ほむら「百江なぎさって何処に住んでるのかしら……」(28)

ほむら(私の世界改編でたまたま百江なぎさは現世に復活したわけだけど……)

ほむら(あの子って何処に住んでるのかしら)

ほむら(元々この見滝原には彼女は存在しなかった)

ほむら(つまり彼女が住む場所なんて用意されていない筈……)

ほむら(両親なんているわけないし……)

ほむら(……少し気になるわね。確かめてみましょう)

◇見滝原小学校前

なぎさ「せんせーさようならー!」

ほむら(百江なぎさが出てきたわ)

ほむら(どうやら小学校には通っているみたいね……)

ほむら(この後何処へ帰るのかしら)

ほむら(こっそり後をつけて……)

なぎさ「ふんふふーん♪」

ほむら(鼻歌混じりにスキップなんてして、元気いっぱいね……)

ほむら(流石は小学生だわ……)

ほむら(…………)

ほむら(……どんどん住宅街から離れていくわね)

ほむら(こっち方面は、確か……)

なぎさ「さーるてぃー、ろーやりー♪」

ほむら(……やっぱり。公園に着いてしまったわ)

ほむら(ああ、友達と待ち合わせをしているのかしら?)

ほむら(家に帰らずに遊ぶのね、きっと)

なぎさ「ただいまなのですー」

ほむら「……え?」

ほむら(ただいまって……え?)

ほむら(なんで茂みの奥に入っていったの?)

なぎさ「あ! またドアが壊れてるのです! もー……」

ほむら(あれって……)

なぎさ「今日は風が強かったからテープが剥がれてしまったのですね……やれやれなのです」

ほむら(……段ボールハウス?)

なぎさ「よいしょ……っと」

ほむら(慣れた手付きで修復を始めたわ……)

ほむら(……きっとあれが彼女の遊び場なのね、ええ。きっとそうだわ)

なぎさ「うん! 出来た!」

なぎさ「改めてただいまなのですー」

ほむら(……入っていったわ)

なぎさ「ふー、やっぱり我が家が一番落ち着くのです」

なぎさ「ちょっとお茶でも飲んでのんびりするのです」

ガチャッ、ガチャン……

ほむら(なんかガスコンロに火をつけるような音が……)

ほむら(…………)

ほむら(なんかヤカンのお湯が沸くような音が……)

なぎさ「ずずずっ……はあ、あったまるのです」

ほむら(お茶をすする音が……)

ほむら(……あの寛ぎっぷり、まさか本当にここが……?)

ほむら(い、いや、そんなわけないわよね……)

なぎさ「あ、そーだ。明るいうちにお洗濯を済ませないと!」

なぎさ「いってくるのですー」

ほむら(また出てきたわ)

なぎさ「チーズ♪ チーズ♪ まあるいチーズは……♪」

ほむら(水飲み場まで来たわ)

ほむら(手には石鹸。それにさっき洗濯って……)

ほむら(まさか……)

なぎさ「んしょ、っと」

ほむら(……脱ぎだしたわ、あの子)

なぎさ「じゃーぶじゃーぶ、なのです!」

ほむら(パンツ一枚で洗濯を始めたわ……)

なぎさ「うう、ちめたいのです、逃げ出したいのです……」

なぎさ「でも一張羅なんだから、大切に洗わないと……」

ほむら(……あれ一着しか服がないというの? じょ、冗談よね?)

ほむら(…………)

ほむら(冗談であんな真似するわけないじゃない……)

なぎさ「よいしょ、うんしょ」

ほむら(段ボールハウスまで帰ってきて、洗濯物を干し始めたわ……)

なぎさ「……くしゅん! うう、なんだか肌寒くなってきたのです」

ほむら(下着姿でいれば当たり前でしょう……)

ほむら(…………)

ほむら(……間違いないわね。あの子、家がないんだわ)

ほむら(まあ予想通りといえば予想通りよね……)

ほむら(元々の世界では、あの子の居場所なんてなかったんだから)

ほむら(世界改編の際にあの子の家を作ってあげたわけじゃないし……)

ほむら(こうなるのは必然だったわけで……)

ほむら(………… )

ほむら(それってつまり私のせいってことじゃないの)

なぎさ「はぁー……あったかいお部屋が欲しのです……」

なぎさ「なんでなぎさにはお家がないのですか……」

なぎさ「なんでなぎさには、パパもママもいないのですか……」

なぎさ「……ぐすん」

ほむら(…………)

ほむら(……仕方がないわね)

────パチンッ

◇ほむらの家

なぎさ「……あれ?」

ほむら「ほら起きなさい、なぎさ。もう晩御飯の時間よ」

なぎさ「ここは……何処なのですか?」

ほむら「何を寝ぼけているの? ここは私達の家でしょう」

なぎさ「あ……」

なぎさ「えへへ、そうだったのです」

なぎさ「なんだか変な夢を見ていたのです……」

なぎさ「一人ぼっちで、お家がなくて、公園で寝泊まりしている夢だったのです」

ほむら「……そう」

なぎさ「でも夢で良かったのです!」

なぎさ「やっぱりあったかいお家と、大好きな家族がいるって素晴らしいことなのです!」

ほむら「……ええ、そうね。私もそう思うわ」

ほむら(……うん、上手くいったみたいね)

ほむら(世界を少しだけ改編して……)

ほむら(百江なぎさは私の家にずっと住んでいたことにしたわ)

ほむら(しばらくは……私が飽きるまでは、面倒を見てあげることにしましょう)

ほむら(……悪魔からのほんの少しの慈悲よ)

ほむら(幸福な生を送るといいわ、百江なぎさ)

ほむら「そうそう、今日は貴女の大好きなチーズ入りハンバーグなのよ」

なぎさ「わあい! チーズ大好き!」

ほむら「ほら、早く支度しなさい? 冷めちゃう前に美味しくいただきましょう?」

なぎさ「はいなのです! わかったのです、ママ!」

ほむら「……うん?」

なぎさ「あれ? どうしたのです、ママ?」

ほむら「…………ママ?」

◇学校

まどか「ほむらちゃんてその歳でお子さんがいるんでしょう? 大変だね~」

ほむら「……ええ」

さやか「あんた、その胸で母乳とか出たわけ~?」

ほむら「撃つわよ」

杏子「あ、赤ちゃん産んだってことはやっぱその、え、エッチなこととかしたのか……?」

ほむら「処女懐胎よ」

マミ「お、お義母さん! 娘さんを……なぎさちゃんを私にください!」

ほむら「御断りよ」

ほむら(……なるほど)

ほむら(どうやら微妙に改編をミスったみたいね)

ほむら(私は百江なぎさの母親という設定になってしまったみたい……)

ほむら(…………)

ほむら(……どうしよう、これ)

こうしてほむらちゃんは一児の母になったのでした。

おわり。

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