京子「あかり、キスしよっか」 (48)

あかり「もうっ、京子ちゃんってば何言って……」アハハ

あかり「……って、えぇっ!? キ、キス!?」

京子「うん、キス」

あかり「京子ちゃん、あの、冗談だよねぇ?」

京子「何言ってるんだ、私はいつだって真面目だぞー、あかり!」

あかり「ダ、ダメだよぉ……お友達同士でそんなこと……」カァアアァ

京子「えー? だって、ちなつちゃんとはキスしたのに?」

あかり「あっ、あれは練習だってちなつちゃんが」

京子「じゃあいいじゃん。私とも練習しようよ」

あかり「あぅ、そうじゃなくて……あのときはあかりもダメだって言ったんだけど、その……」

京子「まぁまぁ、細かいことはいいからさ」

あかり「えぇえぇえっ!?」

京子「あかり~」

ガラッ


結衣「ごめん、遅くなった」

ちなつ「こんにちは~!」ニコニコ

京子・あかり「!」ババッ

京子「おっ、二人とも遅かったじゃん~!」

あかり「ゆ、結衣ちゃんとちなつちゃん一緒だったんだねぇ~!」アセアセ

結衣「あぁ、うん。来るときにちょうどばったり会って」

ちなつ「や~ん結衣先輩ってば! やっぱり二人は赤い糸で結ばれてるんですね~!!」

結衣「あはは……」

京子「なにぃっ! 結衣にちなつちゃんは渡さんぞ~! ちなつちゃん、私たちこそが真の赤い糸で――」

ちなつ「それだけはないです」キッパリ

京子「そんなあっさり否定しなくても!」

結衣「ったく、京子は相変わらずだな」

京子「それだけが私の取り得だからね!!」

ちなつ「……威張るところなんですか、そこ?」

アハハ ウフフ ワイワイ ガヤガヤ

あかり(もうすっかりいつもの京子ちゃんに戻ってる……)

あかり(京子ちゃん、さっきのは冗談だったんだよね?)

あかり(あんなこと言われると、あかり、自惚れちゃうよ……)

京子「…………」

あかりの家


あかり「ふぅっ、今日は一段と疲れちゃったよぉ」ポスッ

あかり「…………」

あかり(いつからだろう……京子ちゃんのことがこんなにも好きになってたの)

あかり(昔はあかりたちの後をついてきてたのに、今は逆になっちゃったけど)

あかり(いつも笑顔で、明るくて、みんなを楽しい気分にしてくれる)

あかり(でもきっと、京子ちゃんは結衣ちゃんやちなつちゃんのほうが……)

あかり「……もう、寝よ」

翌日



京子「ちなつちゃんは今日も可愛いねぇ~、うりうり!」スリスリ

ちなつ「もうっ、うっとうしいからやめてくださいよ京子先輩!」

結衣「こらこら、そのへんにしとけ京子」

ちなつ「ふぇ~ん、結衣先輩~!!」ダキッ

京子「ちなちゅは相変わらず変わり身が早いのぅ……シクシク……」

ちなつ「ちなちゅ言わないでください」

結衣「お前も懲りないよな……」

京子「それだけが私のとり――」

結衣「昨日聞いたぞそれ」

あかり(京子ちゃん、今日も元気だなぁ……)

京子「!」

京子「あっかりー!」ダキッ

あかり「ひゃっ!?」

京子「今日も影が薄いなー! このままじゃ明日にはいなくなっちゃうぞ!」

あかり「京子ちゃんひどいよぉ! あかり最低でも画面外にはいるもん!!」プンプン

ちなつ「いや、あかりちゃん。そのツッコミもおかしいから」

京子「大丈夫だぞあかりー。私の主人公パワーをこうやって分けてやるからな」ナデナデ

あかり「し、主人公はあかりだよねぇ!? (あ、でも……)」

京子「…………」ナデナデ

あかり(京子ちゃんに撫でられるの、気持ちいい……)

あかり「……えへへ」

あかり「京子ちゃん、ありがとうっ」ニコッ

京子「……!!////」

京子「よ、よく考えたらこれじゃあ私の影が薄くなっちゃうじゃん! やめやめ!」バッ

あかり「あっ……」

ちなつ「優柔不断ですねぇ、京子先輩は」

京子「いやー、ハハハ。逆に私があかりなみの存在感になっちゃうと困るじゃん? みたいな」

あかり「…………ごめん、ね、京子ちゃん」シュン

京子「あっ……」

結衣「…………はぁ」

結衣「あー、今日のお茶は何かなー(棒)」

京子「……結衣?」キョトン

結衣「うわー、お茶っ葉が全部切れてるなー(棒)」

結衣「ちなつちゃん、ちょっと二人で買出しにでも行かないかな?」

ちなつ「ふ、二人でですか? もちろん、喜んでっ!」パァッ

結衣「ということで、ちょっと買い物に行ってくるから留守番よろしく」

ちなつ「~~♪」

結衣「すぐ戻ってくるから」

京子「う、うん」

あかり「いってらっしゃい……」

ガラガラッ

シーン……


京子「…………」

あかり「…………」

あかり(うぅっ、気まずいよぉ……)

あかり(あかりのせいだよね……ただの冗談なのに落ち込んじゃったから)

あかり「…………」

京子「ど、どうしたあかりー? 元気ないなー」

あかり「そ、そんなことないよぉ」

京子「いやいや元気ないぞ、さてはあれだな! その、えーっと……」

京子「き、昨日結局キスできなかったからがっかりしてるんだな!!」

あかり「!」

京子「しょうがないな~、あかりは。今日こそはちゃんとキスをしてあげるよ!」

あかり「あ、ちが、違うの……」

京子「大丈夫大丈夫! 京子ちゃんに任せなさいって~!」スッ

あかり「やめて!」

京子「!!」ビクッ

あかり「やめて……」

京子「あ、あかり…………?」オドオド

あかり「…………っ」ポロポロ

京子「!?」

京子「ご、ごめん……そんなに嫌だった?」

あかり「違うの……あかりが悪いんだよぉ……」ポロポロ

京子「えっと……」オロオロ

あかり「あかりね、京子ちゃんのことが大好きだから……」

京子「!」

あかり「京子ちゃんにとっては冗談でも、あかりにとっては大事なことだから……」

京子「……」

あかり「それでちょっと大きい声を出しちゃって」

あかり「えへへ……ご、ごめんね」グスッ

京子「……!!」

京子「冗談なんかじゃない!」

あかり「っ!?」ビクッ

京子「…………あかり、ごめん」ギュッ

あかり「き、京子ちゃん……?」

京子「私、意気地なしで……あんな風にしか本音を伝えられなくて……」

京子「いっぱいあかりを傷つけちゃった……本当にごめん」

あかり「……」グス

京子「でも、これだけは信じて」

京子「私もあかりのこと、大好きだよ。……ずーっと昔から、大好きだった」ギュウッ

あかり「……え」

京子「あかりのことを守れるような自分になりたいって思ってさ……変わったつもりだった」

京子「けど、肝心のあかりを悲しませてるようじゃ意味なかったね……」ハハッ

京子「もう絶対しないから、許してくれないかな……あかり」

あかり「……ふぇ」ポロポロ

京子「……そう、だよね。今さらこんなこと言われても」

あかり「あ、ううん! 違うの!」ブンブン

あかり「あかり、嬉しくて……京子ちゃんがあかりのこと好きでいてくれたなんて……」

京子「あ、当たり前だろ! あかりのこと嫌いになんかならないよ!」

あかり「京子ちゃんは、結衣ちゃんとかちなつちゃんのことが好きなのかなって思ってたから……」

京子「あ、あぁ……そっか、うん。そうだね、そういう風に見えちゃったかも」

京子「私ってこんな性格だから……あかりに素直に好きって言えなくてさ……」

京子「お恥ずかしいです、はい……////」

あかり「それじゃあ、ほ、ほんとにあかりのことが……?////」カァアアァアッ

京子「うん……結衣やちなつちゃんは大好きだけど、友達としての好きだよ」

京子「結衣には特にあかりのことで相談にのってもらってたし」

あかり「え?」

京子「もっと大胆にアプローチしてみたら、っていうアドバイスをもとに実行したのが……」

京子「昨日のアレだったんだけど……」

あかり「そ、そうだったんだ……だからいつもの京子ちゃんと何か違ったんだ」アハハ

京子「自分でもちょっと唐突すぎたとは思う……」

京子「でもさ、あかり!」ガシッ

あかり「ふぇっ?」

京子「今度こそ、キスしてもいいよね?」ジッ

あかり「え、えぇええっ!?////」

京子「だって、晴れて両想いなわけだし……あかりとキスしたいってのはほんとだよ」

あかり「で、でも、あの……」ウワメヅカイ

京子「そんな可愛い顔してもダメだぞあかり!」グイッ

あかり「あっ……」ドキッ

京子「いくよ……」スッ

チュッ

京子「んっ……」

あかり「ふ、ぁ…………」

京子「……ぷぁっ」

あかり「ふぁ……」ポー

京子「あかり、可愛い……」

あかり「きょう、こちゃん……」ドキドキ

京子「もう一回、していい?」

あかり「……うん」

チュッ

京子「ん……ぅん……」チュク

あかり「あっ、んむ……ふぁ……」

京子「あかり……」

あかり「京子ちゃぁん……」トローン

結衣「……やれやれ、やっとか」

ちなつ「まさか二人がそんな想いをもってたなんて……////」

結衣「京子はヘタレだからね……ま、なんだかんだでお似合いの二人なんじゃないかな」ニコッ

ちなつ「ふふ、そうですね……結衣先輩、私たちもお似合いの――」

結衣「さ、今日のところは空気を読んで退散しようか」

ちなつ「もう先輩ってばぁ! 照れ屋さんなんだからぁ!!」クネクネ




おわり

個人的に、原作のホットケーキの回の京子が一番『あかりに構いたくて仕方がない』という感じがして好き
二人とも可愛い



見てくれてありがとう
ゆるゆり3期はよ

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