小鳥「今年の仕事も納めたし、プロデューさんと飲みに行こう!」(151)

<忙しない居酒屋に、小鳥が一人>

小鳥「うーーー」カチッ

ピンポーン

小鳥「………」カチカチカチカチカチッ

ピンポピンポピンポピンポピンポーーン


「大変お待たせいたしました!お呼びでしょうか?」

小鳥「えーっとねぇ、レモンサワーと梅酒ロックとモスコミュールと…」

「も、申し訳ございませんお客様」

「飲み放題のご注文は、グラス交換となっておりますので…」

小鳥「えーーーー!だって呼んでも来ないし頼んでも遅いじゃないーー」

「申し訳ございません……」

小鳥「……じゃあ、黒糖梅酒サワーで」

小鳥「あと、串アラカルトお願いー。塩でー」


<訂正:忙しない居酒屋に、【出来上がった】小鳥が一人>

男「まずこのssにて注意していただきたいことが」

1、>>1はss初心者。「いくらなんでもこれはないわ」とか「キモ過ぎる」
とか思った人はブラウザの戻るを押してください。
2、メタ発言があります。ご容赦ください。
3、更新が遅くなります。

男「まあこんぐらいか。あとは…まぁキャラの設定としては>>1の知り合いなどが使われている。
  ちなみに主人公の設定はほとんど作者だ。」

男「次から口調かわる」

男「じゃぁ温かい目で見てやってください。はじまりはじまりー」

小鳥「ふふん、らぶなぶなSSでもきたいしちゃったのかなあ??」

小鳥「年の瀬にこんなところへ迷い込んできたりしてぇ」

小鳥「ちったー反省しろぉ!」


小鳥「やぁ (´・ω・`) ようこそ、小鳥ハウスへ」

小鳥「この駄弁りはサービスだから、まず落ち着いて訊いてほしい」


小鳥「わたしもねぇ、わざわざこんな酔っ払い姿をさらけ出すつもりはなかったのよぉ?」

小鳥「はぁ…。仕方ないじゃない…」


小鳥「タイトルもちょっと間違えちゃったし…何よ、プロデューさんって…ぐすっ」

<遡ること、4時間前…>


<765プロ事務所に、小鳥が一人>

小鳥「…ふぅ!こんな感じかな!」


小鳥(結局、昨日は最後の最後まで今年の仕事に追われたわ…)

小鳥(でも仕事自体は年内で片付いてよかった)


小鳥(それで、今日は、事務所の大掃除をしていたってわけ)

小鳥(去年なら、みんな集まって、みんなでお掃除していたんだけど)

小鳥(みんな、もう忙しいからね…)

小鳥(とはいえ)

小鳥(そんなに大掃除でもなかったんだけどね)


小鳥(ここ最近、今月はほとんど私の一人事務所だったし)

小鳥(仕事の気晴らしでこまめに掃除してたし…)


小鳥(みんなはたまに顔を出すけど、年末進行でスケジュールはぎっしり)

小鳥(律子さんとプロデューサーさんの2人で12人みんなのスケジュールを管理して)

小鳥(2人ともアイドル以上に過酷な、毎日分刻みのスケジュール)

小鳥(手帳からは大量の付箋が飛び出してて、開いた手帳は…)

小鳥(プロデューサーさんは真っ黒。律子さんはカラフル通り越して万華鏡のような状態だった)

小鳥(ことあるごとに転ぶ春香ちゃんや)

小鳥(いたずらマイスターこと亜美真美姉妹)

小鳥(プロデューサーさんがいない時の女子力の低さが半端ない美希ちゃん)

小鳥(劇団ひとり動物ランドこと響ちゃん)


小鳥(普段事務所を散らかす面々もいないからなぁ)

小鳥(気晴らしでは手を伸ばさないような場所の掃除を念入りにやった程度ね)

小鳥「冬のお祭り?」

小鳥「ふふ、みんな勘違いしているようだけど」

小鳥「私は、あのお祭りから卒業したのよ!」


小鳥(正式には、体力的に引退したのよ…)


小鳥「体力の…限界…っ!」


小鳥(もうあの戦に勝ち残るだけの体力がない…)

小鳥(火事場ならぬコミケのクソ力ですら、もはや及ばないことを悟った、C77)

小鳥(77というゾロ目がいいから、私はこの回を境に、有明の最前線から退いた)

小鳥(77の ゾロ目がいいねと 言ったから C77は 引退記念回)

小鳥(字余り)

小鳥(最後の戦利品、ヘタ○アの同人誌多数。今でも愛読書よ)

小鳥(断然、ドイツね!ドイツ受け!)



小鳥(それに、いいのよ。時期が遅れても、値段が高くても)

小鳥(今の時代はネット通販というありがたいシステムがあるもの!)

小鳥(なんならオークションもやぶさかではない)


小鳥(お祭りが盛り上がってほしい気持ちはあるけど)

小鳥(若いエネルギーは若い人たちにたくしましょう…)


小鳥「わたくしには、趣味に費やせるだけの、有り余る財産は持ち合わせていてよ」

小鳥「さてと。それじゃ退出しましょうかしら」

小鳥「最後に給湯室の元栓、暖房のスイッチ、しっかりチェックして…っと」


小鳥「よし!おっけ!」


小鳥「…今年もありがとうございました。」

小鳥「来年も、よろしくお願いいたします。」


ガチャッ

小鳥(施錠よし)

小鳥(さて、帰って年末のテレビスケジュールのチェックよ!)

小鳥(今日は、まだ寒さは和らいだほうかな)

小鳥(明日から天気も崩れて冷えるそうだし)

小鳥(食糧買い込んでおくか…)

小鳥(小鳥冬眠よ!)


小鳥「あら?」

小鳥「律子さんにプロデューサーさん!」

小鳥「お疲れ様です!」

律子「ええ、本当にお疲れ様だわ…」

P「小鳥さん。どうしたんですか?今日も事務所に?」

小鳥「ええ。簡単ですけど、年の瀬の掃除でもしておこうと思って」

律子「ちょっとー!そういうことは言ってくださいよ。小鳥さん一人にやらせるなんてこと…」

小鳥「何言ってるんですか。二人ともそんな余裕なかったでしょ?」

小鳥「みんな頑張っているんだから、私も頑張っておかないと」


律子「…余裕ないとは、まるで私たちが不甲斐ない、みたいな」

小鳥「あ、ご、ごめんなさい…」

律子「…とはいえ、この忙しさにさすがの私も音を上げそうだったわ」

律子「忙しいことには慣れていたとは思っていたけど…」

律子「私のキャパも、まだまだってことね」


P「ごめん。本来なら律子は竜宮に集中すべきだったのに、俺のほうをフォローしてくれて」

律子「あのね。言っておきますけど、あなた一人で8人全員のフォローなんて無理ですからね、普通に考えて」

律子「ましてや、忙しさなんて例年の比じゃない」

律子「私がフォローするって言わなかったらどうするつもりだったんです?」

P「面目ない…。」

律子「まあいいです。私もよい勉強になりましたし」

律子「今年の教訓をもとに、来年は、うまくやって見せますよ!」

律子「今年以上に仕事を持ってきて、ね!!」


小鳥(律子さんは頼もしいなぁ…。765は来年も安泰ね)

小鳥(それにしても)

小鳥(プロデューサーさんと律子さんって、傍から見ると、同僚というよりも仲のいいカップルみたい)

小鳥(律子さんの尻に敷かれる、草食男子なプロデューサーさん)

小鳥(実際、こういう関係だと末永く円満なんだろうなぁ)


小鳥(…私には、律子さんみたいにグイグイ引っ張っていく力はないかな。)


律子「小鳥さん?」

小鳥「な、なんです??」

律子「なんか微妙な顔してますけど、何かありました?」

小鳥「い、いえ何でも…」


律子「ふーーん……」

小鳥「そ、それで、二人はこれから事務所に?」

P「ちょうど途中で律子と会って。二人とも仕事は終わったんだけど」

P「なんとなく事務所に行ってみようかってことになって。」

律子「特に用事はなかったんですけどね?」


小鳥「そ、そうだったんですか」

律子「もう事務所、閉めちゃったんですよね?」

小鳥「ええ。でも、お二人とも鍵は持ってるでしょ?」

律子「いえ、いいですよ。それならそれで。」

律子「せっかく小鳥さんが掃除してくれたのに」

律子「幾多の戦いで泥だらけの汗臭い私たちが入るのは申し訳ないわ」

律子「…と、いうことでー」

律子「私は帰りますから、プロデューサー殿は小鳥さんのエスコート」

P「な、なんでそうなるんだよ…」

律子「あらー、私に抵抗するつもり?一昨日のあの件、私が助けてあげたのにー?」

P「ぐっ……」

律子「って、冗談ですよ。仕事上の貸し借りは仕事で返してもらえれば」

律子「ま、私は心が広いのでー、貸し借りは年明けでチャラにしてもいいです」

律子「年度内までにまたたくさん借りを作ってあげますから!あはは!」


律子「いいですかー!ちゃんと送ってあげるんですよー」

P「だからなんでー!!」

律子「あとーー!!」

律子「今年もお疲れ様でした!来年も、一緒に頑張りましょうねーー!!」

P「な、なんでこんなことに…」

小鳥「律子さん、たくましく育っていますね」

P「逞しすぎて、頼りになりすぎます」

小鳥「でも、なんというか。あんなに忙しかったというのに」

小鳥「最後にはあんなさわやかな笑顔が出せるなんて。」

P「律子は、プロですからね。アイドル出身ですし」

小鳥「それもそうですけど。こうしてみると、律子さんも全然若いんだなーって」

P「あはは、なんですそれ」

P「小鳥さんだって、そんなに年離れてないじゃないですか。」

小鳥「それは、どうなの…。私の年齢を知っての持ち上げなの…?」

P「ち、違いますよ!」


P「小鳥さん、はっきりいいますけど」

P「年齢をネタにし始めたら、後戻りできませんからね!」

小鳥「ピヨ…」

P(とはいえ、送るって言っても、どうすれば)

P(別に夜遅い時間でもないし)


小鳥「どうしました?プロデューサーさん。私なら、普通に帰りますから」

小鳥「プロデューサーさんもお疲れでしょうし、早く帰ってゆっくり休んでください」


P「……。じゃあ、小鳥さん。せっかくなんで夕食一緒に食べましょうよ!!」

小鳥「ピヨッ!?」

P「結局今日も昼食べれなくて、俺は腹が減ってたんです」

P「小鳥さんはどうです?」

小鳥「そ、そりゃ私も普通にお腹すいてますし、夕食はこれからですけど」

P「じゃあ、そうしましょうよ!せっかくなんで、プチ忘年会ということで!」

小鳥「それなら…。それなら、律子さんも呼び戻したほうが…」

P「ああ、そうですね。ちょっと待ってください…」


小鳥(…また余計なこと言っちゃった)

P「…。あ、もしもし。律子?あのさ、これから小鳥さんと夕食行くんだけど一緒に…」

P「…え?……。あ、いや、だから律子も…。って、ちょっと!もしもし!?」


小鳥「どうしました?」

P「なんかしらないけど、『聞こえない聞こえないー』とかいって、向こうから切られた」

P「もう一回電話してみようかな」

小鳥(律子さん…)


P「……。くっ、電話に出てくれない…」

小鳥「な、なら私のほうからかけてみま…。ん?メール?」

----------------------------
まさかとは思いますけど、
小鳥さんから電話かけるなんて
心にも無いことしないように!

今年中に、プロデューサー殿を男にしろ!!

報告もよろしくー


律子
----------------------------


小鳥(…お見通し、か)

小鳥(というか、律子さんの掌で遊ばされてる感があるわね)

P「律子からメールがあったんですか?」

小鳥「あ、ええ。律子さんは律子さんで用事があるようで…」

P「なんだそりゃ。律子そんなこと俺には一言も…」

小鳥「プロデューサーさんには言えないプライベートな用事なのかもしれませんよ…?」

P「あはは、まさか律子に限ってそんな」


P「…まぢで…??」


小鳥(恩を仇で返してごめんなさい、律子さん)

<居酒屋にて、二人>

P「さすがに混んでますけど、2人ならなんとか滑り込めましたね」

小鳥「そうね…」

P「あ、なんかすいません。小鳥さんと一緒だっていうのに、こんな雑多な場所になっちゃって」

小鳥「いいのよいいのよ!私とプロデューサーさんの仲じゃない」


小鳥「私にはこういうのがお似合いなんですよ」


P「そんな卑下をせずに…」

小鳥「ぶーー、プロデューサーさん失格!」

P「な、何…?」

小鳥「今のは『孤独のグルメ』ネタだというのに、真に受けちゃって」

P「す、すいません…」

小鳥「…それとも、私ってそんなに卑下しているイメージありますかね」

P「えっと、正直言うと、わりと」

小鳥「ピヨョ…」

P「時間かかりそうなんで、一気に頼んでゆっくり食べましょうか」

小鳥「そうですねー」


「ご注文お伺いしまーす」


P「飲み物、小鳥さんは…」

小鳥「とりあえず生2つ」

P「迷いないな…」


P「あ、すいません。食事も一緒に頼みますので、お願いします」

「お待たせいたしましたー、生2つでーす。お通しもどうぞー」

小鳥「最初の飲み物は思ったより早かったですね」

P「1杯目が早いと、なんというかありがたいですよね」


P「それじゃ、さっそく。今年も一年お疲れ様でした。」

小鳥「かんぱーい!」


P「…ふぅ、ビールはそんなに得意じゃないですけど、やっぱり1杯目はビールですよね」

小鳥(ビールうめぇ!)ゴクゴクゴク…

P「こ、小鳥さん…ちょ、ちょっと…」

小鳥「ぷはぁっ!」ガタッ


P「だーかーらー、そういう乱暴な飲み方だめですって!また悪い酔いしちゃいますよ?」

小鳥「ふふ、プロデューサー君。知っているかい?」


小鳥「乾杯とは、『杯』を『乾かす』から、『乾杯』というのだよ?」

P「そんな体育会系のノリの小鳥さん、見たくない…。次はどうします?」


小鳥「次もビールで!」

小鳥「それにしても、今年は本当に忙しかったですね」

P「うれしい悲鳴も、本気の悲鳴になるくらいでしたよ」

P「でも、うちのアイドルが求められているというのは、嬉しいことに変わりはありません」

小鳥「そうですね。」


小鳥「みんな、疲れていないといいですけど…いえ、疲れているとは思うけど」

小鳥「変な燃え尽き方しないといいけど…」

P「もちろん、それは俺も律子も気にしていて、フォローしているんですけど」

P「でも、みんな、この1年でちゃんと成長しましたよ。俺たちが変に心配しなくても」

P「自分たちで、支えあって、助け合うことができるようになってきました」

小鳥「へぇ…」

P「俺がテンパってるときには逆に気を使ってもらっちゃったりして」

P「はは、俺、プロデューサーとしてはまだまだ未熟ですね」

小鳥「そんなこと。プロデューサーさんだって、成長してますよ。」

小鳥「律子さんはあんなだから、ちょっと厳しいこと言っちゃいますけど」

小鳥「律子さんだって、プロデューサーさんの存在は大きな支えだと思いますよ」


P「律子は俺が支えというよりも、ライバル視ですよ。」

P「こんな勝ちが見えてる勝負で、ムキになっちゃうなんて。まったく。」


小鳥「…それは違うかなぁ」

P「え?」

小鳥「確かに、律子さんはこの世界長いから、経験値はプロデューサーさんよりはあります」

小鳥「でも、単純に経験があれば乗り越えられる世界でもないことも知っているはずです」

小鳥「律子さんは、きっと、そういう事実を」

小鳥「見抜いているからこそ、頼りにするし」

小鳥「仲間であるプロデューサーさん、そして自分自身を底上げするために発破かけているんですからね?」

P「そ、そうなのかな…」

小鳥「そうです!」ドンッ


小鳥「プロデューサーさんも、成長しているんです!」




小鳥「…次はカシスオレンジで」

小鳥「でも、プロデューサーさん。律子さん、ちょっとかわいそうじゃありません?」

P「…それはどういう意味で?」


小鳥「なんというか。律子さんって、本来ならもっと輝ける立場にある人なのに」

小鳥「もと、とはいいつつも、今でさえ歌も踊りも現役アイドルに負けない実力がある」

小鳥「でも、いや、だからこそ裏方に徹してばっかりなのが、もったいない気がする」


P「俺もそう思いますし、ことあるごとに律子にはアプローチしてますよ?」

P「でも、律子はやっぱり、誰かを輝かせることのほうが好きなんですよ」


P「もちろんその技術に長けているのもありますけど、律子はきっと」

P「自分の立場を理解して、それができるという自負があるから」

P「まっすぐ、突き進めるんじゃないかと思います」

P「でもあれですね。きっと律子並か、律子以上のプロデューサーが現れれば」

P「律子自身がアイドルに戻ることも、やぶさかではない気がします」


小鳥「でもそれって、きっと『猫に羽が生えれば空が飛べるようになる』的な理論ですよね…」

小鳥「律子さん自身から折れることは決してない気がします…」

P「そこが最大の問題だ…。」




小鳥「次、ウーロンハイで」

P「小鳥さん、ペース早くありません…?」

小鳥「大丈夫大丈夫ー、プロデューサーさんもほら、どんどん食べて飲む!」

小鳥「今日で仕事納めなんですし!」

P「いやまあ…そうですけど…。」

小鳥「ほら、次は何?ビール?焼酎?日本酒??」

P「えっと…じゃあ俺もウーロンハイで…」

ヴヴヴ…

P「あれ?電話…社長からだ」

P「小鳥さん、ちょっとすいません」

小鳥「はーい」


P「もしもし」


小鳥(う~ん、確かにペース早いかなぁ)

小鳥(でも、今日はなんだか飲めそうな気がする!)

小鳥(私も、自分を信じて突き進むのよ!!)

P「ええ!?今からですか?そんな無理ですよ…」

小鳥「?」

P「急に言われても…」

小鳥(なんだろ…?)


P「場所はどこです?」

小鳥(…社長に呼ばれたのかな…)

P「……。」

小鳥(……)


P「や、やっぱり無理ですよ、社長…今はちょっと…」

P「ん?」

--------------------------------
私ならここで待ちますから、

ちゃっちゃと片付けてくださいね!
--------------------------------


P(小鳥さん…)

P「わかりました。でもちょっと挨拶するだけですからね!人を待たせちゃうので」

P「誰かって…?」

小鳥「……」


P「秘密です!でも…大事な人ですので」

小鳥「…!」


P「それじゃ、今すぐ行きますから!」

小鳥「……」

P「すいません、小鳥さん。気を使わせちゃって」


P「社長が今、テレビ局のディレクターと飲んでるらしくて、挨拶してくれないかって…」

小鳥「場所、遠いんですか?」

P「いえ、駅1つ分です。すぐ済ませれば往復で30分ぐらいで…」

小鳥「待ってますから。ちゃんと戻ってきてくださいね。」

P「すいません!行ってきます!」


小鳥(…。いじわるしちゃった。)


小鳥(仕事の用事なら、そのままこの場を解散させるべきなのに)

小鳥(抵抗…しちゃった)





小鳥「あ、彼戻ってきますので、まだ会計しないです。あと次、ホッピー」

<そして、>>1あたりの時間に至る…>

小鳥「…ふっ」

小鳥「やっぱり30分じゃ戻ってこなかった」

小鳥「電話の連絡もない…」

小鳥「どうせ、忘れられた女よ、私は…」


小鳥「でんわ」


小鳥「ふふっ」

小鳥「『小鳥の!アイドル生電話!!』」

小鳥「今からー、今を時めく765プロアイドルにアポなしで電話しちゃいまーす」


小鳥「もしかしたら、いけないプライベートものぞけちゃったりしてぇ!」


小鳥「はいはい、じゃあ、私の765プロのアドレスグループから順番にかけちゃうよ!」


小鳥「…あいうえお順なら、最初は律子さんか」

TLLLL....

春香『はい、天海です。』

小鳥「はるるーん、ぐふふ、今日のリボン何色ー?」

春香『…もしかしなくても、酔ってますね、小鳥さん』

春香『でも、酔った勢いで電話するなんて珍しいですね』


春香『誰かと一緒なんですか?』

小鳥「うぅ、今一人きりだからこうしてみんなに電話かけてるのよ…」

春香『す、すいません!なんか失礼なこと訊いちゃって…』

小鳥「いいのよ、はるるん。私なんていつも一人よ。孤独な事務員よ!」


春香『その…ここ最近忙しかったですけど、落ち着いたらまたみんなで事務所行きますから…』

春香『元気出してくださいね!』


小鳥「あ、はい…」

春香『一人なんですか?あまり飲みすぎちゃだめですよ!体壊しますから!』

春香『小鳥さんだって、大事な765プロの一員なんですからね。みんながチームです!』

春香『その…今年もお世話になりました。来年も、よろしくお願いします!』

小鳥「あ、はい…ありがとうございます。こちらこそ…」


小鳥「こんな夜遅くに電話してすいませんでした…失礼いたします…」

春香『小鳥さん?ちょっと、小鳥さん??』



小鳥「……」

小鳥「ピュアだわ…。どうして、あの子はあんなにもピュアなの…」

小鳥「それがあの子と私の、圧倒的な差だというわけ…!?」

小鳥「…って」

小鳥「『あきつき』が最初だって言ったのに、『あまみ』でかけちゃった」

小鳥「夜も更けてきたし、私酔ってるし、このあたりの失敗はご愛嬌ってことで」

小鳥「あはっ!」


小鳥(……)

小鳥(……ライバル(?)の芸風をパクってしまった)


小鳥「では、改めて、律子さんに…」

TLLL....

律子『ちょっとー、なに電話してきてるんですか。小鳥さん」

律子『報告なら後でじっくり聞きますから。ちゃんとまとめて報告してくださいね。楽しみにしてますよ』


小鳥「りっちゃーん、ぐふふ、メガネのフレーム何色ー?」

律子『こりゃまたダメな感じに酔ってますね…プロデューサー殿はどこです?』

小鳥「きいてよりっちゃーん!」

律子『りっちゃんいうな』

小鳥「プロデューサー、私のこと放っぽって、お仕事優先しちゃったんですよぉ」

小鳥「社長に呼ばれてー、ホイホイついていっちゃったんですぅ」


律子『…あんのバカプロデューサー!最低ね!』

小鳥「そーだ、そーだ、最低だ!」

律子『本っ当にひどいわね!こんなべろんべろんの小鳥さん放置して』

律子『問題行動起こしたらどうするつもりよ!』

律子『プロデューサー呼び戻しますから、小鳥さんはそこでおとなしくしててください!』

律子『お酒のペース配分も下手なんだから、あまり飲まないように!ソフトドリンク飲んでてください!』


ブツッ ツーツーツー

小鳥「あれ」

小鳥「なんか仲間になってくれるかと思ったら、私が暗に批判されてた」




小鳥「次。我那覇響。なんくるないさー!」

PLLLL...

響『はいさーい!ぴよ子?』

小鳥「ひびきーん、ぐふふ、今日のハム蔵君何色ー?」

響『……』

小鳥「ぐふふ」

響『…へ』

響『へんたいだー!!お前誰だ!ぴよ子…いや、音無小鳥をどこへやった!!』

小鳥「え」


響『くっそー、悪い男に携帯電話を盗まれたんだ!きっとそうだ!』

響『そのうえ、自分に電話をかけてきてイタズラするなんて…許せないぞっ』

小鳥「ちょっとまってちょっとまって。響ちゃん。私よ、小鳥です」

響『え?』

小鳥「音無小鳥です」

響『あ、あはは…お、おどろかすなよ、ぴよ子~。一瞬焦ったぞ』

小鳥(一瞬…?)

小鳥「ひびきちゃん、お正月に地元には帰らないの?」

響『今年はこっちで年越しする予定。それに帰りたくても飛行機取れないぞ』

小鳥「そうよねー。この時期帰るなら、前もって予約しないと厳しいわよねー」

響『でもでも、年が明けたら家族には電話するぞ!あけましておめでとうって!』

小鳥「そっかー。でも年明け直後は電話つながりにくいし、あまりしないほうがいいって話よ?」

響『あ、そうなのか?うんわかった!別に年明けた瞬間に挨拶する必要もないもんな!』

小鳥「えっと、それじゃあ、こんな時間に電話してごめんね。おやすみなさい。」

響『うん!おやすみ、ぴよ子!』


小鳥「……」

小鳥(ひびきんは、別の意味でピュアね。)

小鳥(さすがは、『響チャレンジ』で一時代築き上げただけはあるわ…)

小鳥(なんというか、素で返されてしまうから、罪悪感が…)



小鳥「次。菊池真。まっこまこりーん♪」

TLLLLL....

真『はいお疲れ様です!菊池です!』

小鳥「まこちーん、ぐふふ、今日のスパッツ何色ー??」

真『ボクですか?あはは、いまはもうパジャマですよ』

小鳥「……。」

真『あれ?えっと…どちら様ですか?』

小鳥「……小鳥です。」

真『小鳥さん!お疲れ様です!今何してるんですか?』

小鳥「…真ちゃんにイタズラ電話かけてた。ごめんなさい」

真『あはは、いいんですよ。でも珍しいですね、小鳥さんから電話してくるなんて』


真『あ、電話越しで申し訳ないんですけど、小鳥さん』

真『今年も1年、お世話になりました!ボク、小鳥さんにはいつも感謝しているんです!』

真『小鳥さんがいるからこそ、ボクたちは仕事に集中できるんですよね!』

真『今になって思うんです。』

真『事務所に小鳥さんがいることが、ボクたちにとってどれだけ大きな心の支えだったかって…』

小鳥(うぅ、爽やかすぎる…もう夜のいい時間だというのに、なんという太陽のごとき爽やかさなの…)

真『来年も、ボク、頑張りますからね!まだまだボクたちは伸びますから!』

真『ボクとしては…その…来年こそは、可愛い面を打ち出せればなぁって…』

真『えへへ』


小鳥(うぅっ!そんなこという真ちゃんが一番かわいいってこと、みんな理解しているわよ…っ!)

小鳥「真ちゃん」

真『はい!なんでしょう!?』

小鳥「今度会ったらギュッって抱かせて」

真『はい!…って、ええええ!?それってどういう…!?』



小鳥(……)

小鳥(真ちゃんは、卑怯よね。カッコいいとかわいいのギャップを使いこなせたら、もう敵なしだわ)

小鳥(雪歩ちゃんもハマるのも、うなづけるわね)


小鳥「次!如月千早!くっ…」

TLLLL....

千早『はい。如月です。』

小鳥「ちっちゃーん。ぐふふ、今ブラしてるの~?」

千早『…っ!!』


ブチッ ツーツーツー

小鳥「しまった、今のはどう考えても変態だった」


ヴヴヴ…

小鳥「電話だ。千早ちゃんだわ」

千早『…も、もしもし。』

小鳥「あ、ご、ごめんなさい千早ちゃん。私よ私。」

千早『…あの。フルネームでお答え願いますか?』


小鳥(うぅ!?オレオレ詐欺っぽく扱われてる…)

小鳥「はい…音無小鳥、765プロ事務員。年齢は、にじゅう…」

千早『あ、結構です。ありがとうございます。音無さんですね』

千早『…もしかして、お酒、大分入ってます?』


千早『…。音無さんが電話してくるなんて、しかもあの出だし』

千早『社長かプロデューサー、近くにいます?あずささんでも』

小鳥「残念。今は私一人なのです~」

千早『一人…!?』

千早『どうして音無さん一人でお酒を飲ますの!?まったく、何かあってからでは遅いのに』

千早『…すでに何かしている可能性もあるわね』

千早『今からプロデューサーか、社長に連絡しますから、そこでおとなしくしててください』



小鳥(……)

小鳥(なんというか、私ってあまりみんなから信用はされていないのかも)


小鳥「次!四条貴音!面妖な…」

TLLLLL...TLLLL...

小鳥(あれ?出ないわね)

TLLLL...TLLLLL...


貴音『申し訳ありません、お待たせしました。珍しく電話が鳴るもので、少々手間取ってしまい…』

小鳥「あ、いいのよいいの!気にしないで」

貴音『その声は…小鳥嬢?』

小鳥「そうそう、私よ。」

貴音『小鳥嬢。本年は大変お世話になりました。』

貴音『私ども…いえ。私自身が及ばずに、大変ご迷惑をおかけし…』

貴音『小鳥嬢には、いくら感謝しても感謝しきれません』

小鳥「た、貴音ちゃん!?そんなかしこまらなくてもいいのよ?」

小鳥「私だっていろいろ迷惑かけてるし…」

貴音『ふふっ、ではお互い様、ということでしょうか。』

貴音『小鳥嬢…ちょっと、声が上ずっていますね。』

小鳥「ごめんねー、今ちょっとだけだけど、お酒が入っていて」

貴音『そうですか。楽しそうで何よりです。私も早くお酒の飲める年齢になって…』

貴音『小鳥嬢や社長、プロデューサー、そして三浦あずさと、楽しくお話ししたいものです』

小鳥「ふふ、私も楽しみに待っているわよ!みんながお酒を飲めるようになるのを!」

小鳥「くれぐれも、未成年のうちの飲酒は、だめ!絶対!」

貴音『わかっております。』

小鳥(あ、変態入り忘れてた)


小鳥「お姫ちーん、ぐふふ、今食べてるラーメン何味ー?」

貴音『なんと。小鳥嬢、私が今らあめんを食べていることをお見通しとは!恐れ入ります』

貴音『今食べているのは、有名な“富山ブラックらあめん”なのです。これがなかなか独特な…』


小鳥(……)

小鳥(この時間のらあめんは、大変危険だよ、貴音ちゃん…)

小鳥「じゃあ次!高槻やよい!うっうーはいたーっち!」

TLLLL....

やよい『はい!こんばんわ!高槻です!』

小鳥「やよやよー、ぐふふ、今日のうっうー何うっうー?」

やよい『え、えっと…音無さん…ですか?』

小鳥「やよいちゃん、まだおねんねの時間じゃなかった?」

やよい『うーー、私、そこまで子供じゃないですから!』


やよい『あ』

やよい『音無さん!その、今年一年、お世話になりましたー!』

やよい『最後くらい、音無さんの顔見たかったかなーって思ってたんですけど…』

小鳥「いいのよ。私の顔なんて見てもつまらないわ」

小鳥「私は今年最後に、やよいちゃんの元気な声を聴けて、もう何も思い残すことはないわ…」


やよい『お、音無さん…!もしかして、ご病気なんですか!?』

小鳥「うそうそ、冗談。やよやよはかわいいなあ!」

小鳥「やよいちゃん、お年玉楽しみだねー」

やよい『もー!だから子ども扱いしないでください!』

やよい『私、もう中学生だし、大人だから、お年玉はもらいません。のーさんきゅーです!』


小鳥「え」


やよい『音無さんからの電話、珍しくて新鮮でしたー!』

やよい『どうせなら、またお電話してくださいねー!うっうー!』



小鳥(……)

小鳥(成人するまで、いや今でも親からお年玉ねだっていた私の立場って…)


小鳥「次!萩原雪歩!そんな私なんて…穴掘って埋まりますぅ!」

TLLLL...TLLLLL...

雪歩『はい…萩原です…』

小鳥「ゆきぽーん、ぐふふ、今日のスコップ何色ー?」


雪歩『……』

小鳥「あれ」

雪歩『いやああああああああああああああああ!!!へんたいーーーーー!!』

小鳥「ええええ!?」

ガシャ…ドタドタ…


小鳥(電話放って、どっかいっちゃった…どうしよう)

トン、トン、トン…

小鳥(戻ってくる?雪歩ちゃんかな)


小鳥「も、もしもし?雪歩ちゃん?」

?『……。萩原雪歩の父です。どちらさまでしょう』

小鳥(!!!!!!!!!!)

小鳥(…なんとか、説明をして、誤解?は解消した…)


雪歩『もしかして、私ちょっと疲れていたのかもしれません…』

雪歩『まさか、小鳥さんを、へ、へんたい、さんだなんて…』

小鳥「そ、そうかもしれないわね…」

小鳥(反省…)


小鳥「年末、すごくハードだったけど、大丈夫?」

雪歩『は、はい!仕事自体は順調でしたし、今年はすごくいい年になれたなって思います』

小鳥(雪歩ちゃん、成長したわね…。)



小鳥(……)

小鳥(さすがに雪歩父が出てきたのには驚いたわ。命の危機を感じたわ)


小鳥「でもめげない!次は双海姉妹よ!ヨロヨロ→!」

小鳥「問題は、どちらにかけるかね」

小鳥「そうね、なんとなく世間的に真美ちゃんが優遇されている気がするので」

小鳥「今日は亜美ちゃんにかけることにします」


TLLLL...

亜美『やっほー!ピヨちゃんから電話なんて珍しいねー!』

小鳥「あみあみー、ぐふふ、今日の全身タイツ何色ー?」

亜美『うおぅ!こりゃーピヨちゃん酔っ払いだぜぇ?』


亜美『どうしたのーピヨピヨ。さてはー、兄ちゃんにふられちったー?』

小鳥「な、ななな、なんでそこでプロデューサーさんが出てくるのよ!?」

亜美『おりょりょ~?亜美『兄ちゃん』とはいったけど』

亜美『別にうちのプロデューサーであるところの『兄ちゃん』とはいってないよー?』


小鳥(ぐっ…そんな屁理屈を…)

小鳥「真美ちゃんはいないの?」

亜美『真美?いまお風呂ー』

小鳥「まじか。真美ちゃん風呂とかすっげぇ興奮する」

亜美『……。ピヨちゃんって、お酒飲むとヤヴァイおっさんだね』

小鳥「いいえ!ぐんと大人びた亜美真美ちゃんには、正直ドキドキされっぱなしよ!」


亜美『ほんとー?いやー、亜美もなんとなくそう思ってたんだよね!』

亜美『あと5年すれば、あずさお姉ちゃん超えられるかな!胸的な面で」

小鳥「そ、そうかも、ねー…」

亜美『そっかー、望みはすてらんないね!じゃ、ひとまず来年の目標はピヨちゃんくらいの胸』



小鳥(……)

小鳥(そんな1年で超えられたら、私の女としての立場はなんなのよー!!)



小鳥「次は、星井美希さん。あふぅ」

PLLLLL...

美希『ハニー!?』

小鳥「みきみき~、ぐふふ、今染めている髪何色~?」

美希『は…ハニーが変態さんに…!そんな下着の色だなんて…!』

小鳥「……」

小鳥(どうしよう、面白そうだからもうちょっと様子見るか)

美希『その…あのね?もちろんハニーに教えることはやぶさかじゃないよ?』

美希『どうせそのうち見せ合う仲じゃない?あはっ!』

美希『でも~、今の美希は…ちょっと本気じゃないっていうか…』

美希『正直言うと、今日は青…なんだけど…これはちょっと見せることはないというか…』

小鳥(ムカッ)

美希『ねえ、ハニー、聞いてるの?』


小鳥「ふっふっふ、残念でしたー。私はハニーではなくて、ピヨピヨでしたー!」

美希『…なあんだ小鳥か。どしたの?』

小鳥(なにその急な態度の変調!っていうか声が半オクターブくらい下がりましたけど!!)

美希『まーた酔っ払い小鳥なの?社長は一緒?』

小鳥「社長は、ここにはいないわよ」

美希『小鳥は、社長と幸せになればいいよ!お金にも困らないし、玉の輿だし!』


小鳥「……。美希ちゃん」

美希『なあに小鳥』

小鳥「私、美希ちゃんに果たし状を出そうと思います…」

小鳥「来年!勝負よ!美希ちゃん!!!」

美希『な、何言ってるの小鳥?話がよく見えないんだけど』


小鳥(……)

小鳥(美希ちゃんに啖呵を切っちゃった。)

小鳥(美希ちゃんのことでしょう、明日には忘れているわ…私も忘れたことにしよう)



小鳥「次はあずささんね!あらあら~うふふ」

TLLLLL....TLLLLL....
TLLLLL....

小鳥(あずささんが出るのが遅いのは想定の範囲内)


あずさ『はーい、三浦ですー』

小鳥「あずにゃん~、ぐふふ、今日のブラジャー何カップ?」

あずさ『あらあら~、ごめんなさい、それは秘密なんですー』

小鳥「さすがあずささん。大人の対応ね!」


あずさ『もしかして、その声は音無さん?今日もお疲れ様ですー』

小鳥「いえいえ。こちらこそ、今年一年、お疲れ様でした。」

小鳥「あずささんはなんというか、癒されます。私を癒して~」

あずさ『うふふ、そんなことをいって。』

あずさ『音無さんだって、うちの事務所を代表する癒し系キャラじゃないですか』


小鳥「……」

小鳥「……まぢで…!?」

あずさ『みんな言ってますよー。音無さんと話すと癒されるなあって』

小鳥「そそそそ、それは具体的にはどちら様が…!?」

あずさ『えっと、高木社長とか…』

小鳥「……」

あずさ『961プロの黒井社長とか…』

小鳥「それは別の角度からの衝撃だわ」


あずさ『うふふ、それと、音無さんがご執心の、プロデューサーさんも、です』

小鳥「わ、私そんなご執心だなんてそんなあはは」

あずさ『だから、もっと自信をもってアプローチしていいと思いますよ』

あずさ『私は、音無さんのこと、応援してますから!』

あずさ『それと、今年もお世話になりました。来年も、よろしくお願いします』


小鳥(……)

小鳥(勇気づけられてしまった。さすがは恋愛道の達人)

小鳥「なーんかテンション上がっちゃうわね!次!水瀬伊織!にひひっ!」

TLLL....TLLLL...

伊織『なによ小鳥、こんな時間に電話なんて珍しいじゃない』

小鳥「いおりーん、ぐふふ、今日のオデコ何ルーメン?」

伊織『ちょ!ちょっと気持ち悪い!なによあんた!変態?変態なの?』

伊織『ついに本性あらわしたようね、そんな気がしてたのよ!』

伊織『あんたも変態よ、変態!ド変態!der変態!!』


小鳥「ああ、なんだかいおりんの罵声って癖になるわ…きつい言葉にかわいい声というギャップ…」

小鳥「これはプロデューサーさんもかえって快感よね、きっと!」

小鳥(それにこの『der変態』はドイツバージョン…私のドイツ好きを知ってのご褒美ね!)


伊織『…で?どうしたのよ。小鳥が自分から電話するなんて珍しい』

小鳥「ちょっとー訊いてよいおりんー」

伊織『…まあ、なんとなく想像はついていたけど、だいぶ酔ってるわね』

小鳥「私、ひとりっきりで飲んでるのよ…ぐすん…」

伊織『なんというか、あれね。小鳥みてると、いい勉強になるわ』

小鳥「ほうほう、その心は」

伊織『絶対に小鳥みたいな大人にはならない』

小鳥「……。」

伊織『そんなだらしないカッコ、年下に見せないでほしいわね!』

小鳥「ご、ごもっともです…」

伊織『…まったく。何歳年下の子供に説教されてるのよ』

小鳥「えっと、いおりん15だから、引き算すると…」

伊織『ああ!いい!やめてやめなさい!それ以上傷口をえぐるような真似はやめて小鳥!』


伊織『まあ、その…なんというか。あまり下世話なこと言いたくないけど』

伊織『あんたみたいなのでも、好感もって接してくれる人がいるんだから』

伊織『あまりその人を幻滅させるような自爆行為はやめなさいってことね』



小鳥「え、それってどういう…」

小鳥「………」

小鳥(プロデューサーさん…)

小鳥「どうして連絡来ないかなぁ…」


小鳥「……」

小鳥「違うわ」

小鳥「私から…かけるべきよね」


小鳥(待ってても、始まらないわ…)


小鳥「……。」

小鳥「話し中…。」


小鳥「はぁ…。」

「…さん、小鳥さん!」

小鳥「うあ?」

P「小鳥さん、どうしました?具合悪いですか?」

小鳥「ん、んん…。ちょっと寝ちゃってたかな…?」


P「すいません。挨拶してすぐ出るつもりだったんですけど…」

P「なかなか抜け出せなくて。」

P「それに、律子と千早と伊織からかなりきつい説教受けて…」

P「3人に、なにか連絡したんですか?」


小鳥(3人じゃなくて、みんなにイタズラ電話してたんだけどね…)

P「小鳥さん…だいぶ目がすわっちゃってますけど…どうします?もうお開きにします?」


小鳥「……」

小鳥「なにぃ??」

P「!?」ビクッ

小鳥「散々私を一人で待たせておいてぇ…」ユラリ…

小鳥「帰ってきた途端に、お開きたぁいい度胸だ…」


P「す、すいません…!?」

小鳥「だから…もうちょっと…いいですか?」

P「え、ええ!もちろん!何頼みます?」


小鳥「食べ物は、もういいです。」

小鳥「飲み物も…まだあるのでいいです。」


小鳥「隣に、座らせてください」

P「……」

小鳥「……」

P「ま、間が持たないなぁ…」


P「それにしても、どうしてみんなに電話したんです?」

P「律子はともかく、千早や伊織なんてめったに電話なんかしないのに…」

P「…って、そんなの自明ですよね。すいません」


P「千早と伊織については、俺が社長に呼ばれて抜け出したことよりも」

P「小鳥さん一人にさせたことにずっと怒っていました。」

P「伊織についてはまあ、いつものことですけど。千早が意外と噛みつきましたね」

P「普段は冷静な風ですけど、意外と熱いところもある…」

トンッ

P「…あれ」

P「やっぱり寝ちゃったか…」


P「…。すいませーん、会計お願いします」

P「小鳥さん。小鳥さん、立てますか?」

小鳥「う、う~ん…」

P(大分酔いが回っちゃってるな…)

P(タクシー、お店の前までつけてもらうか)


P「あ、もしもし。タクシーの配車お願いしたいんですが。…はい」

P「…え?そ、そんなに…?」

P「わ、わかりました。お願いします…」


P「30分待ちって…」

P「この時期だし、仕方ないか…」

P(とりあえず、お店の人にお願いして…)

P(タクシー来るまで待たせてもらうことになった)

P(小鳥さんは、長椅子に俺のコートかけて眠ってもらってます)


小鳥「スー…スー…」

P(…。)

P(これ、完全に寝入っちゃってるな…)


P「まったく、うちの事務所では一番のお姉さんなのに、いろんなところが無防備なんだから…」

P「でも」

P「そこが小鳥さんの、いいところでもあると思います」

P「みんな、この1か月は非常に忙しかったです。」

P「でも、最後の最後まで、笑顔を絶やさず、自分の仕事をやりきった」

P「共に頑張れる仲間がいるというのもありましたけど…」

P「『小鳥さんは元気か』『小鳥さんの顔が見たい』『一緒にお菓子食べたい』なんて」

P「みんな、小鳥さんのことを起点にして話すんですよ。」


P「小鳥さん。あなたが持っているみんなへの信頼というか、心の支えという意味では」

P「俺や律子よりもはるか上かもしれませんね」

小鳥「スー…スー…」

P「って、酔って寝てる小鳥さんに話しても、意味ないですよね、あはは…」

P「……。」

P「今日は、あまり構えなくてすいませんでした。」

P「正直言うと…」

P「小鳥さんと一緒に飲むの、好きなんですよ」


小鳥「スー…スー……」

P「また来年も、こうして一緒に飲めるといいですね…」


P「…。はは、なんか恥ずかしいな。ちょっとお手洗いに…」


小鳥「スー…スー…。…。」


小鳥「…。聞いてたわよ…」

小鳥(えっと、ちょっとまって)

小鳥(酔いが回って、眠くて、ちょっとよくわからない状態だけど…)


小鳥(えっと、私と一緒に飲むのが好きってことなのよね…)

小鳥(冷静に考えて…うん、冷静に…)


小鳥(だ、だめだわ)

小鳥(頭ではわかってるんだけど、顔が火照ってきて…)


小鳥(プロデューサーさん…)

「お客様ー、タクシーのほう、到着したようですよー」

小鳥「…。う、う~ん、は、はい~…」

小鳥「…ふぅ。」


P「あ、小鳥さん。起きましたか」

小鳥「あ、なんか、コート使っちゃって…ごめんなさい。ありがとう…」

P「いえ、気にせず…」

小鳥「タクシー、到着したようですよ。出ましょうか」

P「え?あ、はい」


小鳥「おっとっと…」フラフラ

P「まだ酔いが回ってますから、気を付けてくださいね。」

小鳥「あ、うん…」


P「肩、借りますよっと」

小鳥「!」

P「さ、行きましょう」

P「小鳥さんの近所についたらおこしますから、寝ててもいいですよ」

小鳥「あ、はい…。」

小鳥「その…私、毎度お酒がらみでプロデューサーさんに迷惑を…」

P「なんの。別に迷惑だなんて思ってないですよ」

P「絡み酒は面倒くさい時もありますけど…」

小鳥「うっ…」

P「でも、毎回、すごく楽しいです」


小鳥「そ、そうなのかな…」

P「小鳥さんはどうです?俺、結構藪から棒に誘ってる時もありますけど」

小鳥「楽しくなきゃ、こんな失敗しないわよ…。いつも、すごく楽しいんです。プロデューサーさんとの時間…」

小鳥「実はさっき、みんなに電話したんですよ。」

小鳥「みんな、あれだけ忙しかったというのに、生き生きした声でした」

小鳥「それって、今年の仕事が無事成功裏に終われたことと同時に…」

小鳥「それぞれが、成長しているという実感があるんじゃないかって。」

小鳥「だからこそ、晴れ晴れと年の瀬を迎えることができたんだと思います。」


小鳥「それもこれも、プロデューサーさんの尽力のおかげだと、私は思いますよ」


小鳥「…プロデューサーさん?」

P「zzz…」


小鳥「………」

小鳥(寝てるんかいっ!!)


小鳥(しょうがないよね、忙しかったもの。疲れてるはずよ)

小鳥(社会人になると、自分のやっていることを褒めてくれる人はなかなかいない)

小鳥(お金をもらって何かをやっているんだもの)

小鳥(出来て当然、それがプロってものだと思う)

小鳥(でも…だからこそ、褒めてあげる人が必要だと思う)

小鳥(当たり前のことを、当たり前のようにやることのむずかしさ)

小鳥(認めてあげる人に…私はなりたいと思う)


小鳥「プロデューサーさん。お疲れ様…。」

小鳥「ん……」


小鳥(はっ!!!)

小鳥(いかん…自分で勝手にテンション上がって何するつもりだったんだ…

小鳥(タクシーの運転手さんもいるのに)

小鳥(でも…)

小鳥(今日のプチ忘年会、半分近くすっ飛ばされたのは…)

小鳥(まったく気にしていないわけではないわよ?)


小鳥(なので、こうします)

ギュッ

小鳥(手をつなぐくらいなら…運転手さんも見えないし、大丈夫よね)


小鳥(……)

小鳥「はぁ…」

小鳥(この程度でドキドキできるなんて、私の感情も安っぽいわね)

「お客さん、まず最初の場所に到着しましたけど」

P「ん…あ、はい。ありがとうございます。小鳥さ…」

P「!?」

P(こ、小鳥さん…手をつないで…)

P(まいったな…でも、このままのわけにもいかない…)


P「小鳥さん…起きてください」

小鳥「ん、んん…。」

P「小鳥さんのマンションにつきましたよ。起きれますか?」

小鳥「あ、はい。ごめんなさ……あ!!」

小鳥「ごごごめんなさい…これはじ、事故で…!」


P「あ、はい…」

P「階段とか、気を付けてくださいね」

小鳥「結構寝たから、酔いが結構さめた気もします…」

P「まだ足元フラフラしてますから。油断しないように」

小鳥「はい…」


小鳥「それじゃあ、プロデューサーさん。おやすみなさい。」

P「おやすみなさい、小鳥さん」


小鳥「……」

P「?」

小鳥「あ」

小鳥「いいわすれてました。プロデューサーさん」

P「はい」

小鳥「プロデューサーさん。好きです。」

P「ええ。そうですね。」


小鳥・P「!!!!????」

小鳥「ち、ちがちがちが…!あばばばば」

P「お、落ち着いてください、小鳥さん!」

小鳥「違うんですよ違います。誤りです。」

小鳥「人生に誤りました」


小鳥「あのですね。私が言いたかったのは」

小鳥「私もプロデューサーさんと一緒にお酒のが好きってことですから!」

小鳥「ゆめゆめ、間違わないでくださいねっ!!」

P「あ、はい…あはは、びっくりしちゃいましたよ、もう…」


P「あれ、私【も】って…どういう…ま、まさかさっきの話…!?」

小鳥「あーーーー」


小鳥(最後の最後でなんかいろいろ面倒なことにーーーー)

P「えっと。話をちょっとリセットしましょう」

P「ここ数分の発言は、いったん、忘れて……」

小鳥「はぁ、はぁ…はい。もう一度、ちゃんと吟味してから、発言します…」


小鳥「えっと。今年も一年、お世話になりました」

小鳥「いろいろ、仕事でもお酒の席でも迷惑かけっぱなしでしたけど…」

小鳥「どうか、来年も、よろしくお願いします…」


P「そ、そうですよね!ここではそういう挨拶になりますよね!」

P「俺もです。俺こそ、おせわになりました。来年も、ぜひお願いします。」

P「ふぅ…びっくりしたなあ…」


小鳥「………」

小鳥「ふふっ。…それじゃあ、プロデューサーさん。おやすみなさい。」

P「ええ。おやすみなさい」

小鳥(………)

小鳥(すごい心臓の音…)

小鳥(鼓動で体まで揺れてるみたい…)


小鳥(プロデューサーさん的に、私と一緒にいることってどう思ってるんだろう)

小鳥(ただ単にお酒飲んでわいわいやることが楽しいってレベルにとどまってるのかな…)

小鳥(もしそうなら…もうちょっと先に進めたい)


小鳥(来年…いい年になればいいな…)

小鳥(なんだろう)

小鳥(ついちょっと前までは、私自身も、一緒にお酒を飲めるだけでも)

小鳥(楽しい時間が過ごせるだけでも、いいって思ってたのに)

小鳥(最近は…)


小鳥(もっとプロデューサーさんのそばにいたい、一緒の時間を過ごしたい)

小鳥(誰にも邪魔をされたくない)

小鳥(そんな、余計な欲が出てきてる気がする)

小鳥(年甲斐もなく…)


小鳥(まったく、この年になって自分の感情もうまくコントロールできないなんて)

小鳥「私も、まだまだ…頑張らなきゃ。」


小鳥「もっと…あの人にふさわしい人になれるように――」

目標がある。
目指すべき人がいる。

なりたい自分が、ある。

まだ今は、不完全だけど、でも、きっと大丈夫。

私が、私自身を信じてあげて、頑張っていかなきゃ。


最後に、
私自身に。

今年一年、お疲れ様。
また来年、一緒に頑張ろうね!



<おしまい>

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