さやか「絆地獄たち」(235)

立ったら書く

・「魔法少女まどか☆マギカ」と「ケツイ~絆地獄たち」のクロス
・ネタがネタなので既出の恐れアリ
・初SS
・キャラ崩壊注意
・謎展開注意
・アリスたちは出ません、そのくせ何故かオリキャラめいたのが出ます

いい?

プロローグ「EVAC Industry」


―――――――EI社日本支部・格納庫―――――――



ほむら「(今回の世界線は少し変わっている)」

ほむら「(EI社の存在、そしてそれによりいまだに世界各地で戦争状態が続いている)」

ほむら「(日本も時々侵攻されるが、その度に撃退してきたらしい。まどか達も…民間人としてとはいえ、何とか無事みたいだった)」

ほむら「(今までと比べて危険な世界であり、人々の心も休まらない)」

ほむら「(だけど……私としては、この世界が有り難かった。対ワルプルギス用の兵器を、ここで調達できるから)」

ほむら「(EI社の警備は一企業としてはあまりにも厳重。だけど私の魔法少女の力をもってすれば、こんなものはザルでしかない)」

ほむら「(最新式の迫撃砲やミサイルの確保は済んだ。後は退散するだけ……)」



???「…………何者だ?」

ほむら「!?(見つかった……!?いや、でも……)」

ほむら「(暗くて顔はよく見えない。この声……男の声…変声器ね。ということはEI社の人間とは考えにくい)」

ほむら「(さしずめEI社と敵対する秘密組織のエージェント、と言ったところかしら)」

???「何者だ、と聞いている」

ほむら「……名乗る必要はないわ。あなたこそ、聞かれたら教えてくれるの?」

???「……教えないだろうな」

ほむら「(敵視されるのも面倒ね……)」

ほむら「といっても、別にEI社の手の者とかではないから安心していいわよ」

???「…………!」

ほむら「私は訳あって兵器を集めている。EI社がどうなろうと知ったことではないわ」

???「…………」



(ビーッ!!ビーッ!!)



EI社警備兵達「何者だっ!」

???「!!」

ほむら「(チッ、囲まれているわね……。仕方ない)」

ほむら「あなた、黙って私の手を握りなさい。急いで」

???「……?」



………時間停止、発動………



???「……!?一体何が起こった!?」

ほむら「手を放さないで。あなたの時間も止まってしまう」

???「時間が止まる……!?お前、一体何者だ!?」

ほむら「(魔法少女の存在は知らない、か)」

ほむら「黙って。それよりもあなたの目的を教えてくれないかしら?」

???「何だと?」

ほむら「この力にも限りがある。利害がもしも一致するようなら、協力をお願いしたいの」

???「…………」

ほむら「…………」

???「……この建物にある、最新式の戦闘ヘリの奪取だ」

ほむら「(最新式の戦闘ヘリ!?という事は、空中戦が可能になる!)」

ほむら「……もし複数機あったら、一機譲ってくれないかしら。案内さえしてくれればそこに行く協力は惜しまないわ」

???「!?」

ほむら「お願いできるかしら?」

???「……分かった。こちらこそ協力しよう」

ほむら「助かるわ。早速案内をお願い」

―――――――E社日本支部・ドック―――――――



ほむら「ここが目的の場所……つまり、あそこに停まっている二機が例の戦闘ヘリね」

ほむら「(この人……かなりの精鋭だわ。やや迷いながらも、かなり効率的にドックに向かっていた)」

ほむら「(私の力の切れ目に、的確な攻撃で警備の数を減らしていた。その結果……あっさり到着)」

???「ああ、こちらで必要とする機体は一機だけだ。もう一機は持っていくといい……ヘリの操縦ができるのならな」

ほむら「大丈夫、慣れてるから(今までヘリを扱った周もあったしね)」

ほむら「ところで、どちらを御所望?」

???「……あそこの橙色の機体『ティーゲルハーケン』だ」

ほむら「じゃあ私の分はあっちの紫色のね」

???「……『パンツァーシュナイダー』だな」

ほむら「(結局、この人には随分助けられてしまった)」

ほむら「(だけど……私の事を嗅ぎまわられたりするのだけは勘弁願いたいわね)」

ほむら「……あなたは誰とも協力していないし、ドックのうち一機は故障していた。ということでお願いできるかしら?」

???「……お前は偶然この機体を見つけて奪った、ということで良ければ」

ほむら「了解。……幸運を」

???「そちらこそ」

ほむら「(パンツァーシュナイダー……この機体のおかげで、今回こそは成功する気がしてきた)」

ほむら「(名前も知らないエージェントさん、聞こえていないかもしれないけれど……ありがとう)」



ほむら「(だけど……何故かしら)」





ほむら「(この人、初めて会った気がしない)」

西暦20XX年
1900年代半ばから続く環境破壊は、地球の温暖化現象を加速させ、
温暖化からくる水位の上昇は、大陸の沿岸にある多くの国を侵食していた。
世界規模の海岸線の変更は新たな領土問題を生み、各国間での戦争が勃発するのにそう時間は掛からなかった。

年々烈化する戦争の裏には、世界中に兵器を輸出し、莫大な利益を得ている「EVAC Industry」社の存在があった。

この状況を打破すべく国連はEI社との交渉に乗り出すが、
国連側の「兵器輸出入の全面禁止」という提案を完全に拒否。その後の度重なる交渉も平行線を辿った。
進展のない状況に国連側は交渉を断念し、秘密裏に武力介入を決定する。
それは表向きは無国籍の武力抵抗組織でありながら、実際は国連主導の特殊戦闘員による奇襲である。

「EI社の全ての兵器および兵器開発施設の破壊」
「国連の軍事介入に関わる一切のものを破棄せよ」

その任務の遂行命令は、作戦に携わる者の命にも適用されるものであった。
例え任務が成功したとしても、生きて帰ることは許されないのだ。

「ただし、志願したものにはその命の報酬として、どんな望みでも一つだけ要求することができる。国連は責任を持って、それを実行しよう」

その過酷な特務に志願した若者がいた。命を賭してでも叶えたい望みを胸に秘め、出撃する。
自分には決して見ることのできないであろう、明るい未来のために…。






――さやか「絆地獄たち」――

第一章「魔女の町」


―――――――見滝原・通学路―――――――



まどか「おっはよー」

仁美「おはようございます」

さやか「まどか、おそーい!」




さやか「相変わらずまどかのママはカッコいいなあ。美人だしバリキャリだし」

まどか「さやかちゃんだってかっこいいよー。何というか、男らしい?」

さやか「うーん可愛いやつめ!あたしが男だってなら、まどかはあたしの嫁になるのだー!」ダキツキッ

まどか「ひゃぁっ!?」

仁美「うふふ、御馳走さまですわ」

さやか「(あたしが男だったら、あいつとは単なる仲の良い友達だったりしてね)」

仁美「そう言えば皆さん、聞かれましたか?イタリアの方でまた戦争があったとか……」

まどか「え、本当なの……?」

さやか「まあ……あそこら辺は地中海がどんどん広がってるから、イタリアなんか結構酷いことになってるからね……」

まどか「さやかちゃん!それ他人事じゃないからね!日本なんか島国だよっ!」

さやか「そりゃあそうだけど……どうにか世界が、協力して生き残るようにならないのかな」

仁美「でも、戦争で儲けている人々の存在も確かですわ。彼らにとっては、この戦争状態が理想ですもの」

まどか「…………」

―――――――見滝原中学校・まどか達の教室―――――――



和子「重要なお話があります、心して聞くようにっ!!」

まどさや仁「(また振られたか……)」

和子「ACでSTGをやるときは綿密なパターン構築を心がけますか?それとも自分の気合避けスキルを信じて頑張りますか!?はい中沢君!」

中沢「そもそも俺音ゲー専門なもんで」

和子「えっ」

和子「うぉっほん。あとそれから、今日はみなさんに転校生を紹介します」

さやか「そっちが後回しかよ!」

和子「じゃ、暁美さん、いらっしゃい」



ほむら「暁美ほむらです、よろしくおねがいします(まどか……っ)」

まどか「(……今、わたしと目が合った?)」



さやか「…………!?」

モブ達「暁美さんは前どの学校だったの?シャンプーとか何使ってるの?」

ほむら「東京のミッション系の学校で云々」



さやか「まどか……あの子と知り合い?思いっきりガン飛ばされてたように見えたよ」

まどか「いや、えっと……夢の中で、会ったような?」

さやか「…………!」

仁美「きっとお二方、前世で恋人同士だったのですわ。さやかさんにライバル登場?」

さやか「……あっはは、だけどポッと出の転校生に奪われるほどあたしとまどかの絆はヤワじゃないからね!」

仁美「でもドロドロの三角関係もこれはこれで……」キュンキュン

まどか「仁美ちゃんが壊れた……」

ほむら「鹿目まどかさん、あなたが保険係よね。保健室に連れて行ってくれないかしら」

さやか「ほ?」

まどか「え?えっと……いいけど。あ、暁美さん?」

ほむら「ほむらでいいわ」



ほむら「鹿目まどか。あなたは自分の人生が尊いと思う?家族や友達を大切にしてる?」

まどか「え、えっと……わたしは大切だよ。家族も友達も」

ほむら「なら、今とは違う自分になろうなんて思わないことね。さもないと、全てを失う事になる」

まどか「?????」

―――――――見滝原・帰り道―――――――


まどか「ということがあって……」

さやか「文武両道で才色兼備かと思いきや実はサイコな電波さん……?」

さやか「…………」

まどか「えっと、どうしたの?なんかいきなり黙りこくっちゃって」

さやか「……くー!どこまでキャラ立てすりゃあ気が済むんだ?あの転校生は!?萌えか?そこが萌えなのかあ!?」

仁美「あら、もうこんな時間…。ごめんなさい、お先に失礼しますわ。お茶のお稽古ですの」

さやか「うわぁ、小市民に生まれて良かったわ」

仁美「んもう、本人の前でそれを言いますか?」クスリ



まどか「私達もいこっか」

さやか「あ、CDショップに寄ってっていい?」

―――――――見滝原・CDショップ―――――――



まどか「(さやかちゃんがCDショップに寄ったのは、幼馴染の男の子…上条恭介君にあげるため)」

まどか「(上条君は期待の新人バイオリン奏者だったけど、事故で足と右腕を壊しちゃって……)」

まどか「(そんな上条君に、さやかちゃんはずっとお見舞いに行ってる)」

まどか「(才能も目標も無いわたしと違って、さやかちゃんには大切な人が……)」



?????「【助けて…まどか!助けて!】」

まどか「(……え?)」



さやか「……あれ?まどかー?どこ行ったの?」

―――――――見滝原・CDショップ奥―――――――



?????「【僕を…助けて…】」

まどか「どこにいるの?あなた誰?」



まどか「あなた…なの?」

?????「助けて……」



ほむら「そいつを放しなさい」スチャッ

まどか「ほむらちゃん……!?じゅ、銃……?(それにその格好…)」

ほむら「放せと言っているの」

まどか「だ…だって、この子怪我してる!ひどいことしないで!」



さやか「……何してるんだ転校生」

ほむら「!!」

ほむら「(美樹さやか……!?…あの目つき、全く物怖じしないし…隙がない)」

ほむら「(これが本当に、あの毎回勝手に絶望する美樹さやかなの!?)」

さやか「この小動物が何なのかなんて知らない。だけど、まどかに銃を向けるな」

ほむら「(ち、違う!私はこいつに……いえ、確かに銃口の先にはまどかがいる。今は下ろした方がいい)」

さやか「……何だ、物分かりがいいじゃないか」

ほむら「(どういうこと?いつもの美樹さやかとは明らかにかけ離れてる。まるで、戦い慣れているような……?いや、それよりも)」



………魔女結界、展開………



まどさや「!?!?」

ほむら「チッ、来たわね」

アンソニー達「クァwセdrfgtyフジコlp;@:」

まどか「(何これ…?冗談だよね、わたし…悪い夢でも見てるんだよね?)」

さやか「(異世界…?化け物…?一体何なんだ、最近わけのわからないものが多すぎる!)」

ほむら「(でもチャンスだわ。このまま説明の機会を得られれば)」

ほむら「あなた達は大人しくしていなさい、ここは私が……」



??「ファイアッ!!」チュドーン

ほむら「(ちっくしょぉぉーーーーっ!!毎回毎回ィィィ!!!)」

??「危なかったわね、でももう大丈夫。キュゥべえを助けてくれてありがとう」

まどか「(この人……ほむらちゃんみたいに変わった格好)」

さやか「あなたは…?」

??「そうそう、自己紹介……」



??「とその前に、ちょっと一仕事片づけちゃっていいかしら」

??「ハッ!」ポポポポーン

さやか「(何だ!?虚空から大量に銃が出てきた!しかもマスケット!この感じ、まるで……)」

??「安らかに眠りなさい……っ!」ドドドドドドドドォーーーーーン

アンソニー達「><」

まどか「す…すごい!あ、周りの景色が戻った」



??「魔女は逃げたわ。今回は貴女に譲ってあげる」

ほむら「私が用があるのは……」

??「飲み込みが悪いのね。見逃してあげるって言ってるの。お互い余計なトラブルとは無縁でいたいと思わない?」

ほむら「……くっ!」

まどか「逃げた……?」

?????「ありがとうマミ、助かったよ」

マミ「お礼はこの子たちに。私は通りかかっただけだから」

キュゥべえ「どうもありがとう……まどか、さやか。僕の名前はキュゥべえ!」

まどか「え……なんで、わたし達の名前を……」

キュゥべえ「僕、君たちにお願いがあって来たんだ。僕と契約して、魔法少女になって欲しいんだ!」



さやか「(契約…?魔法少女…?それにこの人、そして転校生……)」



さやか「……マミさん、でしたね。魔法少女について、詳しく話して頂けませんか?」

まどか「さやかちゃん……」

マミ「ええ、もとよりそのつもりよ。私の家に案内するわ」

―――――――見滝原・マミの家―――――――



マミ「これがソウルジェム。キュゥべえに選ばれた女の子が、契約によって生みだす宝石。魔力の源であり、魔法少女の証なの」

さやか「……その、契約というのは」

キュゥべえ「僕は、君達の願い事を何でも一つ叶えてあげる」

さやか「(…………ッ!!?)」

キュゥべえ「何だって構わない。どんな奇跡だって起こしてあげられるよ」

まどか「それ…本当なの?」

キュゥべえ「本当だとも。でも、それと引き換えに君達はソウルジェムを手にし、魔女と戦う使命を課せられる」

さやか「魔女……さっきの化物のことだよね」

キュゥべえ「あれらは使い魔で、魔女はその親玉。魔女は人々の呪いから生まれた存在なんだ」

マミ「魔女は結界の中に隠れ潜みながら、社会に災いを振りまく。理由の分からない自殺や殺人は、大抵魔女が原因なのよ」

まどか「そんなものがいたんだ……」

さやか「……まさか、今の戦争状態も魔女が絡んでる、とか?」



まどか「!?」

マミ「え!?」

キュゥべえ「……流石にそれは無いんじゃないかな。戦争は人間が理性的に引き起こすものだし」

キュゥべえ「戦争を楽しむような人間はあまりいないから、魔女の介入もしにくい」

キュゥべえ「少なくとも、魔女が起こした戦争は過去一度も存在しないよ」



マミ「……ごほん!」

マミ「あなたたちはキュゥべえに選ばれたから、魔法少女となる資格がある。でもそれは死と隣り合わせなのよ。そこで、提案だけど……」

さやか「?」

マミ「しばらく私の魔女退治に付き合ってみない?魔女との戦いがどういうものか、その目で確かめるためにね」

―――――――見滝原・帰り道―――――――



まどか「魔女と戦う魔法少女か…。何だか昔見たアニメみたい」ティヒヒ

さやか「……それだっ!!」

まどか「へ!?」

さやか「何か思い当たる節があると思ってたらこれだったんだ。よく子供向けアニメでやるようなアレだ」

まどか「もーさやかちゃんったら!……そりゃあ、さやかちゃんはそういうアニメ見なかったこと位は知ってるけど…」

さやか「はは、参った」



さやか「(魔法少女といきなり聞いても、何かイメージが掴みやすいと思っていたら……そりゃあ掴めるはずだわ)」

さやか「(魔女と戦う代わりに、願い事を何でも叶えてもらえる……正直、代償が緩すぎると思っていた)」

さやか「(命がけの戦い……でも、フィクションの魔法少女は無報酬で戦っている。少なくとも、願いを叶えるとかは無かった)」

さやか「(それにあのキュゥべえって奴、そして"契約"……何となく、胡散臭い)」

―――――――次の日…見滝原・通学路―――――――



まどか「おっはよー」

仁美「おはようございます」

さやか「おはよ……ぅゎ」

キュゥべえ「【おはよう、さやか】」

さやか「【まどかの肩の上に居るし…やっぱりあたし達にしか見えないんだ】」

まどか「【そうみたい。それにしてもまさか、テレパシーが使えるようになっちゃうなんてね!】」

キュゥべえ「【魔法少女は誰でも使えるよ。君達の場合は僕が中継しないと使えないけど】」

仁美「お二人とも、さっきからしきりに目配せしていますけど……」

さやか「あ、多分気のせいだよ…」

仁美「まさか……二人とも既に言葉が無くても心が通じる仲ですのね!?昨日のあの後、一体何が……!?」

まどか「おーい、仁美ちゃーん?」

仁美「女の子同士……禁断の恋の形……キマシタワー……」

さやか「(だめだこのワカメ早く何とかしないと)」

まどか「(あ、ほむらちゃんが登校してる……)」

さやか「【あいつも、マミさんと同じ魔法少女なんですよね?】」

マミ「【間違いないわ。かなり強い力を持っているみたい】」

キュゥべえ「【暁美ほむらは戦闘経験もかなりのもののようだね】」

まどか「【それじゃあなぜ…ほむらちゃんはキュゥべえを狙っているんですか?】」

キュゥべえ「【新しい魔法少女の誕生を阻止したいからだと思うな。魔女との戦いは、魔法少女同士の競争になることも多いし】」

マミ「【魔女との戦いでは見返りが存在する。場合によっては、手柄を奪い合うという事もあるのよ】」

さやか「【ということはあいつ、キュゥべえがまどかに声をかけると予測して、その阻止をしようとしたと】」

―――――――見滝原中学校・屋上―――――――



ほむら「奇遇ね」

まどか「ほむらちゃん……昨日の忠告、まさか魔法少女になるなって言う意味?」

ほむら「そうよ…分かっているならいいの。忠告が無駄にならないよう、祈ってるわ」

まどか「あ、ほむらちゃん……あなたはどんな願いで魔法少女になったの?」

ほむら「…………!!」

まどか「あ、行っちゃった……」



さやか「(……やっぱりあいつ、只者じゃない。マミさんとも全然違う)」

―――――――見滝原・帰り道―――――――



仁美「今日はお二人とも内緒ごと?もうお二人の間に入り込む余地なんて無いんですのね~~!」

さやか「頼むから落ち着いて!」



マミ「さてそれじゃ、魔法少女体験コース第一弾、張り切っていってみましょうか」

さやか「お、おー!」

マミ「まずはソウルジェムの反応で魔女の結界を探すの。距離しか分からないけどね」

まどか「意外と地味なんですね」

マミ「でも大きな道路や歓楽街は事故や事件が起こりやすい。魔女の結界はこういったところによくできるわ」





マミ「……ここね。ようやく見つけたわ」

―――――――見滝原・魔女結界―――――――


マミ「今日こそ逃がさないわよ…」

まどか「ぅ、うわぁ~……すごい」

さやか「(二回目とはいえ、慣れないな……使い魔とやらもうじゃうじゃいるし)」

キュゥべえ「見とれるのもいいけど、もうすぐ結界の最深部だ。頑張って」

『Gertrud』

マミ「見て。あれが魔女よ」

まどか「うわぁ、グロい…あんなのと戦うんですか……?」

マミ「大丈夫。未来の後輩たちにカッコ悪い所なんて見せないから」


さやか「(マミさん……ベテランの魔法少女だからか、魔女を狩り慣れている感じで余裕があった)」

さやか「(というより、華麗。無数のマスケットや黄色いリボンを駆使したその戦いは、少女達が夢見た魔法少女像そのものだった)」

さやか「(だからこそ違和感があった。魔法少女としての能力を考えても、戦いに現実味がない)」


マミ「ティロ・フィナーレッ!!」

ゲルトルート「GYAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!!!!!!!!」

まどか「あれ、マミさん、その黒いのは?」

さやか「魔女のソウルジェムみたいなものですか?」

マミ「いいえ、これは『グリーフシード』。魔女が持ち歩いていることのある、魔女の卵よ」

キュゥべえ「魔女の卵と言っても害はないよ。むしろ役に立つ貴重なものだ。ところでマミのソウルジェムを見てくれ、これをどう思う?」

まどか「……気のせいか、昨日よりちょっと濁ってるような」

マミ「そう。魔力を使うとこの宝石は濁る。でもこのグリーフシードを使えば、ほら元通り綺麗になった」

さやか「(……濁りを回復?)」

さやか「マミさん、もしも……そのソウルジェムが完全に濁りきったらどうなるんですか?」

マミ「え!?そ、それは……ごめんなさい、私には分からないの。碌な事にはならないでしょうけど」

キュゥべえ「とにかく濁らせなければいいんだよ。さあ、帰ろう」



さやか「(露骨にはぐらかされた。こいつ、やっぱり怪しい。……いい加減聞いてみるか)」

第二章「機甲の少女」


―――――――電話回線:日本⇔国連軍事部―――――――



オペ子「……あなたはまだ若い。本来なら志願の権利などありません」

???「…………」

オペ子「あなたには確かに、叶えたい望みがある。そして年齢に不釣り合いなほど優秀で、実際に我々に協力してくれている」

???「…………」

オペ子「今現在、二人の志願者がいます。しかし、もし彼らが倒れたら、あなたに頼らざるを得なくなるかもしれない」

???「……でも、まだ……」

オペ子「それでいいんですよ。何度も言いますが、志願しないでいいのです。本来あなたが受けていい任務ではないから」

???「……もし志願する決心がついたとしたら……決して取り消さない」

オペ子「……我々の無力さを、国連も…私も、恨んでいます」

―――――――見滝原病院・病室―――――――



さやか「はい、これ」

恭介「うわぁ…。いつも本当にありがとう。さやかはレアなCDを見つける天才だね」

さやか「あっはは、そんな、運がいいだけだよ。きっと」

恭介「この人の演奏は本当にすごいんだ」



さやか「(こんなに平然としているのに、恭介は腕をやられて相当落ち込んでいる。正直、CDなんかで慰められてるとは思えない)」

さやか「(キュゥべえと契約すれば、魔女と戦うだけで腕を治してもらえるかもしれない。死ななくて済むかもしれない)」

さやか「(……やっぱり信用ならない。何か裏がある気がしてならない)」

さやか「(ごめんね恭介、まだ助けられない)」



さやか「(でも、恭介のバイオリン……また聴きたいな)」

―――――――見滝原中学校・教室―――――――



さやか「【ごめんまどか!今日の魔女退治はあたし休むわ】」

まどか「【え?……いいけど、上条君の?】」

さやか「【ううん、それとは別に…ちょっとね】」

まどか「【…………】」



さやか「【転校生、今日の放課後時間ある?】」

ほむら「【……ほむら、でいいわ】」

さやか「【話があるんだ。放課後、屋上に来て】」

ほむら「(……毎回私を嫌っていたさやかが個人的に話、か。丁度いいわ、私も今回のさやかの態度について気になっていたし)」

ほむら「【ええ、分かったわ】」

―――――――見滝原中学校・屋上―――――――



ほむら「それで、話というのは?」

さやか「単刀直入に言うよ。あのキュゥべえって奴……どうも胡散臭い」

ほむら「……!」

さやか「あんたキュゥべえを狙ってたよね?しかも魔法少女になるべきではないとまどかに忠告した。契約すると全てを失う、とか」

ほむら「胡散臭い、ね。あなたがそう考えた根拠は?」

さやか「いくつかあるよ。フィクションの魔法少女モノって基本的に無報酬で戦う事とか……」

さやか「何より、キュゥべえとマミさんにある質問をしたら、マミさんは知らないというし……キュゥべえは、はぐらかしてきた」

ほむら「(……やっぱり今回のさやかはおかしい。余りにも冷静で、しかも鋭すぎる)」

さやか「あたしが聞きたいのは、ほむらが知っている魔法少女関連の真実を全て。それから……」

さやか「可能ならば、あんたが魔法少女として歩んできた道のり」

ほむら「(……!プライベートにも入って来た!?前者はともかく、これは教えるわけには……)」

ほむら「(待って私。私だって今回のさやかについて聞きたいことがあったんじゃない、ということは…おあいこね)」

ほむら「(それに今回のさやかは心が強い……信頼できる)」

ほむら「…………、魔法少女の真実については、喜んで話させてもらうわ」

さやか「ほう、やっぱりキュゥべえは何か隠してたんだ」

ほむら「でも、私の道のりを聞きたいなら……私の質問に答えてからにしなさい」キッ

さやか「(……!?目つきが変わった!)」

ほむら「人のプライベートを聞くからには……あなたのプライベートも聞く必要がある」

さやか「なっ……!?」

ほむら「その反応……やっぱり人に言えない生涯を送って来たみたいね」

ほむら「私が言うのもなんだけど、あなたはただの女子中学生にしては出来過ぎている。何かあったとしか思えないわ」

さやか「(こいつ………予想以上のやり手だ)」

ほむら「で、どうするの?自分の秘密と引き換えに、私の秘密を聞く?」

さやか「……まずは、魔法少女の真実とやらを聞こうか。あ、そうそう。キュゥべえは来ないんだよね?」

ほむら「恐らく問題ないわ。あいつはまどかに付きっきりだと思うの」

ほむら「さて、これが私のソウルジェムよ。これは魔法少女の魂の結晶であり、壊されると死ぬ」

さやか「へーほむらのは紫色なんだ……って今何て言った!?」

ほむら「この宝石は魔法少女の魂を結晶化したものであり、壊されるとその魔法少女は死ぬのよ」

さやか「何だそれ……まるでゾンビじゃないか……!」

ほむら「ソウルジェムさえ無事なら心臓を貫かれようが魔力で回復できるからいいじゃないか、というのがキュゥべえの弁ね」

さやか「うわぁ…、奴には何と言うか人間の価値観がまるで通用しない気がしてきた」

ほむら「やっぱり鋭いわね、その通りよ。さらに重要なのが……この宝石が濁りきった時のこと」

さやか「それはあたしも気になっていた…けど、グリーフシードのこととさっきのあんたの話を聞いて、あたしは仮説を立てた」

さやか「ずばり、これが濁りきるとグリーフシードとなり、あたし達は魔女となる……で合ってる?」

ほむら「流石ね、やっぱりあなた只者じゃないわ」

さやか「おかしいと思ってたんだよ。魔法少女といえば戦いだけど、それだと願いを叶える為だけに契約する奴がいても不思議じゃないから」

ほむら「随分考えているのね。端からあいつの事を疑っていたとか?」

さやか「まあ、昔から『うまい話には裏がある』って教わって来たからねぇ」

さやか「……それで、あいつがそういう自作自演をしている理由は知ってんの?」

ほむら「(随分落ち着いてるわね、今までののさやかを知ってる側としてはどん引きだわ)」

ほむら「簡単に言うと、私達の魔女化の際に放出される感情エネルギーが目当て。要は私達を家畜扱いしているということね」

さやか「感情エネルギー……あいつらはそんなものを実用化できるんだ」

ほむら「あいつらは有史以前から地球に棲みついて、多くの少女を騙し、感情エネルギーを搾取してきた」

さやか「げぇ……」

ほむら「流石に驚いた?」

さやか「うん、でも何とか落ち着いたよ。で、あんたの経歴の件なんだけど……」

ほむら「……分かってるわね?」

さやか「うん、なんか吹っ切れたよ。それにほむら、魔法少女ってくらいだから…秘密は絶対守るんでしょ?」

ほむら「ええ、誓うわ。口が軽い方ではないと自分でも思ってる」

さやか「じゃああたしのこと、話せる範囲で……だけど、話すことにする」

ほむら「…………」



さやか「実はあたし達……最近、一度会っているんだよね」

ほむら「え?」



さやか「その時、互いに信用できる間柄でもないのに協力して……報酬の山分けとして、一機ずつヘリを手に入れた」



ほむら「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

ほむら「ま、まさか……あの時のっ!?」

さやか「パンツァーシュナイダーの運転、ちゃんと練習してる?」ニカッ

ほむら「(いやいや嘘よ嘘よ美樹さやかがあの時のあいつって嘘だでもあの時の事を知っているということは真実いやあの馬鹿で無鉄砲ですぐ絶望するさやかが)」

さやか「おーい、聞いてんのー?」

ほむら「はっ!き、聞いてるわ!変なことなんて考えてないわ!」

さやか「(何だ今の?でもこの狼狽ぶり、何となく勝った気分)」

ほむら「でも声は男っぽかったし、口調も……!」

さやか「アレは正体バレを避けるために口調を変えてたの。変声器だって最近のはハイテクだしね」

ほむら「(そういえば、何かの機関の特殊部隊とかにしては小柄すぎたような……)」

さやか「詳しくは言えないんだけど、あたしは昔からあの機関で働いてたんだ」

ほむら「昔から?」

さやか「小さい頃に実の親を亡くして、ある人に拾われたんだけど……その人の教育が…ね」

ほむら「ハァ…訴えれば勝てるレベルね」

さやか「でも何だかんだで才能が開花しちゃった……というか、教育が成功してね」

さやか「自分で言うのもなんだけど、そこそこ優秀なパイロットになったんだ」

ほむら「パイロット……あの時ヘリを狙ってたのって、自分で乗るため?」

さやか「そう。あたしらは近々、ある組織に襲撃する予定なんだ」

ほむら「……どこを襲うかについては聞かない方がいいみたいね」

さやか「(まあここまでなら言ってもいいよね。これ以上言うと多分、こいつ諸共……消されそうだ)」



さやか「さて、ここからが重要なんだ」

さやか「襲撃役は志願しないとなれない。つまり拒否権はあるってこと……これはどういう意味か分かる?」

ほむら「……余程厳しい任務と想定されているのね。それこそ死んで当たり前のような」

さやか「近いね。答えは……完全に秘密裏の作戦にするため、襲撃役が生きて帰ることさえ許されない」

ほむら「(え………!?)」

さやか「……その代わりに、報酬としてどんな望みでも一つだけ要求できる。組織は責任をもってそれに応じてくれる」

ほむら「!!!!!!!」

さやか「あたしは今、志願しようか迷ってるんだ。これでも未来ある若い女の子だからね」

ほむら「嘘……それって……」



ほむら「魔法少女システムと……そっくりじゃない…!!」

さやか「そこなんだよ……あたしがキュゥべえに胡散臭さを感じたのは」

ほむら「キュゥべえじゃないわ。『インキュベーター』、それがあいつらの本当の名称」



さやか「……インキュベーターは、願いをかなえる代わりに魔女と戦えと言った。正直腰を抜かしたよ」

さやか「こっちは完全に命と引き換えに願いを叶えるって言われてるのに、あいつの言う事は……戦死でもしない限り命の心配は無いってことじゃん」

ほむら「……魔法少女が初戦で死ぬ確率は半分以上、と聞いたことがあるわ。大して変わらない」

さやか「変わらない?ふざけないでよ。少なくともインキュベーターはそういう事言ってない」

ほむら「あいつは都合の悪い情報は決して自分からは言わないわ。そういう奴」

さやか「そこが問題なんだよ。つまり何も知らないあたし達は、命とかのリスクを負わずに願いを叶えてもらえる、って思い込まされるんだから」

さやか「そもそもあたしみたいなのはともかく、普通の女の子は小さい時、一度くらいは魔法少女もののアニメを見たことがあるはず」

ほむら「ええ……」

さやか「あいつはそれを分かっているからこそ、『魔法少女』なんていう名称を使ったんだと思う。昔から居たんだよね?」

ほむら「私もそう思うわ。アニメの魔法少女なんて、大したピンチにもならずに華やかな快勝の連続だしね」

さやか「幼い頃に誰もが一度は憧れた魔法少女。何も知らない少女が、契約の時にするイメージは……きっとそれと全く同じなんだよ」

さやか「その実態は知らされてない分もあって、あたしの境遇さえ随分マシに思えるくらいの絶望。もちろん誰も気づかない」

さやか「だから優雅に、華麗に戦おうとする……マミさんみたいにね」

ほむら「…………」

さやか「マミさんの戦いは美しかった。それだけならともかく、ソウルジェムが濁るとどうなるかは全く知らない様子だった」

さやか「つまりマミさんも、キュゥべえに騙されたクチなんだよね」

ほむら「キュゥべえって……まあいいわ、インキュベーターじゃ長いし」

ほむら「あなたの言う通りよ。確かに巴マミは何も知らない」

さやか「マミさんだけじゃない。まどかだって、今は多分怪しんでさえいない。他の魔法少女や、魔女たちも……」

ほむら「まどか……」

さやか「……ずっと思っていたんだけど、あんた随分まどかにご執心のようだね。昔会ったことでもあるの?」

ほむら「……いえ、あのまどかは私と会うのは初めてのはず」

さやか「じゃあそろそろ教えてほしいな。あんたの過去。まどかはあたしの親友だから、そんなにまどかを気にするほむらのことが知りたい」

ほむら「……そうね、まどかのためにも…全部話すわ」

ほむら「私は元々心臓病で入院していた。退院してすぐに見滝原中学に通う事になった」

ほむら「あの時は今と何もかもが違っていた。私は貧弱で気弱だったし、あなたは馬鹿で無鉄砲な民間人。EI社も存在していなかった」

さやか「……へ?意味分かんないんだけど。それになんであたしが出てくるの?」

ほむら「黙って聞いて。気弱な私はクラスに馴染めなかったんだけど、まどかが助けてくれた」

さやか「あの弱虫なまどかが……ますます分からないや」

ほむら「まどかは学校で私にとても良くしてくれた。その後、私は帰り道で魔女に襲われ……また、まどかに助けられた」

さやか「……それって、魔女から助けたって意味?」

ほむら「あの時のまどかは既に契約していたわ。そのおかげか、今のまどかより自信にあふれていた印象ね」

さやか「さっきからわけのわからないことを……あんた、平行世界から来たとでも言うつもり?」

ほむら「今はそう思ってくれて構わないわ。とにかく私は、まどか達と友達になった。マミも一緒だったわ」

ほむら「こうして友達ができた私は楽しい日々を過ごしていたんだけど……一か月でそれは終わった」

さやか「……その時に何があったの?」

ほむら「『ワルプルギスの夜』という、超大型の魔女が現れたの。外からはスーパーセルとして観測され、出るだけで何万という人々が犠牲になる」

さやか「……!?」

ほむら「あいつとの戦いでマミは戦死し、まどかは…あいつと差し違えた」

さやか「…………」

ほむら「その時、私はキュゥべえに願ったの。『まどかとの出会いをやり直したい。彼女を守れる私になりたい』と」

ほむら「そして私は、一か月の時を遡り、私が転校してくる前の見滝原に戻ってきた」

さやか「…………!!」

さやか「……なるほどね。ほむらって未来人だったんだ。そりゃあまどかを知ってる筈だわ」

ほむら「こうして過去……転校直前に戻った私は、魔法少女としてまどかと共に戦った」

ほむら「私の能力……時間停止は、時間に関わる願いをしたからよ」

さやか「ふーん、ってあれ?まだ今の時間軸じゃないの?」

ほむら「(時間軸って……凄まじい適応力ね)」

ほむら「その時は、ワルプルギスとの戦いでまどかも私も生き残った。でもまどかは……力を使いはたしてソウルジェムを濁らせた」

さやか「……魔女になったんだね。その時初めて、あんたはソウルジェムの秘密に気付いたと」

ほむら「そう。そして私は再び過去に戻りまどか達に警告したけど、信じてもらえなかった。……あの時は散々だったわ」

ほむら「その時はさやかも魔法少女になっていたわ。性格は馬鹿で無鉄砲のままだったけど」

さやか「さっきから酷くない?あたしに恨みでもあるみたいな」

ほむら「あなたの行動は問題だらけだったからね。その時私達はとある魔法少女と争っていたんだけど、私を敵とグルだと疑った」

ほむら「そればかりか、魔法の素質が無い私は手製の爆弾で戦っていたんだけど、あなたは勝手に爆弾近づいては私に文句を言った」

さやか「うへぇ、そりゃ怒らせたかもね。……というかほむらさ、魔法の素質なかったの?」

さやか「マミさんはあんたがかなりの力を持っているって言ってたけど」

ほむら「あんなの只のかっこつけよ。必殺技を叫ぶ辺り、マミは結構中二病入ってるし」

さやか「……話が脱線してるよ」

ほむら「ごめんなさい。でもあなたが欠けた迷惑はこんなものじゃないわ。あなた……幼馴染の上条恭介に想いを寄せているでしょう」

さやか「!?///」カァ

さやか「……いざ面と向かって言われると、恥ずかしいね。で、それがどうしたんだよ」

ほむら「いい事を教えてあげる。少なくとも過去の時間軸では、志筑仁美も上条恭介を慕っていた」

さやか「仁美が……?」

ほむら「で、簡単に言うと上条恭介は仁美を選び、あなたは失恋のショックで魔女化した」

さやか「さらっと言うけど弱いなそのあたし!?魔力使い果たすほどのショックってwwwwww」

ほむら「あ、言い忘れてたわね。ソウルジェムは魔力を使うだけでなく、絶望を感じることでも濁るのよ」

さやか「それを先に言ってよ……」

ほむら「(完全に他人事のようね)」

さやか「……まあ、今のあたしはこんな身の上だ。この恋は実らないって、割り切ってるよ」

ほむら「……!」

ほむら「……それで、魔女化を目の前で見たマミは無理心中を図った。まどかに止められたけどね……ソウルジェムを撃ち抜かれて」

さやか「マミさんが……」

ほむら「そして私とまどかはワルプルギスとの戦いを迎え……勝利したものの、ソウルジェムは二つとも限界寸前だった」

ほむら「その時まどかは、最後に残った一つのソウルジェムで私を浄化して……『キュゥべえに騙される前の馬鹿なわたしを助けて』と」

さやか「そういうことか……!」

ほむら「それから私は、まどかを契約させないためにあらゆる手を尽くした。契約前にキュゥべえを討ったり、魔女を一人で倒したりね」

さやか「……その様子だと、キュゥべえって簡単には殺しきれない奴だったんだ」

ほむら「察しがいいのね、その通りよ。それで結局、ワルプルギスに勝てずに……まどかが契約し、魔女となった。まどかの魔女は……世界を滅ぼすわ」

さやか「世界を…滅ぼす…?」

ほむら「魔法少女の魔力と、彼女が魔女になった時の力は、背負い込んだ因果の量で決まるの」

ほむら「私がまどかのために何回も世界をやり直したせいで……まどかは膨大な因果を溜めこんでしまい、よりキュゥべえにとって魅力的な存在になった」

ほむら「それに私が繰り返した分だけ、たくさんのまどかが犠牲になった。あなたたちも……」

さやか「…………」

ほむら「でも私は止められない。まどかを救うまで、何度でもやり直し続ける……。これが私の過去よ。満足したかしら?」



さやか「……割と重要な部分が抜けてるんだけど」

ほむら「何かしら?」

さやか「あたしのこと。『馬鹿で無鉄砲な民間人』だったあたしが、何故今回はパイロットになってんの?」

ほむら「……私が繰り返すたびに、少しずつ世界線が変わった。二人組の魔法少女がまどか暗殺を図ったこともあったわ」

さやか「…………、ひょっとして、あたしがこうなったのって……たまたま?」

ほむら「そう、たまたまよ。EI社なんてのがあったのも、あなたが秘密組織のパイロットだったのも、今回が初めて」

さやか「何だそりゃ……(一応秘密組織じゃなくて国連だけどね)」

さやか「(恭介は、あたしを選んでくれない……か。まあ今回は仕方ないよね、住む世界が違うんだし)」

さやか「(……過去のあたしって、一体何を願って魔法少女になったんだろう……)」

さやか「(EI社が無い、平和な世界のあたしは……やっぱり、恭介の手を……?)」

ほむら「さてこれで、お互いの秘密を暴露したことになったのだけれど……あなたに頼みがあるわ」

さやか「何だよ?」

ほむら「近々病院に魔女が現れる。あなたはその結界に取り込まれ、マミはまどかを連れて結界に攻め込むわ」

さやか「…………」

ほむら「そこで、マミは油断して殺される」

さやか「!?」

ほむら「追いかけた私は、結界の入り口でマミのリボンに捕縛されたわ。だから助けることができなかった」

さやか「……今回はそれを防ぐためにあんたを助けろ、って言いたいんだね」

ほむら「魔女の目の前で、過去のあなたはマミの戦いを見ていたわ。あなたにはマミに捕縛を解いてもらうよう、説得してほしい」

さやか「(こいつはまどかまどか言ってるけど、何だかんだで仲間想いじゃないか……)」

さやか「なるほど、なら話は早い。引き受けたよ、その依頼」



ほむら「…………ありがとう」ポロッ

さやか「!?」

ほむら「私……っ、こんな風に…誰かに頼ったの……、信頼できる相手に、出会ったの……本当に…久しぶりでっ」グスッ

さやか「や、やめてよ……確かに一回共闘したけど、買いかぶりすぎじゃ……」

―――――――見滝原・使い魔結界―――――――



マミ「ティロ・フィナーレ!」ズドーン



まどか「あ……グリーフシード、落としませんでしたね」

キュゥべえ「今のは魔女から分裂した使い魔でしかないからね。グリーフシードは持ってないよ」

まどか「魔女じゃなかったんだ……」

マミ「使い魔だって放っておけないのよ。成長すれば、分裂元と同じ魔女になるから。さぁ、行きましょう」

―――――――見滝原・夜の郊外―――――――



まどか「魔法少女って……結構大変なんですね」

マミ「ええ。でもやりがいはあるわよ。この街を護れているのだから」

まどか「凄いですね……憧れちゃいます」

マミ「もう、褒めたって何も出ないのよ///」

まどか「……もしわたしが魔法少女になったとして、マミさんの足を引っ張ったりしないでしょうか」

マミ「…………」

キュゥべえ「……まどかが魔法少女になれば、マミよりずっと強くなれるよ」

まどか「え?」

キュゥべえ「もちろん、どんな願い事で契約するかにもよるけれど」

まどか「マミさん、本当なんですか?」

マミ「ええ。私にもすぐに分かるくらい、あなたは素晴らしい素質を持っている。間違いなく即戦力になれるわね」

キュゥべえ「まどかが産み出すかもしれないソウルジェムの大きさは、僕にも測定しきれない。これだけの資質を持つ子と出会ったのは初めてだ」

キュゥべえ「まどかには遠く及ばないけど、美樹さやかの素質にも目を見張るものがあるね」

まどか「え、本当なの?」

キュゥべえ「本当さ。彼女も平均的な魔法少女からは抜きんでている」

キュゥべえ「何故これほどまでに強力な魔法少女候補が二人もこの街に居るのか、想像もつかないよ」

マミ「さやかさん、色々と穿った見方ができる人みたいね。魔法少女になれば、すぐに闘い方を学習できそう」

マミ「それにあの素質。力と技を両方備えているあの子には、どんな魔女でも勝てないでしょうね」

マミ「……でも、彼女の素質でも遠く及ばない……鹿目さんって本当にすごいわ」

まどか「ふえぇ~~……」

第三章「夕暮の結界」


―――――――電話回線:日本⇔国連軍事部―――――――



オペ子「今日も演習していたのですか?」

さやか「うん。……念には念を入れてね」

オペ子「…………」

さやか「あたしはとっくに出撃の覚悟はできてる。危険な任務なんでしょ?し過ぎる演習は無いから」

オペ子「……どうして、そこまで……!」

さやか「オペ子さん……あたしは、これ以上まどか達が危険にさらされるのは耐えられない」

オペ子「だからっ!あなたは若すぎる!あなたには人生を楽しむ権利があるんですよっ!!」

オペ子「それに、すでに志願者の二名はEI社の各施設に向けて出撃しました。あなたが行かなくても彼らが……!」

さやか「分かってる。でも、たとえ志願しないことになっても、この演習は無駄じゃないよ。これからの任務に生きてくるはず」

オペ子「さやかさん……!」

さやか「それにね、迷ってはいるけど……そもそもあたしには、叶えたい望みがあるから」

オペ子「(……さやかさんは『ティーゲルハーケン』の機体、そして『パンツァーシュナイダー』の設計図。この二つをEI社から持ち帰った)」

オペ子「(正直、あの任務が遂行できるはず無いと思っていた。でもあの子はやり遂げた)」

オペ子「(それだけでもあの子は国連……いや世界平和に非常に貢献してくれた)」

オペ子「(さやかさんはまだ子供。これ以上あの子に重荷を背負わせることはできない)」

オペ子「(分かってるのに……私には、さやかさんを止められないの?)」

―――――――数日後…見滝原・市街地―――――――



ほむら「分かってるの?あなたは無関係な一般人を魔法少女に誘導し、危険に巻き込んでいる」

マミ「彼女達はキュゥべえに選ばれたのよ。もう無関係じゃないわ。それが面白くないわけ?」

ほむら「ええ…大変迷惑よ。特に鹿目まどか、あの子だけは契約させるわけにはいかない」

マミ「ふぅん…。そう、あなたも気づいてたのね。あの子の素質に」

ほむら「(よく言うわ。私の素質の無さを見抜けなかったくせに)」

マミ「自分より強い相手は邪魔者ってわけ?いじめられっ子の発想ね」

ほむら「……あなたに言われたくないわ」

マミ「……どういう意味よ」ムッ

ほむら「とにかく、あなたとの戦いはなるべく避けたいんだけど」

マミ「なら二度と会わないように努力して。話し合いだけで事が済むのは、きっと今夜で最後だろうから」



ほむら「(マミは先輩という立場に酔っている。さやかの強さにも気付けない。でも……実力は一級品。どうしたものかしら)」

―――――――次の日…見滝原・帰り道―――――――



仁美「今日は秘密の逢瀬は無しですのね」

まどか「い、いつまで誤解してるの仁美ちゃん……!」

仁美「あら……もうこんな時間」

さやか「今日もお稽古ごと?」

仁美「ええ………御機嫌よう」

まどか「うん、じゃあね」



さやか「仁美さ、最近疲れてない?」

まどか「そういえば、何だか元気がないね。平気だといいけど……」





さやか「……まどか、今日も病院寄っていっていい?」

まどか「うん」

―――――――見滝原・夕刻の病院前―――――――



さやか「はあ…よう、お待たせ」

まどか「あれ?上条君、会えなかったの?」

さやか「何か今日は都合悪いみたいでさ。わざわざ来てやったのに、失礼しちゃうわよね……って、ん?どうしたの?」

まどか「あそこ…何か…」

キュゥべえ「グリーフシードだ!孵化しかかってる!」

さやか「(病院に孵化直前のグリーフシード……そうか、これがほむらの言ってた!)」

まどか「嘘…何でこんなところに」

キュゥべえ「マズいよ、早く逃げないと!もうすぐ結界が出来上がる!」

さやか「まどか、マミさんの携帯、聞いてる?」

まどか「え?ううん」

さやか「まずったなぁ。まどか、一緒にマミさんを呼んでこよう」

さやか「キュゥべえ……悪いけど、こいつを見張っててもらえる?」

キュゥべえ「!」

まどか「そんな!」

キュゥべえ「心配無いよ。僕はこれでも、魔女にやられたりするほど弱くないから」

さやか「(やっぱり、簡単に殺せる奴じゃないってのは本当だったか)」

キュゥべえ「マミならここまで来れば、テレパシーで僕の位置が分かる」

キュゥべえ「ここでグリーフシードを見張っていれば、最短距離で結界を抜けられるよう、マミを誘導できるよ」

まどか「……ありがとう、キュゥべえ。わたしたち、すぐにマミさんを連れてくるから」

マミ「ここね。【キュゥべえ、状況は?】」

キュゥべえ「【まだ大丈夫。すぐに孵化する様子はないよ】」

キュゥべえ「【むしろ、迂闊に大きな魔力を使って卵を刺激する方がマズい。急がなくていいから、なるべく静かに来てくれるかい?】」

マミ「【わかったわ】」



―――――――見滝原・魔女結界入口―――――――



マミ「それにしてもキュゥべえをこき使い過ぎ……って怒りたいところだけど、今回は冴えた手だったわ。これなら魔女を取り逃がす心配も……?」

まどか「え…あっ」

さやか「……!」

マミ「言ったはずよね。二度と会いたくないって」

ほむら「今回の獲物は私が狩る。あなたは手を引いて」

マミ「そうもいかないわ。キュゥべえを迎えに行かないと」

ほむら「今度の魔女は、これまでの奴らとはわけが違う。二人の安全は保証するから……」

マミ「信用すると思って?」



………マミのリボン発動、ほむら捕縛………



ほむら「……こんなことやってる場合じゃないでしょう!」

マミ「もちろん怪我させるつもりはないけど、あんまり暴れたら保障しかねるわ。おとなしくしていれば帰りにちゃんと解放してあげる」

マミ「行きましょう、鹿目さん、美樹さん」

さやか「(……なるほどね)」



さやか「待ってください」

まどか「さやかちゃん?」

マミ「……美樹さん、どういうつもり?」

さやか「ここに使い魔が来たら、ほむらは抵抗できずになぶり殺しにされると思うんですが」

マミ「心配無いわ、結界を張ってあるから」

さやか「だとしても、頭ごなしにこいつの言う事を疑ってかかるのもどうかと思うんです」

マミ「……戦場では、少しでも信用のならない人と傍に居てはならない。これが私の考え。ごめんなさいね」

さやか「(……マミさん、昔何かあったのかな?)」

さやか「ごめんなさいマミさん、あたしはこいつが心配なのでここに残ります」

マミ「……大丈夫なの?確かに魔女結界の入り口は近いし、私の結界が近いから使い魔にも襲われないでしょうけど」

さやか「それなら安心じゃないですか。とにかくマミさん、早く魔女を」

マミ「え、そ…そうね」

まどか「あ…」

さやか「何と言うか……あんたとマミさん、随分相性悪いみたいだね」チョキチョキ

ほむら「(鋏かよ……)……ええ、今の私はマミとは分かりあえないでしょう」

さやか「だとしても、あんたはマミさんを見捨てていない。だからこんな計画を立てた……違う?」チョキチョキ

ほむら「……否定はしないわ。でも私も意固地になっているかもしれない……」

さやか「だったらマミさんを助け出した後は、正義のさやかちゃんがあんたとマミさんの仲直りを取り持ってあげちゃおうか!」チョキチョキ

ほむら「ふ、何だか昔の馬鹿なさやかに戻ってない?」

さやか「」ピタッ

ほむら「そう、昔のさやかも友達想いで、すぐ突っ走り……最後には悲しい結末を迎えてしまう」

ほむら「今のあなたは冷静で強い。でも、そういう馬鹿なところは変わってないのね」

さやか「…………」チョキチョキ

―――――――見滝原・魔女結界通路―――――――



マミ「私…心が狭いのかしら」

まどか「マミさん?」

マミ「本当はね、暁美さんが鹿目さん達を魔法少女にしたくない理由、分かるの」

まどか「?」

マミ「前にも言ったけど、魔女との戦いは死と隣り合わせ。だから、平和に暮らしているあなた達は、本当は関わってはいけないのかもしれない」

まどか「……マミさんは、平和に暮らせてなかったんですか?」

マミ「私の場合は……丁度死にそうになっていた。考えている余裕さえなかったってだけ」

まどか「マミさん……」

マミ「後悔しているわけじゃないのよ。今の生き方も、あそこで死ぬよりはよほど良かったと思ってる。でもね、あなた達にはちゃんと選択の余地があるわ」

マミ「暁美さんは恐らく、クラスメイトが死と隣り合わせの生き方をするのを望んでいない。でも私は……正直、仲間がほしい」

マミ「それでも、せめてキチンと考えたうえで決めてほしいの。私にできなかったことだからこそ、ね」

まどか「わたしは……自分なりに色々と考えてみました。でもマミさんには、考えが甘いって怒られそうで……」

マミ「どんな夢を叶えるつもり?」

まどか「私、昔から人に自慢できる才能とか何もなくて。これから先ずっと、誰の役にも立てないままなのかなって。それが嫌でしょうがなかったんです」

まどか「でもマミさんと会って、誰かを助けるために戦ってるのを見て…同じことが、私にもできるかもしれないって言ってもらえて」

まどか「何よりも嬉しかったのはそのことで。だから私、魔法少女になれたらそれで願いごとは叶っちゃうんです」

まどか「こんな自分でも、誰かの役に立てるんだって、胸を張って生きていけたら、それが一番の夢だから」

マミ「大変だよ。怪我もするし、恋したり遊んだりしてる暇もなくなっちゃうよ。いいものじゃないわ、魔法少女なんて」

マミ「それに私だって、無理してカッコつけてるだけ。怖くても辛くても、誰にも相談できないし、一人ぼっちで泣いてばかり」



まどか「……マミさんはもう、一人ぼっちなんかじゃないです」

マミ「…そうね。そうなんだよね。……本当に、これから私と一緒に戦ってくれるの?傍にいてくれるの?」

まどか「はい、私なんかでよかったら」

マミ「参ったなぁ。まだまだちゃんと先輩ぶってなきゃいけないのになぁ。やっぱり私ダメな子だ」



キュゥべえ「【マミ!グリーフシードが動き始めた!孵化が始まる。急いで!】」

マミ「オッケー、わかったわ。今日という今日は、速攻で片付けるわよ!そして帰ったら…契約しましょうね、鹿目さん」



マミ「体が軽い。こんな幸せな気持ちで戦うなんて初めて。…もう何も怖くない。私、一人ぼっちじゃないもの!」

マミ「お待たせ」

キュゥべえ「気をつけて!出て来るよ!」

『Charlotte』

マミ「せっかくのとこ悪いけど、一気に決めさせて…もらうわよ!」

まどか「頑張れ、マミさん!」



マミ「はっ!やっ!えいっ!」バン、バン、シュルル

まどか「(やっぱりマミさん、カッコいい……!)」

マミ「ティロ・フィナーレ!!」ズドーン!!



シャルロッテ「…………」グイーン

マミ「……え?」

シャルロッテ「…………♪」アーン

マミ「………!!」

まどか「あ………っ!?」

キュゥべえ「まどか…!願い事を決めるんだ、早くっ!」



(チュドーーーーーン!!!!)



キュゥべえ「!?」

ほむら「ふう、間に合ったみたいね」

まどか「ほむらちゃん!それにさやかちゃん!!」

さやか「(……RPG-7で戦う魔法少女なんて初めて見たよ)」



マミ「ぁ……ぁ……っ」

ほむら「こいつを仕留めるのは私。あなたたちは下がってて」

まどか「ほむらちゃん…?」



さやか「(ほむらの戦いは、マミさんの戦いと全く違っていた)」

さやか「(決して派手さは無く、ただただ効率的に無駄のない攻撃。拳銃や無反動砲を上手に使い分けていた)」

さやか「(その戦いに違和感は感じない。魔法少女の能力らしきものを使っていないこともあり、非常に現実的な戦いだった)」



ほむら「(……本体を攻撃した。これでお終い)」

シャルロッテ「…………!!!!」



まどか「あ、結界が消えた…」

マミ「…………」

さやか「(駄目だ。マミさん、心ここにあらずって感じだ)」

キュゥべえ「………」

―――――――見滝原・マミの家―――――――



マミ「…………」

さやか「…大丈夫だよ。寝てるだけ」

キュゥべえ「ソウルジェムの濁りも大したことないみたいだね」

まどか「よかったぁ…」

ほむら「…………」

さやか「まどか、あたしたちはしばらく離れよう」

まどか「へっ?」

ほむら「ちょ、ちょっと…!」

さやか「この二人がいつまでも仲悪いままじゃ、あんまりよくないと思うんだ。ほむら、意固地になるなよ!」

ほむら「ま、待って二人とも!」

さやか「ほら、キュゥべえも!」ムンズ

キュゥべえ「きゅっぷい」

ほむら「取り残されてしまった……」

マミ「う、う~ん……」



マミ「……ここは…?」

ほむら「目が覚めた?」

マミ「暁美さん!?あの魔女は、魔女はどこ!?鹿目さん達は!?」ガバッ

ほむら「魔女は倒したわ。鹿目まどかも美樹さやかも無事」

マミ「そう…」

ほむら「……」

マミ「……」



ほむマミ「(……気まずい!)」

ほむら「(落ち着くのよ暁美ほむら…確かに私は巴マミを助けた。でも威張ったり説教臭い事を言っちゃだめ、だけど何を言えば……)」

マミ「(待って待って、私は暁美さんに助けられたのよね?彼女の忠告を無視した私は殺されかけた、私の失敗だった。でも今更……)」

ほむら「……」

マミ「……」



ほむら「……そ、その……無事で、安心したわ」

マミ「!?」

ほむら「(やべー!私今かなりキャラじゃねえ言葉言った気がすんべ!てか恥ずい!脳内独り言の口調が変わるくらい恥ずい!)」

マミ「ちょっと……!?いきなり」

ほむら「……とにかくもうまどか達を連れて行かないでほしいわ///今回私がいなきゃあなただけでなくまどか達も巻き添えになってた」

マミ「…………!!そ、そうね……」



マミ「……えっと、さっきはその…忠告も聞かず、いきなり拘束したりして……ごめんなさい」

ほむら「そうね……でも終わった事よ。それにキュゥべえに攻撃したりして、あなたの信用を得ようとしなかった私にも原因はあるわ」

マミ「………」

ほむら「……もう少し、私にもやり方があったかもしれない。謝るわ」

マミ「(暁美さん……ずっと敵視していたけど、こうして向き合うと私なんかよりずっと強いわ……)」

マミ「(いじめられっ子の発想って、もしかしたら暁美さんではなく私の事だったのかも……)」

マミ「……そ、その…暁美さんはこれからどうするの?」

ほむら「今まで通り魔女を狩り続ける。……この街に現れるワルプルギスの夜のために、グリーフシードを蓄えておく必要がある」

マミ「ワルプルギスですって!?この街に……!?どこでその情報を……」

ほむら「……ごめんなさい、今は言えない。でも、もしよければ……私に協力してほしい」

マミ「!!…………それって、ワルプルギスの事?これからの魔女狩りも含むの?」

ほむら「可能なら。……加えて、まどかとさやかを魔法少女にしない事、だけど」

マミ「…………」



マミ「私、仲間が欲しかったの」

ほむら「?」

マミ「私はね、ずっと一人ぼっちで戦ってきた。以前別の魔法少女と組んでた事もあったけど、結局喧嘩別れ」

ほむら「(……話に出さない方がいいわね)」

マミ「鹿目さん達に対しては、立派な先輩でいようとした。あの子たちに一人前の魔法少女として、強く育ってくれるように」

マミ「でも本当は、魔法少女仲間が欲しいだけだった。私……孤独で、寂しかったの」

ほむら「…………」



マミ「あなたが許せなかった。友達のキュゥべえを傷つけたからって事は確かだけど、それ以上に……契約の阻止を狙っていたのが面白くなかった」

マミ「本当は分かってたのよ?魔法少女なんて、気安くなるようなものじゃないって。でも、仲間ができると思って浮かれてた」

マミ「……今日色々あって、あなたに助けられたばかりか、協力を求められた事には本当に驚いたわ。あなたも私を敵視していると思っていたから」

ほむら「…………っ!!(面と向かって言われると、やっぱり来るわ…)」

マミ「でもね。仲間になってくれるって聞いて、本当に嬉しかったのよ?だけど私はまだ、あなたを信用できるかどうか分からない」

マミ「だから、キュゥべえを傷つけることだけはしないで」

ほむら「……確約はできない。もしあいつがまどかを唆して契約を迫ろうとしたら、きっと私は奴を撃つ。これだけは…譲れないわ」

マミ「そんな……どうして!」



ほむら「…………いい加減にしてよっ!あいつに騙されてる事も知らないで!!」キッ

マミ「……え?」



(少女説明中)



マミ「う、嘘よ……、ソウルジェムが、魔女を……?信じるわけ、ないじゃない……!」ワナワナ

マミ「だとしたら、私……正義の為とか言って、同じ魔法少女を…………!!」

ほむら「あいつに聞けばいいわ。奴らは嘘だけは吐かないから」

マミ「……それでも、私にとってあの子はたった一人の友達。どんな事をしていたとしても、易々と攻撃させられない」ヒック

ほむら「(あんな奴に……そこまで…?)」

マミ「あなたの言う事が本当だったらだけど……あの子が新しく契約しようとしたら、縛ってでも止めるわ」

マミ「だから、お願い。約束して……」

ほむら「マミ……」



ほむら「…………卑怯よ。そこまで言われて、断れるわけ、無いじゃない……!」

マミ「暁美さん……」



ほむら「これからよろしくね、マミ」



マミ「……ええ!」

―――――――見滝原・マミの家玄関外―――――――



キュゥべえ「(この二人がこっそり玄関開けて中の会話を聞いていたおかげで、魔女化云々が知られてしまったよ)」

まどか「う、嘘……ソウルジェムが魔女になるって……!!」

キュゥべえ「……訂正するほど間違ってはいないね」

さやか「やっぱり本当だったか。どうも話がうますぎると思ってたんだよ」

まどか「さやかちゃん……?まさか、知ってたの?」

さやか「前にほむらと二人で話した時に聞いたんだ」

キュゥべえ「そもそも君がほむらと二人で話そうと思った事自体が想定外だったよ。てっきり彼女を信用していないと思ったからね」

キュゥべえ「ところが信用されていなかったのは僕の方だったわけだ。参ったね」

さやか「へへーん、天才的さやかちゃんを舐めないでくれたまえ!」

まどか「うーん……ってそうじゃなくて!キュゥべえ、何で言ってくれなかったの!?」

キュゥべえ「聞かれなかったからさ。ソウルジェムを濁らせなければ問題ないし、知らなくても不都合なんて無いしね」

ほむマミ「……」ガチャ

まどか「あっ……」

マミ「キュゥべえ……その……」

キュゥべえ「魔女になることについては、暁美ほむらの言う通りだよ」

マミ「そう、なのね……」ズーン

キュゥべえ「だけど勘違いしないでほしい。僕たちのやっていることは君たち人間にとっても有益な事なんだよ」

ほむら「(またあのセールストークね、正直聞き飽きたわ)」

キュゥべえ「平たく言うと、この宇宙のエネルギーは目減りする一方なんだ」

キュゥべえ「でも君達のソウルジェムがグリーフシードになる際に放出される感情エネルギーを使えば、宇宙の寿命が延びるのさ。だから…」



さやか「………」ガシッ

キュゥべえ「え?」

さやか「んなもん知るかあああああああああああああああ!!!!」ブンッ!

キュゥべえ「きゅぷーーーーーーーーーーーぃ」キラーン

ほむら「……近所迷惑」

―――――――国連・軍事部―――――――



オペ子「…………」

オペ子「う、嘘……ですよね?」

事務員「残念ですが、本当です」

オペ子「そんな……」




事務員「EI社攻撃計画に参加した二名は、任務に失敗。機体は大破、彼らは……戦死です」

オペ子「何故、お二人ほどの方が……!」

事務員「二機がロストした際、我々は本部に送られた情報を照合しました。

事務員「その結果……どちらも、同じ一機の戦闘機に急襲されたということです」

オペ子「たった一機の戦闘機に!?」

事務員「その戦闘機の圧倒的な攻撃力により、二機は壊滅」

事務員「両機体のカメラは、空を埋め尽くす敵の弾幕の向こうに……光の翼を捉えていました」

オペ子「光の翼……?」

オペ子「……聞いたことがあります。無数の兵装と強力なボム機構を搭載した……EI社の切り札ですね」

オペ子「ですが、あれは」

事務員「そう。本来あれは専守防衛のために作られた近接支援機」

事務員「互いに遠く離れた二機を相手取るほどの長距離移動は視野に入れていないはず」

事務員「しかもお二方は、あれとの戦いはシミュレーションで幾度も経験していたという事実もあります」

オペ子「では、何故……!」

事務員「……我々の裏をかいて、奇襲・侵略用に改良を加えた。こうとしか考えられない」

事務員「それに、あの二名が墜とされるほどの攻撃力……我々は、EI社を甘く見ていたことになります」

オペ子「そんな……」



オペ子「……お二人が敗れたという知らせは、あの子には知られないようにお願いします」

事務員「さやかさんの事ですね」

事務員「あの方は優秀すぎる。年の割に、という言葉が要らない位」

オペ子「でも、今は……あの子は中学生として友達と共に過ごしている」

オペ子「もし我々ではなく、民間の方に拾われていれば……こんな事に巻き込まれることも無かったはず」

事務員「…………」

―――――――次の日…見滝原中学校・屋上―――――――



マミ「……今までごめんね。巻き込んでしまって」

まどか「そ、そんな!マミさんは悪くありません!」

マミ「いいえ。仲間欲しさに、あなた達を危険な目にあわせてしまった」

マミ「あの時暁美さんが助けてくれなかったら……美樹さんがあそこに残らなかったら、私も……鹿目さんも、きっと魔女にやられてた」

さやか「…………」

マミ「魔法少女体験ツアーは、もうおしまい。二人とも、もう不用意に契約しないでね」

さやか「……分かり、ました」

まどか「マミさん……ごめんなさい、あの時約束したのに……」

ほむら「もうやめてまどか。……マミはもう一人じゃない。私がいる」

さやか「そうだよ。もうこれ以上、あたし達が関わっていい問題じゃないと思うから」

マミ「……二人とはもう、これっきりになるのね」

まどか「そんなこと無いです!」

マミほむ「!?」

まどか「魔法少女にはなれないけど、遊びに行くくらいの仲にはなりたいです」

さやか「そうですよー。……それにマミさんも、人なんですからね」

マミ「人……」

ほむら「……そう、人よ。こんな体でも、心は人間のままでしょう?」

マミ「……そうね。私、何考えていたんだろうね」ウルウル



マミ「みんな、これからもよろしくね。家に来れば、お茶くらいは出すわ」

まどさや「はい!」

―――――――見滝原病院・病室前―――――――



看護婦1「あら、上条君のお見舞い?ごめんなさいね、診察の予定が繰り上がって…今ちょうどリハビリ室なの」

さやか「あぁ、そうでしたか…。どうも」


看護婦1「助かるわ、難しい患者さんだしね。励ましになってくれてるといいんだけど……」

看護婦2「歩けるようになったとしても、指の方はね…。もう二度と楽器を弾くなんて、無理でしょうね」



さやか「(……もしも私がキュゥべえや国連に頼んで恭介の体が治ったとして、それを恭介はどう思うの?)」

さやか「(ありがとうって言われて、それだけ?それとも、それ以上のことを言って欲しいの?)」

さやか「(あたしって……嫌な奴だ)」



さやか「(それにまどかやマミさん、転校生を見て……今更だけど、怖くなってきちゃった)」

さやか「(ごめんね恭介。あたし、もう耐えられない)」

―――――――電話回線:日本⇔国連軍事部―――――――



さやか「とりあえず、志願はしないことにしたよ」

オペ子「ほ、本当ですか!?」

さやか「まぁ……ね。少なくとも、今の望みは要求しないことにした」

オペ子「そうですか……よかった。本当に、良かった……!」グスン

オペ子「……でも、どうしてまた?」

さやか「…………、色々考え直して。やっぱり恭介の事は、あたしが手を出すべきではないんじゃないかって」

オペ子「さやかさん………」

さやか「それに最近、友達が詐欺に遭いかけたんだ」

オペ子「詐欺……ですか」

さやか「酷い目には遭わずに済んだけどね。アレを見て、やっぱりわが身は大切にしなきゃ、って思ったんだ」

オペ子「……ようやく、分かってくれたんですね」

さやか「うん。心配かけてごめんね」

オペ子「(これで、あの子は生きていける)」

オペ子「(パイロットの仕事はまだあるかもしれないけど……少なくとも、当分の命の心配はなくなった)」

オペ子「(……あの二人の殉死の報も、まださやかさんには届いていない)」

オペ子「(例の戦闘機も対策が進んでいる。次の機会があれば、きっと勝てる)」

オペ子「(後は、誰かが志願してくれさえすれば……)」



オペ子「(でも、何だろう。妙に胸騒ぎがする)」

第四章「闇に赴く」


―――――――見滝原病院・夕刻の病室―――――――



恭介「さやかは、僕を苛めてるのかい?」



さやか「え?」

恭介「何で今でもまだ、僕に音楽なんか聴かせるんだ。嫌がらせのつもりなのか?」

さやか「(…………!?)」

さやか「だ、だって恭介、音楽好きだから…」

恭介「もう聴きたくなんかないんだよ!自分で弾けもしない曲、ただ聴いてるだけなんて!」

さやか「恭……介……」

恭介「僕は…僕は…っ!ああ!!」

さやか「あっ、そんなに振り回したら!」

恭介「うあぁっ!!」ガスッ

さやか「あ………え………」

恭介「動かないんだ…もう、痛みさえ感じない。こんな手なんてっ!」

さやか「大丈夫だよ。きっと何とかなるよ。諦めなければきっと、いつか…」



恭介「諦めろって言われたのさ」

さやか「え…………」

恭介「もう演奏は諦めろってさ。先生から直々に言われたよ。今の医学じゃ無理だって」

恭介「僕の手はもう二度と動かない。奇跡か、魔法でもない限り治らないんだよ」

さやか「そんな………」

恭介「……分かったらもう出ていってくれよ。自分がみじめで仕方がないんだ」

さやか「恭介……」

恭介「早く出てけよっ!!」

さやか「………!!!」

さやか「(あたし……どうすればいいの?)」

さやか「(もう契約も志願もしないって決めたのに……どうして今更、悩んでるの?)」

さやか「(恭介の腕は治らないかもしれない……でも、マミさん達との約束を破ったり、まどか達を置いて死にに行くのは嫌だ)」

さやか「(それに恭介の腕を治してバイオリンが聴けるようになっても、それだけであたしは満足するの?)」



さやか「(……あたし、弱くなっちゃったのかな)」

―――――――見滝原・夜の郊外―――――――



さやか「(どうすればいいんだろう……)」



仁美「…………」ヨロヨロ

さやか「あれ、仁美じゃん。今日は習い事は無いの?」

仁美「あら、さやかさん……御機嫌よう」

さやか「……ねえ、どこに行こうとしてるの?」

仁美「どこって、それは…ここよりもずっといい場所、ですわ」

さやか「ずっといい場所……?」

仁美「ああ、そうだ。さやかさんもぜひご一緒に。ええそうですわ、それが素晴らしいですわ」

さやか「仁……美……?」

―――――――見滝原・工場地帯―――――――


仁美その他「…………」ゾロゾロ

さやか「(何だよこれ……いつの間にか凄い人数じゃん!)」

さやか「(それに誰もかれも焦点が定まってない。催眠術にでもかかってるみたいな……)」

――――魔女は結界の中に隠れ潜みながら、社会に災いを振りまく。理由の分からない自殺や殺人は、大抵魔女が原因なのよ――――

さやか「(……!!まさかこれ、魔女の仕業!?)」

さやか「(えっとアドレス帳……あった。マミさんの番号だ)」プルルルル

さやか「マミさん!!何か工場地帯で催眠術にかかったみたいな人がやたら集まってるんですけど!」

マミ「何ですって!?……その人たち、体のどこかに小さな入れ墨みたいなのは無いかしら?」

さやか「……あります。皆例外なく、首元に小さな印が」

マミ「それは『魔女の口付け』よ!魔女に魅入られて死のうとしている人に現れる印だわ!」

さやか「やっぱり……!!」

マミ「待ってて。いま暁美さんと一緒にそっちに向かうから!」

さやか「お願いしますっ!」

さやか「(みんな工場の中に入っていく。やっぱり、集団自殺?)」

さやか「(それに仁美まで……最近習い事で疲れてるみたいだったし、そこを魔女に付け入られたとか)」

さやか「(どっちにしろ、やばい事には変わりない!)」

さやか「(……あれ?あの車椅子、どこかで見た事あるような……)」



さやか「(嘘………っ!!)」

さやか「(アレ、恭介じゃん………!!!!)」

中年男性「そうだよ、俺は、駄目なんだ。こんな小さな工場一つ、満足に切り盛りできなかった」

さやか「(ここの工場長か何かかな……っと、何か取り出した。これ、洗剤?)」

中年男性「今みたいな時代にさ、俺の居場所なんてあるわけねぇんだよな」

さやか「(混ぜて塩素ガスでも発生させるつもりか……っ!)」

さやか「こらぁぁぁぁーーーーーっ!!止めなさーーーーーい!!!」

恭介「……邪魔をする気なのかい?」

さやか「恭介!?」

仁美「アレは神聖な儀式なのですよ……邪魔は許されませんわ」

さやか「仁美も……分かってるの!?あれ混ぜたら皆死んじゃうんだよ!!」

恭介「そう。僕達はこれからみんなで、素晴らしい世界へ旅に出るんだよ……生きてる体なんて邪魔なだけだ」

仁美「美樹さん、あなたもすぐにわかりますから。これがどんなに素晴らしいことか……」

さやか「(だめだ、正気を失ってる!)」

さやか「(とりあえずあの洗剤を何とかしないとヤバい!)」

さやか「でぇぇぇーーーーーーーーーーーーいいっっ!!!!!」ブーン バシャーン

さやか「はぁ……はぁ……、これでひとまず………」



モブ達「………よくも………っ」

さやか「(ッ!?襲いかかってくる気か!?)」

モブ達「よくも儀式の邪魔を……!」

さやか「(ちっ、やるしかないか!?)」



さやか「(……ぼーっとしてる分、大したことない。これなら余裕で全員昏倒させられる)」

さやか「こんなもんか………あとは、あんた達だけだね」



恭介「……さやかはそんなに、僕が憎いのか」

さやか「……え?」

恭介「バイオリンのできない僕なんか何の価値もないのに、音楽ばかり聞かせて……あてつけのつもりかよ」

恭介「耐えられないから死のうとしても、それさえも邪魔する!」

恭介「さやかは僕を虐めて楽しいのか!?」

さやか「恭介ッ!!」

恭介「もうほっといてくれよ!…おとなしく死なせろよぉっ!!!」

仁美「…………」キッ



さやか「……………………!!!」

さやか「(………あたしだけじゃ、恭介を助けられないの?)」

さやか「(恭介は、右腕が戻らない限り……また魔女にでも魅入られて自殺するかもしれない)」

さやか「(その度にあたしは、恭介を苦しめてでも止めるの?)」

さやか「(……これ以上、恭介を苦しめ続けるの?)」



『H.N.Elly(Kirsten)』



さやか「(しまった、魔女の気配……!このままじゃ……)」

さやか「(……、こうなりゃ、もうヤケクソだぁぁぁぁぁっ!)」





さやか「キュゥべええええぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーッッッ!!!!!!」

さやか「恭介の腕をッ、なおせえええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーーーーーーーーーーッッッッ!!!!!!!」



恭介仁美「!?」





キュゥべえ「……それが君の願いだね。契約は成立だ。君の祈りは、エントロピーを凌駕した」

―――――――次の日…電話回線:日本⇔国連軍事部―――――――



オペ子「嘘……!嘘…嘘と、言ってください!!」

さやか「……ごめんね。本当なんだ」

さやか「あたし、EI社攻撃に志願することにした」

オペ子「どうしてっ!あの時、確かに……!」

さやか「……あたしには、どうしても叶えなきゃならない望みができたんだ」

オペ子「それは……っ!………上条恭介さんの、腕のことですか?」

さやか「ううん……違う。それよりもっと、大事な事」

オペ子「でも……だからって!!」

オペ子「……それに、もう先に志願されたお二人が出発しています!彼らに任せておけば……!」

さやか「じゃあ、どうしてあの人たちが出てから何日か経つのに、EI社壊滅のニュースが流れないの?」

オペ子「それは……」



さやか「オペ子さん。あたしこれから荒唐無稽な話をするけど、信じてくれる?」

―――――――前の日…見滝原・工場地帯(さやかが魔女を倒した直後)―――――――



ほむら「何で……何で契約したのよぉっ!さやかぁぁっ!!」

マミ「美樹さん……冗談じゃ、ないのよね」

さやか「えっと、その、色々ありまして」

ほむら「……ちょっと待って。志筑仁美はともかく、どうしてここに上条恭介が?」

仁美「………暁美、さん……?」

恭介「………」

さやか「……恭介は、ここで死のうとしてたんだ。魔女に魅入られてね」

マミ「!!!」

さやか「だからあたしは契約して、魔女と戦ったんだ。恭介の腕を治してね」

ほむら「そんな……」

ほむら「……私達がもっと早く来ていれば……っ!!」

さやか「違うよ。たとえほむら達が間に合ったとしても、恭介は多分……いずれ死のうとしてたと思う」

マミ「美樹……さん……」



恭介「……僕の腕が治って、さやかは化け物と戦って……一体何が、どうなってるんだ?」

仁美「美樹さん、暁美さん……どうか、説明していただけまし」



ほむら「……そうね。話しましょう」

さやか「ちょ、ちょっと!」

ほむら「記憶を消すことは難しいわ。それに、あなたのためにも…二人にも知ってもらう必要がある」

(少女説明中)

仁美「そんな……」

恭介「何だよそれ……僕のために、さやかは……!?」

ほむら「ええそうよ。さやかはあなたのために自らを犠牲にした」

さやか「……おいほむら。もう少し言い方ってものが」

ほむら「何よ……!元々こいつが弱いから、さやかは……っ!!」

恭介「……!」

さやか「やめてよ……恭介を悪く言わないでよ……!」

マミ「暁美さん、その位にしてあげて」

ほむら「……ええ、ごめんなさい。私どうかしていたかも」



さやか「…………あたし、そろそろ帰るよ。これからの事、ゆっくり考えたい」

マミ「……分かったわ。気をつけてね」

ほむら「(………?)」

―――――――見滝原・さやかの家―――――――



さやか「(ゆっくり考える……か)」

さやか「(本当はキュゥべえと契約した時点で、答えなんて出ていたようなものじゃん)」

さやか「(今のあたしは、それを確認するだけ。考えるまでもない)」



さやか「(まどか、ほむら、恭介、仁美、みんな……それにオペ子さんも、ごめんね)」

―――――――次の日…見滝原・通学路―――――――



まどか「本当なの……?」

さやか「うん。あたし、契約したんだ。恭介と仁美も、そこに居合わせてた」

仁美「私……今でも信じられませんわ。魔法少女……そんなものが実在していたなんて」

まどか「さやかちゃん、色々覚悟して契約したんだよね……強いね」

さやか「あたしも切羽詰まってたからね。後悔はしていないよ。反省もできない」

まどか「……あ、わたし日直だから先行ってるね」

さやか「おーう」



さやか「……仁美さ、恭介が好きなんだよね」ボソ

仁美「!?な……何故それを」

さやか「……恭介を、幸せにしてやってね。それじゃあたしもお先に!」

仁美「あ……え……?」

―――――――見滝原中学校・屋上―――――――



ほむら「……話って、何かしら?」



さやか「あたし……例の任務に、志願することにした」



ほむら「なっ!?馬鹿!あなたそれどういう事か分かって……」

さやか「……部外者のあんたが『どういう事か分かってんの』とは笑わせるね」フゥ

ほむら「取り消しなさい!あなた、まどかを置いて……!」

さやか「そこで一番悩んだんだよ……。まどかを残して死ぬのは、ちょっときついからね」

さやか「でも、魔法少女になった以上……待っているのは絶望だけなんだよね?」

ほむら「っ………!」

ほむら「…せめて、ワルプルギスの夜との戦いで協力して。あなたの力が必要なの……!」

さやか「………ごめんね。あたしの任務は、一刻も早く行わなければならない」

ほむら「そんな………っ」

さやか「それにあたし、魔法少女としてはひよっ子。魔法の力に慣れてないんだ」

さやか「ワルプルギスって台風に間違われるレベルなんでしょ?そんなに強い魔女に挑んでも……足手まといになるだけだと思う」

ほむら「………」



さやか「あたし、あんた達を見て考えてきたんだ。魔法少女システムって何なんだろうってね」

ほむら「……?」

さやか「最初にEI社であんたを見た時、驚いたよ。ただの女の子が変わった格好をして、時間停止まで使ってて」

さやか「それで、元々は気弱でどんくさい性格だったんでしょ?」

ほむら「…………」

さやか「暁美ほむらを変えたのは、他でもない……魔法少女システムの罠じゃん」

さやか「マミさんもだよ。事故を生き延びたとはいえ、本当はマミさんはあそこで死んじゃってるはずだった」

さやか「そりゃあ生きている方がいいけど、生き残ったマミさんを待っていたのは、戦いの日々。しかもあの時、本気で殺されそうになってた」

さやか「おまけにほむらから魔法少女の真相を聞いた時、マミさんの表情……見たでしょ?」

ほむら「ええ……、あの時彼女は平静を装おうとはしてたけど……正直目も当てられなかった」

さやか「それに、まどかだって」

ほむら「え?」

さやか「まどかは凄い素質を持っているってキュゥべえに聞いたみたいなんだ。最強の魔法少女になれるってね」

さやか「あの子は優しいから、魔法少女になれない自分に責任を感じてる。しかも凄い素質を持て余してるときた」

ほむら「………」

さやか「おまけにワルプルギス。他にも魔女は存在するけど、あれのせいで多くの人が死ぬ」

さやか「まどかや恭介、仁美……クラスのみんなも巻き込まれるかもしれない。しかも、今からそう遠くないうちに来るんだって?」

ほむら「………そうね。そして、何度戦っても勝てなかった」



さやか「…どれもこれも、みんなみんな、キュゥべえが原因なんでしょ?」

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ
まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」
さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」
マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」
京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」
ほむら「・・・ありがと」ファサ
では、
まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」
本当の本当に終わり

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