P「アイドルたちと信頼関係が築けない」(313)

やあ!おはよう。元気そうだね。

…君もうすうす気づいていると思うが
残念ながら君は、現時点では
所属アイドルたちと
友好的な関係を結べていない。

荒む原因は様々だが、
さらに良くないことに、皆の悪意の矛先が
君に向かってきてしまっているようだ。

厳しい対応に迫られることにはなると思うが、
ここはひとつ、踏ん張ってくれたまえ!


※この話は、炎上プロジェクトの火消隊に
 長年所属していた筆者による
 崩壊した人間関係模様のそこそこの実話を、
 面白おかしく書いた架空話です……。

case01:天海春香の場合

P(さて、まずは朝だ。今日はどんな事件が起きるかな…)

春香「おはようございまーーす!」

P(天海さんが来た)

P「天海さん、おはようございます」

シーーーーーーン

P(あれ?いない…)

P(さっき来た気がするのに)


<事務所の自販機コーナー>

P(コーヒーでも飲むか…)

P(天海さんがいる)

P「お疲れ様です、天海さん」

春香「」スタスタ


P(何も言わず、何も買わず去って行った)

<打ち合わせにて>

P「では、来週はこのようなプランで、営業を進めていきます」

春香「はい、よろしくお願いします…」

P(打ち合わせにはちゃんと出席してくれるし、こちらの話は聞いてくれる)


春香「以上ですか?以上ですか?」

P「えっと、とりあえずこの場は。あ、あと衣装合わせの件ですが…」

春香「」



P(もう消えた)

P(あ)

P(天海さんのハンドポーチ…忘れてるな)

春香「」スッ バタバタ…


P(……)

P(何も言わず、ポーチだけ持ってそのまま去った)

case01:天海春香

深刻レベル1「緊急回避」


争いを生まない、現状維持という点でいえば
実は最も友好的かつ平和的だ。

嫌なことを避ける、事前に回避する。
これを、あからさまにやるという点では
若干の悪意性は増すが、結局のところ本人の捉え方次第であり
この程度で目くじらを立てては
とてもじゃないが人間関係はやってけない。

レベルが上がると、仕事にかかわるところまで
回避と逃亡を行うケースもあるのだが、
このレベルでは、最低限の仕事付き合いと事務的な会話は
ちゃんとやってくれるので、なんだかんだで仕事は回る。
つまりは、結局のところ無害だ。

だが、手を打たなければ改善もないため
長引けば長引くほど深刻化する。

case02:菊地真の場合

P(菊地さんだ)

菊地「……」イライラ

P(見た目ではっきり分かるくらいにイライラしている)

菊地「……」イライラ

菊地「…っ!あのですね、プロデューサー!!」ガンッ

P「うわ、…な、なんですか」

菊地「ボクはね…こんなくだらないことで時間使いたくないんですよ!」

菊地「今のこの時間はなんなんですか!?休憩時間ですか?考え中の時間ですか!?」

菊地「時間は限られてるんですから!もっとシャキッとしきってくださいよ!プロデューサーでしょ!?」

P「あ、ああ…そうですね。すいません」

菊地「謝らなくていいから、早く打ち合わせを進めてください」

P「はい…」


菊地「……」イライラ

P「……ということで、来月のコンサートに向けて、レッスンを強化する方針で」

菊地「……はい」イライラ

P「……。この場は以上です」

菊地「……はい。プロデューサー」

P「なんですか」

菊地「ボクは怒りたくて、イライラしたくて仕事しているわけじゃないんです」

菊地「ボクだって、こんなことでいちいち時間をかけたくないってわかっているです。」

P「はい」

菊地「はいって…!わかってるんだったら!もっと!ちゃんと!しっかりしてくださいよ!!」

菊地「プロデューサーだって大変なのはわかるけど…ボクだって大変なんだ!」

菊地「……こんな状態じゃ、あなたとアイドル活動続けるのなんて、厳しいよ…」

菊地「……失礼します」

P(………)

case02:菊地真の場合

深刻レベル2「感情暴走」

情熱がある現場であればあるほど、
理性を失って感情で物を語りがちである。
些細なことであっても、積み重なっていくものがあるせいで
突如感情が爆発してしまうケースは、
非常にありふれた現象といえる。

しかし、実のところ、このケースの嫌がらせには
救われるヒントがたくさんある。
制御できない感情の中で、不満はなんなのか、自分はどうなのか、
相手のことをどう考えているのかが矢継ぎ早に出てくることが多い。
理屈だった嫌がらせではない分、素直な本音が吐露しやすいのだ。

この手のちょっとした事件を繰り返すことで本音で語り合い、
プロジェクトがその後見違えるように復活するということも
決して少なくはないのだ。
大事なのは、お互いがどう思い、どうしたいかの認識合わせなのだ。

case03:三浦あずさの場合

P(三浦さんは、いつも笑顔だ)

あずさ「………」

P(三浦さんは、いつも、笑顔だ)

あずさ「………」

P(でも)


P(でも、目が笑っていない)

P(目が笑っていない、という表現は詩的な表現なので、もっと現実的に言えば)


P(口角が上がっているのに、目が見開いてしまっている)

P(次に何が起こるのか、まるで予測できないが…嫌な予感しかしない)

あずさ「………」

P「…というわけで、結婚式場からぜひ自社キャラクターとして活躍してほしいとのことです」

あずさ「あらあら…うふふ…。未婚の私に、結婚式場のイメージキャラクターだなんて」

P「先方は、運命の人を探してアイドル活動をするという、積極的な結婚への姿勢に好感を持っているそうです」

あずさ「うふふ…そうなの…。しょうがないわねー、そういわれちゃあ、頑張っちゃおうかしら…」

あずさ「うふふ…うふふふふふふふふふふふ」


P(……)

P(とにかく、目が見開いている)

P(いろんなストレスが爆発しないか、心配だな…。)

case03:三浦あずさの場合

深刻レベル2.5「凍った笑顔」


実務には全く影響はなく、むしろ過酷な時期でも素直に仕事に応じてくれる。
しかし、こちらが心配するくらいに、タガが外れかかっている状況で
精神的には非常に危ない状態。

この症状が出て、次のステップは2パターンだ。

自分で現在の境遇がストレスと感じている場合は
そのまま「感情爆発」を起こしてしまうことだろう。
ただし、この場合は堪えに堪えた状態のため
かなり深刻かつ重大な事件に発展してしまうことも多く、
感情爆発による好転はかえって期待できない。


自身にあまりストレスという自覚がなくこの状態に至った場合は
次に待っているのは鬱などの精神疾病だ。
やる気が出ないという一般的な鬱症状はもちろん、
パニック障害など、突然身体の異常が露見する場合もある。
体が悲鳴を上げるとしたら、内面か外面か、
表面化するのはそう遠くない未来だ。

炎上プロジェクトの火消し隊ってなに?
仕事でグループ組んでる連中がもめたときに何とかするのが仕事って事?

>>18
炎上プロジェクトとは、
スケジュールが破たんし、リカバリでプロジェクト利益が赤字転落し
それでも諸事情でプロジェクトを継続しなければならない
危機的状況。いわゆるデスマーチ状態。

内部的な解決が図られないと判断されると、
外部からの人員増強で強引に事を解決する、
それが火消隊の役目。

case04:四条貴音の場合

P「生っすかのラーメン探訪で、ぜひ来てほしいというラーメン屋さんがいます」

貴音「…」

P「番組ディレクターと相談して、まずは打ち合わせをしようということになりました」

貴音「……」

P「あと、グルメ雑誌から、インタビュー特集を組みたいということで」

貴音「………」

P「ちょっと早いんですが、今度の木曜日、午後に打ち合わせたいとのことです」

貴音「…………」

P「えっと…。私からは以上ですが、なにかありますか?」

貴音「……………」

貴音「………………」スッ


P(何も言わず、出て行ってしまった)

<グルメ雑誌のインタビュー>

貴音「…ええ、そうですね。私の食に対する『道』とは…」


P(とりあえず、仕事はちゃんとやってくれている)


雑誌スタッフ「あのー、Pさん。ちょっと時間がオーバーしそうなんですが」

雑誌スタッフ「四条さんのこの後の予定って、大丈夫でしょうか?」

P「あ、ええ。まだ余裕があるので、少しなら大丈夫ですよ」

雑誌スタッフ「すいません、ありがとうございます!」


P「四条さん。インタビューもうちょっとかかるかもしれないですが、予定はこちらで調整しますので」

貴音「…………………」

P「あ、あの…四条さん??」

貴音「……………………」


P(俺が話しかけたせいか、四条さんはすっかり冷めてしまい、インタビューは後味悪く終わった)

case04:四条貴音の場合

深刻レベル3「無視」


相手の存在を認めない、放置をする、
無視をすることは、悪態をつかれたり口論となるよりも
実はよりストレスフルな状態なのだ。

このレベルに来るとそろそろ仕事に支障が出るものの、
しかし、聞く耳は持っており、適切な指示を出せば仕事は回る。

また、この手の手段をとる場合、
意外とその人は周りの状況や光景をしっかりと観察している場合が多く、
機を見て正しい方向に動き出したときに
実はもっとも適切に行動してくれる、ということも多い。

何を言っても厳しい状況、何をやっても改善されない状況下で、
無駄にあがくよりも、自分が掻き回すよりも、
ただ静観するという、何もしないという勇気も、
一つの手段なのかもしれない。

case05:如月千早の場合

P「来週の歌番組の衣装は、こういう感じになります」

千早「あの、プロデューサー。これはなんですか?」

P「…?というと?」

千早「私の歌う『約束』は、こんなチャラチャラした衣装でいいんですか??」

千早「どうしてもっと気を使ってくれないんですか」

P「…そうですか。まだ時間があるので発注し直しますか?」

千早「は?今から?大体これはこれでもう作り始めたのでしょう?」

千早「仕事の流れを止めるんですか?経費の無駄遣いするんですか?」

千早「もっと考えてくださいプロデューサー」


P(………)

P「じゃあ、今回はこれで進めていいのですか?」

千早「これ『で』??なんですか、これで、って。」

千早「プロデューサー…いえ、あなた、真剣に仕事してます?」

千早「アイドルなんて娯楽なんだから適当に進めればいいとか思っているんじゃないですか?」

P「適当なつもりはないんですが」

千早「適当なつもりはない?じゃあどうしてこんな衣装発注したり、決め事を簡単に折ったり…」

千早「そんな筋の通らない仕事ができるんですか?最低です」

P「…如月さんは、どうすればいいと思いますか?」

千早「それはあなたが考える仕事でしょう!?自分の責任放棄して挙句アイドルに任せるなんて…」

千早「本当に、いい加減にしてもらえませんか!」

千早「変わりがいるのなら…早く変えてもらいたい…」


P(………)

case05:如月千早の場合

深刻レベル5「天邪鬼」


ここから先は、仕事仲間に対する敵意により仕事が滞ってしまうパターンだ。
これも、自らの仕事の情熱あるがゆえに起こりうる現象ではあるが…

これの厄介なところは、敵対する人間の意見に対しては
とにかく反対し、相手の非を訴えかけるかのような
言い方を変えれば揚げ足取りの応酬となってしまっている。
敵対する相手の意見を、どうしても飲むことはできないのだ。

しかし、この手の行動についてはあまり論理的ではなく、
こちらが冷静に対処すれば自爆しやすく、おとなしくなるパターンでもある。

ただ、冷静に対処すると、かえって相手の非に油を注ぎ、
長期的な泥沼化を招くこともあるので
冷静さは保ちつつも、ある程度相手のレベルに合わせてやりとりし、
ここぞという時に理路整然と相手を宥める必要がある。

case06:水瀬伊織の場合

P「みなs」

伊織「なんなのあんた、そのふざけた顔。そんな寝ぼけた顔見せられるこっちの気
にもなってほしいわね。大体この宇宙一のスーパーアイドル水瀬伊織ちゃんがわざ
わざあんたのくだらない会議に参加してあげるっていうのに、まだ資料も用意してな
いわけ?私が来る前に資料はきっちりカラーでわかりやすく耳をそろえて机の上に
配置するのがプロデューサーの仕事でしょう?私だってあんたの戯れに付き合っ
ているほど暇じゃないんだから時間を有効に、少しでも有意義な会議をやろうって
気になれば小学生だって気を利かすじゃないの。大体、打ち合わせって売り上げが
発生しないのよ?もしこの時間、私がみんなの前で美しい歌声を披露したら、どれだ
けのお金が稼げると思っているの?もちろんこういった打ち合わせを通じてこの先の
ビジョンを明確にする必要があることぐらい私だってわかってるわ。でもあんたにはそ
の気概が全然感じられないのよね。1時間の打ち合わせが使いようによっては今の何
倍もの仕事となって活躍できる、その機微をしっかりと見極めなきゃいけない、とても
大切な時間だというのに本当に気が利かない。あれ?もしかして、オレンジジュース
も用意してないの?打ち合わせは1時間を予定してたわよね?まさかその1時間一
切の水分なしで進めようとしてたの?あんたね、なにもお茶菓子一式用意しろって言
ってるわけじゃないのよ?ただ100%のオレンジジュースコップ1杯用意すればそれだ
けで十分『あ、このプロデューサー気が利いてるわね、にひひっ』って思わせることが
できるというのに、資料の用意もないどころかそんな気配りすらできないのね。ああ、

ごめんなさい資料の用意もできないから、この上気配りなんて無理な話よね。ごめ
んなさい、私が悪かったわね。あんたなんかにあまりにも高い要求を、高いハード
ルを課してしまったかしら。それとも私のいうことが伝わらない?私の考えが伝
わらない?もっとわかりやすく噛み砕いたほうがよかった?でも私が悪いのかし
ら。あんたの仕事は私たちアイドルが心地よく活動できるように裏方からサポ
ートする、スタッフじゃない。その立場がよくわかっているのならこんなこといわ
れるまでもなく、即決実行できることよね?まさか自らの非を所属アイドルに向けさ
せてしまいには『私が悪かったわね。ごめんなさい』なんて言葉をこの銀河一のス
ーパーアイドル水瀬伊織ちゃんに言わせた時点で、あんたもうかなりの失点よ。失
格といってもいいわ。野球なら審判が威勢よく腕を振り上げて退場を宣言し、サッ
カーならレッドカードをたたきつけているところよ。でもそれでも私があんたに仕事
を、それもかなり気の進まないのだけれどあんたに仕事をやらせているのは、この
プロダクション人がいないからよ。それだけ。それ以上もそれ以下もないのよ。変わ
りがいないからよ。消去法じゃなくて、消去したら消えちゃうもの。あんたの仕事ぶ
りははっきり言って最低だけどそれでも、いないよりは、まあ0.1人分ぐらいの?役
割は果たせることができるようだからしかたなくみんなつきあっているのよ。首の
皮一枚でつながってるのよあんたは。その自覚ある?あるならこんなことならない
わよね?いい、もう一度言うけど時間は限られているんだから有効な使い方をした
いっていうのが私の本心なの。こんなくだらないことで時間をつぶすくらいなら私があ
んたのかわりやってもいいくらいだけど、それじゃ割に合わないでしょ?わかった?
わかったならさっさと会議始めるわよ。ほら早く準備しなさいよなにぼっと突っ立ってる
のよ。

さ、始めましょ」


P(………)

case06:水瀬伊織の場合

深刻レベル6:捲し立て

かなりの切れ者で口が達者な人に多いある種の嫌らがせパターン。
こちらが何か言う前に矢継ぎ早に言葉を連ねて行ってどんどんストーリー展開が進み
気が付けばその人の中で一大ストーリーが、
現実の状況とはかけな離れた結果として出来上がる。

とにかくこのパターンの人は人の話を聞きたがらない人だ。
自分の思うままに事が進まないことにストレスを感じ、
自分の思わない方向に進もうものなら、それを阻害させて自分の思っていることを
立て続けに捲し立てていくことで、その人自身の気持ちを安定させる。

感情爆発のように本音が漏れることもあるが、この場合論点が目まぐるしく変わり
はっきり言ってその人が何をしたいのか、何を望んでいるのかよくわからない。
混乱した現場で、突然説教じみた講和を始めるといった、比較的地位の高い人が
良く陥りがちなパターンでもある。

ただ、伊織が代役にするとわかりやすいのだが、
この手の人は普段からこんな感じの態度であることが多く、
話半分で聴けばいいタイミングと、しっかりとらえないといけないタイミングは
雰囲気で分かるものでもある。

問題は、受け取る側にその気持ちの余裕が残っているかどうかだが。

case07:萩原雪歩の場合

P(…まだ耳の奥で水瀬さんのお小言が反復しているかのようだ…)

P(さて、次は萩原さんだが…)

P(…………)

P(………)


P(おかしいな、打ち合わせの時間になったのに、来ない)


ピッピッ

P「あ、社長。Pです。萩原さんが打ち合わせに来ないんですが、何か知ってます?」

社長『おや?ちょうど先ほど雪歩君から連絡があり…」

社長『今日は体調が悪いから打ち合わせをキャンセルするとのことだが』

P「え…。私のところじゃなくて、社長に連絡が行ってたんですか?」

社長『うむ…いや、私からも、君に連絡したのかと訊いたら“した”といっていたのでな…』

P「そ、そうですか…。すいません。ありがとうございます」


P「………」

<翌日>

P「昨日は、できれば私のほうに一報いただければ助かります」

雪歩『え、ええ…!?私、ちゃんとプロデューサーに電話しましたよ!?』

P「え?私のほうには着信がなかったですが…いつごろですか?」

雪歩『社長の電話の前に…でも、プロデューサー電話に出なかったし…私、電話しました!』

P「……ちなみに今日はどうして来れないんですか?まだ体調が悪いのでしょうか?」

雪歩『……。そ、そうです。ちょっと昨日から体調がすぐれなくて…』

P「今週末、ストアライブがありますが、それまでに調整できますか?」

雪歩『…。それって、ほかにだれが出るんでしたっけ』

P「今回は萩原さん単独です。」

雪歩『……それまではちょっと無理かもしれないです…』

P「体調が悪ければ、病院で見てもらってはどうですか?」

雪歩『か、考えておきます…すいません調子悪いのでこれで』

P「あ、ちょっと萩原さん!」


P「……」

case07:萩原雪歩の場合

深刻レベル7:「虚言」


仕事をするうえで、嘘をつくことは誰の利益にもならないが、
極限の状況で不都合が起こると、どこからともなく嘘をつく人が出始める。
本来であれば嘘や誤りを証明できるような手段を講じるべきだが
これが過度になっては無駄な検証で時間がつぶれてしまい
本末転倒となってしまう。
やはり複数人の人間が動く中では暗黙の信頼関係が必要だ。

本人に悪気がない場合が多いのも厄介なところであり
後で問題が重大化した時に「そんな大事になるとは」と後悔しても
後の祭りである。

仕事が疲弊すると、疲れが出るのは致し方ない。
やっかいなのは、「復帰できるのか」「いつ復帰するのか」が言えない休み方。
これすら言えない、自己管理出来ない者がいると、
仮に本当に病気であっても
プロジェクトを掻き回す悪要因となってしまう。

case08:高槻やよいの場合

P(笑顔が売りの高槻さん)

P(彼女が最後の砦と思っていたのだが…)

やよい「うっ…うぅ…うぅ~~~」

P(これはどうしたものか…)

やよい「うぅ~、うあ、うあああぁぁ~」


P(突然泣き出した)


P「高槻さん、どうしましたか。体調が悪いんですか?」

やよい「うぅ、ご、ごめんなさい、ごめんなさい…うぅ~~~~ぁ~~ぅ~」


P(……どうすればいいんだ)

<1時間後>

P「大丈夫ですか?泣き止みましたか。」

やよい「ごめんなさい、プロデューサー…。私、こんな…」

P「いえ、大丈夫ならいいんですが。打ち合わせ、再開してもいいですか?」

やよい「は、はい…ごめんなさい…お願いします…」


P「来月の仕事ですが、双海さん…あ、お姉さんのほうです、と2人でインストアライブ」

やよい「うっ…うう~…うぁあぅ~~~~」

P「…あの、高槻さん。また泣いてます?」

やよい「ごめんなさい…ごめんなさい…私、私…う、うぅぅ~~…うっ、っ…」


P(まいった。全然話が進まない…)

case08:高槻やよいの場合

深刻レベル8:「精神不安定」

過酷な状況にさらされた、特に若い女性に稀にある症状。
とにかく泣き続け、仕事が全く手につかない状態。
これは立派な精神病であり正常な職務を遂行することができない。

後にヒアリングをすると、泣き始める原因は意外とはっきりしているのだが、
それは本人のみ知りえることなので、はたから見ると突然のようにしか見えない。
例えば、ある仕事をしているときに、
過去の嫌な失敗や経験が突然フラッシュバックし
それが原因で過度のストレスを感じ、泣き出してしまう、など。

精神的にもかなり不安定な状態で、
また、この状態が長期に続くと急速に体調を壊すこともあり得る。
しかし、言葉の選び方一つで精神的に重篤になりやすく、
面倒を見る管理者自身が逆に神経を病んでしまう、なんてケースも少なくない。

case09:双海姉妹の場合

亜美「兄ちゃん、おはおはー」

真美「兄ちゃん、よろよろー」

P(さて。いつも明るい双海姉妹はどうか…)


P「…というわけで、お二人には『フタコイ』の実写ドラマに出演していただきたく」

亜美「んー、まあいいんじゃない?ねー真美。あと兄ちゃんキモい」

P「!?」

真美「真美はおkおkだよー打ち合わせとかじゃんじゃんやっちゃって。あと兄ちゃんキモい」

P「!?」


P「えっと…では、先方にはそれで返事をしておくので、回答をお待ちください」

亜美「わかったよーあと兄ちゃんクサい」

真美「楽しみだね亜美ーあと兄ちゃんダサい」

P「……」

面白くないからやめていいよ

亜美「亜美たちすっかり背が伸びちゃって、この服もちょっとつんつるてんだよー」

真美「今じゃひびきんや律っちゃんなんて視界に入らないZe!次の目標はあずさお姉ちゃんとお姫ちん!」

亜美「おぅ、ぼいんぼいんなところも目標にしたいですなぁ」


P「双海さん。最近ちょっと背が伸びてきたので、次回の衣装発注にはサイズの再測定をしようと思うのですが」

亜美「えー、亜美たちのスリーサイズを?兄ちゃんが~?セクハラセクハラー」

真美「いたいけな生娘の真美たちを体中くまなく測るなんてセクハラセクハラー」

P「そういうわけでは…。ちなみにその作業は音無さんがいつも通りやってくれます」

亜美「まあわかってるけどねセクハラー」

真美「しかし、前採寸やったのって半年前だよねー真美たち本当に成長期だよセクハラー」

P「………」

亜美「セクハラーセクハラー」

真美「セクハラーセクハラーあと兄ちゃんキモイ」

P「……」

亜美真美「セクハラーセクハラークサいしキモイー」(Chu Chu Train風に回りながら)

case09:双海姉妹の場合

深刻レベル8:「偏執」


亜美真美姉妹だと、単なる子供のかわいい戯れに見えるのだが
これが割と大人の世界でもやってしまう人がいるから驚きだ。
とはいえ、こんなかわいらしいものではなく、
常に言葉尻に過去の失敗や本人の人格攻撃といった、
明確な悪意が含まれており、悪質である。

しかし、単純で意味のないこの悪意は、対象者に殊のほか精神的負荷をかける。
また、対象者でなくとも、こういったやり取りをしているのを目撃すると
他の人にも精神衛生上に悪い影響を及ぼし
結果として環境が荒んでいく要因となる。
しつこいCMを何度の耳にするかのような、あの不快感だ。

しかし、こういった角を立てる行為をしながら、
当の本人は仕事自体しっかりやっている場合があり
(むしろ自らが仕事をこなしているという自負があるからこそ)
その人を排斥する明確な理由が立てられないし、
手ごろなストレス解消法のつもりで、場を蝕み続けるという
かなり厄介な存在だ。

case10:星井美希の場合

P(双海姉妹のサラウンド悪口で頭がくらくらする…)

P(次は星井さんだ)


P「星井さんには、某局のディレクターより、是非ドラマのオーディションを受けてほしいといわれています」

美希「……あふぅ」

P「星井さんは演技力も高く、歌唱力もあるので、主題歌タイアップも含めた役どころを目指しているそうです」

美希「……あふぅ」


P(…話を聴いているのかどうか、ちょっとわからないな)

P「あと、ネイルの専門誌から、星井さんのコラムを連載したいという依頼もあります」

P「星井さんがよければ是非企画を立てたいとのことですが」

美希「あーーー!!」

P「!?」

美希「おにぎりなの!!!」

P「え?お、おにぎり?」

美希「美希は、おにぎりプロデュースするの!コンビニの!美希オリジナルおにぎり出すの!!!」

P「えっと…今はそういう話は特に…」

美希「美希やるっていったらやるの!!!どうしてできないの!!??」

P「…うちから企画を立てて、コンビニ各社に提案するということでしょうか?」

美希「そんな難しいこと知らないの!!!!美希はおいしいおにぎりが食べたいの!!!」

P「…。ちょっとすぐには実現できませんが、調整してみます」

美希「美希、その仕事できないならほかの仕事やらないから!!!」

P「え?」

美希「やらないっていったらやらないの!!決まったら電話で呼んで。それまで家で寝てるの!!!!」

P「ちょっ、星井さん!それは困りますよ!?」

美希「知らないの!早く仕事決めてほしいの!!!!!!!!」


P(………)

P(いくらなんでも無茶だろう…)

最初の余計な解説と盛大なキャラdis
二つ合わさって最悪の展開、あと面白くない

case10:星井美希の場合

深刻レベル10:「居丈高」


理論や理屈が通らない時、
単純に声の大きさと態度の大きさで無理やり我を通す。
極限の状態で、制御不能となった仕事をこの手で支配したがる人は多い。
また、これがある程度の権力がある人間がやるということは
チームワークを恐怖支配ことを意味する。

基本的には話し合いに応じないし、妥協もない。
激昂している状態であれば、ほとぼり覚めるのを待つこともできるが
しかし、権力のある人間なら自分の発言が簡単に覆ることは
本人の矜持が許さないこともあり、泥沼に嵌る。

過去の成功者で、この手法で成り上がった人間ももちろんいるのだが
緻密に構築された信念がない限りは大抵の場合暴走である。

大声で怒鳴られた人間は委縮し、思考が停止してしまい
結果としてチームは道を踏み外しても正されることなく
誤った方向に突き進んでしまう。

case11:我那覇響の場合

響「……」イライラ

P(今の顔は、まさに般若…いや…沖縄のシーサーか)

響「……」イライラ


P「次回の響チャレンジでは」

響「我那覇さん」

P「…え?」

響「何、自分のこと呼び捨てにしてるんだよ。そんな間柄じゃないんだけど」

P「は、はぁ…じゃあ、えっと、『我那覇さんチャレンジ』については…」


P「…という感じで、響チャレンジを進めていきますので」

響「」ブチッ

響「うぬぅあてぇーしいやみわぁ!! あきさみよ!!」ドンッ

P「うおっ!」

P(椅子を投げ飛ばした…)

響「ちょぎりーさーべーる…」

P「あ、我那覇さんどこへ…」


ドガッバギッゴスゴスゴスッ

P(あ、暴れている…)

響「うがーー!!あぬひゃーらふらーか!?あんねーるプロデューサのアイドルなんてやんさやる!」

P(一体何を言っているのかわからないが…)

P(尋常ではない暴れようだ…)


P「が、我那覇さん!落ち着いて…!」

響「×○※&@ゐ#Åゑ!!!!」

P(い、椅子を抱えて…ど、どうするつもりだ…)

ドンッガッシャーーン

P(あー…。事務所のドアが吹っ飛んでしまった…)

…さて、この物語にはまだ続きがあります。
主人公は誰ですかって?

それはこのSSを読み切ったあなた方1人1人です

今の世の中、たくさん辛いこともある。たくさん嫌なこともある。もう誰も信じられない、信じたくない。そう思っている人がたくさんいるでしょう。

私もかつてその1人でした。でもこのSSの「男」のように(というかモデルは作者自身だったり…)懸命に生きて、今では細々とですが暮らしています。

開けない夜は、ありません。

これが、このSSで伝えたかったことの全てです。

最後の最後に、登場人物たちからのメッセージをお聞き下さい。

男「おう!まあなにやら辛いこともあるが、生きてみようぜ!開けない夜は、ないってな!」

作者「ちょっ、俺のパクったな!」

女「やれやれね、この二人は…クスッ」

友「見てくれて、ありがとな!お前らも頑張れよ!…イテッ!」

作者「(友の頭をはたきながら)読者様にお前らとか言うな!失礼だろが!」

まあなにはともあれ…

全員「読んでくれてありがとう!」

ありがとうございました!(続編をもしかしたら投下するかも…ゴホンゴホン)

case11:我那覇響の場合

深刻レベル20:「暴徒化」


ここまでくると、そろそろ警察のお世話になってしまうレベル。
正直言ってここまで自制できなくなるケースは稀ではあるが
(酒の席では、逆に良くお目にかかる)
精神的にも肉体的にも極限状態に陥っているときに
タガが外れて、暴徒化する人間が現実にいる。

逆に自分の居場所がない、
何をやっても終末しか見えないという絶望から、
なりふり構わない行動に出てしまうパターンがあったりする。

物理的な破壊よりは、例えば重要書類が紛失する、
データベースがきれいさっぱり削除(trancate)される、
無意味な一斉送信メールを立て続けに投げつける、
電話回線をパンク・停止させるといった
間接的な威力業務妨害を企てるほうが多いかもしれない。


その日に何があったのかの追求と責任関係で
長期に渡り多くの者も巻き添えになることは言うまでもない。

くぅ~疲れましたw これにて完結です!
実は、ネタレスしたら代行の話を持ちかけられたのが始まりでした
本当は話のネタなかったのですが←
ご厚意を無駄にするわけには行かないので流行りのネタで挑んでみた所存ですw
以下、まどか達のみんなへのメッセジをどぞ

まどか「みんな、見てくれてありがとう
ちょっと腹黒なところも見えちゃったけど・・・気にしないでね!」

さやか「いやーありがと!
私のかわいさは二十分に伝わったかな?」

マミ「見てくれたのは嬉しいけどちょっと恥ずかしいわね・・・」

京子「見てくれありがとな!
正直、作中で言った私の気持ちは本当だよ!」

ほむら「・・・ありがと」ファサ

では、

まどか、さやか、マミ、京子、ほむら、俺「皆さんありがとうございました!」



まどか、さやか、マミ、京子、ほむら「って、なんで俺くんが!?
改めまして、ありがとうございました!」

本当の本当に終わり

case12:秋月律子の場合

P(長かった一日も、やっとこれが最後…)

P(リーダーミーティングだ。社長、秋月P、そして自分の3者で進捗を報告しあう)


律子「……竜宮小町の活動についての現状は以上です」

社長「うむ。順調そうで何よりだ。では…P君からの報告を」

P「はい。…まず天海さんですが、打ち合わせは問題なく、次週から営業に注力します。菊地さんですが……」


P「…萩原さんと高槻さんは、体調がすぐれないためしばらく休養を取らせます。我那覇さんについては…」

P「申し訳ありません。私の監督不届きでした。その後、我那覇さんとは連絡がついていない状態で」

P「この後も、なんとかコンタクトをとれるよう、他のメンバーとも掛け合ってみます」

社長「そうか…ふむ。ご苦労…。」

社長「リーダーミーティングは以上だが、なにかあるかね?」

律子「ありません」

社長「じゃあミーティングはここまでだ。律子君だけ席をはずしてもらえるかな。彼と話がある」

律子「…はい」


P(なんだろう、社長と面談とは…)

小鳥「しゃちょうー!876の社長さんから、お電話が入っているのですがー」

社長「すまんね小鳥君。後にしてもらえんか?」

小鳥「それが…至急お伺いしたいことがあると…」

社長「ん…?そうか。P君、悪いがあとにしようか。そうだな、30分ほど、待ってくれるかね」

P「ええ。わかりました。簡単な仕事片づけてしまってもいいですか?」

社長「ああわかった。こちらも終わり次第、君を呼ぶよ」


P(とりあえず、メールでも確認しておくか。)


P「!!??」

To: P
CC: 高木社長;765pro全員;876Pro全員;876石川社長;五十嵐局長;
From: 秋月律子

件名:このままでは無理です

秋月です。

はっきり言います。あなたではプロデューサーは務まりません。
今日一日のあの成果報告はなんですか?
打ち合わせばかりで、全然進捗ないじゃないですか。

伊織、真、千早からも訊いています。
全く中身のない打ち合わせを延々とやらされていると。

あずささんに至っては、もうアイドル活動をやめるとまで泣いていました。
雪歩、やよい、響はもうすでに限界を超えています。

それもこれも、全部あなたのせいだという自覚がありますか?

お願いします。765から退いてください。
それが、あなたにとっても、765にとっても最良の選択肢としか思えません。


P(…。おいおいおい)

P(この宛先(cc)…やばすぎだろう…。このメール、どこまで行き渡っているんだ)

P(Bccはどこの何まで入っているか、分かったものじゃないぞ…)

P(これは…かなり不味いな…)

社長「P君!すまないね、じゃあ、応接室へ」


社長「うむ…私自身、君は君なりに頑張っていると思うのだが…」

社長「やはり、所属アイドルからはかなり厳しい意見が出ている」

P「はい…」

社長「多くのものが、君の仕事ぶりがあまりにもいい加減であり」

社長「そのリカバリーに律子君が追われている、という話を、君は知っているかね?」

P「え?秋月Pがですか?…その、具体的にはどのような…?」

社長「具体的なことについては、いまはいいじゃないか」

社長「問題は、君の仕事によって、他のものに負荷がかかってしまっているということだ」

社長「現に、律子君の進捗は、ここ最近遅れがちだ。それも、残念ながら君に対するフォローだと聞く」


P(秋月Pからのフォローっていったいなんだろう…。わからない…)

社長「私には、正直パッとこないのだ。君がそんなに仕事へ怠慢だとは思えない…」

社長「今はうまくいっていないこと、修正するのに時間がかかるのも、理屈では分かっている」

社長「だが、ここできっぱりしなければ、さらに影響が出る」

小鳥「社長…プロデューサーさん……。」


社長「先ほどの876石川社長からの電話もその件だ。すでに律子君は、876とも掛け合っているそうだ。」

P(……!)

社長「具体的には」

社長「律子君をはじめ、半数以上のアイドルが、ウチをやめるという。」


社長「彼女らを引き止める唯一の条件は、君の、解雇だ」

case12:秋月律子の場合

深刻レベル?? 「誇大報告」

律子Pの行動は、時には必要に迫られる判断となりうる。

仕事は決してボランティアでなければ、慈善活動でも
気の合う仲間同士の趣味活動でもない。
それがある形で正常さを保てないなら、
環境を抜本的に変えることも必要だ。

ただ、律子Pの行動は、捻じれた正義、
私怨が多く秘められた悪意に満ちている。

具体的には
 ・P本人には全く相談せずにエスカレーションした
 ・問題をミーティングなどで共有せず、密室で根回しした
 ・上位層の決定権も「自らの進退」というカードを切ることによって
  限りなく制限されたものに絞り込ませた


古くには、嫌がらせのビラを職場にばら撒くような行為があったが、
この所構わずCcBccをぶちまける不可避な攻撃は、
現代の嫌がらせビラ撒きといえよう。

P(結局。)

P(765を追われてしまった)

P(アイドルたちは、あれから順調に頑張っているのだろうか)

P(……)


怒りの矛先が、1点に集中すると、それはそれで意外とよく回るのだ。
共通の敵ができることで、他のメンバーは結束できる。
今回の場合で言えば、律子Pが音頭を取り、
765メンバーは見た目上、協力関係となりえた。

そこから、うまく波に乗れるチームもあれば
次の矛先を探し、泥沼化するチームもある。
傾向などなく、そこから先は、もう運としか言えない。


P(根はいい子たちなんだ。ただ、歯車がかみ合わなかっただけで…)

P(秋月Pの結束を糧として)

P(かつて輝かせていたあの笑顔を、きっと取り戻してくれることを、陰ながら祈ろう…)




<終了>

…さて、この物語にはまだ続きがあります。
主人公は誰ですかって?

それはこのSSを読み切ったあなた方1人1人です

今の世の中、たくさん辛いこともある。たくさん嫌なこともある。もう誰も信じられない、信じたくない。そう思っている人がたくさんいるでしょう。

私もかつてその1人でした。でもこのSSの「男」のように(というかモデルは作者自身だったり…)懸命に生きて、今では細々とですが暮らしています。

開けない夜は、ありません。

これが、このSSで伝えたかったことの全てです。

最後の最後に、登場人物たちからのメッセージをお聞き下さい。

男「おう!まあなにやら辛いこともあるが、生きてみようぜ!開けない夜は、ないってな!」

作者「ちょっ、俺のパクったな!」

女「やれやれね、この二人は…クスッ」

友「見てくれて、ありがとな!お前らも頑張れよ!…イテッ!」

作者「(友の頭をはたきながら)読者様にお前らとか言うな!失礼だろが!」

まあなにはともあれ…

全員「読んでくれてありがとう!」

ありがとうございました!(続編をもしかしたら投下するかも…ゴホンゴホン)

ここから961に入って快進撃だろ

<おまけ>

元P「お久しぶりです、音無さん」

小鳥「お久しぶりです。その…あの時は…」

元P「いいんです。気にしていないって言ったらウソですが…」

元P「あの時の自分は、あれ以上のことができなかった、だけです」

小鳥「プロデューサーさん…」

元P「やめてくださいよ。私はもう、プロデューサーではありません」


元P「あれから、みんな。頑張っているようですね」

小鳥「ええ…。時間はかかりましたけど、みんな、張り切っています」

で、でたーwwwwwwwww
終了って書いてはおくけど最初から後日談書くつもり奴wwwwwwwwwwww

元P「やっぱりけん引しているのは、秋月Pですか?」

小鳥「いえ、今は別の新しいプロデューサーが入ってきて。」

小鳥「そこから、とても順調にまとまりつつあるみたいです。」

元P「ははは…よっぽど私がダメだったんでしょうね」

小鳥「そんな…自分を責めないでください。」


元P「テレビで見る彼女たちの底抜けの笑顔を見ると、私も元気をもらえます」

元P「あんなに嫌われていたのに、自分勝手なものです」


小鳥「安易なことを言って申し訳ないですが、時間をかければ、解決することもあります」

小鳥「私の個人的な意見ですが、みんな、あの時は自分に必死で…」

小鳥「誰かを思いやるという気持ちが、余裕がなかったんだと思います。」

小鳥「だから、みんな、うすうす気づいているんじゃないかって…自分も悪かったって…」

元P「いいんですよ、小鳥さん。もういいんです」


元P「彼女たちが今、輝いているなら、私のいたことなんて…忘れたほうがマシですから」

<お疲れ様>

おう、お疲れ様
二度とやるなよな

乗っ取っていい?

>>131
乗っとるぐらいなら別にスレを立てろ

>>137
そうするか

書き溜めてから立てるよ

黒井「765プロにいた?」

P「はいそこで数ヶ月Pをしていました」

黒井(高木のところにいたのか…これは面白い…)

黒井「…数ヶ月見習いということで961に入ってもらおうか」

P「!」

黒井「使えないとわかったらすぐに出て行ってもらうからな」

P「はっ、はい!頑張ります!」

黒井(まぁ少しぐらいなら遊んでやってもいいだろう…)

そんなに自信があるならやってみなさい

黒井「で、やめさせられてノコノコと戻ってきたのかキミは」

元P「はい!」

黒井「私は765プロを徹底的に崩壊させてこいと言ったんだがなぁ」

元P「でも、社長が仰るほど高木に人望も力も恩情もあったと思いませんがね。765を敵対視しすぎですよ」

黒井「フン、キミにはわからんよ」

元P(爺の思い出補正程鬱陶しいもんはないなー)

黒井「どんな手を使ったかわからんがキミが高木の765を停滞させてくれたって功績は認める。だが」

黒井「私として笑うことを忘れ、友情や絆といった言葉を耳にするだけで発狂するくらいぐちゃぐちゃにしてほしかったんだがな」

黒井「丁度いい、貴様にはジュピターを担当してもらおう」

P「ジュピター…ですか?」

黒井「あぁ、最近出来たグループでなまだプロデューサーが決まっていなかったのだ」

黒井「前にもやっていたのだからコネくらいはあるだろう?」

P「まぁ少し位は…」

黒井「最初から期待はしていないが死ぬ気でやってもらうからな」

P「ジュピターって何人なんでしょうか?」

黒井「男三人だ…詳しいことは明日話す、今日はもう帰れ」

P「わかりました…では失礼します」ガチャ

P(今度こそ好かれるPになろう…)

黒井「フン私の見込み違いだったようだ。負け犬めが。」

元P「…」

黒井「何、馬鹿面してる?キミの表情、動作、すべてが不愉快だ。とっとと、魔王エンジェルのプロデュースに戻れ。当然ボーナスは無しだ」

元P「やだなあ社長、誰も失敗したとは言ってないでしょう?」

黒井「何?」

元P「僕はジェンガが好きなんです。」

元P「一個ずつ根元からゆっくり抜いていく、そして上に重ねていく、崩れないように確実にゆっくり残酷なまでに引き抜いて」

元P「綺麗ですよね、ジェンガって。なんというか押すと壊れそうな儚さが」

黒井「何がいいたい?」

元P「僕も社長と同じ気持ちですよ」

元P「765を961の元屈服させます」

黒井「ほう」

元P「黒井社長は相手を屈服させるにはどんなことをしたらいいですか?」

黒井「知れたことを…が馬鹿らしく思うほど強大な力で押し潰す、何度も何度も、ガンダムが蟻を踏み潰すかのように大人気なく徹底的にな。」

元P(……)

黒井「…とまぁ、そこらの凡百相手にならこれが正しいだろうが、相手は765だ」

元P「僕には社長がそこまで執着する理由がわかりませんが」

黒井「まぁ聞け。」

黒井「だからそういった、力の違いもわからない世間知らずの雑草は 上から踏み潰すのでなく 根元からザックリと刈る」

黒井「心を折るのだよ、ポッキリと。キミが765で演じた道化のように、相手の気持ちを蔑ろに、臆病にそれでいて傲慢に。やんわりと包み込むように否定してやるのだ相手の存在を」

元P「素晴らしい」

元P「流石です、流石数々の事務所を潰してきただけあります」

黒井「……」

元P「でも、僕は相手をもっと苦しめる方法を思いついたんです。」

黒井「聞いてやる…不本意だが聞いてやる…なんだね?」

元P「愛です。」

黒井「……」

元P「愛です。」

黒井「医務室なら下だ。明日から有給をとりたまえ」

元P「本気ですよ。」

元P「僕は765にいましたが、彼女たちは心は優しく根はいい子ばかりでした」

黒井「キサマの報告の実情とは違っているが……まぁ彼女らの心が参っていたのだろうなキサマと暮らしていたのだからな」

元P「そう、たとえ心が優しくても人間はその馬の雰囲気ノリで人を傷付け、殺します」

元P「でもそういう優しい人たちには、愛を持って接すればきっと通じるのです」

黒井「……」

黒井「…貴様!まさかっ」

元P「残酷な愛、それは自己犠牲です。」

黒井「だが、貴様は人から愛されていないだろう、今までもそして未来永劫」

元P「まぁそれは置いときましょう。私は彼女たちを徹底的に分析してきました。だから分かります。彼女たちが今、私に対して大なり小なり罪悪感を抱えこんでいることを」

元P「確実に彼女たちの心に私の楔が埋め込まれているのです」

元P「彼女たちを愛する私を追い込むことで、今彼女たちは軌道に乗っています。だから彼女たちは苦しむのです。心から笑えた時がきても、私の悲しそうな顔が胸をよぎり無理矢理に笑顔を閉じ込めて、自分で自分を傷つける日々をすごします」

元P「そして私はかさぶたを剥がす係です!」

黒井「……貴様のやらんとすることが私には読めた。魔王エンジェルのように新幹少女のように貴様は…」

元P「その通り」

元P「まずは手始めに、765から961プロに引き抜きです。」

元P「貧乏家庭と金持ち家庭の友情(笑)、動物を家族とほざく馬鹿、弟が死んだくらいでメソメソしてる甘えたゆとり、さあ誰が欲しいですか?」

黒井「クククククククク」

元P「もう種は植え付けました。あとは壊すだけです、さあ社長」

黒井「クククク」

元P「ジェンガのように かさぶたを剥がすように 花を咲かせるように、彼女たちの純粋な心をじわりじわりと黒く塗り潰してあげます。」

元P「そしてIU後には黒井社長が待ち焦がれた765の連中の絶望と苦痛に歪む顔を見ることができます。」

黒井「クククククククク」

黒井「フフ…釜かけただけでまさかこうも簡単に私へ貴様が手の内を明かすとはな」

黒井「貴様が765と通じてる可能性を考え、こうして試させてもらったが」

黒井「貴様は、完全に961に染まっておる。」

元P「ありがとうございます。では私めを信用していただけるのですね?」

黒井「キミの計画はだいたいつかめた、実に面白いことを考える」

元P「いえ、これも黒井社長から如月や雪歩の情報を教えていただいたおかげです」

元P(……)

黒井「じゃあ…手始めに我那覇響が欲しい、な」

元P「…! 素晴らしい、お見通しってわけですか」

黒井「当然じゃないかキミィ…私の一番の部下なんだキミはね。なんなら私がキミの計画に乗り、直々に手を下してやっていいんだが」

元P「恐れ多い…ではさっそく行動にうつします。社長は社長室でプロジェクターでも買っておいてください。高木とアイドルたちの悲痛に歪んだ顔を特等席で見て頂きたいので」

元P「お楽しみに」


黒井「クハハ…クハハハハハハハハハハハハハハ!実にめでたい実にめでたい、クハハハハハハハハハハハハハハハハ」

黒井「いや、キサマを雇って良かったよ。あまりにも愉快なものだからついつい、見苦しい所をみせてしまった」

黒井「いえ、社長の笑顔のために私は働いているのです、ではそれでは」

コツコツ

元P(愛と言った時の社長が見せたあの表情、何もかもを悟ったかのような)

元P(そして私の策略で一番最初に、崩壊する我那覇響をチョイスしたこと)

元P(おそらく社長は俺の策略を見抜いているはずだ。)

元P(だが、俺の、野望はヤツにはわからないはずだ。ずっと隠し遠してきたのだからな)

元P「それにしても、このワニ革のサンドバッグは素晴らしい。響の家を教えて貰って良かったー」

コツコツ

元P「おっジュピターの諸君!」

冬馬「……げっ」

翔太「北斗くん…」
北斗「大丈夫だ隠れてろ」

元P「ちょっとーそのげってどっちのげっ~?」

冬馬「げっに意味は一つしかねえよ」

元P「それより 私が託した"765のアイドルがたちまち元気になる手紙"をライヴでちゃんと渡してくれた~?」

冬馬「…ざっけんなよ!」

北斗「…冬馬」

冬馬「お前が、相手がライヴで全力を出し切れるために必要な言葉っていうから俺はお前の指示に従ったんだぞ」

元P「あっ翔太くん!最近ジュピターすごいね!全勝じゃん!」

翔太「…ひい…冬馬く…ん」

冬馬「聞けよ!翔太は下がってろ。…お前の手紙を渡したよ俺は。でもなあ渡したとたんあいつらは…」

冬馬「うるさいくらい糞元気だったヤツがウソみたいに一瞬で枯れて、そんでライヴもめちゃくちゃな出来だった。手紙を渡す前のリハーサルは良かったのにな。」

元P「でしょうね」

冬馬「お前あいつらに何したんだ!俺たちはこんなことで勝っても嬉しくないんだよ!」

元P「…」

春香「……ごめんね」

真「ちょっと今日どうしたんだよ春香!おかしいよ!あんなに練習したところじゃん!」

やよい「ま、真さん、春香さんはちょっと今日体調が悪かったんだと思います!あまり怒っちゃだめかなーって」

伊織「でも、今日の春香はおかしかったわ。ねえ何があったの?今日ジュピターの奴らと会ってから変よ」

春香「な、何もないよ。ごめんね」

響「さては、また961のヤツらに心ないこと言われたんだなー!最悪だぞヤツらはー!」

真「…ボクたちだって同じことしたじゃないか」ボソ

雪歩「……」

伊織「あら?真?なんか言っ…」

新P「春香」

その頃

冬馬「信じられるか そんな話…」

元P「…本当なんだ信じてくれっ」

北斗「…なら社長に確認とりま…あれ…?」

テクテク
黒井「その心配はない!私はここにいる。」

翔太「くろちゃん!」

黒井「Pくん…まさか話したのか」

元P「ええ…申し訳ありません…ですが、これ以上社長をっ…」

黒井「このバカモノ!」ドガッバキッ

元P「ぐはっ」 北斗「社長!」

黒井「あれ程話すなって言っただろっ…!バカモノ!」

元P「ぐっ…ですがっ…どうしても私には耐えきれなく」

黒井「アイドルを私個人の問題に巻き込みたくのだ!キミにだって話たくなかったのにっ…」

元P「ですが 社長が息子のように可愛がる彼らが、何も知らないとはいえ765と仲良くしているのが耐えられなかったのです!社長!いい加減腹をくくってください!」

新P「春香、今日は確かに疲れが溜まってるようだな。」

春香(………疲れたのかな)

新P「だが休んでる暇はないぞ!明日は仕事、明後日はレッスン忙しい日々が待ってるんだぞ!」

春香(…え?)

千早「ふふ…やる気出てきたわ」

真美「うわうわ→ファンの兄Cのために頑張っちゃうよ~!亜美!レッツマッサージだ!」

亜美「いやん真美ったらだいた~ん」

貴音「響、ワニ子が帰ってこないのは真ですか?」

真「ボクも疲れたなー!今までこんな疲れることなかったのに!」

春香(…多分それは…前のプロデューサーさんが…)

黒井「ううっうわああああああああああああああああPくんすまない…すまないっ…」

元P「社長…っ。」

冬馬(おっさんが泣く所初めてみた…)

翔太(…くろちゃん)

元P「君たち…頼む社長からの言葉だ…聞いてやってくれ…嘘偽りない本当の話だ」

北斗「…はい」

トッピングが主食の勢いでふんだんに脚色を重ねた結果
高木が社長の恋人を略奪し 親とかも殺されて 親友とかもなんか殺されて なんかだいたいの悪いことは765のせいになった。

冬馬「……そうか辛かったな、すまねぇアンタらを疑ったりして」

元P「いいんだ、さぁみんなで団結して765をやっつけよう!じゃあなジュピターの諸君」

ジュピター「はい」スタスタ

元P「……なんですかあの壮大なストーリーは?映画監督にでもなるんですか?」
黒井「ああ、なるとも。これで手駒は"ほとんど"そろった。悲劇の始まりだよキミィ!クハハハハハハハハハ!」

レッスン室

春香(1人で事務所に残っちゃった…)

春香(でももし、元プロデューサーさんなら…)

春香(多分、何も言わずに休みをいれてくれて…それでスケジュールを調整してくれる…)

春香(別に新しいプロデューサーさんが悪いわけじゃないんだけど…)

春香(そういえば私がいくら努力しても失敗してばっかりの時…)

アイドルに実力の上下はありません 客の心を掴んだ人が勝利です

春香(私が怪我した時)

大丈夫です おちおちおおおちおちおちつつつ

春香(一番慌ててたんだっけ…でもすぐ治療してくれて…)

春香(失ってから初めて大切なことがわかる…って)

春香(ぐすっぐすっ
)

春香「なんで私あんなことしたんだろ…いっぱい教えてくれたのに…」ピロピロリン

春香「…メール?」

元P「さてそろそろ765のアイドル達と会いにいきます」

黒井「まさかそんなスーツ姿で行くのかね?」

元P「いえいえ、まさか。おっと"ユダ"に電話をかけないと」

黒井「765のヤツを手懐けたのかね?気を付けるが良い。密接な連絡は内応を疑われるぞ」

元P「ご心配なく、おう、おう、天海が事務所に残ってる?おう、わかった。」

黒井「一応聞くが765の策略にはめられてる可能性は?」

元P「ハハハ…0です。」

春香「何このアドレス…えっもしかして…」

春香は走って階段を降りた。風をきってかけ降りた。謝罪の言葉、再開の言葉、頭ん中がごちゃ混ぜになって 言いたいことがありすぎて思考がとまる それでもただ一つ

会いたいを掲げていた。

プロデューサーさんがいなくなってからずっとプロデューサーさんのことを意識していた この感情をなんと呼ぶかわからない

「天海さん」

ひたすら走ってたら声が聞こえた。懐かしいメロディがそよ風にのって耳に運ばれるかのようにすんなりと耳に入る

懐かしいそして狂おしい程望んだ声

(プロデューサーさん!プロデューサーさん!)

そして息を切らしてPの待つ十字路へ

「天海さんは相変わらず元気ですね、でも天海さんは責任感のせいでなんでも背負い込みすぎです。楽しみましょうね」

プロデューサーさんは欲しい言葉をくれる 懐かしいプロデューサーの声


でも

春香「…車、椅子?」

キュラキュラキュラ

……どうしたんですか?

P「急に足を壊しちゃいましていやはや」

ウソだ

P「いやあ…まさか事故で足を骨折するとは…天海さん心配しないでくださいね」

ウソだ…さっき壊したって言ったじゃん

みんな新Pが来てからすぐ仕事が増えたから喜んでるけど
冬馬くんが言ってた。プロデュースは積み重ねだって。何度も足を運んで怒られて怒鳴られてそれでも足を運んで初めて仕事が得られるって 。

みんなに今の仕事があるのはプロデューサーあなたのおかげなんです。真も伊織も薄々気付いてます

元P「いや 天海さんに会いたくなりましてね まぁ今の私にとっては遠い存在ですね あっ ちゃんと朝食食べてますか?」

私たちに酷いことされて、一生懸命仕事取っても 私たちに酷い言葉浴びせられて

その細い足と腕で私たちを支えてくれて…

春香「私たちのせいなんですね…」

元P「何言ってるんですか?」

春香「私たちが言うこと聞かなくてPさん辞めさせて…」

元P「君たちのせいではありませんよ」

春香「疲労骨折ですよね?」

元P「……ええ。隠し事はできませんねアナタには。」

春香「ごめんなさいごめんなさいごめんなさい」ぐずっくずっ

元P「何を泣くことがあるのですか?」

春香「私たちのせいで…ごめんなさい…」

元P「…」 ぽん

春香「…ふゎっ」

元P「私はあなたたちが輝けるために手伝いをしたのです。 せいなんて言葉を使って自分を責めちゃいけませんよ」

「ううううううプロデューサぁーさぁん」

元P「あらら涙と鼻水で服べちょべちょ」

…さて、この物語にはまだ続きがあります。
主人公は誰ですかって?

それはこのSSを読み切ったあなた方1人1人です

今の世の中、たくさん辛いこともある。たくさん嫌なこともある。もう誰も信じられない、信じたくない。そう思っている人がたくさんいるでしょう。

私もかつてその1人でした。でもこのSSの「男」のように(というかモデルは作者自身だったり…)懸命に生きて、今では細々とですが暮らしています。

開けない夜は、ありません。

これが、このSSで伝えたかったことの全てです。

最後の最後に、登場人物たちからのメッセージをお聞き下さい。

男「おう!まあなにやら辛いこともあるが、生きてみようぜ!開けない夜は、ないってな!」

作者「ちょっ、俺のパクったな!」

女「やれやれね、この二人は…クスッ」

友「見てくれて、ありがとな!お前らも頑張れよ!…イテッ!」

作者「(友の頭をはたきながら)読者様にお前らとか言うな!失礼だろが!」

まあなにはともあれ…

全員「読んでくれてありがとう!」

ありがとうございました!(続編をもしかしたら投下するかも…ゴホンゴホン)

てす

いやすまん。なかなか書き込めなくて困ってる。まぁ今日は暇だしゆったり書く

私は、ただ甘えたかっただけかもしれない。
何もかもが手探りで何を信じたらいいかわからなくて、誰かに甘えたくて…
プロデューサーさんに甘えたかったんだ、私は独り占めしたかったんだ…
この声も温もりも、すべてが私の心の淀みを溶かしてくれる
春香「ううっ…うわああああああん」

旧P「ああ…、何があったか知りませんが天海さんには笑顔が何よりも似合っていますよ」

もう涙腺の限界だった、いっしょくたになった感情が雪崩となって溢れて

春香「プ…プロデュー…」

自分を形成していた少しの意地と大多数の弱虫が今音を立てて崩壊しようとした時

坊主「はいどうも!」

声が聞こえた。恐ろしく冷えきった声が

旧P「…アンタは」

春香(…えっ…誰この人…)ビクッ

春香「誰……ですかこの人たち」

坊主「天ヶ瀬金融です、あなた恋人さん?」

元P「違う 元担当アイドルですよ」

金融会社の人?借金取り?な…なんで?

金髪「…ほら話しなさいよご自身のことでしょう?」

元P「この子は関係ないんです」

金髪「そう?仕事を辞めさせられて、足を壊して、収入がなくなったんでしょう?じゅううぶん 過失あるわよっ ねえ?」

元P「あなたたちは何を言ってるんですか?」

坊主「まぁ、そんなことはどうでもいいです。300万円返して頂きたい。やっぱりあなたと直接お会いしないと…」

300万円?この言葉には聞き覚えがあった。
以前、律子さんからプロデューサーを非難する理由を聞かされた時。

事務所で売れ筋の竜宮小町が優遇されていた期間、急に予算の都合がつき自分や響など他のアイドルが露出するようになった
その時、律子さんは『300万円が彼に横領された』と主張していた。

あの時、律子の意見は明らかに怪しく信憑性に欠けたものだったが集団心理は恐ろしく、事務所の雰囲気はプロデューサーが悪いの一点張りとなった。

でも、今目の前のプロデューサーは 大金が手に入ったとすればみずほらしい格好で、私を責めることもせず、それ所か私を擁護してくれて。
もしプロデューサーさんが、私たちのために身銭をはたいて仕事を取ってくれていたのなら、私は…もう耐えることは…

元P(優しいプロデューサーの仕事を奪い、怪我をさせ、消費者金融に頼らざるを得なくさせた自分を責めろ天海春香)

元P(…さぁ罪悪感よ芽生えろ。)

金髪「それにしても、まさか借金してまで金を仕事に使うなんて、仕事の鬼ねあなた」

春香「…!」

元P(なっ…だ、台本と違うぞ…)

坊主「酷いよなそこの経営者さんは。なぁ、アイドルさんよ。なんで止めてやらなかったんだ?」

春香「わ……私は」

金髪「あなたたちのおかげでこの人はこれから楽しい人生を送るわ。ヤミ金負債者がどんな人生を送るかなんか漫画をみてくれたらわかると思うわ」

春香「…そんなっ」

金髪「ヤミ金に金を返す必要なんてないなんてふざけたキャッチフレーズが社会に通用しないってことは流石に分かるわよね?」

元P(何考えてるんだこいつら…だが乗っとくか)

元P「おい、彼女は関係ないだろ!!」

坊主「そう、彼女は関係ない お前の勝手な自己犠牲だ アイドルから信頼を得たつもりになった無能のお前の身からでたサビだ。」

プロデューサーさんが怒った所を初めてみた でもそれ以上に彼らの言葉が 重石のように容赦なく私の心へと沈んでいった。天海春香、今私は何をしているの?プロデューサーさんのために何ができるの?

金髪の人の手がプロデューサーさんに触れようとした瞬間

春香「やめてください!」

私は叫んでいた。

坊主「なんですか?部外者の方に介入されるのは困るなぁ…」

春香「300万でいいんですか?」

 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄

坊主「これは成功でいいんですか?天海春香から金を巻き上げるだけで…」

元P「またまた惚けちゃって~私は天海春香を自殺させたかったのになんで台本と違うことをしたの?」

金髪「あら?おかしなことを仰るわね 俺たちは台本通り演じてきたわよ」

元P「あ?……」

坊主「っ……やられた…秋月律子に騙されたっ」

元P「…!君らそれは律子からもらったのか?」

金髪「…ええ、あなたの信頼のおける部下ということでしたから油断していたわ。まさか訂正したものが偽だったとはね」

坊主「…おい」

元P「つまり君らは俺に確認を取るのを怠り、俺は君らに確認を取るのを怠った」

坊主「台本なんて形式は辞めて口だけで確認取れば良かったんだが 後の祭りですね」

元P「ありがとう、あの小娘に問い詰めてみるよ」

坊主(…怒ってるのかしら?)

元P『961プロの秋月律子さんはいらっしゃいますか?』

律子『生憎、765プロにはそのような人間はおりません。個人用携帯にかけ直して頂ければと』

元P『本日は、私の仕事を滅茶苦茶にして頂き誠にありがとうございました。こちらとしましては是非ともそのお礼をさせて頂きたいと思いお電話差し上げたのですが』

律子『怒ってます?』

元P『いえいえ、絆(笑)友情(笑)パワーは敵に回したくありませんので』

律子『人間ごとに名字呼びだったり呼び捨てだったりさん付けだったりコロコロ変える人たちばっかの765にそんな素晴らしい力ありませんよ』

元P『それより早く真美を亜美の物真似芸人として売り出す企画だしてよ、前からずっと言ってるじゃん』

律子『真美にそんな能力ありませんよ 亜美のパーターなんで』

元P『いいの?俺から掛けといてなんだけどこの電話固定でしょ?』

律子『煩い鳥もいないし、高木になんか何もできる力ないですよ それにしてもここのアイドルたちにうんざりですよ。似非友情パワーの力綺麗事押し。ジャンプかっての』

元P『…生憎だが君の愚痴は聞きたくない。二人で765に侵入して以来ずっと君から愚痴を聞かされているが、何一つ得るものはなかった。私が電話した理由は一つだけだよ、なあなんで勝手なことした?』

律子『…台本改ざんですか?…だって黒井社長だってただアイドルを自殺させただけじゃつまらないでしょ?社長が嫌いな友情、絆、信頼を踏みにじるために私は動いてるだけです』

元P『それは上司の俺に牙を向けることになっても…?』

律子『はい!』

元P『つまり、元P お前なんか私に必要ねぇよ死ねカス雑魚のくせに威張ってんなクズってことか?』

律子『はい!仰る通りです!あなたはそこそこ優秀ですし部下としてなら使ってあげてもいいですが。』

元P『そうか 確かに765にいる君と俺じゃ肩書き上、上下関係ないもんね。まぁ協力関係だけは続けていこう』

律子『はい、では』ガチャ

律子「フフフ…あの冷静ぶってる元Pの震え声…あ~スッキリした!…それにしても春香を自殺させるなんて…許せるわけないじゃない…」

律子「これが私にできるギリギリのことよ…」

律子「だってアイドルのみんなは、…1人も欠かせない存在なのよ…!みんなは私が961を乗っ取るための大事な大事な踏み台なんだから!」
律子「それにしても元Pを欺けたのはスッキリしたわ…今頃あいつ頭抱えて参った…計画が狂った…なんてほざいてるわ…アハハハハハ」

その頃
元P「参ったな…本当に参った…」
元P「まさか………こんな予定通りに行くとは」ニヤリ

元P「実際秋月律子の演技がなくては、高木も765のアイドルたちもあそこまで狂わなかっただろう」

元P「普通余所様の社長様へ内々の事情を暴露するなんてふざけた行為は、非難の対象だろう。本当に優秀な人間ならそんな化けの皮剥がれることはしないはずだ」

元P「だが、それを俺に押し付けることでやつは優秀なキチガイやり遂げた。ただ、ごく普通の会社ならあんな病人じみた行為一発で見抜けるもんだが…」

元P「律子…残念ながら破滅させるべき765の連中の中に君も入ってるんだ…君が持つ黒井社長への野心に社長が気付かなかったと思うのか…?」

rrrrr

元P「おっ電話か……ん?ああ、………長介って子供いたでしょ?男の子だよ知ってる知ってる。はいじゃあね」

元P「さぁ、ジェンガの始まりだ!」

すまん仕事でトラブったからもう書けん。
また機会があればその時に。
さよなら

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