アルミン「共同生活」 (112)

1.進撃のSSです。
2.アニ「共同生活」
3・ミカサ「共同生活」
  の続きです。

SSWiki : http://ss.vip2ch.com/jmp/1389508206

ハンジ「あっあそこだよ!」

リヴァイ「なんだ。うるせーな」

ハンジ「ちょっと前から訓練兵団が授業料をとるようになって」

ハンジ「寮も無くなったからみんなで家を借りて住んでるんだって」

リヴァイ「悲惨だな」

ハンジ「そーでもないんじゃない?だって楽しそうじゃん」

ハンジ「今度彼らの家訪問してみようか?」

リヴァイ「何の意味があるんだ」

ハンジ「いやー今時の若者がどんな生活をしているか気になるでしょ?」

リヴァイ「まったくならねーな」

ハンジ「OK。私は気になるからいこう」

リヴァイ「あっ?興味ねーっていってるだろ」

ハンジ「じゃあ今度エルヴィンには言っとくからね出張だ」

ハンジ「理由はどうしよーかな。そうだ有望な新人の勧誘としよう」

リヴァイ「いかないって言ってるだろ?」

リヴァイ「それに最近エルヴィンケチだからな出張手当てでねーぞ」

ハンジ「あーあれ以来厳しくなったよね。まぁ金額が半端なかったし」

ハンジ「みんな死ぬ気かってくらい食ってたね」

リヴァイ「普段の実技もあれくらいならいいんだか」

ハンジ「みんな結構優秀じゃない?アルミンとかすごいよ」

リヴァイ「実技はいまいちだがな」

ハンジ「まー誰にも得手不得手はあるよ」

リヴァイ「とりあえずお前は実技用のハリボテを大量に作るのをやめろ」

ハンジ「なんで?実技で役に立つじゃん」

リヴァイ「練兵場にあふれてんだよ。訓練の邪魔だ」

ハンジ「訓練兵の中にそういうのが得意な子達がいてね作ってもらっているんだ」

ハンジ「もうディティールとかすごいよ」

リヴァイ「訓練兵に作らせてるのか?」

ハンジ「まぁまぁ実技でたくさんつかってよ」

ハンジ「それにしても彼らの訓練も中盤だ。そろそろ進路を決めてるかな?」

リヴァイ「決めてるだろうな」

ハンジ「私達のところに来てくれると嬉しいね?」

リヴァイ「俺だったらお前みたいなやつのとこには行きたくないがな」

ハンジ「ひどいなー。こうみえてもみんなには人気あるんだよ」

ハンジ「休み時間には質問攻めに・・・」

ハンジ「ならない・・・なんでぇ?」

ハンジ「私の講義つまらないのかな」シュン・・・

リヴァイ「お前・・・最初から質問はなかったのか?」

ハンジ「いや一回はあったよ?」

リヴァイ「その後は?」

ハンジ「その一回しかないかなー」

ハンジ「そうか!私の回答がわかりにくかったのか」

ハンジ「もっと丁寧に教えなくてはいけなかったんだね!」

リヴァイ「全然違う」

ハンジ「えー?訳が分からないよ。やっぱり最近の若者は難しいねぇ?」

ハンジ「よし。やっぱり家庭訪問しよ。先に本部に戻るから日程がきまったら連絡するよ」

リヴァイ「話を・・・聞け」

サシャ「アルミンどうしたんです?外を眺めて」

アルミン「ちょっと変な人たちが・・・いやなんでもないよ」

アルミン「じゃあ話を進めようか?」

クリスタ「なんだっけ?」

コニー「アルミンが家に遊びに来たんだろ?」

サシャ「違いますってご飯を食べに来たのです。さぁご飯にしましょう」

アルミン「全部違います」

サシャ「違います」

クリスタ「違います?」

コニー「違うらしいぞアルミン」

アルミン「えっ?僕が?」

ユミル「おーい邪魔するぞ」

クリスタ「ユミル。こんにちわ」

ユミル「元気かクリスタ?」

アルミン「ユミルだ。コニー達の家に何か用なの?」

ユミル「暇だから。アニは昼寝してるしミカサとエレンは買い物いったし」

アルミン「誰にも相手にされなかったと」

ユミル「お前・・・言うことが段々ひどくなってないか?」

アルミン「冗談だって・・・でも大体あってない?」

ユミル「・・・今度お前の髪切るときコニーみたいにするぞ?」

アルミン「坊主はちょっと」

コニー「いいじゃん坊主」

ユミル「しかしつまんねーよな。前と同じでっていうだけでみんな変えないからな」

アルミン「それはユミルが遊ぶから警戒してるんだよ」

アルミン「前なんて僕の髪型クリスタと一緒にしたでしょ?」

ユミル「あれはシャッフルクイズがしたくてだな」

アルミン「してどうするのさ?」

ユミル「正解率50%くらいか?」

アルミン「やったの!?」

コニー「俺間違えた」

サシャ「私もです!」

アルミン「間違えたの!?」

クリスタ「私は当てたよ」

ユミル「私も」

アルミン「当たるよ!」

アルミン「・・・まぁ僕はいいけどアニで遊ばないでよ」

ユミル「あいつは反応がいいからついな」

アルミン「一週間くらいフードかぶってたよ」

ユミル「いや・・・良かれと思ってだなぁ」

クリスタ「私見たけど悪くなかったよ」

ユミル「そうだろ?」

アルミン「エレンに髪型変えたのか?って言われてからだね」

ユミル「ふんっ・・・あっそうだ土産があるんだ」

コニー「なんだ?食い物か?」

サシャ「えっ食べ物ですか?」

ユミル「まぁ落ち着け。これだ」

クリスタ「あっクッキー」

コニー「おぉすげー。どこで買ったんだ?」

ユミル「アニが焼いたのを持ってきた」

アルミン「えっ?ちゃんとアニに断ったの?」

ユミル「大丈夫だって」

アルミン「うーん」

サシャ「食べてから考えましょう」サクサクッ

アルミン(それを行きあたりばったりと言うんだけど)

コニー「俺も」サクサクッ

クリスタ「私も」サクサクッ

ユミル「ほらっ喰え。お前も共犯だ」サクサクッ

アルミン「もうっ」サクサクッ

ガチャ・・・

アニ「ちょっと邪魔するよ。ねぇユミル見なかった?」

サクサクサクサク

アニ「あっ・・・私のお菓子」

サクサクサクサク

アニ「食べたの・・・」

サクサクサクサク・・・

ユミル「アニ機嫌直せよー」

アニ「別に・・・」

ユミル(これは機嫌悪いな)

アルミン(アニって機嫌が悪い時喋らなくなるよね)

サシャ「ありがとうございますアニ。美味しかったです」

クリスタ「私も。今までで一番美味しかったよ」

アニ「・・・ありがと」

アニ「・・・私もみんなと食べたかった」ジロッ

ユミル「まだあるって。ほらっ」

アニ「・・・」ムー・・・

ユミル「はいっ。サシャお茶の準備するぞ」

サシャ「もっと食べたいです」

ユミル「だからだ。台所へいくぞ」

サシャ「お茶の量このくらいでいいですかね?」

ユミル「んっああ。いいんじゃないか」

サシャ「どうしたんですユミル?微笑んだりして?」

ユミル「うん?見てみろよ。あいつらみんなちっちぇーなって思ってさ」

サシャ「そういえばそうですね。なんかちまちましてます」

サシャ「なんでしょう・・・なぜか微笑ましいですね」

ユミル「だろ?」

アニ「アルミン。なんか生暖かい視線を感じるんだけど」

アルミン「ほんとだ。なんだろ?ユミルニヤニヤしてて気持ち悪いね」

クリスタ「そんなこと言っちゃだめ。ああ見えても傷付きやすいんだから」

アニ「ああ見えてもねぇ」

コニー「結構家に来て愚痴いって帰ってくな」

クリスタ「前だってアニが髪を切ったのに気に入ってくれないとか」

クリスタ「アルミンが折角作ったご飯を残したとかいってたよ」

アニ「だって勝手に髪型変えちゃうから・・・」

アルミン「ユミルのときちょっと量が多くて・・・」

クリスタ「ユミルはユミルで悪気なんてないでしょ?むしろその逆だよね」

コニー「口は悪いがな」

クリスタ「うーんそれがユミルの持ち味かな?」

アニ「わかってるって」

アルミン「もうちょっと優しくなろうかなぁ」

クリスタ「うんうん」

コニー「それに比べてうちのサシャはなぁ」

アルミン「サシャがどうかしたの?」

コニー「なんつーか自由だよな」

クリスタ「食費はすごいね」

アニ「けどさ意外と繊細に見えるよ私は?」

コニー「そうかぁ?」

アルミン「割と周りを気にしているんだよね」

アルミン「困った時一番最初に気付くのはサシャじゃない?」

クリスタ「そういえばそうかも」

アニ「奔放に見えるところもいいじゃない」

コニー「まーな」

クリスタ「きっと少し離れているほうが相手のことがよく見えるのかな」

アニ「まぁ難しいところだね。隣の芝は青くみえるのかも」

サシャ「?今度は向こうがこっちを見てきましたよ?」

ユミル「きっと尊敬の眼差しに違いないな」

サシャ「はい?」

ユミル「おーい。チビーズお茶ができたぞ」

サシャ「おっまだ結構残ってますね。食べていいですか?」

クリスタ「はぁ・・・」

アルミン「はぁ・・・」

サシャ「んっどうしました?」

ユミル「溜息なんてつくなよ」

アニ「あんた等のせいだって」

コニー「チビーズってなんだ?」

アルミン「っで僕がここに来たのは相談があって呼ばれた訳なんだけど」

アルミン「大方夏休み明けのテストについてかな?」

サシャ「まだあります!」

アルミン「そんな誇らしげに言われても」

クリスタ「えっと去年はなんとか乗り切ったんだけど」

クリスタ「今年は家賃の年間更新料とかあって蓄えが少なくて」

サシャ「このままでは冬が越せません!」

コニー「獲物も少なくなるしな。飢え死にするぜ!」

アニ「なんでそんな元気なの?」

サシャ「ヤケです!」

ユミル「おー末期だ。どうすんだアルミン?」

アルミン「当たり前のように僕に振るねユミルは・・・いいけどさ」

アルミン「冬までに収入をもっとを増やしてってことかぁ」

アニ「ちなみにウチは大丈夫なの?」

アルミン「僕らは割と大丈夫。みんな給料上がってるし」

アルミン「誰かが少しでも働いてくれるともっといいんだけど」

ユミル「そんな奴いたか?」

アルミン「最近はもう諦めたから」

ユミル「それはそれは」

アルミン「・・・サシャ達の捕ってきた獲物ってアニの店に仕入れているんだよね」

アニ「まぁね。けど全部が全部って訳じゃないよ」

アニ「狩っている物だと仕入れが不安定になるから複数から仕入れているんだ」

コニー「残った分はうちらで喰ってるから無駄にはなってないぜ」

アルミン「けどやっぱり売ったほうがいいよね。お肉は貴重だし」

サシャ「残念ですが背に腹は変えられません」

アニ「使い方はあってるけどサシャが言うと違う意味に聞こえるから不思議」

ユミル「市で店でも出して売ったらどうだ?」

サシャ「屋台とかですか?ですがそもそも屋台がないですよ」

コニー「作るか?」

アルミン「屋台を?ちょっと僕らではうまく作れる自身がないなぁ」

アルミン「大工でもない限り・・・ねぇアニ?」

アニ「嫌だよ」

アルミン「なにも言ってないじゃない・・・その通りだけど」

アニ「・・・じゃあみんな一緒に頼んでくれる?」

ユミル「じゃアニちゃんのために行ってやるか」

サシャ「アニのためにがんばります!」

アニ「ありがと?」

サシャ「コニー留守番お願いします」

コニー「へーい」

アルミン「ここがライナー達の家だね」

アニ「私も来るのは始めてなんだ」

アニ「ライナー、ベルトルトいる?」コンコンッ

ベルトルト「あっアニ・・・珍しいというか始めてじゃないかな?どうしたの?」

ベルトルト「みんなも引き連れて」

クリスタ「こんにちわベルトルト」

ユミル「よっベルトルさん」

アニ「ライナーもいい?」

ベルトルト「ちょっと呼んでくるね。裏庭でなにか作っているから」

アニ「いーよ。そっちに行くから」

アニ「住み込みはいつからやめたの?」

ベルトルト「えーと結構最近だよ2ヶ月くらい前かな」

ベルトルト「ライナーが自由に創作したいって」

アニ「何考えてんの?」

ベルトルト「そうだよねぇ」

ベルトルト「あっいた。ライナー、アニが来たよ」

ライナー「何だ珍しい」

アニ「何だとは何?」

アルミン「ライナー忙しいところ悪いね」

クリスタ「こんにちわライナー」

ライナー「みんなよく来たな。アニが迷惑かけてないか?」

アニ「何いってんのこいつ?」

ライナー「昔からこいつは無愛想でそのくせ寂しがりの恥ずかしがりの引っ込み思案だから」

ライナー「うまくいってるか心配なんだ」

アニ「こいつ殺していい?いいでしょベルトルト?」

ベルトルト「後でね」

ユミル「だいたいその通りだけど問題ねーよ」

アニ「なっ?」

ライナー「それは良かったな。ところで今日は何の用だ?」

アルミン「屋台をつくりたいんだ」

ライナー「それはまた何でだ?」

アルミン「・・・という訳なんだ。もちろん無料とは言わないよ」

アルミン「材料費とか経費はこちら持ちで他に欲しいものはある?」

ライナー「作るのはかまわないが・・・どうだベルトルト?図面を引くのはお前だろ?」

ベルトルト「えっ・・・あのー・・・その屋台ではどんなものを出す予定なの?」

サシャ「私達が狩ってきた獲物です。新鮮です。美味しいです。食べたいです」

クリスタ「調理したほうがいいかな?」

ライナー「俺達みたいに男所帯はそのほうがいいな」

ベルトルト「ライナーなんて一回も料理しないし・・・」

アニ「ハッライナーのダメ人間」

アルミン「アニ静かに」

アニ「・・・」

アルミン「普段のご飯はどうしてるの?」

ベルトルト「えっ?うーんだいたいアニの働いている食堂かなぁ。けど結構混んでるんだよね」

ライナー「そういえばお前、俺らがくると奥に隠れるだろ?」

アニ「悪い?」

アルミン「そうかぁ。じゃあさ屋台で軽い食事があるといいかもね」

サシャ「賛成です!」

クリスタ「サシャつまみ喰いは駄目だからね」

ユミル「じゃアニが弁当でも作って売るか?」

ベルトルト「・・・賛成」ボソッ

アニ「嫌だよめんどくさい」

ライナー「よしっじゃあアニが作った物を売るんだったら俺らもつくろうか?」ニヤッ

アニ「ふざけ アルミン「ありがとうライナー、ベルトルトそれにアニも」

サシャ「ありがとうございます」

ユミル「アニありがとうな」

クリスタ「がんばろうねアニ」

アニ「あっうっうん」

ベルトルト(みんな扱いうまいなー)

アルミン「じゃ今度仕様書書いてもってくるね」

ベルトルト「うん。よろしくアルミン」

ライナー「また来いよ」

アニ「あんたがいなかったらくるから」

ライナー「俺はお前以外に言ったんだよ」

アニ「・・・次の対人格闘覚えときな」

アルミン「アニもういい?エレン達も帰ってると思うから」

アニ「あぁごめん。そうだね一刻も早く帰ろう。気分悪い」

ベルトルト「ライナー・・・」

ライナー「あぁそうだ。アニもまた来いよ」

アニ「ふんっ」

アルミン「ただいま」

エレン「おう。おかえりどこ行ってたんだ?」

アルミン「ライナーの家にいってだんだ」

エレン「ふーん。そういえば街でハンジさんにあったな」

エレン「今度家庭訪問するからよろしくって」

ユミル「なんのためにだ?」

ミカサ「さぁ」

アニ「暇なの?」

ミカサ「さぁ」

アルミン「いつくるの?」

ミカサ「さっぱりわからない」

アルミン「僕らはいつくるかわからないハンジさんに怯えて暮らさなきゃいけないのか・・・」

エレン「だれもいないきたらどうすんだろうな」

アニ「(一人のとき来たらどうしよう)・・・うわっ!」

エレン「どうしたアニ」

アニ「窓に・・」

エレン「窓?」

ハンジ「やっこんにちは」ニコッ

ミカサ「もうきた」

ハンジ「入るよー」ガチャ

ハンジ「うわー結構大きいね。片付いてるし」

ハンジ「台所はあるの?お風呂はどこ?」

アルミン「あのー今日はどういった用事でこられたんですか?」

ハンジ「君らの部屋は開けていい?」

アルミン「・・・」

リヴァイ「少し死ねクソメガネ」

エレン「リヴァイ教官」

ユミル(いたのかよ)

アニ(後ろにいたのかな?)

リヴァイ「今日はお前らの普段の状況及び成績について話し合いにきた」

リヴァイ「らしい・・・」

アルミン「らしい?」

ハンジ「まー出張の建前だからね。実際は君達がどんな生活してるかなーって興味をもったんだ。さっき」

ミカサ(迷惑)

ハンジ「もちろんさっき言ったこともやるよ。一応仕事だし」

ユミル「はぁそうっすか。とりあえず座りませんか?」

ハンジ「うん。ありがとー。リヴァイもほらっ座って」

リヴァイ(長居したくねーのに)ムスッ

ユミル「エレンお茶もってこいよ。アニさっきのやつだすぞ」

エレン「へーい」

アニ「まぁいいよ」

ハンジ「へー君らって家事とかってどうしてるの?」

アルミン「基本いや最初は分担でしたが今は仕事の都合もあるので」

アルミン「よく言えば臨機応変で悪くいえば適当です。それぞれ定着している家事はできてしまってますね」

ハンジ「例えば君は?」

アルミン「僕は家の家計簿をつけてます。後は僕とエレンの部屋の掃除くらいですね」

ユミル「こいつは金にうるさいです」

アルミン「ユミルがよくわかんない買い物するからでしょ?」

アルミン「なにこの前のお揃いのパジャマ?」

エレン「あーあの動物柄のやつな」

リヴァイ「何だ動物って?」

アルミン「動物の絵が描いてあるんです。パジャマに。僕は犬です」

ユミル「俺は猫」

アニ「・・・うさぎ」

ユミル「いいじゃん面白いだろ。私はリスだ」

ミカサ「虎・・・ってユミル私だけおかしい」

ユミル「イメージ通りだ」

ミカサ「えっ?エレンもなにかいって」

エレン「迫力あっていいんじゃないか?」

ミカサ「そうっならいい」

アニ「いいんだ」

アルミン(ミカサのだけやけにリアルな絵なんだよね)

エレン「えーと俺は買出しとか料理」

ハンジ「おー意外料理か。君はそんなイメージなかったね」

エレン「俺も始めは苦手だったんですけどアニのおかげです。色々教えてもらって」

ハンジ「君が?」

アニ「えっ?そんなことないです・・・私も料理担当です」

ユミル「アニとエレンは主に夕飯だな。朝飯は私かミカサか」

ハンジ「誰が一番上手なの?」

アルミン、エレン、ミカサ、ユミル「アニです」

アニ「・・・」

ハンジ「黙っちゃった。君は何で得意なの?」

アニ「あの・・・リヴァイ教官とハンジさんが来られる食堂で働いてます」

リヴァイ「あそこか・・・」

ハンジ「えーじゃ話しかけてよ。知らなかったな」

エレン(知っている人がいるとアニは隠れるからなー)

ハンジ「出前とかやってないのかな?昼食とか近くにないから困るんだよねー」

アニ「今はそういうのは・・・考えておきます」

アルミン「あっ今度ですね。向かいの家に住んでいるサシャ達が屋台を出します」

エレン「そうなのか?」

アルミン「うん。それでアニが作ったお弁当とか売りますので是非お願いします」

ハンジ「OK。じゃみんなにも伝えておくよ。リヴァイも宣伝してね可愛い教え子のためにも」

リヴァイ「あいつらにも言っておくか」

ハンジ「どこに店を出すの?」

アルミン「まだ決めてませんが基本人の多いところに移動していこうと考えます」

ハンジ「そうかぁ。平日は街がいいね。最近は暑いから休日はあの湖がいいよ。結構人いるよ」

アルミン「あーあの訓練兵団の近くのところですね。ありがとうございます」

ハンジ「じゃー次は君」

ミカサ「ごみ捨てとエレンの世話です」

エレン「はぁ?いつ世話になってんだよ?」

ミカサ「いつも」

ユミル「仲良いね。あれかな付き合ってるの?」

ミカサ「えーと エレン「家族です」

ミカサ「・・・家族です」

ハンジ「最後に君は?」

ユミル「その他です」

ハンジ「その他って?」

ユミル「いやっ大したことはやってないです」

ハンジ「例えば?」

ユミル「風呂掃除,洗濯,こいつらの髪切ったり,食事作ったり,町内会にいったり,留守番したり」

アルミン「町内会!?」

エレン「町内会って始めて聞いたぞ?」

アニ「そんなの行ってるの?」

ユミル「うるせーな色々付き合いがあんだよ」

ミカサ「何やるの?」

ユミル「・・・子供会とか町内パトロールとか祭りの準備」

エレン「おう・・・なんかもうあれだなお前は」

ユミル「なんだよ?」

ユミル「疲れるんだよなガキの相手は、まぁ普段と変わらないが」

エレン「どういう意味だ?」

アルミン「ごめんユミルまったく知らなかった」

アニ「たまに謎の食べ物をもらってくるのはそういう訳だったの」

ユミル「謎っていうな町内会の会合での余りだ。あれは」

ハンジ(全然普段のイメージと違うなーこの子は)

ハンジ「君だけ家事の負担が大きいように思えるけどなんで?」

ユミル「それは私がみんなのためを思っているからです」

アルミン「ユミルだけ働いてないからです」

ユミル「お前っ」

アルミン「別に責めてないよユミルは家のことやってるからいいの」

ユミル「おぉ」

アルミン「後はセンスのない雑貨とか服とか買ってこなければ」

エレン「庭に花を植えるけどすぐ枯らすとか」

アニ「謎の健康食品を試すとか」

ミカサ「急にダイエットを始めて人を巻き込むけどすぐにやめるとか」

アルミン「そういうのがなければねー」

ユミル「・・・」

リヴァイ「お前らの普段の生活はだいたいわかったから次は成績についてだか」

ハンジ「うわっリヴァイ真面目だねぇ」

リヴァイ「お前が不真面目なだけだ。空いてる部屋ないか?話にくいこともあるだろう?」

エレン「特にないです!」

リヴァイ「お前はな」

アニ「私もかまいません」

アルミン「僕も」

ミカサ「私も」

ユミル「どっちでも」

リヴァイ「大した信頼だ。まぁお前達は全員ほぼ優秀だからな」

リヴァイ「・・・だがそこのお前」

アルミン「ぼくですか?」

リヴァイ「そうだ。お前は実技が駄目だ」

エレン「ですがアルミンは座学が・・・」

リヴァイ「知っている・・がいくら座学が優れていたところで評価されるのは実技だ」

リヴァイ「お前には必要なのは体力はもちろんだが度胸が足らねぇ」

リヴァイ「それが立体機動での成績を下げている」

アルミン「はい・・・」

ハンジ「きっとすぐに上手くなるって。みんな最初は不得手な時はあるよ」

リヴァイ「適当なこと言うんじゃねえ。俺は俺の評価言っている」

ユミル(イコール兵士としての評価ってことか)

リヴァイ「こいつらに置いて行かれたくないだろう。ならば喰らいついてみせろ」

アルミン「・・・はい。ありがとうございます」

ハンジ「ごめんね説教くさくて年取ってくるとこうなるんだよ」

ハンジ「私も最初は立体機動は苦手だったけどなんとかなってるよ」

ハンジ「君もなんとかなるはずだよ。さもなくば」

アニ「さもなくば?」

ハンジ「死ぬだけさ」

アルミン「・・・」

ハンジ「じゃ次は向かいの家にいってくるからまたね。リヴァイ行くよ」

リヴァイ「あぁ」

エレン「アルミン・・・」

アルミン「じゃみんなそろそろご飯の支度しようか」

ミカサ「気にしないで。あのチビ懲らしめておくから」

エレン「ミカサ?・・・」

アルミン「なにが?さっきのこと?だって事実だからしょうがないよ」

アルミン「うん。仕方が無い。仕方ないんだから」

ユミル(思いっきり空元気だな)

アルミン「そういえば今日はまだ食事の買出しはまだだったね?」

アルミン「じゃ僕が買出しに行ってくるよ」

エレン「アルミン俺も行く」

ミカサ「私も」

アルミン「買い物くらい一人でできるよ。じゃあ」バタンッ

エレン「アルミン!・・・」

ユミル「いまお前が行っても意味ねーからやめろ」

エレン「何でお前にそんなことが分かるんだよ?」

ユミル「今はお前よりかは解る」

エレン「はぁ?俺が何年アルミンと一緒にいると思ってんだよ」

ユミル「だからだろ?私が言いたいことわからないか?」

エレン「くっ・・・うるせーな!ユミルなんて町内会でおばさん達と話してればいいだろ!」

エレン「俺はいくからな!」バタンッ

ミカサ「エレン待って!」バタンッ

アニ「みんな行っちゃった・・・」

アニ「ユミル良いの?」

ユミル「なんだよあの捨てセリフ。わけわかんねーよ。私だって好きでいってるわけじゃないのに」

アニ「町内会のこと?」

ユミル「違うよ」

アニ「冗談だって・・・まぁもう少し待ったら私達もいこうか?ねっ?」

ユミル「もう少ししたらな」

アニ「素直じゃないね」

ユミル「うるせーな。素直じゃないのはお互い様だ」

アルミン「ふぅ・・・あれじゃ気にしていたのはバレバレだ。かっこ悪い」

アルミン「度胸がないか・・・どんなときだって僕はどうしても失敗を想像してしまう」

アルミン「選択肢はリスクの少ないほうへといって結局は失敗する。分かってはいるんだけどね」

アルミン「はぁ・・・考えても仕方が無いし、買い物して帰ろう」

サシャ「アルミン!」

アルミン「サシャ」

サシャ「ヘイ!どうしたんです。落ち込んで見えますよ!」

コニー「カモーン!」

アルミン「サシャ、コニーどうしたの?二人とも」

サシャ「ヒアーウィーゴー!」

アルミン「本当にどうした!?」

クリスタ「ごめんねアルミン」

アルミン「クリスタ。良かった君はまともだね。どうしたのこの二人?やたらハイテンションだけど」

クリスタ「えっとね。さっきリヴァイさんとハンジさんが急に来て家庭訪問だーってきたの」

クリスタ「そしたらね。お説教されちゃった」

アルミン「それがなんでこうなるの?」

クリスタ「うーん・・・それは」

コニー「だってよ騒がずにいられるかよ。いきなり来て説教だぜ」

サシャ「テロです。説教テロです」

コニー「お前らは座学が最悪だ。命令は理解してねーだとか」

サシャ「このままじゃお前らは落第するぞとか。ひどいじゃないですかぁ」

コニー「座学がなんだ!」

サシャ「命令がなんですか!」

コニー「規律がなんだよ!」

サシャ「そんなの私達に必要ですか!?」

コニー「必要だぁ!」

クリスタ「兵士だもの」

サシャ「知ってますぅ!」

クリスタ「という訳なの」

アルミン「わからないけどわかったよ。要は騒いで憂さ晴らしね」

サシャ「そうだ!アルミンも何か言われたんですか?しょげてましたよ」

アルミン「うん・・・僕もちょっと言われちゃってね」

サシャ「そうですか。じゃあ一緒に騒いで愚痴でもいいますか?

アルミン「そういうの傷の舐めあいって言うんじゃないの?」

サシャ「えっ?傷って舐めあうものですよね?」

コニー「そんなの当たり前だ」

クリスタ「そうなの?」

サシャ「そうですよクリスタ。傷ついたら助け合うのです」

クリスタ「そうだよね」

アルミン「あれっ?間違ってないように思える?」

クリスタ「アルミンなんて成績優秀にみえるけど言われるようなことあったの?」

アルミン「座学はちょっと得意だけどね・・・実技はからきしだね」

アルミン「特に立体機動は苦手で」

クリスタ「そう」

アルミン「クリスタは何か言われた?」

クリスタ「私は特には・・・あっひとつだけ」

クリスタ「お前は命知らずだ。悪い意味でって言われた」

アルミン「どういうこと?」

クリスタ「・・・なんのことだろうね」

アルミン「けど僕とは逆だね。僕は度胸がないっていわれちゃったよ」

クリスタ「私とアルミンは逆じゃないよ」ボソッ

アルミン「えっ?」

クリスタ「あっえーとそしたら練習とかするしかないよね」

クリスタ「っといっても立体機動は普段練習することできないね」

アルミン「うん。他の座学とか実技とかと違って訓練兵団でしかできないから」

コニー「後は度胸だな。けど立体機動より度胸がいるものなんてない気がすんな」

クリスタ「うーん。どうしようか」

アルミン「みんなありがとう僕なんかのために。後は自分で考えるよ」

サシャ「・・・待って下さい私に考えがあります」

サシャ「やってできないことはないでしょう。どんなことだって」

コニー「なにすんだよ普段練習なんてできないし、ぶっつけ本番しかないだろ?」

サシャ「ふっふっふ。アルミン明日以降準備ができたら呼びますね」

コニー「準備ぃ?」

アルミン「いったい何するの?」

サシャ「私にまっかせなさい」

アルミン「ちょっと不安かも。僕一人でなんとかしてみるよ」

サシャ「アルミン。私はあなたが人一倍頑張り屋さんでプライドも高いのも知ってますよ」

アルミン「そんなことないんだけどなー」

サシャ「いえいえ。こういうときはひとまず話を聞いてください」

サシャ「だからあなたは一人でどうにかしようとしますよね?」

サシャ「周りに迷惑をかけまいと。また自分が劣っていることがあればそれを恥じて隠そうとしませんか?」

アルミン「確かに迷惑はかけたくないよ」

コニー「そりゃそうだ」

サシャ「それが逆にまわりからしたら心配なのです」

サシャ「だからそんな時は助けてもらえばいいのですよ。私達のためにも」

クリスタ「今日私達を助けてくれたようにね」

コニー「おう。たまには俺らにも何かさせろよ。っで?何やんだよサシャ」

サシャ「それはお楽しみです。それよりあそこを見てください」

アルミン「あそこ?・・・あっ」

アニ「ねぇユミル。こっち見てきてるんだけど。気付かれたかな?」

ユミル「そんなわけねーだろ」

ユミル「このまま何事もないように見守るぞ」

アニ「了解」

コニー「なんだあれ?」

クリスタ「あっあそこにも」

ミカサ「エレン。みんなこっちを見ている気が?」

エレン「んな訳ねーよ。俺らの尾行は完璧だ」

ミカサ「そう」

エレン「アルミンにはついてくるなって言われたからな。行きづらいぜ」

ミカサ「ならこのまま見守ろう」

エレン「そうだな」

クリスタ「すっかり包囲されてるね」

アルミン「はぁ・・・もうなんなの?みんなしてさぁ」

コニー「なんでこっちこないんだ?」

サシャ「さぁアルミン」

アルミン「まったく・・・」

コホンッ

アルミン「あっ!そういえば買い物の途中だった。早く帰らないとみんなが心配するなー!」

コニー「なんだ急にでかい声だして」

アルミン「じゃもう帰るね!ありがとうコニー、サシャ、クリスタ!」

エレン「・・・」スッ・・・

ミカサ「・・・」スッ・・・

アニ「・・・」スッ・・・

ユミル「・・・」スッ・・・

コニー「消えた!?」

アルミン「多分僕が帰る前に帰るんだね」

クリスタ「私達も帰ろうね」

サシャ「ハイ」

アルミン「本当にありがとう。僕にも何かできることがあればいいんだけど」

クリスタ「十分にしてもらってるよ?」

アルミン「そうかな?あっそうだ今度勉強を教えるよ。それなら僕にもできるから」

サシャ「えっええ・・・」

コニー「今度な」

アルミン「じゃあ必ず行くよ。また今度ね」ニコッ

クリスタ「私達もがんばろうね」

コニー「勉強かー」

サシャ「いやですねー」

クリスタ「また騒ぐ?」

アルミン「ただいまー」

エレン「おう」ハァハァ・・・

ミカサ「待ってた」

アルミン「ごめんね」

ユミル「メシだメシ」ゼェーゼェー・・・

アニ「そうだね」フゥー・・・

アルミン(みんな急いで帰ってきたんだな)

アルミン(ミカサ以外息が上がってるのは黙っておこう)

アルミン「あれから何日も経ったけどサシャ達からはあのことについては特に連絡がないな」

アルミン「まぁ僕は僕でがんばるしかないんだけど」

アルミン「そういえばライナー達に頼んだ屋台もできる頃合だから一緒に見にいこうかな」

サシャ「アルミンいますか?」ガチャ

アルミン「サシャ。僕も会いに行くところだったよ」

サシャ「そうなんですか?えへへ照れますね」

アルミン「なんで?」

サシャ「・・・今夜町外れに集合です。では」バタン

アルミン「えっ夜?」

ユミル「なんだー夜に呼び出しなんて。告白でもされんのか?」

ユミル「とにかく帰ったら私に報告な」

アルミン「おっさんくさいよユミル」

ユミル「・・・」

アルミン「おーいサシャ」

サシャ「アルミン良く来てくれました」

コニー「おう今日はがんばろうぜ」

アルミン「何やるか聞いてないんだけど」

クリスタ「サシャ言ってないの?」

サシャ「忘れてました。アルミンがひどいこというんですもの」

サシャ「これを見てください。ジャーン!」

アルミン「立体機動装置だ!どうして?持ち出し禁止でしょ?」

サシャ「盗んできました」

アルミン「駄目だよそんなの!」

クリスタ「というのは冗談で」

コニー「ちゃんと教官にいったぞ」

サシャ「そうです。借りてきたんです」

アルミン「これを?信じられない」

クリスタ「ハンジさんに会いにいってね。それから私達が立体機動の機構について教えて下さいって言ったの」

コニー「そうしたらハンジさんがもう感動して。それからがきつかった・・・」

サシャ「それはそれは長い講義でした。朝伺ったのに帰れたのは夜でした・・・」

クリスタ「最後にもっと詳しく知りたいので夏休み中持ち帰っていいですか?ってお願いしたら」

アルミン「貸してくれたの?」

コニー「ちょっと渋ってたけどな。また解らないことがあったら訊きにきますっていったらOKって」

アルミン「ありがとう。そこまでしてくれて」

クリスタ「おかけで立体機動についてかなり詳しくなっちゃった」

サシャ「これで座学もバッチリです・・・多分」

アルミン「それは良かったね。それにしても何で夜なの」

サシャ「それは人目につかないからです」

サシャ「昼間やったら街の人がびっくりするでしょう?」

コニー「それと普段と違って暗いからな度胸試しになるぜ」

サシャ「暫くは月明かりと町明かりで真っ暗ではないですからね」

クリスタ(本当は持ち帰ってもいいけど使っちゃ駄目って言われたからこっそりやるしかないというのもあるんだけど)

サシャ「では始めましょう。といってもアンカーを民家に打ち込んでは駄目なのでこの森と町の境で練習です」

サシャ「この森を抜けてみましょうか?私達はここの地形を把握しているので追ってきてください」

サシャ「行きますよ!」バシュ!

クリスタ「そんなに緊張しないでね」バシュ!

コニー「ゆっくり行けば問題ないぜ」バシュ!

アルミン「うっうん」バシュ!

アルミン(・・・やっぱり怖いって。あぁ視界が全然悪いよ)

アルミン(木々の間をすり抜けていく。次の木、また次に木、不連続な配列)

アルミン(少しも気を緩められない。先が見えない)

アルミン(ゆっくりって言っていたけどみんな早いよ。風と枝が僕の身体に当たる)

アルミン(どうしてこの中で早く進めるの?)

ピシッ!

アルミン(痛っ!顔に枝が当たった)

コニー「あー風が当たって気持ちいいな」

クリスタ「うん。この景色も新鮮だね」

アルミン(くそっ。彼らとの違いは何なんだろう?)

サシャ(アルミンそんなに険しい顔をして。どうしてです?)クルッ

アルミン(サシャ。僕の方を見てスピードを落としてどうしたんだ)

サシャ(私達は今飛んでいるんですよ?こんな夜中に。月明かりの下で。みんなと一緒に。誰よりも速く)

サシャ(だからほらっ。こんなに楽しいことないじゃないですか?)ニコッ

アルミン(笑った!?なんて余裕なんだろう。もっとがんばらなくちゃ)

サシャ(あれれっ?ますます険しい顔になっちゃいました)

サシャ(これはどうしたらいいんでしょう?)

アルミン「ねぇサシャ!どうやったらそんな風に飛べるの?」

サシャ「そんな風ってよくわかりませんよ!」

アルミン「うまくいえないけど随分余裕というかまるで周りの木々の先までしっかり見えているようなそんな感じ」

サシャ「そんなの見えてる訳ないじゃないですか?先のことなんか解りません」

アルミン「じゃあなんで?」

サシャ「なんとなくです。感じたら動くだけです」

アルミン(何て参考にならないんだ)

サシャ「うーん。私は頭が悪いのでうまく言えませんね」

アルミン「いや。いいんだありがとう」

サシャ「そうだ!・・・アルミンちょっといいですか?」ギュ

アルミン「ちょっとサシャ!やめてよ」

クリスタ「コニー見て」

コニー「あっ?おーサシャがアルミンを抱きかかえてんな」

サシャ「しっかりつかまってくださいね。少しとばします」

アルミン「えっ・・・うわっ!」

アルミン「駄目だ!ぶつかる!」

サシャ「ぶつかりませんよ。この通り」ヒョイ

アルミン「あっほんとだ。僕だったら絶対ぶつかるって思ってたのに」

サシャ「私はぶつかるなんて思ってませんもの」

アルミン「僕なんてそんなの無理だよ」

サシャ「ぶつかったことを想像して楽しいことってあります?」

アルミン「あるわけないでしょ」

サシャ「それはそうです。だったら私はもっと先を見てみたいです」

サシャ「あの先を越えたらどんなものがみえるだろうって」

サシャ「それを考えると楽しくないですか?」

アルミン「そんな余裕はないよ」

サシャ「もったいないじゃないですか?そんなの」

サシャ「今ならうるさい教官もいません。自由ですよ」

サシャ「そういえばやってみたいこともあったんです」

サシャ「ちょっと手伝ってくださいねアルミンも」

アルミン「僕も?」

サシャ「ええ。私が言ったらガスを全開で吹かしてください」

アルミン「危ないことをするね?」

サシャ「危ないより楽しいです。それと離れないでくださいね」

アルミン「うん」ギュ

サシャ「ハイ!」

バシュウウウウウ

サシャ「おーすごい。すごいです。どんどん上がります」

アルミン「もう上がりすぎだよ。訓練では絶対やらないくらいの高さだ」

アルミン(情けない話だけど怖くて周りがもうよく見れない)

アルミン「やりたいってこれのこと?」

サシャ「そうです。どれだけ高く上がれるのかってやってみたかったんです!」

サシャ「二人だからパワー2倍です」

アルミン「もしかしてこれが目的だった?」

サシャ「それもありますが・・・」

サシャ「っと。もういいですかね。いったんガスを徐々に弱めて」

シュウウウウウゥゥゥ・・・

サシャ「見てください!」

アルミン「えっ?」クルッ

サシャ「この一瞬だけ木も町も壁さえも私達より下にあります!」

サシャ「王様だってみれませんよこんな景色」

サシャ「今アンカーを打ったら月に突き刺さるかもしれません」

アルミン「うわぁ・・・すごい!こんなになにもかも小さく見える!遠くまで見渡せる!」

アルミン「コニーだ!クリスタだ!僕達を見上げてる!」

サシャ「ふふふっ」

サシャ「初めて上から見ましたが月明かりじゃなくて街明かりも綺麗ですね」

アルミン「うん。あっあそこは・・・そうだあれが僕の・・・ねぇサシャ!」

サシャ「アルミン・・・本当に良かった。これで目的は果たせました」ニコッ

アルミン「サシャ」

サシャ「もう時間です。残念ながらもう・・・」

アルミン「落ちる?」

サシャ「その通りです!」

アルミン(ありがとうサシャ。僕は・・・僕は見えたんだ僕が生まれ育った町が)

アルミン(すぐ解ったよ。だってあそこだけあまりにも真っ暗だったから)

コニー「大丈夫かー?」

アルミン「全然。死ぬかと思った」

クリスタ「怪我がなくてよかった」

サシャ「あー楽しかったです。ねっアルミン」

アルミン「それはそうかも」

サシャ「それはなによりです」

コニー「もうお前らガスねーだろ。今日はもうしまいだな」

コニー「また兵団にいってガス補給しなきゃな」

クリスタ「今度は誰がハンジさんの生贄になる?」

サシャ「あぁまた長時間の講義が・・・」

アルミン「みんな。ほんとにありがとう。本当に」

コニー「なにが?」

クリスタ「私達も楽しかったし、気にしないで」

サシャ「またやりましょうね」

アルミン「うん」

クリスタ「ねぇ今日はあそこの木の裏に立っている人達と帰ったらどうかな?」

アルミン「今日もやっぱりいるかー」

アニ「ユミルもうやめようよ」

ユミル「うるせーな。怪我とかしたらどうすんだよ」

ミカサ「それよりこっちを見ているような?」

エレン「無だ!無になって木と一体化するんだ!」

コニー「あいつらたまに俺らよりバカだよな」

アルミン「はぁ・・・またね」

アニ「来た」

エレン「無になれ!」

ミカサ「・・・」

ユミル「・・・」

アルミン「なにやってんのみんなして?帰ろうよ」

アニ「・・・」

ユミル「・・・」

ミカサ「・・・」

エレン「・・・」

アルミン「バカ。一人で帰るよ」

エレン「あぁごめんアルミン」

ユミル「エレンのバカが余計なこというから」

エレン「お前が後をつけようぜっていうから」

アニ「やめなよ二人とも」

ミカサ「・・・」

エレン「ミカサもういいぞ」

ミカサ「はっ」

アルミン「やっぱ一人で帰ろうかな」

アルミン「どう?売れてる」

サシャ「アルミン。来てくれたんですね。売れ行きはうーん。まぁまぁですね」

サシャ「ですが前よりは確実に収入は増えましたよ。冬は越せそうです」

アルミン「うん。良かった」

サシャ「それよりも問題が」

アルミン「なに?」

サシャ「お腹が減って目の前の売り物を食べ尽くしてしまいそうです」

アルミン「ははっそれは大問題だね。ちょっと待ってね」

タッタッタ・・・

アルミン「はいっ。パンを買ってきたよ。一緒に食べよ」

サシャ「アルミン。私そんなつもりは」

アルミン「食べてよ。僕じゃ二つも食べれないし、この前のお礼だと思ってさ」

サシャ「じゃあ。すみません遠慮なくいただきます」

アルミン「うん」

パクパク・・・

アルミン「ふふっ」

サシャ「どうしました?」

アルミン「いやなんでもないよ。じゃ・・・あんまり邪魔してもあれだからもう行くね?」

サシャ「あっ待ってください。私ももうちょっと休憩します。なので散歩でもしませんか?」

アルミン「お店はいいの?」

サシャ「もうすぐコニーやクリスタが来ますし、少しならいいでしょう」

アルミン「そう。そういえばエレン達も来るって言ってたよ」

サシャ「そうですか。それにしても湖っていいですね。涼しく感じます」

アルミン「うん。けどもうすぐ夏も終ってしまうね」

サシャ「そうですねー。休み明けのテストがなんとも憂鬱です」

アルミン「そうだ。勉強してる?」

サシャ「そこそこです」

アルミン「そこそこかー」

サシャ「アルミンこそ立体機動のテスト大丈夫ですか?」

アルミン「なんとかね」

サシャ「なんとかですかー」

ハンジ「ここが私達の教え子のサシャ達がお店をやってるとこなんだって」

ペトラ「そうなんですか。しかし大変ですね。普段の任務に加えて訓練兵の教官だなんて」

ハンジ「そーでもないよ。楽しいし。それにしても・・・」

ハンジ「リヴァイ麦わら帽子似合わないねー」ペシペシ

リヴァイ「帽子に触るな」ムッ

オルオ「いや似合ってます兵長。俺もかぶってきましたし」チラッ

ペトラ「こっちみんな」

アルミン「それにしても暑いね。水に入りたいくらいだよ」

サシャ「そうですね。ではこうやって靴だけ脱いで足だけでも入ってみますか?」

サシャ「あっ冷たいですねー。アルミンも早く。気持ちいいですよ」パシャパシャ

アルミン「ほんとに?じゃ・・・わっ冷たい。それよりも足の感触が気持ち悪い」

サシャ「ええ本当に。・・・あぁ本当に夏が終わりなんて嫌ですね」

アルミン「うん」

サシャ「もう少ししたらこんな風に裸足ではもう歩けません」

アルミン「そうだね」

サシャ「これから秋になって・・・秋はいいですね。食べ物一杯です」

サシャ「ですが冬は大変です。冬眠できたらいいですよね?」

サシャ「秋にはたくさん食べて寝てそのまま寝て起きたら春になっているのです」

サシャ「うらやましいと思いませんか?」

アルミン「うーんどうだろ」

サシャ「そのくらい冬は大変なのです」

サシャ「獲物だって少なくなって寒くなってお腹がすいて」

サシャ「それでも生きていかなければいけません。なぜでしょうか?」

アルミン「だってみんな条件は同じだからね。仕方ないよ」

サシャ「確かにそうですね。けど全部ではないです。私は知っているのです」

アルミン「えっ何?」

サシャ「ふっふっふ・・・それはアルミンちょっとそこに立ってもらっていいですか?」

サシャ「動かないでくださいね」

アルミン「うん?ここでいい?」

サシャ「はい。・・・もうちょっと待ってください」

アルミン(何かを待ってる?)

サシャ「もういいですかね・・・では」

サシャ「とお」ピョン

アルミン「わっ」

バッシャーン

アルミン「いったー。何するの?急に飛びついてきてビショビショじゃないか僕もサシャも」

サシャ「へっへっへ。まだ続きますよ。コニー!」

コニー「おう!」

アルミン「いつの間に!?(ってそうかコニーを待ってたのか)」

コニー「いっくぜー?」

アルミン「くっ・・・2対1なんて卑怯だよ」

サシャ「勝負に卑怯もなにもありません」

アルミン「なんの勝負かまったく解らないけどそっちがその気なら」

アルミン「こっちは・・・エレン!」

エレン「おらっコニー!」ゲシッ

コニー「うお!?」

ザッパーン・・・

アルミン「エレン良く来てくれたね」

エレン「おう。つーか何やってんだっけ?とりあえずコニーを倒したけど」

サシャ「よくもコニーを・・・仇です。いきなさいクリスタ」

クリスタ「えっ?えー!?」

アルミン「クリスタも来たんだ。っていうか無茶言わない」

サシャ「じゃユミルお願いします」ペコ

アルミン「ユミルも?ユミルはこっちの味方だよね?」

ユミル「死ねエレン!」ドガッ!

アルミン(やっぱり?)

エレン「裏切りものぉぉぉ」

ドボーン・・・

ユミル「クリスタ」クルッ

クリスタ「なっ何?」ビクッ

ユミル「お前も」ガシッ

ユミル「いってこーい」ポイッ

クリスタ「何でー・・・」

アルミン「あぁもう無茶苦茶だ」

ユミル「次はお前らの番だな」ユラッ

サシャ「ユミルあなたはどっちの味方なんですか?」

サシャ「さぁどうしますアルミン?」

アルミン「・・・」

サシャ「アルミン?」

アルミン(なんなんだろうなーさっきから。何の意味が・・・いや)

アルミン(そんなの意味ないよね。よし!今は考えるのはやめだ)

アルミン「クリスタまで逝ってしまった・・・サシャ!」

サシャ「何です?」

アルミン「ユミルを倒して平和を勝ち取ろう!」

サシャ「分かりました!」

ユミル(おっ珍しくアルミンがおふざけにのってるな)

ユミル「ふんっお前らごときが私に勝てると思っているのか」

ユミル(ここは私も乗っかってやるぜ)

サシャ「まだです。私達にはまだ切り札が残っています」

アルミン「そうだ。僕らにはまだ最強のカードが」

ユミル「そんなのハッタリだ!(嫌な予感)」

アルミン「怒りを!そして」

サシャ「力を解放するのです!」

アルミン、サシャ「最終兵器ミカサ!」

ミカサ「ユミル・・・よくもエレンを」

ユミル(こいつは本気そうで怖い。そうだ!まだあいつがいるじゃないか)

アルミン「どうユミル?観念した?」

ユミル「ハッこっちにもまだ切り札があるさ」

ユミル「全てを蹴散らせ!」

ユミル「獅子心王アニ!」

・・・

ユミル「・・・おいっアニ来いよ」

アニ「えっなんで?」

ユミル「そりゃお前・・・」

ミカサ「ユミル」

ユミル「なっ何だ?」

ミカサ「あなたも」ガシィ

ミカサ「逝ってらっしゃい」ポーイ

ユミル「覚えてろよー・・・」

アニ「まったくみんなしてバカみたい・・・」

ライナー「そんなこと言ってお前も混ざりたいんじゃないか?」グイ

アニ「ライナーいたの?というか。はーなーせー」

ベルトルト「やめなよライナーいやがってるだろ」グイ

ライナー「ベルトルト引っ張るなよ。倒れるだろ」

ベルトルト「あっごめん」パッ

アニ「あっ」

ザバーン・・・

ハンジ「若いっていいねぇ」

リヴァイ「ただのガキだろ」

ハンジ「リヴァイもあんな時なかったの?」

リヴァイ「ねーよ」

ハンジ「そっか・・・じゃペトラ、オルオ」

ハンジ「言わなくてもわかるね?」

リヴァイ「あっ?」

ペトラ「すみません兵長」ガシィ

オルオ「兵長のためです」ガシィ

リヴァイ「何のつもりだ?お前ら?」

ハンジ「君になかったものを味あわせてあげるさ」

リヴァイ「よけいな ハンジ「とんでけーリヴァイ」

ペトラ、オルオ「せーのっ」

ボッチャーン・・・

ペトラ「・・・やってしまいましたね」

ハンジ「たまにはいいよ・・・では我々も突撃だ!」

アルミン「結局みんなずぶ濡れだね」

サシャ「いいことです」

アルミン「そうなの?そうだ。そういえばさっきの答え」

サシャ「解りましたか?」

アルミン「全然分からないよ。どういうこと?」

サシャ「いやーそれは嘘ですね。解ってるはずですよ」

サシャ「それは・・・」

サシャ「こんな風に裸足で歩くことを願うからです」

サシャ「つらい時は今日みたいな日を思いだします」

サシャ「踏んだ土の気持ち悪い感触と生臭い水の匂いと反射した光が眩しかったこととかですね」

サシャ「誰かに触れたときの感触。太陽の匂いのする髪や逆光で見えない顔とかそういうことを」

サシャ「なにより一緒に食べたパンのこと。だから暖かったってことを」

サシャ「きっと思いだしますよ。今日のことを。だから願いたくなるんですね」

サシャ「そうしたらお腹がすいても寒くても願うことはやめられないはずです」

アルミン「けどもしそのまま寒くてお腹が減って最後には死んじゃったら?」

サシャ「そうなったらそうなったらですよ。そんなの知りません」

アルミン「知らないってそんな」

サシャ「ですが少なくても私は思っていたいんですって」

サシャ「アルミンもきっとそうならいいです」

サシャ「だってこの場所に一緒にいたんですから」

サシャ「どうですか?」

アルミン「うん・・・ねぇ海って知ってる?」

サシャ「知りません」

アルミン「だよね」

アルミン「この壁の外には」

アルミン「この湖よりも壁の中よりも大きな水がこの世界の大半らしいんだ」

アルミン「その大きな水のことを海というらしいよ」

サシャ「はぁ・・・そうなんですか?」

アルミン「でね?その水は塩水らしいんだ」

サシャ「塩ですか?うーん・・・その海というのは生き物はいないんですか?」

アルミン「いや魚とかいっぱいいるって話だよ」

サシャ「不思議なことだらけです。そこの魚を焼いて食べたら塩味が効いているのでしょうか?」

サシャ「だったら嬉しいです。どこにあるでしょう?そもそもなんで塩なんですか?」

サシャ「雨が降ったら薄まってしまいませんか?アルミンは知ってますか?」

アルミン「そんなの・・・知るかぁって」

サシャ「えー無責任ですって。何でこんな話をしたんです?」

アルミン「ごめんね。ひとつはサシャの真似をしてみたかったんだ」

アルミン「けどうまくいかないね」

アルミン「僕は自分の思っているをことを言えてるわけじゃないし」

アルミン「もうひとつはもしそれを見ることができたらどう思うんだろうって」

アルミン「ふと思って。想像もつかない。けど見れたらいいなぁ」

サシャ「じゃあこうしましょう。それを見ればいいんですよ」

サシャ「そうしたら想像するまでもなくできますね?」

アルミン「そう簡単にいうけどさ」

サシャ「それ以外に方法はありますか?」

アルミン「ないかな」

サシャ「ならば見ましょうね。それで今日みたいなことができたら最高です!」

アルミン「あぁもう・・・いや。うんそうだ。そうだね」

サシャ「ええ。またあの時みたいな顔がみれたらと思います」ニコッ

アルミン「えっ?・・・うん。なんかさ・・・今日はありがとう」

サシャ「いえいえ礼を言われるようなことはしてませんよ」

アルミン「そうかな?そうだこれも言わなきゃ」

サシャ「なんです?」

アルミン「サシャ大好きだよ」

サシャ「はい。私もです」

アルミン「えっ?」

サシャ「えっ?」

アルミン「嘘?」

サシャ「うそ?」

アルミン「えへへ」

サシャ「えへへ」

アルミン「・・・」

サシャ「・・・」

プッ

アルミン「ははっ真似しないでよ」

サシャ「ふふっ駄目ですかぁ?」

アルミン「駄目じゃないけどさ。だったら今度は僕から」

アルミン「・・・もう一度サシャの真似をするから」

サシャ「おっ是非やってください!」

エレン「なんだー?楽しそうだな」ザバァ

コニー「エレンまだ終ってねーぞ」

エレン「悪かったって」

エレン「そういやユミルは?」

ミカサ「あそこで浮いてる」

エレン「駄目だろ!?」

コニー「クリスタはどこいったんだ?」

ミカサ「あそこで浮いてる」

コニー「駄目だろ!?」

ユミル「あーくっそ死ぬかと思ったぜ」

クリスタ「嘘ばっかりプカプカ浮いて遊んでただけなのに」

ユミル「一瞬死を覚悟したのは確かだけどな」

ユミル「それにしてもいい時間だな。ってアニは?」

アルミン「あそこでベルトルトとライナーに説教してるよ」

ユミル「ふーん」

サシャ「そうだ!お腹が空きました」

ユミル「そうだって何だよ。って私もだ」

アルミン「さっきパン食べたよね?僕もだけど」

クリスタ「じゃみんなで食べようよ。私達のお店があるよ」

ユミル「良い考えだ。おーいアニ飯食おうぜ!」

アニ「チッ。今日はここまでにしとくよ。ほらっご飯に行くよ」

ベルトルト「僕は僕らの作ったお店を見に来ただけなのに・・・怒られた」

ライナー「クリスタが作るのか?」

アニ「ごちゃごちゃ言わない」

ハンジ「やっと食べれるの?」

ペトラ「今日はそれが目的でしたね」

アルミン「うわっ!いたんですか?」

リヴァイ「これも仕事の一環だ。お前らが日々どう過ごしているかを知るのもな」

アルミン「あのーそんなずぶ濡れの格好でまったく説得力が」

オルオ「お前ら兵長のいうこと聞けよ。頼むから」

クリスタ「できたよー」

オーッ!

サシャ「皆さん落ち着いて下さい。みんなの分はありますから」ハァハァ

ユミル「なんて説得力がないんだ」

アニ「ご飯を渡す時に悲しい顔をしないでくれない?」

サシャ「さよなら私のご飯」

アニ「やめて」

アルミン「みんなちゃんと受け取った?」

オーッ!

アルミン「じゃあ後でお金払ってね」

エー・・・

エレン「やるなアルミン」

ミカサ「さすがアルミン」

アニ「誉めるとこ?」

サシャ「もー食べられません。動けません」

アルミン「なんで売る側が一番食べちゃうの?」

サシャ「すごいですか?」

アルミン「いろんな意味でね」

サシャ「えへへ」

アルミン(誉めてはないけど)

コニー「なぁアルミン。サシャを連れて先に帰っててくれねーか。サシャ動けなさそうだしな」

アルミン「えっ僕も片付け手伝うよ」

コニー「いいから。こっちは大丈夫だ」

エレン「俺も帰っていいか」

コニー「お前は手伝え」

サシャ「コニーありがとうございます」

コニー「次は食いすぎんなよー」

サシャ「はい!」

サシャ「すみませんねぇ」

アルミン「大丈夫?」

サシャ「ぜーんぜん大丈夫ですよぉ」

アルミン「そうは見えないよ」

サシャ「じゃあおぶって下さい」

アルミン「あっちに台車があったよ」

サシャ「・・・ひどいです」

アルミン「ごめんね。休み休み帰ろう?ほんとにつらいなら背負うし」

サシャ「はい。ゆっくり帰りましょう」

アルミン「最近のサシャはかっこよかったのになー」


サシャ「あっ騙されましたね」

アルミン「騙すって?」

サシャ「あれはかっこつけたんですよ」

アルミン「どうして?」

サシャ「その理由はアルミンと同じかもしれません」

サシャ「ですがあのとき私が言ったことは本当の気持ちです」

サシャ「そうありたいんです。本当に本当ですからでも・・・」

サシャ「私は臆病者なんですよ」

サシャ「私はときどき・・・ときどき思ってしまいます」

サシャ「私達は兵士ですからいつかきっと」

サシャ「きっとアルミンが言ったように死んでしまうようなことがあったら」

サシャ「私はきっと願ってなんかいられずに無様に泣き叫んでしまうんじゃないかって」

アルミン「サシャ・・・大丈夫。僕はもっと臆病だよ」

アルミン「僕なら震えてしまって戦うことさえできないかもしれない」

サシャ「全然大丈夫じゃないですか?」

アルミン「うん。やっぱり?この前さ一緒に立体機動でずっと上を目指したよね」

アルミン「あのとき僕ずっと怖かったんだよ。もう震えていたかも知れない」

サシャ「それは申し訳のないことをしました・・・あれっ?笑ってませんでしたっけ?」

アルミン「最後には。それはねあのとき僕の故郷を見たんだ」

アルミン「もう見れないと思ってたから嬉しくなって」

アルミン「サシャに言いたくて君をみたんだ。そうしたら僕を見て微笑んでくれたよね?」

アルミン「それが故郷をみたことよりもずっと嬉しいなって思ったんだ」

アルミン「怖いなんて思うことはなくってね」

サシャ「私はアルミンの嬉しい顔が嬉しかったのです。それまでずっと張り詰めた顔をしてましたから」

アルミン「じゃあ僕ら一緒にいたほうがいいよね」

サシャ「アルミンはその・・・全然臆病じゃないです」

アルミン「えっ?そうかなー」

アルミン「これからはさ。僕が臆病風に吹かれたら僕はサシャの言ったことを思い出してがんばるよ」

アルミン「それから君の顔も」

サシャ「それなら私は今日のことを。あなたの顔を思い出しましょう」

アルミン「できればそのときは一緒にいてくれたら」

サシャ「いいですね。そうしたら無敵です」

アルミン「もう家に着いたね」

サシャ「ゆっくり来たつもりがあっという間です」

アルミン「じゃまた明日ね」

サシャ「あのー」

アルミン「どうしたの?」

サシャ「今日アルミンが言っていたもうひとつ真似をしたいって何なんですか?」

サシャ「このままでは気になって眠れません」

アルミン「そんなこと言ったっけ・・・あーっ」

サシャ「どうしました?」

アルミン(僕は・・・僕は何てことをしようと思っていたんだ)

アルミン「いや何でもないよ忘れて」

サシャ「いいじゃないですか。やってくださいよ」

アルミン「駄目だよ」

サシャ「どんなことでも怒りませんし笑ったりしませんよ」

アルミン「・・・そこに立ってもらえる」

サシャ「はーい」

アルミン「そのまま動かないでね」

サシャ「はい」

アルミン「あっ目を閉じてもらえる?」

サシャ「はい?」

アルミン「じゃいくよ」

サシャ「えっ?」

・・・

アルミン「じゃっまっまた明日」バタンッ

サシャ「アルミンは・・・勇敢です」

アルミン「ふぅ」

リヴァイ「お前・・・やるじゃねぇか今までの立体機動のテストで最高点だ」

リヴァイ「動きに迷いが減ったな。なにがあった?」

アルミン「えぇそれは・・・」

サシャ「アルミン」

アルミン「あっサシャどうしたの?」

サシャ「アルミンよくやりました。偉いです」ヒョイ

アルミン「うわっちょっと降ろしてよ」

サシャ「あぁごめんなさい」

リヴァイ「もうすぐお前の番だ。遊んでないで準備しろ」

サシャ「はい!」タッタッタ

アルミン「僕は飛んでいるときは無敵だって思うようにしました」

リヴァイ「・・・お前がどう思おうが自由だな。俺には関係なかった」

アルミン「すみません。忘れてください」

アルミン(僕にはまだ怖いことがあって・・・)

アルミン(この生活なんてすぐに壊れてしまうってこと・・・それだけが本当に怖い)

アルミン(僕らは今無敵だと思う。いつかは壊れてしまうって知っているけど)

アルミン(みんながいなくなってでも、きっとみんな普通に生活すると思うんだ)

アルミン(それは正しいんだよね。だってそんな引きずっていてもしかたないし)

アルミン(でも僕は考えたくないよ)

サシャ「どうでした私の華麗なる立体機動は?」

アルミン「あっサシャ終ったの?ごめん見てなかった」

サシャ「ひどい!ひどいです!」

リヴァイ「うるせーぞ。まだ他の奴らは終ってねぇ」

サシャ「すみません」

リヴァイ「ったく。そうだハンジから言伝だ。座学追試だってな」

サシャ「ガーン」

アルミン「まぁまぁ次があるって」

サシャ「次があるから嫌なんですよー」

リヴァイ「あとコニーも追試だ」

サシャ「やった!一人じゃない。それじゃコニーに絶望を与えてきます」

リヴァイ「騒がしい奴だな・・・」

アルミン「ええ。彼女のいいところでもありますが・・・彼女も無敵だと思います」

アルミン(あぁいつか無くなってしまうこの生活でも・・・)

アルミン(無敵を信じて。ただ真上を目指して飛んで月に届くかってくらいの)

アルミン(バカらしさのような強さで)

アルミン「さぁ騒いで・・・今だけは」

コニー「なんでテスト前にそんなこというんだよ!」

サシャ「いいじゃないですか!遅かれ早かれ知ることです!」

コニー「よくねー!」

リヴァイ「・・・あれが無敵か?」

アルミン「うーん。まぁそこそこ無敵かな?」

これで終わりです。ありがとうございました。

このSSまとめへのコメント

このSSまとめにはまだコメントがありません

名前:
コメント:


未完結のSSにコメントをする時は、まだSSの更新がある可能性を考慮してコメントしてください

ScrollBottom