マリ「指令以外のメールって初めて」(137)

マリ「……」カチカチ



『やっほー!』


『……えっと?』


『元気?』


『元気ですけど……すいません、どちら様でしょうか?』


『えっ、ひどい。メールするって言ったじゃん』


『もしかして、真希波?』


『せいかいっ!』

マリ「……」



『そっちのアドレスも教えてくれてたら、すぐに分かったのに』


『そういうもんなの?』


『うん。こういうメールしたことないっていうの、本当だったんだ』


『ホントだよー。わんこ君に、私の初めてプレゼント!』


『……狙って言ってる?』


『バレた!』

マリ「……」



『勝手なイメージだけど、真希波って慣れたら顔文字すっごく使いそう』


『顔文字って?』


『こういうやつ(^O^)/』


『あっ、いいな! 私も使いたい!』


『そういうボタンない? もしくは『顔文字』で変換』

マリ「……」オー



『でけたO(≧▽≦)O』


『おめでとう』


『ヽ(^◇^*)/』


『可愛い』


『照れるr(^ω^*)))』


『真希波がじゃなくて』

マリ「……」



『私は可愛くないの(´・ω・`)』


『そういうわけじゃないけど(´・ω・`)』


『真似しないでヾ(ーー )』


『真似してないよヾ(ーー )』


『(・ε・)ムー』


『(・ε・)ムー』

マリ「……」フフッ



『わんこ君がメールだと生意気( ̄□ ̄;)!!』


『普段の僕と変わんないよ』


『わんこ君は、いつもはもっとワンコしてるわん』


『してないわん』


『すぐ真似するー(≧ヘ≦)』


『ごめん』

マリ「……」ゴロゴロ



『わんこ君は今なにしてる?』


『家で宿題やってる』


『もしかしてお邪魔(T_T)』


『ううん、ペンだけ持って宿題やってる風を装ってる』


『なにそれ!』


『こうしてないと、アスカにゲームに付き合わされる……』

マリ「……」



『やったればいいじゃん(゚ペ)?』


『僕が勝つと怒るし、負けるとすっごいバカにされる』


『うわっ、姫っぽい(^∇^)』


『前から聞きたかったんだけど、その姫ってなに?』


『姫は姫だよ(・w・)??』


『分かってるけど、どうして姫なのかなって』

マリ「……」



『お姫様っぽいじゃん!』


『あー。……うーん?』


『(・_・?)』


『姫っていうより、女王様って感じ』




マリ「……」ククク


マリ「……!」

マリ「……」



『ひめ~(*´ω`*)』


『は? 誰?』


『( ^ω^)マリだよ』


『ああ……何の用よ?』


『今、わんこ君とメール中だわん』


『だから?』

マリ「……」



『わんこ君が~、姫は女王様みたいだって~(⌒▽⌒)アハハ!』


『マジ?』


『マジ~ヽ( ̄▽ ̄)ノ』


『情報感謝』


『Good Luck!』

マリ「……」



『ちょっと』


『( ̄ー ̄?)』


『アスカにお尻、叩かれたんだけど』


『Σ(・口・)』


『真希波からのリークだって言ってた』


『(>▽<;;』

マリ「……」アハハ



『アスカの機嫌損ねると大変なんだから、勘弁してよ』


『わんこ君は姫マスター(`・ω・´)』


『ばれちゃったか』


『姫の今日のパンツの色はo(^∇^)o』


『水色』


『(ノ゚ο゚)ノオオオオォォォォォォ-』


『冗談だよ』


『(/_<)』

マリ「……」



『あっ、ヤバイ』


『どしたん?』


『アスカが動き出した』


『( ・◇・)?(・◇・ )』


『サボってるならゲームしろって言いだすと思う』


『Σ(|||▽||| )』


『まいったなぁ』

マリ「……」ンー



『なら、ウチ来る?』


『イクイクー』


『本気で聞いてるヾ(-д-;)』


『真希波の家? いいの?』


『(゚ー゚)(。_。)ウンウン』


『助かる』


『地図送る(=゚-゚)ノニャーン♪』

俺「お!地図きたきたなんだすぐそばじゃないか」

マリ「……♪」



『今すぐ行っていいの?』


『∑d(≧▽≦*)』


『おみやげはなにが良い?』


『(*>ω<)oアイス~』


『了解』


『待ってるよー!』

俺『まってってねチュ///』

シンジ「えっと」

シンジ「ここで……いいんだよね」

シンジ「よし」



ピンポーン



―――『はーい』


シンジ「すいません、碇シンジです」


―――『あいよー』

ガチャ


マリ「やっ、わんこ君!」

シンジ「なんとか迷わずに来れたよ」

マリ「そいつはなにより!」


シンジ「えっと……入っても良いかな。アイス溶けちゃうし」

マリ「だめー」

シンジ「えっ」

マリ「わんこ君は何気に、私の私服見るの初めてだよね?」

シンジ「たぶん」

俺「アイス買ってきたよこれで良かったかな?」

俺「俺?俺は初めてじゃないよ?」

マリ「そういう時は、なんて言うんだ?」

シンジ「えっと……」

マリ「ん?」

シンジ「か、かわいい?」


マリ「せいかい! どうぞどうぞ」

シンジ「お邪魔します」

マリ「いらっしゃいませ、ご主人さま―」

シンジ「それはちょっと違うと思うけど」

マリ「ふふっ、そだね」

シンジ「わっ、広い」

マリ「でしょ? 広すぎて困る」

シンジ「この部屋、いくらぐらいするの?」

マリ「わっかんない」

シンジ「えっ」

マリ「なんかー、上の人? が払ってる?」

シンジ「上の人……?」

マリ「しかも掃除とかしてくれるお手伝いさんがいる」

シンジ「すごいね」

マリ「過保護なんだよねぇ」

俺「ご主人様だなんてそんなの照れるよ///ヌカポォォォォ

俺「清掃員?僕だけど?下着がなくなってたら言ってね、返すからね!」

シンジ「そうだ、アイスどうする?」

マリ「いま食べる~」

シンジ「じゃあ、これ」ガサッ

マリ「うわっ、ハーゲンダッツじゃん!」

シンジ「新発売のがあったから」

マリ「中学生のくせに生意気だにゃー」

シンジ「こんな部屋に住んでる真希波が言うなよ」

マリ「それもそっか。ここ座って」


シンジ「うん」ストン

マリ「よいしょっ」ストン

シンジ「……えっと」

マリ「なに?」

シンジ「近くない?」

マリ「嫌?」

シンジ「そうは言わないけど」

マリ「じゃあ、いいじゃん」

シンジ「いいのかな……」


マリ「わっ、これ美味しっ!」

シンジ「よかった」

マリ「ショコラルージュ……私のメガネの色に似てる」

シンジ「僕も思った」

マリ「わんこ君は普通のバニラ」

シンジ「うん。一番好きなんだ」

マリ「照れる」テヘヘ

シンジ「真希波のことじゃなくて」


マリ「あーん」

シンジ「えっ」

マリ「一口欲しい」

シンジ「ええー……」

マリ「あーん!」

シンジ「わ、分かったよ!」

マリ「美味し~。定番は定番だねぇ」

シンジ「そうだね」

マリ「ほい、あーん」

シンジ「……え?」

マリ「私が一口貰ったんだから、わんこ君にも貰う権利がある!」

シンジ「い、いや、僕はいいよ」

マリ「私のくちびるの味がするよ?」

シンジ「食べにくいよ!」

マリ「あーん」

シンジ「……もうっ!」パクッ

シンジ「わっ、本当に美味しいね」

マリ「なにが?」

シンジ「アイスに決まってるだろ」

マリ「そうかそうか」

シンジ「はぁ……」


マリ「それ、なに?」

シンジ「ん?」

マリ「かばん」

シンジ「ああ、宿題だよ」

マリ「宿題?」

マリ「わんこ君は人んちに来といて、黙々と宿題をやる気なんだ?」

シンジ「……やっぱり、駄目かな?」

マリ「うんにゃ、ぜんぜん」

シンジ「ありがとう」


マリ「じゃあ、私は一人で寂しいからメールでもしてよっと」

シンジ「誰と?」

マリ「姫と」

シンジ「アスカと?」

マリ「うん」


シンジ「……余計なこと、言わないでよ」

マリ「言わん言わん」

マリ「……」ゴロゴロ



『ひめ~(*´ω`*)』


『またアンタ? 何の用よ?』


『I Love You.』


『ごめんなさい』


『(ノ゚⊿゚)ノ即答!?』


『きっと、もっと相応しい人がいるわ』


『やさしい嘘(ρ_;)』

マリ「……」



『バカシンジしらない? さっきメールしてたんでしょ?』


『私の家にいるよ( ^ω^)』


『マジ?』


『マジ』


『逃げやがったな』


『わんこ君がエッチな目で私を見てくる(;д;)』


『嘘ね』


『(/ω\)』

マリ「……」



『アイツはムッツリだから、見てるとしてもバレないようにやってるわよ』


『姫はわんこ君マスター(`・ω・´)』


『ばれちゃったか』


『わんこ君の好きなアイスは(‥ )?』


『バニラ味』


『当たってる( ̄□ ̄;)』


『とーぜん』


『""ハ(^▽^*) パチパチ♪』

マリ「……」オー



『ていうか、ムカツク』


『(o・ω・o)?』


『なんで私より先に、バカシンジがアンタの家に行ってるのよ』


『姫も来る(≧∇≦)!?』


『遠慮しとく』


『(´・ω・`)』


『今度行く』


『ヾ(*ΦωΦ)ノ ヒャッホゥ』

マリ「……♪」



『今なにしてんの?』


『わんこ君は宿題やってて、私は隣でゴロゴロ⊂(-ρ-⊂⌒`つ』


『それ、楽しいの?』


『(゚-゚*)(。。*)ウンウン』


『よく分かんない』


『わんこ君の空気が良い(≧▽≦)』


『ちょっと分かる』

マリ「……」フフッ



『ひめ~(*´ω`*)』


『なによ?』


『今日のパンツは水色( ̄ー ̄)?』


『……なんで知ってんの?』


『わんこ君が言ってた(=^・^=)』


『殺す』

マリ「わんこ君、わんこ君」

シンジ「ん?」

マリ「姫が殺すって」

シンジ「なに言ったんだよ!?」


マリ「それにしても、姫とわんこ君は仲いいね?」

シンジ「そうかな?」

マリ「そうだよ」

シンジ「うーん、一緒に住んでるから、少しはね」

マリ「……」

マリ「わんこ君はさぁ」

シンジ「うん」

マリ「姫のこと、アスカって呼ぶよね」

シンジ「そうだね」

マリ「他の人は、そういう風に呼んでないのに」

シンジ「まぁ……うん」

マリ「どして?」

シンジ「……許可されたから?」

マリ「そうなの?」

シンジ「うん」

マリ「じゃあさぁ」

シンジ「……?」

マリ「私のことも、マリって呼んでいーよ」

シンジ「い、いや、いいよ」

マリ「えー、呼びなよ」

シンジ「それはちょっと……」


マリ「呼んでよ」

シンジ「……!」

シンジ「……」

マリ「……」

シンジ「……」

マリ「……」


シンジ「えっと」

マリ「……」


シンジ「マリ」

マリ「……」

シンジ「……」


マリ「シンジ」

シンジ「……!」


マリ「……」

シンジ「……」


マリ「ふへっ」

シンジ「……!?」

マリ「ふへっ、ふへへへへへへへっ!!」バタバタ

シンジ「えっ!?」


マリ「ムリムリムリムリ!! なにこれ! あはははは! なにこれ、はっず!!」バタバタ

シンジ「おちつい」

マリ「うわ、顔熱い! 脳みそとける!! 死ねるっ!!」バタバタ

シンジ「ま、マリ!?」


マリ「呼ぶなーっ!!」ゲシッ

シンジ「いたぁっ!?」

マリ「あ……ごめん、大丈夫?」スッ

シンジ「ううっ、酷いよ、マリ」


マリ「うああっ!?」ドンッ

シンジ「わっ」

マリ「あ、あああ、あああああ……」ヨロヨロ

シンジ「……?」


マリ「うああああああああっっ!!!」ダダダッ

シンジ「……ええー……」

シンジ「どうしよう」


シンジ「……!」ブルブル

シンジ「メール」

シンジ「……マリだ」



『g』



シンジ「……?」

シンジ「……!」ブルブル



『ミスった……あと、ごめん、わんこ君。今日は帰ってもらえないかな?』


『いいけど、大丈夫?』


『駄目かも』


『どうして?』


『顔戻んなくて、見られるの恥ずかしい』

シンジ「……!」



『分かった。じゃあ帰るね』


『うん、ごめんね』


『気にしないで』


『また来てくれる?』


『また、アイス買ってくるよ』


『ヾ(@^▽^@)ノ 』

エピローグ



アスカ「んー、チョコおいしーっ!」

マリ「アイスを食べる姫も可愛い」

アスカ「なに言ってんの?」

マリ「んふふ」


アスカ「ていうか」

マリ「ん?」

アスカ「なんで、バカシンジもいるのよ」


シンジ「えっ」

シンジ「僕がいちゃ、いけないの?」

アスカ「いけないわよ」

シンジ「アイス買ってきたの、僕なのに……」

アスカ「アイスだけ置いて帰ればいいじゃない」

シンジ「傍若無人にもほどがあるよ!」

アスカ「冗談よ。美味しいアイスに免じて存在を許可するわ」

シンジ「勝手だなぁ……」


マリ「……」

マリ「姫とわんこ君は、ホントに仲いーよねぇ」


アスカ「は? やめてよ、こんなやつと」

マリ「またまた、そんなこと言っちゃって」ウリウリ

アスカ「やめてってば」

マリ「はー、姫可愛い……」

アスカ「嗅ぐなっ!」ポカッ

マリ「あいたっ」


シンジ「……」

マリ「……!」ブルブル


マリ「メール」

マリ「……わんこ君」




『マリと僕も、仲良いよね』




マリ「……!」

マリ「ふへっ」

アスカ「……えっ!?」


マリ「やばっ」

アスカ「なに今の?」

マリ「なんでもない」

アスカ「なんでもないってことないでしょ」

マリ「なんでもない!」

アスカ「携帯見て笑ったでしょ、見せなさいよ」

マリ「い~や~だ~」

アスカ「見せてよー」

マリ「いくら姫でも、これは見せられないなぁ」

アスカ「えー」

マリ「んふふ」






マリ「……メールって、いいなぁ」





終劇

オワタ
マリベンジ。メールネタ使った時点で負けな気がするし、オチも思い浮かばなかったけど。
まぁええか。

ヤったな…

         _ ―- ‐- 、
       (r/ -─二:.:.:ヽ   
       7''´ ̄ヽ-─<:.:.',                  __
.      〈t<  く=r‐、\:く       _ ...-::‐::¬::::: ̄:::::::::::::::::::::::::::::::
      ∠j ` / ,j={_/ヽヽr'       >:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
       っ Y _/ ヽ了       /:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

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