キリン「一緒にクエストをする人がいない」 (191)



むかしむかし、というか別世界の昔。

ある所に、小さな街がありましたとさ。

その小さな街にあるギルド集会所に、とある女ハンター が1人いました。

キリン「………」ゴクッゴクッ

ハンターA「見ろよ、すげえ疲れ果てたような汗だくの 顔で酒飲んでるぜ」ひそひそ

ハンターB「噂のキリンを討伐する程のハンターだ、 きっと大物を倒した後で疲れてんのさ」

キリン「……」ギロッ

ハンター達「!?」ビクッ



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ハンターA「怖ぇな…行こうぜ」スタスタ

ハンターB「あ、あぁ」スタスタ

キリン「………」ゴクッゴクッ

彼女はいつも1人で集会所の酒場で『蜂蜜ミルク』を 飲んでいました。

そして何故か、いつも汗だくで怖い顔をしていまし た。

何故なら・・・

キリン(あうあう……ま、またクエストに誘えなかった あああああああああ)

そう、彼女は恥ずかしがり屋さんだったのです。



ー ある日 ー

キリン「………マスター、このクエストを掲示板に貼っ といて」バンッ!!

マスター「ひっ!? 分かりました……」

キリン(ぁあ……緊張してまた机に叩きつけちゃった よぉ…!!)

※こんなのはいつもの事です。

キリン「………」カタンッ

キリン(昨日も恥ずかしくて誘えなかったけど…向こ うから誘うようにしていれば!)

キリン(きっといつか私を誘ってくれる人がいるよ ね…!)

※あくまで結果は『誘われる』が前提、『誘う』では ない。



ー 3時間後、午前11時 ー

キリン「………」ゴクッゴクッ

<「ねー、あとでヤオザミいこー?」 <「いいね行こう行こう!」

< きゃっきゃっ

キリン(……ふぇえ!? なんで誰も誘ってくれない の!??)ガタガタ

ザザミ娘(な、なんかクエストに誘おうと思ったらわ なわなしてる…!?)ビクゥッ

※えぇ、いつもの事です。



キリン「………」

キリン(お腹空いちゃったな……)

キリン「……マスター、いつもの」ギロッ

マスター「ひっ!? はい、ただいま!!」バッ

キリン(ま、また怖がられちゃったよぉ…っ)

※はい、いつもの事ですよ。

キリン「…………ふぅ」もぞっ

キリン(…お腹空いちゃうと眠くなっちゃうなー……)

キリン(だって私、本当は弱いのに………)



~~ 回想です ~~

村長「いやー、新しく来たハンターさんだね? 早速 君に頼みがあるんだけどいいね?」

女ハンター「………何ですか」ギロッ

村長「(なかなか凄い気迫だね…) なに、薬草が3 つ欲しいんだよ、ちょっと近くの雪山に行ってくれる かな」

女ハンター「はい……ッ!!」ガタガタ

村長(武者震いか…期待出来そうなハンターが来たね)

女ハンター(や、薬草だけなら大丈夫だよね…危なくないよね…)ガタガタ

ー 雪山 ー

女ハンター(あぅあぅ…寒いよぉ……ホットドリンク忘 れちゃった…)ぶるぶる

女ハンター(や、薬草は…)キョロキョロ


キリン【……】バリバリ

※しかも巨大。


女ハンター「」

キリン【ヒヒィィインッッ!!】バリバリィッ

女ハンター(うにゃああああああああ!! なん で!? なんでキリンがいるのぉおおおお!?)



キリン【ヒヒィィインッッ!! ヒヒィィイ ンッッ!!】バリバリィッ!!!!

女ハンター(どうしようどうしよう!? 装備なんて マフモフ一式だけだし…!)

キリン【ヒヒィィインッッ・・・】クワッ

女ハンター(殺られる…!!)ビクッ

キリン【 】ドサッ

女ハンター「ふぇ?」

キリン【 】

※寿命による心臓発作で死亡



アカム「ちぃっ、なかなかキリンが見つからねぇ な…」

ウカム「千里眼薬忘れんなよ…」

アカム「またうるせえだろうなぁ…暗部の奴ら」

ウカム「俺達はG級の中でもそれなりのベテランなのにな…」

アカム「あん?……おい、ありゃぁ!?」

ウカム「う、嘘だろ…!!」

<「「 マフモフ一式で、ハンターナイフでキリンを 殺ってやがるー!!? 」」

女ハンター「……え”」

※こうして、彼女の最強伝説は始まったのでした。



~~回想終わり~~

キリン「………」

キリン(なんか、こんなんで私やってけるの!?)

※実は武器だけハンターナイフのキリンちゃん

ヒーラーU「お待たせ致しました、ポポ肉ソースのパス タに蜂蜜ミルクプリンです」コトッ

キリン(わー…ヒーラー装備だ……)ジー

ヒーラーU(噂のキリン10頭を瞬殺したハンターに睨 まれてる…!)ビクビク

※噂にヒレどころか牙がついてるのもいつもの事なキリンちゃん。


ー 夜6時 ー

キリン(よ、よし! この時間は男の人のハンターが 多いから、チャンス!!)

キリン「……」スタスタ

男クック「ぁ、おいアレ…」

男ジャギィ「珍しいなー、噂の『キリン殺し』から群 れてくるなんて」

キリン「……」ピタッ

キリン(隣、いいですかって聞かないと…)ドキドキ

キリン「……」

男ジャギィ「?」

キリン(む、むり! 恥ずかしくて死…)

キリン「 ……死ね…… 」ギロッ

ジャギィ「!???」



男ジャギィ「ひ、ひぃぃ!? 席は譲るから許してぇ えええ!!」ガッターン

キリン「……ッ」

キリン(あ、あう…なんで……?)涙目

※時々心の声が口から出るのに気づかないキリンちゃ ん。

男レウス「おい…キリン殺しだか何だか知らねえが、 自分勝手じゃねえか?」ガタッ

キリン「………」キッ

レウス「…表に出ろ、そのツラボコボコにしてやる」 ギロッ

キリン「………えぇ」にっ

レウス(! 笑っただと!?)



※キリンちゃんの脳内

キリン「うにゃああああああああ!!? こ、怖いよ この人!」ぶるぶる

キリン「何でこの人怒ってるの!? 私何もしてない よぉ…!?」

キリン「と、とりあえず悪意が無い事を知らせる為に 笑顔で・・・」ビクビク

キリン「ごほん、ごめんなさい私が悪かったの…っ て」

~~現実~~

キリン「五分、私が勝ったの」ニコッ

※わざとらしい咳すら緊張で失敗、更に色々文字が足 りず。

レウス(い、いきなり何を言いやがるコイツ…!?)

※当然彼には理解出来ません。


レウス(五分、私が勝った…? どういう意味だ、何 が言いたいんだ!?)

レウス(………まさか)

レウス(今までに殺したキリン達の『討伐タイム』と でも言うのかーー!!?)

※盛大な勘違いによりまたキリンちゃんの伝説が増え ました。

レウス「ま、待ちやがれ」

キリン「?」ピタッ

レウス「俺達はハンターだ…なら勝負も狩りで勝負す べきだよな?」

キリン「………」コクン


レウス「なら明日から5日間、その間に討伐したモン スターの合計『体長』で勝負しようぜ?」

レウス(これなら勝てる見込みもあるし、俺が殺され る心配も無いな!!)

レウス「…まさか断らねぇよな?」ギロッ

キリン「………もちろん」ギロッ

キリン(ぁう…む、ムリだよ……それにお友達もいない のに…)

キリン「もちろんむr」

レウス「なら明日から5日後、楽しみにしてるぜ『キ リン殺し』……」スタスタ

キリン(あうー!?)


<「すげぇ、この街で数少ない実力者同士の勝負だ ぜ!」

<「リオレウスを何頭も狩って来た兄貴ならキリンに 勝てるさ!」

<「でもキリンを殺れるあの女も強いんだろ? 見物 だな」

キリン(あ…う……)

<「ねぇ聞いた? あの新人の可愛い娘が勝負だっ て!」

<「可愛いというより格好良いよね」

<「頑張って欲しいなー、女ハンターを代表して!」

キリン(あうあうあうあう・・・!!?)

※期待の嵐に押し潰されそうになるキリンちゃん。

キリン(ど…どうしよう……)

※HR1のキリンちゃんは男レウスとの勝負に勝てる のか!

タイムリミット:5日



~~そんなこんなで次の日の朝~~

キリン「…昨日あんな事あったから集会所行けない よぉ」涙目

※もはや友達作るきっかけすら封じられたキリンちゃ ん。

キリン(あぅ……でも、1人で大型なんて行けない よ…)

キリン「………っ」ぽろぽろ

<「こーんにーちはー」コンコン

キリン「ひゃう!?」ビクゥッ



キリン「………誰?」

<ガチャッ

ユクモS「いやー、道に迷ったんですよ! ココット 村ってどの方向ですかね?」

キリン「………」ぷいっ

ユクモS「?」

キリン(な、なんだかよくわからない装備の娘が来 た…)もじもじ

※キリンちゃんは恥ずかしがり屋な上、ユクモ村の存 在を知らない田舎っ娘です。

キリン「……ココット村なら南南東へ何日か行った森に あるけど?」キッ

ユクモS「そ、そうッスか(この娘怖い)」



ユクモS「いやー、良ければ依頼という形で道案内出 来るかな?」

キリン「………」

ユクモS「お金ならあるんだけど…5000000Z位か な……」

キリン「………」

キリン(な、なんでお金そんなに持ってるんだろ……)

キリン(もしかして悪い人なのかも…)

※知らない人から貰った物は食べない教育を受けたキ リンちゃん。

ユクモS「……だめかな、ボクここに来て頼れる人が1 人もいなくて…」

キリン(あぅ……この人、私みたいだ)うるっ

※キリンちゃんは騙され易い娘。


○次回予告○


※ まさかの狩り勝負に戸惑うキリンちゃん。


キリン「狩人王に、私はなる!!」どん!

レウス「無印の俺は勝者の証だったはず…何故今はヘタレの証……」


※ 困り果てるキリンちゃんの元に現れたのは、一人の女ハンター。


ユクモS「問おう、貴女が私のマスターか」

キリン「俺がガンダ●だッァァアアアアア!!!」


※ そんなキリンちゃんを待ち受けるのは友達か、ぼっちか。

※ ぼっちハンター・キリンちゃん、今夜24時から再放送第二話をお届けします!

懐かしいな、おかえり?

>>23懐かしいよねww

>>1おかえり

初見だが期待
モンハンssはロクなのに会わないのでマジ期待

あーあのスレ落ちたんか。
頑張ってー



○前回までのあらすじ○

※ ある村に、1人のキリン装備をした女ハンターが いました。

>>23「ソロモンよ、私は帰ってきたぁぁぁあああ!!!」

>>24「ストーンフリィィィィ!!!!」ギャァンッ

※ そんなある日、彼女はひょんな事からリオレウス 装備のハンターに勝負を挑まれます。

>>25「おいデュエルしろよ」

>>26「スタドリが欲しい、そうだ20000K課金しよう」

※ ですが実はキリンちゃんにはハンターとしての実 力は皆無、ハンター勝負など出来ません。

※ しかし孤独なハンターキリンちゃんの前に、とあ るハンターが迷い込んで来ます。

キリン「………」ギロッ

ユクモS(あれ、今にも踏みつけて来そうな目になっ たー!?)

※ 更にしかし、キリンちゃんはそのチャンスをフルには活かせません。

※ 何故なら・・・

キリン(は、初めてのお客さんだ…!!)ドキドキ

※ そう、彼女は恥ずかしがり屋にして極度の緊張しやすい体質の持ち主だったのです。



キリン「………待て」ギロッ

ユクモS「ひ…あ、あの何でしょう?」ビクゥッ

キリン「…報酬は1800z、依頼内容はココット村までの 護衛でいい?」ギッ!!

ユクモS「宜しくお願いします!!(こ、断ったら顔 を踏みつけて来そう…)」

キリン(ひゃぅぅ…み、みみ道案内なんて出来るかな… 自分でクエストに行くのも初めてだよぅ!)

※ 実は送迎馬車の運転手と会うのも恥ずかしいから 友達を作ってからクエストを受ける気だった。

キリン「少し待って、準備をする必要がある」

キリン(は、初めてのクエストなんだから薬草とか買 わないと…)



※ キリンちゃんは初めての依頼をこなすようです




ー 雪山 ー

ユクモS「さ、寒…近くにこんな大きな雪山があるん スねー」ガクガク

キリン「……半分、あげる」スッ

ユクモS「ホットドリンク? ありがとッスよ」

キリン(や、やった…ついに『協力プレイ』が私にも 出来た!)

※ うろ覚えな知識で喜ぶキリンちゃん。

キリン「……この先のエリアから下山して、そのままコ コット村まで歩くから…体力は温存したい」

ユクモS「成る程、流石は一流のハンターですね!」 ごくごく

キリン「………」ギロッ

ユクモS(う…意外に謙虚な性格なのかな)



※ ユクモSの娘がビクビクしてる中、キリンちゃん はというと。

キリン(すごいすごい! 本当に私ハンターみた い!)グッ

※ 自分の姿と役職を忘れるキリンちゃん。

ユクモS「………」ザッザッ

キリン「…………」ザッザッ

ユクモS「あ、ちなみにこの地域では何が出るっす か?」

キリン「………」ビクッ

ユクモS(ビクッ?)

キリン「ッッ!!」ビュバッ

ユクモS「!」

※ 突然派手に前転するキリンちゃん、ユクモ娘はそ れに驚いて動きを止めました。

ユクモS「いったい何が……!?」



キリン「フッッ――――!!」ザシュンッ

ユクモS(そのまま腰の片手剣を投げた…!?)

ユクモS「一体何を狙って……」

※ 彼女はその凄まじい速度で投げられたハンターナ イフの軌道を目で追います。

※ その先には。

~~ 雪山・中腹エリア ~~

ドドブランゴ【 ゴアァァアアアアアア!! 】

男ギアノス「ぅぐ…近衛隊正式銃槍なら勝てると思っ たのに…」

ドドブランゴ【ッッ!!!】クワッ

男ギアノス(もしこのクエストから生き延びて帰れた らパピメルと結婚する筈だったのに…!!)



――――ドズッ――――


ドドブランゴ【ギグァッ!?】


男ギアノス「?」


ドドブランコ【 】ドズゥゥン…


男ギアノス「な、何故……はっ!? この頭に刺さってる のはハンターナイフ!??」

男ギアノス「一体誰が……」バッ


※ 彼が見上げると、そこには1つの影。

※ 雪山の白さよりも更に純白の輝きを放ち、慈愛と 威厳に溢れたその容姿。


キリン「………」ザッ


男ギアノス「噂の…き、キリン女ハンター!!」


※ そう、我らがキリンちゃんである。



~~数分前~~

キリン「………」ザッザッ

キリン(ぁうあう…どうしよ…話す事無いよぉ)

キリン(そもそもこうして隣を歩くのも恥ずかしいと いうか……)

ユクモS「あ、ちなみに――――」

キリン「ぇ?」ズルンッ

※ その時感じる足の滑走感!!

キリン(うにゃあああああ!? 転んじゃう転んじゃ う!!)ガッ

※ 無理にしゃがもうとしたのがキリンちゃんの運の 尽き、体は勢いよく前転し。

ザシュンッ

キリン(あぅ!? ハンターナイフがー!)

※ 鞘にキチンと入れてなかったのもあり、見事に射出!



※ そして投げられたハンターナイフは下にいたドド ブランゴの頭に突き刺さり。


キリン「うにゃっ」ドシャッ

キリン(いたた…私のハンターナイフは?)ザッ

<「噂の…き、キリン女ハンター!!」

キリン「ふぇ……?」

ユクモS「凄いですよ! あっという間にモンスター を倒すなんて!!」

キリン「………?…??」


※ どうやらキリンちゃんの伝説がまた増えたようで す。



ー 雪山エリア中腹 ー


男ギアノス「ありがとよ…アンタのお陰で俺はパピメ ルと結婚出来そうだ……」

キリン「………」ぷいっ

男ギアノス(多くを語らない美少女か…良いね、最高 じゃないか!)

キリン(な、なんだかわからないけど…良いのかな)

ユクモS「それにしてもやるっすねー、ボクもこんな モンスターは初めて見た」

ユクモS「それより良いんすか? このドドブランゴ を狩ったのがキリンちゃんで」

男ギアノス「ああ、命あっての物種さ! 結婚記念に ドドブランゴの毛皮を贈ろうと思った俺が馬鹿だっ た」


男ギアノス「だからやるよ、ドドブランゴの手柄を な」


キリン(……えっ)



※ おめでとうキリンちゃん!

※ 今回の討伐したモンスターは【ドドブランゴ】だ よ!

討伐数:1

名称:ドドブランゴ

全長:1075.0

現在キリンちゃんの合計モンスター全長:1075.0

キリン(…こ、これで良いの!? 私何もしてないの にー!?)







男ギアノス(あの白い柔らかそうな太ももぺろぺろしてぇ)


~~そんなこんなで雪山を抜け、『旧指定区域』・密 林~~


キリン「………今日はここのベースキャンプで野宿し て、明日出発する」ザッ


ユクモS「了解ッスよ! もう夕方ですからね!」


ユクモS「キリンちゃん、凄いかっこよかったッス よ! ボクの知らない土地にも色んなハンターがいる んすね!」


キリン「………」ぷいっ


ユクモS(あ……やっぱり恥ずかしがり屋さんなのか な)


キリン(あうあうあうあうあうあう……は、恥ずかしい よぉ…////)カァ


※ あながち、というより的中なユクモくん!


※ そして初めての討伐に成功(?)したキリンちゃんを 待ち受けるものとは?

※ 狩人語―ハンターガタリ―、今宵はこれにて幕を閉 じます。


乙ー

乙!

乙!

おおおお!懐かしいー
元スレ毎回続き楽しみだったから続きなら嬉しかったけど
再放送かー何か新展開はあるだろうか


○次回予告○



━━━━ 人の夢は、その人の過去に直結している ━━━━



寂れた山奥の村。

そこに住む二人の幼い姉妹。

訓練所から戻ってきたばかりのハンター。

引退した元『大剣の双刀』使い。

『キリン』という名の女。

村に迷い込む人喰いランポスの群れ。

村の近くで起きた騒動。



━━━━ しかし、人の夢は儚く、目を覚ますと過去と同じく散り去って行く ━━━━



ハンター「ただいま……」

幼キリン「おかえりおにーちゃん!」



━━━━ その夜、キリンが見た夢は……疲れ切った『兄』と呼ぶ青年の夢。


『お兄ちゃん編』第夢話、本日18時25分より放送。

本編は本日14時から再放送です!

>キリン(は、初めてのお客さんだ…!!)ドキドキ

どこのおみせですか!?え?違う??

前回どこで落ちたっけ?

新ストーリー来たか
これでまた楽しみが増えた

>>48
2スレ目の300辺り
色んな組織が出てきて三つ巴四つ巴になった辺りかな



○前回までのウォーキングデッド○

※ ある村にいた恥ずかしがり屋なハンター、キリン ちゃん。

※ そんな彼女はユクモノ天装備に身を包んだユクモ Sくん(性別女)の頼みでココットへ向かいました。


>>40「じーごーくー♪じーごーくー♪すーてーきーなーじーごーく♪」

>>41「メルメルメェェェェッ!!!」


※ その道中、ドドブランゴを相手に死亡フラグで自 殺しようとしていたハンターを助けるキリンちゃん。

※ 結果、彼女は初めての討伐(?)に成功。


>>42「あくまで羊ですので」キリッ

>>43「ポッケ村擬人化したら絶対にババアになると思う」

※ 旧密林に到着した彼女達を待ち受けるものとは?


>>44「クレイジィィダイアモンドォォォォッッ!!!!」バァ~ンッ

>>45「ストーンフリィィィィ!!!!」ギャァンッ

>>47「二個か!? 二個欲しいのか!? このいやしんぼめ!!」

>>48「君が代を歌い終えるまで殴るのを止めない!!」ドドドド

>>49「ジョジョ第八部、ジョジョリオンも大好評連載中!!」


キリン「なにこのカオス…」



~~なんやかんやで朝~~

※ ちなみにレウスハンターとのタイムリミットは残 り3日。

キリン「ぇへへ……アイルーがいっぱいにゃ…」zZZ

もみゅっ

キリン「………アイルー…?」もみゅもみゅっ

女hunter?「ん……ぁ…っ」ぴくん

キリン「 」

キリン脳内( )

ユクモS「うむぁ…おはよーござ……ってあれ? なん でキリンちゃん女の人の胸掴んでるっすか」



キリン「………」わなわな

――――むぎゅっっ!!

女hunter?「づッ!? いだだだだ!!!」

キリン「!!」ギロッ

キリン(うにゃああああああ!!? なんで女の 人!? というか間違えて握り締めちゃっ……)

女hunter?「セァアアッ!!」

バゴォッ!

キリン「ぶにゃぁ!?」ドシャッ



~~そんなこんなで落ち着いてから~~

女ガード「……さ、先程は失礼した…私はギルドガード だ……昨夜疲労していたので一緒に寝させて貰った」

ユクモS(わぁ、こんな気まずそうなギルドガードボ ク見たことないやー)

女ガード「…まだ痛むか? つい本気で蹴ってしまっ たが」

キリン「………別に」キッ

キリン(ぁぅぁぅ…こ、この人怖いよぉ……)びくびく

ユクモS「それにしてもこっちの大陸だとギルドガー ドの服も違うんすね、なんかスマートッスよ」

女ガード「ほう、その姿を見るに、君はあの新大陸か ら来たのか」

ユクモS「そっすよ? でもまあボクらからすると こっちの大陸の方が新大陸って感じッス!」

キリン「………」

※ 会話の流れに乗れないキリンちゃん。



キリン(…ど、どうしよう……会話の輪に入れないよ)

キリン(……)うるっ

※ ・・・

※ ギルドガードがここにいる理由を聞いてみては?

キリン(あぅ…?)ビクッ

ユクモS「どうしたの?」

キリン「………何故ギルドガードがここに?」ギロッ

キリン(今声が聞こえたような…)

※ えぇ、私はナレーターなので声は届きませんよ? はい。



女ガード「(この娘が噂の問題児か…) ああ、ギル ドから直属の指令でね」

女ガード「どうもこの旧密林に『異常に強いイャン クック』がいるらしくてな、私が調査に派遣された」

ユクモS「イャンクック?」

キリン「鳥竜種の中でも上位に位置するモンスター、 大きな耳が特徴の飛竜だよ」

キリン(や、やった! 訓練所で勉強したのが役立っ たかも!)

※ 本来ならキリンちゃんが初めて戦う筈の壁を雑学 知識程度の扱い。

女ガード「まあ君達は見た所、『上位覇者』と『幻獣 狩人』レベルだろうから心配ないだろうが…」

女ガード「あまり油断はしない事だ、イャンクックの 中でもG指定の化け物は稀にいる」

キリン「…わかった」

キリン(ここ、こわいな…そんなのに会いたくない や)



ー 旧密林・川沿い ー

キリン「ここは視界が悪い、離れないように着いて来 て」

ユクモS「はーいっス!」むぎゅっ

キリン「………」

キリン(ひゃぁぁ…お、女の子とくっついて歩いてる よぉ…)びくびく

※ えぇ、キリンちゃんは恥ずかしいようです。

――――ちゃぷんっ――――

ユクモS「ちゃぷん?」



ガノトトス【 ……… 】ちゃぷっ

ユクモS「あ、目があった」

キリン(うにゃああああああ!!? うにゃああああ ああ!!?)

ガノトトス【 ギャァァッ!! 】ザバァッ

キリン「ガノトトス…弱点は雷の見た目通り水属性モ ンスターッ」

ユクモS「れ、冷静に説明すごいっすけど! どうす るのー!?」

キリン(えー……と? 確か…)

キリン「顔と足周りに一番肉質が柔らかい……」

ユクモS「……なら、やるですよー」チャキッ



ユクモS「こう見えても上位ハンター! ボクもこの 地域のモンスターには慣れないと!!」

ユクモS(一応『霊刀ユクモ・真打』だけど……大丈 夫っすよね!)

ガノトトス【 ギャ………ゴクンッ 】ザバァッ

ユクモS「川沿い近くに浮上した!」バッ

キリン「だ、駄目!! あれは水鉄砲………」

※ しかし突っ込んじゃうB型系マイペース女子、ユク モくん。

ガノトトス【ブシャァアアアアアアアッ】

ユクモS「へっ………?」

――――ドズンッ!!



ユクモS「こう見えても上位ハンター! ボクもこの 地域のモンスターには慣れないと!!」

ユクモS(一応『霊刀ユクモ・真打』だけど……大丈 夫っすよね!)

ガノトトス【 ギャ………ゴクンッ 】ザバァッ

ユクモS「川沿い近くに浮上した!」バッ

キリン「だ、駄目!! あれは水鉄砲………」

※ しかし突っ込んじゃうB型系マイペース女子、ユク モくん。

ガノトトス【ブシャァアアアアアアアッ】

ユクモS「へっ………?」

――――ドズンッ!!



ユクモS「い、いたた……あんましダメージはないけ ど…痛い物は痛いね」ズザァッ

キリン(な、なんで…?)

※ ユクモノ・天装備についてくるスキル、精霊の加 護のおかげです。

ガノトトス【 ッッ! 】ザッバァァッ

ユクモS「地上にも出て来れるんすか!?」

キリン(あうあう・・・ガノトトスにもユクモちゃん の動きにもついてけない…)あわあわ

※ そんなキリンちゃんの頭上に影。

キリン「………?」

ガノトトス【 がッ♪ 】

キリン(うにゃああああああ!!)



ズゥウウウウウンッッ!!

キリン「―――ッッ!!?」ドサッドサッ!

ガッ!!

※ ここでまさかの岩に引っ掛かり、

キリン(あれ? 止まらな……ひゃあああああああああああ)

ゴロゴロゴロッッ

どっぼーん!

※ キリンちゃんは綺麗な弧を描いて川の中へ。

ユクモS「キリンちゃん!?」



ユクモS「このッ!!」バッ

ガノトトス【………】ザザッ

ユクモS(飛竜とかがタックルする時の動作! すぐ に横へ回避すれば・・・

ガノトトス【ッッ】ヒュンッ

ユクモS「え?」



━━━━━━ 『亜空間タックル』!!!! ━━━━━━



ドゴォッッ!!

ユクモS「がはぁ…!」ドシャッ

ゴツンッッ

※ 吹っ飛ばされた所に、頭を打つユクモくん。

ユクモS「っ・・・・・・」クラクラ

ガノトトス【ガァ・・・】ギロッ



※ 一方その頃、川に落ちて流されたキリンちゃん は・・・

キリン「っ…ぅう……体いたい」ビクッ

キリン(あれ…私、なんで陸に……)ちらっ

チビクック【くーっ?】ちょこんっ

キリン「 」

チビクック【くーっ!】ぱたぱた

※ まるで自慢するかのように走るチビイャンクック (?)。

キリン「ぇ、えーと、ありがとう」??

チビクック【くぇっ!】



チビクック【くぇー、くぇー♪】ぐるぐる

キリン「ぁ、あぅ…君が私を助けてくれたの?」ビク ビク

チビクック【くぇっ!】ぴょんっ

キリン(………これは何を意味してるんだろ)

※ モンスターと会話出来ないという常識はキリン ちゃんには無いようです。

チビクック【くぇー?】がぶっ

キリン「あ! 私のポーチ噛まないでー!?」

※ おや?



チビクック【くぇっ! くぇー♪】バサバサッ

キリン「もう……あれ、何をくわえてるの?」

チビクック【くぇー】チャリッ

※ どうやらチビクックはキリンちゃんのポーチから 『麒麟の首飾り』を出したみたいですね。

※ ・・・しかし、これは…?

チビクック【くぇー♪ くぇー♪】ぴょんっぴょんっ

キリン「あぁっ! どこ行くのー!」

※ ・・・なるほど。

※ キリンちゃんはモンスター相手なら普通に接する 事ができるみたいですね!



ー 旧密林・元飛竜の巣 ー

キリン「ぜぇ…ぜぇ……く、クックちゃん…?」ヨロヨ ロ

チビクック【くぇー♪】ぱたぱた

キリン「つっかまえた!!」バッ

ガシィッ!!

チビクック【くー……】ぷらん

キリン「もー、返してよぉ…」うるっ

チビクック【くぇっ!?】ビクッ

※ おや、チビクックにも涙目が効いてます。



チビクック【くー…くっ?】チャランッ

キリン「あ、ありがとう!」

※ 先に盗ったのはクックの方だと忘れるキリンちゃ ん。

キリン「ふー……これ失くしたらだめなんだからね?」 チャリッ

チビクック【くー?】ジッ

※ 気になる、といわんばかりの声で無くチビクック さん。

キリン「あぅ? 聞きたいの?」

チビクック【くぇっ】ぴょんっ

キリン「でもゆっくり話す時間は無いの、ユクモちゃんの所へ戻る途中で聞かせてあげるから」

チビクック【くぇっ♪】ぱたぱた



ー 旧密林・飛竜の巣から下へ続く崖 ー

キリン「んしょ、んしょ、……落ちたら危ないからじっ としててね」ギシッギシッ

チビクック【くー】

キリン「んしょ、……あの首飾りはね、私が初めて触れ たモンスターの鬣なんだ」ギシッギシッ

チビクック【・・・】

キリン「ん…実を言うとね、まだ私モンスターとまと もに戦った事が無いの」ギシッ

キリン「おかしいよね、凄い強そうな格好してるの に」

※ キリンちゃんにはキリン装備が強そうに移るようです。



キリン「たまたま私が初めてクエストに行った時、本 当に『偶然』このキリンと遭遇したんだ」ギシッ

チビクック【くぇー・・・】

キリン「最初は殺される、て思ったんだけどね…いき なり倒れちゃったんだ、そのキリン」

キリン「そのキリンね、凄く苦しそうだったの」

ズルッ!!

※ ツタを掴んでいた手が滑る。

キリン「え、うにゃぁあああ!?」ヒュッ

ドサッ

キリン「……し、尻餅だけで済んで良かったぁ…」ドキ ドキ

チビクック【くぇー♪】バサバサッ

※ 実は飛べるチビクックさん。




キリン「……もしかして君、私を掴んで飛べたり?」

チビクック【くぇっ!】ギクッ

※ 図星のようです。

キリン「もぉ……」

チビクック【くぇっ、くぇっ?】ぱたぱた

※ 続きを急かすチビクックさん。

キリン「ぁあ……あのね、その時私はその死んじゃった キリンと約束したんだよ」むくっ

チビクック【くぇっ?】

キリン「それはね ━━━━━━



~~何だかんだのんびりした雰囲気とは一変、ユクモくんサイド~~

ユクモS「だ、大丈夫ですか!? 血が……」

女ガード「私もハンターだ、この位は慣れている」 ザッ

ガノトトス【・・・】ズシッズシッ

ユクモS「くっ、意外に手強い…」チャキッ

女ガード「……退いた方が賢明だ、私の武器はギルドナ イトセーバー…奴には効果の薄い水属性だしな」

ユクモS「……ボクの武器はアイツに効く筈っス!」

女ガード「あのガノトトスは下位の中でも最高の強さはある、退かねば君が狩られるぞ」



ユクモS「残念! ボクは上位ハンターッスよ!!」 バッ

※ 先の死亡フラグ全開で力尽きかけたのも忘れ、ユ クモくんまっしぐら。

女ガード「なんて聞き分けの無い…だから新大陸の人 間は苦手だ! 受け付けで温泉は催促するし!!」 ジャキッ

※ 仕事の不満が漏れてます。

―――― ガギィンッ! ズバッ!!

ユクモS「よし、鬼刃斬りをお見舞いだァッ!!」ギ ンッ

ガノトトス【・・・!】ズキッ

―――― ザシャッ!! ズババババァンッ!!

ユクモS「……これを受けて立ってはいられないッス よ」チャキッ

女ガード「やったか?」



ガノトトス【ガァアアッ!!】ギュンッ

ユクモS「ま、また…!!」

ドガァッ!!

ユクモS「ぁぐ…!?」ズシャ

女ガード「……私まで巻き沿いだ」フラフラ

ガノトトス【・・・】グンッ

女ガード(水鉄砲の予備動作!? 避けられない!)

ユクモS「ガードのお姉さん!!」



※ その時駆ける足音。

―――― シュターンッ!

※ そして斬り裂かれるガノトトスの眼光。

ザシュゥンッッ!!

ガノトトス【ギュァ…!!?】グラッ

―――― スタッ

女ガード「……!」

ユクモS「ぁ…」

※ 危機感しか無かった彼女達の表情に、驚きと歓喜 に彩られた表情が上塗りされる。

※ 突如現れた神々しき純白の美女、その名は――――

キリン「…………」ザッ

※ そう、我らが女神キリンちゃんである。



ユクモS「き、キリンちゃん! 無事だったっす か!?」

キリン「………」コクッ

女ガード(たった一撃でガノトトスを怯ませた…? 目を切ったとはいえ飛竜種にはその手のダメージは効 かない筈!)

ガノトトス【ガァアアッ!!】ドスドスドスッ

バッシャーン!

女ガード「! 川へ逃げ込んで有利な場で圧倒する気 か…」ゴソゴソ

女ガード「『音爆弾』だ! 受け取れキリン!!」 バッ

キリン「ッ!」ビュバッ

スカッ

ユクモS「何で無視して避けたっす!?」

―――― ジュバァンッッ

※ キリンがいた場所にガノトトスの水鉄砲が突き刺 さった。

女ガード(まさか…察知して避けた!?)



女ガード「だがこのままでは防ぐ一方だ! 音爆弾を 拾うんだ!!」

キリン「…ッ、ァアアアアアアアアアア!!!」ギ ンッ

※ 突然響く絶叫。

ユクモS「ひ、雄叫び!?」

女ガード「馬鹿な、そんなものでどうにかなるわ け…」



ガノトトス【ブギャアアアアアアアッッ!!!】ザバッッ



女ガード「……ガノトトスが恐怖で飛び上がっただと」



ドシャァアアアアッッ!!

ガノトトス【ガァアアッ】バタンバタンッ

キリン「ッ、ハァ――――!!」ダダッ

―――― ズッ…ドォォォンッッ!!

ユクモS「キリンちゃんのハンターナイフが爆発し た!?」

女ガード「そんなのがハンターナイフな訳無いだろ う!!」

ガノトトス【ギギュアアアアッ!!】カッ

※ 瞬時に噴く水鉄砲。

キリン「……!」シャッ

ジュバァンッッ

※ しかしその不意打ちすらキリンちゃんには当たらず!



ガノトトス【ガフッ!? ガ・・・】ズシッ…ブルブ ルッ

女ガード(また川に逃げ込むのか? 早過ぎる!)

キリン「ヤァッ!」ザシュゥンッッ

ガノトトス【ゴグンァッッ!!?】ビクゥッッ

ガノトトス【ガ・・・か……】グラッ

ズシンッッッ

キリン「………」チャキンッ

女ガード「 ………倒しただ…と? 」

ユクモS「 」

※ 声が出ない位ビビるユクモくん。



―――― 数分前 ――――

キリン「あ!! ユクモちゃんが危ない!」

チビクック【くぇっ!】

キリン「君は近づいちゃダメだよ!? 私行ってく る!」チャキンッ

チビクック【・・・くぇー】

キリン「たぁっ!」バッ

ズバ!!

ガノトトス【ギュァ…!?】グラッ

※ ここまでに女ガードとユクモSの攻撃でダメージ が蓄積されてた為、たまたま怯む。



キリン(ひにゃぁ…やっぱり怖いよぉ…!)ビクビク

ユクモS「き、キリンちゃん! 無事だったっす か!?」

キリン「……ぅ、ぅん」コクッ

※ 周りには小さ過ぎて声が聞こえない。

キリン(あ、逃げようとしてる! 追いかけない と…)バッ

<「~~~受け取れ!!」

キリン(?)チラッ

ガッ

※ 見事に転んで前転するキリンちゃん。

ジュバァンッッ

※ 遅れてキリンちゃんの立っていた位置に水鉄砲が炸裂し、それを見たキリンちゃんは……。

キリン(うにゃあああ!? 危なかっ―――

ガスッ(足の小指が岩に当たる音)

キリン「ぃッ、だああああああああああ!!!!」



※ そのほぼ同時、女ガードが投げた音爆弾のうちの 一個が川に転がっていき。

ガノトトス【・・・?】こつんっ

――――ギィィィンッッ(水中で爆発したから倍増)

ガノトトス【ブギャアアアアアアアッッ!!!】ザ バッッ

キリン(……ぇ?)

ガノトトス【ギッ】ドシャァアアアアッッ

キリン(ちゃ、チャンスなんだから…攻撃!)

※ キリンちゃんが剣を振った瞬間、その軌道上にガ ノトトスと一緒に飛んで来た爆裂アロワナが入り・・・

―――― ズッジャリ…ドォォォンッッ!!

キリン(うにゃああああああ!!?)



ガノトトス【ギギュアアアアッ!!】カッ

※ 瞬時に噴く水鉄砲。

※ と同時に、

キリン「うにゃんっ」ズルッ

※ 滑るキリンちゃん、水鉄砲当たらず……。


ガノトトス【ギッ…ギュァ?】ぽろっ


※ 水鉄砲噴いた後の呼吸で何か口に入る。

※ その正体は『龍殺しの実』。


ガノトトス【ガフッ!? ガ・・】ズシッズシッ…ブ ルブル


※ 川の水で洗おうとするが。

キリン「逃げちゃだめー!!」ズバッ

ガノトトス【ゴグンァッッ!!?】←飲んだ



※ そして、ガノトトスは毒殺された。



○次回予告○


※ ガノトトスをほぼ瞬殺したキリンちゃん。

※ そんなキリンちゃんは通称『森丘』と呼ばれるエリアを抜けての最短でココットを目指します。


女ガード(姉妹丼って響きが凄く百合の花だと思うんだ)

キリン「マッ!!!」

ユクモS「ふつくしい…」


※ そして様々な思惑が飛び交う中、キリンちゃんを襲う平手!

※ まさかの肘!


キリン「!?」


※ 特に意味のない暴力がキリンちゃんを襲う!!

(次回の再放送は本日中に投下予定の『お兄ちゃん編』の後に放送する予定です)


どんなプロハンでもキリンちゃんの幸運には叶わないな。うん

百合色じゃないですかー!やったー!

これ見たことあるな。
好きだったけど更新されなくなって残念だったが
復活したのか、嬉しいわ


●前回までのあらすじ●




いつもの様に採集クエストを済ませて帰ってきたキリン。



その日、彼女が見た夢は、幼い日の朧気な夢。


これは、レウスに勝負を持ち込まれた日の夜に見た夢の

『知らない兄の物語』。



━━━━ ガタンッ・・ガタンッ・・・


マフモフ?(……寝てた、のか)ウトウト

アイルー「起きたかニャ? そろそろ目的のポッケ村に着くニャ!」

マフモフ?「はは、楽しみにしてるよ」

アイルー「旦那はハンターに成り立てニャのかい?」

マフモフ?「まあね、訓練所をやっと卒業してきたんだ」

アイルー「それで故郷の村付きハンターに?」


マフモフ?「いや……知り合いのおじさんに預けていた妹を迎えに行くんだ」



アイルー「妹さんかニャぁ……良い話を聞いたのニャ」

アイルー「あッしが旦那を一刻も早く妹さんに会わせてあげるニャ!」ミャーッ

マフモフ?「悪いね、ありがとう」

アイルー「はいニャー!」



━━━━━━ ガタガタ・・・


・・・ォォォォォォォォオオオオッッッ!!!


アイルー「!!?」ビクゥッ

マフモフ?「咆哮……!?」


アイルー「じょ、冗談じゃないニャ……」

マフモフ?「ポッケ村までは?」

アイルー「まだ30分はどうやってもかかっちゃうニャ!」

マフモフ?「30……今の咆哮、あまり距離があるとは思えないけど、方向がまずい」


アイルー「ポッケ村の近くで何かが吠えたのニャ…それも、ここまであの音量が届くとしたら」

マフモフ?「ティガレックス、だろうね」


ガチャッ

マフモフ?「アイルー族は僕ら人間より聴覚に優れているって聴いたよ、音源の大体の方向は分かる?」

アイルー「旦那!? 無茶ニャ! ボーンククリでティガレックスニャんて…」

マフモフ?「大体の方向にこのまま走らせて、途中で降ろしてくれ」

マフモフ?「その後、ポッケ村に報せてくれ、頼む」


アイルー「………、どうニャっても、知らないのニャ」


━━━━━━ ギギィッ・・・


マフモフ?「……」ザッ

アイルー「直ぐにポッケ村の集会所からハンターをいっぱい連れて来るニャ!」

アイルー「だから、それまで無理はダメなのニャ!」

マフモフ?「ありがとう」


< ガタンッガタンッ……ガラガラガラッ…


マフモフ?「……」

マフモフ?(恐いけど……何も出ない事を祈って進もう)


━━━ 雪山エリア8付近 ━━━


< ザッザッザッ……

マフモフ?(……いた)


ティガレックス【………】のそのそ


マフモフ?(…妙に生傷が多い……)

マフモフ?(もしかすると、思ったよりも弱っている?)

マフモフ?(……村に向かわないなら、ここはとりあえず見守るだけに…)ザッ…


パキッ >

ティガレックス【ッ……!!】ガバッ


マフモフ?「しまった!」シャキンッ


久々だから最初だけ間違えるかもしれん



━━━━━ 揺れ動く殺意。

ティガレックス【グルルルルル・・・】ズシャッ

━━━━━ 既にその刃を持った四肢は臨戦体制。


マフモフ?「……」チャキッ

マフモフ?(いきなり咆哮を出してこない……疲弊か、それとも…)


< ザリッ…

ティガレックス【……グルル】ザリッ…ザリッ…


マフモフ?(……………)

マフモフ?(足場の悪さを考慮して僕をどう狩ろうか図っている……?)

マフモフ?(このティガレックス、疲弊していたのでも弱っているわけでも無かった! 単純に『冷静過ぎる』だけだ!)


━━━━━━ ズドォッッ!!


マフモフ?(来るッ…ここは横へ跳んで……!)バッ

ティガレックス【ゴァァァアアアッッ!!!】ギュルンッ!!

マフモフ?(なっ…!?)


マフモフに身を包むハンターがティガレックスの踏み込みと同時に横へ跳ぶ。

『それを予測して』、ティガレックスは踏み込みと見せ掛けてその身を押し留め……。


マフモフ?(あの構え……『投石』か!)ズザザザッ

マフモフ?(この体制からあれを回避は出来ない…なら!!)


━━━━━━ ボンッッッ!!!

身を全力で引いてからの、張り手。

それによって足元の雪塊を砲弾の如き威力を纏って打ち放ったのだ。


マフモフ?(ッ……)ガギンッッ

ほぼ一瞬の判断で、ハンターは自らの武器を固い地面に深々と刺し込んだ。


━━━━━━ ガリガリガリィィッ


ズッドォォォン…!!! >

マフモフ?「……ッ」ビリビリッ

盾を頭上に構え、雪弾を凌ぐ。


マフモフ?(砂や土砂に比べて重い……この重さは偶然だと良いな…!)

ティガレックス【ゴガァッ!!】ギュオッ!

マフモフ?「……来たッ」


━━━━━━ ガッパァァッ・・・ッ!

マフモフ?「ふッ……」ヒュッ


< ガギンッッ!!!
         ガギンッッ!!! >
< ガギンッッ!!!
         ガギンッッ!!! >


マフモフ?(は、やい…ッ、速い!! 紙一重でかわすのがやっとだ…!)ザザザッ

猛烈な突進の直後に繰り出されるティガレックスの『噛み付き』。

雪山の足場の悪さを限界まで無視しながらの後退ステップで全て避ける。



ティガレックス【グルルルルル……ッ】

マフモフ?「仕留められなかったのがおかしいかい、ティガレックス…」ダンッ


━━━━━ ズバンッズバンッ!!


ティガレックス【ガァッ!!】ビュオッッ

マフモフ?「はぁッ…!!」ガギンッッ!! …ズザザッ

< チャプッ

マフモフ?「行け…!!」バッ

ティガレックス【!】


パリンッ!

ティガレックス【ガッ……ゴァァッ!?】ブルンッ!!ブルンッ!!

マフモフ?(そのホットドリンクはくれてやるさ……今のうちに、離脱しないと…)バッ


ホットドリンクに含まれている『トウガラシ』が僅かにティガレックスの目を塞ぐ。

その隙にハンターはエリアから離脱して身を隠す場を探そうとした。

だが。


ティガレックス【……】スゥゥ


マフモフ?(……? 静かになった…)ピタッ


そう、突然止まったのだ。

ティガレックスの動きが、唐突に。

何よりティガレックスの呼吸が妙に深い、彼らの種ではほぼ有り得ない現象だった。


そして。



ティガレックス【ゴッ…ゴガガッ……グルルルルル・・・!!】

< ズズズズズ・・・


マフモフ?(体に赤い模様!? 平静を保ったままで逆鱗時の状態になったのか…!)


ティガレックス【グルルルルル・・・】ザリッ…


マフモフ?(あの状態になったティガレックスが冷静だなんて、見たことも聴いたこともない…)

マフモフ?(ダメだ、この距離じゃ逃げ切る事も出来ない)チャキッ


━━━━━ ドッッ!!

ティガレックス【ガァァアアアアッッ!!!】


< ガリガリィッ…!
マフモフ?「ぐぅ…ッ、だああ!!」ヒュヒュンッッ

ガッ! ガギィッッ!

マフモフ?(比較的肉質の柔らかい部位を斬っても弾かれてる…ッ、ボーンククリじゃ泥試合に持ち込むのも無理か…!)


突進して来たティガレックスの下を上手く滑り込むと、そのまま背後を取っての斬撃。

しかし、堅いティガレックスの鱗はボーンククリの重さと切れ味をまるで無視している。

微々たるダメージすら与えられないのを知ったハンターは、視界の端にある崖を見た。


マフモフ?(……ッ、喰い殺されるくらいなら、まだ天に命を預けた方が……)

ティガレックス【ゴァァァアアアッッ!!!】



━━━━━ ビュンッッ!!


マフモフ?「ッ!!」

ティガレックスがその巨体を高速回転させて鋭利な『尻尾』を薙ぎ払ったのと同時。

瞬時にハンターの足がギリギリの所で動き、限界まで跳躍する。


< スタッ!

ティガレックス【ガッ!?】ビクゥッ

マフモフ?「おおおおおおおおおお!!!」


ガガッ…ガガガガガガザシャンッッ!!

< パチャッ!!

マフモフ?(通っ、た…ッ)ビリビリ‥


殆ど咄嗟の好機。

そこを逃すことなく、ティガレックスの背を踏みつけたまま腕が痺れるその一瞬まで斬ったのだ。

そして、ついに元々ボロボロになりかけていた鱗を削り取る事に成功し、一撃をその背に浴びせたのだ。

鮮血が僅かに飛沫をあげ、ハンターの頬とティガレックスの視界にその赤を塗り込む。


ティガレックス【ッッ、ゴギャァアアアアア!!!!】ズゥンッ!!

マフモフ?(跳び上がった……!?)ブワッ


< ドザァッ!!

マフモフ?「ぐぁっ!」

マフモフ?(づゥ……、左足が…!)ズキッ


ティガレックス【……グルルルル】ドォッ!!


マフモフ?(体制を立て直された…避けるのも拮抗する事も出来ない……)フラフラ


激昂せず、未だに眼前で臨戦体制のティガレックス。

対して、足を痛めた手負いのハンター。

どちらが生き残るのかは、明らかだった。


マフモフ?(この足で崖まで走れるか……!!)ググッ

ティガレックス【グルルルル……】ザッ


ほぼ一瞬の間を置いて、両者の足に力が掛かる。

自らの体重を一定の位置に乗せて。

走り出す。



━━━━━ ドォンッッ!!


マフモフ?(なっ……)

< ボォォォンッッッ


直後鳴り響く爆音が雪山を揺らした。

否、揺れたように錯覚したのだ。

即座に動いたハンターを牽制するかの如く、『投石』した氷塊がハンターの目先に炸裂したからだ。

確実に逃がさない、と。


マフモフ?(退路を塞がれ……)

ティガレックス【ガァアアア!!】ブォンッ


ゴッッ!!

マフモフ?「がッ……!?」メキッ…



< ゴッ! ドガッ!!

マフモフ?(……ッ…)ドサッ

マフモフ?(…ッ、 思ったよりもキツい……そりゃそうか、雪や砂を砲弾に出来るレベルだもんなぁ…)

< ヨロヨロ…

マフモフ?(ここで死ぬわけには行かない)ギリッ


ティガレックス【?】ピクン

ティガレックス【…………】ザッ!!


━━━━━ ドドドド!!!

マフモフ?(来い……この弱々しい獲物に喰らいついて来い…)


ギシッ、と腕の骨が鳴るのを感じながらハンターは右手のボーンククリを握り締める。

眼前に迫る轟竜の顎がギロチンのように開き、その奥の牙が見え隠れする。

数秒後にはハンターの胴体を引き千切ろうと喰らい付くだろう。


それを恐れず、握り締める刃をハンターは刹那に躍らせた ━━━━━




ガッッ!!

マフモフ?「!?」ドサァ

マフモフ?(う、腕でこっちの手を弾くように……!?)

ティガレックス【グルルルルル・・・】


< ガパッ………


マフモフ?「ッ……妹…」










ティガレックス【 オマエ、ツエエナァ・・・? 】










マフモフ?「……」

マフモフ?「は…?」


ティガレックス【 ホカノ ハンター、オレト タタカウ トキノ、ブキ・・・モットツヨイ 】

ティガレックス【 ナノニ オマエ、ツエエ 】


マフモフ?(……僕は、頭でも打ったのか?)

マフモフ?「は、は………なんでティガレックスが喋ってるんだ…」


ティガレックス【 シラネェヨ、ズイブンマエカラ ハナセル 】

ティガレックス【 オマエ、ブキ、モットツエエノ モッテルノカ 】


マフモフ?「……この雪山の向こうにある村に、送ってある」


ティガレックス【 ツエエカ? 】


マフモフ?「……い、今よりは…ね」


ティガレックス【 オモシレェ・・・ 】

━━━━━ ズシッ……ズシッ……


マフモフ?(ど、どいた…?)


ティガレックス【 ツキ、マルイトキ マタクル 】

ティガレックス【 オマエモ、マタコイ 】


マフモフ?「……来なかったら?」

ティガレックス【 ミツケルマデ、ハンターコロス 】




マフモフ?「………」


ティガレックス【 マタナ・・・ソレト、ジュカイ イクナヨ? 】


マフモフ?「なんだって?」

━━━━━ ビュバァンッッ!!


マフモフ?(……っ、飛んでいった…)

マフモフ?(……)フラッ


< ドザッ


マフモフ?(…全身の力が抜けていく……今頃になって体力が…)

マフモフ?(少し…寝よう)




━━ ポッケ村・?? ━━


ハンター「ん……」ウトウト

ハンター「……!!」ガバッ


< 「うわ、びっくりした……大丈夫?」

ハンター「…っ、ポッケ村かな? ここ」ズキッ


女クック「うんうん、ようこそ新人さん!」

ハンター「ティガレックスは?」

女クック「無視かい! ……まぁハンターとしては気になるか」


女クック「君が戦闘したティガレックスは一目散に雪山から旧指定の密林に向かったらしいよ」

女クック「ギルドの調査隊の話だと、『思わぬ敵に驚いて』逃げたらしいねー」


ハンター「…逃げ……た?」



女クック「君、すごいよー? 私びっくりしちゃった」

ハンター「はあ…」

女クック「うんうん、超大型新人ってやつかな? ともかく……」

女クック「今日から君の先輩として一緒に行動する、クックだよ! よろしくね」


ハンター「俺は……ハンターの『ルーツ』です」

女クック「ありゃ、本名か…まぁそりゃ新人だからまだ一式装備持ってないもんね」


女クック「さてさて、とりあえず伝統の村長にご挨拶いこーか!」

ハンター「うん、だけど……」

女クック「ああごめんごめん、まだ怪我してるもんね」

ハンター「そうじゃなくて……連れてきて欲しい子達がいるんだ」

女クック「あ……」


ハンター「ここの引退したハンターで、二人の小さな女の子を預かってる人がいると思う……」

女クック「もしかして?」

ハンター「僕の……世界でたった二人だけの家族なんだ」


ハンター「妹だ」




━━ 集会所 ━━


ブル装備「聞いたかよ、今度ここの村付きハンターになる奴、マフモフにボーンククリだけでティガレックスを撃退したらしいぜ」

レザー「なんだよそれ……化け物か」

アカム「そんな事よりあっちのキリン装備の娘……なぜ武器を持ってないのだ」

男キリン「どこぞのキリン装備とは違って隙がないから近づけませんけどね……」

レザー「なんだお前ら帰れ」

ブル装備「うどんでも啜ってろ」


アカム「仕方ない、こんなムサい集会所にいられるか! 帰るぞ男爵」

男キリン「はい兄貴!」




< ガヤガヤ

キリン?「……五月蝿いですね」

銀髪?「いつもの事じゃないですかー、人間なんですし~」

キリン?「……」ブツブツ

銀髪?(何だかんだ、楽しそうなもので……)

キリン?「…っ」ピクン

銀髪?「どうかしました?」

キリン?「……死んだみたい」

銀髪?「何故ですか?」


キリン?「ナルガクルガ……」

銀髪?「へぇ……こちらの大陸にもいるんですね、あの…なんか、ふしゃーっ! って感じの」

キリン?「せめて名前で言ってあげて下さい…」クスッ


銀髪?「さて、どうしますー? またバルちゃんに負けちゃいましたねー」

キリン?「……」

銀髪?「どこの地域に遊びにいきましょっかー」


< 「お姉ちゃんお姉ちゃん! こっちだよぉ!」

< 「だめよ走っちゃ……あ、ごめんなさいうちの妹が…」

< 「えへへ♪ うにゃー! アイルーさんこんにちはぁ!」


銀髪?「意外にああいう女の子が凄いかもしれませんよ?」

キリン?「?」チラッ

銀髪?「ルーちゃん、逆、逆……」


キリン?「!」ピク


















女クック「ほら、あそこでアイルー婆さんに絡んでる」

ハンター「……!」


< 「ほら、声かけないの? せっかく会えたんだし」

< 「……う、うん」








キリン?「……」

銀髪?「どうかしたんです? あのハンター二人を見て」

キリン?「あっちのインナーのハンター……」

銀髪?「ぱっとしない下位ハンターですね…今日来たばかりでしょうか」

キリン?「……」カタン

銀髪?「どこ行くんですか」

キリン?「移動です」



ハンター「……」

女クック「どしたの? 」

ハンター「一番下の、あっちのアイルーとはしゃいでる子……あの子は最後に会った時、まだ小さかったから」

ハンター「僕の事……覚えてるかなって」

女クック「んー」

< ペチペチッ

ハンター「あぅ…?」


女クック「とっとと行ってきんしゃい! このヘタレ! 妹さん達に逞しくなったその体を見せつけて興奮してきぃ!?」


ハンター「……」

ハンター「興奮はしないけど…わかった、ありがとうクックさん」

女クック「おう!」フンスッ


ハンター「……」ドキドキ





幼キリン「アイルーさんがいっぱいだにゃぁ♪ 」キャッキャッ

アイルーA「ギニャアアアア!? 絞まる絞まるぅブゥヘェッ!!?」メキメキメキ…

アイルーB「やめたげてニャー!」


アイルー婆さん「……程ほどにしてあげとくれよ?」

幼キリンX「ごめんなさい、うちの妹は本当にアイルーが好きみたいで……」

幼キリン「えへへー♪」キャッキャッ






ハンター「………」

※ どうやら今度は別の意味で声をかけ難いようですね。



幼キリンX「もうこの子ったら、………?」ピクン

幼キリンX「え…?」クルッ


ハンター「!」ビクッ

幼キリンX「お兄ちゃん…?」


幼キリン「お姉ちゃん? どうしたのー?」ピョコン

ハンター「……ぁ…」

ハンター(…もし、覚えてなかったとして……僕は)





























女クック(早く感動の再会シーンやんなよもう…)イライラ


幼キリン「あぅー?」キョトン

幼キリンX「……」

< グイグイッ

ハンター「ぁ…」ドキッ

幼キリンX「お兄ちゃん……だよね」

ハンター「う、うん……」


幼キリン「お兄ちゃん……?」

ハンター「そ、そうだよ…その、3年ぶりだから、覚えてないかな……」

幼キリン「……?」チラッ

幼キリンX「あなたのお兄ちゃんよ? ほら、わたしのお兄ちゃんだよ…?」


幼キリン「うー……?」


幼キリン「お兄…ちゃん」



幼キリンX「…3年も、どこにいってたの?」

ハンター「訓練所に行ってたんだよ…一人前になって、ハンターになったんだよ」


ハンター「その……さ」

ハンター「………」

ハンター「ただいま……」



幼キリン「……うん!」



━━━━━━ 「おかえりおにーちゃん!」




━━━ 現在 ━━━



キリン「……お兄…ちゃん………」ムニャムニャ

※ 涎だっらだらなままで可愛らしい寝言を言うキリンちゃん。


※ しかし、起きてしまえば幸せな夢の一時も消えてしまい……。

※ 普段の日常に帰っていく…それが、この『夢物語』なのでしょう。

※ 出来ることならば、『私』も会いたい。


※ 出来ることならば、あの日々に出来なかった事を共にしたい。

※ ナレーターである『私』ですら、そう思うことはあるのですから。


※ 長々と話してしまいました、『狩ゆり』…このお話は一旦の幕を閉じます。

ちょっとgdgdな放送になって大変申し訳。

お久しぶりです、左右田なんちゃらです。
今回のお話は初見の方や一部の方にはわかり辛かったでしょうが、過去編です。

それでは間を置かずに、gdgdさせたお詫びとして二話連続再放送させて頂きます。

(今度『姫おんぶ』の再放送もやろうかと思ってますが、如何でしょうかね)



○前回までのやったねたえちゃ……うわなにをすr○

※ ココットへ向かう中、旧密林にてガノトトスと遭 遇するキリンちゃん達。

※ 更にキリンちゃんやユクモS、ギルドガードでさえも手こずる大型のガノトトスが猛威を奮う。

>>85「博多の塩!!」

>>86「褐色肌なキリンちゃんも良いと思うんだ」

※ しかし、そこへ現れる戦女神。

>>87「特農べりおぼん?」

>>88「もんはんのえろほん?」

※ 無事ガノトトスを倒したキリンちゃんはココット にたどり着けるのか?




女ガード(信じられん程の強さだ…とてもただの村付きハン ターとは思えない)

ユクモS「す…凄過ぎて何が起きたかわかんないっすよキリンちゃん!」

キリン「……2人共怪我は?」ツン

キリン(わ、私もよくわかんない……)ドキドキ

※ いつも通りのキリンちゃんですね。

女ガード「とにかく、後で私がギルドに報告してお く……『キリンが見事討伐した』とな」

ユクモS「あ! じゃあ素材を剥ぎ取っても?」

女ガード「ダメだ、予め討伐対象を決めていない上で の狩猟はギルドによって剥ぎ取りは禁止されてる」

ユクモS「えー…」

キリン「…でも後で報酬は頂けるんでしょ?」ギロッ

女ガード「まあな(……なかなか貪欲だな)」

キリン(ユクモちゃん頑張ってたもんね!)



ユクモS「あいたた…しかしこっちの大陸のモンス ターは強いっすね、ボクなんか手も足も出なかったの に」

女ガード「……それなんだがな、少々キリンに伺いた い」

キリン「…?」

女ガード「君のハンターナイフ…『らしき危険物』を ギルド規定により没収する」

キリン(なんでハンターナイフを!?)

※ 爆発したナイフをナイフとは認めないのが常識。

女ガード「鍛冶屋の資格を持たない人間が武器の改造 をするのは違反でな、見せて貰おう」スッ

キリン(ぁうあう……別に何もしてないのに…)

スッ

女ガード(何か仕掛けがある筈……)カチャカチャ

女ガード(……鉄鉱石で作られた、ただのハンターナイフだと)ガビーンッ



女ガード「……済まなかった、これは返そう」スッ

キリン「別に、何でもないから」

女ガード(何でもない…か、凄まじい挑発だな)

※ 警察がキリンちゃんに目をつけたようです。

女ガード「失礼した、確か君達はココットへ向かって いるのだろう?」

ユクモS「そっす! ボクが新しく住む事になった 村っすよ!」

キリン(あ、そうなんだ)

※ 詳しく内容を知らないキリンちゃん。

女ガード「ここから南下していけば、ココットへ直通 している森がある…最短ルートとなる筈だ」

キリン「丁度そこへ向かってたの」キッ

女ガード(………優秀過ぎて段々不気味になってきた)



女ガード「…さて、私も少しこの辺りを探索したらギ ルドに戻るかな」ザッ

ユクモS「あ、イャンクックですっけ? 頑張って下 さいッスよ!」

キリン「………」

キリン(そっか、あの人イャンクックを探しに来たん だ…)

キリン(大丈夫かな、もう近くにいないだろうけど… 凄く小さいイャンクックだったし…)

※ チビクックを心配しながらも、キリンちゃんはギ ルドカード手帳を開く。

討伐数:2

名称:ガノトトス

全長:2997.6

現在キリンちゃんの合計モンスター全長:4072.6

キリン(今回はきっとユクモちゃんやガードさんがいたから倒せたけど、次からは私も頑張らなきゃ!)



―――― キリンちゃん達から視点をずらして ――――

女ガード「………行ったか」

女ガード「しかし偶然会っただけで面白い手土産がで きたな」スタスタ

女ガード「先日から『キリンX』の奴が嬉しそうに話し ていたが、確かに凄いハンターだ」

女ガード(………そろそろ来るか?……)

<ガサガサ

ギルドガードA「おや、1人しかいないな」ザッ

ギルドガードB「ガノトトスは置きっ放しか…不用心だ ねぇ」

ギルドガード「ん?」

女ガード「………」



ギルドガードA「ははっ! 見ろよ、『ギルドガードの 真似』してるぜ」

ギルドガードB「まさかその『蒼の制服』がギルド ガードの姿とでも?」

女ガード「お前達はギルドガードだな?」

ギルドガードA「そうさ、よく見な? 『白を基調にした紅と蒼の制服が正規のギルドガード』なんだ」

ギルドガードA「俺達に化けてガノトトスを横取りか? いけない娘だなぁ」

ギルドガードB「悪いハンターは牢獄行きだぜ?」

女ガード「………笑わせるじゃないか」

ギルドガードA「はん?」

女ガード「『黒を基調にした制服』がギルドガードで はないと思っているとはな」



―――― パンッ!

ギルドガードB「ぎ、ぎゃああ!?」ドサッ

ギルドガードA「な……!!」

女ガード「女ハンターを二名、男ハンターを六名、お 前達は無実の罪を被せ、好き放題したらしいな」

ギルドガードA「今のはなんだ!? ボウガンか!?」

女ガード「いいや、世界初の『対人用・銃』さ……ギルドの開発したものだ」

女ガード「よぉく、あの世で覚えておくんだな…ギルドの『暗 部』にはこの私がいることを」スチャ

ギルドガード「待っ――――


―――― パンッ!パンッ!



女ガード「…ノルマは1つ完了か、そちらはどうだっ た?」

紅ガード「だめっぽ、なーんかイャンクックのいた形 跡すらないや」スタッ

女ガード「やはりそちらは誤情報か」

紅ガード「だね」

紅ガード「いんや~、すごいね? ガノトトス倒した の?」

女ガード「私ではなく、例のハンターだがな」

紅ガード「あ! あの『ドドブランゴを拳の一撃で倒 した』っていう?」

※ どうやらキリンちゃんの伝説は増え続けているよ うです。



紅ガード「ウチも見たかったな~、かっこよかっ た?」

女ガード「痺れる程にな、私も一歩間違えれば惚れた かもしれん」

紅ガード「えっ」

女ガード「冗談だ」

女ガード「だが噂通り、凄まじい強さだった」

紅ガード「うわ! じゃあ本当に実現するかも?」

女ガード「あぁ………」

―――――――― 「あのハンターは必ずG級に上り詰め、ギルドの『暗部』に来るだろうな」



~~ そんなキリンちゃんを勘違いしまくるシリアス とは離れた、『古塔』 ~~

ミラボレアス【グォ……ガ?】

訳:それで……どうだ?

チビクック:訳『えぇ、旧密林で会いましたが…麒麟 老師の魂は間違いなくあのハンターに』

ミラボレアス:訳『信じられぬ…麒麟老師は人間の女 ハンターに殺されたのではないのか!』

チビクック:訳『はい、彼女は悪意どころか、麒麟老 師に対する敬意を持ってその皮を被っています』

ミラボレアス:訳『なんと! では麒麟老師を狙って いた【アカムキラー】と【ウカムキラー】から救った のは!?』

チビクック:訳『紛れもなく、彼女です陛下』



チビクック:訳『たった数十分程度しか接触してはい ませんが、彼女は我々モンスターに対してある誓いを 立てています』

ミラボレアス:訳『誓いだと?』

チビクック:訳『彼女は誓ったのです、麒麟老師が何 らかの病によってハンターから逃げ切れずにいた 時……』

キリン「―――あなたが苦しんだ姿を忘れず、私は悪い モンスターだけを、誰かを傷つけるモンスターだけと 戦うから…」

キリン「だから、あなたの力を貸して下さい……」

チビクック:訳『……人間の言葉など余りよく理解出来 ません、しかしこの言葉にある意味は…』

チビクック:訳『つまり! 彼女は【いつかこの世界 にいる悪いモンスターや人間を駆逐するからね】と 誓ったのです!!』

ミラボレアス:訳『なんという……! まさしく平和を 望んだ麒麟老師の意志を継いだ…【勇者】!!』

※ やはり彼らも勘違い!!



ミラボレアス:訳『こうしてはおられぬ…塔周辺に集 めた総勢2000の飛竜軍に伝えねば!!』

ミラボレアス:訳『皆の者ォッ!! よく聞くが良 い、我等はこれより新たな同胞の誓いにより全世界の 人間を皆殺しにする計画を中止する!!』

ミラボレアス:訳『これは偉大なる麒麟老師の意志で もある!!』

<訳『なんだって?』

<訳『俺なんか家族を皆殺しにされたのに…!』

<訳『そもそも同胞って?』

ミラボレアス:訳『黙れぇい!! 我々モンスターよ りも、人間よりも気高き勇者、【 キリン 】の為で ある!!』

ミラボレアス:訳『同胞は誓ったのだ! 我々モンス ターが何もしなければ新たな同胞が悪しき人間達に復 讐するのだとなァッッ!!』

<訳『『な、なんだってぇええええ!!?』』



―――― こうして、キリンちゃんの活躍により世界が 侵略されることは無くなった。

※ しかし、次々と増えていくキリンちゃんの伝説。

※ そして謎深まるキリンちゃんの力!

※ モンスター達やハンターギルド全体に見られるキリンちゃんの運命は如何に!?

キリン「……」

キリン(なんだろ…今色んな所で勘違いされた気配がしたよぉ…!?)



※ 次回、キリンちゃんの初めての冒険最終回(物語的には最終回ではない)!!!




~~ オマケ①・暗部のキリン様 ~~


キリンX「ィイヤッフウウウ!!」ズドォォッ

女ガード「ぐはぁ!?」べしゃー

キリンX「ねー、聞いた?」

女ガード「突然背後からドロップキックをしておいて 開口一番が意味不明なのだが」ヨロヨロ

キリンX「昨日ポッケ村から少し離れた所の村に仕事で 行ったでしょ?」

女ガード「(無視か) 確かバケツ装備のハンターを 2人程『処刑』しに行ったらしいな」

キリンX「そいつらから聞いたの! 『今まで会った中 で一番強いキリン女ハンター』の話!!」



女ガード「はぁ…珍しくも無いだろう、前はウカム装 備の男に襲われた別のキリンXがいた程だ」

キリンX「あんな弱っちい(でもエロい)娘とは違っ て、『片腕で麒麟を10頭』倒せるハンターよ!」

女ガード「なんだその化け物は、G級でも無理だ」

キリンX「むふふー! あの娘なら直ぐに『暗部最強』 の私を越えちゃうよ?」

女ガード「…何者だその女」

キリンX「名前は『キリン』、装備は麒麟一式だけね」

女ガード「武器が凄いかスキルが凄いのか? 『回避 珠』を持っていれば大抵は…」

キリンX「噂によれば丸腰で倒せるらしいわ」

女ガード「魔神か何かなのかその女!?」



女ガード「しかし妙だな、何故キリンXが気にする? 嫉妬か?」

キリンX「ん、私が嫉妬するような女はフルフルの刑に 決まってるじゃない」

女ガード(あのヌルヌルした棒を突っ込むやつか…卑 猥な)

キリンX「でもキリンちゃんには嫉妬してるわけじゃな いの」

女ガード「ふむ、知り合いと私は予想してみた」

キリンX「せいかい~」

女ガード「知り合いか…さぞかし変わった知り合いなのだな」

キリンX「んーん、超美しくて可愛いくてエロい女の子よ?」

女ガード(やはりこのキリンXはレズなのでは……)



キリンX「……それにね、あの娘は寂しがりだから」しんみり

女ガード(浮き沈みの激しいのは昔からだが…)

キリンX「しかも! 訓練所では赤点ばかりで卒業でき ず、やっと卒業したばかりの行き遅れよ?」

女ガード(こう嬉しそうというか、目をキラキラさせ てはな…)

キリンX「……あぼーん」チラッ

女ガード(少し気になるな、調査してキリンの噂を集 めてみるか)ブツブツ

キリンX「…はいアウトー、あなたは今から私と百合百 合な展開になりますー」

女ガード「は?」ビクゥッ

<「ちょ、こらやめろ人が見てるだろ……!!」 <「見てないならするんだー、わー女ガードちゃん えっちぃ♪」 <「わ、よせ! その胸をどけろ! 耳を甘噛みする なぁあああ!!」

紅ガード(暗部って変態が多いなー…)←百合百合な場 面を見るだけが趣味

紅ガード(にしても…キリンXの知り合いって、どんな 関係なんだろ?)



※ この数日後、キリンちゃんのガノトトス狩りを見るとは誰も思わなかったでしょう。

※ オマケ狩ゆり、これにて終わります…。



○次回予告○



※ いよいよ目的地のココットが近づいてくる中、リオレウス装備の彼は森でとある女性と出会うようです。


レウス(………今、なにをしやがった?)

銀髪?「うふふー、何をしたと思います? 『人間』さん」


※ 森丘エリアに到着したキリンちゃん達を陰から見つめる者。

ティガレックス【・・・】


※ そして、暗躍する者。



ゴールドルナX「精々暴れるといい、リオレウス」


リオレウス?【ガァアアアアアッッ!!!】


※ キリンちゃんの知らない『舞台裏』で起きる静かな異変の数々。

※ 果たしてキリンちゃんは無事に進めるのか!


※ 次回の放送は朝10時から『舞台裏編』の後に再放送となります!


━━ 森と丘エリア・中央 ━━



< 「フム……この辺りか、開けろ」

ザザミS「了解しました」サッ

ザザミS「積み荷、停止! 各員『解錠』した後に全痕跡を消す事!」



< 「「了解ッッ!!!」」 ザッッ



ザザミS「五分以内に解放が可能となります、ゴールドルナX様!」

ゴールドルナX「……ご苦労様」ガシャッ

ゴールドルナX「調子はどうだ」

ザザミS「大変良好……空腹状態のようです」

ゴールドルナX「良いだろう、それならば運用実験として都合が良い」



━━━━ ガシャンッ

━━━━ ガッ・・コォォ……ンッ!!



ゴールドルナX「下がっていろ」

ザザミS「はい!」ササッ


リオレウス?【ガァアアアアアッッ!!!】バサァアッ


ゴールドルナX「黙れ、お前は私のペットだろうに」ガシャコンッ

< チュドンッ!!


━━━━━━ ボォンッッ!!

リオレウス?【ゴァァッ!!?】ヨロッ



ゴールドルナX「……思い出したか? 私の可愛い可愛い下僕竜よ」ぴとっ…

リオレウス?【グルルルルルル……キュゥン…】

ゴールドルナX「ふふ…」


ゴールドルナX「精々暴れるといい、リオレウス」ギロッ


リオレウス?【ガァアアアアアッッ!!!】

━━━━ 『殺ってやるぜぇえ!!!』


ゴールドルナX「……ふふ」



< バサッ! バサッ!


ゴールドルナX「全員退避、私とザザミS、一部の者は狩猟区の外部より監視に就くぞ」

ザザミS「了解しました!」サッ

ゴールドルナX(さて……ユクモ地方のリオレウスもここのエリアでいよいよ12回目だが)

ゴールドルナX(『アレ』の効果はどこまで出るのか、楽しみだ)クスッ


ザザミS(……)

ザザミS(はぁ……いつまで私、こんな事を続けるんだろう?)




━━━━━━━ 少し離れた場所・・・



レウス「クソォッ!! どうなってやがる!」ズザザザァッ

男ゲネポス「ヤベェぞ兄貴! 二体クエならともかく、リオレウス二頭はクエスト違反になっちまう!」

レウス「分かってる! ここは退くぞゲネポス!」

ゲネポス「散弾撒きながら後退して、それから閃光玉を使いましょう!」ドンッ!ドンッ!



リオレウス【ガァァッ!!】
訳:『なんだ、お前は!』


リオレウス?【ゴァアアアアア!!】ギュオッ
訳:『うるせぇ死ね!!』


リオレイア【パギャァアアアッ!!】
訳:『やめなさい!!』



レウス(あ?……仲間割れ、か? 何にせよ、逃げるなら今しか……)


※ 三つ巴の争いになっているのを見たレウスが、即座に離脱しようと走り抜ける。

※ しかし、そんな彼を逃がさんとばかりに不幸が狙い撃つ。


< 「兄貴ィッ!! あぶねぇ!!」

レウス「ハッ!?」バッ


リオレウス?【ゴバァアアアッ!!】ドバッッ


レウス(火球……しかも、この軌道は俺か!?)


リオレウス?(どいつもこいつも逃がさねぇよ……殺す、殺す、殺す殺す殺すッッ!!!!)グルルルッ!!


━━━━━━ ドッゴォォォッ!!

レウス「ぐぁああっ!!?」ドシャ! ドザッ!


ゲネポス「兄貴ぃぃぃぃぃ!!」


ゲネポス「兄貴待ってろ、今助けに……」


レウス「来るんじゃねぇえ!! 馬鹿か! 閃光玉を今すぐ投げろボンクラが!!」

レウス(今、飛竜どもはこっちに注目してる……)

ゲネポス(……そうか、今なら三頭同時に怯ませられる!!)バッ


━━━━━━ ヒュンッ

━━━━ カッッッ!!


リオレウス?【ギャァオッ!?】

リオレウス【ギャッ!?】

リオレイア(閃光玉……! 目さえ閉じていればやり過ごせる…!)バッ


レウス「逃げろゲネポス! 俺はこっちの崖から降りて合流する!!」


ゲネポス「分かった!」タタッ


レウス(……このエリア4の中央から、隣のエリア下までの高さを考えるとこりゃ…死ぬかも知れねえな)


リオレイア【パギャァァオオオオオッッ!!】ギュンッッ

< ゴガァッ!!

リオレウス?【ゴァァッ!?】グラッ



レウス(嘘だろ!? あのリオレイア……あの距離の閃光玉からやり過ごしたってのか!!)




リオレイア【……ッ!】ギロリッ



レウス「っ……」ゾクッ

レウス(飛ぶしかねえ、ここで巻き込まれて喰い殺されるよかマシだ……!)バッ


※ 殆ど着地姿勢も考えず、頭から飛び込むように崖から落ちていく。

※ そして、それを後方で遠目に見えたゲネポス装備のハンターが目を見開いた。


ゲネポス「兄貴……ッ!!」


リオレウス?(チィ……目が見えねッ…下がるか!?)ググッ

リオレイア(その構えは!?)


ゴバァンッッ!!

< ジュゥゥッ!!
リオレイア【ギャォオオオッ!!?】





━━━━━━ バサァッ!!


リオレウス?【ゴァァッ!】バサッバサッ…
訳:『覚えてろよテメェら!』



リオレウス【グルルルッ・・・】
訳:『逃げたのか……くっ』

リオレイア【ガァ・・・ッ】
訳:『なんだったの……ッ』



━━━━━━ ガサッ!! バキバキメキッ…ドシャッ!


レウス「っが…ぁあああああ………」

レウス(き、奇跡か? 足なら折れてねえ…それより、鎖骨と右腕が…)ゲホッゲホッ

レウス(ここはエリア9……ってとこか…)ヨロヨロ

レウス(メラルーどもに見つかる前に、逃げねえと…)


< パキッ

レウス「っ!?」ビクッ


銀髪?「怖がりさんですね、レウス装備のハンターさん?」


レウス「な…んだ、お前は……」

レウス(丸腰……か? 体つきや服装からしてハンターじゃないな)

銀髪?「派手にやられちゃいましたねー、半分は事故でしょうが」

レウス「……ここは危険だ、ベースキャンプまで来るか?」

銀髪?「その前に」ニヤッ


< ピトッ

レウス(…?)

レウス(ッ!!)ゾクリ


銀髪?「傷、手当てしたらどうですか?」

レウス「体の傷が…治った!?」バッ


レウス(………今、何をしやがった)

銀髪?「うふふー、何をしたと思います? 『人間』さん」

レウス「……」

銀髪?「さてと…怪我は大丈夫そうですし、私はこれにて~♪」








>>1「今から沖縄行ってくるので更新が夜中か、だいぶ遅れます!」

>>1「ちんすこう、ラフテイ、食べてくるぜ」


レウス「……待て」

銀髪?「はい?」

レウス「……」


< スタスタ…


レウス「一般の人間を危険狩猟区域に残したまま帰るつまりはねぇよ…」

レウス「ギルドの支援を受けられる所……ベースキャンプまで護衛する、こっちだ」

銀髪?(ありゃりゃ、思ったより紳士的な人でしたね)

銀髪?(まぁ……例の人間達と出くわして戦闘になるよりはマシですかね)


銀髪?(面白そうですし)


< ザッザッ……

レウス「……」

銀髪?「今日は天気が良いですねー」

レウス(この女……やっぱり只の人間じゃねぇな)

レウス(……いや、待てよ)


レウス(『これ』も聞こえてやがんのか、お前)


銀髪?「当たりです」

銀髪?「そこまで想像して、いきなり私に斬りかからない辺りは評価できますよ」

レウス「上からモノを言うんじゃねえ」

銀髪?「ふふ」


レウス「……つか、本当にベースキャンプで良いのか」

銀髪?「察しが良いですね、良くないんですよ実は」

レウス「……チッ、どうしろってんだ」

銀髪?「この辺のエリアを全域見れる様な場所って、ありますか」

レウス「全域?」


銀髪?「私の『民』が一人、物語の終局を迎えそうなので」

銀髪?「良い子ではありませんでしたが、見届けたいのです」


レウス(……見届けたい、だぁ?)


レウス「……お前、何なんだ」

銀髪?「知っても意味はありませんよ」


< ガサガサッ…


レウス「!」ビクッ

銀髪?「本当に小心者なんですねぇ」



メラルー「みゃぁー?」ガサガサッ


銀髪?「ほら…メラルーさんですよ?」

レウス「~~っ、この……」

銀髪?「私の事はともかく、人間さんこそ自分の事を心配した方が良いですよー」ひょいっ

< ナデナデ

メラルー「みゃあ……♪」

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