シンジ「癒し屋シンジ?」(251)

ミサト「シンジ君って癒し系よね」

シンジ「なんですか、それ」

ミサト「一緒にいると心が安らぐってことよ」

シンジ「はぁ」

ミサト「嬉しくない?」

シンジ「実感がありませんから」

ミサト「まぁ、自分自身じゃ分からないものよね」

シンジ「はい」

はよ

シンジ「でも、もし本当なら嬉しいな」

ミサト「そう?」

シンジ「はい。僕がいるだけで周りの人が安らいでくれるなら」

ミサト「そうねぇ……じゃあ、みんなのことを癒してみましょうか?」

シンジ「え?」

ミサト「癒し屋シンジ、開業よ!」

シンジ「え、え?」



ミサト(ついでに、ちょっちお小遣いを稼がせてもらいましょう)

リツコ「……癒し屋、シンジ?」

ミサト「いらっしゃい、リツコ」

シンジ「い、いらっしゃいませ」


リツコ「なにバカなことやってんのよ」

ミサト「あら、現代社会において、癒しは大事でしょ?」

リツコ「そうだけど、シンジ君に何やらせてるのって言ってるの」


シンジ「あ、僕なら平気です」

ミサト「ですってよ?」

リツコ「……」

ミサト「ね、ね、癒されてみれば分かるからさ、ものは試しに」

リツコ「……はぁ、一回だけよ?」

ミサト「やった! 料金先払い、30分500円になりまーす!」

リツコ「お金をとるの!?」

ミサト「当たり前でしょ?」

リツコ「あなたねぇ……」

ミサト「オプションもあるけど」

リツコ「有料なんでしょ?」

ミサト「もち」

リツコ「遠慮するわ。はい、500円。飽きたら帰らせてもらうからね」

ミサト「はいはい。それではお客様、ごあんなーい」

リツコ「なにここ」

シンジ「あっ、えーと、二人きりのがいいらしくて、ミサトさんが用意してくれました」

リツコ「ふーん」


シンジ「……」

リツコ「……」

シンジ「……」


リツコ「ちょっと」

シンジ「はい?」

リツコ「癒されるどころか、息が詰まって仕方ないんだけど」

シンジ「す、すいません」

リツコ「ミサトにやらされているんなら、ちゃんと反抗した方がいいわよ」

シンジ「いえ、別に……」

リツコ「あなただって、こんなオバサンと二人きり、嫌でしょ?」

シンジ「……そんなこと」

リツコ「?」



シンジ「―――そんなこと、ありませんよ!!」

リツコ「……!?」

シンジ「リツコさんは、すごく仕事が出来て、キレイで、カッコよくて」

シンジ「僕にとっては、理想の大人の女性っていうか」

シンジ「ここだけの話、ミサトさんって公私のギャップが激しいじゃないですか」

シンジ「リツコさんがいなかったら、僕は大人の女性に幻滅してたかもしれません」

シンジ「だから、一緒にいて嫌になるなんてこと、あり得ませんよ」



リツコ「……」

リツコ「……」

シンジ「リツコさん?」

リツコ「あ、あら……なにかしら?」

シンジ「いえ、なにかボーッとしてらしたので」

リツコ「そ、そんなことないと思うけど」

シンジ「お体の調子が悪いとか……?」


リツコ「……そういえば、最近まともな食事を摂ってなかったわね」

シンジ「本当ですか?」

リツコ「ええ」

シンジ「なら、僕が今度、お弁当を作ってきますよ!」

リツコ「……え?」

リツコ「駄目よ、そんなこと」

シンジ「どうしてですか?」

リツコ「シンジ君に無理言っているようで申し訳ないもの」

シンジ「無理なんて、そんな……僕がやりたいから、やらせてほしいんです」

リツコ「……そうなの?」

シンジ「はい、リツコさんの元気ない姿なんて、見たくありませんから」

リツコ「……」

シンジ「ちなみに、食べ物に好き嫌いとか、ありますか?」


リツコ「そうねぇ、私は―――」

ミサト「はーい、終了でーす。お疲れさまでしたー」


リツコ「……」

ミサト「どうだった?」

リツコ「まぁ、その」

ミサト「ん?」

リツコ「……悪くは、無かったわね」

ミサト「でしょー?」

リツコ「このお店は、いつやっているの?」

ミサト「営業は不定期で」

リツコ「そう」

ミサト「ちなみに、次からは30分1000円だから」

リツコ「何故!?」

ミサト「今回は初回サービス割引なのよ」

リツコ「ああ、そう……」


ミサト「お弁当は、シンジ君独断のアフターサービスってことで、無料だから」ボソッ

リツコ「……っ! 仕事に戻るわ!」スタスタ

ミサト「良い調子じゃない、シンジ君」

シンジ「本当ですか? 僕、癒せてますか?」

ミサト「バリバリ癒しまくりよ!」

シンジ「そっかぁ……」テヘヘ


ミサト「どんどんお客さん入れていくから、この調子でお願いね?」

シンジ「はい!」


ミサト(まぁまぁの商売になりそうだわ)グフフ

マヤ「えーっと、失礼します」

シンジ「いらっしゃいませ」

マヤ「きゃっ! ……シ、シンジ君?」

シンジ「はい」


マヤ「もしかして癒し屋さんっていうのは、シンジ君のこと……?」

シンジ「あ、一応そうなってます」

マヤ「まいったなぁ」

シンジ「……」

シンジ「僕、なにかしましたか?」

マヤ「え? ……あ、ごめんね、そうじゃなくて」

シンジ「……」


マヤ「あのね、私、男の人がちょっと苦手で」

シンジ「……」

マヤ「こんな薄暗い所で、こんな近くで……ってなると、ちょっと緊張しちゃうっていうか」

シンジ「……」


シンジ「待っててください」ガサゴソ

マヤ「?」

シンジ「こ、これでどうですか?」

マヤ「……!」


シンジ「ミサトさんが用意してくれたカツラ、なんですけど」

マヤ「……」

シンジ「これで、僕……じゃなくて、私は女の子ってことになりませんか?」

マヤ「……」

シンジ「えっと、その」


マヤ「―――ぷっ」

シンジ「!」

マヤ「あはっ、あははははは!」

シンジ「わ、笑わないでくださいよ!」

マヤ「だって、シンジ君、似合いすぎ! 女の子にしか見えない!」

シンジ「ええー……」


マヤ「うふふ、本当に可愛い」

シンジ「そうですか……?」

マヤ「シンちゃん、とかって呼んだ方が良い?」

シンジ「や、やめて下さいよ!」

マヤ「それに、女装とか関係なく、シンジ君は他の男の人とちょっと違うわ」

シンジ「本当ですか?」

マヤ「うん、なんだか安心するっていうか」

シンジ「……」


マヤ「も、もちろん! 癒し屋さんとしてってことだけどね!?」

シンジ「……? はい、ありがとうございます!」

癒シンジ「新千歳空港」

シンジ「でも、嬉しいな」

マヤ「どうして?」

シンジ「こんなにマヤさんと話せたことって、ないから」

マヤ「仕事の関係上、あまりエヴァのパイロットと直接触れ合うことはないものね」

シンジ「そうですね。もっとこうして話せたらいいのに」

マヤ「……」


シンジ「マヤさん?」

マヤ「えっと、これって延長……とかってあるのかな?」

シンジ「大丈夫だと思います」

マヤ「じゃあ、その、お願いします」

シンジ「はい!」

ミサト「―――はーい、お客様―、ありがとうございましたー」


マヤ「……」

ミサト「延長料金とオプションサービスで1500円いただきまーす」

マヤ「あのー」

ミサト「え、え、なに!? やっぱり高すぎ!?」


マヤ「そうじゃなくてですね、このお店、次はいつやってるんでしょうか……?」

ミサト「……えーっと、一応不定期ってことになってて」

マヤ「不定期……」

マヤ「会員とかってないんですか?」

ミサト「会員……?」

マヤ「はい。営業日を連絡してくれるサービスがあったりとか」

ミサト「……まだ開店して間もないから、そういうのは追々にしようかなぁと……」

マヤ「そうですか」シュン


ミサト「でも、参考にして貰うわ! ありがとう!」

マヤ「あ、はい! 今後も利用させてもらいますね! それでは!」スタスタ


ミサト(男性が苦手な子をも……やるわね、シンジ君)

シンジ「いらっしゃいませー」

綾波「……」

シンジ「あ、綾波!?」

綾波「……」


シンジ「えーっと……綾波も、お客さんでいいのかな」

綾波「ええ」

シンジ「そっか、じゃあそこに座って」

綾波「ええ」ストン

シンジ「……」

綾波「……」

シンジ「……」

綾波「……」


シンジ(どうしよう、なにを話せばいいのか、分かんないよ)

シンジ(同い年のお客さんって、初めてだし)

シンジ(そもそも、お店じゃないところで、普通に話せるし……)


綾波「……」

綾波「碇君」

シンジ「な、なに?」

綾波「今日のお弁当も、美味しかったわ」

シンジ「……! 綾波がそう言ってくれて、嬉しいよ!」

綾波「そう」


シンジ「……」

綾波「……」

シンジ「……」

綾波「……」

Sinji 「おい、Touji お嬢様がお帰りだ車を出せ」パンパン

綾波「そろそろ帰るわ」

シンジ「え、まだ来たばかりじゃないか」

綾波「この後、やることあるから」

シンジ「そっか……ごめんね、綾波。なにも出来なくて」

綾波「いいえ」

シンジ「え?」

綾波「十分、癒されたわ」

シンジ「……でも、僕はなにも」


綾波「なにもしてくれなくても、いいの」

シンジ「……?」

綾波「じゃあ」

シンジ「あ、うん。ばいばい、綾波」

冬月「お邪魔するよ」

シンジ「副司令!?」


冬月「どうした、声を荒げて」

シンジ「い、いえ……まさか副司令が来るとは思わなくて」

冬月「俺が来てはいけなかったか?」

シンジ「そんなことない、です」

冬月「そうか。では座らせてもらうよ」

シンジ「あ、はい、どうぞ」

シンジ「副司令は、どうしてここに?」

冬月「ああ、なんでも職員の間で流行っている店があると聞いてな」

シンジ「はぁ」

冬月「最近、少し疲れやすい。駄目で元々、癒されに来たというわけだ」

シンジ「なるほど」

冬月「して、どんな癒しを提供してくれるのかな?」

シンジ「それは……」

冬月「……」

シンジ「えっと、じゃあ、肩でもお揉みしましょうか?」

冬月「ふむ、それはいい。やってもらおうか」

シンジ「はい」

シンジ「……」モミモミ

冬月「……」


シンジ「あの、どうでしょうか?」

冬月「悪くない」

シンジ「それは良かったです」

冬月「孫に労わられている気分だ」

シンジ「……」


冬月「変なことを言ったな」

シンジ「いえ、その……僕なんかでいいなら」

冬月「そうか」

シンジ「はい」

冬月「おや、その箱はなんだ」

シンジ「これですか? えっと、オプションらしいです」

冬月「オプション?」

シンジ「はい。よく分からないけど、色んな服とか、オモチャとかが入ってます」

冬月「ふむ」

シンジ「これなんて、けっこう色んな人が要望くれるんですよ。ただのカツラなんですけど」カパッ


冬月「……っ!!」

シンジ「……?」

シンジ「どうかしましたか?」

冬月「……いや、なんでもない。とてもよく似ていただけだ」

シンジ「似ていた?」

冬月「……」


シンジ「もしかして、母さんにですか?」

冬月「ああ」

シンジ「そうか、副司令は母さんのこと、知ってるんだ」

冬月「……」

シンジ「あの、良ければ、聞かせてもらえませんか?」

冬月「……」

冬月「ダメだ」

シンジ「……えっ」

冬月「今はその時ではない」

シンジ「……」

冬月「しかし、いずれ話す時が来るだろう」

シンジ「本当ですか?」

冬月「ああ」

シンジ「そうですか……」


冬月「……とりあえず、それは取ってもらえないか。なんというか、それは……よくない」

シンジ「あ、はい」カパッ

冬月「今日は、これで失礼させてもらうよ」

シンジ「わかりました」

冬月「有意義な時間だった。感謝する」

シンジ「いえ、こちらこそ」


冬月「最後に言っておくが」

シンジ「はい?」

冬月「……碇を、恨まないでやってくれ。奴も不器用なだけだ」

シンジ「……」

冬月「ではな」

シンジ「はい、ありがとうございました!」

ミサト「お客様ー、ありがとうございましたー」

冬月「……」

ミサト「ボディタッチとカツラのオプションで2000円いただきまーす」

冬月「それは構わんが、ひとつ聞かせてもらう」

ミサト「な、なんですか?」

冬月「こうして金をとっていること、彼は知っているのか?」

ミサト「えーっと……それは、どうでしょう? あはは」

冬月「……」

ミサト「ははは……」


冬月「ほどほどにしておきたまえよ」スタスタ

ミサト「は、はい……」


ミサト(こわー)

マリ「やっほー、わんこ君!」

シンジ「げっ、真希波」


マリ「ちょっと、『げっ』はなくない?」

シンジ「ごめん……」

マリ「泣いちゃう」シクシク

シンジ「嘘泣きでしょ?」


マリ「分かる?」ケロッ

シンジ「何十回もやられてれば分かるよ!」

マリ「で、で、癒しってなんなの?」

シンジ「正直、僕にもよく分かってない……」

マリ「えー、こんなに人気出てるのに?」

シンジ「そんなに話題になってるの?」

マリ「今はもう予約ないとダメだって」

シンジ「いつの間に、そんな……」

マリ「ようやく順番回ってきたんだからさぁ、ちょっとはサービスしてよ」

シンジ「どうすればいい?」

マリ「んー……あ、オプションってどれ?」

シンジ「この箱」

マリ「どれどれ」ガサゴソ

マリ「あ!」

シンジ「なに?」

マリ「犬耳!」

シンジ「えっ」

マリ「つけてつけて!」

シンジ「僕が……?」

マリ「当たり前じゃん」

シンジ「うう……」カパッ


マリ「わっ、可愛い!」

シンジ「恥ずかしいよ……」

マリ「写メ、写メ」パシャパシャ

シンジ「撮らないで!」

マリ「わんこ君、わんこ君」

シンジ「ん?」

マリ「お手」

シンジ「……」

マリ「お手っ!」


シンジ「……はい」ポフッ

マリ「『はい』じゃなくて『わん』でしょー?」

シンジ「……わん」ポフッ


マリ「かわいいー!!」ナデナデ

シンジ「やめてよ!」

マリ「お持ち帰りはないの?」

シンジ「そんなサービスないよ」

マリ「残念」

シンジ「はぁ……」


マリ「そうだ、ポッキーがあるんだ」

シンジ「だから?」

マリ「餌付けしたい」

シンジ「餌付けって」


マリ「ほい、あーん」

シンジ「……あーん」パクッ

マリ「そのまま、咥えててね」

シンジ「?」


マリ「あーん」パクッ

シンジ「!?」


マリ「……」ポリポリ

シンジ「ん、ん!?」

マリ「……」ポリポリ

シンジ「んー!!」


シンジ「んんっ!!」ポキッ

マリ「ありゃ」

 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④
   (・`④)

   (④  )ノ④
  ④ヽ(   )ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④

   (・`ノ④ )
   (④  )ノ④
  ④ヽ(  ´)ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④

マリ「なんで折っちゃうのさ―」

シンジ「当たり前だろ! だって……」

マリ「だって?」

シンジ「あのままじゃ、口と口が……くっついちゃうじゃないか」

マリ「そうしようとしたんだけど」

シンジ「元からそのつもりかよ!」


マリ「じょーだん、じょーだん。流石の私でも、そこまでしないって」

シンジ「ほんとかなぁ」

マリ「初めて、する時は……もっとちゃんとしようね? わんこ君?」

シンジ「……!」

マリ「わんこ君、わんこ君」

シンジ「……なんだよ」

マリ「顔、真っ赤」

シンジ「み、見ないでよ!」

マリ「あはは」


マリ「はー、癒された。というより、楽しかった―」

シンジ「ううう……」

マリ「また来るね、わんこ君」

シンジ「もう来ないでいいよ!」

マリ「それ、本気で言ってる?」

シンジ「えっ」

マリ「だとしたら、ちょっと悲しい」

シンジ「えっと……」


シンジ「……」

マリ「……」


シンジ「次、真希波が来るの……楽しみに、してる」

マリ「ん! りょーかいっ!」

シンジ「ふあぁ……」

シンジ「っと、いけない、仕事中なのに」

シンジ「……」

シンジ「ちょっと疲れた、かな」

シンジ「でも、僕がこうしてるだけで、みんなが癒されてくれるんだ」

シンジ「頑張らないと」


シンジ「それに、最近はこの仕事にも慣れてきたし」

シンジ「もう、どんな人が相手でも、大丈夫だ」

シンジ「……」

―――コツコツ



シンジ「お客さんだ」

シンジ「あ、いらっしゃいま――」




ゲンドウ「……」




シンジ「と、父さんっ!?」

お前が先か

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「……」

ゲンドウ「……」



シンジ(どんな人が相手でも大丈夫なんて、やっぱり嘘だった)

シンジ(父さんが相手じゃ、なにしたらいいか、全然分かんないよ)

シンジ(そもそも、父さんはなにしに来たんだろ)

シンジ(癒されに……?)


シンジ(いや、まさか、そんな……)チラッ

ゲンドウ「……」

冬月「お前もヅラか?」

ゲンドウ「あぁ・・・」

シンジ「と、父さん」

ゲンドウ「なんだ」

シンジ「父さんは……癒されに、きたんだよね?」

ゲンドウ「ああ」

シンジ「じゃあ、僕はどんなことしたら、いいかな?」


ゲンドウ「……」

シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「……」


シンジ(なにも言わない……お前に任せるってことなのかな……)

シンジ「……父さん!」

ゲンドウ「なんだ」


シンジ「肩でも揉もうか?」

ゲンドウ「いや、いい」

シンジ「オプションで、僕がちょっと面白い服着たりとか、するんだけど」

ゲンドウ「しなくていい」

シンジ「……オモチャ、とか」

ゲンドウ「いらん」


シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ(全然ダメだ、ダメじゃないか)

シンジ(これまでちょっと上手くいってたから、調子に乗ってただけなんだ……)


シンジ(本当の癒し屋さんなら、こんな時、どうするんだろ)

シンジ(いや、本当の癒し屋さんなんていないか……)

シンジ(そもそも癒し屋さんってなんだよ!)


シンジ(って、そんなこと考えてる場合じゃ……)



ゲンドウ「……」

ゲンドウ「シンジ」

シンジ「……! な、なに?」

ゲンドウ「学校は、どうだ?」

シンジ「学校?」

ゲンドウ「ああ」


シンジ「えっと、すごくいい所だよ」

ゲンドウ「……」

シンジ「友達もいて、色んなことが勉強できて、楽しいよ」

ゲンドウ「そうか」

シンジ「うん」

ゲンドウ「NERVは、どうだ」

シンジ「もちろん、いい所だよ」

ゲンドウ「……」

シンジ「みんな、とても良くしてくれる。父さんの息子だからってことじゃなくて、僕自身を見てくれて」

ゲンドウ「……」

シンジ「普通じゃ絶対に経験できないようなことが出来て、嬉しいよ」

ゲンドウ「……」


シンジ「……父さん。僕ね、父さんに感謝してるんだ」

ゲンドウ「……」

アスカが来ていちゃつく展開が来るとシンジてるぞ!!

 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④
   (・`④)

   (④  )ノ④
  ④ヽ(   )ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④

   (・`ノ④ )
   (④  )ノ④
  ④ヽ(  ´)ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④

シンジ「最初は、そりゃ恨んだよ。なんで、わけも分からないまま、命をかけて戦わなきゃならないのさって」

シンジ「いや、今だって、分からないことはいっぱいなんだけどね」


シンジ「でもね、今はみんながいる。学校や、NERVに……友達や、信頼できる人たちがいる」

シンジ「みんなに出会えて、一緒にいられて……そういう風になれたのは、こうしてこの場所にいるからなんだ」

シンジ「辛いことも沢山あるけど……でも、それでも僕は、この場所にいられることが幸せなんだ」


シンジ「だから、この場所に呼んでくれた父さんには、ありがとうって、伝えたかったんだ」



ゲンドウ「……」

シンジ「ごめんね、長々と」

ゲンドウ「いや、いい」


シンジ「……」

ゲンドウ「……」

シンジ「……」

ゲンドウ「……」


ゲンドウ「……仕事に戻る」

シンジ「あっ、うん」

>>146の通訳連れて来たぞー!!

         /⌒ヽ

         ( ^p^ ) <????? ???????????? ???????
         /   ヽ
        | |   | |
        | |   | |
        ||   ||
        し|  i |J
          .|  ||
         | ノ ノ
         .| .| (

         / |\.\
         し'   ̄

シンジ「ありがとうございましたー」

ゲンドウ「……」ピタ

シンジ「……?」


ゲンドウ「シンジ」

シンジ「なに?」

ゲンドウ「良い、癒しだった」

シンジ「!」


ゲンドウ「……」スタスタ

シンジ「……」


シンジ「……ありがとう、ござい、ました……」

リツコ「ねぇ、ミサト」

ミサト「なに?」

リツコ「次の私の番はいつ?」

ミサト「んーと、三日後」

リツコ「まだ三日もあるの!?」

ミサト「ごめんねぇ、大人気だから」

リツコ「まったく。私はお客第一号なんだから、もっと大事にしなさいよ」

ミサト「……リツコも、すっかりハマっちゃったわねぇ」

リツコ「現代社会に潜む闇の影響ね」

ミサト「なぁーに言ってんだか」

マヤ「あのー……」

ミサト「ん?」

マヤ「これ、シンジ君に服を作ってきたんですけど」

ミサト「ああ、いつも悪いわね」

マヤ「いえ……そ、それでですね」


ミサト「分かってるって、順番、早めておくから」

マヤ「ありがとうございます!」


ミサト(ううむ、良い笑顔するようになったわねぇ……)

お金取ってるのばれたらシンジは……

え? アスカって誰? そんなやついたっけ?

ミサト「くふふ……一、十……っと」

ミサト「笑いが止まらないわぁ、まさかここまで繁盛するとは」

ミサト「恐るべきは、シンジ君の癒しパワーってところかしら」


ミサト「その分、私は毎日、家でシンジ君の癒しを補給可能!」

ミサト「勝ち組過ぎてお酒が美味い!」

ミサト「あは、あははははははは!!」




アスカ「……」

>>167
 
      三 ⌒`( ◯)(O):   死ねえええええええええええええええっ!!

      三  j(  (__人__)    
      三. ^ 、`l⌒/ノ ,rっっ                    ,
     三"⌒ヽ ソ ゙⌒ノ .i゙)' 'ィ´                  `    ,. ____
    三      ゙ヾ ,,/ { ) 丿                ,  ゜;,/⌒   ⌒u:::\ 。
   三  ィ二    `\ /'ニ7´        スパァァ────/(◯;:;>>◯;(;.◯));:':ヽ‐─────‐‐ ン
  三::.:::三::三      \ ./                 ゚  ;i` 、___´__:::::;;,´:  ::|   .
  三::.::.三  三::     __\≡=_ ___ ≡___ __´_;;{;` j|r┬-|:;〉::,,゚, 。;;:;;|
  三::::.三   三ンィ⌒ ̄" ̄ ̄ ̄  ̄ ̄  ̄─ ̄  ̄ ̄  ̄ ̄ニ≡┴‐ー-,==ー--ァ人て゜ ゚;:,::|: ゜ .
   ''三三  三/            ≡''=三≡    ;;;;(( 三iiii_iiiiiii)))))て,,;;/  。  ;
        三         _____=≒=ー────;‐‐ ̄/i'只 ̄/ ̄|Y‐-<` `
         三、   ー ィ⌒ ̄ 

 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④
   (・`④)

   (④  )ノ④
  ④ヽ(   )ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④
 ④ヽ(・ω・`)ノ④
  ④(ω・`ノ④

   (・`ノ④ )
   (④  )ノ④
  ④ヽ(  ´)ノ④
  ④(  ´)ノ④
   ( ´ノ④

   ( ノ④ )
   ④´・ω)
  ④ヽ( ・ω・)④
 ④ヽ( ・ω・`)ノ④

シンジ「あ、次が最後のお客さんだな」

シンジ「んー、今日もいっぱい癒したなぁ」

シンジ「ふわぁ……」


シンジ「……っと」

シンジ「欠伸なんてしてたら、退屈なのかって思われちゃう」

シンジ「シャッキリしないと」パンッ


シンジ「よし」

シンジ「お客様―、いらっしゃいませー」

 -= ∧ ∧ 
-=と(・∀ ・)  <>>169馬鹿目!それは残像だ!
 -=/ と_ノ
-=_//⌒ソ 


. ∧ ∧ =-
(・ ∀ ・) =- <ははは!当てられるものなら、当ててみろ!
 と´_,ノヾ =-
  (´_ヽ、\ =-


   ..r 、∧_∧
‐――`マ( ・∀・ ) 
  ― ‐〉  と ノ   _二_
   ,.イ ,、⌒i/  ̄ ̄ ̄ ̄/|!
  .ー'´ .У  ガッ    / /|i
    /       _/ /
    || ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||/
    ||       .||!


   ,__、:..
  < / '─ - :.

  <(  `ー'ヽ,\/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/|
   ’:; ̄`ー' "/       / /|
       /       _/ /
       .|| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄||/
       .||       .||

アスカ「しけた場所ね」

シンジ「えっ、アスカ!?」

アスカ「……なによ」

シンジ「いや、だって」

アスカ「私が来たらいけないの?」

シンジ「そんなこと、ないけど……」

アスカ「じゃあ、いいじゃないのよ」

シンジ「う、うん」


アスカ「……」

シンジ「……」

アスカ、来店

アスカ「ちょっと」

シンジ「なに?」

アスカ「このまま黙ってるだけなのが癒し屋なの?」

シンジ「違うけど……」

アスカ「なんかしなさいよ」

シンジ「えっと……アスカはなにかしたいこと、ないの?」

アスカ「私?」

シンジ「うん」

アスカ「……」

アスカ「なら、膝枕」

シンジ「膝枕!?」

アスカ「ダメなの?」

シンジ「だ、ダメじゃないけど……」

アスカ「……」


シンジ「えっと」

アスカ「……」

シンジ「じゃあ、こっちに来てもらえるかな……?」

アスカ「……」

アスカ「違うわ」

シンジ「えっ?」

アスカ「膝枕をするのは、私」

シンジ「アスカが?」

アスカ「ええ」

シンジ「でも……」

アスカ「いいから、こっち来なさいよ」

シンジ「あっ、うん」

シンジ「……」ポスッ

アスカ「……」


シンジ「あの」

アスカ「なによ」

シンジ「僕は、ここからどうすればいいのかな」

アスカ「どうもしないで」

シンジ「え、ええー」

アスカ「黙って寝転んでりゃいいのよ」

シンジ「そんなぁ」

アスカ「……」

シンジ(アスカ、なにを考えてるんだろ)

シンジ(綾波や、父さん以上に分かんないや)


シンジ(でも、なんかちょっと落ち着くな)

シンジ(心が安らぐっていうか)

シンジ(そうか、これが……)


シンジ(……あ、どうしよう、眠くなってきちゃった)

シンジ(寝たらまずいよね、やっぱり)

シンジ(でも……何もするなって……言ってたし……)


シンジ(なに、も……)スゥ

          l : : : : : : : : : : : : : : : : : :/ : : :/l : : : : : : : :/ ; : : :/  ; : : : : : : : : : :
           │: : : : : : : : : : : : |:: : : :/ | : :/ l : : : : : : :/ ;: : :/   l: : : /: : : : : : :
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         ヽ  │ 〉       〈しリノ             / __   > |: : :/:
           ヽ└'        `ニ                /厂 「ヾ\   |: :/.: :
             〉_,.、     //////         /しリ  |l  |:/|: :/
            イ: :/∧     /////            ヽイ   ′  ' |/
       , ── ノ∨/ l                    //////   ′
        / │   /   ':.                  l   /////
      ′ l   .:/   丶                  |           ′
     /  ヽl  :/   l   ヽ            ー ┘     /
     ′   '、.:/    l    ヽ    \ ‐‐- .、       /
   〈     ∨     |      丶    `丶ー- >   ,  ´        
   /\    ヽ    |       丶         ,

シンジ「……」スゥ

アスカ「バカシンジ?」


シンジ「……」

アスカ「……」

シンジ「……」


アスカ「寝た、か……」

シンジ「……」

アスカ「ったく、最近疲れた顔してると思ったら、こんなことやってたのね」

アスカ「癒し屋、なんて」

シンジ「……」

アスカ「それで、自分が疲れてて、どうすんのよ」

シンジ「……」


アスカ「まぁ、お人好しのアンタらしいけど」

シンジ「……」

アスカ「だからって、私は許さないわよ」

シンジ「……」

アスカ「女の子みたいな寝顔」

シンジ「……」

アスカ「髪の毛、柔らかい」ナデ

シンジ「……」


アスカ「ふふっ」

シンジ「……」

アスカ「おやすみ、バカシンジ……」

シンジ「……」

エピローグ


ミサト「すいませんでしたー」ドゲザッ


アスカ「まったく、子供を使ってお金儲けなんて、最低よ」

ミサト「最初は小金を稼ぐだけのつもりだったんですけど……魔が差して……」

アスカ「中毒になってたのは、客だけじゃなかったってことね」

ミサト「もう、こんなことはいたしません……」


アスカ「バカシンジも、なんとか言ってやんなさい」

シンジ「僕?」

アスカ「被害者はアンタなんだから、当り前でしょ」

シンジ「えっと……」


シンジ「ダメですよ、もうこんなことしちゃ」コツン

ミサト「あうっ、シンジくぅん!」

            //  _ -― ´ -―
            ' / 厂 ,.
.            { {´               -   _     >
            ィ'  !         -‐      `  \
         '                   `ヽ 
     _,. '" ィ                  \
.         /  ,                   \    _ \
       /   /     !       ヽ         丶  ヽ  ̄`
.     /. //        !        lヽ 、     、  ヽ \
    /'"/!  !     ,' l !、   、  !´\、ヽ      ゝ.  \
     ´ !,ィ      l'"l !__ヽ.    ゙、 '゙ヽツ ヽ ト  ゙    _ ゝ
      ,/ l l   , k'"l.!ソ` \   l.ヽ、   ヽl ;\゙、 \
.         | }   ハl  リ    \ ',      ソノ ヽ,. '"
.         l / 、. {‐l.ヘ       、  ヽ     /   i/
          ,/  ヾヽ l.ーヽ     _    -   .イ ,ヘ !
            !  レlィ  ._        /l N ヽ、    シンジくん早く君に会いたいよ
               '  V i   _,. '   !/
         ,.................,. <   「ー-----‐='゙!` - 、
         /::、         |//|三三|///!     > 、
          /::::::ヽ      / ` ー--一''゙´ヽ      >-、
          /::;: '" \     ,/ .._     _.. ト     /::::::::::ヽ
.      ,.ィ' '゙       >  ,!    ヽ   '   }   /   `\ ::ヽ
    , _      \   ト、          / \ 
     {     、       ` 、 l,'>- __ ,.ィ/   >      丶
          丶         ヽ/////////// -‐ ´       _ ... ヽ
     |              ヽ'/////// 
     !                    ∨//,/       ,.           ,
                     ヾ/

アスカ「そんなんでいいわけ?」

シンジ「うん」

アスカ「お人好し、ここに極まれりね……」

シンジ「あはは」


アスカ「で、稼いだお金はどうするの? アンタが好きにしていいんでしょ?」

シンジ「うーん」

アスカ「ん?」

シンジ「……お店に来てくれた人たちに、返そうと思ってるよ」

アスカ「はぁ!?」

シンジ「変かな?」

アスカ「変よ!」

シンジ「どうして?」

アスカ「方法はともかく、アンタが働いて得たお金じゃない、報酬はあって当然でしょ!」


シンジ「……癒し屋やってて、思ったんだ」

アスカ「なにをよ?」

シンジ「色んな人と、色んなこと話して……癒されてたのは、お客さんだけじゃなくて、僕の方もなんだなって」

アスカ「……!」

アスカ「そう」

シンジ「うん」

アスカ「じゃあ、悪かったわね」

シンジ「え?」

アスカ「アンタが楽しんでたなら、無理にやめさせない方が良かったでしょ?」

シンジ「あー……でも、お金をとるのは、やっぱりちょっとね」

アスカ「……まぁ、そうね」

シンジ「うん、それにさ」

アスカ「?」

シンジ「今度からは、お金を取ったり、お店の形をとらずに、僕個人で色んな人と話そうと思う」

アスカ「ふーん」

シンジ「今回の件で仲良くなれた人もいるし、分かりあえた人もいるし……僕自身も、少しは変われたと思うから」

アスカ「ま、いい考えじゃない?」


シンジ「……アスカが、僕に優しくしてくれたのは、一生忘れられなさそう」

アスカ「あ、アンタねぇ!」

シンジ「あはは」

シンジ「癒しかぁ」

アスカ「なに?」

シンジ「最初はよく分からなかったけど、今なら分かるよ」

アスカ「ふぅん」



シンジ(誰かに優しくして、誰かに優しくされて)

シンジ(それはたぶん、きっと)


シンジ(僕が一番欲しかった、温かさだと思う)



終劇

オワタ
ヅラ関連でことごとく期待を裏切ってゴメン。
次は、そろそろもう一回、コッテコテのシンジ×アスカものが書きたい。

乙ラ

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