ミサト「大人のキスよ、帰ってきたら続きをしま――」シンジ「嫌だ」(344)

ミサト「え?」

シンジ「今、しましょうよ、ミサトさん」

ミサト「ま、待って……シンジくん……ほら、ここじゃあちょっちまず―――」

シンジ「そんな生意気なことをいう口はこうやって塞いで……んっ」

ミサト「んー!!」



―ミサトの寝室―

ミサト「―――はっ?!」ガバッ

ミサト「よ、よかった。夢だったのね……。そうよね、シンちゃんがあんなに積極的なわけがないし」

シンジ「すぅ……すぅ……うぅん……ミサトさん……」

ミサト「……ん?」

ミサト「……」

シンジ「すぅ……すぅ……」

ミサト「……!」バッ!!

ミサト(あたし、何も身に付けてない……。シンジくんは……?)ソーッ

シンジ「ん……」

ミサト(パンツ一丁……)

ミサト「まさか……」

シンジ「ミサトさぁん……ふふ……」

ミサト「とりあえず、服を着ましょう」

ミサト「あ、その前にお風呂入らないと。命のせんたく、せんたくぅ」テテテッ

―リビング―

ミサト「はぁぁぁ……」

ペンペン「クェ?」

ミサト「どうしよう……あたし……シンジくんと……?」

ミサト「全く、記憶にないけど……」

ミサト「あ、待った。もし、そんなことになってたらそれなりの痕跡があるはずよね」

ミサト「部屋をもう一度、調べましょう。そうよ。それが……」

ミサト「でも……アレとかアレがあったら……それに……お風呂でシンジくんと済ませて、そのまま寝入ったってことも……」

ミサト「いや……それはいくらなんでも……」

アスカ「おはよう、ミサト」

ミサト「……アスカ」

アスカ「ミサト、昨日めちゃくちゃ飲んでたけど、アルコールは抜けたんでしょうね?酔ったまま作戦指揮なんてとらないでよ?」

ミサト「あたし、やっぱ酔ってた?」

アスカ「かなり。覚えてないわけ?」

ミサト「どんな感じだった?」

アスカ「どんなって、ああいうのをへべれけって言うんでしょ?よく知らないけど」

ミサト「それで?何かしてた?」

アスカ「さぁ?執拗にシンジに絡みに行ってたけど」

ミサト「で?!それから?!」

アスカ「はぁ?!なによ?!」

ミサト「いいから言いなさい!!大事なことなの!!」

アスカ「夜の11時ぐらいに今日はあたしに付き合えーって言って、部屋に連れ込んだわよ?」

ミサト「シンジくんがあたしを?」

アスカ「ミサトがシンジを、に決まってるでしょ?きちんと解放したんでしょうね?」

ミサト「……」

アスカ「ミサト?顔、真っ青だけど、やっぱり二日酔いなわけ?」

ミサト「どうしよう……そんなの……確実じゃないの……」ブルブル

アスカ「……?」

ミサト「はぁぁ……」

アスカ「何かあったの?」

ミサト「……何もないわ。安心して」

アスカ「酔った勢いでシンジを襲ったとか?」

ミサト「……」

アスカ「な、わけないか。顔、洗ってこよーっと」

ミサト「……」

シンジ「ふわぁぁ……あれ?ミサトさん、こっちに居たんですか?」

ミサト「……!!」ガタッ

シンジ「おはようございます」

ミサト「お、おはよう……」

シンジ「……昨日は、その……」モジモジ

ミサト「え?な、なに?」ドキドキ

シンジ「あ、ありがとう……ございました……って、言えばいいんでしょうか……?よくわからなくて、ごめんなさい……」モジモジ

ミサト「だめだ……おわったぁ……」

シンジ「ミサトさん、どうしたんですか?」

ミサト「シンジくん……あたし……あの……正気じゃなかったのよ……」

シンジ「え?」

ミサト「お酒で酔ってて、それで……あの……」オロオロ

シンジ「分かってますよ。大丈夫ですから」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「それじゃあ、お弁当の用意しますね」

ミサト「あ、あのね……シンジくん……」

シンジ「はい?」

ミサト「だ、誰にも言わないでね……」

シンジ「言いませんよ。言う訳ないじゃないですか」

ミサト「そ、そうよね……あ、ありがと……」

シンジ「変なミサトさん」

ミサト「……って、違うわ!!シンジくん!!!それじゃあなんの解決にもなってない!!」

シンジ「ミサトさん……」

ミサト「シンジくん、大事な話があるの」

シンジ「でも、お弁当……」

ミサト「いいから」

シンジ「はい……。なんですか?」

ミサト「シンジくんは、あたしにどうしてほしいの?」

シンジ「え?」

ミサト「何か……あるのでしょ?」

シンジ「いえ。いつも通りのミサトさんで構いませんよ?」

ミサト「シンジ……くん……」

シンジ「僕は今のミサトさんが好きですから」

ミサト「……!?」

シンジ「ミサトさん?顔、赤いですけど、熱でも……」

ミサト「ま、まって!!シンジくん……ひ、一皮むけたのね……色んな意味で……」

シンジ「どうしたんですか?」

ミサト「まさか……一度の経験でここまで成長するなんて……あたしって……罪な大人ね……」

シンジ「お弁当、作ってもいいですか?」

ミサト「ええ……。お願い」

シンジ「ミサトさんの大好きなタコさんウインナー、いれときますね」

ミサト「シンジくん!!!」

シンジ「は、はい?」

ミサト「い、いくら、あたしだからって、ウインナーを入れるとかいっちゃだめ!!!」

シンジ「は、はぁ……すいません」

ミサト「わかれば、いいのよ……うん……」

シンジ「今日はタコさんウインナーなしでいいんですか?」

ミサト「ダメよ。入れなさい」

シンジ「訳がわかりませんよ……もう……」

ミサト(ダメよ、葛城ミサト。14歳の子にリードされてどうするの……)

アスカ「サッパリした。シンジー、牛乳だしてー」

シンジ「うん。ちょっと待ってて」

ミサト(でも、これからどう接したらいいのかしら……)

シンジ「はい、アスカ」

アスカ「んー」

シンジ「ああ、焦げちゃう。急がないと」タタタッ

ミサト(幸い、シンジくんはいつも通り……。あたしで大人の階段を昇ったために精神的に成長した所為と考えていいわね……)

ミサト(つまり、シンジくんはこれからも紳士的な振る舞いをしてくれるといってもいい……)

ミサト(でも、関係を持ったことは事実。シンジくんはきっとあたしとの距離が縮まったと思っているから、日常生活に変化が生じるはず)

ミサト(そうなると……)

アスカ「ぷはぁ……。おいしい」

ミサト(アスカなら、あたしとシンジくんの距離感の変化に感付く。そうなったら……。シンジくんのことが好きなアスカと気まずくなるわね)

ミサト「……アスカ、ちょっちいいかしら?」

アスカ「なによ?」

ミサト「シンちゃんのこと、どう思ってる?」

アスカ「なにそれ?どういう意味?」

ミサト「この辺で聞いておきたいと思って。正直、シンちゃんのこと、好きでしょ?」

アスカ「はぁ?ミサト、シンジのバカウイルスが移ったんじゃないの?」

ミサト「……そうかもね」モジモジ

アスカ「別にシンジのことなんてどーっでもいいから」

ミサト「ホントに?」

アスカ「ホントよ」

ミサト「なら、例えばの話、なんだけど」

アスカ「……」ゴクゴク

ミサト「あ、あたしとシンジくんが付き合うってなったら、どうする?」

アスカ「ぶふっ!?」

ミサト「うわ、アスカ。汚い」

アスカ「なによそれ!?どういうこと!?」

ミサト「ま、万が一の話じゃない」

アスカ「ああ、そういうこと。いいんじゃない?祝ってあげるわ」

ミサト「……そ、そうなの。アスカ、別にシンジくんのことなんとも想ってないのね?」

シンジ「アスカ、大丈夫?顔がミルクまみれだよ?」

アスカ「拭くものもってきて」

シンジ「うん。はい」

アスカ「全く……」フキフキ

シンジ「何の話をしてたんですか?」

ミサト「ううん。なんでもないのよ」

アスカ「あんたには関係ない話よ」

シンジ「そう……」

ミサト「……で?どうなの?」

アスカ「私は別になんとも想ってないわ。煮るなり焼くなり好きにしたら?」

ミサト「そう……」

アスカ「ふん……」

ミサト(なんだ。あたしの勘違いだったのね。そうなると、気兼ねもないし……)

シンジ「よっと」ジュージュー

ミサト(シンジくん……あたしが責任をとらないと……ダメよね……やっぱり……)

アスカ「顔が臭い。もう一回、洗ってこないと……。全く、ミサトったら……変なこと言って……」ブツブツ

ミサト「……」

シンジ「完成。できましたよ、ミサトさん」

ミサト「あ、ありがとう。シンちゃん。いつもお弁当、作ってくれて……」

シンジ「いえ。もう慣れましたから」

ミサト「そう……」モジモジ

シンジ「どうかしましたか?」

ミサト「いや、シンちゃんって改めて考えると家事は一通りできるし、お料理も上手いし、いいなーって……」

シンジ「いいってどういうことですか?」

ミサト「ねえ、シンジくん?こんなあたしでもいいの?」

シンジ「は?」

ミサト「……」

シンジ「えっと……ミサトさんは美人だと思いますよ……」

ミサト「シンジくんっ!!」ギュッ

シンジ「うわっ!?」

ミサト「大丈夫よ、大人として……責任は取るから……」ギュゥゥ

シンジ「あ、あの……ミサトさん……くるしい……です……」

ミサト「シンジくん……シンジくんが本当の恋を見つけるまで……あたしに甘えていいからね……」

シンジ「え?え?」

ミサト「今は、きっと気の迷いかもしれない。思春期だから、心が勘違いをしているだけ。いつかきっとあたしを捨てるわ」

シンジ「あの……」

ミサト「でも、そうさせたのはあたしだから。シンジくんが納得するまで、あたしに甘えて。それから捨てなさい」

シンジ「……」

ミサト「……捨てないなら、捨てないで越したことはないけど」

シンジ「はい……」

アスカ「ちょっと!!ミサト!!!なにやってんのよ?!」

ミサト「あ、アスカ?!」パッ

アスカ「シンジもなにやってんのよ!!!朝っぱらから!!」

シンジ「ご、ごめん……。抵抗できなくて……」

アスカ「アンタ、バカァ!?スケベなこと考えてるから抵抗できないんでしょ?!」

アスカ「ほら、用意できたんなら、行くわよ!!」

シンジ「あ、待ってよ、アスカぁ」

ミサト「シンちゃん、シンちゃん」

シンジ「な、なんですか?」

ミサト「行ってらっしゃいのキスしてあげる」

シンジ「な!?」

ミサト「ほら……ほっぺにしてあげる」

シンジ「ミサトさん、どうしたんですか……?」

ミサト「いや?」

シンジ「い、いやじゃないですけど……」

ミサト「なら……んっ」チュッ

シンジ「うぅ……は、はずかしいですよ……ミサトさん……」

ミサト「ふふ。いいじゃない。今だけ、今だけぇ。はい、行ってらっしゃい、シンジくん」

シンジ「は、はい……行ってきます」

アスカ「バカシンジ!!なにしてるのよ!!先に行くわよ?!」

―ネルフ本部―

ミサト「シンジくん……今頃なにしてるんだろう……」

リツコ「葛城一尉」

ミサト「はぁ……シンジくん……かわいいわよねぇ……」

リツコ「ミサト」

ミサト「あ、なに?」

リツコ「気が抜けてるようだけど、二日酔い?」

ミサト「そんなことないわ。なに?」

リツコ「例の資料よ。午後までには目を通しておいてね」

ミサト「はぁーい」

リツコ「ミサト、何かいいことでもあったの?」

ミサト「えー?ないわよー?どうしてー?」

リツコ「ずっとにやけてるから」

ミサト「うそ?―――これでいい?」キリッ

リツコ「その仮面をずっと付けておきなさい」

―昼 休憩所―

ミサト「さぁーてと、お弁当でもたぁーべよっと」

ミサト「シンジくん、頂きます」

ミサト「―――って、シンジくんをいただきますって意味じゃないけど!!」

ミサト「……」モグモグ

加持「葛城、なんだか幸せそうだな」

ミサト「え?そう?別に普通だけど」

加持「まるで初の恋人ができた中学生みたいな顔だな」

ミサト「な……?!そ、そんなわけないでしょ?!失礼ね!!もうすぐ三十路なんだから……」

加持「年齢なんてただ生きてきた時間を表すものだ。大事なのは心のほうだろ?」

ミサト「心?」

加持「いつまでも若い心を持ち続ければ、少女でいられるものさ」

ミサト「そうかしら……。あたしたちは色々背負ってるから……もう子どものままじゃ……」

加持「背負っているものと、心は別物さ」

ミサト「……そうよね!うんっ!」

―会議室―

マヤ「―――以上が今後の予算編成になります」

日向「使徒が出現した場合、初号機を最優勢に稼動させることになりますね」

ミサト「……」

リツコ「葛城一尉?」

ミサト「シンジくぅん……帰ったらなにしよう……」

リツコ「ミサト!!!」

ミサト「あ、はい。では、今後の予算編成から聞きましょうか」キリッ

マヤ「もうそれは言いました」

ミサト「え?そうなの?」

リツコ「どうしたの?らしくないわね」

ミサト「ごめん。ちょっち、体調が悪いみたい」

リツコ「やっぱり二日酔いね?もう、しっかりしなさい。作戦本部長でもあるんですから」

ミサト「はぁーい。はんせい」

リツコ「全く……」

―休憩所―

ミサト「はぁ……ダメね。なんか気持ちが入らない。このままじゃ、またリツコに怒られるわ……」

ミサト「しっかりしないと」

シンジ「ミサトさん」

ミサト「あ、シンジくぅーん」タタタッ

シンジ「休憩ですか?」

ミサト「ええ、そうなの。シンジくんは今からシンクロテスト?」

シンジ「はい」

ミサト「そう。時間ができたら見に行くわね」

シンジ「はい」

レイ「碇くん、時間」

シンジ「分かったよ。綾波。すぐいく」

レイ「ええ」

ミサト「……」

ミサト(レイはシンジくんのことどう思ってるのかしら……)

レイ「……」スタスタ

ミサト「レイ、ちょっち、いいかしら?」

レイ「はい」

ミサト「……率直に聞くわね。レイはー、シンジくんのことどう思ってる?」

レイ「え……?」

ミサト「好き?」

レイ「好き……という気持ちは分かりません。でも……」

ミサト「でも?」

レイ「碇くんのことを考えると胸のあたりがポカポカします」

ミサト「……!!」

レイ「……」

ミサト「そ、そうなの……」

レイ「はい」

ミサト「そう……。それってシンジくんのことが……好きってことよね……?」

レイ「そうなのですか?よくわかりません」

ミサト(レイかぁ……)

レイ「……」

ミサト(レイは良い子だし、少しシンジくんにアピールしたら、シンジくんはコロッといきそうよね……)

レイ「あの。もういいですか?」

ミサト「レイ。その気持ち、大切に隠しておいたほうがいいわ」

レイ「え?」

ミサト「いつかシンジくんがその気持ちに気がついてくれるまでね」

レイ「……わかりました」

ミサト「うん。それじゃ、がんばってね」

レイ「はい。わかりました」

ミサト「……」

ミサト「……あたし……最低なことやってるわね……」

ミサト「はぁ……でも、今、レイがシンジくんに想いを告げてもきっとレイが悲しい想いをするだけ……」

ミサト「うん、そうよ。きっと」

休憩

―葛城宅―

ミサト「ただいまぁ……」

シンジ「おかえりなさい、ミサトさん」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「ご飯出来てますよ?」

ミサト「……」

シンジ「それよりもお風呂、先に入りますか?」

ミサト「シンジくん!!」ギュッ

シンジ「うわ!?」

ミサト「そうよね……シンジくんはこんなに良い子だもの……他の子がほっとくはずがないわ……」ナデナデ

シンジ「あ、あの……ミサトさん……苦しいですし……恥ずかしいです……」

ミサト「シンジくん。あたしのこと、まだ好き?」

シンジ「当然じゃないですか」

ミサト「うぅぅぅ……シンちゃん!!!大好きっ!!!」ギュゥゥゥ

アスカ「ミサト!!!帰ってくるなりなにやってんのよ!!!」

ミサト「アスカ!?」ギュゥゥ

シンジ「ミサトさん!?」

アスカ「シンジを離しなさいよ!!酔ってるの?!」

ミサト「あ、ごめんなさい。苦しかった?」

シンジ「い、いえ……」

アスカ「……」

シンジ「それより、ご飯にしますか?お風呂にしますか?それとも―――」

ミサト「シンジくん!!だ、だめよ!!そんなの!!……昨日の今日なんて……でも、中学生だから……仕方ないわね……」モジモジ

シンジ「え?あの、ビールを出しましょうかって……訊こうと思ったんですけど……」

ミサト「あ、そっち!?あははは、そーよね!!ごめんごめん!!」

シンジ「もう、変なミサトさん」

ミサト「あははは。いやー、ほんとねー。あたしったら、どうかしてたわー」

シンジ「食事にしますか?」

ミサト「うんうん。ご飯にするわー」

アスカ「……」

ミサト「やっぱり、シンちゃんの手料理は絶品ねぇ」

シンジ「どうも」

アスカ「……ミサト?」

ミサト「え?なに?」

アスカ「シンジと何かあった?」

ミサト「え……」

アスカ「……あったんだ」

ミサト「な、ないわよ!!ホントホント!!」オロオロ

アスカ「シンジ?」

シンジ「なに?」

アスカ「昨日、ミサトとなんかあった?」

シンジ「……な、何もないよ。何言ってるんだよ、アスカ」

ミサト「そうよ、アスカ。急にどうしたの?」

アスカ「ミサトとシンジの距離感が異常に近すぎるのよ」

ミサト「げ、バレた」

アスカ「昨日、ミサトの部屋でなにしてたわけ?」

シンジ「何もしてないって。ミサトさんの愚痴を訊いてただけだから」

ミサト「そうなのよ。こっちも色々溜まっててね」

アスカ「……ミサトは何も覚えてないんでしょ?」

ミサト「そーでした」

アスカ「……シンジ。ミサトと何したの?」

シンジ「だから、愚痴をきいただけだって」

アスカ「……本当は別のことしてたんじゃないの?」

シンジ「……」

アスカ「どーなのよ?」

ミサト「あの……アスカ……もういいじゃない。何もなかったって言ってるし……」オロオロ

アスカ「ミサトは何も覚えてないんでしょ!?シンジに訊くしかないじゃない!!」

ミサト「それは……でも、シンジくんにも事情があるでしょうし……」

アスカ「私に言えない事情ってなによ?!それってミサトがやっちゃいけないことでしょ?!」バンッ!!!

ミサト「うっ……」

シンジ「やめてよ、アスカ。ミサトさんは関係ないよ」

アスカ「関係ないわけないでしょ!?アンタ、バカぁ!?」

シンジ「アスカにも関係ないよぉ!!!」

アスカ「はぁ?!あるわよ!!!」

シンジ「別にいいじゃないか!!僕とミサトさんが何してたって!!!どうしてアスカに言わないといけないんだよ!!!」

アスカ「何も疚しいことがないならいいなさいよ!!!ミサトは保護者なのよ?!なんかあったら問題じゃないの!!!」

ミサト「あの……二人とも……落ち着いて……」

アスカ「ミサトがはっきりしないからでしょ?!」

ミサト「はい……」

シンジ「アスカ!!もういいだろ!!ミサトさんは何も悪くないよ!!僕は愚痴を訊いてただけなんだよ!!」

アスカ「そんなのミサトの態度を見たらぜんっぜん信じられないわよ!!!」

シンジ「本当だよ!!信じてよ!!!」

アスカ「なら、愚痴を聞いただけっていう証明をしなさいよ!!!」

シンジ「そんなのできるわけないよ!!!!」

ミサト「あぁ……えっと……」オロオロ

アスカ「この……!!バカシンジ!!もういい!!!」

シンジ「なんだよ……。アスカの分からず屋!!!」

ミサト「……」

アスカ「勝手にしたら!?もう知らない!!!」ダダダッ

シンジ「するよ!!!」

ミサト「……」

シンジ「もう……。すいません、ミサトさん。食事中に……」

ミサト「ううん……いいのよ……」

シンジ「ビール、持ってきますね」

ミサト「ありがと……」

シンジ「……」ガチャ

ミサト「ね、ねえ……シンジくん?」

シンジ「なんですか?」

ミサト「……あたし、シンジくんに愚痴を聞いてもらった……だけじゃないわよね?」

シンジ「……ミサトさん、覚えてないんですか?」

ミサト「実は……そうなの。あたし、シンジくんになにかした?」

シンジ「……」

ミサト「……シンちゃん?」

シンジ「なら、これは僕の胸に閉まっておきます」

ミサト「ま、待ちなさい!!シンジくん!!それはダメ!!きちんと説明して!!」

シンジ「でも、覚えてないなら……。ミサトさんを苦しめるだけですし」

ミサト「あたしは大人なの。大人は子どもの責任を負う為にいるのよ。わかる?」

シンジ「ミサトさん……でも……」

ミサト「何があったか言って。お願い。シンジくんのためなら、なんでもするから」

シンジ「……」

ミサト「シンジくん。言いなさい」

シンジ「ミサトさん……」

ミサト「……やっぱり、シンジくんを虜にしちゃうことでもあった?」

シンジ「わかりました……。話します。昨日、ミサトさんの部屋でなにがあったのかを」

ミサト「……お願いします」

シンジ「昨晩、ミサトさんはかなり酔っていました。何度も僕に抱きついてきたり、キスを迫ったり……」

ミサト「ふんふん」

シンジ「それはまぁ、いつものことなので良かったんですけど……。昨日はそのままミサトさんが僕を強引に部屋へ連れ込みました」

ミサト「それはアスカから聞いたわ」

シンジ「部屋に入ると、ミサトさんが脱ぎ始めて……」

ミサト「……」ゴクリッ

シンジ「これが女性の肉体よって言って、僕に全てを見せてきて……」

ミサト「……あたし、酔ってたのね」

シンジ「そのあと……」モジモジ

ミサト「な、なに?やっぱり、しちゃった?」

シンジ「僕を脱がし始めて……」

ミサト「……」

シンジ「そのまま……布団に中に……入って……寝ました」

ミサト「シンジくん。えと……ごめんなさい……」

シンジ「いえ……ミサトさんのは……綺麗でしたから……その……僕も嬉しかった……です……」

ミサト「……」

シンジ「……」

ミサト「えっと……。気持ち悪いとか思わなかった?」

シンジ「そんなことありません」

ミサト「そう……」

シンジ「……」

ミサト「訊くけど……寝ただけなのよね?」

シンジ「……」

ミサト「シンジくん?」

シンジ「……ええ。寝ただけです」

ミサト「……ホントに?」

シンジ「はい。ミサトさんは何も悪くありません」

ミサト「……」

シンジ「ミサトさんは酔ってただけですから……」

ミサト「待って。やっぱり、ただ寝ただけじゃないでしょ?!あたし、なにしたの!?シンジくんとなにしたの!?」

シンジ「それは……」

ミサト「教えなさい」

シンジ「……ワカメ酒を……」

ミサト「……え?」

シンジ「ミサトさん……股のところにお酒を溜めて……」

ミサト「……ほかには?」

シンジ「タバコを……」

ミサト「タバコ?」

シンジ「……」

ミサト「……なるほど」

シンジ「色んな芸を見せてもらいました」

ミサト「だから、ありがとう……なのね」

シンジ「はい。面白かったです」

ミサト「……具体的、なにしてたの、あたし」

シンジ「水芸とか……」

冬月「最低だな・・・」


ゲンドウ「あぁ・・・」

ミサト「……」ゴンッ

シンジ「ミサトさん!?」

ミサト「……」

シンジ「ミサトさん!!しっかりしてください!!」

ミサト「……これじゃあ……シンジくんに……愛してもらうだけの資格はないわね……あたし……」

シンジ「いえ……でも……色んな座敷芸ですか?ミサトさんに教えてもらえましたから……」

ミサト「……シンちゃん……」ウルウル

シンジ「でも、水芸はちょっと後の処理が大変でしたけど……」

ミサト「ごめんなさい!!!シンジくん!!!!」ダダダッ

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「あたしは最低よ!!!」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「日中は楽しかった……思い出をありがとう……シンジくん……」

シンジ「待ってよ!!ミサトさん!!!」

水芸って何やったんだろうな

―ミサトの部屋―

ミサト「……そりゃ、アスカにいえないわー……あたしが座敷芸をしてたなんて……」

ミサト「んぐっ……んぐっ……」ゴクゴクッ

ミサト「ぷはぁ!!―――ほーんと、駄目な大人になっちゃったわねぇ……」ヒック

ミサト「はぁ……そりゃ、裸で寝るわ……。でも、シンジくんも一緒に寝てたのは……なんでなのかしら……」

ミサト「もう、どぉーでもいっか。どーせ、嫌われたし……」ヒック

ミサト「短い青春だったわねぇ……あ、この場合は性に春で、性春かしらぁ……んぐっ……んぐっ……」

ミサト「ぷはぁ……なんちゃって……」

ミサト「あー……もう寝よう……」

ミサト「少女の心なんて、ありゃしないわよ……」

ミサト「もうおばさん、なんだからぁ……」

ミサト「……」ヒック

ミサト「……」ウルウル

ミサト「うぅぅ……」ポロポロ

       /  l   .|  .|
    __  | __ |   | __ |
    l ヽ. |   |  |   |
.   | __| | __ | |^)_ |    ,-、
   _ |  | |   | .|ノ  |.    i  ヽ
  i'i. ヽ. -‐、 !   !-! ‐- ヽ.  〉、 l
 / _ ノ.ヽ. `' (ノo(ヽο/ ヽノ (ノ |

 ヽ. ,`ヽ,ソ    )ノ   ノ/o   |
   \ '  / / l     ()ヽ l
    ヽ.   '    |  (⌒ヽ  |
     ヽ.     |   しノ  /
      ヽ    l      /

最低だ・・・・・・・・俺って

―リビング―

シンジ「ふぅ……サッパリした」

アスカ「……」

シンジ「アスカ、お風呂あいたよ」

アスカ「入るわよ」

シンジ「アスカ……」

アスカ「ふんっ。不潔!!」

シンジ「……」

シンジ「ごめん、アスカ。でも、言えるわけ無いよ……」

シンジ「ミサトさんがあんなことしてたんて……」

ミサト「シンちゅぁぁぁん?」

シンジ「ミサトさん?!」

ミサト「うぅ……お酒……たりないわよぉ?」ヒック

シンジ「ミサトさん?!短時間で一升瓶を空にしたんですか?!ダメですよ!!こんなの!!体に悪いですよ!!」

ミサト「うるさい!!あたしはぁ、もう、だぁめなおとななのよぉ!!あだると、ちるどれんなのよぉ……」ヒック

シンジ「ミサトさん、大丈夫ですか?」

ミサト「やさしくしないでよぉ……シンちゃんもぉ……あいそがつきたでしょぉ……?」

シンジ「そんなことありませんよ」

ミサト「いいから、さけよ……さけもってきて……。のまずにいられないわぁ……」ヒック

シンジ「ミサトさん」

ミサト「なんで……さけによって……シンちゃんにお下劣なモン、みせるのよ……あたしはぁ……」ウルウル

シンジ「いえ、ミサトさんの芸はとてもよかったですよ」

ミサト「う……うわぁぁぁん……!!」

シンジ「ミ、ミサトさん……」

ミサト「もういいのよ……?でていっても……」

シンジ「何を言っているんですか?ミサトさん、しっかりしてください」

ミサト「あたしのこと……きらいでしょぉ……?」

シンジ「言ったじゃないですか。僕はミサトさんのこと嫌いになんてなってないですよ。好きだっていったじゃないですか」

ミサト「なぐさめはいらないわぁ!!!」ポロポロ

シンジ「そ、そんな……」

ミサト「う……うぅう……」

シンジ「ミサトさんの芸はよかったですよ。本当です」

ミサト「……そこまでいうなら。もう一度、やったげる」

シンジ「え?」

ミサト「ビールでいいわよねぇ?」ヒック

シンジ「ミサトさん!!せめて部屋で!!」

ミサト「わかめざけからしましょうね~」

シンジ「ミサトさん!!」

ミサト「まずはぬがないと……」ヌギヌギ

シンジ「部屋でしましょう!!リビングはまずいですよ!!ミサトさん!!」

ミサト「あたしの芸、よかったんでしょぉ?」ヒック

シンジ「でも、ダメですって!!」

ミサト「ほーら……わかめ―――」

アスカ「―――ちょっと、何騒いで……なにやってんの?」

シンジ「うわぁぁぁぁぁ!!!!」

これは









シンジ場所交代しよう 今だけ

ミサト「シンちゃん?あたしの芸、みてくれないわけぇ?」ギュゥゥ

シンジ「……」

アスカ「それが真実なのね?」

シンジ「うん……」

アスカ「……」

シンジ「アスカ!!分かってよ!!ミサトさんは少し酒に呑まれて……おかしくなっただけなんだ!!」

アスカ「……それはわかったけど」

ミサト「バナナ切りしてあげるわねぇ……シンちゃんのためにぃ……」ヒック

シンジ「ミサトさん。ダメです」

ミサト「なんでぇ?」

アスカ「とにかく、今日は私がミサトを寝かせるから」

シンジ「う、うん……」

アスカ「ほら、ミサト。部屋に行くわよ」

ミサト「あらぁ?アスカも水芸するぅ?今ならおしえてあげるわよん?」ヒック

アスカ「いらないわよ!!アンタ、バカぁ!?」

ミサトさんの切ったバナナ食べたい

―ミサトの部屋―

アスカ「ほら、しっかりしなさいよ!!」

ミサト「うぅー……」

アスカ「ほら、もう寝て」

ミサト「アスカもワカメ酒、しなさいよぉ」

アスカ「するかぁ!!!」

ミサト「しなさいよぉ……アスカもワカメ酒して……シンちゃんにきらわれろぉ……」グスッ

アスカ「はぁ?私は……シンジのことなんて……」

ミサト「あたしだってシンジくんのことすきなのにぃ!!どうしてこんなことになったのよぉ!!!」

アスカ「……」

ミサト「うぅぅぅぅ……おぇー」

アスカ「うわ!?ちょっと!!」

ミサト「ぐぅ……すぅ……」

アスカ「ホント、駄目な大人の見本市ね……」

ミサト「シンちゃぁん……すぅ……すぅ……」

―深夜―

ミサト「……」ガバッ

ミサト「……といれ……」フラフラ

ミサト「うぅ……気持ち悪い……」

ミサト「うぷっ……だめ……」ガチャ

ミサト「うっ……!?」

ミサト「おぇー」

ミサト「はぁ……はぁ……うっ?!―――おぇー」

シンジ「ミサトさん!?大丈夫ですか!?」

ミサト「シ、シンジくん……?だめ……見ないで……こんなあたしを……おぇー」

シンジ「大丈夫ですか?」

ミサト「うぅ……情けないわね……こんな見っとも無い所までシンジくんに……」

シンジ「そんなことないですよ。ミサトさん、いつも僕たちのためにがんばってくれてるじゃないですか」

ミサト「うぅ……シンジくおぇー」

シンジ「背中、さすってあげます……」スリスリ

―リビング―

シンジ「どうぞ。あさりのお味噌汁です。少しは気分が良くなると思います」

ミサト「ありがと……」ズズッ

シンジ「どうですか?」

ミサト「美味しい……」

シンジ「よかった。おかわりが欲しいなら言ってください」

ミサト「もしかして……作ってくれてたの?」

シンジ「あれだけ飲んで二日酔いにならない人のほうが珍しいですから」

ミサト「シンちゃん……」

シンジ「ゆっくり飲んでください」

ミサト「うぅぅ……」ウルウル

シンジ「ミ、ミサトさん?まだ気分が優れませんか?」

ミサト「どっちが大人か……わからないわね……」ポロポロ

シンジ「ミサトさんが大人に決まってるじゃないですか。僕が知らないことをいっぱい知ってるし」

ミサト「そうじゃないのよ……シンジくん……」

酔いにいいのはシジミじゃなかったっけ

>>199
きっとセカンドインパクトでシジミ採れなかったんだよ

シンジ「え?」

ミサト「知識があるから大人じゃないのよ」

シンジ「そうなんですか?」

ミサト「そうよ。その知識を上手く活かす事ができないと大人じゃないわ」

シンジ「僕にはよく分かりません。そういうことを知っている分、ミサトさんは僕よりも大人だと思います」

ミサト「……」ズズッ

シンジ「おかわりは?」

ミサト「ねえ、シンジくん。真面目に答えてほしいの」

シンジ「なんですか?」

ミサト「あたしのこと、どう思う?」

シンジ「え?」

ミサト「シンジくんから見て、あたしはどう映ってるのか教えて欲しいの」

シンジ「それは……すごく、ダメな人だなって思います。すぐにゴミは溜めるし、酒癖は悪いし、脱いだ下着はその辺に放るし、僕が作らないとレトルトかインスタント食品しか口にしないし……」

ミサト「……」ゴンッ

シンジ「あ?!ミサトさん!?大丈夫ですか?!」

>>199
シジミでしたサーセン

ミサト「……」

シンジ「顔を上げてください」

ミサト「無理」

シンジ「……でも、素敵な人であることは間違いないです」

ミサト「……え?」

シンジ「本部でのミサトさんはかっこいいですよ。指示を出したり作戦を考えたりしているときのミサトさんはとても凛々しいですから」

ミサト「……」

シンジ「それに僕のことを一番心配してくれてるのは……ミサトさんですから……」

ミサト「……」

シンジ「だから、多少私生活に問題があっても、僕にとってミサトさんは素敵な大人の女性です」

ミサト「……ほんとに?」

シンジ「はい」

ミサト「シンジくん……ありがと……」

シンジ「僕はミサトさんのこと好きですから。あんなことで嫌いになったりしません」

ミサト「あたしも……シンジくんのこと……好きよ……?」

シンジ「嬉しいです」

ミサト「……あ、あの……シンジくん……お味噌汁おかわり、もらえる?」

シンジ「はい。喜んで」

ミサト「……」モジモジ

シンジ「どうぞ」

ミサト「うん……」ズズッ

シンジ「もう、大丈夫ですか?」

ミサト「ええ。もう気分もよくなったわ」

シンジ「そろそろ僕も寝ますね」

ミサト「……シンジくん。もう一つだけ、訊いてもいい?」

シンジ「はい?」

ミサト「あたしと朝まで一緒に寝てたのは……どうして?」

シンジ「……」

ミサト「シンジくん?」

シンジ「……おやすみなさい」

ミサト「待って!!逃げるの!?」

シンジ「違いますよ。もう寝るんです。明日も早いですから。僕、アスカとミサトさんと綾波の分のお弁当、作らなきゃいけないんです」

ミサト「それは……」

シンジ「ミサトさんのお弁当に入れる、タコさんウインナーとウサギ型のりんごが一番手間がかかるんですから、もう寝かせてくださいよ」

ミサト「ありがとう。でも、あたしが寝たら、シンジくんは部屋に戻って寝てもいいわよね?どうして朝まであたしの隣に居たの?」

シンジ「……」

ミサト「あたし、そのせいで可笑しな勘違いしちゃったから……」

シンジ「もう、良いじゃないですか」

ミサト「でも……」

シンジ「僕が朝、ミサトさんの隣で寝てちゃいけないんですか?」

ミサト「いけないこともないけど……理由は欲しいところなんだけど……」

シンジ「そんなの些細な問題ですよ……」

ミサト「でも、もしものことがあったら……あたし……」

シンジ「僕、ミサトさんには何もしませんよ。約束します」

ミサト「それはそれで寂しいんだけど……」

シンジ「それじゃあ……」

ミサト「待ちなさい。せめて、どうしていたか言いなさい。あたしが引きとめたの?」

シンジ「……」

ミサト「それともシンジくんが選んで、あたしの傍にいたの?」

シンジ「……」

ミサト「シンジくん。答えなさい。あの夜、あたしが下品なことをしたあと、何があったの?」

シンジ「……っ」

ミサト「シンジくん!!」

シンジ「誰にも……言いませんか?」

ミサト「え?」

シンジ「これから話すこと、誰にも言わないって……約束してください」

ミサト「ええ……言わない。あたしとシンジくんだけの秘密にするわ」

シンジ「あの夜、色々な芸を見せてくれたあと、ミサトさんはこう言いました……。―――シンジくん、今日はあたしがママよって」

ミサト「……」

シンジ「いっぱい、ママに甘えてみないって……ミサトさんは言いました。だから、甘えました」

ミサト「あたしは、な、なにをしたの?」

シンジ「僕を布団の中で抱きしめて、頭を撫でながら素っ頓狂な歌声で子守唄を歌ってくれました」

ミサト「そ、そうなの?」

シンジ「はい」

ミサト「シンジくんはどう思ったの、それ?」

シンジ「嬉しいに決まってるじゃないですか!!!」

ミサト「?!」

シンジ「母さんのことなんて覚えてないんですよ……。だから、抱きしめられて、頭を撫でられて……本当に嬉しかったんです」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「たとえ、その直前にとても中学生に見せることのできない芸を披露したからって、関係なかった。ミサトさんの温もりが……とても嬉しかったんです」

ミサト「……芸を披露しなかったら、もっとよかったわね」

シンジ「はい」

ミサト「ごめんなさい……」

シンジ「でも、ミサトさんに抱かれて……とてもよく眠れました。ここにきて一番心地よく眠れたと思います」

ミサト「そ、そう……なんだか……恥ずかしいわね……」

シンジ「本当の母さんってこうなのかなって……実感できました……」

ミサト「それなら……よかったわ……」

シンジ「ただ……」

ミサト「なに?」

シンジ「ミサトさん、その裸だったんで……すこし、ドキドキしました……」

ミサト「……うーん……ドキドキ、しただけ?」

シンジ「はい」

ミサト「はぁ……喜んで良いのやら……」

シンジ「どうかしたんですか?」

ミサト「こっちの話ぃ。そう、でもシンジくんに安らぎを与えていたなら、あたしも嬉しいわ」

シンジ「……誰にも言わないでくださいよ?」

ミサト「言わないわよ。あたしだって、こっぱずかしいんだから」

シンジ「ふふ……。それじゃあ、ミサトさん。おやすみなさい」

ミサト「えっと……シンジくん?今日も……あ、甘えてみる……?」

シンジ「え?……い、いいんですか?」モジモジ

ミサト「大人のキスよ、帰って来たら続きをしま―」

シンジ「ミサトさん・・・だが断る!!」

ミサト「シンジくんはエヴァのパイロットとして毎日がんばってるし、あたしがシンジくんの心を癒せるなら喜んでするわよん」

シンジ「ミサトさん……」

ミサト「あ、ちょっとだけ私情も入ってるけど……」

シンジ「……なら、甘えさせてください。ミサトさん」

ミサト「ええ。いいわよ。ほら、おいで」

シンジ「……母さん」ギュッ

ミサト「……ちょっと、複雑ね……まぁ、いいけど」ギュッ

シンジ「すいません……つい……」

ミサト「いいのよ。さ、寝室に行きましょ」

シンジ「は、はい……」

ミサト(シンジくんもやっぱりまだまだ子どもね。色々妄想した自分が恥ずかしいわぁ……)

シンジ「ミサトさん……」ギュゥゥ

ミサト「よしよし」ナデナデ

ミサト(寝るときぐらい、大人にならないと)

シンジ「好きです……ミサトさん……」ギュゥゥ

―ミサトの部屋―

ミサト「電気、消すわね」

シンジ「はい」

ミサト「……」パチッ

シンジ「ミサトさん……」

ミサト「なに?」

シンジ「僕……父さんに褒められるのも嬉しいですけど……。ミサトさんに褒められるのが一番、好きです……」

ミサト「シンジくん……」

シンジ「ミサトさんが褒めてくれるだけで……僕、エヴァに乗れる気がします……」ギュゥゥ

ミサト「ありがとう、シンジくん。でも、無理だけはしないでね」

シンジ「は……い……」

ミサト「あたしもシンジくんが辛い目にあうのは嫌だし……」

シンジ「すぅ……すぅ……」

ミサト「あら、もう寝ちゃった?……おやすみなさいのキスよ、シンジくん……んっ」

シンジ「ぅんっ……」

―翌朝―

ミサト「んごぉー……んごぉー……」

シンジ「ミサトさん、起きてください。ミサトさん」ユサユサ

ミサト「ん……?あら、シンジくん、もうあさぁ?」

シンジ「朝食、出来てますよ」

ミサト「んー、すぐにいくわぁ……」ポリポリ

シンジ「早くしてくださいね」

ミサト「はぁーい」

シンジ「ふふ……」

アスカ「……シンジ?」

シンジ「なに?」

アスカ「また、ミサトとの距離、縮んでない?」

シンジ「え?そうかな?よくわからないけど……」

アスカ「……」

ミサト「ふわぁぁ……あら、アスカ、おはよぅ……」

ミサト「いただきまぁーす」

シンジ「ミサトさん、今日は帰り遅くなるんですか?」

ミサト「そうね、ちょっち遅くなると思うわー。待ってなくていいからね?」

シンジ「分かりました。温められる料理、作っておきますね」

ミサト「ありがとー!!たすかるわぁ」

アスカ「……ちょっと、ミサト?」

ミサト「なに、アスカぁ?」

アスカ「昨日、シンジになんかしたんじゃないでしょうね?」

シンジ「アスカ。なにもして―――」

ミサト「一緒に寝たの」

アスカ「ぬぁんですって?!どーいうことよ?!それでも保護者!?」

シンジ「ミ、ミサトさん!?」

ミサト「次はアスカも一緒に寝る?甘えても、いいのよ?」

アスカ「……っ!!誰が!!」

ミサト「素直じゃないわねー」

アスカ「このエロシンジ!!なんでミサトと一緒に寝てるのよ?!」

シンジ「それは……」

ミサト「アスカも一緒に寝ればわかると思うけどー?」

アスカ「……ふんっ。ダメな大人と寝る趣味なんてないわ!!」

ミサト「あら、そう?なら、シンジくんはまたあたしと寝ることになるわねー?」

アスカ「……」

ミサト「それでもいいの?」

アスカ「好きにしたらいいでしょ!!」

シンジ「ミサトさん!!どうして言っちゃうんですか!?」

ミサト「一緒に寝る理由は言ってないでしょ?セーフ」

シンジ「そんなぁ……」

ミサト「それにぃ。あたしばっかりがシンジくんを独占してもフェアじゃないから」

シンジ「僕は……ミサトさんだけでも……」

ミサト「だ、め。ちゃんと周りにも目を向けなさい。その上であたしがいいって言うなら、いつでも受け止めてあげる」

シンジ「は、はぁ……」

ブサイク童貞「構わん続けろ」
キモオタデブ「聞いてるよ^^」
根暗引篭もり「早く書けよ」
池沼ニート 「ふむ」
コミュ障大学生「つまんね」


くっせえええええええええええええ

―ネルフ本部―

レイ「……」スタスタ

ミサト「レイ、ちょっちきて」

レイ「なんですか?」

ミサト「昨日、言ったこと撤回するわ」

レイ「え?」

ミサト「シンジくんのことを考えて胸の辺りがポカポカするなら、シンジくんにどーんっとぶつかってみなさい」

レイ「どーんっと、ですか?」

ミサト「そう。シンジくんは鈍感だからね。積極的にいかなきゃ、アスカやあたしにとられちゃうわよん?」

レイ「……わかりました」

ミサト「がんばってね、レイ」

レイ「はい」

ミサト「……これでよし」

ミサト「あとは、シンジくん次第ね……」

ミサト「あたしを選んでくれないかしら……?」ドキドキ

―休憩所―

アスカ「ちょっと、シンジ?ミ、ミサトとなにもないんでしょうね……?」

シンジ「え?うん、ただ添い寝してるだけ……」

アスカ「なんで、ミサトなのよ?」

シンジ「え?いや……別にいいじゃないか……」

アスカ「わ、私じゃ―――」

レイ「碇くん」

シンジ「綾波?」

レイ「どーんっ」ドカッ

シンジ「うわぁ?!綾波、どうしたんだよ?!」

アスカ「ちょっと!!なにしてるのよ?!あんた!?」

レイ「葛城一尉がぶつかれって」

アスカ「はぁ?!」

シンジ「あ、綾波……とりあえず……どいて……」

レイ「どーんっ」

レイ「どーんっ」



かわいい

―葛城宅―

ミサト「ただいまぁ」

シンジ「ミサトさん、おかえりなさい」

ミサト「シンジくん。起きててくれたの?いいって言ったのに」ナデナデ

シンジ「だって……ミサトさん、甘えてもいいって……」

ミサト「……シンジくん!!かわいい!!」ギュッ

シンジ「ミ、ミサトさん……」

ミサト「はぁ……いつでもあなたのお母さんになってあげるし……その……まぁ……異性として……みてくれても……」

アスカ「いい大人が中学生を口説いていいわけ?」

ミサト「アスカ?!」

アスカ「バカシンジ!!今日は私に添い寝するのよ?!」グイッ

シンジ「ど、どうして?!」

ミサト「ダメよ、アスカ。シンジくんの意思を尊重しないと」

アスカ「今のミサトに勝てるわけないでしょ!?」

シンジ「あの……」

シンジモテモテ

アスカ「なによ?!」

シンジ「それなら……アスカもミサトさんと一緒に寝ようよ」

アスカ「はぁ?!なんで、ミサトなんかと?!」

ミサト「いいわねぇ。シンジくんを中心においたら、公平でしょ?」

アスカ「……!!」

ミサト「シンジくんはあたしと寝たいって言うんだものぉ。しっかたないわよぉ」

アスカ「分かったわよ!!シンジ!!!きちんとお風呂に入りなさいよね!!!」

シンジ「え、うん……」

アスカ「歯も磨いて、万全にしておきなさいよ!!!ふんっ!!!」

シンジ「それぐらい言われなくてもするよ……」

ミサト「ま、アスカに靡くまではもう少し時間がいるわねぇ」

シンジ「え?」

ミサト「こっちの話よん。さ、ごーはん、ごーはん」

シンジ「今、用意しますね」

ミサト「ありがと、シンジくん」

もうわかったよ
ミサトもアスカも俺と寝よう
それでいいだろ

>>291
碇シンジ君はもらっていくよ

―ミサトの部屋―

ミサト「はぁーい、電気消すわね」パチッ

シンジ「えっと……」

アスカ「……」ギュッ

シンジ「アスカ?」

アスカ「……あんたはこっちを向いてればいいのよ」

ミサト「はー、おやすみ」

シンジ「ミサトさん、おやすみなさい」ギュゥゥ

ミサト「うん。おやすみのキス、する?」ナデナデ

シンジ「それは……」

アスカ「ダメに決まってるでしょ!?シンジはこっちよ!!」グイッ

シンジ「アスカ……ちょっと……」

アスカ「文句あるの?!」

シンジ「な、ないけど……」

ミサト「あっはっはっは。争え若人たちぃ。ま、シンちゃんはまだ、あたしのモノだけどぉ」ギュゥ

シンジ「すぅ……すぅ……」

アスカ「ぅん……バカ、シンジぃ……」ギュッ

ミサト「……やっぱり、疲れてるのね」

ミサト「中学生だものね……当然かぁ……」

アスカ「すぅ……すぅ……」

ミサト「アスカ……おやすみのキスよ……んっ」

アスカ「ん……ママぁ……」

ミサト「……」

シンジ「ミサ、トさぁん……」

ミサト「シンジくんは大人のキスよ……んっ」

シンジ「んんっ……」

ミサト「大人になったら、続きをしましょ?」

シンジ「……か、あさん……」ギュッ

ミサト「大好きよ、シンジくんっ。おやすみなさい」


FIN

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom