蛍「のうりん先行上映会?」 (325)

れんげ「今度ウチらの地元を舞台にしたアニメが始まるみたいなん。市をあげて全面協力してるのん」

れんげ「この村のお百姓さん達もたくさん制作に関わってるらしいん。
    ウチのお父さんも農家の事情とか色々インタビュー受けて協力したらしいのん」

小鞠「全然知らなかった…田舎だとばかり思ってたけど、美濃加茂市もけっこうやるじゃん」

夏海「それってやっぱ『自然に囲まれてのんびり過ごす美少女達の日常』的なアニメなの?」

蛍「『やっぱり田舎ってすばらしい!』みたいな感じにするんでしょうか?」

れんげ「ウチも詳しくは知らないけど、どうやら町の方の農業高校が舞台らしいんな」

小鞠「それってこのみちゃんの通ってる高校じゃない!」

れんげ「タイトルは『のうりん』っていうらしいのん」

夏海「なーんだ。旭丘が舞台じゃないんだ。つまんねーの」

蛍「でも、自分の知ってる町並みとかがアニメになってテレビに映るってちょっと嬉しいじゃないですか」

れんげ「そこで今日のお昼に町の方で先行上映会をやるそうなん。
    お父さんの名前で入れて貰えるみたいだから、よかったらみんなも行くん」

夏海「お、いいね面白そうじゃん!行こ行こ!」

■美濃加茂市 生涯学習センター


ワイワイ ガヤガヤ…

じいさん「わしらの地元がアニメになるとはなぁ」

ばあさん「長生きはするものですねぇ」


夏海「はぇ~…アニメの上映会だってのに爺ちゃん婆ちゃんばっかりだ…」

れんげ「なっつん、これをただのアニメの上映会だと思ってもらっちゃ困りますん」

夏海「へ?」



れんげ「このアニメには地元の人たちの未来が掛かってるん」

れんげ「アニメで町興しっていうとすでに手垢にまみれた感はあるけど
    さびれた地方都市にとっては一発逆転を狙える最後の希望でもあるんよ?だから大人たちはみんな本気なん」
    
れんげ「アニメがヒットすれば『聖地巡礼』っていって若い人達がたくさん遊びに来てくれるし
    グッズなんかも販売すればいっぱいお金を落としてくれて地元が活性化するのん!」

夏海「か、かず姉~ れんちょんが難しいこと言うよぉ~」

一穂「れんちょんは町興し推進派だからねー。地元を愛してるからこそ地元を憂いてもいるんだねー」

れんげ「当然ですが!ウチは村の大人達が今までどれだけ地元の為に頑張ってきたか知ってるん!
    そんなみんなの想いが詰まったアニメなんだから、きっと面白いに決まってるのん!」

夏海「おぉ…れんちょんがなにやら燃えている…」

小鞠「うぅ…私は寒い…ここ全然暖房効いてないんだもん…こういうとこからお金かけないとダメだよね…」ブルブル

蛍「先輩、私膝掛け持ってきてますから半分ずつ使いませんか?」

小鞠「いいの?ありがとう蛍♪」ヨイショ

蛍(うふふ///先輩がこんな近くに…)スーハー

このみ「あれー?みんなも来てたんだ」ヒョコ

蛍「あ、このみさん」

小鞠「このみちゃんも『のうりん』見に来たの?」

このみ「うん。知ってる?このアニメって私達の高校が舞台なんだよ。
    だから田茂農林の生徒は生徒手帳見せたら自由に入れてもらえるんだ」

小鞠「取材とかも来てたんでしょ?なんか羨ましいなぁ」

このみ「まぁ私は生産科学科じゃないからあまり関係なかったんだけど…あ、私も一緒に見ていいかな?」

蛍「もちろん!みんなでわいわい見た方がきっと楽しめますよ」

夏海「……なんか、兄ちゃんが言ってたんだけどさ」

このみ「あれ、そういえば眼鏡くん来てないじゃん。意外だな…アニメとか好きそうなのに」

夏海「うん。兄ちゃんが言うには『原作知ってるけどみんなで見るようなものじゃない』って」

このみ「なんで?」

夏海「さぁ…ウチも何だってみんなと一緒の方が楽しめると思うんだけどなぁ」

れんげ「だったら駄菓子屋も来ればよかったんに」

一穂「あぁ、楓はねぇ…『それどころじゃない!これから忙しくなるぞぉ!』ってなにやら張り切ってたねぇ…」

れんげ「なんで駄菓子屋が忙しくなるん?」

一穂「さぁねぇ…新しい商売でも思いついたのかねぇ…」

夏海「あ、ステージに誰か出てきたよ?監督かな」

小鞠「いや、ここの市長でしょ。あんたも中学生なんだからそれくらい知ってなよ…」

市長「えー皆さん本日はたくさんのお越しまことにありがとうございます。えーアニメ『のうりん』上映会という事ですけども
   本当に多くの地元の方々のご声援ご協力をいただきましてね、ついに第一話が完成!となりまして。非常に喜ばしいことですね」
   
市長「『のうりん』はですね、みなさんご存知とは思いますが、ここ美濃加茂市の田茂農林高等学校を舞台にしておりまして
   町並みなんかもね、アニメの方で忠実に再現されていますので『あ、あれ家の屋根じゃないかな?』
   なんて思いながら見て貰ってもね、楽しめるんじゃないかと思います。
   えーそもそもこのアニメの制作のきっかけはですね、原作者である白鳥士郎さんと僕が顔なじみでして…」

じいさん「市長ー!話なげーぞぉー!さっさと始めろー!」

会場「ドッwww」

市長「あはは。みなさんお待ちかねのようなので退屈な前置きはこのくらいにしておきましょう。
   それではアニメ『のうりん』本邦初公開!今日会場にいらしてるみなさんが宇宙初の視聴者です!」

夏海「はは、宇宙初だって。大袈裟だなぁ」
   
市長「どうぞごゆっくりお楽しみください!」

れんげ「わくわく!」

草壁ゆか『ゆ~び~さきの~♪』ユカリーン

小鞠(わぁ…アイドルだ…歌うまくて可愛いなぁ…)


中沢農『ええ加減むなしくなら→へん↑の↓』ハナザァー

このみ(ぷぷっwwwすっごい棒読みなんだけどwww)


過真鳥継『同感だ…農の言う通り…』イケボ

夏海(この人ちょっと兄ちゃんに似てるかも///)


トラクターブルル

一穂(後ろで横切ったトラクター、家にあるのと同じ型のやつだねぇ)


モブ『脱柵だー!牛舎から牛が逃げたぞぉー!』

会場「ドッwww」


中沢農『これ、振って走れ///』

会場「は?」

http://i.imgur.com/PyV6sgc.jpg

ベッキー『らめえええええ!』

畑耕作『黒くて太い茄子』

畑耕作『イボイボがフレシュなキュウリ』

過真鳥継『通報しろ!ここに変態がいる!』

中沢農『いやらしい形…しとるもんで…』

中沢農『お…お…おちん…ち///』


会場「シ────ン…」

蛍(な…なんだか会場全体が気まずい空気に…)

夏海「///」

小鞠「ねぇねぇ、なんで茄子やキュウリがいやらしいの?」

夏海「姉ちゃんうっさい!ウチに聞かないでよっ///」

蛍(卓さんの言った通りこんな公の場で流していいアニメじゃないよ…れんちゃんみたいな小さい子も来てるのに…)チラッ

れんげ「」ポカーン

蛍(可哀そうに…れんちゃんが一番楽しみにしてたのに…今どんな気持ちで見てるんだろう…)

ベッキー『…それでオイルだったらいいだろうってぶっかけたの!サラダ油を!全身に!ラー油混ぜて!』

会場「!?」

http://i.imgur.com/cOwtgxh.jpg


一穂(あちゃー…やっちゃったねぇこれは…)

れんげ「…姉ねぇ、なんで目隠しするん?」


このみ(蛍ちゃん、ナイスb)

蛍(このみさんも、素晴らしい反応速度でしたb)

小鞠「ちょっとぉ!蛍にこのみちゃんも!なんで二人して目隠しするの!?
   これじゃ見えないじゃん!やーだー!イジワルするなぁ!」ジタバタ


じいさん「なんだこれは…!田舎者ってだけでここまでコケにされなきゃならんのか…!」

ばあさん「こんなものテレビで流したら美濃加茂のもんはみんな下品で馬鹿だと思われますよ…」ポロポロ

一穂(こりゃあ地元のお年寄りを完全に敵に回したねぇ…)

■上映終了後


「ワシらに散々時間とらせてあんなくだらんものを作っとったのか!」

「三十路にもならん若造に市長なんかやらせとるのが間違いなんだ!ろくなことにならん!」


一穂「あー…どうするみんな…?せっかく町まで出てきたんだから何か食べてく…?」

夏海「わ、わーい…かず姉のおごりだー…」チラッ

このみ「ごちそうになりまーす…」チラッ

れんげ「……」

蛍「れ、れんちゃんは何が食べたい…?」

れんげ「……」

小鞠「なんか、よくわかんないアニメだったね」

一穂・夏海・このみ・蛍「!?」

小鞠「胸がどうとかアイドルがどうとか…はっきり言ってこの町を舞台にする必要…もがっ!」

夏海「ちょっと!空気読んでよ姉ちゃん!」

小鞠「んー!?んー!?」

れんげ(鑑賞後の余韻に浸りたいから少し静かにしてほしいのん)

市長「いやーどうでしたか役員のみなさん!上映後回収したアンケートの結果は!」

役員「はぁ…それがですね…」

市長「史上最年少で市長に就任した僕への絶賛の嵐だったりして!なーんて冗談ですよ!
   ここまで来られたのは地元商工会や農協のみなさん、そして市民のかたがた一人一人の」

役員「本日の来場者数は約150名でしたが、アンケート回収率はかんばしくない46%…
   白紙や破かれての提出が28枚、来月からのテレビ放送を中止しろという意見が17枚…
   市長の辞任を求めるものが14枚、市長の殺害をほのめかすものが8枚…
   市役所に放火すると書かれたものが1枚となっています…」

市長「」

役員「やはり無理があったんですよ!いくらなんでも下品すぎました!」

市長「…るっせえええええ!」ダンッ

役員「ひいっ!?」

市長「あいつらは…何もわかっちゃいねーんだ…!年寄りどもは考えが古いからよぉ…!
   キモオタどもの財布を掴むにゃよー!ぬるい事やってても仕方ねーんだからなぁー!」

市長「それとも何か!?こんな田舎で少女達がエロスもなしで当り障りない日常送るだけのアニメ作って売れると思うのかよ!?」

役員「あ、案外売れると思いますけど…」

市長「まぁいい…別に奴らの評価なんてどうでもいいんだ…
   ようは放送見た都会のキモオタどもにウケればそれでいいんだからな…」
  
市長「俺様の威信にかけてこの『のうりん』町興しプロジェクトは絶対に成功させてやる…!
   商店街やら各方面との提携も着々と進んでるんだ…キモオタどもの有り金を残さずしぼりとってやるぜ…」

役員「はぁ…」

役員「あ、アンケートBOXの底にもう一枚挟まっていましたよ」

市長「読まなくていい!箱ごと燃やしてしまえ!」

役員「…ですが貴重な好意的な意見のようですが」

市長「そうですか!やはりわかる方にはわかるんですね!読み上げていただいてよろしいですか?」

役員「……」

役員『ウチは旭丘の分校に通っている小学生です。ウチの住んでるところを田舎だって言う人もいるけど
   ウチはこの村が大好きなので、もっと大勢の人達にここの素晴らしさを知ってもらいたいです。
   アニメが始まって人気が出たら、いろんな人達が美濃加茂市に遊びに来てくれて
   ひょっとしたらウチの村まで足を伸ばしてくれるかもしれません。そうなったらいいなぁと思います。
   アニメは女の子が可愛かったです。男の子が面白かったです。
   でもウチはまだ一年生なので、すこしお話がむずかしかったです。
   だけど地元のみんなが頑張って出来たアニメなのできっと面白いんだろうなって思いました。
   市長さん、素敵なアニメをありがとう。たいへんだと思うけど、これからも頑張ってください』

市長「……」

役員「…市長さん、あなたは若くして市長になられた立派な方です。
   その反面、若いからというだけで様々な批判も受けてこられたのでしょう。
   結果を残したい気持ちはよくわかります。ですが、今のあなたは少し無理をしすぎている。
   この手紙の主のような純粋に地元を想う気持ちに応えられるよう、頑張っていけばいいじゃないですか」   

市長「はい…生意気言ってすみませんでした…」ポロポロ

あの先行上映会は、まさに悪夢のようでした。

あの日会場にいた誰もが望んだでしょう放送中止の願いは叶わず

『のうりん』のテレビ放送は始まり、深夜アニメなんて今まで一本もやっていなかったこの地域でも

日曜の夜中に岐阜放送で見られるそうです。美濃加茂市民から圧倒的非難を浴びたこのアニメですが

アニメオタクと呼ばれる方たちには割と好評だったそうで、まだ数話しか放送されていないにも関わらず

それらしい見た目の観光客の人達が、美濃加茂市内でちらほら目立つようになったそうです。

手段はどうであれ、いちおう町興しは成功したのでしょうか。

けれど、夏海先輩や村の大人達は、あれ以来アニメの事を話題にあげようとはしません。

(こまちゃん先輩はそもそもよくわかっていないみたいです。そのままのあなたでいてくださいね♪)

誰も口には出さないけれど、誰もが理解している暗黙の了解のようでした。

村の人たちはみんな、『のうりん』に対する静かな怒りを抱えているみたいでした。

当然です。あんな馬鹿馬鹿しくて汚らわしい内容…私達の地元に対する侮辱です!

なんて、こうして村の人達と同じ憤りを感じられる自分が

ようやく村の一員になれたみたいで、不謹慎だけどちょっぴり嬉しかったりしたんです。

とはいえ、何事もみんながみんな、という事はないわけで…


れんげ「兄にぃ!昨日の『のうりん』録画してくれたん?」

卓「」コクコク

れんげ「ありがとなん!帰ったら早速見るん!明日二人で語り合うんな!」

卓「」コクコク


例外な人もけっこう身近にいるものです。

まぁ地元とはいえこの村はアニメの舞台からも離れていますし

田茂農林高校の周辺住民の方ほど『のうりん』に拒絶反応を持っている人は少ないのかもしれません。

駄菓子屋さんなんかは、お店の片隅に『のうりん』のグッズを置きはじめましたし。

もっとも、美濃太田駅の売店や駅前商店街で扱っているのと同じような品揃えらしく

わざわざこの村まで買いにくるオタクさんなんているはずもないので

れんちゃんと卓さんに売れただけらしいのですが、駄菓子屋さんは不思議と気にしていないようでした。

村の人達にだってそれぞれの生活がありますし、たかがアニメにいつまでも腹を立てていても仕方ありません。

放送が始まってしまったのでは今更どうしようもないし、少しすればオタクの人達も飽きるだろう。

アニメの内容は気に障るけど、せっかくだからそれまでの間せいぜい地元経済に貢献してもらおう。

村全体が、なんとなくそんな意向に傾き始めていた頃のこと…


小鞠「…なんか最近、村の中で知らない人をやたら見かけるんだけど」

夏海「そう?」

小鞠「そうだってば。さっきすれ違った男の人もそうだけど、どれも同じような見た目の連中でさ…」

蛍「みなさん髪が黒くて眼鏡をかけてて…」

小鞠「ずっとニタニタしてて、仲間内で会話してると決まって早口で」

蛍「こう言ったら失礼ですけど…」

小鞠「なんかちょっと気持悪いんだよね」

夏海「ふーん…全然気にならなかったな。別にいいんじゃない?ウチらにゃ関係ねーし」

小鞠「だけど、さっきの人れんげの事じぃーっと見てた気がするんだよね…変な人じゃなきゃいいけど」

夏海「そうかなぁ?れんちょん、見られてる感じした?」

れんげ「別にしなかったのん」フルフル

れんげ「ウチみたいなお子様見たって仕方ないん。きっとほたるんが美人さんだから見惚れてたんな」

蛍「そ、そんな事ないよ!私だって全然子供だもん!」ブンブン

蛍「見てたとしたらきっと小鞠先輩ですよ!」

小鞠「ええっ!わ、私!?」

蛍「はい!先輩ったらお人形さんみたいに愛らしいから…
  あの人も眺めているだけで癒されてしまったんじゃないでしょうか」

小鞠「えへへー///そんな事ないってばー///もーやだなぁー///」デレデレ

夏海「……」

れんげ「…なっつんなっつん」チョイチョイ

夏海「ん?」

れんげ「さっきのおっちゃんは、きっとなっつんを可愛いって思って見てたんな!」

夏海「あ、あんがとれんちょん…でもさ、そういう気の遣われ方はかえって傷つくんだわ…」

れんげ「おぉ、それは出過ぎたマネをしましたん。お詫びに駄菓子屋で何かおごったげるのん」

夏海「あはは。そんじゃお言葉に甘えますか」

■駄菓子屋


ワイワイガヤガヤ

夏海「うわ!どーなってんだこれ…」

蛍(お店の中がオタクっぽい人達であふれかえってる…)

オタA「くぅ~w長い道のりだった!この店でしか買えないベッキーM字開脚バージョン…!」

楓「お前ら慌てんなって。まだ在庫はあるからさ」

オタB「おぉ!このブルファクソフビは幻の初代グレートマン…!まさかこんな田舎の駄菓子屋に置いてあったとは!」

楓「あぁ、その人形婆ちゃんがやってた頃から誰も買わなくて埃かぶってるし、欲しけりゃ持ってっていいぞ」

オタB「とんでもない!仮にオクに出たとすれば二十万はくだらない代物ですぞ!」

楓「に、二十万!?やっぱダメだ!返せ!銀行で金降ろしてから来い!」

オタC「楓たーん!こっち向いてぇー♪」

楓「たんとかつけんな気持ち悪い!写真撮影は一枚1500円だ」

オタD「はい『気持ち悪い』いただきましたぁwww」

オタども「うぇーいwww」

蛍(な、なんだろうこの人達…)

駄菓子屋さんの話ではこういうことでした。

アニメの好評を受けて若い市長さんは考えたそうです。

これから聖地巡礼と称して多くのアニメオタクさんが美濃加茂市を訪れるでしょう。

その時オタクさん達により深く美濃加茂市を楽しんでもらい

より多くのお金を消費してもらう上手い方法はないものか。

そこで出された案が、市内の観光地や郊外の村に、それぞれその場所のお店でしか売っていない

『のうりん』の限定グッズを分散して販売することでした。全てのグッズを集めようと思えば

必然的に美濃加茂市内のあちこちに足を運ばなければいけない、そういう事なんだそうです。

よくそんなあこぎな商売を考えつくものだと思いましたが

当のオタクさん達にはこの売り出し方はなかなか評判がよかったそうです。

確かに宝探し的な楽しさはあるでしょうし、苦労して手に入れた物のほうが有難味が湧くのもわかる気がします。

そして、中でも最も入手困難とされるのが、ここの駄菓子屋さんでしか買えない限定商品なんだそうです。

なにしろ交通の便も悪くて、うっかりバスの時間を間違えて乗り過ごしたりすると

民宿もないこの村で一晩明かすことになる危険と隣あわせのため

他のお店のグッズは集めても駄菓子屋さんのお店の物だけは断念せざるをえない人が多かったそうです。

そんな事情からネット掲示板では、駄菓子屋さんの限定グッズを手にいれたオタクさんは

『一流秘境ハンター』なんて呼ばれて、一目置かれるほどだったみたいです。

そこから話題になって、美濃加茂市というよりむしろこの村を目当てに押し寄せる人が増えたそうで。

そうしたら駄菓子屋さんに置いてある古いおもちゃの中に結構な値打ちの物があるってわかったみたいで

そっち方面のコレクターのオタクさんも呼び寄せちゃったそうなんです。

それだけでなく、駄菓子屋のお姉さんの外見や人柄もウケがよくて『美しすぎる駄菓子屋』として

ネットではちょっとした有名人になっているんだって、少し照れながら教えてくれました。

だけど、村の人達はそんなオタクさん達をあまり歓迎しませんでした。

静かに暮らしたい村のお年寄りにとって、連れだってやってきてはしゃぎ回る若者というのは

受け入れにくい相手だったのかもしれません。

また、お世辞にも好青年とは呼べない見た目や清潔感のなさも少なからず関係していたと思います。

人を見た目で判断してはいけないと日頃から私に言っていた母でさえ

遠まわしにオタクさん達とは距離をおくようにと忠告してきました。

村の平穏を乱すオタクさんたちの存在で、村の人達の『のうりん』への怒りが再燃したようで

けっこうな人数で連れだって、市役所に改めてアニメの放送中止の請願に行ったそうです。

さすがに放送中止とまではいきませんでしたが、番組内で巡礼先でのマナーを呼びかける字幕が流されました。

ですが、それがかえって火に油になったのか、やってくるオタクさんの数が前より増えた気がします。

やがて村の人達は原因が駄菓子屋さんにあると言って、彼女の事を少し白い目で見るようになりました。

駄菓子屋さんはああいう性格ですから、あまり気にしていないようでしたが…

村全体にピリピリと張りつめた空気が流れていたある日、ついに事件は起きてしまったのです。

■駄菓子屋


小鞠「最近村の空気が悪いよね…」

蛍「大人達がずっとイライラしてますからね…」

小鞠「いや、それもあるんだけどさ、ついこの間まで村の空気ってすごく澄んでたじゃん」

蛍「あぁ…たしかに。この頃はなんだかすえた臭いが混ざってる気がしますね…」

小鞠「私、田舎の空気が美味しいっていう意味がようやくわかった気がするもん」

楓「なんだよお前ら、そんなデリケートな事じゃやっていけねーぞ」

小鞠「いやでも楓姉さ、このお店もけっこう村のみんなから目の敵にされてるの知ってるでしょ?」

楓「関係ないね。私はあいつらのおかげでがっぽり稼がせてもらってるから文句はない」

蛍「だけど、オタクさん達の中にはマナーの悪い人もいて、騒がしくしたりゴミをポイ捨てしていく人もいたり…」

楓「まぁまぁ、細かいことには目をつむってやれよ。
  あいつらも話してみるとけっこう気のいい連中だし、別に悪い奴らじゃないからさ」

小鞠「でも…」

楓「それに知ってるか?お前のとこの夏海も『のうりん』のファンみたいだぞ?」

小鞠「え?」

楓「私もこのアニメ見てないからよく知らねーんだけどな、この眼鏡の男がお気に入りみたいだぞ?」

小鞠「うわっ!なにこの水着!この人男なのになんでこんな変なの着てるの?」

http://i.imgur.com/ey6gssP.jpg

楓「気持ち悪ぃだろ?そいつの商品だけ買い手がつかなくて困ってたんだけど
  いやぁ、案外身近なところに需要があって助かったよ」

小鞠「夏海ってば、なんでよりによってこんな趣味の悪い…他に可愛い女の子のグッズとかいっぱいあるのに」

楓「よく見ろよ。誰かに似てると思わねーか?」ニシシ

小鞠「?」

蛍(あぁ、なるほど…ふふっ…夏海先輩カワイイ♪)


夏海「うぃーっす…」ガララ

楓「お、噂をすれば…いいか、今の話夏海の前ではするなよ?一応口止め料まで貰ってるんだから」ヒソヒソ

れんげ「……」

夏海「れんちょん、元気だしなよ。心配ないからさ」

れんげ「うん…平気なん…」

楓「…れんげ、どうかしたのか?」

夏海「うん、ここに来る途中ウチら変な人に後つけられてさ…」

蛍「え…」

楓「何かされたのか…!」

夏海「いや…まぁ…少し距離あけてしばらくついて来られたってだけなんだけど…」

夏海「先に行ってもらおうと思ってウチらが立ち止ると向こうも立ち止まるし…変な感じでさ」

小鞠「やだ…気持ち悪い…」ゾワゾワ

夏海「思いっ切って聞いてやったんだよ。『ウチらになんか用ですか?』って」

夏海「…そしたらそいつ、れんちょんの事じっと見て、不気味にニタァ~って笑って…」

夏海「『僕たちは運命で結ばれてるから同じ道を行くんだね…』とか言いだして」

蛍・小鞠「いやあ───っ!!」サブイボ

楓「……」

夏海「さすがのれんちょんも怖がっちゃってさ…走ってここまで逃げて来たんだけど…」

れんげ「はぅ…」カタカタ

夏海「その人デジカメみたいなの持ってたから、もしかしたら写真も撮られてたかもしんない」

楓「…どんな奴だった、そいつ」

夏海「実は、表の電柱のかげにまだ居る」

蛍・小鞠「いやあ───っ!!」

楓「…あの眼鏡デブか」チラッ

小鞠「あれ…?あの人いつだか道ですれ違ってれんげの事見てた人じゃない?」チラッ

楓「なに!ほんとか!?」

蛍「あ…!本当だ…間違いないです。私も覚えてますから」チラッ

れんげ「はうぅ…」カタカタ

夏海「よしよし…大丈夫だからさ…」

楓「以前かられんげに目ぇ付けてたって事か…!ロリコン野郎め…!
  いくられんげが可愛いからって…!許せねえ…!」

楓「…お前らは店から出てくんなよ。私が話つけてくる」

楓「…おい、あんた」

キモオタ「は、はひっ!?」ビクッ

楓「あんたこの村のもんじゃないよな?」

キモオタ「は、はひっ…そうでぶ…」オドオド

楓「違ったら悪ぃけど、見るからにオタクだよな?探しもんならうちの店にあると思うが?」

キモオタ「い、いえ…ぼきゅは…」オドオド

楓「…違うのか?じゃあこんな田舎になんの用だ?」

キモオタ「いえ…別に…ただ…なんとなく…」オドオド

楓「あぁ!?はっきり喋れよ!」

キモオタ「ふひぃ!」ビクッ

楓「…そーいやあんたデジカメ持ってるな。写真が趣味なのか?」

キモオタ「そ、そ、そーでぶ!田舎の素敵な自然を撮影するためにこの村に来たんでぶ!」

楓「そうか。ここを気に入ってもらえたなら私も嬉しいよ」

楓「で…その自慢の写真、私にも見せてくれねーかな」ギロッ

キモオタ「いいっ…!?いえ…しょ…しょれは…!」

楓「どうした、別にやましいもんが映ってねーなら見せられるはずだよな?」

キモオタ「……」

楓「実は私の妹分がな、あんたに写真撮られたかもって恐がってんだよ」

キモオタ「……」

楓「あんたも疑いかけられたままじゃいい気はしないだろ?後ろ暗いところがないなら早くカメラ渡せ」

キモオタ「…ぶ」

楓「あ?」

キモオタ「ぶひいいいいいいっ!」ダダッ

楓「おい!待て!逃げんな!」

逃げたオタクさんに鮮やかなドロップキックをかました駄菓子屋さんは

一時警察に勾留されましたが、すぐに釈放されました。

オタクさんのデジカメに、隠し撮りした夏海先輩の画像が何枚も映っていて

おまけに鞄の中から夏海先輩のお家の物干しから盗んだ彼女の下着が見つかって

逆にオタクさんが窃盗罪で逮捕されたためです。

オタクさんは、以前『のうりん』グッズ目当てにこの村を訪れた時

偶然見かけた夏海先輩に目をつけていたようです。

この日の事は、犯罪とは無縁なのどかな田舎にとっては大事件でしたが

他所から見れば取るに足らない些細な事件のはずでした。

そのはずでしたが…この事件は全国ニュースで大きく取り上げられたんです。

このような騒ぎが起こった背景に、町興しというきっかけがあった事や

アニメオタクさん達の性癖や危険性をそれとなく訴えるような内容の

『アニメでの町興しとその弊害』という特集が組まれ、私も家族と一緒に見ました。

それ以来、駄菓子屋さんはオタクさん向けの商売をすっぱりやめて、彼らを敵視するようになりました。

今度は彼女が『のうりん』での町興し反対運動の村の代表的立場となって

市役所や制作会社やテレビ局に放送中止を積極敵に呼びかけ、美濃太田駅前での署名運動なども始めたんです。

この事件や一連の騒動を、ネット掲示板は面白おかしくとりあげました。

駄菓子屋さん達の活動は『キ○ガイ住民による的外れな反対運動』と冷やかされ

胸が痛くなるほどの批判が浴びせられていました。

特に、以前から『美しすぎる駄菓子屋』としてネット上で有名人だった駄菓子屋さんは

今では暴行を働いたことを揶揄されて『美しき駄菓修羅(だがしゅら)』と呼ばれています。

『写真撮ったくらいでドロップキックとか恐すwww』

『俺もお姉さんに蹴られたいwww』

掲示板の住人達はどんどん悪ノリしていって─

『明日例の村にカメラ持って突撃しますwww美しき修羅の姿を写真に収めてうpしますwww
 日付が変わるまでに書き込みがなかった場合、俺はもうこの世にいないと思ってくださいwww』

『うおおおwww勇者現るwww』

『健闘を祈るwww』

そんな書き込みがあった翌日、本当に駄菓子屋さんは何者かに遠巻きに写真を撮られたそうです。

当然、その日の夜ネット掲示板には駄菓子屋さんの画像が晒され、撮った人は絶賛されていました。

盗撮なんて恥ずべき行為なのに、それを面白がった掲示板利用者達の嫌がらせは

ネットを使った間接的なものから直接的なものへと変わっていったのです。

そういえばのんのんと甘酒のSSもあったな

都会から来たような若者を、駄菓子屋さんが怒って追いかけているのを頻繁に見かけるようになりました。

その人達はだいたいが、以前見かけていたどこか大人しそうなオタクさん風ではなく

ノリの軽そうで感じの悪い、いじめっ子の取り巻きがそのまま大きくなったような人達でした。

駄菓子屋さんの写真を隠し撮りして、無事逃げ帰りネット掲示板にアップロードする

『ミッション・イン・旭丘』と名付けられたこのゲームには、写真をアップロードして終わりではなく

写真の映り具合や映った状況をみんなで採点して、より高得点の人が勝ちというルールが設けられました。

ちなみに、今までの最高得点は駄菓子屋さんの着替えシーンを望遠レンズで盗撮した許せないものです。

駄菓子屋さん、本当に可哀そう…

のんのんSSだとのんのんばあSSが好きだなあ

>>216
両津と人類は衰退しましたもいいよな

>>218
靭帯のssなんてあったのかww

村の被害は駄菓子屋さんだけに止まりませんでした。

面白半分に畑は荒らされ、民家やトラクターにスプレーで落書きしていく人達までいました。

村の人達は激しく怒り、同時に疲れ切っていました。

そんな事もあって騒ぎはどんどん大きくなり、ついに『のうりん』は放送をいったん休止する事になりました。

あの若い市長さんが、断腸の思いで決断してくれたそうです。

『地域の発展よりも、そこに住む方々の平和を優先すべきだ』そう語った市長さんはとても立派だと思いますが

その頃にはもう、色々と遅すぎました。いえ、むしろそれが決定的な起爆剤となってしまいました。

住民の抗議がついに放送中止を勝ち取ったわけですが、純粋に毎週の放送を楽しみにしていたオタクさん達は怒り狂い

嫌がらせをしていた人達と一緒になって、ネット掲示板で私達の村を親の仇のように猛バッシングしました。

『旭丘の住民へ直接抗議するオフ会を開こう!』

誰かがそう書き込むと、掲示板利用者は次々に賛同していって、あっという間に抗議オフの日にちは決定してしまったのです。

市長が決断した程度で放送中止にならんだろう

その日、朝から村の空気は殺気立っていました。

私がお父さんに相談して、抗議オフの事を警察に通報してもらっていたため

村の入り口には数名の警官が待機していました。

お父さんや卓さんを含む村の男の人達も、入り口のところで固まって村を守ろうとしていました。

もっとも男性達の先頭に立っていたのは一番の被害者である駄菓子屋さんでしたが…

やっぱり度を越した悪戯には相当頭にきていたみたいです。

>>220
わたしさんとほたるんがいちゃいちゃするSS

>>227
原作者と顔見知りだからだろう

>>229
原作者が騒いだ程度でどうにもならんだろう

村の子供やお母さん達は、危ないからなるべく一箇所に固まるように言われていたので

万が一の時に侵入できる出入口が比較的少ない造りの私の家に集まっていました。

夏海先輩は、半分はこれから起こることにウキウキして

半分は卓さんを心配してソワソワしているようで、しきりに窓の外を気にしていました。

(私の部屋の窓からは村の入り口の方が見えるんです)

小鞠先輩は恐がってぷるぷる震えていて、このみさんがそれを落ち着かせてあげていました。

れんちゃんは…

れんちゃんは何を考えているのかわからないところがある子だけど

その時は、なにかとても思いつめているように私には見えました。

そうかれんちゃんが逆レイプするのか

表から拡声器で何事かがなり立てる声が聞こえ、窓の外を見てみると

村の入り口に50人くらいの若い人が集まって、村の男性達と睨み合っていました。

『我々はアニメの自由を守るために戦う!』

そう書かれたプラカードを持ってはいましたが、本気でそう思ってる人なんてほんの一部で

ほとんどの人は面白半分で参加してるんだろうなって私には思えました。

やがて、双方の激しい言いあいが始まりました。

どちらも自分が言いたい事をぶつけているだけで、子供の口喧嘩とかわりません。

警察の人達が間に割って入って必死に押し止めていたため、殴り合いにこそなりませんでしたが

いつそうなってもおかしくない状態で、まさに一触即発と言ったところでした。

その時です。れんちゃんが何かを決意したように立ち上がって部屋を飛び出したのは。

みんなとても驚いていたけど、あんな小さな子を一人危険な場所に行かせるわけにもいかず、私は慌てて後を追いました。

れんげ「みんなやめるん!!!」


村の入り口まで駆けていったれんちゃんは、小さな身体で力いっぱいに叫びました。


楓「れんげ…?」


目に涙をいっぱい溜めて、小さな拳を震わせるれんちゃんの姿によほど圧倒されたのでしょう。

大人達の口汚い罵りあいはぴたりと止みました。

辺りにしんと静寂が流れます…

れんげ「なんで…どうしてなん…!ウチ、ウチの地元がアニメになるって聞いた時…すごく…すごく嬉しかったんに!」

楓「……」

れんげ「村のみんなだって美濃加茂の事いろんな人達に知ってもらいたくてアニメ作りに協力したはずなん!」

村人「……」

れんげ「のうりんファンのみんなだってアニメが面白いと思ったから美濃加茂に来てくれたはずなん!」

オタク「……」

れんげ「それなのに…なんで喧嘩になるん…こんなの…絶対おかしいのん…!」ポロポロ

一同「……」

れんげ(みんな涙に弱い。計画通りなん)

勉強になるわ

>>256
なんの勉強だよwwww

れんちゃんの汚れない真っ直ぐな心に、大人達は自分の醜さを思い知らされたようでした。

私も、なんだかホロッときてしまって…ともかく、これでめでたしめでたし…

めでたしめでたしに、どう考えてもならなきゃいけない雰囲気だったのに…

あろうことか、群衆の中から石が飛んできて、れんちゃんの額に当たりました。

誰が投げたのかはとうとうわかりませんでしたけど…

気のせいであってほしいのですが、私には村の人の側から飛んで来たように見えたんです。

でも、とにかくその時の私はそれどころじゃないと

傷を押えてうずくまったれんちゃんのそばに駆け寄りました。

れんちゃんを抱きしめた瞬間…ちょうど両陣営の境で抱き合った私達を駄菓子屋さんが飛び越えて

一番手前にいたひ弱そうな男性を殴り倒したんです。

その後はもう、ひどい有様でした。

止めに入った警官さんもたった数名ではすぐにもみくちゃにされてしまい

両陣営入り乱れた凄まじい乱闘に発展してしまいました。

飛び交う怒号、入り乱れる雑踏、殴りかかる音、何かを叩きつける音、十人十色のうめき声と悲鳴。

私はとにかくれんちゃんが大人達に踏みつけられないよう、覆いかぶさって必死に守っていました。

たくさんたくさん踏まれたけれど、おかげで争っている大人達の顔を見ないですんでよかった。

きっと、普段私達には見せることのない鬼のような顔をしていたはずだから…

気の遠くなるほどの時間が過ぎて、ようやく暴動は鎮まりましたが

かわりに腕の中のれんちゃんの悲痛な泣き声がその場に静かに響いて、私の胸を抉りました。

れんちゃんの言う通り『のうりん』のアニメ化は最初は地元の人達の町興しにかけた夢だったに違いありません。

けれど、結局あのアニメが私達の村に残したのは深い爪痕だけだったんです。

幸いあの暴動で死者は出ませんでしたが、警官を巻き込んでしまった事もあり

村からも抗議オフの人達からも複数の逮捕者を出してしまいました。

あわよく逮捕を免れたおじさん達も、重い怪我で畑に出られないそうで

男手を失った村の収穫率はしばらくの間ぐっと落ち込むだろうという事です。

この乱闘騒ぎはさらなる火種となって、ネット掲示板を炎上させました。

今やここ旭丘は『秘境グンマー』『修羅の国福岡』と並ぶ日本三大危険地帯と呼ばれたり

『下の世界のライフコッド』と呼ばれたりして、人々に恐れられています。

絶対にほたるん胸を揉まれてる

ライフコッドって元ネタなに?

>>275
ドラクエ6

ネタが古すぎて意味不だが

そして先日、ついに旭丘のイメージを完全に破壊する動画が晒されてしまいました。

意外でもなんでもありませんが、あの暴動をビデオカメラで一部始終記録していた人がいたのです。

あの日せっかく見ずに済んだ惨状なのに、好奇心から私はリンクをクリックしてしまいました。

そこにはやはり、村の人達の怒りや怨みがありありと映し出されていました。

美しい自然を背景にしながら、血走った眼でためらいなく拳を振り上げるその姿は、大袈裟でなく鬼のようでした。

それ以来、村の大人を見かけるだけで震えが収まりません。本当に後悔しています。

『怨怨日和(おんおんびより)』とタイトルが付けられたこの動画は

『のうりん』の人気なんか目じゃないほど有名になってしまって

何度削除しても面白がった人達によって動画サイトにアップされ続けているそうです。


今後、肝試しなどの冷やかし目的で旭丘にマナーの悪い若者が大勢やってくることが

市議会で懸念されていますが、例の若い市長さんは疲れ切った様子で

『観光客が増えてけっこうじゃないですか』と卑屈に笑って返しました。

この発言が問題となって、市長さんは近々辞任を求められるそうです。

ほたるんの語り長すぎ

下の世界のライフコッドの村人は戦闘民族ってネタ
ドラクエ好きなら知っててもおかしくないし別に意味不明でも何でもないよ?

>>279
わざわざほたるんが語ってるって事は最後にすごい落ちがあるんだよ
きっと

>>281
発売されたの15年くらい前だぞ?
小さすぎておぼえてねーよ

だけど…だけどみなさん、どうか偏ったイメージに惑わされないでください。

旭丘は、本当は自然に恵まれた空気の美味しいとても素晴らしいところなんです。

たしかに乱闘騒ぎが起こったのは事実ですが、その背景にはこういった悲しい事情があるんです。

最初は冷やかしでもいい。一度この村にいらしてみてください。

きっとネットで言われるような恐ろしい場所ではない事がわかっていただけると思いますから。


蛍「……」カタカタ

蛍「よし!テキスト完成!旭丘の住民である私の視点から綴った体験談…」

蛍「これをネット掲示板で拡散すれば、きっと村のイメージを回復できるはず!」

蛍「大好きなこの村のために私が出来ること…そうよ!なにより行動に移さなくちゃ!」ポチッ




れんげ「…こうして悲劇は繰り返されるのん」




─終わり─

どうせこういうの書くならもっと絶望的にしてほしかった

可愛いシーンあったっけ?

誤解のないように言っとけどのうりんをdisる気はまったくありません。
上映会の記事見てあぁこりゃ地元の人キツかったろうなって思ったのと
なんかのんのんSS書きたいと思ってたところだったのとで思いついただけの話です。
アラフォー先生はいいキャラしてると思うし、視聴続けると思う。上映会でやらかしちゃった事も含めて馬鹿馬鹿しさがけっこう好きだし。
読んでくれた人はありがとうございました。

そんな後書きはいらない

まどかが一段落してVIPの小説から離れてたんだけど、先週まとめサイトで
イモムシなっつんに遭遇して数年ぶりに戻ってきた
まとめサイトで>>216-218とかも読んでみる予定だけどのんのんの人気作品って何かある?

実際このみのいる学校って農学なの?教えて詳しい人

>>310
たくさんありすぎてよくわからん
とりあえず

れんげ「のんのんばあとウチ」
両津「くそ~。こんな田舎に飛ばされるとは」れんげ「にゃんぱすー」
夏海「両さーん。拳銃持ってる?」両津「持ってるぞ」
両津「夏海の誕生日?」小鞠「そう」
妖精さん「にゃんぱすーなのん」わたし「にゃん?」

はおススメ。特にのんのんばあは神だわ

>>312
不明

のんのんばあの概要おせーて

>>319
よくは知らんが、きたろうとかいう奴の作者の婆さんが元ネタのクロスらしい

まあこの程度の知識しかない俺でも楽しめる素晴らしいSSだった
内容は妖怪の事件を解決?していく感じ

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