モバP「流石に年末くらいはゆっくり」 ちひろ「いいえ!」(142)

P「何を言ってるんですか。この年末ですよ?
アイドルだって忙しいに決まってるじゃないですか。
大掃除したり、実家に帰ったり……それを邪魔するなんて」

ちひろ「大丈夫ですって!プロデューサーさんなら怒られませんよ!」

P「いや怒られる怒られないじゃなくってですね」

ちひろ「じゃあ試しに一人だけ、一人だけ!」

P「ダメです」

ちひろ「無料でプラチナガチャ10回回してもいいって言ったら?」

P「えっ?」

ちひろ「どうします?」

P「いやそんな……まさか」

ちひろ「私は本気ですよ」

P「お、俺は……」

1そんなことしない
2誰かを呼び出す
3誰かの家に乗り込む

智恵里「あの……おはよう、ございます」

P「……あれ?智恵里今日出勤だったか?」

智恵里「は、はい……ちひろさんが、プロデューサーさんが大事なお話がある、と……」

ちひろ「……」ニヤリ

P「(おのれちひろ!)」

智恵里「あれ……もしかして、私、いらなかったですか……?」

P「そんな事ない!!いやぁ俺もちょうど智恵里と話したいことがあると思ってたんだよね!!」

智恵里「そうですか……!」ニッコリ


緒方智恵里
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智絵里「それで、プロデューサーさん……お話って何ですか?」

P「ああえっとそうだな……うんアレだよ。今後の売り出しの方向性についてなんだが」

智絵里「売り出しの方向性……ですか」

P「そうだ。お前も最初は引っ込み思案だったけど、今ではそうでもないだろ?」

智絵里「いまだにおしゃべりは苦手です……」

P「いやいや、それでも大分進歩してるって。最初は何をそんなに恐れてるんだと思ってたけど」

智絵里「……プロデューサーさんの、おかげです」

P「えっ」

智絵里「えへへ……」

P「(何だこのカワイイいきもの……あれっそういえばちひろさんいねぇ!!)」

P「今後はパッションの子たちみたいに積極的な明るさを」

智絵里「……」

P「ごめん今の無し。あとその顔はやめなさい」

智絵里「ダメ……ですか」

P「ダメに決まってるだろ。アイドルの顔じゃないぞ今の。そんなに嫌か元気」

智絵里「別に……嫌ではないです」

P「なら挑戦してみないか?番組の方からは『笑顔が可愛い』って評判なんだ」

智絵里「……プロデューサーさん」

P「ん?」

智絵里「プロデューサーさんも、そう思いますか?」

P「ん?ああ。もちろんだろ」

智絵里「……」ムムム

P「……(何悩んでんだこいつ)」

智絵里「でも……やっぱり、元気なのは苦手、というか……」

P「そうかぁ。まぁ無理させるわけにもいかないしな」

智絵里「……あの」

P「なんだ?」

智絵里「わ、私……いらない子ですか?」

P「!?」

智絵里「ぷ、プロデューサーさんのいう事を聞けない子は……駄目ですか?
アイドルやめなきゃ……いけないんですか?」

P「いやいやいや!?何でそうなる!!そんなことはないぞ!智絵里はずっとアイドルやってていいぞ!?」

智絵里「本当ですか……?」

P「あ、ああ……」

智絵里「……よかった」

P「(こいつはいったいどういう思考回路をしているんだ……?)」

智絵里「……プロデューサーさん」

P「なんだ」

智絵里「プロデューサーさんは……私を、見捨てないで……くれますか?」

P「当たり前だろ。何言ってるんだ」

智絵里「……」

P「……?」

智絵里「……本当に?」

P「え」

智絵里「……本当に、見捨てないでくれるんですか?私みたいな、駄目なアイドルでも」

P「……」

智絵里「私は……本当は、わかってるんです。もっと明るくしなきゃいけないことくらい……」

智絵里「でも、どうしても……駄目で、いつも……失敗して」

智絵里「同期の子は……どんどん……大きいお仕事もらってるのに……私は……」

P「こら」  ビシッ

智絵里「あうっ」

P「自分を卑下するな」 ビシッ

智絵里「あうっ」

P「自分を過小評価するな」 ビシッ

智絵里「あうっ」

P「お前は駄目じゃない。お前の仕事は完璧だ。
……確かにドジでミスることもあるかもしれない。でもそれを含めて完璧なんだ」

智絵里「……」

P「俺はお前を信じてるんだ。
だからプロデュースしている……お前の実力、お前の才能、そして、智絵里、お前自身だ」

智絵里「でも」

P「何がでもだ。何のでもだ。お前は可愛い。ああそうだ宇宙一可愛い!!だから自信を持て!」

智絵里「かわっ……!?」

P「確かに大きな仕事は入ってきてないかもしれない。でもそうじゃないだろう?
営業やレッスンもちゃんとやっているし、来ているお仕事はちゃんとこなしている。
着々と実力をつけてきているアイドルなんだぞ?」

智絵里「……か、かわ」

P「バレンタインも、パジャマパーティも、京都のドラマ撮影も、全部お前を信じて託した仕事なんだ。
それをしっかりと……智絵里?」

智絵里「……か、かわ」

P「……智絵里?」

智絵里「か……」

P「おーい……」

智絵里「かわ……」

P「おい、聞いてるのか」

智絵里「……かわ、か」

P「……」ビシッ

智絵里「あうっ」

智絵里「……はっ、すみません、なんて」

P「……いや、いいや。可愛いから」

智絵里「……かわっ!?」

P「む、無限ループ!?」

智絵里「……ぷぷぷ、プロデューサー!」

P「おうどうした」

智絵里「あ、あの…‥わ、わたわた」

P「……わた?」

智絵里「わた……私と、一緒に」

P「一緒に?」

智絵里「……はっ、はっ」

P「は?」

智絵里「……は」

P「は?」

ガチャ

周子「ただいまー。外寒いねー」

智絵里「は、初ライブ頑張りましょう!!」

P「初ライブ!?大分前に終わったよな!?」

智絵里「(あうあう……!初詣一緒に行きましょうって言えなかった……!)」

P「そういや新年あけたら新春ライブだっけ?お参り行かなきゃなぁ……」

周子「まだ年明けてないよー。そうだPさん、一緒に初詣行こうよ。なんかおごってね」

P「えー!?仕方ないなあ…‥全く。今回だけだぞ」

智絵里「!!!」ガーンッ!!

P「どうした智絵里!?」

智絵里「いえ……なんでも……ないです」ブチッ ブチッ ←クローバーを裂く音



こうして今回のアイプロはあの三人となったのでした

                                      完

ちえりんここぞという時にちゃんと言えない可愛い
さぁ次の方どうぞ

四人とか……むーりぃ……

仕方ない……とりあえずだりー書くか
次はだれか書いてくれるだろ

李衣菜「おつかれさまでーす!」

P「おうお疲れ。今日終わりか」

李衣菜「はい!プロデューサーも終わりですか?」

P「いいや、俺はもうちょい仕事があるから……今日は解散でいいぞ」

李衣菜「待ってます!」

P「何ゆえ!?」

李衣菜「先に帰るのはロックじゃないんで!」

P「何その基準!?」

李衣菜「気にしないでください!私はここで曲作ってます!」

P「え、CDの曲ならすでに収録したよな……?」

李衣菜「趣味です」

P「趣味なの!?」

李衣菜「いやぁ……いつも途中で飽きちゃうんですけど、今回はいけるかなって!」

P「(ダメだこいつきっとまたダメなパターンだ……)」

P「……」カタカタ

李衣菜「……時の」

P「……」カタカタ

李衣菜「初めて……」

P「……」カタカタ

李衣菜「傷ついたそばで……」

P「……」カタカタ

李衣菜「真っ赤なザクロ……」

P「どんな曲だよ!!」

李衣菜「え!?」

P「何がどうなったら初めて傷ついたそばで真っ赤なザクロがでてくんだよ!!
ザクロの方も驚いてるわ!!」

李衣菜「ええ?でもロックじゃないですか?」

P「何が!?」

P「というかお前作詞とかやったことあったっけ……?」

李衣菜「無いです!」フンス

P「そんないい顔で言われても」

李衣菜「でも大切なのはロックです!歌詞にはロックさえあればいいんです!」

P「(ロックが万能薬か何かのように……)」

李衣菜「どうですか私の曲!ロックじゃないですか!?」


パサッ

曲名:いつも落ちる夢の続きToNight

人に見せられない時のはざまで

夢に見ていた黒い暗黒(Darkness)

つつがなく終わる時の  ←ここで転調!

You My Soul

赤き暗黒の森が



P「どんな曲だよ!!!」

P「人に見せられない時のはざまって何だよ!!
逆に見える時のはざまってなんだよ!!」

李衣菜「いやぁロックかなって」

P「何がどう!?」

李衣菜「時のはざまって何かロックな響きがしません?」

P「しねぇよ。蘭子が喜びそうな響きしかしねぇよ」

李衣菜「えー?そうですかー?」

P「あと残りもたいがいだよ。黒い暗黒って、
ただ黒いだけじゃねーか!!」

李衣菜「黒よりロックかなって」

P「ロックロックだけに黒ックってか!?いいかげんにしろ!!」

李衣菜「プロデューサーさん面白くないですよそれ」

楓「ふふっ……」

P「あと何!?ここで転調って!どこで転調!?」

李衣菜「あーここサビのために曲がこうがーって」

P「楽譜書け!!」

あ、忘れてた?
多田李衣菜
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P「んで何!?YouMySoulはサビなの!?」

李衣菜「サビです!」

P「みじけぇよ!!しかもなんだ!!『あなたは私の魂です』って
意味わかんねぇよ!!」

李衣菜「ロックに意味を求めるべきではありません!!」

P「そうでしたねごめんなさい!!!」

李衣菜「魂こそロック……ロックこそ魂なんですよ!」ドヤァ

P「ドヤ顔で言うな」

李衣菜まったく。Pさんはロックがわかってませんね!」

P「赤き暗黒の森が何色なのかもわからんがな」

ガチャ

夏樹「お疲れーっス」

P「夏樹か……こいつをなんとかしてくれ」

夏樹「まっただりーが何かしたのか……オイオイ今度はなんだ」

李衣菜「今回私何もしてないよ!?曲書いてただけ!」

夏樹「曲……?」

パサッ

夏樹「……」

P「ああ……もう意味が解らんだろ?」

夏樹「な……なんてロックな曲なんだ」

P「えっ」

夏樹「くーっ!燃えてきた!!ちょっとギターとってくる!
これは今すぐ曲をつけねぇと、ロックじゃねぇ!!」

P「えっ」

李衣菜「流石なつきち!わかってるー!!」

P「えー……」

蘭子「大いなる漆黒の書……我に力を与えん
(わあ!この曲すっごいかっこいいですね!!)」


                                      終。

だりーは才能のあるにわか
あとうさみんは今回も17歳可愛い。さぁ次こそ誰か

仕方ない最後に凛……凛だけ書いて寝よう

ガチャ

凛「お疲れ様です」

P「おう凛か」

凛「不服?」

P「いやそんな事一言も言ってないけどな」

凛「そ」

P「まぁ凛も大分フランクになったよな」

凛「そうかな」

P「そうじゃないか?昔はもうちょっとつっけんどんなところがあったというか」

凛「……つっけんどん?」

P「なんというかもうちょい冷徹だった」

凛「……酷いね、プロデューサー」

P「いやすまん今の言い方は悪かった」

凛「まぁ、否定できなくもないからいいよ」

P「優しいな」

渋谷凛
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P「流石しぶりん」

凛「うん、しぶりんはやめて」

P「はっはっは。すまんすまん。しぶりんの反応を見てると面白くてな」

凛「別に反応を見るのは勝手だけどしぶりんはやめて」

P「まぁ気にするな。お前は仕事も順調だし、人気も高い。プロデューサー冥利につきるよしぶりん」

凛「……そう?
あと次しぶりんって言ったらひっぱたくよ」

P「ごめんなさい」

凛「別に……私は普通だと思うけど」

P「そうかなぁ……ローソンのイメージキャラクターに採用されるなんて思いもよらなかったぞ」

凛「あれは私も予想外だったよ」

P「やっぱりしぶりんの持つ天性の魅力が」

パシィーンッ!!!

P「……ごめんなさい」

凛「ううん。わかってくれたならいいよ」

P「凛と言えば、最近犬は花屋の要素をあまり出してやれてないよな……」

凛「キャラクターはムリに出すものじゃないと思うけど」

P「ああ、それはわかってるんだが……」

凛「あとカラオケであの曲歌うのはやめてね」

P「今その話関係なくないか」

凛「ううん。気にしないで」

P「いや気にするよ」

凛「気にしてくれるならそれはそれでいいよ」

P「……まぁ気を付けるわ」

凛「よろしい」

P「……ふぅ少し疲れたな。飲み物あるか?」

凛「コーヒーどうぞ」

P「前はお茶だったのに最近やけにコーヒーだな」

凛「……箱買いしたのは、プロデューサーだよね?」

P「……ごめん」

凛「まぁ私も気持ちはわかるから、いいよ」

P「流石しぶりん」

ゴリッ

P「オゲェッ!!」

凛「……プロデューサー?」

P「ごめんなさい、ごめんなさい」

凛「ううん。私も楽しいから、いいよ」

P「えっ」

凛「ん?」

P「いや別に」

P「そういや、最近仕事増えてきたけど、大丈夫か?」

凛「大丈夫だよ。ありがと。
プロデューサーがうまく調節してくれてるから」

P「い、いや……俺はそんな絶妙な調節をした覚えはないが」

凛「そうかな。私は結構すごいと思う。一人で何人もプロデュースするし、
私たちに平等に仕事を持ってきてくれるし」

P「うーむ、最近あまり皆に平等に仕事を持って行けてないような気がするが」

凛「……ひいき、してくれてる?」

P「いや!そんなことはないぞ!俺はプロデューサーだからな、一部のアイドルを贔屓するような真似を」

凛「……ふーん、そっか」

P「あれ?どうした?凛」

凛「別に」

P「拗ねてる?」

凛「別に」

P「しぶりん?」

ドグッ

凛「まあいいや。私は帰るね。遅くまでお疲れ様」

P「……オォ」

凛「……ごめん、強く蹴りすぎた?」

P「いや、大丈夫だ。これくらいなら……」

凛「いや……悪いのは私だし、大丈夫?見せて」

P「ええ、じゃあ……」

「凛ちゃんのお口で僕の患部をペロペロしてほしいなぁー」

凛「うん……わかった」

P「言ってないぞ!?」

凛「え?」

ちひろ「お疲れ様です。仕事もいいけど、ガチャもどうですか?」

P「ち、ちひろさん!!」

凛「……」

ちひろ「あれ、私お邪魔でした?」

P「いや別にそんなことは全く」

ゴリッ

P「いてええーッ!?」

凛「あ、ごめん」

P「何!?どうしたの!?俺に恨み!?」

凛「いや、そういうのじゃないんだけど……」

ちひろ「うふふ。プロデューサーさんはまだまだアイドルを理解しきれてないんですよ」

P「そうなんですかねぇ……」

ちひろ「どうですか?今ならこの『スペシャルドリンク』を購入すればアイドルの気持ちが」

P「ええ!そんなものが」

凛「プロデューサー!!」

P「はい!!!」

凛「……家に帰る、遅くなったから、送っていって」

P「え……お前」

凛「いいから、いこ」

P「お、おう」

ちひろ「うふふ。お疲れ様です」

ガチャ バタン

ちひろ「りんちゃん、貸しひとつよー」

―――

凛「(まさかちひろさんの策略にはまってしまうなんて、悔しい)」

P「どうした凛、怒ってるのか?」

凛「自分にちょっとね」

P「まぁ気にするなよ、よくわからんけど」

凛「うん。プロデューサーは本当朴念仁だよね」

P「おおそうかそうか、ありがとう」

凛「ねぇ、今の私褒めてるように聞こえた?」

P「ああ違った、ごめんなさい」

凛「(あれ……何かプロデューサーちょっとイキイキしてる……)」

P「まぁなんだ、アイドルっていったって、凛は所詮15歳だ」

凛「……まだ子供だって言いたいの?」

P「おうそうだ」

凛「……」カチン

凛「あのねプロデューサー、私は確かに15歳で、プロデューサーからすればまだまだ子供かもしれないけ……」

ギュッ

凛「ど……?」

凛「……え、え?な、何?」

P「お前はまだまだ子供なんだ、だから、いつでも俺に甘えればいい」

P「俺は、お前の担当プロデューサーである前に、お前の傍にいる一人の大人だ」

P「頼りないかもしれない、朴念仁かもしれない、うっとうしいかもしれない」

P「でも、できる限り、お前の期待に沿うようなことをするさ」

凛「……そ」

凛「……じゃあ」

P「何だ?」

凛「帰ろっか」

P「え?あ、あぁ……」

凛「……」

P「(この流れで、何か相談でもしてくれるかと思ったけど、そうじゃないのかぁ)」

凛「ねぇプロデューサー」

P「ん?」

凛「来年も、よろしくね」

P「ん?おお」

凛「……ふふっ」


                                            終わり

Nの凛ちゃんのころからプロデュースしてるプロデューサーは完全に夫婦だと思うんだもう
リア充爆発! さぁ次はだれか書いてくれないのか

わかったよ!蘭子書くよ!これでいいんだろ!?これが終わったら誰か書いてくれよ!

蘭子「闇に飲まれよ!!(おつかれさまでーす!)」

P「おう蘭子やみのまー」

蘭子「深淵たる力を持つわが下僕よ!今こそ新たな扉が開かれん!
(新しいお仕事入ったって本当ですか!?流石ですプロデューサー!)」

P「おうそうだぞ。今回はその打ち合わせだ」

蘭子「闇から出でし絶望は我の身を焦がさん!
(この前の収録みたいなのじゃないですよね?暑いところは苦手で……)」

P「大丈夫だって。何でこの時期に海辺ロケだよ。
流石にそれはない」

蘭子「シルフの風よ!我に力を与えん
(ほっ。良かったー。あ、おなかすきましたね。何かお菓子とってきますね)」

P「おういってら」

ちひろ「……あの」

P「どうかしました?」

ちひろ「……私にも、蘭子ちゃんの言葉を教えてくれませんか?」

P「……は?」

神崎蘭子
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P「……ええ?俺以外には普通に話すようにって、蘭子に言ってあるはずですが」

ちひろ「ああ、そうなんです。それはそうなんですけど……」


―――――数日前。

ちひろ「蘭子ちゃーん?」

蘭子「……あ、あっ、は、はい」

ちひろ「あ、あのー……スケジュールの確認してもいいかな」

蘭子「ぷっ、プロヴァンス……じゃない……あの、その、えっと」

ちひろ「えーと、プロデューサーさん?」

蘭子「……は、はい」

ちひろ「今日はちょっと営業に行ってるから、代わりに私が……」

蘭子「……あ、はい」

ちひろ「まず午後からなんだけど……」

蘭子「……」コクコク

ちひろ「えーと、大丈夫?」

蘭子「ひっ!あ、え……あ、はい」

―――――

ちひろ「……とまぁ、すごく小動物を苛めてる気分に」

P「うーむ……蘭子も早めに他の人に慣れてもらわないとなぁ」

ちひろ「まぁそうしてくれると一番いいんですが」

蘭子「大いなる幸せは我の手にあらん!この施しを受けよ!
(ハッピーターンとってきました!プロデューサーさんもいかがですか?)」

P「蘭子」

蘭子「呼応する炎!(はい!なんですか?)」

P「しばらく、俺離れしないか?」

蘭子「え?(え?)」

ちひろ「えっ」

P「いやぁ……お前のそのキャラはいいんだが、もっとほかの人との交流をだな」

蘭子「……え、あ、はい(……え、あ、はい)」

ちひろ「す、ストーップ!!!」

P「ん?どうしました?」

ちひろ「どうしましたじゃないですよ!!蘭子ちゃんの顔見てください!!顔!!」

P「どうって、少し目の色が灰色ですけど……」

ちひろ「いやいや!?おかしくないですか!?なんで軽く目の色が変化するんですか!
とにかく撤回!さっきの言葉を撤回してください!!」

P「ごめん蘭子、さっきのなし。これからもがんばろう」

蘭子「魔力こそがわが糧、わが下僕よ!その力に従わん!
(ふぇぇえん!!本当にプロデューサーさん離れしないといけないのかと思いましたよ!)」

P「すまんすまん」

ちひろ「だからとりあえず……私にも理解できるように、蘭子ちゃん語を教えてくれませんか?
そっちの言葉なら、誰とでも普通に話せるんですよね?」

P「そうなのか蘭子」

蘭子「異なるは神々の所作、信ずるは魔神官の杖
(そうですねー。なんというか、すらすら出てくるんですよ)」

P「ふむ……それならちひろさんに理解してもらうのがてっとりばやいな」

ちひろ「よ、よろしくお願いします!」

蘭子「再びなる、創世の時!(こ、こちらこそよろしくお願いします)」

P「まずは基本から」

ちひろ「はい」

蘭子「闇に飲まれよ!」

P「お疲れ様です」

蘭子「煩わしい太陽ね!」

P「おはようございます」

蘭子「今こそ創世の時!」

P「よろしくおねがいします」

P「とまぁ……こんな感じで」

ちひろ「ちょっと待ってください」

P「はい」

ちひろ「ほ、法則性とかないんですか!?」

P「え?なんかわかりません?フィーリングで」

ちひろ「わかりませんよ!わかってたまりますか!」

P「事務所のみんなはわかってるみたいですけど……」

ちひろ「ええ!?私がおかしいんですか!?」

蘭子「導かれしものどもは口々に福音を
(そうですね……皆結構わかってくれると言うか)」

ガチャ

光「お疲れ様です!」

P「お、お疲れ」

蘭子「闇に飲まれよ!(お疲れ光ちゃん!)」

光「その時は私の光が世界を照らす!(あ、うんお疲れー!)」

スタスタスタ……

P「ね?」

ちひろ「ええーっ!?」

蘭子「揺れ動く神々の動揺?(ちひろさんどうかしました?)

ちひろ「いやいやいや!?今の何!?」

P「え……いつものやりとりじゃないですか」

ちひろ「あれ恒例だったんですか!?」

P「そうですね……特に光あたりは凄い蘭子と波長が合うみたいで」

蘭子「大いなる宴はかの手にあらん!
(よく一緒にお話ししたりしてます♪)」

ちひろ「う……ううん?確かにわかるかもしれませんけど」

P「だから結構普通なんですって。ていうか喋ってればなれますよ」

ちひろ「確かに……私あんまり普段から蘭子ちゃんと喋りませんからねぇ……」

P「やっぱりこれからスケジュールの確認とかちひろさんに任せ」

ちひろ「ストップ!!蘭子ちゃんが!蘭子ちゃんが!!」

P「え?確かにご当地ゆるキャラみたいになってますけど……それが?」

ちひろ「いやいやいや!元に戻してください」

P「ごめん嘘だ蘭子。明日も午前七時からずっと俺と顔を突き合わせていくことになってしまうが、
我慢してくれ」

蘭子「大いなる力を知るタイタンは世界の深淵とともに!
(大丈夫です!私プロデューサーさんと一緒なら……えへへ)」

P「まぁいいか。で、基本はわかりました?」

ちひろ「え?いや微塵もわかりませんでした」

P「まぁとりあえずですね、蘭子の発言はなんというか、闇の力に浸食された感じだと思ってください」

ちひろ「すみません意味がわかりません」

P「とりあえず普通の言葉を闇変換してみてください、それでだいたい合ってます」

ちひろ「闇変換ってなんですか、闇変換って」

P「うーん……蘭子はそのあたり感覚なんで。俺もそれに関してはなんとなく覚えただけなんで」

ガチャ

菜々「お疲れ様でーす」

P「あ」

蘭子「闇に飲まれよ1!(あ!!菜々さん!!お疲れ様です!!)」

ちひろ「……(あれすっごいテンション高い)」

菜々「……ど、どうかしました?」

P「設定や変換に関してはわが社ナンバーワン……ウサミン星人こと安部菜々、
彼女なら闇変換をわかりやすく説明してくれるはずです!」

菜々「な、ナナはウサミン星から来ただけの普通のカラフルメイドなんで……
闇変換とか言われてもわかんないっていうか……」

蘭子「異世界の使者よわが手に新たなる力を!
(わー!菜々さん!ウサミン星の事教えてください!)」

ちひろ「何でこんな懐いてるんですか……?」

P「菜々の設定にどうやらはまってしまったそうで……」

菜々「だからね……蘭子ちゃん、ウサミン星人は地球人の2.6%の構成成分をその体に……はっ!?」

蘭子「語り継ぐものよその言の葉を(え、それでどうなるんですか!?)」

ちひろ「(あれが大人が考えたガチ設定……てかノート分厚っ。そりゃ蘭子ちゃんも喜ぶ……)」

P「というわけなので、基本的には菜々に説明してもらうべきかと」

菜々「え、ええー……」

菜々「……私は設定じゃないので、闇変換なんてさっぱりですけど」

P「わかったわかった、だから早く説明しろ」

菜々「うう……蘭子ちゃんはただ単に比喩を用いている事が基本なだけだと思います」

ちひろ「比喩?」

菜々「たとえば『闇に飲まれよ!』だったら『闇に飲まれる』=『暗くなる』ってことですよね?
そして『暗くなる』と言えば夜、夜と言えば睡眠……睡眠は疲れをとる行為、だから、
『闇に飲まれよ』は『今日もお仕事お疲れ様です!今晩はゆっくりお休みください!』
となって、それが、『お疲れ様です』という言葉になるんだと思います」

ちひろ「あ、あぁ……!」

蘭子「恒星の力を持つわが片腕よ!その力解き放たれんことこそ!
(流石菜々さんです!)」

菜々「他もその派生だと思います。煩わしい太陽なら日が昇るからおはよう、
今こそ創世の時なら創世が始まるからよろしくおねがいします。要はすこし捻って言ってるだけにすぎません。
別に暗号とかでもありませんし、理解して反芻するのもそう難しい言葉じゃないと思います」

ちひろ「(ていうか本当に菜々さん何歳なんだろう……この洞察力……)」

P「(菜々はちゃんと勉強していてえらいなぁ。流石17歳だなぁ)」

菜々「えーっとこのへんに……あった!
私が昔つくった蘭子ちゃん語対照表がありますので、よかったら使ってください」

P「そんなのあったの!?」

菜々「え、あ……はい。勉強になるかなと」

P「(なるほど天然のキャラの語録を記録……そして自分に活かそうという魂胆か。
流石菜々は侮れないな)」

ちひろ「あ、ありがとう……頑張ってみるわ」


―――――  一か月後。


蘭子「闇に飲まれよ!!
(お疲れ様でーす!)」

ちひろ「闇に飲まれよ!深遠なる時は来たり!
(蘭子ちゃん、今日も遅くまでお疲れ!大丈夫?ムリしてない?)」

蘭子「わが身に宿るは凶悪なる深淵!
(ありがとうございます!でも大丈夫です!鍛えてますから!)」

ちひろ「地獄からよみがえりしサタンは世界の理を知ることよ!
(ふふっ。頼もしいわ。プロデューサーさんもきっと喜んでくれるわよ)」

蘭子「大いなるヘブン、そこでの宴は新なる魂を呼び寄せん!
(ええっ、そうですか!えへへ……嬉しいな)」

ガチャ

P「ただいまーっすおつかれーっす」

蘭子「我が崇高なる下僕よ!闇に飲まれよー!!
(プロデューサーさんおつかれさまでーす!!)」


ちひろ「……(ふふっ、嬉しいな。蘭子ちゃんとこんなにも喋れるようになるなんて)」

ちひろ「(やっぱりコミュニケーションっていうのは大事で)」

prrrrrrr!!

ガチャッ!

ちひろ「わっ!は、はいもしもし!
漆黒なる闇を操る!我こそは炎の使者たらん!!」

『……は?』

ちひろ「はうあぁあっ!?」



菜々「絶大なる力は……己が身を焦がさん
(あーもう……いつかやるとは思ってましたが)」


                                おしまい。

蘭子語、事務所のみんなはさらっと理解してそう。
うさみんは絶対設定云々に詳しい。

……ふう、ようやく全員終わった。これで寝れる

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