千早「プロデューサーにストーカーが……!?」(215)

春香「う、うん……」

千早「そんな……初耳だわ」

春香「それでね、千早ちゃん」

千早「それにしても、いつの間にストーカーが? プロデューサーのことは、私がいつも見守ってるのに」

春香「うん、そのことなんだけど」

千早「出勤する時も帰宅する時も、不審な人物が寄って来ないか見張っているし」

春香「あのね、私が言いたいのは」

千早「プロデューサーの声を聞くために何度も電話をかけているから、無言電話をかける時間なんかほとんど無いと思うの」

春香「ねえ、千早ちゃん」

千早「もちろん、どうしても都合のつかない日も稀にあるけれど、空いた時間は可能な限りプロデューサーのために」

春香「千早ちゃん」

千早「なに?」

春香(どうしようこれ、今までにないくらいめんどくさいパターンだよ)

千早「?」

春香「あのね、千早ちゃん。一つ聞きたいんだけど」

千早「何かしら?」

春香「千早ちゃん、ストーカーってどういうことをする人か、知ってる?」

千早「もちろんよ」

春香「例えば、どういうことかなぁ?」

千早「そうね……付きまとったり、目的地に先回りしたり、無言電話をかけたり、道端で待ち伏せたり、とかかしら?」

春香「うんうん、そんな感じだよね!」

千早「? そうね」

春香「それで千早ちゃん、プロデューサーさんのストーカーに心当たりとか無いかなぁ?」

千早「!!……まさか、765プロの誰かだというの!?」

春香「あっやっぱり無いんだ!心当たりも自覚も無いんだ」!

千早「春香、営業に行っているプロデューサーが心配だわ」 ソワソワ

春香「大丈夫だよ千早ちゃん!」

千早「どうして断言できるの?」

春香「とりあえず、千早ちゃんが私の前にいる間はプロデューサーさんは安全だから!」

千早「???」

春香「わぁー、すっごく純粋な目……」

千早「春香はプロデューサーが心配ではないの!?」

春香「心配だよ! だから千早ちゃんとお話ししてるんだよ!」

千早「春香……」

春香(あっ、少しストレートに言い過ぎたかな……)

千早「そう……そうよね、春香が、心配しないわけないわね」

春香「う、うんうん……だからね、千早ちゃん」

千早「春香も一緒に、プロデューサーを見守りましょう」

春香「そうだね、プロデューサーさんを……えっ?」





千早「ふふっ、今日はお互い早く収録が終わって良かったわね」 コソコソ

春香「うう……どうしよう、どうしよう……」 コソコソ

千早「プロデューサー、すごく周りを気にしてるわ。やっぱりストーカーがいるって本当みたいね」

春香「今、まさにストーカーの片棒を担いじゃってるよ……どうしよう」

千早「春香、さっきからどうしたの?」

春香「千早ちゃんはどうしてそんなにキラキラしてるの?」

千早「だって、プロデューサーを見守っているだけじゃなくて」

春香「だけじゃなくて?」

千早「もしこれで、ストーカーが誰かを突き止めて、プロデューサーの悩みを解決すれば」

春香「…………」

千早「『千早のおかげで悩みから解放されたよ!さすが俺のアイドルだ!偉いぞ千早!』って」

春香「……うん」

千早「プロデューサーが喜んで私の頭を撫でてくれるかもしれないでしょう?」

春香「世間一般では、それを自首って言うんじゃないかなぁ」

千早「待っててくださいプロデューサー、私がプロデューサーの悩みを解決しますから」

春香「解決してもしなくても、プロデューサーさんの体重が激減しそう……」

千早「……プロデューサー、家に着いたわね」

春香「あっ、ここがプロデューサーさんのお家なんだ! へぇー、なんだか素朴なアパートだね!」

千早「ふふっ、春香ったら目が輝いてるわ」

春香「」

千早「でも気持ちはわかるわね、私も最初はとてもドキドキしたから」

春香「違うのそういうのじゃないの私はストーカーじゃない止めに来ただけ止めに来ただけ……」 ブツブツ

千早「春香ったら、自分の世界に入ってしまうなんてよっぽど嬉しいのね」 クスクス

春香「今、この瞬間を誰かに押さえられたら言い逃れできないよ……」

千早「? 言い逃れできないように、私たちが押さえるんでしょう?」

春香「千早ちゃんがそう言うのならそうなのかもね、千早ちゃんの中ではね」

千早「はい、春香のぶん」

春香「……あはは、ありがとう」

千早「ホッカイロなら、予備もたくさんあるから。足りなかったら言って」

春香「用意がいいねー、まるで常習犯だね!」

千早「ふふっ、変な言い方ね。確かに週7日ペースでプロデューサーを見守っているけれど」

春香「筋金入りだなぁー、もう私の手に負えないかも」

千早「…………」 ジーーッ

春香「千早ちゃん、これからどうするの?」

千早「そうね、いつもなら無事に帰宅したことを確認したら私も家に帰るけれど」

春香「無事にねー、うんうん、無事にねぇ」

千早「ストーカーがいるというなら話は別ね、これからは徹底的に見守らないと」

春香「何だろう、この解決しようとすればするほど解決しないジレンマみたいなの」

千早「とにかく、ストーカーを見つけるまで私たちの勝負は続くのよ」

春香「私は見つけちゃったかもしれないから、一抜けでいいかなぁ」

千早「あ、プロデューサー」

春香「ええっ!?」

千早「プロデューサー、ゴミを捨てに出てきたみたいね」

春香「あ、ああ、そっかぁ……もうこんな時間だもんね」

千早「ふふっ、プロデューサーったらあんなに不安そうな顔で……」

春香「…………」

千早「大丈夫ですよ、プロデューサー……わたしがずっと……見守ってあげますから……ふふっ」

春香「あっ寒い、なんだかすごく寒い、千早ちゃんホッカイロちょうだい」

千早「ええ、たくさんあるからいくつでもいいわよ」

千早「プロデューサーが部屋に戻って行ったわ」

春香「ねえ千早ちゃん……もうかなり遅い時間だけど、大丈夫?」

千早「大丈夫よ、ホッカイロ以外にも……」 ゴソゴソ

春香「?」

千早「防犯ブザーに護身用のスタンガン、催涙スプレーもあるから。いざという時の備えは万全ね」

春香「あーそっかぁ」

千早「最近は物騒だから、備えはしておかないと」

春香「間違っても使われる側にはならないでね」

千早「……?」

春香「本当に、どうしてそんなに綺麗な目ができるんだろう」

千早「……!」

春香「千早ちゃん、どうかした?」

千早「誰か来るわ」

春香「どうしよう、今通行人に見られて通報されたら言い訳できないよ」

千早「いいえ、多分一般人じゃない……もしかしたら、ストーカーかもしれないわ」

春香「どうしてわかるの?」

千早「どうしてかしら……勘、としか言えないけれど」

春香「ニュータイプ同士が惹かれあうみたいな感じかなぁ?」

千早「ふふっ、春香はたまによくわからないことを言うわね」

春香「あーそっか、千早ちゃんの中では私がおかしいんだ……」

千早「それより、あれは……」

春香「あれって、ゴミ捨て場……あれっ!?」

千早「春香、声が大きいわ」

春香「ご、ごめん……でも、あれって、どう見てもゴミを漁ってるよね?」 ヒソヒソ

千早「そうね、しかもあれは……さっき、プロデューサーが捨てたゴミだわ」

春香「そんな、それじゃあまさか……」

千早「ええ、きっとストーカーね」

春香「…………」

千早「…………」

春香「えっ、千早ちゃんは?」

千早「え、私は私だけれど」

春香(うーん、これってつまり、千早ちゃんはストーカーじゃなかったってこと?)

千早「暗くて顔までは見えないけれど……小柄な人ね」

春香(確かに、たまに言動が危ない時もあったけど……千早ちゃん、すごく優しくて思いやりがある女の子だし)

千早「このタイミングといい、プロデューサーのことを見張っていたのかしら)

春香(それに、私の親友、だもんね)

千早「どうしましょう、通報……いえ、パトカーのサイレンを聞いたら逃げ出すかもしれないし」

春香(ごめんね、千早ちゃん……一番の親友を、疑ったりして)

千早「それにしても許せないわ、私もまだ中を見てないゴミなのに……!」

春香(あ、やっぱりストーカーだ)

千早「はい、春香のぶん」 ヒョイ

春香「さ、催涙スプレー?」

千早「ええ。これでストーカーを取り押さえましょう」

春香「いやでも、これってすっごく痛い奴だよね」

千早「いいのよ、プロデューサーを怯えさせたストーカーには良い薬ね」

春香「…………」

千早「春香、緊張してるの?」

春香「あ、ううん。もし目の前で千早ちゃんが自分に催涙スプレーを噴射したらどうしようかと思って」

千早「もう、こんなときによくわからない冗談はやめて」 クスクス

千早「危険かもしれないけれど、こちらは二人だもの」

春香(その半分は向こうの同類だけど)

千早「相手も女性なら、きっとやれるわ」

春香(もし催涙スプレーを2本装備できたら、この場で一網打尽にできちゃったりするのかなぁ)

千早「ゆっくり近づきましょう、春香」

春香「え? あ、うん」

千早「…………」 コソコソ

春香「…………」 コソコソ






響「悩んでもしーかたないっ♪ そんなー時もーあるさ明日は違うさー♪」 ガサゴソ





千早「」

春香「」

春香「響……ちゃん?」

響「うぎゃあっ!? ふ、二人とも、ここで何してるんだ!?」

春香「えっと、聞きたいのはこっちの方なんだけど」

千早「大変だわ春香、我那覇さんにも催涙スプレーって効くのかしら」

響「生身で効かない人なんかいないと思うぞ! っていうかこっちに向けないでくれー!」

春香「千早ちゃん、落ち着いて。まずはハイライトさんを呼び戻そうね」

千早「だって、いくら仲間でも……プロデューサーの生活を脅かしたストーカーとなると」

春香(どの口が言うのかなぁ。この口だろうなぁ、やっぱり)

響「じ、自分はストーカーじゃないぞ!?」

千早「この期に及んで、言い逃れなんてできないわ」

春香「本当にね」

千早「……? 春香、どうしてこっちを向いてるの? 我那覇さんはあっちよ?」

響「自分はプロデューサーが心配だから、見守ってただけだぞ!」

春香「どこかで聞いたような台詞だなぁ」

千早「そ、そうだったの……本当にごめんなさい、疑ったりして」

響「ううん、自分気にしてないぞ!」

千早「ふふっ」

響「へへへー」

春香「打ち解けるの早すぎじゃないかと思ったけど、そっかぁ同類だからかぁ」

響「それにしてもプロデューサー、またお酒ばっかり飲んでるな!」

千早「今日は燃えるゴミの日なのに、どうしてわかるの?」

春香「空き缶なんか入ってないよね」

響「匂いでわかるぞ、アルコールは体臭に出るからなー」

千早「そうなの?」 クンカクンカ

響「うん! 自分は嗅覚も完璧だぞ!」 スーハースーハー

千早「本当だわ、どこかお酒みたいな……甘いような」 モフモフ

響「うんうん、なんだか落ち着く匂い……」 スリスリ

春香(うわぁ……うわぁ……)

千早「……ふふふっ……プロデューサー……」 ペロペロ

響「えへへー……プロデューサー……」 チュパチュパ

春香「お取り込み中のところ申し訳ないんですけど」

千早「どうしたの春香、急に敬語になって」

響「どうかしたのか?」

春香「どうかしたっていうか、強いて言えば二人の切り替えの早さにびっくりしてるかなぁ」

千早「ふふっ、アイドルだもの」

響「アイドルだもんな!」

春香「私の中のアイドルは使用済みのティッシュでトリップしたりしないんだけど」

春香「それよりもね、もしこんなところを誰かに見られたら……」

千早「!!」

響「だ、誰か来るぞ!」

春香「え、ええっ!? ど、どうしよう!?」

千早「当然よ、もしストーカーなら」

響「自分たちで取り押さえて、お手柄頂戴さー!」

春香(どう考えても向こうが一般人で、ストーカーはこっち側だと思う)

千早「ふふっ、我那覇さんったらなんだかワクワクしてるみたい」

響「へへっ、だって仲間と一緒だもん!」

春香「仲間と言えば聞こえは良いけど、どっちかというと共犯者じゃないかなあ」

あずさ「あらあらー、またここに来ちゃったわ~」 ウフフ

春香「」

千早「」

響「」

あずさ「あら? 春香ちゃん、千早ちゃん、響ちゃん」

春香「……あの、これはどういう」

あずさ「うふふっ、道に迷ってしまって……恥ずかしいわぁ」 ニコニコ

千早「それは仕方ないですね」

響「あずささんは方向オンチだからなー」

春香「ああうん、そうだね……」

あずさ「私、しょっちゅう道に迷ってしまって」

春香「知ってます」

あずさ「気がつくと、いつもここを通ってるのよ」 ウフフ

千早「なるほど……きっとプロデューサーの優しさに引っ張られているのね」

響「プロデューサーの匂いは優しい匂いだからなー!」

あずさ「あらー、このアパートにプロデューサーさんが? 初めて知ったわー」 ウフフ

春香「えっ、じゃあなんで双眼鏡を持ってるんですか」

あずさ「乙女の嗜み、よ?うふふっ」

千早「勉強になります」 メモメモ

響「そういうのもあるのか!」 メモメモ

春香「お願いだから二人とも、これ以上エスカレートしないで」

千早「エスカレート?」

響「箱型のがエレベー……エスカレーター?階段のやつが……」

あずさ「響ちゃん、箱型のものがエレベーターよ?」 ウフフ

響「あぁーそっかぁー!」 ワハハ

千早「もう、我那覇さんったら」 クスクス

春香「帰りたい、今すぐ帰ってプロデューサーさんに電話したい」

千早「それにしても、ずいぶん大所帯になってしまったわね」

響「確かに、これだとちょっと近所迷惑かもなー」

あずさ「そうねぇ、それじゃあ交代でプロデューサーさんを見守ることにする?」

春香「あずささんは道に迷ったんじゃなかったんですか?」

あずさ「あらあら、そうだったわねー」 ウフフ

伊織「ちょっと……あんたたち、何やってるわけ?」




千早「え?」

響「お?」

あずさ「あらー」

春香「!!」

伊織「仮にもアイドルが、こんな時間帯に人通りの無い夜道で……って、なんで春香は泣いてるわけ?」

春香「や、やっとっ……常識人が来てくれたと思ってっ……」

千早「春香ったら、どうしちゃったのかしら」

響「うーん、情緒不安定ってやつかなー」

あずさ「そういう日もあるわよ、女の子だものー」 ウフフ

春香「…………」

伊織「ああもうっ、とにかく道端で立ち話できるような面子じゃないでしょ!?」

春香「うんうん、そうだよね……だからもう、今日はここで解散しようよみんな……」

伊織「ほらっ、さっさと入るわよ!」

春香「そうそう、入る……えっ」

伊織「何よ?」

春香「えっ」

バタン

千早「お邪魔します」

響「綺麗な部屋だなー!」

あずさ「うふふっ、ぬいぐるみがたくさんねー」

春香「ねえ伊織」

伊織「何?」

春香「この部屋は?」

伊織「別荘よ」

春香「プロデューサーさんの隣の部屋が?」

伊織「へえ、あいつ隣に住んでたの? 知らなかったわ」

春香「ねえ伊織」

伊織「何よ」

春香「壁にぶら下げてある聴診器は何?」

伊織「オブジェよ」

千早「…………」 ジーーッ

響「ずるいぞ千早、次は自分!自分だからな!」

あずさ「あらあらー、それじゃあ次は私ねー」

伊織「なんでみんな聴診器を耳に当ててるのかしら、意味がわからないわね」

春香「私としては、壁に設置してある方が意味がわからないんだけどね」

伊織「ちなみに、防音タイルをこちら側に向けて設置してあるから、向こうに音が漏れる心配は無いわよ!」

千早「さすが水瀬さんね」

響「うんうん、準備がいいな!」

あずさ「さすが竜宮小町のリーダーねー」

伊織「ふふんっ、まあもっと褒めてもいいのよ? にひひっ」

春香「矛盾だらけの会話の中にいると、なんだか気持ちが不安定になってくるなぁ」

千早「でもここまで準備がいいと」

響「?」

千早「部屋の中にいるプロデューサーを見守れないことが、なんだか歯がゆいわ」

あずさ「そうねぇー……」

伊織「まあ、そればっかりは仕方ないわよ」

春香「うん、まあそうだよね……」

伊織「慎重にやってるから、カメラの設置にはもう少し時間がかかるわね」

千早「いつになれば見られるのかしら」

伊織「ざっと一週間、いえ5日もあれば十分ね」

響「さすが伊織だぞー!」

あずさ「私、伊織ちゃんと一緒のユニットにいることが誇らしいわぁ」

伊織「にひひっ」

春香「あっ胃が痛い、何かなぁこれすっごくキリキリする」

コンコン


千早「何かしら、今の音」

響「窓をノックされたんじゃないか?」

春香「え、えっ? あの、ここ二階だよね?」

伊織「あら、もうそんな時間?」


ガラッ




亜美「もういおりーん、亜美チョ→お腹すいたYO!……あれっ!?」

真美「後はいおりん待ちだYO!……って、あれ!?」

千早「あら」

響「お?」

あずさ「あらあらー?」

伊織「今日はちょっと人数が多いけど、何とかなるかしら?」

春香「うん、もう驚く気力も無いなぁ」

千早「そうなの、いつもみんなで食事をしてるのね」

響「合宿みたいで楽しそうだなー!……って、なんで今まで誘ってくれなかったんだ!?」

亜美「だ、だってー……」

真美「改装工事が終わるまでは人数がイッパイイッパイだって、いおりんがー」

春香「改装工事?」

伊織「そうよ、終わったのが今日の朝だったの。終わったら、ちゃんと誘うつもりだったのよ?」

春香「あの、私が聞きたいのは、改装工事って何?ってことなんだけど」

伊織「ああ、そういうこと。つまりね」

春香「うん」

伊織「このアパート、買い取ったから」

春香「えっ」

伊織「丸ごと買い取ったの」

春香「ああ……えっ」

千早「つまり……」

響「どういうことだ?」

伊織「だからね、ここの隣の部屋……あ、あいつが住んでたんだっけ?知らなかったけど!」

春香「うん、もうそういうことでいいよ」




伊織「それ以外の部屋をね、内側で全部繋げたのよ」

春香「」




千早「すごいわ、水瀬さん!」 

響「やっぱり伊織はやることが違うなー!」 

あずさ「私、伊織ちゃんと出会ってよかったわー」 

亜美「いおりん!いおりん!」

真美「いおりん!いおりん!」


春香「」

響「つまり、外から見ればごく普通のアパートだけど」

あずさ「プロデューサーさん以外の部屋は、全て」

千早「プロデューサーを見守るための部屋、ということ」

亜美「兄ちゃんもこれで安心だよね→!」

真美「うんうん!これでストーカーも入り込む隙は無いっしょ→!」

伊織「ま、まあ最終的には、そういう形になるのかしら!」

春香「」

伊織「そういうことで、明日は改装工事完了パーティよ!」

千早「聴診器は?」

伊織「もちろん人数分あるわ!」

亜美・真美「さっすがいおりん!」

響「さすが伊織っ!」

あずさ「うふふっ、さすが伊織ちゃんねぇ」

春香「」




千早「あれから一週間ね」

響「うんうん、最近なんだかすっごく充実してるぞ!」

あずさ「本当ねぇ」 ウフフ

伊織「まあ、私の手にかかれば当然ね!にひひっ!」

亜美「さっすがいおりん!」

真美「チョ→輝いてるYO!」





真「ちょうどこの真上にプロデューサーのベッドが……へへっ、なんだか胸がキュンキュンするなぁ」

雪歩「プロデューサーの真下で飲むお茶、最高ですぅ……」

美希「むむーっ、律子……さん!そろそろ代わってなの!」

律子「私だって今モニターを見始めたばっかりなの!大人しく待ちなさい!」

やよい「うっうー!今日はみんなでプロデューサーのお部屋を見上げながら、もやし祭りですよぉ!」 ウッウー

貴音「あの方を想いながらの夕餉……さぞかし箸も進むことでしょう」

千早「そろそろ食事の時間だけれど……」

響「あれ? そういえば」

あずさ「あらあらー?」

伊織「そういえば……」



バタンッ!



春香「はぁ、はぁ……はぁっ……」

亜美「おっ、おかえりはるるーん!」

真美「はるるん、ゼーゼーいってど→したの?」





春香「……み、みんなっ!!」




全員「……!?」

春香「あのね、みんな……プロデューサーさんの……」

響「プ、プロデューサーの……?」

あずさ「ど、どうしたのかしら……」




春香「プロデューサーさんの!捨ててあった!使い古したワイシャツ!」

春香「拾ってきちゃいましたーーーー!!」 ババーーン




亜美「ひゃっほーう!さっすがはるるーん!」

真美「これがあれば、ご飯のおいしさも100倍増しですな!」

美希「あっ、ミキが一番なのー!」

あずさ「春香ちゃん、お疲れ様ー」 ウフフ

貴音「まこと、素晴らしい土産物です」 フフフ

春香「いえいいんですっ! なんだか最近、毎日が楽しいですから!」 キラキラ

やよい「うっうー! それじゃーみんな、手を合わせてください!」

響「今日も美味しいご飯が食べられること!」

あずさ「みんなで楽しく過ごせることを」

春香「プロデューサーさんに感謝して!」

千早「仲間たち全員で、プロデューサーを見守りながら」



全員「いただきまーす!!」





千早「…………ふふふっ」





千早「ずっと、ずーっと……見守っていますからね……ふふっ」




終わり

―― 一方その頃



小鳥「…………」 

小鳥「うーん、近くで見守るっていうのも素敵だけど」

小鳥「私としてはこうして、望遠で遠くから見守る方が」

小鳥「マニアックで好きなのよねぇ……ふふ、うふふっ……」





小鳥「……大丈夫ですよ、プロデューサーさん……」

小鳥「……近くでも、遠くでも……」





小鳥「どこからでも、みんなで、見守っていてあげますから……うふふっ」




本当に終わり

誰か一人を本妻にはできなかったし、誰か一人を仲間外れにもできなかった


社長?男のことなんか知らんな!


しかしなぜ千早はPを見守っていたはずなのに他のアイドルには気付けなかったのか

>>204
他のアイドルが千早に気づかなかったように
たぶん全員が高度な隠密活動をしていたんじゃないかなぁ!?

>>204
純情だからPだけしか見えなかったんだろ?

>>207
あ、そっちにしよう

プロデューサーは、みんなに見守られながら
少しずつ体重が減りつつも幸せに暮らしましたとさ

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