小鳥「私にもデュエル、始められるかな?」(80)

・『遊戯王ZEXALⅡ』のSSです。

・時間軸は璃緒が初デュエルした本編の79話から数日後辺りと考えています。

・遊馬×小鳥のカップリング要素が少しだけあります。苦手な人は注意して下さい。

・後半にちょっとしたデュエルがあります。

放課後……

小鳥「ちょっと、遊馬。何1人で勝手に帰ろうとしてるのよ?」

遊馬「まだ帰らねえよ。これから鉄男達と広場に行ってデュエルする事になってんだ」

小鳥「え? でも今日の放課後は私の買い物に付き合ってくれる約束でしょ?」

遊馬「あれ、そうだっけ? でも俺、今日は朝から滅茶苦茶デュエルしたい気分でさ……」

鉄男「おい、遊馬! 何してんだよ?」

真月「遊馬君、早く来ないとよかれと思って置いて行きますよ~(内なるベクター:『さっさとしろよ、この海老頭』)」

遊馬「ああ、今行く! つー訳で悪いな、小鳥。買い物はまた今度な~」ノシ

小鳥「ちょ、待っててば……もう!」

…………

小鳥「何よ、遊馬ったら! デュエル、デュエルって……私との買い物なんてどうでも良いって訳!?」プンスカブックス

小鳥(そりゃ遊馬にとってデュエルが特別なのは知っているけど、たまには私の事だって……)

小鳥「もう、遊馬もデュエルも大っ嫌いなんだから!!」

「――人通りが少ないとはいえ、こんな道端で大声を上げるのはレディとしてどうかと思いますわよ?」

小鳥「きゃあ!? り、璃緒さん?」ビクッ

璃緒「ごきげんよう、小鳥さん。何だかご機嫌斜めみたいですわね」

璃緒「成る程、つまり遊馬は自分のデュエルを優先して小鳥さんとの約束を反故したという訳ですわね」

小鳥「そうなんですよ。買い物の約束は前からしていたのに信じられませんよね?」

璃緒「まあ、彼は付き合いの短い私の目から見ても分かるくらいの生粋のデュエル馬鹿みたいですからね。
いい加減なところもありそうですし、ありえない話ではないだろうなと思うのが正直な感想ですわ」

小鳥「それはそうなんですけど……」

璃緒「ふふっ、どうやら小鳥さんは嫉妬しているみたいですわね」

小鳥「嫉妬?」

璃緒「そうですわ。小鳥さんは遊馬との大事なデートをキャンセルさせたデュエルに嫉妬しているんです」

小鳥「デ、デートって! いえ、行こうとしていたのはただの買い物であって、決してそんなんじゃ!?///」アタフタキオン

璃緒(判りやすい反応ですわね)ニヤニヤ

璃緒「小鳥さん、私はデュエルには人を惹き付ける魔力の様なものがあると考えていますわ。
デュエリストなら尚更、それに引きずり込まれてしまうものです」

璃緒「私もデュエリストだから、デュエルを優先してしまった遊馬の気持ちも実のところ分からなくもありませんの。
勿論、それが小鳥さんとの約束を反故する理由にはなりませんけどね」

小鳥「デュエルってそんなに凄いものなんですか?」

璃緒「ええ、特にデュエル馬鹿である遊馬を小鳥さんに振り向かせるには、並大抵の事では難しいでしょうね」

小鳥「いえ、振り向かせるとかそういうのは別に……」

璃緒「そうですわ。小鳥さんもデュエルを始めると良いんですわよ」

小鳥「へ? 私がデュエル、ですか?」

璃緒「小鳥さんにとってデュエルは遊馬をめぐる恋のライバルと言っても過言ではありませんわ。
なら勝つ為にも、そのライバルの事を良く知っておいた方が良いと思いますの」

小鳥「こ、恋のライバルって!?///」

璃緒「それにシンプルな話、共通の話題があれば男女の仲というのは自然と近付くものですわ。
小鳥さん、遊馬と楽しくデュエルとかしたくありません?」

小鳥(私が遊馬と楽しくデュエル……)

…………

パパーパパー♪ パーパパパ、パパーー♪

小鳥『受けてみなさい、遊馬! これが私のダイレクト・アタックよ!!』コトリファイヤー!

遊馬『うわーぶっとビングだぜ、俺ー!!』ゴロゴロットン

小鳥『あ、ちょっとやり過ぎちゃったかも……大丈夫、遊馬?』

遊馬『これくらい平気だぜ! それにしてやっぱり小鳥とのデュエルは最高だな!!』

小鳥『うん! 私もだよ、遊馬♪』

…………

小鳥「ちょっと……したいかな」

璃緒「ですわよね! なら小鳥さん、貴女も今日からデュエリストになりなさい!」

小鳥「でも私、カードとか全然持ってませんよ? デュエルのルールも詳しくは知らないし……」

璃緒「カードなんてショップに行って揃えれば良いだけの話ですわ。
それにデッキ構築やルールなら私がきっちり教えて差し上げますわよ」

小鳥「璃緒さんが? 良いんですか?」

璃緒「何を言ってますの? 前に貴女の方から頼んで来たんじゃない?
私にデュエルを教えて欲しいって」

小鳥「あっ、そういえば……」

璃緒「安心なさい。私の手に掛かれば一週間で、小鳥さんを遊馬と互角に戦えるだけのデュエリストに育て上げてみせますわ」

小鳥「い、一週間? さすがにそれは難しい気が……遊馬も何だかんだでデュエル歴は長いし……」

璃緒「この神代璃緒に不可能なんてありませんわ。そうと決まれば早速ショップに行ってデッキのカードを揃えますわよ。
私、良いお店を知っていますの」

小鳥「今からですか? ちょ、いきなり引っ張らないで下さいよ~」

小鳥(何だか璃緒さんに流されるままに話が進んじゃったけど……本当に私にもデュエル、始められるのかな?)

九十九家・夜……

遊馬「いやー今日のデュエルは楽しかったな~♪」

遊馬「最近は鉄男にもたま~にだけど勝てる様になって来たし、俺のデュエル・スフィンクスも結構成長して来たって事だな」ウンウン

アストラル「それを言うならタクティクスだ。それにしても今日は良かったのか?」

遊馬「ん? デュエルなら楽しかったって言ったばっかじゃねーか?」

アストラル「デュエルの事ではない。小鳥の事だ」

遊馬「小鳥? 何かあったけ?」キョトン

アストラル「……今日、君は小鳥と放課後に買い物に行く約束をしていたはずだ。それは私もちゃん記憶している」

アストラル「にも関わらず、君はその約束を破り鉄男達とのデュエルを優先した。
その事に対して、何か思う事はないのかと聞いているのだ」

遊馬「ああ、そういやそうだったな……まあ、でも大丈夫だろ」

アストラル「そうなのか?」

遊馬「そりゃ少しは怒っているかもしれないけどさ、あいつもこれくらいの事ならそんなに気にしないって。
買い物なんてまた何時でも行けば良いだけの話だしさ」

アストラル「遊馬」ズイッ

遊馬「うわっ! 何だよ、急に顔を近付けて……気持ち悪いな~」

アストラル「私はまだ人間という生き物の全てを知っている訳ではない。しかしそれでも君達の事なら多少は理解しているつもりだ」

遊馬「は? いきなり何だよ」

アストラル「君と買い物の約束を取り付けた時、小鳥はとても嬉しそうな顔をしていた」

アストラル「君は随分彼女との約束を安く考えていた様だが、彼女も君と同じ気持ちで約束をしていたとは私には思えない」

遊馬「うっ……」

アストラル「もっとも、小鳥との付き合いの長さは私より君の方がずっと上だ。
君が大丈夫というのなら本当に大丈夫なのかもしれない」

アストラル「だが君が今日約束を破った時、小鳥はとても悲しそうな顔をしていた。少なくとも私にはそう見えた」

遊馬「分かった、分かったよ! 明日ちゃんと謝るし、埋め合わせもちゃんとする!!
それで良いだろ?」

アストラル「別に私は君に謝罪を要求した訳ではない。しかし君がしたいというならそうしておいた方が良いだろうな」

遊馬「何かお前、最近変わったよな。まさかデュエル以外の事でお前から説教されるとは思わなかったよ」

アストラル「別に説教などしたつもりはないのだがな」

遊馬「あー何かムシャクシャするなー……そうだ、今日パックで当てたカードでもデッキに組み込もうっと」ガサゴソ

アストラル(変わった、か。確かにそうかもしれない)

アストラル(少し前まではデュエルと自分の記憶の事にしか興味がなかったはずなのに)

アストラル(これも遊馬や小鳥達と接したのが原因、なのだろうか?)

翌日……

遊馬「ふあぁぁぁ~」

アストラル「眠たそうだな、遊馬」

遊馬「昨日は遅くまでデッキを弄ってたからな……お前は一緒に起きていたのに眠くないのかよ?」オメメショボショボマー

アストラル「忘れたのか? 私は元々眠らない」

遊馬「そういやそうだったな……ん?」

小鳥「…………」トボトボ

遊馬(小鳥だ。あれ、何か朝から暗そうだな?)

遊馬(まさか昨日の事で落ち込んでんのか? いや、これくらいの事で凹む奴じゃ……)

遊馬(でももしアストラルの言う通り、昨日の買い物をすげー楽しみにしていたとしたら……)

遊馬「…………」

遊馬(いや、別に心配してる訳じゃねーし。このままだと俺が落ち着かないだけだし)タッタッタッ

遊馬「小鳥、おはよう!」

小鳥「……おはよう」

遊馬(うっ、なんか微妙に素っ気ない気が……やっぱり怒ってんのか?)

遊馬「何だよ、朝からテンション低いぜ! もっと元気に行こうぜ! かっとビングだ、小鳥!!」

小鳥「……遊馬、お願いだから耳元で騒がないで。頭に響くから」ズキズキ

遊馬「お、おう。悪い」

遊馬(まずい、これは怒ってる。俺の想像よりずっと怒ってる……)

小鳥(デュエルの基本ルールと用語を覚えただけで頭痛くなっちゃった。
璃緒さんは慣れれば大丈夫って言ってたけど……デュエルがこんなに頭を使うものだなんて思わなかったわ)

小鳥(でも遊馬とデュエルする為にも頑張らなきゃ)

遊馬(これは早いとこ機嫌直させないと……そうだ、昨日アストラルにも言った買い物の埋め合わせだ!)

遊馬「なあ、小鳥。お前、今日の放課後は暇か?」

小鳥「暇じゃないわよ」

遊馬「よし、暇じゃないんだな。なら俺と……って何か用事あんのか?」

小鳥「うん、ちょっとね」

遊馬「そ、そうなのか。一体何の用だよ? 良かったら俺にも教えてくれないか?」

小鳥(頭が痛い時に限ってやけに聞いて来るわね。でも璃緒さんにはギリギリまで教えない方が良いって言われてるし……)

小鳥「遊馬には関係ない事だから気にしなくて良いわよ」

遊馬「…………」

遊馬「あ、あのさ、小鳥? お前やっぱり昨日の事怒って……」

璃緒「小鳥さ~ん」ノシ

小鳥「あ、璃緒さん! ごめん、遊馬。私、璃緒さんと話す事があるから先に教室に行ってて」ノシ

遊馬「えっ、ちょ! 小鳥!?」

遊馬「……行っちまった。何だろう? 何か胸の辺りがすげーもやもやするんだけど?」

アストラル「――『そりゃ少しは怒っているかもしれないけどさ、あいつもこれくらいの事ならそんなに気にしないって』」

遊馬「うぅ!?」

アストラル「『買い物なんてまた何時でも行けば良いだけの話だしさ』……どうやら何時でもは無理の様だな、遊馬」

遊馬「うぐぐぐ……」

遊馬「も、問題ねえよ! あ、あいつと喧嘩するなんてこれが初めてじゃないんだ、すぐに機嫌も直るさ!」

アストラル「声が若干震えているのは私の気のせいか?」

真月「遊馬君、おはようございます~♪(内なるベクター:『けっ、相変わらず馬鹿面しやがって。あーぶっ殺してえ』)」

遊馬「お、おう、真月おはよう! さあ、早く教室に行こうぜ!」

遊馬(だ、大丈夫だ。さすが放課後までには解決しているはず! そうに決まってる!!)




放課後……

遊馬「……結局1日素っ気ないままだった」orz

アストラル「遊馬、そんな所で蹲っていると膝が汚れると思うのだが?」

遊馬「授業中は仕方ないとしても、昼飯の時間も休み時間も掃除の時間も素っ気ないままだった……こんなの初めてだぜ」

アストラル「相当凹んでいる様だな」

遊馬「当たり前だろ……付き合い長い奴に冷たくされたら普通凹むって……」

アストラル「だが小鳥にそうさせたのは君の責任、自業自得というものだ。
それに君は昨日、小鳥にちゃんと謝罪すると言っていたのに未だにその言葉を述べていないではないか」

遊馬「そりゃ俺も早く謝った方が良いのは分かってるんだけどさ、何かそのタイミングが無かったんだよ。
授業終わったらさっさと1人で帰っちまうしさ」

アストラル「そういえば放課後に何か用事があると言っていたな。一体その用とは何だったのだろうか?」

遊馬「知らねえよ、教えてくれなかったんだから……くそ、明日は絶対に謝ってやる。意地でも謝ってやるからな!」

アストラル「……ふむ」

公園にて……

小鳥「い、いきます! えっと、《フェアリー・チア・ガール》で璃緒さんのモンスターに攻撃します!」

璃緒「フッ、私は罠カード《ダイヤモンド・ダスト》を発動!
この効果によりフィールド上に存在する全ての水属性モンスターを破壊しますわ!!」

小鳥「水属性? でも私の《フェアリー・チア・ガール》は光属性ですから破壊されるのは璃緒さんのモンスターだけじゃ……」

璃緒「確かにこのままだとそうなりますわね。
けれどデュエルモンスターズは1枚のカードを他のカードと組み合わせる事で強力なコンボを発動する事が出来ますの」

小鳥「コンボ、ですか?」

璃緒「この様にね! 私はさらに永続罠《DNA移植手術》を発動!
この効果でフィールド上のモンスターを全て水属性モンスターに変更しますわ!!」

小鳥「私の《フェアリー・チア・ガール》が光属性から水属性に……という事は!?」

璃緒「そう、《ダイヤモンド・ダスト》の効果により私の《オーロラ・ウィング》と水属性となった《フェアリー・チア・ガール》は破壊されますわ。
さらに《ダイヤモンド・ダスト》はこの効果で破壊したモンスター1体につき、500ポイントのダメージを相手に与える!」

バリバリバリィ!!

小鳥「そ、そんな……きゃああああぁぁぁ!!」

観月小鳥 -1000ポイント LP900→0

神代璃緒WIN

璃緒「私の勝ちですわね」フフン

小鳥「うぅ、昨日からずっと負けっぱなし……私、デュエルの才能ないのかな?」ションボリチュア

璃緒「始めて2日目で何を言っていますの。むしろたった2日目でここまで戦えるなんて小鳥さん、相当才能がありますわよ?」

小鳥「そうなんですか? あんまり自覚は無いんですけど……」

璃緒「基本ルールもばっちりですし、エクシーズ召喚だってちゃんと出来ていますもの。
後はとにかくたくさんデュエルをこなす事ですわね。デュエルの腕は実践の中でこそ磨かれるものですから」

小鳥「何だか璃緒さんにそう言われると自信がつきますね。よし、もう1回お願いします!」

璃緒「小鳥さん、ちゃんとデュエルを楽しんでいるみたいですわね」

小鳥「え?」

璃緒「楽しむ事はデュエルをやる上で最も大切な事ですわ。だって楽しくなければ続ける事なんて出来ないんですから」

璃緒「小鳥さん、これだけ負けてもまだ私と戦おうとしていますでしょ?
それは小鳥さんがデュエルを楽しんでいるという証拠……教えている身としては私、とても嬉しく感じますわ」

小鳥「……確かにそうかもしれません」

小鳥「負けてばかりで悔しいという気持ちも勿論あります。
でもそれ以上にデュエルをやっているとドキドキしたりワクワクしたり……とっても楽しい気持ちになります」

小鳥「今なら遊馬があんなにデュエルに惹かれている理由も少しは分かる気がします。
もっとも、だからってそれで昨日の約束を破っちゃった事に関して許す気はないですけどね♪」

璃緒「ですわね。ならもっと強くなったらデュエルでその時の制裁をしてあげるのはどうかしら?」

小鳥「はい、ぶっ飛ばしてやります!」フンス

璃緒「その意気ですわ、小鳥さん」

…………

小鳥「璃緒さん、今日もありがとうございました」ペコリ

璃緒「大分暗くなって来ましたけど、本当に1人で大丈夫ですの? もう少し待てば凌牙が迎えに着ますから、家まで送って行きますわよ?」

小鳥「大丈夫です。まだ人通りも多いですし、家までもそんなに遠い訳じゃありませんから」

璃緒「そうですか。なら気を付けてお帰りになって下さいね」ノシ

小鳥「はい、また明日もよろしくお願いします」ノシ

小鳥(さて、帰ろっと……あれ? デュエルやってたら何時の間にか頭痛が治ってる)

小鳥(まだ2日目だけどデュエルの楽しさも分かって来たし、璃緒さんもお世辞だろうけど才能あるって言ってくれたし)

小鳥「もうちょっと頑張ったら遊馬とデュエル出来る様になるかな。エヘヘ♪」

小鳥「…………」

小鳥「……あれ?」

小鳥(ここ、何処だろう? 何で私、こんな薄暗い路地裏になんか居るの?)

小鳥「やだ、私ったら浮かれて変な道に入っちゃったのかな? とにかくここから出ないと……ん?」

小鳥(足元にカードが落ちてる? もしかして私が落としたのかしら?)ヒョイ

小鳥(えっ、何これ? モンスター・エクシーズみたいだけど何だか気味悪い。えっと、カード名は……)

小鳥「『No.』……え? 『No.』ってもしかしてあの!?」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

小鳥「きゃあ! なっ、何? カードから闇が……いや、いやああぁぁぁ!!」

小鳥(何かが、私の中に……入って……いや……)

小鳥(誰か、助けて……助けて……遊……)

…………

………

……

再び九十九家……

遊馬「う~~~ん」

アストラル「どうしたんだ、遊馬? さっきからジッとD・ゲイザーを睨み付けて?」

遊馬「いや、小鳥の事なんだけどさ、何か落ち着かないからもう電話で謝ろうかなと~思ったんだよ。
でもやっぱこういうのは直接会って謝った方が良い気もするんだよな……なあ、アストラル。お前はどう思う?」

アストラル「私に聞かれても困る。君の好きにすれば良いんじゃないのか?」

遊馬「うぅ、電話すべきか、明日まで待つか……今から小鳥の家に行くという手も……でも逆に迷惑掛けてさらに機嫌悪くしそうだし……」ブツブツ

アストラル(デュエルをしている時以上に頭を使っているみたいだな)

ピピピピピッ!

遊馬「うわっ!? なっ、何だ?」ビックリボー

アストラル「君のD・ゲイザーが鳴った音だ。誰かから電話の様だな」

遊馬「たくっ、こんな時に誰だよ……って、小鳥?」

遊馬「どうして小鳥から……あっ、もしかして今日素っ気なくして悪かったって逆に謝りに来たのかな?
ありうる! ありうるぜ、アストラル!」

アストラル「いや、今回の件は小鳥に非は全くないと思うが?」

遊馬「あいつはそういう奴なんだよ。そうか、そうか、あいつも悪いと思っていたんだな。ならこっちも謝り易いぜ、うん」

アストラル「君、あからさまに安心しているな。とりあえず出なくても良いのか?」

遊馬「おっと、そうだな。もしもし、小鳥。こんな時間に一体どうし……」

小鳥『…………』

遊馬&アストラル「…………」

アストラル(遊馬、画面に映っている小鳥だが、とてもこれから謝る様な雰囲気ではない様に見えるのだが?)

遊馬(俺もそう見える、何か暗いし……あれ? もしかしてまだ怒ってるの? まだ怒りビンビングなのか?)

※遊馬とアストラルは心の中でも会話する事が出来ます。

小鳥『遊馬……』

遊馬「な、何だよ? もしかしてまだ怒ってるのか? その事なら……」

小鳥『今からデッキを持って、公園まで来て』

遊馬「へっ、公園って何時もの所か? ていうかお前、こんな時間にまだ公園に居るのか?」

小鳥『…………』

遊馬「小鳥?」

小鳥『早く、来て……そして』








小鳥『――私と、デュエルしましょう』ニヤッ

とりあえず今回はここまで。次はデュエル書きます。

…………

遊馬『お前とデュエル? いきなりどうし』

ピッ

小鳥「…………」

小鳥「遊馬とデュエル、しなきゃ……」

小鳥「遊馬と、楽しいデュエルを……ふふっ、ふふふふ」

警官「そこの君、何をしているんだ?」

小鳥「…………」

警官「駄目じゃないか、夜に1人でこんな場所に居るなんて。ちょっとこっちに来なさい」

小鳥「……邪魔、するの?」

警官「は?」

小鳥「誰にも邪魔させないから……私と遊馬との、デュエルを」ゴゴゴ

…………

遊馬「切れてる……何だったんだ、あいつ?」

アストラル「遊馬、私には小鳥の様子が普段とは違う様に見えたのだが?」

遊馬「ああ、俺もだ。しかも今から公園でデュエルなんて……そもそもあいつ、デュエルなんて出来ねえだろ?」

明里「――デュエルが何ですって?」

遊馬「うわっ、びっくりした!? 明里姉ちゃん、入って来るなら先に声くらい掛けてくれよ」ドキドキ

明里「掛けたけどアンタが気付かなかっただけよ。ていうか何1人でブツブツ喋ってるの? 正直気味悪いわよ」

遊馬「いや、それはその……そ、それより何か用があって来たんだろ?」アセアセ

明里「あーそうそう。アンタ今日の帰り、小鳥ちゃんと一緒じゃなかったの?」

遊馬「いや、今日は小鳥の奴は用事があるからって先に帰ったけど……何で?」

明里「さっき小鳥ちゃんのお母さんから電話があったのよ。小鳥ちゃん、学校は出たらしいんだけどまだ家に帰って無いらしいの。連絡もつかないらしいわ」

遊馬「何だって?」

アストラル「……遊馬、嫌な予感がするぞ」

遊馬「俺もだぜ、アストラル……姉ちゃん、俺ちょっと出掛けて来るから!」

明里「えっ、今から?」

遊馬「ああ、そうだ。もし小鳥のかーちゃんからまた電話があったら心配すんなって伝えといて!」

明里「アンタ、もしかして小鳥ちゃんが何処に居るのか知ってるの?」

遊馬「とにかく行って来るから! 家の鍵は開けといてくれよな!!」ノシ

明里「ちょ、ちゃんと事情を説明しないさい! 待ちなさいってば、遊馬ぁ!!」プンスカブックス

数分後、公園にて……

遊馬「うぅ、夜の公園って何か薄気味悪いな~」

アストラル「遊馬、早く小鳥を探そう」

遊馬「おう、そうだな。おーい、小鳥ぃー! 何処だー! 来てやったぞー!!」

アストラル「ん……遊馬、あそこを見ろ!」

遊馬「あそこって……げっ、おまわりさんが倒れてる!? だ、大丈夫ですか?」

警官「」

アストラル「見たところ外傷は無さそうだが……なぜこんな場所で?」

遊馬「とりあえず病院に運んだ方が良いかもな。救急車を……」



小鳥「――やっと来てくれたのね」



遊馬「なっ、小鳥?」

小鳥「待っていたわよ、遊馬」ニコッ

遊馬「おい、いきなりこんな所に呼び出して何だよ? しかもいっちょまえにデュエル・ディスクなんか付けてさ」

小鳥「電話で言った通りよ。私は遊馬と楽しいデュエルがしたいの」

遊馬「小鳥?」

アストラル「遊馬、彼女の様子は明らかにおかしいぞ」

遊馬「と、とにかく今日はもう遅いから家に帰ろうぜ。小鳥の母ちゃんも心配してるし、デュエルしたいんなら別の日に……」

小鳥「嫌よ。私は今遊馬とデュエルがしたいの……せっかく邪魔者も眠らせたんだしさ」

遊馬「邪魔者? おい、まさかこのおまわりさんをやったのは……」

小鳥「うん、私だよ。だってこれから遊馬とデュエルするのに、私をここから連れ出そうとするんだもの」ニコッ

遊馬「お、お前、笑いながら何笑えない冗談言ってんだよ? お前にそんな事が出来る訳……」

小鳥「出来るわよ。何度も言う様に、私は遊馬と楽しいデュエルがしたいの。今すぐしたいの」

小鳥「その為なら……何だってしてみせるわ」

ゴゴゴゴゴゴゴ……

アストラル「これは!?」

遊馬「小鳥の背後から闇が……なんだよ、これ!?」

小鳥「デュエル……デュエル……遊馬と楽しいデュエル……ふふっ、ふふふふふふふふ」

遊馬「こ、小鳥?」

アストラル「遊馬、どうやら小鳥はあの闇に完全に意識を乗っ取られている様だ」

遊馬「まさか、バリアンか? バリアンの奴らが小鳥を……」

アストラル「いや、今回は彼らが原因では無いだろう。彼女の右手を見ろ、闇の力の出所はあそこだ」

遊馬「カードが握られてる……まさか!?」

アストラル「『No.』だ。しかもかなり強力な負の力を持っている……」

小鳥「さあ、早くデュエル・ディスクを構えてよ、遊馬。私は貴方とデュエルがしたくてたまらないのよ!!」

アストラル「遊馬、小鳥を救うにはデュエルしかない。デュエルに勝ち、『No.』の呪縛を断つのだ!」

遊馬「やるしかねえって事かよ……くそっ!」

遊馬「良いぜ、小鳥! そのデュエル受けてやる! そして俺とアストラルでお前を操る見えない糸を切ってやる!!」

小鳥「さあ、始めましょう、遊馬! 私と遊馬で織り成す、最高に楽しいデュエルを!!」

遊馬「いくぜ! デュエル・ディスク、セット!!」

ジャキジャキジャキーン!

遊馬「D・ゲイザー、セット!!」

ピルピルピルピル……

『ARビジョン・リンク完了』

遊馬&小鳥「デュエル!!」

九十九遊馬(LP4000)VS観月小鳥(LP4000)

遊馬「先行は俺だ! 俺のターン、ドロー!!」

小鳥「遊馬とデュエル……楽しいデュエル……うふっ、うふふふふふ」

遊馬「小鳥の奴、いくら何でもキャラ変わり過ぎだろ? あんな笑い方する小鳥なんて俺、初めて見たぜ?」

アストラル「これも全て彼女にとり憑いている『No.』のせいだ。早くデュエルに勝ち、彼女を解放するんだ」

遊馬「ああ、そうだな……俺はモンスターを裏守備表示でセット! さらにリバースカードも1枚出すぜ!!」

遊馬(いくら『No.』に洗脳されているからって、元はデュエルなんてほとんどした事の無いド素人の小鳥なんだ。すぐに元に戻してやるから待ってろよ!)

遊馬「俺はこれでターンエンドだ! さあ、何処からでも掛かってきやがれ!!」

小鳥「そう、ならそうさせて貰うわ……私のターン、ドロー!」

小鳥「いくわよ、私は手札から永続魔法《神の居城-ヴァルハラ》を発動するわ!!」

カッ!!

遊馬「うお、眩しい!? なっ、何だ? 小鳥の背後に光り輝く神殿が?」

小鳥「《ヴァルハラ》は神々が住まう聖域……その効果により、私は自分の場にモンスターが居ない時に限り、手札の天使族モンスター1体を特殊召喚する事が出来る!
さあ、現れなさい――《大天使クリスティア》!!」

《大天使クリスティア》 レベル8 ATK2800

アストラル「これは……!」

遊馬「後攻1ターン目から攻撃力2800の最上級モンスターだって? あいつ、何であんな大型モンスター持ってんだよ!?」

小鳥「さあ、待ちに待った遊馬との初バトルよ! 私は《大天使クリスティア》で遊馬の裏守備モンスターに攻撃よ!!」

守備モンスター:《モグモール》 レベル2 DEF800

ドゴオオオオオン!!

遊馬「くっ、だけど今破壊されたモンスターは《モグモール》! こいつは破壊された時、一度だけ墓地から特殊召喚する事が出来る! 蘇れ、《モグモール》!!」

し~ん……

遊馬「……あ、あれ? お、おい、何で復活しないんだよ?」オロオロットン

小鳥「無駄よ。だって私の《クリスティア》には特殊効果があるんですもの。このカードがフィールド上に存在する限り、『一切の特殊召喚が出来なくなる』っていう効果がね」

遊馬「攻撃力2800もある上にそんな効果まで持ってるのか?」

アストラル「これは非常に不味いぞ、遊馬。特殊召喚が出来ないという事はエクシーズ召喚も出来ないという事。
そして我々のデッキの主力のそのほとんどはモンスター・エクシーズだ」

遊馬「つまりあのモンスターを何とかしないと《ホープ》も呼べないって事か……くそ、『No.』さえ気を付ければ良いと思っていたのにとんだ伏兵だぜ」

アストラル(どうやら彼女のデッキ、かなり高いレベルで組まれている様だな)

小鳥「私はこれでターンエンドよ……さあ、もっと攻めて来てよ。楽しいデュエルはまだまだこれから何でしょ? うふふふふふふ」

遊馬「だからその気味の悪い笑い方は止めろってば! 俺のターン、ドロー!」

遊馬「特殊召喚が出来ないなら、通常召喚で強いモンスターを出せば良いだけの話だぜ!
俺は《ゴゴゴジャイアント》を攻撃表示で召喚するぜ!!」

《ゴゴゴジャイアント》 レベル4 ATK2000

小鳥「攻撃力2000? それじゃあ私の《クリスティア》は倒せないわよ」

遊馬「へっ、これだから初心者は困るぜ! デュエルモンスターズはモンスターと魔法・罠の『コンブ』ネーションが重要なんだよ!
俺は手札から魔法カード《破天荒な風》を《ゴゴゴジャイアント》を対象に発動するぜ!!」

《ゴゴゴジャイアント》 ATK2000→3000

小鳥「攻撃力が3000に上がった……!」

遊馬「《破天荒な風》はモンスター1体の攻撃力を次の俺のターンまで1000ポイントアップさせる魔法カードだ!
これで《ゴゴゴジャイアント》の攻撃力は《クリスティア》を上回ったぜ! さあ、このままバトルだ!!」

アストラル「待て、遊馬! 《クリスティア》は光属性だ。小鳥のデッキが天使族を中心として組まれているのなら迂闊な攻撃は……」

遊馬「いけ、《ゴゴゴジャイアント》! 《大天使クリスティア》に攻撃だ!!」

小鳥「ふふっ、ダメージ計算時に手札から『オネスト』の効果を発動!!」

遊馬「何? このタイミングで手札からモンスター効果だって!?」

ゴオオオオオオ……

遊馬「《クリスティア》の翼が虹色に輝き出した……?」

小鳥「《オネスト》は自分に光属性モンスターが戦闘を行う時、手札から墓地に送る事で発動出来るの。
そしてエンドフェイズまでその光属性モンスターの攻撃力は、戦闘を行うモンスターの攻撃力の数値分だけアップするのよ!」

遊馬「何だって!?」

《大天使クリスティア》 ATK2800→5800

小鳥「さあ、私の可愛い《クリスティア》! 《ゴゴゴジャイアント》を返り討ちにしなさい!!」

ドゴオオオオオン!!

遊馬「どわああああぁぁぁぁ!!!」

アストラル「遊馬!!」

九十九遊馬 -2800ポイント LP4000→1200

遊馬「くそっ、一気にライフが削られちまった……あのデッキ、マジで強い」

アストラル「デッキが強いだけでは無い。《オネスト》の発動タイミングから考えて、小鳥はあのデッキを使いこなしている。
『No.』で多少はブーストされているだろうが、彼女自身もデュエリストとしてそれなりの実力を持っているはずだ」

遊馬「そんな……あいつ昨日まで全然デュエルなんて出来なかったはずだぜ?」

アストラル「なら昨日から今日までの間に学んだのだろう。デュエリストとしての才能が突然開花するのはそう珍しい事でも無い。
誰かから教えを請いたのか……少なくとも今の小鳥は私と初めて会った頃の君より遥かに強い(断言)」

遊馬「お、俺の昔の実力は初心者が1日で越せるレベルだって言いたいのかよ……くっ、誰だよ? 小鳥にデュエルを教えたのは?」

…………

璃緒「へくちっ!」

凌牙「うわっ、汚ねえな!? くしゃみするなら向こう向けよ」

小鳥「何時まで地べたに座っているの? 早くデュエルを続けましょうよ……このままだと遊馬、次のターンで私にやられちゃうよ?」

遊馬「くそっ!」

アストラル「遊馬、君は小鳥を初心者だと侮り過ぎている。それでは彼女を救う事は出来ないぞ」

遊馬「ああ、今の一撃で目が覚めたぜ。ここからは正真正銘、100%本気でやってやるから覚悟しろよな、小鳥!」

小鳥「それでこそ遊馬よ。こんなに早くデュエルが終わったらつまらないもんね……ああ、次はどんな一手を見せてくれるか楽しみだわ~」クネクネ

遊馬「腰をクネクネ動かすな! お前はそういうキャラじゃねえだろ! 絶対正気に戻ったら後悔すんぞ!?」

遊馬(このターン、俺はもう通常召喚したから壁モンスターを出す事は出来ない……だけど!)

遊馬「俺はリバースカードを1枚セットしてターンエンドだ!!」

アストラル(その戦略は悪くないぞ、遊馬)

《大天使クリスティア》 ATK5800→2800

小鳥「私のターン、ドロー! さあ、遊馬……この状況をどう足掻いて来るのか楽しみだわ! バトル! 《クリスティア》で遊馬にダイレクト・アタック!!」

アストラル「遊馬、前のターンに伏せたカードを使え!!」

遊馬「おう! 罠カード発動、《ホーリージャベリン》! この効果で、攻撃して来た《クリスティア》の攻撃力の数値分だけ、俺のライフを回復する!!」

九十九遊馬 +2800ポイント LP1200→4000

小鳥「ライフ回復の罠カードか……だけどそれじゃあ《クリスティア》の攻撃は止められないわ!」

遊馬「うわあああああ~~~!!」

九十九遊馬 -2800ポイント LP4000→1200

小鳥「何を伏せていたのかと思ったら、ただの時間稼ぎの罠カードだったんだ。ちょっとだけ拍子抜けかな?」

アストラル「……いや、これで良い。我々の目的は《クリスティア》のダイレクト・アタックを受ける事にあったのだから」

小鳥「え?」

遊馬「くっ、罠カード《痛恨の訴え》を発動! このカードは自分がダイレクト・アタックを受けた時に発動される!
そして相手の場で一番守備力の高いモンスターのコントロールを次の俺のエンドフェイズまで得る事が出来るのさ!!」

遊馬「お前の場に存在するモンスターは《クリスティア》のみ! よって俺は《クリスティア》のコントロールを得る!!」

小鳥「私の《クリスティア》が奪われた? ふふっ、良いわ……それでこそ、それでこそ遊馬よ!!」

小鳥「さあ、もっと私を楽しませてよ! 私はモンスターを裏守備表示でセットして、ターンエンドだよ!」

遊馬「主力モンスター奪われても気持ち悪いのは直らないままかよ……やっぱり一発ガッツンとやらないと駄目なのか? 俺のターン、ドロー!!」

遊馬(しかし勢いで《クリスティア》を奪っちまったけどここからどうすれば良いんだ?
《痛恨の訴え》の効果で奪ったモンスターは攻撃が出来ないし、エンドフェイズには小鳥の場に戻っちまう。何とかこのターン中に《クリスティア》を処理しないと……)

アストラル「遊馬、何をしている? 早く《クリスティア》を素材にエクシーズ召喚をするんだ。今の君の手札なら、それが出来るはずだ」

遊馬「はあ、何言ってんだよ? 《クリスティア》が居る限り、一切の特殊召喚は出来ないんだぜ? それでどうやってエクシーズ召喚するんだよ?」

アストラル「君こそ何を言っている? 《痛恨の訴え》の効果でコントロールを得たモンスターの効果は無効化される。
《クリスティア》の特殊召喚を封じる効果も、このターンまでは無効となっている」

遊馬「……あ」

アストラル「まさか忘れていたにも関わらず奪ったのか? 呆れたものだな、君は」ジトー

遊馬「うっ、うるせえよ! エクシーズ召喚だな? モンスター・エクシーズを出すんだな? 良いぜ、やってやるよ! かっとビングだ、俺!!」アセアセ

遊馬「いくぜ、まずは《バチバチバチ》を召喚!!」

《バチバチバチ》 レベル3 ATK800

遊馬「さらに俺は手札からレベル4のモンスターを墓地に送り、魔法カード《レベル・マイスター》を発動!
この効果で俺の場に存在する2体のモンスターのレベルは、エンドフェイズまで墓地に送ったモンスターと同じになる!」

《大天使クリスティア》 レベル8→4 《バチバチバチ》 レベル3→4

小鳥「これで遊馬のフィールドにレベル4のモンスターが2体……!」

遊馬「俺はレベル4となった《クリスティア》と《バチバチバチ》でオーバーレイ! 2体のモンスターでオバーレイ・ネットワークを構築!」

ドドドドド!!

遊馬「エクシーズ召喚! 現れろ、《No.39 希望皇ホープ》!!」

ホープ「ホオオオオオオオォォォプ!!」

《No.39 希望皇ホープ》 ランク4 ATK2500

遊馬「さあ、反撃開始だぜ! 俺はさらにオーバーレイ・ユニットとなった《バチバチバチ》の効果を発動!
このカードを素材としてエクシーズ召喚に成功した時、そのモンスター・エクシーズは守備モンスターに対して貫通ダメージを与える効果を持つ!!」

小鳥「!」

遊馬「バトルだ! 俺は《ホープ》で小鳥の裏守備モンスターに攻撃! ホープ剣・バチバチバチスラッシュ!!」

守備モンスター:《シャインエンジェル》 レベル4 DEF800

斬!!

小鳥「きゃあああああぁぁぁ!!」

観月小鳥 -1700ポイント LP4000→2300

遊馬「やべえ、ちょっとやり過ぎちまった!? だ、大丈夫か、小鳥?」ダッ

アストラル「待て、遊馬!」

小鳥「……痛い……転んじゃったよ、遊馬ぁ……」

遊馬「小鳥?」

小鳥「肘、擦りむいちゃった……だけどこの痛みは、遊馬とデュエルしている証拠なんだよね? 私、遊馬と本気のデュエルをしているんだよね?」

小鳥「だったら嬉しいなぁ……もっと、もっと傷つけ合おうよ、遊馬ぁ……楽しい、楽しいデュエルをいっぱいしよう……ね?」クスクス

遊馬「こ、小鳥……」

アストラル「遊馬、最初に言った通り小鳥は『No.』に操られているだけだ。あの言葉も表情も、本当の彼女の物では無い」

遊馬「分かってる! 分かってるけどよぉ……」

小鳥「デュエルを続けよう、遊馬……『シャインエンジェル』は戦闘で破壊された時、デッキから攻撃力1500以下の光属性モンスター1体を特殊召喚する事が出来るの。
その効果でデッキから2体目の『シャインエンジェル』を攻撃表示で特殊召喚するよ」

《シャインエンジェル》 レベル4 ATK1400

小鳥「さあ、遊馬はこのターン、まだ何か私を楽しませてくれる事があるのかな? もう戦闘も終わったし、手札もないから難しいと思うけど?」

遊馬「くっ、俺はこれでターンエンドだ」

小鳥「うふふ……じゃあ今度は私が遊馬を楽しませてあ・げ・る♪」

小鳥「私のターン、ドロー! 私は《ヘカテリス》を攻撃表示で召喚!」

《ヘカテリス》 レベル4 ATK1500

小鳥「これで私の場にもレベル4のモンスターが2体揃ったわ……」ゴゴゴ

アストラル「小鳥を包む闇の瘴気が増していく……来るぞ、遊馬!」

小鳥「見ていてね、遊馬。私のエクシーズ召喚を! 私はレベル4の《シャインエンジェル》と《ヘカテリス》をオーバーレイ!
2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築! エクシーズ召喚!!」

ドドドドド!!

小鳥「開け、希望無きパンドラの箱よ! 汝の導く狂気の運命を、この世界にまき散らせ!!」

遊馬(小鳥の背後の神殿が……黒く染まっていく!)

小鳥「降臨せよ、《No.85 クレイジー・ボックス》!!」

《No.85 クレイジー・ボックス》 ランク4 ATK3000

遊馬「なっ、何だよ? この気味の悪いでっかい箱は!?」

アストラル「これが小鳥を操っている元凶……しかし何と禍々しいオーラを放つ『No.』だ」

小鳥「これで、これでさらに遊馬とのデュエルが楽しくなるわ……ふふふっ……うぅ……うああああああぁぁぁ!!!」

遊馬「小鳥!?」

アストラル「不味い! 『No.』が顕現した事で、小鳥を縛る闇の力が強くなっている!?」

遊馬「小鳥、もうデュエルを止めろ! そんなカード捨てちまえ!!」

小鳥「い、嫌よ……デュエルを止めるなんて……私は遊馬との楽しいデュエルを……続けるんだもん……」

遊馬「ふざけんな! お前が苦しんでんのに……それの何処が楽しいデュエルだよ!!」

小鳥「うるさい! 私は止めない……絶対に遊馬との楽しいデュエルを止めない!!」キッ

小鳥「私はオーバーレイ・ユニットを1つ使い、《クレイジー・ボックス》の効果を発動!!」

ギュルュギュルギュルゥゥゥ!!

アストラル「これは……《クレイジー・ボックス》の六面にそれぞれ数字が浮かび、空中で回転を始めただと?」

小鳥「私の《クレイジー・ボックス》は攻撃を行なえない代わりに、6つの特殊能力を持っている! 但し発動される効果を選ぶのは私では無く、《クレイジー・ボックス》自身!!」

小鳥「さあ、《クレイジー・ボックス》! この場に最も相応しい目を選びなさい!!」

遊馬(回転した《クレイジー・ボックス》が……止まる!)

出た目:『5』

小鳥「《クレイジー・ボックス》の5の目の効果は、フィールド上のカード1枚を破壊する効果……消え去りなさい、《ホープ》!!」

ドゴオオオオオオォォォン!!

遊馬「くっ、《ホープ》!?」

アストラル「《ホープ》が一撃で破壊されただと……これがあの『No.』の力か!」

遊馬「不味いぜ、アストラル! もしこのまま直接攻撃を受けたら……」

アストラル「慌てるな、遊馬。《クレイジー・ボックス》は攻撃を行う事は出来ない。
それに小鳥はすでに通常召喚を終え、場にモンスターが居る事で《ヴァルハラ》の効果も使えない。追撃の可能性は低いはずだ」

小鳥「それはどうかしら?」フフン

アストラル「何?」

小鳥「さっき遊馬も言ったじゃない。デュエルモンスターズはモンスターと魔法・罠のコンビネーションが重要なんでしょ?
大丈夫、私ちゃんとその事については教えて貰ってるから」

小鳥「つまりこうすれば良いんでしょ! 私は手札から魔法カード《禁じられた聖杯》を《クレイジー・ボックス》を対象に発動!
このカードはエンドフェイズまでモンスター1体の効果を無効にし、攻撃力を400ポイントアップさせる!!」

《No.85 クレイジー・ボックス》 ATK3000→3400

遊馬「効果が無効になったって事はつまり……」

アストラル「『攻撃を行う事が出来ない』という効果も、無効になった!?」

小鳥「もう遊馬には手札もモンスターもリバースカードも無い……このターンの攻撃で私の勝ちは確定だね」

小鳥「でも安心して。このデュエルが終わったら、すぐに次のデュエルを始めましょう……そう何回でもやれば良いのよ」

小鳥「何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも何回でも……」



小鳥「楽しいデュエル、しましょう♪」ニパァ



遊馬「くっ、小鳥!」

小鳥「とりあえず1回目のデュエルはこれで終了……さあ、《クレイジー・ボックス》」

クレイジー・ボックス「…………」

小鳥「遊馬を、押し潰して!!」

ゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!

遊馬(やばい、この攻撃を受けたら俺のライフは……!)

とりあえず今回はここままです。

遊馬(駄目だ、防ぎ切れねえ……くそっ、俺には小鳥を助ける事は出来ないのかよ!)

アストラル「諦めるな、遊馬! 墓地のカードを使え!!」

遊馬(墓地のカード……そうか!)

遊馬「俺は墓地の《タスケナイト》の効果を発動! 自分の手札が0枚で相手が攻撃して来た時、一度だけこのカードを墓地から特殊召喚し、バトルフェイズを強制終了させる事が出来る!!」

小鳥「何ですって?」

《タスケナイト》 レベル4 ATK1700

遊馬「ふぅ、これで《クレイジー・ボックス》の攻撃は止まったぜ……ありがとな、《タスケナイト》」

小鳥「いつの間にそんなカードを墓地に……あ、もしかしてあの時?」

…………

遊馬『さらに俺は手札からレベル4のモンスターを墓地に送り、魔法カード《レベル・マイスター》を発動!
この効果で俺の場に存在する2体のモンスターのレベルは、エンドフェイズまで墓地に送ったモンスターと同じになる!』

…………

小鳥「凄いよ、遊馬。仕方ないからこのターンは終わらしてあげる……うぅ!」フラッ

遊馬「小鳥……悪いけどやっぱ俺、このデュエルは楽しめねえや。だって小鳥がこんなに苦しんでんだもん」

小鳥「はぁ……はぁ……」

遊馬「だけどお前は止める気なんてないんだろうな。その気味の悪い箱が、止めさせてくれないんだろうな……だったら」

遊馬「こんなつまんねえデュエルはさっさと終わらせて、そんな箱は潰して、後で俺が本当に楽しいデュエルってもんを教えてやるぜ!」

小鳥「はぁ、はぁ……遊馬……」

アストラル「遊馬、この状況ではこれ以上小鳥からの攻撃を受け切る事は不可能だ。
このデュエル、このターンが勝負だぞ!」

遊馬「分かってる! 小鳥、お前は絶対に俺が助けてやるからな! 俺のターン、ドロー!!」

遊馬(このカードはこの前デッキに入れた……よし、まだいける!)

遊馬「俺は《アステル・ドローン》を攻撃表示で召喚するぜ!」

《アステル・ドローン》 レベル4 ATK1600

遊馬「これで再び俺の場にはレベル4のモンスターが2体揃った!
俺はレベル4の《タスケナイト》と《アステル・ドローン》でオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

ドドドドド!!

遊馬「エクシーズ召喚! 来い、ガガガ学園の華麗なる狙撃手――《ガガガガンマン》!!」

《ガガガガンマン》 ランク4 ATK1500

小鳥「攻撃力1500……そんなモンスター・エクシーズじゃ私のモンスターは倒せないわよ!」

遊馬「まだだ! 俺はオーバーレイ・ユニットとなった《アステル・ドローン》の効果を発動!
このカードを素材としてエクシーズ召喚されたモンスター・エクシーズは、新たな効果を得る!」

小鳥「《バチバチバチ》と同じ、モンスター・エクシーズに効果を付加する効果……!」

遊馬「その効果により、《ガガガガンマン》のエクシーズ召喚成功時に、俺はカードを1枚ドローできる!」

アストラル(これが我々に残された最後のドロー……遊馬!)

遊馬(逆転のカードを引き当ててみせる! そして小鳥を救うんだ!)

遊馬「かっとビングだ、俺! ドロォー!!」

シュバァ!!

遊馬「……来たぜ、小鳥! お前を救うカードが!!」

小鳥「なっ、まさか本当に逆転のカードを?」

アストラル「君のここ一番の引きの強さには何時も驚かされる……勝利の方程式は全て揃った! 行け、遊馬!!」

遊馬「おう! アストラル!!」

遊馬「俺はまずオーバーレイ・ユニットを1つ使って、《ガガガガンマン》の攻撃表示時の効果を発動!」

遊馬「このターンの間、《ガガガガンマン》は相手モンスターと戦闘を行う時、攻撃力が1000ポイントアップする! 
そして戦闘を行う相手モンスターの攻撃力は500ポイント下がる!」

小鳥「確かにその効果なら《ガガガガンマン》の攻撃力は《クレイジー・ボックス》と互角になる……だけど忘れたの、遊馬?
『No.』は『No.』でなければ倒せない! 攻撃して来ても返り討ちよ!!」

遊馬「お前の方こそもう忘れたなか? デュエルモンスターズで重要なコンブネーションって事を!」

遊馬(小鳥を救う為に……シャーク、力を借りるぜ!)

遊馬「俺は手札から《アーマード・エクシーズ》を発動! この効果で墓地の《ホープ》を《ガガガガンマン》に装備させる!!」

小鳥「それは前に遊馬がシャークから貰ったカード……《ガガガガンマン》に《ホープ》の鎧が装着された!?」

アストラル「《アーマード・エクシーズ》の効果により、今《ガガガガンマン》は『No.』となり、《ホープ》と同じ攻撃力を得た!
これで《ガガガガンマン》は《クレイジー・ボックス》を倒す事が可能となった!」

《ガガガガンマン》 ATK1500→2500

小鳥「そ、そんな……だ、駄目だよ……それじゃ……」

小鳥「ここで私が勝たないと……遊馬、次のデュエル受けてくれないかもしれないし……私は遊馬との楽しいデュエルを終わらしたくなんか……」ガタガタ

遊馬「デュエルくらいこれから何度でもやってやる! 但しやるのはお前が苦しまない、本当に楽しいデュエルだ!!」

小鳥「遊馬……」

遊馬「その為にも、その不気味な箱をぶっ壊す! 《ガガガガンマン》、《クレイジー・ボックス》に攻撃だ!!」

《ガガガガンマン》 ATK2500→3500

《No.85 クレイジー・ボックス》 ATK3000→2500

遊馬「かっとべ、《ガガガガンマン》! ガガガ流ホープ・ショット!!」

クレイジー・ボックス「!?」

ドガアアアアアン!!!

小鳥「きゃあああああぁぁぁ!!」

観月小鳥 -1000ポイント LP2300→1300

小鳥「うあぁ……アアアアアアアア!?!?」

遊馬「小鳥!」

アストラル「《クレイジー・ボックス》本体を倒した事で、小鳥への呪縛が弱まっている……遊馬、このデュエルを終わらせろ!!」

遊馬「分かった! 俺は《アーマード・エクシーズ》のもう1つの効果を発動!
このカードで装備したモンスター・エクシーズを墓地に送る事で、装備していたモンスターはもう一度攻撃を行う事が出来る!!」

《ガガガガンマン》 ATK2500→1500

小鳥「遊……馬……」

遊馬「この一撃で目を覚ませ、小鳥! 《ガガガガンマン》で、ダイレクト・アタックだ!!」

ガガガガンマン「ガガガァ!!!」

カッ!!

観月小鳥 -1500ポイント LP1300→0

九十九遊馬WIN

…………

遊馬「完全に寝てやがる。たくっ、気楽なもんだぜ」ヤレヤレクス

小鳥「すぅ……すぅ……」←遊馬におんぶされてる。

遊馬「しかしこの寝顔見ていると、ついさっきまであんな怖い顔で笑っていたのと同じ奴とは思えねーな」

アストラル「全ては小鳥にとり憑いていた『No.』が原因だ。無事に回収された今、もう彼女に害はない」

遊馬「そういや回収した『No.』は大丈夫なんだろうな? 《ブラック・ミスト》の時みたいに後から暴走したりなんかしないよな?」

アストラル「回収後は大人しくしているからその心配はないだろう。ただ念の為、デュエルでの使用は控えておいた方が良いかもしれない」

遊馬「そっか……あー、なんかすげー疲れた。こんなしんどいデュエル、もうこりごりだぜ」ハァ

遊馬「だけど良かったよ、小鳥が無事に助かってさ。倒れていたおまわりさんも、デュエルが終わったらすぐに目を覚ましたし」

アストラル「多少我々の事に不信感を抱いていた様だったがな」

遊馬「あ、そういや1つ分からない事があるんだけどさ」

アストラル「何だ?」

遊馬「こいつ何で今更デュエルなんて始めたんだろ? あんな強いデッキまで用意して……少し前まではデュエルにそこまで興味なんてなかったはずなのに」

アストラル「小鳥とは長い付き合いなのだろ? 分からないのか?」

遊馬「何だよ、その意地悪な言い方? 本当、最近のお前は人間臭くなって来たよな」

アストラル「……『No.』には持つ人間の欲望を増幅させる力がある。だから暴走していた小鳥の言動の中にも、少なからず彼女の本心が隠されていたはずだ」

遊馬「つまり……?」

アストラル「本当にデュエルがしたかったのだろう、君と。楽しいデュエルをな」

遊馬「小鳥が、俺と?」

遊馬「…………」

遊馬「……そっか」

小鳥「う、う~ん……」

遊馬「お、起きたか?」

小鳥「遊馬……あれ? 私……?」

遊馬「もう少し寝ていて良いぞ。家に着いたら起こしてやるから」

小鳥「うん、そうさせて貰う……何だか頭、ぼんやりするし……」

遊馬「おう」

小鳥「……ねえ、遊馬……私、怖い夢を見てた……」

遊馬「夢?」

小鳥「私が遊馬を……傷つけちゃう、夢……そんな事、したくないのに……止められなくて……」

遊馬「俺がお前に傷つけられんのか? そりゃまた怖い夢だな~」

小鳥「うん……本当に、怖かった……」

遊馬「そうか……でもそれは本当にただの夢だ。忘れちまえよ、そんなもん」

小鳥「……うん」コクリ

遊馬「…………」

小鳥「…………」

遊馬「なあ、小鳥」

小鳥「……なあに?」

遊馬「今更言うのも遅いかもしれねーけど……やっぱ言っとく」

遊馬「…………」

遊馬「ごめんな」

数日後……

小鳥「遊馬、次はあっちのお店入るわよ!」

遊馬「はぁ!? まだ行くのか? これで何軒目だよ?」

小鳥「何言ってるのよ。この前約束破ったお詫びに休日は私に付き合ってくれるって言ったのは遊馬の方じゃない。そうよね、アストラル?」

アストラル「ああ、私も確かにそう記憶している。遊馬、自分の発言にはちゃんと責任を持つべきだ」

遊馬「そりゃ確かに言ったけどさ、もうこれ以上荷物なんて持てねーぞ?」

小鳥「遊馬は男の子なんでしょ? それぐらい頑張って持ちなさいよ」

アストラル「そうだ。頑張れ、男の子」

遊馬「アストラル、お前絶対この状況楽しんでるだろ……あーもう、持ちますよ! いくらでも付き合いますよ、ちくしょー!!」

小鳥「~♪」

遊馬(どうやらこの前の事は本当に何も覚えてないみたいだな……まあこいつにとってはその方が良いだろうけどさ)

小鳥「そうだ……遊馬、買い物が終わった後なんだけどさ、ちょっと付き合って欲しい場所があるの」

遊馬「ん、何処だよ?」

小鳥「……広場」

遊馬「広場って俺が鉄男達と良く行く広場か?」

小鳥「うん、そこで遊馬とちょっとやりたい事があるんだ……駄目、かな?」

遊馬(小鳥が広場で何がしたいのか、勿論俺にはすぐに分かった)

遊馬(当然俺に断る理由なんて無い)

遊馬(それに例えこいつ自身は忘れていても、俺はこいつと約束した)

遊馬(だから答えなんて最初から決まっている)

遊馬「おう! いくらでも付き合ってやるぜ、小鳥!」

<おわり>

>>72
乙。
いい話だった。

何でクレイジーボックスなんだwww

読んでくれた人、ありがとうございました。

ZEXALのSSは別所で『遊馬「アストラルが居るせいで抜けない……」』や『璃緒「凌牙、一緒にお風呂に入るわよ」 凌牙「は?」』なども書いているので、もし何処かで見かけたらよろしくお願いします。では。

>>73
当初は小鳥っぽく憑りつくのは《フォーチュンチュン》にしようかと思ったんですけど、自分ではそれを上手く使うデュエルが考えられず、何やかんやで《クレイジー・ボックス》になりました。
デュエル構成を毎週考えている人は偉大だ。

後、《クレイジー・ボックス》より《クリスティア》相手の方が遊馬が手こずっている気がするのは多分気のせいではないでしょう。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom