結衣「ニャー」京子「!?」(125)

京子「おっすー」ガラッ

京子「あれ?結衣ー?」

結衣(ん…寝ちゃってたか…)パチッ

京子「おかしいなー先に部室行くって言ってたのに」

結衣(何言ってんだよここにいるだろ)

結衣「ニャー」

京子「え?」

結衣(え?)

京子「猫?なんで部室に猫がいるんだ?」

結衣(え?猫?どういうことだ?なんか視線が低いし)

京子「お前どっから来たんだー?」ヒョイ

結衣(わぁっ)

京子「おー!あったけーやわらけー」ナデナデ

結衣(ど、どういうことだ!?私が猫!?)

京子「ふむ」ジーッ

結衣(?)

京子「黒猫…なんかお前結衣に似てるな」

結衣(いや、私だよ気付いてくれよ)

結衣「ニャー」

京子「そうかそうかお前もそう思うか!じゃあ今からお前はユイだ!」

結衣(違うだろ!確かにユイだけど!)

ユイ「ニャー!」

京子「おぉ!気に入ったか!ユイー」ナデナデ

ガラッ

ちなつ「遅くなりましたー!」

京子「お!ちなつちゃん!と、あかり!」

あかり「ついでみたいに言わないでよぉ!」

ちなつ「あれ?結衣先輩はまだいらしてないんですか?」

京子「ユイならここにいるぞー」

結衣(違う!確かにここにいるけど何か違う!)

ちなつ「わぁ!」

あかり「猫さんだぁ!」

結衣(あかり、ちなつちゃん、私だよ!)

ユイ「ニャー」

ちなつ「か、かわいい…!」

あかり「でも結衣ちゃんどこにもいないよ?」

京子「だからーこいつがユイなんだよ」

結衣(お前まさかわかっててやってんのか?)

あかり「え!?この子が結衣ちゃん!?」

京子「そうだよ」

ちなつ「確かに、真っ黒な毛並みに凛々しくも可愛らしい顔…結衣先輩みたいですね!」

京子「だからこいつはユイ!」

あかり「なんだそういうことかぁ!あかり、てっきり結衣ちゃんが猫さんになっちゃったのかと思ったよぉ」

ちなつ「もーあかりちゃんたら、そんなことあるわけないじゃない」

結衣(そうなんだよあかり!)

ユイ「ニャー!」

あかり「どうしたのユイちゃん?」ナデナデ

ちなつ「あ、私も触りたい!」ナデナデ

ちなつ「で、ユイちゃんじゃなくて結衣先輩はどこに?」ナデナデ

京子「それが見当たらないんだよ。先に部室に行くって言ってたんだけど」ナデナデ

あかり「帰っちゃったのかなぁ?」ナデナデ

京子「うーん…今日は珍しく授業中も眠そうだったからなぁ」ナデナデ

ちなつ「体調が悪かったんですかね?心配…」ナデナデ
京子「メールしてみるか」ナデナデ

あかり「今日はどうする?」ナデナデ

京子「普通に活動するか!もしかしたら結衣がどこかに寄り道してて遅れて来るかもしれないし」ナデナデ

ちなつ「そうですね」ナデナデ

結衣(ちょ、みんな撫ですぎ!)

結衣(なんとかして気付いてもらえる方法を…)

ちなつ「お茶入れますね」

あかり「わぁい、あかりちなつちゃんのお茶だいすき!」

結衣(お茶…そうだ!湯呑み!)

ユイ「ニャー!ニャー!」バタバタ

京子「おぉ?どうしたんだユイ?」

あかり「降ろして欲しいのかな?」

京子「ん?ほれ」パッ

結衣(あかりナイス!)スタッ

結衣(湯呑みには名前が書いてある!)タタタッ

あかり「ちなつちゃーん、ユイちゃんがそっちに行ったよ!」

ちなつ「え?…キャッ」ガタッ

結衣(ほら!私だよ!私が結衣だよ!)

ユイ「ニャー!ニャー!」ゴロゴロ

ユイ「ニャー!」ペシペシ

京子「あれが噂のネコパンチ…」

あかり「かわいいねぇ~」

ちなつ「もう、ダメよユイちゃん!結衣先輩の湯呑みで遊んじゃ危ないでしょ」ヒョイ

結衣(あ…ダメか…)

ユイ「……」

あかり「なんかしょんぼりしてるね」

京子「よし!京子ちゃんが遊んであげよう!」

京子「ほーれユイ!スーパーボールだぞー」シュッ

結衣(他に気付いてもらえる方法は…)タタタッ

結衣(声を出してもニャーとしか言えないし)ペシペシコロコロ

結衣(紙に書いて伝えるとか?)タタタッ

結衣(いや、この手じゃスーパーボールを転がすくらいしか…って)ペシペシコロコロ

結衣(なんで私はスーパーボールで遊んでるんだ!)ベシッ

京子「おぉ!ナイスショット!」

京子「~♪」

あかり「京子ちゃん何してるの?」

京子「できた!これ作ってたんだよー」ヒラヒラ

ちなつ「猫じゃらし、ですか?」

京子「そ!ユイー」ヒラヒラ

結衣(変な所で器用だよな京子は…)

結衣(こっちは遊んでる場合じゃないんだぞ)ウズウズ

結衣(……)ウズウズ

京子「おーい」ヒラヒラ

結衣(……あーもう!我慢出来ない!)バッ

ちなつ「反応しました!」

あかり「かわいいねぇ!」

京子「ふはははは!京子様からおもちゃを奪おうなんて百年早い!」シュバババッ

ユイ「!」バッバッバッ

京子「ほーれ取ってこーい!」ポーイ

ちなつ「それは犬ですよ」

ユイ「!」タタタッ

京子「あ、取って来た。偉いぞーユイー」ナデナデ

結衣(ふん、これくらい朝飯前…って、また遊んでしまった…)

あかり「すごいねーユイちゃん!お手とかも出来るかな?」

あかり「ユイちゃん、お手!」

京子「いや、それはさすがに…」

結衣(違うだろ…)

ユイ「……」

あかり「えぇー!ダメなの!?」

ちなつ「京子先輩、私にも猫じゃらし貸してもらえますか?」

京子「いいよー」

ちなつ「さあユイちゃん、いくわよー!」ヒラヒラ

ユイ「!」

ちなつ「それっ」パッ

ユイ「!」ピョン

あかり「あ、跳んだ!」

ちなつ「ほらほら、届いてないわよー!」パッパッ

結衣(くっ、あとちょっと…)ピョンピョン

京子(ちなつちゃん、結構Sだな…)

あかり「あかりにもやらせて~」

ちなつ「はい」

あかり「いくよー!はい!」パッ

ユイ「!」パシッ

あかり「はい!」パッ

ユイ「!」パシッ

結衣(あかりのは平和だなぁ…ちょっと物足りないかも)

京子「そうだ!あかり、猫じゃらし貸して」

あかり「はい、京子ちゃん」

京子「ふふふ…ユイ、覚悟!」

結衣(京子の番か。よし、来い!)ウズウズ

京子「これでどうだ!」クルクル

結衣(! 回転か!)グルグル

京子「おー回る回る!」クルクルクルクル

ユイ「!」グルグルグルグル

ちなつ「ふふふ、すごい勢いで回ってますね」

あかり「目が回っちゃうよぉ」

京子「はいストップ」ピタ

結衣(あれ、やばい…目が回った)フラフラ

結衣(真っすぐ歩けない)ヨロヨロ コテン

ちなつ「あ、転んだ」

京子「ぷっ!あははははは!ユイかわいいなー!」

あかり「ユイちゃん大丈夫?でも、ちょっとかわいかったよぉ」

結衣(うーん、疲れた…)ペタン

ちなつ「疲れちゃったのかな?」

京子「私達も休むかー」

結衣(はぁ…つい遊んでしまった…)

結衣(気付いてもらうのは無理か…元に戻る方法を…)ウトウト

ユイ「zzz」

あかり「あ、ユイちゃん寝ちゃったよぉ」

京子「いっぱい遊んだもんなー」

ちなつ「それにしても、どこから来たんですかね?」

京子「さぁ?…結衣のやつ来ないなー」

あかり「もしかして、ほんとにユイちゃんが結衣ちゃんだったりして」

京子「まっさかー!」

ユイ「zzz」

キーンコーンカーンコーン

結衣(ん……?寝てた…?)

結衣(もしかして、目が覚めたら元に戻って!……ないか)

京子「お、もう下校時刻か」

ちなつ「結衣先輩、結局来ませんでしたね」

京子「やっぱり先に帰ってたのかなー」

あかり「あかり達もそろそろ帰らなきゃ」

結衣(下校時刻…みんな帰っちゃうのか?私はどうすれば…)ウロウロ

ちなつ「あ、ユイちゃん起きた」

京子「ユイはここにいるのか?」

結衣(どうしよう…出来れば家に帰りたいけど、この姿じゃ入れないし…)

あかり「でも、夜は寒いしご飯も無いよ?」

京子「うーん、そういわれてみると…」

結衣(こんな姿で学校に一人ってのも…)

ユイ「ニャー…」

京子「……よし!ユイ!今日は私の家においで!」

結衣(!)

ちなつ「え?そんないきなり大丈夫なんですか?」

京子「1日くらいへーきへーき!」

あかり「それなら、あかりも家で預かれないか今日聞いてみるよぉ」

ちなつ「私も聞いてみます!」

京子「良かったなーユイ!これで寂しくないぞー」ナデナデ

結衣(京子…)

――


結衣(お腹空いたなぁ…)

ガチャ

京子「ユイーご飯だぞー」

結衣(京子にご飯を用意してもらうなんて、なんか変な感じだな…ふふふ)テテテッ

京子「じゃん!猫缶を買ってきた!」

結衣(猫缶…そうだよな、今の私は猫だもんな…)

京子「たーんとお食べ!」

結衣(うーん、なんか複雑な気分だ…いや!私は猫!猫だ!)パク

京子「うまいかー?」

結衣(む…意外といける)パクパク

京子「うん、ちゃんと食べてるな」

京子「じゃ、私はお風呂に入ってくるから、大人しくしてるんだぞー」

結衣(よくよく考えてみると、猫缶の具って豪華だよな…)パクパク

京子「ふー、良い湯だったー!」

ユイ「……」ウトウト

京子「あれ、ユイー眠いのかー?」

結衣(ん?京子戻ってきたのか…)ウトウト

京子「食べてすぐ寝たら牛になるぞー」ナデナデ

結衣(さすがに牛より猫の方がマシだな……あ、気持ちいい)ゴロゴロ

京子「ゴロゴロ言ってるーかわいいなーお前は」ナデナデ

京子「ここか?ここがええのんかー?」ナデナデ

結衣(あーそこそこ)ゴロゴロ

京子「明日は部室で留守番だぞ。いい子にしてろよ?」ナデナデ

結衣(明日…そうだ!学校!)ガバッ

京子「うぉっ!?ビックリした!なんだよいきなり」

結衣(明日は学校じゃんか、どうしよう、無断欠席はさすがに大事になりそうだ。まったりしてる場合じゃない!京子、気付いてくれ!)ジー

京子「ん?どうした?」

結衣(なんとかしてこの状況に気付いてもらって、元に戻るまでごまかせれば…)ジー

京子「やん、そんなに見つめられたら照れちゃう!」

結衣(ふざけんな)ベシッ

京子「おぉぅ…ネコパンチ…」

京子「ツッコミまでこなすとは…お前ホントに結衣みたいだなー」ナデナデ

結衣(だから、ホントに私なんだって!)ベシベシ

京子「いたっ、痛いって!」

結衣(気付いてくれよ!)ベシベシ

京子「ちょ、ちょっと落ち着けって!」ヒョイ

結衣(うわぁっ)

京子「どうしたんだよいきなり。構い過ぎたか?」

結衣(いきなり抱き上げられるとビックリする…)

京子「……」

京子「結衣も構い過ぎると嫌がるのかな」ギュッ

京子「…なんだよ結衣のやつ、部活休むならそう言えよな」

京子「用事があったのか体調が悪かったのか、メールも返って来ないし」

京子「……結衣に何かあったのかな…」ギュッ

結衣(京子…)

ユイ「ニャー…」スリスリ

京子「ん?なんだよ、くすぐったいよ」

ユイ「ニャー」スリスリ

京子「励ましてくれてるのか?」

ユイ「ニャ!」

京子「ユイのくせに生意気だぞー!このこの!」スリスリ

ユイ「ニャー!」スリスリ

京子「さて、そろそろ寝るかな」

ユイ「ニャー」モゾモゾ

京子「ん?なんだー?添い寝したいのかユイにゃん?」

結衣(お前が珍しく寂しそうだからな)

京子「ふふふ、結衣もお前みたいに素直に甘えてくれば良いのになー」

結衣(なっ///)

京子「結衣もお前みたいに寂しがり屋なんだぜ!」ナデナデ

京子「よし!明日は結衣に罰ゲームだ!無断欠席とメール無視の罪は重いぞ!」

結衣(しょうがないだろ、猫になってるんだから)

京子「もし明日も来なかったら、罰ゲームを倍にしてやる!」

結衣(ははは、これは早く戻らないと厄介なことになりそうだ)

京子「zzz」

結衣(……)

京子「んー…ゆい…」

結衣(心配かけてごめんな、京子)スリスリ

結衣(ん、なんか急に眠く…)

結衣(zzz)






.

ドテッ

結衣「いたっ!」

結衣「んー…なんだ?…あれ?ベッド?」

結衣「……あ!元に戻ってる!」

京子「…んー…?」モゾモゾ

結衣「…っと、あんまり騒ぐと京子が起きちゃうな」

京子「ゆいぃ…?…zzz」

結衣「起こさないように帰るかな」

結衣「昨日は色々ありがとな、京子」ナデナデ


―――
――

ちなつ「朝起きたら、ユイちゃんいなくなってたんですか…」

京子「うん。窓から出てっちゃったみたいでさー」

あかり「なんだか寂しいよぉ」

京子「まったく、ユイも結衣も勝手だよな。なー結衣!」

結衣「ゆいゆい紛らわしいな。昨日は急用が出来たんだよ、何も言わずに休んで悪かったって」

ちなつ「結衣先輩、体調が良くなかったんじゃないかって、心配しました」

結衣「ごめんね、大丈夫だよ」

あかり「昨日お休みで残念だったね、ユイちゃんすごくかわいかったんだよぉ」

結衣「その名前はなんとかならなかったのか?」

京子「いやー結衣が猫だったらまさにあんな感じってくらい似てたからな!」

京子「それより、無断欠席をした結衣には罰ゲームだ!」

結衣「何をすれば良いんだ?」

京子「あれ?素直だな」

結衣「今日はそういう気分なんだよ」

京子「うーん…明日にしよう」

結衣「何も考えてなかったのか」

ちなつ「結衣先輩は急用だったんですから、罰ゲームなんて必要無いですよ!」

結衣「いや、良いんだよちなつちゃん。急用はともかく、京子からのメール返さなかったりもしたしさ」

京子「そうだぞ!」

結衣「お前に威張られたくはないけどな」

あかり「じゃあね、結衣ちゃん京子ちゃん!」

ちなつ「さようなら!」

京子「おう!」

結衣「また明日」



京子「結衣の家寄ってって良い?」

結衣「良いよ。なんなら泊まってくか?」

京子「へ?珍しいね、結衣から誘って来るなんて。どうかした?」

結衣「別に、たまには良いだろ」

京子「寂しいのか?」

結衣「そんなんじゃないよ」

京子「またまたー素直になれよー」

結衣「…その内な」

――


京子「さあ、罰ゲームだ!」

結衣「覚えてたのかよ…」

京子「当たり前だろー」

結衣「で、何をするんだ?」

京子「これを飲んでもらう!」

結衣「なんだよその怪しげな液体…」

京子「西垣ちゃんに貰った!」

ちなつ「西垣先生って…それ、危ないんじゃないですか?」

あかり「爆発しちゃうかもしれないよぉ」

京子「大丈夫!爆発はしないらしいし、会長が試した薬だから安全だってさ!」

京子「さあ、結衣!グイッと!」

結衣「うぅ…しょうがないな…」グイッ

結衣「……」

ちなつ「何も起きませんね」

京子「うーん、西垣ちゃんの発明で爆発しないくらいだから、失敗作だったのかなぁ」

結衣「変な薬じゃなかったのか…良かった」

あかり「あれ?結衣ちゃん、髪がハネてるよ?」

結衣「え?どこ?」

ちなつ「ホントだ。頭のてっぺんに耳みたいに…」

京子「いや、あれは耳だ!ネコ耳だ!」

結衣「え?」サワ

結衣「えぇぇぇぇぇぇ!?」ピーン

京子「あ、尻尾も生えてきた」

結衣「な、なんだよこれ!」

ちなつ「きゃあああああああああ!結衣先輩とってもかわいいです!」

京子「すげー!ホントに生えてるのか?」

結衣「引っ張っても取れないし、感覚もある…」サワサワ

京子「どれどれ?」ツンツン

結衣「やめろ、くすぐったい」ピコピコ

京子「おー!動いた!本物のネコ耳だ!」

あかり「あ、あかりも触っていいかな?」

ちなつ「ネコ耳…結衣先輩がネコ耳…!」ハァハァ

あかり「わぁ」サワサワ

結衣「あ、あかり、くすぐったいよ」

あかり「あ、結衣ちゃんごめんね!でもネコ耳似合ってるよぉ」

京子「尻尾はどうだ?」ギュッ

結衣「ひゃぁっ!?」ビクッ

京子「ははは、ビックリし過ぎだろ」サワサワ

結衣「きょ、京子、やめっ」

京子「やだ結衣にゃん、色っぽい」サワサワ

結衣「し、尻尾は、くすぐったいからっ…!」ピクピク

京子「ほうほう、尻尾は耳よりくすぐったい…」パッ

結衣「はぁ…」

ちなつ「し、尻尾…結衣先輩に、ネコ尻尾…」ハァハァ

京子「結衣!『にゃん』って言って!『にゃん』って!」

結衣「えぇ!?やだよ」

京子「忘れたのか?これは罰ゲームだぞ!言ってくれないならその尻尾をモフモフする!」

結衣「くっ……」

京子「さあ!」

あかり「結衣ちゃんが猫さんだよぉ」ワクワク

ちなつ「結衣先輩がネコ…そ、それはそれでなかなか…」ハァハァ

結衣「うぅ…に、にゃん…」カァァ

京子「ぷっ…あははははは!」

結衣「わ、笑うな!」

あかり「だ、大丈夫だよ結衣ちゃん!とってもかわいかったよぉ!」

京子「そうそう!かわいかった!次は是非猫っぽいポーズも!」

結衣「嫌だ!」

京子「そんなこと言わずにー。ちなつちゃんも見たいよな?」

あかり「あれ?ちなつちゃん?」

ちなつ「」

あかり「ち、ちなつちゃん!?どうしたの!?」

ちなつ「うふ、うふふふ、猫が…猫がたくさんお花畑に…」

あかり「ちなつちゃん、しっかりー!?」

結衣「ところで、これちゃんと取れるんだよな?まさかもっと猫化が進んだりしないよな?」

京子「さあ?」

結衣「さあって…どうするんだよ!元に戻す薬が必要だったら!」

京子「そしたらその薬を貰えば良い」

結衣「くそぉ…他人事だからって…」

結衣「ちょっと西垣先生の所に行ってくる。あかり、ちなつちゃんのことよろしくね」

あかり「う、うん!」

京子「あ、ちょっと待って!」

結衣「やだ、待たない」

京子「耳も尻尾も丸見えのまま学校中を歩くつもりか?」

結衣「……」

結衣「後ろから人来てないよな?」

京子「大丈夫だって。来ても私が結衣の後ろにいるから見えないよ」

結衣「まったく…あれ?なんか理科室から煙が…?」

京子「もしかして、また西垣ちゃんが爆発したのか?」

結衣「京子、私がドア開けるから後ろにいろ」

京子「結衣…そんなに私を大事にしてくれてるなんて…」

結衣「違う。尻尾を隠せ」

京子「はい」

ガラッ

結衣「西垣先生ー?」

結衣「……」

結衣「いないみたいだな」

京子「理科室にいないとなると、生徒会室かな」

結衣「また校内を歩き回るのか…京子、絶対に私の後ろから離れるなよ?」

京子「結衣…そんなにわた「それはもういい」

コンコン

<ドウゾー

結衣「失礼します…」

綾乃「あら?船見さん?」

京子「私もいるよー」

綾乃「と、歳納京子!?」

千歳「うふふふ、せっかくやし中に入ったら?」

結衣「え、えっと…」

京子「ホラ!入ろうぜ!」グイッ

結衣「うわぁっ」

綾乃「船見さん、さっきからずっと頭押さえてるけど、痛むの?」

結衣「い、いや、そう言うわけじゃないんだけど…西垣先生来てる?」

西垣「ん?私に何か用かな?」

結衣「あ!先生!京子に渡した薬について…はっ!」

西垣「薬?」

結衣(どうしよう、ここで説明したら綾乃や千歳に見られる…)

京子「何黙ってるんだよ結衣、これのこと聞くんだろ?」ギュッ

結衣「に"ゃぁっ!?」

結衣「な、なにすんだよ!」バッ

綾乃「船見さん…?」

千歳「ネコ耳と尻尾…?」

西垣「おぉ!」

結衣「……あ」

結衣「み…見られた…」ガクッ

綾乃「あ、耳が垂れてるわ」

千歳「かわええなぁー」

西垣「そうか、あの薬を飲んだのか。なかなか似合ってるじゃないか船見!」

京子「好評だぞ!良かったな、結衣!」

結衣「良くねぇ!」

結衣「はぁ…まあ、見られちゃったら仕方ないか…」

京子「そうそう、過ぎたことは気にするな!」

結衣「お前しばらくラムレーズン抜きな」

京子「えぇ!?」

結衣「西垣先生、これはどうすれば元に戻るんですか?」

西垣「安心しろ、半日もすれば耳と尻尾が爆発して…」

結京綾千「「「「えぇぇぇぇぇ!?」」」」

西垣「と言いたい所だが、あいにくそれは試作品でな、爆発せずに自然に消える」

結衣「なんだ…良かった…」

西垣「薬が完成したら船見にやろう!黒猫仕様だから似合うぞ!」

結衣「け、結構です!いりません!」

西垣「まぁそう遠慮するな!一緒に爆発しようじゃないか!」

結衣「嫌です!」

ピンポンパンポーン
<ニシガキセンセイ、シキュウ、ショクインシツマデキナサイ

西垣「まずい、理科室で爆発したのがバレたか!すまん船見、爆友の件は後にしてくれ!」ダッ

結衣「後にも先にもしなくていいですから!」

結衣「はぁ…」

京子「良かったな結衣、半日もすれば無くなるってよ」

結衣「誰のせいだと思ってるんだよ…」

千歳「それにしても、よう似合っとるなー」

京子「黒猫仕様って言ってたな。結衣に飲ませた判断は正しかったようだ」

千歳「何で黒猫仕様なんやろな?」

綾乃「もしかして、会長?」

りせ「……///」

結衣(何のために使ったんだ…?)

綾乃「それにしても、にわかには信じがたいわね。本当に本物なの?」サワッ

結衣「!」ビクッ

綾乃「あ、フワフワで暖かい…しかもちゃんと動くのね」サワサワ

結衣「あ、綾乃、あんまり触られると…ぁっ」ピクピク

綾乃「へ!?あ、ご、ごめんなさい!!」

京子「触るとくすぐったいらしいぞー。特に尻尾は」

綾乃「ごめんなさい船見さん、そうとは知らずに…」

結衣「い、いや、大丈夫だよ…」

京子「知らずに攻めるなんて、綾乃って結構テクニシャンだな」

綾乃「そ、そそそそそんなんじゃないわよっ!!」カァァ

京子「結衣も結衣で大人しく触らせてるし…綾乃のテクニックで骨抜きにされちゃったのか?」

結衣「ち、ちがうよ!綾乃はお前と違って言えばすぐに止めてくれるだろ!」

京子「止めるなら触っていいの?」ワキワキ

結衣「や、やだ!」

京子「そう…やっぱり私のことは遊びだったのね…」

結衣「今度はなんなんだよ」

京子「綾乃、ふつつかなやつだけど、結衣のことよろしくな…」

綾乃「な、なに言ってるのよ!」

京子「ま、自然に消えるみたいだし、今日くらい良いじゃん」

結衣「お前が変な物飲ませなければもっと良かったんだけどな」

綾乃「半日ってことは、きっと明日には消えてるわね」

結衣「うん。でも帰り道が憂鬱だよ」

京子「尻尾はまた私が隠してやるって」

結衣「触るなよ」

京子「えー、ケチー」

綾乃「家事とかするのに邪魔じゃない?」

結衣「うーん、まぁなんとかなるよ」

―――
――


結衣「ごめんね、わざわざ泊まってもらっちゃって」

綾乃「ふふふ、気にしないで。船見さん、私が風邪引いた時に来てくれたでしょ?困った時はお互い様よ」

結衣「ありがたいよ。京子じゃ何されるかわからないし」

綾乃「何って…例えばこんなこと?」サワッ

結衣「え?あ、綾乃?」

綾乃「ねぇ船見さん、ネコ耳と尻尾が生えた女の子なんて珍しいわよね?」サワッ

結衣「な、なに?どうしたの綾乃?」

綾乃「珍しいものが目の前にあったら、好奇心が疼くじゃない?」サワサワ

結衣「や、やめてよ綾乃…」ピクッ

綾乃「船見さん…もっと見せて、触らせて」サワサワ

結衣「ダ、ダメだよ…ふぁっ…ぁっ」ピクピク

綾乃「ふふふ…船見さんかわいい…」サワサワ

―――
――


千歳「攻める綾乃ちゃん…略して攻め乃ちゃん…」

千歳「これはアリやでぇっ!!」ドパァッ

綾乃「きゃっ!ど、どうしたのよ千歳!?」

結衣「うわぁっ!すごい鼻血が!?」

京子「千歳!眼鏡かけて!」

千歳「せや!歳納さんにもネコ耳と尻尾を付けたらええやん!」ドバドバ

綾乃「もう、変なこと言ってないで!」

ガチャッ

櫻子「すいませーん!向日葵のおっぱいが重くて遅くなりました!」

向日葵「はぁ!?あなたが日直の仕事をちゃんとやらないせいで…」

<ウワー!
<ショルイニチガツイチャウ!
<トメントイテ!コレガウチノシアワセヤネン!

櫻子「血まみれの生徒会室…」

向日葵「ネコのコスプレをした船見先輩…」

櫻子「し…」

向日葵「失礼します!」

バタン



終わり



おまけ↓

京子「結衣ーラムレーズンは?」

結衣「無いよ」

京子「えぇ!?冷凍庫に入ってるじゃん!」

結衣「知ってたのかよ!」

結衣「私に変な薬飲ませたんだから、しばらくおあずけだって言ったろ」

京子「ケチー」

京子「じゃあさ、耳と尻尾触らせて!」

結衣「お前、全然懲りてないな…」

京子「頼む!そっとするし、嫌ならすぐに止めるから!」

結衣「なんでそんなに必死なんだよ」

京子「ちょっと猫が恋しいと言うかなんと言うか……ダメ?」

結衣「……しょうがないな」

京子「ホントに!?いいの!?」

結衣「昼間見たいな触り方したらすぐにやめさせるからな」

京子「うん!」

京子「……」ナデナデ

結衣「……」

京子「くすぐったくない?」ナデナデ

結衣「ん、平気」

京子「ねぇ、結衣」ナデナデ

結衣「ん?」

京子「結衣はさ、私が元気無かったら、励ましてくれる?」ナデナデ

結衣「……さあな」

京子「なんだよ冷たいなー」ナデナデ

結衣「そもそも、お前が元気無いなんて調子狂うから勘弁だな」

京子「……そっか!」ナデナデ

京子「まったくー結衣にゃんは素直じゃないなー!」グリグリ

結衣「うわっ!」

京子「ネコ耳なんかなくてもきまぐれ結衣にゃんだな!」グリグリ

結衣「おい、痛いって!」

京子「さて、ネコ耳も尻尾も堪能したし…」

結衣「頭ボサボサだよ、まったく…」

京子「次は撮影会だな!」

結衣「断る」



終わり

結京好きだけど結綾も好きだから正直無理矢理捩込んだんだごめん
支援ありがとね

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