魔王「勇者が相手で生き残れる筈が無い」側近「ハァ?」(89)

パソコンが止まって再起動してるうちにスレが落ちるとは思わなかった。

こういう時はどうするべきか判らんけど、もう一度たてさせてくれ

女勇者「さて、次は…」チクッ

魔王「あう!?あ…」

女勇者「即効性の麻痺毒だよ。もう喋る事すらままならないんじゃない?」

魔王「う…」

女勇者「うんうん、効いてるね。次は…」ヌルゥ・・・

魔王「ひゃぁぁぅ…」

女勇者「ただの粘液。どう?ヌルヌルしたものに撫でられる感覚は」

魔王「う…」

女勇者「睨まないで言葉にしなよ。ほら」

魔王「ふぅぅ…」

女勇者「あ、喋れないんだっけ。でもまぁ表情見ればわかるよ。気持ちよさげ。」

女勇者「結構感度いいんだねぇ。撫でられるの好き?」

魔王「うぅうう…」

女勇者「睨むなって。ほらー」スリスリ

魔王「うぅ!ふぁぁぁ・・・」

女勇者「んー。あんまり焦らしてもかわいそうかなぁ。」

女勇者「さ、気持ちよくなろうかー。」

魔王「うぅ…」

女勇者「よいしょ。」ズプッ

魔王「うぁあ!?」

女勇者「あ、案外簡単に入るね後ろ。普段から使ってるのかな?」

魔王「うー!うー!!」

女勇者「まぁ僕の体がスライムだから入りやすいってのもあるかなー。ほれほれ。」ズップズップズップ

魔王「ううう!あううう!」

女勇者「んー。正直こういうの慣れてないからよくわかんないんだよねぇ」

魔王「うぅー…」グッタリ

女勇者「絶頂したりもしないし、そろそろやめ…」

魔王「!」

女勇者「ないよ。戦士くんが戦い終わるまではやるから。」ズップズップズップ

魔王「ぁぁぁぁぁぁーー!」

女勇者「まぁまぁ。君の好きなナデナデもしてあげるよー」スリスリスリ

魔王「ふぁああ!」

戦士「オラァ!」

四天王A「く…無念…」

戦士「あの雷の四天王を倒したら総崩れしたな。思ったよりなんとかなった」

戦士「さて…魔王は強い。だろうけど多分余裕でそれ以上に勇者の方が強い。」

戦士「加勢に行くべき…か?悩み所だが、ここでボーっとしてるのもどうかと思うし」

戦士「よし、行くぞ!」

少年「あ・・・う・・・」

女勇者「あらゆる毒もうまく使えば結構使い道あるねー。」

バタンッ!

戦士「ハァハァ・・・勇者!無事k・・・え、なにこれ。」

女勇者「チッ。もう来たか…。あ、えっとね戦士くんまさかの魔王がね、この子。」

戦士「じゃぁ・・・え、これで平和は訪れたのか?マジかよ…出番なかったぞ…」



魔王「っていう感じだったかな…」

戦士「俺らが色々戦ってる中何してんだよお前は…」

魔王「襲われた側に掛ける言葉じゃないと思うぞ。つーか舌打ちされたんだぞお前。いいのかよ」

戦士「文句言えると思うかよ?」魔王「ですよね。」

女勇者「確かに、戦う気は削がれたけどさー。生かさず殺さず苦しめる方にシフトしたし。」

戦士「勇者の方が発想がエグかったよおい」

魔王「ともあれ、子供の視点だと発見も多くて意外と楽しんでるぞ」

女勇者「性的な方面は?」

魔王「精通してない」

戦士「そんな状態の子の処女奪ったのかよ勇者殿…。」

女勇者「いやー。通りで中々射精しない訳だー。」

戦士「お前…処女で知識ないのによくそんな事やったよな…。」

女勇者「興味はあったからね。あ、今もあるよ。」

戦士「そうかよ…。」

女勇者「さて、と。じゃぁ僕らは帰るよ。」

戦士「四天王達とは連絡取れるようにしたから、少しはさみしくなくなるだろ。あとぱそこん?だっけ。あれもとってきたし」

魔王「助かる。」

女勇者「夜に寂しがるって聞いて遊びに来たから解決しなきゃだしねー」

戦士「魔王がホームシックか…」

魔王「だって12歳だもの!!わるいか!」

女勇者「てっきり性的な方面と思ったんだけど」

戦士「お前はお前で頭の中汚れすぎだ。」

女勇者「はいはい。じゃーまた。悪さしたら今度は消し炭にするから。四天王と会えても妙な気起こさないでね」

魔王「起こさない。またな勇者」

戦士「別れ際に脅すなよ…。冷静保ってるように見えてめっちゃ震えてんぞ」

女勇者「それでもまぁ…悪の魔王ですから。じゃ、ばいばい魔王」


おわり。

という事で、トラブルがあってこんなことになってしまったけど
これにて終了です。いやー。元々メモ帳に用意してたのに、リアルタイムで追加してた

結果後半スピード落ちてしまって申し訳ない。

で、滅茶苦茶スレ余ったので、ここから次にもう移っちゃいます。

>11 こういう急展開感含めていつも通りなんだ、ごめんね。



戦士「そろそろ人間に戻れよ」姫「えっ?」



戦士「えっ?じゃない。もう魔物でいる必要はないだろ」

姫「いや、どう戻るかわかったもんじゃないし・・・それにほら、住めば都的な感じでさ、慣れると便利というか・・・」

戦士「確かに俺も城で暮らして最初は落ち着かなかったが慣れると快適と思った。けども」

戦士「かといって魔物のままでいるのはちょっとどうかと。一応一国の姫だろうに」

姫「いや、姫はさー。後任で適任が出るとは思えないし長年僕が居たほうがいいんじゃない?」

戦士「少しは未来に期待して!?」

戦士「そもそもな。お前は王様が死んでから特に色々悪化した。」

姫「何がさー。」

戦士「夜。俺に絡みつかないで下さい。」

姫「それが妻に対する態度!?」

戦士「自分の腕力考えろ!!こっそりメイドに蘇生術かけて貰ってお前が起きる前に何とかしてるんだぞ!」

メイド(僧侶)「それはもうグッチャグチャのバラバラになってますし。魔法以外じゃ治らないでしょう」

姫「ありゃー。」

戦士「一人の命に対するリアクションそれ!?」

姫「でもさぁ、利点だってあるじゃない。たくさん」

戦士「あまり聞きたくないが、挙げてみろ」

姫「性欲が強い。」

戦士「ふざけるな。」

姫「女性がこういうの言うのはかなりムラムラくるでしょ!?」

戦士「ムラムラしてんのはお前だろうがこの発情期が!!もう話しながら触手で捕食(性的な意味で)しようとしてるだろ!」

姫「他にも手が多いから色々できるし、体液から媚薬ができるようになったんだよ!?穴も自由自在に!」

戦士「もはや生きたオナホかてめぇは!」

姫「まぁマジな話をすると、手も目も多いから城での雑務をこなすのが早い。」

戦士「脳が処理しきれるとは思えないんだが。」

姫「大丈夫。ゲームでいえば僕のレベルは270で、かしこさカンスト数値超えだから」センシクンハ70クライカナ?

戦士「すんげぇチート。」

姫「あと、分裂できるようになったんだよ」

戦士「何気にガンガン新技出すな。」

姫「魔物的見た目が嫌な君の為に変化の術も覚えました。ほら、人間になれるよ!」

戦士「そういう人間に戻るじゃない。種族を人間に戻せといってるんだ。」

姫「触手も増えたよ?夜のお楽しみが増えるね」

戦士「下ネタ以外ないのかお前。つーか男がやられても需要ねーよ」

姫「以前も言ってたね。そこで!僕は練習に練習を重ねて・・・」

姫「セルフ触手プレイができるように!こう、触手部分と人型部分を分離してさ!」

戦士「・・・それ単なるオナニーじゃね?」

姫「ですよね。」

姫「じゃぁ戦士くんのオカズ用に触手に絡まれる役の女性雇う?」

戦士「・・・妻なんだよな?積極的にそういうの協力ってどうなの」

姫「僕かなり寛大だからね。なんなら君を掘る為の男性を雇ってもいい」

戦士「掘られるのはお前だけで十分だ」

姫「やだ積極的。そんなに僕を攻めたいの?」

戦士「そういう意味じゃねぇ!夜散々触手でヤりまくるだろうが俺を!!」

姫「僕にやられたい願望が…!?」

戦士「ダメだこいつ、早くなんとかしないと」

姫「正直ねぇ、前は戻りたい気持ちもあったよ。あったけど。」

戦士「慣れた?」

姫「うん。それであんまり戻るってのもねぇ。」

姫「前に言ってたじゃん。研究されてみようかなーって。」

戦士「言ってたな。」

姫「今してもらってるんだよね。ほんとに」

戦士「マジか。」

姫「その結果が、分裂とか変化の術。」

戦士「なんかいらん研究してないか?大丈夫か?この国の研究家」

姫「ほらあの、南の国出来てからの魔物の位置づけって変わったじゃん」

戦士「人を襲う魔物は猛獣、知能のある魔物は単なる別人種。弱めで知能が動物程度の魔物はペットになったな。かなりシュールな関係だぞ」

姫「その知能のある人たちの協力の下、研究はかなり進歩してるのです。」

戦士「その結果それだと微妙だな。・・・まぁそれより血の気の多い種族が数種行方くらませたのが非常に気になるけどな。」

姫「目が届く範囲なら知ってるよ。ここ。」オナカポンポン

戦士「・・・ん?」

姫「捕食致しました。」

戦士「あぁもう人間に戻るの絶望的な気がする。」

姫「この体さぁ、かなり伸縮自在じゃん?」

戦士「そうだな、触手でたり翼でたりするもんな。質量保存の法則なんざ糞食らえだ。」

姫「どこまで伸びるか試してみたんだよ」

戦士「どうやって?」

姫「ひたすらに空目指して伸び上がってみた。」

戦士「結果はどうなった?」

姫「なんか急に夜になって、空気無くなった。」

戦士「空の上ってそんな風になってんのか・・・。そしてお前空気無くても平気ってどういうこと。」

姫「体は下にあるし」

戦士「全身で呼吸してんの?」

姫「あ、ごめん。研究の時間だからちょっと出かけてくるね」

戦士「正直その研究も存在自体シュールだよな。変種の魔物とはいえ、自国の姫の体調べるとか。」

姫「まぁ、そこら辺は僕の親戚たちだし」

戦士「お前らの家系どないやねん。」

姫「王族兼研究家。昔からね。」

戦士「まぁいってらっしゃい。」

姫「はーい」

姫「ただいま」

戦士「昼に行って夜になるまで戻らないとは思わなかった。」

姫「普段もそうだよ。戦士くんが気にしないから知らないだけ。」

戦士「そうだな。トレーニングでそれどころじゃないもんな」

姫「もう戦う相手もいないのにトレーニング?」

戦士「お前。いつまでも性行為するのだって体力いるんだよ。」

姫「なるほど。がんばれ」

戦士「控える選択肢が出ないか期待した俺がバカだった」

姫「それでとりあえず、研究の成果を見て貰いたい」

戦士「また変な事出来る様になったか?」

姫「えいっ」ぶちっ

戦士「体を千切ってどうするんだ?」

姫「じゃん!」

ミニ姫「じゃん!」

戦士「・・・何これ」

姫「分身のサイズを変えられるようになりました。僕より大きくする事も可能!」

戦士「つくづく無駄な事増やすなお前」

戦士「そういや分身に知能ってあるのか?」

姫「んー。ペット魔物程度。あとは僕と同じ事を喋るか喋らず居るだけ程度のが作れるよ」

戦士「ふむ・・・。」

ミニ姫「ツマムナー」

姫「性感は共有してるからオナホに使ったりしてもいいよ」

戦士「ついにオナニーまでお前に犯される事になるのかよ。やだよそれ結局セックスじゃん」

姫「じゃぁ性感共有しないで、僕本体とソレが融合したらその時の記憶が読み込まれるようにする。」

戦士「どの道プライベート筒抜けるだろうが。」

姫「そういうならポケットからその子を出せ。」

戦士「いつまで分身って出しておけるんだ?」

姫「活動時間の限界か・・・試した事ないなぁ。やってみようか?」

戦士「いや、やっぱいい。あと返すわ」

姫「ん?あ・・・」

戦士「なんか既にしなびてきてるんだが。ミイラっぽくてすげー嫌だ。」

姫「10分程度で限界っぽいね。どこに水分飛んでるんだろ・・・」

戦士「液体金属なのにな。謎だらけだ。クソッ!!」

姫「本当はオナホ欲しかったんじゃない・・・。」

戦士「そういや、金属なんだよな。その体一応」

姫「金属だね。液体金属。」

戦士「その割には触ると大抵柔らかいな?」

姫「あー、実は金属とゼリー体と変化出来るようになってたり。」

戦士「普段は?」

姫「どちらでもない。人間に化けてるしね。」

戦士「そういうと完全に魔物だよな。やっぱ。」

姫「性行為の時も人間だよ」

戦士「触手突き出す人間なんていない。」

戦士「お前食事したりすると、どう消化吸収されるんだ?」

姫「金属状態だと見えないけど、ゼリー状態なら見えるよ。普通の消化吸収みたい。」

戦士「・・・お前排泄は?」

姫「・・・あれ?そういえばずっとしてないなぁ」

戦士「それでか。何か前より濁ってるぞ。」

姫「うえぇ!?マジで!」

戦士「しなくてもいられるけど、濁るんだな。とりあえず水分足しつつ濁った部分捨てればいいかな」

姫「単なる排泄なのにまるで生理のような面倒さだね。」

戦士「わかんねーから。」

姫「綺麗になった?」

戦士「なった。透き通ってるぞ。」

姫「けど体を固めるにはたんぱくがたりない」

戦士「よし、俺はこれから素振りの練習にでも・・・」

姫「今は夜だよ。そういうの昼にやりなよ。さ、大人の時間ですよー」

戦士「くっ・・・息子よ、今日も耐え切ってくれ・・・!」

戦士「そういや、国の人の反応は?」

姫「反応?まー、勇者やってた頃と変わらないよ。今は姫だし」

戦士「案外受容されてんだな、魔物でも。」

姫「まぁそこは僕の産まれた国だからね。周りの大人も僕程度には変な人多いのさ」

戦士「突っ込み役の俺にもう少し優しい国づくりできませんかねぇ姫。」

姫「無理だな」

戦士「即答かよ」

姫「っていうか突っ込まれる側じゃん。性的な意味で」

戦士「突っ込んでもいるよ!?あんま男のプライドすり潰して来ないで!」

戦士「たまには外にでも行ってみるか。本当にどんな感じか気になってきたし。」

姫「あー。そうだね。視察っていう名目で遊びにいこうよ」

戦士「一国の長それでいいんかい。」

姫「問題ないよ。僕に勝てる生物が今の所は存在しないから誰も僕に意見しない」

戦士「その点俺は勇気あるんだろうか」

姫「飼い犬が吠えた所で飼い主は何も思いません。」

戦士「そんなレベルかよちくしょう。」

「姫様だー」「姫が来たぞ!屋根の修理手伝ってもらえ!」「まって、こっちの荷物も運んでもらおう!」

姫「どうよ、この人気。」

戦士「・・・いや、単に仕事押し付けられてるだけじゃね?」

姫「それでも頼られるだけマシだよ。君無職じゃん」

戦士「無職言うな。婿養子だよ俺は。」

姫「よく言うよ。未だに婚姻届出してないでしょ。式は挙げたけどさ。」

戦士「・・・・何故バレてるんだろう。」

姫「部屋に隠してたらわかるわそりゃ。」

「姫がなんか痴話喧嘩してるぞ!」「喧嘩にもならんだろ。敵う相手じゃない。あの程度じゃ」

戦士「俺一応勇者と共に旅してた戦士なんだけどー!?」

姫「よいしょ。で、これをどこに置けばいいかな?」

おばちゃん「それはこっち、あとこの樽に入った酒も持って行って欲しいんですがー。やっぱりこの数は重たいかねぇ」

戦士「俺も手伝おうか?」

おばちゃん「アンタはいいよ。姫様の方が早いからねぇ」

戦士「・・・なんとなく頼られない寂しさだけはわかった。」

姫「でしょ。どういう形でも頼られると嬉しいもんだって。」

戦士「って、もしかして俺の知らない内に結構城の外でてる?」

姫「そこに新しい店あるでしょ。あれ僕が触手で建てたんだよ。一日で」

戦士「王様以上に働いてるじゃん。いやまぁ本来管轄外だろうけどさぁ。」

いきなり途中から始まった
続きならスレタイに★2とでも書いとけよ

姫「まぁそんな感じで忙しくてあんま一緒にいられないけど」

戦士「そういいつつ結構来るよなお前。大丈夫か?」

姫「体力だけなら魔王以上にあるから大丈夫だよ。寝なくても平気な体になったし」

戦士「どうやったら人間に戻れるかなぁ。」

姫「あ、それまた引っ張ってくる?」

戦士「どうしても気になるもんなんだよ」

>>36 急に落ちたから気が動転してた、すまない。 

「えーい!」「よっしゃ、命中!」「かわいそうじゃんwwやめなよーww」

姫「あ、スライムがいじめられてる。」

戦士「同属として放っておけないか。」

姫「そういう事言わない。普通に小動物いじめるとか倫理観的にダメでしょ。子供をとめてくる。コラー」

「うわっ、バケモノ姫が来た!」「まものびいきのバケモノ姫ー!」

姫「・・・・別にひいきしてないけどなぁ。」

「どうせそのうちまもののみかたになっちゃうんだー!ママがいってたぞ!」

姫「へぇ。」

戦士「(あれ。何か地味に怒ってる・・・?)」

姫「僕ね、陰口が嫌いなんだ。」

戦士「子供が言ったことだろ?」

姫「“子供の親が子供に聞かせてる事”だよ。つまり、たぶんもっと言ってると思う。子供フィルターであれだけになってるだけで」

姫「子供の理解できる範囲って限られてるからね。まぁ要するに」

戦士「要するに?」

姫「この国の姫様やーめた!」

戦士「はいっ!?」

姫「ちょっと、出掛けて来るし帰って来ないからね。そのうち探しに来て」

戦士「え、ちょ、おい!」

戦士「止める間もなく凄まじい速度で飛んで行ってしまった。」

戦士「城に戻ったけど、姫がいないせいでずっと大騒ぎで探して来いって追い出されたし。」

戦士「どこ行ったかなぁ・・・。あ、そうだ。以前旅の途中であいつに貰ったコレがあった。」

戦士「どう使うんだったか・・・えーと・・・やべぇ、思い出せねぇ。なんていったっけなぁ・・・」

・・・・・・・・。

勇者「遅すぎるよ!戦死くんになっちゃったのかと思ったよ!はい!これ!」

戦士「え、なんぞこれ。」

勇者「これ僕の記憶を結晶化したもの!何してたか見れるから見てね!」

戦士「お、おうあとでな・・・」

勇者「今!」

戦士「え、えぇー・・・休ませろよ・・・」

勇者「あとコレ!」

戦士「こっちはなんだ?」

勇者「転送魔法とかの応用で作った魔法道具で、声だけどんなに遠く離れていようと届ける事が出来るもの。」

戦士「すげーな。でも俺魔力ないぞ。」

勇者「無くても使えるの!!というか魔力あるならテレパシーあるからこんなのいらないし!」

戦士「大事に持っとくわ。今後はちゃんと連絡取れるように。」

勇者「使い方は体で覚えて!トイレいくときでもそれ使えるようにしててね!」

戦士「いやさすがにそれは嫌だわ!!」

・・・・・・・・。

戦士「・・・・って感じで渡されて散々使ったけど、飽きたのか途中から放置だったんだよな。」

戦士「もう使い方忘れちまうとかどんだけ興味ないんだ俺は。今は必要だし、どうにかしないと」

戦士「あー、だーめだ!うんともすんともいわねぇ!何をどうして俺はこれを使っていたんだ!こういう時に限って…」

ブゥウウウウン・・・・

戦士「…あぁ、思い出したわ。これ向こうからしか起動できないんだ。道理でわからない訳だ。」

戦士「…姫?」

姫「はーい、戦士くん。おひさ!」

戦士「ノリ軽!!」

姫「こっちの準備は整いつつあるよー。」

戦士「何の話だよ。姫辞めるにしても唐突じゃやめられんだろうに。」

姫「うん?簡単に辞められるよ。姫以外になればいいだけなんだから。」

戦士「何を言ってるんだよ。早く戻ってこい。俺城に入れねーんだよ。」

姫「あー、そうなっちゃうかー。まぁ僕は無事だし、ゆっくり休んでからおいでよ。」

戦士「おいで?どこにだよ。」

姫「ヒント:エルフく…ちゃん」

戦士「エルフ?エルフがどうしたんだよ…」

姫「じゃ、またね。あ、そうそう。戦士くんさぁ…きっと、勇者の器だと思うよ」

戦士「は?おい!ちょ…ダメだ、停止した。…最後の言葉どういう事だ?」

戦士「金だけは持ち歩いててよかったぜ…最近城暮らしだったからちょっと狭く感じるが、野宿よりはましだ。」

戦士「宿屋に泊まるなんて冒険の時以来だな…。」

戦士「ほんのちょっと前なんだよなぁ。昔のように感じる…」

戦士「…とか考えてる場合じゃねーか。早く寝てさっさと姫の元へ向かわないとな。」

戦士「とりあえずエルフがどうとか言ってたし、まずは会いに行くか…」

戦士「Zzzz・・・・」

戦士「ン…あれ。なんだここ。真っ白で何にもねーな。宿に泊まってた筈なのにどこだここ。」

戦士「てか…いや、これもしかして夢か?どうも現実味がねーな。」

「そうです。私は貴方の夢でしか貴方に会う事が出来ないのでこうして来たのです。」

戦士「…アンタは誰だ?」

「細かい説明はあとで。“勇者”よ、旅立ちの時です」

戦士「は?勇者?え、俺が?って事はこれお告げ!?」

「細かい説明はあとで。“魔王”が再びこの世に現れたのです。それを打倒す事が貴方の使命です」

戦士「(あいつもこんな感じで勇者になったのかねぇ。つーか俺が勇者になるとは……)」

戦士「って、魔王復活!?ウソだろどうやってだ!?」

「説明する時間はありません。すぐ、旅立ってください。幸運を祈っています。」

戦士「え、ちょ、おい!あとで細かい説明っていってたのはどうなったんだよー!!」

戦士「待て!…って、宿屋のベッド…って事は起きちまったか。」

戦士「それはそうと…なんかやべぇ気がする。」

戦士「ガキの一言程度でいきなりアイツとんでもねぇ事やらかしたんじゃねーか?」

戦士「すぐにでも、会いに行かなきゃならねぇ。貰った情報は結局あいつの言葉だけ。エルフ…」

戦士「・・・・!エルフの家って言えば…元魔王が住んでるじゃねぇか!なんですぐ気付かなかったんだよ!」

戦士「くそ!すげーいやな予感しかしねーけどいくしかねぇ!」

~南の国~

戦士「特に変わった様子はねぇが…エルフの家に行くまではまだ安心できねーな」

エルフ「えっと…あとこれと…」

戦士「とか言ってたらエルフいたし!おい!」

エルフ「!貴様!どういう事だあれは!!」

戦士「何があった!!姫は一人で行方をくらましてるんだ!探してる!」

エルフ「何がも何も…とにかくこい!!」

戦士「元々そのつもりだ!!」

魔王「…あぁ、勇者の仲間の。戦士だったか?」

戦士「どういう事だよこれ…なんでお前、手足が無くなってんだ。」

魔王「やっぱり聞かされてなかったんだな?アイツはそういう隠し事が多いな。」

戦士「その状態でよく普通にしゃべってられるなお前…でも、聞かせてくれ」

戦士「何があった?」

魔王「薬塗って、包帯変えながら話してもいいか?すまんな、エルフ頼む」

エルフ「待ってろ。」

戦士「おう…」

姫「魔王。」

魔王「久々だな。まぁもう魔王と呼ばれるのも違和感だがな。こんなだし。」

姫「じゃぁ新しい魔王は?」

魔王「あー。さぁな。かなり過酷な魔王の試練を受けなきゃならんからあんま皆なりたがらないんだよな」

魔王「試練を越えて、その上で魔王が存命なら勝負して勝ったら魔王だ。すでに魔王がいなければその時点で魔王」

姫「そっか。それを聞こうと思って来たから全部説明してくれて手間が省けたよ」

魔王「そうか。なぜ聞こうと・・・・」

エルフ「あれ?勇者じゃないか。いったいどこから来たんだ?気付かなかった」

ゴォオオ!!

エルフ「うわっ!!なんだ!?」

魔王「勇者が飛び立っただけだ。あーあ。部屋が今の風でめちゃくちゃだ。」

姫「魔王。」

魔王「さっきぶりだな。行き成り何処に行ったんだ?…ん?さっきより魔力が上がったようn…!?」

姫「勝負しよう。」

魔王「それは…その腕に浮かんだものは…試練を越えたもののみ得られる闇の紋章…!?」

魔王「どういうつもりだ!勇者のお前が魔王の試練を越えるなど…いや、それよりたったこれだけの時間で試練を…!?」

姫「話、聞いてる?勝負しよう」

ガシッ

魔王「ガッ…ぐっ…貴様…」

姫「細い首だね。簡単に折れちゃいそう」

姫「魔王を僕が継ぐ。だから、君を倒さないとね。」

魔王「く…ならば私も本気で…かかるしかないな」

シュンッ

四天王A「魔王様!」

四天王B「おいどういう事だコラ!」

四天王C「少々オイタが過ぎるのでは?」

四天王D「殺してやろう…」

姫「そうか、君の本気と言えば四天王か。まぁ今人間だもんね。力なんてないものね。」

ジャキッ

四天王達「!?」

姫「金属になるのもゼリーになるのも変幻自在って事はさぁ。触手の先だけ刃物に変える事も出来るんだよね。」

姫「剣はもう必要ない…いつでも出し入れ出来る無数の剣がここにあるからねぇ。」

姫「もう誰から先に来るとか聞かないよ。全員この場で、僕に“負けて”貰うから」

四天王達「た、ただで負けるとでも・・・・」

姫「思ってないんだ?じゃぁ体で、ね。実際にどうなるか見て貰おうか」

魔王「という事だ。反撃が不可能なレベルにされた時点で敗北だからな。そこで魔王の座は奴が持ってった。」

戦士「…四天王達は?」

魔王「まだ起きないままだ。手足が無くならなかっただけマシと思うが。」

エルフ「私が最初から危惧していた事だ!これだからやはり人間は…!魔物は…!!!」

魔王「何があった?何にもなしに突如こうはならないだろ…」

戦士「大体かくかくしかじか。で、伝わる?」

魔王「把握した。何かトラウマにでも触れたのか?かなり唐突だ。」

戦士「多少のことで揺らぐ奴じゃないと思ってたのに…いったいどうしたんだか」

魔王「魔物化の影響が今出たかなぁ。」

戦士「影響…?」

魔王「魔物は感情の起伏激しいからな。魔王はそうでもないものだけど。」

戦士「そうなのか…?」

魔王「で、だ。新しい勇者は誰になったんだ?出てきてんだろ?」

戦士「あー…俺だ」

魔王「倒せないんじゃないのかそれ…大丈夫か?」

戦士「どういう意味で『大丈夫か?』だ?どういう…。とりあえず旅立つしかあるまいなぁ。」

魔王「どこに?何も聞いてないんだろう。」

戦士「なんとなく、色々回ってみる」

魔王「あ、おい…戦士?戦士ー」

魔王「いっちまったか…。」

エルフ「…。」

魔王「そうだなぁ、気になるな。」

エルフ「何も言ってない。」

魔王「相当ショックだったんだろうな。目に覇気もなかったしなぁ。」

エルフ「何も言ってないって。」

魔王「魔物の上位の者は、人を誘惑する為に人の心をある程度見透かすんだよ。」

エルフ「人じゃない。」

魔王「でも見えるんだ。ほら行け。」

エルフ「……」

たったったった…

魔王「ん…まぁ普段より素直か。」

戦士「(ほんの数日前、普通に笑い合ってたじゃねぇかよ。)」

戦士「(なんでこんな簡単に崩れたんだよ)」

戦士「(慣れたって言ってたじゃねぇか)」

エルフ「おい…!!」

戦士「…ん?なんだエルフ。魔王はあのままでいいのか?」

エルフ「一人でいく気か!!」

戦士「質問に質問で返すなってセリフ知らない?」

エルフ「知るか!一人でいくなんてふざけるな!」

戦士「その上答えも待たないのかよ。」

戦士「えー、つまり。ついてくると。」

エルフ「そういっただろう!」

戦士「いいえ、散々に暴言吐かれてやっと読み取りました。」

エルフ「細かい事を気にするな。行くぞ!」

エルフ「あんな残虐な事を平気でやる魔王を放っては置けない!!」

戦士「やられたのも魔王と魔王の一派だけどね!?」

エルフ「細かい事は気にするな!行くぞ!」

戦士「え、答えがループする質問とかなかったよね!?」

戦士「所でどこに行こうとしてるんだ?俺も目的は無かったが…お互いそれはどうかと」

エルフ「バカにするな。ひとまず、西の国だ」

戦士「西?」

エルフ「魔王に以前聞いたんだ。魔王の登場はどの魔物であろうと感じ取れると。」

戦士「西といえば…リザードさんの国か。」

エルフ「伝令なんかも送れるらしいんだよ。精神に直接。関わってないにせよ、それで何か聞いてるかもしれない」

戦士「なるほど、確かにそれだと確実だな。急ごう。」

エルフ「…前衛は任せた」

戦士「あぁそうか、君あんま強くないんだった」

~西の国~

戦士「…この荒れ様はなんだ」

エルフ「既に手を打たれていた…か…」

戦士「アイツが、アイツが西の国を…?」

エルフ「人の気配もないし、辺りに焦げた臭いがする…炎系や爆発系の呪文で一瞬って所か…」

戦士「何でここまで…」

エルフ「…感傷に浸るのはあとにしよう。生存者を探す。リザードさんの安否…も気になる」

戦士「お前案外頼りになるな。」

エルフ「エルフは森の賢者だからな。」

リザード「…よう、来たか。」

戦士「え!リザードさん!無事…」

リザード「じゃねぇよ!ハハハ…」

戦士「何で磔にされてるんだよ…」

リザード「見せしめ、だとよ。俺も魔物の中じゃぁ結構生命力ある方だが、つらかったぜ。お前らが来るまでに死ぬかと思った。」

戦士「すぐそれ外して…」リザード「いいから」

リザード「とりあえず俺の話聞いとけ。結構大事な話だ。」

戦士「・・・・エルフ」

エルフ「聞いとくべきだろう…。彼はもう…」

戦士「…」

リザード「魔王の送ってきた言葉はこんなものだ。」

『全ての魔物に告ぐ!新たな魔王は、元は人間であり勇者、今は最強の魔物だ!』

『私が望むものはそう多くはない!まずは私を裏切った人間どもを滅ぼす!軟弱な前魔王とは違う、徹底的に滅ぼしてやる!』

リザード「この時点で多くの魔物が沸いたな。それも全員伝わるからうるさいんだよな。」

リザード「…その後悲鳴に変わったけどな。…その後に続いた魔王の言葉で。」

『次に…魔物の滅亡だ。私が人間の頃に、両親を魔物にやられたのでな!復讐だ!いくらでも我が城に来るがいい!全員潰してやる!』

『最後に、私のこれは命令だ。聞く奴は助けてやる。特に…私と面識のある…リザードマン。君に聞いて貰いたい』

『東の国の城を破壊しろ』

リザード「それ以上言葉が来る前に俺は即座に断った。その結果がこれだ。」

戦士「そのあとは…」

リザード「伝令はここまでだった…何かヒントになればいいが…」

エルフ「…東の国の城に何かあると考えていいな。」

戦士「いや、それも気になるが…」

エルフ「ん?」

戦士「…いや、今はいいか。」

エルフ「なんだよ…」

リザード「それより急いだ方がいい。伝令で助かりたいが為に城を襲う魔物も居る筈だ。勇者のいない今…町も危ない」

戦士「その前に回復を…」

エルフ「戦士。さっきもいったろう…」

戦士「…。」

リザード「そういう事だ。もう俺はこのままでいい。急げ」

リザード「というか早く行け。お前らの前で死に顔みせたくねーんだよ。カッコつけさせろ」

戦士「・・・・あとで必ず戻ります。」

リザード「戻るな。行け!!」

戦士「はい!!」

戦士「今更だが…そこらの草むらで殆ど魔物を見かけないんだよな」

エルフ「そういえばそうだな」

戦士「今までは四天王が抑えてたからだが…今はそれだけじゃないな」

エルフ「間違いなく、東の国へ向かっていったのだろう。…あの伝令というのは猛獣にも伝わるんだろうか?」

戦士「伝わらなきゃ命令出来ないだろうからな…。伝わってるんじゃないか?」

戦士「しかし、魔物が出ないとこうも早い冒険なんだな…東の国、はやくも見えて来たぜ…」

~東の国~


兵士「戦士殿!!」

戦士「あんた城の兵士か!何故こんな入口に?」

兵士「私だけではないです!さっきから大量の魔物が国を襲ってきていて…!」

兵士「すべての兵士が国中で戦っている所です!私はここで新たな魔物が来ないか見ていて」

戦士「チッ!やっぱりもう襲われてたか…!」

兵士「一体それはどういう…」

戦士「西の国で聞いてきたんだ!東の国が狙われていると…今すぐ城にいかなきゃならねぇ、入れるかな?」

兵士「城は今誰もいないです。姫様もいないですし…人命優先で城の守りは全く…」

戦士「雑だな!戦い慣れして無さすぎだろ!!行くぞエルフ!」

エルフ「ここは私に任せろ。転移の呪文くらいは覚えたぞ!短い距離ならな」

戦士「魔物に会わずに城まで行けるって事か…街も何とかしないとだが後回しにするしかないか…頼むぞ!」

兵士「あれ、戦士殿その娘は一体…って消えたぁ!?」

戦士「あ、やべぇ。エルフのこと兵士に伝えてなかった。知らない奴を連れて城いくとめんどいんだよな」

エルフ「どうせ今はもぬけのカラなんだろ?大丈夫だろ」

戦士「それもそうか。しかし魔物だらけだな」ザシュッ

エルフ「えっ?」

戦士「あぁすまん。敵が来てたから倒した。返り血浴びた?」

エルフ「あぁ…いや…まぁ気にしない(今気配も無い敵を見る事無く斬ったぞ…)」

エルフ「(こいつ、勇者が強すぎて気づかなかったが…実はかなり強い…?)」

戦士「っと、今度はエルフの後ろあぶねーぞ」

エルフ「え、うわぁあ?!」

戦士「魔物がかなり入り込んでるが、破壊されてる箇所が少ないな…」

エルフ「低級な魔物とか位しか怯えて命令に従ったりしないからだろう。」

戦士「壊すほど力が無いわけか…。」

エルフ「それでも気配を消す程度のは居るから注意だな」

戦士「え?消してんの?気付かなかった。」ザシュッ

エルフ「…。それで、どこを探すんだ。何かあると踏んで来たんだろ?」

戦士「うーむ…まずは姫の部屋かな。確実だろ。」

エルフ「隠す気ならそんなとこに置かないと思うが…」

戦士「ここが姫の部屋だ。…ん?何か音が…」

「くそ!全然壊れねぇ!」

「そもそも触れねぇしよ!壊せる気がしねぇよ!」

エルフ「?何があるんだ?」

戦士「もしかして…」ガチャッ!

魔物「チッ!何か来たぞ!とりあえず殺s…」ザシュッ

魔物2「うわっ!ちょ、待て!待…」ザクッ

エルフ「お、おい!戦う気がない奴まで殺す事…」

戦士「いや殺してねーよ。峰打ちってやつだ。魔物だからかなり深く斬らなきゃダメだがな」

エルフ「(斬ったら峰打ちじゃないのでは…)

戦士「もしもの時には、魔物達も味方に成り得るから殺しはしねぇ。」

エルフ「そうか…そういえば姫は魔物も人間も滅ぼすつもりだったんだよな…」

戦士「で、こいつらが壊そうとしてたのは…これか。」

エルフ「そ、それはまさか…!」

戦士「勇者の装備だな。伝説の剣と鎧。で、盾か。」

エルフ「なるほど、これがあるから破壊しようと…ん?何か外が騒がしいぞ」

戦士「外?まさか魔物がさらに…!?」

「逃げろ!とにかく逃げるぞぉおお!」

「どこに逃げるんだよ!?あんな魔王から!」

「知るか!逃げるったら逃げるんだよ!!」

戦士「なんだ?一体何の騒ぎなんだ…」

兵士「あ、戦士殿!こちらに居られましたか!」

戦士「兵士さん。一体これは何が…」

兵士「判りません。突然に魔物達が一斉に逃げ出して…。言葉が話せる魔物は口々に”失敗した”とか”魔王から逃げなければ”と…」

戦士「(失敗!?…もしかして俺達の動向がバレてるって事か!?)」

エルフ「やはり、破壊したかったのはこの勇者の装備を隠す為だったのか…」

兵士「あ、戦士さん!その娘は一体何者ですか!」

戦士「あーえっと…俺の仲間だ。魔王討伐のための。」

兵士「そうでしたか」

エルフ「(それだけでいいんだ…)」

戦士「兵士さん、俺今から魔王討伐に行くんで…街を守る事は出来そうにないです」

兵士「そもそも今まで姫が守っておられましたしね」

戦士「あっさりそういう事言わないでくれる!?結構傷つくよ!?」

エルフ「その姫が魔王なんだがな。」

戦士「ちょ!!」

兵士「…今何と?」

エルフ「この国の姫が魔王となったんだ。西の国は早速壊滅状態だ」

兵士「そんな…もうだめだ…」

戦士「いや勇者居るから!もうダメとか言わないで!」

兵士「あの人が魔王になって勝てる人間なんて居る訳ないでしょうがぁ!アホかお前は!!」

戦士「ちょ!俺一応アイツの旦那!!お前より立場上!」

兵士「知るか!もうどうせ皆滅ぶんだよヒャハハハハハハ!!全部壊れちまえヒャッハアアァアア!」

戦士「あ、おいちょっと!」

エルフ「あんなにまじめそうな奴だったのに…人間とは判らないな」

戦士「お前のせいだぞ!?てかこれヤバいんじゃね?」

「ひゃははははははは!!」

戦士「ほらもう早速街のあちこちから壊れた笑いが!国民パニック所か人生諦め始めたよおい!」

エルフ「勇者が魔王に勝つ事なんて微塵も考えてないな。」

戦士「勇者にもう少し期待しろよお前ら!!俺だけどさぁ」

エルフ「尚更すぐに魔王を倒さないといけなくなったな」

戦士「お前のせいでな!黙っとこうと思ったのにもう…余計な事を」

エルフ「知らないでいるのが許せなくてな。」

戦士「意味わかんねーよ…つーか次はどうしたもんかなぁ」

エルフ「北の国に行ってみるのはどうだ?」

戦士「北?あぁ、そういえばあそこは前…魔物側に寝返ってたな」

エルフ「うむ。そう聞いてる。そんな場所なら今頃何かやろうとしてるかもしれないじゃないか」

戦士「なるほどな…行ってみるか…。もしもの時は協力を仰がなければな」

戦士「おい…どういう状況だこれ。」

エルフ「見ての通りだな。」

戦士「見ての通りか…城壁は前よりずっと強固になって、武器だのなんだの見たことも無いようなものが装備されてるが」

エルフ「凄いな。これから戦争といった感じだ」

戦士「っていうかどこの技術だよこれ!何か時代を間違えてる感じがするぞ!」

「おや、いったいどんな来客かと思えば…最近新しく現れた勇者殿では?」

戦士「どこからか声が聞こえてきた!?」

エルフ「上の方からだな。あの変なのか」

「拡声器って言うんだよ。まぁ今から扉を開けるから中に入りな」

戦士「これは…街の人皆武装してるし、しかも魔物も居るぞ??」

町民「どうもどうも。」

戦士「えっと、これはどういう?」

町民「もちろん昔と同じく、魔物と協力してるだけだよ。お互いの技術を提供しあってな」

町民「人間からは農耕なんかを。魔物からは機械の技術を。知能の高い魔物は機械を簡単に扱うものでね」

町民「外の侵入者用のセキュリティーとか見たかい?レーザー光線にミサイル、センサーによる敵の感知で動くんだ。」

町民「カメラで相手を見る事も出来るし、それから…」

戦士「ごめん、何一つ何言ってるか判らない。」

戦士「とりあえず、その武装でこの村の人間は…」

町民「ああ、魔王と戦うつもりだ。魔物と共にな。勇者殿が来てくれたのは都合がいいよ」

戦士「都合がいい?」

町民「お互い修行しあってさらなるレベルアップが望めるだろう。という事で頼むよ」

戦士「え、ちょ、待っ…お前ら卑怯者かと思ったらこんなに向上心溢れる奴らだったの!?うわーあー」

エルフ「…戦士が連れ去られてしまった!?」

魔物「おや、エルフのお嬢ちゃん。勇者殿の連れかい?ここにエルフはいないからな」

エルフ「まぁそうだが・・・」

魔物「なら君もやれる事はやらないとな!さぁ修行だ!」

エルフ「や、やめろ!私は魔物と修行など…」

魔物「いいからいいから。ぶっちゃけ俺だってエルフ嫌いだけどそんなの言ってられるかよ。魔王を倒す為だからな」

戦士のレベルは最大まで上がった!エルフのレベルが上がった!

戦士「話をする暇すらなく、ひたすら修行した結果がこれだよ」

エルフ「そうか、私もそんな感じだよ。」

魔物「これで、この町挙げて進軍出来そうだよ。」

町民「感謝するぞ。さぁ、すぐさま行こうじゃないか」

戦士「なんか以前よりも圧倒的に話が通じない感じになっちまったなぁこの町…。」

エルフ「悪く扱われないだけマシだとは思うがな。」

魔物「所でエルフのお嬢ちゃん」

エルフ「ん?」

魔物「君、なんか魔法使いとか僧侶とかじゃなさそうだね」

エルフ「え?」

戦士「どういう事だ?」

魔物「魔法をあまり使えないんだよな。結構修行したのに。」

魔物「それに、剣も使うようでな」

戦士「剣?聞いた事ねぇぞ?」

エルフ「お前が居る前で戦った事なかったからな。元々使うぞ。何か得意だから」

魔物「要するに、魔法剣士向きなんじゃね?っていうかそうなんじゃね。」

戦士「そんな職知らなかった…」

魔物「これまで魔法使いとか向きの修行ばかりしてたから…途中で成長が止まったんだな」

魔物「これから剣士向きの修行もするから君は居残りだ。で、勇者殿は我らの軍勢と共に魔王の城へ!」

戦士「エルフも俺も拒否する暇すらなく無理矢理連れ出された件について。」

戦士「勇者パーティが勇者ひとりって寂しすぎる。あ、軍勢がいるんだったか」

町民「我々は周りを固めますので、勇者殿は魔王を!」

戦士「おい!それ明らかに捨て鉢じゃね?もしもの時には逃げるんじゃねーのかお前ら」

町民「そりゃそうでしょう」

戦士「臆面もなくあっさりとてめぇ!!」

町民「ともかく、さっさといってさっさと魔王を仕留めてくる。お願いします!」

戦士「あっさりといってくれやがる!!」

戦士「…結局心の準備もできねぇままに、来ちまったよ。」

戦士「またこれ、急展開とか投げっぱなしとか言われるような展開じゃねーか」

戦士「さらにトラップの類とか全くねーんだな。」

戦士「護衛の魔物とかすらいねぇ。そりゃそうか。」

戦士「今や魔王は魔物とも人間とも敵対してる訳だからな…。」

戦士「一直線で、魔王の間に行けちまう。」

戦士「・・・・。」

戦士「俺でさえもあいつは殺すんだろうか。いやまぁ、散々殺されてるけども。」

戦士「いきたくねぇ。だが、あとにはひけねぇ」

戦士「ええいもうヤケだ糞!」

ガチャッ!

姫「あ、戦士くんやっときたー!いらっしゃーい」

戦士「軽ぅーい!!やっぱり軽い!勇者と魔王の相対なのに!」

姫「まぁ、余裕だしな。」

戦士「ちくしょう」

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