シンジ「加持さんのマネすれば女の人をコマせるのかな…」(215)

シンジ「……よし、試してみよう」

シンジ「……良いなぁ加持さん、憧れちゃうよ」

シンジ「女の人と仲良くなるの上手みたいだし凄いや」

シンジ「………えっと、加持さんのマネするとして誰を相手に選べば良いかな…」

シンジ「…………うーん」

ミサト「たっだいまぁ~♪」ガチャ

シンジ「あ、お帰りなさいミサトさん」

ミサト「ん、シンちゃんただいま♪ 今日のご飯なーに?」

シンジ「…………」

ミサト「シンジ君?」

シンジ(…まずはミサトさんにしよう、うん)

………

ミサト「ふぅ…ごちそうさま!」

シンジ「はい、お粗末様です」

アスカ「ごちそうさま~」ガタッ

シンジ「おかわりは良いのアスカ?」

アスカ「んー…今日はいらない、あたし部屋戻る」スタスタ

シンジ「そっか、わかったよ」

アスカ「ミサトの晩酌に付き合うのはあんただけで十分だろうしね、じゃ」スタスタ

ミサト「今日はご飯食べたからもう飲まないわよ…まったくもう」

シンジ「…………」

ミサト「さてと、仕事の残りやんなきゃね~」カタッ

シンジ「あれ?ここでやるんですか?」

ミサト「書類がちょっちね~…自宅でやっても問題無いやつは今やっときたいのよ」カタカタ

シンジ「…へぇ」

ミサト「シンジ君は別に部屋に行って良いのよ? 見ててもつまんないでしょ?」

シンジ「いえ、そんな事無いですけど…」

ミサト「………」カタカタ…

シンジ「………」ジー

ミサト「…………」カタカタ

シンジ(…加持さんなら…こんな時は…えっと…)

ミサト「………」カタカタ

シンジ「………」スクッ

ミサト「………」カタカタ

シンジ(…集中してるなミサトさん)スタスタ

ミサト「………」カタカタ

シンジ(………行くよ…!!)ドキドキ

ミサト「………ん……シンジ君?」

シンジ「………」ギュッ

ミサト「…なっ…いきなり抱き付いてどうしたのよ!?」

シンジ(……加持さんならこうやって後ろから不意討ちで抱き付いたりすると思うんだ…)ドキドキ

ミサト「…し…シンジ君?」

シンジ(…えっと…えーと………よし…!!)

ミサト「………えと…」

シンジ「仕事ばっかりだと身体に悪いぜ?」

ミサト「……え?」

シンジ「真面目なキミも素敵だが……家の中ではリラックスするもんだろ?」

ミサト「……シンジ君?」ジト

シンジ「せっかく二人っきりの夜だ…お互い楽しまないか? な、葛城」

ごすっ!!

シンジ「へぐっ!?!」ジタバタジタバタ

ミサト「…………シンジ君、ちょ~っち正座しよっか?」ニコリ

シンジ「………うぅ…」ショボン

ミサト「…シンジ君、どこのブァカに影響されたのかは聞かなくても判るけどね……なにしてんのあなたは?」クワッ

シンジ「…ご、ごめんなさい…」

ミサト「……シンジ君、あなたにはそういうのは早いから、いえ…絶対にアレの真似だけはしちゃだめよ、ホントに」

シンジ「………」シュン

ミサト「………まったく…とんだ悪影響だわ…後で文句いったる…!!」ムカムカ

…シンジの部屋

シンジ「…怒られた、何がダメだったんだろ…?」

シンジ「………自分なりにだけどけっこう上手くマネ出来てたと思うんだよな……でもダメだった」

シンジ「……相手がミサトさんだからダメだったのかな」

シンジ「………」

シンジ「…きっとそうだ、ミサトさんは立場上僕の保護者だし、こういう事僕がすればそりゃ怒るか…うん」

シンジ「…次は歳が近い女の子にしよう」

…翌日、ネルフ本部

アスカ「今日もテスト、昨日もテスト、多分明日も明後日もテストテスト、毎日退屈ねぇ~」スタスタ

綾波「…………」スタスタ

シンジ「使徒が来るよりマシだよ、平和で良いじゃないか」

アスカ「バッカねぇ~、使徒が来なかったらあたし達いらないじゃない、そんなの嫌よあたしは!!」

シンジ「アスカはそうだろうけどさ」

綾波「いつでも使徒が来ても良いように備えをするのは大事よ」

アスカ「そんなの言われなくてもわかってるわよ!!」
綾波「そう」

アスカ「……フンっ!!」スタスタ

シンジ「アスカ…行っちゃった」

綾波「…………」

シンジ「………」

綾波「………」

シンジ「………」ジッ

綾波「………」

シンジ「………………………」ジィィ

綾波「………なに?」

シンジ「………いや…えと」

綾波「………?」

シンジ(………綾波なら上手くいくかな?)ドキドキ

シンジ「…えと…あ、綾波…」ソワソワ

綾波「なに?」

シンジ「…………えと…」

綾波「…………」

シンジ(……言いづらい…ミサトさんの時はあんなにスラスラ言えたのに!!)ドキドキ

綾波「碇君?」

シンジ「……逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ逃げちゃダメだ……逃げちゃダメ…!!」クワッ

綾波「っ!?」ビクッ

シンジ「…綾波!!!!」ダンッ!!

綾波「…!!」タジッ


シンジ「…フゥ…フゥ…!!」ドキドキバクバク

綾波「……あの…」オロオロ

シンジ「……フゥー…フゥー…ああああ綾にゃみ!!」ズイッ
綾波「ひっ…」ゾクッ

シンジ「ここここ、今晩どぅ?」ニヤッ

綾波「…っ!!」ドンッ!!

シンジ「あぅ!?」ベタッ!!

綾波「……ご、ごめんなさい碇君……」

シンジ「……え…ぅ…綾波…」

綾波「……今の碇君……怖いわ」

シンジ「…え」

綾波「…………ごめんなさい」タタタッ

シンジ「……あ…綾波……」

…………

シンジ「………失敗した…ちくしょう…ちくしょう…ちくしょ…」ウルウル

シンジ「…なんでミサトさんの時と同じように出来なかったんだ…あれじゃただの変態だよ…!!」

シンジ「……相手が綾波だから上手く言えなかったのかな…綾波を誘うのって普段でもちょっと緊張するし…」

シンジ「………なら、誰にすれば…」

…翌日

シンジ「…はぁ」トボトボ

マリ「あれ? ワンコ君しょぼくれてどうしたのかにゃ?」

シンジ「あ…マリさん」

マリ「悩み事なら私が聞いてあげよっか、聞くだけだけどね」

シンジ「…………」ゴクリ

マリ「……? 聞いてる?」

シンジ(……これは…チャンス? 誘われてる!?)ドキドキ

マリ「おーい」

シンジ(……よし…行くよ…!!)キッ

マリ「……んー?」キョトン

シンジ「……えと」モジモジ

マリ「あ、やっと反応した」

シンジ「……悩み、聞いてくれるの?」スッ

シンジ(加持さんならきっと気軽に手とか握るはずだ…!!)

マリ「おっと」ヒョイ

シンジ「………」スカッ

マリ「聞いてあげるよ? 早く話してみなよ」

シンジ「……あ、はい」スッ

マリ「………」ヒョイ

シンジ「………」スッスッスッ

マリ「………」ヒョイヒョイヒョイ

シンジ「………」

マリ「なんで手を握ろうとする必要あるの?」プラプラ

シンジ「………」

シンジ(………ど、どうしよう予想外だ…!!)ドキドキ
マリ「……言わないならもう行っていい? 帰ってシャワー浴びたいんだけど」
シンジ(………このままじゃダメだ…!! こうなったら!!)クワワッ

シンジ「マリさん!!」ガバッ

マリ「…ふんっ!!!!」ドゴォ!!

シンジ「きゃふぐっ?!?!」ゴロゴロゴロゴロ!!

マリ「いきなり飛びかかってくるとかワンコ君発情期かにゃ? でも私はダメだよ?じゃ♪」スタスタ

シンジ「」グッタリ

…………

シンジ「………お腹痛い……」ウルウル

シンジ「…なんでダメなんだ…どうしても上手くいかない」

シンジ「無闇にスキンシップしようとしたからダメなのかな…でも手を繋ぐくらい良いじゃないか…」

シンジ「……スキンシップ出来そうな女の子か…えーと…」

…翌日

アスカ「ちょっとバカシンジ!!」

シンジ「なにアスカ?」

アスカ「なにじゃないわよ!! 朝ご飯は!?」

シンジ「……あ、ごめん…」

アスカ「ごめんって…なんで作ってないのよバカ!!」

シンジ「……ごめん」

アスカ「あーもう!! 謝るくらいならちゃんとやんなさいよバカ!!」バシバシ

シンジ「いたっ!! 叩くことないだろ……」ハッ

アスカ「ん? 何よ?」

シンジ(これは…スキンシップになるんじゃ…!?)ドキドキ

シンジ「……アスカ」

アスカ「…なにいきなり神妙な顔してんのよ」

シンジ「………」ジッ

アスカ「……ねぇなんなの?」

シンジ「………」ジィィ

アスカ「……う…」タジッ

シンジ「……!!」

アスカ「………フン」プイッ

シンジ(………いける!!)クワワッ

シンジ(………よく考えるんだ!! 加持さんならアスカにどう接するのか!! アスカは加持さんを好きなんだしそれを完璧にこなせば!!)

アスカ「……なんなのよ一体…」

シンジ「……ははっ、ごめんなアスカ、今度からはちゃんとするよ」

アスカ「………当たり前でしょそんなの、今度忘れたら酷い目に遇わせるからね」

シンジ「おー怖い、こりゃアスカのご機嫌取りに苦労しそうだな、はは」

アスカ「……ん?」

アスカ「………ねぇ、ちょっと」

シンジ「なんだいアスカ?」ニコリ

アスカ「…………」ジト

シンジ「そんな怖い顔してるとかわいい顔が台無しだな、ほら笑って笑って」スッ

シンジ(ここだ!! ここで加持さんならアスカの頭を撫でるはず…!!)ドキドキ
アスカ「…触んないで」バシッ

シンジ「…あれ?」キョトン

アスカ「………はぁ」

シンジ「……ぇ…え?」オロオロ

アスカ「………」

シンジ(……ま…まだだ!!)

シンジ「…めげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだめげちゃダメだ、めげちゃダメだ!!!!」クワッ!!

アスカ「……あんたねぇ…はぁ…」

シンジ「そ、そんなに怒るなよアスカ、俺が悪かったから…な?」オロオロ

アスカ「………」

アスカ「…似合わないから止めなさいよ」

シンジ「っ!?」ビクッ

アスカ「……はぁ、呆れてなんも言えないわ…ホントバカ」

シンジ「……え…あぅ…」オロオロ

アスカ「………」

シンジ(どどど…どうしてダメなの!? 完璧に真似たはずなのに!?)オロオロ

シンジ(……っ!! そうか!! 一言足りないんだ!! なら…!!)

シンジ「……ははっ、アスカは子供たからな、まだわからないか」ニコリ

アスカ「……あん?」ピキッ
シンジ「大人になればわかるもんさ、こういう事はさ」

アスカ「…………」

アスカ「………ちょっと顔こっちに向けなさいよバカシンジ」

シンジ「え、うん」ズイッ

アスカ「…はぁ、あんたさ…あたしに嫌がらせしたいのよね?」

シンジ「…え?」キョトン

アスカ「すっごくムカついた、だからおもいっきりやるから………っっせいッッ!!!!」ばちーん!!

シンジ「ぷぶぺっ!?!?」バタンッ!!

アスカ「……二度と加持さんの真似なんかしないで気持ち悪い、あとあんただってガキの癖にふざけた事言うな」ゲシッ

シンジ「」ビクッビクッ…

…………

シンジ「………うぅ…」ウルウル

シンジ「…なんでダメなんだよ…ことごとく失敗じゃないか…!!」

シンジ「………加持さんの真似がダメなのかな…うぅ」

シンジ「………それとも…加持さん自体があんまりモテない…?」

シンジ「………きっとそうだ…僕は頑張ったんだ…僕がダメな訳じゃない!!」

…翌日


シンジ「…………」スタスタ

加持「お、シンジ君」

シンジ「あ、加持さん…」

加持「どうだい調子は? 上手くいってるか?」

シンジ「全然ダメですよ、最悪です」

加持「んん? そうなのか…キミがそういう風に言うのは珍しいな」

シンジ「…………」ジワッ

加持「……シンジ君?」

シンジ「……加持さんのせいですよ…!!」ウルウル

加持「………俺、何かした?」

シンジ「……良いんです…自分でも逆恨みだって…わかってますから…加持さんが本当に悪い訳じゃないのはわかってるんです…」ウルウル

加持「……うーん?」ポリポリ

…………

加持「……なるほど、俺の真似をか…」

シンジ「……はい」

加持「……葛城がそういえば言ってたな…成る程な」ボソッ

シンジ「加持さんってモテないんですよね?」

加持「……そうだな…確かにフラれっぱなしだな…」

シンジ「………やっぱりそうなんですか…」

加持「……だがシンジ君、キミの失敗はそこが原因じゃないよ」

シンジ「……どういう事ですか?」

加持「似合わない真似をした事が原因なのさ、真似た人物のモテるモテないはそんなに関係がないよ」
シンジ「…………」

シンジ「……なら、僕が真似をして似合う人物なら良いんですか?」

加持「それも違う、キミはキミのままが一番なのさ」
シンジ「…………」

加持「信じられないか?」

シンジ「……僕なんか…そのままじゃモテる訳ないじゃないですか」

加持「…そんな事ないさ…俺が保証するよ」

シンジ「モテない人の保証なんか当てにならないですよ…!!」

加持「………だがシンジ君、確かに俺はモテないが…恋愛経験はゼロじゃない、今のキミよりは女性には詳しいつもりだよ?」

シンジ「……っ!!」

そば食うからちょっと休憩

加持「…シンジ君、一度騙されたと思って俺のアドバイスを聞いてみないか?」

シンジ「アドバイス…ですか?」

加持「ああ、俺の言う事を聞けば彼女くらいきっと出来るさ」

シンジ「…………」

加持「……さあ、どうするシンジ君」

…………

シンジ「………加持さんのアドバイスは素直に自分が思った事を相手に伝える…それだけだ…」

シンジ「………本当に…大丈夫なのかな…」

シンジ「………今は加持さんを信じよう…僕が考えるより…ずっと良いはずなんだから」

シンジ「……………よし」ドキドキ

ミサト「たっだいまぁ~♪」ガチャ

ミサト「…ありゃ? どしたのシンちゃん玄関で正座なんかして?」

シンジ「………ミサトさん」

ミサト「な、なに?」タジッ

シンジ「セックスさせて下さい」orz

ミサト「」

………

シンジ「………大人は嘘つきだ」ヒリヒリ

加持「……痛つつ…」ヒリヒリ

シンジ「……正直に自分がしたい事言えば上手く行くって言ったに!!」ウルウル

加持「……シンジ君、何故葛城に言った…いやその前に直球過ぎだろ」

シンジ「……信じた僕がバカだったんだ……うぅ…」グスッ

加持「………うん、キミはもう少し思慮深いと思ったんだがな俺も…まさか俺からのアドバイスって事まで葛城に言うとは予想外だ」

シンジ「……だって…ミサトさんが尋問するから…」

加持「…葛城は怒ると怖いからな…さっきのビンタは効いたよ…」ヒリヒリ

シンジ「……そうですね」

シンジ「もう少し細かくアドバイス下さい」

加持「……めげないなキミも…まだやるのか」

シンジ「このままじゃ引き下がれません」

加持「………葛城はもう止めておけよ? 次は冗談抜きで嫌われそうだからな、俺が」

シンジ「わかってますよ」

加持「…なら良いが…」

…………

シンジ「加持さんの次なるアドバイスは男なら時には強引さも必要だって事らしい、強引か…大丈夫かな」

シンジ「………良いんだどうせ…もう嫌われてるだろうから…なら」

綾波「…………」スタスタ

シンジ「あ、綾波!!」ドキドキ

綾波「…碇君」

シンジ「あやなみぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!」ハァハァハァハァ

綾波「っ!?」ビクッ

シンジ「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」ぎゅー!!

綾波「ひっ!?」ゾクッ

綾波「…ゃ…碇く…」ググッ

シンジ「良いだろ別に!! 良いだろ別に綾波!!」ハァハァ
綾波「…ぅ…」ジワッ

シンジ「先っちょだけ!!先っちょだけにするから!!」ハァハァ

綾波「嫌!!」ドンッ!!

シンジ「ぐっ!? まだまだ!!」クワワッ!!

綾波「う!?」ビクッ

加持「ストップ、止めろシンジ君!!」ガシッ

シンジ「離せ!!離せよ!! 無理矢理でも良いって言ったじゃないか!! 男ならそういうのも必要って言ったじゃないか!!!? 綾波ぃぃ!!!!」ジタバタジタバタ

綾波「………」ポロポロ

加持「…シンジ君、確かに俺は強引さも必要だって言った、だが…それは女の子を泣かせても良いなんて意味じゃない」

シンジ「……っ!!」

綾波「…さよなら」タタタッ

シンジ「……ぁ…」

加持「………やれやれ」

シンジ「………あやなみ…」ウルウル

…………

シンジ「………」ドヨーン

加持「………はぁ」

シンジ「………もうだめだ……うぅ…」

加持「流石にさっきのはまずかったな…」

シンジ「………だって…強引って言ったらそっちの事だって普通思いますよ…!!」ウルウル

加持「…俺はせいぜいキスくらいまでのつもりだったんだがな…」

シンジ「…………初めからそう言って下さいよ…」ポロポロ

加持「……すまないな」

シンジ「…………」グスッ

加持「………あー、シンジ君…もうやめるか?」

シンジ「…次、アドバイス下さい」

加持「……強いな、キミは」

シンジ「………逃げたって…どうせ良いことなんか無いんだ」

加持「……そうか」

…………

シンジ「………次のアドバイスは……えーと、相手の望んでいる事を察する事も大事、わからないなら恥ずかしくてもきちんと聞いてみる…か…なるほど」

シンジ「………けっこう難しいかも……うーん」

マリ「~♪」スタスタ

シンジ「あ、マリさん!!」タタタッ

マリ「ワンコ君? 何か用?」

シンジ(………相手が望む事か……マリさんの素振りからはなんにもわからないや…なら…)ドキドキ

シンジ「マリさん…」ソワソワ

マリ「なに?」

シンジ「……ぼ、僕がマリさんに…その…したら嬉しい事ってなんですか?」

マリ「……ワンコ君が私にねぇ~…別に無いかな?」

シンジ「……そこをなんとか」

マリ「いや、なんとかって言われても困るんだけど?」

シンジ「なんでも良いですから!! 例えば脱げと言われれば脱ぎますから!!」

マリ「えーと、じゃあ向こうの通路まで全力ダッシュして? 今すぐに」

シンジ「はい!!」タタタタッ!!

………

マリ「………んー、面白い奴だねホント」ニヤニヤ

…………

シンジ「どういう事ですか」ウルウル

加持「………あー…」

シンジ「何回聞いても走れとか腕立て伏せしてろとかそんなのばっかりじゃないですか」

加持(……完全に遊ばれてるな)

シンジ「要求に応えてる間に本人は何処か行っちゃうし、異常に疲れるだけですよこれ」ウルウル

加持「……その、なんだ…相手が悪かった…それしか言えないな」

加持「……はぁ、仕方ないな…あまり俺の趣味じゃないが…シンジ君にはぴったりなアドバイスかもしれないのを言おうか」

シンジ「……なんですか?」

加持「一言だけ言うのさ、好きってね」

シンジ「…………」

加持「どうする、シンジ君?」

シンジ「………考えてみます」

…………

シンジ「…好き、か…つまり告白か…」

シンジ「………うーん」

アスカ「………」スタスタ

シンジ「……あ、アスカ」

アスカ「んーなによ?」

シンジ「好きだ」

アスカ「………はぁ?」

シンジ「好き」

アスカ「…………」

シンジ「……す、好き……」モジモジ

アスカ「…何がよ?」

シンジ「……あ、アス…」ソワソワ

アスカ「……………」

ペンペン「クァ」ペタペタ

シンジ「…ペンペンが」

アスカ「あっそ」スタスタ

シンジ「…………」

ペンペン「…クェ?」キョトン
シンジ「……愛してるよ」
ペンペン「クァッッ!!!!」バタバタ!!

シンジ「…………」ウルウル

…………

シンジ「………」ドヨーン

加持「………」

シンジ「………ダメですね僕って」

加持「……シンジ君」

シンジ「……最後の最後で結局逃げたんだ僕は……ホントにダメな奴なんだ僕って…」

加持「……キミは頑張ったさ」

シンジ「……頑張ったって…結果が伴わなきゃなんにもならないですよ」

加持「………」

加持「……臆病なのは誰でも同じさ、俺だって臆病者だ」

シンジ「…………」

加持「…それに、全部無駄だった訳じゃない」

シンジ「……それは」

加持「こういう事さ、アスカ…もう良いぞ」

アスカ「………フンッ」スタスタ

シンジ「……アスカ? なんで…」

加持「俺が呼んだのさ、今度は逃げられないが…どうするシンジ君?」

シンジ「え…」

加持「さて、俺はこれで失礼するよ、若者の恋路に大人はいらないだろうからな」スタスタ

シンジ「えっちょっと加持さん!!」オロオロ

アスカ「…………」

シンジ「……えっと…あ、アスカ?」

アスカ「なによ?」

シンジ「………その…なんて言われてここに?」

アスカ「……べっつに、加持さんからバカシンジが話あるから来てくれって言われただけよ」プイッ

シンジ「そ、そっか…」

アスカ「で、話ってなによ?」

シンジ「………その…あの…」

アスカ「…はっきりしろっての」

シンジ「…ご、ごめん」

アスカ「謝んなくていいから早く言いなさいってば!!」

シンジ「…ご、ごめん…えーと」

アスカ「………いくじなし」

シンジ(………加持さんのアドバイスは…えーと……)オロオロ

シンジ(自分に素直に、強引に、相手の意見も大事にして告白!!)

アスカ「………はーやーく!!」

シンジ「…あ、アスカぁ!!!!」クワワッ

アスカ「はいはい、なによ?」

シンジ「………っ…」ドキドキ

アスカ「………っ…」ソワソワ

シンジ「……僕、アスカに虐められたい!!好きだから」

アスカ「うん?」

てす、落ちたかも

アスカ「……えーと、ちょっと待って?」

シンジ「え?」

アスカ「え?じゃないわよ、なんでそんな変態じみた事言い出すのか聞いてんのよ」

シンジ「え、1から説明した方が良い?」

アスカ「…お願いするわ」

シンジ「まず、素直になるって所があるんだけどね」
アスカ「…うん」

シンジ「普通に素直に思った事言うとさ、不味いと思ったから他と擦り合わせしたんだ」

アスカ「……うん」

シンジ「何を擦り合わせたかって言うと、相手の意見を取り入れるって所かな?」

アスカ「…相手の意見?」
シンジ「うん、アスカは僕苛めるの好きでしょ?」

アスカ「…………」

シンジ「だから、好きだから、めちゃくちゃに無理矢理に虐めて下さいってお願いしたんだよアスカ」
アスカ「」

シンジ「ど、どう…かな?」テレテレ

アスカ「ああ…うん、返事しなきゃね」

シンジ「うん…」ドキドキ


アスカ「………目、瞑って」

シンジ「っ……」ギュ

アスカ「…………」チョイチョイ
ミサト「…………」スタスタ

綾波「………」スタスタ

マリ「………」スタスタ

シンジ「………」ドキドキ

シンジ「………?」

アスカ「…シンジ」

シンジ「………アスカ?」

アスカ「…お望み通りひっどい目にあわせてあげる、覚悟しなさい」

シンジ「…う、うん…」ドキドキ

ミサト「んじゃ、私は右腕、レイが左腕、マリとアスカで足持ってね」

シンジ「え?」ビクッ

綾波「了解」

マリ「んじゃ運搬開始~♪」

シンジ「えっ、なに?」オロオロ

アスカ「良いとこ連れてってあげる、そこでしっかり楽しみなさいバカシンジ」

…………

ゲンドウ「………………」

シンジ「………あの…」

ゲンドウ「……なんだ」

シンジ「……これは?」

ゲンドウ「……食事だ」

シンジ「……なんで父さんが」

ゲンドウ「……シンジ」クイッ

シンジ「…は、はい」ビクッ

ゲンドウ「…今後は私をパパ…もしくはパピーと呼べ、葛城三佐や他のチルドレンからの希望でもある」

シンジ「……え…」

ゲンドウ「呼ぶなら早くしろ、でなければ泣くぞ」

シンジ「」

ゲンドウ「ちなみに拒否すれば強制的に私と同居して貰う、ベッドは一つだ」
シンジ「……」ゾクッ

冬月「碇、思春期の子供に同じ布団で寝ろとは些か酷だぞ?」

ゲンドウ「呼べば済む話だ、嫌ならパーパと呼べば良い」

アスカ「早く言いなさいよ、さあ」

ミサト「シンジ君、頑張って」

綾波「碇君」

マリ「そのうち慣れるよ、今は我慢だよ♪」

シンジ「…うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

ゲンドウ「…そこまで嫌か」

…………

加持「……その後、シンジ君は必死で逃げたらしい」

加持「…幸い、シンジ君の口から俺からのアドバイスの事は口外されなかったので俺の風評が悪くなる事はなかった」

加持「……シンジ君が発見されたのはクラスメイトの家だったのだが…その後も繰り返し逃亡するようになってしまった」

加持「……司令は……頑なに呼ばれない事に苛立ち、ストレス性の胃炎になり通院している…余程ショックだったのだろう」

加持「……そして、シンジ君がコマそうとした葛城とチルドレン達だが……」

………

ミサト「…………はぁ」

シンジ「……うぅ…」グシグシ

ミサト「…シンジ君…もうやめよ…ダメよそんな事じゃ…」

シンジ「……怖いんです……ホントに……う…ぅ…」ギュッ

ミサト「………わかったわよ…今だけは私に甘えてなさい」ギュッ

ミサト(………我ながらダメね、本気ですがってきた相手を突き放す事が出来ないもの)ナデナデ

シンジ「……うぅ…」

………

綾波「………碇君」

シンジ「……ごめん綾波…迷惑…だよね…」シュン

綾波「………」フルフル

シンジ「……ありがとう」

綾波「良いの、私も碇君と居たいから」ギュッ

シンジ「…綾波の手、温かくて気持ち良いね」ギュッ

綾波「………碇君も、温かい」ギュッ

シンジ「…もう少しこのままいて良いかな…」

綾波「…ええ」

シンジ「………」

綾波「………」

…………

マリ「………はぁ、なんだかにゃ~」

シンジ「……あの、迷惑…ですか?」

マリ「んーん、そうじゃないけどさ」

シンジ「……えと」

マリ「……刺激が少ないと思わないワンコ君?」

シンジ「…刺激?」

マリ「そ、なんかさ…キミと居ると妙に落ちついちゃうからさ?

シンジ「…はぁ」

マリ「………一緒にお風呂でも入る?」

シンジ「え!?あの、それは!?」ドキッ

マリ「…あはっ、ジョーダンジョーダン本気にしない♪」

シンジ「……は、はい…」

………

アスカ「ちょっと、バカシンジ!!」

シンジ「なにアスカ?」

アスカ「……また昨日帰って来なかった」

シンジ「…え、その…ごめん…」

アスカ「絶対許さない!! この変態!! スケベ!!」

シンジ「なっ…別に何もしてないよ!? 誤解だよアスカ!!」

アスカ「ウソつき!! どうせやらしい事ばっかしてるクセに!!」

シンジ「してないよ!! アスカがしちゃダメって言ったから我慢してるのに酷いよ!!」

アスカ「我慢!? 我慢しなきゃいけないなんて心構えなんかすぐにダメになるじゃないのバカ!! そんなに欲情するなら行っちゃダメ!!」

シンジ「そんなの無理だよ!! わかってよアスカ!!」

アスカ「いーやっ!!!!」

…………

加持「…とまあ、こんな具合に見事に全員コマされた訳だな、やるねシンジ君」

加持「……元々俺の真似とかアドバイスなんか必要なかったんだろうな、恐らく」


加持「やれやれ、末おそろしくもあり、同時に羨ましくもある」


加持「……ホント、あやかりたいくらいだな」シンミリ

終劇

ハッピーニューイヤーんな感じ☆


今年も宜しくなお前ら(`・ω・´)

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