ヴォルデモート「俺様は改心するぞ!」ダンブルドア「なんじゃと?」 (108)

ヴォルデモート「できると思う?」

ダンブルドア「無理じゃろ」

ヴォルデモート「俺様に不可能はない!」

ヴォルデモート「…が、一応理由を聞きたい」

ダンブルドア「トム、残念かもしれんが人を殺しすぎた
        今さら人の道には戻れんよ」

ヴォルデモート「それが教師の言葉か!ダンブルドア!
          もういい、俺様は一人でも改心してみせる!」

マクゴナガル「…本気でしょうか」

ダンブルドア「わからん」

ダンブルドア「じゃがもしかしたらハリーとのつながりが
        何かいい影響をあやつに与えたのかもしれん」

ダンブルドア「あやつの心に愛が目覚めたのなら
        あるいは変われるかもしれんのう」

ルシウス「おお、我が君」

ヴォルデモート「ルシウスか」

ルシウス「聞くところによりますとダンブルドアに改心すると仰ったとか…」

ヴォルデモート「ああ、そうだ」

ルシウス「あー…我が君
      あの老いぼれを油断させるには素晴らしい作戦かもしれませんが
      そのような回りくどいことをなさらずとも…」

ヴォルデモート「なにを勘違いしているのだルシウス
          俺様は本気だ」

ルシウス「は?」

ヴォルデモート「まだ闇の心が抜けきっていないようだな
          一緒にされると周りに誤解されかねないから俺様には今後一切近づくな」

ルシウス「……」

ヴォルデモート「さらばだ、ルシウス」スガタクラマッシー

ルシウス「………」

ルシウス「いや、分霊箱つかった時点で堅気に戻るなんて無理ですやん…」

ロン「聞いたかハリー、例のあの人が改心するって話!」

ハリー「信じられないな
    それにアイツは僕の両親やセドリックを殺した
    アイツがいなければシリウスが死ぬこともなかった
    たとえ改心したとしても僕は許せないよ」

ロン「そうかもしれないけど…でも考えてみろよハリー
   もしも例のあの人が心を入れ替えたならもう死喰い人との争いはなくなるんだぜ?」

ヴォルデモート「その通りだポッター!」スガタアラワッシー

ハリー&ロン「うわっ!」

ヴォルデモート「これからみんな仲良くするのだ!」

ロン「あ、ああ…」ガタガタ

ハリー「ダンブルドアを騙して、今度は僕に何を吹きこみにきたんだ?」

ヴォルデモート「人聞きの悪い…俺様はまっとうに生きると決めたのだ
          だから親睦を深めようとレクリエーションを計画しお前達を誘いに来たのだ!」

ハリー「レクリエーション?」

ヴォルデモート「そう、聞くところによるとポッターはクィディッチが好きらしいな
          だから親善試合をしようと思う」

ハリー「なんだって?」

ヴォルデモート「俺様とチームを組むのだポッター!」

ヴォルデモート「シーカーはポッターでキーパーはお前だ」

ロン「ぼっ、ぼく!?」

ヴォルデモート「俺様がチェイサーでダンブルドアがビーター…」

ロン「ハ、ハハッ、すげーチームだ」

ヴォルデモート「だろう?」

ハリー「……」

ヴォルデモート「どうしたのだポッター、盛り上がってきたではないか」

ハリー「悪いけど、お前とクィディッチはできない」

ヴォルデモート「なんだと?楽しそうではないか」

ハリー「あれだけ人を殺しておいて、よくもそんなことが言えるな!」

ヴォルデモート「過ぎたことはしょうがないのだポッター
          過去は変えられぬ
          大切なことはこれからどう生きるかなのだ」

ロン「そうだぜハリー、クィディッチ一回で魔法界が救われるなら…」

ハリー「ロンは黙ってて!これは父さん達を殺された僕と殺したコイツの問題だ!」

ロン「でも…っ!」

ヴォルデモート「待て、よいのだ
          俺様のために友と争うことはない」

ヴォルデモート「考えてみればポッターが俺様を嫌うのは当然のこと
          だがお前も少し考えてみて欲しい
          お前のせいで俺様は耐えがたい苦痛と屈辱を味わった
          ある意味お互い様なのではないか?」

ハリー「は?」

ロン「おい、それはマズイって」

ハリー「お互い様?お互い様だって?
    お前のは自業自得だ、そうだろ?
    お前が僕を殺そうとしなければ、お前の身が滅びることはなかった!」

ヴォルデモート「だから過去は変えられないと言っているのだ
          お互い水に流そうではないか、ポッター!」

ハリー「…もういい!たくさんだ!
    誰かを殺すつもりがないならそれでいい
    でも僕の目の前から消えてくれ」

ヴォルデモート「(´・ω・`)」

ダンブルドア「トム、どうやら本気だったようじゃの」

ヴォルデモート「ダンブルドア…」

ダンブルドア「まずはそう、謝罪をせねばの
        疑ってすまなかった」

ヴォルデモート「よいのだダンブルドア
          それよりも、それよりも何とかポッターと仲良くはなれないだろうか」

ダンブルドア「難しい相談じゃ
        ときにトム、これからどうするつもりなのじゃ?」

ヴォルデモート「……」

ダンブルドア「何も考えておらんか
        ならばどうじゃ、ホグワーツの先生になってみては」

ヴォルデモート「なんだと?」

ダンブルドア「おぬしほど闇の魔術、そして防衛術に長けた者はおらん
        その力を後世のために注ぐというのはどうじゃろう」

ヴォルデモート「この俺様が先生に…」

ダンブルドア「さすればハリーとの接点も増えよう」

ヴォルデモート「(゚∀゚)」

ヴォルデモート「いいだろう、俺様が直々に指導してみせよう」

ダンブルドア「決まりじゃな」

ヴォルデモート「待て、教師というのはその…課外授業を組んでも良いものなのか?」

ダンブルドア「事前にワシの許可をとれば可能じゃ」

ヴォルデモート「……ハイキングだ」

ダンブルドア「?」

ヴォルデモート「ポッター達と授業の一環でハイキングをとり行う!」

ダンブルドア「いきなり私物化しすぎのような気もするが…まあいいじゃろ」

ヴォルデモート「さあ勇敢なるホグワーツの生徒達よ
          これから俺様と楽しいハイキングの時間だ」

ハーマイオニー「ハリー、一体なにがどうなっているの?」

ハリー「僕が聞きたいくらいだ」

ヴォルデモート「もちろん授業の一環だ、これから諸君には俺様と一緒に禁じられた森へ行ってもらう」

ハーマイオニー「なんですって!?」

ハーマイオニー「……えーと、せ、先生?
          禁じられた森は危険ですから授業の場としては…」

ヴォルデモート「なにをバカなことを、けが……れていない血よ
          この俺様がついているのだ、一体なんの危険がある?」

ロン「確かに何もねぇや!」

ハリー「先生自体が危険じゃなければね」

ロン「きみ、まだそんなことを言っているのかい?
   あの笑顔を見てみろよ」

ヴォルデモート「(^ー^)」

ハリー「逆に嘘くさいよ」

ハーマイオニー「そうね、ハリーの言う通りだわ
          もしかしたらハリーを連れ出して始末するつもりかも…」

ヴォルデモート「そこの三人、まだ説明の途中だ
          私語は慎むのだ」

ハーマイオニー「すみません、せ……先生」

ヴォルデモート「楽しいおしゃべりはもう少し後だぞポッター」

ハリー「……」

ロン「おい」

ハリー「………」

ロン「はい、先生!」

ワイワイ ガヤガヤ

  ワイワイ ガヤガヤ

ハリー「今のところは普通の授業だな」

ハーマイオニー「それどころか最高の授業よ!
          さすがはダンブルドア先生と並びたてられていた魔法使いだわ!」

ヴォルデモート「ここらでランチの時間としようではないか
          誰か俺様のシートに入る生徒はいないか?」

シーン――…

ロン「露骨にきみを見てるぜ」

ハリー「いやだよ」

ヴォルデモート「ポッター、こちらへ来るのだ」

ハリー「嫌です、先生」

ヴォルデモート「(´・ω・`)」

ロン「ハリー、昼食を一緒にするくらい良いだろう?」

ハーマイオニー「そうね、先生の話をもっと聞きたいわ」

ハリー「きみ達、正気かい?」

ヴォルデモート「ポッターはやく!はやくするのだ!」

ロン「じー……」

ハーマイオニー「……」

ハリー「オーケー、わかった
    今回だけは付き合うよ」

ヴォルデモート「それでこそ勇敢なるグリフィンドール生だ、ポッター
          その偉大なる勇気をたたえて俺様のサンドウィッチを一つくれて……」

ヴォルデモート「くれて…」

ハーマイオニー「どうしたんですか、先生」

ヴォルデモート「ランチボックスを忘れてしまったのだ(´・ω・`)
          今朝たしかにリュックに入れたと思ったのだが…」

ロン「ハリー、わけてやろうぜ」

ヴォルデモート「それには及ばん
          アクシオ!ランチボックス!」

ピューンッ!

ロン「ワオ!すっげースピードだ!」

ヴォルデモート「(・´ー・`)」

ハリー「すっげームカつく顔だよ」

ヴォルデモート「あ……」

ハーマイオニー「今度はどうしたんですか?先生」

ヴォルデモート「中身を詰めるのを忘れてしまったのだ…」

ロン「もう結構な歳だからね」

ハーマイオニー「ロン!」

ロン「おっと」

ハーマイオニー「がっかりしないでください先生
          私達のお弁当をおわけしますから」

ヴォルデモート「なんだと…これがダンブルドアの言っていた愛か……
          なるほど愛とは素晴らしいものだ………」

ロン「きみ、これでもまだ先生を疑っているのかい?」

ハリー「……」

ロン「優しくて有能でフレンドリー、最高の先生さ!そうだろう?」

ハリー「…だけど」

ガサッ

ハーマイオニー「みんな、気をつけて!こんなに和やかだけどここは禁じられた森なのよ!」

ヴォルデモート「下がっているのだ!
          生徒達はこの俺様が守る!」

ネビル「あ、あいつは!?」

ベラトリックス「我が君…」

ヴォルデモート「ベラ……」

ベラトリックス「お弁当を忘れていましてよ」

ヴォルデモート「おお…持ってきてくれたか
          よくやった、これで皆とおかずの交換ができる」

ベラトリックス「では私はこれで…」

ハーマイオニー「ホッ、よかったわ、先生の仲間で
          危険な生物だったらどうしようかと」

ロン「どんな魔法生物だって先生にはかなわないさ!」

ハーマイオニー「それもそうね」

――ガサッ

ロン「今度は何だ?」

ハーマイオニー「先生ったら、まだ何か忘れ物を?」

ヴォルデモート「いや…もう俺様に足りないものはない……」

ロン「えっ、じゃあ……」

ハーマイオニー「大丈夫よ、先生が守ってくれるわ!」

ハリー「……それなら、それならどうして僕に杖を向けているんだ?」

ロン&ハーマイオニー「!?」

ヴォルデモート「動くな、ポッター」

ハリー「音が鳴ったのはこっちじゃないぞ、ヴォルデモート」

ヴォルデモート「口のきき方に気をつけるのだな、ポッター
          自分が置かれた状況がわからないわけでもあるまい」

ロン「ハリー!」

ハーマイオニー「先生!どうして…」

ヴォルデモート「俺様は俺様らしく当然のことをするまでだ」

ハリー「くっ…」

ヴォルデモート「アバダ――」

ルシウス「おお!」スガタアラワッシー

ルシウス「さすがは我が君!今こそポッターの首を――」

ロン「ハリー、逃げろ!」

ヴォルデモート「ケダブラ!」

ブシュオ――――ッ!

ハーマイオニー「ハリー!」

ハリー「」

ロン「ハリー!」

ルシウス「や、やった!これであとはダンブルドアを殺せば――」

ヴォルデモート「お前は何を言っているのだ?」

ルシウス「は?」

ロン「ハリー!」

ハーマイオニー「ハリー!」

ハリー「…………」

ハリー「……あれ?」

ヴォルデモート「肩に毒グモがついていたぞ、ポッター」

ヴォルデモート「気をつけるのだ、俺様の授業は楽しいだけのハイキングではない」

ハリー「…………」

ヴォルデモート「お前の身に何かあったら俺様はどうすれば良いのだ
          もっとわが身を大切にするのだ、ポッター」

ハリー「……はい、先生」

\  ワッ  /

ピーピー  ヒューヒュー

ロン「やったぜ先生!ついにハリーが、ハリーが先生って呼んだ!」

ヴォルデモート「(^ー^)」

ヴォルデモート「……ルシウス」

ルシウス「はっ、我が君…」

ヴォルデモート「あれほど言ったはずだが、まだお前の心は闇に染まったままのようだな」

ルシウス「い、いえ、そのようなことは…我が君、決して……」

ヴォルデモート「俺様の生徒たちの前に置いておくには危険がすぎる
          すこしお仕置きをせねばな……」

ルシウス「我が君…どうか、我が君……」

ヴォルデモート「俺様の呪文はそこらの魔法使いとは威力が違うぞ」

ヴォルデモート「リクタスセンプラ!笑い続けよ!」

ルシウス「わ、わがきっwwwwwwwwwみwwwwwwwwwwwwww
      どうかwwwwwwwwごwwwwwwwwwごじひをwwwwwwwwww」

ヴォルデモート「良い笑顔ができるではないか、ルシウス
          そうして皆が笑って生きていけばいいのだ」

ルシウス「wwwwwwwwwwwwwwwww」

ロン「しっびれるぅ!」

ハーマイオニー「本当に素敵な先生だわ!」

ハリー「ダンブルドアなんか足元にも及ばないよ!」

ヴォルデモート「ポッター、誰かをけなして褒められても俺様は嬉しくない
          それにダンブルドアは俺様も認める素晴らしい魔法使いだ」

ハリー「はい」

ヴォルデモート「こうしてお前達を教えることができるのもダンブルドアの尽力があってこそ
          教師としては俺様の方が足元にも及ばない
          礼儀を忘れるな、ポッター」

ハリー「はい先生、すみませんでした!」

ヴォルデモート「予定が狂ってしまった
          これから城に帰ってレポートをまとめてもらう」

生徒達「えーっ!」

ヴォルデモート「俺様も心苦しいが全てはお前達のため
          知識という財産だけは貪欲に求めねばならない、手放してはならないのだ」

――――

――

ヴォルデモート「それではここで解散とする
          レポートは来週末までに提出するのだ」

生徒達「はい、先生!」

ヴォルデモート「では解散!――だが、ポッターには少し話がある」

ハーマイオニー「先に行っているわ、ハリー」

ロン「談話室で」

ハリー「わかった」

ハリー「それで、話ってなんでしょうか」

ヴォルデモート「それなのだが……実は…」

ヴォルデモート「……」

ハリー「先生?」

ヴォルデモート「お前の両親は俺様が殺してしまった
          聞けば名付け親までが俺様のせいで死んでしまったとか」

ハリー「…………」

ヴォルデモート「……代わりになれるなどとは思ってもいない
          断ってくれて構わぬのだが…」

ヴォルデモート「俺様も身内がいないことだし、どうだ
          ポッターさえ良ければ、俺様と……」

ハリー「あなたと一緒に暮らす?」

ヴォルデモート「<●><●>」

ハリー「…………」

ハリー「…僕、あなたのことは許せないと思ってた
    だけどもしも本当に心を入れ替えたなら、このままでいてくれるなら……」

ハリー「僕達、上手くやっていけるかもしれない」

ヴォルデモート「(*゚∀゚*)」

ヴォルデモート「俺様の教育は厳しいぞ」

ハリー「はい」

ヴォルデモート「そうかしこまるな、ハリー
          俺様たちは家族なのだ」

ハリー「……わかったよ、ヴォルデモート」

ヴォルデモート「さあハリー、これからは俺様の元で一人前の魔法使いに
          いや一人前の人間になるのだ」

――――

――

ヴォルデモート「ということがあったのだ」

ダンブルドア「……」

ダンブルドア「う、うまくやったものじゃな
        それで、予言はどうするのじゃ?」

ヴォルデモート「一方が生きる限り、他方は生きられぬ、か――」

ヴォルデモート「それならば問題ない、俺様はもう闇の帝王ではないのだからな」

ダンブルドア「しかし万が一ということもある」

ヴォルデモート「その時は俺様とお前が力を合わせれば良いのだ
          さすれば予言ごとき簡単に覆せるだろう」

ダンブルドア「…………」

ヴォルデモート「ああ、俺様は実に気分がいい
          ではまたな、ダンブルドアよ!」~♪

ダンブルドア「……」

マクゴナガル「…ダンブルドア?」

ダンブルドア「ミネルバ、聞こえるじゃろう?ホグワーツに響き渡るこの歓声が」

\ヴォルデモート!/  \ヴォルデモート!/

    \ヴォルデモート!/     \ヴォルデモート!/

マクゴナガル「はい
         ”名前を言っていはいけないあの人”がここまで生徒達から親しげに呼ばれるなんて…」

ダンブルドア「感動的じゃ、実に感動的じゃが……」

\ヴォルデモート!/\ヴォルデモート!/\ヴォルデモート!/

\ヴォルデモート最高ーーーーーーーーっ!/

\せーのっ!ヴォルデモート最高ーーーーーーーーーっ!/

ダンブルドア「なんじゃろうな、この胸に湧き上がるドス黒い感情は」

マクゴナガル「嫉妬ですか、ダンブルドア」

ダンブルドア「…………」

マクゴナガル「…アルバス?」

ダンブルドア「ワシ、ちょっと闇の魔法使いに目覚めるわ…」

マクゴナガル「あなたらしくもない冗談ですね」

ダンブルドア「……冗談だと良いんじゃがの………」


後に闇の力を求め続ける魔法使いと
闇の力を手放した魔法使いの決闘が行われることになる

魔法史でも最大と言われた戦いの果て――
額に稲妻の傷をもつ青年が勝者に笑顔で駆け寄ったという……


                                       -end-

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