魔王「おお勇者よ、死んでしまうとは情けない」 (77)

魔王「では勇者、改めて旅立つが良い」

勇者「ははっ! 必ずや魔王を倒してまいります!」

ん?

え?

つまり、どういうことだってばよ?

改造されちまった

魔王ってのは立場によって変わるというお話

でも魔王倒すって言ってる

なぜかサガ2のオーディン思い出した

遅いぞ

魔王「世界の命運はお主の双肩にかかっておるのだ」

勇者「しかと心得ております!」

側近「魔王様の期待に沿えるようくれぐれも精進するのだぞ」

勇者「この身に代えても力の限りを尽くす所存であります!」ピシッ

>>8
懐かしすぎわろた

魔王「しかしだ……」

魔王「あまり命を粗末にするでないぞ。戦いの内に在っても体には十分気をつけるのだ」

勇者「ご心配痛み入ります。……しかし、民のためならこの身などっ!!」グッ

魔王「心意気は買うがのう……まあ、良いとして置こう」

魔王「では行くが良い」

勇者「ははっ! 行って参ります!」クルッ

テクテク...バタンッ

魔王「…………」

側近「…………」

魔王「……行っちゃったね」

側近「そうですね」

魔王「またしても」

側近「またですね」

魔王「側近、さりげなく『魔王様』って言ったよね」

側近「はい。むしろハッキリと」

勇者騙されてんの?

なんだただの馬鹿か

魔王「人の話聞かない。やる気だけは一人前。しょっちゅう周りから浮いて空回り」

側近「流石は伝説の勇者。人にあってしかし人の世の常識では測りえない存在」

魔王「褒めてる?」

側近「いいえ全然」

魔王「だよね」

魔王「馬鹿と天才は紙一重って言うけど、あれを見てると紙一枚の差って意外と絶対的なんだな~って思う」

側近「ページめくったら超展開とか今時普通ですしね」

魔王「そもそも私の外見ってさ」

側近「威厳に溢れ、まさに王の風格に満ちておりますが。一応」

魔王「一応!?」

魔王「……じゃなくてさ、角あるじゃん」

側近「兜飾りと勘違いされているのでしょう」

魔王「翼生えてるし」

側近「基本的に座りっぱなしですし、玉座の飾りと思われているのでは」

魔王「肌が紫色なことは?」

側近「それについては勇者の方から先日、『王様の貧血が心配だ』との意見がありました」

魔王「…………」

魔王「精霊のやつは何であんなの選んだんだ?」

側近「さあ、どうなんでしょうか」

魔王「問いただしてやろうにも電話出ないしメールも返ってきやがらない……」

側近「仲良いですね」

魔王「良いわけ無いじゃん。うちら神と魔王だよ」

側近「……しかしまあ、まんまと術中に嵌ってると」

魔王「悔しいがそういうわけでもある。……勇者の馬鹿さ加減も、やつの作戦の一部と言えなくもないし」

頭の病気だろ

魔王「と言うわけで、精霊のやつの小賢しい作戦そのいち~~っ!」

側近「何ですかいきなり」

魔王「この状況を打破するためにもまずは状況を整理しようかなーと」

側近「そろそろ展開的に説明が欲しい頃ですしね」

魔王「展開とか言うな」

魔王「その1、『魔王城がはじめの町』」

側近「魔物の本拠地も昔の話。今や流通と経済を支配する人間世界の一大中心地」

魔王「城本体も大幅にリフォームされ、概観は質素ながらあちらこちらに職人の技の光る凛々しい造り」

魔王「大通りは市で賑わい、路地裏からは子ども達の明るい声が聞こえ、犯罪率は1%以下」

側近「あ、それですけど、魔王の統治に変わってから更に減って今では0.2%です」

魔王「まぢで?」

側近「経済成長率も以前よりさらにプラスに転じてます」

魔王「自分の手柄だと思うと滅ぼすの躊躇いたくなるなぁ。滅ぼすけど」

魔王「……じゃなくて、問題なのは、」

側近「『はじめの町』が勇者の復活ポイントだということですね」

魔王「……うん、その通り……」

魔王「……それじゃあその2。『勇者が死に過ぎる』」

側近「馬鹿ですからね」

魔王「良いやつなんだけどね。まあ殺すけど」

魔王「なんで仲間を募ったりしないんだろうなぁ?」

側近「汚れ役は自分ひとりで十分とかいう理由で断ってたとの話です」

魔王「そうなの? なんか立派だなぁ」

側近「誰かさんとはえらい違いで」

魔王「誰かさんって誰!?」

側近「まあ、魔王軍の侵攻がいまいちなので、全体的に危機感が薄いというのも仲間が集まらない理由だったみたいです」

魔王「…………あれ?」

魔王「“断ってる”じゃなくて“断ってた”っていうのは? なぜに過去形?」

側近「最近はあまりの死にっぷりに呆れられてて仲間になりたがる物好きが減ってるとか」

魔王「人望って一度落ちると回復しないんだなぁ…………」

魔王「そんでその3。最大にして最凶最悪の問題…………」

側近「最凶最悪の存在たる魔王が言うとシュールですね」

魔王「事実だからしょうがない。魔王も絶望する悪魔のプログラムがそこにはあった」

魔王「封印期間長かったから何かしら精霊も次の手を打ってくると思ってたけど、これは流石に反則過ぎる」

魔王「……今思えば、この国の王が簡単に国を明け渡したのも、やつがお告げとか何とかぬかして入れ知恵してたに違いない 何の因果か『はじめの町』。勇者を倒して倒して倒しつくすには絶好の場と、さっそく王を殺して成り代わろうと思ったのに私の姿を見た途端にドロン。
 ……ご丁寧に王権移譲の書類一式机に置いて」

側近「それでウハウハと勇者を迎え撃ったわけですか」

魔王「うん。まあ、最初は……それなりに楽しかったな…………」

魔王「王様に呼ばれ緊張でしどろもどろの勇者にすかさず2回攻撃。1発で死んだけど」

側近「レベル1ですし」

魔王「復活した勇者をさらにオーバーキルラッシュ。弾けては再生する相手をそれでもボッコボコにする快感」

魔王「勇者なんて所詮は精霊の代理人。精霊の加護が尽きればそれまで。復活にも限度がある。勝利までのカウントダウンはあと僅か!」

側近「……で、そこで気付いたと。精霊様の作戦に」

魔王「うん……あれは、勇者を30回くらい殺した時だったかな……? “勇者が復活するたびに自分の魔力が減っている”事実に気がついたのは……」

魔王「精霊の策略その3……、『勇者の復活に魔王の魔力が消費されている』」

側近「その1『魔王城をはじめの町』にした副作用でしょうか」

魔王「絶対違う。逆だね。その3のためにその1の『はじめの町』設定を仕組んだんだ。その2『勇者が死に過ぎる』もよくよく考えれば私にとって都合が悪すぎる」

魔王「勇者システムにしろ何にしろ、あいつはいつも自分の手を煩わせず楽して得する事ばっか考えてるんだよ。
 勇者を倒せば倒すほど魔王がダメージを受けるとか、チートとかってレベルじゃないし。マジ外道」

意外に面白い

側近「それで、具体的な打開策はお有りで?」

魔王「……とりあえずは勇者のレベル上げだね。幸いにもと言うか、勇者のパラメータ上昇は精霊の力に依存してるみたい」

魔王「だから、ある程度レベルの上がった勇者を倒せば、私の魔力の減りより、精霊の力の減りの方が上回るはず。勇者が無駄に死なないってだけで私の完全復活への魔力蓄積が捗るしね」

側近「軍の方はいかがいたしますか?」

魔王「今まで通り待機。勇者が戦場に突貫して犬死する様が目に見える」

側近「しかし侵攻を開始して魔王の存在をアピールせねば勇者の存在価値が上がらないのでは? 義勇心から勇者に組する者も現れないでしょうし、結局は猪突猛進自爆勇者のまま。現状維持では千日手ですね」

魔王「う~~ん…………」

魔王「あ、良い事思い付いた」

側近「なんでしょう?」

魔王「仲間が集まらないのが問題なら、こちらで用意してやれば良いんだよ。勇者の動向をこちらでチェックできるし一石二鳥」

魔王「『私達も実は勇者の使命で~~』みたいなこと言っとけば断られもしないでしょ多分」

側近「なるほど」

魔王「となったら、えぇと…… ……竜王の娘と獣王の娘と屍王の娘で良っかな」

側近「…………」

側近「……ひとつお聞きしても?」チョイチョイ

魔王「何?」キョトン

側近「なぜ女性ばかりのチョイスで? ギャルゲーのやり過ぎで冒険の仲間=可愛い女の子以外の選択肢が脳から抜け落ちましたか?」

魔王「違うよっ! …………いや、違わないとも言えるのかなどうだろう……」

側近「勇者対策ほっ放り出してギャルゲー三昧を尽くして、今更の作戦会議……」ヤレヤレ

魔王「ギャルゲー三昧なんかしてないって!! ちゃんと前からずっと勇者対策考えてて、その上でのチョイス!」

魔王「違わないっていうのは、ちょっとギャルゲーっぽい作戦かなって思っただけで……」アセアセ

魔王ぇ…

側近「一応聞いておきましょうか。そのギャルゲーっぽい作戦とは?」

魔王「まあ所謂、色仕掛け?的な? 勇者が裏切れば精霊は次の勇者を選ばなきゃいけないから、少なくとも今のこう着状態は打破できないかな~と。
 なので、その用員として、色んな魔族の姫に人化の術を習得するようにお願いしてたんだよ!」

魔王「どうせ勇者の仲間をこちらで用意するなら、その色仕掛け計画も同時進行で出来ないかなって考えたわけ」

側近「なるほど、意外と考えてはいるんですね。流石は腐っても魔王」

魔王「私魔王なんだけど何でお前そんなに上から目線なの? って言うか腐ってないよ新鮮だよ」

側近「玉座から動けず軍も動かせない、しかも勇者と戦うことも出来ない魔王なんて腐ってるようなものじゃないですか」

魔王「…………ぐぅの音も出ない」ショボン...

魔王「でも作戦は悪くはないと思わない?」

側近「まあそうですね。……上手くいけば」

魔王「でしょでしょ。じゃあ、」

側近「はい、ではとりあえず手配しておきます」prrrr...ハイモシモシ

魔王「よろしく~」

魔王「ふっふっふ……猪口才な精霊の計画など、これで一気に破壊し尽くしてくれるわっ!!」

それは確かに腐ってるわ

魔王「…………」

側近「…………」

魔王「どうしてこうなった……」

側近「実は私としては結構予想通りだったりします」

竜姫「申し訳ありません魔王様」バサバサ

獣姫「世界の平和のために」シャッシャッ

屍姫「お命頂戴します」ウジュルウジュル

勇者「よくも今まで騙してくれたな王様……いや、魔王っ!」ババーン

急だな

魔王「三人が三人とも裏切るなんて……。親御さんにどう報告したらいいんだろう」

側近「魔王的人望が落ちるとこまで落ちてたのでは?」

魔王「失礼なこと言わないでよ」

側近「人望って一度落ちると回復しないんですよ」

魔王「うぐっ……!」

勇者「何をこそこそ話しているんだっ! さあっ! 正々堂々勝負しろ!!」バババーン

魔王「相変わらず暑苦しいやつだなぁ」

側近「実直で熱血なところがモテ要素なんでしょうねきっと」
魔王「根暗で陰湿な精霊の使いっぱの癖に……。ホントのところ実直なのは外面だけ、裏の顔は真っ黒で、あの手この手で三人とも手篭めにしたんじゃね?」

側近「それはないと思いますよ。屍姫まで骨抜きですし」

竜姫「私たちは気付いたんです」バサバサ

獣姫「本当の愛と正義に」シャッシャッ

屍姫「勇者様が気付かせてくれたんです」ウジュルウジュルウジュル

勇者「いや、気付かせてくれたのはこの子達だ! 真の悪の存在にっ!!」ババババーーン

魔王「……ないなぁ。なんか少年漫画みたいなノリだし」

側近「で、どうします真の悪さん?」

魔王詰んでない?

魔王「普通に勝った」ブイッ

側近「圧勝でしたね」パチパチパチ

魔王「なんか勇者全然レベル上がってなかった」

魔王「ほだされて、さとされて、挑めりてのトントン拍子で来た感じ? 若さに任せた勢いでまた空回り~」

側近「まあ作戦も空回りなわけですが。勇者また死んでますし」

魔王「まあそうなんだよね……まだ私の魔力あんまり溜まってないのにまたパーに」ガックリ

魔王「ところでその勇者はどうしてる?」

側近「そこの陰で返事がないただの屍のようになってます」

勇者「」

側近「今まで騙されてたことに気付き、仲間は全滅、自分ひとり足掻いても手も足も出ない。これはかなりキツイでしょうねぇ」

魔王「三人とも後で生き返らせるけどね。そんで親御さんとこにのし付けて送り返す」

魔王「そしてここで失敗を次に繋ぐ魔王的ひらめき」ピキーン

側近「駄目な予感しかしませんがお好きにどうぞ」

魔王「……勇者よ」

勇者「…………殺すなら殺せ」

魔王「いいや、私はお前を殺さない」ニヤリッ

魔王「お前はあまりに弱すぎだ。つまらない。……だがお前はこれで知ったはずだ」

魔王「『自分は弱い』と」

魔王「だから私はお前を殺さない」

側近(魔王ノリノリTIME)

勇者「どういうことだ……?」

魔王「強くなるのだ勇者よ。私が楽しめるくらいに」

魔王「今の自分をもう一度じっくりと、そうだな半年くらい見つめなおして、欠点を洗いざらい書き出すなり何なりすると良い。然る後、時間をかけてコツコツと適度に休憩を挿みながら地道にじっくりゆっくりしっかりと基礎からみっちり修行を積め」

魔王「たまの余暇には遊んだり英気を養うのも大切だぞ」

魔王「ああそうだ。今はもう生きてるかどうか分からない生きてたとしても山奥で仙人のように暮らしていて会うだけで一苦労な伝説の剣豪なりを探して弟子になるのもいいだろう」

魔王「とにかくお前に圧倒的に足りないのは時間の積み立てだ。時間と時間と時間がお前を強くするだろう」

魔王「そうしたら改めてこの私に挑みに来るが良い。楽しみに待っているぞ」フハハハハッ

側近(要するに暇してろと)

まおういいやつ

勇者「……良いだろう、どうせ今の俺ではおまえに勝てないんだ」

側近(あっさり話に飲まれちゃいましたねやっぱり)

魔王(素直ってステキ)

勇者「次に会う時が、お前の最後だ……」

ヨロヨロテクテク...

バタン

魔王「…………」

魔王「よっしゃあーー!!!」バンザーイ

魔王「これでやつはもう来ない! 少なくともかなり時間は稼げるはず!
 と、言うわけでとりあえず三人娘を生き返らせて実家にぽぽいのぽーいっ」ホワワーンポイポイポイ

魔王「どうだった側近?」

側近「次善の策としてはまあ良いかと」

側近(またオチが見えるけど)

魔王「さあてこれで本格的に魔王の仕事が出来るぞ~!」

魔王「いや~~~~」ニコニコ

魔王「だいぶ本調子に戻ってきたなぁ。これなら二段変身もいけるかも」ツヤツヤ

魔王「誰が来ても負ける気がしないね!」キラリンッ

魔王「私の力が勇者に流れるシステムの解析も進んでるし、軍による侵攻も万事順調」バッチリ

魔王「ここに蘇って来ないってことは勇者は無事だし、あんまり見かけた話もないからそれこそほんとに山篭りでもしてるのかも?」

魔王「動向がいまいち掴めないのに不安を感じないでもないけど、とりあえず進軍にぶつかって死んだりしてないだけ良しとしよう!」

血色悪いのに肌はツヤツヤな魔王か・・

魔王「……それにしても、魔王だとバレてからも王様続けれたのにはビックリだったよ」

魔王「確かに我ながら優秀な統治者だったけど、それで良いのか国民」

魔王「どう思う側近?」

魔王「ってあれ、まだ来てないのか」

ギィィィィ

魔王「と思ったら来た来た。遅いよ側近」

勇者「…………」

――――――――

勇者[Lv99]
 攻撃力 999
 防御力 999
 敏捷性 999
 魔法力 999
 抵抗力 999

 保持スキル
  全ての魔法と特技

――――――――

だからアレほどチートは使うなと

魔王「転移魔法最大!!!!」ワーーーーープ

魔王「なにあの化け物。何マジになって本気で鍛え抜いてるの!? あいつ馬鹿じゃない!?
 ……ってそう言えば馬鹿なんだった!!」

勇者「…………」

魔王「…………」

魔王は回り込まれてしまった。魔王は逃げれない。

勇者「たたかう→こうげき」ドッギャッッシャーーッン

魔法「ぬわーーーっ!!!」グフッ

魔王は倒れた。

パラメータアップアイテム狩りしたのか…廃人かよ

勇者「…………」

??「…………」

??「やれやれ」

まさか

??「やっと終わった」

側近「お疲れ様です、精霊様」

??改め精霊「いやー、思ったより粘ったなあ魔王。まあその分楽しかったけど」

側近「一石三鳥作戦のあたりはよくもまあ頑張ったものでしたね」

精霊「結局ドツボに嵌るんだもん。人徳無さ過ぎ」プププ

精霊「ところで、側近はあいかわらず有能だねぇ。あとでビデオ見せてね」

側近「勿論です。主の役に立ってこその側近ですから」

精霊「主ねぇ……」ニヤニヤ

側近「主のです」ニヤニヤ

なんと

精霊「それにしても、『魔王の魔力を勇者のパワーに転換作戦』は当たりだったね」

側近「強制マッチポンプみたいなものですからね。その中で魔王も良く足掻いた方かと思います。無駄ですが」

精霊「ふっふっふ……、所詮この世は大富豪みたいなもの。勝者がより次の勝負に有利に出来ているのさ。よって次回も私の勝ちは確定的」キラリンッ

精霊「今回のルール改造はちょっと苦労したけど……まあ、でも魔王のアホ面が十分楽しめたから苦労の元は取れたね」

精霊「さあ次はどんな暇を持て余した神々の遊びをしようかな~?」

勇者「…………」

精霊「…………」

側近「…………」

勇者「…………」

精霊「勇者……いつから、そこに?」ドキドキ

側近「そう言えば魔王の最後を見届けてから移動してませんでしたね私達……」ハラハラ

勇者「話は全て聞かせてもらった」

側近「結論としては…………?」

勇者「お前らを倒す」

精霊「えっと、……神殺しとか、冗談…だよね……?」ガクガクブルブル

精霊「な~んちゃって」ケロリ

精霊「勇者の力はあくまでも私の力。私の駒に過ぎない勇者がいくら研鑽を積んだところで私には勝てない運命なのさ」ハッハッハ

精霊「えいっ」ピカーッ

しかし何も起こらなかった。

精霊「…………」

精霊「あれ?」ガクゼン

――――――――

勇者[Lv00]
 攻げき力 9984
 防あtヶ 9a1bf
 びnn性捷 $922
 まほうううう 449?
 抵こ力力 23あe

 保ぢスkル
  全のマ法とととく木

――――――――

バグってるじゃねえか

精霊「これって……?」

側近「…………バグってますね」

精霊「どゆこと??」

側近「魔王を倒した事による経験値で、レベルが本来無いはずの領域に入ってしまったようです」

精霊「いや、勇者の仕様上レベルは99が上限でそれ以上は経験値なんて意味をなさないはず!」

側近「……おそらくは、『魔王の魔力を勇者のパワーに転換作戦』のせいかと……。
 いわば魔王の力が勇者に直結されていたわけで、魔王を倒したことで行き場を失った魔力が全て勇者に流入。そのありえない現象、バグによる結果が今の勇者」

ワロタ

スマホ勇者ゲーにありそう

精霊「状況は大体分かったけど、それで、対処法は?」

側近「ありません」キッパリ

精霊「諦め早っ! もうちょっと知恵を絞ろうよ」アセアセアセ

側近「無理ですよ……。今の勇者はこの世のものにあってしかしこの世の常識では測りえない存在」

側近「まあ、残念ながら自業自得としか言いようが。……やっぱりチートは駄m」ザシュッ

精霊「側近! 側近ーっ!!」

勇者「たたかう→相手は死ぬ」ガャッッシャーンバババドガャァーーーーンン

精霊「我は滅びるともいずれまた第二第三の我がぁあーーっ!!!!」グハッ

こうして
世界を弄ぶ邪神たちは滅ぼされ
世界に真の平和が訪れた

そして勇者の働きにより
人間と魔族は手を取り合って歩み始めた
いや、
そもそも二つの種族に争う必要など最初から無かったのだ

ちなみにその後勇者は……



竜姫「勇者様!」

獣姫「勇者様!」

屍姫「勇者様!」

…………なんやかんや幸せに暮らしたそうである。

魔王が不憫

めでたしめでたし▼

おつ

時が経ったら魔王と精霊は復活するのか
手を組みそうだな

綺麗にまとまったな

まだ100行ってないんだが……

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