていくー。階段を上るようなイメージでー」ユーラユーラ

ハルユキ「……」

黒雪姫「か、かかった……のか?」ドキドキ

ハルユキ(……一応、ノッておいた方がいいのかな)

ハルユキ「はい、ぼくのいしきはふかいところにあります……」

ハルユキ(瞳もそれっぽくハイライト消してっと)フッ

黒雪姫「……」

ハルユキ「……」

ハルユキ(バ、バレたかな?)

黒雪姫「ほ、ほんとに深い所にあるんだな?催眠術は成功したんだな?」

ハルユキ「ふかーいふかーいところにいますー」

黒雪姫「そ、そうか。ならいいよ。……えーっと次は」ペラペラ

ハルユキ(何ですかその『催眠全集』って。コンビニのペーパーバックじゃないですか)

黒雪姫「その人のイメージにあった言葉を催眠コードとして覚えさせましょう、か」

黒雪姫「……よし。じゃあ私が『2等身デブ』といったらいつでもこの状態に戻ってくるんだ。分かったな?」

ハルユキ(ひでぇ)

黒雪姫「ん?……返事がないな」

ハルユキ「わ、わかりましたーデスー」

黒雪姫「うん。……それにしても、まさか本当に催眠にかかってしまうとはな。単純だなハルユキ君は」ニヤニヤ

ハルユキ(どう考えても先輩の方が単純ですって)

黒雪姫「こほん。で、では命令をする。君にとって私の命令は絶対だ。……いいよね?」

ハルユキ(僕に許可取ってどうするんですか)

ハルユキ「ワカリマシター」

黒雪姫「じゃあ……私の事を、だな……お………………お嬢様、って呼んでみてもらえるだろうか?」

ハルユキ「分かりました。……お嬢様」

黒雪姫「!!」ピーン

ハルユキ(触角が立った!)

黒雪姫「……も、もう一回だ!もう一回!」

ハルユキ「お嬢様」

黒雪姫「もう少しキリッと」

ハルユキ「お嬢様っ!」

黒雪姫「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~っ……!」プルプル

ハルユキ(お嬢様……そんな願望があったんですね)

黒雪姫「よ、よーし。今から言う命令はとっても大事だ。聞き逃すなよハルユキ君」

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「君は目を覚ますと私の事が好きで好きでたまらなくなる。今すぐに告白して既成事実まで持って行きたいくらいに」

黒雪姫「……わかったか?」

ハルユキ「目をサマストーお嬢様の事が好きにナルー」

黒雪姫「そ、そうだ。君は私の事が好きになるんだ。私だけに尽くすんだ。他の誰も好きになっちゃだめだからな。私だけを見るんだぞ」

ハルユキ「ハイー」

ハルユキ(って、えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?)

ハルユキ(でもここまで来ちゃったし……もうやるしかないか)

黒雪姫「……では、私がみっつ数えると君は今までの事を忘れて目を覚ます。ただし命令はそのままだ。分かったな?」

ハルユキ「分かりましたお嬢様」

ハルユキ(随分と都合いいなぁ)

黒雪姫「いーち、にーい、さんっ」

ハルユキ(ここで瞳のハイライトを戻す!)パッ

黒雪姫「……お、おはようハルユキ君」

ハルユキ「……」

黒雪姫「ハルユキ君?」

ハルユキ「お嬢様っ!」

黒雪姫「おじょっ……いや、そういう命令だったな、そういえば」ドキドキ

ハルユキ「大好きです!付き合って下さい!お嬢様のために尽くさせてください!」

黒雪姫「ほ、本気か?」

ハルユキ「もちろんですっ!お嬢様の事、世界で一番大切に思っております!」ギュッ

黒雪姫「あ、ありがとう」カァァ

ハルユキ(止め所が見つからない……でも面白いからもう少しこのままにしてみるか)

ハルユキ「では誓いのキスを」

黒雪姫「キッ……キキキキキキキキキキキスゥ!?」

ハルユキ「はい!お嬢様に尽くしたいので!」

黒雪姫「い、いやそういうのはちゃんと順序を踏んでだな!」

ハルユキ「でも僕は尽くしたいです!」ズイ

黒雪姫「だ、だが……」

ハルユキ「お嬢様の事が大好きなんです!既成事実作ってしまいたいほどに!」ズズイ

黒雪姫「う、うぅ」カァァ

ハルユキ「お嬢様!」ズズズイ

黒雪姫「二頭身でぶ!そこで止まれっ!」

ハルユキ「……」

ハルユキ(ヘタレめ)

黒雪姫「いいかハルユキ君!さっき既成事実と言ったが、あれは言葉のあやと言うか、それくらいの気持ちで居てほしいという事であって!」ガミガミ

黒雪姫「何も今すぐにキスだのなんだのとえっちなことがしたいというわけじゃないんだ!いやキスはしたいけどもだな、こう、ムードというものがあるだろう!」

ハルユキ「……分かりました、お嬢様」

黒雪姫「な、ならいい。いーち、にーい、さんっ!」

ハルユキ「……」

黒雪姫「……」ドキドキ

ハルユキ「お嬢様、家までお送りいたしますよ」

黒雪姫「き、君がそうしたいのなら、そうすればいい」

ハルユキ(自分で言っておいて……)

ハルユキ「……手、握ってもいいですか?」

黒雪姫「へっ!?……あ、ああ」

ハルユキ「では、失礼します」

黒雪姫「あ、ぅ……」カァァ

ハルユキ「どうかなされましたか?」

黒雪姫「な、なんでもない……」

~~20分後

ハルユキ(ここが黒雪姫先輩の家の前だけど……)

黒雪姫「……」ギュウー

ハルユキ(なんで手を放してくれないんだろう)

ハルユキ「お嬢様?どうかなされましたか?」

黒雪姫「……ハルユキ君。ここは人通りが少ない」

ハルユキ「そうですね」

黒雪姫「私と君は二人きりだ」

ハルユキ「その通りです、お嬢様」

黒雪姫「いい感じに夕日も燃えている」

ハルユキ「きれいですね」

黒雪姫「これだけの条件が揃っているんだ。その、ほら、分かる、だろう?」モジモジ

ハルユキ(面倒だし適当にすっとぼけとこう)

ハルユキ「何のことでしょうか?」

黒雪姫「~~~~~~~~~~~~~~~~~っ……!二頭身でぶっ!正座しろっ!」

ハルユキ「……」スッ

ハルユキ(えぇー……)

黒雪姫「いいかハルユキ君。君はこれから毎日私を家まで送るんだ」

ハルユキ「ハイー」

ハルユキ(面倒臭い)

黒雪姫「そ、そしてだな……私と別れる時には、お別れのちゅーをするんだ。……いいね?」ドキドキ

ハルユキ「ワカリマシター」

ハルユキ(それくらい普通に言ってくれてもいいのに。自分が美人だってこと計算に入れてないよな、先輩って)

黒雪姫「いーち、にーぃ、さんっ!」

ハルユキ「お嬢様」ギュッ

黒雪姫「ひゃぁ!?」

ハルユキ「お別れのキスを」

黒雪姫「わ、分かった。……んぅ」チュッ

黒雪姫「……じ、じゃあ私はこれで!」ダッ

ハルユキ「はい。良い夢を」

ーー黒雪姫の家

バタン!

黒雪姫「……」バックンバックン

黒雪姫(キス……されたんだな。ハルユキ君に……)

黒雪姫「ふ、ふひひ……えへへ……」ニヤニヤ

黒雪姫「くぅーーーーーーーーーーーーーーーーーっ!」ボフッ

黒雪姫「やった!ついにやった!これでもう浮気の心配もない!」

黒雪姫「ハルユキ君は私の虜だからな、これ以上ないほどに」ニヤニヤ

黒雪姫「どいつもこいつもお前らは!絶対にハルユキ君に振り向いてもらえることはないっ!」キリッ

黒雪姫「ハルユキ君はずっと私だけのものなんだからなっ!」

黒雪姫「お嬢様、お別れのキスを(低い声)」ボソッ

黒雪姫「んー」チュー

黒雪姫「……うふふふ!うふふふふふ!」ジタバタ

黒雪姫「じゃあ、じゃあ明日は……」モンモン

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

ハルユキ「お嬢様……」

黒雪姫「ハルユキ君……」

ハルユキ「これ、受け取って下さい」スッ

黒雪姫「これ、ブラックオニキスじゃないか!どうやって」

ハルユキ「僕の……愛の証です」キリッ

黒雪姫「素敵!」キュン

ハルユキ「お嬢様、目を閉じてください……」

黒雪姫「う、うん……」チュー

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

黒雪姫「……」チュー

黒雪姫「……~~~~~~~~~~~っ」プルプル

黒雪姫「なーーーーーーーーーんてな!なーーーーーーーーーーんてな!」ゴロンゴロン

黒雪姫「こんなシチュエーションももう架空のものではないわけだ!」

黒雪姫「何気なく手に取ってみたが、買ってよかった催眠全集!まさに渡りに船!」

黒雪姫「これだけの一品がワンコインで買えるとはいい時代になったものだ」

黒雪姫「……一応、何か間違ってないか確認しておこうかな。こういうのは大体予期せぬデメリットがあったりして破滅するものだし」ペラペラ

黒雪姫「うん、問題ないみたいだ」パタン

黒雪姫「ハルユキ君っ♪ハルユキ君っ♪ハルユキ君は私のものっ♪」ゴロンゴロン

黒雪姫「……そうだ、今から電話してみようかな。ふふっ」

ーーハルユキの家

ピリリリリリリリリリッ

ハルユキ(うわ、黒雪姫先輩からだ……嫌な予感がするけど)

ピッ

ハルユキ「はい」

『二頭身デブっ♪』

ハルユキ(上機嫌だなぁー……)イラッ

ハルユキ「ウ、ウワー意識がフカイトコロニー」

『ふふふ、効き目は抜群だな……では、”お嬢様、大好きです”と言えっ』

ハルユキ「お嬢様、大好きです」

『次、”僕はお嬢様の奴隷です”』

ハルユキ「僕はお嬢様の奴隷です」

ハルユキ(奴隷ってアンタ)

『”一生お嬢様の事だけを愛し続けます”』

ハルユキ「一生お嬢様の事だけを愛し続けます」

『うふ、うふふふふ……そうか……一生私の事だけを愛し続けるのか……あっ、今言った言葉は全部真実だからな!実行に移すんだぞ!』

ハルユキ「はい」

ハルユキ(僕明日から先輩の奴隷にならなきゃいけないのか)

『……ふひひ』

ハルユキ(うわぁ……きっと今すっごくニヤニヤしてるんだろうなぁ)

『じゃあ気も済んだし……いーち、にーぃ、さんっ!』

ハルユキ「……お嬢様、要件は」

『いや特にない。ハルユキ君の声が聴きたくなったんだ』

ハルユキ「そうですか」

『じゃ、また明日あの場所で。遅刻はするなよ?お嬢様からの命令だからなっ♪』プツッ

ハルユキ(さっき自分で催眠切ったじゃないですか)

ハルユキ「って言うか明日もこんな事やるのか……」ハァー

~~翌日

黒雪姫「~~~~♪」ウキウキ

ハルユキ(うわぁ超ウキウキしてる……まだ待ち合わせ30分前なのに、いつからあのベンチに座ってたんだろあの人)

黒雪姫「ふふ、ふふふ、ふふふふふ……」ピコピコ

ハルユキ(触角がダンシングフラワーみたいになってら)

ハルユキ「……こんにちは、お嬢様」

黒雪姫「あっ……二頭身デブっ!」

ハルユキ(いい加減キーワード代えてもらえないだろうか)

黒雪姫「えー……ここに美味しいプリンがある。これを持ってだな、わ、私に……あーん、ってしてほしい」ドキドキ

ハルユキ(おいおい小学生の初恋か)

黒雪姫「わ、分かったな!?分かったら返事!」

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「いーち、にーい、さんっ」

ハルユキ「……お嬢様。あーん」

黒雪姫「あ、あーん……」カァァ

黒雪姫「」パクッ

黒雪姫「……」モッキュモッキュ

ハルユキ「どうですか」

黒雪姫「美味しいっ」ニコッ

ハルユキ(ウッキウキやな)

黒雪姫「も、もう一回!いや違くて二頭身デブ!プリンが無くなるまであーんってし続けろっ」

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「いちにっさん!」

ハルユキ(そんな焦らなくても)

ハルユキ「あーん」

黒雪姫「あーん♪」

黒雪姫「」パクッ

黒雪姫「~~~~♪」モッキュモッキュ

ハルユキ(幸せな人だ)ハァ

ハルユキ「お嬢様、プリンが」

黒雪姫「む……もう無くなってしまったのか。じゃあ、えーと……二頭身デブっ!」

ハルユキ「……」

ハルユキ(いい加減キレたくなってきた)イライラッ

黒雪姫「ぎゅーってしてくれ。私が良いって言うまでずっと。後ハルユキ君の耳と首筋辺りは感度百倍になるから」

ハルユキ「ぷっwwwwwwwwww」

ハルユキ(感度百倍ってwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww)

黒雪姫「!?」オロオロ

ハルユキ(しまった)

ハルユキ「ぷっ……ぷらくてぃす。ぎゅーってスル練習中デスー」

黒雪姫「そ、そうか。催眠術が切れた訳じゃないんだな」ホッ

ハルユキ(前から思ってたけど先輩って結構天然入ってるよな)

黒雪姫「ではハルユキ君。練習はそれくらいにして、本番を始めるぞっ。いーち、にーぃ、さんっ!」

黒雪姫(ぎゅーってされて、み、耳とか首筋に舌を這わせて、ハルユキ君を虐めてやるんだ。ふひひ……)

ハルユキ「……」ユラリ

黒雪姫「……」ドキドキ

ハルユキ「……」

黒雪姫「?」

ハルユキ「ふんぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ビクンビクン

黒雪姫「きゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

ハルユキ「あぎいいいいいいっ!あぎひへひゃあああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ガバッ

黒雪姫「うわあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!」ジタバタ

ハルユキ「ひぎいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい!」ビックンビックン

黒雪姫「いやああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!?」

ハルユキ「ふんごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!ふんごおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!」ビックンビックン

黒雪姫「お、おちちついてくれはりゅゆき君!何が起こったんだ!?何がっ!?」

ハルユキ「が、がんどっ!びゃくびゃいにいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいっ!」

黒雪姫「えええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええっ!?」

黒雪姫(こ、こんなはずじゃなかったのに)

ハルユキ「じっじぬっ!ぎもぢよくてじぬうううううううううううううううううううううううううううううううううううううううううう!」

黒雪姫「い、いい!もういい!離せ!それと二頭身デブっ!ハルユキ君の感度は元に戻るっ!戻るから死なないでっ!」ジワッ

ハルユキ「……」

黒雪姫「……な、治ったのか」ホッ

ハルユキ(あーしんどい)

黒雪姫「感度百倍ってそんなに凄いのか……」

ハルユキ(常識で考えてくださいよ)

黒雪姫「……5倍くらいなら」ボソッ

ハルユキ(やめてくれよ……)

黒雪姫「まぁいい。ぎゅーってしてもらうのは次の機会だ。そうだな……甘い言葉だ。私の耳元で甘い言葉を囁けっ」

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「し、しかしこれは私の方も心の準備が必要だな……」スーハースーハー

黒雪姫「……よしっ。いーち、にーい、さんっ」

ハルユキ「お嬢様……」

黒雪姫「な、なんだ」ドキドキ

ハルユキ「いつもと服が違いますね。厚手になってる」

黒雪姫「この日のために新しく買ったんだ。自分では似合ってると思うんだが……ど、どうかな」

ハルユキ「気に入りません」

黒雪姫「えっ……」ズキッ

ハルユキ「だってどんな服もアクセサリーも、あなたの身体を隠してしまうものなのだから」

黒雪姫「」カァァァァァ

黒雪姫「だ、ばっ、二頭身デブっ!」ワタワタ

ハルユキ「……」

ハルユキ(流石に臭すぎたか)

黒雪姫「い、今のは効いた……!」ボタボタ

ハルユキ「効いたのかよ」

黒雪姫「!?」バッ

ハルユキ(ヤバイ)

ハルユキ「き、き、きー……北の火夜」

黒雪姫「なんだ、北海道の情熱的な夜の事か。やぶさかではないが、こういうところで言うものじゃないぞ、ハルユキ君」ボタボタ

ハルユキ(鼻血垂れ流してる人に言われたくないなぁ)

黒雪姫「そ、それにしても……結構な衝撃だったよ。ハルユキ君がそんなに詩的な人間だとは思いもしなかった」

黒雪姫「えーと、えーと、次は……何にしようかな……うふふふふ」ピコピコ

ハルユキ(いつまでも思い通りってのも癪だな……そろそろ何か反撃の手段を考えるか)

黒雪姫「それじゃあ、膝枕して、頭を撫でてくれ。私がいいよって言うまでだぞ」

ハルユキ(またそんな)

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「それじゃあ、いーち、にーい、さんっ♪」

ハルユキ「お嬢様、どうぞ」

黒雪姫「それでは、君の身体を借り受けるっ」コテン

ハルユキ「……」ナデナデ

黒雪姫「~♪」

黒雪姫「ああ……幸せだ……」トローン

ハルユキ(本当に幸せな人だ)

黒雪姫「Zzz……」

ハルユキ(寝ちゃったし)

ハルユキ(どれ、一つ悪戯してみるか)

~~数時間後

黒雪姫「ん……寝てしまっていたのか」ゴシゴシ

ハルユキ「……」

黒雪姫「ハルユキ君、撫でる手が止まっているぞ。いくら私が寝ているからと言ってサボるのは感心しないな。私は君のお嬢様だぞ?」フフン

ハルユキ「……」

黒雪姫「……ハルユキ君?」

ハルユキ「……」

黒雪姫「ハルユキ君っ!二頭身デブっ!返事しろっ!」

ハルユキ「……」

黒雪姫「にっ、二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブ二頭身デブっ!」

ハルユキ「……」

黒雪姫「あれ?あれ?」オロオロ

数年後にミューテーションを起こして8等身パーフェクトイケメンに昇華する隠されし2等身デブ

黒雪姫「ハルユキ君っ。どうしたんだ」ユサユサ

ハルユキ「……」

黒雪姫「お願いだから返事してくれっ。君には私の命令に従う催眠がかかってるんじゃないのかっ」ジワッ

ハルユキ「……ココロガ」

黒雪姫「!?」

ハルユキ「深層心理ヲ弄ラレ過ギテ……ココロガ壊レテシマイマシタ。催眠使イ過ギデス」

黒雪姫「そ、そんな……そんな事、催眠全集には一言も」オロオロ

ハルユキ「所詮ペーパーバックデスカラ」

黒雪姫「くっ……心が壊れたら、君はどうなってしまうんだ!」

ハルユキ「自我ガ崩壊シテシマウノデ、廃人ニナリマス」

黒雪姫「だ、ダメだっ!それだけはやめてくれっ!」

ハルユキ「自然ノ摂理デス。ドーニモナリマセン」

黒雪姫「何か心を元に戻す方法はないのかっ!?」

ハルユキ「……思ウガママニサセルコト」

黒雪姫「そ、それって」

ハルユキ「オ嬢様ガ僕ノ命令ニ従ッテ行動スル事デス」

黒雪姫「……そうすれば、ハルユキ君の心は元に戻るんだな?」

ハルユキ「ハイ」

黒雪姫「分かった。私の今までの命令は全て破棄する。好きに命令してくれ、ハルユキ君」

ハルユキ(しめた)

ハルユキ「とりあえず今日やろうと思ってた事を全部言ってみて下さい」

黒雪姫「え、ええ!?」

ハルユキ「アーココロガー」

黒雪姫「わ、分かった!言う、言うから!」

ハルユキ「お願いします」

黒雪姫「え、と……膝枕してもらって、撫で撫でしてもらって、ぎゅーってしてもらって、手を繋いで家に帰って」

ハルユキ「それでそれで?」

黒雪姫「い、家の前で催眠かけて部屋まで来てもらって、一緒の布団に入って」

ハルユキ「入って?」

黒雪姫「ち、ちょっとだけ、少しだけ、……指、しゃぶってもらおうかなって」ゴニョゴニョ

ハルユキ「へーぇ……催眠術のパワーでですか」ニヤニヤ

黒雪姫「うぅ……」カァァァァ

ハルユキ「じゃあその命令の代わりに僕の指舐めてください。今すぐ」

黒雪姫「し、失礼します……ん」ペロペロ

黒雪姫(そうだ……ハルユキ君の指を舐められる機会と考えれば、むしろ僥倖じゃないか。ふふふ、ピンチはチャンスという奴だな)

黒雪姫「っくふ……はぁ……ふふ、反対側の指も、舐めなければな……」ペロリ

ハルユキ(なんか状況を良い様に利用されてる……)

ハルユキ「すみません、もういいです」

黒雪姫「そ、そうか?私としてはもう少し舐めても」ペロペロ

ハルユキ「止めてください」

黒雪姫「……分かった」シュン

ハルユキ「じゃあ……」

黒雪姫(次はどんな命令なんだろうか……)ハァハァ

ハルユキ(この発情っぷり……最終兵器を使うしかないか)

ハルユキ「僕の事を嫌いになって下さい」

黒雪姫「なっ……!?」

ハルユキ「世界で一番嫌いになって下さい。早くしないと心がコワレチャーウ」

黒雪姫「う……ぐ……」

ハルユキ「アーコワレルー」

黒雪姫「ハ、ハルユキ君なんて……」

ハルユキ「ハルユキ君なんて?」

黒雪姫「だ、……大…………う、あ、」ジワッ

ハルユキ「大?」

黒雪姫「き、きらっ……き、……う、うぅぅぅぅ」

黒雪姫「う、うぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ……」ポロポロ

ハルユキ(やり過ぎたか)

ハルユキ「……泣かないで下さいよ」

黒雪姫「だ、だって……ハルユキ君を、嫌いにっ、なるなんてっ……やだっ……」グスッ

ハルユキ「じゃあならなければいいじゃないですか」

黒雪姫「で、でもっ!嫌いにならないとっハルユキ君がっ、私のせいでっ」

ハルユキ(あーそういえばこの人メンタル弱かったなー)

ハルユキ「……冗談ですよ、先輩」

黒雪姫「え゛……?」グスグス

ハルユキ「冗談に決まってるじゃないですか。大体、自我壊れてたら話せませんって」

黒雪姫「じ、じゃあ、私はっ、君の事を嫌いにならなくて、いいのか?」

ハルユキ「嫌わないでおいてほしいのが本心ですね」

黒雪姫「良かった……良かったぁぁぁぁぁぁぁぁぁ……」ギュッ

ハルユキ「……先輩、ホントに気づかなかったんですか?」

黒雪姫「……何がだ?」

ハルユキ「僕、最初から催眠術になんてかかってなかったんですよ」

黒雪姫「…………………………………………………………………………え?」キョトン

黒雪姫「で、でも色々命令に従ったりして」

ハルユキ「僕の自由意思です。面白そうだったんで始めたらやめ所が分からなくなりました」

黒雪姫「感度だって百倍に」

ハルユキ「あの演技でアカデミー主演男優賞は狙えると踏んでます」

黒雪姫「……つまり、最初から最後まで」

ハルユキ「先輩の空回りですね」

黒雪姫「~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ッ!」ボンッ

ハルユキ(本気で気づいてなかったのか……)

黒雪姫「は、離せっ!」ジタバタ

ハルユキ「何するつもりですか?」

黒雪姫「殺してもらう!私のリアル情報全部ばらして見知らぬ誰かに殺してもらう!」ジタバタ

ハルユキ「駄目です」

黒雪姫「なんで!」

ハルユキ「今の先輩が物凄く可愛いからです」

黒雪姫「う、うぅぅぅぅぅ……この、二頭身デブのくせに」

ハルユキ「その二頭身デブに惚れたのはどこのどいつですか」

黒雪姫「お、覚えてろハルユキ君……今は大人しく抱かれてやるが、この恥辱いつか晴らしてやる……」

ハルユキ「はいはい。多分ずっと無理ですけどね」

黒雪姫「くぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ……催眠術なんて、もうこりごりだっ!」

おわり

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、もっ先達のみんなへのメッセジをどぞ

ハル「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

もっ先「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

黒雪姫「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

2等身デブ「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

さっちゃん「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

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