咲「えっ、聖牌戦争…?」(269)

立つかな

和「…あら咲さん、また図書館帰りですか?」

咲「和ちゃん? うん、ちょっと本をね。 …それより、なんだか久しぶりだね」

和「そうですね、お互い麻雀部を退部してから顔を合わす機会が減ってしまいましたからね」

咲「うん。和ちゃんは実業団チームの方どう? 最近二種登録されたって聞いたけど」

和「はい。やっぱりアマとは色々と違うので勉強させてもらってます。それより咲さんは麻雀を…」

咲「…うん。私はもう麻雀する目的なくなっちゃったし…」

和「……」

咲「あ、気にしないで私のことなんか。 それより和ちゃん、今日の練習は?」

和「ええ、今日はお休みなんで久しぶりに麻雀部に顔を出そうかと」

咲「…大丈夫なの、染谷部長は?」

和「優希の連絡ですと、今日も練習をサボってる様子なので顔を合わすことはないかと…」

咲「そうなんだ。優希ちゃんたちも大変なんだね…」

和「牌譜データの管理もほったらかしにしてるみたいなので、今日は時間があるので私が」

咲「そっか… 染谷部長、変わっちゃったね」

和「その責任は私た… 私にもありますから、せめてこのぐらいはしないと」

咲「…偉いな、和ちゃんは」

和「そうだ! 染谷部長もいないみたいですし、咲さんも久しぶりにどうですか?」

咲「……うん、私はいいや。ごめんね、和ちゃん」

和「…そうですか。わかりました、それじゃあまた今度に」

咲「…うん、ありがとう。それじゃあ、優希ちゃんたちによろしくね」タッ

和「……咲さん」

咲「せっかく誘ってくれたのに悪い事したな。でも、もう私は…」

咲「…」

咲「…お姉ちゃん」

衣「クスクス」

咲「…ッ!?」

衣「…久しいな、嶺上使い」

咲「衣…ちゃん…?」ゾクッ

衣「冀望叶い麻雀から離れられたと言うのに、未だ浮かぬ相貌とは不可思議な者よ」クスクス

咲「……」

衣「まぁいい。 …それより、早く呼び出さねば冥加が尽きるぞ嶺上使い」スッ

咲「…えっ?」ガバッ


咲「誰も…いない…?」

―――――咲宅・夜


咲「…さっきの衣ちゃん、一体何だったんだろう?」

咲「それに和ちゃん、麻雀部のみんな… ごめんね。けどもう何もないから、私には…」

咲「…ハァ。それにしてもなんだろう、この本?」

咲「ハリーポッターみたいなお話だと思ってたのに…」

咲「難しいことばっか書いてあって、本物の専門書みたい」

咲「せっかく借りてきたのに、あんまり面白くないな…」

咲「…うん、ジャンレイを召喚して願い事を叶える呪文? これ占い系の本だったの?」

咲「『素に銀と鉄。礎に石と契約の大公』…えへへ、なんか雰囲気あるなぁ」

~~~

咲「まだあるんだ~ それで次は…『我は常世総ての善と成る者、我は常世総ての悪を敷く者?』」

咲「難しそうな言葉ばっかで疲れちゃったよ… あ、でもこれでおしまいだ」

咲「『汝三大の言霊を纏う七天、抑止の輪より来たれ』」

咲「天秤の守り手よ―――!!」

咲「…」

咲「……」

咲「…小説じゃないんだから雀霊なんて召喚できる訳ないよね。何やってんだろう、私…」

ドオォォォン


咲「はい!?」

咲パパ『おい咲~、もう遅いんだから騒ぐのは近所迷惑だから止めとけよ~』

咲「えええっ!? 私じゃないよぉ~」

咲「なんだろう今の音? 納屋の方から聞こえたけど…」ドタドタ

咲「……ッ!?」ガラッ

?「やれやれ、これはまた――――」

?「とんでもないマスターに引き当てられたものだ」ドヤァ

咲「ど、泥棒!?」

?「おいおい、君が召喚したサーヴァントを泥棒呼ばわりは、マスターと言えど少々礼を欠いていないか?」

咲「だ、誰ですか? 早く出て行かないと警察呼びますよ!!」ガクブル

?「落ち着くんだマスター。私が物盗りの類に見えるのか?」

?「私は君の召喚に従い参上したサーヴァント、――――アーチャーだ」

咲「…さーばんと?あーちゃー??」

アーチャー「……」ハァー

咲「な、なんです? 人の家に勝手に上がりこんでその呆れ顔は!?」

~~~


アーチャー「…と、言う訳だ。これが聖牌戦争の大まかな概要だが、理解できたかなマスター?」

咲「……信じられません。聖牌なんて物が本当にあるなんて」

アーチャー「だが事実だ。君が自らの意思で参加した訳ではない事は理解した…」

アーチャー「しかし、参加したからにはこの事実を受け止めなければ… 君は、命を落とすことになる」

咲「…そ、そんな」

アーチャー「そう気落ちしなくてもいい。君の雀力は素晴らしい、そこは自信を持っても構わんよ」

咲「…雀力? 麻雀とその聖牌戦争に何の関係があるんですか?」

アーチャー「我々サーヴァントは基本、マスターから雀力を供給されて活動ができる」

アーチャー「よって、雀力に優れたマスターのサーヴァントは能力を十二分に発揮できるのだ」

咲「…ふぅん、そういう物なんですか。それより、その…、一ついいですか?」

アーチャー「…何かな? 君はマスターなのだから、そう遠慮することはない」

咲「いや、私の方がたぶん年下ですし。それにそのマスターって呼び方ですけど…」

アーチャー「ふむ、どうやらこの呼称には抵抗があるようだな」

咲「ええ、何かくすぐったいと言うか…」

アーチャー「しかし他の呼び方と言われても、私はまだ君の名前を知らn…

咲「咲。宮永咲です」

アーチャー「……!?」

咲「はい。これが私の名前です。だから今からはちゃんと名前で呼んでください」

アーチャー「宮永さ…き…… ―――― ああ、この響きは実に君によく似合っている」

咲「そ、そうですか?」///

アーチャー「…ん、別に照れる事はないだろう。マスt…、咲は変わっているな」

咲「あ、それで貴女のお名前は?」

アーチャー「…?」

咲「だから名前ですって。さっき説明してくれたじゃないですか、アーチャーはクラスの名称だって」

アーチャー「ああ、存外物覚えがいいのだな。感心したよ」

咲「御世辞なんていいですって。だから、アーチャーさんにも名前があるんですよね?」

アーチャー「おいおい… 咲、仮にも君はマスターなんだぞ?」

アーチャー「丁寧な言葉使いは美徳だが、使役させる者に“さん”は不要だな」

咲「でも呼びつけするのもちょっと… そう、それでアーチャーさんにもちゃんと名前があるんですよね?」

アーチャー「全く君という子は… それで咲は私の真名を問うているのか」

咲「ええ、そうです。何か凄い事に巻き込まれちゃったんだし、お互いに自己紹介をしましょう」

アーチャー「我が真名は……、               わからん」

咲「えっ?」

アーチャー「ふむ、記憶に混乱が見られる。ただ、これは君の不完全な召喚のツケでもある」

咲「ええっ!? それじゃあアーチャーさんが名前も思い出せないのは私のせいなんですか??」

アーチャー「そればかりではないが… まぁ名前などその内に思い出す。そう気にするな」

咲「気にしますよ… 私のせいでアーチャーさんが」

アーチャー「些細な問題だよ、それは。咲が気に病む必要はない」

咲「でも…」

アーチャー「咲、君はもっと自信を持っていい。間違いなく君の雀力は最強だ」

アーチャー「―――― そして、私は君が呼び出したサーヴァントだ。それが最強でない筈がない」ドヤァ

咲(…悪い人じゃなさそうだけど、恥ずかしい台詞をよく平気で言えるなぁ)

アーチャー「…さて咲、私も君に聞きたいことがある」

咲「はい?」

アーチャー「君から確かにマスターたる雀力は感じ取れるのだが…」

アーチャー「肝心の令呪が見受けられないのは、これはどうした事だろうか?」

咲「ええっと、確か令呪ってマスターがサーヴァントに命令をきかせる…」

アーチャー「そうだ。いわばマスターの証で、本来腕に顕現するのだが」

咲「…特に変わった所はないみたいですね」

アーチャー「…まぁ令呪を使う程の相手ではないようだが」

咲「アーチャーさん?」

アーチャー「急ぐ必要があるので端的に言おう。君の召喚はどうやら遅かったようだ」

アーチャー「そして、既に召喚され活動していたサーヴァントに召喚時の雀力で捕捉されかけている」

咲「捕捉ってココを?」

アーチャー「そうだ。大した雀力ではないが確実にこちらに近づきつつある…」

アーチャー「この索敵能力、恐らくはアサシンのクラスのサーヴァントか」

咲「それじゃあこのままだとウチで戦いが始まるってこと?」

アーチャー「まぁ相手も策もなく突っ込んでくるとも思えんが、迎撃する方が確実に有利だ」

咲「困ります、そんなの! 参加するなんて言ってませんし、ウチにはお父さんだっているんですよ!」

アーチャー「咲、言ってることは分かるが既にそんな暢気な事を言える状況ではないのだぞ?」

咲「とにかくウチで戦うのだけは絶対ダメです!」

アーチャー「まぁマスターの居場所を確定されるのも得策ではないか…」

咲「…」ジッ

アーチャー「分かった、君の言う通りにする。方針が決まれば行動あるのみ。行くぞ、咲!」

咲「えっ、行くぞって何処に?」

アーチャー「特に決めてはいないが、できる限り此処から引き離そう」

アーチャー「近場で人目を避けれる場所は? できるなら広い場所の方がいい」

咲「え、人目の避けれる広い場所?」

アーチャー「そうだ。アサシンを相手にするなら遮蔽物の少ない場所の方が好ましい」

咲「う、うん。それじゃあ…」

―――――清澄高校・校庭


咲(ここならこの時間は誰もいないし誰にも迷惑かけることはないはず)

咲(それに学校なら、いざという時に逃げ込める場所もいっぱいある)

咲「…」キョロ

咲(アーチャーさんは完全に捕捉されたって言ったけど、人の気配はない)

咲(このまま何もなくやり過ごせたらいいんだけどなぁ…)

?「それで隠れてるつもりっすか? これだからニワカさんは」

咲「…!?」

アサシン「へぇ、私の声が聞こえたっすか? …と、言う事は令呪が見当たらないっすけど貴女、マスターっすね」

咲「あ……」ガクブル

アサシン「今夜は偵察だけと命じられていたっすけど、こんな好機見逃せないっすねェ~」

アサシン「ククク、他愛ないっす! どこのマスターか知らないっすけど死ねェェッス!!」ガッ

咲「アーチャーさんッッ!!」

アーチャー「――――― 他愛ないのは貴様の方だったな、アサシンよ」シュン

アサシン「……ッッ!?」ザシュ

アサシン「…アンタ、マスターを囮にして狙撃位置に潜んでいたっすね」ハァハァ

アーチャー「大した者だよ、私のマスターは…」

アーチャー「あのように怯えながらも自ら囮になると言い出すとは、いい勝負度胸をしている」

咲「……」ガクブル

アサシン「クッ… にわかマスターと侮った私の失敗だったってことっすか?」

アーチャー「そうだ。貴様のような粗忽者は辱め嬲り殺しにしてやりたい所だが…」ゾクッ

アサシン「ふざけるな! 自分も雀霊の端くれっす!!ひと思いにぃ…!?」ザシュ

アーチャー「…誰が顔を上げていいなんて言った? この下衆が」ゾクゾクッ

アサシン「ガハッ…… アーチャークラスでそのどSな性格… まさかお前、いや貴女はシャープシュー…」

アーチャー「…ふん、お前のような下衆が私の名を口にするなッ!!」ニィ

アーチャー……いったい何菫さんなんだ……

>>50
違うよ。全然違うよ



咲「駄目ッ、アーチャーさん!!」

アーチャー「……!?」

アサシン「~~ッッ??」

アーチャー「…どういうことだ、マスター?」

咲「人殺しなんて駄目!絶対に駄目!! …ごめんなさい、そこの貴女」

アサシン「はぁ?」

咲「私たちはただ巻き込まれただけなんです!聖牌なんて興味ないです!!」

アーチャー「咲、何を言っているんだ!?」

咲「今は私たちが狙われてるから咄嗟に酷いことしちゃったけど… 私のことなんて構わないでください!」

アサシン「……ククク、これはとんだにわかマスターっすね」

アーチャー「いいかげんにするんだ、咲!! 君は勘違いをしている」

咲「勘違いって何ですか!? 私は殺し合いなんてしたくないです!!」

アーチャー「説明して理解したのではなかったのか? 望まなかろうが既に君はこの戦争の参加者だと!!」

咲「私は聖牌に託したい願いなんてありません!本当にこれは全部偶然なんです…」

アーチャー「それが勘違いだと言っているのだ、咲! 私は偶然君に呼び出された訳ではないのだぞ?」

咲「えっ?」

アーチャー「君が抱いている願いと雀力はマスターに相応しい…」

アーチャー「そう聖牌に判断されたんだ。君の選出は必然の選択結果だったんだよ」

咲「そんな…」

?「……!?」ガタッ

アサシン「……クク」ダッ

咲「こんな時間にまだ生徒が?」

アーチャー「アサシン!? …チィィ」

咲「逃げて!! そこの人、ここは危ないから早く逃げてッッ!!」

?「…は、はい」

――――― 清澄高校・校庭


和「……!?」ガタッ

?「……クク」ダッ

?「こんな時間にまだ生徒が?」

?「アサシン!? …チィィ」

?「逃げて!! そこの人、ここは危ないから早く逃げてッッ!!」

和「…は、はい」

和(今の声は咲さん? それにあの人達は一体?)

和(…体育倉庫? あそこに逃げ込めばあのおかしな人たちから隠れられる)ガタッ

和(さ、さっきのは一体何だったんでしょうか?)ハァハァ

和(あの血だらけの人と白銀の長い髪の女性は普通の人間じゃ… オバケ?いやSOA!!)ハァhァ

和(とにかくこの異常な状況を… そ、そうだ警察!警察に通報すれば)ガサゴソ

アサシン「…全く、傷を負ってるってのに手間をかけさせてくれるっすね、このお嬢ちゃんは」

和「ひっ!?」

アサシン「お嬢ちゃんには人質になってもらうっすよ。暴れなきゃ後で楽に殺してあげるっすから」

和「あ…、あ……あ…」ガクブル

アサシン「…さぁ、怖がらないで早くおいでっす。早くしないと腕か足を切り落としちゃうっすよ?」

和(誰か、誰か助けて!! お父さん、お母さん、……咲さんッッ!!)フォォン

アサシン「……ん?」

和「……この、光は?」

―――――


和「ひっ!?」


咲「……今の声?」

アーチャー「チッ、向こうだったか」

咲「お願いアーチャーさん、さっきの子を助けてッ!!」

アーチャー「ええい、言われなくてもわかっている!! …この光は?」

ドオオオォン

アサシン「……ば、バカな」シュゥゥン

咲「えっ、さっき襲ってきた人が?」

アーチャー(…この螺旋の斬跡? まさか…、いやそんなことが)ダッ

咲「…一体、この中で何が?」

和「……」

?「――――― 問おう貴女が私のマスターか?」

和「マス…ター…?」

セイバー「サーヴァント・セイバー、召喚に従い参上した… マスター、指示を」

和「……??」

セイバー「これよりわが拳は貴女と共にあり、貴女の運命は私と共にある」

セイバー「ここに契約は完了した」ガッ

和「え?」

セイバー「一撃で叩き割って上げるよォッ!!」

アーチャー「~~~ガハッッ!?」ザシュ

咲「アーチャーさん!!」

セイバー「ハァァァアアアッ!!」

咲「お願い、止めて!」ガバッ

アーチャー「……咲ッ!?」

和「咲…さん? 止めてください、セイバーさん!!」

セイバー「……!?」ピタッ

咲「和…ちゃん?」

和「…そ、その人に暴力を振るうのは止めてください!!」ハァハァ

セイバー「どういうこと、マスター? 彼女はアーチャーのマスター…」

セイバー「そしてアーチャーにも手傷を負わす事に成功した、この絶好の機会を見逃せと?」

和「いきなりマスターとか言われても、こっちはてんでわからないんです!」

セイバー「……」

和「話なら聞きますし、その人は私の大事な友人なんです!だからそんなことは止めてください!!」

セイバー「…そんなこと、とは何?」

和「えっ?」

セイバー「そのような言葉に私は従えない。敵は全てゴッ倒すもの…」

アーチャー「…ふん、セイバーのサーヴァントともあろう者がマスターの言葉に逆らうとはな」

セイバー「……」ギロッ

咲「止めてアーチャーさん、傷が…」

和「セイバーさんも止めてください! 私がマスターだと言うなら、まずは事態を説明してくださいッ!!」

アーチャー「そういうことだセイバーよ。せっかくの不意打ちも徒労に…、お前は…!?」ピクッ

和「…!?」

セイバー「おい、貴様…」ギュルッ

咲「お願いだから止めてアーチャーさん! 血、いっぱい出てるんだし本当に死んじゃうよ!!」

アーチャー「この程度どうということはない。咲、こいつらは早めに始末すべきだ」

セイバー「手負いの弓兵風情が大きな口を叩く。我がマスターの気が変わらぬ内に消え失せろ」ギュルルル

咲「和ちゃん、二人とも興奮して話が出来る状態じゃないから明日学校で改めて話そう」

和「そうですね、私もさっきから何が起きてるのかさっぱりで…」

咲「うん。私もまだ詳しいことはわからないんだけど… とにかく今夜はお家に帰ろう」

和「わかりました。それじゃあ明日学校で…」

咲「そうだね。なんか凄い事に巻き込まれてるみたいだから、和ちゃんも気をつけてね…」

和「…はい、咲さんも」

アーチャー「……」

セイバー「……」

――――― 咲自宅


咲「アーチャーさん、さっきのはどういうことですか!?」

アーチャー「どういうこと、とは? 生憎、私は君に詰られる様な行動をした覚えはないのだが」

咲「あの、…セイバーって人にいきなり傷を負わされて、怒るのはまだわかりますよ」

咲「…でも、あの後に和ちゃんにも斬りかかろうとしたじゃないですか? どうして!?」

アーチャー「当初は巻き込まれた一般人と認識していたからな、咲の命令通り助けようとしたさ」

アーチャー「……だが、事情が変わったのでね。原村和はマスターとしてセイバーと契約をした」

アーチャー「と、なれば原村和は排除すべき敵だ。私の行動は些かも問題はないと思うが?」

咲「でも、敵のマスターは必ずしも倒さなくてもいいって説明してくれたじゃないですか!」

アーチャー「…咲に説明した話は事実だが、あの話はあくまでもイレギュラーケースだ」

アーチャー「敵のマスターを排除せず勝ちぬける程、聖牌戦争は生易しい物ではない」

アーチャー「…その甘さは君の致命傷になりかねんぞ、咲。すぐにでもその認識を改めてくれ」

咲「…本当に殺し合いだって事がよくわかりました。私にはこんなの無理、辞退させてもらいます」

アーチャー「…監督役に申し入れれば辞退を受け入れられるだろう。だが、本当にいいのか?」

咲「…え?」

アーチャー「先ほど、アサシンとの戦いの最中にも言ったが君が聖牌に選ばれたのは偶然ではない」

アーチャー「並外れた雀力に加え、聖牌に託すだけの願いも持ち合わせているからこそ君は選ばれた」

咲「…願い?」

アーチャー「そうだ。もはや奇跡を祈るしか術のない願い、希望だ」

咲「別に私にはそんなことなんて…」

アーチャー「有るな。諦めたつもりでいるのだろうが、君はまだどこかで希望を抱いている」

咲「……」

ライダーとランサーには心当たりがあるが、さてさて

>>72
もう決まってるけど予想聞きたい。



アーチャー「君の願いがどのような物なのか、私には知る由もない」

アーチャー「だが、万能の願望器を前に自ら背を向けてもいい程度の物とは思えないのだか?」

咲「…私は」

アーチャー「…しかし聖牌戦争は殺し合いであり、今後は更に自らの命を危険に晒す事になる」

アーチャー「命のある内にこの争いから抜け、保護を受けるのも賢明な判断なのかもしれないな…」

咲「……ねぇアーチャーさん、聞きたいことはあるんだけどいいかな?」

アーチャー「一体何かな、咲?」

咲「仮に…、もし仮に私が辞退しちゃったらアーチャーさんはどうなっちゃうの?」

アーチャー「そうだな… 新たなマスターを見つけ雀力供給を受けなければ2、3日で消滅することになるな」

咲「消滅って死んじゃうってことですか!?」

アーチャー「いや、私たちサーヴァントは既に霊体だから人間で言う死を得るという事はない」

咲「そうだったんですか」ホッ

アーチャー「……これで安心して聖牌戦争を辞退する気になったかな?」フッ

咲「あ、いや別にそういうつもりで聞いた訳じゃなくって!!」

アーチャー「なに、私の事など気にすることなどない。己の身を最優先に考えるべきだ」

咲「でも私が辞退しちゃったらアーチャーさんの叶えたいことが…」

アーチャー「心配は不要だ。消滅する前にサーヴァントを失った他のマスターと契約すればいいだけの事だ」

咲「そうですか… それで、アーチャーさんは勝ったら聖牌にどんなお願いを?」

アーチャー「……さて、私はどんな祈りを抱いていたのかな」

咲「え… もしかして名前みたいにお願いも忘れちゃったんですか!?」

アーチャー「…いや、とうの昔に祈りなど忘れてしまっていた」

咲「……アーチャーさん」

アーチャー「……まぁ聖牌を頼らずとも望みを叶える機会を私は得たようだがな」ボソッ

――――― 翌日・学校屋上


咲「…和ちゃん、話はセイバーさんから聞いた?」

和「ええ、こんなオカルト未だに信じ難いですがどうやら私達は聖牌戦争とやらに…」

咲「うん… 戦争なんて私は怖いし、誰かを傷つけるのも嫌だから辞退したいなって…」

和「そうですね。私もこんな訳のわからない物に参加したくはないのですが…」

咲「私達が辞退してもこの戦いは続くみたいだし…」

和「あのサーヴァントと呼ばれる方達は、この千載一遇の機会を逃したくない様子ですし…」

咲「そうだね、アーチャーさんたちの事を思うと辞めるのも気の毒で…」

?「こげなとこにお二人揃って何の話をしてるんかのぅ?」

咲「染谷…先輩!?」

まこ「おぅ、退部して随分経ったっちゅうのに咲はまだワシのことを先輩言うてくれるんか」

咲「…いえ、その」

まこ「あん時は難儀したのぅ~、部長になって早々当てつけで退部されて。なぁ和ァ?」

和「ですから、私も咲さんもそれぞれやむを得ない事情があっただけで先輩に含む事なんて…」

まこ「事情ねぇ~ で、やむを得ず退部した和が昨日は何しに弱小麻雀部にお越しになったのかのぅ?」

和「それは…」

まこ「わざわざワシがいない時を見計らってコソコソと… 目障りなんじゃ!!」

和「……ッ!?」

咲「…そ、染谷先輩、それは」

まこ「おぅ、咲はええ子じゃのぅ。…それは全部ワシの逆恨みで和ちゃんは何も悪くないってかァ?」

咲「いや、そういう訳じゃないですけど…」

まこ「今も二人してワシのことを笑い者にしてたんじゃろ? ええよ、正直に言いや?」

咲「……」

まこ「ワカメだ、不人気だ、どいつもこいつもワシを馬鹿にしくさりおって!!」

まこ「……まぁ、それも今日までだがのぅ」ニヤリ

咲「ッッ!?」

和「……!?」

まこ「…どうしたんじゃ二人とも、まさかワシの手に何か見えるんかのぅ?」

咲「…いえ、特に何も」

まこ「ふん、まぁええ。 …ところで和、その腕の包帯は怪我でもしたんか?」

和「…あ、これはちょっと体育の時間に」

まこ「ククク、そうかぁ… まぁ二人とも寝首かかれんよぅ精々気をつけるんじゃのぅ」バタン



まこ「……おるんじゃろ?」

?「嬢ちゃんにしてはなかなか良い読みだったな。 …間違いない、奴等がマスターだ」

まこ「全く、神さんに感謝せんといけんのぅ… やっとアイツらを見返す機会を貰えたんじゃから」

?「やれやれ、相変わらず嬢ちゃんは器が小さいていかんなぁ~ ワハハ」

―――――


咲「…さっきの染谷先輩」

和「…ええ、あれは間違いなく令呪でした」

セイバー「…先ほどのマスターと正体不明のサーヴァント、雀力範囲外に出ました」シュン

咲「…あ!?」ビクッ

和「ありがとうございます、セイバーさん。まさか染谷先輩まで聖牌戦争に…」

セイバー「…奴等は去ったようだが貴様はいつまでそうしているつもりだ、アーチャー?」

アーチャー「……」

咲「…大丈夫だよ、アーチャーさん姿を現しても」

アーチャー「ふん、戦争中に敵と馴れ合うとは正気とは思えんぞ咲」シュン

和「…咲さんもサーヴァントをちゃんと控えさせていたのですね。安心しました」

咲「うん。アーチャーさんが学校でも警護が必要だって言ってくれたから」

セイバー「…フン、そのような雀力でサーヴァント相手の警護が務まるとは思えんがな」

アーチャー「…ほぅ、ならば試してみるかセイバーよ? 私は一向に構わんぞ」

和「セイバーさん、今日は喧嘩しないでくださいって言いましたよね?」

セイバー「…クッ」

アーチャー「やれやれ、まがりなりにも雀霊ともあろう者が小娘の尻に敷かれるとは哀れなものだな」

咲「…アーチャーさん、私達も約束しましたよね? 和ちゃんとの話を邪魔しないって」

アーチャー「…う、うむ。わかっている」

セイバー「…哀れと言ったなアーチャー? その言葉、そっくりそのまま貴様に返そう」

アーチャー「フッ、余計な世話だ。こう見えて我がマスターの尻の敷かれ具合はそう悪くはないのでな」ニヤリ

和「何…」ギロッ

セイバー「だと…?」ギュルルル

咲「あ~、和ちゃんもセイバーさんも真に受けないで! … ア ー チ ャ ー さ ん!!」

アーチャー「…冗談だ。だから咲もそう怖い顔をしないでくれ」

和「咲さん、使役しているサーヴァントと言えどくれぐれもご注意を」ジトッ

アーチャー「……注意だと? よりにもよって貴様に言われるとはな、原村和」

和「…どういう意味ですか?」

アーチャー「フン、他人に危害を加える点で貴様より注意を払わねばならぬ者がいるとでも?」

咲「アーチャーさん、いいかげんにして! …和ちゃん、ごめんね」ペッコリン

セイバー「……」

和「いえ、私は別に何も気にしていませんから。 …それより本題に入りましょう。セイバーさん?」

セイバー「…ああ、この学校近辺で雀力が集まっている現象。そっちも把握している?」

咲「うん。登校する時にアーチャーさんから教えてもらったからとりあえずは」

アーチャー「雀力反応のポイントと咲の話を照合した結果、おおよその見当はついた」

和「…ええ、恐らく近隣の麻雀強豪校かと。雀力を取集するには都合がいいですからね」

セイバー「もしくはサーヴァントとそのマスターがそこにいる…」

アーチャー「そして今日に入り、微弱だがこの学校からも妙な雀力反応を感知した」

和「妙…?」

咲「その雀力って染谷先輩、なのかな…」

セイバー「わからない。 だが、さっきのマスターの反応だとしても腑に落ちないことが多い」

アーチャー「そこは同感だ。自らマスターと知らす目的は何だ?偵察やブラフの類とも思えん」

和「こんな馬鹿げた話に参加する気はないのですが、この清澄を戦いの舞台にする訳には…」

咲「…そうだね。私たちだけじゃなく、関係ない人たちまで巻き込んじゃうのは絶対に避けないと」

――――― 夜・咲自宅



咲「ハァ~ …まさか染谷先輩も聖牌戦争に参加してるなんて」

アーチャー「あのマスター、以前からの知り合いのようだが?」

咲「…うん。今は色々あってあんな感じだけど、昔はすごく優しい先輩だったんだ」

アーチャー「そうか。 …だが咲、今の内に伝えておくが、敵と分かった以上あれも当然排除すべき…」

咲「…染谷先輩に何かしたら絶対に許さない。私も今の内に言っておくね」ゴッ

アーチャー「……!?」ゾクッ

咲「アーチャーさんたちが目的のために戦うのはまだいいよ。そのために召喚されたんでしょ?」

咲「…私だって叶ったらいいなって思うことはあるよ。でも、そのために誰かを傷つけたりしたくない!」

アーチャー「君は甘い。そんな考えでは他者を傷つける云々の前に、自らの命を落とすことになる…」

咲「…でもッ!!」

アーチャー「人としてその優しさは美徳かもしれん。だが、その信念で迎える死は自己満足に過ぎんよ」

咲「…それでも誰かを傷つけたり殺したりするよりよっぽどマシです!! …もう、あんなことは」

アーチャー「そうやって全てを救える力を持ちながらまた逃げるのか、咲?」

咲「…えっ?」

アーチャー「言ったはずだ。間違いなく君は最強のマスターだ、と…」

アーチャー「君がその気になれば無駄な血は流れないで済む。なのに、咲はその事実に背を向けるのか?」

咲「……」

アーチャー「……」

咲「…本当、ですか? …本当に私が頑張れば和ちゃんや染谷先輩、それに関係ない人たちを巻き込むことも」

アーチャー「…ああ、私はもう嘘を吐かない。今度こそ君を、君との約束を守ってみせるさ」

咲「…わかりました。それなら私、聖牌戦争に参加します!」

アーチャー「…了解した。ならばこのアーチャー、我がマスターの為にこの一命を捧げよう

咲「一命って… アーチャーさん、約束だからって死んだりしちゃ駄目ですからね」

アーチャー「やれやれ、その気になった途端に酷く面倒な命令をするとは困ったマスターだ」

咲「え? その、大変な戦いだってのは何となくですけどわかりますよ。でも…」

アーチャー「咲… 我々の置かれた状況は正直な所、あまり芳しくないのが実情だ」

咲「そうなんですか… それはどうしてですか?」

アーチャー「昼間、私の雀力についてセイバーの言った言葉を覚えているか?」

咲「えっと…、確かその雀力ではサーヴァント相手の警護が務まるとは思えない、でしたっけ?」

アーチャー「そうだ。腹立たしいが奴の指摘は的確で、今の私の雀力は通常の6、7割程度だ」

咲「…え、そうなんですか?」

アーチャー「ああ。セイバーに負わされた傷の回復に雀力を回しているのでな」

咲「もう…、そんな状態なのにセイバーさんと喧嘩しようとしてたんですか?」

アーチャー「なに、奴の雀力も本来の状態ではないからな。恐らく不完全な形での召喚に問題があったのだろう」

咲「それじゃあ和ちゃん、今の状態で敵に狙われたら危ないんじゃ…」

アーチャー「…本格的な戦いにならない限り問題はなかろう。それに既に解決に向け動いてる様子だしな」

咲「それなら大丈夫なのかな。 …でも解決って、そもそも和ちゃんたちは何が問題だったんですか?」

アーチャー「ああ、昨日の召喚時には原村和からセイバーへ雀力供給がなかった」

アーチャー「…だが、どうした事か今日のセイバーには微弱ながら原村和から雀力が供給されていた」

咲「へぇ~、やっぱり和ちゃんは凄いなぁ。 …あ、そうだ!」

アーチャー「どうした、咲?」

咲「アーチャーさんも私から自動的に雀力を供給されてるけど、怪我した分が不足してるんですよね?」

アーチャー「…まぁ、簡単に言えばそうなるな」

咲「じゃあその分、自動じゃなくって直接私から雀力をあげることってできないんですか?」

アーチャー「不可能ではないが咲には少々…」

咲「和ちゃんもセイバーさんにそうして雀力をあげてるんですよね? なら私だって!」

アーチャー「その気持ちは嬉しいが、やはり咲には荷が重いと思うのだが?」

咲「…そうなんですか。でも和ちゃんたちはそうしてるんですよね?」

アーチャー「ああ、よりにもよってアイツらがこの方法で供給しているとは思えんのだがな…」

咲「凄く難しいってことは分かります。 …でも、私頑張りますからやり方を教えてください!」

アーチャー「…分かった。では咲、済まないがその座っているベットの位置を少し横にずれてくれないか?」

咲「え? …あ、はい。こうですか?」チョコン

アーチャー「ああ、それでいい。では失礼する」スルッ

咲「えっとアーチャーさん、何で私の隣に? …って、顔が近いですよ!?」///

アーチャー「まぁ、それは近づかなければできないからな」

咲「ち、ちょっと待ってアーチャーさん! じ、雀力供給って痛くしたり変なことしたりするんですか?」///

アーチャー「…そうだな、初めての際は多少痛みがあるが直に慣れる。そう硬くなる必要はない」スッ

咲「…えっと、その、ぐ、具体的にこれから何をするのか教えてくれます?」///

アーチャー「ああ、咲と私の体液を交換をするだけさ。粘膜の直接交換が最も効率がいいからな」

咲「……ねんまく?」

アーチャー「そうだ。一般的に言う性交と思ってくれればいい。 まぁ、咲は天井の染みでも数えt… ホゲッ!?」

咲「そういう大事なことは最初から言ってください!! 嫌です、絶対に嫌です!!」プンスカ

アーチャー「…ま、待てマスター、別に私は無理にする気は最初からないのだから… 痛っ!…その、暴力は控えてくれない…か…?」

咲「ハァハァ…  …全く、アーチャーさんは信用できそうな人だと思ってたのに」プンプン

アーチャー「やれやれ… まぁ、確かに年頃の娘に配慮が足りなかったのは私の過ちだったかな」

咲「当然ですッ!!」プンスカ

アーチャー「…そうだな、済まなかったな咲」ニコッ

咲「 」///

アーチャー「…ん、どうした咲? さて、これが駄目となると効率が落ちるが他の方法を考えないとな…」

咲「……って、和ちゃんたちはこんなことしたんですか!?」

アーチャー「え? ああ、そうだな… 想像し難いが奴等も何かしらの方法で交換したのだろうな」

咲「ええええぇぇえぇッッ!?」

――――― 同時刻・和宅


セイバー「…和、お腹が空いた」

和「ええっ? さっきあれだけご飯を食べたばかりじゃないですか!?」

セイバー「さっきのは食事。まだデザート分が足りてない…」

和「デザートって一人でプリン、冷蔵庫に残っていたの全部食べたじゃないですか!!」

セイバー「プリンは別腹。…和、甘い物が好きじゃないなら食べてあげようか?」ジッ

和「えっ?」

セイバー「…ありがとう」パクッ

和「あッ?! セイバーさん、人の食べかけまで食べるなんてはしたない真似しないでください!!」

――――― ?


咲(…ここは、どこだろ? 凄く殺伐した風景だなぁ)

咲(どこまでも続く荒地に地面に突き刺さっているたくさんの弓と矢…)

咲(!?)

咲(あそこにいるの、アーチャー…さん? あんな血だらけでいっぱい武器が…刺さったままで…)

咲(酷い…… 待ってて、今それ抜いてあげるから!!)


咲「アーチャーさん!!」ドタッ

咲「あ…れ…? あ痛たたた」

アーチャー「……どうした、咲? 悪い夢でも見たのか」

咲「え、え?? …夢?」

アーチャー「やれやれ… 私が言うのも何だが、一応君も年頃の女性なのだからもう少しお淑やかにだな…」

咲「えへへ~」テレッ

アーチャー「まぁそのおかげで君の令呪がどこにあるのか分かったのだから、悪い事ばかりでもないようだ」

咲「…あ、令呪どこにあったか分かったんですか?」

アーチャー「ああ。それと咲、一つ忠告するが君は寝相に注意する必要があるな」

咲「え~、私そんなに寝相悪いですか… あ、それで令呪ですけど一体どこに?」

アーチャー「…ん、ああ尻にあったぞ」

咲「」

アーチャー「君が夜中に布団を蹴っ飛ばした時に、パジャマがはだけていてたまたま尻が見えt…

咲「変態!変態!!変態!!!」

――――― 咲・登校中


アーチャー「だからそれは君の誤解だ。私には一切の責はないといいかげん理解してくれないか?」

咲「…アーチャーさんは信用できる女性だと思っていたのに信じられません」プンスカ

アーチャー「私だって好きで咲の尻を見た訳では… !?」

咲「…ッ!? 何、この気持ち悪い感じ…」

アーチャー「…さすがにここまでの物になると人間である咲でも察知できるのだな」

咲「アーチャーさん、これって…?」

アーチャー「結界だな、恐らく雀力を蒐集するための。あの奇妙な反応はコレだったのか」

咲「結界?」

アーチャー「ああ… 急ぐぞ、咲。この規模の収集となると君の学校は今頃厄介なことになっている」

―――――


咲「遅れてごめんなさい。和ちゃん、学校の様子は!?」

セイバー「今頃ご到着とは随分暢気なものだな…」

和「セイバーさん! 咲さん、校内は一般生徒が次々と倒れて大変なことに…」

アーチャー「ほぅ、それで貴様らは手をこまねいて、ここでつっ立っていたと」

セイバー「…結界内にサーヴァントと思われる反応がある」

アーチャー「昨日、咲と原村和の様子を伺いにきたマスターのだろう?それがどうした」

和「…染谷先輩だけなら良かったのですが、セイバーさんが言うには結界内部から複数の雀力反応があると」

咲「複数…?」

セイバー「これだけ派手な雀力反応があれば、あわよくば漁夫の利を得ようと集まってくるさ」

アーチャー「…成程、確かに僅かながらサーヴァントと思われる複数の雀力跡が感じられるな」

和「…それでセイバーさんが言うには、相手が動きを見せるまではこちらも待機すべきだと」

セイバー「当然だ。自ら虎口に飛び込む必要はないだろう?」

咲「そんな… それじゃあ、このまま止めないでいたら中にいるみんなは!?」

アーチャー「…運の悪い者なら昏睡状態程度にはなるだろうが、生命を落とすことは恐らくなかろう」

和「でも私たちだけじゃ止めるのは無理だったかもしれませんが、咲さんたちの援護があれば…」

アーチャー「無駄だな。数的優位があろうが敵陣に闇雲に突っ込んでも犬死するだけだ」

セイバー「被害者を最小限にするにも、集めた雀力を回収する所を叩く方が合理的…」

咲「だから見捨てろって言うんですか! 救えるかもしれないのに何もしないなんて、私はもう嫌です!!」

和「…咲さん」

セイバー「……」チラッ

アーチャー「……」コクッ

セイバー「…和、貴女もリスクは承知でこの雀力蒐集を止めようと思っている?」

和「……はい」

セイバー「…わかった。マスターの命ならばこのセイバー、この身にかけても止めてみせる」ギュルッ

咲「セイバーさん!」

アーチャー「今は様子見に回っている他の連中も、手間取っていたらどんな動きを見せるかわからん」

セイバー「…雀力反応が一番高い場所に吶喊し、サーヴァント及びマスターを排除する速攻しかない」

アーチャー「虚を突くか、あてを外して包囲殲滅か。 …咲、それに原村和、本当にいいのだな?」

咲「…はい。すごく危ないのはわかってます、でも」

セイバー「違う。そこにいるのが昨日の者でも排除できるのか、アーチャーはそう問うている…」

和「染谷先輩を排除…」

アーチャー「…お喋りはここまでだ。これ以上は機を逸しかねん、行くぞ!」

―――――


?「…ん?」

アーチャー「ふん!!」ブン

セイバー「てぇええい!!」ギュルル

?「ちょっとぉ、いきなり名乗りもせずに二人がかりで斬りかかってくるって酷いんじゃない?」スッ

アーチャー・セイバー「…!?」

和「セイバーさんとアーチャーさんが同時に攻撃したのを躱した?」

咲「凄い、あの人…」

アーチャー「…ふざけたことを。貴様の様な外道に名乗りなど不要であろう?」

セイバー「…貴様こそ聖牌戦争の規約を何だと? 衆目に晒すだけでなく、一般人を徒に巻き込んで!」

?「ハァ? それはコッチの台詞。全く外道はどっちよ?」シュッ

セイバー「チィイィ!?」キィン

アーチャー(クッ、この攻撃の鋭さ… あのワカメ女、よりにもよって三騎士クラスを引き当てたか!?)

?「…あら、初撃で仕留めるつもりだったのに。二人とも、外道のわりにはいい腕してるじゃない」

アーチャー「ふん、見当はついたが貴様も雀霊として誇りがあるのならクラス名ぐらい名乗ったらどうだ?」

?「どうしようかなぁ~ 本当だったらこんな外道連中に名乗りたくないんだけどねぇ」

セイバー「さっきから外道外道と鬱陶しい。我がクラスはセイバー、外道に非ず!」

ランサー「…ま、あの攻撃を防いだその腕に免じて特別に。私はランサー、マスターの命により推参したわ」ニコッ

咲「じゃあ、本当に染谷先輩がこんな酷いことをしろって命令を…」

ランサー「染谷…? 誰と勘違いしてるのか知らないけど、私のマスターはそんな名前じゃないわよ」

和「…え? それじゃあ貴女は一体…」

ランサー「我が誇り高きマスターは嘆き悲しみ、私に命をくだされた」

ランサー「…このような悪逆非道の輩に誅罰を与えよ、と」

アーチャー「…敵の言葉を鵜呑みにはできぬが、この結界は確かにランサーのクラスでは不可能だろう」ボソッ

セイバー「…あてが外れた。今頃は私達の突入に気づいて仕掛けた奴は撤退し… えっ?」ボソ

ランサー「別に2対1でも構わないけど情けをかけてあげるわ。ここは正々堂々… ん?」

ドオオオン!!

?「ワハハ~ 双方武器を収めよッ! 真なる部長の前であるぞ!!」

?「私は此度の聖牌戦争にてライダーのクラスを得て現界した蒲原智美だぞ~」

セイバー・アーチャー・ランサー「「「……は?」」」


しかし一向に麻雀する気配がないなww

>>160
麻雀?何それ美味しいの




まこ「な、何しよるんじゃこのヴァ… ふべらッ?!」ベチン

ライダー「…ったく五月蠅いぞ、このワカメは~ まぁ、とにかくお前たちも落ち着け~」

咲「そ、染谷先輩…?」

和「…あ、あのサーヴァント、真名を名乗った!?」

ランサー「…自ら名乗る心意気は嫌いじゃないけど、外道への制裁を邪魔されるのは困るのよね」

セイバー「…制裁? 貴様、さっきから黙って聞いていればつけあがって」ギュル

ライダー「あ~、コラコラ喧嘩なんてよせ~ 全く、こんな時にいがみあってどうしようもない連中だなぁ」

アーチャー「…ライダー、この結界は貴様の仕業ではないとでも?」

ライダー「当然。部長にとって生徒とは、その雄姿を仰がせる存在であり危害を加える対象ではなかろう~?」

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

まこ「ったく、あんな連中なんぞほっとけばエエ言うたのに… ぎゃぶぅ?!」ベチン

ライダー「お前も部長の端くれなら心持をもっと大きくだなぁ~ …って話がそれちゃったぞ~」

咲「…ねぇ和ちゃん、今の話聞いた?」

和「はい。染谷先輩にあのランサーの話も本当だとすると…」

アーチャー「…もう一体、サーヴァントが校内にいると?」

ライダー「まぁ、このクラスの結界となるとまずはキャスターの線だろうなぁ~ ワハハ」

ランサー「成程。確かにこんな手の込んだこと、色々足りなそうな貴女たちには無理っぽいもんねぇ」

セイバー「…あれだけ舐めた口を叩いてまだそんな口を。覚悟はできてる?」ギュルルル

和「セイバーさん! 今はそんな人に構ってる時間が」

ライダー「そうそう、折角召喚されたのに肝心の聖牌戦争がこんなんでうやむやにされたら困るだろ~?」

ランサー「…そうね。我がマスターより授けられた命は首謀者を討つこと。じゃれてる場合じゃないわね」

セイバー「いいだろう。その命、今は預けておく。…アーチャー?」

和「…あ、咲さんもさっきまでそこにいたのに?」

まこ「ああ、咲とそのサーヴァントなら今さっき向こうに行きおったわ」

セイバー「…アーチャーの千里眼スキルで雀力反応を補足したか」

ライダー「…ふむ、なかなかの冷静さと素早さ。あの二人、結構やるなぁ~」

―――――


\ ダレカー タスケテー / \ ナンナンダヨコレーー クルシイヨー / 


咲「大丈夫ですか? こっちは危ないですから早く校外に避難してください!」

咲(アーチャーさん、サーヴァントらしき反応は?)

アーチャー(駄目だ。私たちに捕捉されたのに向こうも気付き霊体化したのだろう、反応が消えた)

咲(でもマスターはまだこの近くにいるんでしょ?)

アーチャー(これだけの結界だ。マスターの補佐がなければこの短時間で築けるとは思えん)

咲(…じゃあ何としてもマスターの人を見つけて止めさせないと。あ、待って)

?「はぁはぁ… か、体に力が入らな… 誰か助けて……」

咲「しっかりしてください! 怪我はありませんか?自分で歩けますか?!」

?「…な、何とか大丈夫 ……でも、奥にまだ倒れてる人たちが…、早く助けてあげて……」

咲「わかりました! 無理はしないで、でもなるべく早く遠くに逃げてくださいね」

アーチャー「…おい」シュン

咲「えっ…?」

?「……はい、ありがとうございま…す… 貴女も気をつけ…て…」ヨタヨタ

アーチャー「……そこの女、いつまで聴こえないふりを続けるつもりだ?」

?「……はぁはぁ」ゼェゼェ

アーチャー「ふん、いいだろう。ならば聴こえるようにしてやろう」シュン

咲「アーチャーさん!?」

?「……ッ!?」


カキーン


キャスター「…あらあら、いきなり普通の女生徒を射るなんてとんでもない子ねぇ」クスクス

アーチャー「……やっと姿を現したな、――――キャスターよ」

咲「…巫女服のサーヴァント?」

アーチャー「超常の理を用いる巫女ならばキャスターとして現界しても別段驚くこともなかろう」

キャスター「そうね、驚くのはこっちの話。人の目を欺くのは得意分野のつもりだったのに」

アーチャー「ああ、お前の偽装は完璧だったよ。この私の目をもってしても雀力を気付かせずにいた」

?「じゃあ何で私がマスターだって分かったのよー☆」

アーチャー「…何が普通の女生徒だ。そんなきつい女子高生がいてたまるか!」

はやり「き、きついって何ッ!! 制服姿のはやりも世界一可愛いってみんな言ってくれるんだからッッ!!」

咲「確かに言われてみたら見ない顔だし、何か変な感じも…」

はやり「変な感じって何よッ!! あ、首ね?やっぱり首の皺で実年齢がわかるって言いたいんでしょォォ!!」

キャスター「……落ち着いてください。マスターはまだまだお若くお美しいですから」ニッコリ

はやり「」

はやり「 」

はやり「ウン!はやり、もう大丈夫だよぉ~★ みんな~、心配かけてゴメンねっ★彡」ペコッ

アーチャー「……そうか。じゃあ死ね(直球)」ビシュ

キャスター「…全く。貴女もサーヴァントならマスターを直接射殺そうなんて真似は控えて頂けません?」カキン

アーチャー「生憎だが面倒なのは嫌いな性質でね。貴様らこそこんな真似をしでかして生きて帰れると?」

キャスター「三騎士に加えライダーにまで包囲… まぁ普通なら諦めたくなるのでしょうけど」

はやり「…それじゃあキャスター★彡 そろそろみんなにお別れするぅ~?」

キャスター「ええ、それではお暇させて頂きましょう。では皆さん、またお目にかかりましょう」ドロン

咲「あ、待ってくだs ……消えた?」

アーチャー「チッ、空間転移の魔術か。まぁ、集めた雀力を回収させなかっただけマシか」

咲「じゃあこの結界は?」

アーチャー「ああ、主のいない結界など勝手に消滅するし、不調を訴えてた連中もじき元に戻るだろう」

咲「そう、じゃあひとまず落ち着くんだね」

アーチャー「…とりあえず、はな」

――――― 風越市・某所



ランサー「…以上の経緯があり無事、清澄高校の騒動は収まりました」

池田「良くやった。…と、褒めの言葉でもかけられるとでも思ったか、ランサー?」

ランサー「いえ、そのような過分なお言葉を頂けるとは露とも。しかし、マスターの命は無事果たしたかと」

池田「アタシは騒ぎを収め名門風越の威光を示しつつ、あの騒動の首謀者は討ち果たせと言ったはずだし!」

ランサー「も、申し訳ございません」

福路「…華菜、そういう言い方は良くないわ」

池田「キャプテン?」

福路「そもそも清澄にいるサーヴァントの数は想定よりも多かった。これは私たちの落ち度」

池田「それはそうですけどぉ…」

福路「なのに自分の責務を果たしたランサーさんを責めるなんて…」

池田「う”~」

福路「頭を上げて、ランサーさん。貴女は何一つ咎められる様なことはないのですから」ニコッ

ランサー「痛み入ります、福路様…」

福路「いやだわふくじさまなんてたにんぎょうぎなよびかた。みほこでいいのですよ、らんさーさん。いえ、うえのさん」

ランサー「は、はぁ…」

池田(最近のキャプテンは絶対おかしいし!あんな表情、私の前では一度も見せたことないのに~!!)

福路「それでうえのさん、さきほどいいましたつぎとはいつたい?」

ランサー「はっ、本日遭遇したセイバーは実に恐るべき手練れ。必ずや我等の障害になるかと…」

池田「そうだよなぁ~ 本当だったらお前みたいな奴なんかよりセイバーを…」

福路「華菜ッ、いいかげんになさい! 貴女は頭を冷やす必要があるようね、少し表に行ってなさい!!」

池田「ええええっ!? そんなぁ~」ショボン

福路「ごめんなさいね、うえのさん。かなったらつくづくひとのうえにたてないこなんだから」クルッ

ランサー「…美穂子様。池田様こそ我がマスター、そのお言葉は少々行き過ぎかと…」

福路「ご、ごめんなさい。けつしてわるぎがあつていつたわけじやないの!だからきらいにならないで!!」

ランサー「い、いえ、私こそ主を補佐する美穂子様に対しての暴言、御許し下さいませ」

ランサー(…全く、肝心のマスターにここまで信用されないとは困ったわねぇ)

ランサー(私は聖牌に託す願いなんてない。望みは只一つ、生前の汚名を雪ぐ一介の雀士としての勝負…)

ランサー(こんな細やかな願いも私には過ぎた物だってこと? …嫌よ、そんなの冗談じゃないわ!)

ランサー(セイバー… やっと巡り会えたあの王者と戦えるこの機会、逃す訳にはいかないのッ!!)

――――― 夜・和宅


セイバー「和、プッチンプリンは飽きた。明日はファミマのよくばりクリームいちごプリンを… ん?」

和「もぅセイバーさん、プリン代も馬鹿にならないのですからそう毎日… って、どうかしましたか?」

セイバー「このあからさまなランサーの雀力? …ああ、私を誘ってるんだ」

和「挑発ですか? そんな物は受ける必要ありません。無視してください」

セイバー「挑発とは違う… ランサーの雀力は澄んでいる。奴は純粋に勝負を望んでいるはず」

和「セイバーさん、私たちはこの後で咲さんたちとキャスターを追う約束もあるんですよ!」

セイバー「キャスターならアーチャーだけで十分。 …和、これはいい機会」

和「いい機会?」

セイバー「和、貴女はマスターとしてまだ未熟。でも単純なサーヴァントの力量勝負なら勝機は十分…」

和「はっきり言いますね。…ですけどその言葉、受け入れざるを得ないのは自覚しています」

セイバー「それにあのランサー、日中は軽い口を叩いてはいたけど搦め手をしかけるタイプじゃない」

和「つまり罠である可能性は低いと?」

セイバー「奴のマスター次第だけど。でも、他の陣営との対戦に比べたら和に危害が及ぶ確率は低いはず」

和(…この人なりに私のことも案じている、ということでしょうか)

和「…貴女のことです。どうせ雀霊としての誇りとやらで勝負を逃げる訳にもいかないのでしょう?」

セイバー「……」コクッ

和「わかりました。…ただし、一つだけ約束してください。この聖牌戦争に必ず最後まで生きて私を護り抜くと」

セイバー「…了解した。雀霊としてその誓い、必ず果たす」ギュルッ

――――― 同時刻・咲宅


アーチャー「それで咲、奴等からは何と?」

咲「…うん。和ちゃんたちはランサーとの決闘に臨むからこっちには来れないって」

アーチャー「…決闘だと? 全くたわけたことを… まぁ、最初からあてにしてなかったから構わんさ」

咲「前から思っていたんですけどアーチャーさん、和ちゃんとセイバーさんには厳しいって言うか…」

アーチャー「…そんなことはない。ただ、奴等の甘さが気に食わんだけだ」

咲「…本当にそんな理由なんですか?」

アーチャー「ああ… それより咲、これよりキャスターの本拠地に乗り込むのだが覚悟はできているか?」

咲「はい、危険なのはわかっています。…でも凄いですよね、あんな咄嗟の間に」

アーチャー「自動追尾の使い魔程度なら私でも使役できるからな。 …キャスターとは今夜で決着をつけるぞ」

咲「…うん。ところでアーチャーさん、本当にまだ真名を思い出せないの?」

アーチャー「…ああ、どういうわけだがとんと思い出せない」

咲「…それは思い出せないんじゃなくって言えない、の間違いじゃないですか? 弘世菫さん」

アーチャー「……!?」

咲「最初からどこかで遭った覚えはあったんです。 でも、記憶の中の弘世さんよりだいぶ大人びていたし、風貌も違うから言いだせなくて」

咲「…でもセイバー、いやお姉ちゃんを見て確信しました。 …アーチャー、貴女は白糸台にいた弘世菫さんですよね?」

アーチャー「弘世…菫か… 残念だが君の指摘は外れているな。 まず、そもそも最初の時点で間違えている」

咲「えっ!?」

アーチャー「私は本当に思い出せないのだよ。 …いや、雀霊になる以前の記憶などとうに焼き切れている」

咲「…アーチャーさんが雀霊になったのはそんな昔のことなんですか?」

アーチャー「そうだな。私が自分の名も、雀霊を志した理由も朧になる程度の時間が過ぎている」

アーチャー「…それに君は私と思い込んだ者と以前遭ったことがあるようだが、私はその者とは別人だ」

咲「そんな… 私、アーチャーさんは弘世さんが変装でもしてるんじゃないかと思ってました」

アーチャー「私たち雀霊はこことは異なる世界から召喚されている。つまり、本来はこの世界に存在しない者だ」

アーチャー「ライダーが名乗った真名と同姓同名の者がいて、かつ容姿等も限りなく似ていたとしても…」

咲「…それは別人、ということですね」

アーチャー「そういうことだ。よって私は勿論だがセイバーも君の知る、姉の照とは別人だ」

咲「…!?」

アーチャー「どうした、咲?」

咲「いえ… そっか、アーチャーさんもセイバーさんも全然違う人だったんだ…」

アーチャー「……折角の名推理だったのだが残念だったな、咲。 …さて、そろそろキャスターの工房に行くとしよう」





前半終了。

あ、後半は後日予定ですよー

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