禁書「とうま、それくさい」上条「ん?納豆のことか?」(218)

禁書「それがNATTO・・・」

上条「ごはんにかけて食べるんだ、うまいぞぉー」グチャグチャ

禁書「くさい!!ものすごくくさいんだよ!!」

上条「まぁイギリス人にとっちゃそうかもなー」グチャグチャ

禁書「とうま、それ捨ててきて」

上条「はぁ?お前何言ってんだよ!!食べ物を粗末になんてできるわけねえだろうが!!」

禁書「じゃあベランダで食べてきて」

上条「何が悲しくてベランダで朝食とらねーといけねーんだよ・・・」

禁書「だってくさいんだもん!」

上条「そうは言うがなぁ・・・」

禁書「くさいくさいくさいくさいくさいくさい!!!」

上条「これ結構うまいのになぁ・・・・ だがこれをさらにおいしくするために」カパッ

ネチョッ

禁書「・・・・それ何?」

上条「イカの塩辛をきざんんだものだ、納豆に混ぜるとこれがまたいいんだよな」

禁書「うえぇぇ・・・きもちわるい・・・・」

上条「これも日本では立派なごはんのおかずなんだけどなー」ポトッ

ネチョネチョ

禁書「きもちわるいんだよ!!早く私からはなれてほしいんだよ!!」

上条「わかったわかった、これをご飯にのせて・・・」ドロッ

ネバァ

禁書「・・・・おねがいだからそれを食べるところは見せないでほしいかも」

上条「はいはいわかりましたよ、ベランダに避難しますよ」

ガラッ ピシャッ

禁書「くさい・・・・ 私の歩く教会ににおいがうつっちゃうかもなんだよ・・・・」

スフィンクス「朝から騒々しいな」ニャーン

禁書「あ、スフィンクス」ヒョイ

スフィンクス「こらこら、私も食事にしたいんだぞ?」ニャーン

禁書「とうまのせいでお部屋がくさくなっちゃったよねー?」

スフィンクス「何、この程度われ等にはどうということはない」ニャーン

禁書「これはひょっとして・・・ 私に対する嫌がらせ!?」

スフィンクス「少女よ、少年は嫌がらせなどをするような男ではないぞ?」ニャーン

禁書「このあいだとうまが帰ってこなかったからついつくりおきのカレー(三日分)を全部食べたのまだ怒ってるのかな?」

スフィンクス「あの時は買い置きのパンも全滅させていたなぁ・・・」ニャーン

ぐ~~~

禁書「はぁ、とりあえずご飯にするんだよ・・・」カチャカチャ

スフィンクス「いつもどおりどんぶり山盛りのご飯か、その体のどこにそれだけ入るのか・・・」ニャーゴ

禁書「う・・・・」

スフィンクス「どうした?」ニャ

禁書「このにおいのする中で食べるのは嫌なんだよ・・・・ そうだ、玄関のドアを全開にすればいいんだよ」

スフィンクス「うむ、換気は大事だからな」ニャ

禁書「はやくしないとお部屋の中がくさくなっちゃうんだよ」トテトテ

ベランダ

上条「ったく・・・ まさかベランダにお盆を持ってくるとは思わなかったぜ」

上条「ちょうど室外機があるからこれをテーブルのかわりにしてっと・・」コトッ

上条「立ち食いで朝食とるのなんて初めてだな・・・」

上条「ま、いっか、いただきまーす」

もぐもぐ

上条「うーーん、このねっとりとした中に広がる塩辛と納豆のうまみがたまんねぇ・・・」

上条「これに野菜たっぷりの煮干出汁の味噌汁を一口」ズズ

もぐもぐ ごっくん

上条「はぁ・・・・ 俺ってやっぱり日本人だよなぁ・・・」

禁書「ごっはん♪ ごっはん♪」

スフィンクス「ドアを全開にするとこのタイプだと外から中の様子が丸見えなのだが」ニャフ

スフィンクス「最上階で一番端というのが幸いしているな」ニャウ

禁書「むー、おかずがすくない・・・・」

禁書「鯵の干物と卵焼きと鶏のそぼろとおひたししかないんだよ」

スフィンクス「十分ではないか」ニャニャ

禁書「まあお味噌汁が具だくさんだからそこだけは評価してあげるんだよ」

禁書「それじゃあいただきまーす」

上条「それにしてもこれってそんなにくさいか?」クンクン

上条「俺にはいいにおいにしかおもえねーんだけどなぁ・・・」

上条「でも日本でも関西じゃ食べないって聞くしイギリス人のインデックスに受け入れられないのもしょうがないのかもな」

上条「やれやれ、この分じゃ今後納豆を食べるのは控えたほうがよさそうだな」

上条「しゃーねーか、今はこの納豆ご飯をおいしく食べることだけ考えよっと」

禁書「ふぅ、おなかいっぱいなんだよ」ゲプ

スフィンクス「炊飯ジャーと味噌汁の鍋を空にするとは平常運転ではないか」

ガラッ

禁書「あ、とうま」

上条「お、そっちも食べ終わったか、じゃあまとめて洗っちまうか」

禁書「とうま・・・やっぱりあれ全部食べたの?」

上条「おう、うまかったぜ」

禁書「・・・・信じられないんだよ・・・」

上条「文化の違いってやつだ、今まで気づいてなかっただけで探せばこういうことって結構あるもんだぞ?」

禁書「うぅ・・・勘弁してほしいかも」

上条「おっと、口の周りがねばねばするから今日は入念に歯をみがかねえとな」

禁書「ねえとうま」

上条「ん?」

禁書「これからもNATTOを食べることってあるの?」

上条「うーん、食べたくなることもあるだろうけどお前がここまで嫌だって言うなら我慢するよ」

禁書「・・・ほんと?」

上条「おう、さすがにベランダで立ち食いの朝食をするのはもう嫌だからな」

禁書「むーー! そういうことじゃないんだよ!!」

上条「ん?何怒ってるんだ?」

禁書「とうまの馬鹿」

上条「それじゃあ学校に行ってくるからちゃんと留守番してるんだぞ?」

禁書「うん」

上条「晩飯は何がいい?」

禁書「えっと・・・ ピザがいいんだよ!」

上条「うちにはデリバリーを頼めるお金はありません」

禁書「じゃあ作って」

上条「うちにはそんな大層な窯はありません」

禁書「じゃあできないの?」

上条「スーパーでオーブンで焼くだけのやつ買ってきてやるよ。味に文句言うなよ?」

禁書「でもでも、おいしくないのは嫌なんだよ」

上条「・・・・善処するわ」

学校

上条「はぁ、朝からなんか疲れちまったな・・・」

土御門「いよーうカミやん、朝から暗い顔をしてどうしたんだ?」

上条「ああ、ちょっとな・・・」

青ピ「なんや、気になる女の子でもできたんか?」

上条「そういうんじゃねえよ・・・」

吹寄「上条当麻、貴様のことだから留年の心配でもしてるんでしょう?いまさら後悔しても遅いわよ」

姫神「上条君。お金と単位以外の悩みなら相談に乗る」

上条「あー・・・・ まあ色々といいたいことはあるがなあ、お前らって納豆食べるか?」

 「「「は?」」」

土御門「まあ食べるっちゃ食べるぜい」

青ピ「僕は食べへんで」

吹寄「私は割りと食べてるかも」

姫神「前はよく食べてた」

上条「うーん・・・ 青ピは何で食べないんだ?」

青ピ「僕んとこは納豆食べる習慣があらへんかったからなぁ それに匂いも耐えられへんし」

上条「そうか、やっぱり関西の人ってみんなそうなんだな」

青ピ「いやいや、関西では食べない人が多いだけで僕の周りでも食べる人は食べてたで」

吹寄「ま、あの匂いだと嫌いな人はとことん嫌いでしょうね」

上条「そうか・・・」

土御門「何だ、カミやんの悩みは納豆絡みだったのか」

上条「そんなとこだな」

姫神「納豆で悩むなんて上条君にいったい何が・・・」

上条「いや、ちょっと外国人の前で納豆を食べる機会があってな」

吹寄「はあ?貴様外国人の知り合いなんていたの?」

青ピ「初耳やで」

土御門(インデックスか)

姫神(あのシスターか)

上条「いや、知り合いっていうかその、外食した時にだよ」

吹寄「ふーん・・・」

青ピ「日本人でも嫌いな人結構おるからなぁ、そら外国の人はたまったもんじゃないでえ」

土御門「で、何て言われたんだ?」

上条「とにかくくさいって連呼されたぜ」

吹寄「確かにそのとおりだけどなんか癪に障るわね」

青ピ「文化的なものもあるんやろうけどなぁ・・・」

姫神「納豆って辛子を入れるとそんなに匂わないって聞くけどどうなんだろう?」

上条「たぶんそんなに変わらないと思うぞ?」

土御門「おまけに食べたら食べたで口や食器がべたついてしょうがねーからなぁ・・・」

上条「確かに洗うのは手間だな」

吹寄「なかなか落ちないしね」

姫神「空き容器も洗わないとにおいがきつい」

上条「ごみの日の朝に食べるのが一番だな」

土御門「ところでカミやん、納豆はどうやって食べるんだ?」

上条「ん?俺は刻んだイカの塩辛を混ぜるぞ?」

 「「「えっ?」」」

上条「あれ?」

土御門「ないぜい・・・カミやん」

上条「え?何でだよ。結構うまいぞ?」

青ピ「どっちも苦手やわ」

吹寄「私は明太子ね」

姫神「私高菜」

土御門「シラスと大根おろしだぜい」

上条「みんなバラバラだな・・・」

青ピ「僕にとってはどうでもええ話やで」

青ピ(両親が関西なだけとで納豆も割りと食べてるんやでーとはいまさら言えへんなぁ・・・)

吹寄「大根おろしって水っぽくなるんじゃないの?」

土御門「水気をしっかりときればそうでもないぜい」

姫神「だがそれでも高菜のシャキシャキとした食感にはかなわない」

土御門「ほう、言ってくれるな」

土御門「シラスに詰まった塩と魚のうまみが納豆と調和し、それを大根おろしが引き立てる。そのすばらしさといったらもう」

吹寄「明太子のぴりっとした辛さと細かい卵が舌の上で混ざり合うのにかなうものがあるとは思えないわ」

姫神「だがそれでも高菜と混ぜた時のすがすがしさにはかなわない」

上条「いやいやお前ら、イカの塩辛っていうのもこれはこれでだな」 「「「ねーよ!!」」」

上条「ひでぇ・・・」

青ピ「何か段々殺伐としてきたでぇ・・・」

土御門「どうやら白黒つける時が来たようだな」

吹寄「上等、みんなをひれ伏してやるわ」

姫神「これだけはゆずれない・・・」

上条「塩辛うめーんだけどなぁ・・・」

ガラッ

小萌「みなさーん おはようございまーす!!」

土御門「ちょうどいい、先生の意見も聞いてみようぜい」

吹寄「そうね、第三者の意見はとても重要よ」

姫神「小萌なら高菜のすばらしさを理解していると信じている」

小萌「あ、あのあの、HRをはじめたいので席についてほしいのですよー?

青ピ「こもえせんせー!! 上条君が納豆の食べ方をみんなに押し付けてまーす」

上条「おいこら、いきなり何を言い出しやがる」

小萌「むっ、また上条ちゃんですか、先生を困らせるのもほどほどにしてほしいのですよ?」

上条「そしてそれを真に受けないでください小萌先生」

土御門「先生、納豆には何を入れて食べますかーー?」

小萌「はい?」

上条「えっとですね、俺が納豆にイカの塩辛を入れるって話をしたらみんなが白熱しちゃってですね」

吹寄「辛子明太子ですよね!?」

姫神「高菜!」

土御門「シラスと大根おろしだにゃー!」

青ピ「こほん、それで小萌センセーはどうやって食べるんですかぁー?」

小萌「えっ?先生は卵をといてそのまままぜまぜするですよ?」

三人「「「チッ」」」

小萌「え?えええ?え?舌打ちなんてひどいですよぉー!!」

土御門「卵なんて何のおもしろみもないぜい」

吹寄「そのままご飯にかけたほうがいいくらいよね」

姫神「教師とは問題をおこさずに自分の身を守ることしか考えてない人間の集まり」

小萌「何かいろいろとひどいこと言われてるですよぉー!!」

青ピ「カミやんどうしてくれるん!?こもえちゃん泣かせたらただじゃおかへんで!!」

上条「俺のせいなのかよ!!」

ガラッ

黄泉川「小萌先生ー、避難訓練の案内のプリント忘れてるじゃんよー」

小萌「あ、黄泉川先生ー」ウルウル

黄泉川「ん?どうしたじゃん」

小萌「みんなが先生の納豆の食べ方を否定してそこから教師という職業まで批判しはじめてるですよぉー!!」

黄泉川「へえー、うちのクラスじゃ考えられないおもしろそうなことがおきてるじゃんよ」

黄泉川「で、どうせそこの悪ガキが首謀者じゃん?」

上条「って問答無用で俺ですか!?」

青ピ「そのとおり、上条君が首謀者です!!」

黄泉川「やっぱりか」

上条「いやいや待てよ、俺はただ納豆にイカの塩辛混ぜるって言っただけじゃねーか!!」

小萌「そりゃねーですよ」チッ

黄泉川「ああ、味覚がおかしいじゃんよ」

上条「おおおおおい!!あんたらそれでも教師かよおおおお!!」

黄泉川「それで、塩辛はないとして小萌先生はどんな食べ方をしてるじゃん?」

小萌「私は卵をといてそのまままぜまぜって言ったら舌打ちされたです」

黄泉川「卵といて入れるだけなら卵をそのままあつあつのご飯にかけるほうがおいしいじゃんよ」

姫神「ですよねー」

小萌「うぅ・・・ひどいですよぉ・・・」

黄泉川「お前らは何をまぜてるじゃん?」

吹寄「私は明太子です」

黄泉川「ふむふむ、辛さってのもひとつのアクセントじゃん」

土御門「俺はシラスと大根おろしだぜい」

黄泉川「しょうゆでもポン酢でもいけそうじゃん」

姫神「そして私は高菜」

黄泉川「どれもこれもおいしそうじゃんよ」

土御門「で、先生はどうなんだ?」

吹寄「当然明太子ですよね!?」

姫神「高菜が一番」

黄泉川「私は海苔じゃんよ」

三人「「「えっ?」」」

青ピ「こらまたしぶいなぁ」

上条「海苔ってあれですか?ご飯に巻くやつですか?」

黄泉川「いやいや、つくだにとかにする、要は感想させてないタイプのやつじゃんよ」

小萌「つくだにとかの甘からいやつですか?」

黄泉川「いいや、無駄に味をつけてない素材そのもののやつじゃん」

吹寄「でもそれってあまり見たことないわね」

姫神「うん、乾燥したのか佃煮がほとんど」

土御門「まさかここまでに一人も同じ意見のやつがいないとは・・・納豆とはなんて奥深いんだ・・・」

吹寄「どうしてみんなして明太子のすばらしさがわからないのかしら・・・」

姫神「それはこちらにも言えること・・・」

土御門「こうなったら戦うしかないようだな、己の信念をかけて・・・」

小萌「はわわ・・・平和なクラスが一触即発の火薬庫状態になっちゃったのですぅー!!」

黄泉川「はっはっは、やっぱり思ったとおり楽しいクラスじゃんよ」ゲラゲラ

小萌「笑い事じゃないのですよぉー!」

青ピ「カミやん、この中で誰が生き残ると思う?」

上条「うーん・・・・ 案外姫神かもな?」

上条(能力が能力だしなぁ・・・)

黄泉川「いっそのことどうだ、それぞれの納豆の食べ方ってのを決めるために納豆大会でも開いてみるってのは」

 「「「納豆大会?」」」

黄泉川「そう、それぞれ納豆と好みの食材をもちよってほかの人間に食べてもらうじゃんよ」

黄泉川「それぞれ暮らしてきた環境ってものが違うじゃん、だから試したことない組み合わせってものがあって当然じゃんよ」

青ピ「そう言われたらそうやなぁ」

黄泉川「試してみるとうまい組み合わせってものはあって当然じゃんよ。何より私が聞いた限りじゃ明太子も高菜もシラスと大根おろしもどれも本当においしそうじゃん」

黄泉川「だからなおさら食べ比べってのをやってみたくなったじゃんよ」

土御門「まあ確かに食べもしないで決めるってのは早計すぎたにゃー」

吹寄「わたしとしたことが思慮に欠けたわね」

姫神「危うく殺し合いにまで発展するところだった」

青ピ「さすがの僕もそれは引くで」

小萌「黄泉川先生がきてくれて助かったのです」

上条「塩辛・・・・ やっぱねーのかな・・・」

黄泉川「細かいところはあとで決めるとして、今はHRを進めるじゃんよ」

「「「はーい」」」

黄泉川「うん、いい子じゃん」

小萌「はぁ・・・助かりましたです黄泉川先生」

黄泉川「じゃ、今度の飲み会は小萌先生のおごりじゃんよ」

小萌「そ、それとこれとじゃ話が違うのですよぉー!!」

黄泉川「はっはっはー、楽しみにしてるじゃん」

ガラッ バタン

小萌「もう!!」

土御門「ふっふっふ、勝つのはこの俺だぜい」

吹寄「笑止、その顔を絶望の色に変えてあげるわ」

姫神「どうあがいても私にはかなわない。それをわからせる」

青ピ「すごいなぁ、これ納豆料理とかじゃなくて納豆に何を混ぜるかってだけなんやで・・・」

上条「まさかここまでのことに発展するとは思いもよらなかったぜ」

放課後

上条「あーーー 今日も一日疲れたなー」ノビノビ

上条「さて、インデックスのやつがリクエストしたとおりピザ買ってかえらねーとな」

上条「インデックスのことだから4枚くらいペロリと平らげるだろうし・・・」

上条「俺は冷蔵庫の残り物を平らげるとして足りない分はパスタでもゆでてやればいいか」

上条「たしか缶詰のミーとソースがまだいくつか残ってたはずだし・・」 「あっ!!あんた!!」

上条「ん?」

御坂「あんたも今帰りなの?」

上条「あ、御坂か」

御坂「むっ、何よそのどうでもいい的な反応は」

御坂(やっぱりこいつって・・・・)

上条「いやいや、ちょっと考えことしてたからさ」

御坂「・・・・また厄介なことに巻き込まれてるの?」

上条「まあ厄介っちゃ厄介だけどなあ・・・」ウーン

上条(今日のピザのこともそうだし納豆のこともそうだし・・・どうしてこうなった)

御坂「ねえ、それって私にも手伝えること?」

上条「えっ?」

御坂「教えて、私にも手伝えることなの?」

上条「いやまあ手伝えなくもない・・・ことはないような・・・」

上条(こいつお嬢様だから納豆なんて食べないだろうしスーパーでピザなんて買ったことないだろうからなぁ・・・)

御坂「だったら私も手伝う!あんたにだけ危険なことはさせられないわ!!」

上条「え?今回は危険なこととかじゃないから別に御坂がそうはりきらなくてもいいんだぞ?」

御坂「・・・そうやってまた一人で背負うつもり?」

上条「いや、背負うとかじゃなくてこれは俺の個人的な問題だし・・」御坂「違うわ」

ギュッ

上条「ん?」

御坂「・・・あんただけに・・背負わせないんだから・・」

上条「あれー?」

御坂「だから正直に話しなさい、あんたの身の周りで起こっていることを全部包み隠さず!!」

上条「あのー、御坂さーん?」

御坂「逃げようったってそうはいかないわ!!私はあんただけをあんな血みどろの戦いの場にいかせないんだから!!」

上条「あの・・・・ 背負うとか戦いとかそういうことじゃなくてですね、俺が悩んでいるのは納豆とピザのことなんですが・・・」

御坂「はい?」 「いやああああああ!!! おねえさまああああああ!!!」

上条「ん?」

御坂「げっ、この声は・・・」

黒子「この腐れ類人猿がああああああああ!!!!!」

ドゲシィッ!!

上条「ごっ!!」

黒子「らああああああああああ!!!!!!」

上条「があああああああああああ!!!!!!!!」

御坂「うわぁ・・・・ ノーバウンドで吹っ飛ばされてるわぁ・・・・」

黒子「ほっ!」シュタッ

御坂「黒子・・・」

黒子「お姉さま、お姉さまをたぶらかそうとする悪い類人猿はこの黒子が成敗いたしましたの」ニコ

御坂「あんたねぇ・・・ 色々といいたいことはあるけど私の視界にドぎつい下着をちらつかせるのやめてほしいんだけど?」

黒子「まあ、お姉さまったらしっかりと黒子のバタフライをごらんになられたのですわね!? 黒子はずかしぃー!」キャー

御坂「おっと、そんなことよりあいつのほうが心配だわ」

黒子「ぬなっ!! お姉さま・・やはり・・・」ウルウル

御坂「ば、馬鹿!!そんなんじゃないわよっ!!」タタッ



上条「おぉ・・・ いってえぇ・・・・・」

御坂「ちょと、大丈夫?」

上条「あ、ああ、かなり痛かったけどな・・・」

御坂「ごめん、黒子のやつがとり狂っちゃってさ・・・」

上条「また白井か、携帯の時もそうだったけど俺あいつに恨まれるようなこと・・・」

上条(そういや病院であいつの下着姿見ちまったな・・・・)

上条「まあ、なくはないけどここまでされるもんかなぁ・・・?」

御坂「いやそのえっと、あの子はあの子なりにそのなんというか、と、とにかく!!」

上条「はぁ・・・血が出てないのが幸いか・・・」

御坂「えっと、納豆がどうたらって言ってたけどどういうこと?」

上条「ん?」

上条「えーっと、とりあえず今日学校で納豆の食べ方が話題になってだな・・・・」

御坂「・・・はい?」

上条「だから納豆の食べ方だよ どうせお前のことだから納豆なんて食べたことがないとか言い出すんだろ?」

黒子「まあ、失礼ですわね。常盤台でも食堂で納豆が出ることは珍しくありませんのよ?」

上条「あれ?そうなのか?」

黒子「確かに納豆はにおいがきつくて糸をひいてねばつくことで敬遠する生徒も少なくありませんが常盤台は食にたいして厳しいところがありますのよ?」

上条「へぇー、意外だな」

黒子「納豆は上品に食べることが難しい食材。なればこそそれを上品に食べてこそ淑女といえますの」

上条「俺にはよくわからない世界だな」

上条「で、納豆に何を混ぜて食べるかってことが議論になったわけだ」

御坂「ふーん、ちなみにあんたは何を混ぜるの?」

上条「刻んだイカの塩辛だ」

御坂「うわぁ・・」

黒子「うわぁ・・」

上条「ちくしょうお前らもかよ・・・」

黒子「私は粒うにが一番ですの」

御坂「あ、そういえばあんたよく自分で粒うに用意してるわね」

黒子「うにの磯の香りが納豆の中に隠されたうまみを引き出すのですわ」

御坂「私はシンプルに牛のそぼろかなぁ」

黒子「豆と肉をかみ締める・・・ 素敵な味わいですわね」

上条「うにとか牛のそぼろとか・・ やっぱりこいつらは庶民とは違うんだな」

そのころ

神裂「お邪魔します」

五和「はぁ・・久しぶりです・・」

禁書「ようこそなんだよ」

神裂「相変わらずお元気そうで何よりですね」

禁書「イギリスのほうはどう?」

五和「平和そのものですよ。と言ってもちょこちょこやることはあるんですけどね」

禁書「なら安心したんだよ」

神裂「こちらでは何か問題はないのですか?」

禁書「うーん・・・問題ってほどのことじゃないかもしれなけど・・」

五和「上条さんと何かあったんですか?」

禁書「二人はNATTOって好き?」

 「「・・・はい?」」

五和「イギリスじゃなかなか手に入りませんのでそうそう食べることはありませんが、嫌いじゃないですね」

神裂「私も、梅干ほどではありませんが好きなほうですね」

禁書「ふーん、やっぱり日本人にとっては馴染み深い食べ物なんだね」

五和「納豆がどうかしたんですか?」

禁書「うん、今朝とうまが朝ごはんの前にいきなりNATTOをかきまぜはじめたんだよ」

神裂「朝納豆をかきまぜる、日本の食卓ではよくあることですね」

禁書「でもそれがとんでもなくくさかったんだよ」

五和「くさい・・ですか?」

神裂「・・・・まあ発酵食品はにおいが強いものが多いですからね」

禁書「あまりにもくさかったからとうまにはベランダでご飯を食べてもらったんだよ」

五和「なんと・・・・」

神裂「それはちょっと・・・」

禁書「だ、だってだってとうまったら納豆にイカの塩辛を混ぜ始めたんだよ?」

五和「無いですね」

神裂「ええ、許せません」

五和「イカの塩辛はお酒の肴として初めてその実力を発揮するものですからね」

神裂「・・・また飲んでいるのですか?」

五和「え?あ、あはは すこーしだけですよ?」

神裂「・・・ほどほどにしておきなさい」

禁書「とうまはイカの塩辛がいいって言ってたけど二人は何を混ぜるの?」

五和「私は刻んだ紫蘇ですね」

神裂「私は葱と味噌を少々」

禁書「どっちも私には想像できない味なんだよ」

五和「味噌ですかぁ いいですねぇ」

神裂「ふむ、紫蘇というのは試したことがありませんでした」

五和「紫蘇の香りが納豆のいやなところを隠してくれるんですよね」

神裂「今度ためしてみるとしますか」

禁書「むー・・ なんか奥が深そうなんだよ」

上条「はぁ・・・ やっぱり納豆っていろんな食べ方があるんだな」

御坂「そもそもご飯にかけるだけじゃないしね」

黒子「お味噌汁やオムレツ、チャーハンやパスタなどさまざまな料理方法がありますわね」

上条「あまりおいしそうに思えないものばかりだな」

御坂「でも食べてみると案外おいしいものばかりよ?」

上条「へぇー、知らなかったな」

黒子「何ごとにおいともそうですが、食の道とは長く広いものなのですわ」

上条「そういや今度それぞれの納豆の食べ方を紹介して食べ比べる納豆大会やるんだけどお前らも来るか?」

御坂「ふぇっ!?」ドキッ

御坂(こ、こいつからおさそい・・・・)ドキドキ

黒子「・・・チッ」

上条「あれ?嫌だったか?」

御坂「う、ううううん!!!絶対行くわ!!」

黒子「お姉さまがそうおっしゃるのなら私もお付き合いしますの」

上条「じゃあ詳しいことが決まったら連絡するからさ、その時は食材の準備しといてくれよな」

御坂「うん・・ /////」

黒子「けっ」

上条「さて、俺はそろそろ買い物に行かないといけねーからもう行くわ」

御坂「あ、そうなんだ・・・」ショボン

黒子「ぐぬぬぬ・・・・・」ギリギリ

上条「じゃ、またなー」ヒラヒラ

御坂「また・・ね」フリフリ

黒子(この手で!!この手で葬り去ってやりたいいいいい!!! きいいいいいい!!!)

数十分後

上条「ただいまー」

禁書「おかえりー」

上条「おや、この靴・・誰か来てるのか?」

禁書「かおりといつわが遊びに来たんだよ」

五和「上条さん、お邪魔してます」

神裂「お久しぶりです。上条当麻」

上条「おお、久しぶりだな、元気にしてたか?」

五和「はい、息災でした」

神裂「あなたのほうもお変わりないようですね」

上条「ああ、幸いここんとこ怪我ひとつしてねーからな」

上条「そうだ、せっかくだからこれ口に合うかわからねーけどさ、食べてくれよ」ガサッ

五和「おや、お菓子ですか」

上条「インデックスにって思ったんだけどな」

神裂「ではせっかくですからいただくことにしましょう」

禁書「ところでとうま、ピザは買ってきてくれた?」

上条「もちろんだ、数は少ないけどほら」

禁書「やったー!! 今日はピザなんだよー!!」

五和「それ電子レンジで焼くやつですか?」

上条「そうだ、レンジが狭いから少しずつしか焼けないのが面倒なんだけどな」

神裂「どうせならデリバリーを頼んではどうですか?」

上条「いやいや、それをやっちゃうと上条さんの財布が一気に氷河期に突入しちゃうんですよ」

神裂「いつもお世話になっているのです、ここは私が出しますよ」

上条「え、マジで?」

神裂「はい、任せてください」

禁書「ってことは・・・」

上条「やったなインデックス、いつもチラシを見るたびにお前が俺にねだっていたあのピザが食べられるぞ!」

禁書「わーい!!やったー!!」

上条「ありがとう神裂、俺はこの恩は一生忘れないぜ」

神裂「大げさですね、このくらいどうってことはありませんよ?」

五和(くっ、完全に出し抜かれる形になりましたか・・・)

上条「よーしインデックス、ちょうどポストに入っていたこのチラシの中から食べたいやつを選ぶんだ!」

禁書「はぁぁ・・・・」ダラダラ

神裂「インデックス、よだれがたれていますよ?」

禁書「これとこれと・・・これもおいしそうなんだよぉ・・・」ダラダラ

五和「聞こえてませんね」

神裂「やれやれ・・・」

禁書「む!」

上条「どうした?」

禁書「NATTOが乗ってるピザがあるんだよ」

上条「あ、ほんとだ」

五和「へぇー、日本ならではですね」

神裂「むこうじゃまずありえないトッピングですからね」

禁書「とうま、NATTOってすごくくさかったけど食べるとおいしいの?」

上条「ん?何だ納豆に興味が湧いたのか?」

禁書「んー、ちょっと気になっただけなんだよ」

五和「なら、ひとつ頼んでみますか?」

禁書「むー・・・・」

神裂「インデックスが無理なら私たちが食べればいいだけのことですからね、頼んでみましょう」

禁書「でもあのにおいが充満するのはいやなんだよ」

五和「過熱すればにおいは強くなりますけど換気すればどうってことはありませんよ?」

禁書「そうなの?」

神裂「納豆のにおいは衣類や髪に染み付くというものではありませんからね」

上条「ま、どうしても嫌だってんならまたベランダで食べるだけだ」

五和「ベランダでご飯・・・ 体験したことありませんね」

神裂「発想を変えて夜景を楽しみながら、というのでいいのではないでしょうか?」

禁書「むー、でもそれだと何か私だけのけ者ににされてるみたいなんだよ」

五和「四人中三人ですからねー、こればっかりはしょうがないところもありますね」

神裂「ですが決してそういう気持ちがあるものではありませんからね?」

禁書「わかってるんだよ。わかってるけどなんかそんな気になるんだよ」

上条「お前ってそんなにさびしがりやだったのか?」

禁書「むっ!! 何か馬鹿にされてる気がするかも!!」

上条「こらこら熱くなるな、考えすぎだぞ」

御坂「えーと、確かあいつは納豆にイカの塩辛って言ってたわよね」

黒子「お、お姉さま、まさか試そうなどというのではないでしょうね?」

御坂「え?試すに決まってるじゃない」

黒子「なんですと・・・ いくらあの殿方の好みだからといって無理にあわせる必要はございませんのよ?」

御坂「ば、馬鹿!! ちがうわよ!! 私は純粋にいろんな組み合わせを試してみたいだけなんだから ////////」

黒子「くぅぅ・・・ なんとわかりやすくけなげなのですのお姉さま、そしてなぜそのお気持ちが私に向きませんの・・・」

御坂「えっと、塩辛と納豆の比率ってどのくらいがいいのかしら? 1:1じゃ塩辛のほうがきつそうだし・・・・」ブツブツ

黒子「きいいいいいくやしいいいい!!! 黒子もお姉さまに想われたいですのおおお!!!」

某所

滝壺「まーぜまぜー♪ まーぜまぜー♪」グチャグチャ

絹旗「このにおい、納豆ですか?」ヒョコ

滝壺「あ、きぬはた」

絹旗「ほうほう、どんぶりの中にこれは結構な量の納豆が入ってますね」

滝壺「安かったし体にいいものだからね」

絹旗「これこのままごはんにかけて食べるんですか?」

滝壺「ううん、納豆パスタを作ろうと思う」

絹旗「納豆パスタですか、食べたことはありませんがおいしいんですか?」

滝壺「うん、案外おいしいよ?」

絹旗「ほうほう、それは楽しみですね」

滝壺「納豆はたくさんかき混ぜてねばつかせるのがポイント」グチャグチャ

絹旗「すっごい糸ひいてますね・・・ 超びっくりです」

フレンダ「今日のご飯なんだろうねー?」ダラー

麦野「さあねー、滝壺が作るから少なくともまずいってことは無さそうよね」ダラー

フレンダ「麦野ー、みかんひとつとってー」

麦野「やーよ、自分で取りなさい」

フレンダ「えー、私のポジションからだとどう考えてもこたつから出ないといけないじゃない」

麦野「で、私にはこたつから出ろっての?」

フレンダ「こう麦野のポジションからなら寝そべって思いっきり手を伸ばせば箱に手が届くわけよ」

麦野「嫌よ、そんなみっともないの私やらないわ」

フレンダ「さっきやってたわけだけど?」

麦野「それは目の錯覚よ。眼科に行きなさい」

絹旗「はぁー、寒い寒い」トテトテ

フレンダ「絹旗!」

絹旗「はい?」 麦野「絹旗、そこからみかん取って」

フレンダ「あ、ずるっ、私が頼もうとしたのに」

麦野「早いもの勝ちよ」

絹旗「何を競っているんですか二人とも」

フレンダ「絹旗、私にもみかん」

絹旗「え?」

麦野「フレンダのことはどうでもいいわ、私にだけ持ってきなさい」

フレンダ「いくらリーダーだからってそこまでの権限は無いわけよ」

麦野「リーダーだから言ってるんじゃねえ、私はみかんが食べられなくて悔しがるフレンダの前で優雅にみかんを食べたいだけよ」

フレンダ「なんて極悪非道な精神の持ち主・・・だがそれでこそ麦野・・・」グヌヌ

絹旗「えっと、いっそのことみかん箱をこたつの上に置くというのはないんですか?」

フレンダ「そんなことしたらみかんを取る手が止まらなくなるわけよ」

麦野「絹旗は私たちの指を黄色くしたいのかしら?」

絹旗「・・・どうやら私には超理解できないこだわりがここにあるみたいですね」

麦野「さあさあ早くしなさい絹旗」

フレンダ「麦野の言うこと聞いちゃだめなわけよ。私にだけみかんを!」

絹旗「むー・・・ 持ってきてもいいですが条件があります」

麦野「何?」

フレンダ「言っておくけど私はこたつから出たくないわけよ」

麦野「私もー」

絹旗「なんとなく意地悪したくなったので今から二人の足をこの冷たい手でさわりたいと思います」

フレンダ「待てい」

麦野「絹旗は拷問マニアだったのかにゃーん?」

絹旗「ふっ、批判はうけつけません、どうしても批判をするというのなら自分でみかんを取ってください」

フレンダ「なんて卑怯な・・・・」

麦野「いつの間にここまで成長してたのかしら?ちびっ子ってあなどれないわ・・・」

絹旗「ちびっこ言わないでください!!私はまだ成長期なんですからね!!」

フレンダ「何が楽しくて私たちのぬくぬくなこの足をいたぶろうとしてるわけ?」

麦野「そもそもみかんと関係あるの?」

絹旗「ただパシられるってのは私の性に会いません、なので私の冷たい手で触られて我慢できたほうにみかんをもってきてあげます」

フレンダ「こいつ・・・人の弱みにつけこむなんて・・・」

麦野「絶対将来ロクな大人にならないわよ?」

絹旗「批判はうけつけないと言ったじゃないですか、どうするんですか?これを乗り越えないとみかんは手に入りませんよ?」

フレンダ「・・・・しょうがない、受けてたつわけよ」

麦野「ったくみかんひとつで面倒なことするわね」

絹旗「すべては二人の態度の問題であるということを自覚してください」

フレンダ「それじゃ、ちゃっちゃとやっちゃってほしいわけよ」

麦野「そうそう、私らからだがみかん求めてしょうがないんだからねー」

絹旗「それではしばしお待ちを」トテトテ

フレンダ「あれ?」

麦野「いっちゃったわね」

滝壺「パスタをゆでて・・・」グツグツ

滝壺「ソースはオリーブとにんにくすこしと・・・」

トテトテ

滝壺「ん?」

絹旗「滝壺さん、アイスってまだ残ってましたっけ?」

滝壺「さっき見たとき何個か残ってたよ」

絹旗「よしよし、それでは・・」ガチャッ

ゴソゴソ

滝壺「サラダはあれでいいから・・・」

絹旗「よし、これでOKです。いざ!!」

滝壺「あ、きぬはた、冷蔵庫はちゃんと閉めてね」

絹旗「おっと、いけないいけない」パタン

絹旗「では気をとりなおして!」トテトテ

絹旗「おまたせしましたー!! それではこれより二人に私の冷たい手を味わっていただきます!!」

フレンダ「こいつ・・・ その手に持ってるのは・・・」

絹旗「ふっふっふ、冷たい冷たいアイスクリームです」ニヤリ

麦野「まさかここまでするとは思いもよらなかったわ・・・」

絹旗「さあさあ、覚悟はいいですか?アイスを握って超冷たくなってる私の手を耐えないとみかんは手に入りませんよ?」

フレンダ「ぐぬぬ・・・」

麦野「難易度あげやがって・・・」

絹旗「覚悟はいいですか?」

フレンダ「・・・・しょうがない、いつでも来い」

麦野「フレンダにだけは負けないわ・・・ 絹旗、やっちゃって」

絹旗「ではまずアイスを置いて・・・ そりゃっ」ガバッ

フレンダ「うわっ!こたつの中につめたい空気が!!」

麦野「さむっ!!」

絹旗「とりゃあっ!!」

ピトッ

フレンダ「ひゃああっ!!」ビクゥッ

麦野「いやぁぁっ1!」ビックゥ

絹旗「はっはっはー、そりゃそりゃそりゃー」ペタペタ

フレンダ「ストップストップ!!絹旗ストップ!!」

麦野「つめたああああ!!!!」

絹旗「ふふん、参りましたか?」

フレンダ「あー、つめたぁ・・・」

麦野「何これ神経敏感になってたのかしら? すっげー冷たいんだけど」

絹旗「楽をしようとするからです、超反省してください」

フレンダ「ってことはみかんは?」

絹旗「無しです」

麦野「ま、しょうがないわね、それじゃあ変わりにアイスもーらいっ」ヒョイ

絹旗「え?」

フレンダ「あ、私もー」ヒョイ

絹旗「あれ?」

ビリビリガサガサ

麦野「コタツで食べるアイスってのもまたおいしいわよね」ペロペロ

フレンダ「ほてった体を潤してくれるわけよ」ペロペロ

絹旗「うわあああああん二人とも何してくれるんですかああああ!!!」

麦野「え?だって目の前にあったから」

フレンダ「ちょうどふたつあったし」

絹旗「それは私が食べようとしてたやつですよおおおお!!!」

麦野「あー、そうなんだー」ペロペロ

フレンダ「てっきり私たちのためかと思ったわけよー」ペロペロ

絹旗「ひどいです・・・超ひどいですぅ・・・・」グヌヌ

麦野「って言われてもこれ私が買ってきたやつだし」

フレンダ「うむ、何も問題ないわけよ」

絹旗「おお有りです」

滝壺「よし、麺ができた・・・・」フゥ

滝壺「あとはこれをからめるだけ」

滝壺「みんなにそろそろご飯って言っておかないと、またみかん食べすぎて入らなくなっちゃう」

滝壺「きぬはたもアイス食べるみたいだしほどほどにしてもらわないと・・・」

滝壺「みんなー」トテトテ

滝壺「そろそろご飯できるよー」

麦野「あ、ほんと?」ペロペロ

フレンダ「待ちわびてるわけよ」ペロペロ

絹旗「この二人・・・いつか泣かしてやります・・・」

滝壺「あれ?二人がアイス食べてる」

麦野「やさしい絹旗が私たちのために持ってきてくれたのよ」ペロペロ

フレンダ「そうそう、絹旗のやさしさに感謝ってわけよ」ペロペロ

絹旗「強奪したくせにぃ・・・」

滝壺「???」

麦野「で、滝壺、今日のご飯は何?」

滝壺「今日は納豆パスタだよ」

フレンダ「え?納豆パスタ?」

滝壺「うん、納豆とイクラをからめて食べてもらう」

麦野「それおいしいの?」

滝壺「もちろん」フンス

フレンダ「納豆をパスタにかぁ・・・ なんか邪道なわけよ」

絹旗「と、いいますと?」

フレンダ「納豆といえばあったかいご飯に鯖フレークと混ぜ合わせたのが一番なわけよ」

滝壺「納豆にもさばとはさすがふれんだ」

麦野「私はシャケフレークね」

絹旗「こちらもですか」

滝壺「きぬはたは納豆に何入れる?」

絹旗「私はオクラですね」

滝壺「おお、ねばねばにねばねば」

絹旗「山芋なんかもおいしいらしいですよ?」

麦野「で、滝壺は何まぜるの?」

滝壺「わたしはかつおぶし」

フレンダ「ほう、滝壺も魚ってわけよ」

絹旗「つまり何が言いたいんですか?」

フレンダ「絹旗一人だけ仲間はずれってわけよ」

絹旗「むかっ! ちょっと頭にきました」

麦野「こらこら、たかが納豆で怒らないの」

絹旗「納豆だけではありません!!アイスについても超納得できません」

フレンダ「しょうがないなあ、ここは私が絹旗のために持ってきてあげるわけよ」サッ

絹旗「あれ?なんでそんなにあっさりこたつから出るんですか?」

フレンダ「トイレってわけよ」

麦野「あ、そりゃしょうがないわ」

フレンダ「だからそのついでに絹旗のためにアイスを取ってきてあげる。どう?私って優しいでしょ?」

絹旗「ふざけんな鯖中毒」

さるくらってました 書き込みが途絶えたらさるだと思ってください

禁書「うわぁ・・ ピザがいっぱいなんだよ」

上条「どれもこれもうまそうだな」

禁書「だけどこの中で強烈に自己主張しているものがひとつあるんだよ」

神裂「やはり一際鼻につきますね」

五和「ええ、すごくわかりやすいです」

禁書「むぅ・・・・」

神裂「私たち日本人がヨーロッパのチーズを食べる時もこういう反応ですしね、気持ちはよくわかります」

五和「吐きそうになったやつもありました・・・」

上条「海外のチーズは臭いって聞くけどそんなになのか・・」

神裂「ええ・・・とてもそれが食べ物とは思えないくらいの・・・」

五和「インデックスさんは今そんなお気持ちなんでしょうね」

上条「でもこれ納豆にチーズってなんだかすごい組み合わせだよな」

五和「ですね、その上に海苔が乗ってるところがまたなんともいえませんね」

神裂「では味見で少しだけ切り分けてみましょうか」チャキ

禁書「でもよく見るとあのねばねばがなくなってるみたいなんだよ」

上条「加熱することで少しは抑えられてるからなぁ」

五和「べたつくのが苦手って方は加熱するのがいいかもしれませんね」

神裂「ですが苦味が強くなりますからね、苦手な方には少々酷かもしれません」

上条「あ、俺たちにも少し切ってくれないか?」

五和「味見してみたいです」

神裂「わかりました、もう少し待っててくださいね」

禁書「ドキドキなんだよ・・・」

カチャカチャ スチャッ

神裂「このくらいの大きさでいいでしょうか?」

上条「うん、見事に一口の大きさになってるな」

五和「本来なら私がやらなくてはならないのですが・・・」

神裂「気にしなくていいですよ。今は上下とかそういう堅いことは抜きです」

上条「だってさ、気にしないで一緒に楽しもうぜ」

五和「・・・はい」

神裂「では各自一切れずつ手にとってください」

上条「じゃ、俺はこれ」

五和「私はこれにします」

神裂「ではこれを」

禁書「むぅ~~~~・・・・」

上条「インデックス、食べられそうなら口に入れてみろよ?」

禁書「うん・・・」

五和「だめなら私たちが食べますからね?」

神裂「私たちがチーズを食べる時は鼻をつまんで食べることもあるくらいですから、それを参考にしてみてください」

禁書「みんなこれをおいしく食べてるんだよね?」

上条「もちろんだ、なんなら今食べてみせようか?」

禁書「・・・ううん、私もみんなと一緒においしく食べてみたいんだよ」

五和「インデックスさん・・・」

神裂(アンジェレネの梅干の時のように倒れなければいいのですが・・・)

禁書「だから私食べてみるんだよ」

禁書「あ、あ~~~ん・・・」ソロソロ

上条(がんばれ、がんばれインデックス)

五和(私たちは勇気を出して一歩を踏み出すインデックスさんを応援します)

禁書「あむ」ガブ

神裂(食べた!?)

上条「インデックス、よく噛んでみろ」

禁書「うん・・・・」モグモグ

五和「食べてる・・・・」

神裂「ですがまだ油断はできません」

禁書「もぐもぐ・・・・ ごくん」

上条「食べた」

五和「インデックスさんが・・・」

神裂「インデックス、味のほうはどうですか?」

禁書「なんだか苦いけど味は悪くないんだよ」

上条「おお、そうかそうか」

五和「じゃ、私たちも食べてみましょうか」

神裂「そうですね、が私たちも味を見てみましょう」

上条「どれ」アグ

五和「はむ」

神裂「ん」パク

もぐもぐ

禁書「どう?」

上条「うん、確かにこれは苦いな」

五和「ですがチーズと混ざり合って独特のアクセントをうんでますね」

神裂「これはこれでいける味ですね」

禁書「じゃあ私の味覚はおかしくないんだね?」

上条「もちろんだ、むしろこれを食べることができたインデックスがすごいぞ」

禁書「えへへ」

五和「加熱しないで食べる時はもう少し苦味が抑えられてるんですけど気になるのは粘り気ですね」

禁書「ねばねばはちょっと食べづらいかも」

神裂「ならいっそひきわりと山芋を組み合わせてみてはどうでしょうか?」

上条「あ、そっか、どっちもねばねばしてるから納豆だけの粘り気が気にならなくなるか」

五和「それならめかぶもいいかもしれませんね」

神裂「いいですね、粘り気の中にしゃきっとした歯ごたえはなかなかのものです」

禁書「とうまがやってたイカの塩辛ってのも気になるんだよ」

五和「それはまだ早いです」

神裂「ええ、今それをやると納豆が嫌いになってしまいます」

上条「ひでぇ・・・」

禁書「私は納豆の魅力を知る第一歩を踏み出したんだよ あむ」

もぐもぐ

五和「おや、自分からかぶりつくようになりましたね」

神裂「ええ、日本の味覚が受け入れられるのを見るのは気持ちがいいものですね」

禁書「もぐもぐ」

上条「インデックス、一度にたくさん食べる必要は無いからな?」

禁書「ん」コク

五和「そうです、日本人でも一度に量を食べるものではありませんからね」

神裂「においはまだ慣れてないと思いますけどどうですか?」

禁書「ごっくん」

禁書「においにはまだ抵抗があるけどチーズや海苔と混ざって食べてるとそこまで気にならないんだよ」

上条「いやーすげえな、受け入れられないとばっかり思ってた納豆も案外受け入れてもらえるんだな」

五和「ピザというのがよかったかもしれませんね」

神裂「ええ、これがいきなり白米と納豆だけだったら絶対に食べてもらえなかったでしょうね」

上条「そっか、食べやすい食べ方ってのが大事なんだな、勉強になったわ」

禁書「げぷっ ごちそうさまなんだよ」

上条「いやー食べた食べた、神裂、ありがとうな」

神裂「いえいえ、このくらいはどうということはありません」

五和「私お茶淹れますね」

上条「あ、悪い」

五和「いえ、お邪魔してるわけですからこのくらいはさせてください」

神裂「では私もお言葉に甘えさせていただきます」

上条「納豆意外のピザもうまかったな」

神裂「そうですね、油が多いのかと思っていたらシンプルなトマトだけのものもありましたしね」

禁書「いろんな味が楽しめたんだよ」

上条「この中で一番食べてたらそりゃ楽しいよな」

禁書「むっ、何か馬鹿にされてるかも?」ガチッ

上条「ストップストップ、気のせいだ、気のせいだから落ち着こうぜインデックス」

禁書「・・・ま、気分がいいからそういうことにしておいてあげるんだよ」

上条「ほっ」

上条「あ、そうだ、今度俺の知り合いで納豆大会ってのをやるんだけどみんなも参加してみるか?」

禁書「納豆大会?」

上条「大会っていうのは大げさだけど、みんなで自分がおいしいと思う納豆の食べ方を紹介してそれを食べ比べるんだ」

五和「おもしろそうですけど私たちが参加してもいいんですか?」

上条「いいんじゃないか?俺の知り合いばかりとはいえ土御門のやつも参加するわけだし」

神裂「そういえば二人は級友でしたね」

上条「そ、だから同じクラスの何人かと担任の小萌先生、学校の体育の先生とあとは御坂と白井だな」

禁書「たんぱつもいるってこと?」

上条「そうだ、まずかったか?」

禁書「むう~~~ これはますます参加しなくちゃいけなくなったんだよ」

上条「そうか、二人はどうだ?」

五和「私は都合が合えばってところですね」

神裂「私もそうですね」

上条「じゃ、細かいことがわかったら連絡するよ」

五和「はい、お待ちしてます」

翌日

禁書「それじゃあとうま、私も納豆大会に参加するために納豆に慣れておきたいんだよ」

上条「そう言うと思ったぜ、だからインデックスのためににおいを抑えた納豆を用意しておいた」

禁書「ほんと?」

上条「本当だ、そしてここに納豆とおなじくらいねばつくめかぶを投入することで徐々にインデックスを納豆の色に染め上げてやるぜ」

禁書「望むところなんだよ」

上条「いくぞインデックス!!納豆全国大会で優勝するのはお前だ!!」

禁書「やってやるんだよ!!」

上条「あつあつのご飯を丼に半分」

禁書「普通のおわんの上にのせたらこぼれるからだね?」

上条「そのとおりだ」

禁書「ところでとうま、全国大会って何?」

上条「勢いってやつだ」

禁書「優勝すると何かもらえるの?」

上条「いや、そもそも優勝という概念が無いからな」

禁書「それも勢い?」

上条「そんなところだ、インデックスが納豆食べられるようになったのがなんだかうれしくてな」

禁書「でもかおりもいつわも言ってたけど私はまだまだこれからなんだよ」

上条「わかってるぜ、この俺にまかせてくれよな」

禁書「えへへ、とうまと一緒に何かがんばるって楽しいな」

上条「そういえば一緒に何かやるっていうの無かったな」

禁書「とうまはいつも一人でなんとかしようとしちゃうからね」

上条「周りの人間を巻き込まないようにしてるだけなんだけどなぁ」

禁書「それでいっつも大怪我しちゃうんだよね?」

上条「ぐっ、それは今言うことじゃねえだろ」

禁書「ふふん、私をないがしろにしようとするからなんだよ」

上条「こほん、話がそれちまったからさっさと納豆をだな」

禁書「ごはんにのせるんだね?」

上条「そうだ、こう」トロッ

禁書「おぉ・・・」

上条「よし、これでいいな」

禁書「それでこれをなるべくごはんとかき混ぜないように食べればいいんだね?」

上条「そうだ」

禁書「でもお箸じゃなかなか難しいんだよ」

上条「そこで役に立つのがスプーンだ」

禁書「つまりカレーライスの要領だね?」

上条「そのとおりだぜインデックス、カレーライスよりもご飯を大目にすくって口に入れるのがポイントだ」

禁書「やってみるんだよ」カチャカチャ

上条「本当は箸がいいんだろうけどごはんも結構くずれやすいからこぼしちまうことも考えられるからな」

禁書「いただきまーす あむ」

もぐもぐ

上条「インデックス、どうだ?」

禁書「ごっくん ぬるっとしてる中に歯ごたえのあるめかぶが最高なんだよ」

上条「そうかそうか、よかったな」

禁書「この分だと私が納豆を完全にマスターするまでそう遠くはないかも」

上条「言ったな、こいつ」

禁書「えへへ」

そして・・・

上条「いよいよだなインデックス」

禁書「うん」

上条「これまでの特訓の成果、会場のやつらに見せてやろうぜ」

禁書「私は絶対に負けないんだよ。だってとうまと一緒だもん」

上条「よく言ったぞインデックス、俺は何があろうとお前を支え続けてやるからな」

禁書「とうま・・・」

上条「インデックス・・・」

禁書「よーし!がんばるんだよー!!」

上条「そうだ!!その意気だ!!」

がんばれインデックスさん! インデックスさんが並み居る強豪たちを撃破すると信じて!!

おわり

やりたいことが色々あったけどかなり長くなりそうなので打ち切りENDになりました

昼に納豆を食べた後に軽い気持ちでスレを立てたらこんなことに・・・

勢いってこわいですね 皆様もお気をつけください

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