モバP「どうした南条?何か悩み事か?」(219)

南条光「あ……うん、ちょっと、な……それより、光でいいよ。相棒なんだから」

P「そっか……ところで、何か悩み事か?……俺でよかったら話だけでも聞いてやれるし、アレだったら相談にも乗るぞ?」

光「……プロデューサー……」

P「?」



光「人間って、どうして争うのかな?」

モバP「!? ……どうしたんだ急に」

光「……」

P「……何があったんだ?」

光「……実は今日、765プロの事務員さんとお話してて……」

P「してて……?」



光「それで、インターネットの『掲示板』っていうのを見たんだ……」

光大好きだけど単品SSがひょっとしなくてもCDデビュー済のみくにゃんより多いのはどうしていったいなぜなんだぜ

P「! ネットやっちゃったのか!?あれほど俺や光の親御さんにやっちゃダメだって注意してたのに!?」

光「ごめんなさい……事務い…音無さんが、アタシが特撮好きって言ったら、『ああ、ならそういうお話を沢山出来る場所があるわよ』って……」

P「それで見ちゃったのか!?やっちゃったのかインターネット!?」

光「……ごめんなさい」

P「……」

P(このことは765プロに厳重に抗議しよう……ウチの光になんてことを)

ちひろ(過保護過ぎませんか)

P(直接脳内はやめてくださいよ)

>>7
『親御さんに』→『親御さんが』

間違えましたm(_)m

光「本当にごめんなさい……音無さんはアタシがネットに触っちゃダメって言われてるの知らなかったから、誘われて使っちゃったアタシが悪いんだ……本当だよ!!」

P「光……」

光「アタシ……学校の先輩や男子以外でも特撮の話が出来る相手が欲しくって……それで……」

P「……そうだなぁ……いくら男子とかでも中学生らへんの子で光の話についてこれる子って少ないだろうしなぁ……」

光「うん……正直、いっぱい話せる相手が欲しかったんだ……」

同日・昼



小鳥「あら、光ちゃん、お邪魔してます」

光「音無さん!こんにちわ!」

小鳥「日曜日なのにお昼からなんて大変ね」

光「いいんだ!朝じゃなければ全然大丈夫だよ!」

小鳥「あら?朝弱いの?」

光「ううん、日曜の朝は戦隊とかライダーとか観たいから、それでなんだ!」

小鳥「なんだって!?それは本当かい!?」

光「!?」

光「……?」

小鳥「……」

光「?」

小鳥「……アレ?ひょっとして…知らない?」

光「……に…似てるのは知って、る……」



小鳥「……」

小鳥「……」

光「……?」

小鳥「ねぇ光ちゃん」

光「ん?」

小鳥「いい台詞だ」

光「!? か…感動的だな」

小鳥「だが無意味だ」

光「!? !!? !!!?」



小鳥「……今のは口をついて出た感じね……」

小鳥「……光ちゃん、今の台詞全部ね」

光「……ひょっとして、仮面ライダーの?」

小鳥「うん……さっきのとか主にネットでライダーファンとかに流行ってるやり取りだったんだけど……」

小鳥「……知らない?」

光「……うん」



小鳥(ではさっきのはそれを知らずに合わせたということ……?なん……だと……!?)

小鳥「……特撮好きなの?」

光「うん!大好き!!」パァァァァァッ

小鳥(ぐあっ!?眩しい!?いかん浄化される!!?)

光「特にヒーローが好き!!あと、怪獣も好きだよ!!」

小鳥「怪獣も好きなの?」

光「うん!リメイクギララも観たよ!!」

小鳥「?」

光「特撮には夢も希望も、いっっっぱい詰まってるんだ!!」

小鳥(なんて眩しさ……見た目と表情もあいまりこれはヲタクというより純粋な子供のソレのよう……)

光「あとあとビーファイターやグリッドマンも好きだし、ギャバンも観に行って……あ」

小鳥「?」


光「また熱くなり過ぎちゃった……知らない話で盛り上がられても困るよね……ゴメンなさい」 ペコリ

小鳥「! いいのよ、気にしなくて!」




小鳥「…!」ピヨーンッ

小鳥「ねぇ光ちゃん」

光「?」

小鳥「好きなものについて存分に語れる場……教えてあげよっか?」ピヨキチスマイル

光「……え?」



光「!! そ……そんなのあるの!!?」

いたいけな中学生をさまざまな悪意に満ちたネットに導くなどこの俺がゆ゙る゙ざん゙!
四国はこの仮面ライダーBLACK RXが守る!

【怪獣】特撮作品雑談掲示板part1596【戦隊・ライダー】



小鳥「う~ん……これかしら?」

光「……っ!」ソワソワ

小鳥「他に似たようなの無いっぽいし……うん、ここでいいんじゃないかしら」

光「…っ!…っ!!」ソワソワ

カチカチッ

小鳥「うん、これでオッケーな筈よ」

光「……っ!!」

小鳥「うーん……見た感じ荒れてなさそうね……皆好きな作品について語りあってる感じだわ」

光「!!」

小鳥「……うん、ちょっとぐらいなら、大丈夫だと思うわ。私も見ててあげるから、何か書き込んで見る?」

光「ほ……ホントに…」


P『いいか光、インターネットは人の悪い部分が出やすい、嫌な場所だ。だからあんまり触っちゃダメだぞ、いいな?』


光「……あ…」

小鳥「?」

光「……」

小鳥「……どうかしたの?」

光「……あぅ……」

小鳥「……?光ちゃん?」

光「……」


学校の男子『仮面ライダーとか中学に上がった後まで見てるわけねーだろ』

男子B『そうだぜ南条!それより外でドッジやろうぜドッジ!』



光「……」

光「……ゴメン、プロデューサー」ボソッ

小鳥「?」

光はヒーローで愛にあふれてるけど中学生だからな

……中学生組って幸子蘭子きの子ナタ上田ヒョウくん小梅ドナキチってキャラ濃いなぁ

光「小鳥さん、ちょっとだけ、いい?」

小鳥「え…ええ、いいわよ!」

小鳥(音無さん→小鳥さんにランクアップしたピヨ!)


光「へへっ……ちょっとだけなら……いいよね……?」



カタ…カタカタ……

『今日の仮面ライダーウィザードも最っ高に面白かった!』


小鳥「ハイ、こんな感じかしら?」

光「うん!ありがとう!小鳥さん!」

小鳥「いやぁ~」ピヨピヨ


小鳥「じゃあこれで書き込み、と」

カチカチッ ターンッ

いかん、特撮!はいかん
レッド一家とかライダー兄弟スレでも覗いて落ち着くんだ

光「わっ!……これで…いいの?」

小鳥「うん、オッケーよ。ホラ」


光「うわぁ……ホントだ……さっきの文がある……!」

小鳥「うふふ……で、ここをこう、更新、ってすれば……」


カチッ


『>>○○いや、今日のは切ない話で良かったわ』

小鳥「お、早速来てるわ。こうして文の番号の所に返信がくるの」

光「へー!うわぁぁぁっ!うわぁぁぁぁぁっ!!」パァァァァァッ

小鳥(やべぇ可愛い……持ち帰りたい……!)

特板のやばさを産業で頼む

小鳥「更新っていうのもっかいやると新しい文が書き込まれてる事もあるわ」

光「そうなんだ!……えーっと、こうだっけ?」

カチッ


『晴人の嘘のシーン俺も切なかったわ』
『こういうシリアスなのはいいね』
『ウォータードラゴンかっこよすぎワロタwww』

光「わーっ!なんか皆すごい話してくれる!」

小鳥「そっか、良かったわね」

光「うん!!」

小鳥「♪」ニッコニッコ



小鳥「ん?」

>>37
たとえば、『ライダースレ』じゃなくて『仮面ライダー○○』スレだから別ライダーの話出すと荒れる
定期的にアンチが本スレ凸したり我慢できない人がアンチスレに凸したりして荒れる
スレがあっという間に流れたりするわけでもないから割とひきずる

良心は名護さんアンチスレ

>>40
なるほどサンクス
それぞれの作品にコアなファンがいるんだな

カチッ

『は?お前らあんなの観てんの?あの劣化まどマギ』


光「……?」

小鳥「……(あれ?)」


『シwwwリwwwアwwwスwwwあの程度の話がシリアスとかwwwww』
『敵やる気あんの?』
『あの馬鹿女が絶望して死ぬ展開なら神だった』


光「……」


『主人公無能すぎwwww結局嘘かよ』
『平成ライダーは屑、質の劣化がやばすぎてお話にならないわ』
『いいからヒロインの濡れ場早く出せよ』
『助手イラネはよ殺せよ』




光「……え?」

小鳥「」←思考停止


光「……なんだよ…なんでこんなこと……」

カチッ


『まだ劣化まどマギとか言ってる奴いんのか』

『いやあからさまにパクリだろwwwwww』

『アニメからパクるとかwwww特撮オワコン過ぎワロワロワロタwwwww』

『フォーゼ辺りから糞だったな』

『生徒もっと殺せや』

『仮面ライダー部wwwww全員死ねば良かったのに』

『劣化Wやん』

『主人公のヴィジュアルとキャラ考えた奴は手首切って死ね』



光「……っ!」

小鳥「」←まだ思考停止中

光「……っ! ……小鳥さん…」

小鳥「」

光「……っ!」


カタ……カタ…カタ

光「……!」

カタカタ……カタッ


カチッ

>>42
アイマスで例えると「千早最高!」って言ったら
「は?あずささんのほうが歌うまいだろks」「そんなこと言ったら貴音のほうが」
であっという間に炎上する感じ。マジ不毛

普段から荒れてるわけじゃないけど、そういう空気がずっとある
悪いとこではないよ。たぶん


って書いてたら案の定だわ、うわぁ

『なんでそんな事言うんだよ!全部良い所があって面白いだと1』


光「あっ……字打ち間違っちゃった……や…やり直せないのかな……」

カチッ



『……は?何コイツ?』


光「!」ビクッ

『なに?ウィザード信者?』

『フォーザ信者じゃね?つか誤字wwwwww』

『お前も誤字ってんじゃねーかwwwwww』

『おぉっとここで信者がキレたようです!』

『『なんでそんな事言うんだよ!全部良い所があって面白いだと1』!!これは流行る!!』

『コピペにしてんじゃねぇよwwwww』

『アレじゃね?フォーゼかウィザードのスタッフじゃね?』

『マジで?スタッフさん糞作品の擁護お疲れっす!!』



光「……」

小鳥「……ハッ!?」ピヨッ

小鳥(やべぇぇぇぇぇ人生最悪のタイミングで思考停止してた!!)

小鳥(まさか特撮板がここまで陰湿かつ荒れやすいアンチ溢れる場所だったなんて!!)

小鳥(しかも日曜だから流れ早っ!!?)

小鳥(つーかこれひょっとしてマジでヤバくね!!?)


小鳥「……あ…あの……光…ちゃん?」

光「……」




光「」ジワッ

小鳥「」

光「…んで……こんな…酷い…よ……!」ヒック グスン

小鳥「」ピヨーーーーーッ!!!?

光「ひっく……ぐすっ……」

小鳥(ああああああああああああああああああああああっ!!?あの光ちゃんを泣かせてしまったぁぁぁぁぁぁっ!!!?)


光「うぇ……うぐっ……」

小鳥(これは……プラスの方向への期待がとてつもなく大きかった分その反動で……!?マズイってかゴメン光ちゃん!!)

小鳥「え……えーっと……」

光「ぐすっ……うぅ……っ!」

カタ…カタ・・・

小鳥「ひ…光ちゃん、まだ書き込むつもりなの!?ね……ね!?もうやめよう!お姉さんが悪かったから!!ここダメなところだったから!!!!」

光「…っで……でも、ヒグッ…い、言わなきゃ、ふ…フォーゼも、うぃざぁども…い…グスッ……いっぱい、良い所、ある…か、ら……ヒック」



小鳥(!! ああああああああアカンッ!!この子良い子過ぎる!!一番ネットやったらアカンタイプや!!)

小鳥「こんな連中の言う事なんか気にしちゃダメよ光ちゃん!!」

光「うぇぇ……ぐすっ…でも……っ!!」

小鳥「ホントにホント!!マジだから!!もうここに書き込んでる奴らもう一人残らずクソだから!!」

光「……?」グズッ

小鳥「もうコイツらの話とか聞くだけ読むだけ無駄だから!!もう全員軒並みクズ!クズよどうせ!!」

小鳥「休日なのにPCに齧り付いてる時点でもうクズ確定よ!!どうせ部屋中ティッシュまみれでいい年こいて就職もせず親の金で生きてるような、そんな社会のダニどもがわめいてるだけに決まってるんだから!!」

小鳥「もうね、どうせ20、30過ぎても恋人もいない、朝プリキュアとか観て心の隙間を埋めるような虚しい連中なのよ!きっと!!」

小鳥「そうやって子供の為のホラ、えーっと…戦隊とか?ライダーとかにいちゃもんつけるしかすることない、ワンピースとか叩いてるような、そんなクズのたわごとばっかだから!!」


光「……?」ズズッ

小鳥「だからもう、ホンットに気にしなくていいのよ!ホント!ね?」

光「……(プリキュア?)」グスッ

小鳥「こんなもんホイヤァァァァァァッ!!」

ゴシャァァァァンッ←PC

光「!!?」

小鳥「ゼーッゼーッ……ね?光ちゃん、こんなネットの不毛な争い、気にしちゃダメよ?」

光「……っ」


光「……」コクッ

小鳥「うん……ホントにホンットに、ゴメンね?」

光「そんな…!小鳥さんのせいじゃ…」

小鳥「ううん、ホントにゴメン」

光「……うん…アタシも、ごめんなさい」



シュゥゥゥゥゥゥッ←モバプロのPC

同日・現在





光「……」

P「……」

P(それでちひろさん765プロに出かけてんのか……しかしあの音無さんがそこまで崩壊してたとは……見たかったような見なくて良かったような……)

光「……言いつけ破って、ホントにごめんなさい」

P「! いや……うん。俺はな、光。こうなるって思ったんだ。ネットって、そういうのがいっぱいある所だから。……もうわかるよな?」

光「……うん、二度とあんな所見たくない」

P「……俺はな、光。お前にそういう思いやそんな表情させたくなかったんだ」

光「……うん」

P「……もう、勝手にそういうことしないって…約束できるよな?」

光「うん……」



光「ごめんなさい」

ガチャッ

???「おっ疲れ様でーーすっ!!」

P「!」

光「あっ!紗南!」

三好紗南「おっはよーーっ!……て時間じゃないよね、はは」


紗南「……なんかあったの?Pさん」

光「……」

P「そうさ、紗南にも言っとくか」



紗南「?」

>>78
『そうさ』→『そうだ』

間違えましたm(_)m

紗南「はー……そんな事が……」

光「……うん、そうなんだ」

P「だから、あんまネットのそういうとこ、利用しないようにな」

紗南「だーいじょうぶ!あたし攻略サイトしか基本見ないから!でも光ちゃん災難だったねー」

光「……うん…」

紗南「?」

光「……アタシ、すごい哀しい気持ちになったんだ…どうして好きな物のために話したい人が集まってるのにあんなことになるんだろ……」

P「……」
紗南「……」

光「……紗南、この前貸したゲームどうだった?」

紗南「クライマックスヒーローズ?ちょーおもしろかったよ!究めたねもう!」

光「……Pさんにはわかんないかもだから、ゴメンだけどさ、アタシ、ホントに全部のライダーが好きなんだ」

P「……」

紗南「……」

光「ZXも好きだし、Jも好きだし、それに、ディケイドだってホントに好きなんだ」

P「……」

紗南「……」

光「特にディケイドとか、アタシのお父さんもあんまり好きじゃないって言ってたけどホントに好きでさ……」

光「わかんないと思うけど、各ライダーの世界を周ってた時の話や、映画の悪ぶってるけどホントは良いやつな士とか、すっごい好きなんだ」

光「アタシ、ホントに嫌いな奴とかないんだよ……」


P「……光…」

光「戦隊も、ウルトラマンも、皆好きだよ?ネクサスは最初ちょっと怖かったけど、最後なんてホントに感動的でさ、あ!あと映画とつながってて、そこの繋がりもいいんだ!」

光「ゴジラもガメラも好きだよ!お父さんと昔からビデオとかDVDとかいっぱい観たんだ!」

P「……そっか。俺も好きだったぞ、ゴジラ。ちっさい頃映画館で観たよ。スペースゴジラが好きだった」

紗南「怪獣大乱闘だっけ?あれオルガちょー強いよね」

P「? お前……ホント色んなゲームやってるのなその歳で」

紗南「いやー」テレテレ

P「……」

光「……好きな人ばっか集まってたと、思ってたんだけどな……」

P「……」

紗南「……」





紗南「Pさんドラクエ派?FF派?」

光「?」

P「? え?どうした急に」

紗南「いいからいいから」

P「どっちかって言うとFFかな?4が好きなんだ」

紗南「セシルか」

P「セシル一択だな」

紗南「他のFFは嫌い?」

P「? いや、確か9ぐらいまではやってたけど、どれも好きだぞ」

紗南「そっか!うん、いいねPさん。サイコーだよ!」

P&光「?」

紗南「7好き?」

P「勿論!ちょうどああいうのがツボな年齢で出会ったからな。特に偏見も無く楽しめたよ」

紗南「こんどCC貸してあげるよ」

P「? ああ、ありがとう」

光「どうしたの?紗南」

紗南「さっきの光ちゃんの話聞いてさ、それと同じようなことゲームでもあったなって思ってさ」

P&光「!」

紗南「歴史やシリーズが重なるとさ、昔そのゲームやってた人達が後続の作品や思い出の作品以外の悪口言い始めたりすんの」

P「あー…」

光「なんだよそれ…酷い……」

紗南「まぁ、誰かが『○○シリーズではほにゃららが一番!』とか言い出したらさ、そうじゃない人がカチーンと来ちゃうじゃん?」

光「! そっか……そういうのもあるのか」

紗南「『○○は△△のパクり!』とか言われたら誰だってイラッとくるでしょ?」

光「!! うん、する!!すごく嫌な気持ちになるよ!!」

紗南「ね?」

P「……」

紗南「そういうきっかけがさ、こういう事に繋がることもあるんじゃないかなって」

光「……そっかー」

P「……やけに慣れてるな、その手の話に」

紗南「え?……うーん、まぁね。身に覚えがね、実はちょっと」

P「? あ!お前ひょっとしてネットとかもやってんのか!?」

紗南「えっ……と…いや、対戦動画だけちょっと、ね?」

P&光「……」

紗南「……」



紗南「ポケモンって……知ってる?」

P「ああ、そりゃ知ってるぞ。緑とピカチュウと銀だけだけど」

紗南「Pさん意外とゲームしてるね」

P「まぁ、普通だとは思うが」

光「それとネットの論争、なんか関係あるのか?」

紗南「うーん、実はね、ポケモンってさ……」



紗南「廃人(やり込みプレイヤー)のマナー、糞悪いの」

P「? あれ子供向けだろ?マナーぐらい」

光「そうそう、『いけピカチュウ!』とか、あの可愛い奴でしょ?」

紗南「えっとね、そうなんだけど……」

光「可愛い可愛いカプセル怪獣が元ネタなんだよ!」

紗南&P「?」

紗南「まずね、あれのやり込みゲーをするのは大体がおっさんなの」

P&光「え」

紗南「『昔やってたプレイヤー』かな、正しくは。で、そういう人達って、すっごく失礼な言い方するけど、周りが卒業する中ずっと続けていくような、なんかもうホントに廃人みたいな人まで出てくる訳」

P「……あ、ちょっと話が読めたぞ」

紗南「え?」

P「……それで、そういう人達がネットに集まったとき、『使えるキャラ』や『戦略』で論争になるんじゃないのか?」


紗南「……うん、まぁ、そういうの。すっごい罵りあいとか起きるの」

紗南「なまじ知識や考察が深い分『使えるポケモン』とかの話がすっごい盛り上がったりすんの」

P&光「うんうん」

紗南「でも今ポケモンすごいいっぱいいるの」

P「250じゃないんだ」

紗南「とっくにそれの倍以上」

P「!? それは……」

光「すごいね……」

P「うん」

紗南「ポケモンはストーリーも対戦も育成もすっごいおもっしろいんだけどさ、ユーザー層が圧すぎて摩擦も大きいの」

P「なるほど」

紗南「例えば『好きなポケモン』目当てで始めた人と『対戦が目当てで始めた人』っていうのはもうそれだけでマリアナ海溝より深い溝ができることがあるのよ」

P「あ、なんかわかったかも!」

光「?」

P「『好きなキャラ』が『対戦で使えないキャラ』だった時、対戦派の奴らがそのキャラを馬鹿にしたりするんだろ!」

光「!」

紗南「……うん、やっぱそういうのあるよ」

紗南「そうなると今度は対戦派の人が叩かれたり、もう摩擦は大きくなるばっか」

光「うわぁ……」

紗南「ひどいでしょ?後は『捕まえたポケモンを逃がせない人』とかもいるんだよね」

P「あ、俺それだ」

光「?」

P「仲間にしたカプセル怪獣を自然に帰すのを躊躇っちゃうセブン的な」

光「へー……」

紗南「対戦派の人達は捕まえたポケモンやタマゴから生まれたポケモンが弱かったり理想の能力値じゃなかったら逃がしちゃうんだ」

光「えっ酷い!」

P「俺の知ってるポケモンと違う!!」

紗南「うん、まぁ所詮ゲームなんだけどね、やっぱりそういう所から軋轢が出たりもするんだ」



P&光「……」

P「なんか……時代の流れを感じるなー……俺のカメックス…たしかハイドロポンプ・メガトンパンチ・れいとうビーム・バブルこうせんだったな」

光「?」

紗南「今だったらそれゴミとかボロカスに言われるよ」

P「あ?」

紗南「いやアタシじゃないよ!?……そうじゃなくてさ、対戦派の人から言えば対戦の事考えずにプレイする人が理解できないんだよ」

光「……なんで?」

紗南「そこが一番だと思うからね。あたしも対戦好きだし。でも、そうなると『好きなポケモン仲間にして冒険して周るだけで満足するプレーヤー』に違和感感じちゃったりするんだよ。きっと」



光&P「……」

光「……アタシ、知らなかった。『好き』って、こんなに難しかったんだ……」シュン…

紗南「アタシも、好きなものは真っ当に、争わずに楽しみたいよほんとに」

P「……」

P「……あのさ」

光&紗南「?」



P「……ガンダムって知ってるか?」

紗南「……え?Pさんガノタ?」

光「ガノタ?」

紗南「ガンダムマニア・主にマナーの悪いものを指す…三好書房」

光「へー」

P「いや、ガンダムはあんま詳しくない」

紗南「へ?そうなの?」

P「ああ。だけど最近一個観てハマってさ」

光「? 何?」



P「俺がハマったのは……ガンダムAGEって奴だった」

光「映司?」

紗南「AGEかー……アニメは観てないけどゲームやったよ」

P「マジか。お前ホントなんでもやってるな」

紗南「まーねー」

光「いつ寝てるんだよ紗南」

P「……面白かったか?」

紗南「思ったよりね。ストーリーモードは話もキャラも良かったよ。パーツ出無さ過ぎてトリプルラーガンしちゃったけど」

P「?」

紗南「アニメはどうだったの?」

P「うーん……」



P「『俺は』面白かった」

光&紗南「?」

P「んー……どう説明したらいいのかな……」

P「ロボットに乗って戦う話しなんだけどさ、人類が宇宙に住むようになって、戦争も『武器とかは棄てましょう』みたいな条約のおかげでなくなった世界なんだ」

光「宇宙!!ロマンだよPさん!」

P「おう!でさ、その世界で昔戦争やってた時に活躍したガンダムってロボットがあったんだ。救世主って呼ばれてた」

光「救世主!ヒーローだ!」

P「うん、そう。ヒーローだったんだ」

紗南「戦争無くなった世界だったんだけど、ある日生き物みたいなロボットたちに宇宙のコロニー……宇宙の民間人の住むところね、そこが次々襲われる事件がおこるの」

光「えっ」

紗南「で、主人公の男の子は目の前でお母さん殺されちゃうの」

光「……っ」

P「母親の形見の中に先祖が作ったガンダムのデータがあってさ、それを作って……」

光「! わかった!皆を護るヒーローになろうとしたんだ!」


P「ああ、その通りだった……んだけど……」

光「?」

P「ガンダムが完成して敵と戦ううちに親代わりだった人や仲間にもどんどん犠牲者が出るんだ」

紗南「そうそう。主人公それで焦っちゃうんだよね」

光「……」

P「しかも、初めて助けた民間人の女の子と恋に落ちるんだけど……」

紗南「その子が主人公の知らない間に敵に捕まっちゃってさ、ライバルが乗るロボットの援護機体のパーツにされちゃうの」

光「……え…」

光「……」

P「絵柄の割りにハードだったな」

紗南「ね」

光「それ…どうなったんだ?」

P「抵抗できない主人公を庇って……」

紗南「初恋の子が乗った機体は爆散……」

P「ただの民間人だったんだけどなぁ……」

光「そんな……」

紗南「しかもそれをやった敵のパイロットは子供!」

光「え!?」

P「玩具扱いしてたな、確か」

光「……」

光「その…ヒーローになろうとした男の子、どうなったんだ?」

P「その敵を倒すんだけど、子供にトドメまでは刺せなかったんだ」

紗南「ゲームではちょい違うかったよね」

P「で、敵の正体もわかるんだけどさ。それが見捨てられた宇宙移民だったんだ」

光「……」

P「」移民先の火星が……」

光「スペシウム?」

P「へ?」

光「ごめんなんでもない」

P「火星に移民した人達がいたんだよ。人口が増えすぎたって理由で」

光「……」

P「その人達は政府に『火星はいいところだよ』って言われてたけど……」

紗南「疫病溢れる大地獄」

P「助けを求めたんだけど……政府はその人たちを無視して歴史から消したんだ」

光「そんな……!!」

紗南「まあ増えすぎた人口減らせてラッキーとでも思ったのかもね」

P「敵の言い分は『俺たちは安全で争わないでいい地球に帰りたいんだー!よくも見捨てたなー!』って感じだな」

紗南「うん、そんな感じでいいと思うよ」

光「そんなの……誰も悪く無いじゃん!」

P「まぁ、色々複雑なことが絡んじゃったんだけど……」

紗南「目の前で大切な人を護れなかったせいで、主人公は『皆を護るには敵を殲滅するしかない』って思うように、どんどんなってくの」

光「そんな……」

P「まぁ、無理も無いんだけどな」

光「その子……どうなるの?」

P「ああ、時間が流れて息子が主人公になるんだ」

光「ええ!?」

光「え!?息子!?」

P「ああ。言わなかったっけ?これ三世代またぐんだ」

光「え!?すごいな……キバみたいだ……」

P「息子は父のいる軍隊に入るんだけど、またドラマが面白いんだよ」

紗南「良かったよ、うん」

P「最初学校から始まるんだよな」

紗南「そうそう。で、戦争まだ続いてて、転校生で敵のスパイの子が来るの」

光「はー…すごいんだな」

P「そうそう。息子はソイツと親友になっちゃって」

光「え」

紗南「戦場で何度も戦うことになるの」

光「はー」

P「まぁ息子はすごい板挟みの状況で才能とか恋とか友情とかに悩むんだ。そこが良い。あ、俺は孫のキオが好きだな」

紗南「へーそうなの」

光「孫かー…」

P「孫は最初おじいちゃん」

光「あ!ヒーローになりたかった子!」

P「そうそう。その人に『敵は悪』って教えられて育ったんだけど」

紗南「皆を護れるよう戦い方教えたり愛情表現が不器用なのよ」

P「敵に中盤で捕まって相手側の民間人の悲惨な生活を見ちゃうんだよ」

紗南「疫病で余命がない同年代の女の子と仲良くなったりしちゃってさ……」

光「……うわぁ」

P「うん、そういうのが重なって『敵も味方も護りたい』って思うようになっちゃうんだ」

光「渡みたいかも」

紗南「救助されたんだけど、当然おじーちゃんとは大反発!」

P「具体的にどうするかまで考えられるような子でも年齢でもなかったから、敵も味方も助けようとするんだけど全然ダメなんだよ」

紗南「そうそう」

光「……それ、哀しいね」

P「ところが、最後の戦いでおじいちゃんが凶行に出ようとしてなぁ」

紗南「まぁ、わからないでもないけど、ね」

光「?」

P「かつてヒーローになろうとした少年が、相手の民間人ごと敵を全て吹き飛ばそうとしたんだ」

光「!!?」

紗南「でも最後に孫がそれを止めてさ」

P「そこはマジで良かった」

紗南「嫌いじゃないね」

光(……『嫌いじゃないわ!』…)

P「なーんもできなかった孫が、最後に全部救うんだよ」

紗南「ラスボスも助けちゃったんだっけ」

光「へーすごい!話聞いただけだけど、すっごく面白かった!!」

P「……でもなー」

紗南「……」



光「……?」

P「評価ボロクソなんだって」

紗南「らしいね」

光「ええ!?」

P「うん……絵柄やら何やら、詳しくないけど脚本やらとかがすっごい非難されてたみたいでさ」

紗南「ボロクソだね。ポケモンで言うと対戦に出てくるエビワラーだね」

P「俺はエビワラー好きだったぞ。カッコイイじゃん」

紗南「『好き』と『対戦』は違うよPさん」

P「……」

光「アタシ……さっきの話聞いて面白そうだと思ったよ!ホントだよ!」

P「そりゃ、『好きなもん視点』で語ったからな。うん」

紗南「好きな人間が語れば、随分印象って変わるんだよ」

光「……」

P「ところが俺は、ガンダムってシリーズのファンがどういうものか知らなかった」

光「?」

P「こないだ昔の友人達に会って飲みに行ったんだ。ソイツらガンダム好きでさ」

P「で、俺もAGE好きになってたからうっかりそれをそこで話しちゃったんだ」

紗南「え」

光「?」

P「……酷かったよ。『あれはガンダムという作品に傷をつけた』とか『永劫叩かれるべき』とか、散々言われたよ」

光「……アタシが見たネットの掲示板みたいだ」

紗南「……怖いね」

P「怖かったよ。でも話聞いてて思ったのは、皆最初から、この場合はAGEだけど、それを『叩く為に』見てる印象だった」

光「……え?なんで?」

P「……正直その辺は複雑そうだからな…ハッキリとはわからんが、大なり小なり『他を叩いて好きなものを持ち上げてる』って印象だったかな」


光「……そういうのって、やだなぁ」

紗南「……うん、そうだね……」

P「……」

光「……でも、Pさんはそんな風に言われてる作品をアタシに面白そうに教えてくれたよ」

P「……」

光「それ、すごく良い事だと思うんだ!!」

P「……光、言ったよな。総選挙の時」

光「……!」

P「『皆誰かの一番だから順位付けなんかできない』って」

紗南「えっ!?なにそれかっこいーっ!!?」

光「……うん、アタシ、そう思う!ホントに思うんだ!」

P「……光、最初に言ったよな。皆なんで争うんだろうって」

光「……うん」

P「光が言ったとおりだったんだ。何かって常に誰かの一番なんだよ」

光「……」



P「……そこに差をつけるような事を言うから、争っちゃうんだろうな」

P「うまく言えないけどさ……知らない人がいっぱい集まる場所とかで、誰の一番かわからないものを貶したりするから、ネットみたいなところでは争いが起きるんじゃないかな」

光「……」

紗南「……」

P「俺ももしお前らの悪口ネットで言われたらキレるよ」

光「え?」

紗南「Pさんキレたりするんだ」

P「うん、キレる。晶葉に頼んでその書き込みした奴らを特定するぐらいキレるよ」

光&紗南「そんなに!!?」

P「……」

光「……じゃあ……どうしたら、争いってなくなるんだろう……」

紗南「……んー…Pさんは今日さ、嫌いな人が多い作品を面白そうに言ってたよね」

光「うん」

紗南「なるほど……あたしわかっちゃった。ちょーかんたんだったね」

P&光「?」

紗南「もうね、超単純。『好きな人やそれにマイナスイメージを持ってない人がいるかも知れないところで悪い部分を言わない』!!そんだけ!!」

P「……」

光「……」

紗南「良いトコだけ語っちゃえばそれでいいんだよ!今日のPさんみたいに!!」

光「!!」

P「……(やだ、ちょっと俺はずい)」

光「そうだよな!!アタシたちは、好きな所、良い所だけ見ればいいんだよ!!」

紗南「そうそう!良いトコだけ聞けば、良いモノに見えるって」

P「……(なんか微妙に噛合ってない気が)」



光「……」

P「……?」

光「……へへっ…やっぱり、Pさんはすごいな」

P「……?俺が?」

光「うん。作品でもなんでも、いっつも良い所を見つけてくれるんだ!!」

P「……!」

紗南「……うん、アタシ達の良い所、ちゃんと見つけて、言ってくれるもんね」

P「……そりゃあ、俺はプロデューサーですから」


P「お前らの良い所見つけるのが、仕事だからな」

規制されたみたいです……

P「良い所も悪い所も見つけて、良い方を伸ばす!それが俺の仕事だからさ!」

光「は~っ!」

紗南「かっこいいな~!」

P「そっか?ありがとな」

光「よしっ!アタシ決めた!!もっと特訓して!!トップアイドルになって!皆に言うんだ!!相手の良い所を見つけられる人間になろうって、さ!!」

紗南「おお!なんかヒーローっぽいね!」

光「そしたらさ!皆が良い所から探すようになっていけばさ!!誰かの一番が貶されることって、減ってくと思うんだ!!」

紗南「お~っ!なんかいいね!かっこいい!あたしもそれ、手伝うよ!!」

光「そっか?じゃあ、紗南も一緒なら効果も倍だな!!」

紗南「あはは!攻略まで長そうだけどね!」

P「……光」

光「?」

P「……元気、出たか?」


光「……っ! うん!!」

光「Pさん、紗南!!ホントにホントにありがとう!!……アタシもう悪口とか、悪い部分には絶対惑わされない!!」

光「なんたってアタシは!!」


P&紗南「……」

Pと紗南が顔を見合わせて微笑む


南条光「夢と希望を与える、ヒーローでアイドルだからな!!」


終わり

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom