野明「後藤隊長が765プロに出向?!」(222)

【特車二課 会議室 8:00】

太田「どどどどういう事ですか南雲隊長ぉ!」

野明「まさかアイドルデビューとか?」

遊馬「ばーか、そんな訳あるかよ」

進士「しかし、警部補クラスが芸能プロダクションに出向というのはどうも妙ですね」

山崎「ぼくたち、どうなっちゃうんでしょうか……」

熊耳「出向の期間は?」

南雲「静かに! 今からその説明をします!」


――――
――

南雲「――以上が本庁からの通達です。期間は今日から1か月間と聞いているわ」

進士「つまり、この前の週刊誌記事が原因の綱紀粛正の一環って訳ですか」

野明「週刊誌? あぁ、ひなたぼっこ撮られちゃったアレか」

遊馬「でも、それで隊長を芸能プロダクションに出向させるっていうのがどうも結びつかないんだよな」

熊耳「お役所意識の改善が目的であれば、製造業が最適だと思うのですが」

南雲「レイバー産業に絡んでる企業に出向なんてしたら別の疑惑を持たれるわ」

進士「癒着ですか。確かに、現場からの意見は結構重視されますからねぇ」

野明「それで芸能プロダクションかぁ」

篠原「今や製造業は多かれ少なかれレイバーに関わってるからなぁ」

進士「大手で積極的じゃないのは水瀬グループ位でしょうね」

篠原「その水瀬にしても、水瀬建機は篠原重工からOEM供給受けてるからな」

山崎「あの、後藤隊長がいない間の第二小隊長は誰なんでしょう?」

南雲「後藤警部補出向中は、私が第二小隊長を兼任します」

遊馬「げ」

野明「うへぇ」

進士「長い1ヶ月になりそうですねぇ……」

太田「なんだ貴様らその態度は! たるんどるぞ!」

南雲「そのたるんだ態度をこの1ヶ月でビシバシ鍛えなおしていきますからね」

熊耳「兼任と言っても、同時に2か所で事件が発生した場合はどうするおつもりですか?」

進士「当直任務なんて、ずっと出ずっぱりになっちゃいますよ」

南雲「熊耳巡査部長には第二小隊隊長補佐としてサポートしてもらいます」

熊耳「当直時や現場での運用指揮は私が行う、という事ですか?」

南雲「そうね。二号機バックアップとは兼任という形になるわ」

熊耳「了解しました」

南雲「説明は以上、解散!」

野明「あ、あの! 後藤隊長今日はまだ来てないみたいですけど……」

南雲「言ったでしょう。『期間は今日から1ヶ月間』って」

野明「じゃ、もう765プロに行っちゃったんだ……」

遊馬「ちっ、もっと早く知ってりゃサインの1つも頼めたのに」

南雲「そういう輩が大量に出るだろうから直前まで知らせないようにという上からの通達もあったのよ」

進士「徹底してますねぇ。今頃後藤隊長は可愛い女の子達に囲まれてる頃でしょうかね」

珍しい

【765プロ事務所 社長室 8:30】

高木「本来であればさっそくわが社のアイドル達をご紹介したい所なのですが、その前にお話したい事がありまして」

後藤「事情が事情ですからな。この度はご迷惑をおかけすることになって申し訳ありません」

高木「いやいや! 今回の件はむしろわが社にとってある意味チャンスだと思っているのですよ」

後藤「チャンスですか」

高木「はい。わが社は最近男性プロデューサーを1名採用しまして、計2名のプロデューサーでで12名のアイドルをプロデュースしております」

後藤「アイドルの数に対してプロデューサーの数が随分少ない気がしますな」

高木「はい。でも当分は今の体制で行きたいと考えております。その為のお手伝いを後藤警部補にはしていただきたい」

後藤「とは言われましても、今まで泥臭い事しかしてこなかったもので。華やかなお仕事のお役に立てるかどうか」

高木「今回のきっかけとなった雑誌、私も読ませて頂きました。屋上で日光浴をする特車二課第二小隊の方々の記事です」

後藤「お恥ずかしい話です」

高木「あの写真を見て、我が765プロと第二小隊の方々とはどうも似ている部分がありそうだと思いまして」

後藤「はぁ、似ている部分ですか。確かにアイドル顔負けの個性を持った連中ではありますが」

高木「私は、アイドル達の自主性を出来る限り優先させてあげたいと思っているんですよ」

後藤「しかし、自主性が事務所としての方針に背く場合もあるでしょう」

高木「もちろん私の理想とするアイドル像はあります。しかし、それを実現する為にアイドルをチェスの駒のように扱ったりはしたくないのです」

後藤「ほぅ」

高木「一人ひとりでは出来ない事も、お互い支え合って、団結して乗り越えていってほしい。その為に『大人』はあれこれ口出しすべきではない」

後藤「なるほど。『大人』ね」

高木「はい。アイドル達と同じ目線に立って一緒に成長していってくれるプロデューサーが、わが社には必要だったのです」

ほお…パトレイバーとは懐かしい
頑張ってくれ!

後藤「それが新しく入社したプロデューサーだと」

高木「ゆくゆくはそうなって欲しいのですが、正直に言って彼は未熟です。後藤警部補には彼のサポートをしていただきたいのです」

後藤「買いかぶりすぎではありませんか? 日光浴の記事は、私の放任主義がもたらした結果だとか言われていますし、何より私も『大人』だ」

高木「はい。ですから、『子供』達が困った時に『大人』としてのアドバイスをしてもらいたいのです」

後藤「困ってから、アドバイス、ね」

高木「はい。私からではどうしても命令になりますし、解決してしまっては彼らの為になりません」

後藤「なるほど、分かりました。税金泥棒と言われない程度には働いてみましょう」

高木「では、さっそく他のみんなにも紹介しましょう。すでに全員そろっているはずです」

また懐かしいものを・・・

【765プロ事務所 9:00】

P「これで全員集まったな」

律子「何があるんですか? 私何も聞いてないんですけど、小鳥さんは?」

小鳥「私も何も……。社長からは全員集めておいてほしいとしか」

社長「あー、全員揃ってるかね?」

律子「はい社長。それで、今日はなぜ皆を……ってそちらの方は?」

社長「紹介しよう。こちらは後藤警部補。警視庁警備部特化車両二課第二小隊の隊長を務めていらっしゃる」

後藤「どうも、後藤です」

書き溜めしてるのか
頼もしい

雪歩「お、男の人……!」

P「け、警察の方ですか……」

亜美「兄ちゃん……素直に白状した方がいいよ」

真美「今ならまだ罪は軽いよ」

伊織「あんたとも短い付き合いだったわね」

やよい「プロデューサーさん、逮捕されちゃうんですかぁ?!」

P「なんでそうなる! 俺は悪い事はしてない! ……多分」

真「なんでそこで弱気になるかな」

社長「うぉっほん! もちろん、この場の誰かを逮捕しに来たわけじゃない」

小鳥「それでは、どういったご用件でこちらに?」

社長「これから1ヶ月間、後藤警部補に我が765プロの仕事のお手伝いをして頂く事になった」

一同「えぇぇぇぇ?!」

律子「あ、あの! 何で警察の方がお手伝いに?」

後藤「それについては私から説明しましょう。そもそも事の発端は――」

投下早いねありがたい

機体

後藤「――という訳で、しばらくこちらにお世話になることになった、と。みなさん、一つよろしく」

P「はぁ、事情は大体理解できました」

やよい「うぅ、何が何やらさっぱりです……」

P「後で俺が教えてあげるから」

やよい「ありがとうございますー!」

亜美「要するに、おっちゃんの所のサボりを雑誌にすっぱ抜かれたから、うちでおべんきょーする、って事?」

律子「こら亜美! 失礼でしょうが!」

後藤「あー、平たく言えばそういう事だな」

亜美「そっかー。おっちゃんも大変だねぇ」

真美「こーきしゅくせーって奴だね」

後藤「そういう事。公僕って意外と大変なのよ」

春香「さっそく意気投合してるね」

千早「怖い人ではないのかもしれないわ」

パトレイバー好きとしては支援せざるを得ない

怖い人だけどね

美希「もしかしておじさんもプロデューサーになるの?」

社長「いや、後藤警部補にはプロデューサー2名や音無君のお手伝いをしてもらう」

貴音「なるほど、事情は理解できました。して、この方はなんとお呼びすれば?」

響「警部補、なんて付けて呼ぶとちょっと物々しい感じがするぞ」

春香「あの、特車二課では何て呼ばれてたんですか?」

後藤「『隊長』が一番多かったかな。後は『後藤さん』とか。改まった場じゃなきゃそんなもんだよ」

亜美「『隊長』だって真美!」

真美「チョーかっこいーよね亜美!」

亜美真美「よろしくお願いします隊長!」

P「お前らな……。役職で呼ぶと物々しいって話したばっかりだろうが」

後藤「ま、いいんじゃない? 事務所の外でアイドル達と一緒に行動することはない訳だし」

あずさ「あら、そうなんですか? 残念です~」

後藤「警察の人間だって知ってる人もいるから、アイドルと一緒の所見られると何かと面倒になりそうなんだわ」

貴音「警察とアイドル……三流週刊誌の良いネタとなりましょう」

P「呼び方は常識の範囲内で各自に任せよう。後藤さんは俺らをどう呼びましょう?」

後藤「部下は苗字を呼び捨てで呼んでたけど、これもそっちにまかせるよ」

律子「いいんじゃないですか、それで。社長除けば最年長な訳だし」

P「よし、そうと決まれば各自自己紹介だな。まずは――」

【翌日 765プロ事務所 7:00】

小鳥「おはようございまーす」

後藤「はいおはようさん」

小鳥「ご、後藤さん! もう来てたんですか?」

後藤「おじさんになると朝が早くてね」

小鳥「またまた……。今お茶淹れますね。それともコーヒーの方がいいですか?」

後藤「コーヒーかな。そうだ、淹れ方、教えてもらえる?」

小鳥「いいですけど、お茶とかコーヒー位私が淹れますよ?」

後藤「一応新入りだし、一番飲む事になると思うからね。自分の分位は淹れるさ」

小鳥「そうですか? では……。コーヒー豆はここに挽いたのがあるので――」

オーズの後藤と伊達さんがアイドルになる話だと思ったのに

【同 7:30】

春香「おはようございまーす!」

小鳥「春香ちゃんおはよう」

後藤「おはよう。天海は来るの早いな。今日の予定は午後からのボイストレーニングだけじゃなかったか?」

春香「あ、後藤さんおはようございます。えへへ、なるべく事務所に顔出すようにしてるんです」

後藤「ふーん。あ、コーヒー飲む?」

春香「え? あの、その、頂ます」

後藤「ほい。砂糖とミルクは適当に入れちゃって」

春香「あ、ありがとうございます。すいません、私ったら年上の人にこんなことさせちゃって……」

後藤「同僚の分のコーヒー淹れる位なら特車二課でもやってたし、気にしなくてもいいよ」

P「おはようございます。あ、後藤さん早いですね」

後藤「はい、おはようさん。コーヒーあるけど飲む?」

小鳥「今度は私が用意しますよ」

P「お願いします。……今度は?」

春香「これ、後藤さんが淹れてくれたんですよ!」

P「そ、そうだったんですか。すいません、こんな雑用みたいな事させて」

後藤「雑用って事ぁないでしょ。自分が飲む分淹れたついでだし」

P「俺、警察とかてっきり専用のお茶係とかいるものと思ってました」

後藤「金食い部署にそんな人いないって。食事も茶坊主も隊員の当番制だし」

春香「へぇ、そうだったんですね」

パトレイバー懐かしい
支援

小鳥「はい、プロデューサーさんのコーヒーです」

P「ありがとうございます」

後藤「警部補ってついてはいても、出世コースから外れた場末部署にいるからね。特別な待遇なんてないさ」

春香「でも、あのパトレイバー部隊の隊長さんなんですよね?」

小鳥「98式AVって、最新機種じゃないですか。それで場末の部署だなんて」

後藤「色々と問題児集団でもあるからね。どっちにしろ、湯水のようにお金使える環境じゃないさ」

P「なるほど……。懐具合はうちも厳しいですからね」

小鳥「でも、竜宮小町がデビューしましたし、お金的にだんだん余裕もできるんじゃないですか?」

律子「その通りです! その為にもこれから頑張らなきゃですよ」

P「うわっ! 律子いつの間に」

律子「おはようございます! 結構早く来たつもりだったんだけどなぁ」

春香「律子さん、コーヒー淹れますよ」

律子「うん、お願い」

律子「で、何の話してたんですか?」

P「うちも特車二課も懐事情は同じって話してたんだ」

後藤「少ない人数とお金で組織回さなきゃいんだ。出来ることは自分たちで協力してやらなきゃ」

春香「えへへ、うちもアイドル自らお茶淹れたりするから同じですね」

律子「プロデューサーも少ない上に事務員は小鳥さんだけですもんね。」

小鳥「大変なんですよ~。だから領収書は早めに提出して下さいね。この前みたいに一気にドバっとはなしですよ」

P「うっ」

律子「気を付けます……」

P「そういえば後藤さん、もしかしてアイドルの顔と名前覚えてしまったんですか?」

後藤「昨日自己紹介された後、アイドル紹介のビデオを見させてもらったからね」

P「それってもしかして、俺が入社直後に撮ったやつですか?」

後藤「多分そうじゃないかな」

春香「そういえばあれ、カメラマンがプロデューサーさんだって皆知らなかったんですよね」

P「あの後なぜか俺だけ執拗に責められたんだよな……」

後藤「アイドルとしてだけじゃなく、事務所での普段の一面も見ることができたから、理解も早かったよ」

P「そ、そういって頂けると俺も嬉しいです」

春香「顔だけじゃないですよね。スケジュールも覚えてくれたんですか?」

P「えっ? そうなのか?」

春香「はい。私の予定が午後からだって、ホワイトボード見ずに言ってくれたんですよ」

後藤「出向と言っても形だけのパフォーマンスだけど、やることはやらなきゃな」

律子「さすがですね。私たちも見習わないと……と、やることって、何をやってもらえばいいのかな」

P「俺たちのサポート、でしたよね。でも現場とか外に付いていくのはまずいと」

律子「営業とかは確実にNGだし、局に出入りする類の仕事もダメですね」

P「トレーニングの送り迎え……も外に出るからダメか」

小鳥「車から下りなければ大丈夫じゃないですか?」

律子「う~ん、変な記者が張り付くとも限らないけど……」

P「律子が竜宮小町専属になる分、手薄になるかもしれません。その時はサポートお願いします」

後藤「はい了解」

期待

小鳥「そうなると普段は私と一緒に事務、って感じですか?」

律子「そうなっちゃいますね。トラブルがなければアイドル達の話し相手で終わっちゃうかも……」

後藤「それで終わるに越したことはないさ。警察の為に民間企業に無理して仕事作らせる訳にもいかないんだし」

P「すいません、俺たちもアイドルたちも、出来るだけ後藤さんから色々教えてもらう機会を作るようにしますよ」

律子「現役レイバー隊長に組織や人事について教えてもらう機会なんて、そうそうありませんからね」

後藤「あんまり見習わない方がいいかもしれないよ。週刊誌に変な記事書かれちゃうかもしれない」

小鳥「その変な記事ってもしかして今週号のJ-WATCHですか?」

P「『屋根の上の油売り』って記事でしたよね」

小鳥「警察が平和な分には結構だと思うんですけどね」

後藤「ねぇ」

律子「まぁ、マスコミの目のある所で堂々と、ってのはちょっとアレですけど……」

小鳥「特車二課でニュースって、もっと大きな事やらかした時かと思ってましたから、ちょっと拍子抜けです」

後藤(この子結構詳しいな)

律子「さて、後藤さんもいるし、お互いの今日の予定を確認しておきましょうか」

P「俺の方は午前中は外で営業、13時から春香と千早のボイストレーニング、終わったら一緒にTV局に顔出してみるよ」

律子「竜宮小町の方は、午前中に雑誌取材が2件、どっちも外ですね。午後はダンススタジオで振付の確認です」

後藤「タイトだな」

小鳥「竜宮小町がデビューしてからはずっとこんな感じですよ」

P「……」

後藤(ま、気にはなるわな)

律子「その後4人で衣装の打ち合わせもやっちゃいますから、帰りは夕方過ぎると思います。小鳥さんからは?」

小鳥「昨日律子さんが帰った後、さくらTVのディレクターさんから律子さんに電話が。今日中に連絡が欲しいそうです」

律子「あー、あの件か。了解しました。時間見つけて連絡入れます」

小鳥「お願いします。それと、竜宮小町宛のファンレターがいっぱいなので、仕分けと事前チェックを手伝ってもらいたいんですが」

後藤「お手伝いしましょう」

律子「変なのが入ってないか磁石でチェックした後、封だけ切っておいてもらえますか? 中身は私が確認します」

P「一日ずっと外だろ。大変じゃないか?」

律子「私の企画ですし、変なのがないかだけざっと目を通すだけですから」

P「そうか……。後藤さんは事務所でフォローをお願いします」

後藤「了解。事務的な事は一通り聞いてあるし、ま、大丈夫でしょう」

律子「よーし、それじゃ今日も一日頑張っていきましょう!」

知恵と勇気支援

後藤さんが割と脳内再生されて楽しいw

【同 8:00】

あずさ「おはようございます~」

伊織「もぅ! 道に迷ったあずさ拾ったおかげで着いたのギリギリじゃない!」

亜美「そう言いつつ見捨てないいおりんは優しいですな」

真美「ツンデレですな」

伊織「ちょっとあんた達ねぇ!」

律子「朝から騒がないの! 時間ないんだから……。竜宮小町の3人はもうすぐ出かけるから準備するのよ」

亜美「はーい。あ、隊長だ! おはようございます隊長!」

真美「おはようございます隊長! 双海亜美、双海真美両名、ただいま到着しました!」

後藤「はいおはよう」

亜美「もー、それじゃダメダメだよ隊長!」

真美「部下にシメシが付きませんぞ!」

P「お前らな、そんな事言ってないでさっさと……」

後藤「任務を伝える。亜美隊員は準備ができ次第、秋月P指揮の元、三浦、水瀬両名と行動を共にすること」

亜美「おぉう。ハクリョクが違いますな」

真美「さすがですな」

後藤「真美隊員は亜美隊員の準備を手伝った後は別命あるまで事務所にて待機。以上!……こんなもんでいい?」

P「後藤さん、ノリがいいですね……」

亜美「了解! 亜美隊員、さっそく準備に入ります!」

真美「真美隊員、亜美隊員の準備手伝いに入ります!」

伊織「朝から何やってんのよあんた達は……」

【同 8:30】

P「じゃ、俺も外出てきます」

春香「いってらっしゃい」

小鳥「いってらっしゃ~い……と。さて、今のうちに仕分けやっちゃいますか」

後藤「そうしましょう」

真美「ねぇはるるん。この前亜美達が取材受けてた雑誌買うって言ってたよね」

春香「うん、今日来る時に買ってきたよ。一緒に見る?」

真美「見る見る!」

小鳥「ふふ、これで少しは静かになりそうですね」

後藤「妹の活躍は気になる……か」

小鳥「え?」

投下間隔大丈夫か?
さるには気をつけてくれよ

後藤「さっき真美は『竜宮小町が』じゃなくて、『亜美達が』って言ってたでしょ」

小鳥「そういえば……」

後藤「双子で、しかも妹の方が活躍してるっていうのを意識してるのかなと思って」

小鳥「そうかもしれませんね。今は一緒に遊べない、って言うのが大きいのかもしれませんけど」

後藤「問題はそこからどうなるかさ。なんで亜美だけ、となるか、それとも自分も同じ位活躍するぞ、となるか」

小鳥「あの仲良し2人なら変な関係にはならないと思いますよ」

後藤「俺もそう思う。会って間もない人間が言うのもなんだけど」

小鳥「そんなことないですよ。あの短い会話からそこまで分析できるなんて、さすがですね」

後藤「職業柄、どうしてもね」

【同 10:30】

響「はいさーい! ってうぉ! すごい量のファンレターだな!」

千早「おはようございます」

小鳥「おはよう2人とも。こっちにあるのは全部竜宮小町宛よ」

千早「流石にすごい人気ね」

響「自分たちも負けないように頑張らなきゃだぞ!」

後藤「我那覇、如月。お前たちにもファンレターが来てたぞ」

響「本当?!」

小鳥「2人の分はそっちのテーブルに置いてあるわよ。念のため、軽くチェックは入れてあるから」

千早「ありがとうございます」

響「さっそく読んでみるさー!」

見てるよ

支援

熊耳さーん!おれだー!結婚してくれー!

千早「後藤さん。春香は来てますか?」

後藤「あぁ、さっきまでソファーで真美と雑誌を読んでたな」

千早「そうですか。ありがとうございます」

小鳥「千早ちゃん、ファンレターは?」

千早「トレーニング後に読みます。今は集中したいので。それでは」

後藤「対照的だな」

小鳥「千早ちゃんの場合、色々と事情があったみたいで。私も詳しくは知らないんですけど」

後藤「となると、歌に対する強迫観念か……」

小鳥「どういう事ですか?」

後藤「アイドルとしては、我那覇の反応はごく自然なものと言える」

小鳥「確かにそうですね。まぁ響ちゃんに限った事でもないですけど」

後藤「如月のあの反応の場合、2つの可能性が考えらえる。1つは大舞台で曲を披露する予定がある場合」

小鳥「う~ん、今の所そういう予定はないですね」

後藤「そこで考えられるもう一つの可能性が、歌の上達を自分自信に過剰に強いている場合」

小鳥「千早ちゃんの場合、そっちかもしれませんね」

後藤「歌が下手なコンプレックスから来ている、というのはありえないだろう」

小鳥「歌の上手さは折り紙付きですもんね」

後藤「そこから導き出される答えはなんだろう?」

小鳥「えっ、う~ん……」

後藤「『アイドル如月千早』としてよりも、今はその答えの方が今は勝っている状態なんだろうな」

小鳥「な、なるほど。分かるような、分からないような……」

後藤「ともすれば――いや」

小鳥「え?」

後藤(ともすれば、如月にとって『アイドル』としての自分なんてどうでもいいのかも知れないな)

小鳥「ど、どうしたんですか?」

後藤「いや、これは一筋縄にはいかない問題だなと思ってね」

小鳥「そうですね。社長も焦って解決すべき事じゃない、とは言ってましたし」

後藤(とはいえ、解決の糸口もない訳でもない、か)

春香「え……っと。あはは、後藤さん、私の顔に何か付いてますか?」

後藤「あぁ、すまん。如月が来て探してたぞ」

春香「さっき会いました。音楽プレーヤーの件みたいで」

後藤「音楽プレーヤー?」

春香「はい。私電車の中とかでよく音楽聞いたりするんですけど」

後藤「ビデオにもあったな」

春香「はい。それに千早ちゃんが最近興味を持ったみたいで」

後藤「如月は持ってないのか」

春香「そうなんですよ。それで、今度一緒に操作が簡単なのを買いに行こう、って話してたんです」

後藤「ふーん……」

春香「あの、後藤さん?」

後藤「いや、最近の若い子にしては珍しいなと思って」

春香「千早ちゃん、そういうのには疎いみたいで。携帯も結構古いの使ってますし」

後藤(これは重症かもしれんなぁ……)

【翌日 765プロ事務所 社長室 10:00】

後藤「さっきインタビューに来ていた記者、吉澤さんといいましたか。彼は社長のお知り合いとか」

高木「彼とは古くからの付き合いでして。良い記事を書く記者としても有名ですよ」

後藤「そうでしたか。それで竜宮小町のインタビュー記事をお願いしたと」

高木「えぇ。記者の中では誰よりも765プロを知っています。きっと良い記事にしてくれるでしょう」

後藤「それはそうと、お話とは?」

高木「いえ、大したお話ではありません。今日で3日目ですが、いかがですか、我が765プロは」

後藤「そうですね。良い雰囲気でアイドル達が仕事を出来ていると思いますよ」

高木「ありがとうございます。何か気が付かれた点などありますか?」

後藤「気になると言えば、プロデューサーの彼について」

高木「ほぅ」

後藤「それと、如月千早の過去について」

後藤隊長相変わらず凄い人だなぁ

高木「あぁ、やはり気付かれましたか」

後藤「彼女の件については、すぐにどうこう出来る問題でもなさそうですし」

高木「おっしゃる通りです。詳しくお話できませんが……」

後藤「1ヶ月でいなくなる私が解決すべき問題でもないでしょう。解決の糸口はありそうですし」

高木「わずか2日でそこまで分かるとは、いやはやさすがと言うほかありませんな」

後藤「職業柄どうしてもね。ですが、解決するのは本人たちですから」

高木「確かに。それはそうと、最初に言ったプロデューサーの彼については?」

後藤「はい。竜宮小町と他のアイドルとで仕事量に差があることを気にしているようで」

高木「それはある程度は覚悟していました。良い刺激になってくれればいいのですが」

後藤「場合によっては空回りするかもしれませんな」

高木「そうかもしれません。でも、そこから立ち上がれるかどうかが彼の正念場です。その時は――」

後藤「立ち上がる為に後ろからそっと手は貸します。おそらくそれで十分でしょう。もしかしたら不要かもしれません」

高木「かもしれませんな。そうなるといよいよ後藤さんのここでのお仕事はなくなってしまいますかな?」

後藤「その時は事務所の隅でおとなしくお茶でもすすってますよ」

高木「その時はぜひ私や吉澤もご一緒させていただきますよ」

ダメダー!

高木「……どうやらそうはいかないようですな」

後藤「そのようで。失礼します」

【同 765プロ事務所 10:30】

P「よ~し。765プロー、ファイッ、オー!」

一同「お、おぉ~?」

後藤「何やってんの、あれ?」

小鳥「後藤さん! 今までどこに?」

後藤「ちょっと社長に呼ばれてね。で、何かあったの、あれ」

小鳥「それが、プロデューサーさんがいきなり『駄目だ―!』って叫んで」

後藤「社長室にまで聞こえたよ」

小鳥「でしょうね……。それで、竜宮小町に負けないよう頑張ろう、って皆に発破かけてるみたいです」

後藤「頑張るったって、頑張る仕事がないでしょうに」

小鳥「あはは、貴音ちゃんや真美ちゃんにも似たようなこと言われてましたよ」

後藤「肩の力は抜かんとなぁ」

P「後藤さん! 社長室にいたんですか? どんな話を?」

後藤「ま、ここに慣れたか? って話とかね。それより、気合入ってるね」

P「そりゃもう! 竜宮小町に差をつけられちゃいましたからね。俺が仕事どんどん取ってこないと」

後藤「それでさっそく外回りか」

P「はい。今は仕事を選んでいられません。アイドル達を遊ばせる訳にはいきませんから」

後藤(あちゃあ)

P「じゃ、後藤さん、後は頼みます」

春香「プロデューサーさん!」

P「どうした、春香」

春香「あの、これ。甘い物は脳をリフレッシュさせるんですよ」

P「あぁ、後で食べるよ。っとうわぁっと、どうした美希」

美希「ねぇプロデューサー。どうして美希は――」

小鳥「後藤さん。すいません、ちょっと手伝ってもらっていいですか?」

後藤「はいはい、今行きます」

ここまでよく働いてる隊長とは珍しい

【翌日 765プロ事務所 10:20】

小鳥「はい、はい……明日の午前9時……場所は……はい、貴音ちゃんですね。分かりました。伝えおきます」

後藤「また仕事決まったのか」

小鳥「はい、プロデューサーさんからでした。雑誌の仕事で、ドレスを着ての撮影とか」

後藤「ドレスなら高貴なイメージのある四条という訳か」

小鳥「そう言ってましたね。とは言っても内容は良く聞かされませんでしたけどね」

後藤「萩原、高槻に続いて3件目か」

小鳥「はい。やよいちゃんのエキストラは午後からだから、プロデューサーさんが戻り次第現場入りですね」

後藤「昨日からなんだかドタバタしてきたな」

小鳥「はい。っと、いけない。貴音ちゃんにお仕事決まったって伝えてきますね」

後藤「雑誌で、ドレスで、四条、か……」

美希「いいなぁ。美希ももっとお仕事したいな」

後藤「珍しいな星井。発破が効いたか」

美希「葉っぱ? よくわからないの。でも、今の美希はも~っとお仕事したい気分なんだ」

後藤「今後の仕事もいいが、今日の午後からCM撮影だろう。ダンスの振付は大丈夫か?」

美希「大丈夫! 美希、そんなの1発で覚えちゃったよ」

後藤「早く覚えて少しでも寝たい、か?」

美希「昨日までの美希ならそうだったの。でも今は違うの」

後藤(何か言われたなこりゃ)

【翌日 765プロ事務所 13:00】

小鳥「う~ん……そうねぇ、確かにちょっと……」

貴音「はい。こういった内容でしたら、わたくしよりもやよいの方が適任だったかと」

後藤「物によっちゃいいんじゃないか、ってのもあるがな」

貴音「そういえば、今日はやよいの姿が見えませんが」

小鳥「それが、昨日特撮物のエキストラの仕事があったんだけど……」

後藤「高い所から飛び降りるシーンで泣き出しちゃったらしいんだわ」

貴音「なんと……」

小鳥「やよいちゃん高所恐怖症だから。ショックで寝込んじゃったの」

千早「その仕事だったら、真か我那覇さんの方が向いているのでは?」

後藤「ま、普通に考えりゃそうなるな」

小鳥「実は、雪歩ちゃんの方もね、今日イベント会場から電話があって……」

後藤「衣装を着たはいいが、恥ずかしさのあまり直径1.5m超、深さ2m超の穴をスコップで掘削。篭城の構えに入ったらしい」

小鳥「電話で後藤さんが何とか雪歩ちゃんを説得してくれたから何とかなったんだけどね」

千早「最近のプロデューサー、何か焦っているというか、空回りをしてしまっているような印象です」

貴音「わたくしも同意見です。ですが、プロデューサーもわたくし達を思って行動して下さっているのですから」

千早「ええ……」

小鳥「あら、電話。はい、765プロです」

後藤「プロデューサーの焦りを感じ始めたのはいつ頃からだ?」

千早「そうですね、後藤さんが765プロに来たあたりからなんとなくは。明らかに変だと思ったのはここ2,3日ですね」

貴音「わたくしは一昨日、予定表の前で頑張るよう激励されてから、でしょうか」

後藤「なるほどな」

貴音「わたくしたちも仕事を選びたいという訳ではありません。しかし、適材適所という言葉もあります」

千早「プロデューサーもそこは分かってくれていると思うのですが」

後藤「そうだな。冷静な判断が出来れば、こんなミスキャストはしないさ。如月の言った通り、空回りしているな」

貴音「では、どうすれば?」

後藤「まずは空回りしているって事に気づいてもらわにゃならん」

千早「確かに、今のプロデューサーには周りが見えていない印象を受けます」

後藤「気が付いていったんギアを止めてもらわんと、ギアをはめ直す事は出来ないからな」

貴音「では、後藤殿が元のギアにはめ直すすと?」

後藤「はめ直すのは本人さ。元のギアにはまるか、あるいは――」

小鳥「あぁあ! たっ大変よ!」

後藤「どうした?」

小鳥「イベント制作会社からの電話で、『おたくのアイドルがまだ来てないんだけどどうなってるんだ』って」

後藤「そっちは菊池と我那覇が行くことになっていたはずだな」

小鳥「それが、春香ちゃんの方の現場で、急に1名増員のお話が来て」

後藤「まさかそっちに行ったのか?」

小鳥「プロデューサーさんが、空いてるアイドルに声かけて直接現場行きますって。だからホワイトボードに誰が行くって書いてなんです」

後藤「分かった。音無は至急プロデューサーに連絡、事実関係を確認しろ」

小鳥「分かりました」

後藤「如月、四条。イベント内容が分かる資料はあるか?」

貴音「おそらくこれです。どうやらダンスがメインのようですが」

後藤「向こうで菊池に振付を教えてもらうしかないな」

貴音「それ以外の内容はここにいる誰でも対応可能かと思いますが、ダンスとなると……」

後藤「如月は星井に連絡を取ってくれ。すぐ動けるアイドルはここにいる2名と星井だけだ」

千早「分かりました。もしもし、美希、今どこに? そう、分かったわ。後藤さん、美希は今事務所の下まで来たみたいです」

後藤「そうか」

小鳥「後藤さん、響ちゃんは春香ちゃんの現場にいるみたいです。代わりに誰かを向かわせてほしいと」

千早「代わり、と言っても……」

貴音「流石に今から振付を1から覚えるというのは……」

美希「おっはよー……でもないの。あれ、みんなどうしたの?」

小鳥「それが、今から真ちゃんの現場に1人行ってもらわないといけないの」

後藤「これがイベントの内容だ」

美希「……これ、美希が行ってもいい?」

小鳥「美希ちゃんが?」

貴音「美希、大丈夫なのですか?」

後藤「現場到着後、菊地から振付を教えてもらえ。1回で覚えないと間に合わないが、出来るな?」

美希「大丈夫、任せてなの!」

後藤「よし、ではすぐに出発しろ。音無、電話はまだ繋がってるか?」

小鳥「はい。代わりますか?」

後藤「頼む。もしもし、後藤だ。そっちの状況はどうだ?」

P『はい、こちらは後は本番だけです。内容的にも問題なく終わると思います』

後藤「そうか。ではそっちは天海と我那覇に任せてすぐに菊地の方に向かえ」

P『えっ? あぁ、でも……』

後藤「アイドル遅刻のお詫びを菊地にだけさせるつもりか?」

P『あっ……!』

後藤「俺は行きたくても現場には顔は出せん。秋月も抜けるのは無理だろう。そうなるといけるのはお前だけだ」

P『そ、そう……ですね……』

【同 HOLIDAY FESTIVAL会場裏 13:30】

P「あの、二人とも」

春香「 プロデューサーさん、あっちの現場に行った方がいいんじゃないですか?」

P「あぁ……実はさっき後藤さんに言われたよ。ここは二人に任せろ、って。でも……」

春香「プロデューサーさん、一人で頑張りすぎですよ。私たちだっているんですから」

響「そうそう。後藤さんは自分たちを信じてくれたんだぞ? プロデューサーも自分たちを信じて任せてほしいぞ!」

P「そうか……そうだな」

春香「そうと決まれば」

響「ほら、急いで急いで!」

P「すまん! 頼む!」

【同 765プロ事務所 18:00】

小鳥「そうですか! はい、はい……はい、お疲れ様でした!」

後藤「その分だと星井は上手くやってくれたみたいだな」

小鳥「えぇ! 怒られるどころか、また次も頼みたい、って言ってもらえたみたいですよ!」

後藤「そりゃ、随分と好感度上げたもんだな」

小鳥「それは後藤さんもですよ」

後藤「俺が? どうして?」

小鳥「千早ちゃんと貴音ちゃん、驚いてましたよ。後藤さんがキビキビ指示を出してるの見て」

後藤「普段の俺、そんなにだらしない?」

小鳥「いや、そういう事ではなく……。でも、さすが隊長! って感じでした」

後藤「現場じゃ往々にして予想外は起きるものさ。これ位出来なきゃ勤まらんさ」

小鳥「事件発生の予定なんて建てられませんからね」

後藤「そういうこと。そうだ、プロデューサーの彼は直帰かな?」

小鳥「いえ、いったん帰ってくるって言ってましたよ。ここからは現場近いし、もうすぐ来るんじゃないですか?」

後藤「そうか。今日は竜宮小町の方は直帰だったな」

小鳥「はい。私ももうちょっとで終わりますし、プロデューサーさんも荷物置いて予定の確認位じゃないかと」

後藤「そうか。帰ってきたらちょっとお話しなきゃな」

小鳥「社長室が空いてますよ。社長、帰っちゃいましたし」

後藤「んじゃさ、お話、30分もかからないと思うから、終わったら3人で泡のでるジュースなんてどう」

小鳥「ふふふふ、いいですねぇ。私近くにいいお店知ってるんですよ。場所だけ取っときますね」

後藤「お願いね」

小鳥「えーと、確かクーポンは期限切れてなかったような……」

【同 765プロ事務所 社長室 18:20】

後藤「悪いな。疲れてるところ」

P「いえ、今日はありがとうございました」

後藤「お礼はアイドル達へだけで十分だよ」

P「でも、後藤さんがいなかったらと思うと」

後藤「案外、何とかなってたんじゃないか?」

P「そんな!」

後藤「俺が菊地の現場に迎えって言わなくても、天海あたりが同じこと言い出したかもしれない」

P「うっ」

後藤「俺がいなくても、星井は進んで代役に立候補しただろうな」

P「そうなんですか?」

後藤「あぁ。彼女達は、お前が思ってるほど子供じゃない。ここ最近のお前の空回り、如月や四条には筒抜けだぞ」

P「貴音、はともかく、千早にまで……」

後藤「それでもみんな、お前の力になろうと頑張ってくれている。そのお前が彼女たちを信じてやれなくてどうする」

P[そうですよね……俺、プロデューサーなのに……」

後藤「警察ってのは風邪薬みたいなもんでな」

P「え?」

後藤「症状が出てから、症状に合わせて解熱剤や咳止めを投与されるだが」

P「はぁ」

後藤「そんときゃもう風邪はひいちゃってる訳よ。ここでそれまでの生活を悔いてもしょうがない」

P「そうですね」

後藤「熱が出たら解熱剤、咳には咳止めを投与するように、各警察官は症状に合わせて投入される」

P「それってつまり……」

後藤「警察の仕事は本質的にはいつも手遅れなんだ」

P「手遅れ、か」

後藤「じゃあアイドルはどうだろう?」

P「えーと、症状に合わせて投入する、って言うのはアイドルにも重要な事です。……その、そうするべきでした」

後藤「別にお説教したい訳じゃない。確かにその通りだ。だが、1つ大きく異なる点がある」

P「異なる点、ですか。えー……っと」

後藤「どんな病気にかかりそうか、どんな病気にかかりたいか、事前に分かるって事だ」

P「あっ!」

後藤「今手持ちの薬に咳止めがないなら、咳の出る病気にはかからないという選択が出来る訳だ」

P「それを選択するのが俺や律子の仕事、という訳ですね」

後藤「そうだ。もちろん、咳が流行っているのに咳止めがありません、はいつまでも通用しないがな」

P「そうですね。でも、咳止めの仕事を無理やり解熱剤にさせることはできません」

後藤「中には総合感冒薬なんてものもある。どんな症状もこなすが、必ずしもベストな処方にはならんだろう」

しえん
本来の部下が居ないとここまで動くもんか……さすが切れ者

P「手持ちにどんな薬があるのか、よく把握しないと務まらないですよね」

後藤「そういう事だ。そして、それは薬自信も教えてくれる」

P「俺、仕事どんどん取って来ようと思って、アイドル達と話する機会作ってなかったかもしれません」

後藤「そこまで気が付いたならもういう事はない。さ、難しいお話はこれ位にしよう。今日はもう終わりか?」

P「はい。残ってやっても効率落ちそうですし」

後藤「んじゃさ、音無と3人で泡の出るジュースでも飲みに行こうや」

P「泡の出るジュース、ですか」

みんなで幸せになろうよの人だっけ

【翌日 765プロ事務所 7:30】

律子「それでこのザマですか」

小鳥「頭痛い……」

P「うぅ……春香、水くれ……」

春香「はい、今持ってきます」

後藤「だから1軒目でやめときなさいって言ったのに」

律子「プロデューサーさんは最近ちょっと煮詰まってたみたいだし大目に見るとして、小鳥さん!」

小鳥「うぅ……律子さんもうちょっと声小さく……頭に響く……」

春香「プロデューサーさん、はいお水。小鳥さんも」

P「すまん、春香」

小鳥「ありがとう……いたた……」

律子「もぅ! それでちゃんと仕事になるんですか?」

この反応の薄さ VIP終わってた

後藤「ま、フォローは俺の方でしよう。竜宮小町以外は、今日はレッスンだけだったな」

春香「そうですね。午前中は私と千早ちゃんのボーカルレッスンで、午後は雪歩、真美、真がダンスレッスンです」

律子「そっちはプロデューサー抜きでも何とかなりそうね。あ、だからってサボって寝てるだけじゃだめですよ」

P「わ、分かってる……こまごました事務仕事が溜まってたからそれを片付けて……午後……いけたら営業……うぷっ」

律子「営業先でリバースするつもりですか? おとなしく一日ここに居てください。いいですね?」

P「はい……」

律子「まったく……。竜宮小町は、午前中ダンススタジオで、お昼前に雑誌取材が1本、午後はレコーディングスタジオですね」

後藤「大変だろうが、しっかりな」

律子「えぇ、任せて下さい。っと、そろそろ出ないと」

すまんずっと黙って読んでたわ。今年は確か25周年だよな

春香「みんなとはスタジオで合流ですか?」

律子「えぇ。あずささんは行くときに私が拾っていくことにしてるけど」

後藤「一番スタジオに近い所に住んでるんだがなぁ」

春香「あはは……コンビニにお使いに出て都内脱出した前科もありますからね……」

律子「今度GPSどこかに仕込んでおこうかしら……おっといけない、すいません、後はお願いします」

春香「はーい。行ってらっしゃーい」

P「うー……」

小鳥「ぁー……」

後藤「駄目だわこりゃ」

これか
ttp://i.imgur.com/6hR8i.jpg

誰か昨日のアイマスカルーアのスレタイを教えてくれ…

【同 765プロ事務所 社長室 10:00】

高木「そうでしたか」

後藤「後は本人次第ですが、ま、大丈夫でしょう。今現在は、まぁ、朝よりはだいぶマシにはなっとります」

高木「たまには疲れと一緒にたまっているものを吐き出すのもいいでしょう」

後藤「胃の中身だけはトイレの便器に吐き出してもらいたいものですな」

高木「はっはっは、確かに。しかし、今度こそ後藤さんにはゆっくりして頂けそうですな」

後藤「はい。とは言っても、帰って報告書を書ける程度の事はします」

高木「特車二課の方のお仕事は大丈夫ですか? 私ごときが心配することでもないかもしれませんが」

後藤「向こうには私より優秀な同僚と部下がおりますから。大きな事件も今の所ひと段落していますし」

高木「『黒いレイバー』でしたな。私もTVで見ていましたが、なんとも不可解な事件のようで」

後藤「スッキリはしませんが、それだけにかまっているわけにはいきません。当面はモグラたたきでしょうな」

高木「私もTV局や記者にわずかですが伝手はあります。何か情報があればお伝えしましょう」

後藤「よろしくお願いします」

これは良SS

他の職場でバリバリやってたとはいえ入ってすぐの人にここまで仕事されるとちょっと凹むよなぁ

後藤P…

企画7課も絡むのか・・

【4週間後 765プロ事務所 10:00】

律子「ただいま戻りました」

小鳥「おかえりなさい」

亜美「隊長、ジュース買って置いてくれた?」

後藤「冷蔵庫に入ってるよ。水瀬と三浦の分もな」

亜美「やたっ! ……あ」

後藤「真美か?一緒に飲むって向こうで待ってるぞ。行ってやれ」

亜美「りょーかいっ!」

伊織「この前みたいにバヤリースじゃないでしょうね?」

後藤「どうして? おいしいじゃないバヤリース」

伊織「そういう問題じゃないでしょ! 私は果汁100%が好きなの!」

あずさ「まぁまぁ伊織ちゃん。すいません後藤さん、頂ますね」

後藤「はいはい。水瀬の分はちゃんと果汁100%の買ってあるよ」

伊織「ふん、最初からそう言えばいいのよ!」

律子「こら亜美、伊織! ちゃんとお礼言いなさい! まったく……」

見てます
面白いです

小鳥「ふふっ、後藤さん、隊長さんなのにすっかり使いっぱしりですね」

後藤「本業でも特車二課は良いように使われてるからなぁ」

律子「そういえばこの前ニュースで見たんですけど、逃げた牛捕まえてましたよね」

後藤「手先が器用なだけに、そんなお仕事も回ってくる訳さ」

小鳥「第一小隊の96式改はそういう細かい作業は難しいですもんね」

律子「ブロッケンとか黒いレイバーのニュース考えると、スペック的にそろそろ厳しいのかもしれませんね」

小鳥「時期主力機って話もあったAVS-98は黒いレイバーにやられちゃって導入見送りでしたっけ」

律子「あれは元々コスト重視でしたし、当然っちゃ当然じゃないですか。それより、AVS-98Mk-IIなんて噂が……」

後藤「えーと、君たち。なんでまたそんなに詳し――」

P「ただいま戻りました! お、律子達も戻ってたのか」

アイマス全く分からないけど読んでるぞ
後藤隊長みたいなキャラってもういないのかな

小鳥「あ、お帰りなさい」

律子「お帰りなさい。今日は午後の合同トレーニングまでは予定なしですね」

後藤「感謝祭ライブ前最後の合同トレーニングか」

P「はい。一時は美希の件でどうなるかと思いましたけど、何とかここまで来ました」

律子「不用意な返答するからですよ」

P「深く反省してます」

後藤(感謝祭ライブの立ち合いがここでの最後の仕事になる、か)

>>88
ナルトのカカシ先生とかそんな路線目指してたけど失敗したな

律子と小鳥が…

漫画版準拠か

【感謝祭ライブ会場 関係者控室 11:00】

高木「まさにライブ日和、ですな。台風が近づいていると聞きましたが、晴れてよかった」

後藤「紆余曲折はありましたが、若い連中は頑張ってくれましたよ」

高木「ええ。そういえば、後藤さんは今日まででしたか」

後藤「はい。表立って手伝う訳にもいきませんし、『ゆっくりライブ見てください』なんて言われてしまいました」

高木「はっはっは、では、一緒に客席で若い連中の活躍を見る事にしましょう」

後藤「若い連中といえば、竜宮小町は収録先から直接こちらに来る事になっていましたな」

高木「はい。彼女たちは今日一日大変でしょう……後藤さん、どうされました?」

後藤「いえ、始まるまで暇つぶしに都内の道路地図なんて見ておこうかと思いましてね」

高木「はぁ、地図ですか?」

後藤「ええ。雨は……いやだな」

高木「雨は客足が減りますからな。しかし、今日はその心配もないでしょう! おっと、私はアイドル諸君を見てきます」

後藤「だといいけどね」

さすがカミソリ後藤

【感謝祭ライブ会場 関係者控室 18:10】


P「――竜宮小町が来るまでのセットリストも、先ほど完成しました」

後藤(案の定天候不良で遅刻か。とはいえ、向こうの仕事も外せなかったからな)

高木「うん、事情は分かった」

P「はい、俺たちで何とかしてみせます」

高木「うん、君たちを信じよう。まぁ、いざとなったら私の『手品』で」

P「あ、あははは……。ではそろそろ行きます。後藤さん、竜宮小町が来たらこのセットリスト渡してもらえますか」

後藤「はいはい」

高木「頼んだぞ」

後藤「さて、社長。秋月の携帯電話の番号、分かります?」

高木「ええ、私の携帯に番号が入っておりますが」

後藤「お借りしてもいいですか? ちょっと『手品』に使いたいと思いまして」

高木「……後藤さんには最後の最後までお手伝い頂いて本当に申し訳ありません」

後藤「いや、大したことをするつもりはありません。では、ちょっとお借りします」

【感謝祭ライブ会場 関係者控室 18:20】

後藤「もしもし、秋月……三浦か。今どこを走ってる?」

後藤「うん……そうか。それじゃ秋月に、次のインターで降りるよう伝えてくれ」

後藤「そうだ。……そのまま行くと確実に渋滞に捕まる。そうなればライブが終わるまで車は動かん」

後藤「降りたら国道に出るから……そうだ。そこを右折して、後はしばらく道なりに……」

>>74
読む方に集中しててつい

【レンタカー車内 18:40】

あずさ「――はい、見えてきました。ここを左折、ですね」

律子「了解。ここまでくればもう十分ね」

亜美「やったー、よくやった律っちゃん! 褒めてつかわす」

律子「偉そうにしないの。でも、何とか後半からは参加できそうね」

あずさ「はい、はい、ありがとうございました~。ふぅ、あらあら、私は褒めてくれないの?」

亜美「よしよし、あずさお姉ちゃんもよくがんばりました」

伊織「二人とも、馬鹿やってないで打ち合わせするわよ!」

あずさ「打ち合わせ?」

伊織「皆がせっかく頑張って盛り上げてくれてるのに、私たちがヘマしたら台無しでしょ?!」

亜美「そっか、ぶっつけ本番だもんね」

あずさ「えーと、最初はSMOKY THRILLだったかしら」

亜美「ねー律っちゃん、セットリスト持ってたっ……あー、律っちゃんなんかニヤニヤしてる!」

伊織「ちょっと! 打ち合わせの時位真面目にやんなさいよね! あんたプロデューサーでしょ?!」

律子「ち、違っ、こら亜美、運転の邪魔しない! いいから、3人で進めてなさい! 変なとこあったら突っ込むから!」

【感謝祭ライブ会場 裏口】

高木「では、本当にこのままお帰りに?」

後藤「えぇ。タダで良いライブも見させてもらいましたし、彼女たちもゆっくり休ませてやりたいですから」

高木「そうですか……。では、後藤さん。最後の最後までありがとうございました。おかげで竜宮小町もライブに間に合いました」

後藤「私は何も。思ったよりも高速が空いていたようで、よかったですな」

高木「はっはっは、ではそういう事にしておきましょう。プロデューサー諸君もアイドル諸君も、おかげで成長することが出来ました」

後藤「よしてください。怒られるのは慣れているんですが、褒められるのはどうも苦手で」

高木「あっはっは、これは失礼。後ほどライブの映像を収めたディスクをお送りしますよ。時間があるときに皆さんでご覧ください」

後藤「ありがとうございます。若い連中が喜びます。それでは、これで。1ヶ月お世話になりました」

高木「ありがとうございました。お体を大切に。ご活躍をお祈りしております」

後藤さんは本気出したら天下取れそう

そんな面倒部下にやらせそうだけどな

【特車二課 隊長室】

南雲「それで、そのまま帰ってきちゃったわけ?」

後藤「最後にちゃんと社長にあいさつもしたし、問題はないんじゃない?」

南雲「彼女たち、寂しがったんじゃないの?」

後藤「さてね。忙しくてそれどころじゃないでしょう」

南雲「それで、それは?」

後藤「765プロから送られてきた、ライブのディスクとメッセージが入ったディスク、らしい」

南雲「恨み言が詰まってるかもしれないわ」

後藤「その時は課長に頭下げてもらおう。今からメッセージディスク確認するけど、一緒に見る?」

南雲「そうね。せっかくだし」

パトレイバーって今リメイクしたら
絶対受けると思うんだけどなあ

【765プロ事務所】

高木「よし。では手を下げたら録画開始するぞ。はいっ」

P「えー、後藤さん、お久ぶりです。私たち765プロってうわぁ!」

伊織「ちょっと! この伊織ちゃんに何も言わずにいなくなるってどういう事?!」

亜美「そーだよ隊長! チョーさみしかったんだかんね!」

真美「いおりんなんて、マジ泣きしちゃったんだかんね!」

伊織「してないわよ! まぁ、その、ちょっとくらいは……」

律子「こらあんた達! もぅ。すいません社長、もう一回……」

P「いいじゃないか、765プロらしくて。さ、他のみんなも」

春香「後藤さん、短い間でしたけど、お世話になりました」

千早「おかげでライブも成功させることが出来ました」

雪歩「あ、ありがとうございましたぁ」

相変わらずパトレイバースレは人が少ない

>>103
バブルの延長線上にある世界観だからなぁ
そのままでいくならそれはそれでいいけど
ストーリーとか大幅に変更しないと厳しいんじゃない?

後藤さん上司に欲しいわ

後藤隊長って子供いないからこういうのに弱そう

伊織「ふん、ま、道案内した事に免じて、黙って帰ったことは許してあげるわ」

亜美「んっふっふ~。スナオじゃありませんな」

真美「オトメゴコロはフクザツですな」

伊織「こら! 茶化すんじゃないわよ!」

あずさ「今度またゆっくり、泡の出るジュースでも。うふふ」

P「その際は限度をわきまえます」

小鳥「二度と醜態は見せません。……多分」

律子「まったく……。あ、えと、いろいろとサポートしてもらって助かりました。ありがとうございました」

今回の企画の読み切りがパトレイバーの方だったらな、とか思うがあ~るも好きなんだよな

リメイクとか勘弁してほしいな
ま、されても自分は見ないよ

>>111
まぁ劇場版ですら一作目以外は酷いもんだったからな

やよい「うっうー! 今度はぜひうちのもやし祭に来てほしいです!」

響「仕事じゃなく遊びで来てほしいぞ!」

真「そうだね! ぜひ来てください、待ってますよ!」

美希「キリっとして指示出してる後藤さん、美希、とってもかっこいいって思ったな」

貴音「またいつか、お会いすることもありましょう。それまで、どうかお元気で……」

小鳥「いつでも来てくださいね。それはそうとAVS-98Mk-IIってあ! 私まだ途中」

P「風邪薬の話、忘れずに頑張ります! それじゃ、せーの!」

一同「ありがとうございました!」

亜美「絶対来てよ隊長!」

真美「来なけりゃこっちから行くよ隊長!」

律子「もー、最後びしっと決まったと思ったのに……」

美希「ビデオ、まだ回ってるの?」

亜美「えーいしょうがない、ここはあずさお姉ちゃんにひと肌脱いでもらうしか」

あずさ「あらあら、こうかしら?」

P「ちょっ! 何本気で脱い――」

【特車二課 隊長室】

南雲「――ずいぶん好かれたみたいね」

後藤「ライブ翌日に撮ったのかな。忙しいだろうに、あいつらは……」

南雲「事務員の女性がすごい気になる単語を口にしてた気がするけど……あら、後藤さん?」

後藤「ちょっと煙草吸ってきます」

南雲「照れる位ならひとりで見ればいいのに」

そういえばあ~るが復活してたっけか
読みたいけどもう遅いか

>>112
だよね…。そういえば劇場版2までしか見てないや

サルったか?

【特車二課 隊長室前廊下】

後藤「1ヶ月もあの環境に慣れるとここが静かに感じ――」

太田「なんだとぉ?! もう一回言ってみろ篠原ぁ!」

遊馬「おう何回でも言ってやらぁ! 偉そうな事言うなら1回位イングラム壊さずに帰ってこい言ったの!」

太田「何おぅ?! 貴様なんだその偉そうな口の利き方は!」

遊馬「偉そうなのはどっちだよ! 階級一緒のくせに!」

野明「まぁまぁ二人とも……。昨日の出動は太田さんも電磁警棒がまがっただけで済んだじゃない」

遊馬「事故車両の撤去でなんで電磁警棒曲げるんだよ」

進士「左指のジョイントも1本馬鹿になってたみたいですよ」

太田「馬鹿とは何だ馬鹿とは!」

後藤「――でもないか。おーい、元気なのはいいが、そろそろミーティング始めるぞ。はいはい、行った行った」

遊馬「了解! 野明、行くぞ」

後藤(賑やかさに関してはこっちも負けてない、か)                            
                                                      終わり
                                                        


                                                  

おう…


小鳥と律子はどっから…

お疲れ様でーす

面白かった
アニメ版パトレイバー見終わったところだったからタイムリーだったわ

おつー

乙、面白かったよ

乙 おもしろかったー

おつおつ
次はアイドルが特車2課へ行くおはなしだな

あー、一日警察署長みたいな?

>>125
そっちまで書き上げてからと思ったんだけどね

これは続編に期待

乙!
後藤さんは名キャラだな

つ 次は内海課長もちらっと出してくれると嬉しいです

おもしろかった



これは面白い
劇場版みたいにシリアスかと思って心配したが
杞憂だった

【特車二課 宿直室】

野明「あ、また765プロの子たち出てる」

山崎「竜宮小町以外もすっかり売れっ子アイドルになっちゃいましたね」

遊馬「隊長は生で見てるんだよな。あー羨ましい」

野明「私も生で見たいなぁ」

後藤「そうか、生で見たいか」

遊馬「うわっ! た、隊長! びっくりさせないでくださいよ!」

後藤「で、生で見たいんでしょ?」

野明「そりゃ、売れっ子アイドルですから。1回位は会って見たいですよ」

後藤「そうか。じゃ明日来るから。事務所とかハンガーとかきれいにしときなさいね」

遊馬「了解……はい?」

後藤「だから。明日、765プロのアイドルが来るから掃除しなさいっていったの」

遊馬「あああああっあっあっ……!」

野明「ほほほほほっほっほっ!」

後藤「あのさ。トドやアシカじゃないんだから」

おおう始まった、支援

乙と言おうとしたら再開してた

律子と小鳥の伏線回収かね

ひろみちゃんの台詞で涙が(´;ω;`)ウッ

【翌日 特車二課 事務所】

後藤「――という訳で、今日一日765プロの皆さんが第二小隊に体験入隊することになった」

太田「そ、それで誰が来るのでありますか?!」

野明「あの、真君は来ますか?!」

遊馬「あずささんは?! あずささんは来るんですか?!」

後藤「はいはい静かに。765プロ所属アイドルは全員来ることになっている」

野明「全員……」

後藤「あ、それにプロデューサー2名と事務員が1名だな」

熊耳「大所帯ですね。警備は大丈夫でしょうか。いくらこことはいえ、ファンやマスコミが押し寄せると……」

後藤「あぁ。一応お忍びで来るらしいし、念のための警備は第一小隊にお願いしてある」

進士「第一小隊はとんだ貧乏くじですねぇ」

後藤「もっとも、これは上のえら~い人同士で決まった事だから、恨むならそっちを恨んでもらう」

アニメでもアイドル来てたね

続きあるのか
期待

野明「しつもーん! 体験入隊って、どんなことしてもらうんですか?」

後藤「お前たちには普段通りの事をしてもらう」

遊馬「一日体験っていうと、もっとイベントとか制服着てパトロールとか」

後藤「カメラは入らないからな。そんな派手なことはせんだろう」

熊耳「とは言っても、ずっと事務所で書き仕事という訳にも……」

後藤「そうだな。午前中はイングラムを使っての訓練の見学、午後は、まぁ適当に中を案内しとけばいいだろう」

遊馬「そんな適当な……」

野明「全員来るんですよね。誰が案内とかするんですか?」

後藤「そうだな。ここにいる1人につき2人、アイドルを受け持ってもらう」

山崎「なんだか緊張してきましたね……」

>>127
おっ!?

って始まってた

キテル━(゚∀゚)━!

しえ

【第二小隊前正門】

P「よし、着いたぞ」

響「まわり、何もないんだ……」

春香「お店とかも何にもないね」

貴音「上海亭なるお店がありましたが……」

伊織「なんでこのスーパーアイドルの伊織ちゃんが警察の護送に乗らなきゃいけないのよ!」

亜美「んっふっふ、これから取り調べだよ真美」

真美「んっふっふ、モクヒしてかつ丼めっちゃお代わりしようね亜美」

真「悪い事してここに来た訳じゃないんだから……」

雪歩「やっぱり男の人ばっかりなのかなぁ……」

あずさ「美希ちゃん、着いたわよ」

美希「ん~、もう少し寝てるの……」

やよい「うっう~! 楽しみですぅ!」

律子「はいみんな、おしゃべりしてないで降りて!」

被疑者のカツ丼は自腹なんだよ…亜美、真美…

お姫ちんが上海亭に反応しとるw

太田さんが誰を受け持つことになるのか気になるぜ

支援画像
http://i.imgur.com/HKC96.jpg

>>147
あれはガチで「カツ丼を食べる権利をやろう」だからなぁ…

【特車二課 整備ハンガー】

後藤「や。みんなお元気そうで何より」

亜美「や。じゃないよ隊長! 亜美めっちゃ会いたかったんだよ!」

真美「そうだよ隊長! 真美だってすっごく会いたかったんだよ!」

P「こ、こら! お前ら俺が挨拶してからだろ!」

春香「お久しぶりです、後藤さん」

千早「お元気そうで何よりです」

律子「今日は1日、よろしくお願いします」

後藤「はい、よろしく。それじゃこっちから自己紹介を……どうした?」

野明「後藤隊長が……アイドルに好かれてる……」

遊馬「こんな……こんなことって……」

太田「えぇいうっとおしい! シャキッとせんかお前ら!」

熊耳「太田君の言う通りよ二人とも」

後藤「自己紹介、お願いね」

野明「は、はい。えーとじゃ私から――」

しえん

熊耳「自己紹介は以上ですね?」

P「あとはアイドル以外を」

律子「私は竜宮小町のプロデュースを担当しています、秋月律子です」

P「私はそれ以外を担当してるプロデューサーです」

小鳥「主に事務を担当しています音無小鳥です。よろしくお願いします」

吉澤「私は今回の体験入隊の取材をさせていただきます、記者の吉澤です。よろしくお願いします」

熊耳「どうぞよろしく。吉澤さん、ご存じかと思いますが――」

吉澤「はい、あくまでもアイドル主体の取材です。レイバーやその他機密になりそうな点には触れません」

P「一応、765プロと第二小隊の方とで記事の事前チェックはできますので」

熊耳「了解しました」

後藤「担当を発表する。泉巡査。担当アイドルは天海春香、菊地真」

真「うわぁ、あのパトレイバーのパイロットの方ですよね!」

春香「よろしくお願いします!」

野明「こちらこそよろしく。あ、あはは」

後藤「篠原巡査。水瀬伊織、秋月律子」

律子「えぇ?! 私も?」

後藤「なんで? 衣装来て舞台立ってたじゃない」

律子「あ、あれは、その……と、とにかくよろしくお願いします」

伊織「よ、よろしくおねがいしま~す」

篠原「はい、よろしく。……ちぇ、あずささんじゃないのか」

伊織「聞こえたわよ」

篠原「っ! アイドルを生で見れて嬉しいなぁ! って言ったの!」

伊織「にひひ、当然よ」

篠原(か、かわいくない奴)

遊馬安定しねぇな

遊馬と伊織か、期待(実家コンプレックス的な意味で)

遊馬は実家というか父親個人に対するアレだったような

そういう意味じゃ伊織も財閥に対してよりも父親や兄貴達に対する反骨心っぽいけど

後藤「太田巡査、如月千早、四条貴音」

千早「よろしくお願いします」

貴音「太田殿、色々教えてくださいね」

太田「よ、よろしくおねがいいたします!」

後藤「お~、あがってるあがってる」

進士「赤面しちゃいますね……」

後藤「山崎巡査、高槻やよい、我那覇響」

響「よろしくおねがいします!」

やよい「よ、よろしくおねがいします……」

山崎「響ちゃん、同じ沖縄出身同市よろしく」

響「そうなのか? 訛ってないから分からなかったさー!」

山崎「やよいちゃんも、よろしく。後で、ここで飼ってる鶏も見せてあげるよ」

やよい「本当ですかぁ? よろしくお願いします!」

伊織「み、見た目の割に意外と優しいのね」

遊馬「ひろみちゃんは見た目で損してるんだよなぁ」

ひろみちゃんって沖縄だったのか

同じ市出身かー

後藤「進士巡査、星井美希、音無小鳥……あれ?」

小鳥「わ、私もですか?」

後藤「なんかリストに入っちゃってるけど、ま、いいか」

吉澤「取材には支障ありませんよ」

P「ま、そういう事なら……」

美希「よろしくなの!」

小鳥「あ、すいません、よろしくお願いします……」

進士「はい。こちらこそよろしくお願いします:

>>159
×山崎「響ちゃん、同じ沖縄出身同市よろしく」
○山崎「響ちゃん、同じ沖縄出身同士よろしく」

いい感じ

後藤「熊耳巡査部長、萩原雪歩、双海亜美、双海真美」

P「あれ、亜美と真美どこ行った?」

律子「もぅ! 仕事で来てるってのにあの子たちは!」

シゲ「ちょっと後藤さん?俺アイドル預かるって聞いてないっすよ?!」

亜美「ねぇ、ゲームとかないの?」

真美「あそぼうよおっちゃん」

シゲ「あのね! 俺には斯波繁男っていう名前がちゃんと!」

榊「なんでぇ、随分賑やかだな」

シゲ「お、おやっさ~ん! このガ……もとい、アイドルが入ってきて急に!」

榊「第二小隊で1日預かるって話だったな。ちょうどいい。シゲ、お前2人預かれ」

シゲ「えぇぇ?! ちょっと、おやっさん? 今日は整備の仕事だってあるし……」

榊「俺がやっといてやる」

シゲ「お、おやっさんが?!」

榊「それとも、俺の整備じゃ不満か?」

シゲ「と、とんでもない! えー、じゃ、その」

榊「そういう訳だ後藤さん」

後藤「はいはい。それじゃ、双海両名の代わりがいるな」

P「では俺がぜひ」

熊耳「よろしくお願いします」

P「こちらこそ、どうぞよろしく」

雪歩「よろしくお願いしますぅ」

いいよー

Pめちゃっかりと…

シゲさんw

律子「あの、あずささんって……」

後藤「あ」

あずさ「それじゃ、今日一日後藤さんを独り占めしちゃおうかしら」

P(うっ。まぁ相手が後藤さんなら変な間違いも起きないだろうけど)

律子「それなら熊耳巡査部長の所を雪歩とあずささんにした方がいいんじゃないですか?」

後藤「それもそうか……」

シゲ「お困りのようですね。 それならこの斯波繁男にお任せを!」

律子「う~ん、まぁもともとは二人で1つの枠だったし、それでもいいかもしれませんね」

P「こちらは問題ありませんが、大丈夫ですか?」

後藤「ま、本人が良いって言うなら問題ないでしょう」

あずさ「それじゃシゲさん、今日一日、よろしくお願いしますね」

シゲ「まっかせて下さい! ぬはははは!」

亜美「よっろしく~!」

真美「いっぱい遊んでね!」

シゲ「あー、はいはい」

亜美「あ~、あずさお姉ちゃんと態度が違う!」

真美「ひどいよね。そんな悪い子にはオシオキが必要だよね」

シゲ「あ! こら! それ消しちゃ駄目だって! あああ!」

後藤「以上だ。何か質問は?」

野明「隊長は誰も担当しないんですか?」

春香「せっかく来たのに、もったいないです」

後藤(似てるなこの2人は)

熊耳「目的はあくまでも現場を体験する事だから」

野明「そっか、隊長だとお茶飲んでるだけで終わっちゃうか」

雪歩「わ、私はそっちのほうがいいかもです……」

律子「あのね、いくら吉澤さんだって記事にできないわよそれじゃ」

後藤「なんだかひどい言われようだな」

榊さんだー!懐かしい!



そういやここのハンガーに鳥坂先輩とあーる君就職してなかったっけw

ttp://up3.viploader.net/anime/src/vlanime086439.jpg

後藤「では、午前中はイングラムを使っての訓練を行ってもらうが、篠原」

遊馬「はいっ」

後藤「イングラムについて説明してあげなさい」

遊馬「了解。98式AV、通称イングラム。全高8.02メートル、重量6.02トン」

春香「イングラムか……かっこいいな」

野明「えへへ、それほどでも」

進士「泉さんを褒めたんじゃありませんよ」

遊馬「動力SCB、駆動系にSCLMを採用。37ミリリボルバーカノン、――」

小鳥「スタンスティック等のオプション装備を自在に扱う器用さと、抜群の運動性能を誇る」

遊馬「え? あの、ちょっと?」

律子「見る者に与える心理的影響までも考慮して設計された、警察用パトロールレイバーである」

遊馬「――です。あの、隊長……」

後藤「こっち見られても、俺も知らないんだって。なんで詳しいのか」

>>174
これなんのシーンだっけ?

春香「イン…?インベ…うっ、頭が…」

書き溜め消化しちゃった?

ちなみに香貫花は出てくるんですか?

【特車二課 埋立地 訓練場】

熊耳「では、今から射撃訓練を行います」

P「いきなりごっつい訓練だなぁ」

真「うわぁ、本物の銃ですよね! ……雪歩、大丈夫?」

雪歩「うん、大丈夫だと思う……ごめんね真ちゃん」

熊耳「萩原さん、駄目そうなら早めに申告して下さい。無理しないように、いい?」

雪歩「はい、ありがとうございます」

遊馬「よーし、じゃ野明、準備はいいか?」

野明『うぅ、私これ苦手なんだよな……準備出来てるよー』

熊耳「では、みなさん、耳栓は配りましたが、一応手で耳をふさいで下さい」

律子「了解です。ほら、亜美、真美、ちゃんと塞ぐのよ」

遊馬「それじゃ行きまーす。野明!」

野明『了解』

美希「うるさいのー!」

響「すっごい音だぞ!」

真「これが本物の音か……!」

小鳥「やっぱりリボルバーカノンはいいですよねぇ」

律子「6発だけってのはつまらないですけどね」

進士「太田さんみたいなこと言わないで下さいよ……」

野明『終わり! うぅ、みんなの前で撃つことになるなんて……』

遊馬「どれどれ……おー、前よりはマシになってるじゃないか」

あずさ「あんなに小さい的に当てちゃうのね~」

千早「……」

熊耳「つぎ、太田巡査。準備はいい?」

太田『いつでも大丈夫であります!』

>>176
廃棄物事件で警戒中に不意に遭遇したグリフォンを追跡すべきだと主張する野明をたしなめるシーンかな

脳内再生余裕すぎてヤバいわ

しえ

太田の見せ場キター

野明はあやとりでも見せてやれば喜ばれたかもな

久しぶりに漫画読みたくなったなぁ
実家に行ったときに持ってくればよかった…

しのぶさんはアイドルでも行ける(迫真)

さる?

しのぶさんは非処(ry

保守は進士の務め

ほす

モス

泉『うぅ、これじゃさらし者だよ……』

太田『がっはっは! 泉ぃ! 全弾的の中には入るようになったなぁ!』

千早(さっきからこの人、言動ががさつというか……)

野明『うぅ……緊張してなきゃもっと……』

太田『言い訳は見苦しいぞ!』

千早(本当にちゃんとした警察官なのかしら……)

熊耳「おしゃべりはその辺にして、そろそろ初めてちょうだい」

太田『了解しました!』

春香「うっわ、おなかにまで衝撃が来る」

亜美「すっごいハクリョクだね、真美!」

真美「頭の中にまでチョー響いてくるよね亜美!」

進士「どれどれ……相変わらず驚異的な命中率ですね」

遊馬「これで常識があればなぁ」

太田『聞こえとるぞ篠原ぁ!』

貴音「これは……このようなことが可能なのでしょうか……」

伊織「全弾ど真ん中に命中してるわ……」

やよい「すっごいですぅ!」

やろうと思えばマトモな格闘も出来たよな太田って

追いついた。なんという俺歓喜
脳内再生が余裕過ぎで素晴らしい…

千早「そんな……」

後藤「意外か?」

千早「っ! ご、後藤さん?!」

後藤「悪い悪い、驚かせたな」

千早「いえ。その……正直に言うと意外でした」

後藤「ま、言動があんなだからな、無理もないさ」

千早「同じイングラムでも、パイロットによる差は大きいんですね」

後藤「そりゃそうさ。お前さんたちアイドルと一緒だ」

千早「言われてみれば、確かに……」

後藤「一朝一夕で身に付く能力じゃないのも、な」

千早「あっ……!」

後藤「ま、この後は模擬戦だ。そっちもよく見てるといいよ」

隊長がツボ抑えすぎでこわいw

遊馬「野明、準備はいいか?」

野明『いつでもいいよ! 汚名挽回してやるんだから』

熊耳「汚名は返上した方がいいわよ。太田君、準備は出来てる?」

太田『はっ! いつでも行けます!』

熊耳「それでは、はじめっ!」

遊馬『野明、どうせ突っ込んでくるから軽くいなしてやれ! 組み付かれるな!』

野明「分かってる!」

熊耳「太田君、相手は勢いを利用してくるわよ、むやみな突進は避けなさい」

太田『ぬおおおおおおお!』

遊馬「……勝ったな」

早すぎw

千早「こ、こんなに素早く動けるものなの?!」

春香「すっごい……普通の人間みたい……」

美希「こんなに動けるならダンスだって踊れそうなの」

シゲ「ダンスか、それくらいなら出来ると思うよ。ちょっとゆっくりになっちゃうけど」

亜美「ほんと? ねぇシゲちん、踊ってよ!」

真美「そうだよ、真美シゲちんのダンス見たいよ~!」

シゲ「なんで俺なのよ?! っていうかそのシゲちんってのやめてもらえる?」

律子「そうよ、亜美、真美。もっと丁寧に言いなさい」

亜美「んじゃおシゲちん」

真美「ねぇおシゲちん、ちょっとだけでいいから~」

シゲ「あのね! 『お』を付けりゃいいってもんじゃないでしょうが!」

てs

熊耳「予定時刻よりはやく終わったわね」

進士「太田さんが瞬殺されましたからねぇ」

太田「ぬぅ~……!」

野明「へっへっへ~、柔よく剛を制す、だよ太田さん」

遊馬「隊長、残りの時間はどうしますか?」

後藤「そうだなぁ。熊耳、何か軽く出来るトレーニングはあるか?」

熊耳「そうですね……いつもの基礎動作訓練とか……でも取材映えはしませんね」

進士「穴を掘ったり埋めたりじゃますますつまらないでしょうしねぇ」

雪歩「穴堀ですか?!」

春香「うわっ! 雪歩、いきなり反応するからびっくりしたよ!」

熊耳「萩原さんは、レイバーを使っての穴掘りに興味があるの?」

雪歩「はい! ぜひ見てみたいです! 何なら競争してもいいです!」

後藤(競争?)

熊耳「競争はともかく……隊長、よろしいですか?」

隊長「よろしいんじゃない?」

夢の掘削対決とな

雪歩がレイバー使いこなす姿しか見えない

野明「穴掘りか……アルフォンスが汚れちゃう……」

太田「何とも地味な訓練だな、おい」

小鳥「ぶー、そんなのクラブマンとかドーファンにでもやらせときゃいいのに」

律子「ここはいっそ90mm連装ライアットガンを使っての実践訓練とか」

太田「そうだそうだ!」

P「お前は何を言ってるんだ」

進士「あの、暴走警官を不用意に焚き付けないでほしいんですが……」

熊耳「泉さん、太田くん、準備しなさい」

遊馬「道具がいるな。シゲさん、何かあります?」

シゲ「災害用にって確か用意してあるはずだよ。見てくるわ」

掘ーるでぃんぐのターンか…!

後藤「えー、ただ穴を掘って終わりじゃつまらん」

遊馬「え、隊長まさか……」

後藤「買った方は負けた方に今日の昼食をおごる、という事にする」

野明「えー?!」

太田「よぉし。やる気が出てきたぞ!」

後藤「もちろん上海亭からの出前だ。アイドルはおごられるだけ、負けても何もなしな」

篠原「よかった……ライアットガンでの実践訓練するのかと思った……」

後藤「そんな訳ないじゃない」

熊耳「いいんですか隊長?」

吉澤「大丈夫、その辺は抜きで書きますから」

P「うちとしては問題ないですけどね」

律子「あの、雪歩は準備しなくていいのよ?」

雪歩「え?」

>>212
×後藤「買った方は負けた方に今日の昼食をおごる、という事にする」
○後藤「負けた方は勝った方に今日の昼食をおごる、という事にする」

雪歩は掘らないのか…(困惑

春香「野明さん、がんばってくださいね!」

真「僕たち、応援してますからね!」

野明『おぅ! 絶対勝つからね!』

千早「あの、太田さん、頑張ってください」

貴音「負けは許されぬ戦です。太田殿、ゆめゆめご油断ならりませんよう……!」

太田『お、おぅ!』

進士「なんだか凄いプレッシャーを発してますね」

P「さてはラーメン狙いか……。負けたら食えないって訳でもないのに」

いやっふー

遊馬「それじゃいくぞー、よーい、はじめっ!」

野明『うりゃあああああ!』

太田『ぬおおおおおお!』

伊織「すごい勢いね」

進士「外部スピーカーで雄たけびを流す意味はあるんですかね?」

遊馬「気合と雰囲気の問題じゃないの?」

亜美「解説の萩原さん、ここまでの両者を見てどうですか?」

雪歩「野明さんの1号機は同じところだけ掘りすぎですね。丁寧さが仇になっている感じです」

真美「対する2号機はどうでしょう?」

雪歩「こちらは一見がさつにも見えますが、堀りはじめとしてはなかなかのスタートですね」

亜美「おおっと、ではすでに勝負は見えたと?」

雪歩「いえ、まだわかりません。両者が自重を考慮しているかどうかが勝負のカギです」

真美「なるほど~。現場からは以上です!」

亜美「いったんスタジオにお返ししまーす!」

P「いや、俺に返されても困るんだが……」

プロだ
穴堀のプロがいる

【特車二課 食堂】

野明「へっへっへ~。太田さん、ごちそうさま!」

遊馬「いやぁ、わざわざ悪いなぁ」

太田「ここぞとばかりに高いもん頼みやがって……!」

春香「あの、なんだかすいません……」

熊耳「いいのよ、自業自得なんだから。さ、冷めないうちに召し上がれ」

真「いっただきまーす!」


太田「どうした? アイドルには合わんかもしれんが、味は保障するぞ」

千早「いえ、頂ます」

貴音「大盛り味噌バターラーメン……何とも香しい……」

太田「お、お前、食い切れるんだろうな?」

貴音「太田殿に出していただくと聞いて1杯だけにしておきました。では、頂ます」

太田「そ、そうか。見かけによらず随分食うんだな……」

貴音「ごちそうさまでございました。大変、美味でありました」

太田「?!」

ラーメンが消えた!?

【特車二課 整備ハンガー】

後藤「さて、午後は各自の作業をアイドルとこなしてもらう」

野明「私と太田さん、シゲさんはイングラムの点検だね」

遊馬「俺は進士さんと今日の活動データのまとめかな」

熊耳「私は報告書の作成と今後の訓練計画をまとめます」

山崎「ぼくは、鶏たちとトマトの世話を」

後藤「ま、それでいいだろう。何か問題ある?」

P「いえ、特には。あ、それと……」

後藤「あぁ、例の件は榊さんに了解もらって準備してもらってるから」

律子「15時位からで大丈夫ですか?」

後藤「うん、それくらいには準備も終わるって話だ」

律子「了解。アイドル達には伝えてありますから」

しえん

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom