妹「お兄ちゃんは誰にも渡さない…」(142)

兄「いや、そういうわけにもいかないからこの手錠外して学校行かせてくれ」

妹「ダメだよ?学校行ったらあの女と会うんでしょ?ダメだよそんなの、私には耐えられないから」

妹「お兄ちゃんはずっと私と一緒に暮らすの、あは、あははははは!」

兄「フンッ!」ブチンッ!

妹「えっ」

兄「ふぅ…んじゃ行ってくるな、晩飯は何がいい?」

妹「…カレー」

兄「おう、んじゃ買い物して帰るわ」

妹「う、うん…行ってらっしゃい…」

幼馴染「おはよ!」

兄「おう、おはよう」

幼馴染「…あれ?手首から血が出てるけど…どうしたの?」

兄「お?今日朝起きたら妹に手錠されててさ…それを無理やり千切った時かな?」

幼馴染「…妹?」

兄「うん、毎朝毎朝困ってんだよ…」

幼馴染「…とりあえず止血しないと」

兄「あー大丈夫、これくらい…唾でもつけときゃ治るよ」

幼馴染「ダメだよ!」

兄「えっ?」

幼馴染「私ならまだしも他の女に付けられた傷なんて直ぐに癒さなきゃ…舐めるなら私が舐めるよ?いいでしょ?ね?けどそれよりもまず妹ちゃんおかしいよね、兄くんに傷つけるなんてね。
許さない、兄くんを傷つけるなんて許さない許さない許さない許さない許さない許さないっっっっ!!!」

兄「おーい、遅刻するぞー?」

幼馴染「あ、ごめん」

兄「ははっ、今朝も相変わらずだな」

幼馴染「う、うん…」

女友「やぁ兄、今日も仲睦まじい登校風景だったね」

兄「そうか?」

女友「羨ましい限りだよ、幼馴染ちゃんだったかな?」

兄「まぁ、腐れ縁ってやつだよ」

女友「ふぅん…腐れ縁、かぁ」

女友「僕も小さい頃から君と一緒に接していれば幼馴染になれたのかな?君とあんな風に登校できたのかな?ふふっ、こんな妄想をしてしまうなんて今日の僕はちょっと変かな?
変といえば昨日変わった事があったよ、昨日君の家の前にいたら…いや何、ストーカーというわけじゃないさ。君がなにしているのかが気になって電柱の陰からずっと君の家の中を伺っていたんだ…あぁ話が逸れたね、それでそうしたら」

兄「あ、もう授業始まるぞ」

女友「…あ、うん」

----------

兄「ふーっ…今日も授業疲れたな…」

幼馴染「兄くん、一緒に帰ろ?
帰るよね?帰らないなんて言わないよね?帰りましょ?一緒に帰」

兄「何してんだ?帰んだろ?おいてくぞ?」

幼馴染(!?)

幼馴染「…あ、うん」

兄「買い物あるけど大丈夫か?」

幼馴染「う、うん…」

幼馴染(私は確かに机に座っている兄くんと話していたのに…次の瞬間後ろに回り込まれていた…?)

兄「えーっと…人参、じゃがいも…」

幼馴染「今晩はカレーなの?」

兄「あぁ、妹のリクエストでな」

幼馴染「…ふーん、そうなんだあ」

兄「で、次は肉…」

幼馴染「肉なら家にあるでしょ?」

兄「え?うちに買い置きはなかったと思うが…」

幼馴染「え?この前置いといたの気づいてくれなかったの?」

幼馴染「うん、だってこの前兄くんの家に時にたくさんお肉置いて来たんだよ?え?なんのお肉かって?あはっ、兄くん動物好きって言ってたでしょ?
だからね、私頑張って沢山色々捕まえてきてポストに詰めておいたんだよ?なんで気づいてくれないの?ねぇなんで?ねぇ」

兄「あーあれお前だったのか、新聞屋さん驚いて腰抜かしてたぞ?」

幼馴染「えっ」

兄「あとこの時期に外に置いとくのは傷むから今度から直接渡してくれよ」

幼馴染「あ、うん…ごめん…」

兄「わかればよろしい」

兄「ただいまー」

妹「おかえりー」

妹「随分帰って来るの遅かったんだね?楽しかった?あの女と買物するの?ずっと見てたんだよ?凄い中良さそうだったね?
ううんいいの、お兄ちゃんが女の子と仲良くするのはいいけどあの女はダメ、お兄ちゃんがダメになっちゃうから。
あっ…ごめん、いま私嘘をついちゃったの。本音を言えばお兄ちゃんに相応しいのは私だけだから外に出ないで私とこの家でずっと一緒に暮ら」

兄「飯作るから先風呂入ってていいぞー」

妹「……」

兄「ん?どうした?」

妹「…なんでもない、お風呂入ってくる」

兄「変な奴だな、まぁ飯食えば機嫌も直るだろ」

妹「…ご馳走様でした」

兄「お粗末様でした」

兄「さて、洗い物するか…」

ガタンッ!
パリーンッ!

兄「ん?」

妹「ふぇ!?な、何の音…?」

兄「…庭の方からか?」

女友「やぁ」

妹「だ、誰この人…」

兄「なんだ女友か、玄関はあっちだぞ?」

女友「あぁすまない、玄関には鍵がかかっていたからね。強硬手段を取らせてもらったよ。」

女友「にしてもその小娘が…君の妹かい?」

兄「あぁ、そうだがとりあえずそこじゃ寒いだろ?とりあえず入れよ」

妹「えっ」

女友「あ、うん…お邪魔させてもらうよ」

兄「とりあえず紅茶でいいか?」

女友「あ…お構いなく…」

兄「そういうわけにもいかないんで…っと、ティーパック切らしてるし。ちょっくら買ってくるわ!」

妹「えっ、お兄ちゃ…」

兄「五分で戻る!」

女友「…あぁ、のんびり帰ってくるといいよ」

女友「本来の用事は妹ちゃんの方にあった、しね…」

妹「えっ…?」

女友「ねぇ妹ちゃん?小耳に挟んだ君は兄の事が好きなんだろう?」

妹「…だからなんなんですか?」

女友「奇遇だね、僕もそうなんだよ」

妹「…!」

女友「敵は少ない方がいい、そう思わないかい?」ユラリ

妹(! ほ、包丁…?)

女友「ふふふ…そう怯えないでくれよ」

女友「君がいなくなれば僕は兄といられるんだ…君を◯したら顔の皮を剥いで僕の顔に貼るんだ。そうすればずっと兄と一緒にいられる…
あぁそういえば幼馴染とかいう邪魔者もいたね、彼女も後で◯さなきゃね…
やぁ何、君は心配しなくていい。あとの事は全て僕に任せて置けばいいんだ、ふふ、ふふふふ…」

妹「………」

女友「ほらほら、逃げないでくれよ。逃げると痛いよ?兄が帰ってくる前に終わらせないと」

妹「…はぁ、さっきから何を言い出すかと思えば」

女友「…?」

シュッ

カッ!

女友「なっ…鋏!?」

妹「お兄ちゃんに相応しいのは世界中に私一人なんですよ?わかります?むしろ邪魔なのは貴女の方なんです、幼馴染さんも嫌いですが貴女も嫌いです。
◯す…のは可哀想だから両手両足切り取ってだるまさんみたくしましょうか?ふふふ、きっと可愛くなりますよぉ?もしかしたらお兄ちゃんも振り向いてくれるかも」

女友「…なるほど、君とは相入れないようだね?」

妹「ええ、そうみたいですね」

妹&女友「「死ねぇぇぇぇえ!!」」

ドスッ!

兄「おいおい、戦いごっこか?」

妹「あっ…!?」

女友「あ、兄…!?」

兄「ったく…こんなに散らかして…」

女友「そ、そんなことより…」

兄「お、お兄ちゃん…血が…!」

あっ間違った

最後の兄→妹

兄「あぁ…これくらい…ゼイッ!」

ギュッ!

妹&女友「!?」

妹(き、筋肉で出血を…)

女友(止めた…だと…?)

兄「ったくリビングがめちゃくちゃだ…二人とも戦いごっこは程々にしろよ?俺はもう寝るから」

妹「あ、うん…」

女友「お、おやすみ…」

兄「あ、二人とも終わったらちゃんと片付けはしろよ?」

妹「う、うん…」

女友「わかったよ…」

兄「んじゃ、お休みー」

妹「……」

女友「……」

妹「…片付け、しましょうか」

女友「…そうだね」

つぎのひ!



兄「…うーん、朝か」

兄「なんか身体に拘束感を感じるな?」

幼馴染「あ、起きた?」

兄「おう、幼馴染か。どっから入ってきたんだ?あとなんで俺は縛られてるんだ?」

幼馴染「えへへ、兄くんに会いたかったから…ピッキング…しちゃった!」

兄「なんだそうだったのか、こりゃ一本とられたな、ははは」

幼馴染「でもね、私のピッキング技術じゃまだダメだったみたいで…結局ドア壊して入ってきちゃったんだ、ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさいごめんなさい。 ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい
許してください許してください許してください許してください許してくださ」

兄「後で窓の修理と一緒にドアの修理もお願いしなきゃなー」

幼馴染「許し…あ、うん…」

兄「で、なんで俺は縛られてるんだ?」

幼馴染「あ、そのことなんだけど…」

幼馴染「兄くんの足を切っちゃえばもう誰にも会わなくていいでしょう?私以外に会う足なんていらないよね?だから切っちゃえばいいと思ったの、当然麻酔なんてしないよ?
私ね、兄くんのいろんな顔が見たいの…苦悶に身悶えてる顔とか…だからちょっと痛いと思うけど我慢してね?大丈夫だよね?痛かったら言ってね?やめないけど」

兄「………」

幼馴染「あはっ、声も出ない位怖いの?ごめんね兄くん、けど直ぐ終わるよ?大丈夫だからね?ちょっとだけ我慢してね?あははははは!」

兄「………」

幼馴染「…兄くん?」

兄「…Zzzzzz」

幼馴染「えっ?この状況で二度寝?」

幼馴染「…まぁいいや、足切っちゃえば痛みで目を覚ますだろうし」

幼馴染「あは、楽しみだなぁ…兄くんはどんな声で鳴いてくれるんだろぉ…あは、あはははは…」

幼馴染「じゃあこのノコギリで…」

ギリッ!

幼馴染「!?」

幼馴染「…刃が、立たない…?」

幼馴染「…ここ迄は想定内、落ち着くのよ私」

幼馴染「…なら、この斧でぶった切っちゃえば…!」

シュッ

カッ!

幼馴染「っ!鋏…」

妹「…そんなことさせませんよ?」

幼馴染「…ちっ!起きてきやがったか!」

妹「あの程度の一撃で私が倒れるとでも?舐められた物ですね」

幼馴染「…やっぱり殺しておくべきだったわね」

妹「五体揃ってお兄ちゃんなんですよ?そのお兄ちゃんの足を切るなんて万死に値します。
そりゃお兄ちゃんは足がなくたってお兄ちゃんですけど…あぁ、この女の考えなのは腹が立つけど足を切っちゃうのもいいかもなぁ」

幼馴染「…!」

幼馴染「…ねぇ、そう思うならここは手を組まない?」

妹「…?いきなり何を言い出すかと思えば」

幼馴染「兄くんを私達の共有財産にしよう、って言ってるのよ」

妹「…共有財産?」

幼馴染「今ここには斧と鋏があるでしょ?だから兄くんを二人で『分ける』のよ、悪い話じゃないと思うけど?」

妹「…っ!」

幼馴染「それともその鋏で私を殺してみる?あはっ、できるものならやってみなさい?その前に私の斧が貴女の頭をカチ割ってあげるから!あは、あははは!」

妹「っ…お、お兄ちゃんは私だけのものな」

兄「うるせぇぞ!!!!!」

妹&幼馴染「「ビクッ」」

兄「ったく人の部屋で朝っぱらから騒がしいな…」

ブチッ!ブチッ!

幼馴染(て、鉄の鎖で縛り付けたのに…!?)

妹(ひ、引きちぎった…!?)

兄「折角の休みなんだからもう少し寝かせてくれよ…ったく…」

兄「…次はないぞ?」

妹&幼馴染「」ゾクッ

幼馴染(そういえば兄くんが無理やり起こされると…)

妹(凄く寝起き悪くなるの、忘れてた…)

兄「んじゃ、お休みー…」

妹「………」

幼馴染「………」

妹「…朝ごはんでも食べましょうか?」

幼馴染「…えぇ、頂くわ」

幼馴染「…ねぇ妹ちゃん?」

妹「…はい」

幼馴染「兄くんの弱点とかって何かなかったっけ?」

妹「…弱点らしい弱点は見当たらないですね」

妹「この前毒を盛ったけどスルーされましたし…」

幼馴染「…打つ手無し、かぁ」

妹「どうすればお兄ちゃんを私だけのモノにできるんでしょう…」

幼馴染「…あの超人に通用するモノって何かあるのかな…」

女友「話は聞かせてもらったよ!」ガラッ!

妹「貴女は…」

幼馴染「女友ちゃん…」

女友「ここは一つ、休戦協定を結ぶのはどうかな?」

幼馴染「休戦…」

妹「協定…?」

女友「三本の矢、三人寄れば文殊の知恵、と言うだろう?」

幼馴染「…一里あるわね」

妹「…不本意ですが、仕方ありません」

女友「よし、交渉成立だ」

妹「じゃあ『お兄ちゃんを落とす会』ってことで」

幼馴染「…まぁ、仕方ないわね」

女友「ふふっ、皆で力を合わせようじゃないか」

妹(まぁお兄ちゃんが私のモノになった後はこいつ等には用はないし…)

幼馴染(全部終わったらミキサーでバラバラにして魚の餌にでもしようかな?あはっ、それとも兄くんにこいつらで作ったハンバーグを食べさせてあげるのもいいなぁ!)

女友(それともバラバラにして庭に飾ってあげようかな?こいつらの頭で作るってのは不本意だけど…兄が気ににいるならそれでもいいなぁ)

三人「ふふふ…」

怖い怖い

でも肉棒が(´Д` )

幼馴染「…とは言ったものの、具体的にどうするのよ?」

女友「なに、簡単なことさ…三人で真正面からアプローチをかけるのさ」

妹「そ、それって告白するってことですか?」

女友「それもありだが、まだ時期尚早だろう…」

幼馴染「とにかく、早い者勝ちってことかしら?」

女友「あぁ、そういう事さ」

妹「むぅ…」

女友(…まぁ、妨害は禁止、なんて一言も僕は言ってないからねぇ?)

ギシッ…

ギシッ…

妹「あっ、お兄ちゃん起きて来たみたい」

女友「じゃあ作戦開始と行こうか?」

幼馴染「いいわ、負けないんだから…!」

兄「おはよー…ってなんだ、女友まで来てたのか」

女友「ふふ、お邪魔しているよ」

兄「あぁ、折角来てもらったのに悪いな…寝てて…」

女友「いいのさ、僕はただ君の顔が見たかっただけだからね。君の顔が見たいといえば君の首を切り取って一生眺め続けたいというのが僕のささやかな夢なんだが、どうだい?」

兄「妹ー、腹減ったからなんか軽く作ってもらえるか?」

妹「あ、はーい!」

女友「………」

幼馴染(ちょっと気の毒ね…)

妹「はい、おまちどー!」

兄「おう、サンキュー!…ってなんかこれ生臭いんだが…」

妹「あはっ、分かる?隠し味に私の血を混ぜてみたんだー!私の血液がお兄ちゃんの血肉の一部になればいいなって愛情込めて作ったんだよ?
食べてくれるよね?もちろん食べないなんて言わないよね?妹の手料理だもん、残したらバラバラにし」

兄「いやー美味かった!お代わりあるか?あ、お前らも食う?」

妹「あ、うん…」

幼馴染「いえ…食欲がないから…」

女友「ぼ、僕も…ヒッ…遠慮して…ヒヒッ…おくよ…ブフッ…」

兄「さて、折角こう集まったことだしなんかするか?」

幼馴染「ガ、ガールズトークとかどう?」

兄「はぁ?ガールズトークってお前…」

妹「い、いや、いいと思うよ!」

女友「あぁ、たまにはそういうのも悪くないんじゃないかな?」

兄「…まぁそこまで言うなら」

幼馴染「じゃあ、兄くんの好きな女性のタイプは?」

兄「…えっ」

妹「!」

女友「!」

幼馴染「ほら、早く答えてよ?答えられないの?ねぇ早く?答えられるよね?答えてよくれるよね?答」

兄「そうだなー…」

女友(あ、普通に答えるんだ)

幼馴染「う、うん…どんな子?」

兄「…まぁ、普通な子かな」

三人「…」

三人(よっしゃ、イける!)ガッツポーズ

終わりが見えなくなってきた

女友「じ、じゃあこの中で一番タイプなのは誰だい?」

兄「はぁ!?」

妹(女友さん、ナイスです!)

幼馴染(なかなかやるわね!)

兄「こ、この中で、か…」

女友「恥ずかしがることはない、僕らは君とは気心がしれた中じゃないか」

兄「…つっても恥ずかしいもんは恥ずかしいだろ…」

兄「うーん…」

幼馴染(この中で一番普通なのは…)

女友(間違いなく…)

妹(私…だよね…?)

兄「…お前ら、引くなよ?」

三人「…ごくり」

兄「この中で誰がタイプか、つったら…まぁ>>100、かな…」

自分

駄目なら妹

兄「まぁ、やっぱり俺自身かな?」

三人「…えっ」

兄「だってほら、俺って普通過ぎるくらいに普通だろ?普通過ぎてなんの取り柄もないっつーかさ…
顔も運動神経も頭も全部普通だしさ?この中で一番普通っていったらやっぱり俺しかいないだろって思ったんだよ、
お前ら三人とも顔はめちゃくちゃ良いわけじゃん?妹なんてホントに俺の妹かってくらい可愛いし、幼馴染は近所でも評判の美人だし女友は学校にファンクラブがあるレベルだからな!
俺なんかじゃとても釣り合わないっつーかさ!というわけで一番タイプは俺!」

妹「…なんだ、そういう事なんだぁ」

幼馴染「兄くんと同じ位普通な子が好みかぁ…」

女友「…僕らもまだまだ精進が必要なようだね」

兄「まぁこう言うとナルシスト臭いけどな…」

妹「…ねぇ、お兄ちゃん?」

兄「うん?」

妹「…私、頑張るから」

妹「お兄ちゃんくらいふ…普通になれるように…」

幼馴染(…けど、鉄の鎖を引き千切るのが普通なのかしら?)

女友(筋肉で血を止めるのが普通なのか?)

兄「お、おぉ、そうか…」

妹「お兄ちゃんは誰にも渡さない…」

もう終わりでいいよね

じゃあボケないで普通に妹ルートでやり直すわ

兄「…なんだかんだ、妹、かな…」

妹「えっ」

兄「なんつーか、朝の手錠とか血の入った飯とか…それも全部俺の日常になっちまってるしさ」

妹「お、おにいちゃ…」

兄「いや、ちょっと待て!抱きつくな妹!」

妹「やだ!離さない!」

兄「いや、他の奴らもいるし…ってあれ?いない…?」

妹「あれ?ホントだ…けどこれなら思う存分イチャイチャできるね?お兄ちゃん?」

兄「いやいや、そういうことではないだろ…」

----------

幼馴染「…ねぇ、女友ちゃん?」

女友「…なんだい?」

幼馴染「私達、今とっても仲良くなれる気がするんだけど」

女友「…ふふ、奇遇だね。僕もそう思っていたところさ」

幼馴染&女友「兄(くん)は渡さない…!」

----------

兄(それからというもの…)

幼馴染「あ、おはよう!」

兄「おう、おはよう幼馴染」

幼馴染「今日も手錠の痕付いてるね…」

兄「まぁ、毎朝恒例だからな…」

幼馴染「ふふっ、相変わらずだね?」

兄「…前は俺の台詞だったんだけどな」

幼馴染「そうだっけ?あはっ」

女友「やぁ兄、今日も仲睦まじい登校風景だったね」

兄「そうか?」

女友「羨ましい限りだよ、幼馴染ちゃんだったかな?」

兄「まぁ、腐れ縁ってやつだよ」

女友「ふぅん…腐れ縁、かぁ」

兄「…この話、前にもしたような気がするんだが?」

女友「ふふ、そういえばそんな気もするね…」

兄「なんかすげー昔な気がするな…」

兄「っと、もう授業始まるな」

女友「そうだね、今日の科目は…」

兄(幼馴染と女友のよくわからんアピールはなくなった)

兄(お陰で身体を鍛える必要もなくなって、嬉しいのやら悲しいのやら分からんが…)

兄(代わりに…)

妹「おかえり!お兄ちゃん!」

グサッ!グサッ!

兄「…おい妹よ、帰ってくるなり鋏で刺すのはやめてくれ」

妹「えー、だってこれがお兄ちゃんの言う『普通』なんでしょ?」

妹「だから私は普通に過ごしてるんだよ?お兄ちゃんのタメだよ?」

グサッ!グサッ!

兄「…あぁ、そうかい」

兄(妹からの『普通』なスキンシップが増えた)

兄「…飯、今日はお前の担当だよな?」

妹「うん!腕によりをかけて作ったよ!」

兄(…真っ赤だ、今日も血を入れたのか)

兄「…いただきます」

妹「召し上がれ♪」

兄(最近、何が普通なのか分からなくなってきた…)

兄(何がおかしくて、何が普通なんだ?)

兄(…なんだか酷く眠いな)

妹「どうしたのお兄ちゃん?お兄ちゃん!?」

兄(返してくれよ、俺の『普通』をさ…)

妹「お兄ちゃん!?お兄ちゃん!」

…………

………

……

----------

妹「お兄ちゃん!」

兄「っ!?」

妹「やっと起きた!お兄ちゃんてば、学校遅刻しちゃうよ?」

兄「…あ、うん…てあれ?」

兄「…お前、俺に手錠はしないのか?」

妹「は?手錠?なんのこと?寝ぼけてるの?」

きになるきになる!(´Д` )

兄「え?あれ?いや…え?」

妹「ったく…よくわかんないこと言ってないで早く着替えてよ?」

兄「あ、うん…」

兄(…普通、か?)

兄「これが俺が欲しかった普通なのか?」

妹「もう!変なことばっか言ってないでさ、早く降りてきてよ!」

妹「…頑張って作った朝ごはん、出来てるからさ…?」

おわれ。

世にも奇妙な~みたいな終わりにしたかった、無理だった

なんというか、ごめん

乙!(´Д` )

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