P「凛を依存させる」 (93)


P「まずは餌付けでもしてみるか」

凛「ただいまー」

P「おう、おかえり凛」

凛「うん、ただいま」

P「あ、そうだ凛」

凛「ん?」

P「明日からお前の昼飯は俺が作るから」

凛「はぁ?!」

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凛「な、何でプロデューサーにお弁当を作ってもらわなきゃいけないの?」

P「誰も弁当なんて言ってないが」

凛「……」

凛「んん! とにかく何で?」

P「お前さ、自分のBMI知ってるか?」

凛「BMI? 太ってるとか痩せてるとかわかるやつ?」

P「そうだ」

凛「知らない。気にしたこともないよ」

P「お前のBMIは16,16だ」

凛「それってどうなの?」

P「痩せの最低基準ぐらいだ」

凛「……アイドルはそのくらいでしょ」

P「アイドルだからって最低限の栄養は摂ってくれ」

凛「摂ってるよ。私、風邪ひかないし」

P「作らせてくれ、頼む。万が一凛に体調を崩されるのが俺は一番嫌なんだ」

凛「ま、まぁそこまで言うならお願いするよ」

P「本当か! ありがとう。明日から精一杯頑張って作ってくるからな」

凛「そんなにいっぱいいらないからね。食べれないし」

P「ああ、美味しいものを作ってくるから」

凛「期待して待ってるよ」

翌日

P「凛」ドン

凛「ドンじゃないよ。音の割に小さなお弁当箱だね」

P「うん、量的にはそんなに多くない。凛が腹八分になるように計算されている」

凛「私の腹八分は私にしかわからないでしょ」

P「だいたいだ」

凛「計算じゃないじゃん」

P「それにカロリー、栄養まで完璧に調整している」

P「味は……まぁ俺レベルだ」

凛「ふーん、まあ食べてみる」

凛「……」モグモグ

P「どうだ?」

凛「……しい」

P「ん?」

凛「お……おい、しい」

P「そ、そうか! よかった。徹夜したかいがあったよ」

凛「ごめん、プロデューサー」

P「え、何で謝るんだ?」

凛「正直に言うとあまり期待してなかった。不味いって言ってもおう作らないでって適当に理由つけてやめさせようと思ってた」

P「で、俺は期待を裏切っちゃたかな」

凛「うん、ごめんね。美味しいよ」モグモグ

P「もちろん明日からも作ってくるからな。何か入れて欲しい物があったら言ってくれ」

凛「よろしくお願いします」ペコ

P「俺がやらせてもらってるんだから頭下げなくていいよ」

凛「うん、ありがとう」

P「しおらしいな。らしくないぞ」

凛「だ、だって予想を超えてたから……」

P「そりゃこれをするために何ヶ月も前から料理を習ってたからな」

P「これからもっと美味しくなるように頑張るから、これ食って凛も頑張ってくれよ」

凛「うん、頑張る」モグモグ

P「うんうん」

翌日

P「凛、はい」

凛「あ、ありがと」

P「今日は凛の仕事をとってこなくちゃいけないからな。一緒に食べれないんだ。ごめんね」

凛「ううん、一人で食べれるよ。子供じゃないんだし」

P「そうか。じゃあ、俺は行ってくるな」

凛「いってらっしゃい」

P「いってきまーす」

凛「今日は何かな」

凛「あ、私の好物……でも嫌いなのもある」

凛「せっかく作ってくれたんだから全部食べないとね」

凛「……やっぱり嫌いな物は美味しくないよ」モグモグ

凛「でもプロデューサーが何ヶ月も頑張ってくれたんだもん。嫌いだからって残せないよ」

凛「……うん、他のは美味しい」モグモグ

凛「でも、何でプロデューサーはこんなによくしてくれるんだろう」モグモグ

凛「あ、もう全部食べちゃったのか。確かに腹八分目くらいだ」

凛「……暇だな」

数時間後

P「ただいまもどりました」

ちひろ「あ、おかえりなさい。プロデューサーさん」

P「あ、凛はレッスンでしたね。帰ったばっかですけど迎えに行ってきますね」

ちひろ「あ、今日は直帰だからそのまま帰るらしいですよ」

P「え、弁当箱……」

ちひろ「ああ、お弁当箱は凛ちゃんが自分で洗って綺麗になってますよ」

P「ああ、よかった」

ちひろ「素敵なお手紙も付いてますね」

P「家に帰って読みます」

P「……凛」

P「泣いた」

P「明日からも頑張ろう」

P「明日だけは嫌いなものは入れないでやろう」

翌日

凛「おはよう、プロデューサー」

P「おう、おはよう凛。今日は早いな」

凛「うん、その、これ」

P「何だ? 弁当じゃないか。俺にくれるのか?」

凛「……うん」

P「そうか。ありがとうな凛。俺もあげるぞ」

凛「ありがと。あ、あの私のお弁当には期待しないでね」

P「……どんな味でも全部食べるよ」



P「どうだ今日の弁当は」

凛「今日は私の好きなのばっかり……」

P「何だ、悪かったか?」

凛「いや、とっても嬉しいよ」

P「凛の弁当もうまそうだな。女の子らしくてさ」

凛「そ、そうかな」

P「ああ、料理も美味しいよ」

凛「あ、あのさ」

P「ん?」

凛「自分のも少し食べたいからちょっと頂戴」

P「あ、はい、あ~ん」

凛「あ、あ~ん」

P「うまいだろ? 凛の料理。毎日でも食べたいよ」

凛「わ、私もプロデューサーのお弁当毎日、いや、毎食食べたいよ!」

P「ん、そうか。嬉しいなぁ」

凛「私はプロデューサーの料理好きだし嫌いな物も克服できそう」

P「でもこの前顔をしかめて食べてたじゃないか」

凛「これから頑張るからこれからも作ってね」

P「もちろんだ」

凛「プロデューサーがお弁当作ってくれるなら私も何かしてあげたいな」

P「別にそんなのいいよ」

凛「いいや、何かしてあげたい。プロデューサーさんの癒しになるようなこと」

P「うーん、そう言われてもな」

P「今度、どこかに出かけないか?」

凛「え、いいの?」

P「うん、変装しなきゃだけど」

凛「プロデューサーがいいなら私はいいよ。どこに行く?」

P「それは任せる」

休みの日 

P「こういう場所はなれないな」

凛「私をスカウトしたのここじゃん」

P「そうは言ってもスカウト以外じゃこないし」

凛「まぁまぁ今日は買い物に来たんだから楽しもうよ」

P「お、おう」

凛「プロデューサー、迷子にならないようにね」

P「お、おう」

P「なら手を繋いでくれよ」

凛「え!? や、やだよ」

P「俺の癒しになるよ」

凛「……しょ、しょうがないなぁ」

P「何買うの?」ギュ

凛「わかんないけど気に入ったものがあれば買うよ」

凛「あと手を強く握りすぎ」

P「あ、ごめん」

凛「別にいいけど」

P「凛、いつもありがとな」

凛「いきなりどうしたの?」

P「いや、ここに来ると昔の凛を思い出してな」

凛「あ、あの時のことは忘れて」

P「やだよ、俺の大切な思い出なんだ」

凛「昔はプロデューサーにもきつく当たってたし……」

P「昔の凛はツンツンだったもんな。全然弱みを見せないし」

凛「でもプロデューサーが私のことを変えてくれたんだよ」

P「そんなことはないよ。凛が変わりたいって思ったからだ」

凛「そうかな」

P「そうだよ。あ、これいいな。買っていいか?」

凛「これ、私の分も?」

P「うん。これも一つの思い出だよ」

凛「じゃ、買おっか」

P「ここは俺が買う」

凛「え、いいの?」

P「ささやかプレゼントだよ。受け取ってくれ」

凛「うん、ありがとう」

P「会計してくるから外で待っててくれ」

凛「ん」

P「変な男が寄ってきても付いていくなよ」

凛「そんなことしない」タッタッタ

P「……心配だ」

P「あ、これ包装してください」

P「あ、ちょ、えっと、八十円……ぐ、五十円しかない。これで……」

P「……案外時間かかったな」

凛「あの、今日は一緒に来ている人がいるので」

男「まま、そいつとは分かれて友達に会ったって言って行こうよ」ニヤニヤ

凛「いえ、あの」

P「……」

P「(殴りたい、あの笑顔)」

P「しかし、俺は社会人だ」

P「あ、あのすいません」

凛「あっ」

男「んだよ、お前、もしかしてこの娘の連れか? おっさんじゃねえかよ」

P「お、お、おっさんって言うなよ。まだそれなりに若いわ!」

男「うるさいおっさんだなぁ。痛い目みないうちにどっかいけよ」

P「凛は君のじゃないんだぞ」

男「今から俺のになるんだよ」

P「ぐぬぬ」

P「(殴りたい)」

男「お前のことはどうせ遊びなんだから早く目を覚ませよ」

P「遊び……んなわけあるか!? 遊びでたまるか!」

男「あーもー、早くどっかいけよおっさん。殴っちゃうよ?」

P「いいよ、殴ってみろ……」ドコ

男「あ、やっちまった」

P「……痛い」

P「……凛」

凛「え、何?」

P「逃げるぞ!」ダッ

凛「あ、ちょっと!」

P「あーゆうのは関わっちゃいけないんだ」

凛「わかったから引っ張らないで」

凛「はぁはぁ、もう何で逃げるの?」

P「あ? 俺に主人公みたく戦えってか、俺にはそんな力はない。でも凛を傷つけさせないためにはこれが最善なんだ」

凛「あ……そう」

P「今日は帰ろう」

凛「そだね」

P「(くそ、今日で好感度上げるつもりだったのにあのクソ男め。かと言ってあいつをボカーンと行こうとしても俺がやられるのは明白。これが最善)」

凛「今日はごめんね」

P「ん?」

凛「だってプロデューサーを癒してあげたかったのに、こんなことになっちゃって」

P「いいよいいよ。こんなこともある」

凛「でも……!」

P「また次があるよ。また行こう」

凛「絶対だよ!? 今度は絶対いい思い出にしたいから」

P「お、おう」

P「まぁとりあえずこれ」

凛「あ、うん。ありがとう」

P「もっと格好良く渡したかったなぁ」

凛「いいよ。貰うだけでも嬉しいから」

P「そうか。それは俺としても嬉しいことだが」

凛「あ、あの! また明日!」ダッ

P「凛!?」

凛「私が、私がもっとしっかりしてれば今日はいい思い出になったのに」

凛「もっとプロデューサーに心配されないくらい、いや、私がプロデューサーを心配してあげるくらい頑張らなきゃ」

翌日

凛「おはようございます」

P「おう、凛。おはよう。はい、今日の弁当」

凛「あ、もういいよ。自分で作ってきたから。あとこれプロデューサーのお弁当」

P「え、ちょ、え?」

凛「今日からはもう私の分はいいよ。でも今日からプロデユーサーの分作ってくるから」

P「え? え?」

凛「今日から私、仕事でも頑張ってプロデューサーに心配かけないようにするから」

P「……」

凛「じゃあレッスン行ってくるね」

P「(……これはチャンスだ)」

P「……」カタカタ

P「(どうやって凛をこっち側にもってくるか。なんでか知らんが凛は今非常にやる気だ)」

P「(多分、あの調子じゃ長く持たないだろうからすぐに止めさせるが)」

P「(これは千載一遇のチャンスだ。凛は俺に心配がかからないようにしてるから)」

P「(あまり俺に話しかけてこないだろう)」

P「……」カタカタ

P「俺は仕事の書類に何を書き込んでいるんだ……最初からやり直しじゃねえか」

夕方 事務所

凛「ただいま」

P「はい、おかえり」

凛「今日は上手く出来たよ。じゃあ今日は帰るね」

P「まあまあ、そう言わずちょっと話そうや」

凛「…別にいいけど何で」

P「凛が急に変わったと思ってさ」

凛「!」

P「いきなり自分の弁当作ってくるし、ついでに俺のも作ってくるし」

P「レッスンは誰よりも早く一人で行くし、なんでか知らんが急いで帰ろうとしてる」

P「いつもと比べて違いがありすぎるんだよ」

凛「そんなことないよ。気まぐれ」

P「嘘は何とかの始まりだぞ、あと顔に出すぎ」

P「話して楽になろうや」

P「俺はお前の味方だ」

凛「私はプロデューサーに楽させてあげたかっただけ。じゃあね」

P「うーん、もっと凛の口から言わせたいな」

翌日

P「あー、肩痛い。デスクワークのしすぎで肩痛いわー(棒)」

凛「あ、か、肩揉んであげるよ」

P「ん、ありがとう、凛。でも大丈夫だ。これがあればな」ヌリヌリ

P「凛は俺のことじゃなくて自分のことに集中しな」

凛「あ、うん、分かった」

P「疲れた。お茶煎れよ」

凛「あ、プロデューサー。私やるよ」

P「おう、そうか。じゃあ凛の分も煎れるから凛は座っとけ」

凛「え、でも疲れてるんじゃ」

P「アイドルに比べたら全然だよ。だから座っとけ」

凛「……」

P「はい」コト

凛「……美味しいね」

P「そりゃ良かった」

P「眠い」

凛「!」

P「ドリンクあったかな」

凛「…」

P「無いな」

凛「プロデューサー! 眠いなら寝ればいいじゃん。今お昼休みだし」

P「そうだな。仮眠室使うぞ」

凛「プロデューサー!」

P「何?」

凛「ここに良い枕があるよ」

P「…凛に悪いからいいや」

凛「…」ガーン

P「(効いてる効いてる)」

P「……」カタカタカタカタ

凛「プロデューサー! 何か手伝えることない?」

P「ない」

凛「あ、あ、そう。お仕事頑張ってね」プルプル

P「(罪悪感が凄い)」

凛「プロデューサー、疲れてるんじゃない? お茶淹れてあげるね」

P「ありがとう、凛」

凛「……」グッ

P「でもさっき自分で淹れたから今はいいよ、ありがとな」

凛「」

P「凛はいつも俺に親切にしてくれて良い子だなあ」

P「(心がもたない)」

凛「そ、そんなことない。普通だよ」

P「凛」

凛「な、何?」

P「何故、お前はこっちを見ているんだ」

凛「別にいいでしょ」

P「黙々とパソコンに向かってる姿を見て楽しいか?」

凛「そういうんじゃないけど」

P「何もすることがないなら……」

凛「何!? 何をすればいいの!? 手伝い!? プロデューサーのお手伝い!?」

P「次の仕事の準備しとけよ」

凛「……それだけ?」

P「それだけ」

凛「何か無いの?」

P「ない」

凛「肩揉んで欲しいとかお弁当食べさせてとか」

P「自分のことは自分でやるよ」

凛「やらせてよ!」

P「!?」

凛「少しくらい私を頼ってよ!」

P「じゃあ凛は俺のために何でもしてくれるんだな?」

凛「え、そういうことじゃなくて……」

P「何だ、違うのか」

凛「違わない!違わないよ!」

P「じゃあ、跪いて『わん』って言ってみて」

凛「い、嫌だよ! 何でそんなことしなきゃいけないの!?」

P「何でもするって言ったじゃん」

凛「何でもって言ったってプロデューサーのためになることだけ」

P「俺のためになるよ」

凛「どこが!?」

P「俺の疲れが吹き飛ぶ」

凛「……ほんとに?」

P「うん」

凛「……」ヒザマズク

凛「……わん」

P「……おお」

P「素晴らしい! 俺の疲れが吹き飛んだ」

凛「今回だけだからね……」

P「凛、もう一回」

凛「やだ」

P「次からは凛にいろいろ頼もうかな」

凛「……」ピク

P「肩揉んでもらおうかな」

凛「……」ピクピク

P「弁当も申し訳ないけどお願いしようかな」

凛「……」ヒザマズキ

凛「わんわん」

P「Fooooo!」

凛「さっき言ったことほんとだよね?」

P「うん」

凛「……」グッ

P「じゃあ疲れたから肩揉んで」

凛「うん!」

P「あ″あ″あ″あ″あ″あ″あ″」

凛「どう? 気持ちいいでしょ?」

P「うん」

凛「ふふふ」

P「ありがとう、また頼むよ」

P「凛、お茶淹れて」

凛「うん、ちょっと待ってて」

P「ふふ」

凛「どうしたの? いきなり笑って」

P「何かこういうのいいなぁと思って」

凛「そ、そうかな」コト

P「凛はいいなあ」ズズ

凛「褒めても何も出ないよ」

P「いいなあ」ズズ

P「凛、一緒に弁当食べよう」

凛「うん」

P「凛の手料理は最高だな」

凛「あ、ありがとう」

P「誰にも渡さない」ボソ

凛「え…」

P「凛、凛自身が作ったやつだけど旨いぞ。ほら食べろよ。あー」

凛「あ?ん」パク

P「旨いだろ?」

凛「うん」

凛「私からも一つあげる。く、口開けて」

P「……」

凛「あーん」

P「あーん」モグ

P「……」

凛「どうしたの?」

P「凛。これからも頼む」

凛「え!? 何が!?」

P「いろいろ」

凛「う、うん。よろしく」

P「……」カタカタ

凛「(そろそろかな)」ガタ

P「凛、お茶…」

凛「はい」

P「お、タイミングが分かるようになったのか。凄い凄い」ナデナデ

凛「最近、ずっとこの時間だったから」

P「これからも頼むぞ」

凛「うん」

P「凛、悪いが買い物に行ってきてくれないか?」

凛「いいよ。何を買えばいいの?」

P「これに書いてるからよろしく頼む」

凛「じゃあいってきます」

P「いってらっしゃい」

バタン

P「……よし」

P「買い物に行ってる時間でワンクッションおける」

P「俺は最近“頼む”という言葉を連発してきた」

P「これは俺が凛に希望を願って伝えること。凛との関係は対等」

P「俺はここで変わる。今までの俺のイメージをぶち壊す。凛を俺に従えさせる」

凛「ただいま」

P「おかえり。ちゃんと買ってきた?」

凛「うん。でも変なのばっかりだね」

P「そうか?」

凛「黒いタオル、首輪とリールに棒アイス」

P「いろいろやりたくてな」

P「凛は俺のこと信じてるか?」

凛「は? まあしてるよ」

P「じゃあいいんだ」

P「凛、こっちに来い」

凛「え、あ、うん」

P「これで目を隠せ」つ黒いタオル

凛「プロデューサー、そういうことがしたかったの? やだよ、私はしたくない」

P「抵抗するのか?」ギロ

凛「あたりまえでしょ!」

P「そうかそうか。なら帰れ」

凛「え?」

P「帰れと言っているんだ」

P「何だ? もしかして俺が手をあげると思ったのか?」

凛「……」

P「まあいい。やらないなら早く帰れ」

凛「私がやらなかったら他の誰かが犠牲になるの?」

P「まあそうなるわな」

凛「じゃあ私がやる」

P「(計画通り過ぎて怖いわ)」

P「いいね。その正義感」

凛「はい、つけたよ」

P「じゃ、曲流すから踊れ」

凛「くっ……え? 踊るの?」

P「うん。何だと思ってたんだ?」

凛「そ、それはその……」

P「ふーん。凛はえっちだなあ」

凛「踊ればいいんでしょ! 踊れば!」

P「そうそう、頑張って踊ってみてよ」

凛「騙されて何か悔しい」

P「難しいだろ。目隠しして踊るの」

凛「こんなにバランスを崩されるとは思わなかった」

P「汗拭いてやるからこっちに来い」

凛「ありがとう」

P「素直だな」

凛「いつも通りだよ」

P「ふーん」ワシャワシャ

凛「ちょ、そんな荒くしないでよ」

P「凛って犬っぽいよな。やっぱ」

凛「そんなことない」

P「いや犬っぽい。俺のこと御主人様って呼べ」

凛「ええー。無理だよ」

P「俺のためになるよ」

凛「……御主人様」

P「そうそう、凛は良い子だ」ナデナデ

凛「えへへ……ってこんなのダメ!」

P「何だよ、凛も楽しんでたじゃん」

凛「御主人様なんてダメだよ」

P「その割りには素直に言ってくれたじよないか」

凛「そ、それはプロデューサーのためになるっていうから」

P「ほんとか? ほんとは首輪を付けられリールに繋がれ散歩させられるんじゃないかとか色々と考えてたんじゃないのか? そして凛自身も実はそんなアブノーマルなことに期待し、やりたいと思ったんじゃないのかぁ?」

凛「そんなこと……ない」

P「御主人様って呼んだ時だって嫌そうじゃなかったぞ? むしろ悦んでたんじゃあないのか? 私はアイドルなのにプロデューサーのことを御主人様と呼んでいる背徳感に興奮したんじゃないのか!?」

P「タオルで目隠しする前も何か言ってたよな。『プロデューサー、そんなことがしたかったの?』だったか? 凛は俺が何をすると思ってたんだ? そんなこととは何だ? その妄想は自分がしてほしいことなんじゃないのか?」

凛「……」

P「強がる必要は無いぞ」

凛「確かにちょっとはね。御主人様なんて言って私とんでもないことしてるって思った」

P「まだ強がるか。自由になれよ。楽になるぞ」

凛「強がってなんかないよ」

P「まあいい。直にわかることだし」

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