白望「雪、みずうみ、白鳥と」エイスリン「星降ル夜……ソシテ」(132)

――森深く
白望「……」

白望「……」グウウゥ…

白望「…おなかへった」

白望(失敗したなあ……こんなとこで迷うなんて……)

白望(おまけに足もくじいて……あんまり動けないや……)

白望「…はあ」

??「…」ガササ…

白望「?」

エイスリン「…」…ヒョコン

白望「……」

白望(……幻かなあ)

エイスリン「……」ジィー…テクテク

白望(あ…近づいてくる)

エイスリン「…?」シャガミ

白望(……綺麗な子)

もしやアンパンザウルスの人かな

エイスリン「……」ジィーッ

白望「……」

エイスリン「……」マジマジ

白望「…あの」

エイスリン「?」

白望「食べもの、もってない?」

エイスリン「…??」

白望「……」

白望(ことばが、わからないみたいだ)

白望「……ええと」グウゥゥ…

エイスリン「!」

白望「……」

エイスリン「……」

エイスリン「…」手ツカミ

白望「…?」

>>3
よっしゃ支援

エイスリン「…」クイ クイ

白望「……」

白望(…来いってこと?)

エイスリン「…」クイ クイ

白望「……」

白望「…」コクン

エイスリン「!」パアァ

白望「……」

白望「よっこい……痛っ」

エイスリン「?」

白望「えっと…足、けがしてて…」

エイスリン「……??」

白望「…」フルフル

白望「ゆっくり、いこう?」

エイスリン「…?」…コクン

しえん

エイスリン「…」手ツナギ

白望「…」手ツナギ

エイスリン「…」テク テク

白望「…」テク…テク…

白望「……あの」

エイスリン「?」

白望「あ…」

白望(どこへいくの、って聞いても、わからないんだ)

エイスリン「??」

白望「…」フルフル

エイスリン「…?」テク テク

白望「……」

白望(……こっち、森のもっと奥に入ってる気がするんだけどなあ)

エイスリン「!」ユビサシ

白望「? ……あ」

白望「みずうみ…」

白望(こんなところに、みずうみがあったんだ…)

白望「……」

白望「…あれ、いない」

白望(女の子……どこいったんだろう)

白望「……」

白望「…」キョロキョロ

白望「…ねえ、どこにいるの」

白望「でてきてよ」

……ちゃぽん

白望「!」

白望「…そっち?」

??「…」ガササ…

白望「…?」

白鳥「…」…ヒョコン

支援

シロ「……」

シロ(……白鳥?)

白鳥「…」

白鳥「…」カクレ

シロ「あ……まって」

白鳥「!」ビクッ

白鳥「…?」…首カシゲ

シロ「……」

シロ「…ええと」

白鳥「……」

シロ「…きみ、さっきの子?」

白鳥「!」

白鳥「……」

……ちゃぽん

シロ「あ…」

首カシゲ

しえん

虫になって食されたい支援

支援

ぶくぶく……ちゃぽん……

エイスリン「…」…ヒョコン

シロ「……やっぱり」

シロ「ここ……きみのみずうみなんだね」

エイスリン「……」ビクビク

シロ「…?」

シロ「こわがらなくていいよ…?」

エイスリン「……??」

シロ「…ええと……つっ!」ズキッ

エイスリン「!?」

シロ「…あの」

エイスリン「…?」

シロ「もし、よかったらなんだけど…おじゃまさせてもらえないかな……?」ユビサシ

シロ「くじいてるとこ、冷やしたいんだ」

エイスリン「…」コクン

しえん

支援

シロ「…」ソー…

エイスリン「…」ジー

ちゃぽ……

シロ「……」

シロ(…冷たくて、きもちいい)

シロ「…ふう」

エイスリン「…」トントン

シロ「?」

エイスリン「…?」首カシゲ

シロ「うん…いいかんじだよ」

エイスリン「!」パアァ

シロ「ありがとう」

エイスリン「!」コクンコクン

エイスリン「…」ニコッ

シロ「…ふふっ」

シロ「…」ゴクゴク

エイスリン「?」

シロ「うん」コクン

エイスリン「!」パァ

シロ(……水なのに、空腹感がなくなった)

シロ(ふしぎだなあ…)

エイスリン「…?」

シロ「ううん、なんでもないよ」フルフル

シロ「……」

シロ「…」ゴロン

エイスリン「?」

シロ「……安心したら、ちょっと休みたくなっちゃった」

エイスリン「??」

シロ「……」ゴロロン

エイスリン「…?」…ゴロン

かぁー かぁー

シロ「……ん」パチ

シロ「もう、夕ぐれか…」

エイスリン「…」Zzz

シロ「…」トントン

エイスリン「……?」パチ

シロ「…そろそろ帰るね」

エイスリン「!」

エイスリン「……」

エイスリン「…」コクン

シロ「……」

エイスリン「…」シュン

シロ「…また来るよ」

エイスリン「!」パアァ

エイスリン「!」コクンコクン

支援

シロ「ばいばい」フリフリ

エイスリン「…」フリフリ

シロ「……」テクテク

ちゃぽん……

シロ「……」フリムキ

…………

シロ「…帰ったのかな」

シロ「……」

シロ「……」テクテク

シロ「…」ガササ…

シロ「…あ」

シロ(知ってる道に出た……帰れる……)

かぁー かぁー

シロ「……?」

シロ(…めずらしい鳥だなあ)

こういう雰囲気好きだわ

シエンタ

――ミヤモリ村
塞「うー…さむう…」

胡桃「おはようビー玉屋さん」

塞「ああ、おはよう木の実屋さん…きょうも寒いね」

胡桃「うん」

塞「こう寒くっちゃねえ」

胡桃「うんうん」

もくもく……もくもく……

塞「……えっ」

胡桃「どうしたの?」

塞「あー……えっと」

胡桃「?」

塞「わたしの目の錯覚じゃなければなんだけど……」

塞「あの煙だしてる煙突…パン屋さんだよね…?」

胡桃「えっ!?」フリムキ

胡桃「……うそ、しんじられない」

もくもく……もくもく……

塞「パン屋さんが働くなんて……」

胡桃「ここ数年なかったよね……」

もくもく……もく……………

塞「…あれ、やんだ」

胡桃「やっぱりダルくなっちゃったのかな」

トシ「いや、そうじゃあないよ」

塞&胡桃「おばばさま!」

トシ「あれは、ふたりぶんのパンを焼いていたのさ」

塞「ふたりぶん…?」

胡桃「ごはん用にってこと?ひとりぐらしだよね?」

トシ「さてねえ、どういうことなのかはわたしもさっぱりなんだ」

トシ「ただ…パン屋のようすが最近おかしいって話は聞くねえ」

トシ「なんでも、焚き木はまるまる残ってるのに、森へ出かけたりしているらしい」

トシ「しかも……なぜかぶ厚い辞書を持って、ね」

おお支援

ほっしゅ

――森深く
シロ「……」

シロ(たしか、このあたりに……)

シロ「……あった、白鳥の羽根」

シロ「…」ガササ…

シロ(……何度目かになるけど、やっぱりふしぎだなあ)

シロ(まわりをぐるぐる回っても、けっして見つけられない)

シロ(村の人に訊いても、そんなみずうみは知らないって言う)

シロ(でも…あの白鳥の羽根を頼りに進んでいけば……)

シロ「……」ガサササ…

エイスリン「! シロ!」

シロ「…」フリフリ

シロ(ここにたどりつける……まるで彼女に招かれてるみたいに)

シロ「……パン、持ってきた」

エイスリン「! タベル!」

シロ「うん」

シロパン食べたい支援

ちゃぽ……

エイスリン「シロ、スキ?」パク パク

シロ「…?」パク…

エイスリン「ミズウミ」

シロ「うん…なんか、おちつく」

エイスリン「…オチ……?」

シロ「…ええと」辞書ペラペラ

シロ「……あった、これ」ユビサシ

エイスリン「……」ジィー

シロ「…なんか、いいなあ、って思ったり」

シロ「…ここで寝たいなあ、って思ったり」

シロ「……しあわせだなあ、って思ったりする、ってこと」

エイスリン「シロ、シアワセ?」

シロ「うん」

エイスリン「!」パアァ

かわいい

支援

シロ「…きみは?」

エイスリン「?」

シロ「きみは、しあわせ……?」

エイスリン「…」

エイスリン「ウン!」コクン

エイスリン「シロ、スキ!」パァ

シロ「……」カァ

シロ「そっか…」

ちゃぽ……

シロ「水、ちょっともらうね」

エイスリン「ウン」

シロ「……」…スクッ

シロ「…」ゴク

シロ「……やっぱり、おいしい」

エイスリン「…」ニコニコ

シロ「……きみも、飲む?」

エイスリン「…ウウン」フルフル

エイスリン「ノム…ホントハ、ダメ」

シロ「え、そうなの…?」

エイスリン「…」コクン

シロ「……ごめん」

エイスリン「! ウウン、シロハ、イイ!」

シロ「…?」

エイスリン「シロハ…」

かぁー かぁー

エイスリン「!」

シロ「あ…いつもの、夜の鳥……」

エイスリン「……」ジィー

シロ「……じゃあ、そろそろ帰るね」

エイスリン「…ウン」コクン

支援

かぁー かぁー

シロ「よっ…こい、しょ」

エイスリン「……」ミアゲ

シロ「……?」

シロ「もしかして、知りあい…?」

エイスリン「! …??」

シロ「あの鳥」

エイスリン「……ウウン」

エイスリン「シラナイ」

シロ「…そう」

かぁー かぁー

シロ「じゃあね」フリフリ

エイスリン「ウン」フリフリ

シロ「……」ガササ…

シロ(……きょうはなんだか、すぐ夜になっちゃった気がするなあ)

エイスリン「……」

烏「かぁー かぁー」パタ パタ

ちゃぷ……

豊音「ぷはぁー」

エイスリン「……トヨネ」

豊音「こんばんは、ウイッシュアートさん」

エイスリン「……」

豊音「うう…怒らないでよー……」

エイスリン「ナンデ…夜ヲヨンダノ…?」

豊音「あ、あのね…あんまり人間と会っちゃ、ダメなんだよー…?」

エイスリン「……」

豊音「精霊さまからお手紙ももらってきたんだけど……」

エイスリン「…イイ」

豊音「え…でも」

エイスリン「ヨマナクテモ……ワカッテルカラ……」

やっぱり豊音ちゃんだったか支援

絵本みたいな雰囲気だな

豊音「そう…じゃあ、そう伝えとくねー」

エイスリン「…ウン」

豊音「星のいずみも、もう飲ませちゃダメだよー…?」

エイスリン「ワカッテル……」

豊音「……じゃあ、わたしも帰るねー」

エイスリン「! マッテ!」

豊音「? ウイッシュアートさん?」

エイスリン「……ワタシ、マチガッテル…?」

豊音「……」

エイスリン「……シロスキ、ダメ…?」

豊音「……わかんないよー」

豊音「でも……わたしたちは、夢と夜の使いだから……」

豊音「人間としあわせにはなれないと思う」

ちゃぷ……

烏「かぁー かぁー ………… かぁー かぁー …………

しえ

――ミヤモリ村
もくもく……もくもく……

塞「おー、今日も焼いてるねー」

胡桃「ここんとこ毎日だね」

もくもく……もく……………

塞「あ、終わった」

胡桃「なんかおもしろいね」

塞「パン、わたしたちも食べたいね」

胡桃「ふつうに売ってくれればいいのに」

塞「ダメダメ、大切なひとのためだけに焼くから意味があるんだって」

胡桃「……顔に似合わずロマンティックなこと言うね」

塞「あ、ひどい!」

胡桃「ふふ」

ひゅうううう……

塞「うあっ、冷たいかぜ……冬だねえ…」

胡桃「うん……そろそろ、雪が降るころかなあ」

しえん

――森深く
シロ「……」

シロ「……」

シロ「……」

シロ(……あれ…ない)

シロ「……」キョロキョロ

シロ「白鳥の……羽根……」

シロ「……」

シロ「……」

シロ「……」

ひゅううううううううう……

シロ「……さむ」

シロ「……」

シロ「…ねえ、いないの」

ひゅうううううううううううう…………

シロ「……」

支援

シロ「……」

シロ「…ねえ」

ひゅうううううう…

シロ「あ……」

シロ「…」

シロ(そういえばわたし……あの子の名前も知らないんだ……)

シロ「……」

シロ「……痛っ」

シロ(…また、くじいた)ズキン

シロ「……」ズキズキ

シロ「……」ズキズキ

シロ「……」ズキズキ

シロ「…帰ろう」

シロ「……」

シロ(…いたいなあ)

――ミヤモリ村
シロ「……」テクテク

塞「あ、パン屋さん、おかえりー」フリフリ

シロ「…うん」

胡桃「? なんか元気ないね」

シロ「…そう?」

塞「たしかに、なんか変だね……かぜ?」

胡桃「あったかいスープとか作ってあげようか?」

シロ「……」

シロ「ううん」フルフル

塞「え、でも…」

シロ「……」

塞「……ほんとに平気?」

シロ「うん…」

シロ「それじゃあ……」フリ

支援

アンパンザウルス可愛かったし、また絵も見たいなぁ

塞「あ……」

胡桃「行っちゃったね」

塞「森で、なにかあったのかなあ…?」

胡桃「うーん……あ!」ユビサシ

もくもく……もくもく……

塞「! また…」

胡桃「……これは、そっとしといたほうがいいかも」

塞「うん……」

もくもく……もくもく……

塞「パン屋さん…」

胡桃「……しんぱいだね」

塞「うん…」

もくもく……もくもく……

……しん、しん しん…しん……

塞「……あ、雪」

シロ「……」

シロ「……」

シロ「…ダルい」

シロ「…」ゴロン

シロ(なんで……いなかったんだろう……)

シロ(……)

シロ(…明日また、いけば……)

シロ「……」…フルフル

シロ「明日いっても……同じだ……」

シロ(なんでだろう…それだけはわかる…)

シロ(もう、あそこに呼んではくれないのかなあ…)

シロ「……」

シロ(…『シロ!』……『タベル!』…『??』……『ウン』…『シロ』『シアワセ?』『シロ』『シロ』『!』パアァ『シロ』『シロ、)

シロ(『シロ、スキ!』)

シロ「…………雪」

支援

美支援

しん…しん…… しん…しんしん……

塞「……雪、やまないねえ」

胡桃「もう一週間くらいかな」

塞「こんなこと、今までなかったのに」

胡桃「ねー」

しんしん…しんしん……しん…しんしん……

トシ「おーい、そこのふたり」

塞&胡桃「おばばさま」

トシ「いま村じゅうをまわって注意してるんだけどね、屋根のうえの雪はこまめに落とすんだよ」

塞「え、危なくないですか?」

トシ「そうも言ってられないのよ、ほら、向こうに空き家だった家があるだろ?」

胡桃「うん」

トシ「あれが雪の重みで潰れちゃってねえ…あれはボロだったけど、みんなの家もそんな丈夫ってわけじゃないからさあ」

塞「うわー…注意しときます」

トシ「うん、よろしく」

しん…しえん…

ん?まさか忘れられてる?

しんしんしえん

しんしん…しんしん……しんしんしん…しん…

シロ「……」

しんしんしん…しんしん……しん…しんしん……

シロ「……」

シロ(あの子に、あいたいなあ)

シロ(…さいきん、そのことばっかり考えてる)

シロ「…あいたい」

しんしん……ギシギシ…しん……しんしんしん……

シロ「……」

シロ(そとは、ずっと雪なのかな……)

シロ(……家が潰れちゃうって、おばばさまが言ってたなあ)

シロ(……つもって……つぶれる)

しんしん……しんしん……

シロ(……つもって)

シロ「……ダル」

シロ「……」

しん…ギシギシ…しんしん……ギシッ…

シロ「……」

シロ「…どうでもいいよ」

しんしん……しんしん……

シロ「……どうなったっていい」

しんしんしん…しんしんしん……

シロ「……」

シロ「……」

シロ「パン……凍ってる」

シロ「……」

シロ(…あの子は、だいじょうぶなのかな)

しんしん……しんしん……

シロ「……」

シロ「…たきぎ」

しえん…

支援

塞「う、ん…しょっ!」

塞「…ふう、こんくらいやっとけば潰れないかな」

胡桃「ビー玉屋さん!」

塞「? なに、木の実屋さん」

胡桃「あっち、パン屋さんのほう!」

塞「んー? ……あ!」

もくもく……もくもく……

塞「パン屋さん…また……」

胡桃「焼いてるんだよ、パン!」

もくもく……もく……………

塞「いけない!森にいく気だ!」

胡桃「ど、どうしよう!」

塞「止めなきゃ!こんな雪のなかで、森になんて行ったら!」

胡桃「う、うん!」

しん…しんしん……しんしんしん……

塞「…」タッタッタッタ

胡桃「ま、まって、ビー玉屋さ…わあ!」タッタッズテーン

塞「! 木の実屋さん、だいじょうぶ!?」

胡桃「う、うん、うわー恥ずかしいなあ……」

塞「…」ホッ

胡桃「……あ、あれ!」

塞「え……あ! パン屋さん!」

塞「おーい!!パン屋さーん!!」

胡桃「森にいったら危ないよー!!」

シロ「……」テクテク

塞「行っちゃうよ…聞こえないのかな……おーいっ!!」

胡桃「び、ビー玉屋さん…」クイクイ

塞「…?」

胡桃「あれ…!」

ギシギシ……ギシギシ……

――森深く
シロ「……はあ…はあ…」

シロ「…さむい」

しんしん……しんしんしん……

シロ「……」

シロ(このあたり……だよね……)

シロ「……」

シロ「……」

シロ「……」

シロ「…やっぱり、ないか」

シロ(……)

シロ(……こんなときなら、あえるような気がしてたのかなあ)

シロ(わたし、ばかなのかも……)

しんしん……

かぁー かぁー

シロ「……?」

支援

烏「かぁー かぁー」パタ パタ

シロ「……夜の鳥」

烏「かぁー」

シロ「……」

シロ「呼んでるの…?」

烏「かぁー」コクンコクン

シロ「……どうして」

烏「…」

烏「かぁー!」

シロ「…怒ってる?」

烏「かぁー」コクン

シロ「……」

シロ「…でも、連れていってくれるんだよね……?」

烏「…かぁー」…コクン

シロ「……ありがとう」

烏「かぁー」ビューン

シロ「まっ……」ガサササ…

シロ(……ダメか、怒ってるんだから)

烏「かぁー」ビュー

シロ「……」ガササササ…

ガサッ!

シロ「…」ガササ…

シロ「…!」

プンスカとよね

シロ「……」

シロ「…いた」

白鳥「……」

白鳥「…!?」

シロ「……」

シロ「…あ」

シロ(雪……やんでる……)

白鳥「……」オロオロ

シロ「…ひさし」

烏「かぁー!」パタ パタ

ちゃぷ……

豊音「待って……」

シロ「……」

豊音「わたしが先だよ」

白鳥「……」

シロ「きみもなんだ…」

豊音「こんばんは…わたしはウイッシュアートさんとおなじ、精霊の使いだよ」

シロ「精霊…」

豊音「そう、わたしたちはそれぞれ、夢と夜の使いなんだよ」

シロ「……」

豊音「信じられる…?」

シロ「うん」

豊音「そっかー…そうだよね…」

豊音「だから、困っちゃうんだよー…」

豊音「……友だちのためだからはっきり言うけどー」

シロ「…うん」

豊音「夢だと思って忘れてくれるのが、いちばんいいんだよ」

シロ「……夢?」

豊音「そう」

豊音「はっと目を覚まして、忘れる……夢」

幻想的

豊音「わたしたちと人間じゃ、しあわせにはなれないんだよ」

シロ「……どうして」

豊音「…わたしたちは、精霊さまのものだから」

シロ「……」

豊音「ウィッシュアートさんがあなたのものになる日は来ないよ」

シロ「……」

豊音「お互いが、どんなに望んでも……」

シロ「……望んでも?」

豊音「そう……だから困るんだよーしんしん雪を降らされても」

シロ「…?」

豊音「泉のちからをそんなふうに使われて、精霊さまも困ってるんだよー」

シロ「…??」

シロ「…ごめんなさい」

豊音「え?ああ、ううん、気にしなくていいよー」オロオロ

豊音「わたしも言いすぎちゃったよー…ごめんねー…?」

子園

豊音「とにかく、わかってくれたかな…?」

豊音「惹かれあっちゃったものはしょうがないから、諦めてほしいんだよー」

シロ「……」

豊音「そしたらぜんぶ元通りになるから」

シロ「……」

シロ「…ウィッシュアートっていうのは」

豊音「うん?」

シロ「あの子の名前…?」

豊音「え、ええと、名前とは厳密に言うとちがって……ええと、精霊名っていうか……」

シロ「…そう」

豊音「そ、それがどうかしたの…?」

シロ「……」フルフル

シロ(…結局、名前はわからずじまいか)

豊音「……じゃあ、最後にひとめだけ、会っていきなよ」

ちゃぽん……

支援

エイスリン「……」

シロ「……ひさしぶり」

エイスリン「…シロ」

シロ「……ごめんね」

エイスリン「……」ポロポロ

エイスリン「……」フルフルポロポロ

エイスリン「…シロ」ポロポロ

シロ「……」

エイスリン「シロ……スキ!」ニコッ…ポロポロ

シロ「…」ポロッ

シロ「わたしも…」ポロポロ

シロ「わたしも……すきだよ」ポロポロ

エイスリン「……ウレシイ」ポロポロ

エイスリン「シアワセ」ポロポロポロポロ

シロ「……」ポロポロ

支援

しえ

シロ「……」グシグシ

エイスリン「……」ポロポロ

豊音「……」

豊音「…そろそろ」

シロ「……違うよ」

豊音「!」

エイスリン「…?」

シロ「……しあわせなんかじゃない」

エイスリン「…シロ」

シロ「しあわせじゃないよ…こんなの」

エイスリン「…?」

豊音「だ、だめっ」

シロ「ねえ…ここは雪が降らないんだね」

豊音「!!」

シロ「きみたちは……夢をみないの?」

すいません、ご飯食べてきます
30分ちょいで戻ると思います

保守はおまかせあれ!

しん…しん…しえん…

保守

スウェン

保守保守

保守

ほっしゅ

法主

エイスリン「……」

豊音「わ、わたしたちは……」

シロ「……」

豊音「…夢は、みない」

シロ「……」

シロ「…いこう、いっしょに」

エイスリン「!」

豊音「ちょ、ちょっと、なにいってるの!」

シロ「……」

豊音「わかってるの!?ウィッシュアートさんがここからいなくなるってことが、どういう意味か!」

シロ「……」

シロ「…だれかの夢のために、この子が夢をみれないなんて…おかしい」

豊音「!」

シロ「……おかしいよ」

エイスリン「シロ…」

きたー

静かに熱いシロさん

シロ「だから、いこう」

シロ「そしたら…前みたいにして、しあわせの意味をおしえてあげるから」

エイスリン「…」

シロ「いっしょに、しあわせになろう」

エイスリン「…シロ」

豊音「だ、だめだよー!ウィッシュアートさんには」

シロ「ねえ」

豊音「!」ビクッ

シロ「…それは、きみのほんとの望みなの?」

豊音「わ…わたしは……」

豊音「わたしには……望みなんてないから……」

シロ「……嘘」

豊音「う、うそじゃないよ!」

シロ「じゃあ……なんで、泣いてるの…?」

豊音「……えっ」ポロポロ

シロイケメン

切ない

支援

豊音「な、泣いてないよー」ポロポロ

シロ「……」

豊音「泣いて…泣いてなんか……ううう…」ポロポロ

豊音「うわあああああああああああああん!」ポロポロポロポロ

エイスリン「トヨネ……」

豊音「わかんないよー……!」ポロポロポロポロ

エイスリン「…トヨネ」ポロッ

シロ「……」

エイスリン「……」ポロポロ

シロ「……」

シロ「ねえ…来てくれる……?」

エイスリン「……」

シロ「ここに、お別れできる…?」

エイスリン「……」

シロ「……きみが決めなきゃ、ダメだ」

しえん

四円

エイスリン「……ワタシハ」

シロ「うん」

エイスリン「ワタシハ…シアワセニ、ナリタイ…」

シロ「うん」

エイスリン「ココ…スキ…」

シロ「うん」

エイスリン「トヨネモ、スキ…」

シロ「うん」

エイスリン「ミンナ…ダイスキ…」ポロッ

エイスリン「デモ」ポロポロ

シロ「……」

エイスリン「シロイナイ、イヤ…」ポロポロ

シロ「…うん」

エイスリン「イヤナノ……」ポロポロポロポロ

シロ「……わかった」ギュッ

エイスリン「ツレテッテ、シロ!」

シロ「…ああ、行こう!」

パリーン!

シロ「!? …なに?」

豊音「……星の泉が割れたんだよー」

すぅー……ぱぁん!

エイスリン「……夢」

シロ「夢…?」

ぱあああああああぁぁぁぁぁ…………

豊音「そう……夢……」

豊音「これからの未来に、ひとびとが見るはずだった、夢だよ」

シロ「……」

エイスリン「……」

豊音「……行って、ふたりとも」ポロポロ

豊音「しあわせになってね」…ニコッ

きれい

しえしえ

支援

ぱああああああああぁぁぁぁぁぁぁ…………

シロ「……」タッタッタッタッタ

エイスリン「……」タッタッタッタッタ

ぱあああぁぁぁぁ……

シロ「……」ガササ…

エイスリン「……」ガサ…ガサ…

ぱあぁ…

シロ「……雪」

エイスリン「…?」

シロ「やんでる」

エイスリン「…??」

シロ「……」

シロ「こっち」

エイスリン「ウン」

シロ「…」ギュッ

――ちいさい丘
シロ「……」

シロ(ここまでくれば…村も近い)

エイスリン「……」ハァ…ハァ…

シロ「……だいじょうぶ?」

エイスリン「…チョット、ツカレタ」ニコッ

シロ「……休憩しよっか」

エイスリン「ウン」

シロ「…」チョコン

エイスリン「…」チョコン

シロ「……」

シロ(いつのまにか……もう夜だ)

シロ「…」チラ

エイスリン「…」ソラミアゲ

シロ「……」ミアゲ

エイスリン「……」

しえ

支援

支援

シロ「……」

エイスリン「……」

……きらん

シロ「あ」

エイスリン「星!」

…きらん きらんきらん ……きらん …きらん

シロ「…すごい」

エイスリン「……」ポロポロ

シロ「…? どうしたの?」

エイスリン「……トヨネガ」ポロポロ

……きらん きらきら きらん

エイスリン「トヨネガ、降ラセテクレタンダ……星」ポロポロ

シロ「……」

シロ「…そっか」

きらん きらん

シロ「……訊きたいことが、あるんだけど」

エイスリン「ナニ?」

シロ「……」

きら きら きらん きららん

シロ「……名前」

きらきら きらきら

シロ「なんて呼べばいい……?」

エイスリン「! ……ウーン」

シロ「……もしかして、ないの?」

エイスリン「…」コクン

シロ「……」

シロ「……じゃあ、エイスリンで」

エイスリン「……?」

シロ「いま降った、星の名前」

きらん

なるほど

   

――ミヤモリ村
塞「あー、帰ってきた、パン屋さーん」

胡桃「! 女の子連れてる!」

シロ「ビー玉屋さん…木の実屋さん…」

塞「もー大変だったんだからね、雪下ろし」

胡桃「家潰れちゃうとこだったんだよ!」

シロ「やってくれたんだ……ありがとう」

塞「え、い、いやあ、まあその、村人仲間だし?みたいなね?」

胡桃「なにテンパってんの?」

エイスリン「…?」

塞「…で、その子は?」

シロ「エイスリン」

塞「エイスリン?」

エイスリン「ハ、ハジメマシテ、エイスリン、デス」ペコン

塞「あ、は、はじめまして、ビー玉屋の塞です」ペコ

胡桃「木の実屋の胡桃です、よろしくね」ペコ

塞さん…

シロ「…今日からいっしょに住むことになったんだ」

塞「へえー」

胡桃「おばばさまには?」

シロ「……あした言う」

塞「あはは、もう眠そうだもんね」

エイスリン「…? ??」

シロ(…これくらいの会話は、まだわかんないか)

塞「じゃあおやすみ、パン屋さん、エイスリン」フリフリ

胡桃「おやすみー」フリフリ

シロ「うん」フリ

エイスリン「オヤスミナサイ、デス」ペコン

シロ「…じゃあ、なか入ろうか」

エイスリン「…?」

シロ「……ここ、わたしたちの家だから」

エイスリン「…!」ポンッ

同棲ー!

がちゃ

シロ「…ただいま」

エイスリン「……?」

シロ「どうしたの?」

エイスリン「…タダ、イマ?」

シロ「うん」

エイスリン「…??」

シロ「…じぶんの、家に帰ってきたときに、言うんだ」

シロ「ただいま、って」

エイスリン「!」パアァ

エイスリン「……タ」

エイスリン「タダイマ、シロ!」ニコッ

シロ「…うん」

シロ「おかえり、エイスリン」


カン!

乙乙!!ロマンチックですばらでしたよ!
しんしん…っていう擬音を見たらはっぴいえんどを思い出しましたよ

おわりっす
支援保守等ありがとう

乙!絵本読んでるようでよかった!!

うむ いい感じで終わったな よかったぞよ
ついでに永水とか新道寺とかも書いてくれてもいいのよチラッチラ

乙乙

乙ー!
こういう話も好きだ!

乙ー。雰囲気出てたよ

ポコポコ投入したオリジナル設定でリアリティを表現したつもりになってるんだろうけれど
結局それで何を書けるわけでもなく、設定に沿った惰性的な話が続くだけ
面白いものを書くためのノウハウを持たず、それっぽい文章を積み上げるだけで悦に浸ってるタイプ

読んでる奴らも話が展開するのを眺めていたいだけ
サザエさんを見てるのと似たような精神状態

こういうのが増えて平均レベルが下がると、SSスレを開いて読もうという気力が削がれるのでやめてほしい

乙乙

>>1

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