P「安価で彼氏でも作ろうかな」(351)

P「765プロでアイドルプロデュースを始めて数年……」

P「皆の頑張りのおかげで有名になったはいいけど、これまで忙しくて仕事以外のことにまったく手をつけられなかった」

P「だけど俺もいい年だし、そろそろ恋人を作って身を固めたいところだ……」

P「ということで、>>4あたりにアタックしてみるか!」

>>4
※男性キャラでお願いします

羅刹

P「……」

P「思えば、アイツとも色々あったな……鬼ヶ島羅刹」

P「出会うなりケンカをふっかけてきたり、俺の大切なアイドル達のことをバカにしたり……」

P「だけど最後には、俺達の実力を認めてくれた。俺に根は良い奴なんだ、アイツは」

P「ちょっと熱くなってしまうところもあるけど、まっすぐで、優しい男だ……」

P「……よし! いっちょ羅刹を口説くとすっか!」

【野外ライブ会場】

スタッフ「お疲れさまでしたー」

冬馬「はい、お疲れさまっす! またよろしくお願いします!」





冬馬「ふぅ……さて、俺も帰るとすっかな」

P「やあ」ヌッ

冬馬「どわあぁっ!?」

P「ライブ、見させてもらったよ。お疲れさま、すごく良かったぞ」

冬馬「び、ビックリさせんなよ……って、アンタは……765のプロデューサー?」

P「フフ、久しぶりだな……鬼ヶ島羅刹……会いたかったぞ」

冬馬「あああだから! 俺の名前は! 天ヶ瀬冬馬だっつってんだろうが!!」

冬馬「……なんの用だ?」

P「おいおい、そんな目で見るなよ……」

P(興奮しちゃうじゃないか……)

冬馬「……ハン! どうせ、こんな小さい会場でしかヤれない俺のことをバカにしにきたんだろう!」

P「そんなつもりはないよ。確かに規模は小さいが、ファン達は大喜びだったじゃないか」

冬馬「……」

P「ファンひとりひとりの顔が見れるっていうのも、中々いいもんだろ?」

冬馬「……まーな。確かに、961プロでやっていた頃にはわからなかったことだぜ」

P「フフ……」


P(天ヶ瀬冬馬は、元961プロダクションのアイドルだ)

P(色々とあって961プロを辞めてしまったが、最近になって、そことは別の小さな事務所でアイドルに復帰した)

P(あの頃とは違って、良い表情をするようになったな……)

冬馬「そんでよ、そうじゃないんだとしたら、本当に何の用?」

P「ん? それはだな……」


P(さて……勢いでここまで来てしまったけど……)

P(冬馬を口説くと言っても、まず何をしたらいいだろう?)

P(俺は冬馬に、なんて声をかけるべきかな)


1 「お前の活躍をこの目で見たかったからだよ」
2 「恋人になって欲しくて、ここまできたんだ」
3 その他

>>15

3.是非ともうちの事務所にスカウトしたくて来た

P「……冬馬」

冬馬「あん?」

P「今の事務所、どうだ?」

冬馬「事務所? あー……ま、それなりに悪くないぜ」

冬馬「そりゃ961プロと違って有名じゃないし、小さいけどよ。だからこそ、俺の意見も色々と取り入れてくれるし」

P「本当か?」

冬馬「……何が言いたいんだよ?」

P「冬馬、お前はさ、もっと大きな、華やかなステージで歌いたいんじゃないのか?」

冬馬「……それは……」

P「一度味わったあの感動は、忘れられない。だからこそ、お前はアイドルに復帰したんだろ?」

冬馬「……」

P「……なぁ、冬馬。今日俺はさ……是非ともお前を、うちの事務所にスカウトしたくて来たんだよ」

冬馬「は……?」

P「765プロに来ないか? うちに来れば、俺がこの手で、もっとお前のことを輝かせてやるぞ」

冬馬「はぁぁぁ!?」

冬馬「……アンタ、本気で言ってんのか?」

P「ああ、もちろん」

冬馬「……」

冬馬(真剣な目をしていやがる……)

P「お前の実力は俺が知ってるし、俺もそれなりに765プロでは発言力がある。悪い条件じゃないと思うんだけど」

冬馬「……確かに、アイドルとしてもっと上を目指す、っていうなら……そういうのも悪くはねえと思うよ」

P「それなら……」

冬馬「だけど、いきなりんなこと言われてもよ……俺にだって立場があるだろうが」

冬馬「世話になった事務所に、スカウトされたのにハイさようなら、なんて出来ねーよ」

P「……そうだな」

スッ

冬馬「これは……?」

P「俺の名刺。気が変わったら、いつでもここに連絡してくれ」

冬馬「……」

×冬馬「世話になった事務所に、スカウトされたのにハイさようなら、なんて出来ねーよ」
○冬馬「世話になった事務所に、他からスカウトされたのでハイさようなら、なんて出来ねーよ」

でオナシャス

P「それじゃ、俺はこのへんで」

冬馬「あ、ああ……」

P「連絡、いつでも待ってるぞ」

冬馬「……期待しないでおいてくれ」

P「はは……ま、でもさ」

冬馬「え?」

P「もし俺の誘いを蹴ったとしたって、俺がお前のことを心配しているっていうのは変わらないからな」

P「冬馬のこれからの活躍、楽しみにしているよ」

冬馬「……」

P「じゃあな」


P(……よし、反応はまずまずと言ったところか)

P(今日のところはこの辺で切り上げて、これからもこうやって少しずつ、冬馬との距離を縮めていくとしよう……)

【765プロ事務所】

P(冬馬とのやり取りを終えて、俺は事務所へと帰ってきた)

P(さぁ、これからどう攻めたらいいか考えないとな!)

P「さて、と……まずは……」

>>31「あれ?」

P「ああ、キミは……」


P(……冬馬を口説くにあたって、女の子の意見を取り入れるっていうのも悪くないかもしれない)

P(ちょっとこの子に、相談してみようかな?)


>>31
※765プロの女の子でお願いします

P(そこにいたのは、765プロ所属アイドルの菊地真だった)

P(いつでも元気いっぱいで、見た目もボーイッシュだけど、中身は誰よりも乙女な真……)

P(うん、相談するにはもってこいかもしれないな!)



真「プロデューサー! おっつかれさまでーっす!」

P「ああ、お疲れ、真」

真「今日は一日どこかに出かけてたみたいですけど、どこに行ってたんですか?」

P「ん、ちょっと営業にな」

真「へー……今はもう色んなところから仕事の依頼が来るのに、さっすがプロデューサー! 真面目だなぁ!」

P「フフ、これからの俺の未来がかかっている大仕事だよ」

真「そうなんですか!? なんだかよくわからないけど、すごいですね!」

P「あはは、まあそう褒めるなって! ……ところで、真」

真「なんですか?」

P「お前、恋愛とかに興味あるか?」

真「え……ええ!?」

真「い、いきなり何を言ってるんですか!? れ、恋愛って……」

P「まぁ、たまにはいいじゃないか!」

真「……興味ない、と言ったら嘘になりますけど……」

P「いつも少女マンガ雑誌とか読んでるもんな。『ちゃお☆』だっけ?」

真「ああ、それは言わないでくださいよ! 小学生向けの雑誌だから、恥ずかしいですって……」

P「それでさ……真は、恋愛とかしたことある?」

真「……いえ、彼氏は、今まで出来たことないです。告白はされるけど、相手はみんな女の子だったりするし……あはは」

P「そうなのか……」

真「……」ジッ

P「ん? どうした?」

真「……でもでも! こういう恋愛がいつかしたいなぁっていうのは、よく考えてますよっ!」

P「おお、聞かせてくれよ!」

真「へへっ、例えば~……」


P(真が、自分の憧れの恋愛について語りだした)

P(ここからなんとか、冬馬を落とすためのヒントを探り出さないとな!)

真「こう、なんていうんですかね……」

真「白馬に乗った王子様が、颯爽とボクの前に現れて、こう言うんです!」

『迎えにきたよ、マイプリンセス……』

真「って!」

P「あはは……随分乙女チックだなぁ」

真「むー、いいでしょう、憧れるだけなんですから!」

P「でも、白馬か……うーん……レンタルするのにいくらかかるかな……」

真「……プロデューサー?」

P「ん?」

真「あの、もしかして……プロデューサー、いま、誰かに恋とかしてるんですか?」

P「……」

P「……どうして、そう思うんだ?」

真「なんとなく……ですかね。普段はしない、こんな話を始めたりするし……」

P「……」


P(どうしようかな……)

P(ここで俺が、『実は冬馬に恋してるんだ』と言ってもいいんだけど……)

P(そうしたら、真、どう思うだろう……ドン引きしないかな……)


1 正直に話す
2 誤魔化す
3 その他

>>43

3

特別誰かに恋してるって訳じゃないよ
俺もいい年だし身を固めようかなと思ってさ

P「うーん、まぁ……特別誰かに恋してるって訳じゃないんだ」

真「あ、そうなんですか……」

P「俺もいい年だし、そろそろ身を固めようかなと思っただけさ」

真「……」

P「これまでずっと仕事ばっかりで、社会人になってから全然恋愛するチャンスもなかったから……」

P「そこで、いまをときめく人気アイドルの真に、恋愛について聞いてみたくなっただけさ」

真「……誰にも、恋はしていない」

P「ああ」

真「ってことは、まだ……」ブツブツ

P「ん? どうした、ブツブツ言っちゃって……」

真「……へへっ! なんでもないでーす!」

『プロデューサー! ボク、これからもバリバリ頑張りますねっ!』

『だからこれからもずっと、菊地真を! よろしくおねがいしまーっす!』


P(と言って、真は家に帰っていった)

P(なんだかよくわからないけど、真のテンションゲージがググっと上がったみたいだな!)

P(あまり冬馬を落とすにあたっての参考にはならなかったが、パーフェクトコミュニケーションと言ってもいいだろう)


P(まぁ俺の最終目標は……)

P(冬馬と夜のパーフェクトコミュニケーションを取ることなんだけどな……フフ)

P(これからもちょくちょく、他の子にも相談に乗ってもらうことにしよう……)

【数日後……】

ピピピ

P「……あれ、電話?」

P「見たこともない番号だな……誰だろう」

ピッ

P「はい、もしもし……」

冬馬『……あ、もしもし。俺だよ、俺』

P「! そ、その声は……ピピン板橋か!?」

冬馬『字数しかあってねぇじゃねーか!』

冬馬『何回言ったらわかんだよ! 俺の名前は、天ヶ瀬冬馬だ!!』

P「フフ、冗談だよ……」

P(やっぱり、冬馬をからかうのは楽しいな……)

P「それで、どうしたんだ?」

冬馬『……あーその、なんつーかよ』

P「……もしかして、例の件――765プロのアイドルになることについて、考え直してくれたのか?」

冬馬『……わりぃ、そうじゃねぇ』

P「じゃあ一体……」

冬馬『アンタ、今ヒマか? ヒマだったらよ、ちょっと俺に付き合ってくれねぇか』

P「……」

P(時間を作ろうと思えば……うん、一時間くらいならなんとかなるか)

P(でも、なんて言ってやろうかな)


1 「もちろん、いいぞ」
2 「付き合うって、そういう意味で? 突き合うってこと?」
3 その他

>>55

P「もちろん、いいぞ」

冬馬『! ほ、本当か!』

P「ああ。冬馬に頼まれたなら、俺はどんな願いでも叶えてやる所存だからな」

冬馬『へっ! やっぱアンタ、案外良い奴だな』

P「お、とうとう冬馬がデレたか……」

冬馬『はぁぁ!? 気持ちわりぃこと言ってんじゃねーよ!』


P(その言葉とは裏腹に、冬馬の声の調子はとても嬉しそうに弾んでいた)

P(まぁそれは、冬馬に恋する俺の脳内フィルターのせいかもしれないが……)

P(それでも俺は、そんな声を聞いて、年甲斐もなく心を弾ませてしまうのであった)

【レッスンスタジオ】

冬馬「……おっ」

P「やあ。悪いな、色々と準備してて遅くなった」

冬馬「頼んだのは俺だからな、構わねえよ」


P(俺が冬馬に呼び出された場所、そこはとあるレッスンスタジオであった)

P(ジャージ姿の冬馬も、なかなか乙なもんだな……)


P「それで、どうしてレッスンスタジオなんかに……」

冬馬「おいおい、電話でも言っただろ? アンタにさ、レッスンを見てもらいたいんだよ」

冬馬「いつものトレーナーが今日、急に来れなくなっちまったみたいだからさ」

P「……フフ。ああ、了解した」

P「だけど、内緒だぞ。他事務所のアイドルのレッスンを見たなんて知られたら、色々とマズいことになるからな」

冬馬「ああ」

P「というか、なんで俺なんだ?」

冬馬「……ま、アンタの実力を見たかったっていうのもある」

P「……なるほどな」

冬馬「スカウトするくらいなんだから、レッスンを見て指摘するくらいはトーゼン、出来るんだろ?」

P「……ま、そのへんは、見てのお楽しみってところで」


P(ここは、俺を惚れこませるチャンスかもしれないな)

P(うまくパーフェクトレッスンまで持っていければ、冬馬は俺のことを認め、スカウトの件も考えてくれるかもしれない)

P(よし……!)


P「それじゃあ……俺とお前の、ヒミツのレッスンを開始するとしよう……フフ」

冬馬「おう!」

―――
――


冬馬「……ハァ、ハァ……んっ……」

P「おうどうした、もう根を上げたのか?」

冬馬「んなこと言っても……思ったより……キツキツすぎんだろ……」

P「おいおい、お前の――が、もうこんなになってるじゃないか」

冬馬「……アンタ、いつもこんなスパルタレッスン……アイドルにやらせてんっ、のか……?」

P「ははは、女の子にこんなコトできるわけないだろ? お前の体力を信じてるからこそ、さ……」

冬馬「……」

P「フフ……まぁ、少し休憩を取ることにしようか」

冬馬「……おう」

冬馬「……はぁー……」

P「俺のレッスンはDo-dai?」

冬馬「……正直、舐めてたぜ」

P「舐めてた?」ピク

冬馬「ああ。やっぱり、いつか黒井のオッサンが言ってた……」

『765プロはろくにレッスンもせず、卑怯なマネばかりして仕事を取っている汚い事務所なのだよ!』

冬馬「っていうのは、嘘だったんだな。アンタが見てれば、そりゃ強くなるわけだ……」

P「……お褒めにあずかり光栄だよ」


P(さて……冬馬、少し疲れているみたいだな)

P(休憩が終わる前に、ナニかをしてやって、リフレッシュさせてやろう……)

1 ストレッチをしてやろう
2 飲み物を差し入れてやろう
3 その他

>>66

1

P「よし冬馬、俺がストレッチしてやるよ」

冬馬「ストレッチ?」

P「ああ。これをすれば、ストレッチパワーが膝に集まり、いくらでも踊れるようになるんだ」

冬馬「へぇ~。んじゃ、頼むわ」

P「おう!」


 * * *


冬馬「……お、おい」

P「ここがポイントなんだよ……この、ふとももの裏を、こうして……」

冬馬「そ、そうなのか……いや、でもよ」

P「どうした……?」フー

冬馬「っ!! ……は、はやく終わらせちまってくれ!」

P「ふふっ……そう急ぐなって……ほおら」グニッ

冬馬「ああっ」

冬馬「……はぁ、はぁ……」

P「さ、これで終わり。どうだ?」

冬馬「どう、って……おま、あんなところ……」

P「でも、体、軽くなっただろ?」

冬馬「……本当だ。これが……ストレッチパワー?」

P「ああ」

冬馬「すげえじゃねえか……!」



P(その後、冬馬と俺は、再びレッスンを開始した)

P(入念に施したストレッチのおかげか、冬馬はそれまでの疲れを感じさせずに、軽やかにステップを刻んでいた)

P(俺も冬馬の足を堪能できたし、言うことなしだな!)

P(今日は手を洗わないでおくことにしよう……)

パーフェクトレッスン!

【レッスン終了後……】

冬馬「今日はサンキューな。助かったぜ」

P「どういたしまして。俺でよければ、いつでも呼んでくれ」

冬馬「そ、それは……まぁ、考えておくよ」

P「さて……」


P(もうそろそろ、俺も事務所に戻らないとな)

P(だけど、このまま別れてしまっていいのだろうか?)

P(こんなチャンス、もう取れないかもしれない……)

P(ううん、これから俺はどうしたら……)


1 やっぱり今日はこのまま別れよう
2 残業確定になるけど、「飯でも食いにいくか」と言おう
3 その他

>>74

実は俺女なんだとカミングアウトしてデート

>>74把握
飯を食べてくるので少し席を離れます

P「……」

P(でーもーこーんなチャンスー、逃ーがさなーいもーんっ!)

P(俺の魅力、全部かき集めて何とかするべし!)

P「冬馬、このあと用事あるか?」

冬馬「いや、今日はもう何もねーよ。一旦事務所に戻って報告して、そっから家に帰るだけだな」

P「そっか……それなら、このあと俺とさ……」

冬馬「ん?」

P「デート、してくれないか」

冬馬「!?」

冬馬「はぁ!? おま、何言ってんだ!?」

P「……ダメかな」

冬馬「いや、ダメっつーか……マジで気持ちわりぃこと言ってんじゃねえよ……」

冬馬「そもそも、アンタは男で、俺も男だろうが!」

P「……ああ、冬馬には、まだ言ってなかったっけ」

冬馬「は……?」

P「俺さ……実は、女なんだよ」

冬馬「!?」

P「とある事情があってな、男としてこの業界に携わっているんだ」

冬馬「……いや、いやいやいや」

冬馬「そんな嘘ついて何を……アンタ、どっからどう見て……も……」

冬馬「……」

P「……」

冬馬「……ちょ、ちょっと待ってくれ、タイム、タイムくれ」

冬馬「うーん……」ブツブツ

冬馬「いや、確かに中性的な顔立ちではあるけど……でも、いや、待てって……」ブツブツ

冬馬「落ち着け俺……これだから俺は童貞なんだ……」ブツブツ

P「……」


P(ちなみに……)

P(俺がいま、冬馬にカミングアウトしたこと、それは……)


1 本当だ。本当に俺は女なんだ
2 デートをするための口実、真っ赤なウソだ。俺はもちろん男だ

>>93

1

P(……本当だ。本当に俺は女なんだ)

P(お気づきの方もいるかもしれないが、俺は今まで、自分が男性であると明言してはいなかった)

P(765プロでも、それを知っているのはごく一部。社長と音無さんだけなのである)

P(冬馬に言ったとおり、それにはある事情があって――)


冬馬「……なぁ」

P「ん?」

冬馬「じゃあさ……証拠、見せてくれよ」

P「証拠だって?」

冬馬「アンタがこんな冗談を言うなんて思わねぇ。でも、さすがに信じられないだろ……」

P「……そうだな。それじゃあ……」


1 免許証を見せよう
2 この体を使って証明してやろう
3 その他

>>105

2
胸を触らせる

P「冬馬、ちょっと待ってろよ」

ファサッ……

冬馬「え……な、なんでスーツ脱いで」

ガシッ

冬馬「お、おい、手……」

P「証明してやるよ。ワイシャツの上からなら、さすがにわかるだろ」

冬馬「は……?」

P「……」



――ムニッ



冬馬「!!!!」

スッ……

冬馬「……」

P「……これでいいか?」

冬馬「……あ、ああ……」

P(俺の体型は、貴音と同じくらいの身長に、千早と同じくらいのバストサイズだと思ってくれればいい)

P(しかし、ほのかではあるが、ちゃんとあるのだ。胸が。本当に凝視しないとわからないけど)

P(そのせいで、昔からよく、本気で男性と間違われたものだった……)


冬馬「……」ドキドキ

P「……で、どうだ?」

冬馬「え、なにがだよ……」

P「デート、してくれるのか?」

冬馬「……ちょっと待ってくれ。まだ心の整理がつかねぇっていうか……」

冬馬「と、とにかく一旦俺は、事務所に戻る! だからよ……」

P「わかった。じゃあ、待ってるよ」

冬馬「……すまねぇ」

【765プロ事務所】

P「……さて」

P(思わず流れでカミングアウトしちゃったな)

P(もっと仲良くなってから言おうかと思っていたんだけど……)


P(えーっと、冬馬との約束した時間まで、あと一時間くらいか……)

P(今日は残業確定だけど、まぁいいとしようかな。滅多にないチャンスだし)


>>122「……あら?」

P「え、ああ……キミは……」


そこにいた女の子は……
>>122

あずさ

あずさ「プロデューサーさん、お疲れさまですー」

P「お疲れさまです、あずささん。仕事終わったんですか?」

あずさ「ええ。今日はレッスンだけでしたから」


P(俺に声をかけてきたのは、765プロ所属アイドルの三浦あずささんだった)

P(思わず嫉妬してしまうくらいの素晴らしいスタイルに、少しおっとりしてはいるが、とても優しい性格……)

P(皆のお姉さんであり、物腰も低く、家事もこなせるときた)

P(俺が男だったら、一目見た瞬間に『結婚してください』と言いたくなる……)


あずさ「プロデューサーさん?」

P「えっ!? あ、は、はい……どうしたんですか?」

あずさ「どうしたんですか、はこっちの台詞ですー」

あずさ「何かあったんですか? なんだか、上の空みたいですけれど……」

P「……」

P(あずささん、のんびりしているように見えて、アホ毛意外にも鋭いところあるんだよな……)

×P(あずささん、のんびりしているように見えて、アホ毛意外にも鋭いところあるんだよな……)
○P(あずささん、のんびりしているように見えて、アホ毛以外にも鋭いところあるんだよな……)
でオナシャス

P「……ちょっと困ったことになってしまって」

あずさ「困ったこと?」

P「聞いてくれますか?」

あずさ「……うふふっ、ええ、もちろん」

P「……ありがとうございます。実は……」


1 「これから初めてのデートなんですけど、何を話したらいいかわからないんです」
2 「これから初めてのデートなんですけど、どんな格好で行ったらいいかわからないんです」
3 その他

>>130

3.やっぱり処女喪失って痛いんでしょうか?

P「……あの、あずささん」

P「これから俺が言うことは、あずささんのことを、少し不愉快にさせてしまうかもしれません」

あずさ「不愉快?」

P「セクハラになってしまうかもしれないってことです」

あずさ「え、ええ!? せ、セクハラですか~……?」

P「それでも……聞いてくれますか?」

あずさ「まぁ……そ、それは困ったわね……うぅん……」

P「……」

あずさ(……プロデューサーさん、真剣な目をしているわ……冗談、ではないのね)

あずさ「……わかりました。でも、その……なるべく、やんわりと言ってくださいね?」

あずさ「私、こういうこと……あまり、慣れてはいませんから……」

P「! ええ、もちろん! ありがとうございます!」

P「……あずささん」

あずさ「……」ドキドキ


P「……やっぱり、処女喪失って……痛いんでしょうか?」

あずさ「……え」

P「いやぁ、あずささんなら知ってるかなーって思って」

あずさ「え、あ、その……え!? しょ、しょしょ……!?」

P「どうなんですか? 実は俺、これから、ちょっと処女を失うかもしれないんですよ」

あずさ「!!!??!?」

P「やっぱり、やり方によるんですかね……それとも、相手のアレ……」

あずさ「………………」

P「……あずささん? どうかし」

あずさ「プロデューサーさん?」

P「はい」

あずさ「うふふっ♪」




バチーン!

P「……」ヒリヒリ

あずさ「…………そういうこと、女の子に聞かないでくださいっ」

P「は、はい……すみまぜん……」

あずさ「私だって、その……そういう経験、まだありませんから……わからないですし」

P「え、そうだったんですか? 今まで恋人は?」

あずさ「……何も話せないで、ただ数時間気まずい思いをして……それで、フラれてしまいました」

あずさ「それくらいのお付き合いしか、私、したことはないです……」

P「へー。意外だなぁ……あずささんは魅力的な女性だから、もっとなんていうか……」

あずさ「……そ、そんなことを言っても、帳消しにはなりませんよ?」

P「え!? いや、そういうつもりで言ったんじゃ……」

あずさ「……もう」


P(あずささんを怒らせてしまった……これじゃバッドコミュニケーションだな……)

あずさ「そもそも、プロデューサーさんはその……う、失うって、おかしいじゃないですか」

P「へ?」

あずさ「あう……だから、あなたは男性なんですから……しょ、しょしょ……」

P「……あ」


P(そうだった……!)

P(俺の正体――俺が本当は女だということは、あずささんは知らないんだった!)

P(えっと、ここは……どう誤魔化そう!?)


1 あずささんにも、正直に打ち明けちゃおう
2 「処女は処女でも、後ろの処女のことですよ。つまり肛門です」と言おう
3 その他

>>144

P(……あずささんにも、正直に打ち明けちゃおう)

P(あずささんなら、皆にバラすとかいう心配もないだろうから……)


P「……あずささん、これから俺が言うこと、よく聞いてくださいね」

あずさ「あの、あまり聞きたくない予感がするのですけれど……」

P「あはは……無理もないですね、あんなことを言った直後だし」

P「でも、これは本当の本当に、真面目な話なんです。セクハラでもなんでもない」

あずさ「……プロデューサーさん……」

あずさ(……そうよね。プロデューサーさんは、いつでも真面目で、誠実な方だったから……)

あずさ(さっきはちょっと、頭のネジがどこかへ飛んでいってしまっていただけ……)

あずさ「……わかりました。私でよかったら、なんでも言ってみてください」

P「……あずささん、実は、俺……」

あずさ「……」


P「女なんです」

あずさ「」

あずさ「」

P「だから、処女を喪失するっていうのは、言葉通りの意味なんですよ」

P「実はこれから、あの天ヶ瀬冬馬とデートをするかもしれなくて……」

P「あわよくば、それで……って、あずささん?」

あずさ「……ふふっ、ふふふ……」

P「……ど、どうしたんですか?」

あずさ「プロデューサーさんったら……まだ頭のネジ、帰ってきてなかったんですね~」

P「え」

あずさ「もう、さすがの私でも、それが冗談だっていうことくらい、ちゃんとわかっちゃいますよ? うふふっ」

P「……わかりました、なら証明してみせましょう!」

あずさ「え……」

P「こうすればきっと、あずささんも信じてくれますから……!」


1 免許証を見せる
2 股間を触らせる
3 その他

>>152

脱ぐ

P「……よく見ていてください」

あずさ「……」

プチ、プチ……

あずさ「えっ!? ぷ、プロデューサーさん……?」

P「この体を見れば、きっと信じてくれますから……」

あずさ「あ、そ、そんな……えぇっ!?」





P「……あずささん」

あずさ「……」

P「顔から手をどかして、その目でちゃんと見てください」

P「この俺の、生まれたままの姿を……!」

P(気持ちがいいもんだなこれは……)

あずさ「……い、いやです」

P「え、どうして……」

あずさ「だ、だって……! 恥ずかしい……じゃないですか……」

P「恥ずかしがることないですよ。女同士なんですから」

あずさ「……で、でも……そんなの、信じられ……」

P「これから信じてもらうには、こうするしかないです……さぁ」

あずさ「……」


ソー……

チラッ


あずさ「!!!!」

あずさ「え、え、え……あ、え……うそ……」

あずさ「生えて……ない……」

P「……わかってもらえましたか?」

あずさ「……」ジー

P「そ、そんなに見ないでくださいよ……自分で言っておいて、あれですけど……」

あずさ「……」ジロジロ

P「……」

あずさ「…………う、う……」

P「……あずささん?」


ポロポロ……


P「!?」

あずさ「……うぇえ……ん……!」

P「え、な、なんで……!?」

あずさ「ご、ごべんなざい……わ、わだしったら……!」

あずさ「……ちょ、ちょっとビックリしちゃって……ふふっ、だ、ダメですね……」

あずさ「私、年長者なのに……こんなところ……見られたら、皆に、笑われ……」

P「あずささん……」

あずさ「すみません……、も、もうだいじょ……」チラッ

P「……」

あずさ「……――っ!」

ボロボロ……


P(……あずささんが、俺の股間を見て、涙を流している……)

P(どうしたらいいんだろう……あずささんを泣き止ませる為には……)


1 抱きしめる(全裸で)
2 時間が解決する。この場は去ろう……
3 その他

>>170

1

P「……あずささん」

あずさ「……っ!」


――ぎゅっ


あずさ「……ぷろでゅ、さ……さん……?」

P「……しばらく、こうしていていいですか」

あずさ「……で、でも……その、色々、膨らみとかが当たって……」

P「女同士ですから、気にしないでください……」

あずさ「……」

P「あなたを泣かせるつもりはなかったんです。ただ、あずささんには……俺の、本当の姿を知ってもらいたくて」

あずさ「……プロデューサーさん……」


ぎゅ……


P「!」

あずさ「……ふふっ、そう、ですね……」

あずさ「……今まで、私、ずっと出来ませんでした……」

P「出来なかった……?」

あずさ「ほかの皆みたいに……、素直に、あなたに甘えること」

P「……」

あずさ「……でも今は……今なら、こうやって抱き返すことも……できます」


ぎゅぅぅ……


あずさ「だって私達は……女同士、なんですから……」

P「……」

あずさ「……、……!」



P(全裸の俺の腕の中で……あずささんは、静かに泣いていた)

P(背中にあずささんの爪が食い込んで、ジンジンと痛んでいる。だけど……)

P(きっと、あずささんが受けてしまった傷のほうが……ずっとずっと、痛いんだろうな……)

『私、今日はもう……、帰ります』

『……大丈夫。プロデューサーさんが心配することは、何もありません』

『事情は今度、ゆっくり……聞かせてくださいね。ふふっ……、女同士の、約束ですよ?』



P(そう言い残し、あずささんは事務所をあとにした)

P(嘘を重ねて、これまでずっと過ごしてきた俺のことは……何ひとつ、責めてはなかった)

P(ただ、いつもみたいに……柔らかな笑顔を浮かべて、こう言っただけだ)



『……プロデューサーさん。打ち明けてくれて……ありがとう』



P(……本当に素敵な女性だ。男みたいな女の俺なんかとは……全然違う)

P(……あずささん、俺……頑張りますね)

P(初めての恋、絶対に成就させて……きっと、あなたに報告してみせます)

10分休憩する

【一時間後……都内某所にて】

冬馬「……」ソワソワ

冬馬「……ちっ……まだかよ、アイツ……」

冬馬「もう携帯でやることもなくなっちまったぞ……」

冬馬(……べ、別に楽しみとかそういうんじゃねーけどな!)

冬馬(なんていうか、色々と聞き出さなきゃスッキリしねぇっていうか……)

冬馬(それだけだ……! って、誰に言い訳してんだ俺は……)


タッタッタ……


P「冬馬!」

冬馬「!」ドッキーン

P「ごめん、待たせた……」

冬馬「い、いや……別に待ってねーけど……って、お前!?」

P「え?」

冬馬「……なんつーか……何だよ、その格好……」

冬馬「……まるで、女みてぇだな」

P「あはは……まぁ、似合ってないって自覚はあるよ」


P(実はここに来る前に、亜美のロッカーを漁ってきたのである)

P(亜美のロッカーの中には、真美と入れ替わる為のおびただしい量のウィッグが保管してあるからな……)

P(それを被り、あとは適当に見繕ったデニムとシャツを着れば……まぁ、女に見えないこともないだろう)


P「……でもさ、さっきまでの格好じゃ、色々と問題あるだろ?」

P「似合ってないとはいえ、一応デートだから……」

冬馬「で、デートじゃねえよ! 勘違いすんじゃねぇっ!」

P「あはは……悪い悪い」

冬馬「…………それに」

P「え?」

冬馬「……別に、似合ってないとも言ってねぇ。身長高いし、まぁ……いいんじゃねえの」

P「……ありがとう」

P「飯、食べたか?」

冬馬「いや、まだだけど……」

P「よし、じゃあ先に腹ごしらえとしようか。えっと、このあたりなら……」

冬馬「……なあ」

P「ん?」

冬馬「……なんで、そんなに乗り気なわけ?」

冬馬「流れで俺もここに来たけどよ……俺とアンタは、そもそもそんなに親しい仲でもなかっただろ」

P「……そんなの……」


1 「一目見たときから、冬馬に惚れていたからだよ」と言う
2 まだ何も言わない
3 その他

>>194

これから仲良くなるんだろ

P「そんなの……これから仲良くなるんだろ」

冬馬「これから?」

P「ああ。確かに、今まではそんなに親しくはなかったよ……でも、これからは違う」

P「765プロのプロデューサーとしての俺でも、男としての俺でもない」

P「今まで誰にも見せてこなかった……女としての、俺だ」

冬馬「……女としての……」

P「……だから、『これまで』のことなんて関係ない」

P「『これから』仲良くなっていきたいんだ。ありのままの俺を知ってもらって……」

P「そう願うのは……いけないことか?」

冬馬「……わかんねぇよ、まだ」

P「……わからせてみせるよ、きっと」

冬馬「……アンタって、ほんと、何考えてるかわかんねぇ奴だな」

P「それも、『これから』知ってもらえばいいさ」

冬馬「……」

P「……さあ、行こう」

―――
――


ピロピロピロン

アリガトウゴザイマシター


P「ふぅ……」

冬馬「……なあ、金、払うよ」

P「え? いいっていいって、そんなの。俺の方が年上だろ」

冬馬「いや、そこはなんつーか、男の俺が払うもんじゃねえの?」

P「……ふふ、これだから童貞は」

冬馬「はぁぁ!? どど、童貞ちゃうわ!」

P「とにかく、いいから。俺はお前の満腹顔を見れれば、それで満足だからさ」

冬馬「……ちっ」

P「さて、これからどうしようか。どこか行きたい場所、あるか?」

冬馬「……別に、どこでもいい」

P「ふーん……じゃあ、俺にまかせるってことで、いいのか?」

冬馬「……ああ、構わねぇよ」

P「それじゃあ……」

P(今は……ちょうど暗くなってきた頃合か)

P(それなら……)


1 イルミネーションを見に行こう
2 遊園地に行こう
3 その他

>>206

3裏路地

P「……」ニヤ

冬馬「……?」

P「……ま、適当に歩きながら、目に付いたところに入ろうか」

冬馬「あ、ああ……」

冬馬(なんだ? 今の意味ありげな微笑みは……)


 * * *


テクテク……

P「……」

冬馬「……なぁ、さっきから何黙って――」

P「……ここなら、人も……うん……」

冬馬「え?」

ガシッ

冬馬「!? な、いきなり、何、手……」

冬馬「お、おい! どこに連れていくんだよ!?」

タッタッタ……

冬馬「……はぁ、はぁ……」

P「……よし、このへんならいいかな……いい具合だ……!」

冬馬「な、何がだよ……ってか、まずここ……どこだ?」

P「見ての通り、裏路地だけど」

冬馬「……はあ!?」

P「……やっと……ふたりきりになれたな……」

冬馬「ちょ、おま……!」

冬馬「か、顔が近いって! な……」

P「……冬馬」ボソッ

冬馬「な、なんだよ……」



P「……ごめんな」

冬馬「……え?」

P「……」

冬馬「……」

P(……何が、ごめん、なんだろう)

P(自分で言ってみたけど……心当たりが多すぎて、わからない)

P(今まで正体を黙っていたこと? それとも……)

P(困惑してるであろう冬馬を、無理矢理引っ張りまわしていること?)

P(……でも、とにかく俺は――)


冬馬「……別に、いいよ」

P「え?」

冬馬「何に謝ってんのかわかんねーけどさ。でも俺、怒ってなんかいねぇから」

P「……」

冬馬「アンタも大変だったんだろ? 今まで、女なのに男のフリしてきて」

P「……まあ、それは……」

P(それは……今まで、あまり、考えないようにしてき――)

冬馬「ストレスっつーの? それ発散させるのに付き合うくらいなら、別にかまわねーよ」

P「……」

冬馬「ま、アンタにはあの年、色々と世話になったしさ……それに」

P「……それに?」

冬馬「さっきの飯代、まだ返してねぇからな! これでチャラだぜ」

P「……は、はは……そっか」

冬馬「……だからさ、そんな顔すんなって」


冬馬「俺の知ってるあんたの顔は……もっと、生き生きしてた」

冬馬「自信満々で、アイドル達といつでも楽しそうに過ごしてて……」

冬馬「俺は……そんなお前になら、プロデュースされるのも悪くないんじゃねーかなって思ってたんだ」

P「……」

冬馬「……なんてな。らしくねーこと言っちまった」

P「……ふふ」

冬馬「もういいだろ、行こうぜ」

P「……ああ」

P(……やっぱり、冬馬は……)



 * * *



P「……あ」

冬馬「ん?」

P「……ほら、あれ」

冬馬「……ああ、もうそんな時期か」


P(裏路地から出た俺達を迎えてくれたのは……)

P(大きな木に綺麗に彩られた、光り輝く、イルミネーションだった――)

P「……」

冬馬「……なぁ、アンタさ」

P「ん、どうした?」

冬馬「言いたくないならいいんだけど……なんで、男のフリしてたんだ?」

P「……それは……まぁ、大したことじゃないんだけど……」

冬馬「……じゃあその言葉遣いは?」

P「う……言葉遣いに関しては、昔からだからな……」



P「……最初はさ、普通に女プロデューサーとして、やろうとしていたんだ」

冬馬「へえ……」

P「でも、社長が――プロデューサーとしてではなく、アイドルとして働いてみないか、なんて言い出して」

冬馬「え」

P「俺、アイドルをやるなんて、どうしても無理だったからさ……あがり症だし」

冬馬「よくそれでこの業界に入ろうと思ったな……」

P「でも、社長があまりにしつこかったから……だから、765プロに入社する当日に」

――――

高木『おおキミ、待ってい――』

高木『!?』

P『……よろしくお願いします!』

――――

P「髪を、ばっさり切ってやったんだ。服装も男っぽくしてな」

冬馬「……はぁぁ!?」

P「今考えると、意味わからない行動だったと思う。でも当時の俺は、それがベストだと思っていたんだよ」

P「男装してしまえば、アイドルとしてデビューなんて言わなくなるだろう、と思って……」

冬馬「バカじゃねーの」

P「あはは……」

P「で、なぜかそれがウケにウケて……」

――――

高木『……ウム! 今の君の姿を見て、改めて私はティンときた!』

P『へ?』

高木『アイドルになれというのは取り消そう。だが君はこれから、男性としてプロデューサーになりたまえ!』

P『え……え!? このまま、ず、ずっとってことですか?』

高木『彼女達がトップに立つまで、で構わないよ。ハッハッハ、男性がプロデューサーなら、女の子達の士気も上がるだろうからねぇ』

――――

P「ということに……」

冬馬「そろいも揃って、バカじゃねーの」

P「確かにな……」

冬馬「やっぱりめちゃくちゃだな、765プロってよ……」

P「まぁ、自覚はしてるよ……はは」

冬馬「……なぁ、でもさ」

P「ん?」

冬馬「トップに立つまで、っていうことなら……おたくらのところのアイドルはもう、とっくに達成してるんじゃねーの?」

P「……それは……」

冬馬「俺達ジュピターを倒して、アイドルアカデミー大賞を受賞したユニットだっている」

冬馬「他のやつらだって、テレビで見ない日はほとんどないじゃねーか。それならもう、事情を話して女に戻ったって……」

P「……そう思っては、いるんだけどな。今までずっとだったから、タイミングが掴めなくて」

冬馬「へぇ……」


P(確かに、最近ではもう、皆が有名アイドルとして立派に成長してくれた)

P(――だからこそ、彼氏を作ろうと思ったんだ)

P(そうすれば、きっと……色んなことが変わる、良いチャンスになると思って……)

冬馬「……じゃあさ」

P「ん?」

冬馬「試しに、女の言葉、喋ってみてくれよ」

P「え……え!?」

冬馬「いいだろ? どうせそのうち、カミングアウトするんだし……練習だよ練習」

P「……」

P(どうしよう……言葉遣いに関しては、昔からこれだったからな……)

P(だけど、冬馬の頼みなら……)


1 ……わかった
2 やっぱ無理

>>232

P「……わかった」

冬馬「おっ、本当か!」

P「あ、ああ……」

冬馬「……」ワクテカ

P「すぅー……はぁー……」

P(女らしい言葉遣い、女らしい言葉遣い……)


P「……お、俺……」

冬馬「俺?」

P「えっ!? そこからか!?」

冬馬「あ、いや……なんでもねぇ、続けてくれ」

冬馬(俺っ子萌えじゃねんだけどな……)

P「……」

P(……よし、それじゃあ……こうしてみるか)

P(こうすれば、ちょっとは言いやすい雰囲気出るかもしれない……)

P(頭を、こうこうこうして……)

モゾモゾ

  ――キュッ


冬馬「ん? なんで急に、髪結んで――」

クルッ

女P「……」

冬馬「……!」

女P「……冬馬」

冬馬「お、おう」

女P「……どうかしら。髪、似合ってる?」

冬馬「……ま、まぁ、いいんじゃねーの……」

女P「そ、そう……良かった」

冬馬「……」

女P「……あんまり、ジロジロ見ないでくれるかな」

冬馬「あ、す、すまねぇ」

女P「……いつまでこうしてればいい? あんまり慣れなくて、足、つりそう……」

冬馬「ずっとに決まってんだろうが!!」

女P「えっ!?」

冬馬「……わりぃ、デカイ声出して。でも、似合ってるからさ」

女P「……」

女P「……わかったわ。じゃあ、頑張る……」

女P「……」

冬馬「……」

女P「……あっち、行かない?」

冬馬「え……あっちって……」

女P「イルミネーション。もう少し近くで見ましょう」

冬馬「お、おう! よしきた!」

女P「ふふ、何それ……急にドギマギしちゃって、ヘンね」

冬馬「う、うるせぇよ……」

女P(……まぁ、ドギマギしてるのは……こっちも一緒なんだけど……)

女P(……営業に行く以上に、緊張してる……)

【イルミネーション前】

冬馬「おお……近くで見ると、すげぇな」

女P「そうね……」

冬馬「……」

ドクンドクン

女P「……ね、よく見て」

冬馬「え? な、なんですか?」

女P「……その枝にかかってる、たくさんの小さなLED。一個一個、見える?」

冬馬「ああ……でもそれが、どうした?」

女P「アイドルって、こういうイルミネーションに似てるって思わない?」

冬馬「……どういうことだ?」

女P「……ひとつひとつは小さくて、それ一個だけだと、ただ光っているだけ」

女P「それでももちろん、綺麗ではあるけれど……」

ギュッ

冬馬「え……」

女P「ほら、こっち来てっ」

冬馬「お、おい、またツリーから離れるのか?」

タッタッタ……

女P「離れれば、見えるから! 遠くからなら、見えてくるものあるから」

冬馬「見えるって、何が……」


冬馬「……――」

女P「……ね」

冬馬「……ああ、そうだな」

女P(ひとつひとつは、ほんの小さな光……)

女P(それでも、たくさんの色が混じりあって……ひとつの輝いた世界を作り出している)

女P(これは、まるで――)


冬馬「……ステージ、みてぇだな」

女P「……」

冬馬「言いたいこと、わかったよ。これは……アンタのところのアイドル達、みたいだ」

女P「……ありがとう」

冬馬「え? なんでアンタが礼を言うんだ?」

女P「……そんなの、決まっているでしょう」


女P「こうやって、ひとつのステージを作り出して……たくさんの人を感動させられる」

女P「そういうアイドルを目指して、皆で、全員で……これまで一緒に、頑張ってきたんだから」

女P「嬉しくないわけ……ないよ」

……―― 自由な色で 描いてみよう

           必ず見える 新しい世界 ――……


冬馬「……それ、確か……765が出した歌だよな」

女「『Colorful Days』。この歌、気に入ってるんだ」

冬馬「へえ……」


……―― スピード上げて 時代を超えよう

           素敵な未来 きっと待っている ――……


冬馬「……あがり症とか言ってたけど、歌えるじゃねーか」

女P「……冬馬の前だから」

冬馬「……」

女P「……冬馬」

冬馬「ん?」



女P「すきだよ」

冬馬「……な……っ!?」

女P「……」

冬馬「……は、はは…………マジで?」

女P「マジで」

冬馬「……」

女P「……わかってるでしょう。ここまで来たら」

冬馬「……いや、でもそんな……」

女P「あーもう、はっきりしないなぁ!!」

冬馬「はいっ、すいませんっ!」

女P「それならもう……こうしてやるっ!」


1 手を握る
2 教えてやる……その体に
3 その他

>>268

3.ズボンの上からピピン板橋の彼自身を優しく時に激しく撫であげる

女P「……」ティン

女P(ズボンの上からピピン板橋の彼自身を優しく時に激しく撫であげる)

女P(降って来た。このときを待っていた――)

女P(ようやく、来た、ついにこの言葉が降って来た……!)


女P「よ、よーし……」

冬馬「え……ちょ、なんか目が……」

女P「……い、行くわよ……」

冬馬「あっ、そ、そんな……ひ、人が見てれぅっ」

女P「……」プルプル


――チョン


冬馬「おうふっ」

女P「うわぁ……」

女P「……」

ツツー……

冬馬「あ、ちょ、おま……あんっ」

女P「……」プルプル

冬馬「……!」

女P「…………それじゃ……そろそろ、は、はげし……く……」

冬馬「――――やめてくれっ!」

バッ

女P「え……」

冬馬「……すまねぇ……でも」

女P「……」

冬馬「……わかったから……だから、やめてくれ」

女P「……でも」

冬馬「でもじゃねえ!」


冬馬「……アンタ、震えてんじゃねぇか……!」

冬馬「……悪かったよ」

女P「え……?」

冬馬「俺がはっきりしないから、暴走しちまったんだろ」

女P「……」

冬馬「……だから、ごめん」

女P「……冬馬……」

冬馬「俺、わかったから。アンタの気持ち、痛いくらい……」

女P「……そっか」

冬馬「……なぁ、アンタ……じゃねえな」

女P「……」

冬馬「……――さん」


女P(――冬馬が呼んだ名前、それは……俺の、名前だった)

女P(男でも女でも、どっちとも取れるような……中途半端な名前……)

女P(……俺はその名前が、昔からあまり好きじゃなかった……)

女P(でも、今は――)

冬馬「……お、俺も……」

女P「!」



女P(――でも、なぜだろう)

女P(今は……これまでずっと好きじゃなかったはずの、その名前も……)

女P(これまで、男とも女ともつかず、中途半端に歩んできたこの人生も)



冬馬「……俺も、――さんのことが……すきだ」

女P「……!」

冬馬「だから……あなたの、彼氏にしてくれねぇか」



女P(すべて、この瞬間の為にあったんだ、と思えて……)

女P(……どうしようもなく……愛おしく感じてしまっている)



女P「……はい!」

15分のコーヒーブレイクを取ります

―――
――



テクテク……


冬馬「……」

女P「……」

冬馬「…………」

女P「……なんか、手の平、ジットリしてる」

冬馬「おぅふっ! わ、わりぃ……」

女P「あはは、別に謝らなくてもいいよ」

女P(俺と冬馬は、ふたりで手を握り合って、誰もいないこの道を歩いていた)

女P(こうして握ってみると、やっぱり冬馬の手は――)


冬馬「……なんか、こうして握ってみるとさ」

女P「……え?」

冬馬「アンタ、やっぱり女なんだなって思うよ。なんていうか、ゴツゴツしてないっていうか」

女P「……ふふ、まだ疑ってたの?」

冬馬「い、いや……そうじゃねぇけどさ」

女P「……いま、同じこと、考えてた」

冬馬「え? 同じこと?」

女P「こうして手を取り合っていると、やっぱり冬馬の手は……男の子なんだなって思った」

女P「……ゴツゴツしてる」

冬馬「……」

女P「ま、冬馬はこっちと違って、最初から男の子だったけどさ」

冬馬「……ああ、そうだよ。だからそんなの、今更言われなくたって……」


「「トーゼン、だぜっ!」」


女P「あはは!」

冬馬「……からかうなよ」


女P(こういう、ふとした瞬間に、嬉しさを感じてしまう)

女P(同じ気持ちでいるということ……こんなに心を弾ませるだなんて、今まで知らなかった)

女P(……言葉にするのは、少し照れくさいけれど……)

女P(この気持ちを、あえて言葉にするなら……それは――)


女P「……『愛してる』……かな」

冬馬「! お、おう。なんの話だ?」

女P「言わなくても、わかるでしょう?」

冬馬「……あ、ああ……」

女P「……冬馬はどう?」

冬馬「えっ……そ、それは……」

女P「……」

冬馬「……同じ、だよ」

女P「同じ、じゃわかりません」

冬馬「い、いいだろ!? 伝わればそれで……」

女P「……」

冬馬「……お、おい? 怒ったか?」

女P「……ふふ、そんなんで怒らないよ」

冬馬「……そっか」ホッ

女P「あ、でもさ……」

冬馬「え?」

女P「女の方からばっかり、そういうこと言わせるのは……あんまりよくないと思うぞっ」

冬馬「……!」

女P「……っと、いけない、言葉遣いがまた……慣れないな、やっぱりこういうのは」

冬馬「……いい」

女P「え?」

冬馬「あ、いや……」

冬馬(不思議なもんだ……男っぽい言葉遣いも、今ではなぜかお姉さん口調に感じて……)

冬馬(新たな扉を開いちまいそうだぜ……)

女P「……冬馬」

冬馬「あっ、な、なんだ!?」

女P「ごめん、今日はあまり時間取れなくて」

冬馬「……これから仕事なんだろ? 仕方ねぇって」

女P「……ありがとう。そう言ってくれると、助かるよ」

冬馬「そもそも、俺のせいで残業確定になったみたいだしな」

女P「……冬馬のせい、って言い方は、ちょっと嫌だな」

女P「冬馬のおかげ、って言うほうが、いい」

冬馬「……そ、そうすか……」

―――
――


女P「……それじゃあ、このへんで」

冬馬「……ああ」

女P「メールするよ」

冬馬「ああ……」

女P「電話は……終わるのがいつになるかわからないから、やめとく」

冬馬「ああ……」

女P「……」

冬馬「ああ……」

女P「愛してる?」

冬馬「ああ……」

冬馬「!?」

女P「あははっ! それじゃ!」

タッタッタ……

【765プロ事務所】

ガチャ

女P「……ただいま戻りました~……」

ソロー……

女P(……ほっ。良かった、アイドルの皆は誰もいないみたいだ)

小鳥「あっ! プロデューサーさん!」

女P「!」ビクッ

小鳥「もう、どこに行ってたんですか? 律子さん、怒ってましたよ……って」

女P「申し訳ない……今日はとことん残業する所存です、はい」

小鳥「その格好……」

女P「……あはは。音無さんにこういうの見せるのは、随分久しぶりですよね」

小鳥「……ふふっ、もしかして、どこかの男性とデートだったんですか?」

女P「……まぁ、そんなところです」

小鳥「やっぱり! それならそうと、早く言ってくださいよ! 聞かせて聞かせて!」

女P「し、仕事しましょう、仕事っ!」

―――
――



カタカタ……


女P「……ふぅ」

女P(結局、音無さんに根掘り葉掘り聞かれちゃったな……)

女P(……冬馬……)

ピッ

女P「……」

――パタン

女P(……メールは、もう少しあとでにしよう)

女P(今送ると、仕事に集中できなくなりそうだし……)

女P(……結局、最後まで……――は、言ってくれなかった)

女P(……まあ、まだ始まったばかりだし、うん)

女P(いつか、未来で……言ってくれれば、それで)

女P「……」


……――♪ ――♪


女P「えっ?」

女P「……この着信音は……」


ピッ


女P「……! メール……」


ピピ……


女P「……ふふ」

女P「……よーし、もうひとふん張り! 頑張ろうっ!!」

【翌日、765プロ事務所】

ガチャ……

あずさ「……おはようございまー……」

女P「あっ! あずささん、おはようございます!」

あずさ「! ぷ、プロデューサーさ」

あずさ「――えぇっ!?」

女P「……驚きましたか?」

あずさ「え、ええ……その格好……」

女P「……もう、隠すのはやめにすることにしたんです」

あずさ「……」

女P「あはは……女装してる、なんて言われるかもしれないですけどね」

あずさ「……うふふっ、大丈夫ですよ」

あずさ「とってもよく、似合っていますから……」

女P「これから、髪も伸ばすことにしたんです。今はまだ、ウィッグのままですけど」

あずさ「そうですか……ふふっ、プロデューサーさん?」

女P「なんですか?」

あずさ「……とても、素敵な表情をされていますね。きっと、何か良いことがあったんでしょう?」

女P「……はい!」

あずさ「良かったですね、本当に……なんだか、私まで、嬉しくなっちゃう」

女P「……ありがとうございます……!」

あずさ「……」

女P「……あずささん? どうしたんですか……?」

あずさ「……ひとつだけ、お願いがあるんです」

女P「お願い?」

あずさ「……ええ」

あずさ「こうすればきっと、私も……前に進めようになると思うから」

あずさ「……お願い、聞いてくれますか?」

女P「……ええ、もちろん」

あずさ「……」

女P「……」

あずさ「私のことを……抱きしめてください」

女P「え……? 抱きしめる?」

あずさ「はい……できれば、その……思いっきり、強く……」

女P「……」

女P(……あずささんの真意は、俺にはわからない)

女P(でも……)


1 わかりました
2 ごめんなさい

>>320

1

女P「……わかりました」

あずさ「!」

女P「……失礼、しますね」

あずさ「……」


――ぎゅっ


あずさ「……ん……も、もっと……」

女P「で、でも……」

あずさ「……いいんです。やっと、言えたんですから……」

女P「……」


ぎゅぅぅ……


あずさ「……っ……」

あずさ「……プロデューサーさん」

女P「……どうしたんですか?」

あずさ「……私、案外、ずるい女なんですよ? なーんてね……ふふっ」

女P「ずるい?」

あずさ「ええ。だって、こういうこと……本当のことがわかった途端、言えちゃうんだから」

女P「……」

あずさ「……いま、抱きしめられて……伝わってきました」

あずさ「性別なんて、関係ない……。間違いなく、プロデューサーさんは、プロデューサーさん」

女P「……そう言ってくれると、嬉しいです」

あずさ「……うふふっ♪ これからは、もっと……これまで以上に、私と仲良くしてくれますよね?」

あずさ「だって私達は、女同士なんですから……遠慮なんて、しちゃダメですよ?」

女P「……はい、もちろんです!」

女P(それから俺は……あずささんに、冬馬とのことをゆっくりと話していった)

女P(ときどきなぜかムッとした表情になっていたけど……)

女P(でも最後には……『おめでとうございます』と言って、優しい微笑みを投げかけてくれた)

女P(あずささん……本当に、ありがとうございます……!)



女P(……そして――)



ドタバタ

「「おっはようございまーっす!」」

女P「お、来たなー。皆、おはようっ!」

「あれ? えーっと……あなたは……新しいアイドル候補生の方、ですか?」

「ねぇねぇあずさお姉ちゃん、この姉ちゃん、誰ー?」

あずさ「……うふふっ、みんな、よく聞いてね? この人は――」



「「ええぇええええええ!!!!?」」

「うあうあー! ちょ、ちょっと、それほんと!?」

「え、うそ、そんな……」

「……」

「ああっ、美希! しっかり!」

女P「あはは……」



女P(そのあと……)

女P(みんなに俺のことを説明して、ちゃんと納得させるまで、大変な時間がかかってしまった)

女P(……何人かがなぜかその場で倒れていたが、まぁそれはきっと、ビックリしたからだろう)

女P(あと、『証拠見せろー』と言われて、イタズラ姉妹に無理矢理ひん剥かれたりもしたけど……)

女P(でもそれもまた、別のお話である……)

女P(――こうして……今日からまた、俺の新たな人生が始まった)

女P(これから先も、色んなことがあるだろう)

女P(ケンカをしたり、笑いあったり……涙を流すことも、あるかもしれない)

女P(それでも――)



女P「ちょ、ちょ……無理無理!」

「あー! まってよ兄ちゃ~ん!」

「いや違ーう! まてまてー姉ちゃ~ん!」



女P(……それでも、変わらずに)

女P(いつまでも変わらずに、765プロの日々は続いていく)

女P(俺のプロデュースも、彼女達のアイドル活動も……)

女P(彼女達ひとりひとりの色で、この世界中を染め上げるその日まで……決して終わることはない)

女P(……いや、それも正確には違う)

女P(変わらない日々の中で、ひとつだけ、決定的に変わったことがある)

女P(それはまだ、始まったばかりだけど……)



女P「……」


ピッ



………………………………
From:天ヶ瀬冬馬
Sub:無し

よう、お疲れ。
あのさ、さっきは、はっきりと
言えなかったけど…。
でも勘違いされたら嫌だから、
一応、今言っておくぜ。




『愛してる』
………………………………

女P(きっと、この恋はまだはじまったばかりで……)

女P(これが本当の愛になるまで、もう少し時間がかかるかもしれないけど……)



女P「……ふふ」



女P(……『愛してる』、『愛してる』)

女P(こんな風に……いつまでも不器用に、誓いあいながら)

女P(手を繋ぎながら、探しあって、求め合いながら)

女(ゆっくりと、歩いていくんだろうな)



女P「……愛してるよ、冬馬」



女P(世界で一番大切な……この彼氏と、一緒に)

終わり

おわりです。読んでくれた方、ありがとうございました
ホモなんてなかった あと恋をはじめようは割と本気で良い曲だよね

【おまけ】

冬馬「……は?」

女P「だから、アレは取り消すって言ってるの」

冬馬「い、いや……別にいいけどよ。なんでまた急に、思い出したかように……」

女P「……ま、忘れてたっていうのが正直なところだけど」

冬馬「……」

女P「でも、その……とにかく、765プロへスカウトするって話はナシということで!」

冬馬「お、おう……」

女P(……765プロは、女の子ばかりの事務所だし……)

女P(まぁ、万が一だけど……、目移りされたら困るから)

女P「……この童貞のことだから、優しくされたらすぐ勘違いして……」ブツブツ

冬馬「ん? なんか言ったか?」

女P「いーえ」

冬馬「……」

女P「さー、冬馬。せっかくの休みなんだし、こんな話してる時間がもったいないよ。もう行くぞっ」

冬馬「はいはい……あ、ちょっと待ってくれ」

女P「え?」


――ぎゅっ


女P「……!」

冬馬「こうだろ? 手」

女P「……うん!」

女P(……冬馬が童貞を卒業するのは、もうそろそろかもしれないし、永遠に来ないかもしれない)

女P(ま、永遠っていうのは言いすぎだけど……先のことなんて、まだまだわからないから)

女P(だけど……)



女P「ねえ、冬馬」

冬馬「ん?」



女P(……朝起きて、仕事して、たまにこうやってふたりでこっそり会って……)

女P(夜寝る前に、おやすみを言って)

女P(そして次の日、また目が覚めるたびに……)



女P「……毎日毎日、この恋をはじめていこうね」

冬馬「……ああ!」

女P「……約束」

冬馬「わかってるよ。でもそんなの、今更言われなくたって……」


「「トーゼン、だぜっ!」」


女P「あはははっ!」

冬馬「……ったく。変わんねぇな、――は」

女P「……変わらないよ。だから……」

女P「いつまでも、こんな風に……どこだって、どこまでも」


女P「一緒に、歩いていこうね」

おまけ終わり

スカウトの話をすっかり忘れてたので書いた
これで本当に終わりです お付き合いありがとうございました

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