小町「は、八幡!」 (515)

比企谷ハウス

小町(つ、ついに呼んじゃった!お兄ちゃんのこと名前で!)

八幡「え……どうした小町」

小町「な、なんでもないよおに……八幡!」

小町(やっぱり名前で呼ぶの恥ずかしい……でもこうしてれば、お兄ちゃんも小町のこと少しは女の子として見てくれるはず!)

八幡「なんでもあるだろ。どうした急に、俺のこと名前で呼んだりして」

小町「き、気にしないでいいよ!ただ呼びたいから……呼んでるだけ///」

八幡「お、おう。そうか」

八幡(よく分からんが、とりあえず小町可愛い)

八幡(しかしどうしたんだ……?お兄ちゃんから急に八幡に呼び方変えるなんて……!!)

八幡「小町……まさかお前」

小町「え!?もう気付いたの!」

小町(そんなに小町のこと分かってくれるんだ……小町的にポイント高すぎ!)

八幡「じゃあ、やっぱり……」

小町「う、うん///」

八幡「そうか……」

小町「は、八幡……あのね」

八幡「ま、待ってくれ。もう少しだけ俺に時間をくれないか」

小町「えっ、あ、うん……」

小町(そうだよね、返事なんてすぐできないよね)

小町「心の準備ができたらいつでも言ってね」

八幡「……ああ」

小町(あのお兄……じゃなかった、八幡があんなに真剣な表情で悩んでる……小町のことそれくらい考えてくれてるんだ……)

小町「じゃ、じゃあ小町部屋に戻るね!」パタパタ

八幡「おう」

パタパタ……カチャ、パタン

八幡「…………」

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翌日 奉仕部

雪乃「…………」ペラッペラッ

ダダダダダ!ガラガラ!

八幡「助けてゆきえもん!」

雪乃「死になさい」

八幡「ぐはっ!……なんで一言目からそんなに厳しいんだよ……」ガクッ

雪乃「あらごめんなさいね、あまりにも気持ち悪かったものだから表現を遠まわしにするのを忘れてしまったわ。キモ谷君、ゴムをつけずにスカイツリーからバンジージャンプをしてみてくれないかしら」

八幡「おい、なんで東京で死ななきゃならないんだ、千葉で最期を迎える夢くらい叶えさせてくれよ」

雪乃「死ぬこと自体は否定しないのね……」

結衣「やっはろー!ってうわ!ヒッキーなんで入り口の近くでしゃかんでるの!?」

八幡「気にするな。っていうかお前こそ、普通挨拶する前に気付けよ」

結衣「え?あはは、ごめん」

雪乃「自分の存在感の薄さを忘れるために他人を責めるのはやめなさい、薄谷君」

八幡「その呼び方自体は別に否定しないが上の方を向いて言うのはやめろ、俺の髪はふさふさだ」

雪乃「そうね、まだね」

八幡「不吉な未来を想像させるな!」

結衣「だ、大丈夫だよヒッキー。パパも三十歳過ぎるまでは薄毛に悩まなかったって言ってるし!ヒッキーも二十五歳くらいまではその調子でいけるよ!」

八幡「おい、なんでナチュラルに俺の髪の寿命をお前のお父さんより五歳短くした」

雪乃「あなたの髪はどうでもいいのよ。それより比企谷君、私になにか用事があるのではないかしら?」

八幡「ああ、そうだった。いや、お前に、っていうか、お前ら二人ともに相談があるんだよ」

雪乃「そう……私だけにではなかったのね……」

八幡「あ?どうかしたか?」

雪乃「なんでもないわ。それよりその相談内容を早く言いなさい」

八幡「あ、ああその、実は……」

結衣「……実は?」

八幡「……れた」

結衣「え?もう一回言って?」

八幡「……………………小町に嫌われた」

雪乃結衣「え?」

八幡「……理由が全く分からねえし……いつもと違う怒り方みたいだし……」グスッ

雪乃「ちょ、ちょっと。泣かないでちょうだい」

結衣「そ、そうだよ。ほら落ち着いて?ね?」

八幡「これが落ち着いていられるかぁ!」

雪乃「……確かに、小町さんに嫌われるなんて事があったら、このシスコンが落ち着いていられるわけもないわね」

結衣「と、とりあえず事情を話してみて?」

八幡「……昨日、急に小町が俺のことを名前で呼んできたんだ」

結衣「名前で呼ぶ……それで?」

八幡「なんか言いたそうな顔してたんだけど……聞くのが怖くて先延ばしにしちまった……」

雪乃「その内容を今日の朝辺りに言われたのかしら?」

八幡「いや、まだ怖くて聞けてない」

雪乃「……では何を根拠に怒っていると?」

八幡「は?だって俺のこと「八幡」って呼び始めたんだぞ?怒ってるどころか激怒レベルだろ。激おこぷんぷん丸だろ」

結衣「なんで今それ使ったし……ってかなんで名前で呼ぶのが怒ったことになるの?意味分からないんだけど」

雪乃「同感ね。そこから怒っていると断ずる理由が見つからないわ」

八幡「お前ら、よく考えてみろよ。小町が俺のことを名前で呼ぶ。するとどうなると思う?」

雪乃結衣「…………」

結衣(小町ちゃんはヒッキーのことが大好き、兄妹の越えちゃいけない一線を越えそうになるくらい)

雪乃(そして相手を名前で呼ぶという行為。これは相手との距離を縮めるもの)

雪乃結衣(兄のことが大好きな妹、その兄を名前で呼ぶという行為。導き出される結論は)

雪乃結衣「……!」

八幡「分かったようだな。そうだ!あいつが俺のことを「八幡」と呼ぶって事は、「お兄ちゃん」と呼ぶのをやめたということ!つまりあいつは、俺のことをお兄ちゃん失格だと思ったってことだよ!」

雪乃結衣(……ここにとてつもない馬鹿がいる……)

八幡「ああ、なんかしたかな俺……この前風呂場で着替え中のあいつ見ちゃったのがいけないのかな……いやでもあれ事故だし……」ブツブツ

結衣「……ね、ねえゆきのん?ヒッキーさ、すごい勘違いしてない?多分小町ちゃんは……」

雪乃「……ええ、おそらく彼が思っているのとは全く逆の感情を抱いているでしょうね」

結衣「ど、どうする?」

雪乃「どうする?とは?」

結衣「だってこのままヒッキーの誤解解いたら、絶対越えちゃいけない一線越えるよこの兄妹」

雪乃「……それもそうね」

結衣「だからってこのまま勘違いさせておくのは……」

雪乃「できないわね。あと数日この状態のままでいれば、本当の廃人になりかねないわ」

結衣「やっぱり、本当のことを言うしかないのかな……」

雪乃「…………」

結衣「ゆきのん?」

雪乃「……一応、彼の誤解を解いた上で、小町さんの本当の気持ちにも気づかせない手段ならあるわ」

結衣「ほんと!?」

雪乃「けれどこれは、嘘だから……」

結衣「ゆきのんにはできないね……」

雪乃「ええ、私って嘘が吐けない性格だから」

結衣「ねえ、その手段ってゆきのんじゃなきゃ使えないの?」

雪乃「彼と親しい女子なら、おそらく誰でも……」

結衣「ならそれあたしがやるよ!」

雪乃「い、いえこの手段は私以外はあまり使わない方が」

結衣「そんなに危ないの?」

雪乃「危なくはないのだけれど……その……」

結衣「とりあえず言うだけ言ってみてよ。ね?」

雪乃「……分かったわ、耳を貸してもらえるかしら」

結衣「うん」

雪乃「───」ゴニョゴニョ

結衣「ふんふん」

雪乃「───」ゴニョゴニョ

結衣「ほうほう」

雪乃「───」ゴニョゴニョ

結衣「ふえええ!?」

雪乃「声が大きいわ」

結衣「だ、だって……」

雪乃「だから言ったでしょう?やはりこの方法は──」

結衣「で、でもあたしやってみる!」

雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん?」

結衣(恥ずかしいけど……ここで頑張らなきゃ、ヒッキーが小町ちゃんに取られちゃう!)

結衣「よし!頑張れあたし!」

八幡「あいつの料理を素直に褒めなかったのが原因かな…………ん?どうした由比ヶ浜、怖い顔して」

結衣「は…は…八幡!」

八幡「」

結衣「え…と、どうしたの、は……八幡?鳩が豆まきされたみたいになってるよ?」

八幡「…………はっ!突然の事態に由比ヶ浜の間違いを正すのすら忘れてたぜ」

結衣「え、あたし間違ったこと言った?」

八幡「ああ、いいか由比ヶ浜。お前はアホだから忘れてしまったかもしれないが、お前は俺のことをいつもヒッキーと呼んでいたんだ。そんなくしゃみみたいなノリで俺の名前を呼んだりしていない」

結衣「それくらい覚えてるし!八幡はあたしのことどれだけアホだと思ってるの!?」

八幡「かなりのアホだと思ってる。っていうか急になんだよ。人が悩んでるときにさらに悩みの種増やすとか何がしたいの?そんな種を増やしたところで森林は増えないぞ?」

八幡(っていうかクラスメイトの女子に名前で呼ばれるとか勘違いしちゃうだろうが)

結衣「また訳分からないこと言ってる……」

八幡「いや今一番訳分からないことしてるのお前だから。なに、なんで急に名前呼び?」

結衣「……八幡は小町ちゃんが急に名前で呼んできた理由が分からなくて悩んでるんだよね?」

八幡「正確にはちょっと違うが大体そんな感じだ」

結衣「八幡は勘違いしてるの!」

八幡「あ?勘違い?」

結衣「そう!八幡は深く考えすぎてるの。小町ちゃんはきっとなんとなく名前で呼んでるだけなんだよ」

八幡「なんとなくって……それは楽観的すぎるだろ」

結衣「楽観的じゃないよ。それを今あたしが証明してるんじゃん」

八幡「じゃあ、お前が急に名前呼びしたのは」

結衣「八幡が名前で呼ばれることを大事件みたいに言ってるからだよ。女の子は、なんとなくで名前呼びするのを伝えたかったの」

八幡「……おい雪ノ下。どう思う?」

雪乃「なぜ私に振るのかしら?」

結衣「そ、そうだよ!今あたしと喋ってるじゃん!」

八幡「お前の言うとおり女子が男子のことを名前で呼ぶのが普通なら、雪ノ下だって俺のことを名前で呼ぶことにたいした抵抗はないはずだろ。だから名前呼びについてどう思うか聞いてるんだ」

結衣「そ、それはその……」

雪乃「……いくらそれが普通なことだしても、好きでもない相手を名前で呼ぶことには、流石に抵抗くらいは感じるものよ」

八幡「つまり、俺のことは名前で呼べないってことか」

雪乃「…………」

八幡「ほらな、今のところお前の説を証明してくれるやつは誰もいない」

結衣「うぅ……」

八幡「……由比ヶ浜。もし落ち込んでる俺のために無理にそんなことしてくれてるならやめてくれ。こうなったのは俺の責任なんだから」

結衣「八幡……」

八幡「だから無理に名前で呼ばなくていいって」

結衣「……あの、本当はね──」

雪乃「相変わらずネガティブね、八幡」

結衣「……え?」

雪乃「どうしたのかしら由比ヶ浜さん。まるでさっきの八幡のような顔を……いえ、ごめんなさい。彼の顔で例えるなんて残酷なことしてしまったわね」

八幡「おい、ツッコミどころはいくつかあったが、とりあえず人の顔で例えるのが残酷だとか言うな。まるで俺の顔が残酷みたいじゃねえか」

雪乃「さすがは国語三位の八幡ね」

八幡「いやここで褒められても嬉しくないから……っていうかお前なんで名前で呼んでるんだよ」

雪乃「ついさっき由比ヶ浜さんが言ったばかりでしょう?あなたのことを名前で呼ぶことに、たいした理由など無いわ」

八幡「その後、嫌いな相手のことは名前で呼びたくないって言ったのはお前だろ」

雪乃「そうね、嫌いな相手のことは名前でなど呼ばないわ」

八幡「ならなんで」

雪乃「……私がいつ、あなたのことを嫌いと言ったのかしら?」

八幡「…………」

八幡(落ち着け俺。今までこんな風に思わせぶりなこと言われて、勘違いしてきたんだ。とりあえず、あいつの言葉の裏を正しく読みとろう頑張れ!国語三位の八幡!)

八幡「……お前はさっき「好きでもない相手は名前で呼ばない」って言ってたな。つまり、俺のことを「嫌いではない」くらいには好意的に見てくれてるのか」

雪乃「いえ、嫌いではない程度の相手でもわざわざ名前で呼ぼうなどと思わないわ」

八幡(か、勘違いするな……いや、もうこれしてもいいんじゃね?勘違いしちゃってもいいんじゃね?)

八幡「な、ならなんで、君は私のことを名前で呼んだのかね?」

結衣「なんか犯人みたい……」

雪乃「簡単なことでしょう?私はあなたに……その、好意を持っているわ」

結衣「え」

八幡(よーしオーケー。まずは状況整理だ。あいつは俺に好意を持ってくれている。うん……うん、あれだ。ほんの少し、物凄くほんの少しってことだろ!17年も生きてれば絶世の美少女に友情に似た好意を持たれることだってあるさ。さすが俺、危うく勘違いで告白して成功するところだった)

八幡「いや成功しねえよ!」

雪乃「急に訳の分からないことを叫ばないでもらえるかしら」

結衣「八幡キモい……」

八幡「名前で罵倒するなよ、いつもより傷つくだろ」

結衣「え、じゃあ……比企谷君キモい」

八幡「……おう」

八幡(なんだろう、名前で呼ばれなくなったら少し寂しいと感じた俺がいた。いやそんなことはどうでもいい)

八幡「つまりあれか、雪ノ下はこの数ヶ月でほんの少しは好意を持ってくれたってことだな」

雪乃「そうね。あなたには何回も助けてもらったもの。確かにあなたの考え方は褒められたものではないけれど、私には思いつかないことを思いつきそれを実行するあなたの姿はいつもかっこいいと思って見ていたわ」

八幡「お、おう」

雪乃「さらに言うなら罵詈雑言に呆れず私といつも会話をしてくれるあなたの心の大きさにはつい全てを預けてしまいたくなるわ」

八幡「あ、あの、雪ノ下?」

雪乃「付け加えるならあなたの度胸ね。テニスといい柔道といい、ギャラリーに臆することもなく自らの意志を貫いたあの姿には思わず心を奪われたわ」

八幡「い、いや、おい」

雪乃「他にもいくつかあるけれど、これらのことから私はあなたに好意を抱くようになったわ。と言ってもあなたの言ったように少しなのだけれど。あなたと話していると幸せな気持ちになったり、見つめられると心臓の鼓動が早くなったり、家に帰ってからもずっとあなたの事を考えてしまう程度のごくわずかな好意よ」

八幡「…………」

雪乃「他には……そうね、例えば私は夢の中であなたといつもベッドで──」

結衣「ストォォォォォップ!!!ゆきのん、一回落ち着いて!」

雪乃「ど、どうしたの由比ヶ浜さん。大声を出して。私はいつでも落ち着いているわよ?」

結衣「だいぶ暴走してたよ!だ、だって今ゆきのんが言ったのって、も、もうほとんど告白じゃん……」

雪乃「え?……あ///」カァァ

結衣「……八幡大丈夫?」

八幡「……はっ!お、俺は今までいったい何を」

雪乃「八幡、今私が言ったことを今すぐ頭の中から消去しなさい」

八幡「今の?なんか変なことでも言ってたのか?」

雪乃(頭がショートでもしたのかしら……?まあ、覚えていないに越したことはないわ)

雪乃「いえ、忘れたのなら問題ないわ。話を本題に戻しましょう」

八幡(忘れられるわけねえだろ……まあこの方がいいか)

八幡「そうだな。つまりお前たちの言うことを整理すると、女子は意外と軽いノリで男子を名前で呼ぶってことだな」

結衣「うん!」

雪乃「そういうことね」

八幡「……まあ、由比ヶ浜だけならともかく雪ノ下も言ってるんだし信じるよ」

結衣「なーんか気になる言い方……」

八幡「気にするな、どうせ明日にはお前は忘れてるんだから」

結衣「ちょっと!そんなに記憶力悪くないし!」

八幡「なにはともあれ悩みが消えたわ。二人のおかげで助かった、ありがとう」

結衣「は、八幡にちゃんとお礼言われると……」

雪乃「なんというか、照れるわね……」

八幡(そんな可愛い反応するなよ……)

キーンコーンカーンコーン

雪乃「……下校時刻ね」

八幡「だな。じゃ、帰るわ」

雪乃「ええ」

結衣「もう悩んじゃだめだよー」

八幡「分かってるよ、じゃな」

ガラガラ

結衣「……ゆきのん良かったの?さっきの……」

雪乃「え、ええ。彼も忘れていたことだし大丈夫でしょう」

結衣「そっちじゃなくて、いやそっちもなんだけど……嘘吐いて良かったの?」

雪乃「……私の八幡への好意は嘘ではないわ」

結衣「だからそっちじゃないって!あの、名前はなんとなくで呼ぶってやつ」

雪乃「ああ……あれは、その……不可抗力よ」

結衣「ふかこーりょく?」 

雪乃「仕方がなかった、という意味よ。彼が今にも死にそうなほど悩んでいたから嘘を吐くしかなかったのよ」

結衣「……そっか」

雪乃「?」

結衣「ゆきのんは本当に八幡のことが大好きなんだね……」

雪乃「ほんの少しよ」

結衣「……ほんの少しなら、嘘なんて
……」

雪乃「なにか言ったかしら?」

結衣「ううん!なんでもない!ほら、そろそろあたしたちも行こう?」

雪乃「そうね、帰りましょうか」

やっはろー!1です
今日の投下はここまでです。

最初に言っておくとこのSSにめぐりんといろはが出てくる予定は今のところないです。

それじゃまた明日!

帰り道

八幡(さっきはああ言ったが、やっぱりまだ少し信じきれていない。疑うことに思考を費やしすぎて、自転車忘れてくるくらいには考えてしまう明日徒歩で登校か……。せめて後一人証人がいれば信じられるんだが……)

川崎「…………」テクテク

八幡(あ、あれは!川……川……なんとかさん!)

川崎「…………」テクテク

八幡(どうやら一人で帰ってるようだな……こんな時間に学校いるなんて、おおかた平塚先生に呼び出されでもしたか。まあいい、あいつに証明してもらおう)

八幡「よう」

川崎「……あんたか」

八幡「悪かったな俺で」

川崎「別に悪いわけじゃないけど……何?」

八幡「実は、どうしてもお前と話がしたくてな」

川崎「!」

八幡(川なんとかさんが赤くなった。まあいいや。とりあえず本題について聞かなければ)

八幡「ところで、お前にちょっと聞きたいんだけどさ」

川崎「な、何?」

八幡「……女子って気軽に男子のこと名前で呼ぶの?」

川崎「……は?なんで急にそんなこと聞くのさ」

八幡「それは……」

八幡(素直に、小町に嫌われたかもしれないからって言うのは……ちょっとな。しかし、今だいぶ脳が疲れて良い言い訳が思いつかん……適当でいいか)

八幡「いやちょっと、お前に名前で呼んでみてもらいたくてな、深い意味はない」

川崎「え、そ、それって……」

八幡「どうした?」

川崎「……そうだね、気軽に名前で呼ぶんじゃない?」

八幡(ほう、あいつらが言ってたのは本当だったのか……あとで疑ったこと謝ったとこう。心の中で)

川崎「う、噂じゃ、ぼっち同士だとその逆もあるらしいよ」

八幡「は?なんで?」

川崎「さ、さあ?で、でもそれならさ、あんたがあたしのこと名前で呼んでもおかしくないよね」

八幡「……いやおかしいでしょ」

川崎「……だめ?」

八幡(あの川なんとかの上目遣い……!?なんだこれ、威力が強すぎる!)

八幡「だ、だが……」

川崎「お願い……八幡」

>>62
名前がsagaになってるよ

>>64あっほんとだ。お恥ずかしい。
言ってくれてありがとう、ございます

八幡「な、なんで俺のこと名前で……」

川崎「……八幡が名前で呼ばれたいって言ったんでしょ」

八幡(そういやそうだった)

川崎「ねえ……」

八幡「うぅ……」

川崎「……あたしの名前なんて呼びたくないの……?」

八幡「そ、そういうわけじゃ……」

川崎「……」

八幡「…………………………沙希」

川崎「!……もう一回」

八幡「沙希」

川崎「……ん。ありがと」

八幡「何に対するお礼だよ……」

川崎「小さいことをいちいち気にするんじゃないよ。あ、あたしはこっちの道だから。八幡はあっちでしょ」

八幡「そうだな。今日は助かった」

川崎「助かった?」

八幡「いやなんでもない。それじゃ」

川崎「ああ、それじゃ」

八幡(……お礼はちゃんと言っとかないとな)

八幡「サンキュー、愛してるぜ沙希ー!」

川崎「……!?」

八幡(陸上部顔負けのスピードで走っていった……スーパーの特売でもあるのか?)

いろはすとめぐりんが出ないと言うことははるのんはでるのかね?

>>70はるのんと、あと平塚先生も出す予定はないです……

比企谷ハウス

八幡「たでーまー」

小町「あ、八幡おかえり///」

八幡「どうした?顔赤いぞ」

小町「ううん、なんでもないよ!」

小町(エプロン着けて名前でお出迎え……まるで新婚さんみたい!小町的にポイント高い!)

小町「は、八幡!」

八幡「うお、急に叫ぶなよ。なんだ?」

小町「そ、その……」

八幡「?」

小町「ご飯にする?お風呂にする?それとも……こ・ま・ち?」

やっはろー!1です

登場人物についてですが、そんなに出てくるキャラは多くないです。

ただ自分は変わりやすい性格なんで、もしかしたら出さないと言ったキャラを出す可能性はあります。

八幡「こま……ご飯で」

小町「……分かった」

八幡(あ、危なかった……条件反射で小町を選ぶところだった……)

小町(小町を選んでくれても良かったのに……ヘタレだなぁ)

小町「それじゃあ、用意するから待っててね」

八幡「おう、悪いな」

ダイニング

小町「出来たよー」

八幡「おー、うまそう」

小町「愛情たっぷりだからね!それじゃ」

八幡小町「いただきます」

八幡「……なあ小町」

小町「んー?」モグモグ

八幡「実はな……お前が俺のことを名前で呼ぶ意味を、その……勘違いしてたすまん」

小町「勘……違い?」

八幡「ああ、その……お前が俺のことを八幡って呼ぶのは、お兄ちゃんって呼びたくなくなって仕方なくだと思ってたんだよ」

小町「お兄ちゃんて呼びたくなくなる?なんで?」

八幡「いやそこまでは分からなくてな、とりあえず小町に嫌われたと思って学校で超落ち込んでた」

小町「へえ」ニヤニヤ

八幡「なんでニヤニヤしてんの?」

小町「し、してないしてない」

小町(そんなに小町のこと思ってくれてたんだ……えへへ)

八幡「まあ、その勘違いについてはもう解けたんだけどな」

小町「解けたなら良かったけど……八幡のことだから、まーた勘違いしてるんじゃない?」

八幡「それはねえよ。三人も証人がいるんだから」

小町「三人?」

小町(雪乃さんと結衣さんと……平塚先生あたりかな?うーん……)

小町「まあ三人集まればもんじゃの知恵って言うからね」

八幡「もんじゅな。お前、由比ヶ浜とどっこいどっこいだぞ」

小町「え……」

八幡「いやそんな深刻そうな顔すんなよ。お前は知らないかもしれないけど、実は小町って結構頭悪いんだからな」

小町「そういうことを真顔で言わない!ポイント低いよ!」

八幡「へいへい」

小町「……ねえ八幡?誤解が解けたってことは、なんで名前で呼び始めたのかも分かったってことだよね?」

八幡「ああ、バッチリだ」

小町(ってことは小町の気持ちにも気づいてるはずだよね……その割には反応が薄いっていうか……)

小町「ちなみに小町が名前で呼んでる理由を聞かせてもらってもいい?答え合わせとしてさ」

八幡「あ?別にいいけど……あれだろ?女子って男子のことをなんとなくで名前呼びするんだろ。いやー中学の時にそんなことされなくて良かったぜ。間違いなく好きになってた」

小町「……あっれー?」

八幡「ん?どうした」

小町「それ誰から聞いたの」

八幡「誰って……」

小町「早く」

八幡「雪ノ下と由比ヶ浜と沙希だよ」

小町「……。もう一回言って」

八幡「だから、雪ノ下と由比ヶ浜と……あっ……川越だよ」

小町「今の「あっ」ってなに!なんで八幡が川村さんのこと名前で呼んでるの!」

八幡「いや、あれだよ。川中の苗字が思い出せなくてな。名前で呼ぶしかなかったんだ」

小町「八幡はそんな理由でほいほいと女の子の名前言えるような勇気もってないじゃん!」

八幡「ばっ、馬鹿言うなよ。俺が今までどれだけの女子を名前で呼んだと思ってんだよ」

小町「どうせ小町と結衣さんと戸塚さんだけでしょ」

八幡「くっ……百点の答えだ」

小町「…………」

八幡「……こ、小町?」

小町「…………」プルプル

八幡「あの……」

小町「……………………八幡」

八幡「ひゃい!」

八幡(なんだ、小町が超怖い)

八幡「どういたされなされましたでしょうか小町さん」

小町「……私もう寝るから。後片づけしておいて」

八幡「よ、喜んで……」

テクテク……ガチャ……バタン!!!

八幡「…………えー」

>八幡「~女子を名前で呼んだと…
>小町「どうせ小町と結衣さんと戸塚さんだけでしょ」

やっぱ戸塚は女子だったかー(錯乱)

翌日 下駄箱

八幡「はあ……」

三浦「あ、ヒキオじゃん」

葉山「ん?……やあヒキタニ君、おはよう」

八幡「……よう、朝から仲いいな」

三浦「や、やっぱりそう見える?」

八幡「ああ、うん、見える見える超見える」

葉山「……なにかあったのか?」

八幡(こいつに見抜かれるくらい落ち込んでるのか俺……)

八幡「なんもねえよ」

葉山「ならいいんだけど……」

三浦「隼人ー、早く行こー」

葉山「今行くよ……それじゃ」

八幡(やっと行ったか……ってなんであいつらまだこっちを見て──)

結衣「あ!八幡やっはろー!」

八幡(そっかー俺の後ろのお馬鹿さんを見てたのかー)

今日はここまでにします






はよ続きかけ

>>113
鬼畜www

おつ

>>114
>>113は有名なはまち嵐だから構っちゃダメ

結衣「あ、優美子と隼人君も。やっはろー!」

葉山「あ、ああ、おはよう」

三浦「おはよ……ねえユイ、今ヒキオのこと名前で呼んだ?」

結衣「う、うん///」

三浦「ふーん……ヒキオ」

八幡「な、なんだよ」

三浦「ユイのこと泣かせたりしないでね」

八幡「は?」

葉山「頑張れよ比企谷」

八幡「いや、ちょっ」

葉山「じゃあ優美子、俺たちは教室に──」

雪乃「あら、八幡に由比ヶ浜さん。おはよう」

結衣「あ、ゆきのん!やっはろー!」

八幡「……………………うす」

雪乃「なにかあったのかしら?ただでさえ腐っている目の腐敗がさらに進んでいるようだけれど……小町さんのことかしら?」

八幡「それもあるが、今お前が登場したせいであの二人からの視線が急に痛くなったのが一番大きいな」

雪乃「?」

三浦「………………ヒキオ」

八幡「は、はいっ!」 

三浦「結衣のこと泣かしたら……マジで潰すから」

八幡「えっ、いやあの」

葉山「……比企谷」

八幡「な、なんだよ」

葉山「…………………………………それじゃ」

八幡「……いやなにか話せよ!話しかけるタイミング分からなかったじゃねえか!」

八幡(ああ、もうあんなに遠く……っていうかあいつら絶対勘違いしただろ。あれか、ぼっちが女子に名前で呼ばれるってのはあの葉山ですら勘違いしてしまうほどの大事件なのか。なんとなくで気軽に呼ぶんじゃないのかよ)

八幡「はああああ……」

結衣「八幡?」

雪乃「事情が分からないのだけれど……」

八幡「カクカクシカジカ……はあ」

結衣「え!?あたしと八幡が恋人!?……えへへ」

雪乃「……彼らの中では、私はどんな立ち位置にいるのかしら……」

八幡「知らない方がいいんじゃねえの」

雪乃「そうね……とりあえず、誤解については後で由比ヶ浜さん自身に解いてもらえば問題はないでしょう」

八幡「だな、頼んだぞ由比ヶ浜」

結衣「…………解かなきゃだめ?」

雪乃「もちろんよ。しっかりと解いてきてちょうだい」

八幡「つーか、お前も俺の彼女なんてレッテル貼られたくないだろ」

雪乃「そんなレッテルを貼られるのは私だけでいいわ」

八幡結衣(聞かなかったことにしよう)

結衣「頑張る……」

八幡「ああ、よろしくな」

雪乃「お願いね」

結衣「はあ…………」

昼休み

八幡(今日は雲一つない晴天な上に気温もちょうどいい。最高のぼっち飯日和だ)

三浦「ヒキオ」

八幡「……なんだ?」

三浦「あんさー、ユイと付き合ってないんだよね?」

八幡「あ?ああ、お前らが勝手に勘違いしただけだ」

三浦「なーんだ、勘違いか」

八幡(聞きたいことだけ聞いて問答無用に帰っていった……まあ雑談がしたかったわけでもないからいいんだが。そんなことより俺のランチタイムの方が重要だ)

川崎「ねえ八幡」

結衣「!」

八幡(俺って今日厄日なの?)

八幡「なんだ?」

川崎「今日も一人でご飯?」

八幡「ああそうだけど。なんか話があるならあとでいいか?パンが売り切れちまう」

川崎「弁当作ってきたから一緒に食べよう」

結衣「!?」

今日はここまでですー

静ちゃんも堅いイメージを崩すためにも
生徒を名字ではなく名前で呼べばいいと思う

>>135
行き遅れ(堅苦しい)
行き遅れ(なれなれしい)


……さほど変わんないな

少しですが投下していきます

少しですが投下していきます

八幡「は?弁当?弁当ってあの……食べるやつ?」

川崎「それ以外にどんな弁当があるのさ」

八幡「そ、それもそうだな……」

川崎「あ、勘違いするなよ。この弁当はたまたま作りすぎちゃって──」

八幡(まあベタだけど、やっぱりそういう理由か……)

川崎「なんて理由じゃなくて、あたしが八幡を想って作った弁当だから」

八幡(ツンデレに見せかけたストレートだと!?そんなど直球なボール受け止められねえよ!)

八幡「そこまで言われたら断れねえよ……」

川崎「行くよ、着いてきて」

八幡「んな急がなくてもいいだろ」

川崎「……視線が痛い」

カワサキモオトシタゼ ホカニモオチテンダロ ヒキタニクンマジパナイッショ

八幡(おい一部の誤解が解けてねえぞ)ギロッ

結衣「…………」サッ

八幡(視線逸らしやがった……)

川崎「八幡、早く行くよ」

八幡「あっ、待てよ沙希」

結衣「……………………」ゴゴゴ

三浦「ユイがさっきから変なんだけど」

屋上 

八幡「おお……すげえ。お前こんなところで食べてんのかよ」

川崎「そんなにすごい?」

八幡「すげえよ。こんな高いとこで景色見ながら食事なんて、金持ちみたいじゃん」

川崎「あんたの金持ちのイメージおかしいよ」

八幡「そうか?」

川崎「そうだよ」

八幡「そうか……」

八幡(しかし、ほんと……何回か来たことはあったけど食べるのは初めてだから新鮮だ。そして高くてちょっと怖い)

八幡「お前こんなところで食べてて怖くねえの?」

川崎「別に。これくらいなら怖くない……怖いの?」

八幡「馬鹿言うなよ。この程度怖くもなんとも」

川崎「…………」ツンツン

八幡「つつくな、つつかないで、やめてください!」

川崎「めちゃめちゃビビってるじゃん……」

八幡「しかたないだろ……怖いもんは怖いんだから……」

川崎「ふふっ……八幡は可愛いな……」

八幡「可愛いとか俺にもっとも似合わない言葉だろ…………はあ、それで?」

川崎「?何が?」

八幡「俺をここに呼んだ理由だよ。一緒に弁当食べたかったからとかじゃないだろ」

川崎「それもある」

八幡「えっ」

川崎「でも、本題は別にある」

八幡「お、おう……」

川崎「……あんたさ、雪ノ下と由比ヶ浜にも名前でよばせてるんだってね」

八幡「い、いや呼ばせてるっていうか呼ばれてるっていうか……」

川崎「そこはどうでもいいんだよ。問題は……」

八幡「問題は?」

川崎「昨日あたしと話したこと……絶対嘘吐いてたでしょ?」

八幡「う……」

川崎「どんな内容でも気にしないし、絶対話したくないってとこは多少ぼかしてもいいから……本当のことを言ってほしい」

八幡「えー……」

川崎「……」ズイッ

八幡「さ、沙希さん?なんで少しずつ近づいてきてるんですか?」

川崎「普通に聞いたんじゃ答えなさそうだったから」

八幡「だからって……」

川崎「効果的でしょ」ズイッ

八幡「そ、それは……」

川崎「早く言わないともっと近づくよ?」ダキッ

八幡(なんで抱きついてきたの!?)

八幡「さ、沙希?」

川崎「……唇が触れたら、止めてあげる」

八幡「それなら安心……じゃねえ!」

八幡(そのルートで近づいたらマウストゥマウスだよ?頬とか額じゃなくてマウスにトゥしちゃうよ!?)

八幡「さささささ沙希さん?なにしようとしてるか分かってる?」

川崎(赤くなってる……可愛い……もう一気に近づけてしまいたい……)ガシッ

八幡(あ、頭を捕まれた。逃げられない!っていうかなんかこいつの目、トロンってしてきてる……)

川崎(あとちょっと……)

川崎「八幡……」

八幡「分かった!話すから!」

今日はここまでです

やっはろー!1です

いろはすで盛り上がってるところ申し訳ないですが、投下していこうと思います

川崎「チッ」

八幡「おいなんだよその舌打ちは」

川崎「別に」

八幡「あと話すんだから離れろよ」

川崎「話し終わったら解放してあげる」クンカクンカ

八幡「はあ……話せばいいんだろ話せば。っていうか話してもいいけど引くなよ?」

川崎「多分ね」スーハースーハー

八幡「多分かよ……まあいいか。お前にとっちゃ大した話でもないんだが、実はなカクカクシカジカ」

川崎「……シスコン」ペロペロ

八幡「言われると思ってた。制服舐めるな」

川崎「まあでも……いたずらとかじゃなくて良かった」ハムハム

八幡「いたずらで女子に名前呼ばせるなんてできねえよ。制服噛むな」

川崎「へたれ」ムギュー

八幡「うるせ。いい加減離れてください」

川崎「…………」ジー

八幡「まだなんかあるのか?俺にしては珍しく、これ以上はないって誠実に答えたんだけど」

川崎「名前で呼ぶのはあたしだけ?」

八幡「は?いやだから、小町と雪ノ下と──」

川崎「そうじゃなくて、あんたが名前で呼ぶのはあたしだけ?」

八幡「それは……そうだな、小町を除けばお前だけだ」

川崎「……なら許す」パッ

八幡「?」

八幡(よく分からんが嘘を吐いたことは許してもらえたらしい、良かった良かった。本当に離れてくれて良かった………あのままだと制服が……)

川崎「八幡、はいこれ」

八幡(さっきまでの行動をなかったかのように流しやがった……)

八幡「……あ、これ弁当か?サンキュ」

八幡(おおすげえ。ピンク色のそぼろみたいのが、ちょっと独特な円っぽいのを描いてる。トランプのマークにすごくよく似た……99%くらい似た記号がある気がするが、まあ偶然だろう偶然だよな)

八幡「…………」チラッ

川崎「…………///」サッ

八幡(耳まで赤い……)

八幡「えっとじゃあ……いただきます」

川崎「ん」

やっはろー!1です

投下していきますー

八幡「……」モグモグ

川崎「……」パクッ

八幡「……」モニュモニュ

川崎「八幡」

八幡「なんだ?」

川崎「そ、その……どう?」

八幡「どうって……なにが?」

川崎「べ、弁当……」

八幡「あ、ああ……美味いんじゃないか?」

川崎「もっと素直に褒められないのかね……」

八幡「そういう性格でね」

川崎「…………捻デレめ」

八幡(その呼び方定着してるのかな……)

川崎「と、ところで……昨日のことについてもう一個聞きたいんだけどさ」

八幡「なんだ?」

川崎「昨日別れるときに、あんた何か叫んでたでしょ。あれ、なんて言ってたのか……き、気になるんだけど」

八幡(あの大きさで聞こえてなかったのか……俺ってもしかして滑舌悪いのか?)

八幡「別に大したことじゃないから気にすんな」

川崎「気にする」

八幡「そんな即答しなくても……」

川崎「答えないって言うなら……」

八幡「分かった。言うから抱きつこうとするな」

川崎「チッ」

八幡「だから舌打ち聞こえてるんだよ」

八幡(まあ意味までは考えないけどな。勘違いしたくないし)

八幡「えーと確か……『サンキュー、愛してるぜ沙希』だったような……」

川崎「!……こ、後半もう一回」

八幡(俺どれだけ滑舌悪いんだ……)

八幡「愛してるぜ沙希」

川崎「もう五回!」

八幡「んな言うかよ」

川崎「……じゃあ最後にキメ顔でもう一回だけ……」

八幡「……愛してるぜ、沙希」キリッ

川崎「──っ!」ズキューン

八幡「お、おい沙希、大丈夫か?」

川崎「……にゃにが?」

八幡(ブラック羽川さんかよ)

八幡「本当に大丈夫か?」

川崎「うん、大丈夫……」ダキッ

八幡「え、ちょ」

川崎「寒いから……このままでいたいの……」

八幡「寒いんなら校舎に……」

川崎「…………」ギュー

八幡「聞いてねえ……」

川崎「えへへ……」

八幡(……女子ってなんでこんなに柔らかいんだろう……こいつのほっぺも超柔らかそうだし……)プニプニ

川崎「ふあ?」

八幡「あ、悪い。つい……」

川崎「別に……八幡にならどこ触れても気にしない」

八幡(なにそれ俺男として見られてないのか。つらい)

川崎「……ふふ、八幡あったかい」

八幡(……まあ、それでこんな思いできるなら構わないか……あ、そうだ)

八幡「なあ沙希、今から俺の言う言葉を繰り返してみてくれ」

川崎「ん?……別にいいけど……」

八幡「斜め七十七度の並びで泣く泣く嘶くナナハン七台難なく並べて長眺め」

川崎「な、斜め……」

八幡「愛してるぜ沙希」ボソッ

川崎「にゃにゃにゃにゃー!」

八幡(……可愛い)

昼休み編はこれで終わりですー

次は放課後の奉仕部です

放課後 奉仕部

ガラガラ

八幡「うす」

雪乃「こんにちは」

八幡「……」スタスタ ストン

雪乃「……」ペラッ

八幡「……」ペラッ

雪乃「……」ペラッチラッ

八幡「……」ペラッ

雪乃「……」ペラッチラッ

八幡(雪ノ下が本をめくるたびにさりげなくこちらを見ているような……いやきっと気のせいだ)

ガラガラ!

結衣「やっはろー!」

八幡「……うす」

雪ノ下「こんにちは」

結衣「ねえ八幡!お昼休みなんの話してたの!」

雪乃「!」

八幡(人が聞かれたくないことを入室五秒で聞いてきたよ……お得意の空気読む力はどうしたんですか。っていうかなんで雪ノ下は昼に何かあったのを知ってる風なんだよ。クラス違うだろ)

八幡「なんにもねえよ。普通に飯食っただけだ」

結衣「二人って付き合ってるの?」

雪乃「!!!」

八幡(だから空気読めよ!)

八幡「いや別に。あいつとはなんにもねえよ」

結衣「うー……」

八幡「なに唸ってんの?サブローの真似」

結衣「違うし!っていうかサブレだし!……ちょっと動かないでね」

八幡「?」

結衣「……」スンスン

八幡「!?」

八幡(なんで急に匂い嗅ぎ始めてんの!?本格的にサブレじゃねえか!)

結衣「……」スンスンスンスン

八幡(やめて!首の匂いとか嗅ぐのやめて!あと肩に両手置いて密着するのもやめて!お前の甘い匂いが鼻に届いてドキドキしちゃうの!あ、柔らかい!)

雪乃「……」ジー!

八幡(殺気!?)

結衣「やっぱり……」

八幡「な、なにがだよ……」

結衣「……サキサキの匂いがする」

八幡(なんでそんなこと分かるの?サブレが乗り移ってるの?)

雪乃「そ、それは本当かしら?……念のために、私も確認する必要がありそうね」

結衣「ううん、大丈夫だよ」

雪乃「で、でも」

結衣「大丈夫だよ」

雪乃「……」ショボン

八幡(なにこの空間、帰っていい?)

結衣「それで八幡。なんでお弁当食べるだけでこんなに匂いが付くのかな?」

八幡「……あの、そのだな」

結衣「んー?」ギュー

八幡「ま、まず離れろ」

結衣「素直に話してくれたらね」

八幡「はあ………………同じことされたんだよ」

結衣「?」

八幡「だから、今のお前みたいに正直に答えないと離れないって言われたんだよ。っていうかその脅迫方法流行ってんの?」

結衣「……ホント?それだけ?」

八幡「ああ、ホントだよ」

八幡(悪い、嘘)

結衣「そっか……ホントのこと言ってくれたから、なに聞かれたのかとかは、勘弁してあげる」

八幡「ど、どうも……」

八幡(なにこの罪悪感……)

雪乃「……」ジー

八幡「……」

結衣「……」ケータイピコピコ

雪乃「……」ジー

八幡「……おい由比ヶ浜。いやビチヶ浜。いつまで抱きついてんだよ」

結衣「なっ、あたしビッチじゃないし!八幡マジキモイ!」

八幡「俺のこと罵倒するならとりあえず離れろ。いやもうずっと離れてろ」

結衣「……八幡ってかっこいいよね」ギュー

八幡「いや、違うから。罵倒しなけりゃ抱きついてていいとかそういうゲームじゃないから」

八幡(しかも膝の上に座ってきたし……これ傍から見たらちょっとあれじゃね?雪ノ下もさっきと比べものにならない殺気放ってるし。本気で怖いです泣きたい)

結衣「……八幡ってホントにかっこいいよね」ギュギュー

八幡「話聞いてる?だからそういうルールじゃないんだけど。ねえ、ちょっと?」

結衣「…………」ギュギュー

八幡(無言は無言で困るんだが……)

結衣「八幡……」

雪乃「由比ヶ浜さん。そろそろ離れてもいいのではないかしら」

八幡(ナイスプレーだ雪ノ下!)

結衣「えーなんで?」

雪乃「学校でそんな淫らな行為をするべきではないわ」

結衣「……そうだね」

雪乃「そうよ」

結衣「でも……」

雪乃「?」

結衣「今あたしがそれを認めて下がったら、ゆきのんも学校でしちゃいけないことになるよ?」

雪乃「!」

今日はここまでにしますー

やっはろー!1です

投下していきます

八幡(雪ノ下が由比ヶ浜に論破された……てっきり、逆に雪ノ下がダンガンみたいにロンパするもんだと……)

結衣「……ん……八幡……」スリスリ

八幡「ちょ……やめろ由比ヶ浜」

八幡(そんな変な声出しながら体すり寄せるな!)

結衣「こんなことも、ゆきのんはしちゃいけないことになっちゃうんだよ?」

雪乃「そ、それはその……」

八幡(あ、さっきまで由比ヶ浜の柔らかさやら、いい匂いのせいで気づかなかったけどこれ足超痛い)

結衣「ふふ……八幡っ」ガバッ

八幡雪乃「!?」

八幡(由比ヶ浜の胸に顔が……!)

雪乃「」

結衣「?♪」ムニュ-

八幡「っ!っ!」

八幡(息できない!足痛い!なにこれ死ぬ!これはさすがに感触楽しむ余裕とか……いやまあ、ないとは言わないけど。でも辛い!ねえどいて!)

結衣「えへへ、八幡」

八幡(どいてえええええ!!!)

キーンコーンカーンコーン

八幡(チャイムキター!)

雪乃「さあ部活は終わりにしましょう由比ヶ浜さんここはもう閉めるから早くそこをどいて教室の外に行ってもらえるかしら」

結衣(一息で言い切った……)

結衣「……しょうがないなー」パッ

八幡「や、やっと解放された……」

雪乃「解放?あれだけ鼻の下を伸ばしておいてよく言うわね。今から通報して女性と触れ合う機会を永久に消し去ってもいいのよ?」

八幡「勘弁してくれよ。そんなことになったら小町に触れないだろ」

雪乃「なぜ妹と触れ合う機会の心配しかしないのかしら……」

結衣「も、もしそんな状況になってもあたしのことは触ってもいいよ?」

雪乃「ゆ、由比ヶ浜さん!」

結衣「じゃああたし先に帰るね!また明日ー!」ダダダッ

雪乃「……まったく」

八幡「さすがのお前もあいつには弱いな」

雪乃「……なんのことかしら。いくらあなたが適当な人間でも適当なことを言っていいということにはならないのよ?」

八幡「へいへい。じゃ、俺も……?」

雪乃「どうかしたのかしら?」

八幡「……立てない」

雪乃「……え?」

八幡「足が痺れて……力が入れられない。っていうか感覚がない」

雪乃「……」

八幡「あー、鍵は俺が返しとくから先に帰ってくれ」

雪乃「……部長としてそういうわけにはいかないわ」

八幡「いや、そういうわけにもいくだろ」

雪乃「いかないわ。あなたをこの部屋で一人にしたら、なにかいかがわしいことをされそうだもの」

八幡「んなことしねえよ……まず一人でなにをするんだよ……」

雪乃「とにかく、あなたが歩けるようになるまでは私もここにいるわ」

八幡「はあ……分かったよ。なんか悪いな」

雪乃「本当にね。…………ね、ねえ?足が痺れたというなら私がマッサージをしてあげてもいいのだけれど」

八幡「いいよ別に」

雪乃「あなたに拒否権はないわ」

八幡「えー……っていうかマッサージってなにすんの?」

雪乃「あなたの足を軽く揉んで血の流れを良くするだけよ……まさかとは思うけれど、何かいかがわしいマッサージを想像していたのかしら?あなたの持っているDVDのような」

八幡「あ、あんなことは想像してねえよ」

雪乃「……持っていることは否定しないのね」

八幡「はっ!しまった!」

雪乃「今はそんなことどうでもいいわ」

雪乃(……そういうプレイが好きなのね)

雪乃「とりあえずマッサージするわよ」

八幡「お、おう」

八幡(俺の足の前にしゃがみこまれたんだけど……なんだこの征服感)

雪乃「始めるわよ」モミモミ

八幡(触られてるはずなのになにも感じない……本気で麻痺してるな)

雪乃「は、八幡。その、どうかしら?……気持ちいい?」モミモミ

八幡「あ、ああ……」

八幡(その姿勢でそのセリフは男子には威力高すぎだろ。っていうか上目遣い超可愛い……)

雪乃「んっ……んっ……」モミモミ

雪乃「とりあえずマッサージするわよ」

八幡「お、おう」

八幡(俺の足の前にしゃがみこまれたんだけど……なんだこの征服感)

雪乃「始めるわ」モミモミ

八幡(触られてるはずなのになにも感じない……本気で麻痺してるな)

雪乃「は、八幡。その、どうかしら?……気持ちいい?」モミモミ

八幡「あ、ああ……」

八幡(その姿勢でそのセリフは男子には威力高すぎだろ。っていうか上目遣い超可愛い……)

雪乃「んっ……んっ……」モミモミ

連投ごめんなさい

幡(っと、感覚が少しってきた。これ以上触られるとあの独特の感じに襲われるし、そろそろやめてもらうか)

八幡「雪ノ下、そろそろやめてもらえるか?」

雪乃「……んっ……んっ」モミモミ

八幡「ゆ、雪ノ下?もう足が……っ!」

八幡(本格的に痛くなってきた!あのビリビリって感じが襲ってきてる……っ!)

八幡「ひぐっ!……ゆ、雪ノ下さんもうマッサージは……ぎゃあっ!!」

雪乃「……あんなにデレデレして……」モミモミ

八幡「な、なに?なんか言ったか?っていうか足……ひぎゃあ!」

雪乃「……」モミモミモミモミモミモミモミモミ

八幡「も、もうやめて……」ウルッ

雪乃「……このくらいでやめておいてあげるわ」

八幡「う、うぅ……」

雪乃「……」ジー

八幡「ま、まだなにかするのか?」ビクビク

雪乃「……いえ、なんでもないわ」

一番上の行の幡を八幡にしておいてください……

今日はここまでです!

やっはろー!1です

おっぱいで盛り上がってますが投下していこうと思いますおっぱい

八幡「そか、じゃ……よっと」

八幡(なんとか立てる程度には回復したか……)

雪乃「覚束ない足取りね」

八幡「ま、まあそのうち普通に歩けるようになるだろ」

雪乃「……しかたないわね」ダキッ

八幡「え、待って、なにしてんの?」

雪乃「途中で事故に遭われても困るもの、今日は私があなたの家まで支えていってあげるわ」

八幡「……拒否権は?」

雪乃「ないわ」

八幡「……はあ」

雪乃「分かったなら早く行くわよ」

下駄箱

八幡(職員室に鍵返しにいっただけなのに殴られそうになった……)

雪乃「平塚先生にもそろそろ落ち着いてもらいたいものね」

八幡「まったくだ」

アレユキノシタサンジャナイ? ダキツイテル ヒキタニ…

八幡「なあここだけは別々にいかないか?周りの視線が……」

雪乃「もう見られてしまったのだから今更離しても遅いでしょう」

八幡「じゃあ支え方を変えるとか……とりあえず胴体に抱きつくのはやめてほしいんだが」

雪乃「ならば他にどうすればいいのかしら?」

八幡「いっそ離すとか」

雪乃「却下」

八幡「即答かよ……」

雪乃「ほらあなたの下駄箱よ。早く履き替えて頂戴」

雪乃「ほらあなたの下駄箱よ。早く履き替えて頂戴」

八幡「はいよ」

八幡(一人で履き替えられるなら一人で帰れる気もするんだがな……言ったところでどうせ聞いちゃくれないだろうし。素直に諦めよう)

八幡「履き替えたぞ」

雪乃「そう……ところで、一つお願いがあるのだけれど」

八幡「……なんだ?」

雪乃「あなたを……ここに運ぶまでに……体力が尽きてしまったのよ……」ハアハア

八幡「……お前って馬鹿なの?」

雪乃「失礼な……ことを……言わない……で……」ハアハア

八幡「…………それで?俺はなにをすればいいんだ?」

雪乃「申し訳ないけれど……体力が回復するまで私を……抱きしめて支え──」

八幡「無理せずここで休んでけよ。な?それじゃ!」ダッシュ

雪乃「ちょ、ちょっと!待ちなさい!」

八幡「悪いな!家で小町が待ってるんだ!」

八幡(逃亡成功。明日が怖いが気にしない。小町が待つ愛しの我が家まで全力疾走だ!)

比企谷ハウス

八幡「た、ただい……ま……」ハアハア

小町「お、おかえり……どしたの?」

八幡「……早くお前に会いたくてな」

小町「ふえ!?そ、そんなこと言ったって、昨日のことがなくなるわけじないんだからね!」

八幡(なんだこいつ可愛い)

小町「と、とりあえず……水でも飲む?」

八幡「頼む」

比企谷ダイニング

八幡「ふう……やっと落ち着いた……」

小町「それはよかった。ところで八幡?」

八幡「なんだ?」

小町「雪乃さんからメールが来たんだけど、これどういう意味かな?」

from 雪乃さん

TITLE なし

お兄さんが帰宅したら、私の家にすぐ来るよう伝えてもらえるかしら

それと、よければ彼の電話番号やメールアドレスも教えてもらえると助かるわ

小町「……八幡?教えてくれるよね?」ニコニコ

八幡「……い、いやそれはなカクカクシカジカ」

八幡(足が痺れたところからしか言ってないけどいいよね)

小町「ふーん……」

八幡「えーと……」

小町「つまり八幡は、疲れた女の子ほっぽりだして帰宅してきたと」

八幡「ざっくりまとめるとそうなります」

小町「雪乃さんを置いてきたのは人間的にポイント低いけど、小町的には……ポイント高いよ」

八幡「!そ、そうか。早く帰ってきて正解だった」

小町「……それで雪乃さんの家行くの?」

八幡「いやいいわ。行かない。明日適当に言い訳しとくから安心しろ。あ、メアドはなんかもうめんどうだから教えちゃっていいぞ」

小町「ん、分かった。……あ、そうだそうだ、これやるの忘れてた」

八幡「?」

小町「ご飯にする?お風呂にする?それとも……こ・ま・ち?」

八幡「……風呂で」

小町「ぶーぶー!」

八幡「そんな可愛いブーイングするな」

小町「えっ……///」

八幡「じゃ、風呂行ってくるわ」

小町「あ、う、うん!行ってらっしゃい」

八幡「……」テクテク

小町「……それじゃあ小町も……ふっふっふ」

今日はここまでです!

風呂

八幡「あー癒されるー」

八幡(最近周りの女子がおかしい気がする……ああやってガリガリ来られると人との距離感を忘れそうになる……)

八幡「やっぱり家が一番だよなー」

小町「はちまーん」

八幡「ん?小町か」

小町「着替えここ置いておくね」ガラガラ

八幡「……おい」

小町「ど、どうしたの?」モジモジ

八幡「なんで着替え置くだけのはずが当たり前みたいに入ってきてるの?日本語不自由すぎるだろ」

小町「は、入りたかったんだもん……っていうかなんでずっとそっち向いてるのさ!こっち見てよ!妹の裸体を凝視してよ!」

八幡「お前今とんでもないこと言ってるからな!?」

小町「ヘタレ」

やっはろー!1です

え、あの、この場面適当に流して終わらせる気だったんですけど、描写とかちゃんとした方がいいですか?

よ、よかった……裸体の描写なんてしたこともないから助かった……

じゃあ、描写はありませんが続きを投下していきます!

八幡「ヘタレでいいから、無理矢理浴槽に入ってこようとするな」

小町「うー」

八幡「あーもう。じゃあ俺が出るからゆっくり風呂に入ってけ」

小町「……そっか。八幡は小町と一緒にお風呂なんか、入りたくないんだね……」

八幡「……え?」

小町「ごめんね、急にこんなことして。小町もう出るから」ナミダキラリン

八幡「……ま……待てよ」

小町「なに?」

八幡「その……別にお前と入るのがいやとかそんなじゃなくてだな……妹とはいえ、女子と一緒の風呂に入るなんて恥ずかしいんだよ」

小町「…………」

八幡「だからだな……今回だけだぞ」

小町「やったー!八幡大好きー!」
ザッパーン

八幡「ちょ、そんな勢いよく入ってくるな!」

小町「はちまーん、はちまーん……えへへ」スリスリ

八幡「はあ……」

八幡(……可愛すぎるだろ、この策士め)

小町「これからも一緒に入ろうね!」

八幡「えー」

小町「ダメ?」

八幡「……たまにな」

小町「ありがと!……これからもずっと、だからね?」

八幡「ずっとって……」

八幡(まあ……小町は妹だし、これからも一緒か)

小町「そ、その……ところでさ」

八幡「?」

小町「小町のおっぱい……大きくなったかな?」

八幡「」

小町「は、八幡?どうしたの、そんなお釈迦様みたいな顔して」

八幡「男にはな、どうしてもお釈迦様の顔をしなくちゃいけない時があるんだよ」

小町「そ、そうなんだ……」

八幡「ああ、だから気にせずもうあがりなさい」

小町「やだ」

八幡「わがままめ」

小町「え?わがままボディ?」

八幡「いや言ってないから。お前の場合性格にわがまま成分とられすぎて、体は正直ないい子だろ」

小町「そんなこと言ってー、実は小町のおっぱいに興奮してるんでしょ?」フニフニ

八幡「そ、そんなことは……」

小町「小町の体が正直か……確かめてみる?」

八幡「い、いや、そんなのどうでもいいし……」

小町「でもさっきからチラチラ見てるよね」

八幡「こ、これはだな……」

八幡(思ってたよりはわがままだったなんて言えない……)

小町「遠慮しなくていいんだよー、触ってもいいんだよー」

八幡「て、ていうかお前もさっきから顔真っ赤だぞ」

小町「ちょ、そこは言わなくていいの!……それよりほら!妹の生おっぱいだよー。誰よりも大きくて柔らかいよー!」

八幡「い、いや由比ヶ浜の方が大きいし柔らかかったぞ」

小町「…………」

八幡(あれ?小町の動きが止まった?)

小町「八幡」

八幡「ひゃい!」

八幡(小町が超怖い。あれなんかデジャブ)

小町「なんで八幡が結衣さんの胸の大きさと柔らかさを知ってるの?」

八幡「え、あ……こ、これはだな……」

八幡(今日学校でずっと抱きつかれてたから制服越しに分かった……って言ったら怒るかなー)

小町「……小町もうあがるから」ザバッ

八幡「え、あ、おう……」

小町「…………バカ」ボソッ

八幡「え?今何か……」

小町「なんでもない!」バタン!

八幡「…………」

八幡(……うわぁ、どうしよう)

今日はここまでですー

小町ルーム

小町(八幡が結衣さんの胸について知ってるっていうのは……やっぱり二人がそういう関係だからだよね……)

小町「はあ…………寝よ」

コンコン

小町「ん……?」

八幡「俺だ……入るぞ」ガチャ

小町「…………なに?」

八幡「あー、なんだ……さっきのことなんだが……」

小町「謝りにでも来たの?」

八幡「ふっ、俺は自分が悪くないと思ったら全力で相手のせいにする人間だぜ?」

小町「そんなの知ってるよ……ならなんで来たの」

八幡「謝るとか謝らない以前に……まあ不甲斐ない話なんだが、俺の言ったことがどうしてお前を怒らせたのか分かってないんでな。ちょっとかっこ悪いが直接聞きに来た。謝るのはそのあとだ」

小町「本当にかっこ悪いね」

八幡「そんなまっすぐ言うなよ。泣きそうになる」

小町「……予想とかもできないの?」

八幡「全く出来てない」

小町「…………だから」

八幡「え?なんだって?」

小町「八幡が結衣さんとその……エッチなことする関係だから!」

八幡「はあ!?」

[由比ヶ浜結衣の憂鬱]



結衣「ヒッキーとゆきのんが付き合ってる? 冗談きついよゆきのん…………」

ゆきのん「…由比ヶ浜さん。私と比企谷君は本当に付き合っているの」

結衣「そうなんだ。……じゃ、おまえ[ピーーー]よ」グサッ

ゆきのん「うっ……」バタン

比企谷「ゆ、雪乃? ゆきのーーー!」

結衣「あははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは。いいきみだ。バイバイ、ゆきのん。……ねぇ、ヒッキー。今からデートしない? 」

比企谷「そうだな。ハニトーでも食いにいくか」

結衣「うん♪」


こうして比企谷八幡と由比ヶ浜結衣は付き合うことになった。


ゆきのん「私はナイフで刺されたぐらいでは死なないのだけれど」





終わり

小町「ど、どうせあんなことやこんなことももうしちゃってるんでしょ!服脱がして結衣さんの胸を揉みまくったんでしょ!」

八幡「してねえよ!なんでそうなるんだ!?」

小町「結衣さんの胸を堪能したから、大きさとか柔らかさとか知ってるんでしょ!」

八幡「あ、あれは、今日学校で抱きしめられたから、制服越しになんとなく分かっただけだ!」

小町「ほらやっぱり制服越しじゃん!…………へ?制服越し?」

八幡「ああ、そうだよ…………なんだ?もしかしてお前、いやらしい妄想でもしてたのか?」ニヤニヤ

小町「///」カアア

八幡「マセガキめ」

小町「う、う、う、うるさーい!!もう寝る!」

八幡「はっはっは、可愛いやつめ」

小町「うぅ……」

八幡「まあなんだ……いろいろ悪かったな」

小町「……自分が悪くないと思ったら、謝らないんじゃないの」

八幡「俺は嘘つきなんだよ」

小町「……知ってる」

八幡「だろうな」

小町「知ってることを知らないって言うし……分かってることを分からないっていうし……」

八幡「……そうだな」

小町「…………本当に……もう……」

八幡「…………」

小町「…………」

八幡「……じゃあ、部屋に戻るわ。おやす──」

小町「待って」ギュッ

八幡「そんな強く握られたら裾が伸びるんだが」

小町「小町は今、とても不機嫌なのです」

八幡「は?」

小町「純粋な心を八幡の手によって辱められ、とてもとても頭にきているのです」

八幡「…………」

小町「だから八幡には、小町の心を癒やして機嫌を治させる義務があります」 

八幡「……どうやったら癒されるんだ?」

小町「一緒に寝て」

八幡「……そんなんでいいのか?」

小町「…………」コク

八幡「……お前と一緒に寝れるなんて、俺にとってはご褒美なんだけどな」

小町「………………バカ///」

八幡「はいはい……おやすみ、小町」

小町「……おやすみ」

八幡「…………」

小町「…………」

八幡「…………」

小町「…………」

八幡「…………」スースー 

小町「……寝た?」

八幡「…………」スースー

小町(さすが八幡……もう寝ちゃった……)

小町「ふふふ……可愛い寝顔だなあ……」

小町(この顔は今はまだ、雪乃さんも結衣さんも大志君のお姉さんも知らない、小町だけの宝物だもん)

小町「ほっぺにならいいかな……」

八幡「…………」

小町「…………おやすみ、八幡」チュ

今日の投下はここまでです!

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荒らしは月に1回くらいのペースでスレを荒らしていきたいと思います。

やっはろー!1です
投下していきます

翌日 比企谷ハウス

八幡「小町ー、置いてくぞー」

小町「わー待ってよー!」ドタドタ

八幡「忘れ物ないな?」

小町「うん!じゃあ今日もレッツゴー!」

八幡「出来ることならゴーしたくないんだけどな」ガチャ

雪乃「おはよう八幡、小町さん」

八幡「……」バタン!

小町「ねえ、今雪乃さんいたよね?しかも八幡のこと名前で呼んでたよね?」

八幡「なんのことだかまったく分からないな。それよりも今日は気分的に窓から出て行くか」

ガチャ

雪乃「いくらあなたが窓から出入りする必要のある人生を送っているからといって、それに小町さんを巻き込むのはやめてもらえないかしら」

八幡「俺は泥棒かよ。っていうかなに勝手に入ってきてんの」

雪乃「一時間以上待っていたからさすがに寒いのよ」

八幡「……お前本当に馬鹿だろ」

雪乃「失礼ね。名誉毀損で無期懲役にするわよ?」

八幡「罪に対して罰が重すぎる」

雪乃「無期懲役と言っても、刑務所でではなく私の家なのだけれど」

八幡「…………重い」

今日はこれだけです……

やっぱ貧乳はやることがこえーな。


雪ノ下「>>342は黙りなさい!口を閉じなさいと言ったのが聞こえなかったのかしら?あなたには口ではなく息をピッタリ止めたほうが良さそうね、あなたガムテープ持ってない?口封じってのはよく言ったものね、存在を消すという意味が私の意思と息ピッタリだわ。あと彼のこと目が腐っていると言ったわね、確かに彼は目が腐っているわ、腐りすぎて腐臭が漂わないのが不思議なレベルよ。そう、良く解っているじゃない。あら初めてあなたと意見が合致したわね。意外だったわ私とあなた、もしかしたら意見が合うのかもしれないわね。私一人でいるのが好きなの、もちろん意見の合うあなたも一人が好きよね?私のことが好きなのだから私に合わせてくれるんでしょ?あら不満顔ね?嫌なの?私と一緒に孤高の道を歩んでみましょうよ。あ、でも一人だから一緒には無理ね。ごめんなさいあなた一人で独りの道を歩んでね、大丈夫、心配しなくていいわ、私奉仕部なの、あなたちゃんと独りになれるよう面倒見るわ、いい方法があるのよ。ただトラウマを量産するだけ、ちゃんと実績ある方法だから心配は無用よ。あなたあまり挫折したことがないんじゃないかしら?人は挫折を繰り返し人間的に大きくなっていくのよ、貴方の人間性が矮小で陳腐な理由はどん底に堕ちたことがないからだと思うの、だから私があなたに慈悲の心を持って挫折を味あわせてあげる。遠慮はいらないのよ、あなたの誠意ある告白への御礼なのだから、そうねまずはなんで自信を持っているのか理解できないその容姿についてかしら?よくよく見るとあなたその程度の容姿でよくも自信があるようなセリフを吐けるわね、吐き気がするわ、あとそのファッション、なんでズボンを腰まで下げているの?もしかしてカッコいいとか思って…、いえ流石にそこまで馬鹿じゃないわよね?気持ち悪いとからちゃんと穿いたほうがいいわよ。あとよく見るとあなた背が高いのね?えーとなんて言うのだったかしら?そう、木偶の坊!いえそれよりもウドの大木のほうが適当ね、あれでしょ?髪型も鳥の巣みたいにメチャクチャだけれど大木に巣食う鳥をイメージしているのよね?斬新だわ!私としたことがそのセンスに多少の興味を禁じ得ないわ。でももう一捻り欲しいわね、どうせ鳥ならいっそのこと鶏の頭のようにしていれば三歩歩くと忘れるという鶏の格言が頭の悪そうなあなたにピッタリなのにね。でもそれじゃ今せっかく与えられてるトラウマもすぐ忘れてしまうかもしれないわね?分かったわ仕方ないわね、もう少しだけ付き合ってあげる。あらまた不満顔ね、遠慮しなくていいのよ、さてさっきから変な匂いがするのだけれど、もしかしてあなたの体臭かしら?あなたの体臭ハッキリいって臭いわよ、もしかして香水なんてことはないわよね?そんな不快な匂いの香水、売っているワケないでしょうし、ちゃんとお風呂には入ったほうがいいわよ。あとその首に掛けてるシルバーの十字架だけどあなたクリスチャンなの?学生なのに普段から信仰厚い人はステキよ!まさかファッションでつけてるとかそんな恥ずかしいことではないのでしょう?偉いわ今度あなたの通っている教会教えてくれるかしら?あなたがいかに矮小で惨めな人間でも頑張って生きていけるように私もそこでお祈りさせてもらうわ。あらごめんなさい私あなたのためにもっと客観的評価とアドバイスを提言してあげたいのだけれど、あなたのその腐った外見くらいしか褒めてあげることができないの。お互いもっと中身を知れば他にも言えることがあるかもしれないけれどその薄っぺらい空虚な中身を知る時間が私にはもう残ってないのよ。あら少しだけ魅力的な眼になってきたようね、でもまだまだ彼のレベルには達していないわ、仕方がないわね、依頼を途中で投げ出すのは良くないわ、今度私と目があった時には今日の続きをするというルールにしましょう!」

おもすぎぃ!


雪ノ下「>>344は黙りなさい!口を閉じなさいと言ったのが聞こえなかったのかしら?あなたには口ではなく息をピッタリ止めたほうが良さそうね、あなたガムテープ持ってない?口封じってのはよく言ったものね、存在を消すという意味が私の意思と息ピッタリだわ。あと彼のこと目が腐っていると言ったわね、確かに彼は目が腐っているわ、腐りすぎて腐臭が漂わないのが不思議なレベルよ。そう、良く解っているじゃない。あら初めてあなたと意見が合致したわね。意外だったわ私とあなた、もしかしたら意見が合うのかもしれないわね。私一人でいるのが好きなの、もちろん意見の合うあなたも一人が好きよね?私のことが好きなのだから私に合わせてくれるんでしょ?あら不満顔ね?嫌なの?私と一緒に孤高の道を歩んでみましょうよ。あ、でも一人だから一緒には無理ね。ごめんなさいあなた一人で独りの道を歩んでね、大丈夫、心配しなくていいわ、私奉仕部なの、あなたちゃんと独りになれるよう面倒見るわ、いい方法があるのよ。ただトラウマを量産するだけ、ちゃんと実績ある方法だから心配は無用よ。あなたあまり挫折したことがないんじゃないかしら?人は挫折を繰り返し人間的に大きくなっていくのよ、貴方の人間性が矮小で陳腐な理由はどん底に堕ちたことがないからだと思うの、だから私があなたに慈悲の心を持って挫折を味あわせてあげる。遠慮はいらないのよ、あなたの誠意ある告白への御礼なのだから、そうねまずはなんで自信を持っているのか理解できないその容姿についてかしら?よくよく見るとあなたその程度の容姿でよくも自信があるようなセリフを吐けるわね、吐き気がするわ、あとそのファッション、なんでズボンを腰まで下げているの?もしかしてカッコいいとか思って…、いえ流石にそこまで馬鹿じゃないわよね?気持ち悪いとからちゃんと穿いたほうがいいわよ。あとよく見るとあなた背が高いのね?えーとなんて言うのだったかしら?そう、木偶の坊!いえそれよりもウドの大木のほうが適当ね、あれでしょ?髪型も鳥の巣みたいにメチャクチャだけれど大木に巣食う鳥をイメージしているのよね?斬新だわ!私としたことがそのセンスに多少の興味を禁じ得ないわ。でももう一捻り欲しいわね、どうせ鳥ならいっそのこと鶏の頭のようにしていれば三歩歩くと忘れるという鶏の格言が頭の悪そうなあなたにピッタリなのにね。でもそれじゃ今せっかく与えられてるトラウマもすぐ忘れてしまうかもしれないわね?分かったわ仕方ないわね、もう少しだけ付き合ってあげる。あらまた不満顔ね、遠慮しなくていいのよ、さてさっきから変な匂いがするのだけれど、もしかしてあなたの体臭かしら?あなたの体臭ハッキリいって臭いわよ、もしかして香水なんてことはないわよね?そんな不快な匂いの香水、売っているワケないでしょうし、ちゃんとお風呂には入ったほうがいいわよ。あとその首に掛けてるシルバーの十字架だけどあなたクリスチャンなの?学生なのに普段から信仰厚い人はステキよ!まさかファッションでつけてるとかそんな恥ずかしいことではないのでしょう?偉いわ今度あなたの通っている教会教えてくれるかしら?あなたがいかに矮小で惨めな人間でも頑張って生きていけるように私もそこでお祈りさせてもらうわ。あらごめんなさい私あなたのためにもっと客観的評価とアドバイスを提言してあげたいのだけれど、あなたのその腐った外見くらいしか褒めてあげることができないの。お互いもっと中身を知れば他にも言えることがあるかもしれないけれどその薄っぺらい空虚な中身を知る時間が私にはもう残ってないのよ。あら少しだけ魅力的な眼になってきたようね、でもまだまだ彼のレベルには達していないわ、仕方がないわね、依頼を途中で投げ出すのは良くないわ、今度私と目があった時には今日の続きをするというルールにしましょう!」

私は規制されたぐらいでは消えないのだけれど

やっはろー!1です

少しですが投下します!

通学路

八幡(今更だけど、自転車まだ学校に置きっぱだった……とっとと回収しないと)

雪乃「……」ギュー

八幡「おい雪ノ下、腕から離れろ」

八幡(自転車さえあればこいつを振り切れるのに……はあ)

雪乃「なぜかしら?」

八幡「いやそこに理由を求めるなよ。常識的に考えて離れろ」

雪乃「あなたに常識を語られたくないのだけれど……なぜ私には注意して小町さんには何も言わないのかしら」

小町「……」ギュー

八幡「小町はいいんだよ。小町なんだから」

小町「///」

雪乃「ならば私も私なのだから」

八幡「だめだ」

雪乃「……昨日どこかの誰かが疲労困憊だった私を置いていったせいで一人で上手く歩けないのだけれど」

八幡「くっ、それを言われると……」

雪乃「だからあなたに抱きつくのは私の正当な権利なのよ」

八幡「いや待て、それなら車で送ってもらうなりなんなりあるだろ。つーかそもそもどうやってうちに来た」

雪乃「チッ」

八幡「おい……あ、小町学校着いたぞ」

小町「……八幡」

八幡「どうした」

小町「……今日帰ったら話あるから」

八幡「…………はい」

小町「雪乃さん」

雪乃「なにかしら?」

小町「負けませんからね!それじゃ!」トタタッ

雪乃「ふふ、望むところよ」

八幡「ほんと帰りてぇ……」

八幡(……っていうかここまで来ると知り合いに見つかりそうだ)

ユキノシタサンジャネ ウワホントダ ウデクンデルゼ

八幡(……すでに見つかってる気もするが大丈夫。あいつらは会話をしたこともないただのクラスメイトだ。だから大丈夫。大丈夫……なのか?)

八幡「雪ノ下、いい加減離れろ。めんどうな噂になっちまう」

雪乃「そんなもの勝手に噂させておけばいいじゃない」

八幡(仕方ない、昨日と同じように全力で逃げるか……)

雪乃「……」ギュー

八幡(腕を振りほどくために、なにかに意識を向けさせないと……)

八幡「あ!あんなところにパンさんのぬいぐるみが!」

八幡(嘘だけど!)

雪乃「……」ギュー

八幡(無反応……だと……!?)

八幡「ゆ、雪ノ下?パンさんだぞ?好きなんじゃないのか?」

雪乃「ええ、パンさんのことは好きよ。大好きよ」

八幡「ならなんで……」

雪乃「パンさんよりも、あなたがいいのよ」ギュッ

八幡「…………そ、そうか」サッ

雪乃「そうよ……どうしたのかしら?急に顔を背けて」

八幡「なんでもねえよ」

八幡(こ、こんな顔見せられるか……)カオマッカ

今日も少しなんですが、投下します

教室

八幡「……」ガラガラ

クラス全員「…………」シーン

八幡(学校一の美少女がぼっちと腕組んで登校すりゃ、こうなるだろうな……)テクテク

八幡「はあ……」

戸塚「おはよう八幡……大丈夫?」

八幡「おはよう戸塚!俺ならいつでも大丈夫だぜ!」

八幡(戸塚と話してる時はな!)

戸塚「そっか、良かった」

八幡「心配してくれてありがとうな」

戸塚「うん……あ、あとね、その……」モジモジ

八幡「どうした?」

戸塚「ゆ、雪ノ下さんとのこと、僕は応援してるから!」

八幡「は?」

戸塚「それだけ!じゃあまた後で!」

八幡「え、ちょ、ま」

八幡(教室の外に走っていった……さすがテニス部、足が速い。あれじゃ追いつけねぇ……戸塚、勘違いしないでくれ!俺はお前一筋だ!)

結衣「八幡!」

八幡「チェンジで」

結衣「は?チェンジ?」

八幡「ああ、悪い。なんでもない」

結衣「変なの」

八幡「うるせ、それで何?お前も嵐を呼びに来たのか?」

結衣「何言ってんの?あ、あたしはその……昨日のことを……」

八幡「……ああ」

結衣「変なことしてごめんね?なんか昨日のあたしおかしかったみたい」

八幡「テンションが上がって黒歴史を作るなんざ、誰でも一度は通る道なんだから。気にすんな」

結衣「ありがと……それと!」

八幡「まだなんかあんの?」

結衣「今朝のあれ!あれなに!」

八幡「あーうん、本当なんだったんだろうな」

結衣「そんな他人事みたいに……」

八幡「あれについては本気で忘れてくれ。お前が想像してるようなことは起きてないから、もう本当に忘れてください」

結衣「な、なんでそんなに必死だし……」

八幡「……朝から小町の機嫌は悪くなるし、視線集めまくるし、お前みたいに勘違いするやつが多いし……戸塚にも勘違いされ……たし……うぅっ……戸塚ぁ……」

結衣「なんかごめん……」

八幡「とにかく、もう忘れてくれ……」

結衣「うん……」

八幡「ほら三浦が呼んでるぞ、行ってやれ」

結衣「それじゃ、また部室でね」

八幡「おう」

結衣「今日は急に抱きついたりしないから安心してね!」トタタ

クラス全員「…………」ザワザワ

三浦「…………」ギロッ

八幡(なんで爆弾落としていくんだあの馬鹿は……)

よぉ、>>1の兄ちゃん、もう終わりか?

>>374はい、今日の分はこれだけです……
明日は休日なんで多く投下出来ると思います

それでは、おやすみなさい

昼休み

八幡(やっと昼休みか……俺は一人で食べるのが好きだ。だからあいつらの誰かに話しかけられる前にとっとと……)

結衣「八幡!お弁当作ってきたから二人で食べよう!」

八幡(はい一番やばい死亡フラグ立ちましたー)

八幡「……三浦たちはいいのかよ」

結衣「うん!頑張ってって応援してくれた」

八幡「そうか、それじゃあ俺は購買に行くから」

結衣「ちょっと!なんで普通に行こうとしてるの!?」

八幡「いやお前の弁当食べたくないし」

結衣「そんなはっきり言わなくても……」

八幡「はっきり言わなきゃ命が危ないだろ」

結衣「ちゃんと味見したから!家族皆で!」

八幡「なに被害者増やしてるんだよ……」 

結衣「被害者って決めつけるなし!ねー食べようよー」

八幡「えー」

川崎「ねえ」

八幡「……お前もなの?」

川崎「うん、ほら作ってきた」

八幡「ならもう二人で食えばいいんじゃないか?」

結衣「それ意味ないじゃん!ほらあんまり話してると食べる時間なくなっちゃうよ!」

八幡「こいつに当たり前のこと注意されるとなんか傷つくんだよな……」

結衣「それどういう意味!?」

八幡「そのまんまの意味だけど」

結衣「うー!」

ヒキタニクンチョーヒドイ サンマタカケテルノニエラソウ

八幡(俺はいつの間に三股かけてる設定になってるんだよ……)

八幡「はあ……三人でならいいぞ」

川崎「……まあ、あたしはそれでもいいけど」

結衣「あたしも!」

八幡「じゃ、とっとと屋上行くか」

結衣「え?この天気で屋上行くの?」

八幡「は?この天気って、今日は晴天──」

ザー ピカッゴロゴロ!

八幡「──だったはずなのに……」

川崎「いつの間に……」

結衣「二人が寝てる間に降ってきて、ちょっとずつひどくなっていってたよ」

八幡「じゃあどこで……」

雪乃「部室で食べればいいじゃない」

八幡「」

結衣「」

川崎「」

八幡「どっから出てきた」

雪乃「前の入り口からだけれど?」

八幡……まあそうだろうけど……」

雪乃「全く……由比ヶ浜さんに急用が出来たというから、今日は八幡を誘いにくれば…… 」

結衣「ご、ごめん……」

雪乃「気にしていないから大丈夫よ、別に騙されたわけでもないのだし。それよりも食べる場所がないのでしょう?」

八幡「でもいいのか?部室はお前の唯一の心安らげる場所なんだろ?」

雪乃「なぜ私がそこまで部室に思い入れを持っていると思っているのかしらて」

結衣「それよりほら!ご飯食べに行こうよ!」

八幡「お前どんだけ飯食べたいんだよ」

結衣「……おなか減ったんだもん」

雪乃「そうね。空腹は最高のスパイスだけれど、度を超せばただの拷問だもの。早く行きましょう」

結衣「レッツゴー!」

川崎「ん、分かった」

八幡「………………はあ」



戸塚「八幡……頑張ってね」

部室

川崎「初めて来た」

結衣「そっか、サキサキはここに来たことないんだっけ」

川崎「サキサキ言うな」

雪乃「ほら八幡。あなたのためにお弁当を作ってきたわ。味わって食べなさい」

八幡「……ちょっと待て。由比ヶ浜も沙希も弁当作ってきてるんだよな?」

川崎「ああ」

結衣「うん!」

八幡(三人分……そんなに食べられないと素直に言えれば楽だろうが、目をキラキラさせてるこいつらの前で言える気がしない……くっ、覚悟を決めるしかないのか……頑張れ俺!)

戸塚「僕もお弁当作って来たんだけどな……」

>>387それにすれば良かった……

結衣「はい、これあたしの分!」

八幡(卵焼きやウインナーといった一般的なおかずとご飯の入った、見た目は割と普通の弁当だ。ご飯の上にある歪んだハートマークの中に海苔で八幡と書いてあるのが唯一普通じゃないところか。文字も歪んでいてギリギリ「八幡」と読めるレベルなのだが、その分努力が見て取れるのでなんか少しウルッとくる)

川崎「あたしの」

八幡(こいつの弁当は小さいハンバーグや唐揚げ、それに野菜といったバランスが重視されている。ご飯の上にはさすがというべきか、歪みの少ないハートマークの上にこれまた海苔で文字が書かれている……のだが)

川崎「/////」

八幡(そんな顔真っ赤にするならLOVEなんて書くなよ……俺までちょっと恥ずかしいじゃねえか)

雪乃「私の分よ」

八幡「……おい」

雪乃「なにかしら」

八幡「これはなんだ?」

雪乃「ただのお弁当では面白くないと思って、最近よく聞く「キャラ弁」というものに挑戦してみたのよ。個人的には上手くいったと思うのだけれど……」

八幡「ああ、上手い超上手い。だがな……」

雪乃「なにかしら」

八幡「なんで俺とお前が腕組んでる図のキャラ弁なんだよ!」

雪乃「なにか問題があるかしら?」

八幡「大ありだ。なんで今朝のを再現したようになってるんだよ。しかも本人もびっくりするくらい絵がリアルで正直怖いんだけど」

雪乃「今朝のを再現したお弁当ではなくて、お弁当の絵を今朝再現したのよ。それに絵がリアルな理由は……愛の力、とでも言うのかしら」

八幡「愛の力って……」

雪乃「あなたのことを考えて作ったらそうなったのだから、愛の力以外のなにものでもないわ」

結衣「ね、ねえ?そろそろ食べない?」

雪乃「そうね。早く私が彼に食べられるところを見たいもの」

八幡「おい」

結衣「そ、それじゃ食べよっか!いただきまーす!」

川崎「……いただきます」

雪乃「いただきます」

八幡「い、いただきます」

八幡(さて、どれから食べるか……)

結衣雪乃川崎「……」ジー

八幡「食べづらいからそんなに見るな」

結衣雪乃川崎「気にしないで」ジー

八幡(……こんなに見られると最初に誰のを食べるか決めるのさえ怖い……どうしよう)

結衣「……八幡」

八幡「ん?」

結衣「あ、あーん///」

雪乃川崎「!」

今日はここまでです!

やっはろー!1です

投下していきます!

八幡「な、なにしてんの?」

結衣「なにって……あーんしてるの。ほら早く口開けて」

八幡(ふむ……恥ずかしいがこれは好都合かもしれん。これを理由に由比ヶ浜のから食べてしまえばいいんだから)

八幡「あ、あーん」パクッ

結衣「どう……かな?」

八幡「おお、食べられる」

結衣「感想が失礼すぎるんだけど!」 

八幡「いやちょっと本気で感動してるんだよ。まさかお前が普通に食べられる料理を作ってくるなんて……」

結衣「もう!」

川崎「諦めなよ。こいつは人を素直に褒められないんだから」

結衣「捻デレだもんね……」

八幡「それ定着させようとするのやめろ」

結衣「あはは……じゃ、じゃあ次あたしね?あーん」

八幡「口開けてなにしてんの?歯並び褒めてほしいの?」

結衣「違うし!っていうかそんなとこ見ないでよ!」

八幡「わ、悪い」

結衣「そうじゃなくて……次はあたしに食べさせてよ」

八幡「えー」

結衣「お願い……食べさせて?」

八幡「う……わ、分かった。分かったから、その上目遣いやめろ」ドキドキ

結衣「やったー!」

八幡「はあ……ほら口開けろ」

結衣「うん……」

八幡「あーん」

結衣「あーん」パクッ

八幡「///」

結衣「えへへ///」

川崎「じゃあ次はあたしね」

八幡「え」

川崎「由比ヶ浜とはしたのにあたしとはできないの?」ギロッ

八幡「や、やらせていただきます……」

川崎「じゃあはい、あーん」

八幡「……あーん」パクッ

川崎「どう美味しい?」

八幡「……ああ、沙希の弁当すごく美味しいよ」キリッ

川崎「!?」

結衣「ちょっと八幡!なんでサキサキの時は素直に褒めたの!」

八幡「普通に褒めたらどんな反応するか気になって」

雪乃「あなたがそんな褒め方をしたものだから、彼女の意識がトリップしてしまったわよ」

川崎「八幡が……八幡が……あたしのこと美味しいって……えへへ///」

八幡「これ誰かに見つかったら終わるな。主に俺の人生が」

雪乃「最後は私の番ね」

八幡「お前もあーんするとか言うのか?」

雪乃「そんなこと言わないわ。……とりあえず、目をつぶってもらえるかしら」

八幡「?おう」

スタスタ

八幡(近づいてくる音がする)

雪乃「……」ガシッ

八幡(え?頭掴まれたんだけど。あいつなにしようとしてんの!?)チラッ

雪乃「…………」チュー

八幡「おいこら待てや」ガシッ

結衣「八幡がゆきのんにアイアンクローしてる……」

雪乃「っ!っ!」ジタバタ

八幡「まず口の中のもの飲み込め」

雪乃「……」ゴックン

八幡「よし。じゃあ聞くが、今なにしようとした?」

雪乃「なにって、あなたに口移しで食べさせようと痛い痛い痛い」

八幡(さしもの雪ノ下も肉体的な痛みには弱いか。よし、なら今度から困ったら暴力で解決すれば、うん、クズの完成じゃねえか。やめておこう)

八幡「もうしないな?」

雪乃「ええ、口移しはもうしないわ。今度は口にものを入れずただのキスを痛い痛いですごめんなさい」

八幡(いかん、やめようと決めたばかりなのに手が勝手に力を強めていた)

八幡「……」パッ

雪乃「うぅ……女性に暴力を振るうなんて最低ね」ウルッ

八幡「そ、そんなに力は込めてないはずなんだが」

雪乃「それでも痛いのよ」ウルウル

八幡「わ、悪かったよ。だから涙目で睨むのはやめてくれ」

八幡(なんかそそるから本当にやめてほしい)

雪乃「……誠意が見えないわ」

八幡「まことにもうしわけございせんしたー」

雪乃「そんなもので誠意が伝わると思っているのかしら?」

八幡「んじゃなにすりゃいいんだよ」

雪乃「誠意は行動で示すのが一番だわ」

八幡「土下座でもすればいいのか?」

雪乃「……土下座ではなく、あなたから口移しをごめんなさいアイアンクローはもうやめてください」

八幡「手を上げただけでそんなに怖がらなくても……」

雪乃「こ、怖がってなどいないわ」

八幡「へいへい……で、なにすればいいんだ?そろそろ昼休み終わりそうなんだが」

雪乃「なら……食べさせあいっこで許してあげるわ」

結衣「え?それで許しちゃうの?まあキスはあたし的にも、やめてほしいけど……」

雪乃「ええ、私は心が広いから。それにキスはここぞというべき時にするものだもの。今後にとっておくことにするわ」

八幡「まあ、それくらいなら……」

八幡(由比ヶ浜と沙希にもしたし別にいいか)

八幡「ほれ、あーん」

雪乃「誰が箸を使っていいと言ったかしら?」

結衣「え?」

八幡「は?」

雪乃「直接手で私に食べさせなさい」

八幡「……でも、これって食べさせあいっこだよな」

雪乃「ええ、だからもちろん」

八幡(あ、俺の右足の部分がもぎ取られた)

雪乃「私も手で食べさせるわ」

八幡「」

雪乃「ほら口を開けなさい」

八幡「ほんとにやるの?」

雪乃「当たり前でしょう」

八幡(どうする?断るか?でも断ったらなにをされるか分かったものじゃないし……なによりこんなに食べ物があるのにまだ二口しか食べれてない。腹減った)

八幡「……とっとと終わらせてくれよ」

雪乃「どうしようかしらね」

八幡「……あーん」

雪乃「はい、あーん」スッ

八幡「……」

雪乃「……なぜ口を閉じないのかしら?」

八幡「おあえあういおうああいあああ!」(お前が指を抜かないからだ!)

雪乃「何を言っているのか全く分からないのだけれど」

結衣「多分ゆきのんの指があるから閉じたくても閉じれないんじゃないかな」

八幡「……」コクコク

雪乃「……」スッ

八幡「……」モグモグゴックン

雪乃「……どうかしら」

八幡「美味すぎて面白くないな」

雪乃「女子の手作り料理を面白さで判断しないで欲しいわね」

結衣「あたし以外には美味しいってちゃんと言ってる……」

八幡「睨むなよ……美味かったって」

結衣「よろしい!」

八幡「ったく」

雪乃「ところで、ご飯を素手で掴んだから汚れてしまったわ。責任を取ってもらえるかしら」

八幡「んなもん俺に言われても困る。俺悪くないし。それにハンカチとかも持ってないぞ」

雪乃「ハンカチの一つも持っていないなんて……」

八幡「一応カバンの中には入れてるんだがな」

雪乃「ハンカチくらい常に持ち歩きなさい。……仕方ないわね」

八幡「取ってくるか?」

雪乃「そんなことしなくていいわ」

八幡「ならどうすりゃいいんだよ」

雪乃「……舐めて?///」

結衣「」

川崎「えへへ……そんなとこ食べちゃダメだよ……」

八幡(視界の端で由比ヶ浜が機能停止した。川崎は壊れ方が酷くなってる。しかし今一番の問題は……)

八幡「おい変態。自分が何言ってるか分かってるか?」

雪乃「もちろんよ」

八幡「そうか。なら保健室行ってこい」

雪乃「あ、あなたは保健室でするのが趣味なの……?」

八幡「違うから。そんな趣味持ち合わせてないから」

雪乃「ならなぜ保健室に?」

八幡「きっとお前は疲れてるんだよ。だから保健室で寝てこい」

雪乃「一緒に?」

八幡「だから違うっていってるだろ」

雪乃「はあ……あなたが何を言いたいのか全く分からないのだけれど。とりあえず舐めればいいだけじゃない」

八幡「とりあえず舐めるなんて発想が俺にはないんだよ」

雪乃「ないなら作りなさい。今すぐに」

八幡「んなもん作るか。逮捕されるわ」

雪乃「とにかく舐めればいいだけの話よ。拒否するというならば、この場で起こったことを脚色して周りに言い触らすわよ?」

八幡「くっ、もはやただの脅迫じゃねえか……」

雪乃「分かったら舐めなさい」

八幡「……後で文句言うなよ」

雪乃「言わないわ……んっ」

八幡「……」ペロペロ

雪乃「あっ……んんっ……やっ」

八幡(変な声出すなよ……)ペロペロ

雪乃「……んあっ!」ビクンッ

八幡(このままだと非常にマズい気がする……)ペロペロ

雪乃「そこっ……はあっ……んっ……らめえっ」

八幡(何がマズいって俺の理性が飛びそうなことが一番マズい)

八幡「おい……もういいだろ」

雪乃「はあっ……はあっ……そ、そうね。これ以上は……理性が保たないわ」

八幡(助かった……)

雪乃「ふふっ……それじゃあ次はあなたが食べさせる番よ」

八幡(助かってなかった……)

雪乃「……あーん」

八幡(雪ノ下の小さい口が俺に向かって開けられている……由比ヶ浜の時も思ったが、女子の口の中ってなんかエロい)

八幡「本当に文句は受け付けないからな」

八幡(……さっき雪ノ下に右足えぐられたから、バランス的に次は左だな)

八幡「行くぞ」

八幡(口の中に置いたらすぐに指を……)

雪乃「……」パクッ

八幡「ちょ、おま!」

八幡(こいつ、俺の指ごと食べやがった……!)

雪乃「ん……はあはあ」ガシッペロペロ

八幡「ゆ、雪ノ下……!」ゾクゾク

八幡(腕を両手で拘束された……動かせない!)

雪乃「じゅる……んっ……」ペロペロ

八幡(指を舐められるのってこんなに気持ちいいのか!?くそっ、また理性が……!)

雪乃「んむっ……はあっ……」ペロペロ

八幡「マジで……やめ……」ゾクゾク

雪乃「……ぷはっ」

八幡「や、やっと終わった……」

雪乃「……これが……八幡の味なのね」

八幡「そんな言い方するんじゃねえよ……」

キーンコーンカーンコーン

雪乃「あら、昼休みが終わってしまったわ」

今日はここまでです!

やっはろー!1です

残念ながら昼休みは終わりだ!
ということで次から少しずつゴールへ向かっていきます

それじゃ、投下していきます

結衣「はっ!あたしは今までなにを!」

八幡「思い出さない方がいいぞ」

川崎「はっ!……あれ?ベッドじゃない?」

八幡「お前は少し思い出せ」

雪乃「結局ほとんど食べられなかったわね」 

八幡「あとで全部食べとく」

雪乃「そう。容器は部活の時にでも返してくれればいいわ」

八幡「……あー悪いんだけど今日ちよっと用事があるんだわ」

雪乃「あなたに用事……?なにか警察のお世話になるようなことでもするのかしら」

八幡「なんで俺の用事は犯罪だと決めつけられてんだよ。そうじゃなくて家の用事だ」

結衣「小町ちゃんとどっか行く感じ?」 

八幡「そうそうそんな感じ」

雪乃「ならば、部室に行く前にあなたに会いに行くわ」

八幡「悪いな。んじゃ、そろそろ教室行くか」

雪乃「……もうちょっといてもいいのではないのかしら」

結衣「えー。もうそろそろ授業始まっちゃうよー」

雪乃「そ、そうなのだけれど……」

川崎「……あんただけクラス違うからってだだこねるんじゃないよ。こいつらとはどうせ後で会えるんだろ」

雪乃「……少しでも長くいたいのよ……」

結衣「ほえ?何か言った?」

雪乃「なんでもないわ……はあ、教室に戻りましょうか」

川崎「あ、ちょっと待って」

八幡「?」

川崎「八幡、口元にご飯粒付いてる」ペロッ

八幡「!?」

川崎「?どうかした?」

八幡(マジかよ……こいつ無自覚か……!)

八幡「い、いやなんでもない」

雪乃結衣「……」ジー

雪乃結衣(さっきまでトリップしてたのに……最後の最後で全部持って行くなんて……!)

川崎「なんか睨まれてる気がする」

八幡「気のせいだろ。それより由比ヶ浜と沙希。教室入る時は俺とタイミングずらせよ」

川崎「……分かった」

結衣「あたしは気にしないのに……」

八幡「俺が気にしちまうんだよ」

結衣「……うー、分かった」

八幡「よろしくな」

雪乃「では行きましょうか」

結衣「ゴー!」

川崎「次の授業なんだっけ?」

結衣「えーと……なんだっけ」

雪乃「世界史でしょう」

結衣「あ、そうだった!……なんでゆきのんが知ってるの?」

雪乃「偶然よ」

川崎「偶然、ね……」

ナニカシラ? ナンデモナイヨ フタリッテイガイトナカイイヨネー ワイワイガヤガヤ

八幡「………………」

帰り道

八幡(最近の俺はおかしい。いや正確に言えば俺の周りがおかしい……なんだ?何がきっかけでこうなった?)

小町『は、八幡!』

八幡「やっぱりあれだよな……」

八幡(あれから少しずつおかしくなっていった。でも何でだ?妹に名前で呼ばれるなんてそんな一大イベントでもないだろうに)

雪乃『八幡』

結衣『八幡!』

川崎『……八幡』

八幡(今にして思えば、俺に小町が名前で呼ぶようになった理由を教えてくれた三人が一番おかしくなってるような……主に頭が)

八幡(もしかして俺は、なにかとんでもない勘違いをしてるんじゃ……?)

今日はここまでです!

やっはろー!1です

投下していきます!

比企谷ハウス

八幡「……ただいま」

小町「あれ?八幡おっかえりー。今日は早いね、部活どうしたの?」

八幡「サボった」

小町「サボったって……ちょっと!それ小町的にポイント低いよ!」

八幡「たまにはいいだろ」

小町「……八幡?」

八幡「部屋で寝てるから、なんかあったら起こしに来てくれ……はあ」

小町「……」

小町(なんか最近八幡のため息が増えた気がする……小町が名前で呼び始めたからなのかな……)

八幡ルーム

八幡(小町が俺を名前で呼び始めたのには何か別の理由がある……と思う。でもそれがなんなのか全く分からない)

八幡「うーん……?」

八幡(頭を捻ってもなんにも出てこない……もう夕食で直接聞いちまうか)

コンコン

八幡「小町か?」

小町「うん、入ってもいい?」

八幡「ああ」

ガチャ

八幡「お前がそんな丁寧に俺の部屋に入ってくるなんて珍しいな。なんかあったのか?」

小町「ねえ八幡、最近学校どう?」

八幡「ぜ、ぜんぜんいじめられてなんかないろ!」

小町「それはもういいから。そうじゃなくてさ……雪乃さんとか結衣さんとかと」

八幡「……なんで急にそんなこと聞くんだ?」

小町「…………」

八幡「はあ……なんにもねえよ」

小町「なんにもないのに腕組んで学校に行くの?」

八幡「あれは……まあ色々とあったんだよ」

小町「あったんじゃん」

八幡「いやその色々はその色々じゃなくてあの色々なんだよ。お前が想像してるようなものじゃない」

小町「……小町がどんなこと想像してると思ってたの?」

八幡「え?あーそれは……だな」

八幡(なんか外堀から徐々に攻められてきている……こうなったら無理にでも話を変えるか)

八幡「そ、それよりもちょっと聞きたいことがあるんだが」

小町「……何?」

八幡「お前が俺のことを名前で呼ぶ理由についてなんだが……」

小町「!……気づいてくれたの……?」

八幡(その反応だと、教えてもらったのも間違いだった、ってのは合ってるみたいだな……しかし)

八幡「その……全く分からない」

小町(やっぱり……もしかして無意識で気づきたくないのかな……)

小町「……兄妹だもんね……」

八幡「小町……?」

小町「ううん!なんでもないよ!あっ、小町ご飯の用意しなきゃいけないんだった!」

八幡「……そうか」

小町「うん!だから帰るね……お兄ちゃん」

八幡「えっ?」

バタン!

八幡(あいつ今……?)

八幡「ふうー」

八幡(……こうしてると、昨日のことを思い出すな……まったく、いきなり風呂に突撃しやがって)

小町『これからもずっと、ね?』

八幡(…………あいつが名前で呼んでくる意味を、俺はもしかしたらすでに気付いていたのかもしれない。気付いていないフリをして周りを騙し自分も騙していた。だってあいつは妹だ。妹のそんな気持ちに気付いたら、何かが終わる)

八幡(だから違う意味を求めて、的外れな理由を作り上げて、あいつらに相談したのかもしれない。あいつらの気持ちにも……気付いていたのに。いや気付いていたからこそ、俺の望まない理由以外の解答をくれると信じて)

小町『……兄妹だもんね……』

八幡(これからもずっと……兄妹。それをあいつは望んでるのか?……いや、あいつはそれを望んでいない。もうそれは認めてしまおう)

八幡「……なら……俺は…………」

今日はここまでです!

終盤の方を手直ししてるんで明日から更新のペースが落ちるかもしれないです
一レスだけでも更新できるように頑張ります

それではおやすみなさい

比企谷ダイニング

小町「それでね、大志君ったら急に着ぐるみ持ってどっか行っちゃってさー」

八幡「訳分からんやつだなーあいつ」

小町「ねー」

八幡(……風呂から上がったら、夕食の用意が出来ていた。いつも通り小町と二人だけでの夕食。小町の学校での話を聞いたり、学校生活について心配されたり、将来について心配されたり。っていうか俺心配されすぎだろ)

小町「あ、お兄ちゃん。醤油取ってー」

八幡「はいよ」

八幡(ただいつもと違うことが一つだけ。……いや、これが本来のいつも通りなのだが、小町が俺のことを名前で呼ぶのをやめたのだ)

小町「……どうしたの?そんなボーっとして。ついに見えちゃいけないものとか見えるようになった?」

八幡「んなもん見えるか。つーかお前、最近少しずつ毒舌が雪ノ下から移ってきてんぞ」

小町「そうかな?やだー、将来のお義姉さんの性格が移っちゃうなんて小町的にポイント高いかも?」

八幡「低いに決まってんだろ」

八幡(……お義姉さんとか、そんな冗談言うだけで悲しそうな顔するなよ……)

小町「あ!ちょっとお兄ちゃん!これソースなんだけど!」

八幡「……悪い、ほら醤油だ。多分」

小町「自分の家の醤油くらい自信を持って渡してよ……」

八幡「はいはい」

八幡(…………もう少し、ちゃんと考えないとな)

ごめんなさい!今日はこれだけです!

やっはろー!1です

これから投下していきます!

八幡ルーム

八幡(考えるつってもな……なにをどう考えればいいのか分からん。誰かに相談できればいいんだが……兄妹の恋愛に詳しいやつなんて知り合いにいたか?いやいないだろ、いないはず)

ゴーイングゴーイングアロンウェイ!

八幡(こんな時間に電話?誰だよ……)

八幡「……もしもし」

???「ふはははは!我だぞ八幡!」

八幡「ワタシハチマンチガウネ」

???「なぬう!?……あ、あの、すみませんでした」

ツー、ツー、ツー

八幡(切れたか……危なかったぜ、あと少し話してたらワレワレ詐欺に遭っていたかもしれない。さて、それでどこまで考えたんだっけ……)

ゴーイングゴーイングアロンウェイ!

八幡「……もしもし?」

???「あのー、そちら八幡様でしょうか……」

八幡(どんだけ間違えるの怖がってるんだよ)

八幡「なんだよ、材木座。なんでお前が俺の電話番号知ってんだよ」

材木座「今度は合っているようだな!相棒よ!さっきは違うところにかけてしまって悶えていたのだぞ!」

八幡「へー」

材木座「戸塚氏に教わったこのスペル〈電話番号〉が間違っていたらどうしようかと、不安でならなかったのだ!どうしてくれる!」

八幡「いや知らないから。つかトーン落とせうるさい」

材木座「ふっ、よかろう、少し我の声に封印を施しておく。……ところでだな八幡よ。ラノベのキャラ設定について相談があるのだが」

八幡「えー……」

八幡(なんでこんな時にお前の執筆活動に付き合わなきゃならんのだ……ん、いや待てよ)

八幡「材木座、その前に質問だ」

材木座「八幡からの問いとあらばなんでも答えようではないか!さあ!遠慮なく聞くがよい!」

八幡「俺のこと好きすぎるだろ……まあいいか。お前って、血の繋がった兄妹についてどう思う?」

材木座「ほむん?どう、とはいかなる意味か?」

八幡「そうだな……例えばお前に血の繋がった妹がいたとして、周りの目を気にして、兄妹以上の仲になるのを躊躇ってるとするだろ?そんな時、お前は進むのが正しいと思うか?」

材木座「ふむ……やけに具体的だが、お主もしや」

八幡「深いことは考えず答えてくれ」

材木座「ゴラムゴラム!そんなこと、決まっておるであろう」

八幡(……だろうな、こいつのことだからきっと……)

材木座「そんな兄妹ラブコメはまちがっている!」

今日はここまでですー

このペースだと、多分今週中には終わりそうです
あとちょっとですがのでお付き合いください!

やっはろー!1です

投下していきます!

八幡「……え?」

材木座「当たり前であろう。兄妹で結ばれるなど正しいわけがない。ならば関係を進ませずにいるほうが正しいに決まっている」

八幡(…………そうか、そうだよな)

八幡(俺は何を馬鹿なことを考えていたんだ。俺と小町はいつまでも兄妹なんだ。それ以外のなにものでもない。なら俺たちは──)

材木座「そもそも、周りの目を気にしている時点で、その兄妹に正しさなど皆無!」

八幡「…………っ」

材木座「本当に好きならば周りの目など気にしない!そんなものは愛の力でどうにでもなる!」

八幡「でも……愛の力とやらでどうにかできたところで、結局間違ってんだろ?なら……」

材木座「もちろん!……だが」

八幡「……だが?」

材木座「たとえ間違っている道でも愛する人のために迷わず突き進む!それが……それが主人公であろうっ!!」

八幡「……主人公」

材木座「けぷこんけぷこん。これは我の勝手な妄想かもしれんが……お主には主人公の才能があるように見えるのだがな」

八幡「…………かも、じゃねえよ。んなもん完璧に勝手な妄想だ」

材木座「む」

八幡「けど……今回だけはその妄想に付き合ってやるよ」

材木座「るふぅ。ようやく八幡のデレが見れたぞ……」

八幡「デレてねえよ……あ、あとお前の相談聞くの今度な」

材木座「なにい!?」

八幡「んじゃ、切るぞ」

材木座「え、ほんとに?ほんとに切っちゃうの?」

八幡「……じゃあな、義輝」

材木座「ぬふう!?お主今──」 

ツー、ツー、ツー

八幡(まさかあいつの言うことに心動かされるとは……一生の不覚。だが、やることは見えてきた)

八幡「よしっ!」

八幡(逃げることにはもう飽きた。そろそろ向き合おう)

八幡(雪ノ下と)

八幡(由比ヶ浜と)

八幡(沙希と)

八幡(小町と)

八幡(この間違いだらけの現実と……向き合おう)

八幡(勝負は明日の朝だ!)

キリがいいので今日はここまでにします!
おやすみなさい

これから投下していきます!
多分今日は昨日みたいにキリのいいところで終わるのは、無理だと思います……

翌日

八幡「ここここ小町ー、ままままだかー?」

小町「だから今日は先に行っていいって……っていうかどうしたのその噛み具合。変なもの食べた?」

八幡「いいいいや、き、気にするにゃ」

小町「にゃ……」

八幡(やばい、緊張する……でもここまで来たら逃げられない)

八幡「……行くぞ小町」

小町「おっけー!」

ガチャ

雪乃「おはよう八幡、小町さん」

川崎「……おはよ」

結衣「二人ともやっはろー!」

バタン!

小町「お、お兄ちゃん!勢揃いしてる!なんか勢揃いしてる」

八幡「大丈夫だ」

小町「大丈夫って……」

八幡「俺に任せろ。……開けてくれ」

小町「う、うん……」

ガチャ

雪乃「……二日連続で閉められると、さすがに傷つくのだけれど」

小町「す、すみません……驚いちゃって……」

結衣「朝から家の前に三人もいたら確かにびっくりするよねー」

川崎「悪いね。おどかすつもりはなかったんだけど……」

小町「いえそんな!お気になさらず!……それより早く出発しましょう!」

八幡「その前に話がある」

雪乃「話?学校に着いてからではダメなのかしら」

八幡「ああ、小町がいて、かつ俺たち意外に誰もいない今がベストだ。そのために少し早く家出たんだからな」

小町「小町の話?」

八幡「いや……俺たちの話だ」

小町「?」

八幡(逃げるな俺。例え今から目の前にいる女の子たちを傷つけることになったとしても……向き合うんだ)

八幡「…………お前たちの気持ちには気付いてる」

全員「!?」

結衣「は、話ってもしかして……」

八幡「ああ」

小町「っ!……や、やっぱり先に行ってるよ」

八幡「……聞いてくれ」

小町「い、いいよ。あとで誰を選んだのか存分に聞かせてもらうから」

八幡「小町!」ガシッ

小町「離して!聞きたくない!」

八幡「聞いてくれ!」

小町「やだ!」バッ

八幡「ま、待って──」

小町「来ないで!」

八幡「!」

小町「……」ダッシュ

八幡「こま……ち……」

八幡(今のあいつの声、まるで悲鳴みたいだった……俺は、あんなになるまであいつから逃げ続けて……)

雪乃「八幡、あなたはなにをしているのかしら?」

八幡「なにって……絶望じゃねえの?」

雪乃「そんなどうでもいいことは聞いていないわ。なぜ小町さんを追わないのかと聞いてるのよ」

八幡「それは……だって……」

雪乃「昨日私が言ったことを覚えているかしら」

八幡「昨日……?」

雪乃「誠意は行動で表すのが一番、と言ったのよ」

八幡「……言ってたな、そんなこと」

雪乃「そんなところで立ち止まっていても、あなたの気持ちは小町さんに届かないわよ?」

八幡「…………」

雪乃「あなたは今まであらゆるものから逃げてきた。自分を否定する世界。自分を認めてくれない現実。そして……自分を愛している人たち」

八幡「ああ。だから今回ばかりは向き合おうとおもったんだけどな」

雪乃「ひどい有様ね」

八幡「容赦ねえな」

雪乃「一度の失敗で大切な人を手放してしまうような愚者に、容赦なんてしないわよ」

八幡「雪ノ下……」

雪乃「この私ですら何度も失敗をしてきたわ。けれど折れたことはなかった」

八幡「あいにく俺は弱いんでな」

雪乃「あなたの心が弱かろうと腐っていようと……それは、小町さんを泣かしていい理由にはならないわ」

八幡「……!」

雪乃「逃げ続けてきたあなたが、今回だけは向き合おうと思った理由を思い出しなさい」

八幡「理由……そうだ。俺はあいつを……」

雪乃「思い出したようね。なら……こんなところで絶望している場合かしら?」

八幡「……そうだな、向き合うって決めたんだもんな」

雪乃「ええ」

八幡「悪いけど話は後でするから、先に学校に行っててくれ。俺はちょっと誠意見せてくる」

雪乃「それでいいのよ」

八幡「……この礼は絶対にする」

雪乃「そんな真面目なことを言わないでちょうだい。気持ち悪い。……それと、もう一つ言い忘れていたことがあるのだけれど」

八幡「なんだ?」

雪乃「今こそ、ここぞという時だと思うわ」

八幡「?」

雪乃「これも昨日の会話で私が言ったことよ。小町さんを探している間にでも思い出しておきなさい」

八幡「お、おう。よく分からないけど思い出してみるわ」

雪乃「分かったならさっさと行きなさい」

八幡「ああ……本当にありがとう」ダッシュ

今日はここまでです!

雪だるま作るの楽しいですね!
せめて軍手ぐらいしておけば良かったと後悔してます!

それじゃ投下していきますー
今日で終わる……はず

結衣「ゆきのん……良かったの?」

雪乃「……ええ。困っている人がいれば手を差し伸べる、それが奉仕部だもの」

結衣「そっか……ねえ、今日は学校サボっちゃわない?」

雪乃「そんなことは……」

結衣「ゆきのん」

雪乃「な、なにかしら」

結衣「ゆきのんはどう思ってるか分からないけど……あたしにとってゆきのんは、凄く大事な友達だよ」

雪乃「え、えっと……?」

結衣「だから……あたしの前では無理しなくてもいいよ」

雪乃「………………。そうね、サボってしまいましょうか。も、もしよければ私の家にでも……」

結衣「うん!行く!」

雪乃「ふふ、紅茶でも飲みながら語り合いましょう。あなたも来る?」

川崎「別に学校サボるくらい問題ないから行かせてもらうよ。ただ……一つ聞きたいんだけど」

結衣「なになに?」

川崎「八幡はあたしたちに何の話しようとしてんたんだ?」

雪乃結衣「…………」

雪乃結衣(川崎沙希……残念な子……!)

どっかの道

八幡「はあ……はあ……」

八幡(くそっ、完全に見失った……あんだけ言われて「見つかりませんでした☆」なんて結果になったら多分殺されるぞ俺)

八幡(どこだ……どこにいる?俺ならこんな時どうする。会いたくない相手がいたとしたら……)

八幡(相手が入ってこれないところに行くな。例えば……学校とか)

八幡「だとしたらいよいよ絶望的だぞ……」

八幡(文化祭の時とは訳が違う。近くにいるとも限らないし、目撃証言も手掛かりも一つとしてない。制限時間すら分かっていない)

八幡(諦めるしか……ないのか?確かに、ここで諦めて帰宅後にゆっくり話し合う手もある。それが一番現実的で簡単な手だ)

八幡(でもここで諦めたら何かが終わってしまう気がする。だから……もう手遅れだとしても、諦めることはできない!)

八幡「はあ……はあ……、よしっ!」

???「……」ツンツン

八幡「あ?……!?な、なんであんたがここに……」

チーバくん「やあ」

八幡(え?え?なにこれ?疲れすぎてついに幻覚見えるようになってきちゃったよ)

八幡(こんなとこにチーバくんがいるわけないだろ、ここ千葉だし……千葉じゃん!)

八幡(やばい、テンションがおかしい。一人ボケツッコミとか俺のキャラじゃない)

八幡「あ、あの……チーバくん、ですよね?」

チーバくん「そうだよ」

八幡(まあ当たり前だけど着ぐるみだよな、口動いてないし。……ちょっと残念)

八幡「えっと……なんでここに?」

チーバくん「……千葉を愛する人が困ってる時、僕は現れるのさ」

八幡(かっけえ!)

八幡「じゃあもしかして……俺の妹の場所を知ってるんですか?」

チーバくん「向こうの三つ目の角を右に曲がってしばらく行くと、小さい公園があるでしょ?そこに君の妹さんはいるよ」

八幡「学校じゃなかったか……あ、ありがとうございます!助かりました!」

チーバくん「……もう彼女から逃げないであげてね?」

八幡「……分かってます」

チーバくん「ならば早く行ってあげたまえ……千葉で涙が流れるのはいやなんだ」

八幡「はい!」ダッシュ



チーバくん「…………」

公園

小町「はあ……何やってんだろあたし……」

八幡「小町!」

小町「!?な、なんでここが……」

八幡「……し、親切な人が教えてくれたんだ」

小町「……帰ってよ。学校行かなきゃいけないんでしょ」

八幡「帰らない。お前との話がまだ終わってない」

小町「誰を選ぶかって話?あの調子なら雪乃さんあたりを選んできたの?」

八幡「あの三人じゃない」

小町「……じゃあやっぱり戸塚さん?それとも大穴で陽乃さんだったり?」

八幡「……分かってるんだろ。なんで逃げるんだよ」

小町「小町はそんなことしてないよ」

八幡「してるだろ。俺の目はそんなことじゃ誤魔化せない」

小町「…………」

八幡「小町──」

小町「なんでもっと早く向き合ってくれなかったの?」

八幡「それは……」

小町「やっと……やっと昨日、諦める決心をしたのに……」

八幡「……ごめん。でも」

小町「でももなにもないんだよ!もう……もう小町に近づかないでよ!また諦められなくなっちゃうじゃん!」

八幡「なんで諦めるんだよ!俺はもう逃げないって決めたのに!」

小町「どこまで行っても小町はお兄ちゃんの……八幡の妹なんだよ。もし八幡と結ばれたって、その先に幸せはないんだよ!だったら……二人が不幸になるんだったら小町は……」

八幡「俺はお前がいなきゃ幸せになんてなれない!」

小町「っ!」

八幡「今まで逃げてきた俺にこんなこと言う資格はないんだろうけど……頼む小町、俺から逃げないでくれ。俺ももうお前から逃げないから」

小町「……なんで……グスッ……それをあと一日……ヒック……言ってくれないの……」

八幡「……悪い」

小町「小町は……小町は……」グスッ

八幡(伝わらないのか……これでも。これが誰とも何とも向き合わず逃げてきた代償なのか。それでも……!)

八幡(どうすれば伝えられる。どうすれば…………。そういやさっき、雪ノ下が変なこと言ってたような……)

雪ノ下『今こそ、ここぞという時だと思うわ』

八幡(昨日のあいつとの会話の中に、ここぞというときにするべき行動が……)

八幡(昨日は……朝腕を組んで登校して……昼は弁当食って……それで……!)

八幡(やるべきこと……分かっちゃった)

八幡「すぅー……はぁー……」

小町「なにしてるの……?」

八幡「小町」

小町「な、なに──」

チュ

小町「!?」

小町(は、はち、八幡が……小町にキスしてる!?)

小町「ん、ぷはぁ…………はち……まん……」

八幡「小町、俺は本気なんだ。お前を離したくない」ダキッ

小町「…………」

八幡「どんな時でも俺の横にいてくれて、笑顔で俺のことを元気にしてくれたお前のことが好きなんだ。……これからもずっと一緒にいてくれ」ギュー

小町「……本当に?」

八幡「ああ」

小町「小町でいいの?」

八幡「小町がいいんだ」

小町「……分かった」

八幡「……ありがとう」

小町「八幡」

八幡「ん?」

小町「小町も……八幡のこと、大好きだよ」

八幡「……ずっと前から知ってるよ」

小町「もう!八幡ったら!」

八幡「ははっ、これが俺だからな」

小町「開き直らないの!…………えっと、それでこれからどうするの?」

八幡「まあとりあえず……学校には行かなきゃな」

小町「だよね……はあ……」

八幡「……今日も部活サボってすぐ帰るから」

小町「ん、じゃあご飯とお風呂用意して待ってるね」

八幡「今日は小町を選ぼうと思ったんだけどな」

小町「……それも用意して待ってるね///」

八幡「全速力で帰るよ。……じゃあそろそろ学校行くか」

小町「そ、そうだね!……あのさ」

八幡「ん?」

小町「手、繋いで行こっ!」

八幡「おう」



八幡(美少女三人を振り妹と結ばれた上に、その後押しを中二病にしてもらった。しかも家から帰った後には口にはできないようなことを妹と……。)

八幡(何から何まで間違いだらけ。間違ってないところなんてないと言ってもいいレベル。……だが)

八幡「それでも俺の青春ラブコメはまちがっていない」

ここまで付き合っていただきありがとうございます!
この話はこれで終了です!

ただこの後におまけ(まだ書いてない)がある予定なので、是非そちらも楽しんでいってください。

やっはろー!1です

昨日言ってたおまけが意外と早く書き終わったんで投下していきます!
後日談というか、八幡と学校に行った後の小町の話です。

おまけ 小町の通う中学校

小町(あのあと学校の目の前まで手繋いで来ちゃった)

小町(校門の前でほっぺにキスしたときの八幡可愛かったな……公園で八幡の方からキスしてきたのに……えへへー)

大志「こ、小町さん?」

小町「あ、大志君。やっはろー」

大志「や、やっはろーっす。あの、なにかあったんすか?遅刻してましたし、今も顔がものすごくにやけてますし……」

小町「いやまあ……色々と?」

大志「色々っすか」

小町「そういう大志君も今日ちょっと遅れたらしいね」

大志「ま、まあ俺も色々あったんす……」

小町「へー……ん?大志君、バッグからなんか赤いのはみ出てるよ」

大志「あ、ホントだ……うーん、やっぱりバッグじゃ小さいかな……」

小町「赤い布……?あ、もしかしてこの前どっかから借りたっていう着ぐるみ?」

大志「いいいいいや、違うっすよ!着ぐるみじゃないっす!他の何物でもあろうと着ぐるみだけは違うっす!」

小町「そ、そうなんだ……」

大志「はい。……そ、それよりも先生のところに行った方がいいっすよ!俺も遅刻したんで先生が俺たちのこと変な風に勘ぐってるみたいで」

小町「む、それはいけないね。先生にしっかりと小町は八幡以外の男の子には興味ないって伝えなきゃ!」

大志「あ、八幡で思い出したんすけど、お兄さんとはどうなったんすか?」

小町「上手く行きましたー!いえーい!色々相談に乗ってくれてありがとね。大志君が名前で呼ぶ案を出してくれなかったら、こうならなかったかもしれないよー」

大志「い、いえいえ!そんなたいしたことはしてないっす!」

小町「とにかくありがとね!じゃ、先生のとこ行ってくるー」

大志「行ってらっしゃいっすー………………はあ」

大志(今ごろ姉ちゃんどうしてるかな……俺が小町さんとお兄さんがくっつくのに協力したって言ったら怒るかな……)

大志(まあ悩んでも仕方ないか。それよりバッグの中にあるチーバくんの着ぐるみを返しに行こう。すごく邪魔だよこれ)

大志「……はあ」

大志(ため息が止まらないっす……)

大志(姉ちゃんの恋路を邪魔してまで好きな人をそのお兄さんとくっつけるために相談に乗って)

大志(自分の心を押し殺しながら頑張って応援して、挙げ句の果てにチーバくんの着ぐるみ着てお兄さんに偉そうに道教えたりして)

大志(……告白すらできずに初恋が終わるのは辛いっすね……まあ小町さんが笑顔になってくれて良かったすけど……)

大志「やっぱり俺の青春ラブコメはまちがっているっす」

終わり

以上です!
大志をかっこよくしたくて書きました。

一応もう一個書きたいものはあるんですが、とりあえずこれで終わりです。

このSSまとめへのコメント

1 :  ルミルミ   2014年10月06日 (月) 18:12:50   ID: W7LNtX8i

なに!?小町ENDだと……
いや分かってはいたけども、 ん~まぁありかな。
あと嵐は朽ちれ。

2 :  SS好きの774さん   2015年01月06日 (火) 03:34:44   ID: CATjEOsY

この大志はイケメンだな
それから中々面白かった乙

3 :  SS好きの774さん   2015年02月11日 (水) 14:54:38   ID: cPGBgupr

ゴーインゴーインアロンウェイに吹いた

4 :  SS好きの774さん   2015年05月23日 (土) 01:16:50   ID: SwrBZ2Pa

チーバくんかっこえぇ

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