トナカイ「2000年生きてます」サンタ「100代目です」(29)

サンタ「クリスマスから一ヶ月がたとうとしているわけですけども」

トナカイ「何いきなり」

サンタ「サンタクロース協会としては今年のクリスマスの仕込みも、もう始めなきゃなんだ」

トナカイ「うんうん、それで?」

サンタ「まずは世界中の企業に去年のお礼と、今年もよろしくお願いしますって挨拶まわりにいかなきゃな」

トナカイ「どうでもいいけど、タメ口やめろよ」

サンタ「すみません。それでですね」

トナカイ「うぬ」

サンタ「一日1社、世界中の大手玩具メーカーさんのところに挨拶に、今日から行こうと思いまして」

トナカイ「おう、がんばれよ」

サンタ「何いってるんですか、トナカイさんも行くんですよ。っていうか、トナカイさんにソリを引っ張ってもらうんですよ?」

トナカイ「俺にアシになれってのか」


サンタ「そういうことです」

トナカイ「やなこった、誰がお前みたいな青二才を導かなきゃいけないんだよ」

サンタ「そこをなんとかお願いしますよ」

トナカイ「わかったわかった、そんなに言うならこうしよう」

・・・・・・・・・・・

トナカイ「遅いぞ、もっと早く走れ!」

サンタ「ナンデ私がソリを引いてるんでしょうか……」

トナカイ「それはお前が年下だからだろう」

サンタ「一応これでもトナカイさんの主人なんですけど……」

トナカイ「俺ペットじゃないし、っていうかむしろ目上だしな」

サンタ「ま、まぁ……」

トナカイ「それこそあんたの一族の初代の頃から生きてるんだよ」

サンタ「はい」

トナカイ「目下のお前がソリを引くのは当たり前だろ?」

サンタ「はい……」

トナカイ「ところで、手ぶらで良いのか?」

サンタ「まずいですか?」

トナカイ「当たり前だ、企業側から毎年、無償で、そうじゃなくても格安でクリスマスプレゼントを譲ってもらってるんだぞ」

トナカイ「付届けの一つも無かったら、なんて非常識なヤツだと思われても仕方ないだろうが!」

サンタ「そ、そうですね……じゃあ、どうしましょう」

トナカイ「うーん、今から家に戻るのもな……」

トナカイ「仕方ない、お前のヒゲでも渡せばいい」

サンタ「ダメですよ!これオーダーメイドなんですよ!?」

トナカイ「所詮付け髭だろうが、宴会グッズとして使えるんじゃないのか」

サンタ「そんなに言うならトナカイさんの角で良いじゃないですか!」

トナカイ「俺の角?やだよ痛いし」

サンタ「私の付け髭なんてもらっても誰も喜びませんって」

トナカイ「ま、まぁそうだな」

サンタ「ね?トナカイさんの角にしましょうよ」

トナカイ「うーん、まぁ仕方ないか。俺の角は高級品だからな、使い道も多いし」

サンタ「じゃ、決定です。折りますね」

ボキッ

トナカイ「いってえー!馬鹿、もう少し丁寧におれよ!」

サンタ「あはは、日ごろの恨みです」

トナカイ「おう、そんなら永久にお前にソリをひかせてやるからな」

サンタ「え、すみません、ごめんなさい!どうか許して!」

トナカイ「まぁそれは冗談として、もう着くぞ」

サンタ「はい、着きました」

サンタ「わかってはいたけど、大きいですよね。L○GO」

トナカイ「玩具ブロック企業じゃトップクラスだしな。でも堂々と行ってこいよ」

サンタ「は、はい!……って、トナカイさん来てくれないんですか」

トナカイ「俺はペット枠だし、ここで待ってる」

サンタ「う、仕方ないですね……それじゃあいってきます」

とりあえず終わります

結局立てたのか
面白い

>>9
ありがとうございます。
インスピレーションを受けて勝手にたてました。はい。

ウィ~ン…

サンタ「あ、あの~」

受付「はい、いらっしゃいませ」

サンタ「私、サンタなんですけど、社長さんいらっしゃいますか?」

受付「サンタ……?」

サンタ「はい」

受付「申し訳ございませんが、ここは子供の遊び場ではございませんので」

サンタ「え、ちょっと私子供じゃないですよ?」

受付「親御さんに引き取ってもらいましょうか……おうちの電話番号わかりますか?」

サンタ「あのー、違いますって!あ、そうだ名刺!」

サンタ「サンタクロース協会のサンタです!」

受付「あら、これは失礼しました。アポイントメントはおありですか?」

サンタ「アポ……なに?」

受付「アポイントメントがないとお通しできかねますので……」

サンタ「え、アポイントメント……とってないです」

受付「では、申し訳ございませんが、また機会を改めてお願いします」

・・・・・・・・・・・・・・・

サンタ「というわけです」

トナカイ「おい、ばか」

サンタ「ばかってナンデスか!」

トナカイ「角返せバカ!折られ損じゃないか!骨折り損だよバーカ!」

サンタ「わ、ひどい!」

トナカイ「全く、しょうがないから今日は帰るぞ」

サンタ「はい……」

トナカイ「ほら、ソリ」

サンタ「えっ」

トナカイ「かえるんだろ」

サンタ「また私がソリひくんですか」

トナカイ「当たり前だ!バーカ!」

サンタ「ばかは余計ですよぉ!グスン」

サンタ「はぁ……」

トナカイ「まぁなんだ、元気だせよ」

サンタ「じゃあソリひくの変わってください」

トナカイ「やだよ、かったるいじゃん。ヘマしたんだしお前がひけ。そうじゃなくてもお前がひけ」

サンタ「うわ、職務放棄ですか。サイテー……」

トナカイ「なんとでも言えば良い。俺の仕事はクリスマス当日だけだからな!」

サンタ「じゃあ今年のクリスマスこそソリひいてくださいよ、絶対ですよ?」

トナカイ「おうよ」

サンタ「なんか信用できないです。去年はあーだこーだ理由つけて私がひいてたし」

トナカイ「そりゃあ目下が目上の人の世話をするのは当然のことでだな」

サンタ「うわー、やっぱりソリをひく気無いでしょう!」

トナカイ「角折られたしなー、痛かったしなー」

サンタ「それはトナカイさんも納得してたじゃないですか」

トナカイ「痛かったしー、今年一杯ソリひくの無理だなー」

サンタ「いつか鹿肉にしてやる……」

トナカイ「なんかいったー?」

サンタ「何でもないです」

とりあえずここまで

もうトナカイ要らないんじゃないですかね……

トナカイ「それより、帰ったら明日からの計画を立てるんだぞ。わかってると思うが……」

サンタ「計画?」

トナカイ「わかってないのか」

サンタ「何を計画するんですか?」

トナカイ「そこから説明が必要なの、やっぱりバカ」

サンタ「バカはもういいですから」

トナカイ「いいか?まず企業の人と話がしたかったら、相手に時間をとってもらわなきゃならないだろ」

サンタ「あ」

トナカイ「……」

サンタ「そ、そんなことわかってましたよ!」

トナカイ「今の”あ”はなんなんだよ」

サンタ「空耳ですよ!トナカイさん年寄りだし!」

トナカイ「さりげなく酷いな」

サンタ「えへへ、トナカイさんほどじゃないです」

トナカイ「角折られたしな」

サンタ「根に持ってるんですか、それより話を進めましょうよ」

トナカイ「おお、そうだな。まず帰ったら会社側に時間をとってもらうように電話をかけろ」

サンタ「はい」

トナカイ「予定空けてもらえたら、たぶんこっちの勝ちだ」

サンタ「なんでですか?」

トナカイ「こっちはサンタクロースっていう肩書き、後ろ盾があるだろ」

サンタ「意味がわかりません」

トナカイ「つまり、サンタクロースっていうのは世界中の子供の夢の存在だ!」

サンタ「はい」

トナカイ「玩具会社は子供に夢を与える会社だ、少なくとも、そういう側面や戦略は存在するだろ」

サンタ「それがなんで有利になるのかわかりません」

トナカイ「世の中にはクリスマス戦略っていうのがあってだな」

サンタ「聞いたことはあります」

トナカイ「一部の国や地域じゃ、これが経済に与える影響は計り知れない」

トナカイ「もっと細かくいえば、企業側が、この戦略に利益を期待するということだ」

サンタ「な、なるほど……あ、でも」

トナカイ「今度は何だよ」

サンタ「会社側からしたら、サンタクロースには格安で商品を提供するわけだから、利益は減るんじゃ……」

トナカイ「一時的な目でみたらそうなるな」

サンタ「一時的?」

トナカイ「クリスマスの日、朝起きたら枕元にプレゼントがおいてある。どう思う?」

サンタ「わー、うれしいなー」

トナカイ「子供はそうだが、大人はどう思う?」

サンタ「えっと、子供が喜んでる、うれしいなー」

トナカイ「それもそうだが、そうじゃなくて……」

サンタ「もう、わかりませんよ! 難しすぎ! 簡単に教えてください!」

トナカイ「一言で言うとだな、大人からすれば無料でプレゼントが贈られてきているわけだから、その会社に対する評価が上がる」

サンタ「えー……評価と利益に何の関係が……」

トナカイ「そうだな、嫌いな食べ物と好きな食べ物どっちか選べといわれたらお前はどうする?」

サンタ「好きな食べ物を選びます」

トナカイ「じゃあどうでもいい食べ物と好きな食べ物だったら?」

サンタ「好きなほう」

トナカイ「これを好き嫌いじゃなくて、評価に置き換えればいい話だ」

サンタ「えっと、つまり……」

トナカイ「おう」

サンタ「サンタクロースが子供にプレゼントした玩具を見た大人が、その会社をヒイキにしやすくなる?」

トナカイ「そういうことだ」

サンタ「そんなうまい話があるのかなぁ?」

トナカイ「まぁ、皆が皆上手い具合に洗脳されるわけじゃない」

サンタ「洗脳って……」

トナカイ「あながち間違いでもないだろ」

サンタ「そうかもしれませんけど」

トナカイ「ただ、その会社に対して良いイメージを植えつけておけば、後々玩具売り場で会社の商品を見たら、選んでくれる人が増えるわけだ」

サンタ「そのために私達に安く提供しれくれるってことですか」

トナカイ「企業側にとっては、サンタクロースを利用してるだけだぞ」

サンタ「そうですね、なんて夢の無い話なの」

トナカイ「大人は夢が無いから子供に夢を与える。そういうもんじゃないか」

サンタ「大人に夢が無いっていうのもなんか、ひっかかりますけど」

トナカイ「そうか?」

サンタ「大人だって夢くらいありますよ?クリスマスには意中の人と二人で食事して、夜景を見ながら告白して、ロマンチックに結ばれたいじゃないですか」

トナカイ「俺たちには関係ない話だな」

サンタ「そうですか?私はあこがれます!」

トナカイ「色恋沙汰にサンタからのプレゼントなんか無いからなー、仮に恋のキューピッドみたいに恋路を手伝ったところで給料の一部にもならんわ」

サンタ「うわ、夢が無い」

トナカイ「まあ、明日はアポを取るための電話と、約束を取り付けられたら付届けに出来そうなものを探すぞ」

サンタ「はい」

トナカイ「もう角を折られるのは勘弁だからなぁ」

サンタ「しつこいですね!ずっと根に持ってネチネチしてるとモテませんよ!」

トナカイ「残念ながら、恋人が欲しくなるほど若くもないんだよなぁ」

サンタ「お、ジジイ発言」

トナカイ「誰がジジイじゃ、誰が」

今日はここまで。
>>18
まぁほら、サンタさんとトナカイは基本的に対じゃないですか

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom