兄「妹が匂いフェチだった…」 (37)

妹「おはようございます、兄さん。今日の朝食は自信作なんですよ」

兄(うちの妹はよくできた妹だ)

兄「昨日も聞いたような」

妹「今日はとくにです」

兄(気立てもいいし、容姿もいい)

妹「びっくりするぐらい美味しいですから」

兄(完璧に見える妹だけど――)

妹「腰を抜かしちゃうかもしれませんね」ニコッ

兄(――重大な欠点がある)

兄「もぐもぐ」

妹「……」ジー

兄(料理も上手い)

妹「どうですか?」

兄「いつも通り美味しい」

妹「いつも通り?」

兄「いつも通り」

妹「そうですか…」シュン

兄(こんな妹だと兄としても色々と考えることがあるわけで)

兄(学校でモテるんだろうなーとか)

兄(嫁にするならこういう子がいいんだろうなーとか)

兄(そんなことを考えるぐらいには妹が好きだった)

兄「……」ジー

妹「兄さん?」

兄「なんでもない」

妹「?」

兄(もちろん家族として)

兄「ご馳走様」

妹「兄さんお茶は?」

兄「飲む」

兄「いや、たまには俺が淹れる」

妹「そうですか?ではお願いします」

兄(親父は家をあけることが多い)

兄(当初は分担して家事を行う予定だったが)

妹「苦になりませんし、好きなので」

兄(で、妹に任せっきりに)

兄(…その後ろめたさもあったんだろう)

兄「ちょっと休んでから洗濯して掃除?」

妹「はい」

兄「たまには手伝うよ」

兄「つか分担してやろうぜ。最初はその予定だったじゃん」

妹「い、いいですよ。前にも言ったと思いますが家事が好きなんです」

妹「兄さんはいつも通り部屋でのんびりしていてください」

兄「でもさ」

妹「そもそも兄さんは洗濯機の使い方も分からないじゃないですか」

兄「説明書読めば…」

妹「私の倍以上時間がかかりそうですね」

兄(あーだーこーだ言い返したものの)

兄(家事をやったことのない俺には任せられないと押し切られた)

兄(…洗濯機の使い方覚えておかないとなぁ)

兄(妹が俺に家事をやらせたがらないのには理由がある)

兄(単純に家事が好きというのも理由の一つだが)

兄(一番の理由はまた違う)

兄(そっちが妹の欠点に関係してたり)

妹「はぁ…はぁ…」

兄(朝食を食べ終えてから30分後)

兄(妹は俺のパンツに顔を埋めていた)

妹「兄さん…兄さん…」スンスン

兄(うちのよくできた妹は匂いフェチだった…)

妹「はぁ…んん…」スンスン

兄(匂いフェチについてはよく知らない)

妹「んぁ…!」

兄(が、妹のは重度のそれなんじゃなかろうか)

――自室

兄「…ハァ」ゴロン

兄(面と向かって俺のパンツでナニするなとは言えないしなぁ)

兄「……」

兄(洗濯は俺が担当すればいいか)

兄(それが一番だな、うん)

兄(まずは洗濯機の使い方覚えねーと…)

妹「兄さん、入りますよ?」コンコン

兄「何?」

妹「お昼ご飯のリクエストはありますか?」

兄「んー、なんでもいい」

妹「作るほうとしては一番困ってしまいますね」

兄(この妹がちょっと前までパンツの匂いを嗅いでたとは思えないなよなー)

妹「食べたい物ないんですか?」

兄(つかよく堂々としてられるよな。恥ずかしくないんだろうか)

妹「兄さん?」

兄(…俺のが恥ずかしくなってきた)

妹「あの?」

兄「あ、ごめん。なんだっけ?」

妹「ですからお昼ご飯何か食べたい物はないんですか?」

兄「あ、あーお昼ね。えーと、じゃあ炒飯で」

妹「炒飯ですね。分かりました」

妹「……」

兄「何?まだなんか用?」

妹「今日の兄さんいつもと違うなと思いまして…」

兄「ま、マジで?気のせいじゃないか?」

妹「……」

兄「いつも通りだろー」

妹「……」

兄「ちょい寝不足かもしんないけど」

妹「ならいいんです」

妹「もし身体の具合が優れないのでしたら早めに病院に行ったほうがいいですよ」

兄「身体は大丈夫だってば」

妹「私も出来る限りのことはしますから」

兄「……」

妹「失礼します」バタン

兄(匂いフェチさえなければ、とつくづく思う)

――その夜

兄「風呂あいたぞ」

妹「はい」

兄(うちの妹は必ず俺より後に風呂に入る)

兄(その理由は言わずもがな)

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