上条「とある科学の幻想殺し」 (106)

上条さんチートssです。
需要ないかもしれませんがw

上条さんは不幸な人生を歩んできたせいで
若干冷たい性格?です。

いろんな禁書ssから欲しい要素奪ってます(グヘヘ)

魔術は出ない予定><

時系列無視です。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389946705

上条「なんていうか、不幸っつうか」

上条「お前も俺も、本当についてねえよ」ギロッ

御坂「―――っ!!」

上条「だいたい、これで通算何回目だよ」

上条「お前じゃ俺には勝てないっつうの」

御坂「うっさいわね!わたしが無能力者なんかに!」

上条「ははっ。これまで全戦全敗のお方のセリフとは思えませんな~」ニヤ

御坂「っ!」

上条「毎度毎度遭うたびに勝負勝負って…」

上条「華の女子中学生の日常とは思えないっていうか」

上条「何が目的で勝負なんて仕掛けてくんだよ!」

御坂「わたしは…これまで一度も能力で負けたことがないの!」

御坂「強さだけがわたしのアイデンティティだからっ――」

御坂「アンタなんかに負けてる暇ないのよっ!」




―――そう。この街では誰もが強さを追い求めている。

学園都市でのレベルは、そのまま社会的地位へと直結する。

高いレベルの人間は慕われ、崇められる。

低いレベルの人間は日々劣等感と戦い続ける。

学園都市でナンバー3の位置に登りつめた御坂美琴にとって、無能力者に負けるということは屈辱であり

俺の存在は自我を脅す脅威ってとこ。


上条「またそれか、レールガン」

上条「なんかい防がれりゃ気が済むんだよ」

御坂「ちがうわっ!今度はね」

上条「ん?」

御坂「これならあんたでも防げないわねっ!」

ピカッ

上条「おい…お前ホントに人間かy―――

ズドオオオオンッ ババーーーン

上条「」パキーーン

ババーーーン ビリビリビリ

上条(完全には消せなかったか――)

上条「やべ―――轟音で耳なりが――」

上条「雷落として逃げやがった!」

上条「もう嫌だ!今後一切あいつとは関わりたくねえ…」






翌日、うだるような熱気の中

上条「でもまぁ…命あってよかった」

上条「これまで何百回も死にそうな目にあってきたけど」

上条「今回はトップ3に入るなこれは…」

上条「あの『天災』め…」

上条「絶対アイツにはもう遭いたくねえ」


上条「それにしても…」

上条「俺が幸福になれる日は来るんだろうか…」

上条「おそらくこの右手のせいで起きている不幸…」

上条「…」

上条「今日は補習だったな」

自分の不幸体質が、生まれてから変わることのないたったひとつの悩み。

これまで幾度と無く不幸な目にあってきた俺は、この体質を完全に克服するためなら命を投げ打ってさえいいと思っている。

頭では幸せなひとときを思い描きながら、足はキャシュカードを踏み砕いていた。

上条「不幸だ」

人生で一番多く口ずさんだ言葉を口にし、重い尻を上げて布団を干すことなく学校へと向かう。

夏休み初日の今日は、補習。

こればかりは右腕のせいではない。

―――――――――――

―――――――

――――

――

上条「結局こんな時間まで補習かよ…」

上条「夏休みの無駄遣いだな…」

上条「はやく幸せになりたい」

御坂「あっ!いたいたっ!」

上条「うげっ!?」

御坂「また会ったわね、アンタ!!」

上条「どちら様ですか…?」スタスタ

御坂「ああ…雷のショックで忘れちゃったんだ~」

上条「ええ。じゃあこれにて~」

御坂「記憶喪失には出来事の疑似体験が有効です」ビリビリ

上条「―――っ!本当に面倒くさいなお前!」

御坂「あ~ら、うちの学校の後輩ならきっと喜んでくれるわよ」

上条「何いってんのお前」

御坂「っとにかく!今日こそ決着つけるんだから!」

上条「決着?お前昨日のこと忘れたんかよ」

上条「必殺技当てて逃げ出してんじゃねえか…あいにく傷ひとつなかったけどなあははは」

御坂「まだ試してない技もあるんだから!」

上条「超能力者ってこんなやつばっかなのか?」

上条「お前のおかげで俺の中での超能力者の評価は落下継続中ですのことよ」

上条「いい機会だ言ってやる、お前のことを世間じゃストーカーっていうんだよ」

御坂「…黙って聞いていれば」

上条「おいおい街中で能力まで使う気か?こりゃひと回り成長して公害だな」

御坂「…」

上条「世間じゃゴ御坂って呼ばれてるらしいけどその通りだな」

御坂「…」

上条(…ちょっと言い過ぎたか…?)

上条(いや!…こいつは俺の不幸が生み出した悲しい存在)

上条(せめて俺の手で葬ってやったんだ)

御坂「…さない」

上条「え?」

御坂「アンタ!絶対許さないからっ!!」スタスタ

上条「えええええ。もう関わらないで欲しいんですが…」

上条「いつになったら無限ループ終わるんだよ…」

上条「不幸だあああああああ」パキィィィィン

上条(なんだ…今何か反応した!?)

一方通行(音の反射が切られた!?…なンだコイツ)

上条(なんだ今の能力…誰か見えなかったけど今までの奴らとは格が違う!!)

一方通行「なンなンだよ今のォ」

一方通行「チッ…見失っちまったァ」

上条(これは反射能力!!音の反射なんて陰気なやつ)

一方通行「明らかに誰かに消された感覚だァ」

上条(でも今のやつ!明らかに超能力者クラス!)

上条「必ず探しだしてやる!」

一方通行「おもしれェ…必ず見つけてやる」





上条「超能力者で俺が知ってるのは御坂くらいのもんだし…」

上条「あいつは面倒臭いからダメだ」

上条「能力者に精通している奴なんて――」

>オイ嬢ちゃん

上条「またクズ共がナンパしてんのかよ」

上条「俺には関係ねぇ…」

上条「―――!!」

上条「スキルアウトなら能力者狩りしてる奴らと繋がりがあるかもしんねえ!」



絹旗「超やめてください!急いでますから」

スキルアウト「いいじゃん、ちょっと遊ぼうよ」

スキルアウトB「この子結構可愛いじゃん」

絹旗(超めんどくさいですね…)

上条「どうやら能力者狩りが目的じゃないみたいだな」

スキルアウトC「何見てんだよ」

スキルアウトB「なんとか言えコラ」

絹旗「仕方ありませんね…超やるかしかないようです――(誰かきた?)」

上条「ちょっと少し話聞きたいんだけど」

スキルアウト「邪魔だ消えろ」スッ

上条「いきなりナイフなんて…」

スキルアウト「死ねぇっ」

上条「っ」ビリビリビリッ

スキルアウト「あばばばばばば」ジリジrジリ

スキルアウト「」ピクピク

上条「この能力にはまだ慣れねえな」

上条「加減が難しい…ごめんな」

スキルアウトC「こいつ能力者だ!」

スキルアウトB「チッ――逃げるぞっ」ダダダー

上条「ちょっと待って!!」

上条「あ~あ。失敗した…不幸だ」

絹旗(…電撃使い!?それも超能力者クラス…!!)

絹旗(超電磁砲以外にこんな能力者が…!?)

絹旗(いや…そんな話聞いたことない)

上条「まぁうろつけばぶつかったりするか…」スタスタ

超能力者ならみさきちもかなり古い知り合い見たいだけど?

>>12 そういえば忘れてた

指摘ありがとうございます




絹旗(―――やっぱりおかしい)

絹旗(幸い敵視はされてないようですが、一人での接触は超危険ですね)

絹旗(麦野たちに合流しなくては)




フレンダ「あ、絹旗!遅かったじゃない」

滝壺「おかえりきぬはた」

絹旗「ええ、超面倒事に巻き込まれてまして」

麦野「面倒事ってなに?」

絹旗「それがですね―――

Prrrrr Prrrrr

麦野「仕事の電話よ」

滝壺「まだデザートが…」

フレンダ「サバ缶ならあげるよ?」

滝壺「…」

絹旗「…わたしの話が…」

麦野「――」ピッ

麦野「仕事よ」



フレンダ「で?今回の仕事っていうのは?」

麦野「暗殺よ暗殺。しかもターゲットは高校生」

フレンダ「そんな以来初めてじゃない?」

麦野「しかも統括理事長から直々の依頼」

絹旗「それ超ひっかかりますね」

滝壺「…」

麦野「しかももし殺せなくても報酬は出るらしいのよ」

フレンダ「それってどういう訳?」

麦野「勝てないって思ったらひきあげろってこと」

絹旗「…超やばそうですね、その高校生って人」

フレンダ「麦野がいる限り失敗なんて有り得ないわけよ」

麦野「それもそうね。こうなったら確実に息の音止めてやるわ」ギリギリ

絹旗「で、そのターゲットってのは」

麦野「コイツよ…可愛い顔してるけど仕方ないわ」

フレンダ「ちょっと幸薄そう…」


滝壺「…覚えた」

絹旗「――――!!」

滝壺「どうしたのきぬはた」

絹旗「さっき言ってた面倒事です!」

麦野「もうコイツと接触してたの?」

絹旗「はい、超偶然にも」

フレンダ「こいつに絡まれてた訳?」

滝壺「きぬはたをナンパしようなんて…」

絹旗「いえ、むしろ助けてくれたっていうか」

麦野「へえ今時珍しい。でも私情挟んじゃダメよ。それにほら、もうついちゃったし」

フレンダ「なんか雰囲気出てる…」

麦野「スキルアウトのたまり場。周りの雑魚は殺してもいいけど不必要に殺す必要はないわ」

麦野「ターゲットはこの上条当麻ただ一人」

フレンダ「こいつスキルアウトのボスとか?」

麦野「さぁね♪…じゃ、行くわよ」

絹旗(なんとなく言いそびれてしまいました…)



モブ「へへっ…お前らが能力者狩りやってるスキルアウトか!」

モブ「相手が悪かったな!俺はレベル3n――ぐはぁぁぁっ

スキルアウトD「ほらっ殴られながら演算できんのかっ!」ブンッ

モブ「ぐはっ」

スキルアウトE「レベルなんだって?」ニヤ

モブ「ぶふぁぁっ」ドス

スキルアウトF「さっきまでの威勢はどうした?あ?」

スキルアウトG「学園都市のルールは弱肉強食。お前は今食われる側だ」

スキルアウトD「二度とでけー面できねえようにしてやるよ」

上条「おーおーやってますなー」

上条「君もなかなか不幸な人だ」

スキルアウトE「誰だお前?」

上条「通りすがりの…疫病神です」ニヤ

スキルアウトG「お前も能力者か」

上条「どうでもいいから。君たちのアジト教えてよ」

スキルアウトD「黙れ。おまえもこいつと同じ目に合わせてやるよ」

上条「今度は失敗しねえぞ…一人だけ無傷で残す…大丈夫できる」ニヤ

上条(まずは見せしめに…)

スキルアウトD「うらぁぁっ!!」ブン

上条「ははん♪」ドスッ

スキルアウトD「ぐはぁぁっ」バタン

上条「お前らみたいなゴロツキ集団に何回襲われたと思ってやがる!」

上条「お前らのやりそうな攻撃だ」

上条「ちょっときみっ」トン

スキルアウトG「ひぃぃっ!」

上条「アジト、どこ?」

スキルアウトG「カクカクシカジカ」

上条「ありがとな」スタスタ

モブ「おまえっ…俺を助けに来たんじゃ」

上条「…前のところでアジトの場所聞けてたらもともとこんなとこ通らなかった」

上条「おまえと俺はそもそも出会わなかったよ」スタスタ

モブ「ふざけるな!君も能力者ならこいつらは敵だろ!」

上条「しらねーよ。普段から無能力者を見下してるからそういう報復にあうんだ」スタスタ

上条「やられる側の気持ちも少しは理解できるんじゃない?それじゃ」ヒラヒラ

モブ「おい――

スキルアウトE「まだ終わってねーんだよっ」ドカッ

モブ「ぐはっ」バキッ

白井「ジャジメントですの!」ビシッ

御坂「あ、アンタ!?」

上条「」

上条「…今日も相変わらず不幸だ」ヤレヤレ

御坂「なんでアンタこんなとこに!」

モブ「ぶふぁっ」ドカッ

白井「ジャッジメントですの!あなた達を拘束します!」タッタッタ

御坂「信じらんない!アンタあれを見て見ぬふりするわけ?」

上条「そう思うんなら早く助けてやれよ。俺は行くとこがあるんだ」

御坂「力持ってるくせに最低よ!」

上条「力を振るっていつも俺を襲ってくる奴の言葉とは思えねえな」ヤレヤレ

上条「じゃーな」スタスタ

御坂「…チッ」




上条「なんだ案外近場にあったのかよ」

上条「すいませーん、ちょっと聞きたいことあるんですけど」オロオロ

スキルアウト1「あ?誰だお前」

スキルアウト2「どうした」ゾロゾロ

上条(なんかいっぱい来たっ)

上条「ええと、ここのボスの友達の上条です」

スキルアウト4「黒妻さんの友達?」

スキルアウト3「こんなガキが?」

上条「いいから早く呼べよ」

スキルアウト2「あ、ああ」



ワゴン車

麦野「ターゲットが場所に現れたわ」

フレンダ「実際に見たらますます幸薄そうじゃない?」

麦野「そう?なんだか可愛い顔してるじゃない」

フレンダ「麦野はああいうのが好きなわけ?」

麦野「別にそういうわけじゃないけど」

滝壺「…」

フレンダ「どうしたの滝壺?」

滝壺「あのひと…AIM拡散力場がない」

絹旗「!?」

麦野「…そういうことってあるの?」

フレンダ「無能力者だからじゃないの?」

滝壺「ううん。学園都市の生徒なら無能力者でもかならず拡散力場は存在する」

フレンダ「じゃあすごく弱っちいってことじゃないの?」

麦野「…」

絹旗「…あの?」

麦野「ん?」

絹旗「わたし合流する前に彼と遭遇しましたけど能力者だったはずですよ」

絹旗「超電撃使ってましたし」

滝壺「でも…AIM拡散力場がない」

麦野「やっぱり奇妙ね…」

絹旗「しかも超強力でした。スキルアウト一撃でしたし…おそらくですけど超能力者クラスじゃないかと」

麦野「でも電撃使いのレベル5って超電磁砲だけなんじゃ…」

フレンダ「あれが超電磁砲なんじゃないの?」

麦野「超電磁砲は女!フレンダはもう馬鹿だからだまってなさい」

絹旗「超不安になってきました」

滝壺「大丈夫。きぬはたは私が守る」

フレンダ「麦野がいる限り負けはないってわけよ」

麦野「いつも足引っ張ってるフレンダに言われてもね」

フレンダ「ムム…」





黒妻「俺に用がある上条ってガキはどいつだ?」

上条「俺だよ」

黒妻「悪いな見覚えがねえ」

スキルアウト2「こいつ!黒妻さんの友達って言うから…」

スキルアウト3「騙しやがったな!」

上条「能力者狩りなんて陰湿なことやってるって思ったら…」

上条「想像通り意地悪そうな面してやがる」ププw

黒妻「おい…状況わかってんのか?」

黒妻「この状況でよくそんな軽口が叩けるもんだな」

黒妻「度胸だけは褒めてやる」ゴキゴキ

スキルアウト4「おい聞いてんのかコラ!」

上条「悪かったよ…話があるだけだよ」ヒラヒラ

スキルアウト4「このっ」ブン

振り下ろされた鉄パイプを上体を反らしたところで、上条の右膝が相手の顔面をえぐる。

スキルアウト4「ごふぁっ」ドスッ

黒妻「てめぇ…」

上条「手を出してきたから避けたんだって、膝は癖で」ニヤ

黒妻「覚悟できてんだろうな?」ゴゴゴ

上条「まぁそうなるよね」




ワゴン

絹旗「どうやら上条とスキルアウトは超仲間じゃないようですね」

フレンダ「なんか一触即発って感じ…」

滝壺「…やっぱり拡散力場を感じない」

麦野「潰し合うなら構わないわ。楽になるだけだしね」ニヤ

絹旗「それにしても上条…超戦い慣れてる感じですね、動きとか」

フレンダ「確かに」

麦野「大丈夫よ。上条がやられたらとどめを刺せばいいんだし」

麦野「やつら全員やつけてしまったらわたしたちが畳んじゃえばいいんだしね」

フレンダ「あの人数相手じゃやられておしまいね」

絹旗「いえ、上条には電撃がありますから」

フレンダ「でも滝壺が拡散力場がないって」

滝壺「うん」

絹旗「ふふ…賭けますか?フレンダ」

フレンダ「結局わたしが勝つ訳だけどね?」

麦野「遊ぶな」ギロッ





上条「とにかく話を―――

白井「ジャッジメントですの!」ビュン

上条「」

上条「どこまで追って来んだよおまえら!」

白井「類人猿!!あなたこそわたしたちの行く先々に…ストーカーですの?」

上条「気が合うな!俺もお前の同じこと言おうとしたところだ!」

御坂(あんなこと言っといてアジト潰しに来るなんて…照れ屋なだけで意外といいヤツなのかしら?)

黒妻「女連れとは余裕だなクソガキ」

上条「こいつらは関係ねえよ」

白井「下がってくださいます類人猿さん?ここからは風紀委員の管轄ですの」

上条「邪魔すんじゃねえよ!」

白井「あなたも拘束しますわよ!」

スキルアウト5「こんなガキが風紀委員?」

スキルアウト8「なにができんだよw」

白井「弱いものほどよく吠える…」


黒妻「風紀委員がなんのようだ」

白井「黒妻綿流ですわね?」

黒妻「あぁん?」

白井「能力者を対象とした暴行事件の首謀者として拘束します」

黒妻「ほぉう?拘束ね…。悪いがおままごとに付き合ってる暇はねえんだ」

御坂「言ってくれるわね」

黒妻「親切でいってやってんのに、わからねえなら身体でわからせてやるよ」

スキルアウト「」スタスタ

御坂「――っ」

白井「お姉さま。この程度の相手わたくしひとりで十分ですの」

上条「うるせえっての!お前らはひっこでろ、邪魔だ!」

白井「もういい加減にしてくださいまし類人猿!」

黒妻「十分かどうか、俺らの実力見てからにしろよな!!」


黒妻「おい、やれ!!」

キィィィィィイイィィイイィィィイィイイイィィン

白井「くっ」

御坂「うっ」

御坂「なに…この音っ?」

白井「頭に直接…響くようにっ」

黒妻「どうした?」

白井「!!」

白井「飛べない…?」

黒妻「どうしたお嬢ちゃん?」

黒妻「一人で十分じゃなかったのか?」ドカッ

白井「!!」

上条「おい…話聞けって言ってんだろ」バシッ

黒妻の繰り出した蹴りはいともあっさり上条の右手に収まる。

白井「類人猿…?」

上条「へぇ…これがキャパシティダウンね…。便利なもんだな」

黒妻「…どうやらお前は無能力者らしいな」

上条「ああ」

御坂(コイツが無能力者!?有り得ない…)

白井「助けついでに…あれも…壊してくださいな」

上条「いやだね~」ベー

白井「…」ムカッ

上条「御坂が今後一切俺に近づかない」

上条「この条件が飲めるなら、あんなもん一瞬で壊してきてやるよ」

黒妻「おい…この人数に囲まれてること忘れたんじゃねえだろうな?」

上条「ほら早く決めろよ」ニヤ

御坂「絶対嫌よ…勝ち逃げなんて…ゆるさないんだから」

上条「だったらしらね~」

白井「どこでこんなものを…」

黒妻「黒妻三許してくださいって言うんなら考えてやってもいいんだぜ」ヒッヒッヒ

???「へぇ。今は黒妻っていうんだな…」

黒妻「!?」

スキルアウト6「あ、あいつだ!」

スキルアウト3「そうだ!あの男だ!」

スキルアウト5「黒妻さん!あの男です!俺達の邪魔をしやがったのは!」

黒妻「」

黒妻改め蛇谷「黒妻…さん」

御坂「!?」

白井「どういうことですの…」

黒妻「ええと、よっと」ブチッ

シーーーン

白井「あ!音が!」

御坂「消えたっ」

黒妻「大丈夫か?」

御坂「えっ!?」

黒妻「そっちも」

白井「あ、はいですの」

御坂「えと…あの!」

黒妻「これ持っててくれる?」チャプッ

黒妻「…蛇谷。久しぶりだな」ニヤ





ワゴン

絹旗「ゼェ…ゼェ…超助かりました」

麦野「あれがキャパシティダウンね…要注意だわ」

滝壺「だれかまた増えた」

麦野「スキルアウト十数名に風紀委員、ターゲットの上条、…超電磁砲」

麦野「そして今来た男」

フレンダ「なんかすごいことになってる訳よ」

絹旗「あれが常盤台の超超電磁砲…」

フレンダ「字におこしたら変なことになってるよ?」

滝壺「まちがいない」

麦野「出ていけない状況になってきたわね…チッ」

絹旗「どうするんですか麦野?」

麦野「現状維持。とにかく様子を見るしかないわ…」

フレンダ「見てるぶんにはすごくおもしろいよね」

絹旗「確かに。B級映画みたいで超おもしろいです」

滝壺「うん。わくわくするね」

麦野「…」





蛇谷「あっ…あんた死んだはずだろ…」アセアセ

黒妻「じゃあ幽霊ってことでいいや」

上条(なんだこいつ…せっかくの取引を台無しにしやがって)

蛇谷「幽霊だと…」

蛇谷「だったら――墓の下に戻ってろぉぉぉおおぉぉおお!!」

蛇谷「やれ!お前ら!こっちはこの人数だ!武器だってある!」

蛇谷「そんな奴やっちまぇぇええええ!!」

黒妻「…蛇谷。お前変わったな」

スキルアウト2「うりゃああああああ」ブンッ

黒妻「っ」パシッ

男が振り下ろした鉄パイプも、黒妻によってあっさり右手で掴みとられてしまう。

スキルアウト2「ひぃぃぃ」gkgk

黒妻「しっかり歯食いしばれよっ!」

右足から繰り出される蹴りが男の頬を捉え、一瞬遅れて響く肉の抉れる鈍い音。

スキルアウト2「げばふっ」ドカッ

その後殴りかかってくるスキルアウトを数名返り討ちにし、振り返ると後ろに控えていた男が彼の頭に銃口をつきつけていた。

スキルアウト7「死ねぇぇっ」

黒妻「」パシッ

黒妻「やめておけ。お前ら程度じゃせいぜい同士討ちが関の山だ」

しかし黒妻の気迫に押された男は、あっさり拳銃を落としてしまう。

黒妻「ぜっ!」

スキルアウト7「あべしっ」ドカッ

その後も頭突きに飛び蹴り、回し蹴りというバラエティの尽きない体技で敵を圧倒
残すところ蛇谷と数名。

御坂「この人…」

白井「強い…!!」

蛇谷「なんなんだよ…!なんだよ!」

上条「チッ…敵じゃないと思って放っておけば、ずいぶん数減らしやがって!これ以上何もすんじゃねえ!」ドカッ

黒妻「ぐはっ」ゴロゴロゴロ

御坂「」

白井「」

上条「てめぇ、俺が必死に探して回った情報源をこんなにしやがって!」

黒妻「チッ…油断した!お前の部下にも骨のある奴がいたようだな」

蛇谷「い、今のうちだ!」ダダダーーー

スキルアウト「ちょっと待って下さいよ!」ドドドドーー

上条「おい!待てって!!」

黒妻「待つのはお前だっ!」

上条「まだ邪魔すんのかお前!」パシッ

黒妻「ほう…俺のパンチを止めるとは!」

上条「てめぇには2度も邪魔されたからな!」

上条「おらっ」

上条の上体が大きく後方へ投げ出され、浮き上がった両足のつま先が黒妻の顎に食い込む。

黒妻「がはぁっ」

上条の予想外の動きに出足が鈍った黒妻は大きく後方へ飛ばされる。

上条「この野郎、もうあいつら見えねえじゃねえか!」

黒妻「ぐはっ…」

黒妻(なんだあの動き…どこまで戦い慣れしてやがる)

上条「また振り出しだぜ、不幸だ」

御坂(味方に何やってんのよアイツ!?)

白井(おかしい…おかしいですの!!)

黒妻「お前ら…なぜ能力者狩りなんて…」

上条「俺をてめーのお友達と一緒にすんじゃねえよ」

上条「俺はただ人を探している。ここが手がかりだったんだ」

黒妻「…それはすまない。悪いことをした」

上条「謝られてももう遅い。仕方ねえからもういいよ」

御坂「探してるって誰のこと?」

上条(そういやこいつらのこと忘れてた…)

上条「お前もレベル5なら知ってるかもしんねーな」

上条「ベクトルを操る能力者だ」

白井「ベクトル変換…確か聞いたことがありますの」

上条「ほんとか!?」

白井「ええ、確か学園都市第一位の能力がそれだったかと…」

上条「第一位…なるほどな」

御坂「あんた第一位になんの用があるの?」

上条「別に…ただ興味があるだけだ」

上条「とにかくもうここにいても無駄だな。俺は行く」

上条「じゃあな」ヒラヒラ

白井「では、ここにいる全員を拘束しますの」ビシッ

御坂(第一位…)

ワゴン



麦野「よし!ターゲットが一人になったわ」

絹旗「超作戦開始というわけですね」

フレンダ「ここはわたしひとりで行かせて。無能力者なんてイチコロな訳よ」

麦野「今回はダメ。さっきの戦闘で上条はまだまだ底を見せてないように見えたし…」

麦野「ナメてると命にかかわるわ」ギロッ

フレンダ「」ゾクッ

絹旗「はい…上条は能力者ですし」

麦野「いや、さっきのキャパシティーダウンで見たとおりよ。ターゲットは無能力者で間違いない…」

絹旗(確かに…でも…)

滝壺「大丈夫だよきぬはた」ナデナデ

麦野「準備はいいわね、行くわよ」






上条「第一位…予想通りだ」

上条「しかし学園都市のトップと関わりあるやつなんて相当限られてるはずだ…」

上条「第一位クラスの能力者狩りをしようなんて奴らがいたとしても」

上条「…即瞬殺で情報なんて持ってやしねえか」

上条「第一位ね…」

上条「必ず見つけてやる」

麦野「誰を?」

上条「…」

麦野「アンタ、上条当麻で間違いないわね」

上条「はい、そうですけど」

振り返らずに上条は答える。

上条「…4人」

麦野(こいつ…足音だけで人数を把握しやがったのか…)

上条「あ~不幸だ」

上条「オレを殺しに来たのでせうか?」

麦野「話が早くて助かるわ。消されてくれるかしら」

上条「…」スッ

無言で振り返ると、若い女が4人。上条が振り返ると同時に身構えていた。

上条「へぇ。こんな若い連中が…ひょっとしてオレより不幸な連中ですか?」

麦野「えらく余裕ね…そういうの気に入らないわ」ギロッ

絹旗「…」ゴクリ

上条「そっか、アンタ達が暗部とかいう組織なんだ」

麦野(やっぱり普通の一般人じゃない)

上条「じゃあ第一位のこともなんか知ってたりするのでせうか…?」

麦野「第一位って一方通行のこと?」

上条「へぇ…一方通行っていうのか」

麦野「第一位となにか?」

上条「いや…多分すれ違っただけ」

麦野「…」

絹旗「麦野」

麦野「いい。わたし一人で十分よ」

上条「えっと見逃してくれたりなんか…」

麦野「残念。さよなら」

上条「ですよね…」

スッと前に出した麦野の手に集まった光が、まっすぐ上条へ伸びる。

上条「…」パキィィィン

しかし同じように前へ掲げた上条の右手によって発光体はかき消されてしまう。

上条「能力はレベル5」

上条「原子崩し」ニヤ

先ほどまでとは打って変わった上条の目つきに、アイテムは動揺を隠しきれない。

上条「へぇ…これもまた便利な能力だ」

麦野「――っ!!」

麦野「滝壺ぉ!どうなってる!やつの拡散力場は!」

滝壺「…ない!やっぱりAIM拡散力場が感じられない」

フレンダ「どういうことなわけ!?」

絹旗「超能力のたぐいではないということですね…信じられませんが」

麦野「てめぇ…妙な能力使うじゃねえか」

このときになってやっと奇妙な依頼内容に納得ができる。

上条「じゃあ上条さんはこれで」ヒラヒラ

麦野「待てクソがぁ!」

再び麦野から、今度は莫大な光が放たれる。

上条「あれやってみるか」ビリビリ

上条は持ち主がやってみせたように、建物の金属部位に向けて青白い電気を発し
そのまま原子崩しを避け磁場を操り壁を登っていく。

上条「これは使えるな。あの中学生のいないところでは」

麦野「なんだよあれ!」

滝壺「AIM拡散力場がいきなり出現した」

麦野「なんだと!?」

滝壺「大丈夫。拡散力場は記憶した」

滝壺「!?」

麦野「どうなってやがるあの男!まてよ頭の中がぐちゃぐちゃになってきやがった!」

麦野「拡散力場がいきなり現れただと!?」

滝壺「あのひとが電撃系の能力を操った瞬間にあらわれた」

フレンダ「話しについていけない訳よ」オロオロ

アイテムが混乱している隙に、上条は壁を登りきり、彼女たちが気づく頃には上条の姿は消えていた。

麦野「っ!アイツ逃げやがった!滝壺!やつの位置は!」

滝壺「ダメ。またいきなり拡散力場が消えてしまった」

麦野「どうなってやがる!クソがぁぁ!」

フレンダ「麦野…落ち着いて!」アワアワ

絹旗「超頭がこんがらがってきました」

麦野「AIM拡散力場が出たり消えたり…いままでそんなことあったか?」

滝壺「ううん。ありえない」

滝壺「完全にAIM拡散力場が消えることも普通じゃない…」

絹旗「でも一応任務は超完遂ですね」

麦野「腑に落ちねーけどな」イライラ

麦野「もう任務なんざ構いやしねー…次見つけたらブ・チ・コ・ロ・シ・カ・ク・テ・イ・だぁぁ」

フレンダ「ヒィィィっ」

滝壺「やっぱりおかしい…」

絹旗「超またですか?上条という男おかしいことだらけですね」

滝壺「余計に混乱するから言わないでおこうと思ったけど…かみじょうのAIM拡散力場が超電磁砲のAIM拡散力場と一致する」

麦野「はぁぁぁ!?」

滝壺「スキルアウトのアジトで見かけた超電磁砲のAIM拡散力場と全く同じだった」

麦野「…ますますわからねえ」

麦野「じゃあヤツの拡散力場を見けようにも超電磁砲が常に同じ拡散力場を発してるってことか」

滝壺「きっとそういうことになる」

絹旗「さらに上条の拡散力場は消えたり現れたり…」

絹旗「超頭痛くなってきました…」

フレンダ「報酬報酬♪」

麦野「わからねえことが多すぎる」

麦野「まぁいいわ。次に会ったら確実に息の根を止めてやる!アイテムで殺し損ねたのははじめてだ」

フレンダ「ヒィィィッ」

絹旗「フレンダ超ビビりすぎです」

滝壺「大丈夫、わたしはそんなフレンダを応援してる」

このSSまとめへのコメント

1 :  SS好きの774さん   2014年01月17日 (金) 19:52:38   ID: bctADbxN

こーゆうの好きよー

2 :  SS好きの774さん   2014年01月19日 (日) 07:51:51   ID: WRHtlNuo

更新はよー

3 :  SS好きの774さん   2014年01月19日 (日) 22:04:40   ID: 9T4EjIX-

期待です

4 :  SS好きの774さん   2014年01月22日 (水) 18:59:54   ID: hpLPkufE

おもしろいー
更新待ってます

5 :  SS好きの774さん   2014年01月29日 (水) 21:07:19   ID: Nq5PJcRL

早く続き見たい(≧∇≦)

6 :  SS好きの774さん   2014年02月04日 (火) 22:25:57   ID: tMkUklyV

続き気になる

6 :  SS好きの774さん   2014年02月04日 (火) 22:25:57   ID: tMkUklyV

続き気になる

7 :  SS好きの774さん   2014年02月15日 (土) 22:41:43   ID: xwzLnGBR

まだかなー

8 :  SS好きの774さん   2014年03月20日 (木) 12:25:31   ID: Mn4Q2NSM

はよ〜

9 :  SS好きの774さん   2014年03月25日 (火) 22:23:18   ID: dgcnhved

続きこーいってミサカはミサカはうP主に呼び掛けて見たり

10 :  SS好きの774さん   2014年05月03日 (土) 22:17:54   ID: 42POKGqh

上条の使うのって能力吸収ですか?

11 :  SS好きの774さん   2014年05月03日 (土) 22:18:55   ID: 42POKGqh

AIMドレインっていうことですか?

12 :  SS好きの774さん   2014年05月05日 (月) 20:28:59   ID: jYhjJhGY

最近のss作者ってモチベーションの低い奴ばっかだよな
たとえ荒らしがわいていようと期待してる読者がいる以上続けるべきだ
続けられないならせめてその旨を書けばいいのに…

13 :  SS好きの774さん   2014年05月19日 (月) 18:01:23   ID: 5rMXXtuM

続きを...

14 :  SS好きの774さん   2014年05月21日 (水) 02:05:36   ID: 91TDe4nO

お願いします

15 :  SS好きの774さん   2014年06月05日 (木) 02:49:43   ID: n61T6o_s

放置かよ

16 :  SS好きの774さん   2014年11月10日 (月) 21:52:27   ID: gL1si6Fo

実に面白い、支持する
続きはよ

17 :  SS好きの774さん   2014年12月28日 (日) 22:25:40   ID: nThIk5ry

もうあきらめます

18 :  SS好きの774さん   2014年12月30日 (火) 16:13:50   ID: -_24-Ktu

続かないのかぁ…(´・ω・`)

19 :  SS好きの774さん   2016年11月07日 (月) 22:26:28   ID: b_4JlL0V

そして2年という歳月が経った....。

20 :  上条侑奈   2018年06月20日 (水) 16:52:40   ID: osk7uoFm

面白いからお兄ちゃんの作品よろしくお願いします!!

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