マリ「わんこくんは私だけのもの」ボソッ アスカ「え?」(241)

学校

昼休み

アスカ「ちょっと!!」

マリ「?」

アスカ「いまのは聞き捨てならないわね」

ヒカリ「真希波さん…」

マリ「もうっ!冗談!冗談だよ!お二人さん!」アハハ

マリ「でも、な~んかあの子らのイチャイチャ見てると」

マリ「かわいいなぁって」エヘヘ


シンジ「ねぇ、綾波。今日のお弁当どうかな?」

レイ「美味しい」

シンジ「よかったぁ。実はちょっと味、変えてみたんだよね」

レイ「そう、気づいてた」

シンジ「やっぱり!?こっちといつものどっちがいい?」

レイ「そんなの選べない。どっちも、美味しいから」

シンジ「/////」


アスカ「ぐぬぬぬ……」

マリ「いいわ~♪ああいうの見てるとホント、キュンキュンする!」

アスカ「アンタに邪魔はさせないんだから!!」

マリ「だから、さっきのは冗談っていてるじゃん」

ヒカリ「まぁまぁ、二人とも」アセアセ

アスカ「ふん、どうだか……」

マリ「前から気になってたんだけど~」

マリ「姫ってわんこくんのなんなの?」

アスカ「なっ……えっと、それは」

マリ「はて?」

ヒカリ「ま、真希波さん!その話は無し!禁句なの!」ヒソヒソ

アスカ「私は…その……なんていうか」モジモジ

マリ「どうして?禁句なの?」ヒソヒソ

ヒカリ「あとで、アスカのいないところで教えてあげるから」ヒソヒソ

マリ「了解!」

アスカ「そのえっと…あれよ!保護者みたいなもんよ!一応?一緒に暮らしてるし?」

アスカ「それに!私の方が勉強できるし!パイロットとしてもアイツより上だし!!」

マリ「はいはい、わかったよ~♪」

アスカ「な!何よ!!その態度!アンタが聞いたんでしょうが!!」

ヒカリ「アスカ!落ち着いて!!」アセアセ

放課後

ヒカリ「真希波さん。ちょっと、いい?」

マリ「?」

ヒカリ「昼休みにした話」

マリ「あぁ、お姫さまの話ね」

ヒカリ「」キョロキョロ

ヒカリ「アスカは帰ったみたいだし、教えてあげる」

――


マリ「そう……そんなことが」

ヒカリ「うん、ただの片思いってわけでもないの……」

マリ「キスもしたんでしょ?姫は。なのにどうしてわんこ君はあの子の方にいったのかな」

ヒカリ「わからないわ。そんなこと…」

ヒカリ「碇くんにしかわからない」

マリ「姫も大変だね~」

ヒカリ「本当は毎日、辛くて悲しくて仕方がないんだと思う……」

マリ「これから、姫を見る目が変わっちゃうなぁ」

ヒカリ「とにかく!そういうわけで!碇君の件は禁句!わかった?」

マリ「わかった!」


ミサト宅

アスカ「くそ……あのコネメガネ…」

シンジ「また真希波と喧嘩したの?」

アスカ「喧嘩じゃないわよ!」

ミサト宅

ミサト「せっかくの新しい仲間なんだから、大切にしなさい♪」

アスカ「だからっ!喧嘩じゃないっての!」

シンジ「そうだ、明日の献立考えないと」スタッ

アスカ「……」

ミサト「お弁当はそぼろご飯がいいかなぁ♪」

シンジ「綾波の弁当の話ですよ。ミサトさんやアスカのはもう決めてますから」

ミサト「シンちゃんも大変ねぇ。毎日、別々のお弁当を作らなくちゃいけないんだから」

シンジ「いえ、むしろ楽しいです。綾波はお肉無理だし」

シンジ「だから、どうやって工夫しようかなとか考えたりしてると」

シンジ「新しいアイデアが浮かんだり、なんかして」エヘヘ

ミサト「そのアイデア、私たちのお弁当や夕飯にも是非生かしてね!シンちゃん!」

シンジ「はい!もちろんです!」ニコッ

ミサト宅

次の日

ピンポーン

ミサト「シンちゃ~ん?レイが誘いにきたわよぉ?」

アスカ「だから!いつもちょっと来るの早いのよ!!あいつ!」ドタバタ

シンジ「もう少しで!準備できるから!待って!」ドタバタ



ミサト「おはよ、レイ。もうちょっとで支度できるみたいだから待ってねあげてね」

レイ「」コクリッ

アスカ「相変わらず、あっちぃわね~」

シンジ「朝はまだ涼しいほうだよ」

アスカ「あ、日陰みっけ!」

シンジ「そういえば、先生に預けられてた時よくそういうのしたっけ」

シンジ「日陰のあるところだけを踏んで学校へ向かう」

シンジ「ふふ、懐かしいな」

レイ「それ、楽しいの?」

アスカ「よっと」ヒョイッ

シンジ「気持ち涼しくなるかな」ニコッ

レイ「」ササッ

レイ「」

シンジ「どう?塀の影は」フフ

レイ「少し、涼しい」

マリ「おっはよ~!諸君!」

シンジ「おはよう」

レイ「おはよう」

アスカ「よっと!それ!」ヒョイッ

マリ「?」

マリ「姫は何してるの?」

シンジ「暑いから影のところだけを歩いてる」

マリ「へ~。面白そう!!」

マリ「にゃぁ!にゃっ!にゃぁ~♪」ピョンッ

マリ「1日1歩♪3日で3歩♪3歩進んで2歩下がるぅ♪っと」

シンジ「それだと、いつまでたっても学校につかないや」アハハ

レイ「碇君、時間」

シンジ「え?って!!アスカ!!まずいよ!このままじゃ遅刻しちゃう!」

アスカ「なっ!!ちょっと!もっと早く行ってよ!!」

マリ「遅刻は何か嫌だから!走る!おっさき~」タッタタ

アスカ「ちょっ!!コネメガネ!あんただけ逃れようなんて!そうはさせない!」タッタッタ

シンジ「僕達も急ごう」

レイ「」コクリッ

教室

シンジ「……」ゼェゼェ

アスカ「……」ハァハァ

マリ「ま、まにあったぁ……」ハァハァ

レイ「」スタスタ

トウジ「仲良うかけっこでもしてたんか?」

マリ「そんなところにゃぁ……」ハァハァ

昼休み

アスカ「いただきま~す」パクパク

マリ「いいなぁ。お弁当、作ってもらってるんでしょ?」

アスカ「まぁね」モグモグ

マリ「私にも作ってくれないかなぁ。わんこ君」

アスカ「!?」

マリ「今度、頼んでみようっと」

アスカ「だめ!!絶対っ許さない!」

マリ「えぇ、どうして」

アスカ「どうしてもよ!」プイッ

マリ「そう、ならあきらめよ~っと」ニヤニヤ

アスカ「な、なによ……」

マリ「べつに~」ニヤニヤ

ヒカリ「ちょっと、真希波さん!昨日のこと、忘れたの?」ヒソヒソ

マリ「ごめんごめん、わんこ君のことで必死な姫が可愛くて♪」ヒソヒソ

シンジ「」

レイ「どうしたの?」

シンジ「え?いやぁ、真希波がお弁当作って欲しいって、そういうのが聞こえてきたから」

レイ「作ってあげれば?」

シンジ「え、でも綾波はいいの?」

レイ「」コクリッ

レイ「碇くんのお弁当、美味しいから」

シンジ「綾波…」

レイ「でも、お弁当を作ってあげても、碇くんは私のものだから」モジモジ

シンジ「うん、わかってるよ」ニコッ

レイ「」モジモジ

ミサト宅

アスカ「なんですってぇぇ!!!」

シンジ「真希波、毎日購買でお昼ご飯買ってるみたいだし」

シンジ「それに、お弁当食べたいって聞こえてきたから」

アスカ「そんなのほうっておけばいいじゃない!」

シンジ「でも、綾波の分も作ってるわけだし……」

シンジ「ミサトさんも言ってたじゃないか!新しい仲間なんだから大切にしなさいって」

アスカ「くぅ……」

アスカ「……エコヒイキは?アイツはなんて言ってるのよ」

シンジ「作ってあげたら?だって」

アスカ(あの馬鹿……こういうところは鈍感なんだからっ!)

アスカ(バカシンジが新入りのコネメガネに取られてもいいわけ?)

『わんこくんは私だけのもの』

アスカ(あぁ!もうっ!だったら私がなんとかするしかないじゃないっ!)

学校 

昼休み

マリ「えぇ!!ほんとに!?」

シンジ「うん、そのぉ…盗み聞きとかしたわけじゃないんだけど」

シンジ「真希波の話、聞こえてきたから」モジモジ

マリ「うれしいっ!感動!最高!」

シンジ「あはは、喜んでもらえて僕もうれしいよ」

マリ(なんて気の利く子なんだろわんこくん!)

マリ(昨日のことも冗談のつもりだったのに……ちゃんと聞いててくれてて)

マリ(本当にお弁当作ってきてくれるなんて!)

シンジ「それじゃぁ、お弁当箱はアスカに渡しといて」

マリ「了解~♪」

マリ「わんこ君の手作り弁当♪かぅわいい!」

アスカ「……」ムスー

マリ「見てみて!姫とお揃い!」

ヒカリ「碇くんに作ってきてもらったんだ」

マリ「うん!どう?美味しいそうでしょう~♪」

アスカ「ふん!」プイッ

マリ「それじゃぁ!へへーん、いただきま~ス!」

マリ「おいしい!!」

アスカ「あったりまえじゃない」ボソッ

マリ「わんこ君!すっごく美味しい!このお弁当!」


シンジ「!?」ビクッ

シンジ「そ、そう?よかった」クルッ (何も大声で叫ばなくても)

レイ「碇君、嬉しい?」

シンジ「うん、真希波の口に合ってよかったよ」ニコッ

レイ「そう」

マリ「いやぁ、羨ましいね~」

マリ「こんな美味しいお弁当を毎日作ってもらってるなんて」

アスカ「まぁ料理だけはアイツの唯一の得意分野だからね」

マリ「姫が羨ましいなぁ。晩御飯もわんこ君お手製なんでしょ?」

アスカ「バカシンジが家事担当だから必然的にそうなるわ」

マリ「いいなぁ、いいなぁ」

アスカ「ふ、ふふ~ん。なんてたってこの私が!仕方がなく同居してあげてんだからね」

アスカ「それくらいのことはしてもらわないとね!」

ヒカリ(あ、アスカ、ちょっと喜んでる)

ヒカリ「」エヘヘ

アスカ「」

アスカ「?」

ヒカリ「え?」

アスカ「何、へらついんてんのよ~ヒカリぃ」

ヒカリ「なんでもない!」フフ



シンジ「綾波、今度、どこかいかない?」モジモジ

レイ「どこか?」

シンジ「うん!まだ、何も決まってないんでだけど…」

シンジ「その、綾波とデートしたことってまだないから」モジモジ

レイ「デート?」

レイ「碇くんがいてくれるのなら、どこへでも行く」

放課後

マリ「わ~んこ君」

シンジ「?」

マリ「これ、美味しかったよ!ありがとね。わんこくん」

シンジ「あぁ、お弁当箱かぁ。アスカに渡してくれればよかったのに」

マリ「やっぱり、直接お礼がいいたくて」

シンジ「よかったら、毎日作るよ!」

マリ「そうだね~。でも、遠慮しとこうかな」

シンジ「え?どうして?」

マリ「そうだねぇ、わんこ君のお弁当は美味しすぎるから?かな」

シンジ「美味しすぎる?」

マリ「そ!こういう贅沢はたまに、のほうがいいんだよ?」

シンジ「そんな、贅沢だなんて」モジモジ

マリ「あれ?そういえばあの子は?」キョロキョロ

シンジ「今日は綾波には先に帰ってもらったんだ」

マリ「どうして?」

シンジ「その、綾波とデートの約束したんだ」

シンジ「だから、この辺にどこかいい所がないか下見しに行こうかなって」モジモジ

マリ「へ~、いいところねぇ」

マリ「私はこの辺のこと、全然っ知らないんだけど」

マリ「あの子なら静かなところがいいんじゃない?」

マリ「あと!景色がいいとか!」

シンジ「え?え?」

マリ「はい!メモ取る!」

シンジ「あ、うん!」アセアセ

――


マリ「あとは~、そうだ!夕食!」

マリ「行き当たりばったりで決めるよりちゃんと予約しておいた方がいいよ~」

シンジ「」カキカキ

マリ「で、それと」

シンジ「ちょっと!ストップ!」

マリ「?」

シンジ「も、もうこんな時間だよ…?」

マリ「へ?」

マリ「いっけない!喋り過ぎた!」

シンジ「ふぅ……色々と教えてくれてありがと真希波」

マリ「そんじゃ、帰りますか。姫も心配してるだろうしね」

シンジ「うん」


帰り道

シンジ「う~ん……」

マリ(ずっとメモを眺めてるわんこ君。健気で可愛いなぁ)

マリ「」エヘヘ

シンジ「?」

シンジ「どうしたの?」

マリ「ううん、なんでもないよ」

マリ(あぁ、人目を気にせずにわんこ君に飛びつきたいなぁ)

マリ(そんでわんこ君のいい匂いを嗅ぎたいなぁ)

マリ「」クンクン

シンジ「うわぁ!?」

マリ「あ、ごめん。つい」

シンジ「ついって!何!」

マリ「だって、君、すっごくいい匂いがするんだもん」ニコッ

シンジ「そのセリフ!前にも聞いたよ!!」

マリ「あっそう、なら話が早い!」ギュゥ

シンジ「真希波!!!」

シンジ「ま、真希波…?」

マリ「大丈夫、誰も見てないから」

シンジ「ね、ねぇ……やめようよ…離してよ」

マリ「」スーハー

マリ「やぁっぱりいい匂いだね。わんこ君は」

シンジ「////」

シンジ「ま、真希波…そろそろ」

マリ「もうちょっと、もうちょっとだけ」

ミサト宅

シンジ「た、ただいま…」

ミサト「おかえり~」

ミサト「今日はちょっち遅かったのね」

ミサト「また、鈴原君たちと遊んでたの?」

シンジ「は、はい…そんなところです」

シンジ(今日の真希波……何だったんだろ)

シンジ(僕には綾波がいるのに……)

シンジ(何してんだよ……僕は)

シンジ(突き放すことだってできたじゃないか…なのに……)

『やぁっぱりいい匂いだね。わんこ君は』

シンジ(ごめん…綾波)

アスカ「あ~もう!この番組もつまんない!」

アスカ「?」

シンジ「……」

アスカ「バカシンジ、どうしたの?」

シンジ「え?いや、何もないよ」

アスカ「嘘ね!絶対、なんかあった!」

シンジ「何もないって」

アスカ「怪しいわね~」

シンジ「……」

アスカ「ま、バカシンジのことなんかどうでもいいんだけど」

学校

レイ「碇君、おはよ」

シンジ(綾波……)

シンジ「お、おはよ」

レイ「?」

シンジ「な、なに?」

レイ「どうしたの?」

シンジ「何が?」

レイ「少し、元気ないみたい、だから」

シンジ「大丈夫だよ。僕は元気だよ」ニコッ

レイ「そう」

アスカ「バカシンジが寝坊だなんてねぇ」

アスカ「おかげで朝はエコヒイキとふたりきりだったわよ!」

マリ「たまにはゆっくりさせてあげなよ。わんこ君にも」

アスカ「家事はアイツの役なんだからゆっくりも何も無いわよ!」

マリ(あっちゃぁ……わんこ君、絶対に昨日のことで自分を追い込んでるよ…)

マリ「おはよ!わんこ君」

シンジ「ま、真希波…おはよう」

マリ「ふぅ……」

マリ「」スッ

シンジ(ち、近いって!!!!)

マリ「昨日のことは忘れてね」ボソッ

シンジ「え?」

マリ「ふぁぁ~ねっむいわ~」

マリ「さぁて、一時間目は寝ちゃうかな~♪」スタスタ

シンジ「……」

めしくってました

レイ「碇君」

シンジ「!?」ビクッ

レイ「どうしたの?」

シンジ「なんでもない!なんでもないよ」

レイ「そう」

キーンコーンカーンコーン

シンジ「席に戻らないと」

レイ「」コクリッ

昼休み

ヒカリ「あぁあ~。私も碇君たちみたいなカップルになりたいなぁ」

アスカ「らしくないこというのね。ヒカリ」

ヒカリ「ずっと見てるとやっぱり、羨ましなって思っちゃうわよぉ」

マリ(わんこ君、デートのプランちゃんと考えたのかな~?)

マリ「」ジーッ

アスカ「コネメガネ!!」

マリ「?」

アスカ「バカップルのこと見すぎ!!!」

マリ「いいじゃん♪いいじゃん♪」

アスカ「よくないわよ!!」

マリ「なんで?」

アスカ「アンタだって他人からずっと見られるのは嫌でしょ?」

マリ「えぇ、わんこ君なら大歓迎だけどなぁ~♪」

アスカ「なんですってぇぇ!!!」

ヒカリ「まぁまぁ……」アセアセ

シンジ(デートの予定…どうしよ)ソワソワ

レイ「」モグモグ

シンジ(僕に綾波をデートに誘う資格なんかあるのかな……)

レイ「?」パクパク

シンジ(真希波に抱きつかれて……それでも、抵抗しなかった僕に…)

シンジ「はぁ……」

レイ「碇君」

シンジ「?」

レイ「」ギュッ

シンジ「!!」

シンジ「はやなみっ!」

レイ「やっぱり、元気がないみたいだったから」

シンジ「綾波…/////」

ザワザワ

レイ「抱擁は相手を安心させる効果があるって、葛城一尉が言ってたから」

シンジ「…ありがとう。綾波」

ヒカリ「あ、アスカ……」アセアセ

アスカ「……」ワナワナ

アスカ「ミサトぉ……」

マリ「これはちょっと、まずいね。姫~聞こえる?」

アスカ「そこ!!今すぐに離れなさい!!!学校をなんだと思ってんのよ!!このバカ!!!」

帰り道

アスカ「ミサトの裏切り者……」ボソボソ

ヒカリ「だ、大丈夫?アスカ」

アスカ「大丈夫じゃない!!!」

ヒカリ「だ、だよねぇ…」アハハ

アスカ「あぁあ、早く私にも白馬の王子さまが現れないかなぁ」

ヒカリ「白馬の王子さまねぇ」

ヒカリ「いつになったら私達を迎えにきてくれるのかな」

アスカ「ヒカリはすぐにでも来てくれると思うわよ?」

ヒカリ「え?」

アスカ「えへへ」ニヤニヤ

ヒカリ「ちょっと!アスカ!それどういう意味ー!?」

アスカ「し~らないっ!」アハハハ

帰り道

レイ「」

シンジ「」

レイ「碇君」

シンジ「どうしたの?綾波」

レイ「デート、いつ?」

シンジ「え?あぁ…その……まだ決めてないんだ」

レイ「そう」

シンジ「……」

『碇くんは私だけのもの』

シンジ(僕は綾波を裏切ってしまったんだ……)

シンジ(それでも、綾波は僕を心配してくれて……)

『やっぱり、元気がないみたいだったから』

シンジ「……」

レイ「碇君」

シンジ「綾波…」

レイ「デート、楽しみにしてる」

シンジ「……うん、必ず行こう」ニコッ

シンジ「それじゃぁ、これで」

レイ「」コクリッ

シンジ「また明日!」

レイ「」スタスタ


シンジ「綾波はデートを楽しみにしてくれてるんだ」

シンジ「必ず!成功させなくちゃ」

マリ「わ~んこ君!発見~」

シンジ「!?」

シンジ「え?」

マリ「ごめんね。後、つけちゃった」

シンジ「どうして……」

マリ「わんこ君さぁ、この間のことすっごく後悔してない?」

シンジ「真希波に抱きつかれたこと?」

マリ「それそれ」

マリ「ちゃんと、忘れてくれないと困るよぉ」

シンジ「……」

マリ「私はさぁ、君たちには良い恋人同士でいてほしいからね~」

シンジ「何だよ……それ」

マリ「まさか、君があそこまで追い詰められちゃうって思ってなかったんだ」

マリ「ごめん!!」

シンジ「……」

シンジ「いくらなんでも……勝手すぎるよ…そんなの」

シンジ(でも……抱きつかれたのを拒まなかった僕に何かいう資格なんて…)

マリ「やっぱり、許してくれないよね」シュン

シンジ「ううん、僕も悪かったし……昨日のことはなかったことに」

マリ「ホント!!!??」

マリ「よっしゃ!!わんこ君に嫌われなくて済んでよかったぁ!!」

マリ「やっぱ、君優しいね!」

シンジ「え?そ、そうかな」

マリ「嬉しいなぁ!もう駄目かと思ったよ~」

シンジ「一つだけ……いいかな?」

マリ「?」

シンジ「どうして昨日、いきなりあんなことしたの?」

マリ「君のことが好きだから」

シンジ「なっ……どうして!?どうして僕なんか?」

シンジ「まだ、知り合ったばっかじゃないか」

マリ「だってわんこ君は優しいしそれに、いい匂いがするし」

シンジ「またそれ……」

マリ「用は可愛いってことにゃっ♪」

シンジ「はぁ……真希波…わけがわからない」スタスタ

マリ「わ~んこく~ん!」

シンジ「?」

マリ「デートがんばるんだよー!」エヘヘ

シンジ「はぁ……」


マリ(そういえば、姫と委員長の会話も聞いちゃったんだよねぇ~)


マリ「お姫様はずっと白馬の王子さまを待ってるんだよ?わ~んこくん」ボソッ

次の日

学校

昼休み

シンジ「今度の休みに行こ!」

レイ「」コクリッ

シンジ「もうプランは色々考えてるんだぁ」

シンジ「楽しみだな~」

レイ「」モジモジ

シンジ「どうしたの?」

レイ「ごめんなさい、こういうの初めてだから」

レイ「なんだか…胸の鼓動が高くなってくるの」

シンジ「僕も少し緊張するなぁ」アハハ

アスカ「……」ズーン

ヒカリ「あすかぁ…ねぇ、しっかりして」

アスカ「……ひかり?……なに?」

マリ「もうお昼でございますよ?お姫様」

アスカ「あっそう……」ズーン

マリ「あはは……これはそうとうきてるね」

ヒカリ「無理ないわよ…はぁ…」

レイ宅

レイ「碇くんとデート」

レイ「デート」

レイ「デート……」

レイ「デートでは女の子は可愛い服を着ていく。葛城一尉が言ってた」

レイ「可愛い服」

レイ「制服しかない」

アスカ「はぁああ!?嫌よ!なんでアンタと買い物に行かなくちゃいけないのよ!」

マリ「私はいいよ!」

ヒカリ「私もついてくわ!」

レイ「ありがと」

マリ「でも、わんこ君の好みを一番知ってるのは姫なのになぁ~」

アスカ「……」

マリ「一番役に立つのに、残念だにゃぁ」

ヒカリ「アスカ」

アスカ「はぁ……んもうっ!しょうがないわね!!」

ショッピングモール

レイ「」キョロキョロ

アスカ「どうして……コネメガネは来ないのよ!!!騙された!!」

ヒカリ「急用って言うんだからしかたがないでしょ」アセアセ

レイ「」キョロキョロ

ヒカリ「気になる服とか見つかった?」

レイ「わからない」

アスカ「ま、特別に私がコーディネートしたげるわ。感謝なさい!」

レイ「」コクリッ

帰り道

シンジ(綾波やアスカ……みんなしてどこ行ったんだろ)トボトボ

マリ「わんこ君」

シンジ「うわぁ!びっくりした!」

シンジ「また、付けてきたの?」

マリ「まぁね~♪」

シンジ「で?今度は何?」

マリ「率直に言うわ」

マリ「私のものにならない?」

シンジ「え!?」

マリ「駄目?」

シンジ「えぇえ!!そんな…いきなりだよ!急すぎるよ!」アセアセ

マリ「時間をおけばOK?」

シンジ「い、いや!そんな問題じゃなくて!ええと…」アセアセ

シンジ「……ごめん。僕には綾波が……いるから」

マリ「やっぱそうだよね」

シンジ「え?」

マリ「でも、どうしてあの子なの?」

マリ「私といたほうが楽しいと思うよ?百倍は可愛がってあげるよ?わんこくん」

シンジ「そ、そんなこといわれても……」

『碇君は私だけのもの』

『碇くんじゃなきゃ、だめなの』

シンジ「綾波は…僕がいなきゃだめだから……」

マリ「ふ~ん」

マリ「君がいないと駄目な子はまだいるんだけどな~」

シンジ「え?」

マリ「いやぁ!それにしてもあっさり振られちゃったな~」

マリ「ねぇ」スッ

シンジ「ち、近い!」

マリ「キスしよっか?わんこくん」

シンジ「だ、だだだだめだよ!だめだめ!」

マリ「どうして?あの子とはまだしてないの?」

シンジ「う、うん…」

マリ「じゃぁ!ファーストキスは私がも~らいっ」

シンジ「え!?だからちょっと!待って!」

シンジ「ファーストキスでもないし!!!」

マリ「え?」

マリ「他に誰かと付き合ったことあるの?」

マリ「さすが、わんこ君。色男だね~」

シンジ「付き合ったとかそういうのじゃなくて……」

マリ「?」

マリ「付き合ってもないのにファーストキスを奪われた?」

マリ「いや、あるいは奪っちゃったのかな?」スゥッ

シンジ「だから、近いよ……」

シンジ「奪ったとかでもないよ……べつにそんな大したことでも」

『これで、私のファーストキスはアンタのもの』

シンジ「……」

マリ「どうしたの?わんこ君」

シンジ「ね、ねぇ!もう帰っていいかな」

マリ「えぇ!なんで!寂しいな!」

シンジ「明日はデートだし……あぁもう!帰る!」

マリ「あ!ちょっとわんこ君!」

タッタッタッタ





マリ「あちゃぁ、逃げられちゃったなぁ」

マリ「姫~。王子様はもしかしたら、影に暮らすお姫様に気付くかもよ?」ボソッ

次の日

シンジ「綾波!」

レイ「碇君」

シンジ「綾波、その格好」

レイ「どう?」モジモジ

シンジ「すごく似合ってる!!」

レイ「」モジモジ

シンジ「行こうか」ニコッ

レイ「」コクリッ

数時間後

ミサト宅

ミサト「あ、雨…」

アスカ「ホント、天気予報大外れじゃない」

ミサト「シンジくんたち……大丈夫かしら」

アスカ「シンジなら折り畳み傘持って行ってたわよ」

ミサト「そう、なら安心ね♪」

アスカ「バカなりに用意周到だからねぇ」

ミサト「こら、あすか~」

アスカ「へ~んだ」

マリ「雨じゃん」

マリ「わんこ君、大丈夫かなぁ」


ヒカリ「雨……」

ヒカリ「碇君達…傘持って行ってるかな」

ヒカリ「あ!いっない!洗濯物!!!」


ザーザーザー

ザーザーザー



シンジ「雨、降ってきちゃったね」

レイ「えぇ」

シンジ「行きはあんなにも天気良かったのに」

レイ「」コクリッ

シンジ「今日、本当に楽しかった」

シンジ「綾波はどうだった?」

レイ「碇くんと2人きりでいろんな所へいけてよかった」

レイ「」モジモジ

シンジ「じゃあ休んで行こうか」

レイ「はい」

的な展開キボンヌ

シンジ「止まないね」

レイ「」

シンジ「そうだ!折りたたみ傘なら2本あるんだ!よかったら使ってよ」

レイ「いいの?」

シンジ「うん!僕は大丈夫だから」

レイ「ここで、お別れ?」

シンジ「そうだね。僕はこれから用事があるし」

レイ「そう」

シンジ「また、学校で会お!綾波」ニコッ

レイ「////」コクリッ

シンジ「それじゃぁね!」

ザーザー

シンジ「傘、なくなっちゃったな」

シンジ「走って帰るか。せっかくの綾波の服を台無しになんかしたくなかったし」

シンジ「これでいいんだ」エヘヘ

シンジ「よし!」

シンジ「」タッタッタッタッタ

ザーザザーーザーー

ミサト「雨、どんどんひどくなってきたわね」

アスカ「でも、そろそろあの馬鹿も帰ってくる頃じゃない?」

ガチャッ

アスカ「ほら、帰ってきた。噂をすれば影がさすってね」

シンジ「た、ただいま」ハァハァ

ミサト「おかえりなさい!シンちゃん!って!どうしたの!?ずぶぬれじゃない!」

シンジ「えへへ……傘、貸しちゃったんで」

ミサト「アスカ!タオル持ってきて!シンジくん!ずぶ濡れなのよ!」

アスカ「はぁ!?」

シンジ「」ブルブル

ミサト「もうちょっとでお風呂沸くからね!シンジくん」

シンジ「」ブルブル

アスカ「あんたバカァ!?どうして、傘貸しちゃったのよ!」

シンジ「あの雨の中、傘なしで綾波を帰らせるなんてそんなこと…できないよ」ガクガク

アスカ「自分はどうなってもいいわけ?」

シンジ「僕は平気だよ……」

アスカ「全然っ!平気じゃないじゃない!!」

――


シンジの部屋

アスカ「ばかしんじー」ガラッ

シンジ「どうしたの?アスカ?」

アスカ「具合は?どう?」

シンジ「なんだかずっとボーっとしてる」

アスカ「どれ」ピタッ

シンジ「なっ////////////////」

アスカ「あれ?さっきより熱上がってない?おかしいわね」

シンジ「/////」

アスカ「ちゃんと安静にしてた?バカシンジ」

シンジ「う、うん…」

シンジ「」コホッコホン

アスカ「もう!咳までして!」

ちょいまち

アスカ「エコヒイキ……あの馬鹿!」

シンジ「綾波は悪くないよ。僕が厚意で貸したわけだし」

アスカ「2人で入ればよかったじゃない」

シンジ「折り畳み傘だから2人も入れないよ」

シンジ「それに」

シンジ「あんなにも可愛い服が濡れるなんて」

シンジ「そんなこと絶対に避けたかったし」ニコッ

アスカ(私がエコヒイキに選んでやった服…)

アスカ「そ、そう?なら仕方ないわね」

アスカ(でも、やっぱり、あいつは許せない…シンジをこんな目に遭わせて…)

『碇くんは私だけのもの』

アスカ「だったら、責任持ってコイツを守りなさいよ!」

シンジ「あ、アスカ?」

アスカ「はっ!」

アスカ「病人は黙って寝る!」

シンジ「は、はい!」アセアセ

アスカ「はぁ…濡らしたタオルもってくるわ」スタスタ

シンジ「アスカ」

アスカ「?」

シンジ「ありがと」ニコッ

アスカ「/////」スタスタ

レイ宅

レイ「碇くんと初めてデート」

レイ「暖かった」

レイ「ポカポカした」

レイ「また、碇くんとデートしたい」

レイ「2人きりで…」

マリ「デートうまく行ったかなー?わんこ君」

マリ「……」

マリ「私は何がしたいんだろ」

マリ「ただ、三角関係を悪化させてるだけ…」

マリ「でも、あの子と姫のわんこ君に対する一途さを見てると」

マリ「ほんとに可愛くて、胸がキュンキュンしちゃうんだよね」

マリ「あぁあ、罪な男だね・。わんこ君は」

マリ「――こんなにも、優しくて可愛い君」

マリ「そんなの」



マリ「惚れちゃうに決まってんじゃん」

次の日



ピンポーン

アスカ「」ガチャリッ

レイ「」

アスカ「今日はバカシンジ休みだから」

レイ「なぜ?」

アスカ「ちっ…あんたに傘貸しちゃったから雨に濡れてかえって来て風邪引いたのよ!」

レイ「…え?」

アスカ「とにかく!学校いくわよ!」

レイ「…」アセアセ

アスカ「はいはい、面会は禁止!」スタスタ

シンジ「真希波!ちょっ!何するの!?」

マリ「にゅふふふふ~、大人しくしようねワンコく~ん」

シンジ「まっ!、、、あっ!」

マリ「エントリープラグそうにゅ、んんっ」

の流れがくるまで寝ない

マリ「おっはよーってあれ?わんこ君は?」

アスカ「家で寝てる」

マリ「あちゃー、やっぱり昨日の雨で風邪引いちゃったか」

レイ「……」

アスカ「全く、おかげでこっちは家事を全部しなくちゃいけないから大忙しよ」

アスカ「バカシンジの看病もね」ボソッ

レイ「!!」

アスカ「なに?」

レイ「放課後、お見舞いに行きたい」

アスカ「却下」

レイ「行く」

アスカ「却下!」

レイ「私は碇くんの恋人だから行く権利がある」

アスカ「なっ!?」

ナニヨエコヒイキ!!
オミマイニイク

マリ「可愛いなー2人とも」アハハ

アスカ レイ「」ギロッ

マリ「な、にゃにかな?」

アスカ「どっちが正しい?」

レイ「私は何も間違ってない」

マリ「えぇ…」アセアセ

アスカ「まさか!エコヒイキの肩を持つつもり?」

レイ「お見舞いは必ず行く」

マリ「う~ん」

アスカ レイ「」ジーッ

マリ「放課後にみんなでお見舞いに行きますか!」

レイ「そうね」

アスカ「はぁあああ!?絶対だめ!!だめよ!!」

トウジ「朝から道端でぎゃーぎゃーうるさいな~」

ケンスケ「碇、休みなの?」

レイ「だから、お見舞いに行く」

ヒカリ「私も賛成!昨日の雨ひどかったから心配だったの!」

トウジ「親友がねこんでるっちゅうんやったら!ワシも行くしか無いやろ!」

アスカ「あああもう!」(私とシンジの二人っきりの時間がぁぁ…)

マリ「姫~?今、二人きりの時間を奪われたって思った?」ニヤニヤ

アスカ「なっ////」

アスカ「うるさい!!コネメガネ!!」
おわり

おまけ

NERV本部

ミサト「彼が新たに配属されたエヴァのパイロット……」

冬月「この期に及んで…ゼーレは何を叶えてるのやら」

カヲル「初めまして。カヲル、渚カヲルです」

ミサト「よろしくね。カヲルくん」

カヲル(終局はすごそこまできている)

カヲル(創造主は自らの過ちを認め、再びこの星へ舞い降りる)

カヲル「シンジくん、君は僕だけのものだよ」


おわり

>>204
叶えているのやら→考えているのやら

ミスったよ

ゲンドウ「シンジは私だけのものだ」

冬月「えっ」

最後までみてくれてありがとう!


ちなみにち創造主=>>1ではないです

シンジ「・・・」

マリ「・・・なにさ、姫にはきついこと言われても怒らないくせに」

シンジ「怒らないんじゃなくて諦めてるだけです。あの茶毛は自分のプライド守ることに必死で人を見下すことしか出来ない可哀相な人間だって」

「えっ」

シンジ「えっ?」

アスカ「・・・・・・」

マリ「ひ、姫?いつから・・・」

アスカ「へー。私が可哀想」

シンジ「」

アスカ「ふーん」

シンジ「」ガクガク

アスカ「」ドゴォッ

シンジ「うっ!」

アスカ「」ドスッ! ドスッ! バキッ

マリ「ちょ!はいストップ!落ち着いて!!!死んじゃうから!」

せっかく、みてたのに投げれてたよ(´;ω;`)

ちょいとだけ書いたけど

もうねる

>>225俺は分かるよ。
続けろ

>>226
かまってちゃんなの?
期待して損した

>>231
ごめん、ぶっちゃけそれ誤爆

>>225
誤爆だよな?別のスレで見たし

>>235
うん、誤爆です

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